JP6531065B2 - 対地静電容量測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非接地系統における三相の配電線の三相一括の対地静電容量を測定する対地静電容量測定方法に関する。
従来から、6.6kV系統等の非接地系統では、人工接地試験を実施することによって三相の配電線の三相一括の対地静電容量を測定し、当該測定結果に基づいて地絡過電圧継電器(以下、保護リレー)の動作感度を決定している。人工接地試験を実施する場合、当該系統に接続されている全ユーザの保護リレーをロックする必要が生じる。しかし、近年、太陽光発電等の自家用電気設備が増加していることに伴い、保護リレーをロックすべき箇所が増加している。
自家用電気設備は電気主任技術者の選任が必要であるので、多くのユーザは、設備の保守に関しては外部委託を行っている。しかし、保護リレーをロックする作業は設備の保守に含まれない場合が多い。このため、ユーザは、保護リレーをロックする作業を外部委託するには、別途費用を負担する必要がある。一方、一のユーザが保護リレーをロックしないだけでも人工接地試験が実施できないので、試験者は、全てのユーザが保護リレーをロック可能となるよう試験の実施日時を調整するのに多大な負担がかかっている。
このため、下記特許文献1には、ユーザや試験者に負担のかかる人工接地試験を行うことなく、非接地系統における三相の配電線の三相一括の対地静電容量を測定する技術が開示されている。具体的には、下記特許文献1には、地絡事故が発生していない場合でも各相の配電線の対地静電容量の不平衡によって、接地変圧器の三次側に若干の零相電圧が生じていることに着目し、接地変圧器の三次側に接続する制限抵抗の抵抗値を変化させたときの零相電圧の変化量に基づき、三相一括の対地静電容量を算出することが開示されている。
特開平6−109784号公報
しかし、前記特許文献1の技術では、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線の対地静電容量が平衡状態にあり、接地変圧器の三次側に零相電圧が生じていないときは、三相一括の対地静電容量を測定できないという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされた発明であり、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線の対地静電容量が平衡状態にあるときでも、人工接地試験を行うことなく、非接地系統における三相の配電線の三相一括の対地静電容量を測定可能な測定方法を提供することを目的とする。
本発明による対地静電容量測定方法は、非接地系統における三相の配電線に接続された接地変圧器の二次側に接続された三相の負荷のうち、少なくとも一相の負荷のアドミッタンスを他相の負荷のアドミッタンスと異ならせ、前記接地変圧器の三次側に接続された制限抵抗の両端間電圧を測定し、前記測定した前記制限抵抗の両端間電圧から得られる前記接地変圧器の一次側の零相電圧と、前記制限抵抗の抵抗値と、前記接地変圧器の一次電圧に対する三次電圧の比率である三次変圧比と、を用いた演算式に基づき、前記配電線の三相一括の対地静電容量を算出する。
本構成によれば、接地変圧器の二次側に接続された少なくとも一相の負荷のアドミッタンスを他相の負荷のアドミッタンスと異ならせる。これにより、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線の対地静電容量が平衡状態にあるときでも、各相の配電線の対地静電容量及び各相の二次側の負荷の合計アドミッタンスで表される、各相の配電線の対地アドミッタンスを不平衡な状態にし、接地変圧器の一次側に零相電圧を強制的に発生させることができる。その結果、接地変圧器の三次側に接続された制限抵抗の両端間電圧を測定することが可能となる。
このため、本構成によれば、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線の対地静電容量が平衡状態にあるときでも、人工接地試験を行うことなく、制限抵抗の両端間電圧の測定結果から得られる接地変圧器の一次側の零相電圧と、既知の制限抵抗の抵抗値と、接地変圧器の所謂一次・三次間変圧比である三次変圧比と、を用いた演算式に基づき、非接地系統における三相の配電線の三相一括の対地静電容量を算出することができる。
