[実施形態のパチンコ遊技機の全体構成の概略説明]
本発明の一実施形態のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機とする)1を図面に基づいて説明すると、実施形態の遊技機1は、図1に示すように、外枠(機枠)2に、遊技盤12を設けた中枠(内枠)11と、中枠11の前面側に位置してガラス扉4を設けたガラス枠ユニット(前面扉ユニット)3と、を、開き可能に取り付けて構成されている。ガラス枠ユニット3には、下部側に、球受け部6を設けた皿ユニット部5が設けられている。皿ユニット部5には、遊技球を遊技盤12の遊技領域13に打ち出すために操作するハンドル7や皿球抜きボタン8、通路球抜きボタン9、演出ボタン10が配設されている。
遊技盤12は、図2〜4に示すように、盤本体構成部材群70と、盤本体構成部材群70に取り付けられる遊技構成部材群20と、を備えて構成されている。
盤本体構成部材群70は、図4,17に示すように、前面側を遊技領域13とする四角環状の前側部材(遊技盤本体)80、前側部材80の後面(背面)下部に接合される加飾シート81、四角環状のスペーサ83、スペーサ83の後方に配置される四角環状の装飾部材85、装飾部材85の後方に配置される取付ベース87、及び、取付ベース87の後方に配置される支持部材89、を備えて構成されている。前側部材80は、前面側に釘43等を配設する遊技盤本体を構成するもので、後方の加飾シート81や装飾部材85の装飾図柄や装飾体を前方側から目視できるように、透明なアクリル等の合成樹脂から形成されている。また、取付ベース87も、内周縁部87a付近において、後述するリング状回転体410によって移送する遊技球を前方側から目視できるように、透明なアクリル等の合成樹脂から形成されている。これらの前側部材80、加飾シート81、スペーサ83、装飾部材85、取付ベース87、及び、支持部材89は、ねじや接着剤等を利用して、相互に結合されるとともに、遊技構成部材群20を取り付けた状態で、中枠11に取り付けられることとなる。なお、この盤本体構成部材群70には、後面側に、画像表示装置40(図1〜3参照)や図示しないメイン制御基板やサブ制御基板等も取り付けられることとなる。
遊技構成部材群20は、図2,4に示すように、遊技領域13の周囲を区画して設定する規制壁21、ハンドル7の操作により打ち出される遊技球を遊技領域13に誘導する誘導レール22の他、釘43、風車44、ゲート45、普通入賞装置46、第1始動入賞装置48、第2始動入賞装置(電チュー)50、第1大入賞装置(アタッカー)53、遊技領域13の中央に設けられるセンター役物25、及び、規制部材66,67,68、を備えて構成されている。センター役物25は、実施形態の場合、第2大入賞装置30を備えて構成され、中央に、画像表示装置40の液晶からなる表示画面41が配設されている。
また、遊技盤12の右上隅には、図2に示すように、第1特別図柄表示器56、第1特別図柄保留ランプ57、第2特別図柄表示器58、第2特別図柄保留ランプ59、普通図柄表示器60、及び、普通図柄保留ランプ61が配設されている。これらの第1特別図柄表示器56等は、実施形態の場合、遊技領域13の右上隅の領域を区画して設定するように、遊技盤12の前面に取り付けられる規制部材68に配設されて、遊技盤12に取り付けられている。なお、実施形態の場合、遊技盤12の左下隅と右下隅にも、遊技領域13の左右の下隅を区画して設定するように、遊技盤12の前面に取り付けられる規制部材66,67が、配設されている。これらの規制部材66〜68も、遊技構成部材群20の一部を構成している。
遊技領域13での遊技球の入賞する入賞口としては、図3に示すように、普通入賞装置46の普通入賞口47、第1始動入賞装置48の第1始動口49、第2始動入賞装置50の第2始動口51、第1大入賞装置53の第1大入賞口54、及び、第2大入賞装置30の第2大入賞口31、があり、それらへの入賞時には、所定数の賞球を得ることができる。さらに、第2大入賞装置30には、図5,6に示すように、第2大入賞口31からの遊技球の入賞により大当たり(V入賞)となる二つの特定領域(第1V入賞口・第2V入賞口)32,33が、配設されている。
第1始動入賞装置48の第1始動口49に入賞すれば、遊技盤12の背面側に配置された図示しないメイン制御基板が、大当たりと小当たりとの抽選を行い、大当たりとなれば、大当たり終了後の時短の有無の抽選とラウンド数の抽選とを行い、ラウンド数の抽選結果に応じて、第1大入賞装置53の第1大入賞口54を、所定の回数分や時間分、開口することとなり、小当たりとなれば、特定領域32,33への入賞による大当たりを前提とした時短の有無の抽選と、開口時の回数や時間の抽選と、を行い、開口回数等の抽選結果に応じて、後述する開閉部材(羽根)190を回動させて、第2大入賞装置30の第2大入賞口31を、開口することとなる。
第2始動入賞装置50の第2始動口51は、ゲート45の遊技球の通過に伴うメイン制御基板による抽選により、所定の回数分や時間分、開くこととなる。第2始動口51に遊技球が入賞すれば、メイン制御基板の抽選により、大当たり、小当たり、及び、外れの抽選を行い、大当たりとなれば、既述したように、時短の有無の抽選とラウンド数の抽選とを行い、ラウンド数の抽選結果に応じて、第1大入賞装置53の第1大入賞口54を、所定の回数分や時間分、開かせることとなり、小当たりとなれば、既述したように、特定領域32,33への入賞の大当たりを前提とした時短の有無の抽選とともに、開口時の回数や時間の抽選と、を行い、その抽選結果に応じて、開閉部材190を回動させて、第2大入賞装置30の第2大入賞口31を、開口することとなる。なお、この場合の第2始動入賞装置50への入賞による小当たりでは、第1始動入賞装置28への入賞時の小当たりに比べて、第2大入賞口65の開口時の時間若しくは回数の少なくとも一方は、増やすように設定されている。
第2大入賞装置30では、既述したように、第1始動入賞装置48や第2始動入賞装置50への入賞による抽選での小当たり時、開閉部材190を回動させて、第2大入賞口31が開口される。そして、第2大入賞口31に入賞した遊技球が二つの特定領域(第1,2V入賞口)32,33のいずれかに入れば、大当たり(V入賞)となり、第1大入賞装置53の第1大入賞口54を開口させた大当たり遊技に移行できる。
さらに、第1始動口49や第2始動口51への入賞時の抽選による大当たりの遊技終了後、あるいは、第2V入賞口33や第1V入賞口32への入賞による大当たりの遊技終了後においては、大当たりや小当たりの抽選時に時短付きであれば、遊技球のゲート45の通過による抽選の当たりにより、第2始動入賞装置50の第2始動口51を、所定の回数分や時間分、開口させる時短遊技状態に移行し、時短付きでなければ、通常遊技状態に移行することとなる。
普通図柄表示器60では、遊技球のゲート45の通過に伴う抽選の変動停止が表示され、その抽選を待つゲート45通過済みの遊技球の数が、最大4個分まで、普通図柄保留ランプ61に表示される。また、第1特別図柄表示器56では、第1始動入賞装置48への入賞に伴う抽選の変動停止が、画像表示装置40の表示画面41での演出とともに、表示され、その抽選を待つ第1始動入賞装置48への入賞済みの遊技球の数が、最大4個分まで、第1特別図柄保留ランプ57に表示される。さらに、第2特別図柄表示器58では、第2始動入賞装置50への入賞に伴う抽選の変動停止が、画像表示装置40の表示画面41での演出とともに、表示され、その抽選を待つ第2始動入賞装置50へ入賞済みの遊技球の数が、最大4個分まで、第2特別図柄保留ランプ59に表示される。
画像表示装置40の表示画面41に表示される演出は、遊技機1の背面側に配設された図示しないサブ制御基板の制御によりなされ、サブ制御基板は、図示しないメイン制御基板の上記の抽選やその抽選結果に基づいて、メイン制御基板からの作動信号により、ランプ63やスピーカ64(図1参照)への作動信号とともに、所定の演出を行うように、画像表示装置40に所定の作動信号を出力する。実施形態の場合、サブ制御基板は、第2大入賞装置30への入賞時と、さらに、第2大入賞装置30内の後述するスペシャルルートSRへの遊技球の振り分け時にも、それらをセンシングしたメイン制御基板からの信号に基づいて、ランプ63やスピーカ64への作動信号とともに、所定の演出を行うように、画像表示装置40に所定の作動信号を出力する。また、サブ制御基板は、画像表示装置40での予告演出やリーチ演出時、適宜、遊技者に演出ボタン10を押圧操作させる演出も併せて行い、押圧操作時に、対応する所定の演出を行うように、画像表示装置40やランプ63等に所定の作動信号を出力する。
[第2大入賞装置の説明]
第2大入賞装置30は、図5に示すように、画像表示装置40とともに、センター役物25を構成するものであり、実施形態の場合、図4に示すように、開閉部材190や振り分け部材260を有したセンター飾り組付体100と、センター飾り組付体100の後方側に配置されるベース側構造体300と、を備えて構成されている。ベース側構造体300は、図17に示すように、遊技盤12の盤本体構成部材群70における取付ベース87の内周縁部87aからなるカバーパネル500、振り分け部材260を揺動させる振り分け揺動機構310、遊技球を移送する移送機構400、ノーマルルート(以下、適宜、Nルートと略す場合がある)振り分け機構700、及び、スペシャルルート(以下、適宜、Sルートと略す場合がある)振り分け機構600、を備えて構成されている。
なお、この第2大入賞装置30では、図6に示すように、二つの特定領域(第1V入賞口、第2V入賞口)32,33にそれぞれ入賞する二つのルート(ノーマルルートNRとスペシャルルートSR)が形成されている。ノーマルルート(Nルート)NRは、対応する第1V入賞口32へ入賞する可能性はあるものの、若干低い低確率(NルートNR内に入った遊技球の約1/23程度)で入賞する低入賞率ルートである。スペシャルルート(Sルート)SRは、対応する第2V入賞口33に対して、高確率(SルートSR内に入った遊技球の1/3)で入賞し易い高入賞率ルートである。そして、第2大入賞口31から入賞した遊技球は、振り分け機構250の左右に揺動する振り分け部材260により、NルートNRとSルートSRとの二つのいずれかに振り分けられ、第1V入賞口32や第2V入賞口33に入賞するか、あるいは、外れ排出口784,785,786,614(図7参照)から排出されることとなる。
また、実施形態の場合、後述する振り分け機構250の構成によって、遊技球がSルートSRよりNルートNRへ振り分けられる確率を高くするように、設定されている。そのため、第2大入賞装置30では、上部の第2大入賞口31から入賞した遊技球Bが左右に振り分けられる二つの分岐ルートに関し、NルートNRが、遊技球の振り分けられる確率の高い第1分岐ルートとし、SルートSRが、遊技球の振り分けられる確率の低い第2分岐ルートとすることもできる。
[第2大入賞装置の構成部材であるセンター飾り組付体の説明]
センター飾り組付体100は、図14〜16に示すように、本体枠材110、底板120、流下路形成部材130、上側仕切材140、下側仕切材150、上側後上カバー材160、上側後下カバー材170、上側背面部材175、装飾材136,180,181,182、開閉部材190、開閉駆動機構200、及び、振り分け部材260、を備えて構成されている。
なお、センター飾り組付体100では、遊技盤12の盤本体構成部材群70の前側部材80の前面80aから、遊技球Bの略直径寸法BD分、前方側に突出する部材は、つぎのものがある(図15,16,29参照)。まず、本体枠材110では、後述するフード部111aの前縁111af、振り分け転動路部114、Sルート案内路部115、Nルート案内路部116、及び、庇部117a,117bがある。上側仕切材140では、後述する規制壁141b,141cや収納前側部143がある。他に、開閉部材190、流下路形成部材130、装飾材136、さらに、左側装飾材181や右側装飾材182の上端側の庇部181a,182a、振り分け部材260の振り分け案内板280における先端部285等がある。
また、センター飾り組付体100の本体枠材110等の各構成部材は、特に説明しない限り、適宜、ねじ(図符号省略)を利用して、相互に結合されている。
本体枠材110は、図18〜20に示すように、透明なアクリル等の合成樹脂から形成される略円環状として、上部側の略逆U字状の上側カバー部111と、下部前面側の上下方向に沿って配置される略半円板状の前カバーパネル部117と、を備えて構成されている。なお、本体枠材110は、上側カバー部111と前カバーパネル部117との外周縁に、盤本体構成部材群70の前側部材80に取り付けるための取付フランジ110a,110cを備えている。これらの取付フランジ110a,110cを、取付孔110b,110dを挿通させるねじ(図示省略)を利用して、前側部材80に取り付ければ、本体枠材110が、センター飾り組付体100ごと、前側部材80に取り付けられることとなる。
前カバーパネル部117には、左右の両縁に、上下方向に沿って前方側に突設されて、センター役物25の周囲の遊技球の後述するステージ610(図7,10参照)上への流入を防止するための庇部117a,117bが、配設されている。また、前カバーパネル部117の後面側の左右の下縁側には、取付フランジ110c,110cの内側に配置される略1/4円弧状として、帯状に後方に突出する左案内壁部118と右案内壁部119とが、配設されている。これらの左案内壁部118と右案内壁部119との上面は、NルートNRの遊技球の転動する流下ルートN2の転動面118a,119aを構成するものである。特に、左案内壁部118の転動面118aは、NルートNRの転動ルートN1からの遊技球Bを転動させるものである(図6,8参照)。また、右案内壁部119の転動面119aは、左案内壁部118の転動面118aを転動してきた遊技球Bが、底板120から後方に転動しなかった際、さらに右方側に転動させて、速度を低下させ、そして、自重により底板120側に反転させるためのものである(図10参照)。各転動面118a,119aには、転動する遊技球Bを減速させるための複数の小さな突条118c,119c(図19,10参照)が、突設されている。
なお、前カバーパネル部117の下縁側の後面には、底板120をねじ止めする取付ボス117cと下側仕切材150をねじ止めする取付ボス117dとが、二つずつ、左右対称的に後方に突設されている。下側仕切材150を取り付ける左右の取付ボス117dは、左案内壁部118と右案内壁部119との相互に接近する端面118b,119b側に、配置されている。さらに、前カバーパネル部117の下縁には、底板120の複数の位置決め突起120fを嵌合させる位置決め孔117eが形成されている。
また、本体枠材110の上側カバー部111は、内側の後部側にかけて配置される上側装飾材180の左右と上方とを覆うフード部111aと、フード部111aの左右の下端付近から左右両側に階段状に膨らんで、前カバーパネル部117の左右の上端に連結される左側部111b及び右側部111cと、を備えて構成されている。フード部111aは、前縁111afを、上側仕切材140の上側パネル部141の前面141aより、開閉部材190の前後方向の略厚さ分、前方に突出させている(図29参照)。フード部111aの上端、あるいは、左側部111bや右側部111cとの上縁側には、取付孔110bを有した既述の取付フランジ110aが、形成されている。
さらに、上側カバー部111には、フード部111aの下方で、左側部111bと右側部111cとを左右で連結するように、棚板部112が配設されるとともに、左右の開閉部材190の回動軸195(図23参照)を支持する軸支部112jが前方へ突出するように配設されている。棚板部112は、振り分け準備室125(図28,29参照)の後側部分となる収納後側部112aを備えて構成され、左右の連結片113,113を介在させて、左側部111bと右側部111cとに、連結されている。
振り分け準備室125は、図28,29,33に示すように、第2大入賞口31に入賞した遊技球Bを、SルートSRとNルートNRとに振り分ける振り分け部材260に対して、極力、鉛直方向に沿って自由落下できるように、遊技球Bの動きを整える部位である。振り分け準備室125には、上端の天井壁125aにおける左右の前縁側に、それぞれ、遊技球を流入させる流入口126,127が配設され、下端の底壁125bの左右の中央側の前縁側に、遊技球Bを落下させる流下口128が開口されている。底壁125bは、上面側の傾斜に関し、左右方向では、左右方向の中央を低くし、また、前後方向でも、前後方向の中央を低くするように、構成されている。さらに、実施形態の場合、振り分け準備室125は、本体枠材110の収納後側部112aと、上側仕切材140の収納前側部143と、から構成されている。
この本体枠材110の収納後側部112aは、図18,28,29に示すように、後端側で上下方向に沿って配設される背面壁部112b、背面壁部112bの上縁側から前方に延びる天井壁部112c、天井壁部112cの左右の縁からそれぞれ下方に延びる側壁部112f,112f、左右の側壁部112f,112fの下縁相互を連結するように背面壁部112bから前方に突出する底壁部112d、を備えて構成されている。背面壁部112bは、振り分け準備室125の背面壁125eを構成するとともに、後面側の左右方向の中央の下縁付近には、軸支部112iが後方へ突設されている。軸支部112iは、振り分け部材260を連結支持する支持ピン290の前端部291を、回動可能に支持する(図29参照)。底壁部112dの左右方向の中央付近の前端は、流下口128の後縁を構成するものである。底壁部112dの前端の左右方向の中央には、凹溝112evを有して前方側に突出する張出案内部112eが、突設されている。凹溝112evは、張出案内部112eの左右方向の中央を、前端まで凹ませて構成されている。張出案内部112eは、振り分け準備室125の底壁125b上を左右両側から中央側に転動してきた遊技球Bを、凹溝112evに入れて凹溝112evの前端から落下させるようにして、流下口128の後縁の左右方向の中央から下方に落下させるものである(図28,33参照)。また、左右の側壁部112f,112fには、背面壁部112bに連なるように、水平方向に沿って延びる三角板状のリブ112g,112gが突設されている。これらのリブ112gは、前方側から転動してくる遊技球Bを、内側端面の転動面112hに転動させて、底壁部112dの左右方向の中央に向けて案内するために、配設されている。
