JP5618263B2 - ステージ装置及びステージ制御システム - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、移動対象物を目標位置に移動させるステージ装置及びこれを備えたステージ制御システムに関し、特に高い移動精度が要求されるステージ装置及びこれを備えたステージ制御システムに関する。
一般にステージ装置は、スライダと、スライダの移動方向を規制するガイドレールと、スライダの推力を発生させる駆動装置と、スライダの位置を検出する位置検出装置とを有している。駆動装置や位置検出装置としては、例えばリニアモータやリニアスケールが用いられる。
従来、スライダをガイドレールに対し移動可能に支持する軸受として、ボールやローラを循環させる転がり軸受(例えば、特許文献1参照)や、圧縮エアの噴出によりスライダを浮上させ、スライダとガイドレールとを非接触とするエア軸受(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開平7−242912号公報 特開2004−36680号公報
近年、例えばプリント基板、半導体、液晶、バイオ関連分野等においては、ステージ装置に対し1nmレベルの超精密な位置決め精度が要求されている。
転がり軸受を用いたステージ装置で1nmレベルの超精密位置決めを行う場合、転がり軸受のボールやローラの微小移動領域における線形バネ特性を利用して位置決めを行う手法が知られている。しかしながら、転がり軸受を用いたステージ装置では、転がり摩擦による発熱によりガイドレールが数μm程度撓むため、位置再現性がないという課題があった。また、線形バネ特性下でも微小な推力制御が必要となるため、入手や保守が容易な汎用のサーボアンプ(例えば電流検出分解能が11ビット程度のPWM制御方式のサーボアンプ)を用いて位置決めを行う場合、位置決め精度はサブミクロン(0.1μm=100nm)レベルにしかならないという課題があった。
一方、エア軸受を用いたステージ装置では、スライダとガイドレールとが非接触であるため、上記のように発熱により位置再現性がなくなることはないが、スライダとガイドレールとの摩擦が極めて少ないため、慣性力がダイレクトに作用する。このため、上記汎用のサーボアンプを用いた場合、位置決め停止時(サーボロック時)のリップルが増大してしまい、発振状態となり、ハンチング幅が大きくなってしまう。また、スライダがエアにより完全に浮上しているため、エア源からのエアの脈動やエア自体の圧縮膨張を起因とする振動が発生するという課題があった。
なお、汎用のサーボアンプの代わりに特殊なリニアアンプを採用することで、エアの脈動等に起因する振動の発生以外については、上述の問題を抑制することが可能であるが、リニアアンプは汎用サーボアンプと比べて大きさ、価格、電源容量等が大きいため、現状社会問題となっている省エネに対応できず、専用設計となるため、品種が少なく、入手し難いという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、リニアアンプを用いなくても、汎用のサーボアンプを用いて1nmレベルの位置決めが可能なステージ装置及びこれを備えたステージ制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、移動対象物を目標位置に移動させるステージ装置であって、ガイド面を有するガイドレールと、前記ガイド面と相対する被ガイド面を有し、前記ガイドレールに移動方向を規制されるスライダと、前記スライダの推力を発生する駆動装置と、前記スライダの位置を検出する位置検出装置と、を備え、前記ガイド面と前記被ガイド面との潤滑状態が、少なくとも一部の領域で境界潤滑と流体潤滑の両者を含む混合潤滑状態となり、その他の領域で流体潤滑状態となるように、制御されるステージ装置が適用される。
本発明のステージ装置及びステージ制御システムによれば、リニアアンプを用いなくても、汎用のサーボアンプを用いて1nmレベルの位置決めをすることができる。
一実施の形態に係るステージ装置の正断面を表すと共に、ステージ制御システムの全体構成を概念的に表すシステム構成図である。 図1中のG部の部分拡大図である。 ガイド部材の表面加工の一例について説明する説明図である。 ガイド部材によるバネ弾性力を説明するモデル図である。 摩擦力と圧縮エアの空気圧との関係を表すグラフ、及び、摩擦係数と圧縮エアの空気圧との関係を表す片対数グラフである。 ストライベック曲線を表すグラフである。 推力指令とスライダの移動方向の変位との関係を表すグラフである。 推力指令とスライダの移動方向の変位との関係を表すグラフ、及び、推力とスライダの移動方向の変位との関係を表すグラフである。 スライダの位置偏差の3σと圧縮エアの空気圧との関係を表すグラフである。 スライダ停止時のハンチング幅に関して模式化して示す模式図である。 10nmステップ送り動作での検出位置を模式化して示す模式図である。 微小移動動作でのスライダ停止時の振動による上下方向変動に関して模式化して示す模式図である。 ガイド部材を一方のガイドレールの側板部の内面にも貼付し、被ガイド部材をスライダの一方の挿入部の側面にも貼付する変形例に係る、ステージ装置の正断面を表すと共に、ステージ制御システムの全体構成を概念的に表すシステム構成図である。 ガイド部材を両方のガイドレールの側板部の内面にも貼付し、被ガイド部材をスライダの両方の挿入部の側面にも貼付する変形例に係る、ステージ装置の正断面図である。 圧縮エアの空気圧を電空レギュレータで可変する変形例に係る、ステージ装置の正断面を表すと共に、ステージ制御システムの全体構成を概念的に表すシステム構成図である。 ガイドレール自体をCFRPで構成し、スライダ自体を瑪瑙で構成する変形例に係る、ステージ装置の正断面図である。 駆動装置として磁気吸引式のリニアモータを設ける変形例に係る、ステージ装置の正断面図である。 駆動装置として磁気吸引式のリニアモータを設ける変形例に係る、ステージ装置の正断面図である。 ステージ装置を天井に取り付ける変形例に係る、ステージ装置の正断面図である。 ステージ装置を壁に取り付ける変形例に係る、ステージ装置の正断面図である。
以下、一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るステージ制御システム1は、コントローラ2と、図示しない移動対象物を目標位置に移動させるステージ装置3と、汎用のサーボアンプ4と、圧縮エアを供給するエア源5と、エア源5から供給される圧縮エアの空気圧を調整する4つのレギュレータ6,7,8,9と、電磁弁10とを備えている。
ステージ装置3は、定盤11上に前後方向(図1中の紙面手前−紙面奥行き方向)に延びるように平行に設置された2つの断面視において略コの字形状のガイドレール12と、ガイドレール12に移動方向を規制された板状のスライダ13と、スライダ13上に設けられた2つの支持部材14を介してスライダ13に固定されたトップベース15と、スライダ13の推力を発生するリニアモータ16(駆動装置)と、スライダ13の位置を検出するリニアスケール17(位置検出装置)とを備えている。
各ガイドレール12は、凹条部18、上板部12u、下板部12d、及び側板部12sを備えている。上板部12u、下板部12d、及び側板部12sは、別体として構成されており、適宜の連結部材(例えばネジや接着剤等)により連結されている。なお、上板部12u、下板部12d、及び側板部12sを一体的に構成してもよい。各ガイドレール12の下板部12dの内面(凹条部18側の面)には、ガイド部材19が、例えばネジや接着剤等により貼付されている。
ガイド部材19は、図1中のG部の部分拡大図に相当する図2に示すように、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)の一種である、硬く潤滑性が良い炭素繊維191を柔らかく弾性変形するエポキシ樹脂192で固めた繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)で構成されている。具体的には、ガイド部材19は、表面のエポキシ樹脂192を剥離して、エポキシ樹脂192の内部で表面に対して略平行する方向(図2中の紙面手前−紙面奥行き方向、又は、図2中の左−右方向)に延びる断面視において略円形状の炭素繊維191の層を露出させる表面加工が行われており、その表面は、炭素繊維191の層がエポキシ樹脂192の表面から突出した状態となっている。わかりやすく言えば、炭素繊維191におけるエポキシ樹脂192の表面からの突出部分(露出部分)が「山」、エポキシ樹脂192の表面が「谷」となるような状態となっている。すなわち、ガイド部材19の表面には、0.1〜0.3μmレベルの表面粗さが存在する。この例では、炭素繊維191におけるエポキシ樹脂192の表面からの突出量は0.3μm程度であり、ガイド部材19の表面の平面度は3μm程度の状態となっている。
ここで、図3を用いてガイド部材19の表面加工の一例について説明する。図3(a)に示すように、表面加工前のガイド部材19は、炭素繊維191の層が全てエポキシ樹脂192により覆われた状態となっている。このような状態のガイド部材19の表面を、図3(b)に示すように、研磨機Pを用いて研磨加工し(あるいは、ラップ盤を用いてラッピング加工してもよい)、炭素繊維191の層が表面に出現するまで、表面のエポキシ樹脂192を剥離する。このとき、炭素繊維191が硬く、エポキシ樹脂192が柔らかいため、エポキシ樹脂192は、表面側に位置する炭素繊維191の上面(図3中の上側の面)から数μm下側(図3中の下側)まで研磨により剥離され、炭素繊維191は、エポキシ樹脂192の内部に沈んで研磨終了後元の位置に戻る。したがって、図3(c)に示すように、表面加工後のガイド部材19は、表面に炭素繊維191の層が露出した状態、すなわち炭素繊維191の層がエポキシ樹脂192の表面から突出した状態となる。
図1に戻り、スライダ13は、その幅方向(図1中の左−右方向)両端側に、上記ガイドレール12の凹条部18に挿入される挿入部20を備えている。各挿入部20の下面(図1中の下側の面)には、玉髄の一種である瑪瑙で構成された被ガイド部材21が、例えばネジや接着剤等により貼付されている。各挿入部20が各ガイドレール12の凹条部18に挿入されたとき、上記各ガイドレール12の上板部12uの内面12ua(凹条部18側の面)と各挿入部20の上面20a(図1中の上側の面)とが上下方向(図1中の上−下方向)に相対し、上記各ガイドレール12に貼付されたガイド部材19の表面19aと各挿入部20に貼付された被ガイド部材21の表面21aとが上下方向に相対し、上記各ガイドレール12の側板部12sの内面12sa(凹条部18側の面)と各挿入部20の側面20bとが左右方向(図1中の左−右方向)に相対する。
本実施形態では、各ガイドレール12の上板部12uの内面12ua及び側板部12sの内面12saと、各ガイドレール12に貼付されたガイド部材19の表面19aとが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当し、スライダ13の各挿入部20の上面20a及び側面20bと、スライダ13に貼付された各被ガイド部材21の表面21aとが、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。なお、ガイドレール12の上板部12uの内面12ua及び側板部12sの内面12saと、ガイドレール12に貼付されたガイド部材19の表面19aとがガイド面に相当することは、ガイドレール12がガイド面を有することと同等であり、スライダ13の各挿入部20の上面20a及び側面20bと、スライダ13に貼付された各被ガイド部材21の表面21aとが被ガイド面に相当することは、スライダ13が被ガイド面を有することと同等である。以下適宜、ガイドレール12の上板部12uの内面12ua及び側板部12sの内面12saと、ガイドレール12に貼付されたガイド部材19の表面19aとを「ガイド面」と総称し、スライダ13の各挿入部20の上面20a及び側面20bと、スライダ13に貼付された各被ガイド部材21の表面21aとを「被ガイド面」と総称する。
また、スライダ13は、各挿入部20の上面20aの前後方向両隅(言い換えれば、スライダ13の上面の四隅)に、レギュレータ6を介してエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22uを、各被ガイド部材21の表面21aの前後方向両隅に、電磁弁10及びレギュレータ7,8を介してエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22dを、各挿入部20の側面20bの前後方向両隅(言い換えれば、スライダ13の両側面の前後方向両隅)に、レギュレータ9を介してエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22sを有している。なお、これら圧縮エア噴出孔22u,22d,22s(以下適宜、「圧縮エア噴出孔22」と総称する)の個数及び配置位置は適宜に変更してもよい。
圧縮エア噴出孔22uは、上下方向に相対するガイドレール12の上板部12uの内面12uaに向けて、エア源5からレギュレータ6を介して供給された、面同士の潤滑状態を流体潤滑状態にするように調整された所定圧力の圧縮エアを噴出する。流体潤滑では、摩擦係数をμとした場合に摩擦係数μが非常に小さくなる(例えば、μ<0.01程度となる)。流体潤滑状態となったガイドレール12の上板部12uの内面12uaとスライダ13の挿入部20の上面20aとは、互いに接触しないで、圧縮エアの静圧で荷重を全て負担している状態、すなわちエアギャップを介在する非接触状態となる。
圧縮エア噴出孔22dは、上下方向に相対するガイド部材19の表面19aに向けて、エア源5から、レギュレータ7及び電磁弁10を介して供給された比較的高圧力である流体潤滑用圧力(第1圧力)の圧縮エア、又は、レギュレータ8及び電磁弁10を介して供給された比較的低圧力である混合潤滑用圧力(第2圧力)の圧縮エアを噴出する。
流体潤滑用圧力とは、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を上記流体潤滑状態にするための圧縮エアの空気圧である。流体潤滑状態となったガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとは、表面粗さレベルで見た場合、炭素繊維191におけるエポキシ樹脂192の表面からの突出部分及びエポキシ樹脂192の表面が共に被ガイド部材22の表面に接触しないで、上記非接触状態となる。
混合潤滑用圧力とは、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を境界潤滑と上記流体潤滑との両者を含む混合潤滑状態にするための圧縮エアの空気圧であり、混合潤滑状態であるガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間の微小移動領域において上記リニアモータ16の推力とそれによって生じる変位との関係が直線となる線形バネ特性が生じるように調整された圧縮エアの空気圧である。境界潤滑では、摩擦係数μが流体潤滑よりも大きくなる(例えば、μ>0.1程度となる)。混合潤滑では、摩擦係数μが流体潤滑と境界潤滑との間(例えば、0.01<μ<0.1)となる。混合潤滑状態となったガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとは、図2に示すように、表面粗さレベルで見た場合、炭素繊維191におけるエポキシ樹脂192の表面からの突出部分の一部分が被ガイド部材22の表面に凝着(接触)すると共に、エポキシ樹脂192の表面が被ガイド部材22の表面にほとんど接触しないで、圧縮エアの静圧で荷重を主に負担する状態(以下適宜、「微接触状態」と称する)となり、これら面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性が生じる。
すなわち、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態が混合潤滑状態となった場合、図4に示すように、被ガイド部材21の表面21aと凝着した(図4中では凝着部分を符号Fで示す)炭素繊維191の周りの柔らかいエポキシ樹脂192がバネ要素Sとして機能して荷重方向(図4中の上−下方向)に弾性変形する。そして、炭素繊維191が被ガイド部材21の表面21aと凝着した状態のまま、スライダ13が数十nm程度荷重方向と直交する横方向に動くと、エポキシ樹脂192がバネ要素Sとして機能して横方向に弾性変形してバネ弾性力を発生させる。このとき、複数のバネ要素Sが連なるようにエポキシ樹脂192が存在していることから、上記のような数十nm程度のスライダ13の移動量が微小な微小移動領域においては、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間に線形バネ特性が生じるようになっている。なお、スライダ13の移動量がある程度大きい移動範囲においては、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間に非線形バネ特性が生じるようになっている。
図1に戻り、圧縮エア噴出孔22sは、左右方向に相対するガイドレール12の側板部12sの内面12saに向けて、エア源5からレギュレータ9を介して供給された、面同士の潤滑状態を上記流体潤滑状態にするように調整された所定圧力の圧縮エアを噴出する。流体潤滑状態となったガイドレール12の側板部12sの内面12saとスライダ13の挿入部20の側面20bとは、互いに接触しないで、上記非接触状態となる。
