JP5627799B2 - 音響発生器、音響発生装置及び電子機器 - Google Patents

音響発生器、音響発生装置及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、音響発生器、音響発生装置及び電子機器に関する。
従来、圧電スピーカは、圧電体を電気音響変換素子に用いた小型、低電流駆動の音響機器として知られており、例えば、モバイルコンピューティング機器等、小型の電子機器に組み込まれる音響発生装置として使用されている。
一般に、圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器は、圧電体に銀薄膜等による電極が形成された圧電素子を金属製の振動板に貼り付けた構造となっている。このような音響発生器は、圧電素子に交流電圧を印加することで圧電素子に形状歪を発生させ、圧電素子の形状歪を金属製の振動板に伝えて振動させることにより音を発生させる。
ところが、金属製の振動板に圧電素子を貼り付けた構造の音響発生器は、拡がり振動する圧電素子を面積の変化しない金属板で拘束することで面積屈曲振動を発生させるものであるので、音響変換効率が低く、しかも小型で共振周波数の低い音圧特性を持たせることは困難であった。
このような問題に対し、本出願人は、金属製の振動板の代わりに、樹脂フィルムを振動板として用いた音響発生器を提案している(例えば、特許文献1を参照)。
この音響発生器は、バイモルフ型の積層型圧電素子を、その厚み方向から一対の樹脂フィルムによって挟持し、さらに、この樹脂フィルムを、張力をかけた状態で枠部材に固定したものである。これにより、音響変換効率を向上させ、高い音圧の発生を可能とする。
特開2010−177867号公報
しかしながら、上記の音響発生器は、音圧の周波数特性において音圧のばらつきがあり、音質を更に高めるためには、音圧のばらつきを小さくすることが必要だった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを小さくすることができる音響発生器、音響発生装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る音響発生器は、フィルムと、該フィルムの外周部に設けられた枠部材と、該枠部材の枠内の前記フィルム上に設けられた圧電素子と、前記枠部材の枠内の前記フィルム上に設けられた樹脂層とを有し、前記樹脂層が気泡を有する。
本発明に係る音響発生器の一つの態様によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを小さくすることができるという効果を奏する。
図1Aは、第1形態の音響発生器を示す平面図である。 図1Bは、第1形態の音響発生器を示す断面図である。 図2は、第1形態の音響発生器の樹脂層中における気泡の効果的な配置方法の第1の例を説明するための部分的な断面図である。 図3は、第1形態の音響発生器の樹脂層中における気泡の効果的な配置方法の第2の例を説明するための部分的な断面図である。 図4は、第1形態の音響発生器の樹脂層中における気泡の効果的な配置方法の第3の例を説明するための部分的な断面図である。 図5は、第1形態の音響発生器の樹脂層中における気泡の効果的な配置方法の第4の例を説明するための部分的な断面図である。 図6は、第2形態の音響発生装置を模式的に示す断面図である。 図7は、第3形態の電子機器を模式的に示す図である。 図8は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図9は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図10は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図11は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。
以下に、本発明に係る音響発生器、音響発生装置及び電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態は本発明を限定するものではない。そして、実施形態として下記に例示する各形態は、音響発生器を構成する各部材の形状や寸法を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
(1)第1形態
[音響発生器の構造]
まず、本発明の第1形態の音響発生器を、図1A及び図1Bに基づいて説明する。図1Aは、第1形態の音響発生器を示す平面図であり、図1Bは、図1AのA−A’線に沿った断面図である。なお、図1Aでは、樹脂層20に被覆されて+Z方向から見えない圧電素子1の位置を破線で示している。また、図1Bでは、理解を容易にするために、積層型の圧電素子1の厚み方向(Z軸方向)を拡大して示している。また、図1A,図1Bにおいては、樹脂20中の気泡8の図示を省略している。
