JP5627489B2 - 波長多重伝送装置 - Google Patents

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Description

この発明は、波長多重光を伝送する波長多重伝送装置に関する。
波長多重伝送システムは、伝送路で互いに接続された複数の波長多重伝送装置を備え、前段の伝送装置で複数の信号をそれぞれ異なる波長の光に変調し、その波長光を多重して後段の伝送装置へ伝送する。後段の伝送装置は、前段から入力した波長多重光をそれぞれの波長ごとに分離し、その波長光を元の信号に復調する。
また、従来の波長多重伝送装置は、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されるように、後段に伝送(パススルー)する波長多重光の入力レベルをモニタし、この入力レベル(光パワーレベル)に基づいて、前段の伝送装置との間の伝送路における障害を検出する。
前段の伝送装置との伝送路に障害が発生すると、後段の伝送装置へ出力する波長多重光のレベルが変動するため、後段の伝送装置が受信する信号が劣化する可能性がある。
そこで、従来の波長多重伝送装置は、前段から入力した波長多重光の入力レベルが低下して伝送路の障害が検出されると、ダミー光を合波して後段の伝送装置へ伝送する波長多重光の出力レベルが一定に保たれるようにする。これにより、前段の伝送装置との間の伝送路に障害が発生しても、この障害の影響が後段へ波及することを防止できる。
特許第3976771号公報 特許第4557647号公報 特開平10−200489号公報
従来の波長多重伝送装置は、前段の伝送装置から入力した波長多重光の光パワーレベルをモニタして伝送路の障害を検出する。しかしながら、伝送路から入力された波長多重光を増幅する光増幅部において、伝送路に障害が発生して光信号が断になると、自然放出光を増幅した雑音光成分(自然増幅光;ASE)が発生して、前段から入力された波長多重光の入力パワーレベルが高くなり、伝送路の障害を正しく検出できない場合があるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、伝送路の障害検出を的確に行うことができ、安定した伝送特性が得られる波長多重伝送装置を得ることを目的とする。
この発明に係る波長多重伝送装置は、光伝送路を介して前段の波長多重伝送装置から受信された波長多重光のうち、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光を、自装置から送信するデータの波長多重光と合波して後段の波長多重伝送装置へ送信する合波部を有する波長多重伝送装置において、前段の波長多重伝送装置で変調処理された波長多重光を受信し、受信した波長多重光のうち、自装置で終端する波長帯域の波長多重光とパススルー伝送する波長帯域の波長多重光とを分波する受信部と、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光から前段の波長多重伝送装置による変調成分を検出する変調検出手段と、ダミー光を発生するダミー光発生手段と、ダミー光発生手段によるダミー光の発生を制御するダミー光制御手段とを備え、変調検出手段により変調成分が検出されない場合に、ダミー光制御手段はダミー光発生手段にダミー光を発生させ、合波部はダミー光を自装置から送信するデータの波長多重光と合波して後段の波長多重伝送装置へ送信するものである。
この発明によれば、伝送路の障害検出を的確に行うことができ、安定した伝送特性が得られる波長多重伝送装置を提供することができるという効果がある。
この発明が扱う波長多重伝送システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1による波長多重伝送装置の構成を示すブロック図である。 伝送路に出力された波長多重光を示す図である。 この発明の実施の形態2による波長多重伝送装置の構成を示すブロック図である。 伝送路に出力されたモニタ光を含む波長多重光を示す図である。 この発明の実施の形態3による波長多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、この発明が扱う波長多重伝送システムの構成を示す図であり、光海底ケーブルシステムに適用した場合を示している。図1において、波長多重伝送システム1は、光ファイバケーブルを用いた伝送路で接続されたトランク局2a,2b、分岐ユニット3a,3b及びブランチ局4a,4bを備え、トランク局2a,2b及びブランチ局4a,4bが、この発明の波長多重伝送装置として機能する。