上記のように構成されたステージ装置3においては、上下方向は、スライダ13の荷重と、圧縮エア噴出孔22uから噴出される圧縮エアのエア圧力と、圧縮エア噴出孔22dから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19によるバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、図示左側の圧縮エア噴出孔22sから噴出される圧縮エアのエア圧力と、図示右側の圧縮エア噴出孔22sから噴出される圧縮エアのエア圧力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16で発生した推力により、スライダ13がガイドレール12に沿って前後方向に移動する。
スライダ13の出発位置から目標位置までの移動のうち、出発位置から目標位置の所定範囲手前(例えば、目標位置の100nm手前)までの移動、すなわち目標位置近傍までの移動を行う際には、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面の潤滑状態が、全ての領域で流体潤滑状態となるように、圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。したがって、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面とは全て非接触状態となる。
一方、目標位置近傍から目標位置までの微小移動、すなわち目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面の潤滑状態が、少なくとも一部の領域で混合潤滑状態となり、その他の領域で流体潤滑状態となるように、圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。具体的には、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとの間で混合潤滑状態となり、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaとスライダ13の各挿入部20の上面20aとの間、及び、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saとスライダ13の各挿入部20の側面20bとの間で流体潤滑状態となり、混合潤滑状態となった各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aとスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aとが微接触状態となり、それ以外のガイド面と被ガイド面とは非接触状態となる。
また、スライダ13の移動方向すなわち前後方向の位置は、リニアスケール17で検出される。
サーボアンプ4は、リニアスケール17からのスライダ13の位置検出結果に基づく検出信号を入力し、当該検出信号とコントローラ2からの移動指令との偏差(位置偏差)に基づきリニアモータ16に駆動電流を出力して、スライダ13の位置を制御する。このとき、サーボアンプ4は、上記位置偏差が予め設定された所定レベル以下となったかどうかを判定することで、スライダ13が目標位置近傍まで近接したかどうかを判断する。そして、上記位置偏差が所定レベル以下となったら、スライダ13が目標位置近傍まで近接したと判断し、コントローラ2から圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令を出力させる。なお、サーボアンプ4が圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令を出力するようにしてもよい。
レギュレータ6は、スライダ13の圧縮エア噴出孔22uに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ6により空気圧が調整された圧縮エアは、圧縮エア噴出孔22uに上記所定圧力で供給される。レギュレータ7は、スライダ13の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ7により空気圧が調整された圧縮エアは、電磁弁10を介して圧縮エア噴出孔22dに上記流体潤滑用圧力で供給される。レギュレータ8は、スライダ13の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ8により空気圧が調整された圧縮エアは、電磁弁10を介して圧縮エア噴出孔22dに上記混合潤滑用圧力で供給される。レギュレータ9は、スライダ13の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ9により空気圧が調整された圧縮エアは、圧縮エア噴出孔22sに上記所定圧力で供給される。
電磁弁10は、コントローラ2からの切替指令に基づき、2ポートの開閉を切り替えることで、スライダ13の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを、レギュレータ7で空気圧が調整された上記流体潤滑用圧力の圧縮エアと、レギュレータ8で空気圧が調整された上記混合潤滑用圧力の圧縮エアとの間で切り替える。具体的には、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、コントローラ2が、移動指令を出力するのとほぼ同じタイミングで、圧縮エアを流体潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令を出力する。すると、この切替指令に基づき、電磁弁10が、レギュレータ7側のポートを開放すると共にレギュレータ8側のポートを閉鎖することで、圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを流体潤滑用圧力の圧縮エアに切り替える。一方、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、コントローラ2が、スライダ13が目標位置近傍まで近接したとサーボアンプ4により判断された場合に、圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令を出力する。すると、この切替指令に基づき、電磁弁10が、レギュレータ7側のポートを閉鎖すると共にレギュレータ8側のポートを開放することで、圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアに切り替える。
本実施形態では、スライダ13の圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに圧縮エアを供給し、これら圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに供給する圧縮エアの空気圧により、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との潤滑状態を制御する。具体的には、エア源5から供給された圧縮エアの空気圧を各レギュレータ6,7,8,9で調整し、これら各レギュレータ6,7,8,9で調整された空気圧で圧縮エアをスライダ13の圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに供給する(圧縮エア噴出孔22dに関しては、電磁弁10の2ポートの開閉を切り替えることで、圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを、レギュレータ7で空気圧が調整された流体潤滑用圧力の圧縮エア、又は、レギュレータ8で空気圧が調整された混合潤滑用圧力の圧縮エアに切り替える)ことにより、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との潤滑状態を制御する。なお、本実施形態では、エア源5及びレギュレータ6,7,8,9が、特許請求の範囲に記載のエア供給装置に相当する。
以上のように構成されたステージ制御システム1においては、スライダ13の圧縮エア噴出孔22u,22d,22sのうち、圧縮エア噴出孔22uに供給される圧縮エアは、レギュレータ6で空気圧が調整された所定圧力の圧縮エアに固定され、圧縮エア噴出孔22sに供給される圧縮エアは、レギュレータ9で空気圧が調整された所定圧力の圧縮エアに固定されているが、圧縮エア噴出孔22dに供給される圧縮エアは、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際と、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際とで切り替えられるようになっている。すなわち、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、コントローラ2から圧縮エアを流体潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令が電磁弁10に出力され、圧縮エア噴出孔22dに供給される圧縮エアが、レギュレータ7で空気圧が調整された流体潤滑用圧力の圧縮エアに切り替えられる。これにより、電磁弁10を介し流体潤滑用圧力の圧縮エアが圧縮エア噴出孔22dに供給され、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとが流体潤滑状態(非接触状態)となる。一方、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、コントローラ2から圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令が電磁弁10に出力され、圧縮エア噴出孔22dに供給される圧縮エアが、レギュレータ8で空気圧が調整された混合潤滑用圧力の圧縮エアに切り替えられる。これにより、電磁弁10を介し混合潤滑用圧力の圧縮エアが圧縮エア噴出孔22dに供給され、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとが混合潤滑状態(微接触状態)となり、これら面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性が生じる。
以上説明した本実施形態に関して、本願発明者等による検討結果について説明する。
(A)相対する面同士の潤滑状態を圧縮エアの空気圧により制御するための検討
まず、本実施形態に係るステージ装置3において、ガイドレール12のガイド部材19の表面19aとスライダ13の被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を圧縮エアの空気圧により制御するための検討結果について説明する。
ここでは、まず、ガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との間の摩擦力と圧縮エアの空気圧との関係を測定した。すなわち、圧縮エアの空気圧は、デジタル圧力スイッチISE30A(SMC株式会社製)を用いることで0.001[MPa]単位で調整することができるので、圧縮エアの空気圧を0.07[MPa]から0.180[MPa]まで0.005[MPa]刻みで変化させ、各空気圧でのガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との間に生じる摩擦力を測定した。摩擦力は、フォースゲージAD−4932A−50N(株式会社エー・アンド・デイ社製)を用いて測定した。圧縮エアの空気圧を調整し、リニアモータ16を駆動するサーボアンプ4をサーボオフした状態で、スライダ13を横方向からフォースゲージで押し、約100[μm]移動するまでに生じた摩擦力を記録した。測定時には同じ位置での測定を行うため、測定毎にスライダ13について原点復帰を行った。図5(a)に、その測定結果を示す。図5(a)では、縦軸を摩擦力[N]とし、横軸を圧縮エアの空気圧[MPa]としている。
次に、その測定結果を用いてガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との間の摩擦係数μと圧縮エアの空気圧との関係を導出した。摩擦係数μは、摩擦力及び可動子の質量等を用いて概算した。図5(b)に、その導出結果を示す。図5(b)では、縦軸を摩擦係数μとし、横軸を圧縮エアの空気圧[MPa]として、片対数グラフで示している。
図5(a)及び図5(b)により次のようなことがわかった。すなわち、圧縮エアの空気圧を0.135[MPa]より小さくすると、摩擦力は大きくなるが、圧縮エアの空気圧を0.140[MPa]以上とすると、摩擦力は0,001[N]前後でほとんど変化しなかった。また、摩擦力は0[N]から50[N]までの範囲で変化し、摩擦係数μは0.1から0.001程度の範囲内で変化した。
したがって、当該測定においては、0.135[MPa]付近で摩擦力が非常に小さくなり、それ以上圧縮エアの空気圧を大きくしてもほとんど摩擦力が変化しないことから、0.135[MPa]付近でガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面とが流体潤滑状態(非接触状態)となっていると考えられる。
また、図5(b)に示す摩擦係数μと圧縮エアの空気圧との関係を表す曲線がストライベック曲線に似た傾向を示した。図6に、縦軸を摩擦係数μとし、横軸を無次元数である軸受特性数として、一般的なストライベック曲線(実線示す曲線)を示す。ストライベック曲線とは、摩擦係数μと軸受特性数との関係を示す曲線であり、正確な実測値に基づいた曲線である。軸受特性数は、(粘度η×速度q)/荷重Wで表される。ストライベック曲線は、油で潤滑している軸受の特性を説明するためのものであるが、空気静圧軸受の特性を説明する場合にも同様に使用することができる。
このとき、例えば、橋本巨著の「基礎から学ぶトライボロジー」(森北出版株式会社、2006年、p93〜p95)に基づいて、軸受特性数を媒介変数とする、相対する面同士の摩擦係数μ及び膜厚比Λのグラフを描くことができる。すなわち、空気静圧軸受の荷重Wと相対する面同士の隙間h等との関係は、例えば、田中久一郎著の「摩擦のおはなし」(日本規格協会、1985年、p189〜p199)に基づいて、
W=3qηL(b+1/2)/h ・・・(式1)
と表される。なお、上記(式1)中のb及びLは、構造による定数である。また、空気静圧軸受の荷重Wと隙間h等との関係を定数Kを用いて表すと、上記(式1)は、
W=Kqη/h ・・・(式2)
と表される。したがって、軸受特性数=(粘度η×速度q)/荷重Wは、上記(式2)を変形して、
ηq/W=h/K ・・・(式3)
と表される。これにより、軸受特性数を媒介変数として、ストライベック曲線を隙間hで表すことができる。すなわち、ストライベック曲線をfs(ηq/W)とすると、
fs(ηq/W)=fs(h/K) ・・・(式4)
と表されるので、上記(式4)を計算することで、ストライベック曲線を、横軸を隙間hとして示すことができる。
ここで、膜厚比Λをあわせて考察すると、相対する面をA及びBとし、面Aの平均二乗面粗さ(距離)をσA、面Bの平均二乗面粗さ(距離)をσBとしたとき、これら相対する面A,Bの平均二乗面粗さσは、
σ=SQRT(σA+σB) ・・・(式5)
と表される。そして、膜厚比Λは、
Λ=h/σ ・・・(式6)
と定義される。これにより、隙間hは、面Aの粗さの平均位置と面Bの粗さの平均位置との距離である考えることができるので、膜厚比Λは、隙間hを平均二乗粗さσの倍数で表したものであると言える。
以上により、軸受特性数を媒介変数として計算することで、図6に示すように、相対する面同士の摩擦係数μ(実線示す曲線)及び膜厚比Λ(破線示す曲線)のグラフを描くことができる。ここで、膜厚比Λが3以上となる場合は、面Aと面Bとの平均位置が粗さの3σ以上離れている場合であり、面Aと面Bとが完全に離れている上記流体潤滑状態(非接触状態)、すなわち面Aと面Bとの間の荷重を圧縮エアの静圧のみで負担する状態となる。また、膜厚比Λが1〜3となる場合は、面Aと面Bとが微小に接触している混合潤滑状態(微接触状態)、すなわち面Aと面Bとの間の荷重を表面粗さレベルでの接触と圧縮エアの静圧との両方で負担する状態となる。したがって、圧縮エアの空気圧を調整することで、スライダ13の浮上量、すなわちガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの隙間hを調整でき、これら面同士の膜厚比Λを調整できるので、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を制御できると考えられる。
また、当該測定においては、図5(b)に示す摩擦係数μと圧縮エアの空気圧との関係を表す曲線と図6中実線で示すストライベック曲線との比較結果から、0.100[MPa]から0.140[MPa]までの範囲でガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとが混合潤滑状態(微接触状態)となっていると考えられる。
(B)相対する面同士の間に非線形バネ特性が生じているかどうかについての検討
次に、本実施形態に係るステージ装置3において、ガイドレール12のガイド部材19の表面19aとスライダ13の被ガイド部材21の表面21aとの間に非線形バネ特性が生じているかどうかについての検討結果について説明する。
