JP5617179B2 - 被膜付電線の絶縁破壊試験装置及び絶縁破壊試験方法 - Google Patents

被膜付電線の絶縁破壊試験装置及び絶縁破壊試験方法 Download PDF

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Description

本発明は、被膜付電線における絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する絶縁破壊試験装置及び絶縁破壊試験方法に関する。
金属導体に対して電気絶縁性の絶縁被膜を設けてなる被膜付電線に対して、絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する方法としては、例えば、JIS C3003に規定されたエナメル線試験方法がある。この試験方法においては、グリセリン液中に浸漬させた電線試料の絶縁破壊電圧を測定するグリセリン法と、2つに撚り合わせた状態の電線試料の絶縁破壊電圧を測定する2個撚り法とがある。
グリセリン法においては、電線試料の中間部を、プラス電極と導通するグリセリン溶液中に浸漬させ、電線試料の一端部をマイナス電極に導通させて、一対の電極間に500V/secの昇圧速度で、電線試料における絶縁被膜が破壊されるまで電圧を印加する。また、電線試料の一端部における絶縁被膜を、専用工具にて10〜15mm除去し、この被膜剥離部位の金属導体に接続クリップを接続してマイナス電極と導通させている。2個撚り法においては、2つに撚り合わせた一対の電線試料間に、上記と同様に電圧を印加している。
また、例えば、特許文献1の被覆電線用絶縁被膜劣化診断装置においては、被覆電線の絶縁被膜の劣化状態を非破壊で診断する際に、被覆電線と、この被覆電線を覆うようにして装着した測定用プローブとの間に、所定周波数領域の電圧信号を印加し、このときの電流値と位相とを測定する。そして、測定した周波数特性のパターンから劣化の度合いを診断している。
特開平8−211115号公報
しかしながら、上記グリセリン法においては、電線試料の一端部における金属導体の部分及び接続クリップが空気中に露出した状態で、絶縁破壊される電圧を測定している。そのため、この露出した金属導体の部分及び接続クリップから電線試料の絶縁被膜の表面へ漏れ電流が流れて蓄積され、電線試料の絶縁被膜の表面において、グリセリン液中のプラス電極と短絡して導通してしまうおそれがある。また、上記グリセリン法においては、電線試料と接続クリップとの接触抵抗のばらつきにより、測定した絶縁破壊電圧の値にばらつきが生ずるおそれがある。従って、絶縁破壊電圧を正確に測定するためには十分ではない。
また、特許文献1においては、一方の測定用ケーブルを被覆電線の電線導体に接続しており、この露出する電線導体の部分から漏れ電流が流れ、測定用プローブを介して他方の測定用プローブに短絡してしまうおそれがある。そのため、特許文献1によっても、絶縁破壊電圧を正確に測定するためには十分ではない。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、被膜付電線の電極接続端部からの漏れ電流の発生を抑制して、被膜付電線における絶縁被膜の絶縁破壊電圧を正確に測定することができる被膜付電線の絶縁破壊試験装置及び絶縁破壊試験方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、金属導体に対して電気絶縁性の絶縁被膜を設けてなる被膜付電線に対して、上記絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する絶縁破壊試験装置であって、
一対の電極間に電圧を印加する印加手段と、
該印加手段によって印加する電圧を測定する測定手段と、
上記被膜付電線の両端部を除く中間部を浸漬させるための電解液を貯留すると共に、一方の上記電極を上記電解液中に配置してなる電解液容器と、
上記被膜付電線の一端部を浸漬させるための絶縁液を貯留すると共に、他方の上記電極を上記絶縁液中に配置してなる絶縁液容器とを有しており、