図1A及び図1Bに示す第1形態の音響発生器は、フィルム3と、フィルム3の外周部に設けられた枠部材5と、枠部材5の枠内のフィルム3上に設けられた圧電素子1と、枠部材5の枠内のフィルム3上に設けられた樹脂層20とを有している。
枠部材5は、一対の枠部材5a、5bによって構成されており、図1Bに示すように、張力がかけられた状態でフィルム3の外周部を枠部材5a、5bで挟持することによってフィルム3が枠部材5に固定されており、このフィルム3の上面に積層型の圧電素子1が配置されている。
このうち、圧電素子1は、板状に形成されるとともに上下の主面が正方形状、長方形状あるいは多角形状に形成される。かかる圧電素子1は、4層の圧電体層7(7a,7b,7c,7d)と3層の内部電極層9(9a,9b,9c)とを交互に積層してなる積層体13と、この積層体13の上下両面に形成された表面電極層15a、15bと、積層体13の長手方向(Y軸方向)の端部に設けられた、第1〜第3の外部電極とを含んでいる。
第1の外部電極17は、積層体13の−Y方向の端部に配置されており、表面電極層15a、15bと、内部電極層9bとに接続されている。積層体13の+Y方向の端部には、第2の外部電極18と、第3の外部電極(図示せず)とが、X軸方向に間隔を開けて配置されている。第2の外部電極18は、内部電極層9aに接続されており、第3の外部電極(図示せず)は、内部電極層9cに接続されている。そして、圧電体層7は、図1Bに矢印で示す向きに分極されており、圧電体層7a、7bが縮む場合には圧電体層7c、7dが延びるように、そして、圧電体層7a、7bが延びる場合には圧電体層7c、7dが縮むように、第1の外部電極17、第2の外部電極18及び第3の外部電極に電圧が印加されるように構成されている。このように、圧電素子1は、バイモルフ型の圧電素子であり、電気信号が入力されるとY軸方向に振幅が変化するようにZ軸方向に屈曲振動する。
第2の外部電極18の上下端部は、積層体13の上下面まで延設されてそれぞれ折返外部電極18aが形成されており、これらの折返外部電極18aは、積層体13の表面に形成された表面電極層15a、15bに接触しないように、表面電極層15a、15bとの間で所定の距離を隔てて延設されている。同様に、第3の外部電極(図示せず)の上下端部は、積層体13の上下面まで延設されてそれぞれ折返外部電極(図示せず)が形成されており、これらの折返外部電極(図示せず)は、積層体13の表面に形成された表面電極層15a、15bに接触しないように、表面電極層15a、15bとの間で所定の距離を隔てて延設されている。
上記の4層の圧電体層7と上記の3層の内部電極層9とは、積層された状態で同時に焼成されて形成されており、表面電極層15a、15bは、積層体13を作製した後、導体ペーストを塗布し焼き付けて形成されている。
また、圧電素子1は、フィルム3側の主面とフィルム3とが接着剤層21で接合されている。接着剤層21の厚みは、20μm以下が望ましいが、10μm以下が更に望ましい。接着剤層21の厚みが20μm以下である場合には、積層体13の振動をフィルム3に伝えやすくなる。
接着剤層21を形成するための接着剤としては、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂などの公知のものを使用できる。接着剤に使用する樹脂の硬化方法は、熱硬化、光硬化や嫌気性硬化等のいずれの方法を用いてもよい。
さらに、第1形態の音響発生器は、圧電素子1を埋設するように、枠部材5aの内側に樹脂が充填されて樹脂層20が形成されている。
樹脂層20には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂やゴムなどを採用できる。また、樹脂層20は、ピークやディップを抑制する観点から、圧電素子1を完全に覆う状態で塗布されるのが好ましが、圧電素子1を完全に覆わなくても構わない。さらに、フィルム3の圧電素子1で覆われない領域も同様に樹脂層20によって被覆されている。樹脂層20は、必ずしもフィルム3の全体を覆う必要はなく、場合によっては、フィルム3の一部を覆うように樹脂層20を設けても構わない。なお、樹脂層20の厚さは、例えば、0.1mm〜1mm程度に設定される。
このように、第1形態の音響発生器では、樹脂層20を設けることによって、共振現象を適度にダンピングすることができる。かかるダンピング効果によって、共振現象を抑制し、共振現象に起因して発生する、音圧の周波数特性におけるピークやディップを小さく抑制することができる。この結果、音圧の周波数特性を平坦にすることが可能になる。
