JP5624975B2 - 検査画像品質評価システム、方法、プログラム、及びデジタイザ保証システム - Google Patents

検査画像品質評価システム、方法、プログラム、及びデジタイザ保証システム Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータ情報処理(デジタル画像データ処理)を用いて画像の品質を評価する技術に関する。特に、アナログ・デジタル変換手段であるデジタイザを用いて得られた対象物(被検査物)の画像の検査・診断等のために当該画像の品質(画質)を定量化・保証等する技術に関する。また特に、放射線検出装置を用いた放射線透過試験(非破壊検査)に使用する画像の品質を評価する技術に関する。
例えば原子力プラントの製造現場や医療の現場では、放射線透過試験(非破壊検査)・診断等が行われている。その際、従来は、放射線検出装置を用いて対象物に対して放射線を透過して得られたフィルム像(アナログ像)を対象(検査画像)として検査員により目視確認することにより不良部(欠陥・疾患等)などを判定・検出していた。
また近年では、フィルムスキャナやイメージングプレート等に代表される種々のデジタイザが開発されており、フィルム像(アナログ像)を元にデジタイザにより得られたデジタル像(画像データ)を対象とした人による目視検査・診断等へと移行してきている。デジタル像の目視検査は、操作性や保管・検索のしやすさ等の観点で優位である。
更に今後は、上記デジタル像を対象としたデータ処理(画像解析処理等)により、人の目視に頼らない自動的な検査・診断等が加速するものと考えられている。
ここで、上記のようなフィルム像からデジタル像による検査への移行で問題となるのが、アナログからデジタルへの変換に伴う画質(品質)の劣化である。デジタル像を用いることにより、従来のフィルム像の目視判定では検出できていた微小な欠陥などが検出できなくなる可能性がある。
このため、フィルム像に対するデジタル像の相対的な画質(品質)を定量化することにより、当該デジタル像が検査・診断等に値すべき画質(品質)であるかどうか、判定や保証や作業支援等が実現できる方式などの必要性が生じている。
例えば原子力プラントの配管の放射線透過試験(非破壊検査)に使用する対象の画像(検査画像)についての品質を評価・保証するために好適な方式(検査画像品質評価方法など)が求められている。
上記デジタル像の画質の定量化の手法としては、欧州規格(EN Standards) EN14096-1(非特許文献1)において記載されているように、フィルムスキャナのようなデジタイザの性能をMTF(Modulation Transfer Function)に基づいて評価する手法がある。また、EN14784-1(非特許文献2)において記載されているように、MTFとDuplex wire methodに基づいて、イメージングプレート(デジタイザ)とそれに付随する周辺機器・ソフトウェア等を包括したシステムを評価する手法がある。
しかしこれらの手法は、デジタル像自体の画質を絶対値で評価する手法であり、フィルム像に対するデジタル像の画質の相対値(相対的な画質)を定量化して出力することはできない。
また従来の手法では、デジタル像の画質(相対的な画質)の評価値について、実際に目視で検査を行う検査員の評価値(官能評価値)と整合する値(概略一致する値)を計算・出力することは困難である。
上記デジタル像の画質の検査・評価等に関する先行技術例としては、特開2000−46650号公報(特許文献1)、特開2004−298617公報(特許文献2)などがある。
特許文献1(「画質検査装置」)では、人間の視覚と近い画質判定ができる画質検査を自動的に行うこと、人間の視覚による官能検査と相関の取れる画質検査を自動的に行うこと、等が記載されている(要約参照)。
特許文献2(「放射線撮影システム」等)では、放射線撮影システムの検査において、画像の定量評価及び目視評価の両方を簡便かつ低コストで行うと共に、放射線撮影システムの不変性評価の精度を上げることができるファントム等を提供する、等と記載されている(要約参照)。
特開2000−46650号公報 特開2004−298617号公報
欧州規格 EN14096-1 欧州規格 EN14784-1 M.Mori,T.Kashiwa and Y.Aoki,2007,"Digital Image Evaluation method for Digital Radiography"ASME,ICONE18 Xi’an,China,Mat2010
上述の通り、アナログ像またはデジタル像の品質の評価の例である放射線検査・診断等は、人(目視検査員や医師等)による官能評価であることが多い。特に原子力プラントの配管の検査などにおいては、資格を持った検査員の判定(目視判定)が絶対である。
このため、前述のデジタイザによるデジタル像を用いた検査・診断等を行う場合、従来の対象であったフィルム像(アナログ像)に対してそのデジタル像がどの程度劣化しているかといったことを表す画質の相対値(相対的な画質の評価値)を自動的に計算(定量化)・出力することで、当該デジタル像が検査・診断等に値すべき品質であるかどうか、判定や保証や作業支援等が実現できることが求められている。
また特に、上記デジタル像の相対的な画質の評価値の自動的な計算・出力を行う場合、及び上記デジタル像を用いた自動的な検査・診断等を行う場合には、従来のフィルム像を対象とした人(検査員等)の目視判定の結果(官能評価値、目視感)と整合するような結果(評価値等)が得られることが好ましい。
以上を鑑み、本発明の主な目的は、上記デジタル画像を用いた品質評価・検査などの技術において、(1)アナログ像(フィルム像)に対するデジタル像の品質(画質)の相対的な評価値などを自動的に計算・出力することができる技術、(2)好ましくは、人の目視の評価値(目視感)と整合する評価値などを得ることができる技術、を提供することである。
これにより、当該デジタル像が検査・診断等に値すべき品質であるかどうか、判定や保証や作業支援等が実現できることである。関連して、上記デジタル画像(検査画像)を用いた自動的な検査・診断等を実現できること、特に目視検査の場合と整合するように不良部などを検出できること、デジタイザに関する性能の保証ができること、等である。
上記目的を達成するため、本発明のうち代表的な形態は、コンピュータの情報処理を用いてデジタル画像の品質を評価する処理を行う検査画像品質評価システム(対応する方法、プログラム等)であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
(0)本システムは、デジタイザなどで取得したデジタル画像(検査画像)の品質を評価する処理を行うシステムであって、アナログ像(フィルム像)に対するデジタル像の相対的な品質(画質)の評価値を、人(検査員)の目視の評価値と整合するように計算・出力する処理機能を有する。本システムは、対象となるデジタル画像(デジタル像)を入力する入力部と、前記デジタル画像から、前記デジタイザなどでデジタル化する前のアナログ画像(アナログ像)を推定し推定アナログ像データを得る処理を行うアナログ像推定部と、前記デジタル画像と推定アナログ画像から上記相対的な品質の評価値(H)を計算する処理部と、前記評価値(H)に関するレベル(L)を決定するための判定基準情報を、人による当該デジタル画像及び対応アナログ画像の目視の評価結果(評価値)を既知の評価値として設定または学習処理することにより生成する前処理部と、前記評価値(H)を前記判定基準情報と比較して前記レベル(L)を判定するレベル判定部と、上記検査画像(デジタル画像または推定アナログ画像)を用いて自動的に欠陥の検出などの検査処理を行う検査部と、上記画像データ、評価値(H)、レベル(L)、検査結果情報などを人(検査員)に対し出力処理する出力部と、を有する。
前記評価値計算部は、詳しくは、前記デジタル画像と推定アナログ画像とを周波数空間で比較して比較値を得る比較部と、前記デジタル画像から品質や特徴を表す1つ以上の特徴量を抽出する特徴抽出部と、前記特徴量と前記周波数空間上の比較値とを統合して、前記デジタル画像の推定アナログ画像に対する相対的な品質の評価値(H)を算出する評価値定量化部とを有する。上記構成により、人の目視感と整合する評価値(H)、レベル(L)を得る。
