JP4787959B2 - 画像復元フィルタ及びそれを用いた画像復元方法 - Google Patents

画像復元フィルタ及びそれを用いた画像復元方法 Download PDF

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Description

本発明は、劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタ及びそれを用いた画像復元方法に関する。
デジタル撮像装置、例えば、デジタルカメラで画像を撮影した際には、手ぶれやピンぼけといった劣化が生じる。ぶれやぼけといった劣化は、点広がり関数(PSF:Point Spread Function)により表現される。
つまり、劣化画像は、原画像と劣化を表す点広がり関数(PSF)との畳み込み積分として表現される。劣化を表す点広がり関数(PSF)が既知の場合に、劣化画像とこの点広がり関数(PSF)から、原画像を復元する画像復元方法は、数多く提案されている(非特許文献1参照)。
具体的に、ぶれやぼけによる劣化画像は、下記数1のようにモデル化される。
Figure 0004787959
ここで、g(x,y)は撮影して得られた画像、即ち、観測画像である劣化画像を表す。また、h(x,y)は劣化を表す点広がり関数(PSF)を、f(x,y)は劣化のない原画像を、*は畳み込み積分を、それぞれ表す。
数1で表すこの劣化画像モデルは、周波数領域においては、下記数2のように表されることが知られている。つまり、数1の劣化画像モデルは、フーリエ変換により下記数2となる。
Figure 0004787959
ここで、G(ξ,η)、H(ξ,η)及びF(ξ,η)は、劣化画像g(x,y)、劣化を表す点広がり関数h(x,y)及び原画像f(x,y)のフーリエ変換を、それぞれ表す。
劣化画像から、劣化を表す点広がり関数を推定する方法は、例えば、特許文献1で提案されている。
劣化画像のフーリエ変換に、フィルタ処理を行うことにより、原画像のフーリエ変換を推定する(復元する)ことはよく利用されている。フィルタ処理を利用した画像復元は、一般的に、下記数3のように表される。
Figure 0004787959
ここで、
Figure 0004787959
は推定された原画像のフーリエ変換で、つまり、復元された画像(以下、単に復元画像とも称する)である。また、K(ξ,η)は、画像復元のためのフィルタであり、以下、単に画像復元フィルタと呼ぶ。G(ξ,η)は劣化画像のフーリエ変換である。
従来、劣化画像から原画像を復元する画像復元分野において、最も単純な画像復元フィルタとして、逆フィルタが知られている(非特許文献2参照)。逆フィルタとは、K(ξ,η)=1/H(ξ,η)の画像復元フィルタである。ここで、H(ξ,η)は、劣化を表す点広がり関数h(x,y)のフーリエ変換である。
しかしながら、この逆フィルタは、ノイズに対して非常に不安定であるために、現実的にはほとんど利用されていない。そのため、画像復元分野において、逆フィルタを安定化した画像復元フィルタが多数利用されている。このような従来の画像復元フィルタは、フィルタの安定性を調節するパラメータを有しているものが多い。その一例として、例えば、一般的に広く利用されている画像復元フィルタに、ウィナーフィルタがある(非特許文献2参照)。
ウィナーフィルタは、下記数4のように表される。
Figure 0004787959
ここで、
Figure 0004787959
はウィナーフィルタである。また、
Figure 0004787959
は、劣化を表す点広がり関数のフーリエ変換H(ξ,η)の複素共役を、Γはフィルタの安定性を表すパラメータを、それぞれ表す。
数4のウィナーフィルタによる画像復元は、下記数5のように表される。
Figure 0004787959
ここで、
Figure 0004787959
は推定された原画像のフーリエ変換で、つまり、復元画像である。また、G(ξ,η)は劣化画像のフーリエ変換である。
特願2005−33125号 マーク アール.バンハム(Mark R.Banham)、アジェロス ケイ.カツァゲロス(Aggelos K. Katsaggelos)共著、「デジタル イメージ レストレーション(Digital Image Restoration)」、アイ・トリプル・イー シグナル プロセッシング マガジン(IEEE Signal Processing Magazine),p.24-41,1997年 奥富・他共著,「ディジタル画像処理」,CG−ARTS協会,2005年
このように、ウィナーフィルタを利用して、劣化画像から原画像を復元する場合には、画像復元フィルタであるウィナーフィルタのパラメータΓを設計する必要があり、このパラメータΓの値により、復元画像の画質が大きく異なることが知られている。フィルタの安定性を表すパラメータΓの調節は、非常に重要であるにもかかわらず、その最適な設計は非常に困難である。
つまり、パラメータΓの値が小さいと、ぶれやピンぼけといった劣化は、回復するもののノイズの影響が目立ち、また、パラメータΓの値が大きければ、ノイズの影響はそれほどではないが、ぶれやピンぼけといった劣化は、ほとんど回復していない。そして、最適なパラメータΓは観測された劣化画像により異なり、パラメータΓを自動的に調節することは至難な業である。
従って、ウィナーフィルタを画像復元フィルタとして利用する場合には、画像復元の目的や劣化画像に応じて手動でパラメータΓを調節する必要がある。しかしながら、パラメータΓの調節には経験を必要とし、簡単ではないことが問題点である。
ところで、劣化画像から原画像を復元する際には、画像復元の目的に応じて、画像復元の度合いを調節できることが望まれている。例えば、劣化画像中に含まれている文字だけを認識したい場合は、ノイズの影響が強く表れても、画像復元の度合いを強める必要がある。一方、スナップ写真の手ぶれを補正するような場合は、ノイズなどの不自然なアーティファクトが生じないように、画像復元の度合いを弱める必要がある。
しかしながら、ウィナーフィルタのような従来の画像復元フィルタにおけるフィルタの安定性を調節するためのパラメータは、画像復元の度合いを調節するために設定されたものではないので、パラメータの変更と復元画像との関係が直感的にわかりにくい問題がある。従って、フィルタの安定性を調節するためのパラメータにより、画像復元の度合いを調節することは非常に困難である。
このように、従来の画像復元方法に使用されている画像復元フィルタは、フィルタの安定性を表すパラメータの調節が困難で、画像復元フィルタそのものが使い難いという問題点があった。
本発明は、上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタであって、その画像復元フィルタのパラメータの調節が容易で、使いやすい画像復元フィルタを提供し、より詳細に説明すると、その画像復元フィルタのパラメータを調節することにより、画像復元の度合いを連続的に調節することができる画像復元フィルタ及びそれを用いた画像復元方法を提供することにある。
