JP5625142B2 - 腱または靱帯を修復するための修復デバイスおよび該修復デバイスを含む装置 - Google Patents

腱または靱帯を修復するための修復デバイスおよび該修復デバイスを含む装置 Download PDF

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Description

本発明は、腱、靱帯などを修復するための方法および装置に関する。より具体的には、本発明は、切断された、または傷つけられた腱および靱帯を修復するための外科インプラントおよび技術に関する。これは、特に、周辺組織の破損を最小限に抑えつつ四肢の腱および靱帯を修復するのに適している。
手の切断された腱を修復するための現在の標準的治療は、腱の2つの分離された端部を単に縫合糸で接合するものである。腱の2つの端部は、腱が治癒する間に縫合糸によって保持される。腱および靱帯、特に屈筋腱の外科的修復は、技術集約型外科的手技であると正確に記述されている。
修復は、修復された部分の併置端面のところに隙間ができるのを防ぎ、修復された部分が再接合し治癒するだけでなく、修復部分のリハビリテーション操作の修復後適用を可能にするように、十分な強度が必要である。この目的のためのさまざまな縫合技術の開発に向けて相当な努力がなされてきた。もっぱらロッキング・ステッチを使用する2ストランド縫合技術、4ストランド縫合技術、および6ストランド縫合技術が広く使用されてきた。治癒過程における外科的修復部上の引張強さを高めようとしてさまざまな縫合パターンが開発された。近代の共通の縫合技術は、ケスラー法と呼ばれており、特定の形状またはパターンにおいて、腱(または靱帯)の対向する切断された端部上に差し渡される縫合糸を使用することを伴う。非特許文献1では、外科的腱修復で使用されているさまざまな縫合技術を調査している。さらに、非特許文献2においては、さまざまな縫合技術を説明し、例示している。
一般に、腱修復の引張強さは、縫合方式の複雑度が上がるにつれ増大する。非特許文献1において述べられているように、縫合された継ぎ目で不具合をもたらす荷重は、約1,000グラム重から約8,000グラム重程度(または10から80ニュートン)の範囲で変化し得る。縫合糸の切断または腱からの縫合糸の断裂を含む、潜在的不具合として少なくとも2つの様態がある。ケスラー法および修正ケスラー法は、例えば、約1,500から4,000グラム重(または約15から40ニュートン)の範囲の下限へ向かって不具合を生じる傾向を示しており、元の腱に比べてかなり弱く、患者は腱修復を妨げないように治癒過程において細心の注意を払う必要がある。
例えば、負荷なしで手の指を正常に曲げた場合、腱に約40ニュートン(N)の力が加わる。手で何かを掴む力で曲げた場合、典型的には、約60N〜100Nの力が腱に加わる。さらに、運動競技に伴うような、または重い物を持ち上げる際に伴うような、物体を強く掴む動作は、手の腱に140N程度以上の力を加える可能性がある。
さまざまな縫合技術もかなり複雑であり、したがって、一技術として再現しマスターするのはもちろん、手の小さな腱に対し実施するのはなお難しい。さらに、これらはロッキング・ステッチを使用するので、手技全体を通して2つの腱端部を互いに関して(つまり、端部が接触している状態で)正しい位置にし、正しい位置に維持しなければならないが、これは、(ロッキング・ステッチを使用しない初期の頃のいくつかの技術の場合と同様に)ロッキング・ステッチでは将来修復部を調節することができないためである。
手の、特に指の挫裂し、裂離した腱を修復するうえで極めて問題になる点としてほかに、指の関節の滑車システムを介して切断された腱(通常は近位腱断端)の経路変更をする必要があることが挙げられる。特に、腱が切断または裂離した場合に、近位腱断端は、裂傷部位から手首に向かって反跳する傾向を有する。したがって、切断された腱の近位部分を引き出して指の滑車システムを通じて裂傷部位に戻るように誘導し、遠位腱断端に再付着させるために、裂傷部位の近くで長手方向切開を行う必要があることが多い。
非特許文献1で報告されているように、少なくとも1人の研究者が、その後2つの併置腱端部に縫合される腱よりわずかに大きい直径を有するメルシレン・メッシュ・スリーブを使用した。このスリーブを使用して荷重が10,000グラム重(100N)と大きい場合には実験が失敗したと報告された。しかしながら、非分解性ポリエステルであるメルシレンは、整形外科で使用される縫合糸を製造するために用いられる一般的な材料であり、ヒト組織が局部組織反応を受け、修復部位の周辺の組織へのポリエステルの接着を引き起こすという欠点を有している。これは、腱が指の滑車などの周辺組織に関して自由に滑走することができなければならないので、腱および靱帯においては望ましくないことである。スリーブは、ほぼ円筒形の腱および靱帯とともに使用するのに十分適していると思われるが、平坦または卵形の断面を有する腱の場合には使用するのが難しい。さらに、この場合には腱の外側に対して嵩が増えると、この修復が指の滑車システムを横断しなければならないので問題となるおそれがある。
特許文献1では、腱に縫合され得る、2つの腱端部の間に配置される添え木を形成するインプラントを伴う腱を修復するための他の方法および装置を開示している。インプラントは、本質的に、ワイヤの中点の一方の側の上の、尖っている端部が中点から見て外方向に向いている、第1の対のくさびと、ワイヤの中点の他方の側の上の、尖っている端部がやはり中点から見て外方向に向いている(つまり、第1の対のくさびと反対の方向に向いている)第2の対のくさびとを備えるワイヤからなる。第1の対のくさびは、腱の切断された端部のうちの一方の中に押し込まれ(または引き込まれ)、他方の対のくさびは、腱の他方の切断された端部内に押し込まれる(または引き込まれる)。これらのくさびは、腱に縫合され、腱内に保持される。このシステムは、修復に対し高い引張強さをもたらす。
さらに、オルテオン・メディカル社(Ortheon Medical)[米国フロリダ州ウインター・パーク(Winter Park)所在]は、Teno Fixと呼ばれる屈筋腱修復用のインプラントを開発し商品化している。Teno Fixインプラントは、非特許文献3において説明されている。組み立てられたインプラントは、単一のマルチフィラメント・ステンレス鋼製ケーブルによって結合された2つの腱内ステンレス鋼製アンカー(コアの周りに巻かれたコイルの形態をとる)からなる。押さえ玉縁がケーブルの一端に貼り付けられているステンレス鋼製ケーブルと、ケーブルを中に通すための貫通孔を有する2つの個別アンカーとケーブルを中に通すための貫通孔を有する別の押さえ玉縁とからなるインプラントが、組み立てられていない状態で外科医に送られる。
実際には、アンカーのうちの1つが、近位腱断端内でなされる長手方向方内分割(腱切除)の部位内に進行して、アンカーは長手方向腱切除部位内に収まり、コアとアンカーとの間に腱繊維を取り込むことによって腱物質と係合する。他のアンカーも、同じようにして遠位腱断端に配置される。次に、ステンレス鋼製ケーブルを取り付けた直針をアンカーの小端部から遠位アンカーの貫通孔内にねじ込み、針の反対側にあるケーブルの端部のところの押さえ玉縁が遠位アンカーに接触するまで遠位腱断端の切断面の中心に通して引っ張る。次いで、針が取り付けられているステンレス鋼製ケーブルを近位腱断端の切離端内に誘導し、アンカーの大端部から小端部へ近位腱断端のアンカーの貫通孔に通す。次いで、ケーブルをぴんと張って腱の近位断端を遠位腱断端と接触させ、第2の押さえ玉縁を近位アンカーの近位端のところでステンレス鋼製ケーブル上に置く。さらに、第2の押さえ玉縁を圧着してケーブルに固定し、ケーブル端が第2の押さえ玉縁と同一平面に置かれるように余分なケーブルを切断する。
Teno Fixの欠点は、腱アンカーの寸法が大きく、したがって、滑車システム内に通すときに腱に対する抵抗を増す可能性があることである。Teno Fixの他の欠点として、デバイスを埋め込むために腱経路上の皮膚の軌跡全体を切開しなければならないという侵襲的な特性が挙げられる。第3の欠点は、アンカーへの腱の付着力がかなり弱く、引張強さは46ニュートン程度しかないと報告されている。これらの欠点は、本発明において説明する主題と方法とによって解消される。
上述の従来技術の、すべてではないとしても、ほとんどの欠点は、高い感染率にある。
米国特許第6,102,947号
エバンス(Evans)およびトンプソン(Thompson),"The Application of Force to the Healing Tendon" The Journal of Hand Therapy, October−December, 1993, pages 266−282 ストリックランド(Strickland)、Journal of American Academy of Orthopaedic Surgeons entitled "Flexor Tendon Injuries: I. Foundations of Treatment" and "Flexor Tendon Injuries: II. Operative Technique", Volume 3, No. 1 , January/February, 1995, pages 44−62 ス・ビー(Su, B.)ら,"A Device for Zone−ll Flexor Tendon Repair: Surgical Technique", The Journal of Bone and Joint Surgery, March 2006, Volume 88−A−Supplement 1 , Part 1
本発明は、上記した懸案を鑑みてなされたものである。
本発明は、腱、靱帯、または骨などの解剖学的部分に確実に取り付けられ、次いで再付着および修復のために蛇行した生体組織内に通して安全に誘導され得る外科的修復デバイスを使用して、前記解剖学的部分を整えて治療する際に、そのような部分の対向端部を再付着させるための方法および装置からなる。修復デバイスは、治療中に前記部分の対向端部を分離しないように固定するための構造的手段をさらに備える。さらに、外科的修復デバイスの位置決めを補助するためのデバイスも提供される。
本発明の装置の第1の実施形態による、腱または靱帯などの、切断された部分を修復するために使用され得るさまざまな構成部品を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の第1の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 第1の実施形態による完了した腱修復を示す写真。 本発明による方法の他の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の他の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の他の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明による方法の他の実施形態による外科的処置のさまざまな段階を示す図。 本発明の他の実施形態により部分を再付着するための装置を示す図。 本発明の原理により2つの腱修復デバイスを相互接続するための代替コネクタを示す図。 図6Aのコネクタ内の2つの腱修復デバイスのケーブルを固定するための手順を示す図。 指の滑車システムを示す図。 本発明の原理による腱修復デバイスの代替実施形態を示す図。 外科的処置部位に好ましくは送られるときの図8Aの腱修復デバイスを示す図。 本発明の原理による腱修復デバイスおよび技術の他の実施形態を示す図。 本発明の原理による腱修復デバイスおよび技術の他の実施形態を示す図。 本発明の原理による腱修復デバイスおよび技術の他の実施形態を示す図。 本発明の原理による腱修復デバイスの他の代替実施形態を示す図。 本発明による代替装置を示す図。 図11Aの装置を使用する他の代替技術を示す図。 図11Aの装置を使用する他の代替技術を示す図。 図11Aの装置を使用する他の代替技術を示す図。 図11Aの装置を使用する他の代替技術を示す図。 本発明による代替装置を示す図。 図12Aの装置を使用する他の代替技術を示す図。 図12Aの装置を使用する他の代替技術を示す図。
