まず、本発明の実施例1に係るコネクタついて図1A〜図8Bを参照しつつ説明する。図1A〜図3Bに示すコネクタは、USB-Micro-Bコネクタである。前記コネクタは、接続部100と、複数のコンタクト200a、200bと、一対のロック端子300と、基板400と、樹脂部500と、ケーブル600と、シールドケースCとを備えている。以下、前記コネクタの各部について詳しく説明する。なお、図1A〜図8B中において、第1方向をX及び−X方向として、第1方向に直交する(すなわち、直角に交差する)第2方向をZ方向として、第1、第2方向に直交する第3方向をY及び−Y方向として表している。第1方向の一方側がX方向、他方側が−X方向に相当する。第3方向の一方側がY方向、他方側が−Y方向に相当する。−Z方向はZ方向の反対方向である。
接続部100は絶縁樹脂製の成型品である。接続部100は、図3A〜図4Cに示すように、角柱状の基部110と、基部110のZ方向の端面に突設され且つZ方向に延びた平板状の第1、第2接続用凸部120a、120bとを有している。第1、第2接続用凸部120a、120bは、前記コネクタの相手方コネクタに接続される部分である。第1接続用凸部120aの先端部のY方向の部分は、当該先端部の厚みがZ方向に暫時低減し、その後一定となるように切り落とされている。この切り落とされた面をカット面121aと称する。第2接続用凸部120bの先端部のY方向の端面の中央部には凹部121bが設けられている。第1、第2接続用凸部120a、120bのY方向の端面は基部110のY方向の端面と面一となっている。第1、第2接続用凸部120a、120bのY及び−Y方向の寸法は、基部110のY及び−Y方向の寸法よりも小さい。このため、基部110の−Y方向側の部分が矩形状の凸部111となっている。
第1接続用凸部120aと、基部110のX方向側の部分には、図2Aに示すように、接続部100をZ及び−Z方向に貫通する複数の収容孔130aが設けられている。第2接続用凸部120bと、基部110の−X方向側の部分にも、図2Aに示すように、接続部100をZ及び−Z方向に貫通する複数の収容孔130bが設けられている。収容孔130aの先端部は、図4Aに示すように、第1接続用凸部120aのY方向の端面及びカット面121aから露出している。収容孔130bは、第2接続用凸部120bのY方向の端面及び凹部121bから露出している。
基部110及び第2接続用凸部120bのY方向の端面には、図4Aに示すように、収容孔130bのX、−X方向側に一対の収容溝140が設けられている。基部110の収容溝140の−Y方向側には、図4Cに示すように、一対の係止孔112が設けられている。また、基部110のX、−X方向の端面には、図4A及び図4Bに示すように、Z方向に延びる一対のガイド溝113が設けられている。このガイド溝113内には一対の係止凸部114が設けられている。
コンタクト200aは、図5A及び図5Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。コンタクト200aは、コンタクト本体210aと、接続アーム220aと、接触部230aとを有している。コンタクト本体210aは、Z及び−Z方向に延びる板であって、接続部100の収容孔130aに挿入保持されている(図2A及び図2C参照)。コンタクト本体210aのZ方向側の端部には、接触部230aがY方向に突設されている。この接触部230aは収容孔130aから突出している(図2C参照)。接続アーム220aは、コンタクト本体210aの−Z方向の端部に連設された略L字状の板である。この接続アーム220aが接続部100の収容孔130aの縁部に当接している。また、接続アーム220aは、収容孔130aの縁部に当接した状態で、接続部100から−Z方向に突出している。なお、コンタクト200aは、コンタクト本体210aの長さ寸法及び接続アーム220aの高さが異なる2タイプがある。
コンタクト200bは、図5A及び図5Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。コンタクト200bは、コンタクト本体210bと、接続アーム220bと、接触部230bとを有している。コンタクト本体210bは、Z及び−Z方向に延びる板であって、接続部100の収容孔130bに挿入保持されている(図2A及び図2B参照)。コンタクト本体210bのZ方向側の端部には、接触部230bがY方向に突設されている。この接触部230bは、収容孔130bから接続部100の凹部121b内に突出している(図2B参照)。接続アーム220bは、コンタクト本体210bの−Z方向の端部に連設された略L字状の板である。この接続アーム220bが接続部100の収容孔130bの縁部に当接している。接続アーム220bは、収容孔130bの縁部に当接した状態で、接続部100から−Z方向に突出している。なお、コンタクト200bは、コンタクト本体210bの長さ寸法及び接続アーム220bの高さが異なる2タイプがある。
ロック端子300は、図5A及び図5Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。ロック端子300は、端子本体310と、係止アーム320と、係止爪330とを有している。端子本体310は、Z及び−Z方向に延びる板であって、接続部100の収容溝140に挿入されている。端子本体310のZ方向側の端部には、係止爪330がY方向に突設されている。この係止爪330が収容溝140から突出し、上記相手方コネクタの係止孔に係止可能となっている。係止アーム320は、端子本体310の−Z方向の端部に連設された略L字状の板である。この係止アーム320が、接続部100の係止孔112(図4C参照)に挿入され、係止されることにより、端子本体310が収容溝140内で位置決めされている。