本発明は、劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタに関し、本発明の上記目的は、前記画像復元フィルタは、画像復元の度合いを調節することを目的とした画像復元度合調節パラメータを有し、前記画像復元度合調節パラメータを調節することにより、前記画像復元の度合いが連続的に変化、前記劣化画像は、次の劣化画像モデルによって表現され、
Figure 0004787959
ここで、g(x,y)は前記劣化画像を、h(x,y)は劣化を表す点広がり関数(以下、PSFとする)を、f(x,y)は前記原画像を、*は畳み込み積分を、それぞれ表し、前記劣化画像モデルは、周波数領域においては、次のように表され、
Figure 0004787959
ここで、G(ξ,η)、H(ξ,η)及びF(ξ,η)は、前記劣化画像、前記PSF及び前原画像のフーリエ変換を、それぞれ表し、前記画像復元フィルタは、下記数式で示す関係を満足するフィルタであり、
Figure 0004787959
Figure 0004787959
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表し、|K(ξ,η;α)|は、K(ξ,η;α)の絶対値であり、αは前記画像復元度合調節パラメータを表し、
前記PSFを、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数と、画像復元に用いる点広がり関数とに分解し、次の数式が成立し、
Figure 0004787959
ここで、H (ξ,η;α)は、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数のフーリエ変換を、H (ξ,η;α)は、画像復元に用いる点広がり関数のフーリエ変換を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表すことによって効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記H(ξ,η;α)にゼロ点がないように、前記H(ξ,η;α)を設計することにより、或いは、前記H(ξ,η;α)を、前記画像復元度合調節パラメータαに従い、劣化の影響が連続的に変化するように設計することにより、前記画像復元フィルタを構成することにより、或いは、前記H(ξ,η;α)は、
Figure 0004787959
によって求められることによって一層効果的に達成される。
更に、本発明の上記目的は、前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを、
Figure 0004787959
は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表すことにより、或いは、前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α,n)は、前記画像復元フィルタを、
Figure 0004787959
は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、パラメータnは、次の評価関数E(n)を最小にする値であり、
Figure 0004787959
ここで、H(ξ,η;α,n)は、前記K(ξ,η;α,n)から求められる設計のための点広がり関数を、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を、それぞれ表すことにより、或いは、前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α,n,m)は、前記画像復元フィルタを、
Figure 0004787959
は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、パラメータnとmは、次の評価関数E(n,m)を最小にする値であり、
Figure 0004787959
ここで、H(ξ,η;α,n,m)は、前記K(ξ,η;α,n,m)から求められる設計のための点広がり関数を、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を、それぞれ表すことにより、或いは、前記劣化画像が直線的なぶれ画像の場合に、前記H(ξ,η;α)を次のように定義し、
Figure 0004787959
ここで、
Figure 0004787959
はぶれの幅を表すパラメータであることによって一層効果的に達成される。
更にまた、本発明は、上述した本発明の画像復元フィルタを用いて、劣化画像から原画像を復元する画像復元方法に関し、本発明の上記目的は、上述した本発明の画像復元フィルタにより、次の数式に基き、前記劣化画像から画像復元し、
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、本発明の画像復元フィルタを、G(ξ,η)は前記劣化画像のフーリエ変換を、
Figure 0004787959
は、復元された画像を、αは本発明の画像復元フィルタの画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表すことによって効果的に達成される。
本発明に係る画像復元フィルタ及び画像復元方法を用いれば、従来の画像復元方法に使用されている画像復元フィルタに存在する問題点(即ち、画像復元フィルタのパラメータの調節が困難で、画像復元フィルタが使い難い)を全部解消することができる。
つまり、本発明の画像復元フィルタを用いれば、画像復元目的に応じた画像復元の度合いを、画像復元度合調節パラメータを調節することにより、簡単に実現することができるという優れた効果を奏する。
実際に設計された本発明の画像復元フィルタを、劣化画像である合成画像および劣化画像である実画像に、それぞれ適用し、それらの画像復元結果から、画像復元度合調節パラメータの値の変化にともない、画像復元結果が比例的に変化していることが確認された。
また、本発明の画像復元フィルタと、従来の画像復元フィルタの代表例であるウィナーフィルタとを比較した場合に、画像復元の精度はほぼ同程度で、また、劣化を表す点広がり関数PSFの推定誤差に対しては、本発明の画像復元フィルタはロバスト性が向上していることも確認した。
即ち、本発明の画像復元フィルタは、劣化画像である合成画像にも、劣化画像である実画像にも適用でき、従来の問題点を解消できたと同時に、本発明の目的も達成できた。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明は、パラメータの調節が容易で、使いやすい画像復元フィルタ及びその画像復元フィルタを用いた画像復元方法を提供することを目的としている。

