JP5628569B2 - エンジン駆動溶接機 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン駆動溶接機に係り、特に溶接負荷への設定電流に応じて運転条件を制御するエンジン駆動溶接機に関する。
エンジン駆動溶接機は、エンジンにより発電体を駆動することによって発電体で発電し、発電した電力を溶接負荷に供給するものである。
従来、エンジン駆動溶接機では、設定された電流値の溶接電流を供給できるように、エンジン回転数等の運転条件が設定されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のエンジン駆動溶接機は、溶接電流値に対応するエンジン回転数が設定された設定データを有しており、溶接電流値が設定されるとこの設定データからエンジン回転数が取得される。そして、取得したエンジン回転数によりエンジンが作動するように制御される。これにより、特許文献1のエンジン駆動溶接機では、溶接電流値に応じたエンジン回転数でエンジンを作動させることができる。
特開2009−724号公報
ところで、エンジン駆動溶接機では、溶接場所によって溶接ケーブル長が大きく異なるので、長い溶接ケーブルが使用された場合であっても所望の出力が供給できるように出力に余裕を持たせた溶接電源である必要がある。このため、長い溶接ケーブルが使用されることを考慮して、エンジン回転数を高めに設定すると共に、発電体の励磁電流を大きめに設定して溶接電源としての容量を増大させておく必要がある。
また、高地等のように大気条件が平地と比べて良くない場所では、エンジン回転数が低下して出力不足になるおそれがある。このため、このような大気条件で使用されることを考慮して、エンジン回転数を高めに設定しておく必要がある。
さらには、エンジン性能の経年劣化による出力低下を考慮して、出力を高めに設定しておく必要がある。
したがって、特許文献1のエンジン駆動溶接機のように溶接電流値に応じてエンジン回転数が決定されるものにおいては、設置状況や使用環境等によって出力不足にならないように、常に出力に余裕を持たせるように高めのエンジン回転数や励磁電流が設定されていた。このため、従来のエンジン駆動溶接機では、最適な運転条件で作動させることができず、燃料消費が増大してしまうという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、使用状況に応じて最適な運転条件で作動させ、燃料消費効率を良好とすることができるエンジン駆動溶接機を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンにより駆動され発電を行う発電体と、溶接負荷への溶接電流の設定電流値を設定するための電流値設定手段と、設定電流値以上の溶接電流を供給可能なように、エンジン及び発電体を制御する制御部と、発電体からの出力電力を調整して、設定電流値を有する溶接電流を溶接負荷に供給する出力調整器と、を備えたエンジン駆動溶接機において、制御部は、溶接電流の電流値が出力調整器によって設定電流値に維持される範囲内で発電体からの出力電力を低減するように、エンジン及び発電体を制御する出力低減制御を行い、制御部は、発電体の出力電圧値を所定の設定電圧値に設定すると共に、エンジンの回転数を所定の設定回転数に設定し、設定電圧値及び設定回転数を達成するようにエンジン及び前記発電体を制御し、制御部は、出力低減制御において、設定電圧値を小さい値に更新し、制御部は、設定電流値に対して設定可能な発電体の出力電圧値を規定する出力電圧設定データを記憶しており、設定電流値に対して、設定電圧値を、出力電圧設定データに基づいて設定し、出力電圧設定データは、設定電流値に対して設定可能な設定電圧値の範囲が規定されていることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、例えば短い溶接ケーブルが使用された場合には、制御部が、溶接電流値が出力調整器によって設定電流値に維持できる範囲内で発電体からの出力電力を低減するように、エンジン及び発電体を制御する出力低減制御を行うので、所望の溶接電流値を確保しつつ、発電体の出力電力を低減することで装置全体としての出力を低減させることができる。これにより、本発明のエンジン駆動溶接機では、使用条件に応じて適切に発電体及びエンジンを制御することができ、燃料消費効率を向上させることが可能となる。
また、このように構成された本発明によれば、制御部は、設定電流値を確保できる範囲で、発電体の設定電圧値を小さい値に更新することで、装置全体の出力を低減することができる。
また、このように構成された本発明によれば、制御部は、設定電流値が設定されることにより、出力電圧設定データから、設定可能な出力電圧値を容易に設定することができる。
また、本発明において具体的には、出力電圧設定データは、設定電流値に対して設定可能な設定電圧値の範囲が規定されている。
また、本発明において好ましくは、制御部は、出力低減制御において、設定回転数を小さい値に更新する。
また、本発明において好ましくは、制御部は、設定電流値に対して設定可能なエンジンの回転数を規定する回転数設定データを記憶しており、設定電流値に対して、設定回転数を、回転数設定データに基づいて設定する。
このように構成された本発明によれば、制御部は、設定電流値が設定されることにより、回転数設定データから、設定可能なエンジン回転数を容易に設定することができる。