樹脂部500は、図6A及び図6Bに示すように、絶縁性を有する略L字状の樹脂ブロックである。樹脂部500には、基板400が嵌合する凹部510が設けられている。この凹部510に嵌合した基板400の第1面と樹脂部500のZ方向の端面とは面一となっている。すなわち基板400の第1面は樹脂部500から露出している。樹脂部500及び基板400が、特許請求の範囲におけるX及び−X方向に延びた柱体を構成している。前記柱体は略四角柱状となっている。
基板400は周知のプリント基板である。この基板400は、図6A及び図6Bに示すように、Z方向側の前記第1面と、−Z方向側の第2面と、複数の第1、第2スルーホール電極410、420と、第3スルーホール電極430と、係止孔440と、複数の電極450とを有している。第1、第2スルーホール電極410、420は、基板400を前記第1面から前記第2面にかけて貫通する円形の孔であって、当該孔の内周面に導電層が形成されている。第1スルーホール電極410には、図2Cに示すようにコンタクト200aの接続アーム220aが挿入され接続されている。第2スルーホール電極420には、図2Bに示すようにコンタクト200bの接続アーム220bが挿入され接続されている。この接続状態で、コンタクト200a、200bを保持する接続部100が、基板400の第1面上に載置される。すなわち、前記接続状態で、接続部100が上記柱体上に固着され、当該柱体からZ方向に延びる。この接続部100、コンタクト200a、200b及び柱体が特許請求の範囲におけるL字体を構成している。
第3スルーホール電極430は、基板400を前記第1面から前記第2面にかけて貫通する楕円形の孔であって、当該孔の内周面に導電層が形成されている。係止孔440は、基板400を前記第1面から前記第2面にかけて貫通する楕円形の孔である。第3スルーホール電極430及び係止孔440は、X及び−X方向に間隔をあけて配置されている。電極450は、図6Bに示すように、基板400の前記第2面にY及び−Y方向に一列で配設されている。電極450と第1、第2スルーホール電極410、420は、基板400の第1、第2面及び/又は内部に設けられた導電ラインにより接続されている。
ケーブル600はフラットケーブルである。このケーブル600は、図2Aに示すように、複数の信号線610と、シールド導体620と、絶縁カバー630とを有している。各信号線610は、芯線611と、この芯線611を覆う絶縁体612とを有している。シールド導体620は、全信号線610を覆っている。絶縁カバー630は、シールド導体620を覆っている。絶縁カバー630の−X方向側の端部は剥離され、シールド導体620及び信号線610が露出している。シールド導体620の露出した−X方向側の端部も一部が剥離され、信号線610が露出している。各信号線610の絶縁体612の−X方向側の端部が剥離され、芯線611が露出している。この芯線611の露出部分が基板400の電極450に各々接続されている。また、信号線610の−X方向側の端部(すなわち、ケーブル600の−X方向の端部)は樹脂部500内に埋設されている。ケーブル600のX方向の端部には、他のコネクタ(例えば、USB Standard-Aプラグコネクタ)が接続されている。なお、図2Aにおいて、ケーブル600は、断面ではなく、模式的に図示している。
シールドケースCは、図1A〜図3Bに示すように、第1、第2シェル700、800と、カバー900とを有している。第2シェル800は、導電性を有する金属板で構成されている。第2シェル800は、図3A、図3B、図8A及び図8Bに示すように、前板810と、側板820、830と、後板840と、一対の係止板850と、一対の第1、第2係止爪860a、860b(係止手段)とを有している。
前板810は矩形状の板である。側板820は、前板810のX方向の端に当該前板810に対して略直角に設けられ且つ−Y方向に延びた長方形の板である。側板830は、前板810の−X方向の端に設けられている。側板830は、−Y方向に延びた基端部と、この基端部に連設され且つ−YX方向に傾斜する先端部とを有する板である。後板840は、側板820と側板830との間を繋ぐ板である。この後板840の中間部は、前板810に向けて略U字状に折り曲げられた仕切り部841を有している。この仕切り部841により、後板840は、板842と、板843とに分割されている。
前板810、側板820、板842及び仕切り部841は第1筒を構成している。この第1筒内が接続部100の第1接続用凸部120aを収容可能な第1収容空間となっている。この第1収容空間に第1接続用凸部120aが収容された状態で、前板810、側板820、仕切り部841及び第1接続用凸部120aにより区画される空間が、上記相手方コネクタの第1接続部が挿入可能な第1接続穴となっている。第1接続穴内でコンタクト200aが相手方コネクタの第1接続部のコンタクトに接触可能となっている。また、前板810、側板830、板843及び仕切り部841は第2筒を構成している。この第2筒内が接続部100の第2接続用凸部120bを収容可能な第2収容空間となっている。この第2収容空間に第2接続用凸部120bが収容された状態で、前板810及び第2接続用凸部120bの凹部121bにより区画される空間が、上記相手方コネクタの第2接続部が挿入可能な第2接続穴となっている。第2接続穴内で、コンタクト200bが相手方コネクタの第2接続部のコンタクトに接触可能となっている。なお、第1、第2収容空間に第1、第2接続用凸部120a、120bが収容された状態で、仕切り部841が基部110のZ方向の端面に当接する。
