JP5626220B2 - 水銀除去装置及び水銀除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水銀除去装置及び水銀除去方法に関する。
本発明は、2009年11月16日に、日本に出願された特願2009−260996号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
石炭燃焼ガスには、石炭に起因する微量の水銀が含まれている。この水銀には、難水溶性の金属水銀(Hg)、水溶性の2価水銀(Hg2+(HgCl))、そして燃焼灰に付着した粒子状水銀(Hg)が存在する。排ガス処理系内において、粒子状水銀(Hg)の大部分は電気集塵機(EP)やバグフィルタなどの集塵装置にて除去され、水溶性の2価水銀(Hg2+)は、湿式脱硫装置(FGD)において高効率に除去することができる。しかしながら、難水溶性の金属水銀(Hg)は、EP、FGDで除去されにくいので、排ガスに塩化水素を添加することにより、脱硝装置内で金属水銀を塩化水銀(つまり2価水銀)とした後、湿式脱硫装置内で塩化水銀を吸収除去する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、塩化水素水溶液を高温空気で直接加熱して塩化水素を発生させる塩化水素気化器を脱硝装置の前段に設け、煙道中の排ガス中に塩化水素を供給して、金属水銀を塩化水銀とした後、除去する方法が記載されている。この技術において、塩化水素水溶液は高い酸化能力を有するため貯蔵性や取り扱い性が悪く、周辺装置を腐食する心配性があるので、その代替として塩化アンモニウムを供給することで金属水銀を塩素化することが提案されている。
一方、例えば特許文献2には、ボイラ付設のエコノマイザを迂回するバイパス中に塩化アンモニウム粉末を供給し、排ガスの熱で塩化アンモニウムを昇華させて塩化水素とアンモニアとすることで、排ガス中へ塩化水素を供給する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2のように塩化アンモニウム粉末を直接煙道中に供給する方法では、塩化アンモニウムの昇華条件によって、排ガス中での塩化水素濃度に偏りが発生し易いという問題があった。そこで特許文献3および特許文献4では、液体状の塩化水素およびアンモニアをそれぞれの供給口から煙道中に供給することが開示されている。更に、特許文献5では、液体状の塩化アンモニウムを煙道中に供給している。これら液体状の塩化水素、アンモニア、液体状の塩化アンモニウムは、燃焼ガスの熱により、蒸発させられることによって、塩化水素ガスとアンモニウムガスとなる。
特開2008−142602号公報 特開2008−221087号公報 特開2010−36157号公報 特開2008−142602号公報 特開2009−154067号公報
排ガス中の塩化水素濃度の制御は、加熱前の塩化アンモニウム粉末または液体の供給量の調整によって行うので、濃度検出値のフィードバック、粉末または液体の供給、加熱、混合等を経ることで、制御遅れや不安定要因が生じ、迅速な制御が難しいという問題がある。
また、水銀除去装置における煙道の断面は、縦が略10m、横が略15m程に及ぶ場合があり、このような広い断面積を備える煙道では、反応液の濃度を均一になるよう反応液を吹き込むことは困難である。
更に、このような装置には、コストを削減する為、設計要求に最小限必要な大きさ、即ち装置の縮小化が求められる。その為、ボイラと脱硝装置の間の煙道の長さは、限定されている。この為、既に設置されているボイラと脱硝装置の間に、反応液を噴出するノズル等を新たに設置する場所を確保するのは、困難である。
また、煙道中に反応液を噴出するノズル等の新たな部材を設置する場合、ノズルを一つ追加することで、数mmAq分の圧力損失が増加してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)金属水銀を水溶性水銀に酸化する酸化剤を、金属水銀を含むガス中へ均一の濃度に分散させる。
(2)金属水銀を含むガス中へ供給する酸化剤の濃度を迅速に制御する。
(3)酸化剤を、略均一の濃度に分散させて煙道内に吹き込むことができ、且つ煙道内の圧力損失を最小限に維持できるノズルを、限られたスペースの中に提供する。
上記目的を達成するために、本発明では、以下の手段を採用する。即ち、
(1)本発明は、金属水銀を含む処理対象ガスに反応ガスを供給する反応ガス供給部と;前記処理対象ガスと前記反応ガスとを反応させて、該処理対象ガス中の窒素酸化物を還元して除去し、該処理対象ガス中の前記金属水銀を酸化して水溶性水銀とする脱硝装置と;前記処理対象ガス中の硫黄酸化物と前記水溶性水銀とを除去する脱硫装置と;を備えてなる水銀除去装置であって、酸化性ガス発生液を加熱して、前記金属水銀を酸化する該酸化性ガスを発生するガス化部と、前記窒素酸化物を還元する還元性ガスと前記酸化性ガスとを混合して反応ガスとするガス混合部とを、煙道外かつ反応ガス供給部の上流側に備える。
