JP5615069B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転が開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ライン上に予め定められた入賞図柄の組合せ(例えば、7−7−7、以下図柄の組合せを役とも呼ぶ)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。
これら入賞役には、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役、メダルなどの遊技用価値の付与を伴う小役、遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役などがある。これら入賞役は、スタート操作と同時に行われる役抽選に当選したことを条件に当選役の入賞が可能となるものが一般的であり、役抽選に当選している役を構成する図柄の組合せを有効なラインに揃えることが可能に制御するとともに、役抽選に当選していない役を構成する図柄の組合せを有効なラインに揃えないように制御している。
このようなスロットマシンには、予め定められた小役に当選したときに所定のナビ権利を付与するか否かのナビ抽選を行い、ナビ抽選で当選するとナビ権利を1つ付与するものであって、停止操作によって取りこぼしが生じる所定役に当選したときに、ナビ権利があれば当該ナビ権利を1減算するとともに当該所定役を特定可能にするための演出を実行するもの(例えば、特許文献1参照)があった。
特開2010−35946号公報
しかしながら、特許文献1のスロットマシンでは、ナビ権利のような遊技者にとって有利な権利が付与され得る契機が1つしか設けられておらず、かつ当該契機が成立したとしても同じ有利度合いの権利しか付与されない。このため、有利な権利が付与され得る契機にバリエーションがなく、かつ契機が成立することにより付与される権利の有利度合いがワンパターンであった。その結果、有利な権利が付与されることに関連させて、遊技の興趣を向上させることができなかった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、契機および有利度合いのバリエーションを豊富にすることにより遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて、表示結果を導出する制御を行う手段であって、前記事前決定手段の決定結果が所定結果となった場合において、当該所定結果に応じて予め定められた有利手順で前記導出操作手段が操作されたときには、前記有利手順と異なる手順で前記導出操作手段が操作されたときに導出する表示結果の組合せよりも遊技者にとって有利な表示結果の組合せを導出可能な制御を行う導出制御手段と
予め定められた複数種類の契機のうちいずれかが成立したことを条件として、遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件を設定するための契機成立時処理を行う契機成立時設定手段と、
前記契機成立時設定手段により設定された報知条件に従って、前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果となったときに当該所定結果に対応する有利手順を特定するための情報を報知する報知期間に制御する報知制御手段と、
を備え、
前記複数種類の契機は、前記入賞のうちの特定入賞の発生を許容する旨が決定される一方で当該決定とともに遊技者にとって有利な状態に移行する移行条件が成立しない第1契機と、前記特定入賞の発生を許容する旨が決定されるとともに前記移行条件が成立する第2契機とを含み、
前記契機成立時設定手段は、前記第1契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる第1契機時最大報知条件の方が、前記第2契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる第2契機時最大報知条件よりも、有利度合いが高くなるように前記契機成立時処理を行い、
前記スロットマシンは、
前記有利手順を特定するための情報を報知していないときにおいて、特定手順以外の手順で操作されたときには、前記特定手順であったときに行われることのない遊技者にとって不利な不利制御を行うことが可能である
ことを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の手段1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(左、中、右リール)からなる可変表示装置を備え、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)の全てに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)を通る複数の入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に導出された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)に表示結果が導出される前に前記遊技用価値の付与を伴う小役入賞(小役)を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)それぞれに表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域に、該導出操作手段が操作された時点で所定範囲(引込範囲)内に位置する表示結果から前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じていずれかの表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグを次ゲーム以降に持ち越す)と、
を備え、