本発明によれば、裂傷、骨からの裂離、または同様のけがの後に腱、靱帯などを修復するための外科インプラントおよび関連する技術が開示されている。本発明は、挫裂するか、または裂離した屈筋腱、例えば、遠位指節骨からの深指屈筋および/または中節骨からの浅指屈筋を修復するために特に適合されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による構成部品を例示している。以下で詳述されるように、これらの構成部品のすべてが、それぞれの外科的処置において必ずしも使用されるわけではない。構成部品は、必要ならば、本発明の腱修復デバイスを、切断された腱断端、靱帯断端、または類似の解剖学的特徴とともに、修復部位に対する1つまたは複数の解剖学的制約を通じて、例えば、指の滑車システムを通じて誘導するために使用される滑車カテーテル101を備える。構成部品は、必要ならば、修復部位への解剖学的制約を通じて切断された腱断端を誘導するために使用される、フランジ付きカテーテル103をさらに備える。カテーテル・コネクタ105は、以下で詳しく説明するように、滑車カテーテル101とフランジ付きカテーテル103とを端と端をつなげて接続するために使用され得る。カテーテル・コネクタ105は、金属ダボとしてよい。外科的修復術の実行中に腱を保持するために、腱保持器ツール107を必要に応じて使用することができる。
腱修復デバイス109のうちの1つまたは複数は、2つの腱断端を再付着することによって修復を生じさせる実デバイスである。各腱アンカー109は、マルチフィラメント・ステンレス鋼製ケーブル110からなる。ケーブルの一端141からケーブルの中間点143まで、ケーブルの個別フィラメントが、通常の方法で巻かれ、単一のケーブル部分144を形成する。直針111をケーブルの第1の端部141に取り付ける。端部141から反対の方向にある中間点143から、ケーブルの個別のフィラメントを解いて、複数の(この特定の実施形態では7つの)分離した縫合糸147a〜147gを形成する。針、好ましくは湾曲した針114a〜114gを7つのケーブルの部分147a〜147gのそれぞれの端部に取り付ける。中間点143に取り付けられている取り付け具(fitting)が、ケーブル部分144が解けないようにする。例えば、取り付け具は、スリーブ149であってもよい。本発明の好ましい一実施形態では、ステンレス鋼製ケーブルは、7つずつのグループで巻かれた343個の個別ストランドから形成される。したがって、スリーブ149から第1の端部141まで、ケーブル144は、7つの中間ストランドを構成する343個の個別ストランドからなり、各中間ストランドは49本のフィラメントでそれぞれ構成される7つのより小さな巻かれたストランドからなり、これらのより小さなストランドの各々は7本のフィラメントでそれぞれ構成される7つの個別ストランドからなる。スリープ149から他の方向においては、7つの個別ストランド147a〜147gの各々は、一緒に巻かれたこれらのより小さなストランドのうちの7つのストランドからなる(これらのより小さなストランドの各々は一緒に巻かれた7つの個別ストランドからなる)。
腱修復デバイス109の前述の実施形態が有利なのは、広範に利用可能な材料から容易に加工できるためである(例えば、343ストランド・ステンレス鋼製縫合ケーブルおよびクリンプ)。材料は、ステンレス鋼、コバルト・クロム合金、チタンおよびその合金、ならびにニッケルチタン合金(NiTinol)を含む、埋め込み可能な一群の金属および合金のうちから選択することができる。しかしながら、腱修復デバイス109は、ポリマー繊維などの他の材料から形成することもでき、また編み上げ、溶接、または成型などの他の方法で組み立てることができる。例えば、個別のフィラメント、繊維、または糸を溶接してつなぎ合わせることで形成することができる。
以下の説明では、これらをより明確に区別するために、腱修復デバイス109のシングルエンド部分144を、ケーブル部分144と称し、ストランド147a〜147gを、縫合糸と称する。しかしながら、これらの用語の使用は、例えば本明細書で説明する例示的な実施形態ではストランドがすべてステンレス鋼製ワイヤから形成されるため、異なる材料から形成されることを示すものではない。
コネクタ112は、以下で詳しく説明するように、2つの腱修復デバイス109を互いにつなぎ合わせるために使用される。この例示されている実施形態におけるコネクタ112は、内径がケーブル部分144に比べてわずかに大きい2つの隣り合う貫通孔151,152を有する材料塊(a block of material)、好ましくはステンレス鋼などの変形可能な金属からなる。以下でさらに詳しく説明するように、腱再付着処置の終わり近くになったら、各ケーブル部分144をコネクタ112の貫通孔151,152の各々を通して対向する方向に挿入し、コネクタを変形(つまり、圧着)してケーブル部分144をその中に固定(lock)する。
さらに、腱が骨から裂離したか、または骨に極めて近い位置で切断した場合の処置において、骨アンカー400または450を使用することで腱を十分な長さにして、腱修復デバイス109を保持することができる。第1の実施形態では、骨アンカー400は、骨内に確実にねじ込むためのネジ山付き遠位端401を有する。近位端403は、縫合糸を通すことができる小穴402を備える。以下でさらに詳しく説明するように、縫合糸を小穴内で結ぶことができる。あるいは、近位端403は、薄壁金属などの変形可能な材料で形成することができ、圧着工具を使って小穴をつぶし、縫合糸をその中に捕らえることができる。第2の実施形態では、4本の縫合糸451a,451b,451c,451dなどの、近位端455から延在する1つまたは複数の縫合糸451を使って骨アンカー450を加工することができる。縫合糸の端部は、針452a,452b,452c,452d内に設けられる。
以下では、中節骨のレベル(level)で挫裂した深指屈筋の修復に関連して腱修復デバイス、処置道具および方法について説明する。しかしながら、これは単なる例にすぎないことを理解されたい。処置のさまざまな段階が、図2A〜2Lに示されている。
最初に、分断した腱の近位端が創傷部位から到達可能である場合、これは腱保持器107によって保持される創傷部位から静かに引き出される。
腱保持器107は、ハンドル201、ハンドル201の遠位端のところにあるクロスバー203、第1の針205、および第2の針207からなり、針はそれぞれクロスバー203から遠位方向に延在する。針205,207は、クロスバー203において、それぞれ、溝209,211内で横方向に滑動可能である。特に、針の近位端は、ストッパー段部213、およびストッパー段部213から針の近位端に及ぶ雌ねじ付き穴からなる。ネジ217をそれぞれの針205,207の近位端内にねじ込んで、ネジ217の頭と針205,207のストッパー段部213との間にクロスバー203を捕らえ、それぞれの針を溝209,211に沿った所定の位置に取り付けることができる。
創傷開口部の外側に延在する腱の長さに応じて、外科医は、腱に腱保持器107の針205,207の一方または両方を刺し通し、創傷の外側に腱を保持する。例えば、腱断端153aを保持する腱保持器107を例示する図2Cを参照のこと。外科医は、好ましくは、切断された端部から約1cmのところで腱を刺し通す。
しかしながら、腱が創傷から容易に取り出せず、別に切開を行って接近して創傷部位に戻さなければならない場合、腱保持器107は、そのまま使用され得るが、最初に、腱を創傷部位に引き出さなければならない。このような場合、滑車カテーテル101およびフランジ付きカテーテル103は、腱を引き出すために使用される。特に、滑車カテーテル101は、比較的剛性が高いが、曲げられるような組成および/または壁厚の生体適合性ポリマーから形成された中空プラスチック製チューブである。これは、例えば、典型的な外科用血管カテーテルに近い柔軟性を有するものであってもよい。滑車カテーテルの剛性が比較的高いため、滑車カテーテルを、手指滑車などの、狭い解剖学的通路内へ進めることができる。また、柔軟性があるため、湾曲した経路全体に適合するようにある程度曲げることができる。好ましくは、滑車カテーテルは、低摩擦係数を有する材料から形成され、滑車カテーテルを腱滑車システムなどの身体組織の周りに容易に通すことができる。好適な生体適合性ポリマーとしては、ホモポリマー、コポリマー、およびシリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアリール、フッ素ポリマー、または上記の機械的特性を有する他の生体適合性ポリマー系のブレンドが挙げられる。単純管状構造以外の、中実構造、マルチルーメンまたは上記の機械的特性をもたらす複雑な幾何学的形状などのさまざまな断面を有する滑車カテーテルもまた使用され得る。滑車カテーテルの表面の摩擦係数は、デバイスを製作するために使用される材料に固有であるか、または長手方向陥凹部などの表面の潤滑コーティングまたは機械的加工などの表面処理を通じて高めることができる。
滑車カテーテル101の特定の長さ、材料、壁厚、内径、外径、および剛性は、これが使用される特定の腱または靱帯に応じて大きく異なることがある。長さは、当然ながら、通過する必要のある最長の長さによって決まる。内径は、腱修復デバイス109のケーブル部分144を容易に受け入れられる十分な大きさでなければならない。外径は、通過する必要のあり得る生体構造内を十分に貫通できる寸法でなければならない。滑車カテーテルの特定の材料および断面幾何学的形状(例えば、壁厚)は、カテーテルの剛性をおおむね決定付け、上で指摘されているように、狭い経路内を通過する十分な剛性を持つが、その経路内での曲がりに応じて屈曲できる十分な柔軟性を持つように選択されるべきである。中節骨のレベルにおける深指屈筋の例示的な事例では、滑車カテーテルは、シリコーンから形成することができ、長さは120ミリメートル、壁厚は0.5mm、外形は2mmとすることができる。50〜80のデュロメータ値(ショアA)を有するシリコーンを滑車カテーテルに使用することができる。
フランジ付きカテーテル103も、生体適合性材料、好ましくはポリマーから形成された中空チューブである。しかしながら、フランジ付きカテーテルは、好ましくは、滑車カテーテルよりも柔らかい。フランジ付きカテーテルは、以下でさらに詳しく説明するように、端と端とをつないで滑車カテーテルと接続できるように滑車カテーテル103の直径にほぼ等しい直径を有する第1の端部157を有する。また、これも以下でさらに詳しく説明するように、腱断端の端部を受け入れるための漏斗を形成するように先細りになっているフランジ付き端部159を有する。この後の説明において明らかになるように、フランジ付きカテーテルは、滑車カテーテルと本質的に同じ経路を通過する(traverse)が、滑車カテーテルは、フランジ付きカテーテルのフランジ付き部分159の内側の腱断端に取り付けられている腱修復デバイスとともに解剖学的経路内にフランジ付きカテーテルを誘導するか、または引き込む。したがって、フランジ付きカテーテルは、剛性である必要はない。実際に、フランジ付きカテーテルは、腱修復デバイス109のケーブル部分144の通過に適合するように蛇行形状に曲げる必要があるため比較的柔軟でなければならない。さらに、フランジ付きカテーテル103のフランジ部分159は、特に、以下でさらに詳しく説明するように、腱断端および腱修復デバイスが中に封じ込められた状態で、腱断端の周りに折りたたまれ、狭い解剖学的通路、例えば、指の滑車などを通過するように容易に折りたたみ可能でなければならない。
フランジ付きカテーテル103は、その目的にかなった長さ、壁厚、内径、外径、および材料組成を有していなければならない。その目的は、以下でさらに詳しく説明するように、腱修復デバイス109のシングルエンド部分144がその中を通り、滑車カテーテルに続いて解剖学的経路を通過するようにすることである。したがって、フランジ付きカテーテルは、狭い端部157および幅広の端部158を有する。幅広の端部は、円錐すなわちフランジ159で終端し、腱修復デバイス109のケーブル部分144の端部のところでその中に直針111を挿入するだけでなく腱断端を収納することも容易に行える。フランジ付きカテーテル109の狭い端部157は、滑車カテーテルの端部に嵌るように狭くなっている。
