<実施の形態1>
以下、この発明の実施の形態1を図1から図6に基づいて説明する。以下、図1〜図6の概要は以下の通りである。図1は本発明の実施の形態1であるオゾンガス供給システムの構成を示すブロック図である。図2は図1で示したオゾンガス供給システムにおけるオゾンガス出力流量管理ユニットの内部構成を示す説明図である。図3は実施の形態1のオゾンガス供給システムにおけるメイン操作パネルの表示状態を模式的に示す説明図である。図4は図1で示したオゾン発生ユニット内のオゾン制御部の構成を示すブロック図である。図5は図1で示したオゾン発生ユニット内のデータメモリの記憶内容(オゾン発生ユニットの濃度、流量制御を行うための初期条件等)を模式的に示す説明図である。図6は図1で示したオゾン発生ユニット7に対し出力濃度制御を行った出力濃度制御波形を示すグラフである。
(全体構成)
図1に示すように、オゾンガス供給システム10は内部にn(≧2)個のオゾン発生ユニット7−1〜7−nを有している。以下、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのうちオゾン発生ユニット7−2を代表して取り上げその内部構成を図1中心に参照して説明する。
オゾン発生器1の内部は酸素ガスを含んだガスが充満されており、オゾンガス供給システム10内のオゾン電源2から高周波高電圧HV,LVがオゾン発生器1内の電極間に印加され、この電極間で誘電体バリア放電(無声放電)をすることにより、放電空間のガスが放電によってオゾンガスを生成している。なお、オゾン電源2は後に詳述するがコンバータ2a、インバータ2b及び高電圧回路部2cにより構成される。
本実施の形態はオゾン発生器1として無声放電方式によるオゾン発生器構造のものを代表して説明したが、オゾン発生させる機能としては、沿面放電やグロー放電を利用したオゾン発生器構造や超高周波やマイクロ波放電を利用したオゾン発生器構造もあり、さらに電解媒質を利用したオゾン発生器もあり、これらのオゾン発生器であっても良い。
オゾンガス供給システム10の原料ガス供給口14、オゾン発生ユニット7−2の原料ガス供給口14−2から得られる所定の原料ガス流量Qの原料ガスが、ガス流量コントローラ(MFC)3を介してオゾン発生器1に一定流量で原料ガスが供給される。
オゾン発生器1内の圧力を一定する手段として、発生器内のガス圧力を検出する手段と、この検出によって発生器が出力するオゾンガス量を微調整することで、オゾン発生器1内の圧力を一定にする機能をオゾン発生器システムには保有している。この1つの方法として、発生器圧力を自動で所定圧力に調整する自動圧力調整器(APC)4があり、この自動圧力調整器(APC)4がオゾン発生器のオゾンガス出力配管ガスラインに設けられている。
オゾンガス出力配管ガスラインの具体的な構成としては、オゾン発生器1内で生成したオゾンガスから不純物や異物を除去するガスフィルター51に通した後、オゾン濃度計5、発生器圧力を自動で所定圧力に調整する自動圧力調整器(APC)4を介して連続的に所定のオゾン濃度Cを有するオゾン(化酸素)ガスをオゾンガス出力口15−2からオゾン発生ユニット7−2の外部に出力している。
オゾンガス出力配管ガスラインには、出力オゾンガス流量を一定出力するためのオゾンガス流量コントローラ(MFC)を設ける場合もある。この実施の形態では、このオゾンガス流量コントローラ(MFC)は設けていない。
したがって、出力したオゾンガスの流量Qxは、原料ガス流量Qからオゾンに変換したオゾン流量Qcと変換されなかった原料酸素流量Qnの和となる。つまり、オゾン(化酸素)ガスの流量Qxは、原料(酸素)ガス流量Q、オゾン濃度Cに基づく式(A){Qx=F(Q,C)・・・(A)}により決定する。
このガス流量コントローラ(MFC)3で、オゾン発生器に供給する原料ガス流量を一定値に制御している。
なお、APC4は、オゾン発生器1のオゾンガスの出力配管経路内を流れるオゾンガスの圧力を制御することによりオゾン発生器1のガス圧力を自動的に一定値に制御している。
オゾン発生ユニット7−2は、オゾンガスを発生する手段を有したオゾン発生器1、オゾンガスに所定の電力を供給する手段を有したオゾン電源2、供給する原料ガス流量を一定値に制御する手段を有するMFC3、オゾン発生器1内の圧力値を一定値に制御する手段を有するAPC4、出力するオゾンガスの不純物ガスをトラップする手段を有するガスフィルター51、出力するオゾン濃度値を検出する手段を有するオゾン濃度計5等の複数個の機能手段を集約し1単位のパッケージユニットとして構成されている。オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの構成は全て同じであり(7−2以外は図示省略)、オゾン発生ユニット7−2を代表して説明した内部構成を呈している。
各オゾン発生ユニット7(オゾン発生ユニット7−1〜7−n)の底面に漏水センサ6を設け、各オゾン発生ユニット7の漏水の有無を監視している。すなわち、漏水センサ6から得られる情報がシステム統括管理ユニット8内のEMO回路(非常停止回路)81により得られ、システム管理制御部84の制御下で監視される。
また、オゾンガス供給システム10内に設けられるシステム統括管理ユニット8は、装置内を排気ダクト11から真空引きし負圧状態に監視するための排気センサ23、オゾン漏洩センサ24それぞれの検出情報を受けている。そして、システム統括管理ユニット8は、排気センサ23による排気異常、オゾン漏洩センサ24による漏洩異常を受けると、システム管理制御部84より全てのオゾン発生ユニット7−1〜7−nに停止を指示するオゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nを与え、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの運転を停止させる。
また、システム統括管理ユニット8内のシステム管理制御部84は、オゾン処理装置12−1〜12−nから、要求オゾン流量Qs12及び要求オゾン濃度Cs12を含む処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nをユーザ情報I/F83を介して受ける。
そして、システム管理制御部84は、処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nの指示内容に基づき、オゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nをオゾン発生ユニット7−1〜7−nに出力するとともに、制御信号S8をオゾンガス出力流量管理ユニット9に出力する。
その結果、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれから出力するオゾンガスの流量、濃度が制御されるともに、オゾンガス出力流量管理ユニット9におけるオゾンガス制御弁9a等の開閉制御が行われ、処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nの指示内容に沿ったガス流量、濃度のオゾンガスをオゾン処理装置12−1〜12−nに供給することができる。以下、システム統括管理ユニット8についてさらに詳述する。
システム統括管理ユニット8は、装置の非常停止を行うEMO回路81、ユニット情報I/F82、ユーザ情報I/F83、システム管理制御部84及びメイン操作パネル85を有している。
EMO回路81は、前述したように、各オゾン発生ユニット7の漏水センサ6から得られるシステムの異常信号を監視する回路である。具体的には、EMO回路81が漏水センサ6より漏水異常の検出情報を受けると、当該情報をシステム管理制御部84に伝達し、システム管理制御部84より、漏水異常を検出した漏水センサ6に対応するオゾン発生ユニット7にオゾン発生ユニット制御信号86(オゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nのいずれか)を与え、当該オゾン発生ユニット7を停止させる。
ユニット情報I/F82は、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからユニット情報信号17−1〜17−nの授受を行う。
ユーザ情報I/F83は、前述したように、オゾン処理装置12−1〜12−nからの指令信号である処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−n(要求オゾン流量Qs12、要求オゾン濃度Cs12、運転情報Y、装置No.等を指示)を受信する。
システム管理制御部84は、オゾンガス出力流量管理ユニット9内のオゾンガス制御弁(9a、9b、9c、9ab、9bc、9ca)を開閉制御するための指令である制御信号S8を出力し、オゾンガス出力流量管理ユニット9内の統括制御を行う。システム管理制御部84はメイン操作パネル85との情報の授受も行う。
図1に示すように、オゾンガス供給システム10は冷却水入口13A及び冷却水出口13Bを有し、冷却水入口13Aから冷却水入口13a−1〜13a−nを介してオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に図示しない外部の冷却装置からの冷却水を取り込み、オゾン発生ユニット7−1〜7−nから冷却後の水を冷却水出口13b−1〜13b−nを介して冷却水出口13Bから外部に出力している。
オゾンガス供給システム10は原料ガス供給口14を有し、原料ガス供給口14から原料ガス供給口14−1〜14−nを介してオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に外部から原料ガスを取り込んでいる。
オゾン発生ユニット7−1〜7−nのオゾンガス出力口15−1〜15−nは内部のオゾンガス出力流量管理ユニット9に接続され、オゾンガス出力流量管理ユニット9からオゾンガス出力口25−1〜25−nを介してオゾンガス供給システム10の外部にオゾンガスが出力される。
n台のオゾン処理装置12−1〜12−nから出力される処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nはユーザ情報I/F83を介してシステム管理制御部84に取り込まれる。処理オゾンガスイベント信号16(16−1〜16−n)は要求オゾン流量Qs12、要求オゾン濃度Cs12及び運転情報Y等を指示している。システム管理制御部84は処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nに基づき、オゾン発生ユニット7−1〜7−nを制御するオゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nを出力する。
オゾン発生ユニット7−1〜7−nはオゾン発生ユニット用操作パネル85−1〜85−nを有している。また、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからユニット情報信号17−1〜17−nがシステム統括管理ユニット8のユニット情報I/F82を介してシステム管理制御部84に伝達される。ユニット情報信号17(17−1〜17−n)は、各オゾン発生ユニット7におけるオゾン発生器1の故障や運転/停止状態を指示する情報信号である。
処理オゾンガスイベント信号16に含まれる運転情報Yは、各オゾン処理装置12(12−1〜12−n)の故障や運転/停止状態情報信号を示すユーザ情報信号に相当し、前述したように、システム統括管理ユニット8内のユーザ情報I/F83に取り込まれる。
また、オゾン発生ユニット7−1〜7−nはそれぞれオゾン制御部19を有している。オゾン制御部19は、後に詳述するように、原料ガス流量の設定流量Qs、検出流量Q,オゾン発生器1の発生器圧力の設定圧力Ps、検出圧力P及び各オゾン発生ユニット7から出力するオゾン濃度Cを受信し、オゾン電源2を制御してオゾン発生器1から発生するオゾンガスのオゾン濃度、ガス流量等を制御する制御部である。また、オゾン制御部19は、オゾン濃度計5、MFC3、APC4及びオゾン電源2との間で信号授受を行っている。
(オゾンガス出力流量管理ユニットの制御)
図2に示すように、オゾンガス出力流量管理ユニット9はオゾン発生ユニット7−1〜7−nの出力部に対応してオゾンガス入力口29−1〜29−nを有しており、オゾン処理装置12−1〜12−nの入力部に対応してオゾンガス出力口39−1〜39−nを有している。そして、オゾンガス出力口39−1〜39−n(オゾンガス出力口25−1〜25−n)とオゾン処理装置12−1〜12−nとの間にオゾンガス開閉弁22−1〜22−nが介挿される。オゾン処理装置12−1〜12−nはオゾンガス供給時にオゾンガス開閉弁22−1〜22−nを開状態にする。本オゾンガス供給システム10はオゾンガス出力口39−1〜39−nのn個のオゾンガス出力口を設けたシステムにしているが、ユーザ側のオゾン処理装置数がn個より少ない場合は出力しないオゾンガス出力口39部分の配管継手をキャップ継手にし、出力ガスを栓することで対応することもできる。
オゾンガス出力流量管理ユニット9は内部にオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caを有しており、オゾンガス制御弁9a,9b,9cはノーマリオープン(NO),オゾンガス制御弁9bc,9ab,9caはノーマリクローズ(NC)である。なお、説明の都合上、図2ではn=3の場合で具体化して示している。なお、オゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caとして、電気もしくはエアー圧力によって開閉できる電動バルブもしくは空圧弁が考えられる。
オゾンガス制御弁9a〜9cはオゾン発生ユニット7−1〜7−nのオゾンガス入力口29−1〜29−nとオゾンガス出力口39−1〜39−nとの間に介挿される。オゾンガス制御弁9abはオゾンガス制御弁9a,9bの出力間に設けられ、オゾンガス制御弁9bcはオゾンガス制御弁9b,9cの出力間に設けられ、オゾンガス制御弁9caはオゾンガス制御弁9c,9aの出力間に設けられる。
そして、システム統括管理ユニット8のシステム管理制御部84からの制御信号S8に基づき、オゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caそれぞれの開状態、閉状態が制御される。