(2)上記(1)に記載の水銀除去装置における前記反応ガス供給部は、煙道内に設けられた複数の反応ガス供給ノズルから成り;前記複数の各反応ガス供給ノズルの基端側には、前記ガス混合部から流入される反応ガスの流量を調節する弁を備え;前記複数の各反応ガス供給ノズルの先端側は、複数に分岐した櫛状の管路から成り、前記上下方向に複数延びた櫛状の管路には、複数の噴出口が形成されていても良い。
(3)上記(2)に記載の前記複数の各反応ガス供給ノズルに設けられた前記複数の噴出口は、前記煙道内の横断面の全域にわたって形成されていても良い。
(4)上記(3)に記載の前記複数の各反応ガス供給ノズルでは、前記弁の開閉を調節することにより、前記複数の噴出口の開閉を、部分的に調節することが可能であっても良い。
(5)上記(1)に記載の水銀除去装置に使用される、酸化性ガス発生液は、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含む水溶液であり、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムのうちから選択された少なくとも1種以上の塩の水溶液であっても良い。
(6)上記(1)に記載の水銀除去装置では、ガス化部の熱源として燃焼ガスである処理対象ガスを用いても良い。
(7)また、本発明では、金属水銀を含む処理対象ガスに反応ガスを供給する反応ガス供給工程と、前記処理対象ガスと前記反応ガスとを反応させて、該処理対象ガス中の窒素酸化物を還元して除去すると共に、該処理対象ガス中の前記金属水銀を酸化して水溶性水銀とする脱硝工程と、前記処理対象ガス中の硫黄酸化物と前記水溶性水銀とを除去する脱硫工程と、を備えてなる水銀除去方法であって、酸化性ガス発生液を加熱して、前記金属水銀を酸化する該酸化性ガスを発生するガス化工程と、窒素酸化物を還元する還元性ガスと前記酸化性ガスとを混合して反応ガスとするガス混合工程とを反応ガス供給工程の前工程に備えてなる、という手段を採用する。
(8)上記(7)に記載の水銀除去方法における前記脱硝工程では、脱硝触媒の下流側における窒素酸化物濃度を計測し;窒素酸化物濃度が相対的に高いところは、反応ガスが不足していると判断し;窒素酸化物濃度が高いところの反応ガス量を増加させるため、該当箇所に位置する噴出口に対応する反応ガス供給部の弁を開き;再度窒素酸化物濃度を計測し、窒素酸化物濃度に応じて前記弁の開閉度を調整して設定する;工程を含む反応ガス濃度制御工程を更に備えても良い。
(9)上記(8)に記載の水銀除去方法における反応ガス濃度制御工程では、前記弁の開閉を調節することにより、前記複数の噴出口の開閉を部分的に調節しても良い。
(10)上記(7)に記載の水銀除去方法で使用される酸化性ガス発生液は、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含む水溶液であり、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムのうちから選択された少なくとも1種以上の塩の水溶液であっても良い。
(11)上記(7)に記載の水銀除去方法において、ガス化工程の熱源として燃焼ガスである処理対象ガスを用いても良い。
本発明によれば、酸化性ガスと還元性ガスとを混合するガス混合部を反応ガス供給部の上流に設けることにより、酸化性ガスを均一の濃度に分散した状態で処理対象ガスに対して供給できる。また、ガス化部への酸化性ガス発生液の供給量調整で、処理対象ガス中の酸化性ガスの濃度制御を迅速に行うことができる。
また、本発明の反応ガス供給ノズルは、櫛状の形状を備えている為、長さが限られている(短い)煙道中に設置可能であり、かつ圧力損失を最小限に抑えながら、広大な断面積を備える煙道内に、反応ガスを均一の濃度に分散させるように噴出できる。
また、ガス混合部13は煙道外に設けられ、および反応ガス供給ノズルは煙道内に取り付け可能であるので、装置の設計の自由度が向上する。その為、装置本体の大きさの縮小化が可能であり、また、既存の装置に取り付けることも可能である。
