JP5619400B2 - 酸性ホスファターゼ及びそれをコードする核酸、並びにこれらを利用したリボフラビン−5’−リン酸の製造方法 - Google Patents

酸性ホスファターゼ及びそれをコードする核酸、並びにこれらを利用したリボフラビン−5’−リン酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸性ホスファターゼ、前記酵素をコードする核酸、前記酵素を産生する遺伝子組換え微生物及び前記酵素の製造方法、並びにこれらを利用したリボフラビン−5’−リン酸の製造方法に関する。
リボフラビン−5’−リン酸(以下、5’−FMNと記す場合がある)は、生体内の種々の酵素反応における補酵素として重要な役割を担う活性型ビタミンBであり、医薬品、食品添加物、飼料添加物及び工業用中間体等として有用な化合物である。リボフラビンとリン酸供与体とからリボフラビン−5’−リン酸を製造する方法としては、これまでに、化学的合成法による製造方法(特許文献1−3)及び微生物由来の酵素を用いた酵素法による製造方法(特許文献4−7)が知られている。
特開昭48−54099号公報 特開平11−49790号公報 国際公開03/010172号公報 特公昭38−8737号公報 特開昭49−124291号公報 特開平2−138988号公報 特開平5−304975号公報 特開2008−289434号公報
Biochemica et Biophysica Acta, 279,583―586(1972) Agric.Biol.Chem., 42,889―890(1978) J.Biol.Chem., 207,761―765(1954)
これらのうちすでに工業的に実用化されているのは化学的合成法であるが、目的とする5’位のリン酸化物の他に、生体内で非活性型の異性体であるリボフラビン−4’−リン酸及びリボフラビン−3’−リン酸、リボフラビンジホスフェート、リボフラビンポリホスフェート、リボフラビン、未反応リボフラビンの副生が避けられず、高純度の5’−FMNを得ることができない。また、収率が低い、化学的合成法は複雑な精製工程を必要とするため、製造コストが高価になる等の問題点がある。
また、微生物由来の酵素を用いた酵素法による5’−FMNの製造方法としては、リボフラビンの直接発酵法(特許文献4及び5)、リン酸供与体としてアデノシン三リン酸(以下、ATPと記す場合がある)を使用する方法(特許文献6及び7)が知られている。しかしながら、これらの方法にあっては使用する基質が高価なために製造コストが高価になる、5’−FMNの蓄積量が低い等の問題が存在し、工業的製法として不利であった。さらに、これまでにリボフラビンとリン酸供与体に作用し、5’−FMNを生成する活性を有する酸性ホスファターゼ及びこれを用いた5’−FMNの製造方法は知られていない。また、リン酸供与体としてATPを使用した酵素法によるパントテン酸類の4’−リン酸エステル製造方法は知られているが(非特許文献1〜3)、パントテン酸類とピロリン酸等の安価なリン酸供与体に作用し、パントテン酸類の4’−リン酸エステルを生成する活性を有する酸性ホスファターゼ及びこれを用いたパントテン酸類の4’−リン酸エステルの製造方法は知られていない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、5’−FMNの製造において有用な新規な酸性ホスファターゼ、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えDNA及び該組換えDNAを保有する微生物を提供することを目的とする。また、本発明の別の課題は、上記の特徴を有する酸性ホスファターゼを用いた5’−FMNの効率的な製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の特徴を有する酸性ホスファターゼを用いたパントテン酸類の4’−リン酸エステルの効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼであるタンパク質を提供する。
これまでに本発明者らは、リボフラビンとピロリン酸等の安価なリン酸供与体とから5’−FMNを生成する活性を有する微生物を見出し、従来よりも高純度な5’−FMNを製造する方法を見出した(特許文献8)。従来の課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明者らは、ブレブンディモナス(Brevundimonas)属に属する微生物から酸性ホスファターゼを単離精製し、この酸性ホスファターゼを用いることにより、リボフラビンとピロリン酸等の安価なリン酸供与体とから5’−FMNを効率よく製造できること、及び、パントテン酸類とピロリン酸等の安価なリン酸供与体とからパントテン酸類の4’−リン酸エステルを効率よく製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のタンパク質は、ポリリン酸、フェニルリン酸及びそれらの塩をリン酸供与体として用いることができる。利用可能なリン酸供与体が従来用いられているATPよりも安価であるため、5’−FMN等の製造コストを安価に抑えることができる。また、酵素反応の特異性が高いため5’−FMNの異性体であるリボフラビン−4’−リン酸及びリボフラビン−3’−リン酸、複数のリン酸基が付加されたリボフラビンジホスフェート及びリボフラビンポリホスフェート等の副生を伴うことがなく、効率的に高純度な5’−FMNを得ることができる。これにより、目的とする5’−FMNとこれらの副生物とを分離するための煩雑な精製を行う必要がなく、製造コストを安価に抑えることができる。また、基質として、リボフラビン又はその塩に加えてパントテン酸類又はその塩が利用でき、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを製造することができる。
また、本発明のタンパク質は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有することを特徴とする。
さらに、本発明のタンパク質は、配列番号2に記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有することを特徴とする。
ここで、上記タンパク質の塩も本発明に包含される。
本発明は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸を提供する。また、本発明は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有する核酸を提供する。
さらに、本発明の核酸は、上記核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼをコードする核酸であってもよく、上記核酸と65%以上の相同性を有し、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼをコードする核酸であってもよい。
これらの核酸をプラスミドに導入することにより、本発明のベクターを得ることができる。また、上記ベクターを宿主に導入することにより、本発明の形質転換体を得ることができる。このような形質転換体を用いて製造した酸性ホスファターゼも本発明に包含される。
また、本発明の酸性ホスファターゼの製造方法は、上記の形質転換体を形質転換体が増殖可能な培地中で培養する工程と、上記培養工程で得られた形質転換体から本発明のタンパク質を精製する精製工程とを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の酸性ホスファターゼの製造方法は、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有するブレブンディモナス(Brevundimonas)属に属する微生物を培養する培養工程と、上記培養工程で得られた微生物から本発明のタンパク質を精製する工程とを含むことを特徴とする。中でも、上記微生物がブレブンディモナス ディミヌータ(Brevundimonas diminuta)IAM 12557であることが好ましい。
本発明は、リボフラビン又はその塩に、上記本発明のタンパク質を作用させて、リボフラビン−5’−リン酸を生成させる工程を含む、リボフラビン−5’−リン酸の製造方法を提供する。また、本発明は、リボフラビン又はその塩に、上記本発明の形質転換体を作用させて、リボフラビン−5’−リン酸を生成させる工程を含む、リボフラビン−5’−リン酸の製造方法を提供する。
本発明のリボフラビン−5’−リン酸の製造方法は、ポリリン酸、フェニルリン酸及びそれらの塩をリン酸供与体として用いることができる。利用可能なリン酸供与体が従来用いられているATPよりも安価であるため、5’−FMNの製造コストを安価に抑えることができる。また、酵素反応の特異性が高いため5’−FMNの異性体であるリボフラビン−4’−リン酸及びリボフラビン−3’−リン酸、複数のリン酸基が付加されたリボフラビンジホスフェート及びリボフラビンポリホスフェート等の副生を伴うことがなく、効率的に高純度な5’−FMNを得ることができる。これにより、目的とする5’−FMNとこれらの副生物とを分離するための煩雑な精製を行う必要がなく、製造コストを安価に抑えることができる。
本発明は、パントテン酸類又はその塩に、上記本発明のタンパク質を作用させて、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を含む、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法を提供する。また、本発明は、パントテン酸類又はその塩に、上記本発明の形質転換体を作用させて、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を含む、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法を提供する。