図2では、オゾン処理装置12−1〜12−nのうち、オゾンガス開閉弁22−2を開状態(黒塗り潰し)としたオゾン処理装置12−2の1台のみ運転しており、オゾン処理装置12−2に対するオゾンガス流量としては、30SLM(L/min)のオゾンガスを供給した場合のオゾンガス出力流量管理ユニット9の状態を示している。すなわち、オゾン処理装置12−2は処理オゾンガスイベント信号16−2内の要求オゾン流量Qs12により30SLMのオゾン流量を指示している。
システム統括管理ユニット8内のシステム管理制御部84は、オゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nにより、オゾン発生ユニット7−1〜7−nよりそれぞれ10SLMのオゾンガスを供給するように制御する。
さらに、システム管理制御部84は制御信号S8により、オゾンガス出力流量管理ユニット9内のオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caの開閉状態を制御する。具体的には、オゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9abを開状態(黒塗り潰し)、オゾンガス制御弁9caを閉状態(白抜き)にする制御信号S8をオゾンガス出力流量管理ユニット9に出力する。
一方、前述したように、オゾンガス開閉弁22−1〜22−nのうち、オゾンガス開閉弁22−2のみが開状態であり、オゾンガス開閉弁22−1及び22−nが閉状態である。ここでは、使用しないオゾン処理装置12をオゾンガス開閉弁22−1〜22−nで閉状態にする方式で説明したが、使用しないオゾン処理装置にはオゾンガスが供給されないように25−1〜25−nの部分で、配管継手により、強制的に栓させてもよい。
このように、システム管理制御部84はオゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nによりオゾン発生ユニット7−1〜7−nからそれぞれ10SLMの流量のオゾンガスを供給させ、かつ制御信号S8によりオゾンガス出力流量管理ユニット9を制御することにより、オゾン処理装置12−2に対してガス流量30SLM(10SLM×3)のオゾンガスを供給することができる。
(メイン操作パネル)
図3に示すように、オゾンガス供給システム10のメイン操作パネル85の表示面において、オゾン発生ユニット7−1〜7−n及びオゾン処理装置12−1〜12−nに対応づけて、オゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caの開閉状態を示している。さらに、オゾン処理装置12−1〜12−nの要求オゾン流量Qs12(SLM)、要求オゾン濃度Cs12(g/m3)が示されている。
図3に示す例では、オゾン処理装置12−2のみ要求オゾン流量Qs12=30SLM、要求オゾン濃度Cs12=280(g/m3)を要求している。
したがって、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからそれぞれオゾン流量10(SLM)、オゾン濃度280(g/m3)のオゾンガスを出力させ、オゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9abを開状態、オゾンガス制御弁9caを閉状態にすることにより、オゾン処理装置12−2に対し、オゾン流量30(SLM)、オゾン濃度280(g/m3)のオゾンガスを供給することができる。
(オゾン制御部)
図4に示すように、各オゾン発生ユニット7内に設けられるオゾン制御部19は、オゾン電源2を制御することによりオゾン発生器1のオゾン発生内容(ガス流量、オゾンガス濃度)を制御する。
オゾン電源2は、商用交流電圧AC1φ〜AC3φを整流するコンバータ2a、直流電圧をオゾン発生器1に最適な高周波に変換し、出力電圧を制御して所定電力をオゾン発生器1に供給するインバータ2b、インバータ2bから出力された電圧を、オゾン発生器1を生成するための放電を発生させる電圧まで高電圧に昇圧させるための高電圧回路部2c及び電流センサ2dから構成されている。コンバータ2a、インバータ2b及び高電圧回路部2cの順で直列に接続され、コンバータ2a,インバータ2b間に電流センサ2dが介挿される。
オゾン制御部19は、オゾン発生器1で発生するオゾンガス内容(ガス流量Q、オゾン濃度C)を制御するため、高電圧回路部2cの出力である高周波・高電圧HV,LVをオゾン発生器1に印加させ、原料ガスである酸素ガスから放電現象によって所定のオゾン量のオゾンガスを生成させている。
オゾン制御部19は原料ガス流量設定器1S1、セレクタ1S2、オゾン濃度設定器1S3、それぞれの制御信号をON-OFFして制御するアナログスイッチ1S4−A〜1S4−F、及びそれぞれの制御信号を反転信号にする反転器1S5−1,1S5−2を有している。
さらに、オゾン制御部19は、原料ガス設定流量Qs,設定濃度Csおよびオゾン発生器1の設定圧力Psの信号を受けて最適なオゾン量を生成に必要な設定電力Wsを記憶させたデータメモリ1S6、設定電力Wsからオゾン電源に必要な電流を注入するための電流信号に変換する電流信号変換器1S7を有している。
加えて、オゾン制御部19は、初期電流指令でインバータ2bを駆動させ、MFC3及びオゾン濃度計5によって実際に流れている原料ガス流量Q及び生成オゾン濃度Cを受けてPID制御に切り替えるタイマ1S8、オゾン濃度Cとガス設定濃度Csとを比較結果に基づいてPID制御するPID制御回路1S9を有している。
さらに、オゾン制御部19は、システム管理制御部84よりオゾン発生ユニット制御信号86を受けて、オゾン発生ユニット制御信号86が指示する要求オゾン流量Qs8、要求オゾン濃度Cs8、及び運転情報Y8に基づき、設定流量Qs,設定オゾン濃度Cs信号を調整するイベント調整器1S10を有している。
また、オゾン制御部19は、圧力設定器1S11、電流信号変換器1S7の出力電流に基づき注入電力を制御するためインバータ2bのONする初期パルス幅を設定する初期パルス幅設定器1S12、及びオゾン濃度計5に検出されたオゾン濃度C及び設定オゾン濃度Cs受け、オゾン濃度Cと原料ガス設定濃度Csとの比較結果に基づき、インバータ2bの注入電力を制御するための電流信号に変換させる電流変換器1S13を有している。
(データメモリ1S6)
オゾン発生ユニット7のオゾン濃度、オゾン流量制御を行うための初期条件を記憶したデータメモリ1S6は、図5に示すように、オゾン発生器1の設定圧力Psをパラメータとして、複数個のメモリバンクBK1〜BK4を有しており(図5では説明の都合上、4個の場合を示している)、オゾン発生器1の設定圧力Psが決れば、設定圧力Psに対応するメモリバンクBKx(1〜4のいずれか)が選び出される。
選択された1つのメモリバンクBKには、図5で示すように、横軸(X軸)をオゾンガス流量の設定流量Qsを番地とし、ΔQ毎に複数分割されている。縦軸(Y軸)をオゾン濃度の設定濃度Csを番地とし、ΔC毎に複数分割されている。
データメモリ1S6は、この横軸(X軸)、縦軸(Y軸)の番地として機能する設定流量Qs,設定濃度Csの信号を受け、X軸とY軸の番地で決るメモリ番地に所定のオゾン量を発生させるに必要な設定電力量W(A11〜A17,・・・,A61〜A67)が書き込まれており、その設定電力量Wsをオゾン制御部19内の電流信号変換器1S7に出力する。その結果、電流信号変換器1S7で電流信号に変換されて、アナログスイッチ1S4−Eを介して初期パルス幅設定器1S12に電流信号が付与され、初期パルス幅設定器1S12により設定電力量Wsを実現するための所定周波数、所定パルス幅のパルス信号Twがインバータ2bに出力される。
図6に示すように、オゾン発生ユニット7の出力濃度制御を行った出力濃度制御波形はオゾン発生ユニット7への運転指令信号(運転情報Y8に含まれる)に対応して、設定時間Toで規定される初期状態時は、データメモリ1S6からの設定電力量Wsに基づく、インバータ2bの注入電力を設定する。
そして、設定時間To経過後にタイマ1S8による時間制御によってPID制御回路1S9によるPID制御に切り替わる。PID制御回路1S9は、電流変換器1S13の電流信号(オゾンガス濃度C(オゾン濃度計5より検出)とガス設定濃度Csとの比較結果に基づき決定される信号)に基づき、パルス信号Twのパルス幅ΔTwを微小変化させることにより、インバータ2bの注入電力のPID制御が実行される。その結果、オゾン発生器1から発生するオゾン濃度(C)は、同図(a)で示す制御応答性波形を示す。
以下、図6で示す濃度制御について詳述する。まず、オゾン発生ユニット制御信号86に基づかないオゾン発生ユニット7単体の動作について説明する。
イベント調整器1S10は図示しない運転指令の入力をトリガとしてタイマ1S8を起動する。このとき、イベント調整器1S10は、原料ガス流量設定器1S1の原料ガス設定流量Qsを選択するようにセレクタ1S2を制御し、アナログスイッチ1S4−A,1S4−Dをオン状態,アナログスイッチ1S4−B,1S4−Cをオフ状態にする。一方、起動直後のタイマ1S8はアナログスイッチ1S4−Eをオン、アナログスイッチ1S4−Fをオフ状態にする。
すると、データメモリ1S6には、圧力設定器1S11より設定圧力Ps、原料ガス流量設定器1S1より原料ガス設定流量Qs、オゾン濃度設定器1S3より原料ガス設定濃度Csが得られる結果、前述したように設定電力量Wsを電流信号変換器1S7に出力する。その結果、初期パルス幅設定器1S12により初期パルス幅のパルス信号Twが発生される。このパルス信号Twの“H”,“L”に応じてインバータ2bのオン,オフが制御される。
このように、タイマ1S8が動作状態となる設定時間To内において、データメモリ1S6の設定電力量Wsに基づく初期制御が実行される。
そして、タイマ1S8が起動後、設定時間To経過すると初期状態を終え、アナログスイッチ1S4−Eをオフ状態、アナログスイッチ1S4−Fをオン状態に切り換える。
すると、PID制御回路1S9は、電流変換器1S13からの電流信号に基づき、オゾン濃度計5より得られるオゾン濃度Cとガス設定濃度Csとの比較結果を反映して、パルス信号Twのパルス幅を微小変位(ΔTw)させることを主としたPID制御をオゾン電源2に対して行う。なお、PID制御回路1S9は電流センサ2dの検出電流Iによっても微小偏位ΔTwを変動させる。このように、運転指令から設定時間To経過後はPID制御(W)に切り替わる。
次に、オゾン発生ユニット制御信号86に基づくオゾン発生ユニット7単体の動作について説明する。
イベント調整器1S10は要求オゾン流量Qs8、要求オゾン濃度Cs8及び運転情報Y8を指示するオゾン発生ユニット制御信号86の入力をトリガとしてタイマ1S8を起動する。このとき、アナログスイッチ1S4−A,1S4−Dをオフ,アナログスイッチ1S4−B,1S4−Cをオン状態にする。さらに、起動直後のタイマ1S8はアナログスイッチ1S4−Eをオン、アナログスイッチ1S4−Fをオフ状態にする。
なお、要求オゾン流量Qs8及び要求オゾン濃度Cs8は、オゾン処理装置12−1〜12−nからの処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nが指示する要求オゾン流量Qs12及び要求オゾン濃度Cs12に基づき、システム管理制御部84により決定される。
すると、データメモリ1S6には、圧力設定器1S11より設定圧力Ps、オゾン発生ユニット制御信号86が指示する要求オゾン流量Qs8及び要求オゾン濃度Cs8が設定流量Qs及び設定濃度Csとして得られる結果、前述したように設定電力量Wsを電流信号変換器1S7に出力する。その結果、初期パルス幅設定器1S12により初期パルス幅のパルス信号Twが発生する。
このように、オゾン発生ユニット制御信号86の入力によっても、タイマ1S8が動作状態となる設定時間To内において、データメモリ1S6の設定電力量Wsに基づく初期制御が実行される。
そして、タイマ1S8が起動後、設定時間To経過すると初期状態を終え、アナログスイッチ1S4−Eをオフ状態、アナログスイッチ1S4−Fをオン状態に切り換える。
すると、PID制御回路1S9は、電流変換器1S13からの電流信号に基づき、パルス信号Twのパルス幅を微小偏位(ΔTw)させることを主としたPID制御をオゾン電源2に対して行う。
このように、オゾン制御部19はオゾン電源2に対する初期制御、PID制御を行う。図7は、1台のオゾン発生ユニット7の2.5KWのオゾン電源2の受電電力とオゾン発生器1で発生するオゾン濃度特性を示すグラフである。
図7において、オゾン濃度特性L11は、オゾンガス流量Qが1.25L/min(=1.25SLM)を供給した場合の発生するオゾン濃度特性を示す。この場合は受電電力を100W〜1.0kWで可変にすれば、発生するオゾン濃度は約0g/m3〜360g/m3まで可変設定できる。
同様に、オゾン濃度特性L12は、オゾンガス流量Qが2.5SLMを供給した場合のオゾン濃度特性を示す。この場合は受電電力を100W〜2.0kWで可変にすれば、発生するオゾン濃度は約0g/m3〜360g/m3まで可変設定できる。
オゾン濃度特性L13は、オゾンガス流量Qが5.0SLMを供給した場合のオゾン濃度特性、オゾン濃度特性L14は、オゾンガス流量Qが7.5SLMを供給した場合のオゾン濃度特性、オゾン濃度特性L15は、オゾンガス流量Qが10SLMを供給した場合のオゾン濃度特性、オゾン濃度特性L16は、オゾンガス流量Qが20SLMを供給した場合のオゾン濃度特性、オゾン濃度特性L17は、オゾンガス流量Qが30SLMを供給した場合のオゾン濃度特性を示す。
オゾンガス流量Qが5SLMのオゾンガスを1台のオゾン発生ユニット7から供給した場合は、受電電力2.5kWで最大発生するオゾン濃度は350g/m3(オゾン濃度特性L13参照)、オゾンガス流量Qが7.5SLMのオゾンガスを供給した場合は、受電電力2.5kWで最大発生するオゾン濃度は300g/m3(オゾン濃度特性L14参照)となる。
また、オゾンガス流量Qが10SLMのオゾンガスを供給した場合は、受電電力2.5kWで最大発生するオゾン濃度は280g/m3(オゾン濃度特性L15参照)、オゾンガス流量Qが20SLMのオゾンガスを供給した場合は、受電電力2.5kWで最大発生するオゾン濃度は180g/m3(オゾン濃度特性L16参照)、オゾンガス流量Qが30SLMのオゾンガスを供給した場合は、受電電力2.5kWで最大発生するオゾン濃度は140g/m3(オゾン濃度特性L17参照)しか得られない。
受電電力が2.5KWのオゾン電源2であるオゾン発生ユニット7において、280g/m3のオゾン濃度を維持する場合、1台のオゾン発生器1が供給可能な最大流量は10SLMであり、すなわち、1台のオゾン発生器1からオゾン濃度を280g/m3を満足させる場合、オゾンガス流量10SLM以上のガス流量を供給することはできない。
