JP5622414B2 - コンデンサ - Google Patents

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Description

この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンに好適に用いられるコンデンサに関する。
この明細書および特許請求の範囲において、「コンデンサ」という用語には、通常のコンデンサの他に凝縮部および過冷却部を有するサブクールコンデンサを含むものとする。
また、この明細書および特許請求の範囲において、上下、左右は図1および図2の上下、左右をいうものとする。
たとえばカーエアコンのコンデンサとして、幅方向を通風方向に向けるとともに、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の扁平状熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3つ設けられ、各熱交換パスを構成する全ての熱交換管の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管の冷媒流れ方向が異なっているコンデンサであって、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが別個に設けられ、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンク上に配置され、第1ヘッダタンクの太さが第2ヘッダタンクの太さよりも極めて大きくなっているとともに、第1ヘッダタンク内に乾燥剤が配置され、これにより第1ヘッダタンクが重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める受液器としての機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管および第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管の長さが等しくなっているとともに、第1熱交換管の第1ヘッダタンク側の端部および第2熱交換管の第2ヘッダタンク側の端部が同一垂直線上に位置し、すべての熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているコンデンサが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1記載のコンデンサにおいて、第1ヘッダタンク内での気液分離を効果的に行うには、第1ヘッダタンクの内容積を第2ヘッダタンクに比べてかなり大きくする必要があるので、第1ヘッダタンクの太さが第2ヘッダタンクの太さに比較してかなり大きくなっており、コンデンサを配置するために大きなスペースが必要になるという問題がある。
また、通常、コンデンサの近傍には、他の機器が配置されるが、特許文献1記載のコンデンサによれば、第1ヘッダタンクが他の機器の邪魔になる。たとえば、カーエアコン用のコンデンサの通風方向下流側にはラジエータが配置されることが一般的であるが、特許文献1記載のコンデンサによれば、第1ヘッダタンクがラジエータ設置の邪魔になり、エンジンルーム内で無駄なスペースが生じ、省スペース化を図ることができない。しかも、第1ヘッダタンクのほぼ全長にわたって熱交換管が接続されているので、気液分離性能が十分ではないという問題がある。
さらに、特許文献1記載のコンデンサに用いられている扁平状熱交換管においては、風上側壁の肉厚は、上下両壁の肉厚と同等か、あるいは若干厚くなっているのが通常である。しかしながら、カーエアコンのコンデンサは、通常、自動車の前端に設置されるので、走行時にチッピング(飛び石)などの飛来物が熱交換管の風上側壁に直接当たることに起因して当該風上側壁が変形したり、傷付いたりすることがある。走行時のチッピングなどの飛来物は、コンデンサの下方から来ることが多く、飛来物による熱交換管の風上側壁の変形や、傷付きは、コンデンサの下部において特に顕著に発生する。
そこで、飛来物による熱交換管の風上側壁の変形や、傷付きを防止するために、コンデンサの下部を保護カバーにより覆うことが考えられているが、この場合、コストが高くなるという問題がある。
また、飛来物による熱交換管の風上側壁の変形や、傷付きを防止するために、全熱交換管の風上側壁の肉厚を大きくしたコンデンサも提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2記載のコンデンサによれば、コンデンサ全体の重量が大きくなる。
実開平3−31266号公報 特開2007−93144号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、他の機器を近傍に配置した場合にも、特許文献1記載のコンデンサに比較して他の機器の邪魔になりにくいコンデンサを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)幅方向を通風方向に向けるとともに、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の扁平状熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間および上下両端の熱交換管の上下方向外側に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられ、各熱交換パスを構成する全ての熱交換管の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管の冷媒流れ方向が異なっているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクの全体が、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管の第1ヘッダタンク側端部が、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管の第2ヘッダタンク側端部よりも左右方向外方にのびており、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置するとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクの下端よりも下方に突出した部分に第1熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクが重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める機能を有し、第1熱交換管の下側に配置されたフィンの少なくとも風上側部分が、第1熱交換管の風上側縁部よりも風上側に突出しているコンデンサ。