また、本発明において好ましくは、出力調整器は、サイリスタ又はチョッパを含む回路により構成されている。このように構成された本発明によれば、サイリスタ又はチョッパのデューティファクターを調整することにより、発電体の出力電力から取り出す電力の電力取出割合を調整することができる。
また、本発明において具体的には、制御部は、発電体への励磁電流を調整することにより、出力電圧値を制御する。
また、本発明において具体的には、回転数設定データは、設定電流値に対して設定可能な設定回転数値の範囲が規定されている。
また、上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンにより駆動され発電を行う発電体と、溶接負荷への溶接電流の設定電流値を設定するための電流値設定手段と、設定電流値以上の溶接電流を供給可能なように、エンジン及び発電体を制御する制御部と、発電体からの出力電力を調整して、設定電流値を有する溶接電流を溶接負荷に供給する出力調整器と、を備えたエンジン駆動溶接機において、制御部は、溶接電流の電流値が出力調整器によって設定電流値に維持される範囲内で発電体からの出力電力を低減するように、エンジン及び発電体を制御する出力低減制御を行い、出力調整器は、発電体の出力電力から取り出す電力の電力取出割合を調整して、設定電流値を有する溶接電流を溶接負荷に供給し、制御部は、出力低減制御において、電力取出割合を所定閾値以下に維持し、制御部は、出力低減制御において、発電体からの出力電力を低減していった場合に、電力取出割合が所定値、又は所定値とこれよりも小さい第2所定値との間の範囲内に到達した段階で、発電体からの出力電力の低減を停止する
このように構成された本発明によれば、出力低減制御において、設定電流値を確保しつつ、出力調整器での電力取出割合を所定閾値以下に維持することにより、エンジン駆動溶接機の運転条件を、所定の出力余裕を確保することができる最適な運転条件に収束させることができる。
また、出力低減制御において、発電体からの出力電力を低減していくと、設定電流値を確保するため電力取出割合は増加していく。そして、この電力取出割合が所定値又は所定範囲内に到達した段階で発電体からの出力電力の低減を停止することで、エンジン駆動溶接機の運転条件を、所定の出力余裕を確保することができる最適な運転条件に収束させることができる。
また、本発明において好ましくは、電力取出割合の所定値は、90%以下に設定されている。このように構成された本発明によれば、少なくとも10%の出力余裕を確保することで、瞬時の負荷変動に対応することができる。
また、本発明において好ましくは、出力調整器は、サイリスタ又はチョッパを含む回路により構成されている。このように構成された本発明によれば、サイリスタ又はチョッパのデューティファクターを調整することにより、発電体の出力電力から取り出す電力の電力取出割合を調整することができる。
本発明のエンジン駆動溶接機によれば、使用状況に応じて最適な運転条件で作動させ、燃料消費効率を良好にすることができる。
本発明の実施形態によるエンジン駆動溶接機の電気ブロック図である。 本発明の実施形態によるエンジン駆動溶接機の詳細な電気ブロック図である。 本発明の実施形態による出力電圧設定データ及び回転数設定データを表すグラフである。 本発明の実施形態による溶接電圧と溶接電流の特性曲線、及びエンジン回転数と溶接電流の特性曲線を示している。 本発明の実施形態による出力低減制御の処理フローである。 本発明の実施形態による出力調整器のサイリスタの制御説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のエンジン駆動溶接機1は、設置状況,使用環境,経年変化(例えば、溶接ケーブルの長さ,使用場所の標高,エンジン及び発電体の経年劣化等)に応じて、エンジン回転数及び発電体への励磁電流を適正な値に制御することにより、良好な燃料消費効率を達成するものである。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態のエンジン駆動溶接機1の基本構成を説明する。図1に示すように本実施形態のエンジン駆動溶接機1は、エンジン10と、発電体20と、これらを制御する制御装置30とを備えている。
エンジン10は、供給された燃料の燃焼により作動し、出力軸を介して駆動力を発電体20へ伝達する。
発電体20は、エンジン10の出力軸により駆動されるロータと、ステータとを備えており、ステータ内でのロータの回転により発電を行い、発電した電力を制御装置30を介して溶接負荷2へ供給する。
制御装置30は、制御部31と、出力調整器32と、電流検出器33と、電流設定器34と、アクチュエータ35とを備えている。
制御部31は、制御基板上に実現されたマイコンで構成されており、所望の出力電力が得られるようにエンジン10の回転数や発電体20の励磁電流等の制御を行うように構成されている。このため、制御部31は、出力電流制御回路31a、励磁電流調整回路31b、回転数検出回路31c、回転数指示回路31d、電流検出回路31e、電流設定回路31fを備えている。
出力調整器32は、発電体20からの三相交流出力を交流直流変換すると共に、発電出力から取出す電力の割合を調整して所望の電流値を有する溶接電流を生成し、この溶接電流を溶接負荷2へ向けて出力する。制御部31は、溶接出力端子36a(+端子),36b(−端子)を有しており、出力調整器32の出力端子は出力線37a,37bを介して、溶接出力端子36a,36bに接続されている。溶接負荷(被溶接物)2には、これら溶接出力端子36a,36bに接続された溶接ケーブル3を介して溶接電流が供給される。