<1>使いやすい画像復元フィルタ
まず、本発明で言う「使いやすい画像復元フィルタ」について検討する。
画像復元フィルタも、ローパスフィルタや先鋭化フィルタなどの一般的な画像処理フィルタの一種と考えることもできる。そこで、まず、使いやすい画像処理フィルタについて、簡単に述べた後に、使いやすい画像復元フィルタに必要な条件を検討する。

<1−1>使いやすい画像処理フィルタ
ローパスフィルタや先鋭化フィルタなど多くの画像処理フィルタは、フィルタの影響の強さを調節できるパラメータを有している。例えば、ガウシアンローパスフィルタでは、ガウス関数の標準偏差がこのパラメータに相当する。このように、フィルタの影響の強さを自由に調節できる機能は、使いやすい画像処理フィルタの一つの条件であると考えられる。
また、フィルタの影響の強さを自由に調節できるばかりでなく、パラメータとフィルタの影響の強さが比例の関係にあると、より一層使いやすいフィルタとなる。出力画像の変化とパラメータの値の変化から、所望のフィルタの影響を得るために必要なパラメータの値も推定しやすく、結果として、パラメータの調節が容易となる。
比例の関係であれば、パラメータの値が0では、何も作用しないフィルタとなることから、入力画像と比較しながら、徐々にフィルタの影響を強めることもできる。つまり、パラメータの値を2倍にすることは、入力画像と出力画像との間の変化を2倍にすることに対応する。
例えば、ガウシアンローパスフィルタは、このような性質があり、標準偏差が0は、何も作用しないフィルタを意味しており、標準偏差の値を大きくするに従って、ローパスフィルタの影響が強くなる。

<1−2>使いやすい画像復元フィルタの条件
画像復元では、その目的や劣化画像に応じて、画像復元の度合いを調節できることが望まれている。例えば、劣化画像中にある文字を認識するためには、ノイズの影響が目立ったとしても画像復元の度合いを強める必要があり、また、スナップ写真の手ぶれを補正するためには不自然なアーティファクトが生じないように画像復元の度合いを弱める必要がある。従って、一般的な画像処理フィルタと同様に、使いやすい画像復元フィルタにとって、画像復元の度合いを調節できるということは一つの条件である。
次に、パラメータと復元画像の比例関係について検討する。画像復元フィルタにおいても、パラメータが0のときに何も作用しないフィルタであり、パラメータの値と画像復元の度合いが比例関係にあれば非常に使いやすい画像復元フィルタとなることは、簡単に想像できる。しかしながら、ローパスフィルタのようなフィルタとは異なり、画像復元フィルタでは画像復元の度合いを無限に強くすることはできず、限界がある。つまり、逆フィルタよりも画像復元の度合いを強めることができない。
以上をまとめると、使いやすい画像復元フィルタとは、画像復元の度合いを調節できるパラメータを有しており、そのパラメータが0のときは何も作用しないフィルタであり、パラメータが1になると逆フィルタになり、その間は画像復元の度合いが比例的に変化する画像復元フィルタであるということができる。
ところで、パラメータが0のときに何も作用しないフィルタであるということは、PSFの推定誤差を考えた場合、ほかの利点もある。画像復元フィルタは、劣化を表すPSFに基づき、生成される。劣化を表すPSFは推定することも簡単ではなく、推定されたPSFには大きな誤差が含まれていることもある。パラメータが0のときに何も作用しないということが分かっていれば、推定されたPSFに大きな誤差が含まれていても、例えでたらめなPSFであったとしても、パラメータを0にしさえすれば、劣化画像そのものが出力されることが保証されている。このことは、当然のことではあるが、ウィナーフィルタなどの従来の画像復元フィルタにはない特徴である。
最後に、画像復元フィルタとしての必要条件として安定性がある。ローパスフィルタなどの画像処理フィルタは、ほとんど常に安定であるために考慮する必要がないが、画像復元フィルタでは、安定性は重要な条件である。逆に言えば、従来の画像復元フィルタはこの安定性を重視しすぎて、使いやすさやパラメータ設計の容易性を犠牲にしているとも考えられる。
上述したような使いやすい画像復元フィルタの条件を数式としてまとめると、後述する数9になる。