上記絶縁液容器の上記絶縁液中には、導電性を有する複数の金属球が浸漬してあり、
上記被膜付電線の中間部を上記電解液容器の上記電解液中に配置し、上記被膜付電線の一端部を、上記絶縁液容器の上記絶縁液中に浸漬させた状態で上記複数の金属球を介して上記他方の電極に導通させておき、
上記印加手段によって、上記一対の電極間に印加する電圧を徐々に上昇させ、上記測定手段によって、上記電解液中の上記被膜付電線における上記絶縁被膜が破壊する電圧を絶縁破壊電圧として測定するよう構成したことを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験装置にある(請求項1)。
本発明の被膜付電線の絶縁破壊試験装置は、電線の両端部を絶縁液中に浸漬させた状態で、絶縁破壊電圧の測定を行う。
具体的には、本発明の絶縁破壊試験装置は、上記印加手段、電解液容器、絶縁液容器を有しており、電解液容器の電解液中と絶縁液容器の絶縁液中にはそれぞれ印加手段によって電圧を印加するための電極が配置してある。そして、絶縁破壊電圧の測定を行うに当たっては、被膜付電線の中間部を電解液容器の電解液中に浸漬させ、被膜付電線の一端部(電極接続端部)を絶縁液中に浸漬させる。
被膜付電線の中間部は、その金属導体が、絶縁被膜を介して一方の電極に導通された電解液と絶縁されている状態を形成し、被膜付電線の一端部は、絶縁液容器の絶縁液中に浸漬させた状態で他方の電極に導通させておく。この状態で、印加手段によって、一対の電極間に印加する電圧を徐々に上昇させ、測定手段によって、電解液中の被膜付電線における絶縁被膜が破壊する電圧を絶縁破壊電圧として測定する。
このとき、本発明の被膜付電線の一端部は絶縁液中に浸漬されており、被膜付電線の両端部において露出する金属導体の部分から、被膜付電線の中間部における絶縁被膜の表面へ漏れ電流が流れて蓄積されてしまうことを抑制することができる。
それ故、本発明の被膜付電線の絶縁破壊試験装置によれば、被膜付電線の一端部(電極接続端部)からの漏れ電流の発生を抑制して、被膜付電線における絶縁被膜の絶縁破壊電圧を正確に測定することができる。
第2の発明は、金属導体に対して電気絶縁性の絶縁被膜を設けてなる被膜付電線に対して、上記絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する絶縁破壊試験方法であって、
上記被膜付電線の中間部を、一方の電極を配置した電解液容器の電解液中に配置し、上記被膜付電線の一端部を、他方の電極を配置した絶縁液容器の絶縁液中に浸漬させた状態で、該絶縁液中に浸漬された導電性を有する複数の金属球を介して上記他方の電極に導通させておき、
上記一対の電極間に印加する電圧を徐々に上昇させ、上記電解液中の上記被膜付電線における上記絶縁被膜が破壊する電圧を絶縁破壊電圧として測定することを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験方法にある(請求項5)。
本発明の被膜付電線の絶縁破壊試験方法も、電線の両端部を絶縁液中に浸漬させた状態で、絶縁破壊電圧の測定を行う。
従って、本発明の被膜付電線の絶縁破壊試験方法によれば、上記絶縁破壊試験装置の場合と同様に、被膜付電線の一端部(電極接続端部)からの漏れ電流の発生を抑制して、被膜付電線における絶縁被膜の絶縁破壊電圧を正確に測定することができる。
実施例における、被膜付電線の絶縁破壊試験装置を概略的に示す説明図。 実施例における、絶縁液容器内に浸漬させた被膜付電線の一端部の周辺を示す説明図。 実施例における、絶縁液容器内に浸漬させた他の被膜付電線の一端部の周辺を示す説明図。 確認試験における発明品について、横軸に時間をとり、縦軸に印加電圧値及び漏れ電流値をとって、被膜付電線における絶縁破壊電圧を示すグラフ。 確認試験における比較品について、横軸に時間をとり、縦軸に印加電圧値及び漏れ電流値をとって、被膜付電線における絶縁破壊電圧を示すグラフ。 確認試験における発明品及び比較品について、被膜付電線の絶縁被膜における絶縁破壊電圧の平均値の比較を示すグラフ。