本実施形態では、出力調整器32は、各相にスイッチング素子(例えばサイリスタ)及びダイオードが配置され、これらが共通の出力線に接続された一般的な構成の整流回路であり、交流電流の周期毎におけるサイリスタのオン時間の割合(デューティファクター)及びタイミングを調整する位相制御により、出力電流の大きさを調整することができる。
なお、出力調整器32を整流回路とチョッパ回路により構成してもよい。この場合、チョッパ回路のオンオフタイミング(デューティファクター)を制御するチョッパ制御により、出力電流の大きさを調整することができる。
電流検出器33は、出力線37bを流れる電流の電流値を検出するための回路であり、検出電流値に対応する検出信号を制御部31へ出力する。
電流設定器34は、作業者が所望の溶接電流値を設定及び入力するためのものであり、例えば回動により設定値を調整可能なボリュームスイッチで構成されている。
アクチュエータ35は、制御部31からの駆動信号に基づいて、エンジン10のスロットルの回動を調整するように構成されている。
また、制御部31を構成する出力電流制御回路31aは、電流設定器34で設定された設定電流値を有する溶接電流が出力調整器32から出力されるように、出力調整器32のデューティファクターを制御する。
励磁電流調整回路31bは、所望の出力電圧が得られるように発電体20へ出力する励磁電流を制御する。
回転数検出回路31cは、発電体20の発電電圧波形からエンジン10の回転数を検出する。
回転数指示回路31dは、所望の回転数でエンジン10が回転するように、アクチュエータ35に駆動信号を出力する。
電流検出回路31eは、電流検出器33で検出された検出値から出力線37bを流れる電流の電流値を検出する。
電流設定回路31fは、電流設定器34で設定された溶接電流値を読み取るものである。
図2は、本実施形態のエンジン駆動溶接機1のより具体的な構成図を示している。
本実施形態の発電体20は、ブラシレス方式の発電体であり、第1ステータ21と、第2ステータ22とを有している。第1ステータ21は、励磁巻線21aと、溶接負荷用の溶接巻線21bと、電動工具等の電気負荷用の発電巻線21cを有している。また、第2ステータ22は界磁巻線22aを有しており、界磁巻線22aは励磁巻線21aからの励磁電流により磁化され、ロータ(図示せず)の界磁を誘発する。
発電体20の動作を簡単に説明すると、エンジン10がスタートすると、励磁電流調整回路41に接続されているセル用バッテリー(図示しない)からの電流が第2ステータ22の界磁巻線22aに流れ(初期励磁)、界磁巻線22aが誘起する磁束をロータの励磁巻線(図示せず)が切ることにより発電され、発電された交流電圧を整流した直流電流がロータ内の界磁巻線(図示せず)に供給されることでロータの一部が界磁極になる。そして、界磁されたロータが回転することで、第1ステータ21の励磁巻線21aが更に増磁され、後述する制御部31の整流回路42で交流励磁電流が直流に変換され、励磁電流調整回路41を通じて第2ステータ22の界磁巻線22aを更に励磁する。この繰り返しにより、初期の溶接巻線21b及び発電巻線21cの電圧が確立される。
制御装置30は、励磁電流調整回路41、整流回路42、回転数検出回路43、サイリスタ駆動回路44、発電電圧検出回路45、電流検出回路46、アクチュエータドライバ回路47、CPU50を有している。
電流検出回路46は、電流検出器33からの電流検出信号を受け、この電流検出信号をCPU50のA/D変換器54に出力する。
発電電圧検出回路45は、発電巻線21cで発生された電圧の検出信号を受け、この電圧検出信号をCPU50のA/D変換器54に出力する。本実施形態では、発電巻線21cからの電圧検出信号(発電電圧検出信号)を取得している。そして、CPU50は、励磁と相関関係にある発電電圧検出信号に基づいて、励磁を制御している。なお、励磁を制御するために、励磁電流を直接計測するように構成してもよい。
サイリスタ駆動回路44は、出力調整器32のサイリスタのオンオフ動作を制御する。
回転数検出回路43は、発電巻線21cで発生された電圧の電圧波形に基づいて実測回転数NLを算出する。なお、エンジン10の出力軸に回転数検出センサを別途設けて、この回転数検出センサからの検出信号に基づいてエンジン10の回転数を直接検出するように構成してもよい。
整流回路42は、励磁巻線21aからの励磁電流を整流する。
励磁電流調整回路41は、CPU50からの制御信号に基づいて、整流回路42からの直流電流を用いて発電体20の界磁巻線22aへ送られる励磁電流の大きさを調整する。
アクチュエータドライバ回路47は、CPU50からの制御信号に基づいて、エンジン10の回転数を調整するアクチュエータ35に駆動信号を出力する。
CPU50は、電流使用率演算回路51、電流制御演算回路52、溶接電流演算回路53、A/D変換器54、発電電圧演算回路55、設定電流演算回路56、発電電圧制御演算回路57、回転数制御演算回路58、パラメータ演算回路59を有している。
A/D変換器54は、電流検出回路46からのアナログ信号である電流検出信号,発電電圧検出回路45からのアナログ信号である電圧検出信号,電流設定器34からのアナログ信号である設定電流値を受け取り、これらをデジタル変換して、それぞれデジタル信号に変換する。
溶接電流演算回路53は、A/D変換器54からデジタル信号である電流検出信号を受け取り、これから実測電流値ILを算出する。