一方、本実施の形態のオゾンガス供給システム10は、オゾンガス出力流量管理ユニット9により、n台オゾン発生ユニット7−1〜7−nから供給されるn個のオゾンガス出力の1または複数の組合せを、オゾン処理装置12−1〜12−nのうち任意のオゾン処理装置12に選択的に出力することができる、出力オゾンガス出力制御方式を採用している。
このため、実施の形態1のオゾンガス供給システム10では、オゾンガス出力流量管理ユニット9に設けた各ユニット間に設けたオゾンガス出力流量管理ユニット9内のオゾンガス制御弁9ab、9bc、9caの開閉制御を、図2及び図3に示すように行えば、n台のオゾン発生ユニット7−1〜7−nから発生するオゾンガス全てを1台のオゾン処理装置12−2に供給することができる。したがって、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからそれぞれガス流量:10SLM、オゾンガス濃度280g/m3のオゾンガスを出力させることにより、オゾン処理装置12−2に対し、ガス流量:30SLMのオゾンAガスを供給でき、その際のオゾン濃度は280g/m3まで高くすることができる。結果として、現状オゾン発生器の利用でオゾン処理装置の処理能力である処理速度、性能向上等を大幅に向上できる効果がある。
また、オゾン発生ユニット7で10SLMの原料ガスでは、最大280g/m3のオゾン濃度しか出力できないが、オゾンガス出力流量管理ユニット9に設けた各ユニット間に設けたオゾンガス制御弁9ab、9bc、9caの開閉制御を利用すれば、オゾン濃度を高めることもできる。
例えば、図2及び図3に示すようにオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caの開閉制御を行って、3台のオゾン発生ユニット7からそれぞれ供給するガス流量を3.3SLMにすれば、3.3SLMのオゾン濃度の最大値まで出力濃度が高められ、仮想点P3に示すように約330g/m3のオゾン濃度で総計10SLMのオゾンガスが供給でき、オゾンガス供給を受けるオゾン処理装置12−2のオゾン処理能力を高められる効果がある。
また、n台のオゾン発生ユニット7を搭載して、オゾンガス出力流量管理ユニット9で構成した出力オゾンガス出力制御方式を採用した本実施の形態のオゾンガス供給システム10では、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのいずれかが故障して、それに対応するオゾン処理装置12が使えなくなることはなくなり、故障していないオゾン発生ユニット7から出力されるオゾンガスをオゾンガス制御弁9ab、9bc、9caを開閉して供給することができ、よりオゾンガス供給の信頼性が高いオゾンガス供給システムを得ることができる。
例えば、オゾン処理装置12−2に対応するオゾン発生ユニット7−2が故障している場合、オゾン発生ユニット7−1より供給されるオゾンガスを、オゾンガス制御弁9a,9ab、オゾンガス開閉弁22−2を開状態にしてオゾン処理装置12−2に供給することができる。
さらに、n台のオゾン処理装置12−1〜12−nのいずれかが故障や運転停止しても、処理オゾンガスイベント信号16の運転情報Yを取り込むことで、即座にオゾン発生ユニット制御信号86により、故障したオゾン処理装置12にオゾンガスを供給しているオゾン発生ユニット7の動作を停止させることができる。
(効果等)
上述した実施の形態1では、1つのオゾンガス供給システム10に複数のオゾン発生ユニット7−1〜7−nを備え、各オゾン発生ユニット7は、オゾン発生器1、オゾン発生に供給する電力を制御するオゾン電源2、オゾンガス流量Qを制御するMFC3、オゾン発生器1内の圧力Pを自動制御するAPC4、及び出力するオゾン濃度値Cを検出するオゾン濃度計5を搭載している。
そして、オゾンガス供給システム10は、各オゾン発生器1から出力オゾンガス配管に対応して開閉弁(オゾンガス制御弁9a〜9c)を設け、かつ、上記各オゾン発生器1の出力オゾンガス配管間にも開閉弁(9bc,9ab,9ca)を設けたオゾンガス出力流量管理ユニット9を設けている。
実施の形態1のオゾンガス供給システム10は、オゾンガス出力流量管理ユニット9内のオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caの開閉動作によって、オゾン発生ユニット7−1〜7−nから出力される複数のオゾンガスの1または2以上の組合せを、オゾン処理装置12−1のいずれかに選択的に出力するオゾンガス出力流量制御が実行可能なシステム統括管理ユニット8(オゾンガス出力流量管理ユニット)を有している。
したがって、オゾンガス制御弁9a,9b,9cを開状態、オゾンガス制御弁9ab,9bc、9caを閉状態にし、オゾンガス開閉弁22−1〜22−nを開状態にすることにより、1対1に対応するオゾン発生ユニット7−1〜7−nからオゾン処理装置12−1〜12−nにオゾンガスを供給することにより、供給されるオゾンのガス流量・オゾンガス濃度をオゾン処理装置12−1〜12−nそれぞれ独立に制御することができる。
加えて、図2及び図3で示したように、2以上のオゾンガス出力の組合せをひとつのオゾン処理装置(オゾン処理装置12−2)に供給することにより、多様なガス流量及び濃度のオゾンガスを供給することができる。
さらに、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのうち一部に異常が発生しても、正常動作する残りのオゾン発生ユニット7によって、オゾン処理装置12−1〜12−nのいずれにもオゾンガスを供給することができるため、信頼性が高いオゾンガス供給が実現できる。
このように、オゾンガス供給システム10は、システム管理制御部84からの制御信号S8によりオゾンガス出力流量管理ユニット9を制御して、オゾン発生ユニット7−1〜7−nから出力されるオゾンガスの組合せ・選択処理を行い、所望のガス流量、オゾンガス濃度のオゾンガスをオゾン処理装置12に出力できるようにしている。
また、実施の形態1のオゾンガス供給システム10は、オゾンガス出力流量管理ユニット9内に設けられたオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caを電気もしくはエアー圧力によって開閉できる電動バルブもしくは空圧弁にして、制御信号S8の制御下で各オゾン発生ユニット7内のオゾン発生器1から外部に出力するオゾンガスのガス流量、オゾンガス濃度を集中管理することができる。
また、システム統括管理ユニット8は、漏水センサ6、EMO回路81、ユニット情報I/F82、システム管理制御部84等を備えることにより、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのいずれかに非常停止、漏水が検知された場合、対応する前記オゾン発生ユニットを停止させることができる。
さらに、排気センサ23、オゾン漏洩センサ24、システム管理制御部84等を備えることにより、システム全体として排気異常、オゾン漏洩異常を検出したとき、オゾン発生ユニット7−1〜7−nを全て停止させることができる。
このように、実施の形態1のオゾンガス供給システム10は、各オゾン発生ユニット7の異常時、オゾンガス供給システム10全体の異常時等における安全停止機能を備えることにより、安全性の高いシステムを実現することができる。
<実施の形態2>
実施の形態2ではオゾンガス供給システム10内におけるオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれに相当する、1単位のオゾン発生ユニット7に着目し、オゾン発生ユニット7の小型化を図ったことを特徴としている。
図8はオゾン電源2の内部構成の詳細を示す回路図である。図9は実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xの組合せ構造を模式的に示す斜視図である。
以下、図8,図9を参照してオゾン発生ユニット7Xの小型化について説明する。なお、オゾン発生ユニット7Xは実施の形態1のオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれとして構成される、1単位のオゾン発生ユニットを意味する。
図9に示すオゾン発生ユニット7Xにおいて、オゾン電源部2、オゾン発生器1それぞれの小型化を実現させ、コンパクト化したオゾン電源部2、オゾン発生器1に加え、原料ガス流量を制御するMFC3、オゾンガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4を集約しパッケージ化して構造上も1単位のオゾン発生ユニット7Xを実現している。
さらに、原料ガス配管(原料ガス供給口14)および出力ガス配管系(オゾンガス出力口15)をガス配管集積ブロック30に一体化したガス配管集積ブロック構造することにより、オゾン発生器1、オゾン電源2、ガス配管系をパッケージ化してオゾン発生ユニット7Xをより小型にしている。
このため、実施の形態1のオゾンガス供給システム10のように、複数台のオゾン発生ユニット7Xをオゾン発生ユニット7−1〜7−nとして搭載しても、装置全体を大きくすることなく、機能アップ、および信頼性を向上させたオゾンガス供給システムに実現できる。
(オゾン電源2のコンパクト化)
図8は、オゾン発生器1およびオゾン電源部2のメイン部品の一体化を実現させてコンパクト化した回路構成を示している。
オゾン発生器1は、所要のオゾン発生量を得るためには、オゾンを生成するための放電面積として必要面積が必要である。そのため、発生器の占有面積を小さくするため、薄い電極セルを形成し、かつ1つの電極セルの断面積を小さくして、多段積層した電極セルタイプにしてオゾン発生器1を構成したため、非常に占有面積の小さいオゾン発生器1を実現している。
オゾン電源2は、商用交流電圧を整流するコンバータ2a、直流電圧をオゾン発生器に最適な高周波に変換し、出力電圧を制御して所定電力をオゾン発生器に供給するインバータ2b、インバータ2bから出力された電圧をオゾン発生器1用に生成するための放電を発生させる電圧まで高電圧に昇圧させるための高電圧回路部2cを有しており、オゾン制御部19によってオゾン電源の注入電力が制御される。
コンバータ2aは、整流回路2a1、コンデンサバンク2a2、平滑リアクトル2a3、チョッパー回路部2a4及びチョッパー制御回路部2a5の直列接続で構成され、インバータ2bはインバータ回路2b1とインバータ制御回路2b2とで構成されており、このオゾン電源2のコンバータ2aとインバータ2bの各部品の分類分けし、各部品をモジュール化して回路構成の小型化を実現している。
すなわち、整流回路2a1、コンデンサバンク2a2、及び平滑リアクトル2a3を一体としてモジュール化した直流・平滑回路部2axとして回路構成の小型化を図り、部品品質を高めた。
さらに、コンバータ2aを構成するチョッパー回路部2a4とインバータ2bを構成するインバータ回路2b1はともにFET素子やIGBT素子等のパワー半導体で構成され冷却フィンで冷却させる必要があるため、チョッパー回路部2a4とインバータ回路2b1とを1つの半導体モジュールとしてモジュール化することにより効果的に小型化されたパワー素子部2pを実現する。コンバータ2aのチョッパー制御回路2a5とインバータ2bのインバータ制御回路2b2とは、1つの基板化もしくは集積IC化することで、非常に小型化された電源制御基板2qを実現している。
高電圧回路部2cは、インバータ出力電流を限流する直列リアクトルL0、高圧に昇圧する高圧トランスTrおよび力率改善用の並列リアクトルLbで構成されており、各部品が大きく重量の重い部品であるが、直列リアクトルL0と並列リアクトルLbとを一体で高圧トランスTrに機能を組み込めるようにした特殊トランスにした。つまり、直列リアクトルL0は高圧トランスの1次漏れインダクタンスを利用して一体構成を形成できるようにトランスを設計した。また並列リアクトルLbは、トランスの励磁インダクタンスを大きくとれるトランス設計にし、並列リアクトルLbがトランスに機能が盛り込めるようにした。
さらに、この高圧トランスTrを数十kHzで高周波化することで、軽く、高周波特性の良いフェライトコアーでトランスを形成し、トランスTrは設置面積を小さくして、所定容量を確保したトランスにするため、小さなトランスを複数台並列接続で形成するようにして、複数台(図中3台)のトランスを縦型に設置することで、非常に小さい高電圧回路部2cを実現させた。但し、インバータの出力電流を制限する直列リアクトルL0についてはトランスと一体化せず、独立した小さいリアクトルL0で形成しても良い。
(オゾン発生ユニットの組合せ構造)
図9は、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4、およびガス配管集積ブロック30を集約した1単位のオゾン発生ユニット7Xを示している。
同図において、前面(図中左側)に操作パネル85−i(i=1〜nのいずれか)が設けられており、その背面に集積されたオゾン制御部19(図示せず)が存在し、このオゾン制御部19は、集約して設けられたオゾン発生器1及びオゾン電源2(ブロックBL1,BL2)、並びにMFC3、オゾン濃度計5、及びAPC4との電気信号でつながっている。以降、操作パネル85−iが存在する方向をオゾン発生ユニット7Xの前面として説明する。
オゾン発生器1とオゾン電源2は図8で示したように各部品をモジュール化等にすることで、部品点数を減らし、それぞれの部品をコンパクト化と設置面積を小さくし、図9に示すように、1つのオゾン発生ユニット7Xにおいてオゾン発生器1を中心にして、オゾン電源2の直流・平滑回路部1Ax、パワー素子部2p、電源制御基板を1つのブロックBL1とし前面に配置し、数台の小型トランスを縦に積層し高電圧回路部2cをブロックBL2として形成して分散配置して集積化を図っている。
オゾン発生器1に対し、原料ガスを供給するMFC3を含んだガス供給配管系、生成したオゾンガスを外部に出力するガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4を介したオゾンガス出力配管系およびオゾン発生器1の電極を冷却する冷却配管系(冷却水入口13A,冷却水出口13B)が必要となる。これらの配管系は立体配置しなければならないため、既存のガス配管、冷却配管等で各部品を接続すると、配管と部品間の接続継手が多くなり、その継手を接続するためには接続スペースを確保しなければならず、これらの配管系を接続するには非常に大きなスペースが必要となる。
