JP6077798B2 - 圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器 - Google Patents

圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器に関する。
従来、圧電スピーカに代表される音響発生器は、圧電体を電気音響変換素子に用いた小型、低電流駆動の音響機器として知られており、例えば、モバイルコンピューティング機器等、小型の電子機器に組み込まれる音響発生装置として使用されている。
一般に、圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器は、金属製の振動板に銀薄膜等による電極が形成された圧電素子を貼り付けた構造となっている。圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器の発音機構は、圧電素子の両面に交流電圧を印加することで圧電素子に形状歪を発生させ、圧電素子の形状歪を金属製の振動板に伝えて振動させることにより音を発生させるというものである。
圧電素子は、内部電極と圧電体とを交互に積層した積層体と、複数の内部電極が積層された内部電極層に接続される一対の外部電極とを有する。内部電極は、内部電極を構成する面のうち1辺が外部電極に接続される。また、隣接する内部電極は、内部電極を構成する面のうち1辺が互いに異なる外部電極に接続される。
特開2010−177867号公報
しかしながら、上記の圧電素子は、外部電極と接続する1辺の長さが各内部電極の間で同じなので、積層方向に端部が揃う。このため、圧電素子を振動させた場合に、上記端部に圧力が集中して、クラックが伸展することが懸念される。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、クラックの伸展を抑制できる圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器を提供することを目的とする。
本願の開示する圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器は、一つの態様において、対向する2つの外部電極のいずれか一方に対して、一層おきに接続する複数の内部電極層と、所定方向に分極がなされた複数の圧電体層とが積層された積層体とを有し、該積層体は一対の外部電極の対向する方向を長さ方向とし、積層体の積層方向に対して垂直かつ長さ方向に対して垂直な方向を幅方向とする平面視で長方形状の板状体であり、前記複数の内部電極層は、隣接する内部電極層とともに異なる2つのブロックを形成し、異なる2つのブロック間は、幅方向への一方のブロックと他方のブロックとのずれによって、当該幅方向の両端部にそれぞれ積層方向に重ならない領域を有していることを特徴とする。
本願の開示する圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器の一つの態様によれば、クラックの伸展を抑制できるという効果を奏する。
図1Aは、本実施形態の音響発生器を示す平面図である。 図1Bは、本実施形態の音響発生器を示す断面図である。 図2は、本実施形態の圧電素子が有する内部電極層の形成位置を説明する図である。 図3は、一般形態でクラック伸展を説明する図である。 図4は、本実施形態でクラック伸展を説明する図である。
以下に、本発明に係る圧電素子、音響発生器、音響発生装置および電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態は本発明を限定するものではない。そして、実施形態として下記に例示する各形態は、音響発生器を構成する各部材の形状や寸法を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[音響発生器の構造]
まず、音響発生器の本実施形態を図1A及び図1Bに基づいて説明する。図1Aは、本実施形態の音響発生器を示す平面図であり、また、図1Bは、本実施形態の音響発生器を示す断面図である。なお、図1Bには、図1Aに示すA−A線に沿った断面図が示されている。尚、図1Bでは、理解を容易にするために、積層型の圧電素子1の厚み方向(y方向)を拡大して、圧電体層および内部電極層の積層数を減らして単純化した構造を示している。
図1A及び図1Bに示す本実施形態の音響発生器は、一対の枠状の枠部材5によって挟持された、支持板となるフィルム3の上面に、積層型の圧電素子1を含んで構成されている。すなわち、本実施形態の音響発生器は、図1Bに示すように、張力がかけられた状態でフィルム3を第1および第2の枠部材5a、5bで挟持することによってフィルム3が第1および第2の枠部材5a、5bに固定されており、このフィルム3の上面に積層型の圧電素子1が配置されている。