圧電体層7としては、ジルコン酸鉛(PZ)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、既存の圧電セラミックスを用いることができる。圧電体層7の厚みは、低電圧駆動という観点から、10〜100μmとされている。
内部電極層9は、既存の種々の導体材料を用いて形成することができるが、銀とパラジウムからなる金属成分と圧電体層7を構成する材料成分を包含することが望ましい。また、内部電極層9に圧電体層7を構成するセラミック成分を含有させることによって、圧電体層7と内部電極層9との熱膨張差による応力を低減することができる。なお、内部電極層9は、銀とパラジウムからなる金属成分を含まなくてもよく、また、圧電体層7を構成する材料成分を含まなくてもよい。
表面電極層15a、15b及び第1〜第3の外部電極は、既存の種々の導体材料を用いて形成することができるが、銀からなる金属成分にガラス成分を含有することが望ましい。このようにガラス成分を含有させることによって、圧電体層7や内部電極層9と、表面電極層15a、15b及び第1〜第3の外部電極との間に強固な密着力を得ることができる。
枠部材5は、矩形状をなしており、図1Bに示すように、2枚の矩形枠状の枠部材5a、5bを貼り合わせて構成されている。これら枠部材5a及び枠部材5b間には、フィルム3の外周部が挟み込まれ、フィルム3に張力を加えた状態で固定されている。枠部材5a、5bの厚さは、例えば、100〜1000μm程度とされ、枠の内側の一辺の長さは、例えば、20mm〜200mm程度とされている。枠部材5a、5bの材質は、樹脂層20よりも変形し難いものであればよく、例えば、硬質樹脂、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、セラミックス等を用いることができ、例えばステンレスを好適に用いることができる。なお、枠部材5a、5bの材質、厚み等は特に限定されるものでない。また、枠部材5の形状も、矩形状に限定されるものではなく、例えば、内周部または外周部の一部または全部を楕円形としてもよいし、内周部または外周部を菱形としてもよい。
フィルム3は、枠部材5a、5b間にフィルム3の外周部を挟み込むことによってフィルム3が面方向に張力をかけられた状態で、枠部材5a、5bに固定され、フィルム3が振動板の役割を果たしている。フィルム3の厚みは、例えば、10〜200μmとされ、フィルム3は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂、あるいはパルプや繊維等からなる紙から構成されている。これらの材料を用いることでピークやディップを抑えることができる。
[樹脂層の気泡]
続いて、本実施形態の第1形態の音響発生器が有する樹脂層20中の気泡について説明する。第1形態の樹脂層20は、図2〜図5に示すように、気泡8を有している。気泡8のサイズ(表面に位置する2点間の距離の最大値)としては、例えば、20〜150μm程度がよい。また、気泡8の形状の代表例としては、球形が挙げられるが、その他の形状であってもかまわない。なお、樹脂層20に占める気泡8の存在する割合については、図8〜図11を用いて実施例にて詳述する。
このように、樹脂層20中に気泡8を設けることにより、音響発生器から発生する音の音質を向上させることができる。この効果が得られる理由は、明確に特定できてはいないが以下のように推定できる。樹脂層20に気泡(ボイド)が存在する場合には、圧電素子1と一体化されたフィルム3及び樹脂層20によって構成される振動体の振動によって発生する応力が気泡8近辺に集中する。この結果、気泡8近辺の局所的ひずみが大きくなり、振動エネルギーの一部が気泡8で吸収されて、振動系の共振におけるQ値が低下する。これによって、共振に起因して発生する、音圧の周波数特性におけるピークやディップを小さくすることができる。これにより、音圧の周波数特性がより平坦になり、音響発生器が発生する音の音質が向上する。さらに、樹脂層20の厚さを増やすことなく音質の向上ができるので、全体的な音圧の低下を避けることもできる。そして、樹脂層20に含まれる気泡8によって全ての共振モードに起因するピークやディップを小さくすることができるので、振動体の屈曲撓み振動によって音圧が得られる周波数帯の全域にわたって音質を向上させることができる。
このように、第1形態の音響発生器によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを小さくし、音質を向上させることができる。次に、樹脂層20中における気泡8の効果的な配置方法について図2〜図5を用いて説明する。
図2は、図1A,図1Bに示した第1形態の音響発生器の樹脂層20中における気泡8の効果的な配置方法の第1の例を説明するための部分的な断面図であり、枠部材5aと樹脂層20との境界付近の一部分を拡大して示している。