なお、上側仕切材140は、図15,21に示すように、透明なアクリル等の合成樹脂から形成されて、上側装飾材180の下部側前面と、左側装飾材181と右側装飾材182との上部側前面を覆う上側パネル部141(図5参照)と、収納前側部143と、を備えて構成されている。上側パネル部141の左右の下縁側には、上側カバー部111の左右の軸支部112jを挿通させる挿通凹部142,142が形成されている。上側パネル部141の左右の上縁側の前面141aには、本体枠材110のフード部111aの前縁111afの左右の下端から連なるように、長方形板状の規制壁141b,141cが前方に突設されている(図5参照)。また、収納前側部143は、前面壁部144、天井壁部145、底壁部146、側壁部147,147、内側壁148,148、及び、リブ149,149を備えて構成されている(図29参照)。
収納前側部143の天井壁部145は、図12,28,29,33に示すように、上側パネル部141の中央の下縁側から山形状に前方に延びて、収納後側部112aの天井壁部112cとともに、振り分け準備室125の流入口126,127を有した天井壁125a、を構成している。また、天井壁部145は、上面側の左右方向の中央を、最も高い頂部145aとし、頂部145aの左右両側を、転動面145b,145cとして、左右の流入口126,127に遊技球を案内できるように、左右両端側に向けて下がるように傾斜させている。前面壁部144は、天井壁部145の前縁から下方に延びて、振り分け準備室125の前面壁125dを構成している。側壁部147,147は、前面壁部144と連なりつつ、天井壁部145の左右の縁からそれぞれ下方に延び、収納後側部112aの側壁部112fとともに、振り分け準備室125の左右の側壁125c,125cを構成している。底壁部146は、左右の側壁部147,147相互を連結するとともに前面壁部144の下縁側から後方に延びて、収納後側部112aの底壁部112dとともに、振り分け準備室124の流下口128を有した底壁125b、を構成している。底壁部146には、後縁の左右方向の中央に、前方側に凹ませた開口146aを備え、この開口146aが、流下口128を構成している。
収納前側部143の内側壁148,148は、左右の流入口126,127の相互に接近している側の縁付近の下方において、略長方形板状として、前面壁部144から底壁部146に連なるように前後方向に沿って配設されている。リブ149,149は、それぞれ、左右の外側の側壁部147,147と内側の内側壁148との間の前面壁部144の後面から、底壁部146に連なるように、前後方向に沿って、配設されている。これらのリブ149,149は、略三角板状とし、上面側の転動面149aを利用して、流入口126,127から流入してくる遊技球Bを、側壁部147と内側壁148との間から、底壁125bの後縁側に転動させるために、配設されている。
そして、流入口126,127から流入した遊技球Bは、図28に示すように、リブ149,149の転動面149aに案内されて、底壁125bの後縁側に転動し、さらに、リブ112g,112gの転動面112hにより、底壁125bの左右方向の中央側に転動し、張出案内部112eを経て、流下口128の左右方向の中央付近から、直下に、落下することとなる。
なお、上側仕切材140の天井壁部145には、流入口126,127を通過する遊技球を検知可能な第2大入賞口スイッチ(SW)34,35が配設され、そして、これらの第2大入賞口スイッチ(SW)34,35を収納するスイッチ収納部145d,145dは、上側仕切材140の天井壁部145だけでなく、本体枠材110の天井壁部112cにわたるエリアまで、延設されている(図18,21参照)。
また、本体枠材110には、図12,18に示すように、棚板部112の下方に、左右の連結片113の下端付近と連なりつつ、前カバーパネル部117の上端の左右両側を連結するように、山形状の振り分け転動路部114が、配設されている。振り分け転動路部114の上面側は、左右方向の中央を最も高くした頂部114aとして、頂部114aの左右両側を、左右両端側にかけて傾斜して下がる転動面114b,114cとしている。右側の転動面114bは、振り分け部材260により振り分けられた遊技球Bが転動するSルートSRの転動ルートS1となり、左側の転動面114cは、振り分け部材260により振り分けられた遊技球Bが転動するNルートNRの転動ルートN1となる。なお、左右の各転動面114b,114cは、転動する遊技球Bが前縁から落下しないように、後方の後述する下側仕切材150の上横背板部151側に、若干、下がるように、形成されている。
左右の転動面114b,114cの左右両端側には、それぞれ、遊技球Bを潜らせるSルート案内路部115とNルート案内路部116とが、配設されている。Sルート案内路部115には、下側仕切材150のスイッチ収納部151cに収納された通過SW36が後方側から挿入されて、配設されている(図3,7,13参照)。Nルート案内路部116は、図7,18,44に示すように、略円筒状として、上端側の流入口116aを左側の転動面114cの左端側に開口させ、下部側を下方に延ばして、下端の流出口116bを、左案内壁部118の上方で、後方側に向けて、開口させている。
下側仕切材150は、図18〜20に示すように、本体枠材110と同様な透明なアクリル等の合成樹脂から形成されて、本体枠材110の後方に配置される略円環状としている。下側仕切材150は、本体枠材110の振り分け転動路部114の後面側に当設して配置される上横背板部151と、上横背板部151の左右両端付近から略半円環状に連なるように下方に突出する下環状背板部154と、を備えて構成されている。上横背板部151は、振り分け転動路部114の転動面114b,114cを転動する遊技球Bが後方に落下しないように、転動面114b,114cの後縁から上方に突出するように配設されている(図12参照)。振り分け転動路部114の頂部114a付近には、上横背板部151と振り分け部材260の揺動する振り分け案内板280との干渉を防止するように、下方へ凹む凹部151aが形成され、凹部151aの上縁周縁には、後方に突出するフランジ部151bが形成されている。
上横背板部151の右縁には、通過SW36を収納するスイッチ収納部151cが配設され、さらに、その右下方には、上方を開口させて、遊技球Bを後方に転動させるSルート案内樋部152が形成されている(図13参照)。Sルート案内樋部152は、流下路形成部材130とともに、SルートSRの流下ルートS2を構成するものである。この流下ルートS2は、転動ルートS1からの遊技球Bを移送機構400の振り分け共用移送体409(リング状回転体410)に案内するものであり(図60参照)、実施形態の場合、リング状回転体410の後述する球移送室465の回転移動軌跡の前方側で、重なっている(図6参照)。
流下路形成部材130は、図22,60に示すように、SルートSRに振り分けられた遊技球Bが、直ちに、振り分け共用移送体409に流下しないように、配設されている。すなわち、大当たりとなる第2V入賞口33への入賞の確率の高いSルートSRへの遊技球の振り分けを、画像表示装置40による演出によって、一層、遊技者に楽しませるように、画像表示装置40の演出時間を確保するために、流下路形成部材130が、配設されている。この流下路形成部材130は、略水平方向に沿って配設される略長方形板状の転動壁部131と、転動壁部131と直交するように転動壁部131の流入口132から下方に延びる流下筒部133と、を備えて構成されている。転動壁部131は、本体枠材110のSルート案内路部115からの遊技球Bを流下筒部133の流入口132に案内する凹溝状の案内樋部131aを備えている。流下筒部133は、下端の排出口134を遊技球Bの直径寸法BDより僅かに大きな内径寸法とするとともに、流入口132から排出口134までの内周面133aを、排出口134付近で急激に狭めるように、構成されている。この流下筒部133の内周面133aの形状により、流入口132から流入した遊技球Bは、排出口134付近で、渦巻状に内周面133aを転動する状態となり、流下路形成部材130での通過時間を長くすることとなる。そして、排出口134から下方に落下した遊技球Bは、下方のSルート案内樋部152を経て、振り分け共用移送体409に流下する。
なお、流下路形成部材130の前縁には、装飾材136が組み付けられている(図13,15参照)。また、流下路形成部材130の流下筒部133には、補強のためのリブ133bと、Sルート案内樋部152に嵌合される略四角枠状の接続筒部133cとが、配設されている。
下環状背板部154は、本体枠材110の左案内壁部118と右案内壁部119との転動面118a,119aを転動する遊技球Bの後方への落下を防止するNルート案内背板部153を構成するものである(図8,10,48参照)。そのため、下環状背板部154は、図18〜20に示すように、左案内壁部118の後面とその内周側を覆う左側部154aと、右案内壁部119の後面とその内周側を覆う右側部154bと、を備えた半割り円環状に構成されている。そして、下環状背板部154の左右方向の中央、すなわち、左側部154aと右側部154bとの間には、下方に凹む凹部154cが配設され、凹部154cの下縁には、左側部154aと右側部154bとを連結する連結底板部154dが、前方側に突設されている。連結底板部154dの上面側には、本体枠材110の前カバーパネル部117の下端付近の後面に固着される底板120が、配設され、底板120は、連結底板部154dに支持されつつ、前カバーパネル部117の取付ボス117c,117cにねじ止めされている。
なお、底板120は、本体枠材110の前カバーパネル部117における左案内壁部118と右案内壁部119との転動面118a,119aの端面118b,119b相互を連結するように、前カバーパネル部117と下環状背板部154との間に配設されている。この底板120は、後縁側の左右に、堰120d,120dを設け、堰120d,120d間に後方に突出させた案内樋部120cを配設させている。そして、底板120の上面側の遊技球Bの転動面120aは、左右方向の中央付近で案内樋部120c側に連なるように、後方に延びる凹溝120bを設けて構成されている。底板120の後端には、前カバーパネル部117の各取付ボス117cにねじ止めされる取付片部120eが下方に突設されるとともに、底板120の前端面には、左右両縁付近と中央とに、前カバーパネル部117の各位置決め孔117eに嵌合される位置決め突起120fが、配設されている。この底板120では、上面の転動面120aの凹溝120bにより、本体枠材110の左案内壁部118や右案内壁部119の転動面118a,119aから転動してきた遊技球Bを、後方に向けてNルート振り分け機構700側に移送することとなる(図49参照)。
また、この底板120は、転動面120aの寸法精度を確保して、Nルート振り分け機構700の後述する振り分け部材710側の後方へ正確に遊技球Bを転動できるように、大きな形状の本体枠材110や下側仕切材150とは別体として形成し、本体枠材110に組み付けられている。ちなみに、透明なアクリル等の合成樹脂材料からなって大きな略環状の本体枠材110や下側仕切材150では、成形収縮等の歪が生じ易く、薄肉かつ簡便に、振り分け部材710の後述する振り分け案内板720の頂部715側へ転動させる精度のよい遊技球Bの転動面120aを、形成し難いからである。
下環状背板部154の左側部154aにおける上端付近の内周縁には、図19,20に示すように、略上下方向に沿う略長方形板状のNルート案内壁部156が、前方に突設されている。このNルート案内壁部156は、本体枠材110のNルート案内路部116における後向きに開口した流出口116bから流出する遊技球が、ステージ610上に落下することを防止して、左案内壁部118の転動面118a上を転動できるようにするものである。この左案内壁部118を転動するルートは、NルートNRの流下ルートN2を構成して、実施形態の場合、リング状回転体410の後述する球移送室465の回転移動軌跡の前方側で、重なっている(図6参照)。
下環状背板部154の右側部154bの下部側の後面には、図19,20に示すように、略長方形板状のSルート案内リブ部155が、後方に突設されている。このSルート案内リブ部155は、左縁155bを、右縁155aより、若干下方に配置させるとともに、後方に突出させている。さらに、Sルート案内リブ部155は、後述するカバーパネル500のSルート用カバー部510における流出用樋部543の転動壁545の上方で、かつ、後端面155cを、転動壁545の前縁545a側に接近して、配設されている(図11,41,42参照)。そして、このSルート案内リブ部155の後端面155cは、振り分け共用移送体409により移送されてSルート用流出路部540から流出して転動壁545上を転動する遊技球Bを、右縁155a側から左縁155b側に当設させつつ案内して、Sルート振り分け機構600のステージ610に移送することとなる。
下環状背板部154の左側部154aと右側部154bとの下縁付近には、本体枠材110の前カバーパネル部117の取付ボス117d,117dにねじ止めされる取付フランジ157が、形成されるとともに、各取付フランジ157の後面には、位置決め突起158が後方に突設されている。これらの2本の位置決め突起158は、カバーパネル500の各位置決め孔501(図9,38参照)に挿入される。
センター飾り組付体100の上側後上カバー材160は、図14,16に示すように、上側装飾材180の後部側の上方を覆うものであり、上側後上カバー材160の後方には、上側装飾材180の後面に結合される上側背面部材175が、配設されている。この上側背面部材175には、上側装飾材180に配設されたLED等のターミナルが配設されている。
なお、上側後上カバー材160の後面の上端付近には、後方へ突出する位置決め突起161が配設され、この位置決め突起161は、下側仕切材150の2本の位置決め突起158とともに、カバーパネル500の対応する位置に配置された位置決め孔501(図示せず)に挿入される。これらの位置決め突起158,161は、センター飾り組付体100の各取付フランジ110a,110cを盤本体構成部材群70の前側部材80にねじ止めする際、カバーパネル500(取付ベース87)の位置決め孔501に挿入させて、盤本体構成部材群70に対するセンター飾り組付体100の位置決めを行えるように、配設されている。
センター飾り組付体100の上側後下カバー材170は、図15,29に示すように、上側装飾材180の下部側の後面から振り分け準備室125の後方側にかけて配置されて、後端の下側には、軸支部171が前方へ突設されている。軸支部171は、振り分け部材260を連結支持する支持ピン290の後端部292を、回動可能に支持する。
第2大入賞口31を開閉させる開閉部材190(190L,190R)は、図5〜8,10に示すように、上側仕切材140の上側パネル部141の前面141a側で、振り分け準備室125を間にして配設されている。開閉部材190(190L,190R)は、振り分け準備室125の左右の側壁125c,125cと、左側装飾材181及び右側装飾材182の庇部181a,182aの上端と、の間から、上側パネル部141の前面141a側における左右の規制壁141b,141cまで、上方に延びるように、配設されている。左右の開閉部材190L,190Rは、図23,24に示すように、下部の元部191側に、後方に延びる回動軸195の前端195aを、結合させて構成され、第2大入賞口31の開口時、上端側の先端192を相互に離すように、換言すれば、先端192を近傍の規制壁141b,141cから離すように、左右方向の外方に回動させることとなる(図6,8,10,24参照)。開口時には、遊技球Bは、規制壁141b,141cと開閉部材190L,190Rとの間において、開閉部材190L,190Rの拡開した平面状の転動面193を転動し、第2大入賞装置30内に流入する。そして、開閉部材190L,190Rにおける元部191から伸びた各先端192が、規制壁141b,141cに接近するように回転すれば、第2大入賞口31が閉じ(図5,7参照)、この付近のセンター役物25の周囲を転動する遊技球は、上側カバー部111の前縁111af、規制壁141b,141c、開閉部材190L,190Rの曲面状の外側面194、及び、左側装飾材181や右側装飾材182の庇部181a,182a、に規制されて、第2大入賞装置30内に入賞することなく、遊技領域13を下方に転動していくこととなる。
各開閉部材190L,190Rを回動させる開閉駆動機構200は、図23,24に示すように、各開閉部材190L,190Rの元部191から後方に延びる回動軸195,195に対応して、それぞれ、配設されている。左右の開閉駆動機構200は、相互に左右対称形として、駆動源としての電磁ソレノイド210、戻しばね220、揺動レバー230、及び、揺動アーム240、を備えて構成されている。これらの開閉駆動機構200の各部品は、本体枠材110の背面壁部112bと、背面壁部112bの後方で背面壁部112bに結合される背面パネル245と、の間に配設されている(図15参照)。なお、背面パネル245は、アクリル等の合成樹脂から形成され、背面パネル245の後方には、板金製の補強プレート247が取り付けられている。そして、左右の回動軸195,195は、それぞれ、背面壁部112bに設けられた軸支部112jに回動自在に支持され、各軸支部112jは、上側仕切材140の上側パネル部141の下縁側に形成されている挿通凹部142に収納されて、開閉部材190の元部191まで延びるように、回動軸195の前端195a側を前方に挿通させている。
電磁ソレノイド210は、背面パネル245に保持されて、上下動するプランジャ211を下方へ突出させ、プランジャ211の下端には、円盤状の係止頭部212が配設されている。この電磁ソレノイド210は、ON動作時、プランジャ211を上方へ引き込み、OFF動作時、係止頭部212を押圧するコイルばねからなる戻しばね220が、プランジャ211を下方に引き出して、原位置に復帰させることとなる。