このうち、圧電素子1は、板状に形成されるとともに上下の主面が正方形状、長方形状あるいは多角形状に形成される。かかる圧電素子1は、セラミックスからなる圧電体層7と内部電極層とを交互に積層してなる積層体13と、この積層体13の上下両面に形成された表面電極層15a、15bと、積層体13の長手方向xの両端部にそれぞれ設けられた一対の外部電極17、19とを含んでいる。
外部電極17は、表面電極層15a、15bと内部電極層9bに接続される。また、外部電極19は、内部電極層9a、9cに接続される。圧電体層7は、図1Bに矢印で示すように分極されており、圧電体層7a、7bが縮む場合には圧電体層7c、7dが延びるように、あるいは圧電体層7a、7bが延びる場合には圧電体層7c、7dが縮むように、外部電極17、19に電圧が印加されるように構成されている。
外部電極19の上下端部は、積層体13の上下面まで延設されてそれぞれ折返外部電極19aが形成されており、これらの折返外部電極19aは、積層体13の表面に形成された表面電極層15a、15bに接触しないように、表面電極層15a、15bとの間で所定の距離を隔てて延設されている。
圧電体層7と内部電極層9とは、積層された状態で同時に焼成されて構成されており、表面電極層15a、15bは、積層体13を作製した後、ペーストを塗布し焼き付けて形成される。
また、圧電素子1は、フィルム3側の主面とフィルム3とが接着剤層21で接合されている。これら圧電素子1とフィルム3との間の接着剤層21の厚みは、20μm以下とされている。特には、接着剤層21の厚みは、10μm以下であることが望ましい。このように、接着剤層21の厚みが20μm以下である場合には、積層体13の振動をフィルム3に伝えやすくなる。
接着剤層21を形成するための接着剤としては、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂などの公知のものを使用できる。接着剤に使用する樹脂の硬化方法としては、熱硬化、光硬化や嫌気性硬化等のいずれの方法を用いても振動体を作製できる。
さらに、本実施形態の音響発生器は、圧電素子1を埋設するように、枠部材5aの内側に樹脂が充填されて樹脂層20が形成されている。なお、図1Aでは、理解を容易にするため、樹脂層の図示を省略した。
樹脂層20には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂やゴムなどを採用できる。また、樹脂層20は、スプリアスを抑制する観点から、圧電素子1を完全に覆う状態で塗布されるのが好ましい。さらに、支持板となるフィルム3も圧電素子1と一体となって振動することから、圧電素子1で覆われないフィルム3の領域も同様に樹脂層20によって被覆されている。
このように、本実施形態の音響発生器では、圧電素子1を樹脂層20で埋設することによって、圧電素子1の共振現象に伴うピークディップに対し、適度なダンピング効果を誘発させることができる。かかるダンピング効果によって、共振現象を抑制するとともにピークディップを小さく抑制することができる。この結果、音圧の周波数依存性を小さくすることが可能になる。
圧電体層7としては、ジルコン酸鉛(PZ)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、既存の圧電セラミックスを用いることができる。圧電体層7の厚みは、低電圧駆動という観点から、10〜100μmとされている。
内部電極層9としては、銀とパラジウムからなる金属成分と圧電体層7を構成する材料成分を包含することが望ましい。各内部電極層に圧電体層7を構成するセラミック成分を含有させることによって、圧電体層7と各内部電極層との熱膨張差による応力を低減でき、積層不良のない圧電素子1を得ることができる。各内部電極層は、特に、銀とパラジウムからなる金属成分に限定されるものではなく、他の金属成分であってよく、また、セラミック成分として、圧電体層7を構成する材料成分に限定されるものではなく、他のセラミック成分であってもよい。
表面電極層15a、15bと外部電極17、19は、銀からなる金属成分にガラス成分を含有することが望ましい。このようにガラス成分を含有させることによって、圧電体層7や各内部電極層と、表面電極層15または外部電極17、19との間に強固な密着力を得ることができる。
枠部材5は、矩形状をなしており、図1Bに示すように、2枚の矩形枠状の枠部材5a、5bを貼り合わせて構成されている。これら枠部材5a及び枠部材5b間には、フィルム3の外周部が挟み込まれ、張力を印加した状態で固定されている。枠部材5a、5bは、例えば、厚み100〜1000μmのステンレス製とされている。なお、枠部材5a、5bの材質は、ステンレス製に限らず、樹脂層20よりも変形し難いものであればよく、例えば、硬質樹脂、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、セラミックス等を用いることができ、本形態では、枠部材5a、5bの材質、厚み等は特に限定されるものでない。更に枠形状も矩形状に限定されるものではなく、内周部または外周部の一部または全部を円形、楕円形としてもよいし、内周部または外周部を菱形としてもよい。
