JP5617302B2 - 樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物および半導体装置に関する。
IC等の半導体素子と、金属フレームまたは有機基板等の支持体とを接着する方法としては、接着剤樹脂組成物を介して支持体上に半導体素子をマウントし硬化接着する方法が広く用いられている。近年、環境対応の一環として半導体装置を基板に搭載する際に使用する半田には鉛成分を含まないものが使用されることが多い。このような半田を使用するためには半田リフロー温度を従来の220〜245℃という温度範囲から260〜270℃という温度範囲へと高める必要がある。このため接着剤樹脂組成物には、半田リフロー温度の上昇に伴い発生する熱応力の増加に起因する半導体装置のクラック等の不具合を低減することが一層求められるようになってきている。
高温でのリフロー処理は半導体装置内部のストレスを増加させるため、リフロー中に半導体装置中に剥離ひいてはクラックが発生しやすくなるため、高温リフロー時における低応力性が必要である。また、近年、車載用や寒冷地で使用される半導体素子においては、高温時の低応力性だけでなく、低温時に半導体装置内部のストレスが増加するため、低温における低応力性も併せ持つ必要がある。
このような要求に対しては、硬化物に低温時・高温時での低応力性を付与する目的で液状ゴムなどの低応力剤を使用することも知られているが(例えば特許文献1参照)、液状ゴムとして極性の高いものを使用した場合には粘度が高くなるため、良好な塗布作業性を得ることが難しい。また極性の低いものを使用した場合には他の成分との相溶性が悪く保存中に分離が生じてしまい塗布安定性が悪化するといった問題があった。
特開2005−154633号公報
本発明の樹脂組成物は、作業性に優れかつ、260℃以上という高温環境下においても半導体装置にクラック等の不具合が生じず優れた信頼性を半導体装置に付与することができる熱硬化性接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記[1]〜[8]に記載の本発明により達成される。
[1] 金属酸化物(A)、水酸基を有する化合物(B)、および低応力剤(C)、および熱硬化性樹脂(D)を含有する樹脂組成物であって、前記金属酸化物(A)がIR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域に生じるピーク面積値が0.1(Acm−1)以上2.0(Acm−1)未満であることを特徴とする樹脂組成物。
[2] 前記金属酸化物が半金属元素と酸素原子とからなる金属酸化物である前記[1]記載の樹脂組成物。
[3] 半金属元素と酸素原子からなる金属酸化物(A)において樹脂組成物全体を100重量部としたときの割合が、20重量部以上80重量部未満であることを特徴とする前記[1]記載の樹脂組成物。
[4] 前記金属酸化物(A)が二酸化珪素であることを特徴とする前記[2]記載の樹脂組成物。
[5] 低応力剤(C)がブタジエンの重合体もしくは、共重合体であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記水酸基を有する化合物(B)が、アクリレート基または、メタアクリレート基を有することを特徴とする前記[1]〜[5] のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記熱硬化性樹脂(D)が、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合性のアクリル樹脂、マレイミド樹脂であることを特徴とする前記[1]〜[6] のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]前記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて作製した半導体装置。
本発明に係る樹脂組成物を使用することにより、作業性に優れ、260℃以上という高温環境下においても半導体装置にクラック等の不具合が生じず、優れた信頼性を半導体装置に付与することができる熱硬化性接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置を提供することが可能になる。
本発明にかかる樹脂組成物は、金属酸化物(A)、水酸基を有する化合物(B)、低応力剤(C)および、熱硬化性樹脂(D)を含有し、金属酸化物(A)がIR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満に生じるピーク面積値が0.1(Acm−1)以上2.0(Acm−1)未満であることを特徴とし、塗布作業性に優れかつ十分な低応力性を有する。
以下、本発明に係る樹脂組成物および半導体装置について詳細に説明する。
(金属酸化物(A))
本発明に金属酸化物を用いるが、これらは、樹脂組成物の強度を改善する目的で用いられる。また、使用する金属酸化物によっては樹脂分を用いるより安価に樹脂組成物を作製することができる。本発明に用いることができる金属酸化物としては、金属成分としてホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウムなどの半金属が、バンド理論におけるフェルミエネルギーが、価電子帯の最上部と、伝導帯の最下部を横切っている状態(価電子帯と伝導帯が僅かに重なっている状態)を示す物質があり、その酸化物からなるものが好ましい。特に好ましくは安価で入手が容易な酸化珪素が挙げられる。またより好ましくは、爆燃法で作製した酸化珪素が挙げられる。
これらの金属酸化物はIR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域に生じるピーク面積値が0.1(Acm−1)以上2.0(Acm−1)未満であることが好ましい。上記波長領域は金属酸化物周りの極性、特に、半金属−O2官能基におけるピークが生じやすい波長領域であり上記範囲となるものを用いることにより、金属酸化物周りの極性が充分に得られ、低応力剤との相溶性が良好なものとなり塗布作業性が好適なものとなる。