揺動レバー230は、元部231側を左右方向の外方側(センター役物25の左右方向の中央から外れる方向側)に配置させ、先端部234側を、回動軸195を越えた左右方向の内方側(センター役物25の左右方向の中央側)に配置させるように、略左右方向に沿って配置されている。また、揺動レバー230は、先端部234側を上下に揺動可能に、元部231側を、本体枠材110の背面壁部112bや背面パネル245に軸支させている。先端部234には、前後方向に貫通する係止孔235が配設されている。元部231と先端部234との間の中間部位には、前後方向の断面をL字状として、底壁部232aと底壁部232aの前縁側から上方に延びる前壁部232cとを有した係止部232が、配設されている。この係止部232の前壁部232cには、後方へ突出する突起233が配設されている。そして、突起233と底壁部232aの上面232bとの間に、プランジャ211の係止頭部212が係止されている。そのため、電磁ソレノイド210が、ON動作されれば、プランジャ211が上方に引き込まれ、その先端(下端)の係止頭部212が突起233を引き上げて、揺動レバー230が、元部231を回動中心として、先端部242を上方に引き上げる。さらに、電磁ソレノイド210が、OFF動作されれば、戻しばね220の付勢力により、係止頭部212が係止部232の底壁部232aを押し下げて、底壁部232aを背面パネル245の底面245aに当接させることから、揺動レバー230が原位置に復帰する。
揺動アーム240は、元部241が回動軸195の後端195bと連結され、元部241から延びた先端部242が、揺動レバー230の先端部234付近の前方側に配置させている。先端部242には、揺動レバー230の先端部234に設けられた係止孔235に挿入される係合ピン243が、配設されている。この揺動アーム240では、揺動レバー230が電磁ソレノイド210のON動作時によって先端部234を上昇させた際、係止孔235の内周面235aにより係合ピン243が押し上げられ、その結果、先端部242が元部241を回動中心として上昇回転し、回動軸195を回転させることとなり、開閉部材190が開く。その後、電磁ソレノイド210がOFF動作されれば、戻しばね220の付勢力により、揺動レバー230や揺動アーム240が上記と逆の回転となり、開閉部材190が閉じる。すなわち、電磁ソレノイド210のON動作時、開閉部材190L,190Rが第2大入賞口31を開き、電磁ソレノイド210のOFF動作時、開閉部材190L,190Rが第2大入賞口31を閉じることとなる。
なお、電磁ソレノイド210のON,OFFによる開閉部材190L,190Rの開閉は、実施形態の場合、1回の小当たり時において、2回開閉するものである。そしてさらに、最初の開閉が、短い時間で行われ、2回目の開閉時の開閉部材190L,190Rの開き時間が、最初の開き時間より、長く設定されている。さらに、実施形態の場合には、2回目の開閉部材190L,190Rの開き時間は、第1始動入賞装置48での小当たりより、第2始動入賞装置50での小当たり時の方が、長く設定されている。
振り分け部材260は、図4,25に示すように、振り分け機構250の構成部材であり、振り分け機構250は、センター飾り組付体100に配設される振り分け部材260と、振り分け部材260を左右に揺動させる振り分け揺動機構310と、を備えて構成されている。振り分け揺動機構310は、ベース側構造体300に組み付けられている。振り分け機構250は、第2大入賞口31に入賞してきた遊技球を、SルートSRとNルートNRとに振り分けるものである(図33参照)。
振り分け部材260は、図25〜27に示すように、揺動本体部270、連結支持部275、振り分け案内板280、及び、支持ピン290、を備えて構成されている。揺動本体部270は、振り分け案内板280より左右の幅寸法、前後の奥行寸法、及び、上下の厚さ寸法(高さ寸法)を大きな寸法とした飛行機形状に形成され、前後方向に沿って延びる断面略楕円形の胴部270aと、胴部270aの後部側から左右に突出する主翼270b,270bと、胴部270aの前部側から左右に突出する補助翼270c,270cと、胴部270aの後端付近から上方に延びる尾翼270dと、を備えて構成されている。揺動本体部270は、胴部270aの前端270afを、略半球状(詳しくは、左右方向に沿った縦断面を楕円球状に押し潰した形状)として突出させており、揺動本体部270の後端271には、前方側に凹む嵌合孔272が形成されている。
連結支持部275は、嵌合孔272を有した揺動本体部270の後端271付近から上方に延びて、上端に、前後方向に伸びる略円筒状の枢支部276を備えて構成されている。枢支部276は、前後方向に沿って配設される支持ピン290を挿通させて支持している。そして、枢支部276から突出する支持ピン290の前端部291と後端部292とが、それぞれ、本体枠材110の軸支部112iと上側後下カバー材170の軸支部171とに、回動可能に支持されている(図28,29参照)。そのため、揺動本体部270は、枢支部276に保持された支持ピン290が軸支部112i,171に支持されて、支持ピン290を回動中心として、左右に揺動可能に配設されている(図33参照)。
なお、揺動本体部270は、後端271の嵌合孔272に、振り分け揺動機構310の揺動アーム360における嵌合ピン363が嵌挿され、揺動アーム360の揺動により、連動して、左右に揺動することとなる。
振り分け案内板280は、前後方向に延びる略長方形板状として、元部281側を、揺動本体部270の胴部270aの下面273にねじ等を利用して固着させて、先端部285側を胴部270aから前方に突出させている。
この振り分け案内板280は、左右方向に沿った縦断面形状を左右に長い長方形としているものの、胴部270aから前方側に離脱する付近で、ねじれ部(段差)283を設けて先端部285側を、前方から見て、反時計回り方向に、僅かにねじっている。すなわち、揺動本体部270の揺動時の最下点(左右方向に揺動する際の左右方向の中央に配置された中央位置)CPでの配置時、元部281側での左右方向に沿った縦断面形状は、長辺281a,281a相互が左右方向の水平方向に沿わせた長方形としているものの、先端部285側での左右方向の断面形状は、長辺286の右縁286a側が左縁286b側より上方位置に配置される長方形としている。先端部285の元部281に対する捻れ量(段差量)Thは、先端部285のねじれの視認性を低下できるように、振り分け案内板280の厚さ寸法Gtより、小さく設定されている。
さらに、このねじられた先端部285は、振り分け準備室125の流下口128の直下に配設されるとともに、揺動本体部270が左右に揺動しても、その上面の振り分け面285aを平面状として、右縁286a側や左縁286b側を、流下口128から落下する遊技球Bと当接可能となるように、配設されている(図33参照)。そのため、先端部285が、振り分け面285aを右側に向けていれば、落下する遊技球をSルートSRの転動ルートS1となる振り分け転動路部114の転動面114b側に、転動させ、振り分け面285aを左側に向けていれば、落下する遊技球をNルートNRの転動ルートN1となる振り分け転動路部114の転動面114c側に、転動させることとなる。
実施形態の場合、案内板280は、左右へ揺動しても流下する遊技球Bを上面の振り分け面285aで跳ね返し可能に、左右方向の幅寸法Gwを、遊技球Bの直径寸法BDである11mmより大きな約16mm程度とし、耐久性を有して遊技球Bを跳ね返し可能な強度を確保できるように、厚さ寸法Gtを約2mmとしている。また、実施形態の先端部285では、高入賞率ルートSR側の右縁286a側だけに段差283を設けるような形態となるように、低入賞率ルートNR側の左縁286b側を、元部281側から前後方向に略直線状に連ならせて、左縁286b側より大きく、右縁286a側を捻っている形態としている。この先端部285の元部281に対する捻れ量Thは、実施形態の場合、約1.5mm、換言すれば、案内板280の先端部285の元部281に対するねじり角θtを、約4.6°としている。また、段差283は、揺動本体部270の前端270afの下面273側近傍に、接近して配設されている。
なお、この振り分け部材260は、揺動本体部270を、赤色等の着色されたABS樹脂やポリアセタール等の合成樹脂材料自体の色や塗装で、彩色しているものの、振り分け案内板280は、下方の本体枠材110の振り分け転動路部114や下側仕切材150の上横背板部151と同様に、アクリル樹脂等の透明な合成樹脂材料から形成されている。
[第2大入賞装置の構成部材であるベース側構造体の説明]
振り分け部材260を揺動させる振り分け機構250の振り分け揺動機構310は、実施形態の場合、センター飾り組付体100側でなく、ベース側構造体300側に配設されている(図4,17,25参照)。振り分け揺動機構310は、図30に示すように、ケース320、駆動源としての駆動モータ325、駆動モータ325の駆動軸326に取り付けられた駆動歯車332、及び、揺動アーム360の揺動の速度を変える早戻り機構330、を備えて構成されている。ケース320は、駆動モータ325や早戻り機構330の種々の歯車を収納保持して、盤本体構成部材群70の支持部材89に取り付けられている。なお、この振り分け機構250は、第2大入賞口31から入賞して流下する遊技球Bを、左右に揺動する振り分け部材260を利用して、左右のNルート(第1分岐ルート)NRとSルート(第2分岐ルート)SRに振り分ける左右振り分け機構、を構成している。
早戻り機構330は、第1従動歯車333、第2従動歯車336、揺動梃350、揺動アーム360、及び、ばね(捩りコイルばね)365、を備えて構成されている。第1従動歯車333は、ケース320に回動可能に軸支されて、駆動歯車327に噛合する小歯車部334と、大歯車部335と、を備えて構成されている。第2従動歯車336は、ケース320に回動可能に軸支されて、大歯車部335に噛合している。また、第2従動歯車336には、回動中心からずれた位置で後方に突出するクランクピン340が、配設されている。
揺動アーム360は、上端側の元部361に、ケース320に回動可能に軸支される連結軸355を固着させて、ケース320の前面側に突出するように配設され、下端側の先端362に、揺動本体部270の嵌合孔272に嵌挿させる嵌合ピン363を前方に突設させて、構成されている。連結軸355は、軸方向を前後方向に沿わせて、揺動梃350の下端の元部351に一体的に結合されている。ばね365は、揺動アーム360のガタツキを防止可能に、揺動アーム360とケース320とを連結するように配設されている。
揺動梃350は、元部351から離れる先端部352を上方に伸ばして、先端部352までのエリアに、クランクピン340を摺動させる長孔状の摺動溝353を、配設させている。
この早戻り機構330では、図31に示すように、駆動モータ325が作動されて、駆動軸326と駆動歯車327とが、前面側から見て、反時計回り方向に回転すれば、駆動歯車327に小歯車部334を噛合させている第1従動歯車333は、時計回り方向に回転する。そして、第1従動歯車333の大歯車部335に噛合させている第2従動歯車336は、反時計回り方向に回転する。すると、図31,32に示すように、第2従動歯車336に設けられたクランクピン340は、第2従動歯車336の回転軸337を回転中心O1として、揺動梃350の摺動溝353内を往復するように摺動しつつ、反時計回り方向に回転する。そのため、揺動梃350は、連結軸355を回転中心O2として、左右に揺動する。
そして、クランクピン340が、図31から図32のA,Bに示すように、回転中心O1の直下の地点P0から直上の地点P2に向かうように、回転中心O1を中心とした反時計回りをする際、揺動梃350は、連結軸355を回転中心O2として、先端部352を、右方側に回転させた後、原位置に復帰する。この時、揺動アーム360の嵌合ピン363と嵌合ピン363を後端に嵌めた振り分け部材260とは、連結軸355を回転中心O2として、左方側に回転した後、原位置に復帰する(図33のAの二点鎖線→実線→二点鎖線参照)。さらに、クランクピン340が、図32のB,Cと図31に示すように、回転中心O1の直上の地点P2から直下の地点P0に向かうように、回転中心O1を中心として反時計回りする際、揺動梃350は、連結軸355を回転中心O2として、先端部352を、左方側に回転させた後、原位置に復帰する。この時、揺動アーム360の嵌合ピン363と振り分け部材260とは、連結軸355を回転中心O2として、右方側に回転した後、原位置に復帰する(図33のBの二点鎖線→実線→二点鎖線参照)。
また、揺動梃350の右方側、あるいは、左方側への回転後に、復帰する地点は、クランクピン340の回転中心O1を中心とする円形の回転軌跡に対して、回転中心O2から伸びる直線L1,L2が法線となる位置に、クランクピン340が配置される位置、すなわち、地点P1と地点P3である。さらに、このクランクピン340が地点P1から地点P2を経て地点P3に向かう際には、振り分け部材260は、回転中心O2を中心として、最も左端LPに配置された後、最も右端RPに回転する状態となる。また、このクランクピン340が地点P3から地点P0を経て地点P1に向かう際には、振り分け部材260は、回転中心O2を中心として、最も右端RPに配置された後、最も左端LPに回転する状態となる。そして、クランクピン340の地点P1から地点P2を経て地点P3に向かう際の回転軌跡は、地点P3から地点P0を経て地点P1に向かう際の回転軌跡より長く、クランクピン340は、回転中心O1を中心として、等速回転運動している。そのため、クランクピン340の地点P3から地点P0を経て地点P1に向かう際の振り分け部材260が右端RPから左端LPに移動する時間は、クランクピン340の地点P1から地点P2を経て地点P3に向かう際の振り分け部材260の左端LPから右端RPに移動するより、時間が短くなる。すなわち、振り分け部材260は、左端LPから右端RPに右向きに移動するより、右端RPから左端LPに左向きに移動する方が、早戻りすることとなる。
そして、実施形態では、振り分け案内板280の先端部285が、振り分け面285aを低入賞率ルートNRの転動ルートN1側となる左向きにねじっている。そのため、振り分け準備室125の流下口128から流下してくる遊技球Bは、振り分け部材260が左右対称に揺動しても、このねじれによって、実質的に、SルートSRの転動ルートS1側よりNルートNRの転動ルートN1側へ転動し易くなる(図26,33参照)。
但し、振り分け案内板280は、揺動本体部270より小さな形状とするとともに、先端部285の捻れ量Thを案内板280の厚さ寸法Gtより小さくして、その先端部285のねじれを直ちに視認し難くしており、振り分け準備室125の流下口128から流下してくる遊技球がSルートSRの転動ルートS1側とNルートNRの転動ルートN1側とへ均等に転動するような錯覚を、遊技者に与えている。
さらに、実施形態では、振り分け部材260を揺動させる振り分け揺動機構310が、早戻り機構330を設けて構成されている。そのため、早戻り機構330の早戻り時には、ねじれて傾斜した振り分け案内板280は、振り分け部材260の右端RPから左端LPへの回転移動に伴なって回転移動して、上面の振り分け面285aの左縁286b側を右縁286aより高くする時間、換言すれば、振り分け面285aを右向きにする時間、を短くし、また、瞬間的に、左縁286b側を右縁286aより高して、その後、振り分け部材260の左端LPから右端RPへの回転移動に伴なって回転移動して、左縁286bを低くするように回転する。そのため、実施形態では、早戻り機構330を併用して、実質的に、振り分け面285aを右向きにしている時間を確実に短くしており、先端部285のねじりと早戻り機構330との併用により、振り分け準備室125の流下口128から流下してくる遊技球Bの振り分け割合に関し、安定して、SルートSRの転動ルートS1側よりNルートNRの転動ルートN1側へ転動する割合(確率)を、高くし、換言すれば、NルートNRの転動ルートN1側よりSルートSRの転動ルートS1側へ転動する割合を、低くしている。
さらにまた、実施形態の振り分け案内板280では、透明材から形成されているため、遊技者は、その先端部285のねじれを直ちに認識し難く、遊技の趣向性を阻害しない。さらにまた、実施形態では、振り分け案内板280の周囲の部材、すなわち、振り分け転動路部114や上横背板部151も、振り分け案内板280と同様な透明な合成樹脂材料から形成されて、光等の屈折や反射により、先端部280の形状を認識し難く、さらに、ねじれの段差283が、右縁286a側だけに設けるような形態とし、かつ、揺動本体部270の略半球状に突出した前端270afの下面273側に隠れるように、配設されていることともあいまって、遊技者は、先端部285のねじれが一層認識し難くなって、遊技の趣向性を阻害しない(図12参照)。
なお、振り分け案内板280を備えた振り分け部材260の揺動は、既述の開閉部材190の開閉や後述するNルート振り分け部材710とともに、小当たりを契機として、一定時間、作動されることとなる。実施形態の場合、この作動時間は、第2大入賞装置30に入賞した遊技球が第2大入賞装置30から排出されるまでの時間であり、具体的には、第2大入賞装置30に入賞した遊技球が、第2大入賞口SW34,35をONさせた後、第1V入賞口SW37や第2V入賞口SW38、あるいは、排出口SW39のいずれかをONさせるまでを、確実に確保できる時間、である。
[ベース側構造体の構成部材である移送機構の説明]
ベース側構造体300の移送機構400は、図17,34に示すように、リング状回転体410と、リング状回転体410を回転させる回転駆動機構470と、を備えて構成されている。リング状回転体410は、SルートSRとNルートNRとに振り分けた遊技球を、SルートSRとNルートNRとにおいて、それぞれ、移送できる振り分け共用移送体409を構成するものであり、画像表示装置40の表示画面41の前方側の周囲で、前後方向に沿った回転中心軸O3を中心とし、前方側から見て、常時、一定方向(実施形態では、時計回り方向)に回転している。すなわち、このリング状回転体410は、後述する振り分け部材620とともに、遊技機1の電源ON時から、常時、回転駆動されることととなる。
なお、実施形態では、振り分け共用移送体409(リング状回転体410)は、図5,6に示すように、前方側から見て、回転する移送体409の下端409aを基準とした(換言すれば、回転中心軸O3を中心とした)左右における回転方向側の領域を、実施形態では、左側の回転領域を、NルートNRでの遊技球を移送するルート(後述するV入賞移送ルート)N5に利用し、回転方向と逆側の右側の領域を、SルートSRでの遊技球を移送するルート(後述する移送ルート)S3に利用している。
このリング状回転体410は、図17,34,35に示すように、ベース側構造体300の略円環状のカバーパネル500の後方側に配置されて、後面側の円環状のベース板411、ベース板411の後方に配置される円環状のリングギヤ420、及び、ベース板411の前面側に配置される仕切枠体430、を備えて構成されている。