また、前記演算式は、下式で表され、
Figure 0006531065
当該演算式において、Vは、前記零相電圧を示すベクトルであり、Y(k=a、b、c)は、k相の配電線の対地静電容量のアドミッタンスを示すベクトルと前記接地変圧器の二次側に接続されているk相の負荷のアドミッタンスを示すベクトルとの和であり、V(k=a、b、c)は、k相の対地電圧を示すベクトルから前記零相電圧を示すベクトルを減算した結果であり、nは前記三次変圧比であり、Rは前記制限抵抗の抵抗値であることが好ましい。
本構成によれば、前記演算式の右辺の分子(Y・V+Y・V+Y・V)が、制限抵抗の抵抗値Rによらず一定である。このため、制限抵抗の抵抗値Rを異ならせて2回前記測定を行い、各測定結果から得られるVと、各測定に用いた制限抵抗の抵抗値Rと、三次変圧比nと、をそれぞれ前記演算式に代入し、当該代入後の異なる値を入力して得られた二つの式によって前記分子(Y・V+Y・V+Y・V)を相殺して、Y+Y+Yが示すベクトルを導出することができる。
そして、Y+Y+Yが示すベクトルから、既知のa、b、c相の負荷のアドミッタンスを示すベクトルを減算することで、a、b、c相の配電線の対地静電容量のアドミッタンスのベクトルの和を算出することができる。その結果、当該ベクトルの和から3相一括の対地静電容量を算出することができる。
また、前記制限抵抗の抵抗値を第一抵抗値と前記第一抵抗値とは異なる第二抵抗値とに切り替えて前記測定をそれぞれ行い、前記制限抵抗の抵抗値を前記第一抵抗値にした場合に行った前記測定の結果を用いた前記演算式である第一演算式と、前記制限抵抗の抵抗値を前記第二抵抗値にした場合に行った前記測定の結果を用いた前記演算式である第二演算式と、の二式に基づき、前記三相一括の対地静電容量を算出してもよい。
本構成によれば、試験者は、制限抵抗の抵抗値を第一抵抗値と第二抵抗値とに切り替えて前記測定をそれぞれ行うという、簡易な測定作業を行うだけで、三相一括の対地静電容量を算出することができる。
また、各相の前記配電線の対地静電容量が同一であると仮定して前記演算式を変形した第三演算式によって、各相の前記配電線の対地静電容量が同一であると仮定した場合の前記三相一括の対地静電容量を算出してもよい。
本構成によれば、試験者は、各相の配電線の対地静電容量が同一であると仮定できることが予め分かっている場合、前記測定を一度だけ行うという、より簡易な測定作業を行うだけで、第三演算式(後述の第三演算式(12))によって各相の配電線の対地静電容量が同一であると仮定した場合における三相一括の対地静電容量を算出することができる。
また、前記第三演算式は、下式で表され、
Figure 0006531065
当該第三演算式において、3・Cは各相の前記配電線の対地静電容量が同一であると仮定した場合の前記三相一括の対地静電容量であり、Vは、前記零相電圧を示すベクトルであり、V(k=a、b、c)は、k相の対地電圧を示すベクトルから前記零相電圧を示すベクトルを減算した結果であり、Z(k=a、b、c)は前記接地変圧器の二次側に接続されているk相の負荷のインピーダンスを示すベクトルであり、nは前記三次変圧比であり、Rは前記制限抵抗の抵抗値であることが好ましい。
本構成によれば、前記測定後に既知となったVと、前記測定の前から既知のR及びnと、前記測定の前から既知のZ、Z、Z、V、V、Vと、を前記演算式に代入した結果によって、容易に三相一括の対地静電容量を算出することができる。
本発明によれば、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線の対地静電容量が平衡状態にあるときでも、人工接地試験を行うことなく、非接地系統における三相の配電線の三相一括の対地静電容量を測定可能な測定方法を提供することができる。
6.6kV非接地系統の構成を示す図である。 三相一括の対地静電容量の測定方法を示すフローチャートである。 図1に示す非接地系統の等価回路図である。