2)第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうちの上端の熱交換パスと、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管からなる熱交換パスとが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうち上端の熱交換パスを除いた熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである上記1)記載のコンデンサ。
3)第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている上記2)記載のコンデンサ。
4)第1熱交換管の上下方向の寸法である管高さをHmm、第1熱交換管の下側に配置されたフィンの風上側部分の第1熱交換管の風上側縁部からの突出量をPmmとした場合、P≧(H/tan60°)という関係を満たす上記1)〜5)のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
上記1)〜4)のコンデンサによれば、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管の第1ヘッダタンク側端部が、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管の第2ヘッダタンク側端部よりも左右方向外方にのびており、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置するとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクの下端よりも下方に突出した部分に第1熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクが重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める機能を有しているので、第1ヘッダタンクの上端を、たとえば第2ヘッダタンクの上端近傍まで上方に延ばすことによって、特許文献1記載のコンデンサに比べて、第1ヘッダタンクの太さを第2ヘッダタンクの太さよりも大きくすることなく、第1ヘッダタンクの内容積を、気液分離を効果的に行いうる大きさにすることができる。したがって、コンデンサを配置するためのスペースを、特許文献1記載のコンデンサに比べて小さくすることができる。その結果、省スペース化を図ることが可能になる。また、第1ヘッダタンクにおける熱交換管が接続された部分よりも上方に比較的大きな空間が存在するので、重力による気液分離効果が優れたものになる。
さらに、第1熱交換管の下側に配置されたフィンの少なくとも風上側部分が、第1熱交換管の風上側縁部よりも風上側に突出しているので、走行時のチッピングなどの飛来物は、第1熱交換管の下側に配置されたフィンに当たることになり、チッピング(飛び石)などの飛来物が第1熱交換管の風上側壁に直接当たることが抑制される。したがって、コンデンサの下部において顕著に発生する第1熱交換管の風上側壁の変形や、傷付きを抑制することができる。しかも、コンデンサの下部を保護カバーにより覆う場合に比べてコストが安くなるとともに、特許文献2記載のコンデンサのように、全熱交換管の風上側壁の肉厚を大きくする場合に比べてコンデンサ全体の重量を小さくすることができる。
上記2)のコンデンサによれば、下端に位置する冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、圧力降下の発生を抑制して液相冷媒の再気化を防止することができる。
また、上記2)のコンデンサによれば、下端に位置する冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、第1ヘッダタンク内で気液分離を効率良く行うことができる。すなわち、冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管のうちの上側の熱交換管内には気相成分の多い気液混相冷媒が流れ、同じく下側の熱交換管内には液相成分の多い気液混相冷媒が流れるが、これらの気液混相冷媒が混じり合うことなく第1ヘッダタンク内に流入するので、気液分離を効率良く行うことができる。
上記4)のコンデンサによれば、コンデンサの下部において、チッピング(飛び石)などの飛来物が第1熱交換管の風上側壁に直接当たることが効果的に抑制される。
この発明によるコンデンサの第1の実施形態の全体構成を具体的に示す正面図である。 図1のコンデンサを模式的に示す正面図である。 図1のA−A線拡大断面図である。 図3の部分拡大図である。 第1および第2熱交換管と第1および第2コルゲートフィンの変形例を示す図3相当の図である。 この発明によるコンデンサの第2の実施形態を模式的に示す正面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
以下の説明において、通風方向下流側(図1の紙面裏側、図3〜図5に矢印Xで示す側)を前、これと反対側を後というものとする。
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
さらに、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1はこの発明によるコンデンサの全体構成を具体的に示し、図2はこの発明によるコンデンサを模式的に示す。図2においては、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。また、図3および図4は図1のコンデンサの要部の構成を示す。
図1において、コンデンサ(1)は、幅方向を前後方向に向けるとともに長さ方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(2A)(2B)と、熱交換管(2A)(2B)の左右両端部がろう付により接続された上下方向にのびる3つのアルミニウム製ヘッダタンク(3)(4)(5)と、隣り合う熱交換管(2A)(2B)どうしの間および上下両端の外側に配置されて熱交換管(2A)(2B)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(6A)(6B)と、上下両端のコルゲートフィン(6A)(6B)の外側に配置されてコルゲートフィン(6A)(6B)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(7)とを備えており、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)が上下に並んで3以上、ここでは4つ設けられている。4つの熱交換パスを、上から順に第1〜第4熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