回転駆動機構470は、リング状回転体410の右上において、盤本体構成部材群70の支持部材89に取り付けられる駆動源としての駆動モータ480、駆動モータ480の駆動軸481に固着される駆動歯車483、駆動歯車483に小歯車部486を噛合させて支持部材89に回動自在に軸支させている従動歯車485、支持ローラ490、及び、ガイドブロック495、を備えて構成されている。
支持ローラ490は、リング状回転体410の左右の下方側の2箇所において、回動自在に支持部材89に保持されて配設されている。これらの支持ローラ490は、リング状回転体410のベース板411の外周縁のガイドレール部412を収納させて支持可能な凹溝491を備え、回転時のリング状回転体410を、凹溝491を利用して、下方から支持している。また、ガイドブロック495は、リング状回転体410の左右の上方側において、支持部材39に取り付けられて配設されている。各ガイドブロック495は、回転時のリング状回転体410のベース板411におけるガイドレール部412を摺動可能な凹溝496を備え、凹溝496を利用して、リング状回転体410の回転時の前後方向への傾きを規制し、リング状回転体410の回転を案内している。
そして、従動歯車485が、大歯車部487を、リング状回転体410のリングギヤ420の外周の歯溝421に噛合させている。そのため、駆動モータ480が、駆動軸481と駆動歯車483とを回転させれば、駆動歯車483に小歯車部486を噛合させている従動歯車485が回転し、従動歯車485の大歯車部487にリングギヤ420の歯溝421を噛合させているリング状回転体410が、支持ローラ490やガイドブロック495に支持されて、回転中心軸O3を中心として、一定方向(実施形態では、時計回り方向)に、回転することとなる。
このリング状回転体410では、ベース板411の前面側に固定される仕切枠体430が、内周側の円筒状の内側筒部431から、回転中心軸O3を中心として、放射状に多数の羽根板440を均等に突設させて、構成されている。各羽根板の板厚寸法FT1は、遊技球Bの直径寸法BDより小さく設定されている。内側筒部431は、後端431bを、ベース板411の内側まで延ばして、配設されている(図36,37参照)。実施形態の場合、羽根板440は、全体で27枚配設されている。また、仕切枠体430は、羽根板440の外周側の後縁側を連結するように、ベース板411の前面側に、略円環状の外縁環部432を配設させている。外縁環部432の内、所定の隣接する羽根板440間には、前方側に突出する外周壁450が、形成されている。これらの外周壁450は、隣接する羽根板440の外縁442相互を連結するように、配設されて、仕切枠体430の回転中心軸O3を中心として相互に等間隔となる3箇所に、配置されている。
そして、これらの内側筒部431と外縁環部432との間の隣接する羽根板440間の部位が、それぞれ、前方側から見て扇状の開口461を有し、リング状回転体410の周方向に沿って配置されて、遊技球を収納するスペースとなる球収容凹部460を構成している。さらに、各球収容凹部460は、リング状回転体410における内側筒部431、羽根板440、背面側を覆う仕切枠体430やベース板411からなる円環状の背面壁部436に周囲を囲われて、遊技球を移送する球移送室465を構成している。さらに、図36,37に示すように、球移送室465の内、外周壁450を有していないものが、外周側から遊技球を排出可能な壁無し球移送室466とし、外周壁450を有したものを、内側筒部431、外周壁450、及び、外周壁450により連結される二つの羽根板440により、上下左右の四方を囲まれた壁有り球移送室467として、構成されている。そして、実施形態の場合には、27室ある球移送室465の内、壁有り球移送室467が、3室とし、壁無し球移送室466が、壁有り球移送室467より数を多くして、残りの24室とし、さらに、壁有り球移送室467は、壁無し球移送室466を間において、断続的(実施形態では、等間隔)に、配設されている。
なお、仕切枠体430における各壁無し球移送室466の部位では、外縁環部432と内側筒部431とを連結するように、羽根板440間のベース板411の前面側に、回転中心軸O3を中心とした放射方向に沿って、薄肉のリブ433を配設させている。このリブ433は、壁無し球移送室466の部位だけに設けられ、壁有り球移送室467の部位には、リブ433はなく、Vの字状に前方に隆起した装飾突起434がベース板411に配設されている。
そして、各羽根板440は、各球移送室465を区画しつつ、内側筒部431側の内縁441からリング状回転体410の外周側の外縁442にかけて、前方への突出量を大きくするような台形板状として、前端面443を外縁前端部444にかけて前方に張り出すように傾斜させている。このような羽根板440の前端面443の傾斜により、各球移送室465の開口461における実質的な開口面積が、広くなって、球移送室465内の遊技球Bを目視し易くしている。すなわち、図37に示すように、前端面443の左右方向から後方へ傾斜した角度をθbとすれば、前後方向に沿った投影面積(内縁441を外縁442と同じように張り出した開口461の開口面積に等しい)をRO1とすれば、実施形態の開口461の実質的な開口面積RO2(隣接する羽根板440の前端面443間の面積)は、RO1/cosθbとなり、実施形態の場合、θbを20°として、RO1×1.06(cos20°)と広くしている。なお、このような実質的な開口面積RO2の拡大作用は、壁無し球移送室466も、壁有り球移送室467と同様に奏する。
また、各壁有り球移送室467の外周壁450は、図37に示すように、その内側面450aで遊技球Bを保持可能に、背面壁部436からの前方突出量(ベース板411に取り付けられた装飾突起434からの前方突出量)FP1を、遊技球Bの直径寸法BDより大きく設定されている。ちなみに、壁無し球移送室466では、図36に示すように、内側筒部431における背面壁部436(リブ433)からの前方突出量(ベース板411に取り付けられたリブ433からの前方突出量)FP2は、遊技球Bの直径寸法BDより若干小さく設定され、羽根板440自体の外縁前端部444における背面壁部436からの前方突出量FP3は、遊技球Bの直径寸法BDより若干大きく設定されている。
なお、各壁有り球移送室467の開口461の周縁における内側筒部431、外周壁450、及び、羽根板440,440の前面側には、略四角環状の縁飾り468が、取り付けられている。この縁飾り468は、外周壁450の前端側に、小さく内側に隆起する突条451を配設させている(図37,54参照)。この突条451は、壁有り球移送室467に収納された遊技球Bが外周壁450上を前方側に転動しても、遊技球Bを係止して外周壁450から前方側に外れないようにするために、配設されている。
また、各壁有り球移送室467におけるリング状回転体410の回転方向(前方から見て時計回り方向)の後方側の羽根板440Bでは、壁有り球移送室467側の内側面446が、前端面443に向かうにつれて、外側面447側に接近するように、傾斜する傾斜面(案内面)448を備えている(図34,37,44参照)。そのため、壁有り球移送室467は、傾斜面448上で、遊技球Bを支持する際には、遊技球Bを前方側に転動させつつ流下可能に構成されている。
なお、外周壁450に接続されていない羽根板440では、回転方向(前方から見て時計回り方向)の前方側の面における前縁と外縁とに、小さく隆起する突条449が配設されている(図34,36参照)。この突条449は、時計回り方向で回転する羽根板440によって遊技球Bを押す際、遊技球Bを係止して羽根板440から前方側に外れないようにするために、配設されている。
また、実施形態の場合、内側筒部431の後方には、画像表示装置40を保持する支持部材89の一部が配置されているものの(図9,11参照)、その部位は、リング状回転体410に隠れて、前面側から目視視し難い。その結果、実施形態では、リング状回転体410の下端付近におけるSルートSR用のステージ610の後縁付近を除き、内側筒部431の内周側における全域から、その後方の画像表示装置40の表示画面41を、視認性よく、目視することができる。
[ベース側構造体の構成部材であるカバーパネルの説明]
ベース側構造体300のカバーパネル500は、図17,38〜40に示すように、遊技盤12の盤本体構成部材群70における取付ベース87の内周縁部87aから構成され、既述したように、透明なアクリル等の合成樹脂から形成されている。カバーパネル500は、中央に、画像表示装置40の表示画面41を露出させるように、円形の開口502を備えて構成されている。そして、開口502の周縁の右方側は、Sルート用カバー部510を構成し、開口502の周縁の左方側は、Nルート用カバー部550を構成している。
Sルート用カバー部510は、リング状回転体410の右側の外周側を覆うように、後方に張り出す外周側カバー部515と、リング状回転体410の右側の前面側を覆う前側カバー部520と、を備えて構成されている。外周側カバー部515の上部側と下部側とには、外周側に凹む2つの凹部516,517が形成されている。凹部516,517は、それぞれ、SルートSRの流下ルートS2からの遊技球Bをリング状回転体410(振り分け共用移送体409)に移送するためのSルート用移送口532と、振り分け共用移送体409によって移送された遊技球を流出させるSルート用流出口541と、に対応して配設されている。そして、これらの凹部516,517は、対応する移送口532や流出口541とを、それぞれ、リング状回転体410の球移送室465の回転軌跡より、若干、リング状回転体410の回転中心軸O3から離れた外側にオフセットさせて開口させるために、配設されている。凹部517の内周側の面は、前方側にかけて左右方向の外方に向けて、若干外開きとしたテーパ面517aとしている。
ちなみに、SルートSRでは、遊技球Bが、Sルート用移送口532からリング状回転体410の球移送室465に流下されて、球移送室465からSルート用流出口541から流出されるまでの、球移送室465により遊技球Bの移送されるルートを、移送ルートS3として、流下ルートS2と後述する振り分けルートS4との間に配設させている(図11参照)。なお、この移送ルートS3は、第2分岐ルート(Sルート)SRでのルートであり、第2移送ルートともいえる。
また、Sルート用カバー部510の前側カバー部520では、外周側に位置して、上下方向に略沿って配設される平坦面部521と、平坦面部521の内縁側から、振り分け共用移送体409(リング状回転体410)の回転中心軸O3側に向かって、後方側にすり鉢状に狭まるテーパ面部522と、を備えて構成されている。前側カバー部520の上部側と下部側とにおける平坦面部521とテーパ面部522とにわたるエリアには、それぞれ、Sルート用移送路部530とSルート用流出路部540とが形成されている。前側カバー部520の内周縁側のテーパ面部522は、リング状回転体410の回転中心軸O3側に向かって後方側へ傾斜した先端522aを、内側筒部431の前端431aに接近させて、前端431aの前側に重ねるように、配設されている(図36参照)。
Sルート用移送路部530は、既述したように、SルートSRの流下ルートS2からの遊技球Bをリング状回転体410(振り分け共用移送体409)に移送するためのものであり(図60,62参照)、前側カバー部520から前方に突出する断面U字状の移送用樋部534を備えている。そして、センター飾り組付体100の下側仕切材150におけるSルート案内樋部152の後方側には、移送用樋部534が連なる。この移送用樋部534の後端には、リング状回転体410の球移送室465に遊技球Bを流下させるSルート用移送口532が、開口されている。Sルート案内樋部152と移送用樋部534とは、後方に向かうにつれて下方に下がっており、遊技球Bを、Sルート用移送口532を経て、球移送室465(球収容凹部460)の前方に開口した開口461から、円滑に、後方へ流下させて、球移送室465に移送することができる。ちなみに、このSルート用移送路部530は、第2分岐ルート(Sルート)SRでの球移送室465へ遊技球Bを流入させる部位であり、第2流入部位ともいえる。
なお、Sルート用移送口532と移送用樋部534とは、実施形態の場合、リング状回転体410(振り分け共用移送体409)の回転中心軸O3の水平方向に沿った略真横となる右方側に、配設されている(図38参照)。さらに、Sルート用移送口532は、遊技球Bを挿通可能な開口面積を有して、実施形態の場合、リング状回転体410の仕切枠体430における外周壁450を含めた外縁環部432の前方より、若干、回転中心軸O3から離れる外側に、周縁850の右縁852を配置させている(図63参照)。
また、このSルート用移送口532付近のSルート用移送路部530には、球移送室465へ収容される遊技球Bが、回転する球移送室465相互を区画する羽根板440と、Sルート用移送口532の周縁部位(流下口533の周縁850における下縁851)と、の間で球噛みされないように、後述する球噛み防止機構800が配設されている。
さらに、Sルート用移送口532から遊技球Bが移送される球移送室465は、壁無し球移送室466だけとしている。なぜなら、壁有り球移送室467では、図67,68に示すように、外周壁450が、Sルート用移送口532の中央付近の右側の後方に、接近して張り出すこととなり、外周壁450が遊技球Bの移送を邪魔して、遊技球Bは壁有り球移送室467に流下できないからである。そして、回転して壁無し球移送室466がSルート用移送口532の後方に配置されれば、外周壁450が無い分、円滑に、遊技球BがSルート用移送口532と開口461とを経て、壁無し球移送室466に流下することとなる(図64,66参照)。
Sルート用流出路部540は、図10,11,38〜41に示すように、前側カバー部520におけるSルート用流出口541の下縁周縁から前面コ字状の流出用樋部543を、前方に突出させて構成されている。Sルート用流出口541と流出用樋部543とは、実施形態の場合、Sルート用移送口532の下方とし、リング状回転体410(振り分け共用移送体409)の回転中心軸O3を中心とした斜め右下位置に、配設されている。そして、流出用樋部543は、外周側カバー部515の凹部517におけるテーパ面517aから連なるように、Sルート用流出口541の周縁542における右縁542aから前方に突出する規制壁544と、規制壁544の上縁から左方に延びてSルート用流出口541の上縁542cの右側に配置される天井壁546と、規制壁544の下縁から左方に延びてSルート用流出口541の下縁542bに配置され、さらに、Sルート振り分け機構600のステージ610まで左方に延びる転動壁545と、を備えて構成されている。そして、流出用樋部543の前側には、既述したように、下側仕切材150のSルート案内リブ部155が、接近して配設されている(図10,41参照)。そのため、Sルート用流出口541から流出する遊技球Bは、Sルート案内リブ部155の後端面155cに案内されながら、転動壁545の上面の転動面545bを転動して、Sルート振り分け機構600のステージ610における転動路611に流入することとなる。ちなみに、このSルート用流出路部540は、第2分岐ルート(Sルート)SRでの球移送室465(壁無し球移送室466)から遊技球Bを流出させる部位であり、第2流出部位ともいえ、また、流出用樋部543は、第2流出用樋部ともいえる。
なお、このSルート用流出口541は、リング状回転体410(振り分け共用移送体409)の回転中心軸O3を中心とした斜め右下に配置されている。さらに、Sルート用流出口541は、遊技球Bを挿通可能な開口面積を有するとともに、外周側カバー部515の外開きのテーパ面517aに連なる周縁542の右縁542aを、リング状回転体410の仕切枠体430における外周壁450を含めた外縁環部432の前方より、若干、回転中心軸O3から離れる外側に、配置させている。そのため、壁無し球移送室466に収納された遊技球Bは、収納された壁無し球移送室466におけるリング状回転体410の回転方向側の羽根板440Fの外縁442付近が、遊技球Bの直径寸法BD分以上、Sルート用流出口541の上縁542cから下方に離れれば、羽根板440Fの内側面446が外縁442にかけて右下がりに下がっていることから、外縁442付近とテーパ面517aとに摺動しつつ、壁無し球移送室466から前方に流出されて、流出用樋部543の転動面545b側に排出されることとなる(図38,41参照)。
Nルート用カバー部550は、リング状回転体410の左側の外周側を覆うように、後方に張り出す外周側カバー部555と、リング状回転体410の左側の前面側を覆う前側カバー部560と、カバーパネル500の下部側のNルート用移送路部570と、を備えて構成されている。
Nルート用移送路部570は、図9,11,38,39に示すように、Sルート用カバー部510とNルート用カバー部550との前側カバー部520,560の下部相互を左右方向に沿って連結しつつ、前方に張り出すように配設され、左右方向の中央後部側に、上下に貫通するNルート用移送口571を配設させている。このNルート用移送口571には、Nルート振り分け機構700が配設される。また、Nルート用移送口571の左右には、Sルート用カバー部510とNルート用カバー部550との前側カバー部520,560の下部前面側から張り出した規制壁部572,573が配設されている。これらの規制壁部572,573は、Nルート振り分け機構700のNルート振り分け部材710の左右に流下する遊技球Bが、円滑に外れ流下ルートN7に流下できるように、左右で相互に対向する内側面572a,573aにより、案内するものである。
そして、外周側カバー部555の上部側には、図38,39,43,44に示すように、第1V入賞口32を設けたV入賞用樋部587に連なる貫通口557が、左右方向に貫通するように、配設されている。
さらに、前側カバー部560は、外周側に位置して、上下方向に略沿って配設される平坦面部561と、平坦面部561の内縁側から、振り分け共用移送体409(リング状回転体410)の回転中心軸O3側に向かって、後方側にすり鉢状に狭まるテーパ面部562と、を備えて構成されている。この前側カバー部560の内周縁側のテーパ面部562も、SルートSR側のテーパ面部522と同様に、リング状回転体410の回転中心軸O3側に向かって後方側へ傾斜した先端562aを、内側筒部431の前端431aに接近させて、前端431aの前側に重ねるように、配設されている(図36参照)。