分岐ユニット3aは、トランク局2aに接続する伝送路A−1をブランチ局4aへ分岐し、ブランチ局4aに接続する伝送路B−1をトランク局2bへ分岐する構成部である。また、分岐ユニット3bは、トランク局2aに接続する伝送路A−2をブランチ局4bへ分岐し、ブランチ局4bに接続する伝送路C−2をトランク局2bへ分岐する構成部である。トランク局2a,2bは伝送路A−3を介して接続される。
波長多重伝送システム1において、運用開始時は初期に必要となる波長数分だけで運用されるが、引き続き回線需要があると新たに伝送路の増設が行われる。ただし、光ファイバケーブルの伝送路を増設するには多大な費用が必要となる。
一般的に、トランク局−トランク局間の伝送需要が、トランク局−ブランチ局間よりも大きいため、トランク局−トランク局間の伝送容量限界の波長数となっても、トランク局−ブランチ局間では伝送容量に余裕がある場合がしばしば起こり得る。
そこで、ブランチ局において、運用されていない波長光を終端せず、トランク局にそのまま伝送することにより、費用がかかる伝送路の新設を行わずにトランク局−トランク局間の伝送容量を増加させることができる波長パススルー機能を有する波長多重伝送装置が注目されている。
図2は、この発明の実施の形態1による波長多重伝送装置の構成を示すブロック図であり、図1におけるブランチ局4aの構成を主に示している。また、分岐ユニット3aは、記載を省略している。信号の伝送方向を、図2中の矢印で示す左から右方向としている。なお、本発明は、後段のブランチ局4a(若しくはブランチ局4b)の障害検出に関するものであるため、前段のトランク局2aについては受信部の記載を省略している。
図2において、トランク局2aの送信部5は、伝送路A−1を介して後段のブランチ局4aへ波長多重光を伝送する構成部であり、波長変換部5a、多重部5b、光増幅部5c及び変調ブロック5dを備える。
また、ブランチ局4aの受信部6は、伝送路A−1を介してトランク局2aからの波長多重光を受信する構成部であり、光増幅部6a、1:2分波部6b、分離部6c及び波長変換部6dを備える。送信部7は、送信データを波長多重光として、伝送路B−1を介して後段のトランク局2bへ送信する構成部であり、波長変換部7a、多重部7b、2:1合波部7c、光増幅部7d、1:2分波部7e、ダミー光制御部7f、ダミー光源部7g、2:1合波部7h、波長フィルタ7i及び変調検出ブロック7jを備える。なお、ブランチ局4bの送信部も、上記送信部7と同様の構成であるものとする。
以降では、説明の簡単のため、トランク局2aとブランチ局4aにおける動作を、図2を参照して説明する。
(1)通常時の動作(伝送路A−1に障害なし)
先ず、トランク局2aにおいて、伝送対象の各送信データが、波長変換部5aによって各送信データに対応する信号毎の波長光に変換される。多重部5bは、波長変換部5aで変換された信号毎の波長光を多重化し波長多重光を生成する。この波長多重光は、光増幅部5cによって所定の出力レベルに増幅される。
この後、実施の形態1の特有な構成である変調ブロック5dが、光増幅部5cの出力に対して伝送特性に影響がない強度で固有のパターンの振幅変調を行って、伝送路A−1へ出力する。
図3は、伝送路に出力された波長多重光を示す図である。トランク局2aから伝送路A−1に出力された波長多重光は、図3に示すように複数の波長の信号からなる。図3に示す例では、光増幅部5cにより光パワーが増幅され、送受信する信号として長波長側の波長帯域に5チャンネルの信号と、トランク局2bへパススルーする信号として短波長側の波長帯域に5チャンネルの信号が波長多重されている。
ここでは伝送路A−1に障害が発生していないので、トランク局2aからの波長多重光がブランチ局4aの受信部6に受信される。受信部6の光増幅部6aは、トランク局2aから受信した波長多重光を増幅する。
1:2分波部6bは、図3に示したような送受信する信号とパススルーする信号の各波長帯域に基づいて、光増幅部6aから入力した波長多重光を2つに分波し、分波した一方を分離部6cへ出力し、もう一方を送信部7へパススルーする。
分離部6cは、1:2分波部6bから入力した波長多重光から、ブランチ局4aで終端する波長光をそれぞれ波長毎に分離して波長変換部6dへ出力する。波長変換部6dは、分離部6cから入力した各波長光を元の信号に復調し受信データとして出力する。