したがって、本発明によれば、脱硝装置内での金属水銀を、効率よく均一の濃度に分散させた水溶性水銀とすることができ、かつ装置の設計の自由度が向上した水銀除去能力の高い水銀除去装置及び方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る水銀除去装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る脱硝装置の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るガス混合部の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る煙道内に設置された反応ガス供給ノズルの模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る水銀除去装置Aは、図1に示すように、ボイラ1から煙突9に至るまでの煙道10に、脱硝装置2、空気予熱器3、電気集塵器4、誘引ファン5、再加熱器6、脱硫装置7、ブーストアップファン8を順次備える。更に、脱硝装置2の上流側の煙道10aには、反応ガス供給部20が設けられており、この反応ガス供給部20には、ガス混合部13から反応ガスが供給される。ガス混合部13は、煙道10の外部に設置されており、アンモニア供給部11と酸化性ガス供給部12とが接続されている。また、反応ガス供給部20は、煙道内に設けられた反応ガス供給ノズル201を備えている。
この水銀除去装置Aにおいて、石炭の燃焼によってボイラ1から排出された排ガス(処理対象ガス)は、煙道10を介して、ボイラ1と煙突9との間に配設された上記の各装置2〜8内を順次通過することにより、水銀が除去されて煙突9から大気中に放出される。
ボイラ1には、押込ファン14を備えた給気管15が接続されており、空気予熱器3で予熱された空気が給気管15から供給され、石炭を燃焼して排ガスを発生する。ボイラ1で発生した排ガス中には、窒素酸化物(NO)、硫黄酸化物(SO)、ハロゲン化水素と共に水銀が含まれている。この水銀は、難水溶性水銀の金属水銀(Hg)および粒子状水銀(Hg)と、水溶性水銀の2価水銀(Hg2+(HgCl))である。排ガス中の窒素酸化物は、脱硝装置2で還元されて、除去される。また、排ガス中の硫黄酸化物は脱硫装置7で吸収除去される。
脱硝装置2は、排ガス中の窒素酸化物を触媒の存在下で、アンモニアなどの還元性ガスで還元して除去すると共に、排ガス中の金属水銀を酸化性ガスで酸化して水溶性水銀(2価水銀)とする。
脱硝装置2の上流側の煙道10aには、排ガスに反応ガスを供給する反応ガス供給部20が配設されている。煙道10aの煙道の断面は、例えば、縦が略10m、横が略15m程であるが、その長さは装置の縮小化を図るため、短くすることが望まれる。例えば、水銀除去装置の一例では、煙道10aはボイラ1の下部にボイラ1と一体に形成されている。そのため、このような煙道10aの長さは、例えば20〜30mである。
反応ガスが供給された排ガスは、脱硝装置2に導入される。反応ガスは、酸化性ガスと還元性ガスとからなり、空気で所定濃度に希釈されている。酸化性ガスは、排ガス中の金属水銀を酸化して水溶性水銀とするガスであって、例えばハロゲン化水素やハロゲンガスなどである。
図2は、脱硝装置2と反応ガス供給部20との概略斜視図である。脱硝装置2は、ハウジング21と、ハウジング21内に収容された複数個の触媒層22とを備える。脱硝装置2の入口側の煙道10aはボイラ1に接続されており、出口側の煙道10bは空気予熱器3に接続されている。入口側の煙道10aには、反応ガス供給部20が接続されており、この反応ガス供給部20を介して脱硝装置2内へ反応ガスが供給される。
図4に示すように、反応ガス供給部20は、先端部が複数の管路202に分岐した櫛型状の反応ガス供給ノズル201を備える。反応ガスは、反応ガス供給ノズル201の基端部に設けられた弁204を介して、反応ガス供給ノズル201の全域に供給される。反応ガス供給ノズル201の各管路202に設けられた複数の噴出口203から反応ガスを噴出させることで、煙道10a内の排ガス中に反応ガスを均一に分散させて供給する。尚、反応ガス供給部20の構造および設置形態については、後に詳しく述べる。
脱硝装置2のハウジング21内には、複数の触媒層22が収容されており、触媒層22の横面が排ガスの流れに対向するよう垂直方向に整列されている。触媒層22は、アンモニアにより窒素酸化物を選択的に還元して、窒素と水とに分解するアンモニア選択接触還元法(SCR法)で用いられる触媒を、ハニカム状に成形して、焼成したものである。触媒層22の横面が、排ガスの流れに対向するよう垂直方向に整列されているので、脱硝装置2内に導入された排ガスがハニカム状の触媒面を通過できる。
脱硝装置2には、多くのサンプリングノズルが設置されており、さらにモニタリング用としてNOセンサ(図示せず)が設置されている。運転時には、アンモニアガス濃度が均一になるように反応ガス供給ノズル201に設けられた弁(その詳細な構造については、後述する)を調整することにより、縦が略10m、横が略15m程もある広い断面積を備える煙道10a内でのアンモニアや反応性ガス等の濃度が、煙道10aに対し常に均一になるように制御される。
この広大な断面積を備える煙道10a内において反応ガスの濃度を均一に保つ為に、例えば、以下の制御方法を定期的に行なう。
・ 脱硝触媒の下流側におけるNO濃度を計測する。
・ NO濃度が相対的に高いところは、アンモニア、即ち反応ガスが不足していると判断する。