以下、本発明に係る測定方法の一実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る非接地系統の一実施形態である6.6kV非接地系統1の構成を示す図である。図1に示すように、6.6kV非接地系統1(以下、非接地系統1)は、配電用変圧器2、三相の配電線3a、3b、3c、接地変圧器5、切替スイッチSW1、制限抵抗R1、R2、スイッチSW2、抵抗R3、及び負荷4を備えている。
配電用変圧器2は、変電所等に設けられ、三相の配電線3a、3b、3cへ三相の電圧V、V、Vを供給する。以下、a相の構成要素には符号aを付し、b相の構成要素には符号bを付し、c相の構成要素には符号cを付す。図1において、Y1(k=a、b、c)は、k相の配電線3kの対地静電容量のアドミッタンスを示している。また、以下では、説明の便宜上、k相の配電線3k(k=a、b、c)の対地静電容量をCと記載する。
接地変圧器5は、一次回路51と、二次回路52と、三次回路53と、を備えている。
一次回路51は、スター結線され、中性点が接地された三相の一次巻線51a、51b、51cを備えている。つまり、k(k=a、b、c)相の一次巻線51kは、一端がk相の配電線3kに接続され、他端が接地されている。
二次回路52は、三相の一次巻線51a、51b、51cと同様、スター結線され、中性点が接地された三相の二次巻線52a、52b、52cを備え、k(k=a、b、c)相の配電線3kにより供給されたk相の電圧Vをそれぞれ同一の変圧比で変圧する。つまり、a相の二次巻線52aとa相の一次巻線51aとの変圧比、b相の二次巻線52bとb相の一次巻線51bとの変圧比、及びc相の二次巻線52cとc相の一次巻線51cとの変圧比は同一となっている。
三次回路53は、オープンデルタ結線された三相の三次巻線53a、53b、53cを備え、接地変圧器5の一次回路51側(一次側)に発生している零相電圧Vを所定の変圧比(以下、三次変圧比)で変圧する。つまり、三次変圧比は、接地変圧器5の所謂一次・三次間変圧比を示している。a相の三次巻線53bとa相の一次巻線51aとの変圧比、b相の三次巻線53bとb相の一次巻線51bとの変圧比、及びc相の三次巻線53cとc相の一次巻線51cとの変圧比は同一となっている。
切替スイッチSW1は、三次回路53のオープン端子53d、53e(三次側)に制限抵抗R1を接続するか、制限抵抗R2を接続するかを切替えるスイッチである。制限抵抗R1、R2は、制限抵抗R1、R2は、地絡事故の発生等が原因で三次回路53に大電流が流れた場合に、その電流の大きさを制限するものである。尚、制限抵抗R1の抵抗値(第一抵抗値)は、制限抵抗R2の抵抗値(第二抵抗値)と異なっている。
負荷4には、二次回路52が備えるk(k=a、b、c)相の二次巻線52k(二次側)に接続され、当該二次巻線52kから供給されるk相の電圧を用いて動作する負荷が含まれる。以下、k相の当該二次巻線52kに接続されている負荷を、k相の負荷4kと記載する。
以下、三相の電圧V、V、Vの大きさ及び各相の電圧間の位相差が規定値に保たれている状態であることを、三相の電圧V、V、Vが平衡状態であると記載する。また、三相の電圧V、V、Vの大きさ又は各相の電圧間の位相差が規定値に保たれていない状態であることを、三相の電圧V、V、Vが不平衡状態であると記載する。
負荷4には、制限抵抗R1又は制限抵抗R2を介して三次回路53のオープン端子53d、53eに接続されている、制限抵抗R1又は制限抵抗R2の両端子間電圧を測定する電圧計や地絡保護リレー等も含まれる。
スイッチSW2は、a相の二次巻線52aに抵抗R3を接続するか否かを切り替えるスイッチである。抵抗R3は、所定の抵抗値を有する抵抗素子である。尚、抵抗R3に代えてコンデンサ等の他の電気素子を設けてもよい。
以下、非接地系統1における三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を測定する方法について説明する。図2は、三相一括の対地静電容量の測定方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、試験者は、先ず、a相の二次巻線52aに接続されているa相の負荷4aのアドミッタンスを、b、c相の二次巻線52b、52cに接続されているb、c相の負荷4b、4c(他相の負荷)のアドミッタンスと異ならせる(S1)。