パントテン酸類は、パントテン酸、パンテチン、パンテテイン、パンテテイン−S−スルホン酸、パンテノール及びパントテニルエチルエーテルからなる群より選ばれることが好ましい。
本発明のパントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法は、ポリリン酸、フェニルリン酸及びそれらの塩をリン酸供与体として用いることができる。利用可能なリン酸供与体が従来用いられているATPよりも安価であるため、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造コストを安価に抑えることができる。本発明により、使用する基質に応じて、効率的に高純度なパントテン酸−4’−リン酸、パンテチン−4’,4’’−ジリン酸、パンテチン−4’−リン酸、パンテテイン−4’−リン酸、パンテテイン−S−スルホン酸−4’−リン酸、パンテノール−4’−リン酸、パントテニルエチルエーテル−4’−リン酸を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書及び図面において、塩基及びアミノ酸等を略号で表示する場合は、IUPAC−ICB Commission on Biochemical Nomenclatureによるか、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。また、アミノ酸に光学異性体が存在する場合は、特に限らないかぎりL−体を示す。
まず、本発明のタンパク質について説明する。
本発明のタンパク質は、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有し、且つ、以下の理化学的性質を有する酸性ホスファターゼである。
分子量:SDS−PAGEにより30〜31kDa、ゲルろ過法により242kDa
基質に対するKm値:リボフラビン=0.05mM、D−パンテチン=0.49mM、ピロリン酸=1.57mM
至適pH:5.5
至適温度:35℃
本発明のタンパク質は、リン酸供与体の存在下において、リボフラビンに作用して、5’−FMNを生成する作用を有するのみならず、D−パントテン酸、D−パンテノール、D−パンテチン、D−パントテニルエチルエーテル、アスコルビン酸等に対してリン酸転移活性を示す。
前述した理化学的性質以外の性質として、本発明者らは、各種金属イオン又は阻害剤による影響について検討しており、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、p−クロロ水銀安息香酸、8−キノリノール、Mo6+、Ag2+、Hg2+で阻害されることを確認している。
本発明のタンパク質は、リン酸転移活性を有する微生物を培養し、得られた菌体から精製することにより得られる。また、上記リン酸転移活性を有する微生物としては、ブレブンディモナス(Brevundimonas)属に属する微生物であり、好ましくはブレブンディモナス ディミヌータ(Brevundimonas diminuta)が挙げられる。
さらに、本発明に係るリン酸転移活性を有する微生物の一種であり、特に効果的なリン酸転移活性を有する微生物として、ブレブンディモナス ディミヌータ(Brevundimonas diminuta)IAM 12557が挙げられる。なお、東京大学分子細胞生物学研究所(IAM)にて保管されていた微生物は、2007年4月1日から独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)に移管されており、IAM 12557株は、現在JCMよりJCM 20636株として入手することができる。
微生物は、野生株、変異株、又は細胞融合若しくは遺伝子操作法等の手法によって誘導される組換え体等、いずれの株であってもよく、少なくとも一種を使用すればよい。
培養の方法としては、使用する微生物が生育可能な条件であれば特に制限はなく公知の方法が使用でき、通常、炭素源、窒素源、その他養分を含む液体培地が使用できる。培地の炭素源としては、上記微生物が利用可能であればいずれでも使用できる。具体的には、グルコース、フルクトース、シュクロース、デキストリン、デンプン、ソルビトール等の糖類、メタノール、エタノール、グリセロール等のアルコール類、フマル酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類及びその塩類、パラフィン等の炭化水素類、あるいはこれらの混合物等が使用できる。窒素源としては、上記微生物が利用可能であればいずれでも使用できる。具体的には、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン等の無機又は有機含窒素化合物、あるいはこれらの混合物等が使用できる。また、培地には、無機塩、微量金属塩、ビタミン類等の通常の培養に用いられる栄養源を適宜添加してもよい。また、必要に応じて、培地には、微生物の増殖を促進する物質、培地のpH保持に有効な緩衝物質等を添加してもよい。
微生物の培養は、生育に適した条件下で行うことができる。具体的には培地のpH 3〜10、好ましくは4〜9、温度0〜50℃、好ましくは20〜40℃で行うことができる。微生物の培養は、好気的又は嫌気的条件下で行うことができる。培養時間は10〜150時間が好ましいが、それぞれの微生物によって適宜決められるものである。このようにして培養された微生物は、その培養液をろ過又は遠心分離して菌体を得、その菌体を水又は緩衝液でよく洗浄する。洗浄した菌体は、適量緩衝液に懸濁し、菌体を破砕する。破砕の方法としては特に制限はないが、例えば、乳鉢、ダイノミル、フレンチプレス、超音波破砕機等の機械的破砕法が挙げられる。得られた菌体の破砕液中より、固形物をろ過又は遠心分離によって除去して得られた無細胞抽出液中の酸性ホスファターゼは酵素単離の常法によって採取される。
このような酵素単離の方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、例えば、硫酸アンモニウム沈殿等の塩析、セファデックス等によるゲルろ過法、ジエチルアミノエチル基あるいはカルボキシメチル基等を持つ担体等を用いたイオン交換クロマトグラフィー法、ブチル基、オクチル基、フェニル基等疎水性基を持つ担体等を用いた疎水性クロマトグラフィー法、色素ゲルクロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、アフィニティクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法等により精製することができる。
さらに、得られた本発明のタンパク質を固定化酵素として用いることもできる。このような方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、酵素又は酵素産生細胞を固定化する方法が挙げられる。固定化方法としては、共有結合法や吸着法といった担体結合法、架橋法、包括法等が挙げられる。また、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソチオシアネート等の縮合剤を必要に応じて使用してもよい。また、例えば、モノマーを重合反応でゲル化させて行うモノマー法;通常のモノマーよりも大きな分子を重合させるプレポリマー法;ポリアクリルアミドを用いた固定化;アルギン酸、コラーゲン、ゼラチン、寒天、κ−カラギーナン等の天然高分子を用いた固定化;光硬化性樹脂、ウレタンポリマー等の合成高分子を用いた固定化が挙げられる。
このようにして精製された本発明のタンパク質は、電気泳動(SDS−PAGE等)によって単一バンドが確認されれば精製が十分に行われたものと判断される。
本発明のタンパク質は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質であり、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼである。また、本発明のタンパク質は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列と好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質であり、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼである。
本発明のタンパク質は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質及び該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸配列が欠失、挿入、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有し、且つ、リボフラビン、パントテン酸類又はその塩に対するリン酸転移活性を有するタンパク質である。
このような欠失、挿入、置換、付加を施す方法としては特に制限はなく、公知の方法が使用できる。例えば、日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、p.105(広瀬進)、東京化学同人(1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸III(組換えDNA技術)」、p.233(広瀬進)、東京化学同人(1992);W. Kramer and H.−J. Fritz,“METHODS in Enzymology”,Vol.154,p.350−367(1987);D. Shortle and D. Botstein,“METHODS in Enzymology”,Vol.100,p.457−468(1983);J. A. Wells et al.,“Gene”,Vol.34,p.315(1985);T. Grundstroem et al.,“Nucleic Acid Res”,Vol.13,p.3305(1985);J. Taylor et al.,“Nucleic Acid Res.”Vol.13,p.8765(1985);A. R. Oliphant and K. Struhl,“METHODS in Enzymology”,Vol.155,p.568(1987);A. R. Oliphant et al.,“Gene”,Vol.44,p.177(1986)に記載の方法が挙げられる。具体的には、例えば、合成オリゴヌクレオチド等を利用する位置指定変異導入法(部位特異的変異導入法)、Kunkel法、dNTP[αS]法(Eckstein法)、亜硫酸や亜硝酸等を用いる領域指定変異導入法等の方法が挙げられる。