・ NO濃度が高いところのアンモニア量(反応ガス量)を増加させるため、該当箇所に位置する反応ガス供給ノズル201の噴出口203に対応する反応ガス供給部20の弁204を開く。
・ 再度NO濃度を計測し、NOx濃度に応じて弁204の開閉度を調整して、設定する。
上記工程1〜4を定期的に実施して、設定した弁204の開閉度を手動で調整する。この為、随時、排ガスの流量に対し適切量の反応ガスが供給されているか、また、煙路内に均一の濃度に反応ガスが噴出されているか、を確認することができる。
上記工程1でのNO濃度の計測方法は、特に限定されないが、例えば、複数ある触媒層22のある一層において、そのハニカム状の異なる行と列において約20箇所におけるNOの濃度を計測する。そして、これらの箇所でのNOの濃度の分布を見て、その誤差を修正するよう反応ガスの流量を調整する。
例えば、誤差を30%以内とし、それ以上の濃度の箇所は、反応ガスが均一の濃度で流入されておらず、反応ガスが不足していると判断し、反応ガス供給部20の弁204を開く。尚、日本でのNOの濃度規制値は、10〜40ppmであるので(米国の場合は30〜40ppm)、NOの濃度が10〜40ppmから30%以内になるように(即ち、NOの濃度の上限は、52ppm)、反応ガスを流入させる必要がある。
図1に戻り、反応ガス供給部20には、ガス混合部13を介して、アンモニア供給部11と酸化性ガス供給部12とが接続されている。
還元性ガスとしてのアンモニアは、アンモニア供給部11より供給される。アンモニア供給部11は、アンモニア貯蔵タンク111と、アンモニア気化器112と、アキュムレータ113と、希釈空気混合部114を備える。アンモニア気化器112は、アンモニア貯蔵タンク111で加圧貯蔵されている液体アンモニアを気化させる。気化されたアンモニアはアキュムレータ113で一時停留されて、所定圧で希釈空気混合部114へ供給される。希釈空気混合部114には、ボイラ1の給気管15から分岐した管路151が接続されており、ボイラ燃焼用空気から分流した空気でアンモニアを所定濃度に希釈する。空気希釈されたアンモニアは、アンモニア供給管131からガス混合部13へ導入される。
酸化性ガス供給部12は、酸化性ガス発生液貯蔵タンク121と、供給ポンプ122と、バルブ123と、酸化性ガス気化器124を備える。酸化性ガス発生液貯蔵タンク121は酸化性ガス発生液を貯蔵する。供給ポンプ122とバルブ123は、図1中に破線で示したように、煙突9の入口側に設置されたガス濃度検知システム(図示せず)に接続されており、システムの制御に応じて、必要量の酸化性ガス発生液を酸化性ガス気化器124へ供給する。酸化性ガス発生液は酸化性ガス気化器124で加熱されて、酸化性ガスを発生する。酸化性ガスは、酸化性ガス供給管132によって、ガス混合部13へ導入される。
酸化性ガス気化器124は、ボイラ1の直下の煙道10内に挿管された螺旋状の気化管からなり、気化管中に導入された酸化性ガス発生液を排ガスの熱で加熱して、酸化性ガスを発生させる。酸化性ガス気化器124の熱源として排ガスを利用することで、外部エネルギーを導入する必要がなくなり、経済的に酸化性ガスを発生させることができる。通常、ボイラ1の出口側における排ガス温度は約800℃程度であり、エコノマイザーにより400℃程度にまで降温されるが、酸化性ガス気化器124の加熱には充分である。
図3は、煙道10外に設置されたガス混合部13の概略断面図である。ガス混合部13は、この図3に示すように、アンモニア供給管131、2本の酸化性ガス供給管132、132及び混合管部(図示せず)等を備え、これらのガスを煙道外で混合して、煙道内に供給する。大径のアンモニア供給管131に対して、小径の酸化性ガス供給管132、132の先端部が挿管されている。酸化性ガス供給管132、132の挿管位置よりも下流側のアンモニア供給管131の内部が混合管部である。
アンモニア供給管131内には、空気希釈されたアンモニアが流通しており、その流通方向と直交するように、酸化性ガス供給管132、132の先端部が挿管されている。酸化性ガス供給管132、132の先端部には、それぞれ2個ずつ、計4個の酸化性ガス噴出口133が形成されており、流通するアンモニア中に酸化性ガスを噴出する。これらのガスは、噴出位置より下流側の混合管部を流通する間に均一に混合されて、反応ガスとされる。反応ガスは、管路135を経て、反応ガス供給部20に導入される。
酸化性ガス噴出口133は、アンモニア供給管131の流通断面を4等分して形成される4個の扇形断面134の重心に位置する。このように設計することで、大径のアンモニア供給管131内を流通する大量のアンモニア中に、酸化性ガスを均一の濃度に混合することができる。