発電電圧演算回路55は、A/D変換器54からデジタル信号である電圧検出信号を受け取り、これから実測電圧値VLを算出する。
設定電流演算回路56は、A/D変換器54からデジタル信号である設定電流値を受け取り、これから設定電流値Irを算出する。また、設定電流演算回路56は、メモリに記憶された出力電圧設定データ及び回転数設定データに基づいて、設定電流値Ir,エンジン出力係数Ka及び負荷係数KLをパラメータとして、設定電圧値Vr,設定回転数Nrを決定し、これらをそれぞれ発電電圧制御演算回路57,回転数制御演算回路58へ出力する。
なお、エンジン出力係数Kaと負荷係数KLは、起動時には設定電流演算回路56が初期値として記憶していたものが用いられ、その後はパラメータ演算回路59から受け取った更新値が用いられる。
電流制御演算回路52は、溶接電流演算回路53から実測電流値ILを受け取り、設定電流演算回路56から設定電流値Irを受け取り、これらの差を表す信号(差信号)をパラメータ演算回路59に出力すると共に、実測電流値ILが設定電流値Irに等しくなるように、サイリスタ駆動回路44に位相制御信号(点弧角信号)を出力する。この位相制御信号により、出力調整器32内のサイリスタの点弧角αが調整されることでデューティファクターが制御され、これにより、実測電流値ILが設定電流値Irに等しくなるように制御される。また、電流制御演算回路52は、点弧角αに関する信号をパラメータ演算回路59へ出力する。
電流使用率演算回路51は、電流制御演算回路52から点弧角αに関する信号を受け取り、電流使用率を算出する。この電流使用率は、溶接巻線21bから出力調整器32へ入力した電力(電流)に対する、出力調整器32から溶接負荷2へ出力される電力(電流)の割合である。例えば、点弧角αがゼロ度(α=0°)の場合に電流使用率は100%となり、点弧角αが180度(α=180°)の場合に電流使用率は0%となる。
発電電圧制御演算回路57は、発電電圧演算回路55から実測電圧値VLを受け取り、設定電流演算回路56から設定電圧値Vrを受け取り、これらの差を表す信号(差信号)をパラメータ演算回路59に出力すると共に、実測電圧値VLが設定電圧値Vrに等しくなるように、励磁電流調整回路41に励磁電流制御信号を出力する。この励磁電流制御信号により、界磁巻線22aへの励磁電流が調整され、実測電圧値VLが設定電圧値Vrに等しくなるように制御される。
なお、発電電圧制御演算回路57は、さらに電流使用率演算回路51から電流使用率を受け取っており、電流使用率に応じて、励磁電流制御信号を生成する。
回転数制御演算回路58は、回転数検出回路43から実測回転数NLを受け取り、設定電流演算回路56から設定回転数Nrを受け取り、これらの差を表す信号(差信号)をパラメータ演算回路59に出力すると共に、実測回転数NLが設定回転数Nrに等しくなるように、アクチュエータドライバ回路47に回転制御信号を出力する。この回転制御信号により、アクチュエータドライバ回路47がアクチュエータ35を駆動することにより、エンジン10の回転数が調整され、実測回転数NLが設定回転数Nrに等しくなるように制御される。
パラメータ演算回路59は、電流制御演算回路52から実測電流値ILと設定電流値Irの差信号と点弧角αを表す信号を受け取り、発電電圧制御演算回路57から実測電圧値VLと設定電圧値Vrの差信号を受け取り、回転数制御演算回路58から実測回転数NLと設定回転数Nrの差信号を受け取り、これらの差信号等に基づいて、エンジン10の回転数及び発電体20の出力電圧を調整するために、後述する出力低減制御においてエンジン出力係数Kaと負荷係数KLを更新し、これら係数を設定電流演算回路56へ出力する。なお、本実施形態では、係数Ka,KLは、それぞれレベル1からレベル5までの5つの段階のみを表すものである。
なお、図1の出力電流制御回路31aは、図2では電流制御演算回路52及びサイリスタ駆動回路44に相当し、励磁電流調整回路31bは発電電圧制御演算回路57及び励磁電流調整回路41に相当し、回転数検出回路31cは回転数検出回路43に相当し、回転数指示回路31dは回転数制御演算回路58及びアクチュエータドライバ回路47に相当し、電流検出回路31eは電流検出回路46,A/D変換器54及び溶接電流演算回路53に相当し、電流設定回路31fはA/D変換器54及び設定電流演算回路56に相当する。
図3を参照して、出力電圧設定データ(図3(A))及び回転数設定データ(図3(B))を説明する。
図3(A)に示されているように、出力電圧設定データは、所定の溶接電流範囲内の設定電流値Irに対する発電体20の出力電圧値(すなわち、設定電圧値Vr)の関係を規定する負荷係数曲線である。
この負荷係数曲線は、溶接負荷係数KLに応じて、設定電流値Irに対して設定可能な設定電圧値Vrの範囲を規定している。負荷係数KLは、最大値KL(Max)から最小値KL(Min)の範囲で設定可能である。したがって、設定電流値Ir及び設定された負荷係数KLに応じて、出力電圧設定データにより設定電圧値Vrが決定される。
また、図3(B)に示されているように、回転数設定データは、所定の使用可能な回転数範囲内において、設定電流値Irに対して設定可能なエンジン10の回転数(すなわち、設定回転数Nr)の関係を規定する係数曲線である。
この係数曲線は、エンジン出力係数Kaと溶接負荷係数KLの和(Ka+KL)に応じて、設定電流値Irに対して設定可能な設定回転数Nrの範囲を規定している。エンジン出力係数Kaと溶接負荷係数KLの和は、最大値Ka+KL(Max)から最小値Ka+KL(Min)の範囲で設定可能である。したがって、設定電流値Ir及び設定された係数の和Ka+KLに応じて、回転数設定データにより設定回転数Nrが決定される。