具体的には、ステップS1において、試験者は、スイッチSW2(図1)を閉状態にすることで、a相の二次巻線52aに抵抗R3を接続する。これにより、a相の負荷4aのアドミッタンスだけを、b、c相の負荷4b、4cのアドミッタンスと異ならせる。
つまり、試験者は、ステップS1を行うことにより、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが同一である(以下、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが平衡状態である)ときでも、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、C及び各相の負荷4a、4b、4cの合計アドミッタンスで表される、各相の配電線3a、3b、3cの対地アドミッタンスを不平衡な状態にし、接地変圧器5の一次回路51側に零相電圧Vを強制的に発生させることができる。その結果、接地変圧器5の三次回路53側に接続された制限抵抗R1又は制限抵抗R2の両端間電圧を測定することが可能となる。
そこで、試験者は、三次回路53のオープン端子53d、53eに制限抵抗R1を接続するよう切替スイッチSW1を切り替え(S2)、負荷4に含まれる前記電圧計を用いて制限抵抗R1の両端間電圧を測定する(S3)。
次に、試験者は、例えば、スイッチSW2が開状態の場合に接地用変圧器5の三次側電圧がほぼ0であるか否かによって、または、過去に行った人工接地試験の結果等に基づき、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが同一であると仮定できるか否かを判断する(S4)。
試験者は、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが同一であると仮定できないと判断した場合、又は、前記判断を行えない場合(S4;NO)、三次回路53のオープン端子53d、53eに制限抵抗R2を接続するよう切替スイッチSW1を切り替える(S5)。そして、試験者は、負荷4に含まれる前記電圧計を用いて制限抵抗R2の両端間電圧を測定する(S6)。
次に、試験者は、ステップS3の測定結果から得られる後述の第一演算式と、ステップS6の測定結果から得られる後述の第二演算式と、の二式に基づき、三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を算出する(S7)。ステップS7の詳細については後述する。
一方、ステップS4において、試験者は、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが同一であると仮定できると判断した場合(S4;NO)、ステップS3の測定結果から得られる後述の第三演算式によって、三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を算出する(S8)。ステップS8の詳細については後述する。
以下、ステップS7の詳細について図3を用いて詳述する。図3は、図1に示す非接地系統1の等価回路図である。図3において、Vは、ステップS1で発生させた零相電圧を示すベクトルである。Y(k=a、b、c)は、k相の配電線3kの対地静電容量Cのアドミッタンスを示すベクトルとk相の負荷4kのアドミッタンスを示すベクトルとの和である。V(k=a、b、c)は、k相の対地電圧を示すベクトルから、ステップS1で発生させた零相電圧を示すベクトルを減算した結果である。nは、前記三次変圧比である。Rは、制限抵抗R1の抵抗値又は制限抵抗R2の抵抗値である。
試験者は、ステップS7において、図3に示す符号を用いて表される以下の演算式(1)を用いる。
Figure 0006531065
尚、演算式(1)の導出根拠については後述する。
試験者は、ステップS7において、先ず、ステップS3で測定した制限抵抗R1の両端間電圧を、接地変圧器5の所謂一次・三次間変圧比である三次変圧比nを用いて一次側換算することにより、ステップS1で発生させた零相電圧Vを算出する。以下、当該算出した零相電圧をV01と示す。また、制限抵抗R1の抵抗値(第一抵抗値)は例えば25(Ω)であるとする。