酸化性ガス供給管132の数とその挿管間隔と、酸化性ガス噴出口133の形成個数および形成位置とは、特に限定されるものではない。例えば、酸化性ガス噴出口133の形成個数をnとした場合、アンモニア供給管131の流通断面をn等分して扇形断面134をn個形成する。各扇形断面134の重心に、各酸化性ガス噴出口133が位置するように、酸化性ガス供給管132の数とその挿管間隔と、酸化性ガス噴出口133の形成位置とを設計する。この設計によれば、攪拌羽等の他の混合手段を付与することなく、アンモニアと酸化性ガスとを均一に混合することができる。
また、ガス混合部13を排ガスの煙道10a外に設けたことで、煙道内に流入される反応ガスのアンモニアと酸化性ガスの濃度を、反応ガスとして煙路内に流入される前に簡易に調整できる。従って、煙道の長さ・断面積・排ガス量に応じて、反応ガスの濃度を適宜に変更でき、アンモニアと酸化性ガスが均一に混合された反応ガスを煙道内に流入させることができる。
更に、ガス混合部13を煙道外に設けたことで、ガス混合部13は、装置本体とは一体に設置されなくても良い。その為、装置本体の大きさの縮小化が可能であり、また、既存の装置に取り付けることも可能である。
ガス混合部13で混合された反応ガスは、反応ガス供給部20を介して反応ガス供給ノズル201に供給される。
図4は、煙道10a中に設置された反応ガス供給部20の形状および設置形態の一例である。図4に示す例では、計6基の供給ノズル201が、2基で1組をなし、横方向(煙道10aを横断する方向)に3組並列して設置されている。図4において、個々の反応ガス供給ノズル201は、上下方向に延びる管路202を有している。管路202の基端(上端)は前述した管路135に連結されている。また、管路202の基端側には、管路202内における反応ガスの流量を調節する弁204が設けられている。管路202の先端側(下端側)は前記横方向に2本に分岐した後、再度上下方向に延び、その結果、反応ガス供給ノズル201は、基端側に弁204を設え、先端側が複数の管路202に分岐した櫛型の形状をなしている。
分岐した管路202には、複数の噴出口203が、管路202の延設方向に沿って所定間隔で形成されている。特に、個々の組を形成する2基の反応ガス供給ノズル201のうち、一方のノズル201では、分岐した管路202の先端が煙道10aの上下方向中央部に到達し、分岐した管路202の先端から煙道10aの上端に至る範囲に、上記複数の噴出口203が形成されている。また、個々の組を形成する2基の反応ガス供給ノズル201のうち、他方のノズル201では、分岐した管路202の先端が煙道10aの下端部に到達し、分岐した管路202の先端から煙道10aの上下方向中央部に至る範囲に、上記複数の噴出口203が形成されている。
そして、このように管路202を配置することにより、煙道10aの横断面のほぼ全域にわたり、上記複数の噴出口203を形成することが可能となっている。また、計6基のノズル201がそれぞれ備える弁204の開閉を調節することにより、煙道10aの横断面のほぼ全域にわたり形成された複数の噴出口203の開閉を、部分的に調節することが可能となっている。

尚、反応ガス供給部20の具体的形状、即ち、反応ガス供給ノズル201における噴出口203の数、噴出口203の管路における形成位置、分岐された管路202の数、および管路202の長さは、煙路10aの長さ、断面積等により異なるので、特に限定されない。煙道10a内を流通する排ガス中に反応ガスを均一の濃度に分散させるため、それらを調整しながら反応ガス供給ノズル201の形状や、設置位置を調整することが好ましい。
反応ガス供給ノズル201が、複数の管路を有する櫛型の形状を備えるので、排ガスは各管路間を流通する。排ガスが管路間を流通する間に、反応ガスが各管路に設けられた噴出口から噴出されて、排ガスは反応液ガスが反応しながら、脱硝装置2に流入する。
排ガスがボイラ1から煙突9まで流通する為には、煙道10内の圧力損失を極力抑えることが望ましい。しかしながら、煙道10内にある部材を挿入することは、圧力損失が増加することになる。この為、本発明の反応ガス供給ノズル201は、櫛型の形状を備えることにより、それらの間を流れる排ガスの圧力損失を、一つの反応ガス供給ノズル201につき、数mmAqの圧力損失で抑えることができる。しかしながら、圧力損失を抑えるとはいっても、煙路中に反応ガス供給ノズル201を一つ追加すると、圧力損失が数mmAq分増加するため、煙道10内に挿入する反応ガス供給ノズル201の数を最小限に抑える為、噴出口の位置と数を調整するのが好ましい。
本発明の反応ガス供給ノズル201は、圧力損失を抑えながら、限られたスペース内に挿入できる。従って、既存の煙路内にも煙路を増設することなく、追加して設置できる。
図1に戻り、脱硝装置2の下流側の煙道10bには、空気予熱器3が接続されている。空気予熱器3では、脱硝装置2から排出された排ガスを冷却する一方で、ボイラ燃焼用の空気を予熱する。脱硝装置2の温度は通常、350〜400℃程度であるので、燃焼空気の加熱には充分である。