フランジ付きカテーテル103も、好ましくは、低摩擦係数を有する材料から形成され、フランジ付きカテーテルを腱滑車システムなどの身体組織内やその周りに容易に通すことができる。このような生体適合性ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、およびシリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアリール、フッ素ポリマー、または上記の機械的特性を有する任意の他の生体適合性ポリマー系のブレンドのうちから選択することができる。単純管状構造以外の、中実構造、マルチルーメンまたは上記の機械的特性をもたらす複雑な幾何学的形状などのさまざまな断面を有する、フランジ付きカテーテルも使用され得る。フランジ付きカテーテルの表面の摩擦係数は、デバイスを製作するために使用される材料に固有であるか、または長手方向陥凹部などの表面の潤滑コーティングまたは機械的加工などの表面処理を通じて高めることができる。
中節骨のレベルにおける深指屈筋の例示的な事例では、フランジ付きカテーテルは、シリコーンから形成することができ、長さは120ミリメートル、壁厚は0.5mm、外径は2mmとすることができる。しかしながら、カテーテルのフランジ部分159は、例えば0.25mm以下のより薄い断面を持つ材料から加工するのが好ましく、このように薄いことにより、フランジ付きカテーテルのフランジ部分159は腱断端を中に収容し、腱断端、例えば指の滑車システムの再配置を行うために解剖学的経路内を通るときに折りたたまれるようにすることができる。例えば、20〜40のデュロメータ値(ショアA)を有する柔らかいシリコーンが、フランジ付きカテーテルに好ましい。
次に、図2Aを参照すると、腱が引込まれており、第1の切開部161から第2の切開部(または創傷)160の中へ取り込まなければならない場合、これは手の腱裂傷にはよくあることだが、切開部161は、典型的には、腱153を引き出すことができる手のひらで形成される。その一方で、近位腱断端は、A2滑車の遠位にあり、したがって、腱は、A2滑車のちょうど遠位にある切開部を通して露出される。図7には、わかりやすくするために周辺組織から詳細を省いた、小指の滑車システムが示されている。これは、図示されているように、A1からA5と称される5つの環状滑車、およびC1,C2,およびC3と称される3つの十字型滑車からなる。本発明をわかりやすくするために、滑車システムは他のほとんどの図には示されていない。
滑車カテーテル101は、裂傷部位のところの創傷または切開部160内に通され、A3滑車の下の新しい切開部161に向けて近位へ押され、指の滑車システムに通される。抵抗に出会って、滑車カテーテル101を近位に押し通せなくなった場合、1/2cmから1cmまでの切開部(図示せず)が、指の近位指節間関節の皮膚のしわと指の付け根のしわとの間の中間に形成される。これは、指のA2滑車と指のA3滑車との間のレベルにある。この切開部を滑車カテーテルが見える屈筋鞘まで静かに下げる。次いで、滑車カテーテルを引っ張り、閉塞部または抵抗部を乗り越え、この切開部に通すことができる。次いで、滑車カテーテルを、腱引出切開部161に到達し、近位に露出するまで、静かに押して指の滑車システムから近位に前進させ続けることができる。
次に、図2Bに示されているように、フランジ付きカテーテル103の狭い端部157は、滑車カテーテル101の近位端部に接続されている。コンポーネントが十分に大きく、および/または手先が十分に器用な外科医であれば、フランジ付きカテーテルの狭い端部を滑車カテーテルの近位端部に直接挿入することも可能である。さもなければ、金属ダボ105または他の形態のカテーテル・コネクタ(例えば、フック)を使用して、接続を行うことができる。特に、カテーテル・コネクタ105は剛性であり、フランジ付きカテーテル103の狭い端部157は、カテーテル・コネクタの一方の端部上に挿入することができる。次いで、カテーテル・コネクタ105の他方の端部を摩擦嵌めで滑車カテーテル101の近位端部内に密着した状態で挿入し、滑車カテーテル101とフランジ付きカテーテル103を相互接続することができる。
次に、図2Cを参照すると、腱の近位断端153aは、腱の約2cmの部分が切開部161の外側に露出するように手のひらの切開部161から送られる。(近位腱断端が短い距離だけ引っ込み、近位節骨のレベルに存在している場合、腱をA2滑車の遠位にある切開部に通すか、または場合によってはA1滑車とA2滑車との間に送ることができる)。好ましくは、柔軟な障壁165を腱保持器107と近位腱断端153aの下に置き、この技術を実施するための作業「台」を形成する。滑車カテーテル101およびフランジ付きカテーテル103を取り付けた状態で、滑車を切開部160から遠位に引っ張り、フランジ付きカテーテル103を切開部160と161との間の滑車システム内に引き込んで通す。フランジ付きカテーテル103が2つの切開部160,161の間を通るようにフランジ付きカテーテル103の先端157が切開部160を通り抜ける場合、図2Cに示されているように、滑車カテーテル101およびコネクタ105は取り除かれる。
次に図2Dを参照すると、腱修復デバイス109のケーブル部分144の端部のところにある直針111が、断端153aの端部168aから約1cmのところの腱断端153a内に置かれており、直針111は、腱断端153aの切断端部168aを通り外へ向けられていることがわかる。針111は、スリーブ149が切断端部168aから約1/2cmのところに来るまで引き出される。腱の露出が少なすぎる場合、スリーブ149を切断端部168aに幾分近い位置に置くとよい。
次に、腱において小さな腱切除を行い、クリンプを腱の中に埋設することができる。処置のこの時点における腱および腱修復デバイスの状態が、図2Dに示されている。
腱修復デバイス109をこの位置に置いた状態で、腱修復デバイスの7つの自由ストランド147a〜147gを使用して、腱修復デバイス109を腱断端153aに縫い付ける。より具体的には、湾曲した針114a,114gを使用して、これらの縫合糸のうちの2本、例えば、147a,147gを腱内に押し進め、結び合わせて結び目185を作る。好ましい一実施形態では、これら2本の縫合糸をロッキング・クロス・ステッチまたは十字型パターンを使用して腱153aに縫い付ける。この場合、荷重を修復部の長さに沿った複数の固定位置に分散させる。また、十字型の方法では、張力を受けているときに、修復された腱は直径が減少し、滑車システム内を通過させることが容易になる。結び目を越えた過剰な材料を取り除くために、縫合糸147a、147gを結び目の裏側のところで切断する。しかしながら、本発明の意図をわかりやすくするために、縫い目は、図2E〜2Jを含む図面の大半において、複数の「X」で示されている。図2Lなどの好適な寸法の図面、または縫い目に関する重要な説明が一部記載されている明細書の対応する箇所においてのみ、縫い目がより正確に表されている。
次に、湾曲した針114b,114fを使用して、さらに2本の縫合糸、例えば、147b,147fを腱に縫い付け、他の結び目187と一緒に結ぶ。好ましくは、結び目187は2本の肢が近位に移動する十文字ロッキング・ステッチである。縫合糸は、結び目を作った後に切断する。図2Eに示されているような、本発明の好ましい一実施形態では、第1の結び目185および第2の結び目187は、腱断端153aの長さに沿って異なるレベルで作られる。さらに、さらに2本の縫合糸、例えば147c,147eの同様の十字型結び目(図示されず)を腱断端153aの他方の側に作り、切断する。
最後に、単一の残り縫合糸147dは、切り取るか、または他の自由端のどれかと結合して(刈り込む前に)さらに他の結び目を作るために使用することができる。腱修復デバイスを腱断端に固定する複数の固定点があるのが好ましい。
本発明の一実施形態では、縫合糸は、異なる長さであり、いくつかの対にまとめることができ、これにより、対をなす2本の縫合糸のそれぞれは同じ長さで、縫合糸の各対は、異なる長さである。縫合糸を腱に縫い付けるときに、同じ長さの縫合糸の各対が、腱に縫い付けられ、互いに結び目が作られる。この実施形態は、処置中に縫合糸のどの対を互いに結ぶか(同じ長さの縫合糸)を外科医に見やすく示し、処置を簡単に行えるようにするという点で有利である。
図2Fを参照すると、腱修復デバイス109が、近位腱断端153aにしっかり固定されているため、腱保持器から腱が外され、ケーブル部分144端のところで直針111がフランジ付きカテーテル103のフランジ159内に挿入されることがわかる。腱修復デバイス109は、(腱修復デバイス109の後端部に縫い付けられている)腱断端153aの端部がフランジ付きカテーテル103のフランジ部分159内に入るまで、フランジ付きカテーテル内を進められる。ケーブル部分144は、好ましくは、ケーブルがフランジ付きカテーテルとともに指の滑車システム内に押し通され、創傷160から外へフランジ付きカテーテル103に追随できる十分な剛性を有する。次に、外科医は、クランプで針111を掴んでフランジ付きカテーテル103に通し、針111、ケーブル部分144、フランジ付きカテーテル103、および腱断端153a(フランジ付きカテーテル103の折りたたみ可能フランジ159内に収納されている)を引いて、指の滑車システムに通し、創傷160から外に出すことができる。あるいは、針111がフランジ付きカテーテルの遠位端部157から突き出る場合、外科医は、針111またはケーブル部分144を手で直接、またはクランプを使って掴み、針111、ケーブル部分144、フランジ付きカテーテル103、および腱断端153a(フランジ付きカテーテル103の折りたたみ可能フランジ159内に収納されている)を引いて、指の滑車システムに通し、創傷160から外に出すことができる。抵抗に出会った場合、別の切開部を通して滑車システムを通る経路を検査することができる。
フランジ付きカテーテル103のフランジ159は、指の滑車システムを通過するように必要に応じて腱断端の周りで折りたたまれる。
図2Gを参照すると、腱断端153aが創傷160に達した後、フランジ付きカテーテル103を腱修復デバイス109および腱断端153aから取り外し、これにより、創傷160を通して腱修復デバイス109および腱断端153aを露出させることができることがわかる。腱保持器107の針205を近位腱断端153a上に差し渡し、腱断端153aを安定した位置に保持することができる。
図2Gとその後の図面において、修復の説明を補助するために(複数の)腱断端の長さが誇張されている場合がある。しかしながら、腱が元の創傷部位に引き出されるか、またはその近くに引き出された後(図2Gのように)、特に指が開いている(つまり、曲げられていない)状態にある場合に、皮膚の外側に露出する腱はほとんど、または全くないことは理解されるであろう。実際、指が曲げられていない場合、外科医は、おそらくは、もっぱら皮膚内で腱を処置している。しかしながら、図面のいくつかにおいて、これらの方法およびこれらの方法に関連して説明した装置の図解をわかりやすくするために、(複数の)腱断端の(複数の)長さを誇張している場合がある。さらに、縫い目がこれに関連して説明する特徴に実質的に関係していない図面のいくつかにおいて、縫い目および/または結び目は、図面を過度に複雑にしないために、単純な十文字パターンで表されている。縫い目または結び目が説明する特徴により密接に関係している他の図面では、適切な結び目/縫い目のより正確な表現が示されている。
縫合糸、クリンプ、クリンプ・コネクタ、および針の直径または長さなどの他の特徴は、図のすべてにおいて必ずしも原寸に比例して示されていない。
次に、図2Hを参照すると、遠位腱断端に関して非常によく似た処置が実行されることがわかる。特に、遠位腱断端153bが、近位腱断端153aに関連して上で説明したような類似の方法で創傷160内に送り込まれる。つまり、遠位腱断端153bを直接創傷160から十分に引き出すことができない場合、1cmの切開部174を遠位指節間関節のところのひだのすぐ遠位で形成し、A5滑車の遠位範囲上へ切開を下げてゆき、遠位腱断端153bがこの新しい切開部から露出するようにできる。滑車カテーテル101を切開部160と174との間に誘導し、フランジ付きカテーテル103を滑車カテーテル101の遠位端部に挿入する。次いで、図2Hに示されているように、滑車カテーテル101を引っ張って滑車システム内に通すが、その際に、フランジ付きカテーテル103は、滑車システムを通る位置に置かれるまで滑車カテーテル101に追随し、さらに切開部160,174から反対の端部に延びる。次に、他の腱修復デバイス109を、近位腱断端に関連して上で説明したものと同じ方法で遠位腱断端153bに取り付ける。図2Hは、この段階の処置を示している。