ここでは、上記(A)の検討による測定結果によりガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との潤滑状態が混合潤滑状態になったと思われる圧縮エアの空気圧の範囲のうち、0.117[MPa]、0.118[MPa]、0.119[MPa]において、スライダ13を変位0[nm]の位置から移動方向における正方向(例えば前方)と負方向(例えば後方)との両方向に50[nm]幅で5[nm]刻みで定寸送りした。そして、各変位での推力指令[%]を測定し、記録した。図7(a)に、0.117[MPa]での測定結果を示し、図7(b)に、0.118[MPa]での測定結果を示し、図7(c)に、0.119[MPa]での測定結果を示す。これら図7(a)〜図7(c)では、縦軸を推力指令[%]とし、横軸をスライダ13の移動方向の変位[nm]として、各図中矢印の順番通りに測定を行った場合の測定結果を示している。
図7(a)〜図7(c)により次のようなことがわかった。すなわち、図7(a)〜図7(c)に示す推力指令とスライダ13の変位との関係は、ヒステリシスの特性を示した。また、圧縮エアの空気圧を大きくするに従って、推力指令とスライダ13の変位との関係を表すヒステリシスな曲線(ヒステリシス曲線)の縦幅(推力指令方向)は小さく扁平になっていき、値は振動的となった。
したがって、当該測定においては、推力指令とスライダ13の変位との関係を表す曲線がヒステリシス曲線を描くことから、圧縮エアの空気圧が0.117[MPa]、0.118[MPa]、0.119[MPa]であるときには、ガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との間に非線形バネ特性が生じていると考えられる。また、圧縮エアの空気圧が0.117[MPa]であるときが、最もきれいな形状のヒステリシス曲線となった。
(C)相対する面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性が生じているかどうかについての検討
次に、本実施形態に係るステージ装置3において、混合潤滑状態となったガイドレール12のガイド部材19の表面19aとスライダ13の被ガイド部材21の表面21aとの間に微小移動領域において線形バネ特性が生じているかどうかについての検討結果について説明する。
ここでは、まず、上記(A)の検討による測定結果によりガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との潤滑状態が混合潤滑状態になったと思われる圧縮エアの空気圧の範囲のうち、上記(B)の検討による測定結果において最もきれいな形状のヒステリシス曲線となった0.117[MPa]において、スライダ13を変位0[nm]の位置から移動方向における正方向(例えば前方)と負方向(例えば後方)との両方向に10[nm]幅で1[nm]刻みで定寸送りした。そして、各変位での推力指令[%]を測定し、記録した。図8(a)に、その測定結果を示す。図8(a)では、縦軸を推力指令[%]とし、横軸をスライダ13の移動方向の変位[nm]として、図中測定開始点から矢印の順番通りに測定終了点まで測定を行った場合の測定結果を示している。
次に、その測定結果における推力指令[%]を推力[N]に変換したグラフを導出した。図8(b)に、その導出結果を示す。図8(b)では、縦軸を推力[N]とし、横軸をスライダ13の移動方向の変位[nm]としている。
図8(a)及び図8(b)により次のようなことがわかった。すなわち、測定結果をグラフにプロットすると、ほぼ直線となった。また、測定開始点から正方向に10[nm]移動後、負方向に20[nm]移動させ、その後さらに正方向に10[nm]移動させると、測定終了点で推力指令は測定開始点に近い値を示した。また、図8(b)に示す推力とスライダ13の変位との関係から、最小二乗法で一次関数として近似関数を求めた結果、y=0.4155x+5.3366という関数となった。
したがって、当該測定においては、推力指令(推力)とスライダ13の変位との関係が線形であることから、圧縮エアの空気圧が0.117[MPa]であるときには、混合潤滑状態となったガイド部材19の表面と被ガイド部材21の表面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じていると考えられる。また、推力とスライダ13の変位との関係から最小二乗法で一次関数として近似関数を求めると、その傾きが0.4155となることから、バネ定数は0.4155×10[N/m]となった。
(D)微小移動領域における動作での性能についての検討
次に、本実施形態に係るステージ装置3において、微小移動領域における動作での性能についての検討結果について説明する。
ここでは、スライダ13の位置決め動作を行って、スライダ13の位置決め完了後はリニアスケール17からの検出信号とコントローラ2からの移動指令との偏差(位置偏差)は0となるべきであるが実際は数パルス程度で微小な振動(停止時の振動)が残るということから、微小振動している位置偏差信号を一定時間観測して統計演算することで標準偏差σを計算し、標準偏差σを3倍した3σ(以下、「位置偏差の3σ」と称する)を用いて、バラツキの範囲として微小移動領域における動作での性能を評価することとした。
すなわち、スライダ13の位置偏差の3σと圧縮エアの空気圧との関係について測定した。圧縮エアの空気圧は、デジタル圧力スイッチISE30A(SMC株式会社製)を用いることで0.001[MPa]単位で調整することができる。スライダ13の位置偏差の3σは、コントローラ2上でラダープログラムによって求めている。コントローラ2では、位置の指令単位を[μm]と設定し、小数点以下桁数を3と設定しているので、1[μm]単位での位置情報を取得することができる。リニアモータ16を駆動するサーボアンプ4をサーボオンした状態で、位置偏差の情報をHスキャン(高速スキャン)毎に取り込み、コントローラ2上で標準偏差を求める関数を用いて位置偏差の3σを導出する。Hスキャンを0.5[ms]と設定し、10[s]毎に3σを計算するようにラダープログラムを構成したので位置偏差のサンプル数は20000点である。今回は、圧縮エアの空気圧を0.130[MPa]から0.194[MPa]まで0.001[MPa]刻みで上昇させていったとき、各空気圧でのスライダ13の位置偏差の3σの変化を測定した。なお、圧縮エアの空気圧を変化させている最中に、スライダ13の位置偏差を位置偏差の3σの演算に用いると正確な値が測定できないと考え、圧縮エアの空気圧を変化させてから20[s]以上経過してからデータを記録するようにした。図9に、その測定結果を示す。図9(a)及び図9(b)では、縦軸をスライダ13の位置偏差の3σ[nm]とし、横軸を圧縮エアの空気圧[MPa]として、図9(a)では位置偏差の3σを0[nm]〜1200[nm]の範囲で、図9(b)では位置偏差の3σを0[nm]〜20[nm]の範囲で示している。
図9(a)及び図9(b)により次のようなことがわかった。すなわち、圧縮エアの空気圧が0.130[MPa]〜0.171[MPa]の範囲では、スライダ13の位置偏差の3σは概ね8〜13[nm]程度の間で安定した。圧縮エアの空気圧が0.171[MPa]〜0.194[MPa]の範囲では、圧縮エアの空気圧が大きくなるに従ってスライダ13の位置偏差の3σは100[nm]〜200[nm]の間で徐々に大きくなるが、圧縮エアの空気圧が0.194[MPa]に到達するとスライダ13の位置偏差の3σは急激に大きくなった。なお、今回の測定では測定範囲外であったが、上記(C)の検討による測定結果により混合潤滑状態となったガイドレール12のガイド部材19の表面19aとスライダ13の被ガイド部材21の表面21aとの間に微小移動領域において線形バネ特性を生じさせることができたと思われる圧縮エアの空気圧である0.117[MPa]においても同様に、スライダ13の位置偏差の3σは概ね8〜13[nm]程度の間で安定すると考えられる。
本実施形態では、上記(A)〜(D)の検討により導出された特質に基づき、スライダ13の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を制御することで、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を所望の潤滑状態に制御すると共に、混合潤滑状態となったガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間に微小移動領域において線形バネ特性を生じるように制御する。一例としては、摩擦係数μと圧縮エアの空気圧との関係を表す曲線がストライベック曲線に似た傾向を示すことから、上記曲線に出現する、1つ目の変曲点(空気圧が小さい側)を境界潤滑及び混合潤滑の境界と考え、2つ目の変曲点(空気圧が大きい側)を混合潤滑及び流体潤滑の境界と考えて、上記流体潤滑用圧力を2つ目の変曲点より大きい空気圧に決定し、上記混合潤滑用圧力を2つ変曲点の間の空気圧に決定する。別の例としては、隙間hと膜厚比Λとの関係から、上記流体潤滑用圧力を膜厚比Λが3以上となる隙間hに対応する空気圧に決定し、上記混合潤滑用圧力を膜厚比Λが1〜3となる隙間hに対応する空気圧に決定する。そして、レギュレータ7で圧縮エアの空気圧を調整し、電磁弁10を介して圧縮エア噴出孔22dに上記決定した流体潤滑用圧力で圧縮エアを供給することで、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を流体潤滑状態とするように制御する。また、レギュレータ8で圧縮エアの空気圧を調整し、電磁弁10を介して圧縮エア噴出孔22dに上記決定した混合潤滑用圧力で圧縮エアを供給することで、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を混合潤滑状態とし、これら面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性を生じるように制御する。
以上説明したように、本実施形態に係るステージ制御システム1においては、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面とは相対しており、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、これら面同士の潤滑状態が、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとの間で混合潤滑状態となり、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaとスライダ13の各挿入部20の上面20aとの間、及び、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saとスライダ13の各挿入部20の側面20bとの間で流体潤滑状態となるように、制御される。
ここで、転がり軸受を用いたステージ装置において、転がり軸受の微小移動領域における線形バネ特性を利用して1nmオーダの位置決めを行う手法が、例えば二見茂著の「機構の非線形特性とその制御」(日本ロボット学会誌 Vol9,No4,pp.439〜497,1991)に開示されている。この文献に記載されたステージ装置(一軸ステージ機構)では、スライダ(可動テーブル)の駆動装置として同期型のACリニアモータが使用されており、スライダは、ボールを用いた直動型転がり軸受(転がり案内)で案内される。そして、スライダの移動量が概ね100[nm]以下の微小移動領域では、転がり軸受のボールの弾性変形による線形バネ特性を示し、スライダの移動量が100[nm]〜100[μm]の範囲では、非線形バネ特性を示すようになっている。また、スライダの移動量が概ね100[nm]以下の微小移動領域でのバネ定数は、約8.5[N/μm]となっている。
またここで、上記文献に記載されたステージ装置に類似したリニアモータを用いたステージ装置において、汎用のサーボアンプでの推力制御分解能を検討する。例えば、スライダの可動部の質量が40[kg]であり、1[G]程度の加速度である場合、リニアモータの最大推力は、約400[N]となる。また、バネ定数を上記文献と同程度と仮定すると、スライダの移動量が概ね100[nm]以下の微小移動領域でのバネ定数は、約8.5[N/μm]となる。すなわち、スライダが1[nm]変位するために必要なバネの反力は、0.0085[N]であり、これを推力の最小分解能とすると、最大推力では、
400/0.0085≒47059
となり、16ビット(=65536)程度の分解能が必要なことがわかる。汎用のサーボアンプでは、電流検出分解能が11ビット(=2048)程度であるので、推力の分解能も同程度となり、推力の最小分解能は、
400/2048≒0.2[N]
となる。単純にこのままスライダが変位すると考えると、
0.2/0.0085≒24[nm]
となり、約24[nm]毎の制御となる。このため、入手や保守が容易ではあるが電流制御の分解能が低い汎用のサーボアンプを用いる場合には、位置決め精度はサブミクロン(0.1μm=100nm)レベルにしかならず、1nmオーダの位置決めを行うためには、推力を極めて微小に制御できる電流制御の直線性に優れたリニアアンプを用いる必要があった。
これに対し本実施形態では、上記(C)の検討による測定において、微小移動領域でのバネ定数を0.4155×10[N/m]≒420[N/μm]とすることができた。すなわち、本実施形態における微小移動領域でのバネ定数と、上記文献における微小移動領域でのバネ定数とを比較すると、
420/8.5≒50
となり、本実施形態における微小移動領域でのバネ定数は、上記文献における微小移動領域でのバネ定数より約50倍大きい。微小移動領域でのバネ定数が420[N/μm]となる場合、スライダ13が1[nm]変位するために必要なバネの反力は、0.42[N]であり、上述した汎用のサーボアンプでの推力の最小分解能0.2[N]で、単純にスライダ13が変位すると考えると、その変位量は、
0.2/0.42≒0.48[nm]
となる。したがって、リニアアンプを用いず、汎用のサーボアンプ4を用いても、混合潤滑状態とする各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとを適宜の材質で構成することによって、これらの面同士を微接触状態としてバネ弾性力を発生させ、微小移動領域における線形バネ特性を利用して1nmレベルの超精密位置決めを行うことが可能となる。その結果、ヒステリシスのないリニアな比例動作を行うことができ、行き帰りのバックラッシュや移動指令に対する移動量の不足現象を防止できる。
また、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を混合潤滑状態とすることにより、スライダ13と各ガイドレール12との間に微小な摩擦を発生させて、慣性力を抑制することができる。その結果、汎用のサーボアンプ4を用いた場合でも、位置決め停止時(サーボロック時)のリップルを鈍らせて発振状態となるのを抑制し、ハンチング幅を最小限とすることができる。図10に、スライダ停止時のハンチング幅に関して模式化した模式図を示す。図10(a)は、一般的なリニアガイド式のステージ装置での模式図であり、図10(b)は、一般的なエアガイド式のステージ装置での模式図であり、図10(c)は、本実施形態に係るステージ装置3での模式図である。図10(a)に示す一般的なリニアガイド式のステージ装置では、スライダ停止時のハンチング幅は±5[pulse]以上となり、図10(b)に示す一般的なエアガイド式のステージ装置では、スライダ停止時のハンチング幅は±30[pulse]以上となると考えられる。これに対し、図10(c)に示す本実施形態に係るステージ装置3では、スライダ13停止時のハンチング幅は±2〜3[pulse]となると考えられるので、スライダ13停止時のハンチング幅を最小限とすることができると考えられる。
また、混合潤滑状態ではスライダ13が完全には浮上していないため、エア源5からの圧縮エアの脈動や圧縮エア自体の圧縮膨張を起因とする振動を抑制することができる。図11に、10nmステップ送り動作での検出位置の変動に関して模式化した模式図を示す。図11(a)は、一般的なリニアガイド式のステージ装置での模式図であり、図11(b)は、一般的なエアガイド式のステージ装置での模式図であり、図11(c)は、本実施形態に係るステージ装置3での模式図である。図11(a)に示す一般的なリニアガイド式のステージ装置では、10nmステップ送り動作での検出位置の変動は±5[nm]程度となり、図11(b)に示す一般的なエアガイド式のステージ装置では、10nmステップ送り動作での検出位置の変動は±10[nm]以上となると考えられる。これに対し、図11(c)に示す本実施形態に係るステージ装置3では、10nmステップ送り動作での検出位置の変動は±2〜3[nm]となると考えられるので、10nmステップ送り動作時の振動を抑制することができると考えられる。図12に、微小移動動作でのスライダ停止時の振動による上下方向変動に関して模式化した模式図を示す。図12(a)は、一般的なリニアガイド式のステージ装置での模式図であり、図12(b)は、一般的なエアガイド式のステージ装置での模式図であり、図12(c)は、本実施形態に係るステージ装置3での模式図である。図12(a)に示す一般的なリニアガイド式のステージ装置では、微小移動動作でのスライダ停止時の振動による上下方向変動は±5[nm]程度となり、図12(b)に示す一般的なエアガイド式のステージ装置では、微小移動動作でのスライダ停止時の振動による上下方向変動は±30[nm]以上となると考えられる。これに対し、図12(c)に示す本実施形態に係るステージ装置3では、微小移動動作でのスライダ13停止時の振動による上下方向変動は±2〜3[nm]となると考えられるので、微小移動動作でのスライダ13停止時の上下方向の変動を抑制することができると考えられる。