フィルム3は、枠部材5a、5b間にフィルム3の外周部を挟み込むことによってフィルム3が面方向に張力をかけられた状態で、枠部材5a、5bに固定され、フィルム3が振動板の役割を果たしている。フィルム3の厚みは、例えば、10〜200μmとされ、フィルム3は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、テン等の樹脂、あるいはパルプや繊維等からなる紙から構成されている。これらの材料を用いることでピークディップを抑えることができる。
[内部電極層の形成位置]
続いて、図2を用いて、本実施形態の音響発生器が有する内部電極層9a〜9fの形成位置について説明する。図2は、本実施形態の圧電素子が有する内部電極層の形成位置を説明する図である。なお、図2には、図1Aに示すB−B線に沿った断面図が示されており、説明上、圧電素子1の断面図だけを図示する。
この場合、3層の内部電極層9a、9b、9cで内部電極層ブロック9を形成し、3層の内部電極層9d、9e、9fで内部電極層ブロック9´を形成する。図2に示すように、内部電極層ブロック9および内部電極層ブロック9´は、対向配置されている一対の外部電極の方向に対して垂直な方向に相互にずれている。ここで、各ブロック内の内部電極層各々は表面積が同一であるが、異なるブロック間の内部電極層の表面積は同一でも異なっていてもよい。具体的には、内部電極層9fの表面積と内部電極層9eの表面積は同じであるが、内部電極層9fの表面積と内部電極層9aの表面積は同じであっても異なっていてもよい。言い換えると、各ブロックは、一部の領域が重ならないように形成される。なお、各内部電極では、内部電極を構成する面のうち外部電極と接続する辺と、当該辺に対向する辺との長さは同一であるとする。したがって、内部電極を構成する面は、正方形または長方形となる。
そして、各ブロック間では、図1AのB−B面から見た場合に積層方向に端部が揃わない。具体的には、内部電極層ブロック9の端部と内部電極層ブロック9´の端部とが揃わない。このため、圧電素子を振動させた場合に、両端部に圧力が集中して、表面電極層15bや15aから発生したクラックの伸展は内部電極層ブロック9または9´によって停止する。ここで、ブロック間のズレ量QとQ´、すなわち、重ならない領域のW方向の長さとなる内部電極層ブロック9の端部から内部電極層ブロック9´の端部までの長さは、ブロックの厚みの50%以上かつ300%以下の値であることが望ましい。
[クラック伸展の比較]
続いて、内部電極層ブロック9と内部電極層ブロック9´とで外部電極と接続する1辺の長さが同じであり、内部電極層ブロック9と内部電極層ブロック9´のほぼ全面が重なっている場合(一般形態)と、内部電極層ブロック9と内部電極層ブロック9´が重ならない領域を有している場合(本実施形態)について、クラックが伸展する例を説明する。図3は、一般形態でクラック伸展を説明する図である。図4は、本実施形態でクラック伸展を説明する図である。
図3に示すように、一般形態の場合では、内部電極層ブロック9と内部電極層ブロック9´のほぼ全面が重なっているために、つまり、ブロック間のズレ量Qが0であるために、図1AのB−B線から見た場合に積層方向に端部Tが揃う。このため、圧電素子を振動させた場合に、該端部Tに圧力が集中して発生したクラックZ1が伸展し、圧電素子1が破損することが起こり得る。
一方で、図4に示すように、本実施形態の場合では、内部電極層ブロック9、9´同士が図1AのW方向に相互に重ならない領域を有しており、ブロック間のズレ量Q、Q´を所定値以上有しているために、図1AのB−B線から見た場合に積層方向に端部が揃わない。具体的には、内部電極層ブロック9の端部T1と内部電極層ブロック9´の端部T2とが揃わず、内部電極層ブロック9の端部T3と内部電極層ブロック9´の端部T4とが揃わない。このため、圧電素子を振動させた場合に、該端部T2に圧力が集中して発生したクラックZ2の伸展は内部電極層ブロック9によって停止する。同様に、圧電素子を振動させた場合に、該端部T3に圧力が集中して発生したクラックZ3の伸展は内部電極層ブロック9´によって停止する。このように、本実施形態の場合では、いずれの表面電極層からクラックが発生した場合でもクラックの伸展を抑制できる。
[製法]
本発明の音響発生器の製法について説明する。
最初に、一例として、バイモルフ型の圧電素子1を準備する。かかる圧電素子1は、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑材、溶剤を混練し、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。