そして、これらのテーパ面部562,522は、内周縁側となる先端562a,522a側を、リング状回転体410の回転中心軸O3側に向かって、後方側へ傾斜させて、前後方向の投影面積より、傾斜している分、実質的な面積を広くさせて、面積を広くした透明なテーパ面部562,522により、球移送室465内の遊技球Bを目視させ易くしている。すなわち、図37に示すように、テーパ面部562の先端562a側の後方へ傾斜した角度をθpとすれば、前後方向に沿った投影面積(テーパ面部562の部位を単に前後方向に沿わせた面積に等しい)をRP1とすれば、実施形態のテーパ面部562の実質的な面積RP2は、RP1/cosθpとなり、実施形態の場合、θpを32°として、RP1×1.18(cos32°)と広くしている。なお、このような作用・効果は、テーパ面部522でも同様に奏する。
また、前側カバー部560の上部側における平坦面部561とテーパ面部562とにわたるエリアに、Nルート用流出路部580が形成されている。Nルート用流出路部580は、第1V入賞口32に遊技球を流出する部位となる。
ちなみに、NルートNRでは、遊技球Bが、図54,56に示すように、底板120の転動面120aを経て、Nルート振り分け機構700のNルート振り分け部材710における振り分け案内板720の上面720a上を後方に転動すれば、壁有り球移送室467に流下され、そして、壁有り球移送室467からNルート用流出路部580から流出されるまでの、壁有り球移送室467により遊技球Bの移送されるルートを、V入賞移送ルートN5としている(図9参照)。このV入賞移送ルートN5は、第1分岐ルート(Nルート)NRでのルートであり、第1移送ルートともいえる。
なお、実施形態の場合、NルートNRでは、遊技球Bが、Nルート振り分け機構700のNルート振り分け部材710における振り分け案内板720の上面720aを後方に転動しても、壁無し球移送室466に流入されれば、その後の回転による移送は、外れ移送ルート(外れルート)N6となる。すなわち、この外れ移送ルートN6では、壁無し球移送室466が、壁有り球移送室467と相違して、外周壁450を備えておらず、Nルート振り分け機構700の外れ排出口784の位置に配置されれば、遊技球が壁無し球移送室466の外周側から外れ排出口784に流下してしまうからである(図58参照)。そのため、この振り分け案内板720の上面720aを後方に転動するルートは、遊技球Bが、V入賞できない外れ移送ルート(外れルート)N6に移送される場合があるものの、V入賞できるV入賞移送ルートN5に入る場合もあって、NルートNRでの入賞期待ルートN4となる。
そして、実施形態の場合、回転するリング状回転体410の下端409aの前側部位、すなわち、Nルート用移送路部570付近の底板120や振り分け案内板720の配設部位は、第1分岐ルート(Nルート)NRでの球移送室465へ遊技球Bを流入させる部位であり、第1流入部位ともいえる。
Nルート用流出路部580は、前側カバー部560におけるリング状回転体410の回転中心軸O3の水平方向に沿った左方側の真横を超えて、その真横の若干上方に、前後方向に貫通されたNルート用流出口581、を開口させて構成されている。さらに、Nルート用流出路部580では、Nルート用流出口581の周縁から前方に突出して、Nルート用流出口581から前方に流下した遊技球Bを、左方のV入賞用樋部587に転動させる流出用樋部583、を備えて構成されている(図43,44参照)。
流出用樋部583は、左方のV入賞用樋部587に連なる開口(第1V入賞口32となる)を空けて、Nルート用流出口581の周縁582の右縁582a、下縁582b、及び、上縁582cから前方に突出して、前方を塞ぐ前面壁部584を備えた略箱形状に形成されている。そして、底壁となる転動壁585が、その上面の転動面585aを左下がりとするように、配設されている。
V入賞用樋部587は、カバーパネル500の後面側まで延び、さらに、カバーパネル500とその後面側に取り付けられる樋プレート88(図43参照)を利用して、取付ベース87の後面で下方に伸び、その途中に、第1V入賞口SW37を配設させている(図3参照)。
このNルート用流出路部580では、遊技球Bを入球させている壁有り球移送室467がNルート用流出口581の位置まで回転されて、羽根板440Bの傾斜面448が、Nルート用流出口581の下縁582bを越えた上方に配置された際、壁有り球移送室467の遊技球Bが、図43,44に示すように、前下がりの傾斜面448を前方に転動して、Nルート用流出路部580の転動面585aに移送されることとなる。その後、遊技球Bは、転動面585aを左方に転動して、第1V入賞口32に入賞することとなる。ちなみに、このNルート用流出路部580は、第1分岐ルート(Nルート)NRでの球移送室465(壁有り球移送室467)から遊技球Bを流出させる部位であり、第1流出部位ともいえる。
なお、カバーパネル500は、Nルート用移送路部570の左右の規制壁部572,573の部位と開口502の上縁周縁とに、センター飾り組付体100の位置決め突起158,161を嵌挿させるための位置決め孔501が、配設されている。
[Sルート振り分け機構の説明]
Sルート振り分け機構600は、図3,6に示すように、センター役物25の下部における画像表示装置40の前方に、遊技球を転動させるステージ610を配設させて構成されている。このSルート振り分け機構600は、入賞振り分け機構であり、図6,11,45,47に示すように、SルートSRのリング状回転体410(振り分け共用移送体409)による移送ルートS3を経てカバーパネル500の転動面545bを転動してくる遊技球Bを、ステージ610上の振り分けルートS4に流入させて、第2V入賞口33に入賞する入賞ルートS5と外れルートS6とのいずれかに振り分けるものである。そして、Sルート振り分け機構600は、図41,42,45〜47に示すように、既述のステージ610、振り分け部材620、振り分け部材620を回転させる振り分け回転機構630、取付プレート650、区画支持プレート660、及び、前プレート670、を備えて構成されている。
振り分け回転機構630は、駆動軸641を有した駆動源としての駆動モータ640、駆動軸641に固着された駆動歯車643、及び、駆動歯車643に噛合する従動歯車645を固着させ、かつ、上端に振り分け部材620を固着させた回転軸647、を備えて構成されている。
なお、振り分け部材620は、略半球形状として、外周の放射状の三箇所に、回転中心となる回転軸647側に凹んで、それぞれ、遊技球Bを収納可能な3つの凹部を配設させて構成されている。これらの凹部の内、ひとつの凹部が、V入賞用収納凹部624として、他の二つの凹部が、外れ用収納凹部621,622としている。二つの外れ用収納凹部621,622には、下端側に、それぞれの外れ用収納凹部621,622の下方を塞ぐように、底板623が配設されている。V入賞用収納凹部624は、このような底板623を備えず、単に、凹形状が上下に貫通されている。
振り分け部材620は、リング状回転体410とともに、既述したように、遊技機1の電源ONから、常時、回転駆動させることとなり、実施形態の場合、回転軸647とともに、時計回り方向に回転する。さらに、この回転軸647は、上端側を下端側より前方側に傾けており(実施形態の場合、鉛直方向から約30°)、各外れ用収納凹部621,622の底板623は、水平方向から約30°分、前下がりの状態して、回転軸647回りで回転することとなる(図42参照)。
駆動モータ640は、取付プレート650の上端側の前下がりの略長方形板状の取付ベース部651の下面側に固定されている。この取付プレート650は、取付ベース部651に、駆動モータ640の駆動軸641を挿通させる挿通孔652と、その左方側のV入賞用開口653と、を備えて、前縁側には、ステージ610の後述する外れ排出路613から連なる排出用樋部654を、配設させている。
区画支持プレート660は、上部の左右方向の中央に、回転軸647を支持する軸支部661を備えている。そして、区画支持プレート660は、軸支部661の左方側に、順に、第2V入賞口33を上端側に開口させて後方に延びるV入賞用樋部665と、排出用開口663を上端に開口させて下方に延び、取付プレート650のV入賞用開口653の上方に連なる排出用樋部662と、を区画して配設させている。V入賞用樋部665の上端の第2V入賞口33は、軸支部661で支持された回転軸647に固着された振り分け部材620が回転する際、各外れ用収納凹部621,622やV入賞用収納凹部624の通過するエリアの下方に配置されている。また、軸支部661は、既述したように、上端側を下端側より約30°前方に傾斜させて、回転軸647を支持している。
前プレート670は、駆動モータ640や振り分け部材620を固着させた回転軸647等を組み付けた取付プレート650と区画支持プレート660とを取り付けて、Sルート振り分け機構600ごと、取付ベース87と支持部材89とに取り付ける部材である。また、この前プレート670には、ステージ610の下方で発光するLED等を設けた左右の支持板680,681も取り付けられている。
ステージ610は、上面側に、凹溝状の転動路611、流入路612、及び、外れ排出路613、を配設させるとともに、左右方向の中央の後縁側に、振り分け部材620を収納する収納用開口615を上下方向に貫通させて、構成されている。転動路611は、ステージ610の前縁側で左右方向に沿って配設され、カバーパネル500の転動面545bからの遊技球を右縁側から受け入れて左縁側まで転動可能としている。そして、この転動路611は、左右の縁側より左右方向の中央付近を最も低くするように構成され、その左右方向の中央の後方側に、流入路612を接続させている。この流入路612は、振り分け部材620側に遊技球Bを転動させるものであり、振り分け部材620の下縁側の周囲を囲んですり鉢状に凹みつつ、収納用開口615の前縁側に連なっている。また、外れ排出路613は、流入路612の左縁側に連なって左方に延びるように配設されて、左端側に、区画支持プレート660の排出用開口663に連通する外れ排出口614を開口させている。
このSルート振り分け機構600では、図41に示すように、カバーパネル500の転動面545bを左方に転動してきた遊技球Bが、まず、ステージ610の転動路611に入り、転動路611を左右に転動した後、中央の流入路612から後方に転動して、振り分け部材620に向かう。
その際、図41,42,47のAに示すように、遊技球Bが、V入賞用収納凹部624に入れば、SルートSRの入賞ルートS5に入球されたこととなって、V入賞用収納凹部624が外れ用収納凹部621,622と相違して底板623を備えていないことから、V入賞用収納凹部624に収納されつつ、区画支持プレート660の軸支部661の前側の受止座666に支持される。ついで、回転軸647と一体的に振り分け部材620が時計回りに回転し、V入賞用収納凹部624が、遊技球Bとともに、受止座666から外れて、第2V入賞口33の上方に配置されれば、遊技球Bが第2V入賞口33に入賞することとなる。そして、遊技球は、下方のV入賞用樋部665を経て後方移動して流下し(図46参照)、取付プレート650のV入賞用開口653を経てさらに流下し、第2V入賞口SW38を配置させたNルート振り分け機構700の後述する後側部材790(図50参照)を通過することとなる。
一方、流入路612から後方に転動して振り分け部材620に向かった遊技球Bが、図47のA〜Cに示すように、外れ用収納凹部621,622に入れば、SルートSRの外れルートS6に入球されたこととなって、各外れ用収納凹部621,622の底板623により、受止座666に接触することなく、遊技球Bは各外れ用収納凹部621,622に収納された状態となる。そして、振り分け部材620が時計回りに回転し、それらの外れ用収納凹部621,622が、外れ排出路613の外れ排出口614側に向けば、上端側を前方側に配置させた回転軸647と一体的に振り分け部材620が時計回りに回転しており、それらの振り分け部材620の外周側の開口621a,622aが斜め下向きに開口し、かつ、底板623も前下がりとなっているため、遊技球Bが、開口621a,622aから外れ排出路613側に流下される。そして、遊技球Bは、図46,52に示すように、外れ排出口614、区画支持プレート660の排出用開口663や排出用樋部654、さらに、取付プレート650の排出用樋部654、排出口SW39を設けたNルート振り分け機構700の後述する排出用樋部788を通過することとなる。
[Nルート振り分け機構の説明]
Nルート振り分け機構700は、図9,11に示すように、壁無し球移送室466と壁有り球移送室467との2種類の球移送室465を有した振り分け共用移送体409(リング状回転体410)と、センター役物25の下部におけるSルート振り分け機構600のステージ610の前下側に配設された機構本体部705と、を備えて構成されている。このNルート振り分け機構700は、入賞振り分け機構であって、図48,49に示すように、NルートNRのセンター飾り組付体100における流下ルートN2を経て、底板120の転動面120aから後方に転動してくる遊技球Bを、昇降(上下往復移動)する振り分け部材710を利用した振り分けルートN3を通過させて、図9に示すように、第1V入賞口32に入賞するV入賞移送ルートN5、外れ移送ルートN6、及び、外れ流下ルートN7のいずれかに振り分ける。
具体的に述べれば、振り分け部材710の上端の装飾部711が、振り分け機構700の機構本体部705の作動時に、底板120上を後方移動する遊技球Bの後方側の対向する位置において、上下往復移動されるように配設されている。そのため、振り分けルートN3では、底板120の転動面120aから後方に転動してくる遊技球Bは、まず、図48に示すように、上下往復移動する振り分け部材710の上下の配置位置の相違により、振り分け共用移送体409の球移送室465に流入させる入賞期待ルートN4と、外れ排出口785,786に流下される外れ流下ルート(外れルート)N7と、に振り分けられる。さらに、入賞期待ルートN4により球移送室465に流下した遊技球Bは、その球移送室465が壁無し球移送室466かあるいは壁有り球移送室467かにより、図9に示すように、第1V入賞口32に入賞するV入賞移送ルートN5、あるいは、外れ排出口784に流下する外れ移送ルートN6、のいずれかに振り分けられることとなる。
Nルート振り分け機構700の機構本体部705は、図50〜53に示すように、振り分け部材710、振り分け部材710を昇降させる振り分け昇降機構750、取付プレート770、及び、転動部材780、を備えて構成されている。
振り分け部材710は、図51に示すように、上端側に配設される装飾部711と、装飾部711を支持する支持部730と、を備えて構成されている。装飾部711は、図53に示すように、怪獣の頭部を擬態化した装飾本体部712と、装飾本体部712の上端に設けた振り分け案内板720と、を備えて構成されている。装飾本体部712は、前面側に塗装した塗装部位(装飾塗装部)715を設けて構成されている。この装飾塗装部715は、顔面の目鼻等を擬態化させたような凹凸714を設けたベース713の表面に、塗料717を塗布して形成されている。この塗装は、転写等の印刷、あるいは、刷け塗り、スプレー塗布等の塗装工程により、所定の塗料717をベース713の前面側の表面に塗布して行っている。また、装飾本体部712のベース713は、ポリアセタールやABS樹脂等の合成樹脂材料を着色して形成されており、装飾塗装部715以外の装飾一般部716は、ベース713を形成した合成樹脂材料自体を着色した地色により、彩色されている。
振り分け案内板720は、ホームベース板形状とし、上面720aを、後下がりに傾斜させるように配置させて、後方へ遊技球Bを転動可能な案内面723としている。すなわち、この案内面723は、図54,56,58に示すように、NルートNRの振り分けルートN3における入賞期待ルートN4を構成している。また、振り分け案内板720の前端面720bは、左右方向の中央を前方側に突出させる頂部725として、頂部725の左右の部位を、後方移動する遊技球Bとの摺接時に、左右両側の外方にずれ移動させる外れ排出面726,727としている。なお、実施形態の場合、振り分け案内板720は、左右方向の幅寸法WLを、遊技球Bの直径寸法BDより大きく、かつ、振り分け共用移送体409の球移送室465の外周側の幅寸法TBより、若干広く設定され、前後方向の奥行寸法FLを遊技球Bの直径寸法BDより、若干大きく設定されている。
そして、この振り分け案内板720は、昇降する振り分け部材710が下降した下端位置DPに配置された際、図54,56,58に示すように、上面720aの案内面(転動面)723が、入賞期待ルートN4を形成可能に、NルートNRの流下ルートN2の底板120の転動面120aから後方移動してくる遊技球Bを、案内面723上で後方に転動させて、回転する球移送室465に流下させることができるように、設定されている。すなわち、振り分け案内板720の寸法形状や下端位置DPの配置位置等が、入賞期待ルートN4を形成可能に、センター飾り組付体100の底板120や下側仕切材150のNルート案内背板部153の下端(下環状背板部154の下端側の凹部154c付近)、あるいは、振り分け共用移送体409等の配置位置に対応させて、設定されている。ちなみに、下端位置DPの振り分け案内板720は、実施形態の場合、後縁720cの高さ位置を、振り分け共用移送体409の最下端の球移送室456における左右方向で対向する羽根板440の外縁442,442より、若干、上方位置に配置させるように、設定され、また、振り分け案内板720の前端面720bは、その前方の底板120の転動面120aにおける後縁120abより、若干、下方位置に配置されている(図54参照)。勿論、前端面720bと転動面120aの後縁120abとの前後方向の離隔距離は、遊技球Bが転動面120aから上面720aに円滑に転動するように、小さく設定されている。
さらに、昇降する振り分け部材710が上昇した上端位置UPに配置された際、図9,55,57,58に示すように、前端面720bの外れ排出面726,727が、外れ流下ルートN7を形成可能に、NルートNRの流下ルートN2の底板120の転動面120aから後方移動してくる遊技球Bを、振り分け案内板720の左右の外れ排出口785,786に流下させることができるように、設定されている。すなわち、振り分け案内板720の寸法形状や上端位置UPの配置位置等が、外れ流下ルートN7を形成可能に、センター飾り組付体100の底板120や下側仕切材150のNルート案内背板部153の下端(下環状背板部154の下端側の凹部154c付近)、あるいは、外れ排出口785,786等の配置位置に対応させて、設定されている。ちなみに、上端位置UPの振り分け案内板720は、実施形態の場合、後縁720cの高さ位置を、振り分け共用移送体409の最下端の球移送室465における内側筒部431と略同じ高さ位置に配置させるように、設定されている。