前板810の板843の対向部には一対の矩形状の開口811が設けられている。この開口811には、前記第2収容空間に収容された第2接続用凸部120bの収容溝140から突出したロック端子300の係止爪330が出没自在に挿入される。
前板810のZ及び−Z方向の寸法は、側板820、830及び後板840のZ及び−Z方向の寸法よりも大きい。前板810のZ方向の端面と側板820、830及び後板840のZ方向の端面とは面一であるので、前板810は、側板820、830及び後板840よりも−Z方向に延びている。この前板810の延長部のX、−X方向の端に一対の係止板850が当該前板810に対して略直角に設けられている。係止板850は−Y方向に延びた長方形の板である。前板810の延長部及び係止板850により区画された空間が、接続部100の基部110が挿入可能な第3収容空間となっている。係止板850の間には、図3B及び図8Bに示すように、基部110の凸部111を突出させる開放部870が設けられている。係止板850には、その一部が内側に切り下げられた係止片851が設けられている。前記3収容空間に接続部100の基部110が挿入されるときに、係止片851が基部110のガイド溝113に案内され、係止凸部114に係止される。これにより、接続部100が第2シェル800に挿入された状態(すなわち、第1、第2接続用凸部120a、120bが前記第1、第2収容空間に収容され、基部110が前記第3収容空間に収容された状態)で維持される。
第1、第2係止爪860a、860bは、前板810の−Z方向の端部に連設され且つ同方向に延びている。第1係止爪860aは基板400の第3スルーホール電極430に挿入され、係止される。これにより、第2シェル800が基板400のグランドラインに接続される。第2係止爪860は、基板400の係止孔440に挿入され、係止される。
第1シェル700は導電性を有する金属板で構成されている。第1シェル700は、図2A〜図3B、図7A及び図7Bに示すように、シェル本体710と、閉塞板720(閉塞部)と、第1、第2、第3壁部730、740、750とを有している。
シェル本体710は略角筒である。このシェル本体710は、底板711と、一対の側板712と、天板713、714とを有している。底板711はX及び−X方向に延びた長方形の板である。側板712は、底板711のY方向、−Y方向の端に当該底板711に対して略直角に設けられ且つZ方向に延びた長方形の板である。側板712のX及び−X方向の寸法は底板711のX及び−X方向の寸法よりも若干小さい。底板711のX方向の端部711aは、前記柱体の樹脂部500に埋設されたケーブル600のシールド導体620に接触可能となっている。側板712の後述するX方向側部分には、当該X方向側部分の一部を外側に切り上げた一対の係止片712a(計4つ)が設けられている。
天板713、714は、側板712のZ方向の端に当該側板712に対して略直角に設けられ且つ互いに近づく方向に延びた長方形の板である。この天板713、714のX及び−X方向の寸法は、側板712のX及び−X方向の寸法よりも小さい。天板713、714の間には、X及び−X方向に延びるスリット715が設けられている。スリット715は、X、−X方向側の部分が各々開放されている。天板713、714の−Y、Y方向の端部が、スリット715のY、−Y方向側の第2、第3縁部713a、714aとなっている。
底板711、側板712及び天板713、714の−X方向の端面は面一となっている。底板711及び側板712のX方向の端部により区画された空間がシェル本体710のX方向側の開口716(第1開口)となっている。底板711、側板712及び天板713、714の−X方向の端部により区画された空間がシェル本体710の−X方向側の開口717(第2開口)となっている。また、側板712の天板713、714のX方向側部分の間の空間がZ方向に開放された開口718(第3開口)となっている。開口718は、X方向側が開口717に、−X方向側がスリット715に連通している。スリット715は、開口718を通じてX方向側が開放され、接続部100及びこれに取り付けられた第2シェル800が挿入可能となっている。スリット715のY及び−Y方向の寸法(すなわち、第2、第3縁部713a、714a間のY及び−Y方向の距離)は、第2シェル800のY及び−Y方向の距離と略同じに設定されている。よって、第2縁部713aは、スリット715に挿入された第2シェル800の前板810の近傍(すなわち、接続部100のY方向側近傍)に配置可能となっている。第3縁部714aは、スリット715に挿入された接続部100の基部110の凸部111の−Y方向側近傍に配置可能となっている。
シェル本体710の内形は、上記柱体(基板400及び樹脂部500)の外形に対応した形状となっている。開口716からシェル本体710内に上記柱体(基板400及び樹脂部500)が挿入可能となっている。シェル本体710内に前記柱体が挿入され、収容された状態で、底板711が前記柱体の樹脂部500の底面を覆い、側板712が樹脂部500のY、−Y方向の端面を覆い、後述する閉塞板720が樹脂部500の−X方向の端面を覆い、天板713、714が前記柱体の基板400の第1面における接続部100及び第2シェル800のY、−Y方向側の領域を覆う。
閉塞板720は、底板711の−X方向の端に当該底板711に対して略直角に設けられ且つZ方向に延びた長方形の板である。この閉塞板720がシェル本体710の開口717を塞いでいる。閉塞板720のZ方向の端部の中央部は、スリット715の−X方向側を塞ぎ、当該スリット715の−X方向の第1縁部721になっている。第1縁部721は、スリット715に挿入された第2シェル800の−X方向の係止板850に当接可能(すなわち、接続部100の−X方向側近傍に配置可能)となっている。
