JP5623768B2 - 対地静電容量測定装置および対地静電容量測定方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、人工地絡試験では、以下に示すような問題が生じていた。
(1)人工地絡試験は活線作業であるため、作業員の危険を伴う。
(2)人工地絡試験は大掛かりな作業であるため、費用が高い。
(3)人工地絡試験を行うと電力系統全体に地絡の影響が及ぶため、電力系統に接続された顧客に継電器のロックをしてもらう必要がある。
ωC=[(R1−R2)±{(R1−R2)2−4×R1×R2×tan2θ}1/2]/(2×R1×R2×tanθ)
より、
R1×R2×tanθ×(ωC)2−(R1−R2)×ωC+tanθ=0 (1)
ここで、R1:GPT三次制限抵抗(接地形計器用変圧器の3次巻線に接続された制限抵抗)
(1)一般的な非接地電力系統に比べてアドミッタンスωCが小さく、
(2)併設される接地用変圧器(GTR)の中性点接地抵抗(NGR)などにより対地間抵抗が小さい
ため、このような電力系統でのωC測定では、測定するωC値が−解で与えられる範囲となる場合があり(測定するアドミッタンスωCが小さいことに加え、−解のとるωC値の範囲が大きくなるため)、+解および−解のどちらの解を測定結果として採用するかを判定するとともに−解も使用する必要が生じるという問題があった。
なお、対地静電容量Cが極端に小さい小規模な非接地電力系統であれば、同様の問題が考えられる。
ここで、前記電力系統が、非接地電力系統であり、前記ωC演算二次方程式が、前記接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗を“R1”、前記測定用抵抗を“R2”、前記切替スイッチの切替前後の前記零相電圧の位相差を“θ”とすると、
R1×R2×tanθ×(ωC)2−(R1−R2)×ωC+tanθ=0
で表されてもよい。
前記電力系統が、対地間抵抗の小さい電力系統であり、前記ωC測定部が、前記電力系統に接続された接地用変圧器(1)の中性点接地抵抗の抵抗分(ngr)を前記GPT三次制限抵抗と前記零相等価回路上で別要素にするとともに、前記電力系統に接続された複数個の線路用リアクトル(21〜2n)の抵抗分の合成抵抗を前記GPT三次制限抵抗と該零相等価回路上で別要素にして、前記対地静電容量を求めてもよい。
前記接地形計器用変圧器以外の他の接地形計器用変圧器が前記電力系統に存在する場合には、前記ωC測定部が、該他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗も前記GPT三次制限抵抗と前記零相等価回路上で別要素にして、前記対地静電容量を求めてもよい。
前記ωC測定部が、前記零相等価回路の3線一括対地アドミッタンス(Y00)において前記複数個の線路用リアクトルの合成リアクトル分(L’)と該複数個の線路用リアクトルの合成抵抗分、前記中性点接地抵抗の抵抗分および前記他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗の合成抵抗(R3)とを前記対地静電容量と並列に接続して、前記対地静電容量を求めてもよい。
前記ωC測定部が、前記接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗を“R1”、前記測定用抵抗を“R2”、前記接地形計器用変圧器の零相内部インピーダンスを“R0+jωL”、前記複数個の線路用リアクトルの合成リアクトル分を“L’”、前記複数個の線路用リアクトルの合成抵抗分、前記中性点接地抵抗の抵抗分、前記他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗の合成抵抗を“R3”および前記切替スイッチの切替前後の前記零相電圧の位相差を“θ”とすると、以下のωC演算二次方程式を用いて、
tanθ・(ωC’)2+{A−B+(D+E)・tanθ}・ωC’+(A・B+D・E)・tanθ+A・E−B・D=0
ここで、ωC’=ωC−1/ωL’
A=(R01/α)+(1/R3)
B=(R02/β)+(1/R3)
D=−(ωL/α)
E=−(ωL/β)
α=R01 2+(ωL)2
β=R02 2+(ωL)2