<1−3>ウィナーフィルタは使いやすい画像復元フィルタではない
上述したような使いやすい画像復元フィルタの条件に基づき、従来の代表的な画像復元フィルタであるウィナーフィルタを検証してみる。
まず、画像復元の度合いを調節するパラメータを有しているかという点に関して、パラメータΓがそのパラメータのようにも考えることもできるが、画像復元の度合いを調節するというよりも、むしろフィルタの安定性を調節すると考える方が自然である。
さらに、パラメータΓの変化に対して、画像復元の度合いは比例の関係にもない。パラメータΓを0にすれば逆フィルタになるものの、逆にパラメータΓをどのように設定しても何も作用しないフィルタにはならない。このことは、PSFの推定誤差によっては、パラメータΓをどのように設定しても復元画像が劣化画像よりもさらに劣化してしまう可能性があることを示している。
つまり、ウィナーフィルタは、画像復元フィルタとしての必要条件である安定性は満足しているものの、使いやすい画像復元フィルタとしての条件は満足していないことが確認できる。

<2>本発明の画像復元フィルタの設計方法
<1−2>で検討した使いやすい画像復元フィルタの条件に基づき、具体的に、本発明の画像復元フィルタを設計する方法について述べる。

<2−1>本発明における画像復元についての考え方
まず、本発明に係る画像復元フィルタと従来の画像復元フィルタとの一番相違している点は、本発明の画像復元フィルタのパラメータは、画像復元の度合いを調節するために設定されたものであるのに対して、ウィナーフィルタを代表として従来の画像復元フィルタのパラメータは、画像復元フィルタ自身の安定性を調節するために設定されたものであるところである。
つまり、本発明では、画像復元フィルタに画像復元の度合いを調節することを目的としたパラメータ(以下、単に、画像復元度合調節パラメータとも称する)を加え、この画像復元度合調節パラメータを調節することにより、画像復元フィルタを何も作用しないフィルタから、逆フィルタまで連続的に変化させることができるように、画像復元フィルタを設計するようにしている。
本発明では、劣化を表す点広がり関数に基づき、画像復元フィルタを設計するようにしているが、この劣化を表す点広がり関数は、既存の方法で推定されているものとし、例えば、特許文献1に開示されている方法で、劣化画像から劣化を表す点広がり関数を推定する。さらに、本発明では、画像復元フィルタの画像復元度合調節パラメータの変化と画像復元の度合いとの関係が対応するように、画像復元フィルタを最適化する方法も同時に開示している。
なお、本発明で言う画像復元とは、劣化画像g(x,y)のフーリエ変換G(ξ,η)から原画像f(x,y)のフーリエ変換F(ξ,η)を推定することを意味する。本発明の画像復元フィルタは、このような画像復元の際に、つまり、F(ξ,η)を推定する際に、使用されるフィルタであり、本発明の画像復元方法は、本発明の画像復元フィルタを用いて、劣化画像のフーリエ変換G(ξ,η)から原画像のフーリエ変換F(ξ,η)を推定する方法である。
従来の画像復元フィルタは、画像復元の度合いを考慮せずに劣化画像から原画像を復元することを目的としている。一方、本発明の画像復元フィルタは、画像復元の目的に応じた画像復元の度合いを調節できるように、劣化画像から原画像を復元することを目的としている点が大きな特徴である。両者の画像復元に対する考え方の違いを模式的に示すと、図1になる。
つまり、図1に示されるように、本発明では、本発明の主な特徴である「画像復元の目的に応じた画像復元の度合いを調節できるように、劣化画像から原画像を復元する」といった画像復元に対する考え方を、劣化を表す点広がり関数を二つの点広がり関数に分解することにより実現し、数式的には、下記数6のように表される。
Figure 0004787959
ここで、H(ξ,η)は、劣化を表す点広がり関数h(x,y)のフーリエ変換を表す。また、H(ξ,η;α)は、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換を表す。そして、H(ξ,η;α)は、画像復元に用いる点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換を表す。なお、αは画像復元度合調節パラメータを表す。
本発明の画像復元フィルタは、下記数7のように表現される。
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、本発明の画像復元フィルタを表す。また、H(ξ,η;α)は、画像復元に用いる点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換を表す。
このとき、画像復元に用いる点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換H(ξ,η;α)にゼロ点があると、画像復元フィルタK(ξ,η;α)が不安定になる。
従って、本発明では、画像復元に用いる点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換H(ξ,η;α)にゼロ点がないように、画像復元に用いる点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換H(ξ,η;α)を設計する必要がある。
さらに、本発明では、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換H(ξ,η;α)を、画像復元度合調節パラメータαに従い、ぶれやピンぼけといった劣化の影響が連続的に変化するように設計することにより、最終的な画像復元フィルタを構成する。
なお、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数h(x,y;α)のフーリエ変換H(ξ,η;α)は、画像復元フィルタK(ξ,η;α)から、下記数8のように求められる。
Figure 0004787959
ここで、H(ξ,η)は、劣化を表す点広がり関数h(x,y)のフーリエ変換を表す。
本発明の画像復元フィルタは、図2の模式図に示されるように構成され、画像復元度合調節パラメータαを調節することにより、画像復元の度合いが連続的に変化する画像復元フィルタである。
つまり、本発明の画像復元フィルタは、画像復元度合調節パラメータを調節することにより、何も作用しないフィルタから、逆フィルタに変化するものである。
要するに、本発明の画像復元フィルタを数式的に表すと、下記数9で示す関係を満足しているフィルタである。
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、本発明の画像復元フィルタを表し、|K(ξ,η;α)|は、K(ξ,η;α)の絶対値である。また、H(ξ,η)は、劣化を表す点広がり関数のフーリエ変換を表す。なお、αは画像復元度合調節パラメータを表す。
数7で表す本発明の画像復元フィルタに基いて、復元画像である
Figure 0004787959
は、下記数10のように表される。
Figure 0004787959
上記数6から、明らかなようにH(ξ,η;α)が与えられれば、推定された劣化を表す点広がり関数(PSF)のフーリエ変換であるH(ξ,η)を利用して、本発明の画像復元フィルタK(ξ,η;α)は一意に決定される。
そこで、分解されたPSFのフーリエ変換であるH(ξ,η;α)を設計することにより、画像復元フィルタを設計することを考える。ところで、図1に示すように、分解されたPSFのフーリエ変換であるH(ξ,η;α)は、パラメータαで画像を復元したときの復元画像と原画像の間の劣化を表すPSFとなっている。
従って、このH(ξ,η;α)の劣化の影響を、パラメータαに伴って、徐々に変化させるように設計することにより、本発明の画像復元フィルタを設計する。
(ξ,η;α)のみに着目して、本発明の画像復元フィルタの設計ができるように、上記数9で示す「使いやすい画像復元フィルタ」である本発明の画像復元フィルタの条件を、下記数11のように書き直すことができる。
Figure 0004787959
更に、H(ξ,η;α)の劣化の影響は、パラメータαに対して線形に変化する必要がある。