第1壁部730は、閉塞板720の第1縁部721に連設され、Z方向に延びた略矩形状の板である。すなわち、第1壁部730及び閉塞板720は凸字状の一枚の板である。第1壁部730は、図2Aに示すように、スリット715に挿入された第2シェル800の側板830及び−X方向の係止板850に当接可能になっている。第2壁部740は、第2縁部713aに立設され、Z方向に延びた長方形の板である。この第2壁部740は、図2B及び図2Cに示すように、スリット715に挿入された第2シェル800の前板810に当接可能になっている。第3壁部750は、第3縁部714aに立設され、Z方向に延びた略下向きL字状の板である。第3壁部750の内形は、接続部100の基部110の凸部111の外形に対応している。すなわち、第3壁部750内には、接続部100及び第2シェル800がスリット715に挿入される際に、X方向側から凸部111が挿入可能となっている。第3壁部750の先端は、図2B及び図2Cに示すように、スリット715に挿入された第2シェル800の後板840に当接可能になっている。
カバー900は、図3A及び図3Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。このカバー900は、カバー本体910と、一対の係止板920と、接触板930とを有している。カバー本体910は矩形状の板である。係止板920は、カバー本体910のY、−Y方向側の端にカバー本体910に対して略直角に設けられ且つ−Z方向に延びた長方形の板である。係止板920の内面間の距離は、第1シェル700の側板712の外面間の距離と略同じである。よって、係止板920の内面が側板712の外面に当接させるように係止板920を側板712に被せることが可能である。係止板920が側板712に被せられた状態で、図2Aに示すようにカバー本体910が第1シェル700の開口718を覆い、当該カバー本体910の−X方向の端部が第1シェル700のスリット715に挿入された第2シェル800のX方向の係止板850に当接可能(すなわち、接続部100のX方向側近傍に配置可能)になっている。
各係止板920には、一対の矩形状の係止孔921(計4つ)が設けられている。係止板850が側板712を覆った状態で、係止孔921に側板712の係止片712aが係止される。これにより、カバー900が第1シェル700の側板712のX方向側部分に固着される。接触板930は、カバー本体910のX方向の端部に連設され、同方向に延びている。接触板930は、−Z方向に折り曲げられ、基板400に接続されたケーブル600のシールド導体620に接触可能となっている。
以下、上述した構成のコネクタの組み立て手順について詳しく説明する。まず、接続部100及びコンタクト200a、200bを用意する。その後、接続部100の収容孔130aにコンタクト200aの接触部230a及びコンタクト本体210aを−Z方向側から各々圧入する。すると、コンタクト200aの接続アーム220aが収容孔130aの縁部に各々当接し、接触部230aが収容孔130aから各々突出する。同様に、接続部100の収容孔130bにコンタクト200bの接触部230b及びコンタクト本体210bを−Z方向側から各々圧入する。すると、コンタクト200bの接続アーム220bが収容孔130bの縁部に各々当接、接触部230bが収容孔130bから突出する。
その後、ロック端子300を用意する。その後、ロック端子300の係止爪330及び端子本体310を接続部100の収容溝140に各々挿入すると共に、係止アーム320を接続部100の係止孔112に圧入する。すると、係止爪330が収容溝140から突出する。
その後、導電性を有する金属板をプレス成型することにより作成された第2シェル800を用意する。この第2シェル800の上記第1、第2収容空間に接続部100の第1、第2接続用凸部120a、120bを−Z方向側から挿入する。すると、接続部100の基部110が第2シェル800の上記第3収容空間にZ方向に挿入され、当該基部110の凸部111が第2シェル800の開放部870から−Y方向側に露出する。このとき、第2シェル800の仕切り部841が基部110のZ方向の端面に当接する。このようにして接続部100に、コンタクト200a、200b、ロック端子300及び第2シェル800が取り付けられ、接続部100、コンタクト200a、200b、ロック端子300及び第2シェル800がユニット化される。
その一方で、基板400及びケーブル600を用意する。その後、基板400の電極450にケーブル600の芯線611をはんだ接続する。
その後、前記ユニットのコンタクト200a、200bの接続アーム220a、220bを基板400の第1、第2スルーホール電極410、420に挿入し、はんだ接続する。これと共に、前記ユニットの第2シェル800の第1係止爪860aを基板400の第3スルーホール電極430に、第2シェル800の第2係止爪860bを基板400の係止孔440に挿入し、係止させる。その後、第1係止爪860aを第3スルーホール電極430にはんだ接続する。これにより、第2シェル800がグランド接続される。
この状態で、基板400、これに接続されたケーブル600の−X方向の端部、コンタクト200a、200bの接続アーム220a、220b及び第2シェル800の第1、第2係止爪860a、860bを絶縁樹脂にインサート成型する。前記絶縁樹脂が樹脂部500となる。すなわち、樹脂部500に、基板400、ケーブル600の−X方向の端部、コンタクト200a、200bの接続アーム220a、220b及び第2シェル800の第1、第2係止爪860a、860bが埋設される。このとき、樹脂部500に凹部510が形成され、基板400が凹部510に嵌合し、樹脂部500及び基板400が上記柱体となる。
