JP5618485B2 - 電気化学セルの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池反応による発電操作と、高温水蒸気電解反応による電解操作とを可逆的に行うことが可能な電気化学セル及びその運転方法に関する。
固体電解質燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell : SOFC)は、通常600〜900℃前後の運転条件においてイオン導電性(酸素イオンもしくは水素イオン)を有する電解質膜を介して、還元剤(水素もしくは炭化水素など)と酸化剤(酸素など)とを反応(燃料電池反応)させ、そのエネルギーを電気として取り出す装置である。
一方、電気化学セル(Solid Oxide Electrolysis Cell : SOEC)は、SOFCの逆反応を動作原理とし、イオン導電性を有する電解質膜を介して、高温の水蒸気を電気分解することにより水素と酸素とを得る装置である。
したがって、同一セルで燃料電池反応と電解反応とを交互に実施する、いわゆるリバーシブル運転を行えば、電力に余裕のあるときに電解反応で水素を蓄積しておき、電力不足時に蓄積した水素で発電を行う、水素をエネルギー媒体とした電力貯蔵システムを提供することが可能となる。しかしながら、このような操作を実用化するに際しては、上記燃料電池反応および電解反応のいずれをも効率よく行い、長期に亘って高効率で維持するセル構造及び運転条件を確立する必要がある。
しかしながら、上述した燃料電池反応および電解反応は互いに逆の反応であるが、いずれについてもセル構造に流れる電流が大きくなると、セルを構成する各種材料の電気抵抗に起因したオーム性抵抗、並びにセルを構成する電極の触媒活性等に起因する分極抵抗成分より、上記燃料電池反応及び電解反応の双方の効率を同時に向上させることができないでいた。
かかる観点より、オーム性抵抗成分の低減については、例えばセル構成成分の薄膜化、接触抵抗の低減等により対処しており、分極抵抗成分の低減については、例えば電極の触媒活性の向上、電極のガス拡散性の向上等により対処している。
また、特許文献1においては、電気化学セルを構成する水素極を、ニッケルを表面及び電極内部に分散担持させたセリウム系複合酸化物から構成し、酸素極を、ランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物から構成して電極間の反応効率を向上させ、これによって、上述した内部抵抗を低減させて、特に電解反応の効率を向上させる試みがなされている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術によっても、燃料電池反応及び電解反応の双方の効率を同時に向上させるはできず、燃料電池反応と電解反応とを交互に実施するリバーシブル運転を高効率で行うことができる電気化学セルは未だ提供することができないでいた。
特開2006−283103号
本発明は、燃料電池反応と高温水蒸気電解反応とを交互に高効率で行うことができ、固体電解質燃料電池(SOFC)及び電気化学セル(SOEC)の双方として実用可能な電気化学セルの運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の一態様は、電気的に絶縁性であって、酸素イオン導電性を呈する電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面側に形成された、ランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物からなる酸素極と、前記電解質膜の他方の主面側に形成されたニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットを含む水素極と、前記酸素極及び前記水素極それぞれの、前記電解質膜と反対側の主面側に形成された一対の集電材とを具えた電気化学セルの運転方法であって、前記一対の集電材を介して前記酸素極、前記電解質膜及び前記水素極間を流れる電流の電流密度を±0.6A/cm未満とし、燃料電池反応と電解反応とを交互に可逆的に実施することを特徴とする、電気化学セルの運転方法に関する。
電解質膜を挟むようにして酸素極及び水素極が形成され、さらにその外方において一対の集電材が形成されてなる従来構成の電気化学セルにおいては、本発明者らの鋭意検討の結果、前記電気化学セルを固体電解質燃料電池(SOFC)として使用した場合においては、酸素イオンに起因して流れる電流(電流密度)の大きさに比較して生成される電圧が低くなり、電気化学セル(SOEC)として使用した場合においては、印加電圧に対して生成される電流(電流密度)、すなわち酸素及び水素の量が減少してしまうという事実を見出した。このため、上述したような従来の電気化学セルでは、燃料電池反応と高温水蒸気電解反応とを交互に高効率で行うことができないことを見出した。