なお、本実施形態では負荷係数KL及びエンジン出力係数Kaはそれぞれ5段階で設定されているが(すなわち、例えば図3(A)では、KL(Max)とKL(Min)に対応する曲線の間に規定されている3本の曲線の図示が省略されている)、これに限らず、段階数を増やすことにより、実質的に無段階で設定できるように構成してもよい。
次に、図4を参照して、本実施形態のエンジン駆動溶接機1の出力低減制御について説明する。
図4(A)は溶接電圧と溶接電流の特性曲線を示しており、図4(B)は回転数と溶接電流の特性曲線を示している。
図4(A)に示されているように、本実施形態では、電圧電流特性曲線(例えばP0,P1,P2)が、設定電流値Irで定電流となる定電流特性を有するように出力調整器32が電流出力を調整するように構成されている。すなわち、本実施形態では、制御部31は、少なくとも設定電流値以上の溶接電流を供給可能なように、エンジン10及び発電体20を制御しており、出力調整器32が点弧角αの大きさを調整して出力を絞ることで、実測電流値ILが設定電流値Irに一致するように制御される。
3本の特性曲線P0,P1,P2は、それぞれエンジン10を始動した直後の特性曲線、短いケーブル長の溶接ケーブルに最適化させた特性曲線(出力余裕10%)、短いケーブル長の溶接ケーブルに適合させた特性曲線(出力余裕0%)である。
また、2本の負荷線L0,L1は、それぞれ長いケーブル長の溶接ケーブルが用いられた場合の負荷線、短いケーブル長のケーブルが用いられた場合の負荷線である。
また、図4(B)の2本の回転数電流特性曲線Q0,Q1は、それぞれエンジン10を始動した直後の特性曲線、短いケーブル長の溶接ケーブルに最適化させた特性曲線(出力余裕10%)であり、それぞれ図4(A)の特性曲線P0,P1に対応している。
本実施形態では、エンジン10が始動された際には、従来と同様に、例えば長いケーブル長の溶接ケーブルが接続された場合でも出力不足とならないように、出力に余裕を持たせた状態で運転される。図4(A)の例では、長い溶接ケーブルが使用された場合であっても、その負荷線L0が特性曲線P0の定電流特性部分(設定電流値Ir)と交差することから、出力にある程度余裕があることが分かる。このときサイリスタの点弧角αは所定値(正の値)になっている。
しかしながら、短いケーブル長の溶接ケーブルが使用された場合には、負荷線L1が特性曲線P0の定電流部分の中央付近で交差することから、出力に余裕があり過ぎることが分かる。このときサイリスタの点弧角αはかなり大きな値となるから、発電体20によって発電された電力が使用される割合は低く、燃料消費効率が良好でない状態となる。
本実施形態のエンジン駆動溶接機1では、このような燃料消費効率の悪い運転状態を改善すべく、エンジン10に対するスロットルの回動角度を緩めて回転数を低減すると共に、発電体20に対する励磁電流を低減する出力低減制御が行われる。これにより、溶接電圧(出力電圧)が低下して特性曲線がP0からP1に向けて徐々に変更されると共に、エンジン回転数も特性曲線がQ0からQ1に向けて徐々に変更される。
この出力低減制御では、エンジン10の始動直後には特性曲線P0に設定されているため、サイリスタの点弧角αが大きな値になっているので、負荷係数KLを更新することにより、エンジン回転数及び励磁電流を徐々に小さくする。すなわち、設定回転数及び設定電圧値が徐々に小さな値に更新される。
これにより、出力が徐々に低減されるので、出力調整器32で出力電流を低減する割合が小さくてよくなり、これにより点弧角αが小さくなっていく。さらに出力を低減していくと、点弧角αが出力余裕10%に相当する角度まで小さくなるので、この時点で設定回転数及び設定電圧値の更新(すなわち、負荷係数KLの更新)が終了される。これにより、図4(A)の特性曲線はP0からP1に徐々に変更され、図4(B)の特性曲線はQ0からQ1に徐々に変更される。なお、10%の出力余裕分は、瞬時変動に対応するためのものであり、このような変動時には点弧角αをゼロ度までの間で調整することができる。
本実施形態のエンジン駆動溶接機1では、以上のようにして出力を低減することにより、設置状況や使用環境に応じて、エンジン回転数及び発電体への励磁電流を適正な値に制御することができ、これより、良好な燃料消費効率を達成することが可能となる。
なお、特性曲線P1の状態から更に設定回転数及び設定電圧値を徐々に小さな値に更新して出力を低減すると、終には点弧角αはゼロになる。このとき特性曲線はP2となる。そして、さらに出力が低減されると、もはや点弧角αの調整によっては設定電流値Irを保持できなくなり、出力電流値が設定電流値Irを下回ることになる。
次に、図5を参照して、本実施形態の出力低減制御の制御処理フローについて説明する。この処理フローは、エンジン駆動溶接機1の運転中に制御部31によって所定時間毎に繰り返し行われる。
まず、出力低減制御では、CPU50(設定電流演算回路56)は、作業者が電流設定器34に設定した設定電流値Irを読み込む(ステップS1)。
次いで、CPU50(設定電流演算回路56)は、設定されているエンジン出力係数Ka及び負荷係数KLと、読み込んだ設定電流値Irを用いて、出力電圧設定データ(図3(A))及び回転数設定データ(図3(B))から、設定電圧値Vr及び設定回転数Nrを決定する(ステップS2)。このとき、設定電流演算回路56は、設定電圧値Vr,設定回転数Nr,設定電流値Irを、それぞれ発電電圧制御演算回路57,回転数制御演算回路58,電流制御演算回路52へ出力する。