パススルーされた波長多重光は、送信部7の1:2分波部7eに入力される。1:2分波部7eは、入力した波長多重光を2つに分波して、一方を2:1合波部7hへ出力し、もう一方を変調検出ブロック7jへ出力する。変調検出ブロック7jは、入力された波長多重光から、トランク局2aの変調ブロック5dにかけられた変調成分(振幅変調の固有パターン)を検出する処理を行う。ここでは伝送路A−1に障害が発生していないので、変調検出ブロック7jによって変調成分が検出される。このとき、変調検出ブロック7jは、伝送路A−1が正常である旨をダミー光制御部7fへ通知する。
なお、従来の波長多重伝送装置では、1:2分波部7eに分波された波長多重光の一方が、変調検出ブロック7jの代わりにモニタ部へ入力される。このモニタ部は、入力した波長多重光(パススルーされた波長多重光)の入力レベル(光パワーレベル)をモニタして、その入力レベルの低下から伝送路A−1に障害が発生したか否かを検出する。
しかしながら、伝送路A−1に障害が発生して波長多重光の入力が断となっても、光増幅部6aが自然放出光を増幅したASE光を発生するため、モニタ部へ入力される光パワーレベルが低下せず、伝送路A−1に障害が検出されない可能性がある。
これに対し、実施の形態1は、後段の伝送装置が、入力光の光パワーレベルではなく、前段の伝送装置で信号光にかけられた変調成分を検出できたか否かによって伝送路A−1の障害発生を判定する。従って、光増幅部6aでASE光が発生しても、伝送路A−1の障害を確実に検出することが可能である。
ダミー光制御部7fは、変調検出ブロック7jから伝送路A−1が正常である旨の通知を受けると、ダミー光を発光しないようにダミー光源部7gを制御する。従って、2:1合波部7hは、1:2分波部7eから入力した波長多重光(パススルーされた波長多重光)をそのまま波長フィルタ7iへ出力する。
波長フィルタ7iは、受信部6からパススルーされた波長多重光の中から、ブランチ局4aで分岐し終端する波長光をブロックし、後段のトランク局2bへパススルーする波長光のみを2:1合波部7cへ出力する。
一方、ブランチ局4aからの各送信データは、波長変換部7aが、各送信データに対応する信号毎の波長光に変換する。多重部7bでは、波長変換部7aで変換された信号毎の波長光を多重化し波長多重光を生成する。
2:1合波部7cは、ブランチ局4aから送信される信号の波長多重光とトランク局2bへパススルーする波長多重光とを合波して光増幅部7dへ出力する。光増幅部7dは、2:1合波部7cから入力した波長多重光を増幅して伝送路B−1へ出力する。
(2)異常時の動作(伝送路A−1に障害あり)
海底区間におけるケーブル断等の伝送路A−1に障害が発生すると、ブランチ局4aの受信部6への入力が断たれ、ブランチ局4aにおける受信データは全波長で断となる。
このとき、受信部6の光増幅部6aへの入力が断になるため、1:2分波部6bへ入力されてパススルーされる波長多重光はなく、送信部7の1:2分波部7eは、変調検出ブロック7jへ波長多重光を出力できない。このため、変調検出ブロック7jは、変調成分を検出できず、伝送路A−1に障害が発生したと判定し、その旨をダミー光制御部7fへ通知する。ダミー光制御部7fは、伝送路A−1に障害が発生した旨の通知を受けると、ダミー光を発光するようにダミー光源部7gを制御する。ダミー光源部7gで発光されたダミー光は、2:1合波部7hへ出力される。
2:1合波部7hは、1:2分波部7eからの波長多重光が入力されないので、ダミー光源部7gで発光されたダミー光を波長フィルタ7iへ出力する。波長フィルタ7iは、ダミー光源部7gから入力したダミー光の中から、ブランチ局4aで分岐し終端する波長光をブロックして2:1合波部7cへ出力する。
一方、2:1合波部7cは、ブランチ局4aから送信される信号の波長多重光とダミー光とを合波して光増幅部7dへ出力する。光増幅部7dでは、2:1合波部7cから入力した波長多重光を増幅して伝送路B−1へ出力する。このように、ダミー光を新たに挿入することで、2:1合波部7cの出力パワーレベルは、通常時と同様になり、伝送品質を保つことができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、前段の波長多重伝送装置で変調処理された波長多重光を受信し、受信した波長多重光のうち、自装置で終端する波長帯域の波長多重光とパススルー伝送する波長帯域の波長多重光とを分波する受信部6と、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光から前段の波長多重伝送装置による変調成分を検出する変調検出ブロック7jと、ダミー光を発生するダミー光源部7gと、ダミー光源部7gによるダミー光の発生を制御するダミー光制御部7fとを備え、ダミー光制御部7fは、変調検出ブロック7jにより変調成分が検出されない場合にダミー光源部7gにダミー光を発生させ、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光にダミー光を合波した波長多重光と自装置から送信するデータの波長多重光とを合波して後段の波長多重伝送装置へ送信する。