本発明に用いる金属酸化物は、樹脂組成物全体を100重量部としたときの割合が、20重量部以上80重量部未満であることが好ましい。前記範囲上限値以下とすることにより、塗布作業性が好適なものとなり、また、充分な低応力性を得られることから半導体装置内部に生じるストレスを緩和することができる。上記範囲下限値以上とすることにより、成形物とした際、充分な強度を得ることができる。
(水酸基を有する化合物(B))
本発明に用いることができる水酸基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、アルカンやアルケンなどベンゼン環以外の炭素上の水素をヒドロキシル基で置換した化合物、ベンゼン環の水素を水酸基で置換したフェノールなどが挙げられる。より好ましくはアルコール性の水酸基を有する化合物であり、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合性のアクリル樹脂、マレイミド樹脂などに官能基としてアルコール性水酸基を有している化合物を用いることもできる。塗布作業性を悪化させないために極性の官能基の少ないラジカル重合性のアクリル樹脂を用いることが好ましい。
さらにブリード性改善、未反応物の低減の観点から下記一般式(1)で示される化合物を使用することができる。一般にモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレートなどの低粘度アクリルエステル化合物は反応性の希釈剤として使用されているが、下記一般式(1)の化合物を使用することにより良好な接着性と優れたブリード性を示すことが可能となる。ここでブリードとは、樹脂組成物をリードフレームや有機基板等の支持体に塗布した時、あるいは加熱硬化中に樹脂組成物の樹脂成分が支持体表面に広がる現象を指し、しばしばブリードがグランドボンド(半導体素子からダイパッドへのワイヤボンド)不良の原因となったり、封止材料のダイパッドへの接着力を低下させ剥離の原因、クラックの原因となったりするため好ましくない現象である。ブリード性に優れるというのはブリードが発生しにくいということで、すなわち上述したような問題が起こりにくいということである。このような化合物は(メタ)アクリル酸とシクロヘキサンジメタノールの反応により得ることが可能であり、特に好ましい化合物としては(メタ)アクリル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールの反応物である。
式(1)中Rは水素あるいはメチル基であり、RはC8以下の炭化水素、環状炭化水素である。
(低応力剤(C))
本発明において高温および低温での半導体装置内部のストレスを低減させるために使用する低応力剤は、液状のものであることが好ましい。液状の低応力剤を使用することにより、樹脂組成物として充分な作業性を得ることができ、硬化物に低応力性を付与することができるからである。その結果、剥離が生じにくい高接着性を得ることができる。特に低応力性を付与する目的で用いる液状の低応力剤は限定されないが、構成単位としてブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物を使用することができる。好ましくは、ブタジエン化合物の重合体または共重合体が挙げられる。ブタジエン化合物の重合体または共重合体としては、カルボキシ基を有するポリブタジエンと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応、水酸基を有するポリブタジエンと(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応により得ることが可能であり、また無水マレイン酸を付加したポリブタジエンと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応により得ることも可能である。これら重合体の好ましい分子量は500以上50000未満であり、より好ましくは700以上20000未満である。これらの範囲内であれば、良好な作業性を有する樹脂組成物を得ることが可能である。なお、熱硬化性接着剤組成物の硬化物に付与される低応力性に対してはブタジエン化合物の重合体または共重合体の主鎖骨格構造の影響が大きい。この点ブタジエンの重合体または共重合体のミクロ構造に着目した場合、溶媒として重クロロホルムを使用した1H−NMR(400MHz)における1.8〜2.2ppm(1,4ビニル結合)および4.8〜5.1ppm(1,2ビニル結合)のピーク面積比より算出した1,4ビニル結合と1,2ビニル結合の合計に対し1,4ビニル結合の割合が50%以上であることが好ましい。1,4ビニル結合の割合が多い方がブタジエン化合物の重合体または共重合体としての粘度が低く、得られた樹脂組成物の支持体への塗布等の作業性が優れ、その硬化物の低温における低応力性に優れるからである。より好ましくは、1,4ビニル結合の割合が、60%以上85%以下である。
本発明においては、他の樹脂との相溶性改善という観点からは、官能基を有しているポリブタジエンを用いることがより好ましい。ポリブタジエンが有する具体的な官能基としては、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはマレイン酸基などが挙げられる。これらの官能基の中でも、相溶性が高くなり、塗布作業性に優れた樹脂組成物が得られる点でマレイン酸基を有するポリブタジエンを使用することがより好ましい。
本発明において、好ましいブタジエン化合物の重合体または共重合体(C)の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、1重量部以上25重量部以下である。前記範囲上限値以下とすることにより、得られる樹脂組成物は好適な作業性を有するものとなり、また前記範囲下限値以上とすることにより高温または低温環境下において好適な低応力性を発現することができる。
