JP5627810B1 - 鋼管杭用の継手付杭先の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この鋼管杭に杭先を取り付けるには、従来溶接によって杭先を鋼管杭に取り付けるようにしていた(非特許文献1)。
しかしながら、杭先の螺旋羽根は、鋼管杭の3〜3.5倍ほどの直径を有する大きなものであるので、鋼管杭の先端にこの杭先を取り付けたものは、螺旋羽根が外方に突出し、荷姿が悪く、複数本を束ねるのが厄介であり、施工現場まで運搬するのが極めて厄介であった。また、杭先を溶接により鋼管杭の先端に固定するのは、芯ずれなどが生じ、精度よく固定するのが困難であった。
また、鋳造によって製造される杭先の場合、溶接によって鋼管杭に取り付ける必要上、杭先の材質として、溶接用に好適な鋳鋼(SC480)が用いられる。その他の材質、例えば鋳鉄を用いると、溶接が困難であるからである。
このように、従来、鋳鋼により杭先を鋳造するには、セラミックシェルの調整が厄介であるばかりか、鋳造の際、セラミックシェルをあらかじめ高温に加熱しなければならないという不具合があった。
すなわち、本発明に係る鋼管杭用の継手付杭先の製造方法は、本体部外周に螺旋羽根を有する杭先部の前記本体部に、鋼管杭接続用の継手部が、前記本体部および前記螺旋羽根と共に鋳造により一体に形成された鋼管杭用の継手付杭先であって、前記継手部が、外筒と、該外筒の内側に、該外筒の端部側から接続すべき鋼管杭の端部を挿入しうる間隔をおいて、連結壁により連結された内筒と、前記外筒の筒体部に、周方向に所定間隔をおいて複数設けられた固定ピン挿入用の貫通孔と、該貫通孔に対向する前記内筒の外周面に設けられた凹部と、前記内筒内を横切って設けられ、前記各凹部の底壁を内側から受ける支持部を具備する鋼管杭用の継手付杭先の製造方法において、樹脂材料により形成され、前記継手付杭先における前記継手部であって前記貫通孔を有しない継手部の形状に相当する形状を有する割型と、樹脂材料により形成され、前記鋼管杭用の継手付杭先における前記杭先部を周方向に複数に割った形状に相当する複数の割型とを突き合わせて接着して、前記貫通孔を有しない前記継手付杭先の形状を有する消失型を形成し、該消失型を鋳砂内に埋没させ、消失型に相当する部位に溶湯を注湯し、消失型を消失置換させることにより、消失型形状の鋳造品を形成し、該鋳造品に前記貫通孔を形成することを特徴とする。
鋳造材に球状黒鉛鋳鉄を用いると好適である。
図1は鋼管杭用の継手付杭先(以下単に杭先ということがある)10の斜視図、図2はその継手部8の横断面図、図3は継手部8の縦断面図である。
杭先10は、杭先部6と継手部8とを有する。
杭先部6は、公知の構造のものでよく、筒状の本体部4の外周に螺旋羽根5が形成されてなる。螺旋羽根5は、一条のもの、二条のものなど、いずれでもよい。本体部4の下端には地盤掘削用のビット3が形成されている。
本実施の形態に係る杭先10は、鋳造により、杭先部6の本体部4上端部に継手部8が一体に形成されて杭先10に構成されている。
継手部8は外筒12と、この外筒12の内側に、外筒12の端部側から接続すべき鋼管杭14の端部を挿入しうる間隔(空間部)15をおいて、連結壁16により連結された内筒18との二重筒状をなす。
各貫通孔に対向する内筒18の外周面には凹部21が設けられている。
なお、貫通孔20は筒体部12aに4個とは限らず、6個あるいは8個などの偶数個設けるようにすればよい。
貫通孔20が筒体部12aに6個設けられるときは、支持部24は6枚の板状体が60°ずつの角度で交差する形態に設けられ、貫通孔20が8個設けられるときは、支持部24は8枚の板状体が45°ずつの角度で交差する形態に設けられる。したがって、いずれの場合も、180°反対側に位置する凹部21の底部は、直径方向に横切る板状体によって受けられることになる。
継手部8は上記のように構成されている。
本実施の形態では、図4に示すような、発泡スチロールのような樹脂材料による消失型30を用いて、杭先10を一体に鋳造する。
消失型30は、貫通孔を除いて、杭先10と同一構造をなす型であり、杭先10と同一の部分は同一の符号を用いている。
図5は、割型31の断面図であり、貫通孔20を除いて、継手部8の構造と同一である。
図6は、割型33a、33bの割構造の一例を示す説明図である。
この消失型30を鋳砂内に埋没させ、この消失型30の部位に溶湯を注湯し、消失型30を消失置換させることにより、消失型30と同一形状の鋳造品(杭先10)を得ることができる。
本実施の形態では、上記のような消失型30を用いることによって、かつ鋳鉄を用いることによって、薄肉の螺旋羽根5を有する杭先部6と継手部8の一体構造の、かつ軽量の杭先10を鋳造により容易かつ精度よく製造することができる。