空気予熱器3の下流側には、煙道10を介して電気集塵器4が配設されている。電気集塵器4は、放電極と集塵極との間に形成された電場中に排ガスを導入して、排ガス中の固形粒子分を集塵極に付着させて除去する。排ガス中の煤塵等の固形粒子分と共に、難水溶性水銀のうちの粒子状水銀(Hg)が除去される。電気集塵器4の下流側には、煙道10を介して誘引ファン5が配設されている。誘引ファン5は、再加熱器6を介して排ガスを脱硫装置7に導入する。
再加熱器6は、脱硫装置7の前段に設けられた熱交換器(図示せず)を備えている。この熱交換器で回収した熱エネルギーによって、脱硫装置7へ導入される排ガスから熱エネルギーを回収し、脱硫装置7で浄化されて温度低下した排ガスを加熱する。これにより、浄化された排ガスが煙突9から大気中に放出される際の拡散性を向上できると共に、水蒸気による白煙化を防止することができる。
脱硫装置7は、排ガス中の硫黄酸化物や塩化水素等の水溶性物質と電気集塵器4で捕集しきれない微細粒子と共に、水溶性水銀を除去する。その除去方法には、これら水溶性の所定物質を吸収液に吸収させて除去する方法が採用されている。脱硫装置7は、特に限定されないが、例えば一般の排煙処理で用いられる湿式脱硫装置や吸収塔である。吸収液としてはアルカリ吸収液が好適である。例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリム、アンモニア等の吸収剤の水溶液などである。
脱硫装置7の下流側には、煙道10を介してブーストアップファン8が配設されており、ブーストアップファン8により、脱硫装置7で浄化された排ガスを、再加熱器6および煙突9へ圧送する。浄化処理された排ガスは、煙突9から大気中に放出される。煙道10の最下流には、NO濃度を測定するセンサが設置されており、センサのNO濃度の検出値に応じて、反応ガス供給部20による反応ガスの供給量が調整される。
次に、このような構成の水銀除去装置Aを用いた水銀除去方法について説明する。
ボイラ1で発生した排ガスは、まず煙道10に導入される。排ガスと共に発生された熱は、酸化性ガス気化器124において回収され、酸化性ガスを発生させるための熱として利用される。排ガスが煙道10aを通流する際は、反応ガス供給装置20において反応ガスが煙道10a内に供給されて、排ガスと反応ガスは、反応しながら脱硝装置2へと導入される。
アンモニア供給部11では、アンモニアが気化される。酸化性ガス気化器124では、酸化性ガス発生液から酸化性ガスが気化される。酸化性ガス発生液は、酸化性ガスの発生源となる液体であって、加熱によって酸化性ガスを発生する液体であれば特に限定されない。例えば、酸化性ガス発生液としては、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含む水溶液であり、アンモニアを副生する塩化アンモニウム水溶液、臭化アンモニウム水溶液、ヨウ化アンモニウム水溶液が好適であり、これら水溶液の混合溶液であってもよい。
酸化性ガス発生液が塩化アンモニウム水溶液の場合には塩化水素と塩素ガスが、臭化アンモニウム水溶液の場合には臭化水素と臭素ガスが、ヨウ化アンモニウム水溶液の場合にはヨウ化水素とヨウ素ガスが、酸化性ガスとして得られる。なお、ヨウ素は、常温、常圧で固体であるが、その沸点は114℃であるので、酸化性ガス気化器124の加熱温度(約350〜400℃)の下では気体(酸化性ガス)として得られる。いずれの場合にも、ハロゲン化水素とハロゲンガスの他に、副生ガスとしてアンモニアが発生する。このアンモニアは、排ガス中の窒素酸化物を還元する還元性ガスとして利用可能である。
ハロゲンは分子量が大きくなるに従って、その反応性が低くなるので、塩化水素と塩素ガスとを発生する塩化アンモニウム水溶液としては好適である。しかしながら塩化アンモニウム水溶液の高い酸化性により、排ガス中の二酸化硫黄(SO)が、三酸化硫黄(SO)となる副反応を起こす。その為、この副反応に塩化水素が消費されてしまい、水銀の除去効率が低下する可能性もある。よって、より反応性の低い臭化水素と臭素とを発生する臭化アンモニウム水溶液を用いると、酸化性ガスを金属水銀の酸化反応のみに関与させることができる。
酸化性ガス発生液中のハロゲン化アンモニウムが固体として析出するのを防止するために、ガス気化器124の加熱温度は、このハロゲン化アンモニウムの昇華温度以上とすることが好ましい。常温常圧下の塩化アンモニウムの昇華温度は338℃、臭化アンモニウムの昇華温度は452℃、ヨウ化アンモニウムの昇華温度は551℃であるので、これらの温度以上で加熱することが好ましい。
酸化性ガス気化器124への酸化性ガス発生液の供給量は、供給ポンプ122とバルブ123とで調整されており、これによって、酸化性ガスの気化量と、ガス混合器13への酸化性ガス供給量とが調整される。供給ポンプ122とバルブ123とは、水銀除去装置Aの要所毎に複数設置されたガス濃度センサと接続されており、各センサの検出値に従って調整が行われる。