したがって、リニアアンプを用いなくても、汎用のサーボアンプ4を用いて1nmオーダの位置決めをすることができる。
また、本実施形態では特に、スライダ13が、ガイドレール12のガイド面に向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22u,22d,22sを被ガイド面に有している。そして、混合潤滑状態とする被ガイド面の圧縮エア噴出孔22からは比較的低圧の上記混合潤滑用圧力の圧縮エアを噴出し、流体潤滑状態とする被ガイド面の圧縮エア噴出孔22からは比較的高圧の上記流体潤滑用圧力の圧縮エアを噴出するといったように、ガイド面と被ガイド面との潤滑状態は、圧縮エアの空気圧により制御される。これにより、ガイド面と被ガイド面との潤滑状態を所望の潤滑状態に制御できると共に、駆動中に圧縮エアの空気圧を変動させることで、潤滑状態を切り替えることも可能となる。さらに、混合潤滑状態のガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間に線形バネ特性が生じるように空気圧を調整することも可能となる。
また、本実施形態では特に、混合潤滑状態であるガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間に線形バネ特性が生じるように、圧縮エアの空気圧が制御される。圧縮エアの空気圧を細かく調整することで、微小移動領域での線形バネの反力を汎用のサーボアンプ4の電流制御範囲に調整できる。これにより、1nmオーダでも微小移動領域での線形バネの反力をつり合うような推力が制御でき、スライダ13停止時の変動を大幅に低減できるので、スライダ13停止時の振動を大幅に抑制できる。これにより、微小移動領域における線形バネ特性を利用して1nmレベルの超精密位置決めを行うことができる。その結果、ヒステリシスのないリニアな比例動作を行うことができ、行き帰りのバックラッシュや移動指令に対する移動量の不足現象を防止できる。また、線形バネ特性が生じることにより、微小な反転動作を行っても機械的には連続であり、スティックスリップの発生を抑制できる。その結果、極低速の一定速送りの高精度化や位置決め動作の精度を向上することができる。また、空気圧を調整することで、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの隙間(スライダ13の浮上量)を変化させ、これらの間の動摩擦係数を変化(前述した凝着に関わる面積を変化)させることができ、微小移動領域(静摩擦領域)での線形バネの強さを可変(前述した凝着する線形バネの数を可変)させることができる。これにより、線形バネ特性のバネ定数を装置構成等に応じて調整することが可能となるので、サーボアンプの微小電流制御範囲や要求性能に合わせ、微小移動領域での線形バネの強さを調整でき、設計の自由度を向上できる。例えば、汎用のサーボアンプ(PWM制御方式のサーボアンプ等)を用いた場合では1nmレベル、高分解能のサーボアンプ(リニアアンプ等)を用いた場合ではサブnm(0.1nm=100pm)レベルの停止安全性が出せる可能性がある。
また、本実施形態では特に、ガイド部材19は、FRPの一種であるCFRPで構成されている。ガイド部材19をFRPで構成することにより、ガイド部材19の強度を高めることができる。また、エポキシ樹脂192は温度係数が正であり、炭素繊維191は温度係数が負であるため、ガイド部材19をCFRPで構成することにより、ガイド部材19の温度係数を小さく抑えることができる。これにより、温度変化によるガイド部材19の変形を小さくすることができるので、ガイド部材19の表面19aの面精度を向上できる。その結果、スライダ13の動作状態でのピッチング、ヨーイング、真直度などの姿勢精度を向上できる。
また、本実施形態では特に、ガイド部材19は、表面のエポキシ樹脂192を剥離して炭素繊維191の層を露出させる表面加工が行われている(図3を参照)。すなわち、ガイド部材19では、エポキシ樹脂192から露出した炭素繊維191の突出部分の一部分が被ガイド部材21の表面21aに凝着する。このとき、炭素繊維191を保持しているエポキシ樹脂192は炭素繊維191よりも柔らかいため、被ガイド部材21の表面21aと凝着している炭素繊維191が数十nm程度横方向に動くと、エポキシ樹脂192が弾性変形してバネ弾性力を発生させる。上述したように、本実施形態における微小移動領域でのバネ定数は、上述した文献における微小移動領域でのバネ定数より約50倍大きいので、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間でバネ弾性力を発生させることで、線形バネ特性を利用して1nmレベルの超精密位置決めを行うことができる。また、圧縮エアの供給が停止された場合、ガイド部材19の炭素繊維191と被ガイド部材21の表面21aとが凝着したまま、エポキシ樹脂192が弾性変形して炭素繊維191が沈むと考えられる。したがって、圧縮エアの供給・停止によるスライダ13の浮上・下降が繰り返し行われても、エポキシ樹脂192の弾性変形範囲内においては元の状態が復元できるため、軸受特性の変化(微接触状態の変化)を小さくできる。さらに、炭素繊維191は固く潤滑性が良いため、被ガイド部材21の表面21aと接触していても摩耗し難く、また混合潤滑状態においてはエポキシ樹脂192は被ガイド部材21の表面21aとほとんど接触しないため、樹脂の摩耗はほとんど生じない。したがって、ガイドレール12の摩耗、発塵を防止できる。またさらに、炭素繊維191の突出部分の一部分が被ガイド部材21の表面21aに凝着し、ガイド部材19と被ガイド部材21とを連結することで、これらの間に上下方向に微小な振動が発生した場合でも、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間隔を一定に保つことができる。これにより、ガイド部材19と被ガイド部材21との間の上下方向の振動を大幅に抑制することができる。
また、本実施形態では特に、被ガイド部材21は、玉髄の一種である瑪瑙で構成されている。これにより、被ガイド部材21を硬い材質で構成でき、摩耗を少なくできる。また、玉髄は、石英の非常に細かい結晶が緻密に固まった多結晶の鉱物であるため、石英などの単結晶材料に比べて方向性がないので加工し易いという利点がある。その結果、被ガイド部材21の圧縮エア噴出孔22などの細孔加工や、表面研磨がし易くなる。また、瑪瑙は、モース硬度が6.5〜7であり、硬度が高いのを利用して、化学用の乳鉢、天秤の支点、灰皿、置時計、火打石等に使われることもある材料である。この瑪瑙で被ガイド部材21を構成することにより、硬さや摩擦係数の点で摩耗をさらに少なくできる。
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることができる。すなわち、一般に移動時にガイドレールのガイド面とスライダの被ガイド面とが接触した場合、これらの面が摩耗するため、移動時のガイドレールとスライダとの隙間(スライダの浮上量)をある程度(例えば5μm程度)確保する必要があり、スライダの走り精度が低下するおそれがある。本実施形態では、ガイド部材19をすべり摩擦の小さいCFRPで構成し、被ガイド部材21をすべり摩擦の小さい瑪瑙で構成することで、仮に移動時にガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとが接触した場合でも、これらの面の摩耗を少なくすることができ、移動時のガイドレール12とスライダ13との隙間(スライダ13の浮上量)を狭く(例えば1μm以下に)設定することができる。
また、本実施形態では特に、エア源5と、エア源5から供給される圧縮エアの空気圧を調整するレギュレータ6,7,8,9とを有し、混合潤滑状態であるガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間に線形バネ特性が生じるように調整された空気圧で圧縮エアを供給する。これにより、上述したようにスライダ13停止時の振動を大幅に抑制できるので、微小移動領域における線形バネ特性を利用して1nmレベルの超精密位置決めを行うことができる。その結果、ヒステリシスのないリニアな比例動作を行うことができ、行き帰りのバックラッシュや移動指令に対する移動量の不足現象を防止できる。また、空気圧を調整することで、上述したように線形バネ特性のバネ定数を装置構成等に応じて調整することが可能となるので、設計の自由度を向上できる。
また、本実施形態では特に、コントローラ2からの切替指令に基づき、被ガイド部材21の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを、レギュレータ7で空気圧が調整された流体潤滑用圧力の圧縮エアと、レギュレータ8で空気圧が調整された混合潤滑用圧力の圧縮エアとに切り替える電磁弁10を備えている。コントローラ2からの切替指令により電磁弁10の2ポートの開閉を切り替えることで、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、圧縮エア噴出孔22dに流体潤滑用圧力の圧縮エアを供給してガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を流体潤滑状態とし、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、圧縮エア噴出孔22dに混合潤滑用圧力の圧縮エアを供給してガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を混合潤滑状態とすることができる。これにより、移動時にはスライダ13を浮上させて高速に移動させ、位置決め時にはスライダ13を各ガイドレール12に対し微接触状態として線形バネ特性を生じさせることができるので、高速移動且つ超高精度な位置決めが可能なステージ制御システム1を実現できる。また、後述の(3)の変形例のように圧縮エアの空気圧を電空レギュレータで可変させる場合に比べ、本実施形態では予め定められた複数の空気圧に切り替えることで空気圧を変化させるため、空気圧の精度を高め、安定させることができる。
なお、上記実施形態では、電磁弁10と圧縮エア噴出孔22dとを連結し、圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧により、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付したガイド部材19の表面19aと、スライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付した被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を制御していたが、これに限られない。例えば、ガイド部材19を、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに代えて上板部12uの内面12uaに貼付すると共に、被ガイド部材21を、スライダ13の各挿入部20の下面20cに代えて上面に貼付し、電磁弁10と被ガイド部材21の表面21aに設けられた圧縮エア噴出孔とを連結して、当該圧縮エア噴出孔に供給する圧縮エアの空気圧により、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaに貼付したガイド部材19の表面19aと、スライダ13の各挿入部20の上面20aに貼付した被ガイド部材21の表面21aとの潤滑状態を制御してもよい。この場合、スライダ13の各挿入部20の下面20cに設けられた圧縮エア噴出孔には、レギュレータ6を連結し、レギュレータ6により空気圧が調整された圧縮エアを供給すればよい。
また、実施の形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)ガイド部材を一方のガイドレールの側板部の内面にも貼付し、被ガイド部材をスライダの一方の挿入部の側面にも貼付する場合
上記実施形態においては、ガイド部材19を各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付し、被ガイド部材21をスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付していたが、これに限られない。すなわち、ガイド部材19を、2つのガイドレール12のうち一方のガイドレール12の側板部12sの内面12saにも貼付し、被ガイド部材21を、スライダ13の2つの挿入部20のうち一方の挿入部20の側面20bにも貼付してもよい。
図13に示すように、本変形例に係るステージ制御システム1Aは、前述のコントローラ2と、ステージ装置3Aと、前述のサーボアンプ4と、前述のエア源5と、前述のレギュレータ6,7,8と、レギュレータ9A,24a,24bと、前述の電磁弁10と、電磁弁25とを備えている。
ステージ装置3Aの構成は、上記実施形態に係るステージ装置3とほぼ同様である。但し、ステージ装置3Aでは、各ガイドレール12の下板部12dの内面12da、及び、2つのガイドレール12のうち一方のガイドレール12(この例では、図13中の右側のガイドレール12)の側板部12sの内面12saに、前述のガイド部材19が貼付されている。また、スライダ13の各挿入部20の下面20c、及び、スライダ13の2つの挿入部20のうち一方の挿入部20(この例では、図13中の右側の挿入部20)の側面20bに、前述の被ガイド部材21が貼付されている。各挿入部20が各ガイドレール12の凹条部18に挿入されたとき、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaと各挿入部20の上面20aとが上下方向に相対し、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aと各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aとが上下方向に相対し、左側のガイドレール12の側板部12sの内面12saと左側の挿入部20の側面20bとが左右方向に相対し、右側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19aと右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bとが左右方向に相対する。
本変形例では、各ガイドレール12の上板部12uの内面12ua、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19a、左側のガイドレール12の側板部12sの内面12sa、及び右側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19bが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当する。以下適宜、ガイドレール12の上板部12uの内面12ua、ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19a、左側のガイドレール12の側板部12sの内面12sa、及び右側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19bを「ガイド面」と総称する。また、スライダ13の各挿入部20の上面20a、各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21a、左側の挿入部20の側面20b、及び右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bが、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、スライダ13の各挿入部20の上面20a、各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21a、左側の挿入部20の側面20b、及び右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bを「被ガイド面」と総称する。
また、本変形例では、スライダ13は、前述の圧縮エア噴出孔22u,22dを有すると共に、左側の挿入部20の側面20bの前後方向両隅に、レギュレータ9Aを介してエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22s(以下適宜、「左側の圧縮エア噴出孔22s」と称する)を、右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bの前後方向両隅に、電磁弁25及びレギュレータ24a,24bを介してエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22s(以下適宜、「右側の圧縮エア噴出孔22s」と称する)を有している。