なお、実施形態の場合、外れ排出面726,727は、上方から見て、頂部725付近を除いて平面状とし、相互の交差角度θcを約120°としている(図53参照)。また、頂部725は、半径寸法rcを1.5mm程度としたR形状の弧面として形成されている。そのため、振り分け案内板720が上端位置UP付近に配置されて、かつ、遊技球Bが底板120の転動面120aを後方に転動してくる際、常時ではないものの、遊技球Bが、転動面120a上で支持された状態としつつ、前面をR形状の頂部725付近で受け止められて滞留し、その後、振り分け案内板720の下降に伴って、振り分け案内板720の上面720aを後方へ転動する入賞期待ルートN4に入ることを、可能にしている(図41参照)。
振り分け部材710の支持部730は、図53に示すように、上面に装飾部711を固着させて左右方向に延びる上横板部731と、上横板部731の左右の縁から二又状に下方に延びる側壁部732,732と、左右の側壁部732,732の下端の後縁側を相互に連結する下横板部736と、を備えて構成されている。左右の側壁部732,732の外表面側には、図52,53,56に示すように、前縁側に、それぞれ、上下方向に沿って断続的に延びるガイド片部733,734が突設され、各ガイド片部733,734の後方に、フック735が突設されている。ガイド片部733,734は、取付プレート770の後面側に取り付けられたガイドレール740と取付プレート770との間で、上下動を案内される部位となる。左右のフック735には、取付プレート770に下端をねじ747止めされるばね(引張コイルばね)745の上端が係止されている。下横板部736の後縁の左側には、後方へ突出する係止片部737が配設されている。
なお、振り分け部材710の支持部730が左右に二又状に構成されている理由は、センター役物25の左右方向の中央下方には、第1始動入賞装置48が配設されることから(図3参照)、その第1始動入賞装置48と干渉しないように、第1始動入賞装置48を左右で跨いで、円滑に、振り分け昇降機構750に連結させるためである。
振り分け昇降機構750は、図52,53,56に示すように、駆動源としての駆動モータ760、駆動モータ760の駆動軸761に固着されて、押圧突起部763を突出させているカム762、及び、揺動レバー765、を備えて構成されている。駆動モータ760は、取付プレート770に取り付けられる転動部材780の後面側に取り付けられて、駆動軸761のカム762を固着させた部位を、転動部材780から前方に突出させている。揺動レバー765は、左右方向の中央付近の軸支部766を取付プレート770に軸支させて左右方向に延び、右端側に押下片部767を配設させ、左端側に押上片部768を配設させて構成されている。押上片部768は、振り分け部材710の係止片部737の下面と当接するように配設され、押下片部767は、駆動軸761の回転(前方から見て反時計回り方向の回転)に伴うカム762の回転時、カム762の押圧突起部763によって下方に押されて、図56,57に示すように、前方から見て、揺動レバー765を軸支部766を回転中心として、時計回り方向に回転させるように、構成されている。そして、この揺動レバー765の時計回り方向の回転により、揺動レバー765の押上片部768が振り分け部材710の係止片部737を押し上げるため、振り分け部材710は、ガイド片部733,734をガイドレール740に摺動させつつ、ばね745の付勢力に抗して、上端位置UPまで上昇することとなる。そして、カム762の回転に伴い、押圧突起部763が押下片部767から離れれば、ばね745の付勢力により、振り分け部材710が下端位置DPに下降するとともに、係止片部737が押上片部768を押し下げて、揺動レバー765は、軸支部766を回転中心として、反時計回り方向に回転して、原位置に復帰されることとなる。
したがって、この振り分け部材710では、駆動モータ760が駆動軸761とともにカム762を回転させれば、下端位置DPから上端位置UPに上昇し、その後に下端位置DPに復帰されるように、上下に直線往復移動することとなる。なお、この振り分け部材710の昇降も、既述したように、振り分け部材260の揺動や開閉部材190の開閉とともに、小当たりを契機として、所定時間、作動されることとなる。
振り分け機構700における機構本体部705の取付プレート770は、図50〜52に示すように、転動部材780や後側部材790を保持するとともに、直接的、若しくは、転動部材780等を利用しつつ間接的に、振り分け昇降機構750の各部材を保持して、取付ベース87や支持部材89に機構本体部705を取り付ける役目を果たしている。さらに、取付プレート770は、左右方向の中央の下縁側に、第1始動入賞装置48(図49参照)を収納したり、第1始動口49に入賞した遊技球を通過させるスペースを確保できるように、上方へ凹む収納凹部775を、配設させている。振り分け部材710の支持部730における側壁部732は、この収納凹部775の周囲を跨いで配設されている(図56参照)。
転動部材780は、上面側に、左右方向の中央を下方に凹ませた転動壁782を設けた上側部781、を備えて構成されている。この転動壁782は、振り分け共用移送体409の下端側に配置された3個分の球移送室465に対応して、それらの外周に沿って凹むように、配設されている(図48参照)。そして、転動壁782の左縁側には、外れ排出口784が上下に貫通するように配設されている。この外れ排出口784は、NルートNRのはずれ移送ルートN6の遊技球を流下させる部位となるとともに、その下方には、SルートSRの外れルートS6における外れ排出口614を通過した遊技球も通ることとなる。
なお、転動壁782は、カバーパネル500の外周側カバー部515,555間において、外れ排出口784を除き、回転するリング状回転体410の下端付近の外周側を覆っていることから、外周側カバー部590とも言える。
また、上側部781の転動壁782の前縁から下方に下がる前面壁783には、転動壁782の左右両縁付近から排出用樋部783a,783bを前方側に突出させて、その上方に、外れ排出口785,786が配設されている。これらの外れ排出口785,786は、既述したように、NルートNRの外れ流下ルートN7の遊技球Bを流下させるものであり、振り分け部材710の振り分け案内板720の上面720a上の入賞期待ルートN4を通過できずに、外れ排出面726,727に摺接した遊技球Bが、外れ排出口785,786に流下することとなる。なお、これらの外れ流下ルートN7を通る遊技球Bは、転動壁782の下方の排出用樋部787を通過して左方に転動し、外れ排出口784を通過する外れ移送ルートN6の遊技球、あるいは、その上方のSルートSRの外れルートS6からの遊技球も合流して、転動部材780の左縁側から前下側に延びる排出用樋部788を通過することととなる。この排出用樋部788には、後側部材790に設けられて遊技球を検知可能な排出口SW39が配設され、この排出口SW39が、SルートSRとNルートNRとの第2V入賞口33や第1V入賞口32に入賞しなかった遊技球を、共用して検知することとなる。
なお、後側部材790は、転動部材780の後方側に配置されて、排出口SW39の他に、第2V入賞口33に入賞した遊技球を検知する第2V入賞口SW38も組み付けられており、それらのスイッチ収納部791,792を備えて構成されている。
このNルート振り分け機構700では、NルートNRの流下ルートN2における転動面118a,119aを転動し、さらに、底板120の転動面120aから後方に転動してくる遊技球Bは、次のようの振り分けルートN3の各ルートに振り分けられる。すなわち、上下往復移動する振り分け部材710の振り分け案内板720が下端位置DPに無ければ、底板120の転動面120aから後方に転動してくる遊技球Bは、図9,55,57,58に示すように、振り分け案内板720の外れ排出面726,727により、左右の外れ排出口785,786に流下される外れ流下ルートN7に入り、そして、外れ排出口785,786に流下された後、排出用樋部783a,783bと転動壁782の下方の排出用樋部787とを経て(図52参照)、排出用樋部788に入って排出口SW39をONさせることとなる。
一方、振り分け案内板720が下端位置DP付近に配置されていれば、図54,56,58に示すように、底板120の転動面120aから後方に転動してくる遊技球Bは、案内面723上を後方に転動する入賞期待ルートN4に乗り、回転する振り分け共用移送体409の球移送室465に入球する。その際、遊技球の入球した球移送室465が壁無し球移送室466であれば、図58のA,Bに示すように、遊技球Bは外れ移送ルートN6に移送されたことになる。この場合、壁無し球移送室466が振り分け共用移送体409の回転により転動部材780の転動壁782上を通過する際、遊技球Bは、壁無し球移送室466の回転方向後方側の羽根板440Bに押されつつ、転動壁782の上面の転動面782aを転動し、そして、その壁無し球移送室466が転動部材780の外れ排出口784の上方に配置されれば、遊技球Bは、外れ排出口784に流下され、さらに、排出用樋部788に排出されて(図52参照)、排出口SW39をONさせることとなる。
逆に、図54,56に示すように、遊技球Bの入球した球移送室465が壁有り球移送室467であれば、遊技球BはV入賞移送ルートN5に移送されたことになる。すなわち、その壁有り球移送室467は、壁無し球移送室466と相違して、外周壁450を備えていることから、図54,56,8,9に示すように、振り分け共用移送体409の回転により、転動部材780の転動壁782における外れ排出口784上を通過しても、遊技球Bを外周壁450の内側面450a上に乗せて収容した状態で通過し、遊技球Bの外れ排出口784への流下が防止される。そのため、壁有り球移送室467は、遊技球Bを収容した状態で、外れ排出口784の上方を通過し、さらに、カバーパネル500のNルート用流出路部580のNルート用流出口581の後方側まで、透明なNルート用カバー部550の前側カバー部560の後方を上昇回転移動する。そして、壁有り球移送室467がNルート用流出口581の後方に配置されれば、図43,44に示すように、壁有り球移送室467に収容されていた遊技球Bは、羽根板440Bの傾斜面448により、Nルート用流出口581を経て、壁有り球移送室467から前方の流出用樋部583に転動し、そして、前面壁部584の後面側の転動面585aを左方に転動し、第1V入賞口32に入賞することとなる。さらに、第1V入賞口32に入賞した遊技球Bは、V入賞用樋部587を通過して第1V入賞口SW37をONさせることとなる(図3参照)。
そしてさらに、実施形態の振り分け案内板720では、上昇途中は勿論のこと、上端位置UPに配置されている際を含めて、装飾部711の装飾塗装部715の塗料717が遊技球Bと接触して剥がれないように、底板120の転動面120aの後縁120abと、凹凸714の部位を含めた装飾塗装部715の外表面715aと、の配置位置を考慮して、前端面720bの前方側への突出形状が設定されている。
すなわち、振り分け案内板720が上端位置UPに配置されて、遊技球Bが、底板120の転動面120a上を後方へ転動して、装飾部711の装飾塗装部715に当たろうとしても、その遊技球Bが、振り分け案内板720の前端面720bやその下縁720bbと、底板120の転動面120aの後縁120abと、によって位置規制され、装飾塗装部715に当たること無く、さらに、前端面720bやその下縁720bbと後縁120abとの上方から見た相互の離隔距離の広がる左右の斜め後方に、自重によって案内されて、外れ排出口785,786に流下すればよい(図55,58のB参照)。ちなみに、振り分け案内板720の前端面720bは、左右両側にかけて、斜め後方向に傾斜し、底板120の後縁120abが、左右方向に延びているため、上方から見た相互の離隔距離は、左右の斜め後方にかけて、広がる形状となる。そして、実施形態の場合には、振り分け案内板720が上端位置UPに配置された際に、振り分け案内板720の前端面720bの左右方向の全域を、底板120の転動面120aの後縁120abより上方に突出した装飾塗装部715の外表面715aの上部715b側に対して、左右の斜め前方向を含めて、前方側へ突出させるとともに、振り分け案内板720の頂部725と底板120の転動面120aの後縁120abとの前後方向の離隔距離SFを、遊技球Bの直径寸法BDより小さく設定している。さらに、実施形態の場合、装飾部711の塗装されていない装飾一般部716が、前端面720bとともに、装飾塗装部715に接近する遊技球Bを受け止めることができて、その遊技球Bが装飾塗装部715と接触しないように、装飾一般部716における装飾塗装部715の周縁に位置する周縁部位716aを、その近傍の装飾塗装部715より外側に隆起させている(図53,55参照)。
[球噛み防止機構の説明]
球噛み防止機構800は、既述したように、図9,11,38に示すように、Sルート用移送口532付近のSルート用移送路部530に配設されている。この球噛み防止機構800は、図59に示すように、球移送室465(球収容凹部460)へ収容される遊技球Bが、回転する球移送室465の開口461の周縁であって、球移送室465相互を区画する羽根板440と、Sルート用移送口532(流下口533)の周縁部位(流下口533の周縁850における下縁851)と、の間で球噛みされないように、構成されている。そして、実施形態の場合、球噛み防止機構800は、図61,62に示すように、シャッタ880と、戻しばね872と、を備えて構成されている。
なお、シャッタ880は、押え板860を利用して、流下口533の周縁におけるカバーパネル500の取付基部810に、取り付けられている。
また、シャッタ880を配設させるカバーパネル500では、既述の断面U字状のSルート用移送路部530を、球移送室465への遊技球Bの流入路部531とし、断面U字状の移送用樋部534を、球移送室465への遊技球Bの流入用樋部535とし、Sルート用移送口532を、球移送室465への遊技球Bの流下口533として、説明する。
さらに、この流下口533は、既述したように、遊技球Bを通過可能な開口面積を有して、回転するリング状回転体410の仕切枠体430における外周壁450を含めた外縁環部432の前方より、若干、回転中心軸O3から離れる外側に、周縁850の右縁852を配置させている(図63参照)。詳しく述べれば、図65に示すように、流下口533は、左右方向の開口幅OWを遊技球Bの直径寸法BD分より若干大きくして、回転移動する球移送室465の回転移動軌跡より、右縁852を右方側にずらして配設されている。
カバーパネル500の断面U字状の流入用樋部535は、図59,60,65に示すように、前端側の流入口535aを、SルートSRの流下ルートS2におけるSルート案内樋部152の後端側の流出口152aに連通させるように、流出口152aと前後方向で重ねるように、流出口152aの後方に配置させている。また、流入用樋部535は、図39,40,65に示すように、流下口533の周縁850における下縁851から前方に延びる底壁部841と、周縁850の右縁852から前方に延びる側壁部847と、流下口533から左側にずれたカバーパネル500の開口502の周縁から前方に延びるとともに、底壁部841の左縁から上方に延びるように配設される側壁部845と、を備えて構成されている。左方側の側壁部845は、転動してくる遊技球Bを右側に案内する三角板状の案内リブ846を、上縁に配設させている。右方側の側壁部847は、後縁側を、前後方向に沿わせて、流下口533の右縁852に連ならせるストレート部847aとし、前縁側を、底壁部841とともに、ストレート部847aから斜め前方に延びるように屈曲させた前縁部847bとして、構成されている。前縁部847bの前端側の上端には、シャッタ880の開き時における後述する規制部892の先端部892bとの干渉を防止する切欠き凹部847cが、形成されている(図61〜64参照)。
底壁部841の上面は、遊技球を転動させる案内面(転動面)842として、前方から見て、カバーパネル500の平坦面部521のエリアの前方側に配置される右側の案内面844と、テーパ面部522のエリアの前方側として、段差842aを有して案内面844より上方に配置される左側の案内面843と、を備えて構成されている。案内面843は、案内リブ846の直下の遊技球と接触しない部位を除いて、右下がりに傾斜し、案内面844は、流下口533の下縁851に連なるように、前縁側から後縁側に下がるように傾斜している。また、この案内面844は、前後方向の長さ寸法GL(図65参照)を、遊技球Bの直径寸法BDより若干大きく設定されている。さらに、段差842aの上縁の角部842bは、水平方向に沿う前後方向に沿って、配設されている。
この流入用樋部535では、Sルート案内樋部152の後端側の流出口152aから転動してくる遊技球Bが、流入口535aを経て流入してくれば、左側の案内面843に転動しても、案内面843の右下がりの傾斜により、右側の案内面844上における前縁844a付近に転動し、そして、案内面844の後下がりの傾斜により、後方の流下口533に転動して、流下口533から球移送室465に流下していくように、構成されている。なお、流入口535aから流入してきた遊技球Bは、案内面843上で、右方向に転動して、案内面844の前縁844a側に転動しても、流入用樋部535の右側の側壁部847における屈曲している前縁部847bに受け止められて、Sルート案内樋部152側に逆流せず、円滑に、流下口533側に転動する。
カバーパネル500の流下口533の上縁側には、図38〜40に示すように、シャッタ880の押圧片部882を収納するスリット820が、上方に延びるように配設されている。スリット820の上端の周縁には、シャッタ880を取り付ける既述の取付基部810が配設されている。取付基部810は、カバーパネル500の前側カバー部520の前面側における平坦面部521とテーパ面部522との両側にわたるように、配設されている。取付基部810は、図61,62に示すように、取付基部810にねじ874止めされる押え板860を利用して、シャッタ880の上端側の元部881を回動可能に軸支して保持する。なお、スリット820自体は、カバーパネル500の平坦面部521とテーパ面部522との境界部位付近に、配設されている。