このような事実に鑑みて、本発明者らはさらに検討を行い、電気化学セルを構成する水素極をニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成し、さらに前記電気化学セルに流す電流の密度を±0.6A/cm未満とすることによって、上述した不利益を解消し、SOFCの場合の生成電圧を向上させることができるとともに、SOECの場合の生成電流、すなわち酸素及び水素の量を向上させることができることを見出したものである。
したがって、上記態様によれば、燃料電池反応と高温水蒸気電解反応とを交互に高効率で行うことができ、SOFC及びSOECの双方として実用可能な電気化学セルを提供することができる。
なお、“±0.6A/cm”における正の符号は、SOFCの場合における水素と酸素との反応によって生じる電流密度を意味し、負の符号は、SOECにおける電圧印加によって水蒸気を分解して水素及び酸素を生成する場合に生じる電流密度を意味している。
なお、上述した作用効果を生ぜしめる原因については現在明確になっていないが、電気化学セルを構成する水素極をニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成し、さらに前記電気化学セルに流す電流の密度を±0.6A/cm未満とする限りにおいて、ほぼ100%の確率で上記作用効果を生ぜしめることができる。
水素極をニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成することについては、例えばUS2008/0254336等に記載されているが、かかる文献においては電気化学セル中に流す電流の密度を±0.6A/cm未満とすることについては何らの開示がない。すなわち、従来的な発想では、SOFCとして使用する場合にはより大きな電圧を得ようとして比較的大きな電流(多量の酸素ガス及び水素ガス)を流し、SOECとして使用する場合には、より多くの酸素ガス及び水素ガスを生成させるために比較的大きな電圧を印加し、その結果、比較的大きな電流を流すようにしている。したがって、本願発明で規定している、電気化学セル中に流す電流の密度を±0.6A/cm未満とするような条件は一般的には採用することがない。
したがって、上記文献中において、本願発明の構成要件である、水素極をニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成することについて開示されているといっても、さらに本願発明の構成要件である、電気化学セル中に流す電流の密度を±0.6A/cm未満という特異な条件についても当然に開示されているということはできない。
また、以下に詳述するように、前記電流密度を、特に−0.3A/cm〜−0.2A/cm及び+0.2A/cm〜+0.3A/cmの範囲にすることによって、上述した作用効果をより顕著に奏することができるようになる。なお、上記符号は、上記段落[0014]で説明したとおりである。
本発明の一例においては、前記酸素極は、ランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物を含む。この場合、前記酸素極と前記水素極との反応効率が向上するため、SOFCの場合の生成電圧をより向上させることができるとともに、SOECの場合の生成電流、すなわち酸素及び水素の量をより向上させることができる。
さらに、本発明の一例においては、前記水素極に含まれる前記サーメットのニッケル濃度を、前記電解質膜から前記集電材に向けて増大する。すなわち、前記水素極に含まれる前記サーメットのニッケル濃度を、前記集電材から前記電解質膜にむけて減少させる。これによって、前記電解質膜と前記水素極との界面での吸熱及び発熱に伴う膨張差を低減することができ、前記界面での剥離を防止することができるようになる。
また、本発明の一例においては、前記電解質膜と前記酸素極との間にセリア系セラミック層を形成する。この場合、前記酸素極の触媒活性を向上させることができ、上述した本発明の作用効果をより効果的に奏することができるようになる。
さらに、本発明の一例においては、前記酸素極と前記集電材との間及び前記水素極と前記集電材との間の少なくとも一方に、金、銀及び白金の少なくとも一種を含む導電層を形成する。これによって、前記電極と前記集電材との電気的な接続抵抗を低減することができ、上述した作用効果をより効果的に奏することができるようになる。
また、本発明の一例においては、前記導電層はリブ状又はドット状に形成する。これによって、上記電気化学セルをSOFCとして使用する場合には、前記集電材と前記導電層との間に形成された空隙を介し、多量の酸素ガス及び水素ガスを流して発電効率を高めることができ、SOECとして使用する場合には、生成した酸素ガス及び水素ガスを前記空隙を介して簡易に取り出すことができる。