R01=R0+R1
R02=R0+(R1・R2)/(R1+R2)
前記対地静電容量を求めてもよい。
前記切替スイッチを切替制御するとともに、前記ωC測定部に前記対地静電容量を求めるように制御する制御部(13)をさらに具備してもよい。
前記対地静電容量測定装置をパーソナルコンピュータ(30)に接続して前記制御部の機能を該パーソナルコンピュータに行わせてもよい。
前記対地静電容量測定装置を持ち運び可能な対地静電容量測定装置(20)とし、該持ち運び可能な対地静電容量測定装置を変圧器盤に接続して前記対地静電容量を測定してもよい。
本発明の対地静電容量測定方法は、本発明の対地静電容量測定装置を用いて電力系統の対地静電容量を求めることを特徴とする。
(1)残留電圧の電圧降下率と電力系統の零相等価回路の回路定数並びに零相等価回路に基づくωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解から算定したアドミッタンスの変化率から求まる残留電圧の電圧降下率とを比較し、ωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解のうち測定結果として採用すべき解を判別することにより、ωCが小さく、対地間抵抗が小さい電力系統などでも使用することができるとともに使用者でも容易に対地静電容量を測定することができる。
(2)対地静電容量を測定する電力系統を予め予測して限定する必要がなくなり、どこでも対地静電容量を測定することができる。
(3)非接地電力系統および対地間抵抗が小さい電力系統の両方で使用することができるため、対地静電容量の測定作業の効率化が図れる。
(4)対地静電容量を予測し、測定結果として採用する解を判別するための知識や設備を把握する手間を不要とすることができる。
なお、電力系統に地絡故障が発生していない健全状態において、常時、電力系統に存在している零相電圧を「残留電圧」と定義する。同様に、常時、電力系統に存在している零相電流を「残留電流」と定義する。
本発明の対地静電容量測定装置は、上記(1)式で示したようなωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解のうちどちらの解を採用するかの判定を、測定用抵抗R2をGPT三次制限抵抗R1に並列接続したときに生じる零相等価回路のアドミッタンスの変化率が−解で与えられるωC値である場合の方が+解で与えられるωC値である場合に比べて必ず大きくなるとともにωC値が小さくなるに従って大きくなり、これによって生じる残留電圧(三次電圧)の電圧降下率もωC値が小さくなるに従って大きくなることを利用して行うことを特徴とする。
具体的には、実測した残留電圧の電圧降下率と、測定する電力系統の零相等価回路の回路定数並びに測定したωC値の+解および−解から算定したアドミッタンスの変化率から求まる電圧降下率とを比較して、ωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解のうち測定結果として採用すべき解を判別する。
また、地絡継電器試験装置10は、図1(b)に示すように、直列接続された測定用抵抗R2および切替スイッチSWを内蔵する。測定用抵抗R2および切替スイッチSWは、接地形計器用変圧器3のGPT三次制限抵抗R1と並列に接続されている。切替スイッチSWは、制御部13によって切替制御される。
図2(a)に示す非接地高圧電力系統の零相等価回路(斜体はベクトルを表す。)において、不平衡分対地静電容量C00は一般的に対地静電容量Cに比べ十分に小さいため、零相等価回路全体の合成アドミッタンス≒ωC00と考えることができる。そのため、電流Iは(2−1)式で表されるように一定となるので、図2(a)に示す電圧源を同図(b)に示す電流源として扱うことができる。
I=E×ωC00 (2−1)
ここで、E:相電圧
Y=jωC+1/R (2−2)
ここで、R(=R1):切替スイッチSWの接続前のGPT三次制限抵抗R1と測定用抵抗R2との並列抵抗(以下、「接続前並列抵抗R」と称する。)
また、切替スイッチSWの接続前のGPT三次制限抵抗R1の両端の残留電圧(以下、「接続前残留電圧V0」と称する。)は(2−3)式で表される。
V0=I/Y (2−3)