図2に示す例では、樹脂層20中の気泡8の少なくとも一部は、枠部材5aと樹脂層20との境界に接するように設けられている。枠部材5aと樹脂層20との境界は、音響発生器において剛性が変化する部分であるため、音響発生器が振動するときに応力が集中する部分である。その応力が集中する部分に気泡8を設けることにより、気泡8が振動エネルギーを吸収する効果を高めることができるので、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。このように、図2に示す例では、樹脂層20中の気泡8の少なくとも一部が、音響発生器において剛性が変化する部分に接するように設けられていることから、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。
また、図2に示す例では、枠部材5aと樹脂層20との境界に接するように配置する気泡8は、完全な球形ではなく、枠部材5aと樹脂層20との境界に接する方向(枠部材5aと樹脂層20との境界に平行な方向)に広がったような形状とするのが望ましい。すなわち、枠部材5aと樹脂層20との境界に接するように配置する気泡8は、平面視したときに、枠部材5aと樹脂層20との境界に沿った方向に長い形状(枠部材5aと樹脂層20との境界に沿った方向の長さが、枠部材5aと樹脂層20との境界に垂直な方向の長さよりも大きい形状)とするのが望ましい。これにより、気泡8が枠部材5aと樹脂層20との境界に接する面積を大きくすることができるので、気泡8が振動エネルギーを吸収する効果を高め、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。なお、本明細書において、音響発生器を平面視する場合には、樹脂層20の厚み方向(Z軸方向)から平面視するものとする。
図3は、図1A,図1Bに示した第1形態の音響発生器の樹脂層20中における気泡8の効果的な配置方法の第2の例を説明するための部分的な断面図であり、圧電素子1と樹脂層20との境界付近の一部分を拡大して示している。
図3に示す例では、樹脂層20中の気泡8の少なくとも一部は、圧電素子1と樹脂層20との境界に接するように設けられている。圧電素子1と樹脂層20との境界は、音響発生器において剛性が変化する部分である。よって、樹脂層20中の気泡8の少なくとも一部を圧電素子1と樹脂層20との境界に接するように設けることにより、前述した第1の例と同様に、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。
また、図3に示す例では、圧電素子1と樹脂層20との境界に接するように配置する気泡8は、完全な球形ではなく、圧電素子1と樹脂層20との境界に接する方向に広がったような形状とするのが望ましい。すなわち、圧電素子1と樹脂層20との境界に接するように配置する気泡8は、平面視したときに、圧電素子1と樹脂層20との境界に沿った方向に長い形状(圧電素子1と樹脂層20との境界に沿った方向の長さが、圧電素子1と樹脂層20との境界に垂直な方向の長さよりも大きい形状)とするのが望ましい。これにより、気泡8が圧電素子1と樹脂層20との境界に接する面積を大きくすることができるので、気泡8が振動エネルギーを吸収する効果を高め、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。
図4は、図1A,図1Bに示した第1形態の音響発生器の樹脂層20中における気泡8の効果的な配置方法の第3の例を説明するための部分的な断面図であり、フィルム3と樹脂層20との境界付近の一部分を拡大して示している。
図4に示す例では、樹脂層20中の気泡8の少なくとも一部は、フィルム3と樹脂層20との境界に接するように設けられている。フィルム3と樹脂層20との境界は、音響発生器において剛性が変化する部分である。よって、樹脂層20中の気泡8の少なくとも一部をフィルム3と樹脂層20との境界に接するように設けることにより、前述した第1の例,第2の例と同様に、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。
また、図4に示す例では、フィルム3と樹脂層20との境界に接するように配置する気泡8は、完全な球形ではなく、フィルム3と樹脂層20との境界に接する方向(フィルム3と樹脂層20との境界に平行な方向)に広がったような形状とするのが望ましい。すなわち、フィルム3と樹脂層20との境界に接するように配置する気泡8は、フィルム3と樹脂層20との境界に平行な方向から見たときに、フィルム3と樹脂層20との境界に沿った方向に長い形状(フィルム3と樹脂層20との境界に沿った方向の長さが、フィルム3と樹脂層20との境界に垂直な方向の長さよりも大きい形状)とするのが望ましい。これにより、気泡8がフィルム3と樹脂層20との境界に接する面積を大きくすることができるので、気泡8が振動エネルギーを吸収する効果を高め、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。