そして、試験者は、演算式(1)に、算出した零相電圧V01と、三次変圧比nと、制限抵抗R1の抵抗値「25」と、を代入して、以下の第一演算式(2)を得る。
Figure 0006531065
同様にして、試験者は、ステップS6で測定した制限抵抗R2の両端間電圧を、三次変圧比nを用いて一次側換算することにより、ステップS1で発生させた零相電圧Vを算出する。以下、当該算出した零相電圧をV02と示す。また、制限抵抗R2の抵抗値(第二抵抗値)は例えば2.5(Ω)であるとする。
そして、試験者は、演算式(1)に、算出した零相電圧V02と、三次変圧比nと、制限抵抗R1の抵抗値「2.5」と、を代入して、以下の第二演算式(3)を得る。
Figure 0006531065
ここで、第一演算式(2)を変形すると以下の式(2)’となり、第二演算式(3)を変形すると以下の式(3)’となる。
Figure 0006531065
式(2)’及び式(3)’の左辺は等しいので、式(2)’及び式(3)’から以下の式(4)が得られる。
Figure 0006531065
そして、式(4)におけるY+Y+YをYと示し、9・n/25をr1、9・n/2.5をr2と示すことによって式(4)を簡略化すると、以下の式(4)’が得られる。
Figure 0006531065
式(4)’を変形すると、式(5)が得られる。
Figure 0006531065
そこで、試験者は、既知のV01、V02、r1、r2を式(5)に代入することで、Yを算出する。
上述のように、Y(k=a、b、c)は、k相の配電線3kの対地静電容量Cのアドミッタンスを示すベクトルとk相の負荷4kのアドミッタンスを示すベクトルとの和で示ある。よって、負荷4kの既知のインピーダンスをベクトルで示したものをZとすると、Yは、以下の式(6)によって示すことができる。
Figure 0006531065
このため、式(5)を用いて算出したY(=Y+Y+Y)は、式(6)を用いることで、以下の式(7)で示すことができる。
Figure 0006531065
式(7)を整理すると、以下の式(8)が得られる。
Figure 0006531065
そこで、試験者は、既知のY、Z、Z、Zを式(8)に代入することで、三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を示す、(C+C+C)を算出する。
このように、ステップS7において、試験者は、ステップS2で制限抵抗の抵抗値を制限抵抗R1の抵抗値にした場合に、ステップS3で行った測定の結果を用いた演算式(1)である第一演算式(2)と、ステップS5で制限抵抗の抵抗値を制限抵抗R2の抵抗値にした場合に、ステップS5で行った測定の結果を用いた演算式(1)である第二演算式(3)と、の二式から得られる式(5)及び式(8)に既知の値を代入することで、三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を算出する。
次に、ステップS8について詳述する。ステップS8は、ステップS4において、試験者が各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが同一であると仮定できると判断した場合(S4;YES)に行われる。
このため、ステップS8において、試験者は、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、CをCで表すことによって前記式(6)を変形した以下の式(6)’と、前記演算式(1)と、に基づき得られる後述の第三演算式(10)を用いて、三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を算出する。
Figure 0006531065
演算式(1)を変形すると、以下の式(1)’’が得られる。
Figure 0006531065
そして、式(1)’’と式(6)’とから、以下の式(9)が得られる。
Figure 0006531065