(2−3)式は、電流Iが定電流であるならば、接続前アドミッタンスYが大きいほど接続前残留電圧V0は小さくなることを表している。
また、接続後アドミッタンスY’は(2−4)式で表され、接続後残留電圧V0’ は(2−5)式で表される。
Y’=jωC+1/R’ (2−4)
V0’=I/Y’ (2−5)
また、図4より、接続前および接続後+解アドミッタンスYa,Ya’の変化率である+解アドミッタンス変化率(=Ya’/Ya)および接続前および接続後−解アドミッタンスYb,Yb’の変化率である−解アドミッタンス変化率(=Yb’/Yb)の大小関係は、“接続後アドミッタンスY’の抵抗分a’>接続前アドミッタンスYの抵抗分a>0”かつ“ωC演算二次方程式から求まるωC値の+解b’≧ωC演算二次方程式から求まるωC値の−解b>0”であるならば、(2−6)式で表される(詳しい導出方法は後述する。)。
(Yb’/Yb)≧(Ya’/Ya)>1 (2−6)
(2−6)式より、電流Iが一定であるならば、切替スイッチSWの接続前後の+解残留電圧(以下、「接続前および接続後+解残留電圧V0a,V0a’」と称する。)は接続前および接続後+解アドミッタンスYa,Ya’に反比例し、切替スイッチSWの接続前後の−解残留電圧(以下、「接続前および接続後−解残留電圧V0b,V0b’ 」と称する。)は接続前および接続後−解アドミッタンスYb,Yb’に反比例するため、接続前および接続後+解残留電圧V0a,V0a’の変化率である+解残留電圧変化率(=V0a’/V0a)および接続前および接続後−解残留電圧V0b,V0b’の変化率である−解残留電圧変化率(=V0b’/V0b)の大小関係は(2−7)式で表される。
(V0b’/V0b)≦(V0a’/V0a)<1 (2−7)
図4より、接続前および接続後+解アドミッタンスYa,Ya’と接続前および接続後−解アドミッタンスYb,Yb’とは(3−1)式から(3−4)式でそれぞれ表される。
Ya=(a2+b’2)1/2 (3−1)
Ya’=(a’2+b’2)1/2 (3−2)
Yb=(a2+b2)1/2 (3−3)
Yb’=(a’2+b2)1/2 (3−4)
したがって、+解アドミッタンス変化率および−解アドミッタンスの変化率は(3−5)式および(3−6)式でそれぞれ表される。
Ya’/Ya=(a’2+b’2)1/2/(a2+b’2)1/2 (3−5)
Yb’/Yb=(a’2+b2)1/2/(a2+b2)1/2 (3−6)
その結果、(3−7)式が成立する。
(Yb’/Yb)/(Ya’/Ya)={(a’2+b2)1/2/(a2+b2)1/2}/{(a’2+b’2)1/2/(a2+b’2)1/2
=[{(a2+b’2)×(a’2+b2)}/{(a’2+b’2)×(a2+b2)}]1/2
={(a2×a’2+a2×b2+a’2×b’2+b2×b’2)/(a2×a’2+a2×b’2+a’2×b2+b2×b’2)}1/2 (3−7)
よって、(3−7)式の平方根内の分子を“P”(=a2×a’2+a2×b2+a’2×b’2+b2×b’2)および平方根内の分母を“Q”(=a2×a’2+a2×b’2+a’2×b2+b2×b’2)とすると、(3−8)式が成立する。
P−Q=(a2×a’2+a2×b2+a’2×b’2+b2×b’2)−(a2×a’2+a2×b’2+a’2×b2+b2×b’2)
=a2×b2+a’2×b’2−a2×b’2−a’2×b2
=−b2×(a’2−a2)+b’2(a’2−a2)
=(a’2−a2)×(b’2−b2) (3−8)
(3−8)式より、“接続後アドミッタンスの抵抗分a’>接続前アドミッタンスの抵抗分a”かつ“ωC演算二次方程式から求まるωC値の+解b’≧ωC演算二次方程式から求まるωC値の−解b”とすると、P−Q≧0となるため、
(Yb’/Yb)≧(Ya’/Ya)>1
となり、上記(2−6)式が成立する。
したがって、上記の特許文献1に開示された測定原理を応用して分散リアクトル接地系統での対地静電容量Cの測定を行う場合には、測定原理上影響する諸元として、接地用変圧器1の中性点接地抵抗の抵抗分ngrと第1乃至第nの線路用リアクトル21〜2nの抵抗分rとがある。