このように前段の伝送装置が信号光にかけた変調成分を後段で検出できるか否かに基づいて伝送路A−1の障害を検出するので、伝送路の障害検出を的確に行うことができ、安定した伝送特性が得られる波長多重伝送装置を提供することができる。
なお、上記実施の形態1では、変調ブロック5dで行う変調方式を振幅変調とした場合を示したが、変調検出ブロック7jで変調成分が検出可能な変調方式であれば、周波数変調等の他の変調方式であってもかまわない。また、変調ブロック5dは、光増幅部5cの前段に配置してもよい。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による波長多重伝送装置の構成を示すブロック図である。図4に示すように、実施の形態2では、トランク局2aの送信部5において、上記実施の形態1で示した変調ブロック5dの代わりにモニタ光出力部5eを備えており、ブランチ局4a(及びブランチ局4b)の送信部7において、上記実施の形態1で示した変調検出ブロック7jの代わりに、モニタ光変調検出部7kを備えている。
モニタ光出力部5eは、波長変換部5aから出力される各信号の波長とは異なる波長であって、固有のパターンで振幅変調したモニタ光を出力する構成部である。
また、モニタ光変調検出部7kは、入力した波長多重光からモニタ光の波長のみを分離して振幅変調成分を検出する構成部であり、この変調成分の検出有無に基づいて伝送路A−1の障害発生を検出する。
なお、図4において、図2と同一及びこれに相当する構成には同一符号を付して重複した説明を省略する。
次に動作について説明する。
(1)通常時の動作(伝送路A−1に障害なし)
先ず、トランク局2aにおいて、伝送対象の各送信データが、波長変換部5aによって各送信データに対応する信号毎の波長光に変換され、多重部5bへ出力される。
一方、モニタ光出力部5eは、上記各信号の波長とは異なる波長であって、固有のパターンで振幅変調したモニタ光を生成して多重部5bへ出力する。
多重部5bは、波長変換部5aで変換された信号毎の波長光及びモニタ光出力部5eで生成されたモニタ光を多重化し波長多重光を生成する。この波長多重光は、光増幅部5cによって所定の出力レベルに増幅される。増幅された波長多重光は、伝送路A−1へ出力される。
図5は、伝送路に出力されたモニタ光を含む波長多重光を示す図である。実施の形態2によるトランク局2aから伝送路A−1に出力された波長多重光は、図5に示すように、複数の波長の信号と変調光からなる。図5に示す例では、光増幅部5cにより光パワーが増幅され、送受信する信号として長波長側の波長帯域に5チャンネルの信号と、トランク局2bへパススルーする信号として短波長側の波長帯域に5チャンネルの信号と、これらの波長帯域の外側にあるモニタ光が波長多重されている。
ここでは伝送路A−1に障害が発生していないので、トランク局2aからの波長多重光がブランチ局4aの受信部6に受信される。受信部6の光増幅部6aは、トランク局2aから受信した波長多重光を増幅する。
1:2分波部6bは、図5に示したような送受信する信号とパススルーする信号の各波長帯域に基づいて、光増幅部6aから入力した波長多重光を2つに分波し、分波した一方を分離部6cへ出力し、もう一方を送信部7へパススルーする。
分離部6cは、1:2分波部6bから入力した波長多重光から、ブランチ局4aで終端する波長光をそれぞれ波長毎に分離して波長変換部6dへ出力する。波長変換部6dは、分離部6cから入力した各波長光を元の信号に復調し受信データとして出力する。
パススルーされた波長多重光は、送信部7の1:2分波部7eに入力される。1:2分波部7eは、入力した波長多重光を2つに分波して、一方を2:1合波部7hへ出力し、もう一方をモニタ光変調検出部7kへ出力する。モニタ光変調検出部7kは、入力された波長多重光から、トランク局2aのモニタ光出力部5eから出力されたモニタ光の波長のみを分離し、変調成分(振幅変調の固有パターン)を検出する処理を行う。ここでは伝送路A−1に障害が発生していないので、モニタ光変調検出部7kによって変調成分が検出される。このとき、モニタ光変調検出部7kは、伝送路A−1が正常である旨をダミー光制御部7fへ通知する。
ダミー光制御部7fは、モニタ光変調検出部7kから伝送路A−1が正常である旨の通知を受けると、ダミー光を発光しないようにダミー光源部7gを制御する。従って、2:1合波部7hは、1:2分波部7eから入力した波長多重光(パススルーされた波長多重光)をそのまま波長フィルタ7iへ出力する。