(1)第1方式: 本システムは、検査等の対象となるデジタル画像のデータを入力する手段と、上記デジタル画像のデータから、デジタル化される前のフィルム像(アナログ像)を推定して当該推定アナログ画像のデータを得る処理を行う手段と、上記デジタル画像と上記推定アナログ画像とを周波数空間上で比較(例えば差分演算)することにより、アナログ像からデジタル像への劣化の度合いを定量化した相対的な品質の評価値(H)を計算する手段と、上記評価値(H)のデータ情報を人に対し出力する手段と、を有する。上記検査画像は、例えば欠陥などの不良部を検出するために放射線検出装置及びデジタイザにより取得されるデジタル画像である。
(2)また本システムは、上記品質の評価値(H)についてのレベル(L)、即ち検査等にあたり人の目視感に基づく判定基準に照らしてどの程度信頼できる値であるかを表すレベル(L)を計算する手段と、当該レベル(L)のデータ情報を人に対し出力する手段と、を有する。上記レベル(L)を計算する手段は、上記評価値(H)を判定基準情報(人の目視感に基づく設定情報)と比較することによりレベル(L)を判定する。
(3)また特に、上記評価値(H)の計算手段は、前記デジタル画像から、例えば分解能,コントラスト,ノイズ周波数などの複数の種類の画質の特徴量を抽出する処理を行う手段と、上記複数の各々の特徴量に重み(係数)をつけて加算することにより1つの統合指標値を算出し、当該統合指標値と、前記デジタル画像と推定アナログ画像との周波数空間上の比較結果とを統合して、前記品質の評価値(H)として算出する処理を行う手段とを有する。
(4)また、人の目視の評価値と整合するような評価値(H)、レベル(L)を得る手段として、人の目視の評価値を反映した判定基準情報を得る前処理部を有する。前処理部は、例えば、人による目視の評価値を事前に判定基準情報として設定する。あるいは、前処理部は、人による目視の評価値を教師情報として学習処理により判定基準情報を生成(更新)する。特に、評価値(H)が人の目視の評価値と整合するような回帰式を事前に決定する学習処理を行うことにより判定基準情報を算出する学習部を有する。前処理部は、例えば、複数のデジタル画像及び対応する複数のアナログ画像と、それらに対する人の目視による評価値とのセットを事前に教師情報として入力する。学習部は、上記セット(教師情報)の入力から、レベル(L)の判定のための判定基準情報を生成する。また前処理部は、例えば上記セットを用いて、前記統合指標値を算出する場合の各々の特徴量の重み(係数)を事前に算出・設定する。
(5)第2方式: 本システムは、第2方式の検査画像品質評価処理を行う第2方式処理部を有する。第2方式処理部は、デジタル画像(検査画像)を入力する処理と、デジタル画像から1つ以上の特徴量を抽出して品質評価値(H)(特に統合指標値)を計算する処理と、上記品質評価値(H)及び判定基準情報からレベル(L)を決定する処理と、レベル(L)情報を出力する処理と、を行う。
(6)デジタイザ保証方式: 本システムは、デジタイザの性能(アナログからデジタルへの変換に係わる画質の劣化の度合い)を評価し保証する処理を行うデジタイザ保証部を有する。デジタイザ保証部は、デジタイザによるデジタル画像を入力する処理と、デジタイザの性能を評価するための評価パターン画像データを入力する処理と、上記デジタル画像からデジタイザによってデジタル化する前のアナログ像を推定する処理と、前記評価パターンデータを用いた人の目視の評価値を入力する処理と、上記デジタル画像と推定アナログ画像とを周波数空間上で比較することによりアナログ像に対するデジタル画像の相対的な品質の評価値(H)を計算する処理と、当該評価値(H)を判定基準情報と比較することにより評価値(H)のレベル(L)を計算し、当該計算した値(H,L)に基づき、デジタイザによる画質の劣化度合いを推定し、性能の良否を表す指標値を決定する処理と、上記性能の良否を表す指標値を含む結果情報を人に対し出力する処理とを行う。
本発明のうち代表的な形態によれば、上記デジタル画像を用いた品質評価・検査などの技術において、(1)アナログ像に対するデジタル像の品質の相対的な評価値などを自動的に計算・出力することができる。(2)好ましくは、人の目視の評価値(目視感)と整合する評価値などを得ることができる。
これにより、当該デジタル像が検査・診断等に値すべき品質であるかどうか、判定や保証や作業支援等が実現できる。関連して、上記デジタル画像(検査画像)を用いた自動的な検査・診断等を実現でき、特に目視検査の場合と整合するように不良部などを検出でき、デジタイザに関する性能の保証ができる。
本発明の一実施の形態のシステム(検査画像品質評価システムを含んで成るシステム)の全体構成を示す図である。 アナログ像に対するデジタル像の画質の定量化の概念を示す図である。 一般的な画像劣化モデルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1(第1方式)における画像品質評価処理を示す図である。 実施の形態1におけるノイズ除去処理の一例を示す図である。 点像広がり関数(PSF)と画像劣化の関係を示す図である。 実施の形態1における点像広がり関数(PSF)逆変換によるアナログ像推定処理の一例を示す図である。 実施の形態1におけるパワースペクトルの比較処理の一例を示す図である。 実施の形態1における目視感と整合する値(H,L)の計算処理の一例を示す図である。 実施の形態1におけるデジタル画像のレベル(L)を決定する処理の一例を示す図である。 実施の形態1における前処理部による判定基準の設定処理の一例を示す図である。 実施の形態1における検査部による検査処理の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2(第2方式)における、品質レベル決定処理の例を示す図である。 本発明の実施の形態3のシステムにおける、デジタイザ保証処理の一例を示す図である。 従来技術における放射線検査(アナログ像の目視検査)の基本的な流れを示す図である。
以下、本発明の実施の形態(検査画像品質評価システムなど)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下の実施の形態では、対象として、放射線透過による欠陥検査及びそのデジタル画像を例に説明する。
実施の形態1(図1〜図12)では、第1方式の検査画像評価処理を行う。第1方式では、デジタル像からのアナログ像の推定処理を含む。実施の形態1の処理では、デジタル像(検査画像)の入力、デジタル像の品質の評価値(H)及びそのレベル値(L)の自動的な計算、その結果情報の出力処理、検査画像からの欠陥検出を含む検査処理などを行う。
実施の形態2(図13)では、第2方式(特に欧州の規格に対応した方式)の検査画像評価処理を行う。第2方式では、第1方式と共通する考え方の処理を含みつつ、デジタル像からのアナログ像の推定処理を含まずに、デジタル像の品質の評価値(H)及びそのレベル値(L)の自動的な計算などを行う。
実施の形態3(図14)のデジタイザ保証方式(システム)では、実施の形態1と同様の考え方での評価値(H)やレベル値(L)の計算処理などを用いつつ、デジタイザの性能を保証するための処理を行う。なお実施の形態1では、推定や評価の対象は、アナログ信号源とデジタイザとを含んだ広く不特定な範囲となる。それに対し、実施の形態3では、推定や評価の対象は、実施の形態1よりも限定された、デジタイザの部分となる。
<従来方式(アナログ像の目視判定)>
図15は、前提技術として、従来方式であるアナログ像の目視検査(目視判定)を行う場合の放射線検査の基本的な流れ(概念)を示している。放射線検出装置901と、現像部902と、目視検査部903とを有する。
放射線検出装置901では、放射線源921から放射線を対象(検査対象物)922に照射し、透過された結果(強度分布)を、検出部923(放射線専用のフィルム)で検出する。検出部923で得られた出力(透過像)を、現像部902でアナログ像(フィルム像)A1として現像する。そして、現像後のアナログ像(フィルム像)A1を対象として、目視検査部903で検査員(U)により目視判定(目視検査)を行う。これによりアナログ像(フィルム像)A1から欠陥部などが検出される。
また、デジタル像を対象として目視判定する形態の場合は、例えば現像部902からのアナログ像(フィルム像)A1をフィルムスキャナ等(デジタイザ)でデジタル化したデジタル像を得る。そして目視検査部903で検査員(U)により当該デジタル像を対象とした目視判定を行う。