従来は、オゾン発生ユニット(オゾン発生器)とは別の配管ユニットを例えば背面に設け、発生器ユニットと配管接続を背面で行っていた。そのため、オゾン発生ユニットとガス供給配管系、オゾンガス出力配管系および冷却配管系13A、13Bをまとめて一体化させることは困難であった。
実施の形態2においては、それらの配管系を全て1つのガス配管集積ブロック30に集約し、このガス配管集積ブロック30内にガス供給配管、オゾンガス出力配管、冷却配管用の配管経路を組み込み、このガス配管集積ブロック30を立体構造にし、それぞれの面に、オゾン発生器1、MFC3、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4(以下、これらを総称して「オゾン発生器1等」と略する場合あり)を隣接配置する。そして、オゾン発生器1等とガス配管集積ブロック30との接続部部分においてOリングを介したネジ止め等を施すことにより気密を保持し精度の高い配管経路を確保することにより、オゾン発生器1等とガス配管集積ブロック30との一体化配置を実現させている。またオゾン発生器1等の各部品の取り付け、取り外しが良くなり、メンテナンス性も向上させている。
このように、実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xは、ガス配管集積ブロック30にオゾン発生器1等を密接して装着している。以下、図9で示すガス配管集積ブロック30を利用したオゾン発生ユニット7Xの配管経路について説明する。ガス配管集積ブロック30は内部に配管経路R30a〜R30fを有しており、冷却水入口13A、冷却水出口13B、原料ガス供給口14及びオゾンガス出力口15が側面に取り付けられており、オゾン発生器装着用ボルトBt1〜Bt4を用いてオゾン発生器1を取り付ける構造を呈している。
また、MFC装着用ブロック33,33によりMFC3を挟みこんでガス配管集積ブロック30に装着し、APC装着用ブロック34,34によりAPC4を挟みこんでガス配管集積ブロック30に装着し、オゾン濃度計装着用ブロック35,35により挟みこんでオゾン濃度計5を装着している。これら装着用ブロック33〜35内にも配管経路を確保するためのブロック内流路B3〜B5が形成されている。また、ガスフィルター装着用ブロック31を用いてガスフィルター51をガス配管集積ブロック30に装着している。
原料ガスGmが供給される原料ガス供給口14からMFC3を介したオゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1への原料ガス入力配管経路は、原料ガス供給口14、配管経路R30a、ブロック内流路B3、MFC3、ブロック内流路B3、配管経路R30b、及びオゾン発生器入力部ET1の順で形成される経路で構成される。この際、オゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1の周辺に設けられた部分がオゾン発生器装着用ボルトBt1によりガス配管集積ブロック30に取り付けられる。このように、ガス配管集積ブロック30を用いて原料ガスGmの入力配管経路が形成される。
オゾン発生器1から出力されるオゾンガスを受けるオゾン発生器出力部EX1から、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、及びAPC4を介してオゾンガス出力口15から出力されるオゾンガス出力配管は、オゾン発生器出力部EX1、配管経路R30c、ガスフィルター装着用ブロック31内、ガスフィルター51、ガスフィルター装着用ブロック31内、配管経路R30d、ブロック内流路B5、オゾン濃度計5、ブロック内流路B5、配管経路R30e、ブロック内流路B4、APC4、ブロック内流路B4、配管経路R30f、及びオゾンガス出力口15の順で形成される経路で構成される。この際、オゾン発生器1のオゾン発生器出力部EX1の周辺に設けられた部分がオゾン発生器装着用ボルトBt2によりガス配管集積ブロック30に取り付けられる。このように、ガス配管集積ブロック30を用いてオゾンガスの出力配管経路が形成される。
図25はオゾン発生ユニット7Xに対応する従来の構成を模試的に示す説明図である。同図に示すように、従来は、オゾン発生ユニット7Xに対応する構成は、ガス制御ユニット400、インバータ制御ユニット500、オゾン発生ユニット600によって分離構成されるのが一般的であった。
ガス制御ユニット400は内部にMFC73、APC74、オゾン濃度計75及びガスフィルター91を有している。インバータ制御ユニット500は内部にコンバータ2a、インバータ2b、オゾン制御部79、操作パネル85−i、直列リアクトルL0等を有している。オゾン発生ユニット600はオゾン発生器71及び高圧トランスTr,並列リアクトルLbから構成される。
また、コンバータ2a内は整流回路2a1、コンデンサバンク2a2、平滑リアクトル2a3、チョッパー回路部2a4、チョッパー制御回路部2a5により構成され、インバータ2bはインバータ回路2b1及びインバータ制御回路2b2により構成される。なお、接続関係、動作内容の説明は省略する。
従来のオゾンガス供給システムや、従来のオゾン発生装置では、図25に示すように、ガス制御ユニット400、オゾン電源に相当するインバータ制御ユニット500、及びオゾン発生ユニット600と3つに分割した各ブロック間において電気的接続やガス配管による接続することしかできず、図9で示す構造は実現不可能であった。
図9に示すように、オゾン発生ユニット7Xは、これらの3つのユニット(400,500,600)を集約して、図25で示した構成に比べ、大幅に小型化を実現させている。
このように、オゾン発生ユニット7−1〜7−nは、それぞれ実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xとして、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、APC4、オゾン濃度計5及びガスフィルター51を1つに集約して1単位にパッケージ化した構造を呈している。
その結果、実施の形態1のオゾンガス供給システム10のように、内部にオゾン発生ユニット7Xを複数台搭載でき、オゾン発生ユニット7Xの出力配管同士をガス制御弁9で接続することにより、実施の形態1で述べたように、オゾン処理装置12−1〜12−nの各オゾン処理装置12にオゾンガスを分散供給したり、1つのオゾン処理装置12に多量のオゾンガスや高濃度のオゾンガスを選択的に供給したりすることができる。
このように、実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xは、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、ガスフィルター51、APC4、オゾン濃度計5、原料ガス供給口14、オゾンガス出力口15、冷却水入口13A及び冷却水出口13Bを集約して一体化構造で形成することにより、従来の同様な構成に比べ、大幅な小型化を図ることができる。
加えて、オゾン発生ユニット7Xにおけるガス配管集積ブロック30は、複数の内部配管経路である配管経路R30a〜R30fを有しているため、配管経路R30a〜R30fと、オゾン発生器1、MFC3、ガスフィルター51、APC4、オゾン濃度計5、原料ガス供給口14、オゾンガス出力口15並びに冷却水入出口13A及び13Bそれぞれとが繋がることにより、上記原料ガスGmの入力配管経路及び上記オゾンガスの出力配管経路が形成されるため、これらの配管経路を含めた小型化を効果的に図ることができる。
このように、オゾン発生ユニット7−1〜7−nは、それぞれ実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xとして小型化を図ることにより、実施の形態1で示したオゾンガス供給システム10を実用レベルで実現可能にすることができる。
その結果、実施の形態1のオゾンガス供給システム10のように、内部にオゾン発生ユニット7Xを複数台搭載でき、オゾン発生ユニット7Xの出力配管同士をガス制御弁9で接続することにより、実施の形態1で述べたように、オゾン処理装置12−1〜12−nの各オゾン処理装置12にオゾンガスを分散供給したり、1つのオゾン処理装置12に多量のオゾンガスや高濃度のオゾンガスを選択的に供給したりすることができる。
<実施の形態3>
実施の形態3では実施の形態2と同様、1単位のオゾン発生ユニット7に着目し、オゾンガス出力流量管理ユニット9をも組み合わせたオゾン発生ユニット7の小型化を図ったことを特徴としている。
(オゾンガス出力流量管理ユニットの制御)
図10は図1で示したオゾンガス供給システム10に相当する、実施の形態3のオゾンガス供給システム20によるオゾンガス出力流量管理ユニットの内部構成を示す説明図である。
図10に示すように、実施の形態1のオゾンガス出力流量管理ユニット9に相当する実施の形態3のオゾンガス出力流量管理ユニット9Yは、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれと対応する部分が一体的に形成される。以下、図10では、説明の都合上、n=3の場合を例に挙げて説明する。
オゾン発生ユニット7−1〜7−nに対応してオゾンガス制御弁9a〜9cが一体的に設けられ、オゾンガス制御弁9a〜9cに密接して装着ブロック93a〜93cが設けられる。装着ブロック93a、93b、及び93cの一方経路側(図中上方)にはオゾンガス制御弁9ab、オゾンガス制御弁9bc及びオゾンガス制御弁9caを設けている。
そして、装着ブロック93aの一方経路側のオゾンガス制御弁9abが配管継手98u、ユニット間オゾンガス配管95ab、配管継手98dを介して装着ブロック93abの他方経路(図中下方)と繋がる。同様にして、装着ブロック93abの一方経路側のオゾンガス制御弁9abが配管継手98u、ユニット間オゾンガス配管95bc、及び配管継手98dを介して装着ブロック93acの他方経路と繋がり、装着ブロック93acの一方経路側のオゾンガス制御弁9caが配管継手98u、ユニット間オゾンガス配管95ca及び配管継手98dを介して装着ブロック93aの他方経路と繋がる。
さらに、装着ブロック93a〜93cの出力部(図中右方)からオゾンガス出力口25−1〜25−nを介して実施の形態3のオゾンガス供給システム20の外部に出力される。
したがって、オゾンガス出力流量管理ユニット9Yはオゾンガス出力流量管理ユニット9と回路構成として同様なオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caを有している。
そして、オゾンガス出力口25−1〜25−nとオゾン処理装置12−1〜12−nとの間にオゾンガス開閉弁22−1〜22−nが介挿される。
オゾンガス出力流量管理ユニット9Yを構成するオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caにおいて、オゾンガス制御弁9a,9b,9cはノーマリオープンタイプ(NO),オゾンガス制御弁9bc,9ab,9caはノーマリクローズタイプ(NC)である。
そして、システム統括管理ユニット8のシステム管理制御部84からの制御信号S8aがオゾンガス制御弁9a及びオゾンガス制御弁9abに与えられ、制御信号S8bがオゾンガス制御弁9b及びオゾンガス制御弁9bcに与えられ、制御信号S8cがオゾンガス制御弁9c、及びオゾンガス制御弁9caに与えられる。
このように、システム統括管理ユニット8のシステム管理制御部84からの制御信号S8(S8a〜S8c)に基づき、オゾンガス出力流量管理ユニット9Yのオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caの開状態、閉状態が制御される。
図10では、オゾン処理装置12−1〜12−nのうち、オゾン処理装置12−2の1台のみ運転しており(オゾンガス開閉弁22−2が開状態)、オゾン処理装置12−2に対するオゾンガス流量としては、30SLMのオゾンガスを供給した場合のオゾンガス出力流量管理ユニット9Yの状態を示している。
すなわち、システム管理制御部84からのオゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nによりオゾン発生ユニット7−1〜7−nからそれぞれ10SLMのオゾンガスを出力させ、オゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9abを開状態(黒塗り潰し)にして、オゾンガス制御弁9caを閉状態(白抜き)にしている。
一方、前述したように、オゾンガス開閉弁22−1〜22−nのうち、オゾンガス開閉弁22−2のみを開状態にし、オゾンガス開閉弁22−1及び22−nを閉状態としている。オゾン処理装置12−2のみ使用して他のオゾン処理装置12は使用しない場合オゾンガス開閉弁22を閉にするようにしたが、上記他のオゾン処理装置がない場合は使用していないオゾンガス出口である25−1、25−nの配管部分を強制的に配管キャップ継手で栓をしてもよい。さらにオゾンガス供給システム10内の各オゾン発生ユニット間接続配管95ab、95bc、95caのいずれかを配管しない場合は配管継手である98u、98dのいずれかを配管キャップ継手にして栓することで、出力オゾンガスを遮断することは言うまでもない。
このように、オゾン発生ユニット7−1〜7−n及びオゾンガス出力流量管理ユニット9Yを制御して、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからそれぞれ10SLMの流量のオゾンガスを出力させることにより、オゾンガス出力流量管理ユニット9を介してオゾン処理装置12−2に対してガス流量30SLMのオゾンガスを供給することができる。
(オゾン発生ユニットの組合せ構造)
図11は実施の形態2の1単位のオゾン発生ユニットの組合せ構造を模式的に示す斜視図である。図11に示すように、実施の形態2のオゾン発生ユニット7Yは、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、オゾン濃度計5、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4、およびガス配管集積ブロック30に加え、オゾンガス出力流量管理ユニット9の構成部分をも集約している。
図11に示すように、オゾンガス出力流量管理ユニット9の構成部分をガス配管集積ブロック30に装着すべく、ブロック本体930a及び930b(図10の装着ブロック93a〜93cのいずれかに相当)を中心にして、オゾンガス制御弁収納部931,932、オゾンガス出力部933、オゾンガス分岐部934,935を設けている。