波長フィルタ7iは、受信部6からパススルーされた波長多重光の中から、ブランチ局4aで分岐し終端する波長光をブロックし、後段のトランク局2bへパススルーする波長光のみを2:1合波部7cへ出力する。
一方、ブランチ局4aからの各送信データは、波長変換部7aが、各送信データに対応する信号毎の波長光に変換する。多重部7bでは、波長変換部7aで変換された信号毎の波長光を多重化し波長多重光を生成する。
2:1合波部7cは、ブランチ局4aから送信される信号の波長多重光とトランク局2bへパススルーする波長多重光とを合波して光増幅部7dへ出力する。光増幅部7dは、2:1合波部7cから入力した波長多重光を増幅して伝送路B−1へ出力する。
(2)異常時の動作(伝送路A−1に障害あり)
海底区間におけるケーブル断等の伝送路A−1に障害が発生すると、ブランチ局4aの受信部6への入力が断たれ、ブランチ局4aにおける受信データは全波長で断となる。
このとき、受信部6の光増幅部6aへの入力が断になるため、1:2分波部6bへ入力されてパススルーされる波長多重光はなく、送信部7の1:2分波部7eは、モニタ光変調検出部7kへ波長多重光を出力できない。このため、モニタ光変調検出部7kは、変調成分を検出できず、伝送路A−1に障害が発生したと判定して、その旨をダミー光制御部7fへ通知する。ダミー光制御部7fは、伝送路A−1に障害が発生した旨の通知を受けると、ダミー光を発光するようにダミー光源部7gを制御する。ダミー光源部7gで発光されたダミー光は、2:1合波部7hへ出力される。
2:1合波部7hは、1:2分波部7eからの波長多重光が入力されないので、ダミー光源部7gで発光されたダミー光を波長フィルタ7iへ出力する。波長フィルタ7iは、ダミー光源部7gから入力したダミー光の中から、ブランチ局4aで分岐し終端する波長光をブロックして2:1合波部7cへ出力する。
一方、2:1合波部7cは、ブランチ局4aから送信される信号の波長多重光とダミー光とを合波して光増幅部7dへ出力する。光増幅部7dでは、2:1合波部7cから入力した波長多重光を増幅して伝送路B−1へ出力する。このように、ダミー光を新たに挿入することで、2:1合波部7cの出力パワーレベルは、通常時と同様になり、伝送品質を保つことができる。
以上のように、この実施の形態2によれば、前段の波長多重伝送装置で所定のモニタ光が多重された波長多重光を受信し、受信した波長多重光のうち、自装置で終端する波長帯域の波長多重光とパススルー伝送する波長帯域の波長多重光とを分波する受信部6と、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光から前段の波長多重伝送装置で多重されたモニタ光を検出するモニタ光変調検出部7kと、ダミー光を発生するダミー光源部7gと、ダミー光源部7gによるダミー光の発生を制御するダミー光制御部7fとを備え、ダミー光制御部7fは、モニタ光変調検出部7kによりモニタ光が検出されない場合にダミー光源部7gにダミー光を発生させ、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光にダミー光を合波した波長多重光と自装置から送信するデータの波長多重光とを合波して後段の波長多重伝送装置へ送信する。このように構成することで、送信データを伝送する信号波長には変調を行わないので、上記実施の形態1と比較して信号光の特性劣化が全くない。このため、伝送路の特性が悪く、伝送条件が厳しい場合においても適用することが可能である。
なお、上記実施の形態2では、モニタ光出力部5eで行う変調方式を振幅変調とした場合を示したが、モニタ光変調検出部7kで変調成分が検出可能な変調方式であれば、周波数変調等の他の変調方式であってもかまわない。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3による波長多重伝送装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、実施の形態3では、ブランチ局4a(及びブランチ局4b)の受信部6において、上記実施の形態1で示した波長変換部6dの前段にモニタ部6eを備えている。モニタ部6eは、波長変換部6dの前段に設けられ、分離部6cから入力される各波長の信号について、受信に不備があった場合に付加される警報情報をモニタする構成部である。例えば、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)又はOTN(Optical Transport Network)等で定義されるフレームにおける、受信フレーム同期外れ情報をモニタする。