上述した第1、第2の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
第1、第2の発明において、上記絶縁破壊試験装置又は絶縁破壊試験方法においては、上記被膜付電線の他端部を、上記絶縁液容器の上記絶縁液中又は他の容器の絶縁液中に浸漬させた状態で、上記絶縁破壊電圧を測定することが好ましい(請求項)。
この場合には、被膜付導体の他端部からの漏れ電流の発生を抑制することができる。
また、上記絶縁液容器の上記絶縁液中には、導電性を有する複数の金属球を浸漬させ、上記被膜付電線の一端部は、上記複数の金属球を介して上記他方の電極に導通されるよう構成している
これにより、絶縁液容器内の他方の電極に対して、複数の金属球を介して被膜付電線の一端部を、極めて簡単に導通させることができる。そのため、被膜付電線の一端部と一方の電極との間に、導通不良が発生することを確実に防止することができる。また、被膜付電線の一端部と他方の電極との接続部分における接触抵抗にばらつきが生じることを抑制することができ、上記絶縁破壊電圧の値にばらつきが生じることを抑制することができる。
また、上記金属球は、黄銅から構成すると共に、その直径を1〜5mmの範囲内にすることが好ましい(請求項)。
この場合には、複数の金属球により、被膜付電線の一端部と一方の電極との導通状態をより確実に維持することができる。
また、上記被膜付電線の一端部及び他端部を、上記絶縁液中に50mm以上浸漬した状態で、上記絶縁破壊電圧を測定するよう構成することが好ましい(請求項)。
この場合には、被膜付電線の一端部及び他端部を絶縁液中に十分に浸漬しておくことができ、被膜付電線の両端部から漏れ電流が発生することをより効果的に抑制することができる。
以下に、本発明の被膜付電線の絶縁破壊試験装置及び絶縁破壊試験方法にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の絶縁破壊試験装置1は、図1、図2に示すごとく、金属導体81に対して電気絶縁性の絶縁被膜82を設けてなる被膜付電線8に対して、絶縁被膜82の絶縁破壊電圧を測定するものである。
絶縁破壊試験装置1は、一対の電極21、22間に電圧を印加する印加手段2と、印加手段2によって印加する電圧を測定する測定手段3と、被膜付電線8の両端部801、802を除く中間部803を浸漬させるための電解液41を貯留すると共に、一方の電極21を電解液41中に配置してなる電解液容器4と、被膜付電線8の一端部801を浸漬させるための絶縁液51を貯留すると共に、他方の電極22を絶縁液51中に配置してなる絶縁液容器5とを有している。
絶縁破壊電圧を測定するに当たっては、絶縁破壊試験装置1においては、被膜付電線8の中間部803を電解液容器4の電解液41中に配置し、被膜付電線8の一端部801を、絶縁液容器5の絶縁液51中に浸漬させた状態で他方の電極22に導通させ、かつ被膜付電線8の他端部802を、絶縁液51を貯留する他の絶縁液容器50の絶縁液51中に浸漬させておく。そして、絶縁破壊試験装置1は、印加手段2によって、一対の電極21、22間に印加する電圧を徐々に上昇させ、測定手段3によって、電解液41中の被膜付電線8における絶縁被膜82が破壊する電圧を絶縁破壊電圧として測定するよう構成してある。
以下に、本例の被膜付電線8の絶縁破壊試験装置1及び絶縁破壊試験方法につき、図1〜図3を参照して詳説する。
本例の被膜付電線8は、モータ、ジェネレータ、モータジェネレータ等の回転電機に用いるマグネットワイヤであり、銅材料からなる金属導体81に対し、種々の樹脂による絶縁被膜82を被覆してなるエナメル線である。
図1に示すごとく、電解液容器4の内側底部には、一方の電極21が配置してある。電解液容器4には、被膜付電線8の中間部803を浸漬するために十分な量の電解液41が貯留してある。
本例の電解液容器4に貯留する電解液41は、電気伝導性を有するものであり、グリセリンと含塩水とを混合してなるものである。この電解液41は、グリセリンと飽和含塩水とを、85対15の割合で混合させたものとすることができる。