コンデンサ(1)の左端側には、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パス、ここでは第3および第4熱交換パス(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)がろう付により接続された第1ヘッダタンク(3)と、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)がろう付により接続された第2ヘッダタンク(4)とが別個に設けられている。ここで、第1ヘッダタンク(3)に接続された熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第2ヘッダタンク(4)に接続された熱交換管(2B)が第2熱交換管である。また、隣り合う第1熱交換管(2A)どうしの間および下端の第1熱交換管(2A)と下側サイドプレート(7)との間に配置されたコルゲートフィン(6A)を第1コルゲートフィンといい、隣り合う第2熱交換管(2B)どうしの間および上端の第2熱交換管(2B)と上側サイドプレート(7)との間に配置されたコルゲートフィン(6B)を第2コルゲートフィンというものとする。
図3に示すように、第1熱交換管(2A)の前後方向(通風方向)の幅は、第2熱交換管(2B)の前後方向の幅よりも狭くなっており、第1コルゲートフィン(6A)および第2コルゲートフィン(6B)の前後方向の幅は相互に等しくなっているとともに第2熱交換管(2B)の前後方向の幅と同等になっている。したがって、第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)の少なくとも風上側部分、ここでは風上側部分および風下側部分の両部分が、それぞれ第1熱交換管(2A)の風上側縁部および風下側縁部よりも通風方向の外側(風上側および風下側)に突出している。第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)における第1熱交換管(2A)の風上側縁部および風下側縁部よりも通風方向の外側に突出した部分を(6a)で示す。
ここで、図4に示すように、第1熱交換管(2A)の上下方向の寸法である管高さをHmm、第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)の風上側突出部(6a)における第1熱交換管(2A)の風上側縁部からの突出量をPmmとした場合、P≧(H/tan60°)という関係を満たしていることが好ましい。当該関係を満たしていると、走行時に、コンデンサ(1)の下部において顕著に発生するチッピングなどの下方からの飛来物が第1熱交換管(2A)の風上壁(2a)に直接当たることが効果的に抑制され、第1熱交換管(2A)の風上壁(2a)の変形や、傷付きを抑制することができる。しかも、コンデンサ(1)全体の重量の増加を抑制することができる。
第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)との前後方向の寸法はほぼ等しくなっているが、水平断面積は第1ヘッダタンク(3)の方が第2ヘッダタンク(4)よりも大きくなっている。第1ヘッダタンク(3)は第2ヘッダタンク(4)よりも左方(左右方向外側)に配置されており、第1ヘッダタンク(3)の左右方向の中心が第2ヘッダタンク(4)の左右方向の中心よりも左右方向外側に位置している。したがって、第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)とは、平面から見て重なることなくずれている。また、第1ヘッダタンク(3)の上端は第2ヘッダタンク(4)の下端よりも上方、ここでは第2ヘッダタンク(4)の上端とほぼ同一高さ位置にあり、第1ヘッダタンク(3)が、重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める受液部としての機能を有している。すなわち、第1ヘッダタンク(3)の内容積は、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒が重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まるとともに、気液混相冷媒のうちの気相成分が重力により第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まり、これにより第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内には液相主体混相冷媒のみが流入するような内容積となっている。
コンデンサ(1)の右端部側には、第1〜第4熱交換パス(P1)〜(P4)を構成するすべての熱交換管(2A)(2B)が接続される第3ヘッダタンク(5)が配置されている。第3ヘッダタンク(5)の横断面形状は第2ヘッダタンク(4)と同一である。第3ヘッダタンク(5)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置、および第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置にそれぞれ設けられたアルミニウム製仕切板(8)(9)により上側ヘッダ部(11)と、中間ヘッダ部(12)と、下側ヘッダ部(13)とに区画されている。第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)にそれぞれ接続され、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)にそれぞれ接続されている。