その後、導電性を有する金属板をプレス成型することにより作成された第1シェル700を用意する。その後、第1シェル700のシェル本体710に開口716から前記柱体を挿入する。これと共に、第1シェル700のスリット715に開口718を通じて接続部100及び第2シェル800を挿入し、第1シェル700の第3壁部750に接続部100の凸部111を挿入する。すると、第2シェル800の−X方向の係止板850が第1シェル700のスリット715の第1縁部721及び第1壁部730に当接する。これと共に、第2シェル800の前板810が第1シェル700の第2壁部740に当接し、第2シェル800の後板840が第1シェル700の第3壁部750の先端に当接する。このとき、第2縁部713aが、第2シェル800の前板810の近傍(すなわち、接続部100のY方向側近傍)に配置され、第3縁部714aが、接続部100の基部110の凸部111の−Y方向側近傍に配置される。これにより、第1、第2シェル700、800が電気的に接続される。また、ケーブル600のシールド導体620が第1シェル700の底板711のX方向の端部711aに接触し、電気的に接続される。
その後、導電性を有する金属板をプレス成型することにより作成されたカバー900を用意する。カバー900の係止板920を第1シェル700の側板712のX方向側部分に被せる。すると、係止板920の係止孔921に側板712の係止片712aが係止される。このとき、カバー900のカバー本体910が第1シェル700の開口718を覆い、カバー本体910の−X方向の端部が第2シェル800のX方向の係止板850に当接する。これにより、第1、第2シェル700、800及びカバー900が電気的に接続される。このとき、カバー900の接触板930がケーブル600のシールド導体620に接触し、電気的に接続される。その後、接続部100の第1、第2接続用凸部120a、120a、コンタクト200a、200bのZ方向側の部分、ロック端子300のZ方向側の部分、第2シェル800の第1、第2筒及びケーブル600の−X方向の端部以外の部分を除いて絶縁樹脂に埋設される。前記絶縁樹脂が図示しないハンドル部となる。
以上のようなコネクタによる場合、第1シェル700のスリット715に接続部100及び第2シェル800が挿入された状態で、第1シェル700の第1縁部721及び第1壁部730が第2シェル800の−X方向の係止板850に当接し、カバー900のカバー本体910の−X方向の端部が第2シェル800のX方向の係止板850に当接し、第1シェル700の第2壁部740が第2シェル800の前板810に当接し、第1シェル700の第3壁部750が接続部100の凸部111を覆い且つ第2シェル800の後板840に当接する。このため、前記柱体の接続部100及び第2シェル800の周囲が、第1シェル700の天板713、714、第1、第2、第3壁部730、740、750及びカバー900のカバー本体910により隙間なく覆われるので、前記コネクタのEMI特性を向上させることができる。
しかも、前記コネクタは、接続部100を第2シェル800に挿入し、当該接続部100及び第2シェル800を上記柱体の基板400上に設置した後、上記柱体を第1シェル700のシェル本体710に挿入すると共に、接続部100及び第2シェル800を第1シェル700のスリット715に挿入し、その後、カバー900をシェル本体710に固着させるだけで、前記柱体の接続部100及び第2シェル800の周囲が隙間なく覆われる。よって、前記柱体の接続部100及び第2シェル800の周囲を覆うために折り曲げ作業を行う必要がないので、シールドケースCに前記L字体を収容する作業が容易になる。
次に、本発明の実施例2に係るコネクタについて図9A〜図11を参照しつつ説明する。図9A及び図9Bに示すコネクタは、柱体(基板400’及び樹脂部500’)、第1シェル700’及びカバー900’の形状が実施例1と相違している。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、実施例1と重複する説明については、省略する。なお、基板、樹脂部、シールドケース、第1シェル及びカバーについては、実施例1と区別するために、符号に’を付す。図9A〜図11におけるX、−X、Y、−Y、Z及び−Z方向については、実施例1と同様に付している。
基板400’及び樹脂部500’(柱体)は、図10Aに示すように、X及び−X方向の寸法が第2シェル800のX及び−X方向の寸法と略同じになっている。接続部100は、図10Bに示すように、実施例1と同様に、基板400’上に設置されている。前記柱体及び接続部100は、特許請求の範囲における下向きT字体を構成している。基板400’の第2面には、電極450’が、図示しない第1、第2、第3スルーホール電極及び係止孔と干渉しないように設けられている。電極450’には、実施例1と同様に、ケーブル600の図示しない芯線が接続されている。前記第1、第2、第3スルーホール電極及び係止孔は、実施例1の第1、第2スルーホール電極410、420、第3スルーホール電極430及び係止孔440と同じである。
第2シェル800は実施例1と同様に、接続部100が挿入されている。この状態で、第2シェル800の第1、第2係止爪860a、860bが、基板400’の第3スルーホール電極、係止孔に係止されている。接続部100には、実施例1と同様にコンタクト200a、200b及びロック端子300が取り付けられている。