また、第1乃至第nの線路用リアクトル21〜2nの抵抗分rについては、ωC測定を行う場合以外には通常取り扱う必要がないため、認識がなく単にリアクタンス分のみ(リアクタンス分については、静電容量分と相殺されて電力系統の対地静電容量となるため、計算上特に取り扱う必要はない)として考えて、アドミッタンスωCを計算してみた。
しかし、この計算方法では、アドミッタンスωCの誤差が大きくなり、ωC測定できなかった。
この解決策として、接地形計器用変圧器3を介して電力系統に存在する零相回路の抵抗分(すなわち、中性点接地抵抗の抵抗分ngr)をGPT三次制限抵抗R1とアドミッタンスωCを計算する零相等価回路上で別の要素にして計算する方法を開発した。
これは、第1乃至第nの線路用リアクトル21〜2nの抵抗分rの影響は1台当たりではωC測定における計算に影響を与えない程度に十分小さいが、実電力系統では多数の線路用リアクトルが分散して並列接地されているため、これが合成されると想定以上に影響が大きくなり計算に影響を与えていることが原因であった。
このため、使用されている線路用リアクトルの1台当りの抵抗分の値を調査し、これを並列接地された台数分だけ合成し、上述した中性点接地抵抗の抵抗分ngrの場合と同様にGPT三次制限抵抗R1とアドミッタンスωCを計算する零相等価回路上で別の要素にして計算するように改良した。
この零相等価回路は、図6に示した零相等価回路の3線一括対地アドミッタンスY00において、第1乃至第nの線路用リアクトル21〜2nの合成リアクトル分L’と、第1乃至第nの線路用リアクトル21〜2nの合成抵抗分、中性点接地抵抗の抵抗分ngrおよび他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗の合成抵抗R3とを追加(対地静電容量Cと並列に接続)したものである。
この零相等価回路を用いて導出した3線一括対地アドミッタンスY00(接続前アドミッタンス)と切替スイッチSWをオンすることにより並列接続される既知のアドミッタンスY01(測定用抵抗R2)を3線一括対地アドミッタンスY00に加えたときの合成アドミッタンスY02(接続後アドミッタンス)とは、(4−1)式および(4−2)式でそれぞれ表される。
Y00=j(ωC−1/ωL’)+1/R3+1/(jωL+R0+R1) (4−1)
Y02=j(ωC−1/ωL’)+1/R3+1/{jωL+R0+(R1・R2)/(R1+R2)} (4−2)
したがって、相電圧を“E”とし、Y00’を3線一括対地アドミッタンスの不平衡分とすると、切替スイッチSWをオフしているときの接続前残留電圧V0と切替スイッチSWをオンしたときの接続後残留電圧V0’とは(4−3)式および(4−4)式でそれぞれ表される。
V0=−E・Y00’/Y00 (4−3)
V0’=−E・Y00’/Y02 (4−4)
(4−3)式および(4−4)式より、3線一括対地アドミッタンスY00は、合成アドミッタンスY02、接続前残留電圧V0および接続後残留電圧V0’を用いて(4−5)式で表される。
Y00=(V0’/V0)Y02 (4−5)
その結果、切替スイッチSWをオンすることによって接地形計器用変圧器3に接続されるアドミッタンスを3線一括対地アドミッタンスY00から合成アドミッタンスY02に切り換えたときに接地形計器用変圧器3の三次側に生じる残留電圧の位相差θはこのアドミッタンスの切換前後のアドミッタンスの位相角の差と一致する(すなわち、θ=φ’−φ)ため、ωC測定部11のωC算出部11bは(4−6)式に示す方程式を用いてアドミッタンスωCの解(ωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解)を求める。
tanθ・(ωC’)2+{A−B+(D+E)・tanθ}・ωC’+(A・B+D・E)・tanθ+A・E−B・D=0 (4−6)
ここで、ωC’=ωC−1/ωL’
A=(R01/α)+(1/R3)
B=(R02/β)+(1/R3)
D=−(ωL/α)
E=−(ωL/β)
α=R01 2+(ωL)2
β=R02 2+(ωL)2
R01=R0+R1
R02=R0+(R1・R2)/(R1+R2)
線路用リアクトルによる補償電流の合計が2.5Aタップ×1箇所および2.0Aタップ×2箇所の計6.5Aで、2.0Aタップの一次抵抗および一次リアクタンスが156Ωおよび1899Ωであり、2.5Aタップの一次抵抗および一次リアクタンスが142Ωおよび1470Ωであるとする。