なお、エンジン10の運転開始時には、負荷係数KLは最大値KL(Max)に設定され、これにより運転開始当初の出力に余裕を持たせている。また、エンジン出力係数Kaも運転開始時にはエンジン回転数に余裕があるように設定されている。
ステップS3では、CPU50(電流制御演算回路52)は、電流検出器33の検出信号に基づいて実測電流値ILを算出し、この実測電流値ILに基づいて溶接負荷2があるか否かを判定する(ステップS3)。この処理では、実測電流値ILが所定の値を超えていれば溶接負荷2に溶接電流が供給されているので、溶接負荷2があると判定される。
溶接負荷2がない場合(ステップS3;No)はステップS1に戻るが、溶接負荷2がある場合(ステップS3;Yes)はステップS4へ進む。
ステップS4では、CPU50(電流制御演算回路52,発電電圧制御演算回路57,回転数制御演算回路58)は、実測電流値IL,実測電圧値VL,実測回転数NLを読み込み、ステップS5へ進む。
ステップS5では、CPU50(電流制御演算回路52)は、実測電流値ILと設定電流値Irを比較して、実測電流値ILが設定電流値Ir以上であるか否かを判定し(ステップS5)、実測電流値ILが設定電流値Ir以上である場合(ステップS5;Yes)はステップS6へ進み、一方、実測電流値ILが設定電流値Ir以上でない場合(ステップS5;No)はステップS10へ進む。また、電流制御演算回路52は、実測電流値ILと設定電流値Irの差信号をパラメータ演算回路59へ出力する。
ステップS10が実行されるのは、実測電流値ILが設定電流値Irよりも小さく、溶接電流が設定値に達していない場合であり、これは溶接開始時で負荷が安定しない過渡期である。
ステップS10では、CPU50(発電電圧制御演算回路57)は、実測電圧値VLと設定電圧値Vrを比較して、実測電圧値VLが設定電圧値Vr以上であるか否かを判定し(ステップS10)、実測電圧値VLが設定電圧値Vr以上である場合(ステップS10;Yes)はステップS11へ進み、一方、実測電圧値VLが設定電圧値Vr以上でない場合は(ステップS10;No)は溶接開始時で負荷が安定しない過渡期であるのでステップS1へ戻る。また、発電電圧制御演算回路57は、実測電圧値VLと設定電圧値Vrの差信号をパラメータ演算回路59へ出力する。
ステップS11では、CPU50(回転数制御演算回路58)は、実測回転数NLと設定回転数Nrを比較して、実測回転数NLが設定回転数Nr以上であるか否かを判定し(ステップS11)、実測回転数NLが設定回転数Nr以上である場合(ステップS11;Yes)はステップS12へ進み、一方、実測回転数NLが設定回転数Nr以上でない場合は(ステップS11;No)は溶接開始時で負荷が安定しない過渡期であるのでステップS1へ戻る。また、回転数制御演算回路58は、実測回転数NLと設定回転数Nrの差信号をパラメータ演算回路59へ出力する。
ステップS12が実行されるのは、実測電流値ILは設定電流値Irよりも小さいが、実測電圧値VLは設定電圧値Vr以上であり、且つ、実測回転数NLは設定回転数Nr以上であり、溶接電流値のみ設定値に達していないが、出力電圧値及びエンジン回転数は設定値を達成している状態である。
この場合、電流制御演算回路52は、既に、出力低減制御とは別に、実測電流値ILを設定電流値Irに一致させるべく、出力調整器32のサイリスタの点弧角調整を最大限に実行して最大の出力電流が得られるように、点弧角αをゼロに設定している。
したがって、ステップS12が実行されるのは、溶接負荷に対して、設定電圧及び設定回転数が一時的に低めに設定された状態となった出力不足状態であり、CPU50(パラメータ演算回路59)は負荷係数KLを複数段階大きくして(ステップS12)、ステップS1へ戻る。ステップS12で負荷係数KLが複数段階大きく設定更新されることにより、設定電圧値Vr及び設定回転数Nrが更新前と比べて大きな値に設定される。これにより、励磁電流値が大きくなると共に、エンジン回転数が増大するので、出力が直ちに上昇する。
なお、ステップS12が実行されるのは、溶接作業中に溶接棒の手振れや、溶接棒の変更時に、溶接電流が設定値よりも不足した場合である。したがって、この場合は、瞬時に負荷係数KLを大きくすることで、励磁電流を大きくして溶接電源容量を増大させることで溶接電流を保持すると共に、励磁電流の増大によりエンジン回転数が低下するおそれがあるので、エンジン回転数を増加させている。
一方、ステップS6が実行されるのは、実測電流値ILが設定電流値Ir以上であり、溶接電流が設定値に達している場合であり、これは溶接作業を実行できる程度以上にエンジン駆動溶接機1から出力が得られている状態である。
ステップS6では、CPU50(発電電圧制御演算回路57)は、実測電圧値VLと設定電圧値Vrを比較して、実測電圧値VLが設定電圧値Vr以上であるか否かを判定し(ステップS6)、実測電圧値VLが設定電圧値Vr以上である場合(ステップS6;Yes)はステップS7へ進み、一方、実測電圧値VLが設定電圧値Vr以上でない場合は(ステップS6;No)は溶接開始から安定期に移行するまでの過渡期であるのでステップS1へ戻る。また、発電電圧制御演算回路57は、実測電圧値VLと設定電圧値Vrの差信号をパラメータ演算回路59へ出力する。