(熱硬化性樹脂(D))
本発明に係る樹脂組成物には、ベース樹脂として公知の樹脂を用いることが可能であるが、半導体素子に必要な熱耐性の観点から、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、加熱により3次元的網目構造を形成する一般的な熱硬化性樹脂である。この熱硬化性樹脂は、特に限定されるものではないが、液状樹脂組成物を形成する材料であることが好ましく、室温(25℃)で液状であることが望ましい。例えば、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合性のアクリル樹脂、マレイミド樹脂などが挙げられる。
シアネート樹脂は、分子内に−NCO基を有する化合物であり、加熱により−NCO基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。具体的に例示すると、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4’−ジシアナトビフェニル、ビス(4−シアナトフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラック樹脂とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などが挙げられ、これらの多官能シアネート樹脂のシアネート基を三量化することによって形成されるトリアジン環を有するプレポリマーも使用できる。このプレポリマーは、上記の多官能シアネート樹脂モノマーを、例えば、鉱酸、ルイス酸などの酸、ナトリウムアルコラート、第三級アミン類などの塩基、炭酸ナトリウムなどの塩類を触媒として重合させることにより得られる。
シアネート樹脂の硬化促進剤としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン鉄などの有機金属錯体、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化亜鉛などの金属塩、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミンなどのアミン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
また、シアネート樹脂は、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂、マレイミド樹脂などの他の樹脂と併用することも可能である。
エポキシ樹脂は、グリシジル基を分子内に1つ以上有する化合物であり、加熱によりグリシジル基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。グリシジル基は1分子に2つ以上含まれていることが好ましいが、これはグリシジル基が1つの化合物のみでは反応させても十分な硬化物特性を示すことができないからである。グリシジル基を1分子に2つ以上含む化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオールまたはこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオールまたはこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などをエポキシ化した多官能のものなどが挙げられるがこれらに限定されるわけではなく、また樹脂組成物として室温で液状である必要があるので、単独でまたは混合物として室温で液状のものが好ましい。通常行われるように反応性の希釈剤を使用することも可能である。反応性希釈剤としては、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルなどの1官能の芳香族グリシジルエーテル類、脂肪族グリシジルエーテル類などが挙げられる。エポキシ樹脂を硬化させる目的で硬化剤を使用する。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂などが挙げられる。
ジヒドラジド化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、p−オキシ安息香酸ジヒドラジドなどのカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられ、酸無水物としてはフタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンの反応物、無水マレイン酸とスチレンの共重合体などが挙げられる。
エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるフェノール樹脂としては1分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物であり、1分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物の場合には架橋構造をとることができないため硬化物特性が悪化し使用できない。また1分子内のフェノール性水酸基数は2つ以上であれば使用可能であるが、好ましいフェノール性水酸基の数は2〜5である。これより多い場合には分子量が大きくなりすぎるので導電性ペーストの粘度が高くなりすぎるため好ましくない。より好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2つまたは3つである。このような化合物としては、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、ビフェノールなどのビスフェノール類およびその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンなどの3官能のフェノール類およびその誘導体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール類とホルムアルデヒドを反応することで得られる化合物で2核体または3核体がメインのものおよびその誘導体などが挙げられる。