また、多くのタンパク質には糖鎖が付加されている場合があり、アミノ酸を1若しくは複数置換することにより糖鎖の付加を調節することができる。したがって、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において、糖鎖の調節されたタンパク質も上述のリン酸転移活性を有する限りは、本発明のタンパク質に包含される。
さらに得られた本発明のタンパク質は、化学的な手法でその含有されるアミノ酸残基を修飾することもできるし、ペプチダーゼ、例えば、ペプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメライン、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ等の酵素を用いて修飾したり、部分分解したりしてその誘導体に改変することができる。
また、遺伝子組換え法で製造する時に融合タンパク質として発現させ、生体内あるいは生体外で天然の酸性ホスファターゼと実質的に同等の生物学的活性を有しているものに変換・加工してもよい。この場合、遺伝子工学的に常用される融合産生法を用いることができるが、こうした融合タンパク質はその融合部を利用してアフィニティクロマトグラフィー等で精製することも可能である。タンパク質の構造の修飾・改変等は、例えば日本生化学会編、「新生化学実験講座1、タンパク質VII、タンパク質工学」、東京化学同人(1933)を参考にし、そこに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法、さらにはそれらと実質的に同様な方法で行うことができる。
さらに、本発明のタンパク質は、1個以上のアミノ酸残基が同一性の点で天然のものと異なるもの、1個以上のアミノ酸残基の位置が天然のものと異なるものであってもよい。本発明のタンパク質は、天然の酸性ホスファターゼに特有なアミノ酸残基が1個以上(例えば、1〜80個、好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜20個、特に好ましくは1〜10個等)欠けている欠失類縁体、特有のアミノ酸残基の1個以上(例えば、1〜80個、好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜20個、特に好ましくは1〜10個等)が他の残基で置換されている置換類縁体、1個以上(例えば、1〜80個、好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜20個、特に好ましくは1〜10個等)のアミノ酸残基が付加されている付加類縁体も包含する。天然の酸性ホスファターゼの特徴であるドメイン構造を有しているものも包含されてよい。また、同質のリン酸転移酵素活性を有するものも挙げられる。
天然の酸性ホスファターゼの特徴であるドメイン構造が維持されていれば、上記の変異体は、全て本発明に包含される。また、本発明の天然の酸性ホスファターゼと実質的に同等の一次構造コンフォメーション又はその一部を有しているものも含まれてよいと考えられ、さらに天然の酸性ホスファターゼと実質的に同等の生物学的活性を有しているものも含まれてよいと考えられる。さらに天然に生ずる変異体の一つであることもできる。こうした本発明の酸性ホスファターゼは、下記で説明するように分離・精製処理されることができる。一方は、本発明は、上記のタンパク質をコードするDNA配列、そして天然の特性の全部あるいは一部を有する酸性ホスファターゼのポリペプチド、さらにその類縁体あるいは誘導体をコードするDNA配列も包含する。該酸性ホスファターゼの塩基配列は、修飾(例えば、付加、除去、置換等)されることもでき、そうした修飾されたものも包含されてよい。
次に、本発明の核酸について説明する。
本発明の核酸は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードすることを特徴とする。
すなわち、一つのアミノ酸をコードする塩基配列(コドン)は複数存在するため、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸は多数存在する。したがって、このような核酸も本発明の核酸に包含される。ここで、「タンパク質をコードする」とは、DNAが2本鎖である場合には、相補2本鎖のいずれか一方がタンパク質をコードする塩基配列を有するものを含むことを意味するため、本発明の核酸には配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を直接コードする塩基配列からなる核酸又はその相補的な塩基配列からなる核酸も包含される。
また、本発明の核酸は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有することを特徴とする。配列表の配列番号1に記載の塩基配列は、上述した微生物から染色体DNAを抽出し、酸性ホスファターゼのアミノ酸配列に基づいて設計した合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCR(Polymerase chain reaction)法により得られたDNAの塩基配列である。
ここで、上記微生物から染色体DNAを抽出する方法としては特に制限はないが、例えば、培養して得られた微生物(例えば、ブレブンディモナス ディミヌータ IAM 12557)の菌体を破砕し、常法により染色体DNAを遠心分離後、RNAを分解除去し、除タンパク操作を行って、DNAを精製する。これらの操作については「植物バイオテクノロジー実験マニュアル:農村文化社、252頁」を参照できる。またブレブンディモナス属に属する酸性ホスファターゼ産生能をもつ微生物であれば、DNA源として好適に用いることができる。
また、PCRに用いるオリゴヌクレオチドプライマーの作製方法としては、公知の方法を用いることができ、酸性ホスファターゼのアミノ酸情報に基づいて合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製する。
例えば、上記の微生物であり、且つ、酸性ホスファターゼ産生能を有する微生物から得られた精製酸性ホスファターゼのアミノ酸情報に基づいて合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製することができる。一般的には、アミノ酸配列を基に、縮重プライマー等を作製する。プライマーの作製は、当該分野で公知の方法で行うことができ、例えばDNA自動合成装置を用い、ホスホジエステル法、ホスホトリエステル法、ホスホアミダイト法等により合成できる。具体的には、ブレブンディモナス ディミヌータを栄養培地中で培養して得られた菌体から酸性ホスファターゼを精製し、必要に応じペプチド加水分解酵素等で断片化し、その酵素のアミノ酸配列の情報を収集する。こうして得られたアミノ酸配列の情報より、好ましい合成オリゴヌクレオチドプライマーを作製する。このプライマーを用い、酸性ホスファターゼの染色体DNAを鋳型にしてPCRを行う。PCR反応は、当該分野で公知の方法、あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことができるが、例えばR. Saiki et al.,Science,Vol.230,p.1350(1985);R. Saiki et al.,Science,Vol.239,p.487(1988);H. A. Erlich,PCR Technology,Stockton Press等に記載された方法に従って行うことができる。反応は、例えば、市販のキットや試薬を利用して行うことが出来る。
得られた増幅DNA断片をシークエンスし、精製酵素のアミノ酸配列と相同な配列を含むことを確認し、それをアイソトープ等で標識しプローブとしてその後の実験等に使用する。塩基配列の決定は、ダイデオキシ法、例えばM13ダイデオキシ法等、Maxam−Gilbert法等を用いて行うことができるが、例えばTaqダイプライマーサイクルシークエンシングキット等の市販のシークエンシングキット、及び、例えば蛍光DNAシーケンサー装置等の自動塩基配列決定装置を用いて行うことが出来る。プローブ等をアイソトープ等によって標識するには、例えばランダムプライムドDNAラベリングキット(Boehringer Mannheim社製)等の市販の標識キットを使用して行うことが出来る。