図5は、図1A,図1Bに示した第1形態の音響発生器の樹脂層20中における気泡8の効果的な配置方法の第4の例を説明するための部分的な断面図であり、フィルム3と樹脂層20との境界付近の一部分を拡大して示している。
図5に示す例では、樹脂層20中の気泡8は、樹脂層20の厚み方向において、フィルム3と樹脂層20との境界付近に偏在するように配置されている。また、樹脂層20中の気泡8は、フィルム3と樹脂層20との界面に近づくほど多く分布するように配置されている。すなわち、気泡8の数が、フィルム3と樹脂層20との界面に近づくにつれて増加するように配置されている。気泡8をこのように配置することにより、音響発生器から発生する音の音質を効果的に向上させることができる。この効果が得られる理由は、次のように推定される。すなわち、フィルム3と樹脂層20との境界は、音響発生器において剛性が変化する部分であるため、音響発生器が振動するときに、樹脂層20におけるフィルム3との境界に近い部分は、樹脂層20におけるフィルム3との境界から遠い部分よりも歪み(変形)が大きくなる。よって、フィルム3と樹脂層20との境界付近に偏在するように配置することや、フィルム3と樹脂層20との界面に近づくにつれて気泡8の数が増加するように配置することにより、効果的に気泡8によって振動エネルギーを吸収することができる。これによって、振動系の共振におけるQ値を低下させ、共振に起因して発生する、音圧の周波数特性におけるピークやディップを小さくすることができ、よりフラットな音圧の周波数特性を得ることができる。
[製法]
本発明の音響発生器の製造方法の一例について説明する。
最初に、圧電素子1を準備する。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑材、溶剤を混練し、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。
次に、上記のスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを得る。そして、このグリーンシートに内部電極ペーストを印刷して内部電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを3枚積層し、その上には電極パターンが印刷されていないグリーンシートを積層して、積層成形体を作製する。
次に、上記の積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることによって積層体13を得ることができる。積層体13は、必要に応じて外周部を加工し、積層体13の積層方向の両主面に表面電極層15a、15bのペーストを印刷し、引き続き、積層体13の長手方向(Y軸方向)の両端面に第1〜第3の外部電極を印刷し、所定の温度で電極の焼付けを行う。このようにして、図1A及び図1Bに示す圧電素子1を得ることができる。
次に、圧電素子1に圧電性を付与するために、第1〜第3の外部電極を通じて直流電圧を印加して、圧電素子1の圧電体層7の分極を行う。かかる分極は、図1Bに矢印で示す方向となるように、DC電圧を印加して行う。
次に、支持体となるフィルム3を準備し、このフィルム3の外周部を枠部材5a、5b間に挟み、フィルム3に張力をかけた状態で固定する。この後、フィルム3に接着剤を塗布して、そのフィルム3上に圧電素子1の表面電極層15a側を押し当て、この後、接着剤を熱や紫外線を照射することによって硬化させる。そして、硬化前の樹脂を枠部材5aの内側に流し込むとともに所定の場所に気泡8を形成した後に、樹脂を硬化させることによって、樹脂層20を形成する。このようにして、第1形態の音響発生器を得ることができる。
樹脂層20の中に気泡8を形成する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、中空の樹脂球を所望の場所に配置した後に、枠部材5aの内側に硬化前の樹脂を流し込む方法を用いてもよい。また、中空の樹脂球(硬化または半硬化したもの)を硬化前の樹脂中に混入したものを塗布する方法を用いてもよい。この場合には、例えば、中空の樹脂球を含む樹脂を所望の場所に塗布して乾燥させた後に、中空の樹脂球を含まない樹脂を流し込んで硬化させることにより、樹脂層20中の所望の場所に選択的に気泡8を配置することが可能になる。また、中空の樹脂球の混入量(樹脂中における樹脂球の密度)が異なる複数の未硬化樹脂を用意し、樹脂球の混入量が多い(樹脂中における樹脂球の密度が高い)ものから順番に、フィルム上への塗布及び乾燥を行った後に、中空の樹脂球を含まない未硬化樹脂を流し込んで硬化させることにより、図5に示したように気泡8を配置することができる。このように、予め作製した中空の樹脂球を用いることにより、所望の形状及び大きさを有する気泡を所望の位置に配置することが容易になる。