モニタ部6eは、分離部6cから入力される全ての波長の信号について警報情報を検出した場合に伝送路A−1に障害が発生したものと判断し、その旨をダミー光制御部7fに通知する。ダミー光制御部7fは、変調検出ブロック7jの障害判定結果、及びモニタ部6eからの障害判定結果に基づき、両者が共に障害ありを判定した場合に、ダミー光源部7gにダミー光を発光させる。
以上のように、この実施の形態3によれば、モニタ部6eによって波長多重光の全ての波長の信号光で警報情報が検出されたか否かと、変調検出ブロック7jによって波長多重光から、前段で付与された変調成分が検出されたか否かとの両方をモニタして伝送路A−1の障害発生を判定する。このようにすることで、前段の変調ブロック5dに故障が発生した場合に伝送路の障害を誤判定することを回避でき、より確実に伝送路障害を検出することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 波長多重伝送システム、2a,2b トランク局、3a,3b 分岐ユニット、4a,4b ブランチ局、5,7 送信部、5a,6d,7a 波長変換部、5b,7b 多重部、5c,6a,7d 光増幅部、5d 変調ブロック、5e モニタ光出力部、6 受信部、6b,7e 1:2分波部、6c 分離部、6e モニタ部、7c,7h 2:1合波部、7f ダミー光制御部、7g ダミー光源部、7i 波長フィルタ、7j 変調検出ブロック、7k モニタ光変調検出部。

Claims (3)

  1. 光伝送路を介して前段の波長多重伝送装置から受信された前記波長多重光のうち、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光を、自装置から送信するデータの波長多重光と合波して後段の波長多重伝送装置へ送信する合波部を有する波長多重伝送装置において、
    前記前段の波長多重伝送装置で光変調処理された波長多重光を受信し、前記受信した波長多重光のうち、自装置で終端する波長帯域の波長多重光とパススルー伝送する波長帯域の波長多重光とを分波する受信部と、
    前記パススルー伝送する波長帯域の波長多重光から前記前段の波長多重伝送装置による光変調成分を検出する変調検出手段と、
    ダミー光を発生するダミー光発生手段と、
    前記ダミー光発生手段によるダミー光の発生を制御するダミー光制御手段とを備え
    記変調検出手段により前記光変調成分が検出されない場合に
    前記ダミー光制御手段は、前記ダミー光発生手段にダミー光を発生させ、
    前記合波部は、前記ダミー光を前記自装置から送信するデータの波長多重光と合波して前記後段の波長多重伝送装置へ送信することを特徴とする波長多重伝送装置。
  2. 光伝送路を介して前段の波長多重伝送装置から受信された波長多重光のうち、パススルー伝送する波長帯域の波長多重光を、自装置から送信するデータの波長多重光と合波して後段の波長多重伝送装置へ送信する合波部を有する波長多重伝送装置において、
    前記前段の波長多重伝送装置で所定のモニタ光が多重された波長多重光を受信し、前記受信した波長多重光のうち、自装置で終端する波長帯域の波長多重光とパススルー伝送する波長帯域の波長多重光とを分波する受信部と、
    前記パススルー伝送する波長帯域の波長多重光から前記前段の波長多重伝送装置で多重された前記モニタ光を検出するモニタ光検出手段と、
    ダミー光を発生するダミー光発生手段と、
    前記ダミー光発生手段によるダミー光の発生を制御するダミー光制御手段とを備え、
    記モニタ光検出手段により前記モニタ光が検出されない場合に
    前記ダミー光制御手段は、前記ダミー光発生手段にダミー光を発生させ、
    前記合波部は、前記ダミー光を前記自装置から送信するデータの波長多重光と合波して前記後段の波長多重伝送装置へ送信することを特徴とする波長多重伝送装置。
  3. 前記受信部は、
    前記自装置で終端する波長帯域の波長多重光を各信号波長に分離する分離手段と、
    前記分離手段で分離された各信号波長の警報情報を検出するモニタ手段とを備え、
    前記ダミー光制御手段は、
    前記変調検出手段による変調成分の検出結果及び前記モニタ手段による警報情報の検出結果に基づいて、前記ダミー光発生手段によるダミー光の発生を制御することを特徴とする請求項1記載の波長多重伝送装置。
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