また、本発明の核酸に係る酸性ホスファターゼ遺伝子は、例えば次の方法でクローニングできる。具体的には、遺伝子組換え技術は、例えばT. Maniatis et al.,“Molecular Cloning:A laboratory manual”,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,USA(1989);日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人(1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸III(組換えDNA技術)」、東京化学同人(1992);R. Wu ed.,“METHODS in Enzymology”,Vol.68(1980);R. Wu ed.,“METHODS in Enzymology”,Vol.100&101(1983);R. Wu ed.,“METHODS in Enzymology”,Vol.153,154&155(1987);等に記載の方法あるいはこれら文献において引用された文献記載の方法、あるいはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。それらの手法は、本発明の目的に合わせて公知の手法に独自の改変改良を加えたものであってもよい。
また、本発明の核酸は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有する核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼをコードすることを特徴とする。
さらに、本発明の核酸は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列の一部からなることを特徴とする核酸である。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸としては、配列表の配列番号1に記載の塩基配列と65%以上の相同性を有する核酸である。
ここで、本発明にかかる「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、二つのDNA断片がサムブルックら(J. Sambrook et al.)の「大腸菌におけるクローン遺伝子の発現(Expression of cloned genes in E. coli)」(“Molecular Cloning:A laboratory manual”,2nd ed.,)Cold Spring harbor Laboratory Press,New York,USA(1989),9.47−9.62及び11.45−11.61に記載されたハイブリダイゼーション条件下で、相互にハイブリダイズすることを意味する。
より具体的には、「ストリンジェントな条件」とは約45℃にて6.0×SSCでハイブリダイゼーションを行うことを指す。ストリンジェンシーの選択のため、洗浄工程における塩濃度を、例えば低ストリンジェンシーとしての約2.0×SSC、50℃から、高ストリンジェンシーとしての約0.1×SSC、50℃まで選択することができる。さらに、洗浄工程の温度を低ストリンジェンシー条件の室温、約22℃から、高ストリンジェンシー条件の約65℃まで増大させることができる。
本発明の核酸は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列と65%以上の相同性を有し、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼをコードする核酸である。また、本発明の核酸は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列と好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有し、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼをコードする核酸である。
次に、本発明のベクターについて説明する。
本発明のベクターは、前述した核酸を含有することを特徴とするベクターである。
ここで、核酸を組込むプラスミドとしては遺伝子工学的に常用される宿主細胞(例えば、大腸菌、枯草菌等の原核細胞宿主、酵母、等の真核細胞宿主)中で核酸にコードされているタンパク質が発現できるプラスミドであればどのようなプラスミドでもよい。こうした配列内には、例えば選択した宿主細胞で発現するのに好適なコドンを導入することや、制限酵素部位を設けることも可能である。また、目的とする遺伝子の発現を容易にするための制御配列、促進配列等、目的とする遺伝子を結合するのに役立つリンカー、アダプター等、さらには抗生物質耐性等の制御、代謝の制御、菌体の選別等に有用な配列等を含ませることが可能である。
上記プラスミドに含まれるプロモーターとしては、大腸菌を宿主とするプラスミドでは、例えば、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース(lac)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(tac)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモーター、λファージPLプロモーターが挙げられ、酵母を宿主とするプラスミドでは、例えば、GAL1プロモーター、GAL10プロモーターが挙げられる。
また、大腸菌を宿主とするプラスミドとしては、例えば、pBR322、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pSP64、pSP65、pTZ−18R/−18U、pTZ−19R/−19U、pGEM−3、pGEM−4、pGEM−3Z、pGEM−4Z、pGEM−5Zf(−)、pBluescript KSTM(Stratagene)が挙げられる。大腸菌での発現に適したプラスミドベクターとしては、pQE(QIAGEN)、pET(Novagen)、pAS、pKK223(Pharmacia)、pMC1403、pMC931、pKC30等も挙げられる。
酵母を宿主とするプラスミドとしては、例えば、YIp型ベクター、YEp型ベクター、YRp型ベクター、YCp型ベクター、pGPD−2が挙げられる。
宿主細胞としては、宿主細胞が大腸菌の場合、例えば、大腸菌K12株に由来するものが挙げられ、具体的には、NM533XL1−Blue、C600、DH1、DH5、HB101、JM109等が挙げられる。
本発明の遺伝子工学的手法においては、当該分野で知られたあるいは汎用されている制限酵素、逆転写酵素、DNA断片をクローン化するのに適した構造に修飾又は変換するための酵素であるDNA修飾酵素、DNA分解酵素、DNAポリメラーゼ、末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、DNAリガーゼ等を用いることが出来る。制限酵素としては、例えば、R. J. Roberts,Nucleic Acids Res,Vol.13,Suppl:r165−200(1985);S. Linn et al.Nucleases,p.109,Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,New York,1982に記載のものが挙げられる。逆転写酵素としては、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(mouse moloney leukemia virus;MMLV)由来の逆転写酵素、ニワトリ骨髄芽球症ウイルス(avian myeloblastosis virus;AMV)由来の逆転写酵素が挙げられ、特にはRNaseH欠損体を好ましく用いることが出来る。DNAポリメラーゼとしては、例えば、大腸菌DNAポリメラーゼ、その誘導体であるクレノウ・フラグメント、大腸菌ファージT4 DNAポリメラーゼ、大腸菌ファージT7 DNAポリメラーゼ、耐熱菌DNAポリメラーゼが挙げられる。
末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼとしては、例えば、G.−R.Deng and R. Wu,“METHODS in Enzymology”,Vol.100,p.96(1983)に記載の3’−OH末端にデオキシヌクレオチド(dNMP)を付加するTdTaseが挙げられる。
DNA修飾・分解酵素としては、例えば、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼが挙げられ、具体的には、例えば、ヘビ毒ホスホジエステラーゼ、脾臓ホスホジエステラーゼ、大腸菌DNAエキソヌクレアーゼI、大腸菌DNAエキソヌクレアーゼIII、大腸菌DNAエキソヌクレアーゼVII、λエキソヌクレアーゼ、DNaseI、ヌクレアーゼS1、ミクロコッカス(Micrococcus)ヌクレアーゼが挙げられる。
DNAリガーゼとしては、例えば、大腸菌DNAリガーゼ、T4DNAリガーゼが挙げられる。DNA遺伝子をクローニングしてDNAライブラリーを構築するのに適したベクターとしては、例えば、プラスミド、λファージ、コスミド、P1ファージ、F因子、YACが挙げられる。中でも、λファージ由来のベクターが好ましく、具体的には、例えば、Charon4A、Charon21A、λgt10、λgt11、λDASHII、λFIXII、λEMBL3、λZAPIITM(Stratagene)が挙げられる。
本発明のベクターを前述したような宿主細胞に導入することにより、本発明の酸性ホスファターゼを産生可能な微生物又は動物細胞等の形質転換体が得られる。このような形質転換体も本発明に包含される。
形質転換の方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いて行うことができるが、例えば、適当な細胞壁溶解酵素を用いて調製したプロトプラスト化した細胞に、塩化カルシウム、ポリエチレングリコール等の存在下でDNAを接触させる方法や、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法(例えば、E. Neumann et al.,“EMBO J”,Vo.1,p.841(1982))、マイクロインジェクション法、遺伝子銃により打ち込む方法が挙げられる。