絶縁液容器5及び他の絶縁液容器50には、被膜付電線8の一端部801及び他端部802を十分に絶縁液51中に浸漬させるための絶縁液51が貯留してある。また、他の絶縁液容器50に貯留する絶縁液51は、絶縁液容器5に貯留するものと同じにした。
本例の絶縁液容器5及び他の絶縁液容器50に貯留する絶縁液51は、電気絶縁性を有するものであり、シリコーン(ケイ素)を含むシリコン絶縁液51、フッ素系不活性液、超電解水等とすることができる。
図1に示すごとく、本例の印加手段2は、一対の電極21、22間に交流電圧を印加するものであり、印加する交流電圧を適宜調整可能にしたものである。なお、印加手段2は、一対の電極21、22間に直流電圧を印加するものとし、印加する直流電圧を適宜調整可能にすることもできる。この場合、電解液容器4内の一方の電極21をプラス側電極とし、絶縁液容器5内の他方の電極22をマイナス側電極とすることができる。
図2に示すごとく、本例の絶縁液容器5の絶縁液51中には、導電性を有する複数(多数)の金属球52が浸漬してある。そして、本例の被膜付電線8の一端部801は、複数の金属球52を介して他方の電極22に導通される。
本例の金属球52は、略球状に形成した黄銅から構成してあり、各金属球52の直径は、1〜5mmの範囲内にしてある。本例の絶縁液容器5の内側底部には、他方の電極22が配置してある。絶縁液容器5の絶縁液51中においては、複数の金属球52が他方の電極22に接触した状態にある。
金属球52としては、銀、金、銅等を用いることもできる。ただし、銀、金は、導電性に優れるが、高価であり、銅は、導電性に優れるが、錆びる性質がある。従って、安価で錆び難く、かつ導電性に優れた黄銅(真ちゅう)を用いることが好ましい。
本例の絶縁破壊試験装置1によって絶縁破壊電圧の測定をする被膜付電線8の線径(外径)は、0.3〜4mmとすることができる。
被膜付電線8の線径が大きい場合(例えば、線径が金属球52の粒径よりも大きい場合)には、図2に示すごとく、被膜付電線8の一端部801の絶縁被膜82は剥離せず、切断したままの状態(絶縁被膜82の剥離作業を行っていない状態)で絶縁破壊電圧の測定を行うことができる。この場合には、被膜付電線8の一端部801における金属導体81の端面811を金属球52に接触させることができる。そのため、被膜付電線8の一端部801における絶縁被膜82を剥離させる作業が不要となり、被膜付電線8の絶縁破壊電圧の測定を一層簡単に行うことができる。
上記被膜付電線8の一端部801における絶縁被膜82の剥離作業を不要にする効果を得るためには、複数の金属球52の粒径は、絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する被膜付電線の線径に比べて、小さくすることが好ましい。
一方、被膜付電線8の線径が小さい場合(例えば、線径が金属球52の粒径よりも小さい場合)には、図3に示すごとく、被膜付電線8の一端部801の絶縁被膜82を剥離させ、金属導体81の外周面812を絶縁液容器5内の複数の金属球52と接触させることができる。
また、被膜付電線8の他端部802は、切断したままの状態(絶縁被膜82の剥離作業を行っていない状態)で、他の絶縁液容器50内の絶縁液51中に浸漬させることができる。
本例の絶縁破壊試験装置1においては、本例の被膜付電線8の一端部801及び他端部802を、それぞれ絶縁液容器5内の絶縁液51又は他の絶縁液容器50内の絶縁液51中に、50mm以上浸漬させた状態で、絶縁破壊電圧を測定する。なお、被膜付電線8の一端部801及び他端部802を絶縁液51中に浸漬させる長さは、例えば、50〜100mmの範囲内とすることができる。
本例の被膜付電線8の絶縁破壊試験方法においては、図1に示すごとく、電線の両端部801、802を絶縁液51中に浸漬させた状態で、絶縁破壊電圧の測定を行う。本例の絶縁破壊試験方法を行うに際しては、被膜付電線8の中間部803は、その金属導体81が、絶縁被膜82を介して一方の電極21に導通された電解液41と絶縁されている状態を形成する。また、被膜付電線8の一端部801は、絶縁液容器5の絶縁液51中に浸漬させた状態で他方の電極22に複数の金属球52を介して導通させておく。また、被膜付電線8の他端部802は、絶縁液容器5の絶縁液51中に浸漬させておく。