第1シェル700’は、図11に示すように、シェル本体710’の底板711’と一対の側板712’のX及び−X方向の寸法が、前記柱体のX及び−X方向の寸法(すなわち、第2シェル800のX及び−X方向の寸法)と略同じであり、且つ、開口718が設けられていない点で実施例1の第1シェル700と相違している。なお、閉塞板720’、第1、第2、第3壁部730’、740’、750’は実施例1と同じである。
側板712’には図示しない係止片が設けられている。天板713’、714’のX及び−X方向の寸法は、底板711’及び一対の側板712’のX及び−X方向の寸法と同じである。底板711’、側板712’及び天板713’、714’のX方向の端部により区画された空間がシェル本体710’のX方向側の開口716’(第1開口)となっている。底板711’、側板712’及び天板713’、714’の−X方向の端部により区画された空間がシェル本体710’の−X方向側の開口717’(第2開口)となっている。開口716’からシェル本体710’内に上記柱体(基板400’及び樹脂部500’)が挿入可能となっている。天板713’、714’の間には、X及び−X方向に延びるスリット715’が設けられている。スリット715’はX、−X方向側が開放されている。X方向側からスリット715’に接続部100及び第2シェル800が挿入可能となっている。スリット715’の−X方向側は、実施例1と同様に、第1縁部721’により塞がれている。天板713、714’の−Y、Y方向の端部が、スリット715’のY、−Y方向側の第2、第3縁部713a’、714a’となっている。
シェル本体710’内に前記柱体が挿入され、収容された状態で、底板711’が前記柱体の樹脂部500’の底面を覆い、側板712’が樹脂部500’のY、−Y方向の端面を覆い、閉塞板720’が樹脂部500’の−X方向の端面を覆い、天板713’、714’が前記柱体の基板400の第1面における接続部100及び第2シェル800のY、−Y方向側の領域を覆う。
カバー900’は、図9A及び図9Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。このカバー900’は、カバー本体910’と、一対の係止板920’と、接触板930’とを有している。カバー本体910’は矩形状の板である。係止板920’は、カバー本体910’のY、−Y方向側の端にカバー本体910’に対して略直角に設けられ且つ−X方向に延びた長方形の板である。係止板920’のZ及び−Z方向の寸法は、カバー本体910’のZ及び−Z方向の寸法よりも大きい。係止板920’の内面間の距離は、第1シェル700’の側板712’の外面間の距離と略同じである。よって、係止板920’の内面が側板712の外面’に当接させるように係止板920’を側板712’に被せることが可能である。係止板920’が側板712’に被せられた状態で、カバー本体910’が第1シェル700’の開口716’を部分的に覆うと共に、第1シェル700’のスリット715’に挿入された第2シェル800’のX方向の係止板850’に当接可能(すなわち、接続部100のX方向側近傍に配置可能)になっている。
各係止板920’には図示しない係止孔が設けられている。係止板850’が側板712’を覆った状態で、前記係止孔に側板712’の係止片が係止される。これにより、カバー900’が第1シェル700’の側板712’のX方向側部分に固着される。接触板930’は、カバー本体910の−Z方向の端に当該カバー本体910’に対して直角に設けられ、X方向に延びている。カバー900’の接触板930’の−Z方向側に開口が設けられている。この開口を通じて、基板400に接続されたケーブル600が導出可能となっている。接触板930’は、前記開口から導出するケーブル600のシールド導体620に接触可能となっている。
以下、上述した構成のコネクタの組み立て手順について詳しく説明する。まず、実施例1と同様に、接続部100、コンタクト200a、200b、ロック端子300及び第2シェル800をユニット化する。その一方で、基板400’及びケーブル600を用意する。その後、基板400’の電極450’にケーブル600の芯線をはんだ接続する。
その後、前記ユニットのコンタクト200a、200bの接続アーム220a、220bを基板400’の第1、第2スルーホール電極に挿入し、はんだ接続する。これと共に、前記ユニットの第2シェル800の第1係止爪860aを基板400’の第3スルーホール電極に、第2シェル800の第2係止爪860bを基板400’の係止孔に挿入し、係止させる。第1係止爪860aを第3スルーホール電極にはんだ接続する。これにより、第2シェル800がグランド接続される。
この状態で、基板400’、これに接続されたケーブル600の−X方向の端部、コンタクト200a、200bの接続アーム220a、220b及び第2シェル800の第1、第2係止爪860a、860bを絶縁樹脂にインサート成型する。前記絶縁樹脂が樹脂部500’となる。この樹脂部500’に、基板400’、ケーブル600の−X方向の端部、コンタクト200a、200bの接続アーム220a、220b及び第2シェル800の第1、第2係止爪860a、860bが埋設される。この基板400’及び樹脂部500’が上記柱体となる。
その後、導電性を有する金属板をプレス成型することにより作成された第1シェル700’を用意する。その後、第1シェル700’のシェル本体710’に開口716’から前記柱体を挿入する。これと共に、第1シェル700’のスリット715’に接続部100及び第2シェル800を挿入し、第1シェル700’の第3壁部750’内に接続部100の凸部111を挿入する。すると、第2シェル800の−X方向の係止板850が第1シェル700’のスリット715’の第1縁部721’及び第1壁部730’に当接する。これと共に、第2シェル800の前板810が第1シェル700’の第2壁部740’に当接し、第2シェル800の後板840が第1シェル700’の第3壁部750’の先端に当接する。これにより、第1、第2シェル700’、800が電気的に接続される。このとき、第2縁部713a’が、第2シェル800の前板810の近傍(すなわち、接続部100のY方向側近傍)に配置され、第3縁部714a’が接続部100の基部110の凸部111の−Y方向側近傍に配置される。