また、上記形質転換体を用いることにより、本発明のタンパク質を組換えタンパク質として製造することが可能である。このような組換えタンパク質の製造方法も本発明に包含される。
また本発明のタンパク質が封入体として得られた場合には、可溶化処理、例えば、塩酸グアニジン、尿素等の変成剤、さらには必要に応じ、2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール等の還元剤存在下に処理して活性型酵素として精製することもできる。酵素としては酵素産生細胞をそのまま用いることが出来る。
上記組換えタンパク質の製造に用いられる形質転換体としては、例えば酸性ホスファターゼ遺伝子を導入したベクター(pACP12557−E1)を保有する大腸菌(JM109/pACP12557−E1)が挙げられる。
次に、本発明の5’−FMNの製造方法及びパントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法について説明する。
本発明の5’−FMNの製造法は、リン酸供与体存在下において、リボフラビン又はその塩に上記本発明のタンパク質を作用させて5’−FMNを生成させる工程を備える。さらに、本発明の5’−FMNの製造法は、リン酸供与体存在下において、リボフラビン又はその塩に上記本発明の形質転換体を作用させて5’−FMNを生成させる工程を備える。
また、本発明のパントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法は、パントテン酸、パンテチン、パンテテイン、パンテテイン−S−スルホン酸、パンテノール、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類又はその塩を基質として使用し、リン酸供与体存在下において基質に上記本発明のタンパク質又は形質転換体を作用させてパントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を備える。
本発明のパントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法おいて、パントテン酸、パンテチン、パンテテイン、パンテテイン−S−スルホン酸、パンテノール、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類又はその塩を基質として使用して反応させると、それぞれ対応する生成物である、パントテン酸−4’−リン酸、パンテチン−4’,4’’−ジリン酸(及びパンテチン−4’−リン酸)、パンテテイン−4’−リン酸、パンテテイン−S−スルホン酸−4’−リン酸、パンテノール−4’−リン酸、パントテニルエチルエーテル−4’−リン酸を製造することができる。
上記反応を行う際の反応条件としては、例えば液体培地で振盪培養した形質転換体を集菌し、得られた菌体にリボフラビン等の基質(0.1〜10%濃度)とリン酸化合物(0.1〜50%)の水溶液を加え、pH 4〜6に調整しながら温度20〜40℃で1時間から50時間、反応させればよい。反応終了後、菌体を分離し、反応液中の生成物を単離することにより、5’−FMN等の生成物を得ることができる。ここで、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等も同様にして行うことも可能である。
リボフラビン−5’−リン酸は、リボフラビンの5’位リン酸化物である。また、本明細書における「リボフラビン−5’−リン酸」という用語は、化合物であるリボフラビン−5’−リン酸のみに限定されず、リボフラビン−5’−リン酸及びその塩を包含するものである。リボフラビン−5’−リン酸の塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等を指す。リボフラビン−5’−リン酸又はその塩は、水溶液中で電離した状態で存在していてもよく、また、タンパク質等の分子中に取り込まれた状態のものであってもよい。本実施形態のリボフラビン−5’−リン酸又はその塩は、ポリリン酸、フェニルリン酸及びそれらの塩からなる群より選ばれるリン酸供与体とリボフラビンとを反応させて得られる。
リン酸供与体としては、ポリリン酸、フェニルリン酸及びそれらの塩が挙げられる。具体的には、ポリリン酸及びその塩としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸等、若しくはそれらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、又は、それらの混合物等が使用できる。フェニルリン酸及びその塩としては、フェニルリン酸、p−ニトロフェニルリン酸等、それらの無水物、若しくはナトリウム塩若しくはカリウム塩等のアルカリ金属塩、又は、それらの塩混合物等が使用できる。
ここで、本実施形態における反応工程、すなわち形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等の存在下で、ポリリン酸、フェニルリン酸及びそれらの塩からなる群より選ばれるリン酸供与体とリボフラビンとを反応させる工程において、反応条件は特に限定されず、形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等がリボフラビン等の基質及びリン酸供与体と十分に接触でき、その結果、5’−FMN等の生成物を生成する条件であればいかなる条件を選択することもできる。例えば、基質(リボフラビン等)及びリン酸供与体を含む水溶液に、形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等を混合すればよい。上記の混合工程は、水性の均一系中、又は、水に実質的に不溶性若しくは水に難溶性の有機溶媒と水との二相系中で行うことができるが、一般的には、水のみを溶媒として用いるか、又は、水と混合する適当な有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール、ジオキサン、ジメチルスルホキシド等)に基質を溶解し、得られた溶液を上記の微生物の菌体又は処理物を含む水溶液又は水中懸濁液に添加して用いてもよい。必要に応じて、形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等及び/又は基質を一度に、逐次又は連続的に反応液中に添加することもできる。
形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等の使用量は、5’−FMN等の生成物の生成反応が進行する条件であれば特に限定されない。形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等の調製方法によって、その重量に対する活性が大きく異なるが、目安として、リボフラビン等の基質との重量比にして、0.01〜1000倍、好ましくは0.1〜100倍である。また、リボフラビン等の基質の使用濃度は、反応系の全重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは、0.1〜10重量%である。リン酸供与体の使用濃度は、リン酸受容体であるリボフラビン等の基質の濃度によって決定される。例えば、リボフラビンに対して0.1〜10倍、好ましくは1〜5倍である。
反応液のpHは、pH 3〜8、好ましくはpH 4〜6であり、反応温度は、10〜60℃、好ましくは20〜40℃である。pHを安定させるために緩衝液を使用することもできる。緩衝液としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液等を用いることができる。さらに、pHを調整するために、酸、塩基を使用することもできる。また、反応時間は、0.1〜200時間、好ましくは1〜50時間であるが、それぞれのタンパク質、基質又はリン酸供与体により適宜選択することができる。必要に応じて界面活性剤、有機溶剤等を反応液に添加することにより、5’−FMN等の生成物の生成率を向上させることができる。5’−FMN等の生成物を連続的に取り出しながら、形質転換体、形質転換体の処理菌体(乾燥菌体や固定化菌体等)や形質転換体から得られた酵素、又は、固定化酵素等及び/又は基質を逐次又は連続的に添加する等によって、反応を継続させ、反応速度を高めることもできる。
本実施形態における精製工程では、反応によって生成した5’−FMN等を慣用の分離精製手段によって単離精製する。例えば、反応工程で得られた反応溶液又は反応溶液から菌体を分離した後の溶液を用いることができる。精製方法としては、膜分離、有機溶媒(例えば、トルエン、クロロホルム等)による抽出、カラムクロマトグラフィー、減圧濃縮、蒸留、晶析、再結晶等の通常の精製方法を使用することができる。また、反応溶液のpH調整により析出した目的物を含む析出物をろ過及び回収することにより、粗精製物を得ることができる。粗精製物は、必要により、吸着クロマトグラフィー、逆相カラムクロマトグラフィー、再結晶(メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル等)等によりさらに精製することができる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1(リボフラビンに対するリン酸転移活性の検出)
ブレブンディモナス ディミヌータ(Brevundimonas diminuta)IAM 12557をペプトン1.0%、酵母エキス0.5%及びNaCl1.0%を含む培地4mLに接種し、30℃で24時間、振盪培養を行った。遠心分離によって得られた菌体をリボフラビン5mg、酸性ピロリン酸ナトリウム12.5mg、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.0)0.5mLに懸濁し、30℃で16時間、振盪し反応を行った。反応終了後、反応液を遠心分離して菌体を除去し、5’−FMNを含む溶液を得た。5’−FMNの生成量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、下記の条件にて測定した。