ステップS7では、CPU50(回転数制御演算回路58)は、実測回転数NLと設定回転数Nrを比較して、実測回転数NLが設定回転数Nr以上であるか否かを判定し(ステップS7)、実測回転数NLが設定回転数Nr以上である場合(ステップS7;Yes)はステップS8へ進み、一方、実測回転数NLが設定回転数Nr以上でない場合は(ステップS7;No)はステップS9へ進む。また、回転数制御演算回路58は、実測回転数NLと設定回転数Nrの差信号をパラメータ演算回路59へ出力する。
ステップS8が実行されるのは、実測電流値IL,実測電圧値VL,実測回転数NLがすべて設定値に達している状態である。したがって、このときの運転状態では出力がほぼ適正若しくは過大になっている。よって、CPU50(パラメータ演算回路59)は、サイリスタの点弧角αに応じて、負荷係数KLを新しい値に更新し又は更新せず(ステップS8)、ステップS1へ戻る。
ステップS8では、点弧角αが後述する所定角度範囲(下限値αL〜上限値αH)よりも大きい場合には、出力余裕が過大である状態であるので(本例では、例えば出力余裕が30%超)、負荷係数KLを1段階小さく更新する。これにより、設定電圧値Vr及び設定回転数Nrが小さい値に再設定されるので、励磁電流値が小さくなり、エンジン回転数が低下する。
また、ステップS8では、点弧角αが所定角度範囲内である場合には、出力余裕が適正な状態であるので(本例では、例えば出力余裕が10%〜30%)、負荷係数KLを同じ値に更新する。これにより、出力が適正な状態が維持される。
一方、ステップS8では、点弧角αが所定角度範囲よりも小さい場合には、出力余裕が小さい状態であるので(本例では、例えば出力余裕が10%未満)、負荷係数KLを1段階大きく更新する。これにより、設定電圧値Vr及び設定回転数Nrが大きい値に再設定されるので、出力が増大する。
なお、溶接を休止した場合には、休止前に使用されていた負荷係数KL及びエンジン出力係数Kaはメモリに保持されるが、エンジンが停止された場合には、これら係数は初期値にリセットされる。
ここで図6を参照して、点弧角αについて説明する。図6は、出力調整器32内のある1相に流れる交流電流の半周期分の時間変化を、サイリスタの点弧角αと共に示している。この場合、電気角で点弧角α以降のタイミングの交流電力部分が溶接負荷2へ供給されるので、発電体20による交流出力電力から取出される電力割合若しくは電流割合が調整される。本実施形態では、点弧角αが所定の下限値αL(所定閾値)と上限値αH(第2所定閾値)の間の範囲に保持されるように、パラメータ演算回路59により負荷係数KL及びエンジン出力係数Kaが設定される(ステップS8)。
再び、図5の処理フローに戻ると、出力に余裕がある場合(負荷係数KLが最適値よりも大きい場合)は、点弧角αが上限値αHよりも大きい状態となる。このときステップS8で負荷係数KLを小さな値に更新しつつステップS1〜S8の処理を繰り返していくと、設定電圧値Vr及び設定回転数Nrが小さな値に更新されていくので、出力が徐々に小さくなる。一方、電流制御演算回路52は、実測電流値ILを設定電流値Irに一致させるようにサイリスタの点弧角αを自動的に調整するので、出力が徐々に小さくなるのに伴って、点弧角αが上限値αHに近づいていく。
さらに、負荷係数KLが小さな値に更新されると、点弧角αが上限値αHと下限値αLの間まで移動する。これにより、点弧角αを更にゼロ度まで調整する余裕を残した状態で、負荷係数KLの更新が停止されるか、又は、負荷係数KLが同じ値に更新される。このとき、図4の特性曲線は初期のP0及びQ0から最適化後のP1及びQ1に達している。そして、このときの点弧角αが出力余裕に相当し、本実施形態では、下限値αL,上限値αHが、それぞれ出力余裕10%,30%(電力取出割合で90%,70%)に相当する角度に設定されている。したがって、負荷係数KLが最適値に設定されたときには、発電体2による発電電力のうち溶接負荷2へ供給される取出電力の割合は90%以下となり、少なくとも10%の出力余裕が確保される。なお、少なくとも10%の出力余裕が確保するために、下限値αLを少なくとも出力余裕10%に相当する値よりも大きな値に設定してもよい。
なお、最適値である負荷係数KLを更に1段階小さく更新した場合には、点弧角αが下限値αLを超えて下限値αLよりもゼロ度側に位置することになるおそれがあるので、本実施形態では、点弧角αが上限値αHを超えて上限値αHと下限値αLの間に入った時点で、負荷係数KLの更新を停止している。
しかしながら、負荷係数KLが小さく更新されたことにより、点弧角αが下限値αLよりも小さくなった場合は、ステップS8が更に実行されることにより、負荷係数KLが大きな値に更新される。このようにして、点弧角αが上限値αHと下限値αLの間に位置するように、負荷係数KLの更新が繰り返される。
なお、本実施形態では、負荷係数KLが数段階(5段階)で調整可能であるので、上限値αH及び下限値αLによる角度範囲を設ける必要があるが、これに限らず、負荷係数KLを無段階で調整可能とすれば、点弧角αを所望の角度に一致させるように制御することが可能であるので、最適化して収束させる点弧角度(出力余裕10%に相当)のみを設定すればよい。
一方、ステップS9が実行されるのは、実測電流値IL及び実測電圧値VLは設定値に達しているが、実測回転数NLが設定値に達していない状態である。これは、例えば、作業場所が気圧の低い高地である場合やエンジンの老朽化によりエンジン出力が不足気味である場合である。したがって、この場合は、CPU50(パラメータ演算回路59)は、エンジン出力係数Kaを1段階大きく更新し(ステップS9)、ステップS1へ戻る。エンジン出力係数Kaが大きな値に更新されることにより、エンジン10のスロットルの回動角度が大きくなるので、回転数が上昇し、実測回転数NLが設定値に達するように大きくなる。