<2−2>本発明の画像復元フィルタの具体的な構成例
次に、本発明の画像復元フィルタの具体的な構成例を通して、本発明の画像復元フィルタ及び本発明の画像復元フィルタを用いた画像復元方法を説明する。
まず、数9で表す「使いやすい画像復元フィルタ」の条件を満足する本発明の画像復元フィルタの第1実施例は、下記数12で表すフィルタである。
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、本発明の画像復元フィルタを表す。また、
Figure 0004787959
は、劣化を表す点広がり関数のフーリエ変換H(ξ,η)の複素共役を表す。なお、αは画像復元度合調節パラメータを表す。
次に、数9で表す「使いやすい画像復元フィルタ」の条件を満足する本発明の画像復元フィルタの第2実施例は、下記数13で表すフィルタである。
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α,n)は、本発明の画像復元フィルタを表す。また、
Figure 0004787959
は、劣化を表す点広がり関数のフーリエ変換H(ξ,η)の複素共役を表す。なお、αは画像復元度合調節パラメータを表す。
また、パラメータnは、下記数14で表す評価関数E(n)を最小にするような値である。
Figure 0004787959
ここで、H(ξ,η;α,n)は、数13で表す本発明の画像復元フィルタであるK(ξ,η;α,n)から求められる設計のための点広がり関数を表す。また、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を表す。
次に、数9で表す「使いやすい画像復元フィルタ」の条件を満足する本発明の画像復元フィルタの第3実施例は、下記数15で表すフィルタである。
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α,n,m)は、本発明の画像復元フィルタを表す。また、
Figure 0004787959
は、劣化を表す点広がり関数のフーリエ変換H(ξ,η)の複素共役を表す。なお、αは画像復元度合調節パラメータを表す。
また、パラメータnとmは、下記数16で表す評価関数E(n,m)を最小にするような値である。
Figure 0004787959
ここで、H(ξ,η;α,n,m)は、数15で表す本発明の画像復元フィルタであるK(ξ,η;α,n,m)から求められる設計のための点広がり関数を表す。また、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を表す。
以上、3つの具体的な構成例を挙げ、本発明の画像復元フィルタを説明したが、本発明の画像復元フィルタは、それに限定されたものではなく、数9の条件を満足する「使いやすい画像復元フィルタ」は本発明の画像復元フィルタとなる。
下記数17を用いて、本発明の画像復元フィルタにより、劣化画像から画像復元することができる。
Figure 0004787959
ここで、K(ξ,η;α)は、本発明の画像復元フィルタを表す。G(ξ,η)は劣化画像のフーリエ変換である。
Figure 0004787959
は、本発明の画像復元フィルタと劣化画像のフーリエ変換とに基いて、復元された画像であり、画像復元の目的や劣化画像の種類に応じて、本発明の画像復元フィルタの画像復元度合調節パラメータαを調節することによって、画像復元の目的に合った理想的な復元画像となる。