エポキシ樹脂の硬化促進剤としては、イミダゾール類、トリフェニルホスフィンまたはテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系化合物およびその塩類などが挙げられるが、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−C1123−イミダゾール、2−メチルイミダゾールと2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジンとの付加物などのイミダゾール化合物が好適に用いられる。なかでも特に好ましいのは融点が180℃以上のイミダゾール化合物である。また、エポキシ樹脂は、シアネート樹脂、アクリル樹脂、マレイミド樹脂との併用も好ましい。
ラジカル重合性のアクリル樹脂とは、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、(メタ)アクリロイル基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。(メタ)アクリロイル基は分子内に1つ以上有する必要があるが、2つ以上含まれていることが好ましい。特に好ましいアクリル樹脂は分子量が500〜10000のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートで(メタ)アクリル基を有する化合物である。ポリエーテルとしては、炭素数が3〜6の有機基がエーテル結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。ポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応により得ることが可能である。ポリエステルとしては、炭素数が3〜6の有機基がエステル結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応により得ることが可能である。ポリカーボネートとしては、炭素数が3〜6の有機基がカーボネート結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。ポリカーボネートポリオールと(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応により得ることが可能である。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体または極性基を有する(メタ)アクリレートと極性基を有さない(メタ)アクリレートとの共重合体などが好ましい。これら共重合体とカルボキシ基と反応する場合には水酸基を有するアクリレート、水酸基と反応する場合には(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応することにより得ることが可能である。
必要により以下に示す化合物を併用することも可能である。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートやこれら水酸基を有する(メタ)アクリレートとジカルボン酸またはその誘導体を反応して得られるカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで使用可能なジカルボン酸としては、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびこれらの誘導体が挙げられる。
上記以外にもメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体などを使用することも可能である。
本発明においては、特に弾性率が低く応力緩和特性に優れ、かつ粘度の低い樹脂組成物を得るという観点からは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール及び炭酸ジメチルを反応することにより得られるポリカーボネートジオールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体とを反応することにより得られるポリカーボネートジ(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。
本発明では、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール及び炭酸ジメチルを反応することにより得られるポリカーボネートジオール(A1)と(メタ)アクリル酸又はその誘導体(A2)とを反応することにより得られるポリカーボネートジ(メタ)アクリレート化合物(A)を使用することができる。化合物(A)はカーボネート結合を有するがこれは硬化物に柔軟性を与えるために導入され、同様の目的で導入されるポリエーテルやポリエステルに比較して加水分解されにくいため特に高温高湿の条件に長時間曝された後でも劣化が少なく好適である。一般にビスフェノールAを原料としているものがポリカーボネートとして知られているが、ビスフェノール系ポリカーボネートを骨格に有する場合には芳香族環の存在により分子鎖の間の凝集力が高くなり硬化物の弾性率が高くなりすぎるという問題がある。一方脂肪族系のポリカーボネートの場合でも、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールのみを使用してポリカーボネートジ(メタ)アクリレートにした場合や1,6−ヘキサンジオールのみを使用してポリカーボネートジ(メタ)アクリレートにした場合には分子鎖の規則性が高くなりワックス状から固形になり樹脂組成物とした場合に粘度が高く作業性の悪いものとなる。