この浸漬を行う際には、被膜付電線8の一端部801は、作業者が絶縁液容器5の中に入れるだけで、複数の金属球52を介して他方の電極22に導通させることができる。これにより、他方の電極22に対して、複数の金属球52を介して被膜付電線8の一端部801を極めて簡単に導通させることができる。そのため、被膜付電線8の一端部801と一方の電極21との間に、導通不良が発生することを確実に防止することができる。また、被膜付電線8の一端部801と他方の電極22との接続部分における接触抵抗にばらつきが生じることを抑制することができ、測定する絶縁破壊電圧の値にばらつきが生じることを抑制することができる。
そして、図1に示すごとく、上記各浸漬状態において、印加手段2によって、一対の電極21、22間に電圧を印加し、この印加する電圧を測定手段3によって測定する。また、印加手段2によって一対の電極21、22間に印加する電圧を徐々に上昇させ、測定手段3によって電解液41中の被膜付電線8における絶縁被膜82が破壊する電圧を、絶縁破壊電圧として測定する。
このとき、本例の被膜付電線8の両端部801、802は絶縁液51中に浸漬されており、被膜付電線8の両端部801、802において露出する金属導体81の部分から、被膜付電線8の中間部803における絶縁被膜82の表面へ漏れ電流が流れて蓄積されてしまうことを抑制することができる。
それ故、本例の被膜付電線8の絶縁破壊試験装置1及び絶縁破壊試験方法によれば、被膜付電線8の両端部801、802からの漏れ電流の発生を抑制して、被膜付電線8における絶縁被膜82の絶縁破壊電圧を正確に測定することができる。
また、本例においては、被膜付電線8の絶縁破壊電圧を正確に測定することができるため、二次的効果として、被膜付電線8の絶縁被膜82の厚みを小さくすることができる。すなわち、絶縁破壊電圧を正確に測定することにより、被膜付電線8の本来の絶縁破壊電圧を求めることができ、被膜付電線8に要求される絶縁破壊電圧の仕様を満たし易くなる。
そのため、被膜付電線8を、モータ等の回転電機のステータ用コイルとして用いる場合には、従来の被膜付電線8に比べて絶縁被膜82が薄いものを使用することが可能になる。これにより、被膜付電線8の単位長さ当たりの絶縁被膜82の使用量を低減させることができ、コストダウンを図ることができる。また、被膜付電線8の外径を小さくすることが可能になり、ステータコアのスロット内に、より多くの被膜付電線8を配置することが可能になる。これにより、回転電機の小形・軽量化及び高性能化を図ることが可能になる。
(確認試験)
本確認試験においては、上記実施例に示した絶縁破壊試験装置1を用いて、被膜付電線8における絶縁被膜82の絶縁破壊電圧を測定した。上記被膜付電線8の両端部801、802を絶縁液51中に浸漬させた場合(発明品)と、上記被膜付電線8の両端部801、802を空気中に曝した場合(比較品)とについて、絶縁破壊試験を行った。
試験条件としては、線径が0.80mmの被膜付電線8としてのマグネットワイヤ(エナメル線)に対し、上記印加手段2により、電圧を上昇させる速度(昇圧速度)を500V/secとして一対の電極21、22間に交流電圧を印加した。そして、絶縁被膜82が破壊されたと判断するカットオフ電流値を15mAとして、上記測定手段3によって測定する電流が15mA以上になったときには(被膜付電線8に15mA以上の漏れ電流が流れたとき)には、被膜付電線8が絶縁破壊されたとして、このときの電圧値を絶縁破壊電圧とした。
発明品及び比較品について、絶縁破壊電圧の測定を行った結果の一例を、図4、図5に示す。
各図は、横軸に時間をとり、縦軸に印加手段2による印加電圧値V(kV)及び測定手段3による漏れ電流値I(mA)をとって、被膜付電線8における絶縁破壊電圧V’(kV)を示すグラフである。