<2−3>本発明により直線的なぶれ画像に対する画像復元
本発明では、直線的なぶれ画像に対する画像復元を行う場合、つまり、劣化画像が直線的なぶれ画像の場合、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数H(ξ,η;α)を、下記数18のように定義する。
Figure 0004787959
ここで、
Figure 0004787959
はぶれの幅を表すパラメータである。αは画像復元度合調節パラメータを表す。数18は、ぶれの方向がx軸と一致している場合であるが、ぶれの方向がx軸と異なる場合も、同様に定められる。
数18の理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数H(ξ,η;α)を利用して、数13で表す本発明の画像復元フィルタ(第2実施例)のために最適化された結果として、パラメータnの値は0.372である。
つまり、直線的なぶれ画像に対する画像復元を、数13で表す本発明の画像復元フィルタを利用することで行う場合、パラメータnの最適値は0.372である。
また、数18の理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数H(ξ,η;α)を利用して、数15で表す本発明の画像復元フィルタ(第3実施例)のために最適化された結果として、パラメータmの値は0.525で、パラメータnの値は0.174である。
つまり、直線的なぶれ画像に対する画像復元を、数15で表す本発明の画像復元フィルタを利用することで行う場合、パラメータmの最適値は0.525で、パラメータnの最適値は0.174である。なお、パラメータm、nの最適値の決定方法について、以下のようになる。
即ち、nとmを変化させながら、数16の評価関数E(n,m)を計算した結果を図3に示し、その結果、評価関数E(n,m)を最小にするnとmはn=0.174、m=0.525であったので、それを本発明の画像復元フィルタのパラメータnとmの最適値にした訳である。

<3>本発明による画像復元の有効性
次に、上述したように、実際に設計された「使いやすい復元フィルタ」である本発明の画像復元フィルタの一具体例(数15で表す本発明の画像復元フィルタの第3実施例)を用いて、下記のように、劣化画像である合成画像および劣化画像である実画像をそれぞれ復元することにより、本発明の画像復元フィルタ及び画像復元方法の有効性を確認する。

<3−1>合成画像による本発明の有効性の確認
まず、劣化画像である合成画像に基いて、本発明の画像復元フィルタの画像復元度合調節パラメータαを調節することにより、復元画像の復元度合が比例的に変化することを確認する実験を行った。
手順として、まず、原画像に対して、幅21[ピクセル]角度30[度]のモーションブラーによる劣化画像を作成し、そして、分散2.5の正規雑音を加え、劣化画像を合成した。図4に原画像と合成された劣化画像をそれぞれ示す。
真の劣化を表す点広がり関数(真のPSF)に対して、本発明の画像復元フィルタは構成され、画像復元度合調節パラメータαを変化させながら、画像の復元を行った。このときの画像復元の結果を図5に示す。また、比較のため、図5において、理想的な復元度合の変化も同時に示してある。即ち、図5(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)は、本発明の画像復元フィルタによる復元画像を示し、図5(F)、(G)、(H)、(I)及び(J)は、理想的な復元画像を示してある。なお、ここで言う「理想的な復元度合の変化」とは、原画像に対して、ぶれの幅を少しずつ変化させながら劣化させて画像である。
従って、本発明の画像復元フィルタ及び画像復元方法により復元された画像が、この理想的な復元度合の変化に近いほど、良い結果であると考えられる。復元度合の強いαの値の大きな範囲では、ノイズの影響が大きく現われているものの、画像復元度合調節パラメータαの値の変化に対する復元度合の変化という観点からは、良好な結果が得られている。また、この結果はノイズの影響と復元度合にはトレードオフの関係があることも同時に示している。
次に、本発明の画像復元フィルタと従来の画像復元フィルタの代表例であるウィナーフィルタの比較を行った。ここで、最適なパラメータを与えたときの復元画像の原画像に対するRMSEを「最小RMSE」と呼ぶことにする。最小RMSEは、パラメータを全探索することにより求めた。
まず、推定された劣化を表す点広がり関数(PSF)に誤差がない場合の最小RMSE値の比較を表1に示す。
Figure 0004787959
表1から、本発明の画像復元フィルタとウィナーフィルタを用いた場合の最小RMSEは、ほぼ同等であることが分かる。この結果から、本発明の画像復元フィルタは、最適な画質はウィナーフィルタとほぼ同等でありながら、使いやすさが向上していることが確認され、本発明の画像復元フィルタは、従来の問題点を解消できたと同時に、本発明の目的も達成できたと言える。
さらに、劣化を表す点広がり関数(PSF)に推定誤差が含まれる場合の最小RMSE値を比較した。図6にぶれ幅に対する誤差を変化させたときに最小RMSE値の変化を、図7にぶれの方向に対する誤差を変化させたときに最小RMSE値の変化を、それぞれ示す。
図6及び図7から分かるように、ぶれ幅に対する誤差では3[ピクセル]以上、ぶれの方向に対する誤差が10[度]以上の範囲では、本発明の画像復元フィルタの最小RMSE値が、ウィナーフィルタの最小RMSE値を下回っている。これ以外の範囲でも、ほぼ同程度な最小RMSE値であることから、本発明の画像復元フィルタは、劣化を表す点広がり関数(PSF)の誤差に対してロバストであることが確認された。