アンモニアと酸化性ガスは、ガス混合部13で均一に混合されて反応ガスとされた後、反応ガス供給部20を介して反応ガス供給ノズル201に供給される。そして、反応ガス供給ノズル201の複数の管路の間を流れる排ガスは、管路から噴出される反応ガスと反応しながら脱硝装置2に流入する。ガス混合部13におけるアンモニアと酸化性ガスとの混合比は、ボイラ1で燃焼させる石炭の種類や排ガス中の水銀濃度等によって適宜選択されるが、例えば、体積比で希釈空気:アンモニア:酸化性ガス=93:5:2等である。
脱硝装置2内では、脱硝工程によって、排ガス中の窒素酸化物が還元されて除去されると共に、金属水銀が酸化されて水溶性水銀となる。脱硝工程を経た排ガスは、脱硝装置2から空気予熱器3を経て電気集塵器4に導入される。空気予熱器3で排ガスの熱が回収されて、ボイラ1の燃焼空気が加熱される。電気集塵器4では、排ガス中の難水溶性の粒子状水銀と煤塵が除去される。電気集塵器4で処理された排ガスは、誘引ファン5により、煙道10内を煙突9へ向かって送通される。次に、排ガスは、浄化された排ガスを加熱するための熱を回収される為に、再加熱器6に導入される。その後、脱硫装置7へ導入される。
脱硫装置7では、排ガス中の硫黄酸化物と水溶性水銀の他、電気集塵器4で除去しきれなかった粒子状水銀と煤塵との残部が、吸収液により吸収除去される。このようにして、窒素酸化物、硫黄酸化物、難水溶性水銀、水溶性水銀、煤塵が除去されて浄化された排ガスは、ブーストアップファン8により圧送され、再加熱器6で加熱された後に、煙突9から大気中へ放出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、酸化性ガスの発生源として、ハロゲン化アンモニウム塩の水溶液、すなわち酸化性ガス発生液を採用し、酸化性ガス発生液を酸化性ガス気化器124によりガス化するので、均一濃度で酸化性ガスを発生することができる。加えて、酸化性ガスとアンモニアとを、ガス混合器13で混合することで、酸化性ガスが均一の濃度に分散された反応ガスが得られる。そして、脱硝装置2の入口側の煙道10a内に配設された反応ガス供給ノズル201から排ガスに対して、反応ガスを供給するので、酸化性ガスを脱硝装置2内で均一の濃度に分散させて、効率よく排ガスと反応させることができる。
また、本発明では、酸化性ガスの発生源として、ハロゲン化アンモニウム塩の水溶液、すなわち酸化性ガス発生液を採用した。この為、酸化性ガス発生液の供給量を調整するだけで、固体の塩化アンモニウムを煙道10に直接供給して、塩化水素を発生させるよりも、反応ガスの供給量の調整が容易であり、安定的な供給ができる。よって、ガス濃度検知システムで測定された測定値に対して迅速な対応ができ、制御遅れが生じない。
また、ガス混合部13を排ガスの煙道10a外に設けたことで、煙道内に流入される反応ガスのアンモニアと酸化性ガスが、より均一の濃度に混合された状態で、煙道内に流入させることができる。
更に、ガス混合部13を煙道外に設けたことで、装置の設計上ガス混合部13は、装置本体とは一体に設置されなくても良い。その為、装置本体の大きさの縮小化が可能であり、また、ガス混合部13を既存の装置に取り付けることも可能である。
また、本発明では、煙路内に櫛状の反応ガス供給ノズル201を設置することで、反応ガス供給ノズル201を限られた長さの煙路内に設置することが可能である。また、反応ガス供給ノズル201の噴出口203が煙道10aの横断面のほぼ全域にわたり、且つ反応ガス供給ノズル201が櫛状のため、広大な煙路内に反応ガスを均一の濃度に噴出でき、且つ圧力損失を抑えることができる。更に、脱硝装置2内で運転中にNO濃度を計測することで、反応ガス供給ノズル201の噴出口203から噴出される反応ガスの量を、より均一の濃度に噴出するよう調整することが可能である。
また、本発明では、ハロゲン化アンモニウム塩の水溶液を使用した。これらのハロゲン化アンモニウム塩の水溶液は加熱によって、酸化性ガスと共に、副生アンモニアを発生する。アンモニアは、脱硝反応で使用されているので、水銀除去の反応系内で影響を及ぼすことが少ない。また、副生アンモニアを脱硝装置で利用できる。よって、水銀除去を効率よく、かつ経済的に行える装置を提供できる。
また、本発明では、ガス化部の熱源として燃焼排ガスである処理対象ガスを用いた。処理対象ガスの熱を回収して、酸化性ガス発生液を加熱することで、酸化性ガスの発生目的の他からのエネルギー供給が不要となる。また、処理対象ガスの熱を有効利用することで、エネルギー利用効率の高い水銀処理装置となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)電気集塵器4の代わりに、バグフィルタ等の濾過集塵器を用いても良い。
(2)アンモニア供給部11の希釈空気混合部114の上流側に、酸化性ガス供給管132を接続して、希釈空気混合部114をガス混合部13として使用しても良い。