また、硬化前の樹脂を枠部材5aの内側へ流し込み、樹脂中の所望の場所に気体を注入することによって気泡8を形成した後に、樹脂を硬化させる方法を用いてもよい。例えば、細い管の先端を枠部材5aと樹脂との界面に当てて、管の先端を枠部材5aと樹脂との界面に沿って移動させながら、管を通して気体を断続的に注入することによって気泡8を形成し、その後に樹脂を硬化させることにより、図2に示したように、枠部材5aと樹脂層20との境界に接するように気泡8を配置することができる。同様に、管の先端を圧電素子1と樹脂との界面に当てて、管の先端を圧電素子1と樹脂との界面に沿って移動させながら、管を通して気体を断続的に注入することによって気泡8を形成し、その後に樹脂を硬化させることにより、図3に示したように、圧電素子1と樹脂層20との境界に接するように気泡8を配置することができる。そして、同様に、管の先端をフィルム3と樹脂との界面に当てて、管の先端をフィルム3と樹脂との界面に沿って移動させながら、管を通して気体を断続的に注入することによって気泡8を形成し、その後に樹脂を硬化させることにより、図4に示したように、フィルム3と樹脂層20との境界に接するように気泡8を配置することができる。
例えば、上述したような方法を用いることにより、図2〜図5に例示したように、樹脂層20中の所望の位置に気泡8を配置することが可能となる。なお、樹脂層20中に気泡8を配置する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、他の方法を用いてもよい。
また、図1Bでは、フィルム3の一方の主面にバイモルフ型の圧電素子1を設けた場合を示したが、これに限られるものではない。例えば、バイモルフ型の圧電素子に代えて、面方向に伸縮振動する圧電素子の一方主面に金属等の板を貼り付けて構成したユニモルフ型の圧電素子を用いても、同様の効果を得ることができる。また、面方向に伸縮振動する圧電素子をフィルム3の両面に設けるようにしても良く、フィルム3の両面にユニモルフ型やバイモルフ型の圧電素子を設けるようにしてもよい。
また、図1Bでは、樹脂層20が枠部材5aの内側に圧電素子1を完全に覆うように設けられた例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、樹脂層20を、フィルム3上のみに、圧電素子1を完全に覆わないように設けても構わない。
また、図1Aでは、枠部材5の内側の部分の形状が略矩形状である場合を示したが、これに限られるものではない。例えば、枠部材5の内側の部分の形状が楕円形であっても構わない。
(2)第2形態
次に、本発明の第2形態の音響発生装置について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第2形態の音響発生装置30の構成を示す図である。なお、図6においては、説明に必要となる構成要素のみを示しており、音響発生器10の詳細な構成や一般的な構成要素についての記載を省略している。
音響発生装置30は、いわゆるスピーカのような発音装置であり、図6に示すように、たとえば、筐体31と、筐体31に取り付けられた音響発生器10とを備える。筐体31は、直方体の箱状の形状を有しており、1つの表面に開口31aを有している。このような筐体31は、例えば、プラスチック、金属、木材などの既知の材料を用いて形成することができる。また、筐体31の形状は、直方体の箱状に限定されるものではなく、例えば、円筒状や錐台状など、種々の形状とすることができる。
そして、筐体31の開口31aに音響発生器10が取り付けられている。音響発生器10は、前述した第1形態の音響発生器であり、音響発生器10についての説明は省略する。このような構成を有する音響発生装置30は、音質が高い音響を発生させる音響発生器10を用いて音響を発生させるので、音質が高い音響を発生させることができる。また、音響発生装置30は、音響発生器10から発生する音を筐体31の内部で共鳴させることができるので、例えば低周波数帯域における音圧を高めることができる。なお、音響発生器10が取り付けられる場所は自由に設定することができる。また、音響発生器10が他の物を介して筐体31に取り付けられるようにしても構わない。
(3)第3形態