<3−2>実画像による本発明の有効性の確認
劣化画像である実画像に対しても、同様に本発明の画像復元フィルタと画像復元方法を適用し、画像復元を行った。その復元結果を図8に示す。
本発明の画像復元フィルタを用いて画像復元の場合では、画像復元度合調節パラメータα=0のときの出力(つまり、復元画像)は、劣化画像そのものを表しているので、図8(A)は、画像復元度合調節パラメータα=0の場合の本発明による復元画像であると同時に、観測された劣化画像でもある。
図8に示された劣化画像である実画像に対する画像復元結果からも、本発明の画像復元フィルタの画像復元度合調節パラメータαの変化に伴い、画像復元の度合いが比例的に変化していることが確認された。
よって、本発明の画像復元フィルタは、劣化画像である合成画像にも、劣化画像である実画像にも適用でき、従来の問題点を解消できたと同時に、本発明の目的も達成できたと言える。
従来の画像復元フィルタと本発明の画像復元フィルタの画像復元に対する考え方の違いを説明するための模式図である。 本発明の画像復元フィルタの構成を説明するための模式図である。 本発明における評価関数E(n,m)の濃淡図である。 本発明の有効性を確認するために使用される原画像と合成された劣化画像を示す図である。 本発明の画像復元フィルタによる劣化画像である合成画像の画像復元結果、及び理想的な復元画像を示す図である。 本発明の画像復元フィルタ及び従来のウィナーフィルタを用いた場合、PSFの幅の誤差に対する最小RMSE値の変化を示すグラフである。 本発明の画像復元フィルタ及び従来のウィナーフィルタを用いた場合、PSFの角度の誤差に対する最小RMSE値の変化を示すグラフである。 本発明の画像復元フィルタによる劣化画像である実画像の画像復元結果を示す図である。

Claims (12)

  1. 劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタであって、
    前記画像復元フィルタは、画像復元の度合いを調節することを目的とした画像復元度合調節パラメータを有し、
    前記画像復元度合調節パラメータを調節することにより、前記画像復元の度合いが連続的に変化し、
    前記劣化画像は、次の劣化画像モデルによって表現され、
    Figure 0004787959
    ここで、g(x,y)は前記劣化画像を、h(x,y)は劣化を表す点広がり関数(以下、PSFとする)を、f(x,y)は前記原画像を、*は畳み込み積分を、それぞれ表し、
    前記劣化画像モデルは、周波数領域においては、次のように表され、
    Figure 0004787959
    ここで、G(ξ,η)、H(ξ,η)及びF(ξ,η)は、前記劣化画像、前記PSF及び前記原画像のフーリエ変換を、それぞれ表し、
    前記画像復元フィルタは、下記数式で示す関係を満足するフィルタであり、