近年、工業製品の非破壊検査、医療現場でのレントゲン診断など、放射線による検査を行う現場では、上記放射線検出装置901の検出部923は、イメージングプレートなどのデジタイザにとって代わり、デジタイザにより検査画像として直接的にデジタル画像を得ることができるようになってきた。このデジタル画像を対象に目視検査を行う場合、現像部902が不要となる。同時に今後は、目視検査部903での人による目視判定が、コンピュータの画像データ処理による自動検査・診断等に置き換わることが想定される。
一方、デジタイザを用いたデジタル画像による検査では、従来のフィルム像(アナログ像)に比べてデータ画像の画質が劣化する可能性がある。このため、例えばフィルム像による目視検査からデジタル画像による自動検査へ移行するためには、フィルム像に対するデジタル画像の相対的な画質を定量化し、デジタイザより得られるデジタル画像が、検査等を行う上で必要な品質を保っているかどうかを定量的に評価・保証する必要がある。
<実施の形態1>
図1〜図12を用いて、本発明の実施の形態1の検査画像品質評価システム、及び対応する検査画像品質評価方法などについて説明する。
[システム]
図1で、実施の形態1のシステムの全体構成例、及び検査の基本的な流れなどを示している。なお図1のシステムでは、従来のアナログ像やデジタル像の目視検査の構成や、後述の実施の形態2,3のシステムの機能をも統合したシステム形態(即ち各種の方式の検査が可能な形態)を示しているが、これらは適宜分離した形態が可能である。
本システム全体は、放射線検出装置(放射線検査装置)101と、現像装置102と、デジタイザ(イメージングプレート)103と、フィルムスキャナ104と、目視検査部105と、PC(検査装置)1とが接続される構成である。
PC(検査装置)1は、検査SW(ソフトウェア)10を有し、そのソフトウェアプログラム処理により、図1や図4以降に示すような、検査画像品質評価処理、及び自動検査処理などの機能を提供する。PC1は、プロセッサ、メモリ、ディスク、入力装置、出力装置、通信インタフェース装置、バスなどの公知の要素で構成される。例えばプロセッサはディスクから本実施の形態のプログラムをメモリにロードして実行することにより検査SW10を実現する。
図1のシステムでは、検査方式として、(1)アナログ像A1の目視検査(従来技術)と、(2)デジタル像D1,D2の目視検査(従来技術)と、(3)本検査装置1によるデジタル像D1,D2の自動検査と、が可能である。なおデジタイザとして特にイメージングプレート(103)の場合で説明するが、フィルムスキャナ104等の他の手段の場合でも同様である。
放射線検出装置101は、図15の放射線検出装置901を、デジタル対応に置き換えた構成であり、デジタイザ103に接続される。現像装置102は、図15の現像部902と同様であり、放射線検出結果からフィルム像(アナログ像)A1を得る。デジタイザ(イメージングプレート)103は、放射線検出装置101に応じたイメージングプレートであり、放射線検出結果からアナログ・デジタル変換によりデジタル像(データ)D1を得る。なお103は放射線検出装置101内の検出部として構成されてもよい。フィルムスキャナ104は、現像装置102に対応したデジタイザの例であり、フィルム像(アナログ像)A1を入力しアナログ・デジタル変換によりデジタル像(データ)D2を得る。目視検査部105は、図15の目視検査部903と同様であり、アナログ像A1やデジタル像D1,D2を対象(検査画像)として検査員(U)の目視判定による検査を行う場合に使用する。
検査装置1の検査SW10は、図示する各処理部(プログラムモジュール等)により各データ情報を処理する。主な処理部として、入力部11、アナログ像推定部12、評価値(H)計算部13、レベル(L)計算部14、設定部15、出力部(表示部)16、検査部(欠陥検出部)17、第2方式処理部18(実施の形態2の機能)、デジタイザ保証部19(実施の形態3の機能)などを備える。また主な処理部を構成する副次的な処理部として、ノイズ除去部21、逆変換部22、FFT部23、比較部24、特徴抽出部25、評価値(H)定量化部26、レベル(L)判定部27、前処理部28、学習部29などを有する。記憶部に管理される各データ情報として、デジタル画像データ(GD)31、推定アナログ画像データ(GA)32、周波数スペクトルデータ33、品質評価値(H)34、品質レベル値(L)35、判定基準情報36、評価パターンデータ37、検出欠陥情報38、教師情報39などを有する。
入力部11は、検査装置1の外部から、デジタル像D1,D2等に対応する、検査対象のデジタル画像データ(GA)31を入力・取得する処理を行う。
アナログ像推定部12は、デジタル画像データ(GA)31から、元のアナログ画像を推定する処理を行い、推定アナログ画像データ(GA)32を得る。
評価値(H)計算部13は、デジタル画像データ(GA)31と推定アナログ画像データ(GA)32とを用いて、検査対象のアナログ画像からデジタル画像への変換に係わる相対的な品質の評価値(H)を計算する処理を行う。言い換えると、H計算部13は、アナログ像(GA)に対するデジタル像(GD)の画質の劣化度合いを評価し定量化した値(H)を求める。H計算部13は、詳しくは、比較部24、特徴抽出部25、H定量化部26などを用いて実現される。
レベル(L)計算部14は、H計算部13により得た対象画像の品質評価値(H)に関する品質レベル(L)を計算する処理を行う。L計算部14は、詳しくは、レベル(L)判定部27、前処理部28などを用いて実現される。
品質レベル(L)は、本システム(H計算部13)で自動的に求めた品質評価値(H)に関するレベル判定値であり、検査員(U)の目視評価値(目視感)を反映した判定基準(36)に照らしたとき、どの程度信頼できるか(当該デジタル像が検査に値すべき品質かどうか)を表す値である。なお評価値(H)やレベル(L)は説明上の呼称であるため適宜言い換え可能である。
設定部15は、本システムでの設定情報を検査装置1の表示画面で検査員(U)により入力・設定可能とする処理を行う。特に、設定部15は、前処理部28での判定基準情報36またはその生成のための教師情報39などを入力・設定可能である。
出力部(表示部)16は、本検査SW10での各種データ情報や処理結果情報などを検査装置1の画面に表示して検査員(U)により確認可能とするといった出力処理を行う。
検査部(欠陥検出部)17は、検査対象の画像データ(GDまたはGA)から、欠陥などの不良部を自動的に検出してその検出欠陥情報38を得る処理を行う。特に、検査部17は、推定アナログ画像データ(GA)を対象として検査処理を行うことができ、これにより検査の高感度化を可能とする。検出欠陥情報38は、例えば対象画像データから公知の画像解析処理等により検出された欠陥領域・座標などの情報である。
第2方式処理部18は、実施の形態2の機能に対応し、デジタル画像から元のアナログ画像を推定せずに、評価値(H)及びレベル(L)などを計算する、第2方式での処理を行う。
実施の形態2では、特に、複数の特徴量(特徴抽出部25で算出した値)から統合指標値として品質評価値(H0)を求め、当該統合指標値(H0)及び判定基準情報36から品質レベル(L)を決定する。また、第2方式処理部18(または設定部15)は、統合指標値(H0)の計算で用いる重み値などを設定する機能も含む。
デジタイザ保証部19は、実施の形態3の機能に対応し、上記各処理部、及び評価パターンデータ37を用いて、デジタイザ103の性能(アナログ・デジタル変換での劣化度合いを示す)を、前述の評価値(H)及びレベル(L)の相当値を用いて計算(評価)し、当該性能を示す値(情報)を検査員(U)に対し表示する。これにより、検査員(U)によりデジタイザ103の性能の良否を容易に判定・確認可能としてデジタイザ103の性能を保証する。
ノイズ除去部21は、デジタル画像データ(GD)から、ノイズを除去する処理を行う(後述、図5等)。
逆変換部22は、ノイズ除去後のデジタル画像データ(GD’)から、劣化モデル(図3)に基づく逆演算(点像広がり関数(PSF)逆変換処理、デコンボリューション処理)により、デジタル画像の元のアナログ画像を推定して、復元画像に相当する推定アナログ画像データ(GA)を得る処理を行う。