カラム:Inertsil ODS−3
(粒子径3μm、直径4.6mm×75mm、GLサイエンス社製)
溶離液:CHCN:50mM NHPO(pH 6.0)=12:88
流速:2.0ml/min
検出:UV 450nm
温度:40℃
その結果、5’−FMN266.7μg/mLが生成蓄積していた。なお、リボフラビン−4’−リン酸、リボフラビン−3’−リン酸、リボフラビンジホスフェート、リボフラビンポリホスフェート等の副生物は全く生成しなかった。したがって、酸性条件下で、リボフラビンの5’位を特異的にリン酸化する活性が確認された。また、そのようなリン酸転移活性を有する新規なリン酸化酵素がBrevundimonas diminuta IAM 12557に存在することが示唆された。以下の実施例2及び3に示す通り、そのようなリン酸転移活性を有するリン酸化酵素として、新規な酸性ホスファターゼACP12557(又は単にACPと呼ぶことがある)を単離同定した。
実施例2(酸性ホスファターゼの精製)
リン酸転移活性を指標として、以下の(1)〜(7)の手順により新規な酸性ホスファターゼを精製した。リン酸転移活性の測定は、リボフラビンを基質として次の条件で行った。0.1%リボフラビン、0.5%ピロリン酸二水素二ナトリウム、0.1M酢酸緩衝液(pH 4.0)、2mM塩化マグネシウム及び酵素液を含む反応液(500μL)で、30℃で30分間、反応を行った。50μLの2N過塩素酸水を添加して反応を停止した後、遠心分離により沈殿を除き、リン酸転移反応により生成した5’−FMNを上記条件のHPLCにより定量した。
(2−1)培養
LB培地(ポリペプトン1.0%、酵母エキス0.5%、塩化ナトリウム1.0%、pH 7.0)5mLを試験管に入れ、121℃で20分間、加熱滅菌した。これに、Brevundimonas diminuta IAM 12557を接種し、30℃で16時間、振盪培養した。この培養液を、500mL三角フラスコに入れて121℃で20分間、加熱滅菌したLB培地200mLに接種し、30℃で16時間、振盪培養した。
(2−2)無細胞抽出液の調製
この培養液20Lから遠心分離により回収した湿菌体を10%グリセロール、1mMジチオスレイトール(DTT)、0.2%ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(Triton X−100)を含む0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)からなる緩衝液A 1100mLに懸濁し、超音波破砕機(19KHz、インソネーター 201M、クボタ社製)により20分間、超音波破砕後、遠心分離により得られた不溶性画分に150mLの緩衝液Aを加え、懸濁した後、遠心分離し、不溶性画分を除き、無細胞抽出液を得た。
(2−3)硫安分画
(2−2)で得られた無細胞抽出液に終濃度が0.5mMになるようにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)を加え、さらに緩衝液Aを加えて600mLとした後、硫酸アンモニウム99.6gを加え、4℃で30分間、攪拌後、遠心分離し、得られた沈澱画分を10%グリセロール、1mM DTT、0.5mM EDTA及び0.2%Triton X−100を含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)からなる緩衝液B 250mLに溶解した。
(2−4)DEAE−Toyopearlカラムクロマトグラフィー
(2−3)で得られた粗酵素液50mLに1M塩化マグネシウム0.5mLと0.1M ATP(pH 7.0)2.5mLを加え、37℃で1時間、放置した後、緩衝液Bに対して透析を行った後、緩衝液Bで平衡化したDEAE−Toyopearlカラム(直径2.5cm×18cm)に添加し、200mLの緩衝液Bで洗浄後、0mMから500mM塩化ナトリウムの直線濃度勾配(500mL)により溶出した。残りの酵素液についても、同じ操作を5回繰り返した。
(2−5)Mono Q HR 10/10カラムクロマトグラフィー
(2−4)で得られた粗酵素液50mLを緩衝液Bに対し透析し、緩衝液Bで平衡化したMono Q HR 10/10(GEヘルスケア バイオサイエンス製)に添加し、0mMから300mM塩化ナトリウムの直線濃度勾配(120mL)により溶出した。残りの酵素液についても、同じ操作を5回繰り返した。
(2−6)Mono Q HR 5/5カラムクロマトグラフィー
(2−5)で溶出した活性画分を緩衝液Bに対し透析し、緩衝液Bで平衡化したMono Q HR 5/5(GEヘルスケア バイオサイエンス製)に添加し、0mMから300mM塩化ナトリウムの直線濃度勾配(30mL)により溶出し、酵素溶液を得た。残りの酵素液についても、同じ操作を5回繰り返した。
(2−7)コハク酸アフィニティカラムクロマトグラフィー
(2−6)で得られた酵素活性画分を合わせて、緩衝液Bに対し透析し、緩衝液Bで平衡化したコハク酸をリガンドとしたアフィニティカラムに添加した。カラムの作製はEAH Sepharose 4B(GEヘルスケア バイオサイエンス製)を使用し、添付説明書に従って作製した。溶出は、0mMから300mM塩化ナトリウムの直線濃度勾配(30mL)により溶出した。
活性画分を集め、SDS‐PAGEにより解析した結果、30kDa付近に単一のバンドを確認した。
実施例3(酸性ホスファターゼ遺伝子のクローニング)
(3−1)部分アミノ酸配列の決定
実施例2で得られた精製酵素の部分アミノ酸配列の解析をアプロサイエンス社に委託し、SDS−PAGE分離ゲル片をIn gel digestion法に基づきトリプシンを用いて酵素消化した後、逆相HPLCにより生成ペプチドを分離精製し、Procise 494 HT Protein Sequencing System(Applied Biosystems社製)により配列解析した。
その結果、目的のリン酸転移活性を有する酸性ホスファターゼ由来の2種類のペプチドについてアミノ酸配列を決定できた。そのアミノ酸配列は以下の通りであった。
ペプチド1:AKEEFDAAR(配列番号3)
ペプチド2:ADNEIETPGAPR(配列番号4)
(3−2)染色体DNAの調製
Brevundimonas diminuta IAM 12557の培養菌体からMurray and Thomsonの方法(Nucl. Acid Res., 1980年,8巻,pp.4321−4325)に従い、染色体DNAを調製した。
(3−3)酸性ホスファターゼ遺伝子の増幅
酸性ホスファターゼの内部部分アミノ酸配列(ペプチド1及び2のアミノ酸配列)を基にプライマー1及び2を合成した。
プライマー1:5’−NGCNGCRTCRAAYTCYTC−3’(配列番号5)
プライマー2:5’−GCNGAYAAYGARATHGARAC−3’(配列番号6)
上記染色体DNAを鋳型とし、プライマー1及び2を用いて、TaKaRa EX Taq(タカラバイオ社製)を使用し、添付説明書に従いPCRを行った。アガロース電気泳動により増幅DNAを確認した結果、0.5kbp近辺にバンドを確認した。この増幅DNAをpT7Blue T−Vector(タカラバイオ社製)にサブクローニングし、その塩基配列を決定した。
得られた塩基配列をアミノ酸配列に変換したところ、酸性ホスファターゼの内部ペプチドの部分アミノ酸配列と同じ箇所が見出された。
決定された塩基配列の上流及び下流に存在する未知の塩基配列を決定するためにインバースPCRを行った。まず、決定済みの塩基配列を基にプライマー3〜5を合成した。
プライマー3:5’−GARATGATHCARACNCCNGC−3’(配列番号7)
プライマー4:5’−GCTCGAACTTGAAGCCAAGG−3’(配列番号8)
プライマー5:5’−GCNGAYCCNGCNTTYCARAC−3’(配列番号9)
次に、染色体DNAをBan IIで消化し、T4 DNA Ligaseでセルフライゲーションした。ライゲーションしたDNAを鋳型とし、TaKaRa EX Taq、プライマー3及び4を用いてPCRを行った。アガロース電気泳動により増幅DNAを確認し、pT7Blue T−Vectorにサブクローニングし、その塩基配列を決定した。この塩基配列を基に新たにプライマー6を合成した。
プライマー6:5’−ACAGCGAAGCTTTAAGGAGGAATAGCCCATGACCACGCCGCGCCTTGCGTCCTC−3’(配列番号10)
染色体DNAをSal Iで消化し、T4 DNA Ligaseでセルフライゲーションした。ライゲーションしたDNAを鋳型とし、TaKaRa EX Taq、プライマー4及び5を用いてPCRを行った。アガロース電気泳動法によりRCR産物を確認し、pT7Blue T−Vectorにサブクローニングし、その塩基配列を決定した。決定された塩基配列をつなぎ合わせることによって、ブレブンディモナス ディミヌータ(Brevundimonas diminuta)IAM 12557の新規酸化ホスファターゼ遺伝子の全塩基配列(840bp)を決定した。決定した塩基配列を配列番号1に示す。また、これに対応するアミノ酸配列を配列番号2に示す。また、アミノ酸配列から当該酵素タンパクの分子量は29.9kDaとなる。この塩基配列を基に新たにプライマー7を合成した。
プライマー7:5’−CCTACGTCTAGATTTGCACTCACGCCA−3’(配列番号11)
染色体DNAを鋳型とし、TaKaRa EX Taq、プライマー6及び7を用いてPCRを行った。PCR産物をHind III及びXba Iを使用して消化し、pUC19(タカラバイオ社製)のHind III及びXba Iサイトに挿入したプラスミドを構築した(pUC−ACP)。
(3−4)配列類似性検索プログラム