次に図2Iを参照すると、遠位腱断端は次に、近位腱断端153aに関連して上で説明したように滑車カテーテル101およびフランジ付きカテーテル193を使用して元の創傷部位160に誘導される。腱保持器107の第2の針207を遠位腱断端153bに通して配置し、近位腱断端に関連して上で説明したように1cmほど露出させることができる。処置のこの段階は、図2Iに例示されている。
次に、図2Jを参照すると、コネクタ112がその部位に移動され、ケーブル部分144の端部における直針111がコネクタ112内の穴151,152に通される。より具体的には、近位腱断端153aに取り付けられている腱修復デバイス109の直針111を近位から遠位への方向に移動する孔151の1つに通し、遠位腱断端153bに取り付けられている腱修復デバイス109の直針111を反対方向に、つまり、遠位から近位への方向に移動するコネクタ内の貫通孔152に通す。
次に、図2Kを参照すると、近位腱断端153aおよび遠位腱断端153bがそれぞれの腱保持器針から取り外され(そして腱保持器を脇に置いておき)2つの腱断端が1mmほど重なり、コネクタ112が腱端部168aと168bとの間の腱の中にほぼ埋設されるまで、牽引力を加えて遠位腱断端153bを近位に引っ張り、近位腱断端153aを遠位に引っ張る。
次いで、圧着工具113を使用して、コネクタ112を圧着し、これにより、2つの腱修復デバイスのケーブル部分144をコネクタ112の内側にしっかり取り付ける。より具体的には、図2Kを参照すると、腱断端153a,153bを少し折り返してコネクタ112を露出させ、圧着工具113を腱に接触させたり腱を傷つけたりすることなく圧着コネクタ上に置くことができる。
あるいは、必要ならば、腱保持器107を使用し、互いにかなり近づくように腱保持器107の溝209,211内の2本の針205,207の位置を中心に向けて調節し、針の1つを各腱断端に刺し通すことによって腱断端を一緒にするか、または一緒に保持することを補助することができる。
次いで、コネクタ112から延在するケーブル部分144の余分な長さをできる限り圧着コネクタの縁に近い位置で切断して捨てる。次いで、コネクタ112は、解放されると腱の物質内に引っ込み、折りたたまれていた腱端部が開き、腱端部の優れた接骨が生じるが、これは図2Lに示されているとおりである。図2Lは、腱修復デバイスを使用して形成される4つの十字形縫い目185,187,185’ ,および187’を表している。十字形縫い目が特に有効であると考えられるが、他の種類の縫い目も同様に使用することができる。必要ならば、1つまたは複数の6−0ナイロン腱上膜縫い目183を腱端部の周りに入れることで、腱端部の良好な接骨を確実にし、修復部の縁を整えることができる。
図3は、本発明の第1の実施形態により実行される実際の腱修復の写真である。第1の結び目185および第2の結び目187は、それぞれ、近位腱断端153aに見られる。類似の結び目185’,187’も、遠位腱断端153b内に見られる。4つの腱上膜縫い目183も見ることができる。
1つまたは複数の創傷を通常通り縫い合わせて閉じることができ、処置は完了する。
前記処置および装置は、屈筋腱裂傷の修復に関係する1つの特定の処置に関連して上で説明したが、中節骨のレベルの深指屈筋では、これは単に例示的な適用例にすぎない。本発明を適応することによって、腱、靱帯、または他の類似の耐荷重性軟組織を再付着することができる。
(第2実施形態)
図4A〜4Dは、腱(または靱帯)が切断ではなく骨から裂離されるか、または他の何らかの形で分離された状況において使用され得る本発明の原理による他の装置および処置を例示している。図4A〜4Dに関連して説明した装置および処置も、腱もしくは靱帯が骨に非常に近い位置で切断され腱修復デバイス109をその断端に効果的に付着させるのに十分な腱長が残されていないような状況において使用され得る。
このような種類の状況では、前述の腱修復デバイス109などの腱修復デバイスは、それでも、十分な長さ、例えば、少なくとも2cmを有する断端(典型的には近位断端)に関する図2A〜2Hについて上で説明した方法において使用される。しかしながら、骨または短い腱断端に関しては、第2の腱修復デバイスを使用する代わりに1つまたは複数のケーブルが骨アンカー400に直接取り付けられる。
骨アンカーは、遠位端部のところで骨に取り付けることができる任意の骨アンカーとすることができ、これに対し、縫合糸またはケーブルをその近位端部に取り付けることができる。本願明細書に援用する国際公開第2008/054814号において、好適な骨アンカーが開示されている。しかしながら、さらに単純な骨アンカーも使用することができる。
図1に例示されているような、好適な骨アンカーの一実施形態では、骨アンカーは、骨の中にねじ込むためのネジ山付き遠位部分401および骨アンカー本体の近位部分内に一体形成されている腱修復デバイスのケーブルを受け入れるための小穴402からなるものとしてよい。他の実施形態では、骨アンカーは、中に一体形成されその近位端部から延在する1つまたは複数の縫合糸で事前に加工され得る。
この実施形態による外科的処置は、深指屈筋が遠位指節骨に非常に近い位置で挫裂されている例示的な外傷に関して説明する。しかしながら、この処置の変更形態は、一般的に、骨から裂離されるか、または骨に近い位置で切断された腱または靱帯に関連して使用され得る。
図4A〜4Dは、4ストランド修復を行うための例示的な処置のさまざまな段階を示している(つまり、修復は、2つの腱断端の間を結ぶ4本の縫合糸ストランドを有する)。この実施形態では、図1〜2Lに例示されている腱修復デバイス109と異なる腱修復デバイス1001を利用する。この腱アンカーは、図10Aに例示されており、またこれについては、他の外科的処置例に関連して以下でさらに詳しく説明する。図10Aを参照すると、これは、各ストランドが各端部に1本の針を有する、2つのストランドまたはフィラメント1047a,1047bからなる。例示されている実施形態では、湾曲した針1014a,1014bが、それぞれ、ストランド1047a,1047bの第1の端部に設けられ、直針1011a,1011bが、それぞれ、ストランド1047a,1047bの第2の端部に設けられている。腱修復デバイス1001を構成する2つのストランドは、固定された、または滑動可能なクリンプ1049などによってそれらの端部の中間で連結される。クリンプ1049は、最初に、デバイスに沿って移動可能なように未圧着であり、必要に応じて、処置の好適な段階において圧着することができる。図10Aに示されているように、腱修復デバイス1001は、縫合糸の一部および端部1001a上の直針1011a,1011bを鞘1011内に封じ込めて腱修復デバイス1001のその端部を滑車カテーテル101および/またはフランジ付きカテーテル103内に送り込む作業をしやすくした状態で外科医に届けられ得る。
長い腱断端501に対して、第1の実施形態に関連して上で説明したように処置がなされる。特に、図4Aを参照すると、腱断端501は、必要ならば、引出切開部531を必要な場所に形成し、腱断端501を露出させ、湾曲した針を使用して腱修復デバイス1001の端部1001bを腱断端に縫い付けることによって修復される。この例示的な場合において、2つの縫合糸1047a,1047bのみがある場合、1つの十字形縫い目が好ましい。7本の縫合糸を有する図1〜2Lの腱修復デバイス109などの、さらに多くの縫合糸を有する腱修復デバイスを使用する実施形態では、例えば、図1〜2Lの実施形態に関連して上で説明したように、複数の十字形縫い目または他の縫い目を使用して腱修復デバイスを腱断端に縫い付けることができる。次に、腱修復デバイス1001および腱断端501を誘導して損傷部位533に戻すために、すでに説明したように、滑車カテーテル101、フランジ付きカテーテル103、およびカテーテル・コネクタ(必要ならば)を使用することができる。狭い鞘1011が用意されている場合、これにより、腱修復デバイス1001の端部1001aをカテーテルにねじ込んで通すことがしやすくなる。
次いで、腱断端501が腱保持器107内に留置される間に、遠位腱断端が用意される。図4Aは、これらの工程が実行された後の外科的処置部位の状態、つまり、腱501が腱保持器107内に入っており腱修復デバイス1001がそれに縫い付けられている状態を示している。
次に、図4Bを参照すると、骨503(および存在している場合には遠位断端505)に関して、切開部532(元の創傷532を含んでいてもよい)が形成され、切開によって遠位指節骨の骨503が露出させられる。次いで、図1に示されている骨アンカー450などの骨アンカーを、確実にねじ込んでこの骨503に固定する。
次に、図4Cを参照すると、この例示的な実施形態は、4ストランド修復であるため、骨アンカー450の縫合糸451c,451dのうちの2本が骨アンカーのところで、または可能な限り骨アンカーに近い位置で切り取られる。他の2本の縫合糸451a,451bは、遠位断端505内に螺貫される。次に、図4Dを参照すると、腱断端がわずかに重なるようにして合わされ、骨アンカー450の2本の縫合糸451a,451bが近位断端501に縫い付けられ、結び目が作られる。同様に、近位腱断端501にその一端のところですでに縫い付けられている腱修復デバイス1001は、次いで、遠位断端505に他端のところで縫い付けられる。図4Dは、この実施形態による完了した修復を示している。
当然ながら、必要ならば、骨アンカー450のストランドの数および腱修復デバイス1001上のストランドの数を増やして、6個、8個、10個、さらには12個のストランド修復などのより強力な修復を行うことができる。
短い遠位腱断端のみが残っている(または全く残っていない)図4A〜4Dに示されて種類の腱損傷も、図2A〜2Lに例示されているような腱修復デバイス109および図1に示されている他の骨アンカー400を使用して修復することができ、図2A〜2Lの第1の実施形態に関連して上で説明したように長い腱断端501に対し処置が行われる。特に、近位腱断端501は、腱断端を誘導して損傷部位に戻すためにすでに説明したように、必要ならば、必要な場所に引出切開部を形成し、腱断端501を露出させ、腱修復デバイス109を腱断端に取り付け、滑車カテーテル101、フランジ付きカテーテル103、およびカテーテル・コネクタ105(必要な場合)を使用することによって修復される。
次に、切開部が形成され骨アンカー400が図4A〜4Dに関連して上で説明したように骨に固定されるが、ただし、これは骨アンカー450ではなく骨アンカー400である。
次に、図4A〜4Dの断端505などの屈筋の遠位断端がまだ存在している場合、腱修復デバイス109の針111およびケーブル144は、この断端505に通され、骨アンカー400の小穴402に入れられ通される。特に、ケーブル部分144の端部のところの直針111は、短い遠位腱断端505内に入り、腱断端505の切断端部を通り、断端505がまだ骨503に付着している場所の近くの腱断端の側部を通って外に出て、次いで、骨アンカー400内の小穴402をくぐり抜ける。
次に、ケーブル144に牽引力を加えて、近位腱断端501を、近位腱断端501と遠位腱断端505との重なりが1mmになるまで遠位に引く。
次いで、ケーブル144を骨アンカー503の小穴に固定する。これは、縫合糸またはケーブルを骨アンカーの小穴402に結び付けることによって行うことができる。しかしながら、より好ましい一実施形態では、骨アンカー503の近位端部が圧着されて骨アンカー400の小穴402がつぶされ、これにより、ケーブル144が中に捕らえられる。
最後に、処置は、図2A〜2Lまたは図4A〜4Dの実施形態に関連して上で説明したように完了する。
他方で、取り付けるべき遠位腱断端が残っていないか、または事実上残っていない場合、代わりに、骨アンカーを使用して近位断端を骨に直接取り付ける。好ましくは、腱断端に取り付けられている腱修復デバイスのケーブル部分144は、第2の縫合糸またはケーブル509を使用せずに骨アンカーに直接取り付けられ、近位腱断端は、断端が骨アンカーを包み、骨アンカーの周りで骨と接触するよう遠位に引かれる。よくあることだが、外科医は、付着すべき腱に対する骨アンカーの周りの領域内で骨を粗面化するか、骨に座ぐり穴(counter bore)を開けるか、または骨に通路を形成(tunnel the bone)してもよい。