そして、第2ヘッダタンク(4)、第1ヘッダタンク(3)における第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)および中間ヘッダ部(12)、ならびに第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)により冷媒を凝縮させる凝縮部(1A)が形成され、第1ヘッダタンク(3)における第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)および第4熱交換パス(P4)により冷媒を過冷却する過冷却部(1B)が形成され、第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)が冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているとともに、第4熱交換パス(P4)が冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスとなっている。
凝縮部(1A)を構成する第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)に冷媒入口(14)が形成され、過冷却部(1B)を構成する第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)に冷媒出口(15)が形成されている。そして、第3ヘッダタンク(5)に、冷媒入口(14)に通じる冷媒入口部材(16)および冷媒出口(15)に通じる冷媒出口部材(17)が接合されている。
第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、左右方向にのびるアルミニウム製中間部材(18)が配置されている。第3熱交換パス(P3)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第2熱交換パス(P2)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。中間部材(18)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)に近接した位置にあって第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)内には挿入されていない。中間部材(18)としては、第2熱交換管(2B)と同一構成の管が用いられている。中間部材(18)の両端部は第1ヘッダタンク(3)内および第3ヘッダタンク(5)内に挿入されていないので、第2熱交換管(2B)と同一構成の管を用いることが可能になっている。
コンデンサ(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
上述した構成のコンデンサ(1)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(16)および冷媒入口(14)を通って第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)内に流入した冷媒は第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入る。
第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)内に入り、冷媒出口(15)および冷媒出口部材(17)を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
図5は図1〜図3に示すコンデンサ(1)における熱交換管(2A)(2B)およびコルゲートフィン(6A)(6B)の変形例を示す。
図5に示す第1コルゲートフィン(6A)の前後方向の幅は第2コルゲートフィン(6B)の前後方向の幅よりも広くなっており、第1熱交換管(2A)および第2熱交換管(2B)の前後方向の幅は相互に等しくなっているとともに第2コルゲートフィン(6B)の前後方向の幅と同等になっている。したがって、第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)の少なくとも風上側部分、ここでは風上側部分および風下側部分の両部分が、それぞれ第1熱交換管(2A)の風上側縁部および風下側縁部よりも通風方向の外側(風上側および風下側)に突出している。第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)における第1熱交換管(2A)の風上側縁部および風下側縁部よりも通風方向の外側に突出した部分を(6a)で示す。
ここで、図5に示す第1熱交換管(2A)および第1コルゲートフィン(6A)の場合も、第1熱交換管(2A)の上下方向の寸法である管高さをHmm、第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)の風上側突出部(6a)における第1熱交換管(2A)の風上側縁部からの突出量をPmmとした場合、上述したのと同様の理由により、図4に示す場合と同様に、P≧(H/tan60°)という関係を満たしていることが好ましい。
図6はこの発明によるコンデンサの他の実施形態を示す。なお、図6はコンデンサを模式的に示すものであり、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
図6に示すコンデンサ(30)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)が上下に並んで2つ設けられている。2つの熱交換パスを、上から順に第1〜第2熱交換パス(P1)(P2)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。したがって、第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
そして、第1〜第3ヘッダタンク(3)〜(5)、ならびに第1および第2熱交換パス(P1)(P2)により冷媒を凝縮させる凝縮部(30A)が形成され、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)、すなわちすべての熱交換パスが冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっている。
凝縮部(30A)を構成する第2ヘッダタンク(4)の上端部に冷媒入口(31)が形成され、第1ヘッダタンク(3)の下端部に冷媒出口(32)が形成されている。そして、第1ヘッダタンク(5)に冷媒入口(31)に通じる冷媒入口部材(図示略)が接合され、同じく第1ヘッダタンク(3)に冷媒出口(32)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