2.0Aタップの一次抵抗=156Ωを直並列変換(RL直列回路をRL並列回路に変換)すると、約23.3kΩ(=18992/156+156=23273Ω)となり、2.5Aタップの一次抵抗=142Ωを直並列変換すると、約15.4kΩ(=14702/142+142=15360Ω)となる。
したがって、線路用リアクトルの抵抗分の合成抵抗は、約23.3kΩと約23.3kΩと約15.4kΩとの並列抵抗となるため、約6.63kΩとなる。
接地用変圧器3の一次−三次変圧比をnとし、n2=109.3{=(6900/31/2/381)2}とすると、線路用リアクトルの抵抗分の合成抵抗の三次換算値は60.66Ω(=6630/109.3(Ω))となる。
線路用リアクトルの抵抗分の合成抵抗は、中性点接地抵抗の抵抗分ngrと並列になるので、中性点接地抵抗の抵抗分ngr=5.53Ωとすると、その合成抵抗値は5.07Ωとなる。
この合成抵抗値(=5.07Ω)をR3に代入してアドミッタンスωCを計算すると、2.578mSとなり、人工地絡試験の算定値=2.523mSに対する誤差が0.055mS(誤差率=2.2%)となった。一方、線路用リアクトル抵抗分の補正をしない場合のωCの計算値は2.761mSとなり、人工地絡試験の算定値=2.523mSに対する誤差が0.238mS(誤差率=9.4%)となった。
このように、線路用リアクトル抵抗分の補正を行うことにより誤差が大幅に改善した。
この例に示すように、持ち運び可能な対地静電容量測定装置20の外形の寸法は横422.5mm、縦370.5mmおよび高さ216.5mm(蓋の高さが45mm)であり、小型にすることができる。
また、線路に中性点接地リアクトルのみを複数台設置した電力系統の場合には、接地用変圧器の中性点接地抵抗nrgがないため、中性点接地抵抗ngrが無限大であるとして取り扱うことで、分散リアクトル接地系統の場合と同様に実施することができる。
21〜2n 第1乃至第nの線路用リアクトル
3 接地形計器用変圧器
10 対地静電容量測定装置
11 ωC測定部
11a 位相差算出部
11b ωC算出部
11c +解/−解判定部
12 表示部
13 制御部
20 持ち運び可能な対地静電容量測定装置
30 パーソナルコンピュータ
SW 切替スイッチ
C 対地静電容量
C00 不平衡分対地静電容量
R,R’ 接続前および接続後並列抵抗
R1 GPT三次制限抵抗
R2 測定用抵抗
R3 合成抵抗
Y,Y’ 接続前および接続後アドミッタンス
Ya,Ya’ 接続前および接続後+解アドミッタンス
Yb,Yb’ 接続前および接続後−解アドミッタンス
Y00 3線一括対地アドミッタンス
Y00’ 3線一括対地アドミッタンスの不平衡分
Y01 既知のアドミッタンス
Y02 合成アドミッタンス
L’ 合成リアクトル分
E 相電圧
En 残留電圧
I 電流
V0,V0’ 接続前および接続後残留電圧
V0a,V0a’ 接続前および接続後+解残留電圧
V0b,V0b’ 接続前および接続後−解残留電圧
V2 二次電圧
V3 三次電圧
φ,φ’ 接続前および接続後位相
θ 位相差
a,a’ 接続前および接続後アドミッタンスY,Y’の抵抗分
b,b’ ωC演算二次方程式から求まるωC値の−解および+解
ngr,r 抵抗分
Claims (10)
- 電力系統の三相一括の対地静電容量(C)を測定する対地静電容量測定装置(10)であって、
前記電力系統に接続された接地形計器用変圧器(3)のGPT三次制限抵抗(R1)と並列に接続された、かつ、直列接続された測定用抵抗(R2)および切替スイッチ(SW)と、
該切替スイッチの切替前後の前記接地形計器用変圧器の三次電圧(V 3 )である接続前および接続後残留電圧(V 0 ,V 0 ’)を実測し、該実測した接続前および接続後残留電圧に基づいて前記対地静電容量を求めるためのωC測定部(11)とを具備し、
前記ωC測定部が、前記実測した接続前および接続後残留電圧から算出した残留電圧の電圧降下率(V 0 ’/V 0 )と、前記電力系統の零相等価回路の回路定数並びに該零相等価回路に基づくωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解から算定したアドミッタンスの変化率から求まる電圧降下率とを比較し、該ωC演算二次方程式から求まるωC値の+解および−解のうち測定結果として採用すべき解を判別して、前記対地静電容量を求める、