左側の圧縮エア噴出孔22sは、左右方向に相対する左側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに向けて、エア源5からレギュレータ9Aを介して供給された、面同士の潤滑状態を前述の流体潤滑状態にするように制御された所定圧力の圧縮エアを噴出する。流体潤滑状態となった左側のガイドレール12の側板部12sの内面12saとスライダ13の左側の挿入部20の側面20bとは、互いに接触しないで、前述の非接触状態となる。
右側の圧縮エア噴出孔22sは、左右方向に相対するガイド部材19の表面19bに向けて、レギュレータ24a及び電磁弁25を介して供給された前述の流体潤滑用圧力の圧縮エア、又は、レギュレータ24b及び電磁弁25を介して供給された前述の混合潤滑用圧力の圧縮エアを噴出する。流体潤滑状態となったガイド部材19の表面19bと被ガイド部材21の表面21bとは、前述の非接触状態となる。混合潤滑状態となったガイド部材19の表面19bと被ガイド部材21の表面21bとは、前述の微接触状態となり、これら面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性が生じる。
ステージ装置3Aにおいては、上下方向は、スライダ13の荷重と、圧縮エア噴出孔22uから噴出される圧縮エアのエア圧力と、圧縮エア噴出孔22dから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19による前述のバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、左側の圧縮エア噴出孔22sから噴出される圧縮エアのエア圧力と、右側の圧縮エア噴出孔22sから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19によるバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16で発生した推力により、スライダ13がガイドレール12に沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aとスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aとの間、及び、右側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19bとスライダ13の右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bとの間で混合潤滑状態となり、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaとスライダ13の各挿入部20の上面20aとの間、及び、左側のガイドレール12の側板部12sの内面12saとスライダ13の左側の挿入部20の側面20bとの間で流体潤滑状態となり、混合潤滑状態となった各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aとスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21a、及び、右側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19bとスライダ13の右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bが微接触状態となり、それ以外のガイド面と被ガイド面とは非接触状態となる。
レギュレータ9Aは、スライダ13の左側の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ9Aにより空気圧が調整された圧縮エアは、左側の圧縮エア噴出孔22sに上記所定圧力で供給される。レギュレータ24aは、スライダ13の右側の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ24aにより空気圧が調整された圧縮エアは、電磁弁25を介して右側の圧縮エア噴出孔22sに上記流体潤滑用圧力で供給される。レギュレータ24bは、スライダ13の右側の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアの空気圧を調整する。レギュレータ24bにより空気圧が調整された圧縮エアは、電磁弁25を介して右側の圧縮エア噴出孔22sに上記混合潤滑用圧力で供給される。
電磁弁25は、コントローラ2からの切替指令に基づき、2ポートの開閉を切り替えることで、スライダ13の右側の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアを、レギュレータ24aで空気圧が調整された上記流体潤滑用圧力の圧縮エアと、レギュレータ24bで空気圧が調整された上記混合潤滑用圧力の圧縮エアとの間で切り替える。具体的には、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、前述の圧縮エアを流体潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令に基づき、レギュレータ24a側のポートを開放すると共にレギュレータ24b側のポートを閉鎖することで、右側の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアを流体潤滑用圧力の圧縮エアに切り替える。一方、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、前述の圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令に基づき、レギュレータ24a側のポートを閉鎖すると共にレギュレータ24b側のポートを開放することで、右側の圧縮エア噴出孔22sに供給する圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアに切り替える。
上記以外のステージ制御システム1Aの構成は、上記実施形態に係るステージ制御システム1と同様である。なお、本変形例では、エア源5及びレギュレータ6,7,8,9A,24a,24bが、特許請求の範囲に記載のエア供給装置に相当する。
ステージ制御システム1Aにおいては、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、コントローラ2から圧縮エアを流体潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令が電磁弁10,25に出力され、圧縮エア噴出孔22d及び右側の圧縮エア噴出孔22sに供給される圧縮エアが、レギュレータ7,24aで空気圧が調整された流体潤滑用圧力の圧縮エアに切り替えられる。これにより、電磁弁10,25を介し流体潤滑用圧力の圧縮エアが圧縮エア噴出孔22d及び右側の圧縮エア噴出孔22sに供給され、各ガイド部材19の表面と各被ガイド部材21の表面とが流体潤滑状態(非接触状態)となる。一方、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、コントローラ2から圧縮エアを混合潤滑用圧力の圧縮エアとする旨の切替指令が電磁弁10,25に出力され、圧縮エア噴出孔22d及び右側の圧縮エア噴出孔22sに供給される圧縮エアが、レギュレータ8,24bで空気圧が調整された混合潤滑用圧力の圧縮エアに切り替えられる。これにより、電磁弁10,25を介し混合潤滑用圧力の圧縮エアが圧縮エア噴出孔22d及び右側の圧縮エア噴出孔22sに供給され、各ガイド部材19の表面と各被ガイド部材21の表面とが混合潤滑状態(微接触状態)となり、これら面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性が生じる。
本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、上下方向に相対するガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面とに加え、左右方向に相対するガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面とを微接触状態とすることができるので、スライダ13の上下方向の微小な変動を抑制すると共に、スライダ13の左右方向の微小な変動を抑制することができる。
(2)ガイド部材を両方のガイドレールの側板部の内面にも貼付し、被ガイド部材をスライダの両方の挿入部の側面にも貼付する場合
前述の実施形態においては、ガイド部材19を各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付し、被ガイド部材21をスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付していたが、これに限られない。すなわち、ガイド部材19を、2つのガイドレール12の側板部12sの内面12saにも貼付し、被ガイド部材21を、スライダ13の2つの挿入部20の側面20bにも貼付してもよい。
図14に示すように、本変形例に係るステージ装置3Bの構成は、上記(1)の変形例に係るステージ装置3Aとほぼ同様である。但し、ステージ装置3Bでは、各ガイドレール12の下板部12dの内面12da、及び、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saに、前述のガイド部材19が貼付されている。また、スライダ13の各挿入部20の下面20c、及び、スライダ13の2つの挿入部20の側面20bに、前述の被ガイド部材21が貼付されている。各挿入部20が各ガイドレール12の凹条部18に挿入されたとき、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaと各挿入部20の上面20aとが上下方向に相対し、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aと各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aとが上下方向に相対し、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19bと各挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bとが左右方向に相対する。
本変形例では、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaと、各ガイドレール12の下板部12dの内面12da及び側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19a,19bとが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当する。以下適宜、ガイドレール12の上板部12uの内面12uaと、ガイドレール12の下板部12dの内面12da及び側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19a,19bとを「ガイド面」と総称する。また、スライダ13の各挿入部20の上面20aと、各挿入部20の下面20c及び側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21a,21bとが、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、スライダ13の各挿入部20の上面20aと、各挿入部20の下面20c及び側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21a,21bとを「被ガイド面」と総称する。
また、本変形例では、スライダ13は、前述の圧縮エア噴出孔22u,22dを有する。また、スライダ13の左側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bの前後方向両隅には、電磁弁及び2つのレギュレータを介して前述のエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22s(以下適宜、「左側の圧縮エア噴出孔22s」と称する)が設けられ、右側の挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bの前後方向両隅に、電磁弁及び2つのレギュレータを介して前述のエア源5に連結された圧縮エア噴出孔22s(以下適宜、「右側の圧縮エア噴出孔22s」と称する)が設けられている。
ステージ装置3Bにおいては、上下方向は、スライダ13の荷重と、圧縮エア噴出孔22uから噴出される圧縮エアのエア圧力と、圧縮エア噴出孔22dから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19による前述のバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、左側の圧縮エア噴出孔22sから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19によるバネ弾性力と、右側の圧縮エア噴出孔22sから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19によるバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16で発生した推力により、スライダ13がガイドレール12に沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aとスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aとの間、及び、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19aとスライダ13の各挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bとの間で混合潤滑状態となり、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaとスライダ13の各挿入部20の上面20aとの間で流体潤滑状態となり、混合潤滑状態となった各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、圧縮エア噴出孔22u,22d,22sに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daに貼付されたガイド部材19の表面19aとスライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21a、及び、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19bとスライダ13の各挿入部20の側面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21bが微接触状態となり、それ以外のガイド面と被ガイド面とは非接触状態となる。
本変形例によれば、上記(1)の変形例と同様、上下方向に相対するガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面とに加え、左右方向に相対するガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面とを微接触状態とすることができるので、スライダ13の上下方向の微小な変動を抑制すると共に、スライダ13の左右方向の微小な変動を抑制することができる。
(3)圧縮エアの空気圧を電空レギュレータで可変する場合
前述の実施形態においては、被ガイド部材21の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを電磁弁10で切り替える構成としたが、これに限られず、被ガイド部材21の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアを電空レギュレータで可変させる構成としてもよい。
図15に示すように、本変形例に係るステージ制御システム1Cの構成は、前述の実施形態に係るステージ制御システム1とほぼ同様であるが、レギュレータ7,8及び電磁弁10に代えて、前述のエア源5から供給される圧縮エアの空気圧を可変させる電空レギュレータ23を設けた点が異なる。
電空レギュレータ23は、前述のコントローラ2からの可変指令に基づき、前述のスライダ13の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を、前述の流体潤滑用圧力と前述の混合潤滑用圧力とに可変させる。具体的には、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、コントローラ2が、前述の移動指令を出力するのとほぼ同じタイミングで、圧縮エアの空気圧を流体潤滑用圧力とする旨の可変指令を出力する。すると、この可変指令に基づき、電空レギュレータ23が、圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を流体潤滑用圧力に可変させる。一方、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、コントローラ2が、スライダ13が目標位置近傍まで近接したと前述のサーボアンプ4により判断された場合に、圧縮エアの空気圧を混合潤滑用圧力とする旨の可変指令を出力する。なお、サーボアンプ4が圧縮エアの空気圧を混合潤滑用圧力とする旨の可変指令を出力してもよい。すると、この可変指令に基づき、電空レギュレータ23が、圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を混合潤滑用圧力に切り替える。電空レギュレータ23により空気圧が可変された圧縮エアは、圧縮エア噴出孔22dに流体潤滑用圧力又は混合潤滑用圧力で供給される。圧縮エア噴出孔22dは、上下方向に相対する前述のガイドレール12のガイド部材19の表面に向けて、エア源5から電空レギュレータ23を介して供給された流体潤滑用圧力又は混合潤滑用圧力の圧縮エアを噴出する。