オゾンガス制御弁収納部931は内部にオゾンガス制御弁90x(オゾンガス制御弁9a〜9cのいずれかに相当)を収納しており、オゾンガス制御弁収納部932は内部にオゾンガス制御弁90xy(オゾンガス制御弁9ab,9bc及び9caのいずれかに相当)を収納している。オゾンガス出力部933は、図9で示した実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xのオゾンガス出力口15に相当し、図10のオゾンガス出力口25に繋がる。オゾンガス分岐部934が図10で示した配管継手98uに繋がる一方経路側の分岐部(ユニット間オゾンガス空圧弁配管接続口)として機能し、オゾンガス分岐部935は図10で示した配管継手98dに繋がる他方形路側の分岐部(ユニット間オゾンガス空圧弁配管接続口)として機能する。
実施の形態3においては、実施の形態2と同様、ガス供給配管系、オゾンガス出力配管系および冷却配管系13A、13Bを全て1つのガス配管集積ブロック30に集約し、オゾンガス出力流量管理ユニット9Yの構成部分を組み合わせて、ガス配管集積ブロック30内にガス供給配管、オゾンガス出力配管、冷却配管それぞれの配管経路を組み込んでいる。
原料ガスGmが供給される原料ガス供給口14からMFC3を介したオゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1への原料ガス入力配管は、実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xとほぼ同様に、原料ガス供給口14、配管経路R30a、ブロック内流路B3、MFC3、ブロック内流路B3、配管経路R30b、及びオゾン発生器入力部ET1の順で形成される経路で構成される。
オゾン発生器1のオゾン発生器出力部EX1から、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、及びAPC4を介してブロック本体930bまでのオゾンガス出力配管は、オゾン発生器出力部EX1、配管経路R30c、ガスフィルター装着用ブロック31内、ガスフィルター51、ガスフィルター装着用ブロック31内、配管経路R30d、ブロック内流路B5、オゾン濃度計5、ブロック内流路B5、配管経路R30e、ブロック内流路B4、APC4、ブロック内流路B4、配管経路R30f、ブロック本体930a(内側部分)、オゾンガス制御弁90x、配管経路R30g、ブロック本体930b(外側部分)の順で形成される経路で構成される。なお、ブロック本体930a及び930bを一体的に構成し、ガス配管集積ブロック30内を貫通して形成しても良い。
ブロック本体930b内において、オゾンガス制御弁90xyを介してオゾンガス分岐部934に繋がる一方分岐経路と、オゾンガス分岐部935に繋がる他方分岐経路と、上記一方及び他方分岐経路と上記オゾンガス出力配管とが合流した後、オゾンガス出力部933から出力される合流経路が形成される。
なお、他の構成及び配管経路等は、図9で示したオゾン発生ユニット7Xと同様であるため、説明を省略する。
実施の形態3のオゾンガス供給システム20において、各々がオゾンガス制御弁90x,90xyを収納する複数のオゾンガス制御弁収納部931,932はそれぞれ対応するオゾン発生ユニット7Yにおけるガス配管集積ブロック30に密着して装着され、上記オゾンガスの出力配管経路上に介挿されている。
このため、オゾンガス供給システム20内において、オゾンガス出力流量管理ユニット9Y及びオゾン発生ユニット7−1〜7−nの組合せ構造の小型化を図ることができる効果を奏する。
このように、実施の形態3のオゾン発生ユニット7Yは、実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xの特徴に加え、オゾンガス出力流量管理ユニット9の構成部分の大半とガス配管集積ブロック30との一体化を図ることにより、実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xとオゾンガス出力流量管理ユニット9とを別途構成する場合に比べ、より一層の小型化を図ることができる。
<実施の形態4(基本構成:第1の態様)>
図12は本発明の実施の形態4(基本構成:第1の態様)であるオゾンガス供給システムの構成を示すブロック図である。
(全体構成)
図12に示すように、オゾンガス供給システム101は内部にn(≧2)個のオゾン発生ユニット7−1〜7−nを有しており、オゾン発生ユニット7−1〜7−n間で共通の水分除去フィルター59を1個有している。水分除去フィルター59は、原料ガス供給口14から供給される原料ガスに含まれる微量の水分をトラップ(除去)できる機能を有している。このように、実施の形態4のオゾンガス供給システム101は、原料ガス供給口14から供給される原料ガスを水分除去フィルター59を通過させた後、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの原料ガス供給口14−1〜14−nに供給している。
以下、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのうちオゾン発生ユニット7−2を代表して取り上げその内部構成を図12中心に参照して説明する。
オゾンガス供給システム101の原料ガス供給口14から水分除去フィルター59を介して、原料ガスが、原料ガス供給口14−2及びMFC3を経由してオゾン発生ユニット7−2内のオゾン発生器1に供給される。オゾン発生器1の内部は酸素ガスを含んだ高純度ガス(原料ガス)が充満されており、オゾンガス供給システム101内のオゾン電源2から高周波高電圧HV,LVがオゾン発生器1内の電極間に印加され、この電極間で誘電体バリア放電(無声放電)をすることにより、放電空間のガスが放電によって酸素ガスが解離され、酸素原子になり、この酸素原子と酸素ガス(酸素分子)との化学結合で、以下の式(1),式(2)に示すようにオゾンガスを生成される。なお、オゾン電源2は後に詳述するがコンバータ2a、インバータ2b及び高電圧回路部2cにより構成される。また、式(2)のMは、三体衝突の第三体を意味する。
原料ガスの酸素ガス(O2)と無声放電で、上記のような式(1),式(2)で示す化学反応でオゾンガス(O3)が生成されるが、原料ガスには、酸素ガス以外に窒素ガス(N2)などの不純物が1〜2PPM程度(1014個/cm3)含まれる。また、原料ガスに含まれる水分量は、通常ガスの露点が−70℃程度に管理されているため、図26に示すように、1PPM(1014個/cm3)〜10PPM(1015個/cm3)程度含まれる。なお、図26原料ガスの露点と原料ガスに含まれる水分量との関係を示す説明図である。これらの窒素ガスや水分も無声放電によって、分子ガスが解離して、窒素酸化物や水素酸化物や窒素と水素化合物であるヒドラジン(N2H4)化合物等のガスもオゾンガス発生器内で生成され、オゾンガスとともに出力される。
これらの化合物ガスで、特に以下の式(3)〜式(7)に示すような過程を経て活性ガスが生成されると、非常に活性なガスであるため、オゾンガスを取り出すための配管経路やAPC4やMFC3やガス開閉バルブ(弁)等のオゾンガスとの接触部分で、金属表面で腐食化学反応をして、部品の発熱や金属腐食が生じ、上記の部品等の故障の原因になっていた。さらに出力するオゾンガス自身も金属腐食の結果生じる金属コンタミネション(金属コンタミ)が多量に含まれるガスになり、オゾンガスの品質も悪くなっていた。
上記のように、式(3)及び式(4)の化学反応を経て、水分解反応から硝酸クラスターガス(HNO3)が生成され、式(5)〜式(7)の化学反応を経て、OHラジカルガスが生成される。
原料ガス中に含まれる水分によって、上記の化学式(3)〜(7)で示すような、硝酸クラスターガス、OHラジカル、OHラジカルイオン等は非常に活性であり、比較的寿命の長いガスがオゾン発生器1内で生成され、生成したオゾンガスとともに出力される。このため、配管経路やAPCやMFCやガス開閉バルブ等のオゾンガスとの接触部分で、金属表面で腐食化学反応をして、部品の発熱や金属腐食を生じ、上記の部品等の故障の原因になっていたことが、実験等で明らかになった。そのため、これらの活性ガスの生成量を減らすには、オゾンガスに供給される原料ガス中に含まれる水分量を減らすことが重要であることが明らかになった。
この原料ガス中に含まれる窒素ガス等の不純物や水分量は、正常時は、ガスの成分量で決まるが、実際の稼動している装置では、装置の運転開始時やメンテナンス等の過渡時においては、ガス供給部等の配管面にも、窒素ガスや水分が付着しており、これらの付着したものが、原料ガスとともに放出されれば、1〜2PPMを超える不純物量や水分量がオゾン発生器1に入り込み、上記の悪影響を及ぼすガスが、オゾンガスに混じって出力されることになる。
上記の点を考慮して、オゾン発生器1に供給される原料ガスに含まれる水分を取り除くためには、オゾンガス供給システム101内の原料ガス供給口14の近傍に供給される原料ガス中の水分を吸着等による除去する水分除去フィルター59を設けることが、非常に効果的であることが分かった。なお、水分除去フィルター59は吸着用にシリカゲルを用いたり、ヒーター加熱を利用したりする構成によって実現される。
水分除去フィルター59の性能としては、特に、原料ガスに含まれる水分量を300PPB未満にすることのできる水分除去フィルター59が好適な結果となった。
本実施の形態はオゾン発生器1として無声放電方式によるオゾン発生器構造のものを代表して説明したが、オゾン発生させる機能としては、沿面放電やグロー放電を利用したオゾン発生器構造や超高周波やマイクロ波放電を利用したオゾン発生器構造もあり、さらに電解媒質を利用したオゾン発生器もあり、これらのオゾン発生器であっても良い。
オゾンを安定出力するには、オゾン発生器1に供給する原料ガスのガス種の限定、特に、原料ガスに含まれる水分量の抑制が重要であるとともに、流量値やオゾン発生器内のガス圧力や電極を冷却する水温、水量等の環境条件を一定に調整する機能が重要である。
すなわち、原料ガスに含まれる水分量の抑制に水分除去フィルター59を用い、上記流量値の調整にMFC3が用いられ、オゾン発生器1内のガス圧力の調整にAPC3が用いられ、電極を冷却する水温、水量等の環境条件を一定にするために冷却水入口13a−1〜13a−nからの冷却水による冷却機能が用いられている。このような機能を有する制御手段(MFC3、APC4、オゾン濃度計5及びガスフィルター51)を下記に記する。
オゾンガス供給システム101の原料ガス供給口14、水分除去フィルター59、オゾン発生ユニット7−2の原料ガス供給口14−2から得られる所定の原料ガス流量Qの原料ガスが、ガス流量コントローラ(MFC)3を介してオゾン発生器1に一定流量で原料ガスが供給される。
オゾン発生器1内の圧力を一定する手段として、発生器内のガス圧力を検出する手段と、この検出によって発生器が出力するオゾンガス量を微調整することで、オゾン発生器1内の圧力を一定にする機能をオゾン発生器システムには保有している。この1つの方法として、発生器圧力を自動で所定圧力に調整する自動圧力調整器(APC)4があり、この自動圧力調整器(APC)4がオゾン発生器のオゾンガス出力配管ガスラインに設けられている。
オゾンガス出力配管ガスラインの具体的な構成としては、オゾン発生器1内で生成したオゾンガスから不純物や異物を除去するガスフィルター51に通した後、オゾン濃度計5、発生器圧力を自動で所定圧力に調整する自動圧力調整器(APC)4を介して連続的に所定のオゾン濃度Cを有するオゾン(化酸素)ガスをオゾンガス出力口15−2からオゾン発生ユニット7−2の外部に出力している。
オゾンガス出力配管ガスラインには、出力オゾンガス流量を一定出力するためのオゾンガス流量コントローラ(MFC)を設ける場合もある。この実施の形態では、このオゾンガス流量コントローラ(MFC)は設けていない。
したがって、出力したオゾンガスの流量Qxは、原料ガス流量Qからオゾンに変換したオゾン流量Qcと変換されなかった原料酸素流量Qnの和となる。つまり、オゾン(化酸素)ガスの流量Qxは、原料(酸素)ガス流量Q、オゾン濃度Cに基づく式(A){Qx=F(Q,C)・・・(A)}により決定する。
このガス流量コントローラ(MFC)3で、オゾン発生器に供給する原料ガス流量を一定値に制御している。
なお、APC4は、オゾン発生器1のオゾンガスの出力配管経路内を流れるオゾンガスの圧力を制御することによりオゾン発生器1のガス圧力を自動的に一定値に制御している。
オゾン発生ユニット7−2は、オゾンガスを発生する手段を有したオゾン発生器1、オゾンガスに所定の電力を供給する手段を有したオゾン電源2、供給する原料ガス流量を一定値に制御する手段を有するMFC3、オゾン発生器1内の圧力値を一定値に制御する手段を有するAPC4、出力するオゾンガスの不純物ガスをトラップする手段を有するガスフィルター51、出力するオゾン濃度値を検出する手段を有するオゾン濃度計5等の複数個の機能手段を集約し1単位のパッケージユニットとして構成されている。オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの構成は全て同じであり(7−2以外は図示省略)、オゾン発生ユニット7−2を代表して説明した内部構成を呈している。
これらMFC3、APC4、オゾン濃度計5及びガスフィルター51によりオゾン発生器1に関連した制御手段を構成する。制御手段としてはMFC3、APC4、オゾン濃度計5及びガスフィルター51のうち、少なくとも2つの手段を有することが安定したオゾンガスを供給する点で望ましい。
各オゾン発生ユニット7(オゾン発生ユニット7−1〜7−n)の底面に漏水センサ6を設け、各オゾン発生ユニット7の漏水の有無を監視している。すなわち、漏水センサ6から得られる情報がシステム統括管理ユニット8内のEMO回路(非常停止回路)81により得られ、システム管理制御部84の制御下で監視される。
また、オゾンガス供給システム101内に設けられるシステム統括管理ユニット8は、装置内を排気ダクト11から真空引きし負圧状態に監視するための排気センサ23、オゾン漏洩センサ24それぞれの検出情報を受けている。そして、システム統括管理ユニット8は、排気センサ23による排気異常、オゾン漏洩センサ24による漏洩異常を受けると、システム管理制御部84より全てのオゾン発生ユニット7−1〜7−nに停止を指示するオゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nを与え、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの運転を停止させる。