まずかしめ治具32について図7により説明する。
かしめ治具32は、平面形状がほぼU字状をなす本体部34と、この本体部34に着脱自在に設けられるアクチュエータ36とを有する。
本体部34は、継手10の外筒12を覆うようにして外筒12に装着可能、かつ外筒12の軸線と直交する方向に移動可能となっている。本体部34の側壁の上縁および下縁に内方に突出するフランジ部37、38が形成されていて、フランジ部37が外筒12の上端面に当接して、かしめ治具34の下方(軸線方向)への落下(移動)を防止すると共に、軸線方向と直交する方向への本体部34の移動をガイドするようになっている。
また、本体部34のU字の解放端側に、アクチュエータ部36を着脱可能に係止する係止部44が設けられている。係止部44は、本体部34のU字の両端側に、アクチュエータ部36を上方から抜き差し可能なフック形状に形成されている。
なお、アクチュエータ部36が本体部34に装着される際、アクチュエータ部36の下面がフランジ部38の上面に当接することにより、アクチュエータ部36の高さ方向の位置決めがされ、突部52の高さが凹部22aの高さに一致するように設定されている。
まず、図8に示すように、鋼管杭14の端部を、継手付杭先10の継手部8の空間部15に進入するようにして、鋼管杭14を装着する。その祭、鋼管杭14の端部が連結壁16にしっかり当接するように、透孔28から目視により確認する。
なお、4本の固定ピン22を当初から対応する貫通孔20内に挿入しておくようにしてもよい。
この状態で再度油圧シリンダ47を作動させ、上記と同様にして他の2個の固定ピン22を押圧して、鋼管杭14の部位を変形させ、鋼管杭14の固定を行うようにする。そして、油圧シリンダ47を停止し、アクチュエータ36を本体部34から取り外し、本体部34を継手部8上から取り外して、鋼管杭14への杭先10の連結を終了する(図11)。
なお、貫通孔20が6個設けられるときは、かしめ治具32を60°ずつ回転させ、貫通孔20が8個設けられるときは、かしめ治具32を45°ずつ回転させて、全ての固定ピン22を押圧、固定するようにすることはもちろんである。
固定ピン22の抜け止めは上記のように貫通孔20の縁部をかしめることによって行うが、鋼管杭14に継手部8に対して回転する方向に外力が作用すると、固定ピン22には鋼管杭14の回転方向とは反対の方向への力が作用し、固定ピン22は貫通孔20内において多少とも傾斜し、そのエッジ部が貫通孔20内壁に食い込み、これにより固定ピン22のさらなる抜け止めがなされる。また、鋼管杭14に貫通孔20から抜ける方向に外力が作用すると、これによっても固定ピン22にはそれと反対方向の力が作用し、やはりそのエッジ部が貫通孔20の内壁に食い込み、さらなる抜け止めがなされる。
なお、継手部8において、固定ピン22に替えてねじピンを用いるようにしてもよい。この場合、貫通孔20は雌ねじ孔に形成するのはもちろんである。
Claims (2)
- 本体部外周に螺旋羽根を有する杭先部の前記本体部に、鋼管杭接続用の継手部が、前記本体部および前記螺旋羽根と共に鋳造により一体に形成された鋼管杭用の継手付杭先であって、前記継手部が、外筒と、該外筒の内側に、該外筒の端部側から接続すべき鋼管杭の端部を挿入しうる間隔をおいて、連結壁により連結された内筒と、前記外筒の筒体部に、周方向に所定間隔をおいて複数設けられた固定ピン挿入用の貫通孔と、該貫通孔に対向する前記内筒の外周面に設けられた凹部と、前記内筒内を横切って設けられ、前記各凹部の底壁を内側から受ける支持部を具備する鋼管杭用の継手付杭先の製造方法において、
樹脂材料により形成され、前記継手付杭先における前記継手部であって前記貫通孔を有しない継手部の形状に相当する形状を有する割型と、樹脂材料により形成され、前記鋼管杭用の継手付杭先における前記杭先部を周方向に複数に割った形状に相当する複数の割型とを突き合わせて接着して、前記貫通孔を有しない前記継手付杭先の形状を有する消失型を形成し、
該消失型を鋳砂内に埋没させ、消失型に相当する部位に溶湯を注湯し、消失型を消失置換させることにより、消失型形状の鋳造品を形成し、
該鋳造品に前記貫通孔を形成することを特徴とする鋼管杭用の継手付杭先の製造方法。 - 鋳造材に球状黒鉛鋳鉄を用いることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭用の継手付杭先の製造方法。
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