次に、本発明の第3形態の電子機器について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第3形態の電子機器50の構成を示す図である。なお、図7においては、説明に必要となる構成要素のみを示しており、音響発生器10の詳細な構成や一般的な構成要素についての記載を省略している。
図7では、電子機器50が、携帯電話やタブレット端末のような携帯端末装置である場合を示している。図7に示すように、電子機器50は、筐体40と、筐体40に取り付けられた音響発生器10と、音響発生器10に接続された電子回路60とを備える。音響発生器10は、前述した第1形態の音響発生器であり、音響発生器10についての説明は省略する。電子回路60は、たとえば、コントローラ50aと、送受信部50bと、キー入力部50cと、マイク入力部50dとから構成される。電子回路60は、音響発生器10に接続されており、音響発生器へ音声信号を出力する機能を有している。音響発生器10は電子回路60から入力された音声信号に基づいて音響を発生させる。
また、電子機器50は、表示部50eと、アンテナ50fとを備えており、これら各デバイスは筐体40に取り付けられている。なお、図7では、1つの筐体40にコントローラ50aをはじめとする各デバイスがすべて収容されている状態をあらわしているが、各デバイスの収容形態を限定するものではない。本実施形態では、少なくとも音響発生器10が筐体40に直接または他の物を介して取り付けられていればよく、他の構成要素の配置は自由に設定できる。
コントローラ50aは、電子機器50の制御部である。送受信部50bは、コントローラ50aの制御に基づき、アンテナ50fを介してデータの送受信などを行う。キー入力部50cは、電子機器50の入力デバイスであり、操作者によるキー入力操作を受け付ける。マイク入力部50dは、同じく電子機器50の入力デバイスであり、操作者による音声入力操作などを受け付ける。表示部50eは、電子機器50の表示出力デバイスであり、コントローラ50aの制御に基づき、表示情報の出力を行う。そして、音響発生器10は、電子機器50における音響出力デバイスとして動作する。なお、音響発生器10は、電子回路60のコントローラ50aに接続されており、コントローラ50aによって制御された電圧の印加を受けて音響を発することとなる。
このような構成を有する電子機器50は、音質が高い音響を発生させる音響発生器10を用いて音響を発生させるので、音質が高い音響を発生させることができる。
ところで、図7では、電子機器50が、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯用端末装置であるものとして説明を行ったが、これに限定されるものではなく、音響を発する機能を有する様々な電子機器であってもよい。例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、カーオーディオ機器は無論のこと、音響や音声を発生させる機能を有する製品、例えば、掃除機や洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどといった種々の製品であってもよい。
さて、本実施例では、気泡8を含まない樹脂層20と気泡8を含む樹脂層20との間で音圧の周波数特性の違い、さらには、樹脂層20に占める気泡8の濃度による音圧の周波数特性の違いについて説明する。
図8〜図11は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。このうち、図8は、樹脂層20全体の体積に占める気泡8の体積の割合が0%である場合、すなわち樹脂層20が気泡8を含まない場合の音圧の周波数特性を指す。また、図9は、樹脂層20全体の体積に占める気泡8の体積の割合が10%である場合の音圧の周波数特性を指す。図10は、樹脂層20全体の体積に占める気泡8の体積の割合が20%である場合の音圧の周波数特性を指す。図11は、樹脂層20全体の体積に占める気泡8の体積の割合が30%である場合の音圧の周波数特性を指す。図8〜図11に示すグラフの縦軸は、音圧を示し、グラフの横軸は、周波数を示す。なお、図8〜図11に示された音圧の周波数特性が測定された音響発生器は、気泡8の濃度以外の構成、すなわち各部材やその寸法及び材質については同一に設定した。
まず、気泡8の有無による音圧の周波数特性の違いを説明するために、図8に示すグラフ及び図9に示すグラフを比較する。図8における700Hz〜1kHzの周波数帯210、1.5kHz〜2.5kHzの周波数帯220及び6kHz〜9kHzの周波数帯230に各々位置するピークやディップと、図9に示す700Hz〜1kHzの周波数帯310、1.5kHz〜2.5kHzの周波数帯320及び6kHz〜9kHzの周波数帯330に各々位置するピークやディップとを比較すると、図9のグラフにおけるピークやディップは、図8に示すグラフにおけるピークやディップに対して明らかに小さくなっていることがわかる。また、0.4kHz付近に位置するピークや、5kHz〜6kHz付近に位置するピークについても、レベルの低下が見られる。