そこで本発明では粘度が低い、すなわち樹脂組成物とした時に良好な作業性(ディスペンス性、印刷性)を示すポリカーボネートジ(メタ)アクリレート化合物を得るために1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールを予め混合した状態で炭酸ジメチルとエステル交換反応を行ったポリカーボネートジオール(A1)と(メタ)アクリル酸又はその誘導体(A2)と反応する。1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールの混合比は重量比20/80〜80/20が好ましい。これより1,6−ヘキサンジオールが多くても少なくても得られたポリカーボネートジ(メタ)アクリレートの粘度が高くなりすぎるためである。1,4−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとの反応はエステル交換触媒として一般的に使用される触媒を使用する。例えばジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ金属塩又は炭酸アルカリ土類金属塩、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルキルアルコキシド、ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン等の3級アミン、アセチルアセトンハフニウム等のハフニウムの有機金属錯体などである。
ポリカーボネートジオール(A1)の分子量としては400から2000が好ましい。より好ましい分子量は500から1500であり、さらに好ましいのは800から1200である。これよりも低いと(メタ)アクリレート化した後に樹脂組成物とした時硬化物の弾性率が高くなりすぎ、これより高いと(メタ)アクリレート化した状態での粘度が高くなりすぎるためである。ポリカーボネートジオール(A1)は、(メタ)アクリル酸(A2)とエステル化反応によりポリカーボネートジ(メタ)アクリレートとすることも可能であるし、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A2)とエステル交換反応によりポリカーボネートジ(メタ)アクリレートとすることも可能である。
さらに重合開始剤として熱ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。通常熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特に限定しないが、望ましいものとしては、急速加熱試験(試料1gを電熱板の上にのせ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)における分解温度が40〜140℃となるものが好ましい。分解温度が40℃未満だと、導電性ペーストの常温における保存性が悪くなり、140℃を越えると硬化時間が極端に長くなるため好ましくない。これを満たす熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられるが、これらは単独または硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。また、上記のラジカル重合性のアクリル樹脂は、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂との併用も好ましい。
マレイミド樹脂は、1分子内にマレイミド基を1つ以上含む化合物であり、加熱によりマレイミド基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスマレイミド樹脂が挙げられる。より好ましいマレイミド樹脂は、ダイマー酸ジアミンと無水マレイン酸の反応により得られる化合物、マレイミド酢酸、マレイミドカプロン酸といったマレイミド化アミノ酸とポリオールの反応により得られる化合物である。マレイミド化アミノ酸は、無水マレイン酸とアミノ酢酸またはアミノカプロン酸とを反応することで得られ、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートポリオールが好ましく、芳香族環を含まないものが特に好ましい。マレイミド基は、アリル基と反応可能であるのでアリルエステル樹脂との併用も好ましい。アリルエステル樹脂としては、脂肪族のものが好ましく、中でも特に好ましいのはシクロヘキサンジアリルエステルと脂肪族ポリオールのエステル交換により得られる化合物である。アリルエステル系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、500〜10,000が好ましく、特に500〜8,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、硬化収縮を特に小さくすることができ、密着性の低下を防止することができる。またシアネート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂との併用も好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じてその他の添加剤を使用してもよい。その他の添加剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、スルフィドシランなどのシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤などのカップリング剤、カーボンブラックなどの着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどの固形低応力化成分、ハイドロタルサイトなどの無機イオン交換体、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤などであり、種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。これらの化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明においてその他、充填剤を添加することも可能である。これにより、粘度やチキソ性の調整、樹脂組成物の強靭化などが可能であり、支持体もしくは、半導体素子への塗布作業等の取り扱いが容易なものとなる。