FFT部23は、FFT(高速フーリエ変換)処理を行い、周波数スペクトル(パワースペクトル)データ33を得る処理を行う。
比較部24は、評価値(H)の算出のために、デジタル画像データ(GD)の周波数スペクトルデータ(33D)と推定アナログ画像データ(GA)の周波数スペクトルデータ(33A)とを比較(例えば差分演算)する処理を行い(図4,図8等)、その比較値を得る。例えば、差分演算として、最大周波数の差、差の割合の平均値、などを算出する。
特徴抽出部25は、評価値(H)の算出のために、デジタル画像データ(GD)及び推定アナログ画像データ(GA)から、1つ以上の種類の特徴量を抽出する処理を行う(図図10等)。特徴量の種類としては、例えば、パワースペクトルの高周波成分、分散値などや、分解能、コントラスト、ノイズ周波数などがある。
評価値(H)定量化部26は、比較部24の結果(比較値)や、特徴抽出部25の結果(特徴量)を用いて、最終的な品質評価値(H)を定量化する処理を行い、品質評価値(H)34のデータ情報として得る(図8等)。例えば、評価値(H)定量化部26は、特徴量と周波数スペクトル空間上の比較値を統合した品質評価値(H)を算出する。例えば、評価値(H)定量化部26は、複数の種類の特徴量(ないし品質評価値)とそれぞれの重み値を用いて統合指標値を算出して品質評価値(H)とする(図10等)。
レベル(L)判定部27は、品質評価値(H)ないし特徴量と、判定基準情報36とを比較することで、品質レベル(L)を判定(決定)する処理を行い、品質レベル値(L)35のデータ情報として得る(図9,図10等)。
前処理部28は、前処理(検査や評価よりも事前の処理)により、判定基準情報36(品質レベル(L)の判定のための情報)を得る処理を行う(図11等)。特に、前処理部28は、学習部29を用いて、検査員(U)の目視による評価結果(官能評価値)を既知の評価値として学習させることにより、判定基準情報36を生成する。例えば前処理として、検査員(U)により判定基準情報36を事前に入力・設定することができる。また例えば前処理として、学習部29で教師あり学習処理により判定基準情報36を生成するための情報(学習用の教師情報39)を設定することができる。学習用の教師情報39として、例えば、対応するアナログ画像とデジタル画像の組と、それらを対象とした検査員の目視判定による品質評価値・レベル値と、のセットのデータ情報を設定できる。
学習部29は、品質評価値(H)と、上記セットのデータ情報(学習用の教師情報39)とを用いて、教師あり学習処理を行い、判定基準情報36を生成(更新)する処理を行う。学習処理は、例えば、回帰式(回帰分析)や、SVM(Support Vector Machine)などの手法を適用可能である。本システムでは、上記セット(学習用の教師情報39)をもとに生成/設定される判定基準情報36として、検査員(U)の目視判定による品質評価値(官能評価値)を反映させる形としている。したがって、本システムで自動的に計算される評価値(H)及びレベル(L)について、人の目視感と整合した値を得ることができる。
[アナログ像に対するデジタル像の画質の定量化]
図2は、本発明(実施の形態)で用いる、アナログ像(フィルム像)に対するデジタル像の画質の定量化の概念について示す。201はアナログ像(フィルム像)である(例えば図1のA1対応)。202は対応するデジタル画像である(例えばD1対応)。フィルム像201に対し、デジタル化の後であるデジタル画像202は、解像度が低下するなどの劣化が生じていると仮定する。203,204は、アナログ像201、デジタル画像202をそれぞれフーリエ変換(FFT)して得られたパワースペクトル(周波数スペクトル)である。上記劣化などが生じている場合、デジタル画像は高周波成分が落ちるため、両者のパワースペクトル203,204を比較(205)することで、アナログ側の203に比べてデジタル側の204の高周波成分がどれだけ減少したかによって定量化が可能となる。
しかし、現実には、フィルム像201に対してデジタル処理をしてパワースペクトル203を得ることはできない。これに対し、本発明(実施の形態)では、デジタル画像202(GD)から劣化(デジタル化)前のアナログ像201(GA)を推定する処理を行う(アナログ像推定部12)。当該推定したアナログ像(GA)からは、デジタル処理をしてパワースペクトル203(33A)を得ることができる。そして、当該推定アナログ像(GA)とデジタル画像(GD)とを周波数空間(パワースペクトル)で比較(205)することにより(比較部24)、アナログ像(GA)に対するデジタル画像(GD)の相対的な品質(画質)を定量化し(H定量化部26)、品質評価値(H)を算出する(H計算部13)。品質評価値(H)の例としては、解像度○%、輝度分解能○%、最小欠陥検出サイズ○%等化といった、アナログ像を100%としたときの画質を表す特徴の比率や、検出可能な最小欠陥サイズの比率などがある。
[一般的な劣化モデル]
図3(a)は、画像の一般的な劣化モデルを示す。300は、例として2つの楕円形のパターンが撮像されたアナログ像である。301は、アナログ像300のa−b上の断面輝度波形である。302は、アナログ像300がデジタル化される際の劣化の例(点像広がり関数変換)を示す。302において、アナログ像300に対し点像広がり関数(PSF)313が畳み込まれること(311)により、点像のボケが生じ、さらにノイズ314が加算(312)される。305は、劣化(302)の後のデジタル像であり、306がその断面輝度波形である。デジタル像305はアナログ像300に比べて解像度が下がっていることを示す。
そこで、本発明(実施の形態)では、図3(b)に示すように、上記デジタル画像(GD)について、上記劣化モデル(図3(a))の逆演算(PSF逆変換(S14))により、アナログ像(GA)を推定する(アナログ像推定部12)。
図3(a)の演算モデル(劣化モデル)をまとめると、[アナログ画像]*[PSF]+[ノイズ]→[デジタル画像]である。*(311)は畳み込み(コンボリューション)を示す。PSFは点像広がり関数の略である。図3(b)の逆演算モデル(アナログ像推定モデル)をまとめると、([デジタル画像]−[ノイズ])*[逆PSF]→[推定アナログ画像(GA)]である。
[第1方式:品質評価値(H)計算]
図4は、実施の形態1(第1方式)における評価値(H)計算部13の処理として、図2の画質定量化モデル及び図3(b)のアナログ像推定モデルに基づく、デジタル画像(GD)の相対的な画質の評価処理の手順を示す(S11等は手順などに対応する)。
S11は、入力部11により得られたデジタル画像データ(GD)である。S11のデジタル画像(GD)を入力として、まずS12でノイズ除去部21によるノイズ除去処理を行う。これによりS13でノイズが除去された画像データ(GD’)を得る。次にS14で、ノイズ除去後の画像(GD’)を入力として、点像広がり関数(PSF)の逆変換処理(デコンボリューション処理)を逆変換部22により行う。これによりS15で、推定アナログ画像データ(GA)(劣化の無い復元画像)を得る。S13〜S15の処理はアナログ像推定部12の処理(逆変換部22の処理を含む)である。
S16,S17では、S11のデジタル画像(GD)と、S15の推定アナログ画像(GA)との各々をフーリエ変換(FFT)処理する(FFT部23の処理)。S18の33Dはデジタル画像(GD)より得られたパワースペクトル、S19の33Aは、推定アナログ画像(GA)より得られたパワースペクトルである(周波数スペクトルデータ33対応)。そしてS20では、これらのパワースペクトル33D,33Aを比較部24で比較処理することにより、デジタル画像(GD)の相対的な画質を定量化し、品質評価値(H)を得る(H定量化部26の処理)。
S20の比較(定量化)の一例としては、アナログ側のパワースペクトル33Aの高周波成分に対してデジタル側のパワースペクトル33Dの高周波成分がどこまでカットされたかで評価する。または、それぞれのパワースペクトルの分散値(各周波数に対するパワーの分散値)の比で評価する。更には、その両者の重み付き線形和で評価してもよい。いずれにせよ、パワースペクトル(33)から1つ以上の特徴量を算出し(特徴抽出部25の処理)、それらを統合した値で評価することで、最終的な品質評価値(H)を得る。算出された品質評価値(H)を含む情報は出力部16により出力処理される。