他の代替実施形態では、複数のストランドが(ストランドの端部に針を付けた状態で)骨アンカーからすでに延在している骨アンカー450のみが使用される。別の腱修復デバイス109,1001は使用されない。むしろ、骨アンカー450から延在する縫合糸を近位腱断端に直接縫い付ける。この種類の実施形態は、(1)近位腱断端が著しく引き込まれていない、したがって、他の切開部を通して引き出さなくても遠位断端の近くの切開部のところに存在し、(2)修復部に含める遠位腱断端がない損傷に最も適している。特に、第1の点に関して、近位腱断端が引き出される必要がある場合、図4A〜4Dに関連して説明した技術を使用するのがより実用的である可能性が高い。より具体的には、近位腱断端が引き出されなければならない場合、おそらくは、いかなる場合も断端を引き出すことを目的として別の腱修復デバイスを近位腱断端に取り付けなければならない。このような状況では、他の組の縫合糸を追加するよりは、近位腱断端にすでに縫い付けられている腱修復デバイスを骨アンカーに取り付ける方が簡単である。
第2の点に関して、遠位腱断端がある場合、近位腱断端に向けて遠位腱断端を引っ張る力を付与する近位断端から出てくる縫合糸を含めることが好ましい。近位腱修復デバイスが存在しない場合、このような力を加える縫合糸は存在せず、したがって、遠位腱断端が、おそらくは、腱断端が治癒する前に2つの腱断端の端部と端部との接触部分から離れる可能性がある。
骨アンカーの実施形態による修復では、遠位端部上の荷重は骨と骨アンカーとに全面的にかかる。
予備検査を実施した結果、本発明の原理により実施された腱再付着の破損強度は約70〜100ニュートンであることが判明した。したがって、本発明の原理による腱および靱帯修復を行うと、現在の標準治療に比べてかなり強力な修復がなされる。
それに加えて、処置は、現在の標準治療と比較して大幅に簡素化される。
(第3実施形態)
図5は、本発明の原理による他の実施形態を例示している。図5は、腱修復デバイス109が腱断端に縫い付けられた後の段階において、本発明のこの実施形態による近位腱断端153aの拡大図である。これは、図2Eに示されている段階に類似しているが、対で結び目を作る以外の縫い目を仕上げる異なる方法を示している。
この実施形態は、外科医が結び目を作ることを必要としない限り前述の実施形態より単純な処置を伴う。むしろ、図5に示されているように、腱に縫い付けた後に縫合糸147a〜147gで結び目を作るのではなく、クリンプ603を進む限り縫い目に対して各縫合糸上に送り、次いで、圧着工具で圧着してクリンプを縫合糸に固定し、これにより、腱に対して縫合を行うことができる。湾曲した針114a〜114gおよびクリンプ603の特定の構成に応じて、クリンプを針の周辺上へ滑らせて縫合糸147a〜147g上に置くことができる。これが可能でない場合、クリンプを縫合糸上に置けるように対応する縫合を行った後、針114a〜114gを縫合糸147a〜147gから切り離す。この実施形態では、外科医は、縫合糸で結び目を作る必要はなく、処置が簡素化される。外科医は、縫合糸を使って望む縫い目を自由に作ることができるが、端部で結び目を作る必要はない。
(第4実施形態)
図6Aおよび6Bは、2つの腱修復デバイス109(または腱修復デバイス109および骨アンカー115)を互いに付着させるためのクリンプ・コネクタ115の代替形態を示している。この実施形態では、コネクタ701は、2つの平行な長手方向貫通孔713,715を有するコネクタ本体711からなる。本体711は、円筒形、矩形、または他の妥当な形状としてよい。他の穴717を、長手方向貫通孔713,715が延びる方向を横切る形で本体711内に形成するが、この穴は2つの長手方向貫通孔713,715と交差する。ブロック719の形態のピンが、側面穴717内に嵌合する。したがって、このブロックが、図6Bに示されているように側面穴717内に挿入されると、これもまた、長手方向貫通孔713,715の一部分を横切る形で通過する。ブロック719、図6Bに示されているような側面穴717、長手方向貫通孔713,715、およびケーブル部分144(長手方向貫通孔713、715を貫通する)の寸法は、ブロック719が、側面穴717内に挿入されたときに、ブロック719の側壁と長手方向貫通孔713,715の側壁との間の長手方向貫通孔713,715内のケーブルを圧縮し、これにより、ケーブルをコネクタ701内に捕らえるように選択される。
したがって、この実施形態では、圧着工具でクリンプ・コネクタをつぶすのではなく、プライヤまたはクランプ・タイプの工具がブロック719に作用し、長手方向貫通孔713,715内のケーブル部分144の抵抗に抗してブロック719をコネクタ701内に押し込み、これにより、上述のようにケーブルを捕らえる。
コネクタのこの実施形態の利点のいくつかとして、ブロック719を可塑的に変形させる必要がないため、固定するのにはるかに小さな力で済むという点が挙げられる。むしろ、このメカニズムは、固定を行うためにコネクタ701の内壁に対するケーブル144のくさび留めに依存している。
上述のいくつかに対する代替縫合技術も多数考えられる。本発明は、外科医が望ましい縫合技術を使用することに対応し、また外科医が望ましい縫合技術を使用することを可能にする。代替実施形態では、腱修復デバイスは、4本の縫合糸のみを有するか、または4本よりも多い縫合糸を有している場合には、外科医は自分が使用しない縫合糸を切り取ることを決定することができる。例えば、図1〜2Lの腱修復デバイス109の縫合糸のうちの2本の縫合糸、例えば、縫合糸147a,147gは、クロス・ステッチを使用して腱に縫い付けることができ、また結び目から延在する縫合糸147a,148gの残りの遠位部分がこの時点では切り取られないことを除き、図2A〜2Lの実施形態に関連してすでに説明したように結び合わされる。次に、他の2本の縫合糸、例えば、147b,147fを、これもまた図2A〜2Lの実施形態に関連して説明したように、最初の2本の縫合糸と異なるレベルで腱に縫い付けて、結び目を作る。次いで、縫合糸147a,147bの結び目を作り、縫合糸147a,147fも別の結び目を作る。次に、縫合糸147a,147g,147b,および147fの各遠位端部を切り取ることができる。他の3本の縫合糸147c,147d,147eは切り取られるが使用されないか、または他の結び目を作るために使用され得る。この技術における2対の縫合糸の相互依存関係により、縫合糸が腱から離裂しない確実性がより高まる。
さらに他の実施形態では、第3の対の縫合糸も、第1の2対の縫合糸と一緒に結び合わせることができる。縫合技術と縫合糸の結び合わせのさまざまな組み合わせは、事実上無限である。
(第実施形態)
図8Aは、腱修復デバイスの代替実施形態を示している。この実施形態は、限定はしないが、腱断端の1つを個別切開部から引き出して創傷部位に誘導して戻す必要があるか、または腱断端のどれも個別切開部から引き出して創傷部位に誘導して戻す必要がない、外科的処置に特に適している。この実施形態は、必要ならば単一の腱修復デバイスのみを使用して修復を実施することが可能であるという利点も有する。
この実施形態からわかるように、図1〜2Lおよび4A〜4Eに例示されている実施形態に対する場合のように複数の縫合糸からなるアンカーの一方の側と1つのケーブルからなる他方の側を有するのではなく、この腱修復デバイスは、腱修復デバイス901の両方の側901a,901b上に複数の縫合糸を有する。より具体的には、この腱修復デバイスは、長さに沿った1つまたは複数の中間点で一緒に取り付けられる4本の縫合糸947a〜947dから形成され得る。製造するのに特に都合のよい一実施形態では、腱修復デバイス901は、4本の縫合糸947a〜947dからなり、長さの中間にある少なくとも1つのクリンプ949がこれらの縫合糸をまとめている。クリンプは、最初に、処置時に縫合糸の長さに沿って滑動可能なように未圧着であるものとしてよい。これを圧着して、その位置を処置中の任意の地点における縫合糸に関して固定することができる。いくつかの処置では、これは全く圧着されない場合もある。
この実施形態では、腱修復デバイス901は、好ましくは、図8Bに例示されている状態で、つまり、側部901aの少なくとも1つがフランジ付きカテーテルを容易に通過できる細い鞘911(例えば、プラスチック製チューブ)内に収納された状態で、外科的処置部位に送られる。しかしながら、針、縫合糸、フランジ付きカテーテルの直径、デバイス内の縫合糸の本数、およびフランジ付きカテーテルの材質に応じて、鞘が不要になるか、または端部901aの一部のみを覆うだけでよい場合がある(針913a〜913dの先端など)。この実施形態では、鞘911内に配置されるクリンプ949の側部901a上の縫合糸の端部に取り付けられる針913a〜913dは、鞘911内に容易に嵌入され、および/またはカテーテル101,103を通り抜けられるように直針でなければならない。縫合糸947a〜947dの他方の端部に取り付けられている針は、縫い合わせが容易になるように湾曲した針914a〜914dであってもよい。しかしながら、これらの針は直針であってもよい。
外科的処置の最初の半分は、図2Aから2Lに例示されている第1の実施形態に関連して上で説明した処置と本質的に同一である。より具体的には、処置は、図2Fに例示されている段階までのその実施形態と本質的に同一であり、唯一の違いは、単一のケーブル144が中間クリンプ949の遠い側から延在する代わりに、鞘911内に4本の個別の縫合糸(またはケーブル)が収納されている点である。
デバイスを1つの腱断端に縫い付けた後、4本の直針と縫合糸を収納する鞘911が、すでに説明したように滑車システムを通り創傷の部位へ進む。次に、保護鞘911を取り外して、4本の縫合糸947a〜947dおよび直針913a〜913dを解放する。
一実施形態では、鞘911を、1つのナイフまたはハサミで切断する。他の実施形態では、鞘は、手で引きちぎることもできる。さらに他の実施形態では、また特に、例示されている実施形態では、鞘911は、外科医が掴んで、引っ張って鞘を裂き、これにより腱断端への付着のために針を解放することができるように鞘の少なくとも一端を越えて延在する「尾部」911bを有する、鞘の材料内に埋め込まれている繊維などの、一体になった長手方向ストリップ911aからなる。あるいは、このストリップは、鞘の長手方向全長にわたる鞘の弱くなっている径方向セグメントからなるものとしてもよい。弱くなっているセグメントは、鞘の残り部分と一体形成されているが鞘の残り部分に比べて薄い壁厚を有する鞘のストリップからなるものとしてもよい。
クリンプ949は、デバイス901上に位置を固定するために処置のこの段階において圧着することができる。例えば、この時点で縫い付けられた腱断端902aの端部に直接隣接する位置で圧着することができる。
この実施形態を使用する場合、他の腱断端902bは、好ましくは、引き出さなくても創傷部位に露出される。しかしながら、異なる切開部を通して引き出されなければならない場合、腱を引き出すための従来の技術を含む、妥当な技術を使用して、または上述のような本明細書の滑車カテーテルおよびフランジ付きカテーテルを使用して引き出すことができる。例えば、小さな縫合糸を腱に一時的に縫い付けて、第1の実施形態に関連して上で大半が説明したように滑車カテーテルおよびフランジ付きカテーテル103を使用して指の滑車システム内に送ることができる。
任意の場合において、2つの断端902a,902bは、他の腱断端902bが創傷部位に露出している状態で、その端部が互いに向かい合うように位置決めされ、腱修復デバイスの第2の端部901aは、第1の実施形態に関連して上で説明したものとほぼ同じ方法で遠位腱断端902bに縫い付けることができる。2つの腱端部902a,902bが互いに併置することを確実にするよう注意しなければならないが、なぜなら、第1の縫合が完了し、固定された後に腱断端の端部の相対位置を調節することは不可能でないとしても、難しいためである。腱保持器107は、互いに併置された腱端部を保持するためにすでに説明したように使用され得る。縫合糸は、すでに説明したように2つ一組で腱に縫い付けることができる。修復は、すでに指摘されているように2つの断端の間に腱上膜縫い目で完了することができる。