ことを特徴とする、対地静電容量測定装置。 - 前記電力系統が、非接地電力系統であり、
前記ωC演算二次方程式が、前記接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗を“R1”、前記測定用抵抗を“R2”、前記切替スイッチの切替前後の前記零相電圧の位相差を“θ”とすると、
R1×R2×tanθ×(ωC)2−(R1−R2)×ωC+tanθ=0
で表される、
ことを特徴とする、請求項1記載の対地静電容量測定装置。 - 前記電力系統が、対地間抵抗の小さい電力系統であり、
前記ωC測定部が、前記電力系統に接続された接地用変圧器(1)の中性点接地抵抗の抵抗分(ngr)を前記GPT三次制限抵抗と前記零相等価回路上で別要素にするとともに、前記電力系統に接続された複数個の線路用リアクトル(21〜2n)の抵抗分の合成抵抗を前記GPT三次制限抵抗と該零相等価回路上で別要素にして、前記対地静電容量を求める、
ことを特徴とする、請求項1記載の対地静電容量測定装置。 - 前記接地形計器用変圧器以外の他の接地形計器用変圧器が前記電力系統に存在する場合には、前記ωC測定部が、該他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗も前記GPT三次制限抵抗と前記零相等価回路上で別要素にして、前記対地静電容量を求めることを特徴とする、請求項3記載の対地静電容量測定装置。
- 前記ωC測定部が、前記零相等価回路の3線一括対地アドミッタンス(Y00)において前記複数個の線路用リアクトルの合成リアクトル分(L’)と該複数個の線路用リアクトルの合成抵抗分、前記中性点接地抵抗の抵抗分および前記他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗の合成抵抗(R3)とを前記対地静電容量と並列に接続して、前記対地静電容量を求めることを特徴とする、請求項3または4記載の対地静電容量測定装置。
- 前記ωC測定部が、前記接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗を“R1”、前記測定用抵抗を“R2”、前記接地形計器用変圧器の零相内部インピーダンスを“R0+jωL”、前記複数個の線路用リアクトルの合成リアクトル分を“L’”、前記複数個の線路用リアクトルの合成抵抗分、前記中性点接地抵抗の抵抗分、前記他の接地形計器用変圧器のGPT三次制限抵抗の合成抵抗を“R3”および前記切替スイッチの切替前後の前記零相電圧の位相差を“θ”とすると、以下のωC演算二次方程式を用いて、
tanθ・(ωC’)2+{A−B+(D+E)・tanθ}・ωC’+(A・B+D・E)・tanθ+A・E−B・D=0
ここで、ωC’=ωC−1/ωL’
A=(R01/α)+(1/R3)
B=(R02/β)+(1/R3)
D=−(ωL/α)
E=−(ωL/β)
α=R01 2+(ωL)2
β=R02 2+(ωL)2
R01=R0+R1
R02=R0+(R1・R2)/(R1+R2)
前記対地静電容量を求めることを特徴とする、請求項5記載の対地静電容量測定装置。 - 前記切替スイッチを切替制御するとともに、前記ωC測定部に前記対地静電容量を求めるように制御する制御部(13)をさらに具備することを特徴とする、請求項1乃至6いずれかに記載の対地静電容量測定装置。
- 前記対地静電容量測定装置をパーソナルコンピュータ(30)に接続して前記制御部の機能を該パーソナルコンピュータに行わせることを特徴とする、請求項7記載の対地静電容量測定装置。
- 前記対地静電容量測定装置を持ち運び可能な対地静電容量測定装置(20)とし、該持ち運び可能な対地静電容量測定装置を変圧器盤に接続して前記対地静電容量を測定することを特徴とする、請求項8記載の対地静電容量測定装置。
- 請求項1乃至9いずれかに記載の対地静電容量測定装置を用いて電力系統の対地静電容量を求めることを特徴とする、対地静電容量測定方法。
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