[ノイズ除去]
図5は、S12のノイズ除去部21によるノイズ除去処理の例を示す。ここではノイズとしては白色ノイズを仮定している。図5(a)で、500はノイズの無い画像のパワースペクトル、501は白色ノイズのパワースペクトルである。白色ノイズのパワースペクトルは全周波数領域で一定となる。502は白色ノイズ(501)が付加(加算)された画像のパワースペクトルである。501のノイズ成分の分だけ、全周波数領域でオフセットが加算される。従って、白色ノイズを除去するためには、そのオフセット量を減算すればよい。
図5(b)で、ノイズを除去したい対象の画像503(GD)に対し、S12のノイズ除去の手順では、まずS501でフーリエ変換(FFT)処理し(FFT部23)、パワースペクトルを得る。そしてS502で、全周波数領域から一定のパワー(設定値511)を減算し、ノイズの除去された画像504(GD’)を得る。ここで、511として減算するオフセット量は、ある程度、ノイズがモデル化可能であれば事前にセットしておく。不明な場合は、得られたパワースペクトルから下位N%の値をオフセット値とする等、統計的に求めてもよい。また、ノイズとしては上記の白色ノイズに限定する必要は無く、画像取得時の特性によりそのモデルが既知であれば、その部分を除去すればよい。
[アナログ像推定]
以上(図5)の通りにノイズを除去した後、本発明(実施の形態)では、画像の劣化度を推定し、画像(アナログ像)を復元(推定)する(アナログ像推定部21)。ここでは、画像劣化(ボケ)の要因となる点像広がり関数(PSF)をガウス関数と仮定する。画像の劣化は、下記の式1の通り、平均0、分散σの2次元ガウス関数が畳み込まれることによって生じる。
ただし、式1におけるf(x,y)は劣化前の画像、G(x,y)は2次元ガウス関数(下記の式2)である。
ここで、上記のσが大きいほど、入力画像f(x,y)の解像度劣化は激しくなる。また、劣化が激しくなるほど、そのパワースペクトルは高周波成分が落ちることになる。
図6は、その作用(PSFと画像劣化の関係)を示す。第1ケースにおいて、601は、入力画像である劣化前の画像(f(x,y))、602は、分散σ1の点像広がり関数(PSF)(式2)、603は、劣化後の画像(F(x,y))、604は、劣化後の画像(603)のフーリエ変換(FFT)後のパワースペクトル(分散V1)である。同様に、第2ケースにおいて、605は、分散σ2の点像広がり関数(PSF)、606は、劣化後の画像(F(x,y))、607は、劣化後の画像(606)のフーリエ変換(FFT)後のパワースペクトル(分散V2)である。
σ1≪σ2の場合(σ1よりもσ2の方がずっと大きい)、入力画像601に対し、劣化は603よりも606の方が大きく、パワースペクトルの分散は、反対にV1≫V2となることを示している。
これらのこと(第1、第2ケース)から、608に示すような関係式が成り立つ。すなわち、横軸をPSFの分散σi、縦軸をPSFにより劣化した画像のパワースペクトルの分散Viとすると、Viはσiが大きくなるにつれて減少する。この関係式(608)を算出することで劣化後画像(デジタル画像(GD))から劣化前画像(アナログ画像(GA))を復元(推定)することが可能となる。例えば、Viとσiが線形の関係にあれば、下記の(式3)の係数a,bを決定する。
上記の係数a,bは、シミュレーションをベースに求めてもよいし、事例(実際に何点かのPSFとそれにより得られる劣化後画像のパワースペクトルの関係から算出する等)により求めてもよい。
[PSF逆変換によるアナログ像推定]
図7は、アナログ像推定部12(逆変換部22)の処理として、図4のS14の点像広がり関数(PSF)逆変換によるアナログ像推定(画像復元)処理の例を示す。上述の通り、点像広がり関数(PSF)はガウス関数を仮定する。700は、復元対象となるデジタル画像(GD’)である。アナログ像推定部12(逆変換部22)では、700(GD’)に対し、まずS701でフーリエ変換(FFT)処理し(FFT部23)、パワースペクトルを得る。次にS702でパワースペクトルの分散を抽出する。分散、即ち周波数成分の広がりを抽出することで、画像700(GD’)の劣化の度合いを得る。分散の演算方法の例として、下記の式4のVを求める。
なお式4で、ω:各周波数、μ:平均周波数、Sx(ω):各周波数ωのパワースペクトルである。
12(22)は、上記分散Vを、x方向、y方向の周波数それぞれより算出し、その二乗和をパワースペクトルの分散とする。本演算は、周波数成分の広がりを表す要素の一例であって、他の演算方法で定義してもよい。
次にS703で、12(22)は、上記抽出された分散値に応じて、点像広がり関数(PSF)を算出する。実際にはPSFをガウス関数と仮定しているので、そのσを算出すればよい。
このPSFの算出方法の一例としては、S705に示す事前のキャリブレーションがある。例えば、基準のゲージ(評価パターンデータ37)などを対象として撮像した画像に対し、σの大きさをいくつか変えたσ1,σ2,……のガウス関数を畳み込み、そのパワースペクトルV1,V2,……を得る。これらを図6の608のように関数にあてはめて関係式を推定しておく。12(22)は、このような事前のキャリブレーション(S705)により推定した関係式(608)を用いて、点像広がり関数(PSF)のσを算出する。そして、12(22)は、そのσを用いて、S704で、畳み込み(PSF)の逆変換を行うことにより、復元画像である推定アナログ画像データ701(GA)を得る。
以上のように、白色ノイズを仮定したノイズの除去(図5)と、ガウス関数を仮定した点像広がり関数(PSF)の推定(図7)により、アナログ像(GA)を推定する。なお上記のアナログ像の推定の手法に限らず、他の手法の組み合わせであっても構わない。例えば、基本的なデコンボリューション法として、ヤコビ法、フーリエ変換法などを用いてもよい。評価したいデジタル画像からアナログ像を推定するアプローチをとり、それらを比較することでデジタル画像の品質を定量化することが本発明の範囲である。
[比較処理]
次に、図8を用いて、比較部24を用いたデジタル画像(GD)と推定アナログ像(GA)との比較処理(図1のS20)の一例を説明する。図1のS20では、両画像(GD,GA)のパワースペクトル(33D,33A)の違いによって、アナログ像に対するデジタル像の劣化度合いを評価している。
図8で、800は上述の通りデジタル画像(GD)から推定したアナログ像(GA)を示す。801はデジタル画像(GD)を示す。802(33A),803(33D)は、800(GA),801(GD)の画像をそれぞれフーリエ変換(FFT)処理し(S17,S16)、得られたパワースペクトルである。これら(802,803)に対し、S801の比較部24の処理において、まずS801の差分演算で差分(比較値)804を求める。そしてS802で、H定量化部26の処理により、差分(比較値)804から、アナログ像(GA)に対するデジタル画像(GD)の品質評価値(H)(最終的には1つ。例えば後述の統合指標値H0)を算出する。なおここで、手法(機能)に応じて、評価値(H)は、1つに限らず、2つ以上、算出することができる(2つ以上を算出する場合、区別のため、特徴量と称する)。
評価値(H)の算出方法の一例として、下記の式5の通り、最大周波数の差である。
評価値(H)の別の算出方法の例として、下記の式6の通り、アナログ像に対する、差の割合の平均値である。
式5,式6の評価値(H)の算出例のいずれかでもよいし、両者を統合して算出してもよい。また別の品質評価値を算出してもよい。
ここで、これらの評価値(H)は、従来は目視検査の対象となるフィルム像に対するデジタル画像の品質の劣化度である(本実施の形態ではGAに対するGDの劣化度)。このため、この劣化度(評価値H)であれば当該画像の検査を行う上で問題無いといったことを確認するためのレベル(L)(その判定)については、用途などに応じて検査員(U)の目視判定による評価値・レベルと整合させる必要がある場合もある。この整合が必要な場合(用途)に対応して、本発明(実施の形態)では、以下に詳述するように、検査員(U)の目視感と整合する評価値(H)・レベル(L)を計算・出力することが可能な構成である。
[目視感と整合する値(H,L)の計算処理]