以上、本発明によれば、燃料電池反応と高温水蒸気電解反応とを交互に高効率で行うことができ、固体電解質燃料電池(SOFC)及び電気化学セル(SOEC)の双方として実用可能な電気化学セルを提供することができる。
第1の実施形態における電気化学セルの概略構成を示す断面図である。 図1に示す電気化学セルの電流−電圧特性を示すグラフである。 第2の実施形態における電気化学セルの概略構成を示す断面図である。 第3の実施形態における電気化学セルの概略構成を示す断面図である。 第3の実施形態における電気化学セルの変形例の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、図面を参照しながら実施形態に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における電気化学セルの概略構成を示す断面図であり、図2は、図1に示す電気化学セルの電流−電圧特性を示すグラフである。
図1に示す電気化学セル10は、電気的に絶縁性であって、電子絶縁性と酸素イオン導電性を呈する電解質膜11と、この電解質膜11の一方の主面11A側に形成された酸素極12と、電解質膜11の他方の主面11B側に形成された水素極13と、酸素極12及び水素極13それぞれの、電解質膜11と反対側の主面12A及び13A側に形成された一対の集電材14及び15とを含む。
電解質膜11は、例えば安定化ジルコニアから構成することができる。この場合、安定化剤としては、Y、Sc、Yb、Gd、Nd、CaO、MgOなどを挙げることができる。これらの安定化剤はジルコニア中に固溶させて使用する。また、安定化ジルコニアに代えて、LaSrGaMg酸化物、LaSrGaMgCo酸化物、LaSrGaMgCoFe酸化物、LaSrGaMgCoFe酸化物などのペロブスカイト型酸化物から構成することもできる。さらに、CeOにSm、Gd、Y、Laなどを固溶させたセリア系電解質固溶体を用いることもできる。但し、電解質膜11は、これらの材料に限定されるものではなく、これら以外の材料から構成してもかまわない。
酸素極12は、LaSrMnOのペロブスカイト酸化物等、従前より電気化学セルの酸素極として用いられている任意の材料から構成することができるが、好ましくはランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物から構成する。これによって、酸素極12と水素極13との反応効率を向上させることができ、以下に説明する本発明の本来的な作用効果に加えて、SOFCとして使用した場合の生成電圧をより向上させることができるとともに、SOECとして使用した場合の生成電流、すなわち酸素及び水素の生成量をより向上させることができる。
なお、ランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物としては、ランタン・ストロンチウム・コバルト複合酸化物の他、ランタン・ストロンチウム・コバルト・鉄複合酸化物を挙げることができる。
水素極13は、ニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成する。なお、このサーメット中におけるニッケルの含有量は特に限定されるものではないが、例えば30重量%〜70重量%とすることができる。なお、セリア系セラミック材料は、上述したセリア系電解質固溶体から構成することができる。
なお、電解質膜11、酸素極12及び水素極13の厚さは、それぞれ目的に応じて任意に設定することができるが、例えば0.1mm〜0.5mmの範囲とすることができる。
集電材14及び15は、通常の運転条件で酸化しないような材料から構成することが必要であり、例えば金、銀、白金などの貴金属の他、他の母材となる金属等を銀などでコーティングしたものを用いることができる。また、導電性を有するセラミック材料を用いることもできる。さらには、酸化被膜が導電性を有するようなクロム系合金も用いることができる。
本態様においては、以上のようにして構成した電気化学セル10の、集電材14及び15を介して酸素極12、電解質膜11及び水素極13間を流れる電流の電流密度を±0.6A/cm未満、好ましくは、−0.3A/cm〜−0.2A/cm及び+0.2A/cm〜+0.3A/cmの範囲とする。この結果、水素極13をニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成したことと相伴って、以下に説明するような特殊な作用効果を奏するようになる。