また、システム統括管理ユニット8内のシステム管理制御部84は、オゾン処理装置12−1〜12−nから、要求オゾン流量Qs12及び要求オゾン濃度Cs12を含む処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nをユーザ情報I/F83を介して受ける。
そして、システム管理制御部84は、処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nの指示内容に基づき、オゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nをオゾン発生ユニット7−1〜7−nに出力するとともに、制御信号S8をオゾンガス出力流量管理ユニット9に出力する。
その結果、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれから出力するオゾンガスの流量、濃度が制御されるともに、オゾンガス出力流量管理ユニット9におけるオゾンガス制御弁9a等の開閉制御が行われ、処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nの指示内容に沿ったガス流量、濃度のオゾンガスをオゾン処理装置12−1〜12−nに供給することができる。以下、システム統括管理ユニット8についてさらに詳述する。
システム統括管理ユニット8は、装置の非常停止を行うEMO回路81、ユニット情報I/F82、ユーザ情報I/F83、システム管理制御部84及びメイン操作パネル85を有している。
EMO回路81は、前述したように、各オゾン発生ユニット7の漏水センサ6から得られるシステムの異常信号を監視する回路である。具体的には、EMO回路81が漏水センサ6より漏水異常の検出情報を受けると、当該情報をシステム管理制御部84に伝達し、システム管理制御部84より、漏水異常を検出した漏水センサ6に対応するオゾン発生ユニット7にオゾン発生ユニット制御信号86(オゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nのいずれか)を与え、当該オゾン発生ユニット7を停止させる。
ユニット情報I/F82は、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからユニット情報信号17−1〜17−nの授受を行う機能を有している。
ユーザ情報I/F83は、前述したように、オゾン処理装置12−1〜12−nからの指令信号である処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−n(要求オゾン流量Qs12、要求オゾン濃度Cs12、運転情報Y、装置No.等を指示)を受信する機能を有している。
システム管理制御部84は、オゾンガス出力流量管理ユニット9内のオゾンガス制御弁(9a、9b、9c、9ab、9bc、9ca)を開閉制御するための指令である制御信号S8を出力し、オゾンガス出力流量管理ユニット9内の統括制御を行う。システム管理制御部84はメイン操作パネル85との情報の授受も行う機能を有している。
図12に示すように、オゾンガス供給システム101は冷却水入口13A及び冷却水出口13Bを有し、冷却水入口13Aから冷却水入口13a−1〜13a−nを介してオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に図示しない外部の冷却装置からの冷却水を取り込み、オゾン発生ユニット7−1〜7−nから冷却後の水を冷却水出口13b−1〜13b−nを介して冷却水出口13Bから外部に出力している。
ここでは、詳細を記載しないが、外部の冷却装置からの冷却水の水量および水温は、一定値のものを供給されるように制御されている。
オゾンガス供給システム101は原料ガス供給口14を有し、原料ガス供給口14から水分除去フィルター59を通し、さらに、原料ガス供給口14−1〜14−nを介してオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に外部から原料ガスを取り込んでいる。
オゾン発生ユニット7−1〜7−nのオゾンガス出力口15−1〜15−nは内部のオゾンガス出力流量管理ユニット9に接続され、オゾンガス出力流量管理ユニット9からオゾンガス出力口25−1〜25−nを介してオゾンガス供給システム101の外部にオゾンガスが出力される。
n台のオゾン処理装置12−1〜12−nから出力される処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nはユーザ情報I/F83を介してシステム管理制御部84に取り込まれる。処理オゾンガスイベント信号16(16−1〜16−n)は要求オゾン流量Qs12、要求オゾン濃度Cs12及び運転情報Y等を指示している。システム管理制御部84は処理オゾンガスイベント信号16−1〜16−nに基づき、オゾン発生ユニット7−1〜7−nを制御するオゾン発生ユニット制御信号86−1〜86−nを出力する機能を有している。
オゾン発生ユニット7−1〜7−nはオゾン発生ユニット用操作パネル85−1〜85−nを有している。また、オゾン発生ユニット7−1〜7−nからユニット情報信号17−1〜17−nがシステム統括管理ユニット8のユニット情報I/F82を介してシステム管理制御部84に伝達される。ユニット情報信号17(17−1〜17−n)は、各オゾン発生ユニット7におけるオゾン発生器1の故障や運転/停止状態を指示する情報信号である。
処理オゾンガスイベント信号16に含まれる運転情報Yは、各オゾン処理装置12(12−1〜12−n)の故障や運転/停止状態情報信号を示すユーザ情報信号に相当し、前述したように、システム統括管理ユニット8内のユーザ情報I/F83に取り込まれる。
また、オゾン発生ユニット7−1〜7−nはそれぞれオゾン制御部19を有している。オゾン制御部19は、後に詳述するように、原料ガス流量の設定流量Qs、検出流量Q,オゾン発生器1の発生器圧力の設定圧力Ps、検出圧力P及び各オゾン発生ユニット7から出力するオゾン濃度Cを受信し、オゾン電源2を制御してオゾン発生器1から発生するオゾンガスのオゾン濃度、ガス流量等を制御する制御部である。また、オゾン制御部19は、オゾン濃度計5、MFC3、APC4及びオゾン電源2との間で信号授受を行っている。
(オゾンガス出力流量管理ユニットの制御)
オゾンガス供給システム101のオゾンガス出力流量管理ユニット9の構成及び動作は、図2で示した実施の形態1のオゾンガス供給システム10におけるオゾンガス出力流量管理ユニット9と同様であるため、説明を省略する。
(メイン操作パネル)
オゾンガス供給システム101のメイン操作パネル85は、図3で示した実施の形態1のオゾンガス供給システム10におけるメイン操作パネル85と同様であるため、説明を省略する。
(オゾン制御部(データメモリ1S6))
オゾンガス供給システム101におけるオゾン制御部19の構成及び動作は内部のデータメモリ1S6を含め、図4〜図7で示した実施の形態1のオゾンガス供給システム10におけるオゾン制御部19及びデータメモリ1S6の場合と同様であるため、説明を適宜省略する。
(効果等)
上述した実施の形態4では、原料ガス供給口14に水分除去フィルター59を装着し、1つのオゾンガス供給システム101に複数のオゾン発生ユニット7−1〜7−nを備え、各オゾン発生ユニット7は、オゾンガスを発生させる手段を有するオゾン発生器1、オゾン発生に供給する電力を供給と制御する手段を有するオゾン電源2、原料ガスもしくはオゾンガス流量Qを一定値に制御する手段を有するMFC3、オゾン発生器1内の圧力Pを一定に制御する手段を有する自動制御するAPC4、及び出力するオゾンガスの濃度値Cを検出する手段を有するオゾン濃度計5を搭載している。
そして、オゾンガス供給システム101は、各オゾン発生器1から出力オゾンガス配管に対応して開閉弁(オゾンガス制御弁9a〜9c)を設け、かつ、上記各オゾン発生器1の出力オゾンガス配管間にも開閉弁(9bc,9ab,9ca)を設けたオゾンガス出力流量管理ユニット9を設けている。
実施の形態4のオゾンガス供給システム101は、オゾンガス出力流量管理ユニット9内のオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caの開閉動作によって、オゾン発生ユニット7−1〜7−nから出力される複数のオゾンガスの1または2以上の組合せを、オゾン処理装置12−1のいずれかに選択的に出力するオゾンガス出力流量制御が実行可能なシステム統括管理ユニット8(オゾンガス出力流量管理ユニット)を有している。
したがって、オゾンガス供給システム101内に設けた水分除去フィルター59によって、原料ガス供給口14から供給される原料ガスを原料ガス中に含まれる水分量が1〜10PPM程度のものが、10〜100PPB程度まで下げられため、オゾン生成とともに、水分と不純物と無声放電によって生成される硝酸クラスター(HNO3)やOHラジカルガスやOHラジカルイオンガスやHO3 +イオン等の活性ガスを減少させることができる。このため、オゾン発生器1のオゾンガス出力部に設けたAPC4、MFC3、オゾン濃度計5(オゾンモニタ)やガス開閉バルブ(弁)やオゾン処理装置12−1〜12−nが硝酸イオンクラスター(HNO3)やOHラジカルガスやHO3 +イオン等の活性ガスによる消耗や故障を抑制できる。
また、出力するオゾンガスとして、硝酸クラスター(HNO3)やOHラジカルガスや金属コンタミネションが少ない品質の高いオゾンガスを提供することができる。
このように、実施の形態4におけるオゾンガス供給システム101では、原料ガス供給口14に供給する原料ガスに含まれる微量の水分をトラップできる機能を有した水分除去フィルター59を設けることで、オゾン発生器1に供給する原料ガスは、水分除去フィルター59によって、原料ガスに含まれる水分量を300PPB以下にして品質の高いオゾンガスを供給することができる効果を奏する。
上述したように、実施の形態5のオゾンガス供給システム101では、水分除去フィルター59を装着するようにしている。その結果、より露点の高いオゾンガスを提供するだけでなく、装着した水分除去フィルター59で、水分量を取り除くことができるため、オゾンガスを発生させる前のパージガスを流す時間を大幅に短縮させることができ、装置の立ち上げ時間を大幅に短縮できる効果を奏する。
加えて、オゾンガス制御弁9a,9b,9cを開状態、オゾンガス制御弁9ab,9bc、9caを閉状態にし、オゾンガス開閉弁22−1〜22−nを開状態にすることにより、1対1に対応するオゾン発生ユニット7−1〜7−nからオゾン処理装置12−1〜12−nにオゾンガスを供給することにより、供給されるオゾンのガス流量・オゾンガス濃度をオゾン処理装置12−1〜12−nそれぞれ独立に制御することができる。
そして、実施の形態4のオゾンガス供給システム101は、実施の形態1と同様、図2及び図3で示したように、2以上のオゾンガス出力の組合せをひとつのオゾン処理装置(オゾン処理装置12−2)に供給することにより、多様なガス流量及び濃度のオゾンガスを供給することができる。
さらに、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのうち一部に異常が発生しても、正常動作する残りのオゾン発生ユニット7によって、オゾン処理装置12−1〜12−nのいずれにもオゾンガスを供給することができるため、信頼性が高いオゾンガス供給が実現できるとともに出力オゾンガスに含まれる活性ガスの少ない品質の高いオゾンガスを提供できる。
このように、実施の形態4のオゾンガス供給システム101は、実施の形態1のオゾンガス供給システム10と同様、システム管理制御部84からの制御信号S8によりオゾンガス出力流量管理ユニット9を制御して、オゾン発生ユニット7−1〜7−nから出力されるオゾンガスの組合せ・選択処理を行い、所望のガス流量、オゾンガス濃度のオゾンガスをオゾン処理装置12に出力できるようにしている。
また、実施の形態4のオゾンガス供給システム101は、オゾンガス出力流量管理ユニット9内に設けられたオゾンガス制御弁9a,9b,9c,9bc,9ab,9caを電気もしくはエアー圧力によって開閉できる電動バルブもしくは空圧弁にして、制御信号S8の制御下で各オゾン発生ユニット7内のオゾン発生器1から外部に出力するオゾンガスのガス流量、オゾンガス濃度を集中管理することができる。
また、システム統括管理ユニット8は、漏水センサ6、EMO回路81、ユニット情報I/F82、システム管理制御部84等を備えることにより、オゾン発生ユニット7−1〜7−nのいずれかに非常停止、漏水が検知された場合、対応する前記オゾン発生ユニットを停止させることができる。
さらに、排気センサ23、オゾン漏洩センサ24、システム管理制御部84等を備えることにより、システム全体として排気異常、オゾン漏洩異常を検出したとき、オゾン発生ユニット7−1〜7−nを全て停止させることができる。
このように、実施の形態4のオゾンガス供給システム101(第1の態様)は、各オゾン発生ユニット7の異常時、オゾンガス供給システム101全体の異常時等における安全停止機能を備えることにより、安全性の高いシステムを実現することができる。
<実施の形態4の第2の態様>
実施の形態4の第2の態様は、図8及び図9で示した実施の形態2と同様に、オゾン電源部2、オゾン発生器1それぞれの小型化を実現させ、コンパクト化した電力を供給し、電力量を制御する手段を有したオゾン電源部2、オゾンガスを発生する手段を有したオゾン発生器1に加え、原料ガス流量を制御する手段を有したMFC3、オゾンガスの不純物を取り除く手段を有したガスフィルター51、出力するオゾンガス濃度を検知する手段を有したオゾン濃度計5、オゾン発生器内のガス圧力を一定値に制御する手段を有したAPC4を集約しパッケージ化して構造上も1単位のオゾン発生ユニット7Xを実現することができる。
(オゾン電源2のコンパクト化)
実施の形態4においても、実施の形態1の図8で示した回路構成を採用することにより、オゾン発生器1およびオゾン電源部2のメイン部品の一体化を実現させてコンパクト化した回路構成を実現できる。
(オゾン発生ユニットの組合せ構造)
実施の形態4においも、図9で示した実施の形態1と同様、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4、およびガス配管集積ブロック30を集約した1単位のオゾン発生ユニット7Xを実現することができる。
従来のオゾンガス供給システムや、従来のオゾン発生装置では、実施の形態1で説明した図25に示すように、ガス制御ユニット400、オゾン電源に相当するインバータ制御ユニット500、及びオゾン発生ユニット600と3つに分割した各ブロック間において電気的接続やガス配管による接続することしかできず、図9で示す構造は実現不可能であった。