次に、上記のスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを得る。次いで、このグリーンシート上に内部電極ペーストを印刷して内部電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを3枚積層し、最上層にはグリーンシートのみ積層して、積層成形体を作製する。この場合、積層成形体を形成する際には、図2、図4に示したように、隣接する複数の内部電極が端部の位置を同じにしてブロックを形成し、異なるブロック間で一部が重ならない領域を有するように積層する。なお、重ならない領域を外部電極の方向に形成してもよい。また、このような積層成形体は、内部電極パターンを予めずらして形成したシートを重ねてもよい。
次に、上記の積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることによって積層体13を得ることができる。積層体13は、必要に応じて外周部を加工し、積層体13の圧電体層7の積層方向の主面に表面電極層15a、15bのペーストを印刷し、引き続き、積層体13の長手方向xの両端面に外部電極17、19を印刷し、所定の温度で電極の焼付けを行うことによって図1A及び図1Bに示すバイモルフ型の圧電素子1を得ることができる。
次に、バイモルフ型の圧電素子1に圧電性を付与するために、表面電極層15a、15b又は外部電極17、19を通じて直流電圧を印加して、バイモルフ型の圧電素子1の圧電体層7の分極を行う。かかる分極は、図1Bに矢印で示す方向となるように、DC電圧を印加して行う。
次に、支持体となるフィルム3を準備し、このフィルム3の外周部を枠部材5a、5b間に挟み、フィルム3に張力をかけた状態で固定する。この後、フィルム3に接着剤を塗布して、そのフィルム3上にバイモルフ型の圧電素子1の表面電極層15a側を押し当て、この後、接着剤を熱や紫外線を照射することによって硬化させる。そして、樹脂を枠部材5aの内側に流し込む。その上で、バイモルフ型の圧電素子1を完全に埋設させ、樹脂層20を硬化させることによって本実施形態の音響発生器を得ることができる。
以上のように構成された音響発生器は、振動体の屈曲撓み振動によって音圧が得られる周波数帯の全域にわたって音圧の特性を向上できるとともに、長期の駆動によっても圧電素子が破壊し難く、耐久性の高い音響発生器を得ることができる。
[内部電極層のブロック]
本実施形態で説明した内部電極層のブロックはあくまで一例である。したがって、ブロックを形成する内部電極層の数は任意に決定することができる。また、ブロックの数も2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。また、各ブロック間内の内部電極層の数も異なっていてもよい。一例を挙げると、バイモルフのユニット単位でブロックを分けることもできる。また、ブロックを形成する内部電極は、異なる外部電極に接続されているものでもよく、同じ外部電極に接続されているものでもよく、両方が混ざっていてもよい。
[適用範囲]
例えば、上記の本実施形態では、バイモルフ型の圧電素子を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、圧電素子がバイモルフ型である場合に限定されず、ユニモルフ型であっても上記の本実施形態と同様の効果を得ることができる。
[スピーカ装置]
また、上記の本実施形態で説明した音響発生器は、当該音響発生器を収納する筐体、いわゆる共鳴ボックスへ収納することによって音響発生装置、いわゆる「スピーカ装置」として構成することもできる。例えば、テレビやパーソナルコンピュータ等に用いられる大型のスピーカ装置として構成することもできれば、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)などのモバイル端末に搭載される中型または小型のスピーカ装置として構成することもできる。なお、スピーカ装置は、上記の用途に限定されず、掃除機、洗濯機や冷蔵庫などの任意の電子機器に搭載するスピーカ装置として構成することができる。
[電子機器]
さらに、上記の本実施形態で説明した音響発生器は、当該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および音響発生器を収容する筐体とを少なくとも有しており、音響発生器から音響を発生させる機能を有する電子機器として構成することもできる。かかる電子機器の一例としては、テレビやパーソナルコンピュータ、各種のモバイル端末の他、掃除機、洗濯機や冷蔵庫などが挙げられる。
さて、本実施例では、ブロック間のズレ量を変えて各ズレ量におけるクラックの伸展度合いについて説明する。ここでは、スピーカを例に積層セラミックの圧電素子を作製した。具体的には、内部電極層のズレ量を変更した圧電素子を作製し、作製した圧電素子を動作させてクラックの伸展度合いを評価した。上述した製法において、10mm×10mmの内部電極層を10μm以内の精度で印刷し、さらに積層密度は10μm以内として、8層ずつ積層した。電極厚みを変更したサンプルを32個作成し、積層体を焼成台板上に8個ずつ並べて台板を4個積層して焼成することで、積層数16層の圧電素子を作成した。