図9は、更に、H計算部13、L計算部14などによる処理として、前述のデジタル画像(GD)から計算される品質評価値(H)についての品質レベル(L)の判定について、検査員(U)の目視感と整合するように値(L)を決定する処理の流れを示す。
S900で、H計算部13(H定量化部26または特徴抽出部25)は、図4等の例に従い、入力のデジタル画像(GD)をもとに、1つ以上の品質評価値(H)ないし特徴量を算出する。例えば、まず評価対象のデジタル画像(GD)が入力されると、H定量化部26または特徴抽出部25では、アナログ像を推定するために、ノイズを除去し(前記S12)、ノイズ除去後のデジタル画像(GD’)について、点像広がり関数(PSF)の推定と逆変換の処理によりアナログ像(GA)を推定する(前記S14)。次に、推定アナログ像(GA)に対するデジタル像(GD)の品質評価値(H)を、両者のフーリエ変換(FFT)後のパワースペクトルの比較により算出する(前記S20)。この評価値Hはデジタル画像(GD)の特徴量を示す。ここでは、複数の特徴量を1つの値に統合したものを評価値Hと称す。
S901では、L計算部14(L判定部27)は、上記の評価値H(特徴量)を、事前に設定してある判定基準(36)と比較し、S902で、当該判定基準(36)に基づいて、デジタル画像(GD)の評価値HについてのレベルLを決定(判定)する。検査員(U)は、出力部16により出力処理される上記結果情報(H,L)を参照して、品質判定(当該デジタル画像(GD)を検査に用いて問題無いかといった判断・確認)をすることができる。評価値Hは上述の通り、画像の品質を示す特徴量(計算値)そのものであり、品質(L)は評価値をより粗く量子化した値であり、検査員の目視感との整合が可能な値、すなわち、人間の評価分解能と同程度の値となる。一例としては、OK・NGのように2値であってもいいし、悪・普・良のように3値でもいいし、レベル1・レベル2・レベル3……といった多値であってもいい。
[レベル判定処理]
図10は、上述のレベル(L)判定等に関する具体的な概念・処理例を示す。なおここおでは評価値(H)として複数の特徴量(例:2種類:A,B)を抽出して統合評価値(0)を計算してレベルLを判定する場合で説明するが、1つの評価値(特徴量)を対象としてレベルLを判定する形も可能である。
図10で、1000は、ある撮像条件で撮像して得られたデジタル画像(GD)である。このような画像(GD)(1000)がH計算部13(H定量化部26または特徴抽出部25)に入力されると、まず当該画像の各々について品質評価値Hを算出する。ここでは、特徴抽出部25により、2つの異なる種類の評価値(特徴量)A,B(例えば、パワースペクトルの分散値やMTF値など)を算出する。
一方、前処理部28において、事前に、画像(GD)(複数枚)に関する検査員(U)の目視による評価値に基づく判定基準(36)を決定(設定)しておく。
1002は、上記2つの評価値(特徴量A,B)に基づいて決定した判定基準(36)の例を示す。特徴量A,Bを軸とする2次元の特徴空間において、各レベル(L)の取り得る範囲が判定基準情報36(例えば閾値の直線)として設定されている。
本例では、IF 「ThA1<A≦ThA2」 AND 「ThB1<B≦ThB2」 THEN Level1、といったように、閾値(ThA1等)でレベルL(例えばLevel1,Level2,……等)の範囲が決定可能となるように、各レベルLの範囲を、各軸に平行になるように矩形で区切った判定基準(36)を示している。そして、この各レベルLの範囲が設定された特徴空間上で、デジタル画像(GD)1000から算出した評価値(特徴量A,B)がどこに位置するかによって、1000のレベルLを決定する(レベル判定部27、図9のS902、図10の1003)。
1002では、デジタル画像(GD)1000から算出した評価値(A,B)が例えばLevel3の領域内に位置することを示しており、この場合、レベルLがLevel3に決定される(1003)。
上記例では、判定基準(36)を特徴軸に平行な直線で区切った矩形領域で示したが、特徴軸に対して傾きをもった直線で区切ることも可能である。また直線ではなく、特徴空間上で各評価値の領域を曲線で区切ることも可能である。また、領域の設定は、設定部15の処理で、IF 「ThA1<A≦ThA2」 AND 「ThB1<B≦ThB2」 THEN Level1、といった論理における閾値(ThA1,ThA2,ThB1,ThB2等)を、ユーザ(U)の入力により受け付けて、判定基準情報36として設定することもできる。
本発明において品質評価値(H)のレベル(L)を決定するための判定基準(36)は、上記例(図10)の2次元の特徴空間での設定に限らず、より高次元の特徴空間においても設定可能である。例えば3種類の評価値(特徴量)を用いた3次元の特徴空間において設定してもよく、その場合、判定基準(36)は、平面、曲面で設定可能である。さらにより高次元の特徴空間においては、判定基準(36)は、超平面、超曲面となる。ただこの場合、ユーザ(U)が複数の特徴軸に対して閾値などを設定するのは困難である。この点、本発明(実施の形態)では、以下に説明するように、教師あり学習による判定基準(36)の自動設定機能を有する。これにより判定基準(36)の設定が容易である。
なお本システムでのレベル(L)判定の機能は、上記構成例のように検査員(U)の目視判定の評価値(それに基づく判定基準情報36)と整合させたレベルLを判定する場合と、検査員(U)の目視判定の評価値とは独立で自動的に数値計算でレベルLを判定する場合(判定基準情報36に検査員(U)の目視判定の評価値を反映しない場合)と、のいずれも可能である(設定部15で選択可能)。
[前処理、学習処理]
図11は、前処理部28による前述のレベル(L)判定のための判定基準(36)を設定する処理例を示す。特に、学習部29を用いて、検査員(U)であるユーザの観点(目視判定の官能評価値)を反映するように判定基準(36)を学習処理で自動的に生成する処理例を示す。
1100は、対象のアナログ像(フィルム像)(例えばA1)であり、1101は、それ(A1)をデジタル化して得られたデジタル画像(D1)のデータ(GD)である。1100と1101の組は複数を使用する必要がある。
S112は、検査員(U)が目視検査部105でアナログ像1100に対するデジタル像1101のレベル(L)を、目視判定により得る処理(手順)を示す。S112の当該デジタル画像1101とその目視判定によるレベル値とのセットのデータ情報を、学習部29の教師あり学習処理での教師情報39として使用する。
まず、レベル(L)が既知である画像、即ち教師付きのデジタル画像(1101)から、前述の通り(図8のS20等と同様)、H計算部13(26,25)により1つ以上の品質評価値(特徴量)1103を算出する(S111)。この処理を、前述の各レベル(L)を網羅するような複数のセットで繰返し、複数かつ様々なレベルに対応する品質評価値(特徴量)を算出する。
そして、当該デジタル画像から算出された各品質評価値(特徴量)1103と、それに対応するデジタル画像の目視判定によるレベル値とのセット(教師情報39)を、学習部29において学習させる処理(S114)により、判定基準情報36を生成・出力する。この学習は、回帰式(回帰分析)や、パラメトリックな手法、ノンパラメトリックな手法など、各種の一般的な識別器を使用することができる。その一例としては、サポートベクターマシン(SVM)がある。
また、上記学習処理(S114)は、非学習の単純な設定とすることも可能である。例えば前処理部28/設定部15からユーザ(U)入力により判定基準情報36を設定可能である。
以上の通り、本システムでは、各デジタル画像(GD)のレベル(L)を、検査員(U)などのユーザの目視判定の評価結果を教師情報39として学習処理し、判定基準(36)を生成し設定する。これにより、本システムで自動的に計算されるレベル(L)について、実際の検査員(U)による目視評価結果と整合のとれた値を得ることができる。
[検査処理]
図12は、実施の形態1における検査部17による欠陥検出処理を示す。検査対象画像としては、上記評価対象としたデジタル画像データ(GD)、及び推定アナログ画像データ(GA)のいずれを用いることも可能である。特に推定アナログ画像データ(GA)を対象として高感度化検査が可能である。検査員(U)は、本検査装置1の検査SW10を用いて、表示画面で情報を参照しながら、検査を実行(命令等)することができ、例えば検査の結果の検出欠陥情報38(欠陥領域など)を画面で確認することができる。