    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表し、|K(ξ,η;α)|は、K(ξ,η;α)の絶対値であり、αは前記画像復元度合調節パラメータを表し、
    前記PSFを、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数と、画像復元に用いる点広がり関数とに分解し、次の数式が成立し、
    Figure 0004787959
    ここで、H(ξ,η;α)は、画像復元フィルタを設計するための点広がり関数のフーリエ変換を、H(ξ,η;α)は、画像復元に用いる点広がり関数のフーリエ変換を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、
    前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表すことを特徴とする画像復元フィルタ。
  2. 前記H(ξ,η;α)にゼロ点がないように、前記H(ξ,η;α)を設計する請求項1に記載の画像復元フィルタ。
  3. 前記H(ξ,η;α)を、前記画像復元度合調節パラメータαに従い、劣化の影響が連続的に変化するように設計することにより、前記画像復元フィルタを構成する請求項2に記載の画像復元フィルタ。
  4. 前記H(ξ,η;α)は、
    Figure 0004787959
    によって求められる請求項3に記載の画像復元フィルタ。
  5. 前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを、
    Figure 0004787959
    は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表す請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像復元フィルタ。
  6. 劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタであって、
    前記画像復元フィルタは、画像復元の度合いを調節することを目的とした画像復元度合調節パラメータを有し、
    前記画像復元度合調節パラメータを調節することにより、前記画像復元の度合いが連続的に変化し、
    前記劣化画像は、次の劣化画像モデルによって表現され、
    Figure 0004787959
    ここで、g(x,y)は前記劣化画像を、h(x,y)は劣化を表す点広がり関数(以下、PSFとする)を、f(x,y)は前記原画像を、*は畳み込み積分を、それぞれ表し、
    前記劣化画像モデルは、周波数領域においては、次のように表され、
    Figure 0004787959
    ここで、G(ξ,η)、H(ξ,η)及びF(ξ,η)は、前記劣化画像、前記PSF及び前記原画像のフーリエ変換を、それぞれ表し、
    前記画像復元フィルタは、下記数式で示す関係を満足するフィルタであり、
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表し、|K(ξ,η;α)|は、K(ξ,η;α)の絶対値であり、αは前記画像復元度合調節パラメータを表し、
    前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを、
    Figure 0004787959
    は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表すことを特徴とする画像復元フィルタ。
  7. 前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α,n)は、前記画像復元フィルタを、
    Figure 0004787959
    は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、
    パラメータnは、次の評価関数E(n)を最小にする値であり、
    Figure 0004787959
    ここで、H(ξ,η;α,n)は、前記K(ξ,η;α,n)から求められる設計のための点広がり関数を、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を、それぞれ表す請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像復元フィルタ。
  8. 劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタであって、
    前記画像復元フィルタは、画像復元の度合いを調節することを目的とした画像復元度合調節パラメータを有し、
    前記画像復元度合調節パラメータを調節することにより、前記画像復元の度合いが連続的に変化し、
    前記劣化画像は、次の劣化画像モデルによって表現され、
    Figure 0004787959
    ここで、g(x,y)は前記劣化画像を、h(x,y)は劣化を表す点広がり関数(以下、PSFとする)を、f(x,y)は前記原画像を、*は畳み込み積分を、それぞれ表し、
    前記劣化画像モデルは、周波数領域においては、次のように表され、
    Figure 0004787959
    ここで、G(ξ,η)、H(ξ,η)及びF(ξ,η)は、前記劣化画像、前記PSF及び前記原画像のフーリエ変換を、それぞれ表し、
    前記画像復元フィルタは、下記数式で示す関係を満足するフィルタであり、
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表し、|K(ξ,η;α)|は、K(ξ,η;α)の絶対値であり、αは前記画像復元度合調節パラメータを表し、
    前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α,n)は、前記画像復元フィルタを、
    Figure 0004787959
    は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、
    パラメータnは、次の評価関数E(n)を最小にする値であり、
    Figure 0004787959
    ここで、H(ξ,η;α,n)は、前記K(ξ,η;α,n)から求められる設計のための点広がり関数を、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を、それぞれ表すことを特徴とする画像復元フィルタ。
  9. 前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α,n,m)は、前記画像復元フィルタを、
    Figure 0004787959
    は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、
    パラメータnとmは、次の評価関数E(n,m)を最小にする値であり、
    Figure 0004787959
    ここで、H(ξ,η;α,n,m)は、前記K(ξ,η;α,n,m)から求められる設計のための点広がり関数を、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を、それぞれ表す請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像復元フィルタ。
  10. 劣化画像から原画像を復元する際に使用される画像復元フィルタであって、
    前記画像復元フィルタは、画像復元の度合いを調節することを目的とした画像復元度合調節パラメータを有し、
    前記画像復元度合調節パラメータを調節することにより、前記画像復元の度合いが連続的に変化し、
    前記劣化画像は、次の劣化画像モデルによって表現され、
    Figure 0004787959
    ここで、g(x,y)は前記劣化画像を、h(x,y)は劣化を表す点広がり関数(以下、PSFとする)を、f(x,y)は前記原画像を、*は畳み込み積分を、それぞれ表し、
    前記劣化画像モデルは、周波数領域においては、次のように表され、
    Figure 0004787959
    ここで、G(ξ,η)、H(ξ,η)及びF(ξ,η)は、前記劣化画像、前記PSF及び前記原画像のフーリエ変換を、それぞれ表し、
    前記画像復元フィルタは、下記数式で示す関係を満足するフィルタであり、
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを表し、|K(ξ,η;α)|は、K(ξ,η;α)の絶対値であり、αは前記画像復元度合調節パラメータを表し、
    前記画像復元フィルタは、次のように構成され、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α,n,m)は、前記画像復元フィルタを、
    Figure 0004787959
    は、前記H(ξ,η)の複素共役を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表し、
    パラメータnとmは、次の評価関数E(n,m)を最小にする値であり、
    Figure 0004787959
    ここで、H(ξ,η;α,n,m)は、前記K(ξ,η;α,n,m)から求められる設計のための点広がり関数を、H(ξ,η;α)は、理想的な劣化の影響の変化を示す設計のための点広がり関数を、それぞれ表すことを特徴とする画像復元フィルタ。
  11. 前記劣化画像が直線的なぶれ画像の場合に、前記H(ξ,η;α)を次のように定義し、
    Figure 0004787959
    ここで、
    Figure 0004787959
    はぶれの幅を表すパラメータである請求項7乃至請求項10の何れかに記載の画像復元フィルタ。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れかに記載の画像復元フィルタにより、次の数式に基き、前記劣化画像から画像復元し、
    Figure 0004787959
    ここで、K(ξ,η;α)は、前記画像復元フィルタを、G(ξ,η)は前記劣化画像のフーリエ変換を、
    Figure 0004787959
    は、復元された画像を、αは前記画像復元度合調節パラメータを、それぞれ表すことを特徴とする画像復元方法。
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