上述のように、V(k=a、b、c)は、k相の対地電圧を示すベクトルから、ステップS1で発生させた零相電圧を示すベクトルを減算した結果である。つまり、V、V、Vは、ステップS1で零相電圧を発生させる前の平衡状態にある三相の電圧V、V、Vを示しているので、以下の式(10)によって示すことができる。
Figure 0006531065
このため、式(9)と式(10)から、以下の式(11)が得られる。
Figure 0006531065
そして、式(11)を変形すると、第三演算式(12)が得られる。
Figure 0006531065
そこで、試験者は、ステップS8において、先ず、ステップS7と同様、ステップS3で測定した制限抵抗R1の両端間電圧を、三次変圧比nを用いて一次側換算することにより、ステップS1で発生させた零相電圧Vを算出する。そして、試験者は、当該算出した零相電圧Vと、既知のV、V、V、Z、Z、Z、n、Rとを、第三演算式(12)に代入する。これにより、試験者は、各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが同一であると仮定した場合の三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を示す、3・Cを算出する。
このように、前記実施形態によれば、地絡事故が発生していない場合に各相の配電線3a、3b、3cの対地静電容量C、C、Cが平衡状態にあるときでも、人工接地試験を行うことなく、制限抵抗R1、R2の両端間電圧の測定結果から得られる接地変圧器5の一次側の零相電圧Vと、既知の制限抵抗R1、R2の抵抗値Rと、既知の三次変圧比nと、を用いた演算式(1)に基づき、非接地系統1における三相の配電線3a、3b、3cの三相一括の対地静電容量を算出することができる。
以下、演算式(1)の導出根拠について図3を用いて説明する。図3において、I0k(k=a、b、c)は、ステップS1で零相電圧Vを発生させたことにより、配電線3k及びk相の二次巻線52kを介して負荷4kに流れる電流を示すベクトルである。I’0k(k=a、b、c)は、ステップS1で零相電圧Vを発生させたことにより、配電線3k及びk相の一次巻線51kを介してグランドに流れる電流を示すベクトルである。Iは、I’0k(k=a、b、c)がk相の一次巻線51kに流れたことによって、三次巻線53kから制限抵抗R1又は制限抵抗R2へ流れる電流を示すベクトルである。
0k(k=a、b、c)及びI’0k(k=a、b、c)は、ステップS1で零相電圧を発生させたことにより、接地されていない中性点から、配電線3kを介してk相の負荷4kへと流れる電流である。よって、以下の式(13)(14)が得られる。
Figure 0006531065
よって、式(13)を用いて式(14)を変形すると、以下の式(15)が得られる。
Figure 0006531065
次に、式(15)の左辺のI’0a+I’0b+I’0cを以下のように変形する。
は、I’0k(k=a、b、c)がk相の一次巻線51kに流れたことにより、三次巻線53kから抵抗値Rの制限抵抗R1、R2に流れる電流である。よって、Iは、以下の式(16)によって示すことができる。
Figure 0006531065
そこで、上述した式(10)(V+V+V=0)を用いて式(16)を変形すると、以下の式(17)が得られる。
Figure 0006531065
一方、a相の三次巻線53bとa相の一次巻線51aとの変圧比、b相の三次巻線53bとb相の一次巻線51bとの変圧比、及びc相の三次巻線53cとc相の一次巻線51cとの変圧比は同一となっている。このため、Iを一次側換算することで以下の式(18)が得られる。
Figure 0006531065
そこで、式(17)と式(18)とを用いて、式(15)のI’0a+I’0b+I’0cを変形すると、以下の式(19)が得られる。
Figure 0006531065
そして、式(19)を用いて、以下のように式(15)を整理すると、演算式(1)が得られる。
Figure 0006531065
尚、前記実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を前記実施形態に限定する趣旨ではない。