本酵素遺伝子の塩基配列(配列番号1)についてホモロジー検索を、DDBJ(DNA Data Bank of Japan)によるBLAST検索で行った。その結果、本酵素遺伝子の塩基配列(配列番号1)は、以下に示す微生物に由来する遺伝子の塩基配列に対して、それぞれ以下に示す塩基配列相同性(%)を示した。カウロバクター クレスセンタス(Caulobacter crescentus)61.5%、メチロバクテリウム ラジオトレランス(Methylobacterium radiotolerans)61.4%、フェニロバクテリウム ズシネウム(Phenylobacterium zucineum)60.4%、及び、クプリアビダス タイワネンシス(Cupriavidus taiwanensis)60.3%。
また、本酵素遺伝子のアミノ酸配列(配列番号2)についてホモロジー検索を、DDBJによるBLAST検索で行ったところ、本酵素遺伝子のアミノ酸配列(配列番号2)は、ブレブンディモナス属菌(Brevundimonas sp.)由来の酸性ホスファターゼ様遺伝子がコードするアミノ酸配列と最も高いアミノ酸相同性(65.5%)を示した。また、本酵素遺伝子のアミノ酸配列(配列番号2)は、以下に示す微生物に由来する酸性ホスファターゼ様遺伝子がコードするアミノ酸配列に対して、それぞれ以下に示す相同性(%)を示した。フェニロバクテリウム ズシネウム(Phenylobacterium zucineum)45.9%、マリン ガンマ プロテオバクテリウム(Marine gamma proteobacterium)45.1%、及び、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)44.2%。
実施例4(組換えベクターの作製)
実施例3で明らかとなった酸性ホスファターゼをコードするDNA配列に基づいて、以下のPCRプライマー8及び9を作製した。プライマー8にはSph I切断サイトが、プライマー9にはBgl II切断サイトがそれぞれ付与されている。
プライマー8:5’−ATAGCGCATGCCCACGCCGCGCCTTGCGTCCTCTCTCATC−3’(配列番号12)
プライマー9:5’−GCGCCAGATCTGGGCTGGCGAGACAGGGAGGCGGGGCAG−3’(配列番号13)
pUC−ACPを鋳型とし、KOD−PLUS−(東洋紡社製)、プライマー8及び9を使用して添付説明書に従いPCRを行った。PCR産物をSph I及びBgl IIを使用して消化し、pQE−70(キアゲン社製)のSph I及びBgl IIサイトに挿入したプラスミドpACP12557−E1を構築した。
実施例5(組換え大腸菌の作製)
pACP12557−E1をCompetent high JM109(東洋紡社製)を用いて大腸菌JM109に遺伝子導入し、大腸菌JM109/pACP12557−E1を作製した。
実施例6(組換え大腸菌JM109/pACP12557−E1からの酵素精製)
大腸菌JM109/pACP12557−E1を100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地5mLに接種し、30℃で12時間、振盪培養した。この培養液を0.1mMイソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(IPTG)を含むLB培地200mLに植え継ぎ、30℃で5時間、振盪培養を行った。この培養液を1L調製し、遠心分離した後、沈殿画分に50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 8.0)、300mM塩化ナトリウム及び10mMイミダゾールを含む溶液に懸濁し、氷水中で超音波破砕機(300μA、US−300、日本精機社製)により、10分間、超音波破砕後、遠心分離により得られた沈殿画分に50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 8.0)、300mM塩化ナトリウム、10mMイミダゾール及び0.2%Triton X−100を含む溶液に懸濁した。遠心分離後、上清をQIAexpress Type ATG Kit(キアゲン社製)を使用し、添付説明書に従い酵素精製を行った。酵素溶液をSDS−PAGEに供した結果、単一のバンドが確認された。また、酵素溶液の活性測定を行った結果、活性収率48.5%で精製できた。精製酵素をACP12557と名付けた。
実施例7(酸性ホスファターゼの酵素学的性質)
実施例6で得た精製酵素の酵素学的性質について検討した。リン酸転移活性の測定の為の標準的な反応条件は、以下の通りであった。5mMリボフラビン、112mMピロリン酸二水素二ナトリウム、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5)及び1.68μg/mL酵素液を含む反応液(500μL)で、30℃で30分間、反応を行った。2N過塩素酸水50μLを添加して反応を停止した後、遠心分離により沈殿を除き、リン酸転移反応により生成した5’−FMNを定量した。尚、上記反応条件にて1分間に1μmolの5’−FMNを生成する酵素量を1unit(U)と定めた。
なお、5’−FMNは、HPLCにより下記条件にて分析した。
カラム:Inertsil ODS−3(粒子径3μm、直径4.6mm×75mm、GLサイエンス社製)
溶離液:CHCN:50mM NHPO(pH 6.0)=12:88
流速:2.0ml/min
検出:UV 450nm
温度:40℃
(7−1)作用
ポリリン酸等のリン酸供与体よりリボフラビンやパントテン酸類(パントテン酸、パンテチン、パンテノール、パントテニルエチルエーテル)にリン酸を転移し、リボフラビン−5’−リン酸エステル及びパントテン酸類−4’−リン酸エステル(パントテン酸−4’−リン酸、パンテチン−4’,4’’−ジリン酸、パンテチン−4’−リン酸、パンテノール−4’−リン酸、パントテニルエチルエーテル−4’−リン酸)を生成する。逆にリン酸エステルを加水分解する作用も示す。
(7−2)基質特異性
各種リン酸供与体をピロリン酸二水素二ナトリウムと同様の反応条件で反応した。結果は、ピロリン酸二水素二ナトリウムをリン酸供与体とした場合を100とした相対活性として表1に示す。
Figure 0005619400
リン酸受容体として、各種ビタミン及び核酸を基質としてリボフラビンと同様の反応条件で反応した。結果は、リボフラビンを基質とした場合を100とした相対活性として表2に示す。
生成物の分析は、HPLCにより下記の条件にて分析した。
ピリドキシン、ピリドキサール
カラム:Inertsil ODS−3(粒子径3μm、直径4.6mm×75mm、GLサイエンス社製)
溶離液:A;0.1%トリフルオロ酢酸水、B;0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル
グラジエント:B;1%→90%
流速:0.5mL/min
検出:280nm
温度:40℃
アスコルビン酸
カラム:Inertsil ODS−3(粒子径3μm、直径4.6mm×150mm、GLサイエンス社製)
溶離液:1mM EDTA(pH 3.0)−0.1Mリン酸二水素カリウム
流速:1.0mL/min
検出:254nm
温度:25℃
ADP、AMP、GDP、GMP
カラム:Inertsil ODS−3(粒子径3μm、直径4.6mm×150mm、GLサイエンス社製)
溶離液:0.1Mリン酸水素二ナトリウム(pH 6.0)
流速:1.0 mL/min
検出:260nm
温度:25℃
D−パンテチン、D−パントテン酸カルシウム、D−パンテノール及びD−パントテニルエチルエーテル
カラム:Inertsil ODS−3(粒子径3μm、直径4.6mm×75mm、GLサイエンス社製)
溶離液:A;0.1%トリフルオロ酢酸水、B;0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル
グラジエント:B;1%→90%
流速:1.0mL/min
検出:230nm
温度:50℃
Figure 0005619400
(7−3)至適pH
標準反応条件のうちpHを酢酸ナトリム緩衝液(pH 3.0−5.5)、リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0−8.0)、トリス−塩酸緩衝液(pH 9.0−10.0)を用いてpHを変化させて、リン酸転移活性を測定した。反応の至適pHは5.5付近であった。
(7−4)pH安定性
グリシン緩衝液(pH 2.0)、酢酸ナトリウム緩衝液(pH 3.0−5.5)、リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0−8.0)、トリス−塩酸緩衝液(pH 9.0−10.0)、リン酸水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 11.0−13.0)の種々の緩衝液で30℃、30分間処理し、残存活性を標準条件の酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5)を酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.0)に変えて測定した。pH 4.0から11.0では、処理前の85%以上の活性が残存していた。
(7−5)至適温度
標準反応条件のうち温度だけを変化させてリン酸転移活性を測定した。反応の至適温度は35℃付近であった。
(7−6)温度安定性
精製酵素を0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5)中で種々の温度にて60分間処理し、残存活性を標準反応条件で測定した。40℃以下では、処理前の90%以上の活性が残存していた。
(7−7)金属イオン及び阻害剤の影響
標準反応液に各種金属イオン又は阻害剤を添加して、リン酸転移活性を測定した。結果は、無添加条件を100とした相対活性として以下の表3及び表4に示した。