このように、樹脂層20中に気泡8が体積濃度10%含まれる場合には、気泡8が含まれない場合に比べて、大部分の周波数帯でピークやディップが小さくなって平坦性が向上し、音圧の周波数特性が改善されていることがわかる。
さらに、気泡8が体積濃度10%含まれる場合と気泡8が体積濃度20%含まれる場合とを比較する。図9に示す700Hz〜1kHzの周波数帯310、1.5kHz〜2.5kHzの周波数帯320に各々位置するピークやディップと、図10に示す700Hz〜1kHzの周波数帯410、1.5kHz〜2.5kHzの周波数帯420に各々位置するピークやディップとを比較すると、図10のグラフにおけるピークやディップは、図9に示すグラフにおけるピークやディップに対して明らかに小さくなっていることがわかる。
このように、樹脂層20中に気泡8が体積濃度20%含まれる場合には、気泡8が体積濃度10%含まれる場合に比べて、ピークやディップが小さくなって平坦性が向上し、音圧の周波数特性が改善されていることがわかる。
さらに、気泡8が体積濃度20%含まれる場合と気泡8が質量濃度30%含まれる場合とを比較する。図10に示す700Hz〜1kHzの周波数帯410、1.5kHz〜2.5kHzの周波数帯420に各々位置するピークやディップと、図11に示す700Hz〜1kHzの周波数帯510、1.5kHz〜2.5kHzの周波数帯520に各々位置するピークやディップとを比較すると、図11のグラフにおけるピークやディップは、図10に示すグラフにおけるピークやディップに対して明らかに小さくなっていることがわかる。
このように、樹脂層20中に気泡8が質量濃度30%含まれる場合には、気泡8が体積濃度20%含まれる場合に比べて、ピークやディップが小さくなって平坦性が向上し、音圧の周波数特性が改善されていることがわかる。
以上の結果より、樹脂層20中に気泡8が含まれない場合よりも気泡8が含まれる場合の方が音圧の周波数特性における音圧のばらつきを抑制することができ、また、より多くの気泡8が含まれる場合の方が音圧の周波数特性を改善できることがわかる。これにより本発明の有効性が確認できた。
1:圧電素子
3:フィルム
5,5a,5b:枠部材
8:気泡
10:音響発生器
20:樹脂層
30:音響発生装置
31,40:筐体
50:電子機器
60:電子回路

Claims (9)

  1. フィルムと、
    該フィルムの外周部に設けられた枠部材と、
    該枠部材の枠内の前記フィルム上に設けられた圧電素子と、
    前記枠部材の枠内の前記フィルム上に設けられた樹脂層とを有し、
    前記樹脂層が複数の気泡を有しており、
    前記複数の気泡の少なくとも一部は、剛性が変化する部分に接するように設けられていることを特徴とする音響発生器。
  2. 前記剛性が変化する部分は、前記圧電素子と前記樹脂層との境界であることを特徴とする請求項に記載の音響発生器。
  3. 前記圧電素子と前記樹脂層との前記境界に接するように配置された前記気泡は、平面視したときに、前記圧電素子と前記樹脂層との前記境界に沿った方向に長い形状であることを特徴とする請求項に記載の音響発生器。
  4. 前記剛性が変化する部分は、前記枠部材と前記樹脂層との境界であることを特徴とする請求項に記載の音響発生器。
  5. 前記枠部材と前記樹脂層との前記境界に接するように配置された前記気泡は、平面視したときに、前記枠部材と前記樹脂層との境界に沿った方向に長い形状であることを特徴とする請求項に記載の音響発生器。
  6. 前記剛性が変化する部分は、前記フィルムと前記樹脂層との境界であることを特徴とする請求項に記載の音響発生器。
  7. 前記気泡の数が、前記フィルムと前記樹脂層との界面に近づくにつれて増加することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれかに記載の音響発生器。
  8. 筐体と、
    該筐体に設けられた請求項1乃至請求項のいずれかに記載の音響発生器と、
    を少なくとも有することを特徴とする音響発生装置。
  9. 筐体と、
    該筐体に設けられた請求項1乃至請求項のいずれかに記載の音響発生器と、
    該音響発生器に接続された電子回路と、
    を少なくとも有しており、
    前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器。
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