シャッタ880は、上端側の元部881と、元部881の下方の押圧片部882と、押圧片部888の下端(先端)に設けられた止め片部890と、を備えて構成されている。このシャッタ880は、図59〜64に示すように、流下口533を閉塞する閉塞位置SCPと、下端の止め片部890側を流下口533から離れる前方に回転させて流下口533を開口させる開口位置SOPと、の間を、回転する羽根板440と戻しばね872とを利用して、回動するように構成されている。
元部881は、支持ピン870を挿入させた挿通孔881aを有する円筒状に形成されている。元部881に挿入された支持ピン870は、図63,64に示すように、遊技球Bを収容して移送するリング状回転体410の回転中心軸O3を中心とする半径方向に、軸心O4を沿わせて、取付基部810と取付基部810に固定された押え板860との間で、保持されている。そのため、シャッタ880は、元部881から下方に延びる押圧片部882が、下方の止め片部890とともに、流下口533付近を通過する各羽根板440と略直交する方向の面に沿って、換言すれば、流入路部531の流下口533から球移送室465に流入する遊技球Bの流入方向の前後方向に沿って、回動可能として、既述の二つの閉塞位置SCPと開口位置SOPとの間を移動することとなる。
元部881付近には、既述の戻しばね872が配設されている。この戻しばね872は、開口位置SOP側にあるシャッタ880を閉塞位置SCP側に付勢する付勢手段を構成するものであり、実施形態の場合、捩りコイルばねからなり、元部881に巻き掛けつつ、一端を取付基部810の支持突起814に係止させ、他端をシャッタ880の押圧片部882の支持突起886に係止させている。シャッタ880は、この戻しばね872により、流下口533を閉塞する側に回転(下端の止め片部890を後方側に回転)するように、常時、付勢されている。
押圧片部882は、前方から見て、リング状回転体410の羽根板440の外縁前端部444の回転軌跡に沿うように、湾曲しつつ、側方から見て、略三角板状に形成されている。この押圧片部882は、左側面に既述の支持突起886を設け、右側面に係止突起887を突設させている。係止突起887は、スリット820の周縁の平坦面部521の前面側に当接されて、戻しばね872により付勢されたシャッタ880の止め片部890が、流下口533に接近した流下口533の閉塞位置SCPで停止するように、配設されている。
また、押圧片部882は、後面を摺動面883として、止め片部890が流下口533を閉塞している際、摺動面883側を、各玉移送室465内に進入させるとともに、各羽根板440の外縁前端部444より、壁有り球移送室467の外周壁450の略厚さ寸法T1分、リング状回転体410の回転中心軸O3側にずらすように、配設されている(図63,67参照)。そして、この摺動面883は、回転する各羽根板440の外縁前端部444より、厚さ寸法T1分、回転中心軸O3側にずれた位置を押圧部445として、リング状回転体410の回転に伴う各羽根板440の回転移動時、その各押圧部445に摺動されて、押圧片部882を、軸心O4を中心として、前方に回転移動させることとなる。そしてその際、シャッタ880の止め片部890は、流下口533から離れるように、開口位置SOPまで前方側に回転移動し、流下口533を開口させることとなる。
なお、押圧片部882は、回転時の各羽根板440の押圧部445に当接するものの、各羽根板440の外縁前端部444より回転中心軸O3側に外周壁450の略厚さ寸法T1分ずれているため、壁有り球移送室467の外周壁450に押圧されることは無く、壁有り球移送室467が回転移動してきても、外周壁450の内側にずれて、配置されることとなる(図67,68参照)。
さらに、押圧片部882の下面884自体は、図60に示すように、軸心O4を回転中心として前後に揺動しても、案内面844上を転動して流下口533から球移送室465に流下する遊技球Bと、当接しないように、設定されている。
シャッタ880の止め片部890は、図61,62に示すように、連結部891と規制部892とを備えて構成されて、流下口533の前方側に配置されている。連結部891は、押圧片部882の下端の前縁側から下方に延びる延設部891aと、延設部891aの下端から屈曲して、リング状回転体410の回転中心軸O3から離れる右方に延びる屈曲部891bと、を備えて構成されている。規制部892は、屈曲部891bの先端(右端)から下方に延びるように、突設されている。規制部892は、屈曲部891b側の元部892aから先端部892bにかけて、側方から見て先細りの略三角板状としている。なお、止め片部890の連結部891も、押圧片部882の下面884と同様に、軸心O4を回転中心として前後に回動しても、案内面844上を転動して流下口533から球移送室465に流下する遊技球Bと、当接しないように、設定されている。
そして、規制部892は、流下口533の前方のエリアにおける右縁852の近傍に配置され、先端部892bの前面を規制面893として、シャッタ880の閉塞位置SCPへの配置時、図61,63,65に示すように、流下口533から球移送室465へ流下する遊技球Bを規制面893の左縁893aによって規制している。すなわち、実施形態の場合、案内面844上の遊技球Bは左方側への移動を段差842aの角部842bにより規制されることから、シャッタ880が閉塞位置SCPに配置されている際、規制面893の左縁893aは、単に、遊技球Bの右側外周面BRの背面側となる後面Rbを当接支持できる位置に配置されれば、遊技球Bの案内面844上の後方への転動が規制されることとなって、流下口533を閉塞することができる。
さらに詳しく述べれば、閉塞位置SCPのシャッタ880における規制面893の左縁893aで規制される遊技球Bは、案内面844に下面BBが当接支持されるとともに、段差842aの上端の角部842bに左側外周面BLが当接支持されて、その状態で、規制面893の左縁893aに対し、遊技球Bの右側外周面BRにおける最も右側に突出する頂部BRT付近の後面Rbが当接されて、後方移動を規制されている。
そして、この球噛み防止機構800では、シャッタ880が、羽根板440の押圧部445によって押圧片部882を押圧されて、閉塞位置SCPから開口位置SOPに配置されれば、流下口533を開口させることとなる。実施形態の場合、シャッタ880の開口位置SOPへの配置時には、図66に示すように、規制部892の先端部892bにおける左側の側面894や後面896の左縁896aと、段差842aの角部842bと、の間に、遊技球Bの通過スペースGSが形成され、遊技球Bは、この通過スペースGSを経て、案内面844上を前縁844aから後方へ転動し、流下口533に流下されることとなる。なお、シャッタ880への開口位置SOPまでの回転移動量は、実施形態の場合、押圧部445に押圧される押圧片部882における前面882aから後方の摺動面883までの後方への突出量を、調整すればよい。
特に、実施形態の場合、閉塞位置SCPのシャッタ880が、その規制面893の左縁893aによって遊技球Bを位置規制していても、その左縁893aが、遊技球Bの右側外周面BRの右方へ突出する頂部BRT近傍の後面Rbであり、前方への回転時、遊技球Bを前方に押し出すものの、軸心O4を回転中心とする前上がりの回転により、規制面893を含んだ先端部892bが、直ちに、遊技球Bから離脱して、遊技球Bの右側外周面BRにおける頂部BRTの前面Rf側の前方に、先端部892bの後面896の左縁896aを、配置させることとなって、位置規制していた遊技球Bを直ちに流下口533側に流下させることができる。
そしてさらに、この時の遊技球Bは、先端部892bの左縁893aに遊技球B自体の重心BGから大きく右側に外れた頂部BRTの後面Rbを押され、かつ、段差842aにおける案内面844からの高さを浅くする前方側に押される(図65の二点鎖線に示す遊技球B0から図66の二点鎖線に示す遊技球B1参照)。そのため、遊技球Bは、真直ぐに前方移動せずに、左側の案内面843側にずれるように、段差842aの角部842bに摺動しつつ、斜め左前に移動して、一層、規制部892の先端部892bにおける遊技球Bの後面Rb側からの離脱を迅速に行えることとなり、開口位置SOPまで回転移動するシャッタ880の止め片部890の前方移動距離(移動量)を、短く設定できる。すなわち、押圧部445に押圧される押圧片部882における前面882aから後方の摺動面883までの後方への突出量も、極力、小さく設定できる。その結果、シャッタ880自体の形状と移動量とを、極力、小さくでき、球噛み防止機構800を極力コンパクトに構成することができる。
さらに、このシャッタ880の開き時のタイミングは、流下口533からの遊技球Bが開口461を経て回転移動する球移送室465に流下する際、流下しようとする球移送室465におけるリング状回転体410の回転方向後方側の羽根板440Bと流下口533の下縁851との間で、遊技球Bが挟持されない(球噛みされない)タイミングであればよい。換言すれば、案内面844から流下口533側に転動する際、遊技球Bが羽根板440Bと流下口533の下縁851との間で挟持されるタイミング(図59参照)となる場合では、流下口533を通過しないように、シャッタ880を閉塞位置SCPに配置させればよい。実施形態の場合には、シャッタ880を閉塞位置SCPに配置させるタイミングは、押圧片部882の下面884が回転する羽根板440Bの外側面(上面)447側に配置されて、戻しばね872により、押圧片部882の摺動面883が、押圧部445から離脱して後続の羽根板440に押圧されるまでの時期としている。この時、摺動面883を離脱させた羽根板440Bは、流下口533の下縁851に接近して、羽根板440Bと下縁851との間の離隔寸法SHを遊技球Bの直径寸法BDと略等しくした球噛みポイントBCPを通過することとなる。ちなみに、この時、仮に、遊技球Bが、流下口533を経て、その一部を球移送室465内に進入させていれば、羽根板440の球噛みポイントBCPの通過時、羽根板440Bと下縁851との間で挟持されて、遊技球Bが球噛みされる事態を招くこととなる。
そして、実施形態の場合、シャッタ880が開口させた流下口533から遊技球Bを流下させる球移送室465は、押圧片部882を押している押圧部445を有した羽根板440の下方側の部位としている(図60参照)。この時、仮に、その球移送室465の下方側の羽根板440Fが、流下口533の下縁851より、若干、上方に配置されて、下縁851との間に、隙間を生じさせていても、その隙間は、遊技球Bより小さく、球噛みを生じさせない。そのため、シャッタ880の開口時には、球噛みを生ずることなく、遊技球Bは、案内面844と流下口533とを通過し、開口461を経て、球移送室465に流入されることとなる。
勿論、その後、遊技球Bを流入させた球移送室465が下方に回転移動して、上方側の羽根板440Bが、球噛みポイントBCPを通過する状態となる前には、その羽根板440Bがシャッタ880の摺動面883から離脱して、シャッタ880が閉塞位置SCPに配置されており、遊技球Bは、流下口533を通過できず、球噛みは防止される。
なお、このシャッタ880の開口時、流下口533の後方に壁有り球移送室467が配置されていている場合には、図67,68に示すように、流下口533を塞ぐ外周壁450に遊技球Bが当たり、遊技球Bは、壁有り球移送室467に収容されることは無い。この場合、遊技球Bは、壁有り球移送室467における回転方向の後方側の羽根板440Bの通過後に、戻しばね872により閉塞位置SCP側に付勢されるシャッタ880の規制部892における後面896の後方への押圧と、案内面844の傾斜と、により、後続の壁無し球移送室466に収容されることとなる。
そして、このシャッタ880の開閉のタイミングは、押圧片部882の摺動面883や止め片部890の規制部892の寸法形状を、回転する球移送室465の押圧部445に対応して、設定すればよく、換言すれば、摺動面883の上端883aから下面884までの上下方向の長さ寸法や摺動面883の前面882aからの後方への突出量、規制部892の先端部892bの上下方向の長さ寸法や前後の幅寸法を、回転する球移送室465の隣接する羽根板440の押圧部445相互の距離や押圧部445の回転移動速度等を考慮しつつ、適宜、遊技球Bの転動する案内面844を通過する通過時間も参酌して、設定すればよい。
[第2大入賞装置内での遊技球の動きの説明]
(SルートSRとNルートNRとへの振り分け前)
実施形態の遊技機1では、図2に示すように、第1始動入賞装置48や第2始動入賞装置50への入賞による抽選での小当たり時、図24に示すように、開閉駆動機構200が作動されて、電磁ソレノイド210のON・OFFに伴い、左右の開閉部材190L,190Rが開閉するように回動して、第2大入賞口31が開口される。そして、図6,8に示すように、第2大入賞口31に遊技球Bが入賞すれば、その遊技球Bは、図33に示すように、天井壁125a(天井壁部145)の転動面145b,145cを転動して、左右の流入口126,127のいずれかから、振り分け準備室125に流入する。振り分け準備室125内では、図28に示すように、流入口126,127から流入した遊技球Bは、側壁125c(側壁部147)と内側壁148との間のリブ149,149の転動面149aに案内されて、底壁125bの後縁側に転動し、さらに、リブ112g,112gの転動面112hにより、底壁125bの左右方向の中央側に転動し、図33に示すように、張出案内部112eを経て、流下口128の左右方向の中央付近から、直下に、落下する。
そして、小当たり時には、開閉部材190L,190Rの開閉駆動機構200とともに、振り分け機構250の駆動モータ325が作動されて、振り分け機構250の振り分け部材260が、流下口128の下方で左右に揺動している(図31,32参照)。そのため、図33に示すように、流下口128の直下で左右に揺動している振り分け部材260の振り分け案内板280が、先端部285の上面側の振り分け面285aの向いた方向に応じて、振り分け面285aで反射させつつ、遊技球Bを、左右のNルートNRとSルートSRとのいずれかに振り分けて、それらの転動ルートN1,S1に移送させる。
(SルートSRでの遊技球の動きの説明)
SルートSRは、既述したように、V入賞する確率の高い高入賞率ルートであり、このSルートSRでは、遊技球Bは、順次、図6,11に示すように、転動ルートS1、流下ルートS2、移送ルートS3、振り分けルートS4に移送され、振り分けルートS4において、入賞ルートS5と外れルートS6とに振り分けられることとなる。
すなわち、遊技球Bは、振り分け部材260の振り分け案内板280により、右側の向きを変えれば、図6,33のAや図12,13に示すように、転動ルートS1に移送されて、振り分け転動路部114の右側の転動面114bを右縁まで転動する。そして、遊技球Bは、Sルート案内路部115を通過して、流下ルートS2に移送される。この流下ルートS2では、図60に示すように、Sルート案内路部115を通過した遊技球Bが、流下路形成部材130の転動壁部131や流下筒部133を通過して、センター飾り組付体100の下側仕切材150におけるSルート案内樋部152を後方へ転動し、さらに、ベース側構造体300のカバーパネル500におけるSルート用移送路部530の移送用樋部534に転動する。
そして、球噛み防止機構800のシャッタ880が、移送用樋部534(流入用樋部535)の後端のSルート用移送口532(流下口533)を開口させていれば、遊技球Bが移送口532から後下へ流下して、移送ルートS3に移送される。移送ルートS3では、図10,11に示すように、移送口532から流下した遊技球Bがリング状回転体410の球移送室465(球収容凹部460)に収容され、その回転によって、回転中心軸O3を中心とした時計回り方向に移送されることとなる。
なお、遊技球Bを収容できる球移送室465は、既述したように、外周壁450を有しない壁無し球移送室466である。また、リング状回転体410は、小当たり等と無関係に、Sルート振り分け部材620とともに、遊技機1の電源ONと同時に、常時、時計回り方向に回転駆動されている。
その後、図38,41に示すように、遊技球Bを収容した壁無し球移送室466が、その開口461を、カバーパネル500におけるSルート用流出路部540のSルート用流出口541に到達させれば、羽根板440Fにおける外縁442側を下げた傾斜と外周側カバー部515のテーパ面517aとによって、遊技球Bが、流出口541の周縁542の右縁542a側から前方のSルート用流出路部540の流出用樋部543に転動し、振り分け部材620を配置させたステージ610に連なる振り分けルートS4に移送される。
振り分けルートS4では、図47に示すように、ステージ610の転動路611に遊技球Bが流入し、さらに、遊技球Bは、流入路612を経て、時計回り方向に回転する振り分け部材620に到達する。
この時、遊技球Bが、振り分け部材620のV入賞用収納凹部624に収納されれば、入賞ルートS5に移送されたこととなり、振り分け部材620の回転によって、受止座666(図42,46参照)から第2V入賞口33の上方に移送された際、図47のAに示すように、その第2V入賞口33に落下するように入賞すれば大当たりとなり、第2V入賞口SW38(図3参照)をONさせつつ第2大入賞装置30外へ、排出される。
一方、振り分け部材620に到達した遊技球Bが、振り分け部材620の底板623を有した外れ用収納凹部621,622に収納されれば、外れルートS6に移送されたこととなり、振り分け部材620の回転により、図47のB,Cに示すように、それらの開口621a,622aが外れ排出路613に向けば、外れ用収納凹部621,622から排出されて外れ排出路613に転動する。そして、外れ排出路613を転動した遊技球Bは、外れ排出口614、排出用開口663等を経て、排出口SW39をONさせつつ第2大入賞装置30外へ、排出される(図46,3参照)。
(NルートNRでの遊技球の動きの説明)
NルートNRは、既述したように、V入賞する確率をSルートSRに比べて低くする低入賞率ルートであり、このNルートNRでは、遊技球Bは、順次、図6,7,9に示すように、転動ルートN1、流下ルートN2、振り分けルートN3に移送され、振り分けルートN3において、まず、入賞期待ルートN4と、V入賞とならない外れ流下ルートN7と、に振り分けられる。さらに、遊技球Bは、入賞期待ルートN4において、V入賞移送ルートN5とV入賞とならない外れ移送ルートN6と、に振り分けられる。