その後、導電性を有する金属板をプレス成型することにより作成されたカバー900’を用意する。カバー900’の係止板920’を第1シェル700’の側板712’のX方向側部分に被せる。すると、係止板920’の係止孔に側板712の係止片が係止される。このとき、カバー900’のカバー本体910’が第1シェル700’の開口716’を部分的に覆い、カバー本体910’が第2シェル800のX方向の係止板850に当接する。これにより、第1、第2シェル700’、800及びカバー900’が電気的に接続される。このとき、カバー900’の接触板930’がケーブル600のシールド導体620に接触し、電気的に接続される。その後、実施例1と同様に図示しないハンドル部が形成される。
以上のようなコネクタによる場合、第1シェル700’のスリット715’に接続部100及び第2シェル800が挿入された状態で、第1シェル700’の第1縁部721’及び第1壁部730’が第2シェル800の−X方向の係止板850に当接し、カバー900’のカバー本体910’が第2シェル800のX方向の係止板850に当接し、第1シェル700’の第2壁部740’が第2シェル800の前板810に当接し、第1シェル700’の第3壁部750’が接続部100の凸部111を覆い且つ第2シェル800の後板840に当接する。このため、前記柱体の接続部100及び第2シェル800の周囲が、第1シェル700’の天板713’、714’、第1、第2、第3壁部730’、740’、750’及びカバー900’のカバー本体910’により隙間なく覆われるので、前記コネクタのEMI特性を向上させることができる。
しかも、前記コネクタは、接続部100を第2シェル800に挿入し、当該接続部100及び第2シェル800を上記柱体の基板400’上に設置した後、上記柱体を第1シェル700’のシェル本体710’に挿入すると共に、接続部100及び第2シェル800を第1シェル700’のスリット715’に挿入し、その後、カバー900’をシェル本体710’に固着させるだけで、前記柱体の接続部100及び第2シェル800の周囲が隙間なく覆われる。よって、前記柱体の接続部100及び第2シェル800の周囲を覆うために折り曲げ作業を行う必要がないので、シールドケースC’に前記L字体を収容する作業が容易になる。
なお、上述したコネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
上記実施例1及び2では、接続部100は、基部110と、第1、第2接続用凸部120a、120bとを有するとした。しかし、接続部は、内部にコンタクトが設けられており且つ柱体からX及び−X方向に交差する方向に延びるものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、接続部は、基部と、この基部に設けられた接続用凸部とを有する構成とすることが可能である。この場合、前記接続部内に少なくとも一種類のコンタクトが収容されている。また、接続部100は凸部111を有するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、基部110のY及び−Y方向の寸法と第1、第2接続用凸部120a、120bのY及び−Y方向の寸法とを略同じとし、凸部111を省略することも可能である。
上記実施例1及び2では、第2シェル800は、接続部100の第1、第2接続用凸部120a、120aが挿入可能な第1、第2筒を有するとした。しかし、第2シェルは、上記接続部が挿入可能な筒状である限り任意に設計変更することが可能である。また、上記実施例1及び2では、第2シェル800は、開放部870を有するとした。しかし、第2シェルが開放部870を有するか否かは任意に設計変更することが可能である。また、開放部の形状は、第2シェルに設けられ、−Y方向側に凸である凸部を第2シェル外に突出させることができ得る限り任意に設計変更することが可能である。更に、上記実施例1及び2では、第2シェル800は、第1、第2係止爪860a、860bを有するとしたが、前記係止爪を有するか否かは任意に設計変更することが可能である。また、第2シェルは、柱体に係止可能な前記係止爪以外の係止手段を有する構成とすることも可能である。例えば、第2シェルに設けられた係止穴又は係止溝に、柱体に設けられた係止片が係止されるように設計変更することが可能である。
上記実施例1及び2では、柱体は角柱状であるとしたが、X及び−X方向に延びる柱体である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、柱体は円柱とすることが可能である。また、上記実施例1及び2では、柱体は、基板と樹脂部で構成されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ケーブルの芯線がコンタクトに直接接続される場合には、柱体は樹脂部のみで構成することが可能である。この場合、ケーブルの前記コンタクトに接続された側の端部は前記樹脂部に埋設される。
上記実施例1及び2では、第1シェルのシェル本体は角筒状であるとしたが、X、−X方向に開口を有し且つ上記柱体を収容可能な筒状である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、上述した柱体が円柱である場合には、シェル本体も円筒状に設計変更することが可能である。