前記の充填剤には、導電性を付与するために銀、金、ニッケル、鉄等の金属粉を用いることができる。これらの中でも導電性付与の観点からは、銀が好ましい。また、絶縁性を向上させる目的であれば、セラミック粒子、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の粒子を使用することができる。これらの中でも安定したBLT(Bond line thickness)を得る観点からは、粒子径のそろった熱可塑性や熱硬化性の樹脂粒子が好ましい。一般的に充填剤として使用されている粒子の形状には鱗状、球状、針状等種々の形状を有するものがあるが、本発明では形状については特に限定するものではない。
前記充填剤の含有量は、特に限定されるものではないが、20重量部以上80重量部未満が望ましい。これは、含有量を前記範囲内とすることで粘度やチキソ性を良好なものにすることができ、半導体素子への塗布作業等の取り扱いが容易なものとなるからである。
前記充填剤の平均粒子径は、0.1μm以上10μm未満であることが好ましい。特に好ましくは0.5μm以上8μm未満であることが好ましい。これは、平均粒子径が下限値未満であると粒子の比表面積が大きくなり、作業性が悪化することがあり、また、粒子径が上限以上であると、ノズルの詰まりの問題や半導体素子の組立て時の傾きなどが生じ好ましくない。なお、前記平均粒子径は、例えばレーザー回析・散乱法を用いた粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
(実施例・比較例)
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。配合割合は重量部で示す。実施例および比較例ともに下記原材料を表1に示す重量部で配合した上で3本ロールを用いて混練、脱泡することで樹脂組成物を得た。
(低応力剤)
ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731、以下低応力剤1)
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:1,4−シクロヘキサンジメタノール/1,6−ヘキサンジオール(=3/1(重量比))と炭酸ジメチルの反応により得られたポリカーボネートジオールとメチルメタクリレートの反応により得られたポリカーボネートジメタクリレート化合物(宇部興産(株)製、UM−90(3/1)DM、分子量1000、以下熱硬化性樹脂1)
熱硬化性樹脂2:アルコール性水酸基を有する化合物として1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA、分子量198、以下熱硬化性樹脂2)
熱硬化性樹脂3:テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF−A、分子量156、以下熱硬化性樹脂3)
(添加剤)
添加剤1:エポキシシクロヘキシルを有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−303、以下添加剤1)
添加剤2:メタクリル基を有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503P、以下添加剤2)
添加剤3:テトラスルフィドを有するカップリング剤(ダイソー(株)製、CABRUS4、以下添加剤3)
(ラジカル開始剤)
ラジカル開始剤:1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS、以下ラジカル開始剤1)
(充填剤)
金属酸化物に関して、以下に記載する。
金属酸化物1:比表面積150m2/g、日本アエロジル(株)製、疎水性シリカ、IR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域の面積値=0.35、以下金属酸化物1
金属酸化物2:平均粒径0.6μm、比表面積5.0m2/g、(株)アドマテックス製、アモルファスシリカ、IR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域の面積値=0.5、以下金属酸化物2
金属酸化物3:平均粒径0.2μm、(株)アドマテックス製、球状シリカ、3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域の面積値=1.4、以下金属酸化物3
金属酸化物4:平均粒径1.5μm、比表面積5.5m2/g、(株)アドマテックス製、アモルファスシリカ、IR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域の面積値=0.08、以下金属酸化物4
有機フィラーに関して、以下に記載する。
有機フィラー1:平均粒径2μm、信越化学工業(株)、シリコーンパウダー、IR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域の面積値=0、以下有機フィラー1
なお、前記記載の3720cm−1以上3770cm−1未満の波長領域の面積値は、IR装置(パーキンエルマー社製、Spectrum Spotlight300)を使用し、数値は粉体試料に拡散反射法で得た値である。光を照射した際、粉体表面で正反射する光と粉体内部に入り込み透過と反射を繰り返して再び表面に出てくる拡散反射光があるが、拡散反射光をも用いてスペクトルを得た測定値である。拡散反射測定装置の試料皿にKBrをリファレンスとして測定し、その後、前期充填剤を10mg使用し、積算回数16回にて赤外スペクトルを測定し、3720cm−1以上3770cm−1未満の波長領域の面積値を求めた。