また、原料ガスは、設置されたユーティリティーにある原料ガスを直接オゾンガス供給システムに供給するようにしていたため、オゾン発生器に供給する原料ガス中に含まれる水分量を抑制する手段を有せず、オゾンガス出力部に設けたガス制御機器の故障率が高かった。
実施の形態4の第2の態様においても、実施の形態1と同様、図9に示すように、オゾン発生ユニット7Xは、これらの3つのユニット(400,500,600)を集約して、図25で示した構成に比べ、大幅に小型化を実現させ、かつ、図12で示すオゾンガス供給システム101の原料ガス供給口14に水分除去フィルター59を装着したので、オゾンガス出力部に設けたガス制御機器の故障率が低減でき、品質の高いオゾンガスを提供できる。
このように、実施の形態4のオゾン発生ユニット7−1〜7−nは、実施の形態1と同様、オゾン発生ユニット7Xとして、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、APC4及びオゾン濃度計5を1つに集約して1単位にパッケージ化した構造を呈している。
その結果、実施の形態4のオゾンガス供給システム101のように、内部にオゾン発生ユニット7Xを複数台搭載でき、オゾン発生ユニット7Xの出力配管同士をガス制御弁9で接続することにより、実施の形態4で述べたように、オゾン処理装置12−1〜12−nの各オゾン処理装置12にオゾンガスを分散供給したり、1つのオゾン処理装置12に多量のオゾンガスや高濃度のオゾンガスを選択的に供給したりすることができる。
<実施の形態4の第3の態様>
実施の形態4の第3の態様として、図10及び図11で示した実施の形態3と同様、1単位のオゾン発生ユニット7に着目し、オゾンガス出力流量管理ユニット9をも組み合わせたオゾン発生ユニット7の小型化を図ることもできる。
(オゾンガス出力流量管理ユニットの制御)
実施の形態3で示した図10のオゾンガス供給システム20を、図12で示したオゾンガス供給システム101に相当する構成として、実施の形態4の第3の態様として実現することができる。
(オゾン発生ユニットの組合せ構造)
実施の形態3で示した図11のオゾン発生ユニット7Yのように、オゾンガス供給システム101のオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれを構成して、実施の形態4の第3の態様として実現することができる。
<実施の形態5>
図13は本発明の実施の形態5であるオゾンガス供給システムの構成を示すブロック図である。
実施の形態5のオゾンガス供給システム102では実施の形態4のオゾンガス供給システム101と同様、オゾンガス供給システム102構成内に原料ガス供給口14より供給される原料ガスに含まれる水分をトラップする目的の水分除去フィルター59−1〜59−nを設けている。ただし、水分除去フィルター59−1〜59−nは、オゾン発生ユニット7−1〜7−nに1対1に対応して設けられており、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの原料ガス供給部入口近傍に設けられる。水分除去フィルター59−1〜59−nはそれぞれオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に供給する原料ガスの水分量を抑制することで、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれ内で生成するオゾンガスの品質を高めることを特徴としている。このように、実施の形態5のオゾンガス供給システム102は、原料ガス供給口14から供給される原料ガスを水分除去フィルター59−1〜59−nを通過させた後、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの原料ガス供給口14−1〜14−nに供給している。
特に、実施の形態5のオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれは、1単位のオゾン発生ユニット7の原料ガス入り口部に、ガス中に含まれる水分をトラップする水分除去フィルター59(水分除去フィルター59−1〜59−nのいずれか)を装着するようにして、実施の形態2と同様の組み合わせたオゾン発生ユニット7の小型化を図ったことを特徴としている。
(原料ガスのガス純度管理)
図14は実施の形態5の1単位のオゾン発生ユニット7X2の組合せ構造を模式的に示す斜視図である。
図13、図14に示すように、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの原料ガス供給口14−1〜14−nに、交換が容易な位置に水分除去フィルター59(59−1〜59−n)を装着して、一体的に形成される。以下、図13では、説明の都合上、n=3の場合を例に挙げて説明する。
また、この水分は空気中にも含まれるガスであるため、原料ガス配管経路の一部の配管を大気に開放すると、すぐに、配管面に水分が吸着される。そのため、この水が吸着された原料ガス配管に原料ガスを流すと、高純度原料ガスに含まれる水分量だけでなく、配管に付着した水分も、ガスを流すことにより、離脱して、供給する原料ガスの露点が、図26に示すように、高くなり、原料ガス中に含まれる水分量が例えば、10PPM以上に高くなる場合がある。
原料ガスに、窒素系ガス、炭素系ガス、硫化ガス等の不純物ガスや水分が含まれるとオゾンガスの生成だけでなく、放電によってNラジカルやOHラジカルガスも生成されるため、これらのラジカルガスと水分が結合することで、硝酸ガスやOHラジカルとしてクラスター状の分子状のガスもオゾンガスに含んで出力される。
そのため、これらの硝酸やOHラジカルのクラスター分子ガス等は非常に活性の強いガスであるため、オゾンガスを出力するガス配管やバルブ等の金属表面と化学反応をして、配管面が腐食して、出力するオゾンガスに腐食した金属不純物(金属コンタミ)を発生させる原因になる。
出力するオゾンガスに含まれる金属不純物(金属コンタミ)量が高まると、オゾンガスを利用して半導体の酸化膜処理をしている酸化膜の性能劣化の原因になる。
上記のことから、原料ガスに水分が多く含まれると、出力するオゾンガスの品質が悪くなることが、試験で確かめられた。そのため、原料ガスの供給部に水分除去を目的とした水分除去フィルター59−1〜59−nを装着するようにした。特に、実施の形態5ではオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの原料ガス供給口14−1〜14−nに、交換が容易な位置に水分除去フィルター59−1〜59−nを設け、水分を除去してオゾン発生器1に原料ガスを供給するようにした。
さらに、水分除去フィルター59−1〜59−nのうち一部に異常が発生しても、正常動作する残りの水分除去フィルター59を装着したオゾン発生ユニット7によって、オゾン処理装置12−1〜12−nのいずれにもオゾンガスを供給することができるため、信頼性が高いオゾンガス供給が実現できるとともに出力オゾンガスに含まれる活性ガスの少ない品質の高いオゾンガスを提供できる。
ここでは、水分除去フィルター59−1〜59−nをオゾン発生ユニット7−1〜7−nに対応して1つ設ける構成にしたが、不純物ガス種によって、ガスフィルターを複数個直列多段に設けたり、不純物ガス用のガスフィルターと水分トラップ用のガスフィルター直列多段構成にしたりしても良い。
なお、他の構成及び配管経路等は、図9で示した実施の形態2のオゾン発生ユニット7Xとほぼ同様であるため、説明を適宜省略し、オゾン発生ユニット7Xと異なる点を中心に簡単に説明する。
図14に示すように、原料ガス配管系(原料ガス供給口14+水分除去フィルター59)および出力ガス配管系(オゾンガス出力口15)をガス配管集積ブロック30に一体化したガス配管集積ブロック構造することにより、オゾン発生器1、オゾン電源2、ガス配管系をパッケージ化してオゾン発生ユニット7X2をより小型にしている。なお、原料ガス供給口14及び水分除去フィルター59は互いに連結して構成される。
原料ガスGmが供給される原料ガス供給口14からMFC3を介したオゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1への原料ガス入力配管経路は、原料ガス供給口14、水分除去フィルター59、配管経路R30a、ブロック内流路B3、MFC3、ブロック内流路B3、配管経路R30b、及びオゾン発生器入力部ET1の順で形成される経路で構成される。この際、オゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1の周辺に設けられた部分がオゾン発生器装着用ボルトBt1によりガス配管集積ブロック30に取り付けられる。このように、ガス配管集積ブロック30を用いて原料ガスGmの入力配管経路が形成される。
実施の形態5のように、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの背面の原料ガス供給口14に連結して、交換が容易な部分に水分除去フィルター59(水分除去フィルター59−1〜59−n)を装着するようにしている。その結果、より露点の高いオゾンガスを提供するだけでなく、装着した水分除去フィルター59で、水分量を取り除くことができるため、オゾンガスを発生させる前のパージガスを流す時間を大幅に短縮させることができ、装置の立ち上げ時間を大幅に短縮できる効果を奏する。
<実施の形態6>
図15は本発明の実施の形態6であるオゾンガス供給システムの構成を示すブロック図である。
実施の形態6では、実施の形態2の「オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれに相当する、1単位のオゾン発生ユニット7に着目し、オゾン発生ユニット7の小型化を図ったもの」である。特に、実施の形態5のオゾン発生器1の原料ガスの入力部に設けたMFC3を除去し、その変わりに、オゾン発生器1で発生させたオゾンガスの出力部に流量コントロール手段であるMFC53を配置し、オゾン発生ユニット7の小型化を図ったものである。
(オゾンガス流量コントロール)
図15で示す実施の形態6のオゾンガス供給システム103は図12で示した実施の形態4のオゾンガス供給システム101に相当する。図16は実施の形態6の1単位のオゾン発生ユニットの組合せ構造を模式的に示す斜視図である。
図15、図16に示すように、実施の形態6は、機能的には、実施の形態1,実施の形態4及び実施の形態5で示したガス流量を制御する手段であるMFC3を原料ガス供給部に設けていたものを、発生したオゾンガス配管系にMFC53として移動した実施の形態である。すなわち、実施の形態6のオゾンガス供給システム103と図12で示した実施の形態4のオゾンガス供給システム101とを比較した場合、MFC3を除き、新たにMFC53をオゾン濃度計5とAPC4との間に介挿し、さらに、水分除去フィルター59を設けない点が異なる。なお、装置の動作等については、実施の形態1,実施の形態4および実施の形態5とほぼ同様であるため、説明は省略する。
このように、実施の形態6のオゾン発生ユニット7X3は、ガス配管集積ブロック30にオゾン発生器1等を密接して装着している。以下、図16で示すガス配管集積ブロック30を利用したオゾン発生ユニット7X3の配管経路について説明する。ガス配管集積ブロック30は内部に配管経路R30c〜R30fを有しており、冷却水入口13A、冷却水出口13B、原料ガス供給口14及びオゾンガス出力口15が側面に取り付けられており、オゾン発生器装着用ボルトBt1〜Bt4を用いてオゾン発生器1を取り付ける構造を呈している。
また、APC装着用ブロック34,34によりAPC4を挟みこんでガス配管集積ブロック30に装着し、APC装着用ブロック34,MFC装着用ブロック153によりMFC53を挟みこんでガス配管集積ブロック30に装着し、オゾン濃度計装着用ブロック35,35により挟みこんでオゾン濃度計5を装着している。これら装着用ブロック33〜34,153,及び35内にも配管経路を確保するためのブロック内流路B3,B4,B53及びB5が形成されている。また、ガスフィルター装着用ブロック31を用いてガスフィルター51をガス配管集積ブロック30に装着している。
原料ガスGmが供給される原料ガス供給口14が直接にオゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1に設けられ、入力配管経路は、原料ガス供給口14及びオゾン発生器入力部ET1の順で形成される経路で構成される。この際、オゾン発生器1のオゾン発生器入力部ET1の周辺に設けられた部分がオゾン発生器装着用ボルトBt1によりガス配管集積ブロック30に取り付けられる。このように、ガス配管集積ブロック30を用いて原料ガスGmの入力配管経路が形成される。
オゾン発生器1から出力されるオゾンガスを受けるオゾン発生器出力部EX1から、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、MFC53及びAPC4を介してオゾンガス出力口15から出力されるオゾンガス出力配管は、オゾン発生器出力部EX1、配管経路R30c、ガスフィルター装着用ブロック31内、ガスフィルター51、ガスフィルター装着用ブロック31内、配管経路R30d、ブロック内流路B5、オゾン濃度計5、ブロック内流路B5、配管経路R30e、ブロック内流路B53,MFC53,ブロック内流路B4、APC4、ブロック内流路B4、配管経路R30f、及びオゾンガス出力口15の順で形成される経路で構成される。この際、オゾン発生器1のオゾン発生器出力部EX1の周辺に設けられた部分がオゾン発生器装着用ボルトBt2によりガス配管集積ブロック30に取り付けられる。このように、ガス配管集積ブロック30を用いてオゾンガスの出力配管経路が形成される。
実施の形態6では、発生したオゾンガス自身の出力オゾン量をMFC53によって制御するため、正確な出力するオゾンガス流量を制御が出来、出力するオゾン量を正確に制御している効果を奏する。
また、原料ガス(入力)配管系には、配管周辺部品は付けずに直接原料ガス供給口14を配管するだけで済み、オゾンガス出力配管部にガスフィルター51、MFC53、オゾン濃度計5、APC4にガス配管部品を一括装着する構成にしている。このため、出力ガス配管系のみ、配管の集積配管構成ができる結果、配管がよりコンパクト化ができ、一体化した集積配管構成の部品数を減らせ、部品の交換がより容易になる。
(他の態様)