上記実施例1及び2では、閉塞板は、シェル本体の−X方向の開口を塞ぐ長方形の板であるとしたが、シェル本体の−X方向の開口を塞ぐことができる限り任意に設計変更することが可能である。前述の通り、シェル本体が円筒状である場合には、円形の閉塞板とすることができる。
上記実施例1及び2では、第1シェルのスリットは、接続部100及び第2シェル800が挿入されるとした。しかし、第1シェルのスリットの形状は、X及び−X方向に延びており且つ少なくとも接続部が挿入される限り任意に設計変更することが可能である。また、上記実施例1では、スリット715は、開口718を通じてX方向側が開放されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、天板713、714のX及び−X方向の寸法を側板712のX及び−X方向の寸法と同じとし、スリット715自体のX方向側が開放されるように設計変更することが可能である。この場合、開口718は省略される。また、上記実施例1及び2では、スリットの−X方向側が開放されているとしたが、スリットの−X方向側が閉塞された態様に設計変更することが可能である。
上記実施例1及び2では、スリットに接続部及び第2シェルが挿入された状態で、第1縁部が第2シェルの−X方向の係止板に当接し、第2縁部が第2シェルの前板の近傍(すなわち、接続部100のY方向側近傍)に配置され、第3縁部が接続部の基部の凸部の−Y方向側近傍に配置され、カバーが第2シェルのX方向の係止板に当接するとした。しかし、本発明は、スリットに少なくとも接続部が挿入された状態で、第1縁部が前記接続部の−X方向側近傍に配置され、第2、第3縁部が前記接続部のY、−X方向側近傍に配置され、カバーがシェル本体のX方向側に固着され、前記接続部のX方向側近傍に配置される限り任意に設計変更することが可能である。
上記実施例1及び2では、第1縁部は、閉塞板のZ方向の端部の中央部であるとしたが、第1シェルのスリットの−X方向の縁部である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1シェルのスリットの−X方向側の部分が閉塞されている場合、第1シェルの天板のスリットの−X方向側の部分が第1縁部となる。
また、本発明は、前記スリットに少なくとも前記接続部が挿入された状態で、第1、第2、第3縁部及びカバーの少なくとも一つが前記接続部又は第2シェルに当接するように設計変更することが可能である。更に、本発明は、前記スリットに少なくとも前記接続部が挿入された状態で、第1、第2、第3縁部及びカバーの少なくとも一つが前記接続部に当接し、残りが前記第2シェルに当接するように設計変更することも可能である。なお、第2シェルは、第1シェルのスリットに挿入されず、Z方向側から前記接続部に被せられ且つ第1、第2、第3縁部及びカバーの少なくとも一つに当接する態様とすることが可能である。
上記実施例1及び2では、第1シェルは、第1、第2及び第3壁部を有するとした。しかし、第1シェルは、第1、第2及び第3壁部が省略された態様とすることが可能である。また、第1シェルは、第1、第2及び第3壁部の何れか一つ又は何れか二つを有する態様とすることも可能である。
上記実施例1及び2では、第1壁部は、スリットの第1縁部に連設され、Z方向に延びた略矩形状の板であるとした。しかし、第1壁部は、スリットの第1縁部に立設され、Z方向に延びており、且つ前記接続部が前記スリットに挿入された状態で、前記接続部が挿入された前記第2シェルに接触し得る限り任意に設計変更することが可能である。
上記実施例1及び2では、第2壁部は、スリットの第2縁部に連設され、Z方向に延びた長方形の板であるとした。しかし、第2壁部は、スリットの第2縁部に立設され、Z方向に延びており、且つ前記接続部が前記スリットに挿入された状態で、前記接続部が挿入された前記第2シェルに接触し得る限り任意に設計変更することが可能である。
上記実施例1及び2では、第3壁部は、スリットの第3縁部に連設され、Z方向に延びた略下向きL字状の板であるとした。しかし、第3壁部は、スリットの第3縁部に立設され、Z方向に延びており、且つ前記接続部が前記スリットに挿入された状態で、前記接続部が挿入された前記第2シェルに接触し得る限り任意に設計変更することが可能である。
上記実施例1では、カバー900は第1シェル700の側板712のX方向側部分に固着され、開口718を覆うとした。また、上記実施例2では、カバー900’は第1シェル700’の側板712’のX方向側部分に固着され、開口716’を部分的に覆うとした。しかし、カバーは、シェル本体のX方向側に固着され、スリットに挿入された接続部のX方向側近傍に配置され得る限り任意に設計変更することが可能である。また、カバーを第1シェルに固着させる手段としては、上記実施例1及び2の係止片と係止孔と有する係止手段に限定されるものではなく、係止片と係止凹部とを有する係止手段や接着剤等その他の周知の固着手段を用いることが可能である。
上記実施例1及び2では、コネクタは、ケーブル600を備えているとしたが、ケーブルを備えていない構成とすることが可能である。また、上記実施例1及び2では、ケーブル600は、フラットケーブルであるとしたが、その他のケーブルを用いることも可能である。
なお、上記実施の形態では、コネクタの各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記実施例1及び2では、コネクタは、USB-Micro-Bコネクタであるとしたが、これに限定されるものでなく、その他の規格のコネクタにも適応可能である。X、−X、Y、−Y、Z及び−Z方向は、説明の便宜上付したものであって、各方向は任意に設定することが可能である。