上記以外のステージ制御システム1Cの構成は、前述の実施形態に係るステージ制御システム1と同様である。なお、本変形例では、エア源5、前述のレギュレータ6,9、及び電空レギュレータ23が、特許請求の範囲に記載のエア供給装置に相当する。
以上のように構成されたステージ制御システム1Cにおいては、スライダ13の目標位置近傍までの移動を行う際には、コントローラ2から圧縮エアの空気圧を流体潤滑用圧力とする旨の可変指令が電空レギュレータ23に出力され、圧縮エア噴出孔22dに供給される圧縮エアの空気圧が、電空レギュレータ23で流体潤滑用圧力に可変される。これにより、流体潤滑用圧力の圧縮エアが圧縮エア噴出孔22dに供給され、各ガイド部材19の表面と前述のスライダ13の各被ガイド部材21の表面とが流体潤滑状態(非接触状態)となる。一方、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、コントローラ2から圧縮エアの空気圧を混合潤滑用圧力とする旨の可変指令が電空レギュレータ23に出力され、圧縮エア噴出孔22dに供給される圧縮エアの空気圧が、電空レギュレータ23で混合潤滑用圧力に可変される。これにより、混合潤滑用圧力の圧縮エアが圧縮エア噴出孔22dに供給され、各ガイド部材19の表面と各被ガイド部材21の表面とが混合潤滑状態(微接触状態)となり、これら面同士の間に微小移動領域において線形バネ特性が生じる。
以上説明した本変形例においては、コントローラ2からの可変指令に基づき、被ガイド部材21の圧縮エア噴出孔22dに供給する圧縮エアの空気圧を、流体潤滑用圧力と混合潤滑用圧力とに可変させる電空レギュレータ23を備えている。これにより、前述の実施形態と同様、高速移動且つ超高精度な位置決めが可能なステージ制御システム1Cを実現できる。また、前述の実施形態のように圧縮エアを電磁弁10で切り替える構成とした場合には、予め定められた複数の空気圧に段階的に調整することしかできないが、本変形例においては電空レギュレータ23によって圧縮エアの空気圧を所望の値に無段階に調整することができる。
なお、前述の(1)の変形例や(2)の変形例のように、2つのガイドレール12の一方又は両方の側板部12sの内面12saにもガイド部材19が貼付され、スライダ13の2つの挿入部20の一方又は両方の側面20bにも被ガイド部材21が貼付される場合に対し、上記(3)の変形例のような、被ガイド部材21の圧縮エア噴出孔22に供給する圧縮エアを電空レギュレータで可変させる方式を適用してもよい。
(4)ガイドレール自体をCFRPで構成し、スライダ自体を瑪瑙で構成する場合
前述の実施形態では、ガイドレール12にCFRPで構成されたガイド部材19を貼付し、スライダ13に瑪瑙で構成された被ガイド部材21を貼付していたが、これに限られず、ガイドレール自体をCFRPで構成し、スライダ自体を瑪瑙で構成してもよい。
図16に示すように、本変形例に係るステージ装置3Dは、定盤11上に前後方向に延びるように設置された断面視において略T字形状のガイドレール12Dと、ガイドレール12Dに移動方向を規制されたスライダ13Dと、スライダ13Dの推力を発生するリニアモータ16と、スライダ13Dの位置を検出するリニアスケール17とを備えている。
ガイドレール12Dは、前述の実施形態に係るガイド部材19と同様、表面のエポキシ樹脂192を剥離して炭素繊維191の層を露出させる表面加工(図3を参照)が行われたCFRPで構成されており、立設部12Dj及び上板部12Duを備えている。なお、上板部12Duの上面12Da、立設部12Djを挟んで左右両側の下面12Db,12Dc、及び左右両側面12Dd,12Deが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当する。以下適宜、上板部12Duの上面12Da、左右両側の下面12Db,12Dc、及び左右両側面12Dd,12Deを「ガイド面」と総称する。
スライダ13Dは、前述の実施形態に係る被ガイド部材21と同様、瑪瑙で構成されており、上板部13Du、左側下板部13Da、右側下板部13Db、左側板部13Dc、及び右側板部13Ddを備えている。なお、上記ガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daに上下方向に相対する上板部13Duの下面13D1、上板部12Duの左側の下面12Dbに上下方向に相対する左側下板部13Daの上面13D2、上板部12Duの右側の下面12Dcに上下方向に相対する右側下板部13Dbの上面13D3、上板部12Duの左側面12Ddに相対する左側板部13Dcの右面13D4、及び、上板部12Duの右側面12Deに相対する右側板部13Ddの左面D5が、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、上板部13Duの下面13D1、左側下板部13Daの上面13D2、右側下板部13Dbの上面13D3、左側板部13Dcの右面13D4、及び右側板部13Ddの左面D5を「被ガイド面」と総称する。
また、スライダ13Dの上板部13Duの下面13D1には、上下方向に相対するガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Duが設けられ、左側下板部13Daの上面13D2には、上下方向に相対するガイドレール12Dの上板部12Duの左側の下面12Dbに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Ddが設けられ、右側下板部13Dbの上面13D3には、上下方向に相対するガイドレール12Dの上板部12Duの右側の下面12Dcに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Ddが設けられ、左側板部13Dcの右面13D4には、左右方向に相対するガイドレール12Dの上板部12Duの左側面12Ddに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Daが設けられ、右側板部13Ddの左面D5には、左右方向に相対するガイドレール12Dの上板部12Duの右側面12Deに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Dbが設けられている。
上記のように構成されたステージ装置3Dにおいては、上下方向は、圧縮エア噴出孔22Duから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイドレール12Dによる前述のバネ弾性力と、圧縮エア噴出孔22Ddから噴出される圧縮エアのエア圧力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、圧縮エア噴出孔22Daから噴出される圧縮エアのエア圧力と、圧縮エア噴出孔22Dbから噴出される圧縮エアのエア圧力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16で発生した推力により、スライダ13Dがガイドレール12Dに沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際には、ガイドレール12Dのガイド面とスライダ13Dの被ガイド面との潤滑状態が、ガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daとスライダ13Dの上板部13Duの下面13D1との間で混合潤滑状態となり、それ以外の領域で流体潤滑状態となり、混合潤滑状態となったガイドレール12Dのガイド面とスライダ13Dの被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、圧縮エア噴出孔22Du,22Dd,22Da,22Dbに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際には、ガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daとスライダ13Dの上板部13Duの下面13D1とが微接触状態となり、それ以外のガイド面と被ガイド面とは非接触状態となる。
本変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記(4)の変形例においては、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際に、ガイドレール12Dのガイド面とスライダ13Dの被ガイド面との潤滑状態が、ガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daとスライダ13Dの上板部13Duの下面13D1との間で混合潤滑状態となり、それ以外の領域で流体潤滑状態となるように制御していたが、これに限られない。すなわち、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際に、ガイドレール12Dの上板部12Duの左側面12Ddとスライダ13Dの左側板部13Dcの右面13D4との間(又は、ガイドレール12Dの上板部12Duの右側面12Deとスライダ13Dの右側板部13Ddの左面D5との間)の潤滑状態についても、混合潤滑状態とするように制御してもよい。この場合、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際には、ガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daとスライダ13Dの上板部13Duの下面13D1、及び、ガイドレール12Dの上板部12Duの左側面12Ddとスライダ13Dの左側板部13Dcの右面13D4(又は、ガイドレール12Dの上板部12Duの右側面12Deとスライダ13Dの右側板部13Ddの左面D5)が微接触状態となる。
あるいは、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際に、ガイドレール12Dの上板部12Duの左側面12Ddとスライダ13Dの左側板部13Dcの右面13D4との間、及び、ガイドレール12Dの上板部12Duの右側面12Deとスライダ13Dの右側板部13Ddの左面D5との間の潤滑状態についても、混合潤滑状態とするように制御してもよい。この場合、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際には、ガイドレール12Dの上板部12Duの上面12Daとスライダ13Dの上板部13Duの下面13D1、ガイドレール12Dの上板部12Duの左側面12Ddとスライダ13Dの左側板部13Dcの右面13D4、及び、ガイドレール12Dの上板部12Duの右側面12Deとスライダ13Dの右側板部13Ddの左面D5が微接触状態となる。
あるいは、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際に、ガイドレール12Dの上板部12Duの左側の下面12Dbとスライダ13Dの左側下板部13Daの上面13D2との間、及び、ガイドレール12Dの上板部12Duの右側の下面12Dcとスライダ13Dの右側下板部13Dbの上面13D3との間の潤滑状態についても、混合潤滑状態とするように制御してもよい。この場合、目標位置近傍においてスライダ13Dの位置決めを行う際には、ガイドレール12Dの上板部12Duの左側の下面12Dbとスライダ13Dの左側下板部13Daの上面13D2、及び、ガイドレール12Dの上板部12Duの右側の下面12Dcとスライダ13Dの右側下板部13Dbの上面13D3についても微接触状態となる。
これらの場合も同様の効果を得ることができる。
(5)駆動装置として磁気吸引式のリニアモータを設ける場合(その1)
図17に示すように、本変形例に係るステージ装置3Eは、上面に2つのガイド部材19Euが貼付された定盤11上に前後方向に延びるように平行に設置された2つのガイドレール12Eと、ガイドレール12Eに移動方向を規制された断面視において略逆U字形状のスライダ13Eと、スライダ13Eの推力を発生する磁気吸引式のリニアモータ16E(駆動装置)と、スライダ13Eの位置を検出するリニアスケール17とを備えている。
各ガイドレール12Eの内面12Eaには、ガイド部材19Esが貼付されている。以下適宜、定盤11の上面11aに貼付されたガイド部材19Euと、ガイドレール12の内面12Eaに貼付されたガイド部材19Esとを「ガイド部材19E」と総称する。ガイド部材19Eは、前述の実施形態に係るガイド部材19と同様、表面のエポキシ樹脂192を剥離して炭素繊維191の層を露出させる表面加工(図3を参照)が行われたCFRPで構成されている。
スライダ13Eは、左右の側壁部13Esを備えており、それら左右の側壁部13Esの下面13E1には被ガイド部材21Edが貼付され、それら左右の側壁部13Esの外側側面13E2には被ガイド部材21Esが貼付されている。以下適宜、これら被ガイド部材21Ed及び被ガイド部材21Esを「被ガイド部材21E」と総称する。被ガイド部材21Eは、前述の実施形態に係る被ガイド部材21と同様、瑪瑙で構成されている。各被ガイド部材21Edの表面21E1は、上記定盤11の上面11aに貼付された各ガイド部材19Euの表面19E1と上下方向に相対し、各被ガイド部材21Esの表面21E2は、上記各ガイドレール12Eの内面12Eaに貼付されたガイド部材19Esの表面と左右方向に相対する。
本変形例では、定盤11の上面11aに貼付された各ガイド部材19Euの表面19E1及び各ガイドレール12Eの内面12Eaに貼付されたガイド部材19Esの表面が、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当し、スライダ13Eの各側壁部13Esの下面13E1に貼付された被ガイド部材21Edの表面21E1及びスライダ13Eの各側壁部13Esの外側側面13E2に貼付された被ガイド部材21Esの表面21E2が、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、各ガイド部材19Euの表面19E1及び各ガイド部材19Esの表面を「ガイド面」と総称し、各被ガイド部材21Edの表面21E1及び各被ガイド部材21Esの表面21E2を「被ガイド面」と総称する。
また、スライダ13Eの各被ガイド部材21Edの表面21E1には、上下方向に相対するガイド部材19Euの表面19E1に向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Edが設けられ、スライダ13Eの左側の側壁部13Esの外側側面13E2に貼付された被ガイド部材21Es(以下適宜、「左側の被ガイド部材21Es」と称する)の表面21E2には、左右方向に相対する左側のガイドレール12Eの内面12Eaに貼付されたガイド部材19Esの表面19E2に向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Es(以下適宜、「左側の圧縮エア噴出孔22Es」と称する)が設けられ、右側の側壁部13Esの外側側面13E2に貼付された被ガイド部材21Es(以下適宜、「右側の被ガイド部材21Es」と称する)の表面21E2には、左右方向に相対する右側のガイドレール12Eの内面12Eaに貼付されたガイド部材19Esの表面19E2に向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Es(以下適宜、「右側の圧縮エア噴出孔22Es」と称する)が設けられている。
ステージ装置3Eにおいては、上下方向は、スライダ13Eの荷重と、圧縮エア噴出孔22Edから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19Euによる前述のバネ弾性力と、リニアモータ16Eによる磁気吸引力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、左側の圧縮エア噴出孔22Esから噴出される圧縮エアのエア圧力及び左側のガイド部材19Esによるバネ弾性力と、右側の圧縮エア噴出孔22Esから噴出される圧縮エアのエア圧力及び右側のガイド部材19Esによるバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16Eで発生した推力により、スライダ13Eがガイドレール12Eに沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13Eの位置決めを行う際には、定盤11及び各ガイドレール12Eのガイド面とスライダ13Eの被ガイド面との潤滑状態が、全ての領域で混合潤滑状態となるように、圧縮エア噴出孔22Ed,22Esに供給される圧縮エアの空気圧、及び、リニアモータ16Eによる電磁吸引力により制御される。具体的には、各ガイド部材19Euの表面19E1と各被ガイド部材21Edの表面21E1との間、及び、各ガイド部材19Esの表面と各被ガイド部材21Esの表面21E2との間で混合潤滑状態となり、混合潤滑状態となった各ガイドレール12Eのガイド面とスライダ13Eの被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13Eの位置決めを行う際には、各ガイド部材19Euの表面19E1と各被ガイド部材21Edの表面21E1、及び、各ガイド部材19Esの表面と各被ガイド部材21Esの表面21E2が微接触状態となる。