まずS120で、入力部11などにより検査対象の画像、ここではまずデジタル画像データ(GD)を取得する。この段階で当該画像(GD)は理想像(アナログ像)に対して劣化がある。このためS121で、前記S12,S14のように画像復元(アナログ像推定)を行って理想像(アナログ像)を推定し、推定アナログ画像データ(GA)を得る。そしてS122で、推定アナログ画像データ(GA)を対象として、検査部17による検査処理(高感度化検査)を実行する。検査処理の内容としては、公知の画像解析処理などにより欠陥部に相当する領域や座標を検出し、結果を検出欠陥情報38として記憶部に記憶する。またS123で、出力部17により、対象画像とともに検出欠陥情報38を検査装置1の画面に表示する。
[効果等(1)]
以上、実施の形態1により、検査員(U)が対象物のフィルム像もしくは対象物そのものを直接的に目視で観察するのと同様の画像をアナログ像推定処理(12)により取得し、かつ、その推定アナログ画像(GA)に対するデジタル画像(GD)の品質・劣化度合いについて、検査員(U)の目視評価結果を既知の評価値として反映した情報(39)から生成した判定基準(36)を用いて画像の品質レベル(L)を判定する。これにより、検査員(U)の官能評価値と整合のとれたレベル値(L)を得ることができる。また上記推定アナログ画像(GA)を用いることで、高感度な検査が可能である。また、目視感と整合させるための判定基準(36)の設定手段を備えることにより、最終的な品質の事前予測が可能となる。
上記第1方式として、デジタル画像の品質を、アナログ像(GA)の推定とそれに対する劣化度によって判定する構成例を示した。これに対し、以下に示すように、本発明では、実施の形態2(第2方式)として、アナログ像(GA)を推定せずに品質レベルを判定することを可能とする。
<実施の形態2>
図13を用いて、本発明の実施の形態2のシステム、方法等について説明する。基本構成は実施の形態1と同様(図1等)であり、異なる要素として、第2方式処理部18での処理を行う。第2方式では、デジタル画像(GD)のレベル(L)判定の別の例を示すものである。
[第2方式処理]
図13は、第2方式処理部18による品質評価値(H)及びレベル(L)決定処理を示す。1301は、評価対象となるデジタル画像(GD)である(入力部11から入力処理)。S131では、第2方式処理部18は、例えば特徴抽出部25を用いて、デジタル画像(GD)1301から、品質を決めるための特徴量を抽出する。画質を表す特徴量の例としては、解像度(MTF)、コントラスト、SN比、ウィナースペクトル(ノイズ周波数)などがあり、ここではそれらを用いるが、それ以外でもよい。S131で例えばそれら複数の種類の特徴量A,B,C……を抽出するとする。
S132では、S131で算出した1つ以上の特徴量に対し、判定基準(36)に基づいてレベル(L)を決定する。前述(図10)の通り、複数の特徴量を用いて多次元の特徴空間における判定基準(36)に基づいてレベル(L)を決定することも可能であるが、ここ(S132)では、複数の特徴量A,B,C……から1つの統合品質評価値(統合指標値)(H0)を算出して一次元でレベル判定する処理例を示す。この算出の一例としては、下記の(式7)の通り、各特徴量(f1,f2,・・・)にそれぞれ重み(a,b,・・・)を付けた線形和によって統合品質評価値(H0)を算出する。
式7で、重み(a,b,・・・)は、図11で説明した通り、学習機能(学習部29の学習処理、例えば回帰式)などを用いて事前に決定・設定する。もしくは、設定部15を用いて、ユーザ(U)からの設定情報を受け付けることも可能である。
そしてS133で、第2方式処理部18は、事前に設定済みの判定基準(36)に基づき、上記の統合品質評価値(H0)から品質レベル(L)を決定する。1302は、各デジタル画像(GD)について、横軸にS132の統合品質評価値(H0)、縦軸にS133の品質レベル(L)をとった散布図である。散布図中のステップ状の線が、事前に設定された判定基準(36)である。
上記判定基準(36)は、例えば、事前に、デジタル画像(GD)からS131,132により算出される値とそれに対応する検査員(U)の目視判定の評価結果(デジタル画像に対するレベル)を教師情報(39)として与えて、1302のような散布図を作り、SVMなどの識別器を用いた機械学習により算出する。
上記処理例では、画質を表す特徴量として解像度(MTF)などを用いる例を述べたが、図8で示したように、推定アナログ画像(GA)とのパワースペクトルの比較から算出される特徴(比較値)も加えて統合的に判定することも可能である。つまり、品質評価値(H)は、評価対象となるデジタル画像(GA)のみから算出するもの、推定アナログ画像(GA)との比較で算出するもの等、様々に可能であり、それら1つ以上の品質評価値(ないし特徴量)を用いてデジタル画像の品質を保証するためのレベル(L)を判定すること等が本発明の範囲である。
[効果等(2)]
以上、実施の形態2により、実施の形態1と同様の効果が得られる。
<実施の形態3>
図14を用いて、本発明の実施の形態3のシステム、方法等について説明する。基本構成は実施の形態1と同様(図1等)であり、異なる要素として、デジタイザ保証部19での処理を行う。
[デジタイザ保証]
図14は、前述(実施の形態1)の画像品質評価と同様の処理に基づいて、デジタイザ103の性能の保証を行う場合の処理の流れを示す。
例えば各種のフィルム像(A1)をフィルムスキャナ104などのデジタイザを用いてデジタル画像化する際、そのデジタイザの性能が問題ないかどうかを保証する必要がある場合がある。本発明(実施の形態3)では、特定の評価用のフィルム像(評価ゲージ)(対応する評価パターンデータ37)を用いて、デジタイザの性能の保証のための情報を計算・出力する処理を行う。以下では、図1のデジタイザ103(イメージングプレート)を対象とした例で説明する。
140は、評価パターンデータ37(評価ゲージ)である画像データの一例である。この画像データは、例えば、モノクロで規則的に各角度の線が含まれている。これ以外でも様々な周波数を持つパターン(評価しやすい情報)が含まれていればよい。
まずS141で、評価対象となるデジタイザ103による評価パターンデータ37(130)の入力に対応したデジタル画像(GD)を取得する。ここから、S142では、図1のS12,S14と同様の処理により、画像復元(アナログ像推定)を行い、推定アナログ画像データ(GA)を得る。S143で、推定アナログ像(GA)とデジタル画像(GD)とを比較し、デジタイザ103による、アナログ像に対するデジタル画像の劣化度(前述のH,L相当)を推定・評価する。そしてS144のデジタイザ保証処理では、上記の劣化度から、デジタイザ103から取得されたデジタル画像(GD)が検査に耐えうる品質を保っているか否かをレベル判定する。または、解像度X%劣化といった定量値を算出することで性能を評価する。
上記S143で劣化度を推定するための基準としては、S145で、評価パターンデータ37のデジタル画像とそれを検査員(U)による目視で照合・判定することで設定した劣化度とのセットを事前に入手して機械学習などによって当該基準情報を設定する(前述の前処理に対応する)。
[効果等(3)]
以上、実施の形態3では、更に、品質評価値(H)、レベル(L)に相当する性能指標値を用いて、デジタイザ103の性能を保証することが可能となる。これにより、デジタイザ103の管理、機差の調整などが実現できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上述した放射線透過によるフィルム像より取得したデジタル画像の品質評価の形態に限らず、液晶パネルや有機ELパネルなどのフラットパネルの画質検査にも同様に適用可能である。
また、第1方式のようにデジタル画像から推定したアナログ画像と、第2方式のようにアナログ像を推定しない場合のデータとを組み合わせて品質を判定する形態なども可能である。
本発明は、放射線透過試験などを含む各種のデジタル画像の検査・診断等に利用可能である。