図6に示すコンデンサ(30)において、第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)との間に、これらの熱交換管(2A)(2B)と離隔するとともに、両熱交換管(2A)(2B)とほぼ平行になるように、左右方向にのびる中間部材(18)が配置されている。図示は省略したが、第2熱交換パス(P2)の上端の第1熱交換管(2A)と中間部材(18)との間には第1コルゲートフィン(6A)が配置されて第1熱交換管(2A)および中間部材(18)にろう付され、第1熱交換パス(P1)の下端の第2熱交換管(2B)と中間部材(18)との間には第2コルゲートフィン(6B)が配置されて第2熱交換管(2B)および中間部材(18)にろう付されている。
その他の構成は図1〜図4に示すコンデンサと同様である。
図6に示すコンデンサ(30)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(31)を通って第2ヘッダタンク(4)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、冷媒出口(32)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
図示は省略したが、図6に示すコンデンサ(30)においても、第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)の少なくとも風上側部分、ここでは風上側部分および風下側部分の両部分が、それぞれ第1熱交換管(2A)の風上側縁部および風下側縁部よりも通風方向の外側(風上側および風下側)に突出している。第1熱交換管(2A)の上下方向の寸法である管高さをHmm、第1熱交換管(2A)の下側に配置された第1コルゲートフィン(6A)の風上側突出部(6a)における第1熱交換管(2A)の風上側縁部からの突出量をPmmとした場合、P≧(H/tan60°)という関係を満たしていることが好ましい。
なお、図6に示すコンデンサ(30)において、第2ヘッダタンク(4)と第3ヘッダタンク(5)との間に、上下に連続して並んだ複数の第2熱交換管(2B)からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられていてもよい。第2ヘッダタンク(4)と第3ヘッダタンク(5)との間に偶数の熱交換パスが設けられる場合には、第3ヘッダタンク(5)の下端部に冷媒入口が形成されるとともに、第2ヘッダタンク(4)内および第3ヘッダタンク(5)内に適当な数のヘッダ部が設けられる。また、第2ヘッダタンク(4)と第3ヘッダタンク(5)との間に奇数の熱交換パスが設けられる場合には、第2ヘッダタンク(4)の下端部に冷媒入口が形成されるとともに、第2ヘッダタンク(4)内および第3ヘッダタンク(5)内に適当な数のヘッダ部が設けられる。
なお、上述した両コンデンサ(1)(30)において、第1ヘッダタンク(3)内に、乾燥剤、気液分離部材およびフィルタのうちの少なくともいずれか1つが配置されることがある。
この発明によるコンデンサは、自動車に搭載されるカーエアコンに好適に用いられる。
(1)(30):コンデンサ
(1A)(30A):凝縮部
(1B):過冷却部
(2A):第1熱交換管
(2B):第2熱交換管
(3):第1ヘッダタンク
(4):第2ヘッダタンク
(5):第3ヘッダタンク
(6A):第1コルゲートフィン
(6a):突出部
(6B):第2コルゲートフィン
(P1):第1熱交換パス
(P2):第2熱交換パス
(P3):第3熱交換パス
(P4):第4熱交換パス

Claims (4)

  1. 幅方向を通風方向に向けるとともに、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の扁平状熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間および上下両端の熱交換管の上下方向外側に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられ、各熱交換パスを構成する全ての熱交換管の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管の冷媒流れ方向が異なっているコンデンサであって、
    左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクの全体が、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管の第1ヘッダタンク側端部が、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管の第2ヘッダタンク側端部よりも左右方向外方にのびており、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置するとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの下端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクにおける第2ヘッダタンクの下端よりも下方に突出した部分に第1熱交換管が接続され、第1ヘッダタンクが重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める機能を有し、第1熱交換管の下側に配置されたフィンの少なくとも風上側部分が、第1熱交換管の風上側縁部よりも風上側に突出しているコンデンサ。
  2. 第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうちの上端の熱交換パスと、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管からなる熱交換パスとが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうち上端の熱交換パスを除いた熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである請求項1記載のコンデンサ。
  3. 第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている請求項2記載のコンデンサ。
  4. 第1熱交換管の上下方向の寸法である管高さをHmm、第1熱交換管の下側に配置されたフィンの風上側部分の第1熱交換管の風上側縁部からの突出量をPmmとした場合、P≧(H/tan60°)という関係を満たす請求項1〜3のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
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