本変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(6)駆動装置として磁気吸引式のリニアモータを設ける場合(その2)
図18に示すように、本変形例に係るステージ装置3Fは、定盤11上に前後方向に延びるように設置されたガイドレール12Fと、ガイドレール12Fに移動方向を規制されたスライダ13Fと、スライダ13Fの推力を発生する磁気吸引式のリニアモータ16F(駆動装置)と、スライダ13Fの位置を検出する図示しないリニアスケール(位置検出装置)とを備えている。
ガイドレール12Fの上面12Faの左右両端部にはガイド部材19Fuが貼付され、ガイドレール12Fの左右両側面12Fbにはガイド部材19Fsが貼付されている。以下適宜、これらガイド部材19Fu及びガイド部材19Fsを「ガイド部材19F」と総称する。ガイド部材19Fは、前述の実施形態に係るガイド部材19と同様、表面のエポキシ樹脂192を剥離して炭素繊維191の層を露出させる表面加工(図3を参照)が行われたCFRPで構成されている。
スライダ13Fは、上板部13Fu及び左右の側板部13Fsを備えている。上板部13Fuの下面には、凹部26が設けられている。上板部13Fuにおける凹部26を挟んで左右両側には被ガイド部材21Fdが貼付され、左右の側板部13Fsの内側側面13Faには被ガイド部材21Fsが貼付されている。以下適宜、これら被ガイド部材21Fd及び被ガイド部材21Fsを「被ガイド部材21F」と総称する。被ガイド部材21Fは、前述の実施形態に係る被ガイド部材21と同様、瑪瑙で構成されている。各被ガイド部材21Fdの表面21Faは、上記ガイドレール12Fの上面12Faに貼付された各ガイド部材19Fuの表面19Faと上下方向に相対し、各被ガイド部材21Fsの表面21Fbは、上記ガイドレール12Fの側面12Fbに貼付された各ガイド部材19Fsに左右方向に相対する。
本変形例では、ガイドレール12Fの上面12Faの左右両端部に貼付されたガイド部材19Fuの表面19Fa及びガイドレール12Fの左右両側面12Fbに貼付されたガイド部材19Fsの表面19Fbが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当し、スライダ13Fの上板部13Fuにおける凹部26を挟んで左右両側に貼付された被ガイド部材21Fdの表面21Fa及びスライダ13Fの各側板部13Fsの内側側面13Faに貼付された被ガイド部材21Fsの表面21Fbが、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、各ガイド部材19Fuの表面19Fa及び各ガイド部材19Fsの表面19Fbを「ガイド面」と総称し、各被ガイド部材21Fdの表面21Fa及び各被ガイド部材21Fsの表面21Fbを「被ガイド面」と総称する。
また、スライダ13Fの各被ガイド部材21Fdの表面21Faには、上下方向に相対するガイド部材19Fuの表面19Faに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Fdが設けられ、左側の側板部13Fsの内側側面13Faに貼付された被ガイド部材21Fs(以下適宜、「左側の被ガイド部材21Fs」と称する)の表面には、左右方向に相対するガイドレール12Fの左側面に貼付されたガイド部材19Fsの表面19Fbに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Fs(以下適宜、「左側の圧縮エア噴出孔22Fs」と称する)が設けられ、右側の側板部13Fsの内側側面13Faに貼付された被ガイド部材21Fs(以下適宜、「右側の被ガイド部材21Fs」と称する)の表面には、左右方向に相対するガイドレール12Fの右側面12Fbに貼付されたガイド部材19Fsの表面19Fbに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Fs(以下適宜、「右側の圧縮エア噴出孔22Fs」と称する)が設けられている。
ステージ装置3Fにおいては、上下方向は、スライダ13Fの荷重と、圧縮エア噴出孔22Fdから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19Fuによる前述のバネ弾性力と、リニアモータ16Fによる磁気吸引力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、左側の圧縮エア噴出孔22Fsから噴出される圧縮エアのエア圧力及び左側のガイド部材19Fsによるバネ弾性力と、右側の圧縮エア噴出孔22Fsから噴出される圧縮エアのエア圧力及び右側のガイド部材19Fsによるバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16Fで発生した推力により、スライダ13Fがガイドレール12Fに沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13Fの位置決めを行う際には、ガイドレール12Fのガイド面とスライダ13Fの被ガイド面との潤滑状態が、全ての領域で混合潤滑状態となるように、圧縮エア噴出孔22Fd,22Fsに供給される圧縮エアの空気圧、及び、リニアモータ16Fによる電磁吸引力により制御される。具体的には、各ガイド部材19Fuの表面19Faと各被ガイド部材21Fdの表面21Faとの間、及び、各ガイド部材19Fsの表面19Fbと各被ガイド部材21Fsの表面21Fbとの間で混合潤滑状態となり、混合潤滑状態となったガイドレール12Fのガイド面とスライダ13Fの被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13Fの位置決めを行う際には、各ガイド部材19Fuの表面19Faと各被ガイド部材21Fdの表面21Fa、及び、各ガイド部材19Fsの表面19Fbと各被ガイド部材21Fsの表面21Fbが微接触状態となる。
本変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記(6)の変形例においては、ガイド部材19Fsをガイドレール12Fの左右両側面12Fbに貼付し、被ガイド部材21Fsをスライダ13Fの左右の側板部13Fsの内側側面13Faに貼付していたが、これに限られない。すなわち、ガイド部材19Fsをガイドレール12Fの片方の側面12Fbだけに貼付し、被ガイド部材21Fsをスライダ13Fの片方の側板部13Fsの内側側面13Faだけに貼付してもよい。例えば、ガイド部材19Fsをガイドレール12Fの右側面12Fbだけに貼付し、被ガイド部材21Fsをスライダ13Fの右側の側板部13Fsの内側側面13Faだけに貼付する場合、左側の圧縮エア噴出孔22Fsは、相対する面同士の潤滑状態が流体潤滑状態となる空気圧で圧縮エアを噴出する。また、右側の圧縮エア噴出孔22Fs及び圧縮エア噴出孔22Fdは、目標位置近傍までの移動を行う際には、相対する面同士の潤滑状態が流体潤滑状態となる空気圧で圧縮エアを噴出し、目標位置近傍においてスライダ13Fの位置決めを行う際には、相対する面同士の潤滑状態が混合潤滑状態となる空気圧で圧縮エアを噴出する。
(7)ステージ装置を天井に取り付ける場合
本変形例は、ステージ装置を天井に取り付ける場合に最適な変形例である。図19に示すように、本変形例に係るステージ装置3Gの構成は、前述の実施形態に係るステージ装置3とほぼ同様である。但し、ステージ装置3Gは、図1に示すステージ装置3が180度回転した上下逆さまの状態で、定盤11のガイドレール12の設置面とは反対側の面が天井27に固定されている。したがって、図1中の下方は図19中の上方に対応し、図1中の上方は図19中の下方に対応し、図1中の右方は図19中の左方に対応し、図1中の左方は図19中の右方に対応している。そして、ステージ装置3Gでは、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaに、前述のガイド部材19が貼付されている。また、スライダ13の各挿入部20の下面20c(図19中の下側の面)に、前述の被ガイド部材21が貼付されている。各挿入部20が各ガイドレール12の凹条部18に挿入されたとき、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaに貼付されたガイド部材19の表面と各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aとが上下方向(図19中の上−下方向)に相対し、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daと各挿入部20の上面20a(図19中の上側の面)とが上下方向に相対し、各ガイドレール12の側板部12sの内面12saと各挿入部20の側面20bとが左右方向(図19中の左−右方向)に相対する。
本変形例では、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaに貼付されたガイド部材19の表面19aと、各ガイドレール12の下板部12dの内面12da及び側板部12sの内面12saとが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当する。以下適宜、ガイドレール12の上板部12uの内面12uaに貼付されたガイド部材19の表面19aと、ガイドレール12の下板部12dの内面12da及び側板部12sの内面12saとを「ガイド面」と総称する。また、スライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aと、各挿入部20の上面20a及び側面20bとが、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、スライダ13の各挿入部20の下面20cに貼付された被ガイド部材21の表面21aと、各挿入部20の上面20a及び側面20bとを「被ガイド面」と総称する。
また、本変形例では、スライダ13の各被ガイド部材21の表面21aには、上下方向に相対するガイド部材19の表面19aに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Guを、各挿入部20の上面20aが設けられ、上下方向に相対するガイドレール12の下板部12dの内面12daに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Gdが設けられ、各挿入部20の側面20bに、左右方向に相対するガイドレール12の側板部12sの内面12saに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Gsが設けられている。
ステージ装置3Gにおいては、上下方向は、スライダ13等の荷重と、圧縮エア噴出孔22Guから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19による前述のバネ弾性力と、圧縮エア噴出孔22Gdから噴出される圧縮エアのエア圧力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、図示左側の圧縮エア噴出孔22Gsから噴出される圧縮エアのエア圧力と、図示右側の圧縮エア噴出孔22Gsから噴出される圧縮エアのエア圧力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16で発生した推力により、スライダ13がガイドレール12に沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面の潤滑状態が、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとの間で混合潤滑状態となり、それ以外の領域で流体潤滑状態となり、混合潤滑状態となった各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、圧縮エア噴出孔22Gu,22Gd,22Gsに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイド部材19の表面19aと各被ガイド部材21の表面21aとが微接触状態となり、それ以外のガイド面と被ガイド面とは非接触状態となる。
本変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(8)ステージ装置を壁に取り付ける場合
本変形例は、ステージ装置を壁に取り付ける場合に最適な変形例である。図20に示すように、本変形例に係るステージ装置3Hの構成は、前述の実施形態に係るステージ装置3とほぼ同様である。但し、ステージ装置3Hは、図1に示すステージ装置3が時計回りに90度回転した状態で、定盤11のガイドレール12の設置面とは反対側の面が壁28に固定されている。したがって、図1中の下方は図20中の左方に対応し、図1中の上方は図20中の右方に対応し、図1中の右方は図20中の下方に対応し、図1中の左方は図20中の上方に対応している。そして、ステージ装置3Hでは、図示下側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに、前述のガイド部材19が貼付されている。また、スライダ13の図示下側の挿入部20の下面20b(図20中の下側の面)に、前述の被ガイド部材21が貼付されている。各挿入部20が各ガイドレール12の凹条部18に挿入されたとき、各ガイドレール12の上板部12uの内面12uaと各挿入部20の右面20a(図20中の右側の面)とが左右方向(図20中の左−右方向)に相対し、各ガイドレール12の下板部12dの内面12daと各挿入部20の左面20c(図20中の左側の面)とが左右方向に相対し、図示上側のガイドレール12の側板部12sの内面12saと図示上側の挿入部20の上面20b(図20中の上側の面)とが上下方向(図19中の上−下方向)に相対し、図示下側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19aと図示下側の挿入部20の下面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21aとが上下方向に相対する。
本変形例では、各ガイドレール12の上板部12uの内面12ua及び下板部12dの内面12daと、図示上側のガイドレール12の側板部12sの内面12saと、図示下側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19aとが、特許請求の範囲に記載のガイド面に相当する。以下適宜、ガイドレール12の上板部12uの内面12ua及び下板部12dの内面12daと、図示上側のガイドレール12の側板部12sの内面12saと、図示下側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに貼付されたガイド部材19の表面19aとを「ガイド面」と総称する。また、スライダ13の各挿入部20の右面20a及び左面20cと、図示上側の挿入部20の上面20bと、図示下側の挿入部20の下面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21aとが、特許請求の範囲に記載の被ガイド面に相当する。以下適宜、スライダ13の各挿入部20の右面20a及び左面20cと、図示上側の挿入部20の上面20bと、図示下側の挿入部20の下面20bに貼付された被ガイド部材21の表面21aとを「被ガイド面」と総称する。
また、本変形例では、スライダ13の各挿入部20の右面20aには、左右方向に相対するガイドレール12の上板部12uの内面12uaに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Huが設けられ、各挿入部20の左面20cには、左右方向に相対するガイドレール12の下板部12dの内面12daに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Hdが設けられ、図示上側の挿入部20の上面20bには、上下方向に相対する図示上側のガイドレール12の側板部12sの内面12saに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Hsが設けられ、被ガイド部材21の表面21aには、上下方向に相対するガイド部材19の表面19aに向けて圧縮エアを噴出する圧縮エア噴出孔22Hsが設けられている。
ステージ装置3Hにおいては、上下方向は、スライダ13等の荷重と、図示上側の圧縮エア噴出孔22Hsから噴出される圧縮エアのエア圧力と、図示下側の圧縮エア噴出孔22Hsから噴出される圧縮エアのエア圧力及びガイド部材19による前述のバネ弾性力とのバランスにより姿勢維持する。左右方向は、圧縮エア噴出孔22Huから噴出される圧縮エアのエア圧力と、圧縮エア噴出孔22Hdから噴出される圧縮エアのエア圧力とのバランスにより姿勢維持する。そして、リニアモータ16で発生した推力により、スライダ13がガイドレール12に沿って前後方向に移動する。