なお、電流密度における正の符号は、SOFCの場合における水素と酸素との反応によって生じる電流密度を意味し、負の符号は、SOECにおける電圧印加によって水蒸気を分解して水素及び酸素を生成する場合に生じる電流密度を意味している。
図2に示す電流−電圧特性において、電圧軸の右側は発電の領域、すなわちSOFCとして機能する領域を示し、電圧軸の左側は電解の領域、すなわちSOECとして機能する領域を示している。この場合、SOFC領域では、酸素ガス(酸素イオン)及び水素ガスが、酸素極12、水素極13及び電解質膜11を流れることによって電流を生ぜしめ、燃料電池反応によって電圧を生成する(発電を行う)ものであって、前記電流は発電を行うために積極的に負荷するものと考えることができるので、かかる領域の電流、すなわち電流密度を上述のように正の電流密度として定義している。
一方、SOEC領域では、電気化学セル10の、集電材14及び15を介して酸素極12、電解質膜11及び水素極13間に電圧を印加し、その結果、酸素ガス及び水素ガスを生成するとともに、それに伴って電流が生じるようになるので、かかる領域の電流、すなわち電流密度を上述のように負の電流密度として定義する。
但し、上述した定義はあくまで便宜上のものであって、SOFC領域での電流密度を負の電流密度として定義し、SOEC領域での電流密度を正の電流密度として定義してもよい。
水素極13を従来のように、例えばセリウム系複合酸化物から構成した場合においては、その電流−電圧特性は、図2において破線で示すようになる。すなわち、SOFC領域では、電流−電圧特性のグラフは下向きに凸となり、SOEC領域では上向きに凸となっている。これは、SOFC領域においては、比較的大きな電流を流している(酸素ガス及び水素ガスを比較的多量に供給している)にも拘わらず、生成される電圧が小さい、すなわち発電効率が悪いことを意味しており、SOEC領域においては、所望する電流(電流密度)、すなわち酸素ガス及び水素ガスの生成量を得ようとすると、より大きな印加電圧が必要であり、ガス生成効率が悪いことを意味している。
一方、水素極13を、本発明にしたがってニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットから構成した場合は、図2において実線で示すように、SOFC領域及びSOEC領域に亘って連続した直線となり、電流密度が±0.6A/cm未満、特に+0.2A/cm〜+0.3A/cmの範囲では、SOFC領域においては、同じ電流密度に対して、破線で示す従来値と実践で示す本態様の値との、矢印で示される差分だけ高い電圧を示し、特に−0.3A/cm〜−0.2A/cmの範囲では、SOEC領域においては、同じ電流密度を得るに際して、破線で示す従来値と実践で示す本態様の値との、矢印で示される差分だけより少ない印加電圧で済むことが分かる。すなわち、図2において破線で示す従来の水素極を使用した場合に比較して、発電効率及びガス生成効率に優れることが分かる。
したがって、本態様の電気化学セル10によれば、SOFC領域における燃料電池反応とSOEC領域における高温水蒸気電解反応とを交互に高効率で行うことができ、SOFC及びSOECの双方として実用可能な電気化学セルを提供することができる。
なお、図2において破線で示すように、従前の材料から水素極13を構成した場合の電流−電圧特性も本発明者らによって初めて確認されたものであり、従前の材料を用いた水素極13では、上述したように、SOFC領域において発電効率が悪いこと、及びSOEC領域においてはガス生成効率が悪いことを見出し、かかる欠点を改善すべく本態様で示すような電気化学セル10の研究開発がなされたことを付言しておく。
また、水素極13に含まれる上記サーメットのニッケル濃度を、電解質膜11から集電材15に向けて増大する、すなわち、水素極13に含まれる前記サーメットのニッケル濃度を、集電材15から電解質膜11にむけて減少させるようにすることができる。これによって、電解質膜11と水素極13との界面での吸熱及び発熱に伴う膨張差を低減することができ、前記界面での剥離を防止することができるようになる。
さらに、電気化学セル10は、電解質膜11に対して、酸素極及び水素極の原料を有機溶剤に溶解させて溶液あるいはペーストとした後、これら溶液又はペーストをスクリーン印刷で電解質膜11上に塗布することなどによって形成することができる。また、集電材14及び15は、メッキ法や物理蒸着法等の汎用の方法を用いて形成することができる。
(第2の実施形態)
図3は、本実施形態における電気化学セルの概略構成を示す断面図である。本態様の電気化学セル20では、電解質膜11と酸素極12との間にセリア系セラミック層21が形成されている点で、図1に関する上記第1の実施形態と相違し、その他の構成要素及び構成形態については、上記第1の実施形態と同様である。