(評価試験)
上記より得られた実施例および比較例の樹脂組成物について以下の評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
(粘度)
E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値を樹脂組成物作製直後に測定した。作製直後の粘度が5Pa・s以上30Pa・s未満の範囲内を合格とした。
(チキソ性)
E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、0.5rpmでの値と2.5rpmでの値を樹脂組成物作製直後に測定し、(0.5rpmでの値/2.5rpmでの値)を算出し、チキソ性とした。チキソ性は3.0以上を合格とした。
(接着強度)
表1に示す樹脂組成物を用いて、5×5mmのシリコンチップを基板にマウントし、175℃オーブン中60分(昇温時間30分含む)硬化した。その後、175℃オーブン中4時間の処理をし、吸湿処理(85℃、85%、72時間)後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時のダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップである。
(弾性率)
実施例および比較例の各樹脂組成物について、4×20×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件150℃30分)、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードでの測定を行った。測定条件は以下の通りである。
測定温度:−100〜300℃
昇温速度:5℃/分
周波数:10Hz
荷重:100mN
−50℃における貯蔵弾性率が10000MPa以下であり、かつ、250℃における貯蔵弾性率が700MPa以下の場合を合格とした。弾性率の単位はMPaである。結果を表1に示す。
(耐リフロー性1)
実施例および比較例の各樹脂組成物(樹脂組成物作製後すぐのもの)を用いて、下記の耐リフロー評価に関して記載する。モールド・アレイ・パッケージング方式によるボール・グリッド・アレイ (以下、MAPBGAという)(ボディサイズ:10×12mm、PKG厚み :1.0mm、基板:ビスマレイミドトリアジン樹脂製、厚み:0.3mm)を用いて基板とシリコンチップを175℃60分間硬化し接着した。さらに、封止材料(スミコンEME−G760L、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、半導体装置を作製した。この半導体装置を用いて、60℃、相対湿度60%、120時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。処理後の半導体装置を超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。チップの面積に対する剥離面積の割合が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。結果を表1に示す。
半導体装置:MAPBGA(10×12mm)
チップサイズ:7×7mm
樹脂組成物の硬化条件:オーブン中175℃、60分
(耐リフロー性2)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(10cc)を25℃に調整した恒温槽内でシリンジの先が下になるように48時間保管した後に使用した以外は耐リフロー性1と同様に剥離の程度を測定した。チップの面積に対する剥離面積の割合が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。結果を表1に示す。
本発明の樹脂組成物は、作業性、室温での保存性に優れ、かつ硬化物の弾性率が低く低応力性に優れており、接着特性、リフロー剥離耐性が良好であるため、半導体用ダイアタッチペーストまたは、放熱部材接着用材料として使用することができる。

Claims (8)

  1. 金属酸化物(A)、水酸基を有する化合物(B)、および低応力剤(C)、および熱硬化性樹脂(D)を含有する樹脂組成物であって、前記金属酸化物(A)がIR粉体拡散反射法における3720cm−1以上3770cm−1未満の赤外線波長領域に生じるピーク面積値が0.1(Acm−1)以上2.0(Acm−1)未満であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記金属酸化物が半金属元素と酸素原子とからなる金属酸化物である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 半金属元素と酸素原子からなる金属酸化物(A)において樹脂組成物全体を100重量部としたときの割合が、20重量部以上80重量部未満である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 前記金属酸化物(A)が二酸化珪素である請求項2記載の樹脂組成物。
  5. 低応力剤(C)がブタジエンの重合体もしくは、共重合体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物
  6. 前記水酸基を有する化合物(B)が、アクリレート基または、メタアクリレート基を有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物
  7. 前記熱硬化性樹脂(D)が、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合性のアクリル樹脂、マレイミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて作製した半導体装置。
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