そして、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面の潤滑状態が、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとの間で混合潤滑状態となり、それ以外の領域で流体潤滑状態となり、混合潤滑状態となった各ガイドレール12のガイド面とスライダ13の被ガイド面との間に微小移動領域において線形バネ特性が生じるように、圧縮エア噴出孔22Hu,22Hd,22Hsに供給される圧縮エアの空気圧により制御される。したがって、目標位置近傍においてスライダ13の位置決めを行う際には、ガイド部材19の表面19aと被ガイド部材21の表面21aとが微接触状態となり、それ以外のガイド面と被ガイド面とは非接触状態となる。
本変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(9)その他
以上では、ガイドレール12のガイド部材19等(又は、ガイドレール12D自体)をFRPの一種であるCFRPで構成し、スライダ13の被ガイド部材21等(又は、スライダ13D自体)を玉髄の一種である瑪瑙で構成していたが、これに限られない。上記とは反対に、ガイドレールのガイド部材(又は、ガイドレール自体)を瑪瑙等で構成し、スライダの被ガイド部材(又は、スライダ自体)をCFRP等で構成してもよい。
また以上では、ガイドレール12のガイド部材19等(又は、ガイドレール12D自体)を、FRPの一種であるCFRPで構成していたが、これに限られない。すなわち、ガイドレールのガイド部材(又は、ガイドレール自体)、若しくは、スライダの被ガイド部材(又は、スライダ自体)をガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)等の他の種類のFRPで構成してもよい。あるいは、FRP以外の材料、例えばカーボンナノチューブを樹脂で固めた材料で構成してもよい。
さらに以上では、スライダ13の被ガイド部材21等(又は、スライダ13D自体)を、玉髄の一種である瑪瑙で構成していたが、これに限られない。すなわち、スライダの被ガイド部材(又は、スライダ自体)、若しくは、ガイドレールのガイド部材(又は、ガイドレール自体)を紅玉髄、緑玉髄、碧玉、血石等の他の種類の玉髄で構成してもよい。あるいは、玉髄以外の材料、例えば石英、セラミックス、ルビー、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond‐Like Carbon)等で構成してもよい。
さらに以上では、駆動装置としてリニアモータ16等を用いたが、これに限られず、他の駆動装置を用いてもよい。
さらに以上では、位置検出装置としてリニアスケール17を用いたが、これに限られず、他の位置検出装置を用いてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、前述の実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、前述の実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 ステージ制御システム
1A,C ステージ制御システム
2 コントローラ
3 ステージ装置
3A,B,D,E,F,G,H ステージ装置
4 サーボアンプ
5 エア源
6 レギュレータ
7 レギュレータ
8 レギュレータ
9 レギュレータ
9A レギュレータ
10 電磁弁
11 定盤
12 ガイドレール
12d 下板部
12s 側板部
12u 上板部
12D ガイドレール
12Dj 立設部
12Du 上板部
12E,F ガイドレール
13 スライダ
13D スライダ
13Da 左側下板部
13Db 右側下板部
13Dc 左側板部
13Dd 右側板部
13Du 上板部
13E スライダ
13Es 側板部
13F スライダ
13Fs 側板部
13Fu 上板部
14 支持部材
15 トップベース
16 リニアモータ(駆動装置)
16E,F リニアモータ(駆動装置)
17 リニアスケール(位置検出装置)
18 凹条部
19 ガイド部材
19Es,Eu ガイド部材
19Fs,Fu ガイド部材
20 挿入部
21 被ガイド部材
21Ed,Es 被ガイド部材
21Fd,Fs 被ガイド部材
22d,s,u 圧縮エア噴出孔
22Da,Db,Dd,Du 圧縮エア噴出孔
22Ed,Es 圧縮エア噴出孔
22Fd,Fs 圧縮エア噴出孔
22Gd,Gs,Gu 圧縮エア噴出孔
22Hd,Hs,Hu 圧縮エア噴出孔
23 電空レギュレータ
24a,b レギュレータ
25 電磁弁
26 凹部
27 天井
28 壁
191 炭素繊維
192 エポキシ樹脂
F 凝着部分
P 研磨機
S バネ要素

Claims (13)

  1. 移動対象物を目標位置に移動させるステージ装置であって、
    ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)を有するガイドレール(12;12D;12E;12F)と、
    前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と相対する被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)を有し、前記ガイドレール(12;12D;12E;12F)に移動方向を規制されるスライダ(13,13D,13E,13F)と、
    前記スライダ(13,13D,13E,13F)の推力を発生する駆動装置(16;16E;16F)と、
    前記スライダ(13,13D,13E,13F)の位置を検出する位置検出装置(17)と、を備え、
    前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)との潤滑状態が、少なくとも一部の領域で境界潤滑と流体潤滑の両者を含む混合潤滑状態となり、その他の領域で流体潤滑状態となるように、制御される
    ことを特徴とするステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  2. 前記スライダ(13,13D,13E,13F)は、
    前記ガイドレール(12;12D;12E;12F)の前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)に向けて圧縮エアを噴出する複数の圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u;22Da,22Db,22Dd,22Du;22Ed,22Es;22Fd,22Fs;22Gd,22Gs,22Gu;22Hd,22Hs,22Hu)を前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)に有しており、
    前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)との潤滑状態は、前記圧縮エアの空気圧により制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  3. 混合潤滑状態である前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)との間に線形バネ特性が生じるように、前記圧縮エアの空気圧が制御される
    ことを特徴とする請求項2に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  4. 潤滑状態が混合潤滑状態に制御される前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)及び前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)の一方は、
    繊維強化プラスチックで構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  5. 潤滑状態が混合潤滑状態に制御される前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)及び前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)の一方は、
    炭素繊維をエポキシ樹脂で固めた前記繊維強化プラスチックで構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  6. 潤滑状態が混合潤滑状態に制御される前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)及び前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)の一方は、
    表面の前記エポキシ樹脂を剥離して前記炭素繊維の層を露出させる表面加工が行われている
    ことを特徴とする請求項5に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  7. 潤滑状態が混合潤滑状態に制御される前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)及び前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)の他方は、
    玉髄で構成されている
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  8. 潤滑状態が混合潤滑状態に制御される前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)及び前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)の他方は、
    瑪瑙で構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)。
  9. コントローラ(2)と、移動対象物を目標位置に移動させるステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)と、前記コントローラ(2)からの移動指令に基づき、前記ステージ装置の位置を制御するサーボアンプ(4)と、を備えたステージ制御システムであって、
    前記ステージ装置(3;3A;3B;3D;3E;3F;3G;3H)は、
    ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)を有するガイドレール(12;12D;12E;12F)と、
    前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と相対する被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)を有し、前記ガイドレール(12;12D;12E;12F)に移動方向を規制されるスライダ(13,13D,13E,13F)と、
    前記スライダ(13,13D,13E,13F)の推力を発生する駆動装置(16;16E;16F)と、
    前記スライダ(13,13D,13E,13F)の位置を検出する位置検出装置(17)と、を有し、
    前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)との潤滑状態が、少なくとも一部の領域で境界潤滑と流体潤滑の両者を含む混合潤滑状態となり、その他の領域で流体潤滑状態となるように、制御される
    ことを特徴とするステージ制御システム(1;1A;1C)。
  10. 前記スライダ(13,13D,13E,13F)は、
    前記ガイドレール(12;12D;12E;12F)の前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)に向けて圧縮エアを噴出する複数の圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u;22Da,22Db,22Dd,22Du;22Ed,22Es;22Fd,22Fs;22Gd,22Gs,22Gu;22Hd,22Hs,22Hu)を前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)に有しており、
    前記スライダ(13,13D,13E,13F)の前記圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u;22Da,22Db,22Dd,22Du;22Ed,22Es;22Fd,22Fs;22Gd,22Gs,22Gu;22Hd,22Hs,22Hu)に圧縮エアを供給し、前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)との潤滑状態を、前記圧縮エアの空気圧により制御するエア供給装置(5,6,7,8,9;5,6,7,8,9A,24a,24b;5,6,9,23)をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項9に記載のステージ制御システム(1;1A;1C)。
  11. 前記エア供給装置(5,6,7,8,9;5,6,7,8,9A,24a,24b;5,6,9,23)は、
    エア源(5)と、
    前記エア源(5)から供給される圧縮エアの空気圧を調整するレギュレータ(6,7,8,9;6,7,8,9A,24a,24b;6,9,23)と、を有し、
    混合潤滑状態である前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)との間に線形バネ特性が生じるように調整された空気圧で前記圧縮エアを供給する
    ことを特徴とする請求項10に記載のステージ制御システム(1;1A;1C)。
  12. 前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)の前記圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u;22Da,22Db,22Dd,22Du;22Ed,22Es;22Fd,22Fs;22Gd,22Gs,22Gu;22Hd,22Hs,22Hu)に供給する前記圧縮エアを、前記コントローラ(2)又は前記サーボアンプ(4)からの指令に基づき、前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)とを流体潤滑状態にするための第1圧力の前記圧縮エアと、前記ガイド面(12ua,12sa,19a;12ua,19a,12sa,19b;12ua,19a,19b;12Da,12Db,12Dc;19E1,19E2;19Fa,19Fb;19a,12da,12sa;12ua,12da,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a;20a,21a,20b,21b;20a,21a,21b;13D1,13D2,13D3,13D4,13D5;21E1,21E2;21Fa,21Fb;21a,20a,20b;20a,20c,20b,21a)とを混合潤滑状態にするための第2圧力の前記圧縮エアとに切り替える、電磁弁(10;10,25)をさらに備え、
    前記電磁弁(10;10,25)は、
    前記圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u;22Da,22Db,22Dd,22Du;22Ed,22Es;22Fd,22Fs;22Gd,22Gs,22Gu;22Hd,22Hs,22Hu)に供給する前記圧縮エアを、前記スライダ(13,13D,13E,13F)の目標位置近傍までの移動を行う際には前記第1圧力の圧縮エアに切り替え、目標位置近傍において前記スライダ(13,13D,13E,13F)の位置決めを行う際には前記第2圧力の圧縮エアに切り替える
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のステージ制御システム(1;1A)。
  13. 前記被ガイド面(20a,20b,21a)の前記圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u)に供給する前記圧縮エアの空気圧を、前記コントローラ(2)又は前記サーボアンプ(4)からの指令に基づき、前記ガイド面(12ua,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a)とを流体潤滑状態にするための第1圧力と、前記ガイド面(12ua,12sa,19a)と前記被ガイド面(20a,20b,21a)とを混合潤滑状態にするための第2圧力とに可変させる、電空レギュレータ(23)をさらに備え、
    前記電空レギュレータ(23)は、
    前記圧縮エア噴出孔(22d,22s,22u)に供給する前記圧縮エアの空気圧を、前記スライダ(13)の目標位置近傍までの移動を行う際には前記第1圧力に可変させ、目標位置近傍において前記スライダ(13)の位置決めを行う際には前記第2圧力に可変させる
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のステージ制御システム(1C)。
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