本態様においては、電解質膜11と酸素極12との間にセリア系セラミック層21を設けているので、酸素極12の触媒活性を向上させることができる。したがって、第1の実施形態において、図2に関連して説明した上記作用効果をより効果的に奏することができるようになる。
なお、本態様においても、水素極13に含まれる上記サーメットのニッケル濃度を、電解質膜11から集電材15に向けて増大する、すなわち、水素極13に含まれる前記サーメットのニッケル濃度を、集電材15から電解質膜11にむけて減少させるようにすることができる。これによって、電解質膜11と水素極13との界面での吸熱及び発熱に伴う膨張差を低減することができ、前記界面での剥離を防止することができるようになる。
(第3の実施形態)
図4は、本実施形態における電気化学セルの概略構成を示す断面図である。なお、本実施形態においては、新たに形成した導電層の形態を明確に示すべく、前記導電層を集電材と離隔させて示している。
本態様の電気化学セル30では、酸素極12と集電材14との間にドット状の導電層31を設けるとともに、水素極13と集電材15との間にドット状の導電層32を設けている。なお、導電層31及び32は電気導電性に優れる金、銀、白金から構成する。これによって、酸素極12及び集電材14、並びに水素極13及び集電材15との電気的な接続抵抗を低減することができ、図2に関連して説明した、上記作用効果をより効果的に奏することができるようになる。
また、電気化学セル30をSOFCとして使用する場合には、集電材14及び15と導電層31及び32との間に形成された空隙を介し、多量の酸素ガス及び水素ガスを流して発電効率を高めることができ、SOECとして使用する場合には、生成した酸素ガス及び水素ガスを前記空隙を介して簡易に取り出すことができる。
なお、導電層31及び32をドット状に形成する代わりに、図5に示すようにリブ状とすることもできる。この場合も、図4に示す電気化学セルと同様の作用効果を奏することができる。
図5に示す電気化学セル40では、導電層31及び32でリブの方向を同方向として配列しているが、互いに所定の角度をなすようにして配列することもできる。例えば、互いに直交するようにして配列することもできる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
10,20,30,40 電気化学セル
11 電解質膜
12 酸素極
13 水素極
14,15 集電材
21 セリア系セラミック層
31,32 導電層

Claims (6)

  1. 電気的に絶縁性であって、酸素イオン導電性を呈する電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面側に形成された、ランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物からなる酸素極と、前記電解質膜の他方の主面側に形成されたニッケルとセリア系セラミック材料とのサーメットを含む水素極と、前記酸素極及び前記水素極それぞれの、前記電解質膜と反対側の主面側に形成された一対の集電材とを具えた電気化学セルの運転方法であって、
    前記一対の集電材を介して前記酸素極、前記電解質膜及び前記水素極間を流れる電流の電流密度を±0.6A/cm未満とし、燃料電池反応と電解反応とを交互に可逆的に実施することを特徴とする、電気化学セルの運転方法。
  2. 前記電流密度を、−0.3A/cm〜−0.2A/cm及び+0.2A/cm〜+0.3A/cmの範囲にすることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学セルの運転方法。
  3. 前記水素極に含まれる前記サーメットのニッケル濃度が、前記電解質膜から前記集電材に向けて増大していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気化学セルの運転方法。
  4. 前記電解質と前記酸素極との間に形成されたセリア系セラミック層を具えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の電気化学セルの運転方法。
  5. 前記酸素極と前記集電材との間及び前記水素極と前記集電材との間の少なくとも一方に形成された、金、銀及び白金の少なくとも一種を含む導電層を具えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の電気化学セルの運転方法。
  6. 前記導電層はリブ状又はドット状に形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の電気化学セルの運転方法。
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