以上のように、本実施形態のエンジン駆動溶接機1では、作業者が電流設定器34で所望の溶接電流値(設定電流値Ir)をセットするだけで、溶接負荷時の使用条件が自動的にセッティングされると共に、エンジン回転数も最適な低い回転数に調整されるため、不要な燃料消費を抑制することができる。より詳しくは、本実施形態では、溶接電源容量が最適条件(本例では、必要とする溶接電流の少なくとも10%を更に出力できる状態)になるように、励磁電流及びエンジン回転数が自動セッティングされる。したがって、本実施形態のエンジン駆動溶接機1では、不要な燃料消費を抑制できることに加えて、騒音の抑制することができると共に、エンジン10や発電体20の耐久性を向上させることができる。
1 エンジン駆動溶接機
2 溶接負荷
3 溶接ケーブル
10 エンジン
20 発電体
30 制御装置
31 制御部
32 出力調整器
33 電流検出器
34 電流設定器(電流値設定手段)
35 アクチュエータ
36a,36b 溶接出力端子
37a,37b 出力線

Claims (9)

  1. エンジンと、
    このエンジンにより駆動され発電を行う発電体と、
    溶接負荷への溶接電流の設定電流値を設定するための電流値設定手段と、
    前記設定電流値以上の溶接電流を供給可能なように、前記エンジン及び前記発電体を制御する制御部と、
    前記発電体からの出力電力を調整して、前記設定電流値を有する溶接電流を溶接負荷に供給する出力調整器と、を備えたエンジン駆動溶接機において、
    前記制御部は、前記溶接電流の電流値が前記出力調整器によって前記設定電流値に維持される範囲内で前記発電体からの出力電力を低減するように、前記エンジン及び前記発電体を制御する出力低減制御を行い、
    前記制御部は、前記発電体の出力電圧値を所定の設定電圧値に設定すると共に、前記エンジンの回転数を所定の設定回転数に設定し、前記設定電圧値及び前記設定回転数を達成するように前記エンジン及び前記発電体を制御し、
    前記制御部は、前記出力低減制御において、前記設定電圧値を小さい値に更新し、
    前記制御部は、前記設定電流値に対して設定可能な前記発電体の出力電圧値を規定する出力電圧設定データを記憶しており、前記設定電流値に対して、前記設定電圧値を、前記出力電圧設定データに基づいて設定し、
    前記出力電圧設定データは、設定電流値に対して設定可能な設定電圧値の範囲が規定されていることを特徴とするエンジン駆動溶接機。
  2. 記制御部は、前記出力低減制御において、前記設定回転数を小さい値に更新することを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動溶接機。
  3. 前記制御部は、前記設定電値に対して設定可能な前記エンジンの回転数を規定する回転数設定データを記憶しており、前記設定電流値に対して、前記設定回転数を、前記回転数設定データに基づいて設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン駆動溶接機。
  4. 前記出力調整器は、サイリスタ又はチョッパを含む回路により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動溶接機。
  5. 前記制御部は、前記発電体への励磁電流を調整することにより、前記出力電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動溶接機。
  6. 前記回転数設定データは、設定電流値に対して設定可能な設定回転数値の範囲が規定されていることを特徴とする請求項に記載のエンジン駆動溶接機。
  7. エンジンと、
    このエンジンにより駆動され発電を行う発電体と、
    溶接負荷への溶接電流の設定電流値を設定するための電流値設定手段と、
    前記設定電流値以上の溶接電流を供給可能なように、前記エンジン及び前記発電体を制御する制御部と、
    前記発電体からの出力電力を調整して、前記設定電流値を有する溶接電流を溶接負荷に供給する出力調整器と、を備えたエンジン駆動溶接機において、
    前記制御部は、前記溶接電流の電流値が前記出力調整器によって前記設定電流値に維持される範囲内で前記発電体からの出力電力を低減するように、前記エンジン及び前記発電体を制御する出力低減制御を行い、
    前記出力調整器は、前記発電体の出力電力から取り出す電力の電力取出割合を調整して、前記設定電流値を有する溶接電流を溶接負荷に供給し、
    前記制御部は、前記出力低減制御において、前記電力取出割合を所定閾値以下に維持し、
    前記制御部は、前記出力低減制御において、前記発電体からの出力電力を低減していった場合に、前記電力取出割合が前記所定閾値、又は前記所定閾値とこれよりも小さい第2所定閾値との間の範囲内に到達した段階で、前記発電体からの出力電力の低減を停止することを特徴とするエンジン駆動溶接機。
  8. 前記電力取出割合の所定閾値は、90%以下に設定されていることを特徴とする請求項に記載のエンジン駆動溶接機。
  9. 前記出力調整器は、サイリスタ又はチョッパを含む回路により構成されていることを特徴とする請求項に記載のエンジン駆動溶接機。
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