この実施形態は、クリンプ・コネクタまたは圧着工具をいっさい必要とせず、部品点数も少ないという点で有利である。例えば、ただ1つの腱修復デバイスが処置に必要であり、腱修復デバイスは図8Aに示されているように双頭である。
(第実施形態)
図9A〜9Cを見ると、限定はしないが、2つの切開部の間の生体構造に通すことにより両方の断端を修復部位に引き出さなければならない修復に特に適する腱修復デバイスおよび技術のさらに他の実施形態を示す。図9Aは、この実施形態による腱修復デバイス951を示している。この実施形態では、2つの腱修復デバイス951が使用されており、それぞれ、各ストランドが各端部に1本の針を有する、2本のストランドまたはフィラメント953a,953bからなる。例示されている実施形態では、湾曲した針954は第1の端部のところに設けられ、直針955は各ストランドの第2の端部のところに設けられる。単一の腱修復デバイスからなる2つのストランドは、他の実施形態に関連してすでに説明したように、滑動可能なクリンプ956などによってそれらの端部の中間で連結される。クリンプ956は、最初に、デバイスに沿って移動可能なように未圧着であり、必要に応じて、処置の好適な段階において圧着することができる。
図9Bに示されているように、各腱修復デバイス951−1,951−2の一方の端部951aは、その端部の2本のストランドを使用してそれぞれの腱断端961a,961bに縫い付けられる。各腱修復デバイスの他方の端部951bは、他の実施形態に関連して上で説明した滑車カテーテルおよびフランジ付きカテーテルを使用して、指の滑車などの、生体構造内に通すことを目的として、図8Aおよび8Bの実施形態と同様にして鞘968内に最初に入れることができる。しかしながら、図8Aおよび8Bの実施形態に関連して上で指摘されているように、鞘が必要でない場合もある。
次に、腱修復デバイスおよびこれらが縫い付けられる腱断端を、すでに説明したように、滑車カテーテルおよびフランジ付きカテーテルを使用して生体構造内から修復切開部へ進めることができる。この時点における腱修復処置の状態が、図9Bに例示されている。次に、図9Cを参照すると、2つの腱断端961a,961bが一緒にされている。必要ならば、これらは、1本の針205,207を腱断端961a,961b(図示せず)の各中に入れた状態で、腱保持器107を使用して適所に保持することができる。
次に、第1の腱修復デバイス951−1の2本のストランドの自由端部951b(その他方の端部951aは、すでに、第1の腱断端961aに縫い付けられている)を、好ましくは、第2の腱修復デバイス951−2の縫い目と異なるレベルで第2の腱断端961bに縫い付ける。同様に、第2の腱修復デバイス951−2の2本のストランドの自由端部951b(その他方の端部951aは、すでに、第2の腱断端961bに縫い付けられている)を第1の腱修復デバイス961bに縫い付ける。完了した修復が、図9Dに示されている。修復は、必要ならば、すでに説明したように腱上膜縫い目で完了することができる。
図8A〜8Bの実施形態のように、この実施形態では、2つの腱断端の間をつなぐ4本のストランド、および各腱断端において異なるレベルにある2つの縫い目を備え、これにより、非常に頑丈な修復を形成する。
(第実施形態)
図10Aは、本発明のさらに他の実施形態による腱修復デバイスを例示している。このデバイス1001は、図9Aと本質的に同じデバイスであるが、以下でさらに詳しく説明するように、片側が鞘の中に入っている。これらの実施形態では、図1および2A〜2Lに例示されているような第1の実施形態と同様に、2つの腱修復デバイスが使用される。しかしながら、これらの腱修復デバイス1001は両方とも、図8A〜8Bおよび9A〜9Dに例示されている実施形態と同様に、各端部に複数のストランドを有する。より具体的には、各腱修復デバイス1001は、2本の縫合糸1047a,1047bからなる。これら2本の縫合糸は、クリンプ1049またはスライド・スリーブなどによってそれらの端部の中間で結合され得る。あるいは、2本の縫合糸は互いに独立していてもよい。
その上、腱修復デバイス1001は、その長さの大半にわたって単一のケーブルもしくは縫合糸からなり、アンカーの対向端部の近くでのみ2本の縫合糸に分かれるようにできる。ここでもまた、このような腱修復デバイスは、その長さの大半にわたって撚り合わされた2本の縫合糸から形成され、撚り合わされた部分を保持する撚り合わせ部分の各端部のところで、クリンプ956などのクリンプにより対向端部の近くで分離され得る。図8A〜8Bおよび9A〜9Dに例示されている腱修復デバイスの実施形態と同様に、直針1013a,1013bが、好ましくは、デバイス1001の少なくとも1つの端部1001a上で使用され、湾曲した針1014a,1014bが、他方の端部1001b上で使用される。図示されているように、腱修復デバイスを、端部1001a上の縫合糸および直針1011a,1011bが鞘1011内に収納された状態で外科医に届けることができる。腱修復デバイスのこの実施形態を使用して腱を修復するための処置および装置は、第1の実施形態および第2の実施形態に関連してすでに説明したものとかなり類似している。特に、腱断端の一方または両方は、図1および2A〜2Lに例示されている方発明の第1の実施形態に関連してちょうど説明したように、必要に応じて、指の滑車システムに通して引き出され得るが、2本の縫合糸のみが腱修復デバイス1001の片側1001bの各腱断端に縫い付けられる。
この実施形態では、腱修復デバイス1001−1,1001−2のうちの2つが使用される。各腱修復デバイス1001−1,1001−2の片側1001aは、腱断端のうちの1つに縫い付けられる。
図10Bでは、これら固定デバイス1001のうちの2つを使用し、本発明のこの実施形態により互いの周りにループを形成することによって修復を行う仕方を説明している。一般に、以下で詳しく説明するように、1つの腱修復デバイス1001−1は、折りたたまれてループ1091を形成し、第1の腱断端1087aに縫い付けられ、他の腱修復デバイス1001−2は、折りたたまれて他のループ1092を形成し、ループを中間で連結した状態で他の腱断端1087b内に埋め込まれる。
特に、第1の腱修復デバイス1001−1の片側1001b上の2本の縫合糸1047a,1047bおよび湾曲した針1014a,1014bは、第1の腱断端1087aに縫い付けられ、デバイスの他方の側1001aは、前の実施形態に関連して説明したように基本的にそれぞれの腱断端の端部から突き出る。
図10Bを参照すると、第1の腱修復デバイス1001−1の他方の側1001aは、腱修復デバイス1001−1がループ1091を形成し、腱断端1087aから突き出るように、断端の端部を通って同じ腱断端内に戻されることがわかる。これは、2本の縫合糸および直針1014a,1014bのそれぞれを個別に腱断端1087aの端部にねじ込んで戻し、腱断端の側部を通して引き出すことによって実行され得る。ループ1091が腱断端1087aの端部から突き出る長さが1ミリメートル以下となるように(複数の)縫合糸を引っ張って通さなければならない。好ましくは、ループ1091が全く突き出ることなく、本質的に腱断端1087aの物質内に留まるように縫合糸を引っ張って通す。次いで、2本の縫合糸1047a,1047bを、すでに説明した実施形態に関連して上記したように腱に縫い付ける。この時点で、腱修復デバイス1001−1の両端1001a、1001bは、腱断端1087aに縫い付けられ、ループ1091は、腱断端1087aの切断端部に配置される。
次に、第2の腱修復デバイス1001−2を、第1の腱修復デバイス1001−1を第1の腱断端1001aに取り付けたのと本質的に同じ方法で、第2の腱断端1087bに取り付けるが、1001aのアンカー1001−2の第1の端部の第1の2本の針1013a,1013bが腱に縫い付けられた後に、他の2本の針1014a,1014bおよび縫合糸1047a,1047bを第1の腱修復デバイス1001−1によって形成されるループ1091内に誘導して通し第2のループ1092を形成してから、第2の腱断端1087に縫い付ける。第1の腱修復デバイス1001−1のループ1091が、第1の腱断端1087の物質内にある場合、第1の腱断端の物質を好適な開創器具を使って引っ込め、第2の腱修復デバイスの針および縫合糸をループに通せるようにループを一瞬露出させる必要があり得る。あるいは、外科医が、ループ1091に接近できるように第2の腱修復デバイス1001−2で腱物質に単に孔をあけてもよい。次いで、第2の腱修復デバイス1001−2の第2の端部1001bのところの2本の縫合糸および針1014a,1014bを第2の腱断端に縫い付ける。この実施形態では、2つの腱断端の間で4ストランド修復を行うための他の技術も提示する。
(第実施形態)
図11A〜11Eは、代替実施形態およびそれと一緒に使用する関連技術を示しており、これらの技術は、本明細書で開示されている方法および装置の両方の他の実施形態のうちの多くの実施形態の特徴および態様の一部またはすべてと併せて使用することができる。図11Aは、この代替実施形態による装置の斜視図である。特に、この実施形態では、フランジ付きカテーテルが、漏斗1101の形態の誘導部材に置き換えられる。
好ましい一実施形態では、漏斗1101は、比較的剛性の高い、容易につぶれないような、生体適合性プラスチックなどの生体適合性材料から形成される。漏斗1101は、一方の端部に小さな開口部1102を、他方の端部1103に大きな開口部を備える。漏斗1101は、付勢されていない状態のときに円錐台表面を画成するが、その全長に沿って分割され、これにより、分割部1104のところで径方向に広げられ、したがって分割部1104のところに側面間隙を形成するように漏斗を弾力的に変形することができ、ここから、腱、靱帯、または同様のものを漏斗の中に挿入することができる。あるいは、漏斗は、それが側面開口部を形成するように、径方向に広げることができる限り分割部のところで幾分重なり合うようにできる。
小さな開口部1102は、腱を中に通す際に使用する解剖学的通路への入口より小さくなければならず、大きな開口部1103は、解剖学的通路より大きい。例えば、指の腱の修復に関連して上記した本発明のさまざまな実施形態において、小さな開口部は、指滑車内への進入が容易な大きさでなければならない。漏斗1101の他方の端部1103の大きな開口部は、腱修復デバイスが縫い付けられている腱断端の端部を容易に受け入れられる十分な大きさでなければならない。外科医による操作が簡単になされるように、漏斗1101の側部から延在するハンドル1197が設けられる。
図11B〜11Dは、漏斗1101を使用する外科技術を例示している。図11Bを参照すると、滑車カテーテル103は、すでに説明したように、2つの切開部1112,1113の間の指の滑車システムを通る位置に置かれ、本明細書ですでに説明した腱修復デバイスのどれかであってよい。腱修復デバイス1114は、近位腱断端1116の端部に取り付けられている。さらに、腱修復デバイス1114の先端1114aは、これもまたフランジ付きカテーテル103を使用しないことを除き、すでに説明したように滑車カテーテル101内に入れられ、この機能は、以下で詳しく説明するように、漏斗1101によってほぼ置き換えられる。
この実施形態では、腱修復デバイス1114の先端1114aを滑車カテーテル101内に押し進めて、腱断端1116の端部が滑車カテーテル101の後端101bの近くにあるが、接触はしていない位置に達する。次に、滑車カテーテル101および腱修復デバイス1114を遠位方向に引いて、指の滑車システムに通し、遠位切開部1113から、滑車カテーテル101の後端101bを通過させなければならない第1の滑車1121の入口を通るが、腱断端1116は滑車1121の入口の近くにあるがそこをまだ通り過ぎてはいない位置まで送る。特に、すでに指摘されているように、腱断端1116の端部は、変形され、拡大されているため、圧縮し、誘導する構造がないと、滑車1121内を容易に通り抜けることができない。すでに説明した実施形態では、その構造は、フランジ付きカテーテル103であった。この実施形態では、これは、漏斗1101である。