また、図6には、発明品及び比較品について10回試験を行ったときの被膜付電線8における絶縁被膜82の絶縁破壊電圧V’の平均値の比較を示すグラフである。比較品の場合には、絶縁破壊電圧V’(kV)の平均値が10.95kVとなり、発明品の場合には、絶縁破壊電圧V’の平均値が12.02kVとなった。この結果より、比較品(被膜付電線8の両端部801、802を空気中に曝した構成)に比べて、発明品(被膜付電線8の両端部801、802を絶縁液51中に浸漬させた構成)によれば、被膜付電線8における絶縁被膜82の絶縁破壊電圧V’をより正確に測定できることがわかった。
1 絶縁破壊試験装置
2 印加手段
21 一方の電極
22 他方の電極
3 測定手段
4 電解液容器
41 電解液
5 絶縁液容器
51 絶縁液
52 金属球
8 被膜付電線
81 金属導体
82 絶縁被膜
801 一端部
802 他端部
803 中間部

Claims (6)

  1. 金属導体に対して電気絶縁性の絶縁被膜を設けてなる被膜付電線に対して、上記絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する絶縁破壊試験装置であって、
    一対の電極間に電圧を印加する印加手段と、
    該印加手段によって印加する電圧を測定する測定手段と、
    上記被膜付電線の両端部を除く中間部を浸漬させるための電解液を貯留すると共に、一方の上記電極を上記電解液中に配置してなる電解液容器と、
    上記被膜付電線の一端部を浸漬させるための絶縁液を貯留すると共に、他方の上記電極を上記絶縁液中に配置してなる絶縁液容器とを有しており、
    上記絶縁液容器の上記絶縁液中には、導電性を有する複数の金属球が浸漬してあり、
    上記被膜付電線の中間部を上記電解液容器の上記電解液中に配置し、上記被膜付電線の一端部を、上記絶縁液容器の上記絶縁液中に浸漬させた状態で上記複数の金属球を介して上記他方の電極に導通させておき、
    上記印加手段によって、上記一対の電極間に印加する電圧を徐々に上昇させ、上記測定手段によって、上記電解液中の上記被膜付電線における上記絶縁被膜が破壊する電圧を絶縁破壊電圧として測定するよう構成したことを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験装置。
  2. 請求項1において、上記金属球は、黄銅からなると共に、その直径が1〜5mmの範囲内であることを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験装置。
  3. 請求項1又は2において、上記被膜付電線の他端部を、上記絶縁液容器の上記絶縁液中又は他の容器の絶縁液中に浸漬させた状態で、上記絶縁破壊電圧を測定するよう構成したことを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験装置。
  4. 請求項3において、上記被膜付電線の一端部及び他端部を、上記絶縁液中に50mm以上浸漬した状態で、上記絶縁破壊電圧を測定するよう構成したことを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験装置。
  5. 金属導体に対して電気絶縁性の絶縁被膜を設けてなる被膜付電線に対して、上記絶縁被膜の絶縁破壊電圧を測定する絶縁破壊試験方法であって、
    上記被膜付電線の中間部を、一方の電極を配置した電解液容器の電解液中に配置し、上記被膜付電線の一端部を、他方の電極を配置した絶縁液容器の絶縁液中に浸漬させた状態で、該絶縁液中に浸漬された導電性を有する複数の金属球を介して上記他方の電極に導通させておき、
    上記一対の電極間に印加する電圧を徐々に上昇させ、上記電解液中の上記被膜付電線における上記絶縁被膜が破壊する電圧を絶縁破壊電圧として測定することを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験方法。
  6. 請求項5において、上記被膜付電線の他端部を、上記絶縁液容器の上記絶縁液中又は他の容器の絶縁液中に浸漬させた状態で、上記絶縁破壊電圧を測定することを特徴とする被膜付電線の絶縁破壊試験方法。
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