1…PC(検査装置)、10…検査SW(ソフトウェア)、11…入力部、12…アナログ像推定部、13…評価値(H)計算部、14…レベル(L)計算部、15…設定部、16…出力部(表示部)、17…検査部(欠陥検出部)、18…第2方式処理部、19…デジタイザ保証部、21…ノイズ除去部、22…逆変換部、23…FFT部、24…比較部、25…特徴抽出部、26…評価値(H)定量化部、27…レベル(L)判定部、28…前処理部、29…学習部、31…デジタル画像データ(GD)、32…推定アナログ画像データ(GA)、33…周波数スペクトルデータ、34…品質評価値(H)、35…品質レベル値(L)、36…判定基準情報、37…評価パターンデータ、38…検出欠陥情報、39…教師情報、101…放射線検査装置(放射線検出装置)、102…現像装置、103…デジタイザ(イメージングプレート)、104…フィルムスキャナ、105…目視検査部。

Claims (11)

  1. コンピュータの情報処理を用いてデジタル画像の品質を評価する処理を行う検査画像品質評価システムであって、
    検査対象物から得られた検査の対象となるデジタル画像のデータを入力する入力部と、
    上記デジタル画像のデータから、デジタル化される前のアナログ像を推定して当該推定アナログ画像のデータを得る処理を行うアナログ像推定部と、
    上記デジタル画像と上記推定アナログ画像とを周波数空間上で比較することにより、当該推定アナログ画像からデジタル画像への劣化の度合いを定量化した相対的な品質の評価値を計算する評価値計算部と、
    上記評価値を含むデータ情報を人に対し出力する出力部と、を有すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  2. 請求項1記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記品質の評価値についての品質のレベルを計算するレベル計算部と、
    前記レベルを含むデータ情報を人に対し出力する前記出力部と、を有し、
    前記レベル計算部は、上記評価値を、判定基準情報と比較して上記レベルを判定する処理を行うこと、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  3. 請求項1記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記評価値計算部は、
    前記デジタル画像と推定アナログ画像とを周波数空間で比較して比較値を得る比較部と、
    前記デジタル画像から品質を表す1つ以上の特徴量を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴量に重みをつけて加算することにより統合指標値を算出し、当該統合指標値と上記比較値とを統合することで前記品質の評価値として定量化する処理を行う評価値定量化部と、を有すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  4. 請求項2記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記判定基準情報を事前に設定する前処理部を有し、
    前記前処理部は、前記対象の画像に関する人による目視の評価値を、前記判定基準情報として設定すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  5. 請求項2記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記判定基準情報を事前に設定する前処理部を有し、
    前記前処理部は、前記対象の画像に関する人による目視の評価値を含む教師情報を設定し、
    前記教師情報を入力として学習処理により前記判定基準情報を生成する学習部を有すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  6. 請求項5記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記教師情報として、対象のデジタル画像とアナログ画像の組と、それらに対する人の目視による品質のレベルとのセットを入力すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  7. 請求項6記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記学習部は、前記セットのデータ情報を入力して学習処理することにより、前記レベルの判定のための判定基準情報を生成し、
    上記学習処理により、前記品質の評価値を統合指標値で算出する場合の特徴量の重みを決定すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  8. 請求項1記載の検査画像品質評価システムにおいて、
    前記検査の対象となる画像は、放射線検出装置からの検出結果をデジタイザによりデジタル化したデジタル画像であり、
    前記推定アナログ画像のデータを対象として欠陥部を検出する処理を行う検査部を有すること、を特徴とする検査画像品質評価システム。
  9. コンピュータの情報処理を用いて、デジタイザにより得られたデジタル画像の品質を評価することによりデジタイザの性能を保証する処理を行うデジタイザ保証システムであって、
    前記デジタイザにより得られたデジタル画像のデータと、前記デジタイザの性能を評価するための評価パターン画像データと、を入力する入力部と、
    上記デジタル画像のデータから、前記デジタイザによりデジタル化される前のアナログ像を推定して当該推定アナログ画像のデータを得る処理を行うアナログ像推定部と、
    前記評価パターン画像データを用いた人の目視の評価値を入力して判定基準情報として設定する処理を行う前処理部と、
    上記デジタル画像と上記推定アナログ画像とを周波数空間上で比較することにより、当該推定アナログ像からデジタル像への劣化の度合いを定量化した相対的な品質の評価値を計算する評価値計算部と、
    前記品質の評価値を前記判定基準情報と比較することにより前記品質の評価値についてのレベルを判定するレベル計算部と、
    上記レベルに基づき、前記デジタイザによる画質の劣化度合いを推定し、当該デジタイザの性能の良否を表す指標値を決定し、当該指標値を含む情報を人に対し出力する処理を行うデジタイザ保証部と、を有すること、を特徴とするデジタイザ保証システム。
  10. コンピュータの情報処理を用いてデジタル画像の品質を評価する処理を行う検査画像品質評価方法であって、
    検査対象物から得られた検査の対象となるデジタル画像のデータを入力する入力ステップと、
    上記デジタル画像のデータから、デジタル化される前のアナログ像を推定して当該推定アナログ画像のデータを得る処理を行うアナログ像推定ステップと、
    上記デジタル画像と上記推定アナログ画像とを周波数空間上で比較することにより、当該推定アナログ画像からデジタル画像への劣化の度合いを定量化した相対的な品質の評価値を計算する評価値計算ステップと、
    上記品質の評価値を判定基準情報と比較することにより上記品質の評価値についての品質のレベルを判定するレベル計算ステップと、
    上記評価値、レベルを含むデータ情報を人に対し出力する出力ステップと、を有すること、を特徴とする検査画像品質評価方法。
  11. コンピュータの情報処理を用いてデジタル画像の品質を評価する処理を実行させる検査画像品質評価プログラムであって、
    検査対象物から得られた検査の対象となるデジタル画像のデータを入力する処理を行うプログラムと、
    上記デジタル画像のデータから、デジタル化される前のアナログ像を推定して当該推定アナログ画像のデータを得る処理を行うプログラムと、
    上記デジタル画像と上記推定アナログ画像とを周波数空間上で比較することにより、当該推定アナログ像からデジタル像への劣化の度合いを定量化した相対的な品質の評価値を計算するプログラムと、
    上記品質の評価値を判定基準情報と比較することにより上記品質の評価値についての品質のレベルを判定するプログラムと、
    上記評価値、レベルを含むデータ情報を人に対し出力するプログラムと、を有すること、を特徴とする検査画像品質評価プログラム。
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