実施の形態6であるオゾンガス供給システムの他の態様として、図17に示すように実施の形態4と同様に原料ガス供給口14から供給される原料ガスに含まれる微量の水分をトラップできる機能を有する水分除去フィルター59を追加しても良い。
また、図13で示した実施の形態5と同様に、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの原料ガス供給口14−1〜14−nの近傍に水分除去フィルター59−1〜59−nを設けた構成(図示せず)を採用しても良い。
この場合、図18に示すように、オゾン発生器入力部ET1に原料ガス供給口14及び水分除去フィルター59(水分除去フィルター59−1〜59−nのいずれか)が直列に設けられる。すなわち、図18に示すように、原料ガス配管(原料ガス供給口14+水分除去フィルター59)および出力ガス配管系(オゾンガス出力口15)をガス配管集積ブロック30に一体化したガス配管集積ブロック構造のオゾン発生ユニット7X4を得ることができる。
<実施の形態7(基本構成:第1の態様)>
図19は本発明の実施の形態7(第1の態様)であるオゾンガス供給システムの構成を示すブロック図である。
(全体構成)
図19に示すように、オゾンガス供給システム104は内部にn(≧2)個のオゾン発生ユニット7−1〜7−nを有しており、オゾン発生ユニット7−1〜7−n間で共通のガスフィルター52(原料ガス用ガスフィルター)を1個有している。ガスフィルター52は、原料ガス供給口14から供給される原料ガスに含まれる微量の不純物や不純物ガスを除去し、ガスフィルター52によって原料ガスの純度を安定するように制御されている。なお、水分除去フィルター59がガスフィルター52に置き換わった点を除き、図12で示した実施の形態4のオゾンガス供給システム101と同様であるため、構成及び動作の説明を適宜、省略する。
オゾンガス供給システム104は原料ガス供給口14を有し、原料ガス供給口14からガスフィルター52を通し、さらに、原料ガス供給口14−1〜14−nを介してオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に外部から原料ガスを取り込んでいる。すなわち、外部の原料ガスの入口である原料ガス供給口14に、原料ガス中の微量の不純物や不純物ガスを除去するためのガスフィルター52が設けられ、原料ガスの純度を安定するように制御されている。
(効果等)
したがって、実施の形態7のオゾンガス供給システム104内に設けたガスフィルター52によって、原料ガス供給口14から供給される原料ガス中に含まれる不純物や不純物ガスを低減することができるため、オゾン生成とともに、水分と不純物と無声放電によって生成される硝酸クラスター(HNO3)やOHラジカルガスやOHラジカルイオンガスやHO3 +イオン等の活性ガスを減少させることができる。このため、オゾン発生器1のオゾンガス出力部に設けたAPC4、MFC3、オゾン濃度計5やガス開閉バルブやオゾン処理装置12−1〜12−nが硝酸イオンクラスター(HNO 3 )やOHラジカルガスやHO3 +イオン等の活性ガスによる消耗や故障を抑制できる。
また、出力するオゾンガスとして、硝酸クラスター(HNO3)やOHラジカルガスや金属コンタミネションが少ない品質の高いオゾンガスを提供することができる。
このように、実施の形態7におけるオゾンガス供給システム104では、原料ガス供給口14に供給する原料ガスに含まれる不純物及び不純物ガスをトラップできる機能を有したガスフィルター52を設けることで、オゾン発生器1に供給する原料ガスは、ガスフィルター52によって、原料ガスに含まれる不純物ガス等を低減化して品質の高いオゾンガスを供給することができる効果を奏する。
<実施の形態7の第2の態様>
実施の形態7の第2の態様は、図8及び図9で示した実施の形態2と同様に、オゾン電源部2、オゾン発生器1それぞれの小型化を実現させ、コンパクト化した電力を供給し、電力量を制御する手段を有したオゾン電源部2、オゾンガスを発生する手段を有したオゾン発生器1に加え、原料ガス流量を制御する手段を有したMFC3、オゾンガスの不純物を取り除く手段を有したガスフィルター51、出力するオゾンガス濃度を検知する手段を有したオゾン濃度計5、オゾン発生器内のガス圧力を一定値に制御する手段を有したAPC4を集約しパッケージ化して構造上も1単位のオゾン発生ユニット7Xを実現することができる。
(オゾン電源2のコンパクト化)
実施の形態7においても、実施の形態1の図8で示した回路構成を採用することにより、オゾン発生器1およびオゾン電源部2のメイン部品の一体化を実現させてコンパクト化した回路構成を実現できる。
(オゾン発生ユニットの組合せ構造)
実施の形態7においても、図9で示した実施の形態1と同様、オゾン発生器1、オゾン電源2、MFC3、ガスフィルター51、オゾン濃度計5、APC4、およびガス配管集積ブロック30を集約した1単位のオゾン発生ユニット7Xを実現することができる。
<実施の形態7の第3の態様>
実施の形態7の第3の態様として、図10及び図11で示した実施の形態3と同様、1単位のオゾン発生ユニット7に着目し、オゾンガス出力流量管理ユニット9をも組み合わせたオゾン発生ユニット7の小型化を図ることもできる。
(オゾンガス出力流量管理ユニットの制御)
実施の形態3で示した図10のオゾンガス供給システム20を、図19で示したオゾンガス供給システム104に相当する構成として、実施の形態7の第3の態様として実現することができる。
(オゾン発生ユニットの組合せ構造)
実施の形態3で示した図11のオゾン発生ユニット7Yのように、オゾンガス供給システム104のオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれを構成して、実施の形態7の第3の態様として実現することができる。
<実施の形態8>
図20は本発明の実施の形態8であるオゾンガス供給システムの構成を示すブロック図である。
実施の形態8のオゾンガス供給システム105では実施の形態7のオゾンガス供給システム104と同様、オゾンガス供給システム105構成内に原料ガス供給口14より供給される原料ガスに含まれる不純物や不純物ガスをトラップする目的の(原料ガス用)ガスフィルター52−1〜52−nを設けている。ただし、ガスフィルター52−1〜52−nは、オゾン発生ユニット7−1〜7−nに1対1に対応して設けられており、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの原料ガス供給部入口近傍に設けられる。ガスフィルター52−1〜52−nはそれぞれオゾン発生ユニット7−1〜7−n内に供給する原料ガスの純度を増やすことで、オゾンガス供給システム105内で生成するオゾンガスの純度を高めることを特徴としている。
特に、実施の形態8のオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれは、実施の形態2と同様、1単位のオゾン発生ユニット7の原料ガス入り口部に、ガス中に含まれる不純物や不純物ガスをトラップするガスフィルター52を装着するようにして、組み合わせたオゾン発生ユニット7の小型化を図ったことを特徴としている。
(原料ガスのガス純度管理)
図21は実施の形態8の1単位のオゾン発生ユニット7X5の組合せ構造を模式的に示す斜視図である。
図20、図21に示すように、オゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの原料ガス供給口14−1〜14−nに連結して、交換が容易な位置にガスフィルター52(52−1〜52−n)を装着して、一体的に形成される。以下、図20では、説明の都合上、n=3の場合を例に挙げて説明する。
図26は原料ガスの露点と原料ガスに含まれる水分量との関係を示す説明図である。オゾンガス供給システム104に供給される原料ガスは、一般に99.99%以上の高純度原料ガスを使用しているが、この高純度原料ガスには、原料ガス以外のガスとして、窒素系ガス、炭素系ガス、硫化ガス等の不純物ガスが0.1〜数PPM程度含まれており、また、ガス中に含まれる水分量も1〜数PPM含んでいる(図26参照)。
オゾンガス供給システム105に供給される原料ガスは、一般に99.99%以上の高純度原料ガスを使用しているが、この高純度原料ガスには、原料ガス以外のガスとして、窒素系ガス、炭素系ガス、硫化ガス等の不純物ガスが0.1〜数PPM程度含まれており、また、ガス中に含まれる水分量も1〜数PPM含んでいる。また、これらの不純物ガスや水分は空気中にも含まれるガスであるため、原料ガス配管経路の一部の配管を大気に開放すると、すぐに、配管面に水分や窒素ガス等の不純物ガスが吸着される。そのため、この不純物ガスが吸着された原料ガス配管に原料ガスを流すと、高純度原料ガスに含まれる不純物ガスや水分量だけでなく、配管に付着した不純物ガスも、ガスを流すことにより、離脱して、供給する原料ガスの純度が悪くなる場合がある。
原料ガスに、窒素系ガス、炭素系ガス、硫化ガス等の不純物ガスや水分が含まれるとオゾンガスの生成だけでなく、放電によってNラジカルやOHラジカルガスも生成されるため、これらのラジカルガスと水分が結合することで、硝酸や過酸化水素水としてクラスター状の分子状のガスもオゾンガスに含んで出力される。
そのため、これらの硝酸や過酸化水素水のクラスター分子ガス等は非常に活性の強いガスであるため、オゾンガスを出力するガス配管やバルブ等の金属表面と化学反応をして、配管面が腐食して、出力するオゾンガスに腐食した金属不純物(金属コンタミ)を発生させる原因になる。
出力するオゾンガスに含まれる金属不純物(金属コンタミ)量が高まると、オゾンガスを利用して半導体の酸化膜処理をしている酸化膜の性能劣化の原因になる。
上記のことから、原料ガスに不純物ガスや水分が含まれると、出力するオゾンガスの品質が悪くなることが、試験で確かめられた。そのため、原料ガスの供給部に不純物ガスのトラップを目的としたガスフィルターを装着するようにした。特に、実施の形態8ではオゾン発生ユニット7−1〜7−nそれぞれの原料ガス供給口14−1〜14−nに、交換が容易な位置にガスフィルター52−1〜52−nを設け、不純物ガスを除去した。
ここでは、ガスフィルター52−1〜52−nを1つ設ける構成にしたが、不純物ガス種によって、ガスフィルターを複数個直列多段に設けたり、不純物ガス用のガスフィルターと水分トラップ用のガスフィルターとを直列多段構成にしたりしても良い。
なお、他の構成及び配管経路等は、水分除去フィルター59がガスフィルター52に置き換わった点を除き、図14で示したオゾン発生ユニット7X2と同様であるため、説明を省略する。
図21に示すように、原料ガス配管系(原料ガス供給口14+ガスフィルター52)および出力ガス配管系(オゾンガス出力口15)をガス配管集積ブロック30に一体化したガス配管集積ブロック構造することにより、オゾン発生器1、オゾン電源2、ガス配管系をパッケージ化してオゾン発生ユニット7X5をより小型にしている。なお、原料ガス供給口14及びガスフィルター52は互いに連結して構成される。
実施の形態8のように、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの背面の原料ガス供給口14に交換が容易な部分にガスフィルター52(ガスフィルター52−1〜52−n)を装着するようにしたため、より高純度の高いオゾンガスを提供するだけでなく、装着したガスフィルター52によって、不純物ガスを取り除くことができるため、オゾンガスを発生させる前のパージガスを流す時間を大幅に短縮させることができる効果を奏する。
<実施の形態6の他の態様(実施の形態7,実施の形態8関連)>
実施の形態6であるオゾンガス供給システムの他の態様として、図22に示すように実施の形態7と同様に原料ガス供給口14から供給される原料ガスに含まれる不純物をトラップできる機能を有するガスフィルター52を追加しても良い。
また、図20で示した実施の形態8と同様に、オゾン発生ユニット7−1〜7−nの原料ガス供給口14−1〜14−nの近傍にガスフィルター52−1〜52−nを設けた構成(図示せず)で実現しても良い。
この場合、図23に示すように、オゾン発生器入力部ET1に原料ガス供給口14及びガスフィルター52(ガスフィルター52−1〜52−nのいずれか)が直列に設けられる。すなわち、図23に示すように、原料ガス配管(原料ガス供給口14+ガスフィルター52)および出力ガス配管系(オゾンガス出力口15)をガス配管集積ブロック30に一体化したガス配管集積ブロック構造のオゾン発生ユニット7X6を得ることができる。
<その他>
以上、実施の形態1〜実施の形態8では、オゾン処理装置として、主に、オゾン発生量が数十g/h〜500g/h程度のオゾンを必要とする半導体製造装置で用いられるオゾンガスの多処理装置における所定のオゾン流量、オゾン濃度のオゾンガスを供給するシステムについて述べてきた。
上述したオゾン処理装置12に代えて、必要とするオゾンガス量が、もっと大きな、パルプのオゾン漂白装置やプールの水のオゾン処理装置、上下水のオゾン処理装置、化学プラントのオゾン処理装置であっても良い。例えば、1kg/h〜数kg/hのオゾンガスを必要とする処理装置であれば、上述したオゾンガス供給システム10(20,101〜105)内に複数台のオゾン発生ユニット7−1〜7−nを搭載して、オゾン発生ユニット7−1〜7−n間で出力オゾンガスをまとめて1つのオゾン処理装置に供給することが、比較的安価、かつ容易に行え、メンテナンス性が非常に良いオゾンガス供給システムの利用分野が高められる効果を奏する。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
<産業上の利用可能性>
この発明は、オゾンガスを供給するための複数の手段を有した機能を付加させたオゾン発生ユニット及びオゾンガスを複数のオゾン処理装置にオゾンガス供給システムに関するこの発明であり、オゾンガスを出力するための複数の手段を有した機能を付加させたオゾン発生器ユニットの小型化を図ったオゾン発生ユニット及び上記オゾン発生ユニットを得ることを目的としている。
しかし、オゾンガス以外のガス発生ユニット及び発生ガスを複数のガス処理装置にガス供給システムにおいても、原料ガス中に含まれる水分を除去する水分除去フィルター59や原料ガス中に含まれる不純物ガスを除去するガスフィルター52を装着することで、発生器で生成したガスを出力する際のガス品質を高めることは可能である。
さらに、ガスを出力するための複数の手段を有した機能を付加させたガス発生器ユニットを一体化し、小型化して、ガス発生ユニットを複数台搭載してガス発生システムを構築することは好適であることは明らかなことである。