Figure 0005619400
Figure 0005619400
(7−8)分子量
精製酵素のサブユニットの分子量をSDS−PAGE(12%ポリアクリルアミドゲル)により求めた結果、約31kDaであった。また、Superdex 200 5/10 (GEヘルスケア バイオサイエンス社製)によるゲルろ過クロマトグラフィーで測定した分子量は、約242kDaであった。これらの結果より、本発明の酸性ホスファターゼは、ホモヘキサマーと予想された。
(7−9)Km値とVmax
5mMリボフラビン、112mMピロリン酸二水素二ナトリウム、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5)及び0.21μg/mL酵素液を含む反応液(500μL)のリボフラビン濃度を変化させて、30℃で30分間、反応を行い、ミカエリス定数Kmをラインウエーバー・バークのプロットにより得た。得られたKmは0.053mMであった。また、最大速度Vmaxは4.5U/mgであった。さらに、ピロリン酸二水素二ナトリウムの濃度を変化させて、同様にKmを求めた。この場合のKmは1.57mM、Vmaxは4.5U/mgであった。
さらに、5mMパンテチン、112mMピロリン酸二水素二ナトリウム、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5)及び0.17μg/mL酵素液を含む溶液を30℃で15分間、反応を行い、同様にパンテチンに対するKmを求めた。この場合のKmは0.49mM、Vmaxは73U/mgであった。
実施例8(大腸菌JM109/pACP12557−E1を用いたリボフラビンのリン酸化)
大腸菌JM109/pACP12557−E1を100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地5mLに接種し、37℃で12時間、振盪培養を行った。この培養液を0.1mM IPTGを含むLB培地5mLに植え継ぎ、37℃で14時間、振盪培養を行った。培養液1mLを遠心分離し、得られた菌体に1%リボフラビン、2.5%ピロリン酸二水素二ナトリウム、0.1M酢酸緩衝液(pH 4.0)及び2mM塩化マグネシウムを含む反応液(1mL)で、30℃で1時間、反応した後、2N過塩素酸100μLを加え、反応を停止した。反応生成物はHPLCで検出した。
また、Brevundimonas diminuta IAM 12557をLB培地5mLに接種し、30℃で36時間、振盪培養した。この培養液を大腸菌JM109/pACP12557−E1と同様の方法で反応した。Brevundimonas diminuta IAM 12557は培養液1mLあたり1.2nmol/minの活性であった。一方、大腸菌JM109/pACP12557−E1は培養液1mLあたり8.4nmol/minの活性を示し、7倍の活性上昇が見られた。また、大腸菌JM109/pACP12557−E1を使用して行った反応では、Brevundimonas diminuta IAM 12557の場合と比較して、副生成物は少なかった。
実施例9(大腸菌JM109/pACP12557−E1を用いたパンテチンのリン酸化)
大腸菌JM109/pACP12557−E1を100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地500mLに接種し、37℃で12時間、振盪培養を行った。この培養液を0.1mM IPTGを含むLB培地18Lに植え継ぎ、30℃で24時間、振盪培養を行った。培養液を遠心分離して得られた菌体を50mM酢酸緩衝液(pH 4.0)1.8Lに懸濁し、80%パンテチン(第一三共プロファーマ社製)67.5g(97.4mmol)、ピロリン酸二水素二ナトリウム270g(1.22mol)を加え、30℃で4時間、反応した。反応液は、70℃で10分間、加熱処理後、遠心分離及びメンブランろ過(0.2μm)により菌体を除去し、反応ろ液を得た。反応ろ液1.67Lには、パンテチン−4’,4’’−ジリン酸48g(67.2mmol)及びパンテチン−4’−リン酸が含まれていた。
実施例10(パンテチン−4’,4’’−ジリン酸及びパンテチン−4’−リン酸の製造)
実施例9で得られた反応ろ液1.67L(パンテチン−4’,4’’−ジリン酸48g含有)を逆相カラムクロマトグラム(Chromatorex ODS−1020T;1kg)に供し、水で溶出することによりパンテチン−4’,4’’−ジリン酸47.6g(収率68.4%)を得た。さらに、20%アセトニトリルで溶出することによりパンテチン−4’−リン酸10.6g(収率17.2%)を得た。なお、パンテチン−4’,4’’−ジリン酸の融点は、160〜170℃(分解)である。
実施例11(パンテチン−4’,4’’−ジリン酸ジナトリウムの製造)
実施例10で得られたパンテチン−4’,4’’−ジリン酸10.3g(14.4mmol)を精製水100mLに溶解し、撹拌下、28%水酸化ナトリウムを滴下し、pH 7.0とし、反応液を濃縮乾固した。残渣をメタノール100mLに溶解し、酢酸エチル1Lを撹拌中に加え、析出した粉末をろ過、酢酸エチルで洗浄し、40℃で6時間、減圧乾燥し、白色粉末のパンテチン−4’,4’’−ジリン酸ジナトリウム10.3g(収率89.0%)を得た。なお、パンテチン−4’,4’’−ジリン酸ジナトリウムの融点は、185〜190℃である。
H−NMR(DO) δppm;0.85(6H,s,−CH ),0.99(6H,s,−CH ),2.52(4H,t,J=6.6Hz,−CH −CONH),2.85(4H,t,J=6.3Hz,−CH −S−),3.4−3.8(4H,m,−CH −P−),3.52(8H,t,J=6.4Hz,−CH −NH−),4.10(2H,s,−CH−OH),4.79(2H,s,−OH
実施例12(パンテチン−4’,4’’−ジリン酸カルシウムの製造)
実施例10で得られたパンテチン−4’,4’’−ジリン酸2.10g(2.94mmol)を精製水50mLに溶解し、撹拌下、飽和水酸化カルシウム水を滴下し、pH 7.0とし、反応液を濃縮乾固した。残渣をメタノールに懸濁後、粉末をろ過し、40℃で2時間、減圧乾燥し、白色粉末のパンテチン−4’,4’’−ジリン酸カルシウム2.02g(収率93.5%)を得た。
実施例13(パンテチン−4’,4’’−ジリン酸マグネシウムの製造)
実施例10で得られたパンテチン−4’,4’’−ジリン酸1.32gを精製水50mLに溶解し、攪拌下、水酸化マグネシウムを添加し、pH 7.0とし、反応液を減圧濃縮した。残渣をメタノールに懸濁後、粉末をろ過し、40℃で6時間、減圧乾燥し、白色粉末のパンテチン−4’,4’’−ジリン酸マグネシウム1.22g(収率86.9%)を得た。

Claims (5)

  1. リン酸供与体存在下において、パントテン酸類又はその塩に、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼであるタンパク質を作用させて、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を含む、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法。
  2. リン酸供与体存在下において、パントテン酸類又はその塩に、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質を作用させて、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を含む、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法。
  3. リン酸供与体存在下において、パントテン酸類又はその塩に、配列番号2に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質であり、且つリボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼであるタンパク質を作用させて、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を含む、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法。
  4. リン酸供与体存在下において、パントテン酸類又はその塩に、形質転換体を作用させて、パントテン酸類の4’位リン酸エステルを生成させる工程を含む、パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法であって、
    前記形質転換体は、
    1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸、
    2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有する核酸、又は
    3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列と90%以上の同一性を有し、且つ、リボフラビンとリン酸供与体に作用し、リボフラビン−5’−リン酸を生成する活性を有する酸性ホスファターゼをコードする核酸、
    を含有するベクターを保有する形質転換体である、
    パントテン酸類の4’位リン酸エステルの製造方法。
  5. 前記パントテン酸類が、パントテン酸、パンテチン、パンテテイン、パンテテイン−S−スルホン酸、パンテノール及びパントテニルエチルエーテルからなる群より選ばれる請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
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