すなわち、遊技球Bは、振り分け部材260の振り分け案内板280により、左側の向きを変えれば、図6,10,33のBや図12に示すように、転動ルートN1に移送されて、振り分け転動路部114の左側の転動面114cを左縁まで転動する。そして、遊技球Bは、Nルート案内路部116を通過して、流下ルートN2に移送される。
この流下ルートN2では、図8,10,48に示すように、Nルート案内路部116を通過した遊技球Bが、センター飾り組付体100の前カバーパネル部117と下側仕切材150のNルート案内背板部153との間の転動面118aを転動し、さらに、転動面119aに至った場合でも反転して、底板120の転動面120aの凹溝120bから後方の振り分け部材710に向かう。
なお、この振り分け部材710も、既述したように、小当たり時において、開閉部材190L,190Rや振り分け部材260とともに、作動されて、振り分け昇降機構750の駆動モータ760の回転駆動により、初期位置の下端位置DPと上端位置UPとの間で上下往復移動することとなる(図56,57参照)。
振り分け部材710に向かった遊技球Bは、振り分けルートN3に移送されたことなり、その際、振り分け部材710が下端位置DP付近に配置されていれば、図7,54,58のAに示すように、入賞期待ルートN4に振り分けられて、振り分け案内板720の案内面723上を後方に転動する。一方、遊技球Bが、振り分けルートN3に移送された際に、振り分け部材710が上端位置UP付近に配置されていれば、図9,55,58のBに示すように、案内面723上に乗ることができず、振り分け案内板720の前端面720bの外れ排出面726,727に摺接しつつ後方に転動すれば、外れ流下ルートN7に振り分けられる。そして、振り分け流下ルートN7に移送された遊技球Bは、振り分け部材710の左右の外れ排出口785,786に流下され、排出用樋部787,788(図52参照)を経て、排出口SW39(図3参照)をONさせつつ、第2大入賞装置30外に排出されることとなる。
また、遊技球Bが入賞期待ルートN4に移送された際、リング状回転体410の回転に伴い、振り分け案内板720の後方に壁有り球移送室467が配置されていれば、図54に示すように、遊技球Bは、壁有り球移送室467に収容され、図8,9に示すように、V入賞移送ルートN5に移送されることとなる。一方、遊技球Bが入賞期待ルートN4に移送された際に、振り分け案内板720の後方に、壁無し球移送室466が配置されていれば、図58のA,Bに示すように、遊技球Bは、壁無し球移送室466に収容されて、外れ移送ルートN6に移送されることとなる。
この外れ移送ルートN6では、壁無し球移送室466が、壁有り球移送室467のような外周壁450を備えていないことから、リング状回転体410の回転に伴って、壁無し球移送室466は、収容した遊技球Bを、羽根板440Bで押し、図58のA,Bに示すように、転動部材780の転動面782a上を左方側に転動させて、左方側の外れ排出口784へ流下させることとなる。外れ排出口784に流下した遊技球Bは、排出用樋部788を経て、排出口SW39をONさせつつ、第2大入賞装置30外に排出されることとなる(図52,3参照)。
一方、壁有り球移送室467に収容されてV入賞移送ルートN5を移送された遊技球Bは、図9,43,44に示すように、壁有り球移送室467の開口461が、カバーパネル500のNルート用流出路部580における流出口581に到達すれば、羽根板440Bの案内面448の傾斜により、壁有り球移送室467から前方の流出用樋部583に転動する。さらに、遊技球Bは、転動面585aを転動して、第1V入賞口32に入って大当たりとなり、第1V入賞口SW37をONさせつつ第2大入賞装置30外へ、排出されこととなる。
そして、壁有り球移送室467に収納された遊技球BがV入賞移送ルートN5を移送される際には、テーパ面部562と壁有り球移送室467の開口461とにおけるリング状回転体410の回転中心軸O3側へ向かう後方側への傾斜により、遊技球Bが見え易く、かつ、回転するリング状回転体410の下端付近から、少なくとも90°を超える回転角度分、演出を楽しめる画像表示装置40の回りで、長く移送されて、その遊技球BがV入賞することとなるため、遊技者は、V入賞する遊技球Bの移送を、楽しんで目視することができる。
[実施形態の遊技機の作用・効果]
以上のように、実施形態の遊技機1では、遊技球Bが、第1分岐ルートNRにおける第1移送ルートN5の出発点となる第1流入部位120,720に配置されれば、後方へ転動して球移送室465に流入される(図48,54参照)。そして、遊技球Bの流入した球移送室465が、壁無し球移送室466であれば、壁有り球移送室467と相違して、外周側の下方に外周壁450を備えていないことから、遊技球Bは、壁無し球移送室466から下方に落下して、外れ排出口784に流下される(図58のA,B参照)。そのため、一旦、遊技球Bを流入させた壁無し球移送室466は、遊技球Bを排出した状態で、第1流出部位580側に回転移動する。一方、遊技球Bの流入した球移送室465が、壁有り球移送室467であれば、外れ排出口784に流下させること無く、流入した遊技球Bを外周壁750上で支持できる(図54参照)。そのため、壁有り球移送室467は、前側カバー部560に遊技球Bの落下を防止されつつ、遊技球Bを収納した状態で、第1流出部位580まで回転移動して、遊技球Bを第1V入賞口32側に流出することとなる(図9参照)。
また、遊技球Bが、第2分岐ルートSRにおける第2移送ルートS3の出発点となる第2流入部位530に配置されれば、図60,62に示すように、前側カバー部520の流下口533を経て、球移送室465に流下しようとする。しかし、第2流入部位530に配置された球移送室465が、壁有り球移送室467であれば、図67,68に示すように、その外周壁450が流下口533を塞ぐことから、遊技球Bは壁有り球移送室467に流下されない。そのため、壁有り球移送室467は、遊技球Bを流入させない状態で、第2流入部位530から第2流出部位540まで回転移動し、さらに、第2移送ルートS3のエリアを越えて、空の状態で、第1移送ルートN5の第1流入部位720側へ回転移動する。一方、第2流入部位530に配置された球移送室465が、壁無し球移送室466であれば、流下口533を塞ぐ外周壁450を備えていないことから、図60,66に示すように、遊技球Bは、壁無し球移送室466に流下される。そのため、壁無し球移送室466は、図36,38に示すように、前側カバー部520や外周側カバー部515に遊技球Bの落下を防止されつつ、遊技球Bを収納した状態で、第2流出部位540まで回転移動して、遊技球Bを流出することとなる(図41参照)。なお、第2流入部位530において、壁有り球移送室467に流下されずに、流下口533周縁に留まっていた遊技球Bは、後続の壁無し球移送室466に流下されて、第2流出部位540まで移送され、そして、流出されることとなる。
以上のように、第2移送ルートS3では、第1移送ルートN5において遊技球Bを第1V入賞口32側に移送する壁有り球移送室467に対して、遊技球Bを流入させないことから、実施形態の遊技機1では、振り分け共用移送体409の下端409aに配置された第1流入部位720において、壁有り球移送室467が配置されるか否かで、入賞するか否かを振り分けていた振り分け共用移送体409の振り分け機能を、阻害しない。そしてさらに、実施形態の遊技機1では、第1流入部位720で遊技球Bが流下する際に、遊技球Bを第1V入賞口32へ案内可能な壁有り球移送室467が配置されているか否か、と、遊技者にハラハラドキドキさせることができて、遊技の趣向性を向上させることができる。
さらに、実施形態の遊技機1では、遊技球Bを第1V入賞口32側に案内する第1移送ルートN5の他に、移送体409によって遊技球Bを移送できる第2移送ルートS3を備えている。そのため、画像表示装置40の表示画面41の周囲でダイナミックに回転している移送体409が、遊技球Bを移送する距離を、第2移送ルートS3分、長くすることができて、一層、遊技者の目を楽しませることができる。
さらにまた、実施形態の遊技機1では、移送体409の球移送室465を区画する羽根板440が、移送体409の回転中心軸O3から、放射状に、遊技球Bの直径寸法BDより長く延びている。そのため、移送体409の回転時には、移送体409の回転中心軸O3から、放射状に、遊技球Bの直径寸法BDより長く延びる多数の羽根板440が、冠歯車のように、画像表示装置40の表示画面41の周囲で大きく回転するため、これらの羽根板440や羽根板440間の扇状の開口461の回転移動によっても、遊技者の目を楽しませることができる。
したがって、実施形態の遊技機1では、画像表示装置40の周囲で回転する振り分け共用移送体409の振り分け機能を阻害することなく、別途、振り分け共用移送体409による第2移送ルートS3によって、遊技球Bを移送することができる。
そして、実施形態の遊技機1では、図38に示すように、移送体409の回転中心軸O3の右方に配置される第2流入部位530から、第2流出部位540及び第1流入部位720における移送体409の下端409aを経て、回転中心軸O3の右方に配置される第1流出部位580まで、における振り分け共用移送体409の回転角度を、略180°を超える広い角度としている。そのため、実施形態では、移送体409による第1,第2移送ルートN5,S3での遊技球Bの合計の移送距離を、一層、長くすることができて、遊技者の目を楽しませることができる。
また、実施形態の遊技機1では、壁有り球移送室467が、壁無し球移送室466より、数を少なくして複数設けるとともに、振り分け共用移送体409の周方向に沿って、壁無し球移送室466を間にして、断続的に配設されている。
そのため、実施形態では、第2流入部位530において、壁有り球移送室467に流下されずに遊技球Bが、流下口533周縁に留まっても、隣接するように配設された後続の壁無し球移送室466が、直ちに、回転移動して配置されることから、流下口533周縁の遊技球Bは、滞留時間を短くして、迅速に、壁無し球移送室466に流下されて移送される。また、壁有り球移送室467が、複数あれば、一つとする場合に比べて、第1V入賞口32側に遊技球Bを移送できる確率を(壁有り球移送室467が壁無し球移送室466より数を少なくしており、50%の確率を超えないものの)、高くすることができる。
さらに、実施形態の遊技機1では、図9,11,36,37に示すように、第1,2移送ルートN5,S3の球移送室465の前面側が、移送体409の回転中心軸O3側に向かって後方側へ傾斜し、実質的に面積を広げて、開口461内を見易くしたテーパ面部562,522に覆われており、第1,2移送ルートN5,S3で移送する遊技球Bの視認性が良好となる。特に、実施形態では、第1移送ルートN5からの遊技球Bの流出部位580が、V入賞できる第1V入賞口32としており、遊技球Bが壁有り球移送室467に収納された時点から第1V入賞口32まで移送される際、遊技者は、見易い状態の遊技球Bを目視しつつ、V入賞する感覚を、じっくり、かつ、確実に味わえ、遊技の趣向性を向上させることができる。
さらに、実施形態では、球移送室465を区画している羽根板440も、図36,37に示すように、前端面443における内側筒部431側の内縁441側より外縁442側を前方へ張り出させて、換言すれば、テーパ面部562,522に対応して、内縁441側を後方に向かわせるように、傾斜しており、前後方向の投影面積RO1より、傾斜している分、実質的な開口面積RO2を、広げることとなって、図8,9に示すように、球移送室465内が見易くなり、羽根板440の前端面443がテーパ面部562,522の裏面側に接近することもあいまって、球移送室465内の遊技球Bが目視し易くなる。
なお、実施形態では、遊技球Bが第1V入賞口32まで移送される第1移送ルートN5の前方側に、本体枠材110と下側仕切り材150とから形成される遊技球Bの流下ルートN2が上下に長く重なっている。しかし、移送体409の回転中心軸O3の前方側における右側から見れば(回転中心軸O3を中心とした左右対称的な位置から見れば)、遊技球Bを移送中の壁有り球移送室467の前面側を覆っているテーパ面部562や開口461が後内側向きに傾斜しており、テーパ面部562や開口461に対して正対する状態で、遊技球Bを目視できる(図7,8参照)。そのため、実施形態では、流下ルートN2の構成部材である前カバーパネル部117を含めた本体枠材110や下側仕切り材150が透明材から形成されていることもあいまって、流下ルートN2の構成部材に邪魔されることなく、視認性よく、第1移送ルートN5の壁有り球移送室467によって移送される遊技球Bを、見ることができる。
さらにまた、共用移送体409の内側筒部431は、球移送室465への遊技球Bの流入用の開口が設けられることなく、移送体409(リング状回転体410)の内周側の全周にかけて配設されており、その内側筒部431の内周側の後方には、リング状回転体410の下端付近における第2分岐ルートSR用のステージ610の後縁付近を除き、支持部材89に支持させた画像表示装置40の表示画面41を、配設するだけでよく(図9,11参照)、画像表示装置40の表示画面41を視認性よく見ることができる。
さらにまた、実施形態では、第1分岐ルートNRの流下ルートN2と第2分岐ルートSRの流下ルートS2とが、移送体409の球移送室465の回転移動軌跡の前方で重なっている(図6参照)。さらに、第1分岐ルートNRでは、球移送室467への遊技球Bの流入が、移送体409の下端409aにおいて、転動面120a,720aを利用し、前方側から後方へ転動させて行い(図54参照)、球移送室467から遊技球Bの流出を、移送体409の回転中心軸O3の左上側における流出部位580において、前方側に転動させて外方に流出させている(図43,44参照)。また、第2分岐ルートSRでは、球移送室466への遊技球Bの流入が、移送体409の回転中心軸O3の左上側における流入部位530において、転動面842を利用し、前方側から後方へ転動させて行い(図66参照)、球移送室466から遊技球Bの流出を、回転中心軸O3の右下側における流出部位540において、転動面545bを利用し、前方側に転動させて内側外方に流出させている(図11,38参照)。すなわち、実施形態では、回転する移送体409の球移送室465に対し、前方側から遊技球Bを流入させ、前方側へ遊技球Bを流出させる構成として、移送体409の内周側や外周側に張り出すことを抑えて、遊技球Bの出し入れを行ない、特に、移送体409の回転中心軸O3を基準とした下方側の180°の範囲では、移送体409の外周側に張り出すこと無く、球移送室465に対して遊技球Bの出し入れを行っている。そのため、センター役物25の第2大入賞装置30が、入賞した遊技球Bを流入させて移送する移送体409を備えていても、センター役物25の周囲の遊技領域13を狭めることを抑制できる。その結果、実施形態のように、センター役物25の周囲の遊技盤12が、透明な遊技盤本体80とその後方の装飾部材85とを備えて構成されて、前面側から装飾部材85が目視できる構成としていても(図7,8,10,11参照)、流下ルートN2や流出部位540等を、遊技領域13側に突出することを抑えて配設できて、その部位の装飾部材85の配設スペースを狭めずに済むことから、装飾部材85の装飾効果を確保しやすくなる。
[変形例]
実施形態では、球移送室465により遊技球Bを移送する移送ルートN5,S3のエリアにおいて、開口461の前方の全域をテーパ面部562,522自体によって覆ってはいないが(約8割程度)、球移送室465内の遊技球Bを目視し易ければ、実施形態のように、開口461の外周側の前方の一部を、平坦面部561,521によって覆うように構成してもよい。勿論、図69に示すように、球移送室465により遊技球Bを移送するエリアにおいて、開口461の前方の全域をテーパ面部562,522が覆うように、前側カバー部560A,520Aを構成してもよい。
また、実施形態では、テーパ面部562,522における回転中心軸O3側の後方へ向かって傾斜する角度θpを32°とし、羽根板440の前端面443における回転中心軸O3側の後方へ向かって傾斜する角度θbを20°とした場合を例示したが、テーパ面部562,522や球移送室465の開口461の面積の実質的な拡大効果を確保する上では、角度θp,θbは、10°以上、好ましくは20°が望ましく、そして、大きすぎれば、奥行き寸法が無用に大きくなって、画像表示装置40を後方に配置させて見難くしまうことから、45°以下、好ましくは40°以下が望ましい。
さらに、実施形態では、移送体409が、時計回り方向に回転する場合を示したが、流出部位580,540等の各部位を左右対称的に配設すれば、移送体409を、反時計回り方向に回転させてもよい。
さらにまた、実施形態では、移送体409が、遊技機1の電源ONから、常時、時計回り方向に回転する場合を示したが、球移送室465が遊技球Bを移送しない場合、例えば、第2大入賞口31が開口されていない時等には、移送体409を、反時計回り方向に回転させてもよい。
また、実施形態では、第1移送ルートN5により移送したセンター役物25の周囲の遊技領域13を狭めてもよければ、第1,第2分岐ルートNR,SRの流下ルートN2,S2を、移送体409の外周側に配置させたり、第2分岐ルートSRの流出部位540から流出する遊技球を、移送体409の外周側に流出させて、移送体409の外周側に設けた入賞振り分け機構側へ流入させてもよい。
そしてこの場合、第2移送ルートS3へ遊技球を流入させる第2流入部位の流下口としては、カバーパネル500の前側カバー部520でなく、外周カバー部515に開口させて、移送体409の外周側から回転中心軸O3側に、遊技球Bを転動させて、壁無し球移送室466だけに流入させるようにしてもよい。この構成では、その流下口に壁有り球移送室467が配置されれば、外周壁450の外周面が流下口を塞いで、遊技球は、壁有り球移送室467に流入しない。
さらに、実施形態では、第2大入賞装置30に入賞して振り分けられた分岐ルートNR,SRの遊技球Bを移送する場合について説明したが、センター役物25内へワープ通路を経て流入してくる遊技球を、移送体に流入させて、第1,2移送ルートにより、移送するようにしてもよい。
そして、第1,2移送ルートの流出部位には、V入賞口でなくとも、単に賞球のある普通入賞口や、あるいは、アタッカー等の開口を抽選する始動入賞装置の始動口を、配置させてもよい。