本発明によれば、脱硝装置内での金属水銀を効率よく均一の濃度に分散させた水溶性水銀とすることができ、かつ装置の設計の自由度が向上した水銀除去能力の高い水銀除去装置及び方法を提供することができる。
A…水銀除去装置、1…ボイラ、2…脱硝装置、3…空気予熱器、4…電気集塵器、5…誘引ファン、6…再加熱器、7…脱硫装置、8…ブーストアップファン、9…煙突、10…煙道、11…アンモニア供給部、111…アンモニア貯蔵タンク、112…アンモニア気化器、113…アキュムレータ、114…希釈空気混合部、12…酸化性ガス供給部、121…酸化性ガス発生液貯蔵タンク、122…供給ポンプ、123…バルブ、124…酸化性ガス気化器、13…ガス混合器、131…アンモニア供給管、132、132…酸化性ガス供給管、14…押込ファン、15…給気管、20…反応ガス供給部、21…ハウジング21、22…触媒層、201…反応ガス供給ノズル、202…管路、203…噴出口、204…弁

Claims (9)

  1. 金属水銀を含む処理対象ガスに反応ガスを供給する反応ガス供給部と、前記処理対象ガスと前記反応ガスとを反応させて、該処理対象ガス中の窒素酸化物を還元して除去し、該処理対象ガス中の前記金属水銀を酸化して水溶性水銀とする脱硝装置と、
    前記処理対象ガス中の硫黄酸化物と前記水溶性水銀とを除去する脱硫装置と、を備えてなる水銀除去装置であって、
    酸化性ガス発生液を加熱して、前記金属水銀を酸化する該酸化性ガスを発生するガス化部と、
    前記窒素酸化物を還元する還元性ガスと前記酸化性ガスとを混合して反応ガスとするガス混合部とを、煙道外かつ前記反応ガス供給部の上流側に備え
    前記反応ガス供給部は、煙道内に設けられた複数の反応ガス供給ノズルから成り、
    前記複数の各反応ガス供給ノズルの基端側には、前記ガス混合部から流入される反応ガスの流量を調節する弁を備え;
    前記複数の各反応ガス供給ノズルの先端側は、複数に分岐した櫛状の管路から成り;
    前記複数に分岐した櫛状の管路には、複数の噴出口が形成されている水銀除去装置。
  2. 前記複数の噴出口は、前記煙道内の横断面の全域にわたって形成されている請求項1に記載の水銀除去装置。
  3. 前記弁の開閉を調節することにより、前記複数の噴出口の開閉を、部分的に調節することが可能な請求項2に記載の水銀除去装置。
  4. 前記酸化性ガス発生液は、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含む水溶液であり、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムのうちから選択された少なくとも1種以上の塩の水溶液である請求項1記載の水銀除去装置。
  5. 前記ガス化部の熱源として、燃焼排ガスである処理対象ガスを用いる請求項1に記載の水銀除去装置。
  6. 金属水銀を含む処理対象ガスに反応ガスを供給する反応ガス供給工程と、前記処理対象ガスと前記反応ガスとを反応させて、該処理対象ガス中の窒素酸化物を還元して除去すると共に、該処理対象ガス中の前記金属水銀を酸化して水溶性水銀とする脱硝工程と、
    前記処理対象ガス中の硫黄酸化物と前記水溶性水銀とを除去する脱硫工程と、を備えてなる水銀除去方法であって、
    酸化性ガス発生液を加熱して、前記金属水銀を酸化する該酸化性ガスを発生するガス化工程と、
    前記窒素酸化物を還元する還元性ガスと前記酸化性ガスとを混合して反応ガスとするガス混合工程とを、前記反応ガス供給工程の前工程に備え、
    前記脱硝工程中において、
    脱硝触媒の下流側における窒素酸化物濃度を計測し、
    窒素酸化物濃度が相対的に高いところは、反応ガスが不足していると判断し、
    窒素酸化物濃度が高いところの反応ガス量を増加させるため、該当箇所に位置する噴出口に対応する反応ガス供給部の弁を開き、
    再度窒素酸化物濃度を計測し、窒素酸化物濃度に応じて前記弁の開閉度を調整して設定する、
    工程を含む反応ガス濃度制御工程を更に備える水銀除去方法。
  7. 前記弁の開閉を調節することにより、前記噴出口の開閉を部分的に調節する請求項6に記載の水銀除去方法。
  8. 前記酸化性ガス発生液は、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含む水溶液であり、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムのうちから選択された少なくとも1種以上の塩の水溶液である請求項6に記載の水銀除去方法。
  9. 前記ガス化工程の熱源として、燃焼排ガスである処理対象ガスを用いる請求項6に記載の水銀除去方法。
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