そこで、図11Cを参照すると、漏斗1101は広げられ、腱断端1116上を滑り、漏斗の小さな端部1102は滑車1121の入口に面し、大きな端部1103は滑車の入口から外方向に面していることがわかる。より具体的には、図11Cに示されているように、外科医は、滑車1121の入口内に漏斗1101を位置決めし、滑車1121を拡張し、腱が滑車内に入り、滑車を通過するのを容易にする。生体構造の異なる大きさの部分、および/または異なる体格の患者に対応できるようにするため、また滑車(または他の解剖学的特徴)の拡張を容易にするために、キットの一部として異なる寸法の漏斗を用意することも可能である。
漏斗が図11Cに示されている位置にある場合、外科医は腱修復デバイス1114の先端1114aを引っ張り、腱断端1116の端部を漏斗1101および滑車1121内に、および漏斗1101および滑車1121から中に引き込むことができる。
漏斗1101(さらには前の実施形態に関連して開示されているフランジ付きカテーテル103のフランジ付き部分159)によって対処される主要な問題は、常にというわけではないが、多くの場合に、腱修復デバイスの後端が取り付けられている腱断端の端部が1つに集まって滑車を通る通路より大きくなり、したがって滑車内に挿入され、滑車内を通過するのが困難になるという点である。漏斗(さらには前述のフランジ付きカテーテル103のフランジ付き部分159)は、腱断端の端部を収納し、これにより徐々に滑車(または場合によっては他の狭い解剖学的通路)内への挿入および通過が容易になる。この実施形態の漏斗1101は、滑車の入口を拡張し、通過をなおいっそう容易にする働きもする。
フランジ付きカテーテル103を使用する実施形態とは異なり、この実施形態では、漏斗1101は、滑車内を通過しない。漏斗1101は、滑車の入口のすぐ内側の図11Cに示されている位置に留まるが、腱断端1116は摺動して漏斗1101内を通り、滑車1121内を通過する。腱断端1116の端部が、滑車1121内を通過した後、漏斗1101は取り外される。特に、漏斗1101は、広げられて腱から取外される。あるいは、漏斗を切り取ることもできる。図11Dは、処置のこの時点での修復を示している。
腱断端1116が、第2の、またはそれ以降の滑車内を通るように誘導されなければならない場合、第2の滑車に関して同じ方法が本質的に繰り返される。例えば、腱が第2の滑車内を通過しなければならない場合、他の切開部(指の対応するひだの中の)をその滑車の上の方に形成し、同じであるか、または異なる漏斗を使用して前述の方法を繰り返すことができる。しかしながら、多くの場合に、腱は漏斗の助けを借りずに、第2の、またはそれ以降の滑車内を進む可能性があるため、外科医は最初に、漏斗を使用せずに腱を引っ張って通そうとする。
次いで、腱断端は、(1)遠位腱断端に直接取り付けることができるか、(2)遠位腱断端に取り付けられている他の腱修復デバイスに取り付けることができるか、または(3)場合によっては、前述の腱修復デバイスおよび/または技術のうちの1つを使用して骨アンカーに取り付けることができる。
図11Eは、誘導部材の代替実施形態を例示している。この実施形態における誘導部材1140は、直径の小さい端部1143と直径の大きい端部1144を有する分割された中空の円錐台の形態をとるが、ただし、円錐台の表面の一部が取り除かれている。この表面の取り除かれた部分によって画定されている側面開口部1142は、特定の腱、靱帯、または一緒に使用することが意図されている他の解剖学的特徴を簡単に挿入できるように十分に広いが、腱が部材1140から誤って滑り出てこないように十分に狭くなければならない。したがって、好ましくは、開口部は、円錐面の50%以内である。例えば、開口部は、円錐面の約5%〜35%であるものとしてよいが、1/3が好ましい。この実施形態では、誘導部材1140は、腱を中に挿入できるように変形する必要がないため、好ましくは、実質的に剛性を有し、通常の荷重が加わっただけでは変形しえない。これは、ステンレスまたはチタンなどの生体適合性金属から形成されてもよい。ここでもまた、ハンドル1198を、外科医による誘導部材1140の取り扱いを容易にするために備えることができる。
この実施形態の誘導部材1140は、前記の実施形態の漏斗1101に関連して上で説明したものと本質的に全く同様に使用されるが、ただし、腱を中に挿入するために部材1140を広げない。むしろ、腱を単純に側面開口部1142から部材1201の内側に置くとよい。前の実施形態と同様に、外科医の操作が容易になるようにハンドル1198を備えることができる。
この実施形態は、腱を部材の中に挿入することが容易になるという点で有利である。さらに、誘導部材は剛性を有し、したがって、組織構造をより効率的に拡張することができる。
(第実施形態)
本発明は、2つの腱断端および/または1つの腱断端を直接骨に取り付けることに関連して上で説明したが、当業者であれば、腱移植片を使用する修復に関連して使用することもできることを理解するであろう。このような状況では、腱移植片の一方の端部を1つの腱断端に取り付け、上述の装置および技術を使用して腱移植片の他方の端部を他方の腱断端に、または直接骨に取り付ける。腱移植片は、患者の足などの患者の身体の他の部分から取り出すか、または同種移植片とすることができる。
本発明の他の態様によれば、接着障壁として機能する薄壁チューブを腱の上の修復部位に配置し、腱を移動させて指の滑車システムに自由に通すことができる。より具体的には、損傷した腱、靱帯、または他の長手方向解剖学的部分が治癒すると、瘢痕組織が修復部位の周辺に形成する。治癒過程において、瘢痕組織は、滑車システムを通る腱の自由な移動を妨げる可能性がある。このような瘢痕組織を除去するために、追加処置を行う必要が生じる場合もある。
滑車システムを通る腱の自由な移動を容易にするために、(複数の)修復部位を薄壁チューブの形態の接着障壁内に封入することができる。接着障壁は、図12Aに例示されているような薄壁チューブ1201からなる。図12Bは、介在する移植片なしで2つの腱断端が再付着される腱修復に関連して使用されている接着障壁の特定の一実施形態を例示している。図示されているように、チューブ1201は、修復が実行される前に切断腱断端1203aのうちの1つの断端の端部上へ滑り、修復過程において滑り落ちて外れる可能性がある。次いで、図12Cを参照すると、修復が完了した後に、チューブ1201を修復された腱に沿って滑動させ、修復部位1204(縫い目、腱修復デバイス、および両方の腱断端1203a、1230bを含む)に送ることができる。好ましくは、チューブ1201は、少なくとも1回の縫合1221で、好ましくは、チューブの各端部において各少なくとも1回の縫合1221で、この時点において腱に縫い付けられる。
チューブは、そのような瘢痕組織が滑車システムを通る腱の自由な移動を妨げるおそれがある場合に、外向きにではなく(チューブの内側の)腱の長さに沿って治癒が生じるようにする障壁を形成する。チューブは、チューブの内側の修復された組織用の通路を最終的に形成する構造を強化するために、チューブ口径の外側に成長用のガイドを設けることもできる。チューブの外部表面および内部表面は、滑らかでなければならず、また(内側の腱とともに)滑動して滑車システム内を自由に通り、治癒が生じた後にチューブを取り出せるように低摩擦係数を有していなければならない。
チューブの壁厚は、修復される組織に加わる嵩が最小限に抑えられるようにできる限り薄くなければならない。屈筋腱修復の場合、0.25mm未満の壁厚が考えられる。しかしながら、チューブの最良の壁厚は、修復の外科的応用に依存し、修復される組織に比較して比例的に薄くなければならない。当然ながら、チューブの長さおよび直径は、もっぱら特定の修復によって決まる。さらに、チューブは、Teflon(商標)、PET、PTFE、およびEPTFEのフッ素ポリマーの一群、またはシリコーン・ポリマーの一群から選択された物質などの、生体不活性物質から形成されるべきである。好ましくは、チューブは、腱を健全に保つために輸液を中に通して輸液交換を行えるように多孔質である。これは、このような輸液移送が容易に行えるように穴または他の開口部を有するものとしてよい。好ましくは、穴は、組織成長侵入が中に生じないよう十分に小さい。これは、滑車システム(または他の解剖学的制約物)内を摺動して通るのを容易にするために潤滑油を塗布するとよい。腱の治癒期間の指の受動的運動も、チューブ内の穴を通した周辺組織への腱の瘢痕組織付着を防ぐ。
チューブは、修復部位を完全に覆う十分な長さのものでなければならない。移植片を使用する修復の場合、移植片の長さ、アクセス性、および他の要因に応じて、単一の長いチューブを使用して移植片の両端を覆うか、または2つの別々のより小さなチューブを使用することができる。
チューブは、数週間から数ヶ月に及ぶ、治癒過程の期間中に適所に留まる。治癒過程の終わりに、チューブはチューブの一方の端部の近くで患者身体に1つまたは複数の小さな切開部を形成し、次いで、外科医がチューブを切りながら切開部からチューブを慎重に引き出すことによって取り除くことができる。代替実施形態では、チューブは、時間の経過とともに単純に溶解する生体吸収性材料から形成され得るが、生体吸収性材料は吸収時に接着または局部組織反応を促進しないものであるものとする。生体吸収性材料の例としては、架橋ヒアルロン酸または他の生体不活性ポリマーが挙げられる。さらに他の実施形態では、接着障壁に、その全長にわたって長手方向スリットを入れ、取り除くときに切断が必要ないようにするが、むしろ、腱から取り除かれるように単純にばらばらにする必要がある。また、このような実施形態を使用すると、修復が完了した後に接着障壁を広げて腱の上に滑らせ、これにより修復の前に腱断端の端部上で長手方向に滑動させて修復が完了した後に修復部位の上へ滑動させる必要性をなくすことによって、接着障壁を修復部位の上に取り付けることを選択しやすくなる。これは、修復処置の際に、修復部位が長く、および/または接着障壁を滑動させて外すのに腱断端の利用可能長が不十分である場合に有利なものとなり得る。
(終わりに)
予備検査を実施した結果、本発明の原理により実施された腱再付着の破損強度は約70〜100ニュートンであることが判明した。したがって、本発明の原理による腱および靱帯修復を行うと、現在の標準治療に比べてかなり強力な結果が得られる。
それに加えて、処置は、現在の標準治療と比較して大幅に簡素化される。
本発明は、腱、靱帯などに対する安全で、単純で、容易で、強力な修復を可能にする。予備試験では、100Nまでの破損強度が観察されている。
本明細書のさまざまな実施形態に関連して説明する腱修復デバイスのさまざまな部分を形成する縫合糸/ケーブル、および針の数は、単に例示的な値にすぎず、修復の所望の強度、修復される特定の組織、腱修復デバイスの製造に使用される材料の強度、および他の要因に応じて使用する縫合糸/ケーブル(および針)の数を加減することができることは理解されるであろう。
さまざまな実施形態の有用性の説明は、手の屈筋腱に限定されていたとしても、説明したようなデバイスを使用することによって、多くの軟組織修復を一部または完全に実行することができることも理解されなければならない。このような解剖学的構造の例として、人体の腱および靱帯、さらには軟組織または骨にその後取り付けられる複数の位置への固定を必要とする他の構造が挙げられる。
本発明の特定の実施形態について説明したが、さまざまな変更形態、修正形態、および改善を、当業者は容易に思い付くことであろう。本開示によって明らかにされるような変更形態、修正形態、および改善は、本明細書では明示的に述べられてはいないが、本明細書の一部であることが意図されており、また本発明の精神および範囲のうちにあることが意図されている。したがって、前述の説明は、例にすぎず、限定するものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲および均等物において定義される。

Claims (28)

  1. 長手方向に延びる解剖学的特徴を他の解剖学的特徴に取り付けるための修復デバイスであって、
    第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを有する少なくとも1つの第1のフィラメントと、
    前記第1のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針と、