例えば、二つの制限抵抗R1、R2(図1)及び切替スイッチSW1に代えて、抵抗値を異ならせることのできる一つの可変抵抗素子を制限抵抗として、非接地系統1に備えてもよい。これに合わせて、試験者は、ステップS2及びステップS5において、当該可変抵抗素子の抵抗値を切替えるようにしてもよい。
また、図2に示す抵抗R3とスイッチSW2と同様にして、二次巻線52b及び/又は二次巻線52cに、抵抗とスイッチとを接続可能にしてもよい。そして、ステップS1において、少なくとも一相の負荷4のアドミッタンスが、他相の負荷4のアドミッタンスと異なるように、各スイッチを閉状態にするようにしてもよい。
また、ステップS4及びステップS8を省略してもよい。
また、演算式(1)に代えて、ステップS3で測定した制限抵抗R1の両端間電圧から得られる接地変圧器5の一次側の零相電圧Vと、制限抵抗R1の抵抗値と、三次変圧比nと、を用いた演算式(1)とは他の演算式に基づき、三相一括の対地静電容量を算出するようにしてもよい。
1 非接地系統
2 配電用変圧器
3k(k=a、b、c) k相の配電線
4k(k=a、b、c) k相の負荷
5 接地変圧器
51 一次回路
52 二次回路
53 三次回路
(k=a、b、c) k相の配電線の対地静電容量
R 制限抵抗の抵抗値
R1、R2 制限抵抗
零相電圧
(k=a、b、c) k相の電圧
n 三次変圧比

Claims (5)

  1. 非接地系統における三相の配電線に接続された接地変圧器の二次側に接続された三相の負荷のうち、少なくとも一相の負荷のアドミッタンスを他相の負荷のアドミッタンスと異ならせ、
    前記接地変圧器の三次側に接続された制限抵抗の両端間電圧を測定し、
    前記測定した前記制限抵抗の両端間電圧から得られる前記接地変圧器の一次側の零相電圧と、前記制限抵抗の抵抗値と、前記接地変圧器の一次電圧に対する三次電圧の比率である三次変圧比と、を用いた演算式に基づき、前記配電線の三相一括の対地静電容量を算出する、
    対地静電容量測定方法。
  2. 前記演算式は、下式で表され、
    Figure 0006531065
    当該演算式において、
    は、前記零相電圧を示すベクトルであり、
    (k=a、b、c)は、k相の配電線の対地静電容量のアドミッタンスを示すベクトルと前記接地変圧器の二次側に接続されているk相の負荷のアドミッタンスを示すベクトルとの和であり、
    (k=a、b、c)は、k相の対地電圧を示すベクトルから前記零相電圧を示すベクトルを減算した結果であり、
    nは前記三次変圧比であり、
    Rは前記制限抵抗の抵抗値である、
    請求項1に記載の対地静電容量測定方法。
  3. 前記制限抵抗の抵抗値を第一抵抗値と前記第一抵抗値とは異なる第二抵抗値とに切り替えて前記測定をそれぞれ行い、
    前記制限抵抗の抵抗値を前記第一抵抗値にした場合に行った前記測定の結果を用いた前記演算式である第一演算式と、前記制限抵抗の抵抗値を前記第二抵抗値にした場合に行った前記測定の結果を用いた前記演算式である第二演算式と、の二式に基づき、前記三相一括の対地静電容量を算出する、
    請求項2に記載の対地静電容量測定方法。
  4. 各相の前記配電線の対地静電容量が同一であると仮定して前記演算式を変形した第三演算式によって、各相の前記配電線の対地静電容量が同一であると仮定した場合の前記三相一括の対地静電容量を算出する、
    請求項2に記載の対地静電容量測定方法。
  5. 前記第三演算式は、下式で表され、
    Figure 0006531065
    当該第三演算式において、
    3・Cは各相の前記配電線の対地静電容量が同一であると仮定した場合の前記三相一括の対地静電容量であり、
    は、前記零相電圧を示すベクトルであり、
    (k=a、b、c)は、k相の対地電圧を示すベクトルから前記零相電圧を示すベクトルを減算した結果であり、
    (k=a、b、c)は前記接地変圧器の二次側に接続されているk相の負荷のインピーダンスを示すベクトルであり、
    nは前記三次変圧比であり、
    Rは前記制限抵抗の抵抗値である、
    請求項4に記載の対地静電容量測定方法。
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