すなわち、電極サイズが10mm×10mm、積層数が16層(片側8層:各ブロックを形成する内部電極層が8層)、電極間厚みが25μm(8層で200μm)の圧電素子を生成した。そして、作成した圧電素子でスピーカを作成し、圧電素子に規定の電圧の2倍でのこぎり波を印加し、摂氏80度の環境で14日間作動させ、その後、圧電素子に生じたクラックの有無を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006077798
表1に示すズレ量μmは、図2に示したQ、Q´(Q=Q´)に該当する。比較例1は、ズレ量が0の場合であり、比較例2は、ズレ量が50の場合であり、比較例3は、ズレ量が300の場合である。また、実施例1は、ズレ量が100の場合であり、実施例2は、ズレ量が150の場合であり、実施例3は、ズレ量が200の場合であり、実施例4は、ズレ量が250の場合である。
表1に示すように、比較例1では、32個中28個の圧電素子の片面にクラックが発生し、32個中14個の圧電素子でクラックが貫通したことを示す。比較例2では、32個中24個の圧電素子の片面にクラックが発生し、32個中10個の圧電素子でクラックが貫通したことを示す。比較例3では、32個中25個の圧電素子の片面にクラックが発生し、32個中10個の圧電素子でクラックが貫通したことを示す。
これに対して、実施例1では、32個中20個の圧電素子の片面にクラックが発生したが、クラックが貫通したのは32個中1個の圧電素子だけであることを示す。実施例2では、32個中18個の圧電素子の片面にクラックが発生したが、クラックが貫通した圧電素子はなかったことを示す。実施例3では、32個中20個の圧電素子の片面にクラックが発生したが、クラックが貫通した圧電素子はなかったことを示す。実施例4では、32個中20個の圧電素子の片面にクラックが発生したが、クラックが貫通したのは32個中4個の圧電素子だけであることを示す。
このように、ズレ量がブロックの厚みの50%以上から125%の間では、貫通したクラックの数が減少していることがわかる。つまり、ブロック単位で端部をずらすことで、クラックの伸展を抑制できる。
1 圧電素子
3 フィルム
5、5a、5b 枠部材
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g 圧電体層
9、9´ 内部電極層ブロック
9a、9b、9c、9d、9e、9f 内部電極層
13 積層体
15a、15b 表面電極層
17、19 外部電極
20 樹脂層
x 積層体の長手方向
y 圧電素子の厚み方向
Q、Q´ ズレ量
Z1、Z2、Z3 クラック
T、T1、T2、T3、T4 端部

Claims (5)

  1. 複数の内部電極層と複数の圧電体層とが交互に積層された積層体と、
    該積層体の積層方向に対して垂直な方向の両端部に互いに対向して配置され、それぞれ前記複数の内部電極層に一層おきに接続されている一対の外部電極とを有し、
    前記積層体は前記一対の外部電極の対向する方向を長さ方向とし、前記積層体の積層方向に対して垂直かつ前記長さ方向に対して垂直な方向を幅方向とする平面視で長方形状の板状体であり、
    前記複数の内部電極層は、隣接する内部電極層とともに異なる2つのブロックを形成し、異なる2つのブロック間は、一方のブロックと他方のブロックとの前記幅方向へのずれによって、当該幅方向の両端部にそれぞれ前記積層方向に重ならない領域を有していることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記重ならない領域における前記一方のブロックの端部から前記他方のブロックの端部までの距離は、前記一方のブロックの厚みおよび前記他方のブロックの厚みの50%以上かつ300%以下の値であることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. フィルムと、
    該フィルムの外周部に設けられた枠部材と、
    該枠部材の枠内の前記フィルムに設けられた請求項1または請求項2に記載の圧電素子と、
    該圧電素子を埋設するように前記枠部材の枠内に充填された樹脂層とを有することを特徴とする音響発生器。
  4. 請求項3に記載の音響発生器と、
    該音響発生器を収容する筐体と
    を少なくとも有することを特徴とする音響発生装置。
  5. 請求項3に記載の音響発生器と、
    該音響発生器に接続された電子回路と、
    該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体と
    を少なくとも有しており、
    前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器。
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