    第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを有する少なくとも1つの第2のフィラメントと、前記第1のフィラメントの第2の長手方向端部および前記第2のフィラメントの第2の長手方向端部は相互に取り付けられて、結合された第1のフィラメントおよび第2のフィラメントが、フィラメントの線形配列の終端となる端部を形成し、
    前記第2のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針と
    前記修復デバイスの第1のフィラメントを別の修復デバイスのフィラメントに結合するための修復デバイス・コネクタと、を備え、該コネクタは少なくとも1つの貫通孔を備え、該少なくとも1つの貫通孔は、前記修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記別の修復デバイスのフィラメントを中に通すことができる第1の状態と、前記修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記別の修復デバイスのフィラメントが中に固定される第2の状態とを有する、修復デバイス。
  2. 前記第1のフィラメントは、複数の第1のフィラメントからなり、各第1のフィラメントが、第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を有し、かつ、第1の長手方向端部に取り付けられている針を有し、
    前記第2のフィラメントは、複数の第2のフィラメントからなり、各第2のフィラメントが、第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を有し、かつ、第1の長手方向端部に取り付けられている針を有し、
    前記第1および第2の複数のフィラメントの第2の長手方向端部は、相互に接続される請求項1に記載の修復デバイス。
  3. 第1のフィラメントの個数および第2のフィラメントの個数は同じであり、前記複数の第1のフィラメントの個々のフィラメントは、単一の全体フィラメントとして、前記複数の第2のフィラメントの個々のフィラメントと一体形成される請求項2に記載の修復デバイス。
  4. 前記修復デバイス・コネクタは、クリンプからなる請求項に記載の修復デバイス。
  5. 前記クリンプは、前記貫通孔内にフィラメントを捕らえるために第1および第2の貫通孔が変形できるように、変形可能である請求項に記載の修復デバイス。
  6. 前記複数の第1のフィラメントの個数および前記複数の第2のフィラメントの個数は4である請求項3に記載の修復デバイス。
  7. 前記複数の第1のフィラメントの個数および前記複数の第2のフィラメントの個数は2である請求項3に記載の修復デバイス。
  8. 長手方向に延びる解剖学的特徴を他の解剖学的特徴に取り付けるための修復デバイスであって、
    第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを有する少なくとも1つの第1のフィラメントと、
    前記第1のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針と、
    第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを有する少なくとも1つの第2のフィラメントと、前記第1のフィラメントの第2の長手方向端部および前記第2のフィラメントの第2の長手方向端部は相互に取り付けられて、結合された第1のフィラメントおよび第2のフィラメントが、フィラメントの線形配列の終端となる端部を形成し、
    前記第2のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針と、
    前記第2のフィラメントの少なくとも一部を囲む鞘と
    前記修復デバイスの第1のフィラメントを別の修復デバイスのフィラメントに結合するための修復デバイス・コネクタと、を備え、該コネクタは少なくとも1つの貫通孔を備え、該少なくとも1つの貫通孔は、前記修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記別の修復デバイスのフィラメントを中に通すことができる第1の状態と、前記修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記別の修復デバイスのフィラメントが中に固定される第2の状態とを有する、修復デバイス。
  9. 前記第2のフィラメントは、複数の第2のフィラメントからなり、前記鞘は、前記複数の第2のフィラメントの各々の少なくとも一部を囲む請求項8に記載の修復デバイス。
  10. 前記鞘は、該鞘を長手方向に裂くための長手方向ストリップをさらに備える請求項8または9に記載の修復デバイス。
  11. 前記ストリップは、前記鞘内に埋め込まれた繊維からなる請求項10に記載の修復デバイス。
  12. 前記ストリップは、前記鞘の弱くなっている径方向の部分からなる請求項10に記載の修復デバイス。
  13. 前記ストリップは、前記鞘の一方の長手方向端部から延在する尾部からなる請求項10に記載の修復デバイス。
  14. 前記第1のフィラメントは複数の第1のフィラメントからなり、前記第2のフィラメントは、複数の第2のフィラメントからなり、前記複数の第1のフィラメントは2つのフィラメントからなり、前記複数の第2のフィラメントは2つのフィラメントからなる請求項8〜13のいずれか一項に記載の修復デバイス。
  15. 前記第1のフィラメントは複数の第1のフィラメントからなり、前記第2のフィラメントは、複数の第2のフィラメントからなり、前記複数の第1のフィラメントの個数および前記複数の第2のフィラメントの個数は同じである請求項8〜13のいずれか一項に記載の修復デバイス。
  16. 長手方向に延びる解剖学的特徴を他の解剖学的特徴に再付着するのを補助するための装置であって、
    第1の修復デバイスであって、第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を有する少なくとも1つの第1のフィラメントと、該第1のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針と、第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を有する少なくとも1つの第2のフィラメントとを備え、前記第1のフィラメントの第2の長手方向端部および前記第2のフィラメントの第2の長手方向端部は相互に取り付けられて、結合された第1のフィラメントおよび第2のフィラメントが、フィラメントの線形配列の終端となる端部を形成し、前記第2のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針さらに有する、第1の修復デバイスと、
    前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントを受容する中空チューブからなり、第1の端部と第2の端部とを有する、第1のカテーテルと
    前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントを第2の修復デバイスのフィラメントに結合するための修復デバイス・コネクタと、を備え、該コネクタは少なくとも1つの貫通孔を備え、該少なくとも1つの貫通孔は、前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記第2の修復デバイスのフィラメントを中に通すことができる第1の状態と、前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記第2の修復デバイスのフィラメントが中に固定される第2の状態とを有する、装置。
  17. 前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントを受容する中空チューブからなり、前記第1のカテーテルの第2の端部に結合する第1の端部と、第2の先細端部とを有する、第2のカテーテルをさらに備える請求項16に記載の装置。
  18. 前記第2のカテーテルの第2の先細端部は、折りたたみ可能である請求項17に記載の装置。
  19. 前記第2のカテーテルの第1の端部は、圧入によって前記第1のカテーテルの第2の端部に取り付けられる請求項17または18に記載の装置。
  20. 前記第2の修復デバイスは骨アンカーを含み、該骨アンカーは、骨アンカーを骨に取り付けて固定するための遠位端部と、骨アンカーに取り付けられ、かつ、骨アンカーから延びる第2の修復デバイスのフィラメントを有する近位端部とを有する請求項119のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記第1のフィラメントに取り付けられている針は、直針であり、前記第2のフィラメントに取り付けられている針は、湾曲した針である請求項16〜2のいずれか一項に記載の装置。
  22. 腱を他の解剖学的特徴に再付着するための装置であって、
    第1の修復デバイスであって、第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを有する少なくとも1つの第1のフィラメントと、該第1のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針と、第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を有する少なくとも1つの第2のフィラメントとを備え、前記第1のフィラメントの第2の長手方向端部および前記第2のフィラメントの第2の長手方向端部は相互に取り付けられて、結合された第1のフィラメントおよび第2のフィラメントが、フィラメントの線形配列の終端となる端部を形成し、前記第2のフィラメントの第1の長手方向端部に取り付けられた針を有する、第1の修復デバイスと、
    前記第1の修復デバイスを受容する中空チューブからなり、かつ、第1の端部と第2の端部とを有する、第1のカテーテルと、
    小さな長手方向端部と、該小さな長手方向端部が解剖学的通路の入口に隣接して配置され、かつ、側方向において中に挿入された前記解剖学的通路内に誘導されて通される解剖学的特徴を有する大きな長手方向端部とを有する、中空の分割された円錐台部材と
    前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントを第2の修復デバイスのフィラメントに結合するための修復デバイス・コネクタと、を備え、該コネクタは少なくとも1つの貫通孔を備え、該少なくとも1つの貫通孔は、前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記第2の修復デバイスのフィラメントを中に通すことができる第1の状態と、前記第1の修復デバイスの第1のフィラメントおよび前記第2の修復デバイスのフィラメントが中に固定される第2の状態とを有する、装置。
  23. 前記円錐台部材は、付勢されていない状態のときに完全な円錐台表面を形成し、柔軟であり、全長に沿って分割され、これにより、前記解剖学的特徴は、力を加えて前記円錐台部材を変形させ前記円錐台部材を前記分割部のところで広げることによって中に挿入される請求項2に記載の装置。
  24. 前記円錐台部材は、力を除去すると元の形状に戻るように弾力的に変形可能である請求項2に記載の装置。
  25. 前記円錐台部材は、完全な円錐台表面を形成せず、その表面内に側面開口部を備える請求項2〜2のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記円錐台部材は剛性を有する請求項2〜2のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記円錐台部材は金属から形成される請求項2〜2のいずれか一項に記載の装置。
  28. 前記円錐台部材はプラスチックから形成される請求項2〜2のいずれか一項に記載の装置。
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