前記小役入賞のうち第1の小役入賞(ブドウ)は、前記複数の可変表示領域のうちの特定の可変表示領域(左リール)において前記第1の小役入賞を構成する第1の特定図柄(ブドウ)、他の可変表示領域(中、右リール)において前記第1の小役入賞を構成する第1の他図柄(中、右リールともにブドウ)がいずれかの入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に揃うことで発生する入賞であり、前記小役入賞のうち第2の小役入賞(1枚役)は、前記特定の可変表示領域(左リール)において前記第2の小役入賞を構成する第2の特定図柄(ブドウ)、他の可変表示領域(中、右リール)において前記第2の小役入賞を構成する第2の他図柄(中リールはプラム、スイカ、チェリー、ベルのいずれか、右リールはブドウ)がいずれかの入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に揃うことで発生する入賞であり、前記小役入賞のうち第3の小役入賞(2枚役)は、前記特定の可変表示領域(左リール)において前記第3の小役入賞を構成する図柄であり前記第2の特定図柄とは異なる第3の特定図柄(リプレイ)、他の可変表示領域において前記第3の小役入賞を構成する第3の他図柄(中リールはプラム、スイカ、チェリー、ベルのいずれか、右リールはリプレイ)がいずれかの入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に揃うことで発生する入賞であり、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が、前記第1〜3の小役入賞の発生を許容し、かつ前記特別入賞の発生を許容しない特定の決定結果(特別役非持越中の小役GR(1)〜(5)当選)であり、前記導出操作手段が特定の順番で操作された場合に、前記第1の小役入賞(ブドウ)を構成する図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに導出させる制御を行い、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記特定の決定結果(特別役非持越中の小役GR(1)〜(5)当選)であり、前記導出操作手段が前記特定の順番以外の順番で操作された場合に、前記第2の小役入賞を構成する図柄(1枚役)の組合せ及び前記第3の小役入賞(2枚役)を構成する図柄の組合せの双方をそれぞれいずれかの入賞ラインに導出させる制御を行い、
前記スロットマシンは、
予め定められた複数種類の契機(AT抽選条件)のうちいずれかが成立したことを条件として、遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件(ナビストック)を設定するための契機成立時処理を行う契機成立時設定手段と、
前記契機成立時設定手段により設定された報知条件に従って、前記事前決定手段の決定結果が前記特定の決定結果となった場合に、当該特定の決定結果に対応して遊技者にとって有利となる前記導出操作手段の操作順を特定するための情報(ナビ演出)を報知する報知期間(AT)に制御する報知制御手段と、
を備え、
前記事前決定手段は、前記持越手段によって前記特別入賞の発生を許容する旨が持ち越されていないとき(内部中RTでないとき)であって、前記特別入賞とは異なる特定入賞の発生を許容する旨を決定するときに、前記特別入賞の発生を許容する旨と同時に決定し得ず、前記特別入賞の発生とは別に決定する別決定のみを行い(抽選対象役として、特定小役はボーナスと同時に読み出されない)、
前記複数種類の契機は、前記特定入賞の発生が許容されることを条件として成立する特定契機(最大許容AT抽選条件)を含み、
前記契機成立時設定手段は、前記特定契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる特定時最大報知条件(最大ナビストック数である14)の方が、前記特定契機以外の契機(最大不可AT抽選条件)が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる報知条件(10)よりも、有利度合いが高くなるように前記契機成立時処理を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1〜3の小役入賞の発生が許容され、かつ特別入賞の発生が許容されていない場合には、特定の順番で導出操作手段が操作された場合と、特定の順番以外の順番で導出操作手段が操作された場合と、で小役入賞の組合せが揃う入賞ラインの数が異なるため、小役入賞が発生した際の可変表示領域の表示態様のバリエーションを増やすことができる。
また、報知期間においては、事前決定手段の決定結果が特定の決定結果となった場合に、当該特定の決定結果に対応して遊技者にとって有利となる導出操作手段の操作順を特定するための情報が報知される。このため、報知期間において事前決定手段の決定結果が特定の決定結果となった場合には、遊技者は意図的に有利な操作順で導出操作手段を操作して有利な表示態様を導出させることができる。
また、報知条件を設定させる契機が複数種類設けられているとともに、遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件が設定され得るため、契機および報知条件の有利度合いのバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、複数種類の契機のうち特定契機が成立したときには、特定契機以外の契機が成立することによって設定され得る有利度合いが最大となる報知条件よりも、有利度合いの高い特定時最大報知条件が設定され得る。このため、複数種類の契機のうち特定契機が成立することに対し遊技者に期待感を抱かせて注目させることができる。
さらに、特定時最大報知条件を設定させ得る特定契機は、特別入賞の発生を許容する旨と同時には決定し得ない特定入賞の発生が許容されることを条件として成立する。このため、複数種類の入賞について発生を許容するか否かの1ゲームに対する決定において、特定契機を成立させるとともに、特別入賞の発生を許容させる旨が決定されることを防止することができる。その結果、特定時最大報知条件が設定されるとともに特別遊技状態に制御させてしまうことがなく、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、特定契機が成立したときには、特別入賞の発生が許容されることに対してではなく、特定時最大報知条件が設定されることにのみ遊技者を注目させることができる。
尚、前記契機成立時設定手段は、いずれかの契機が成立したことを条件として報知条件を設定し得るものであれば良く、いずれかの契機が成立したときであってもさらに所定条件が成立しなければ(AT抽選で当選しなければ)報知条件を設定しない(ナビストック数:0)ものであっても良く、いずれかの契機が成立したときには必ず報知条件を設定する(ナビストック数:1以上)ものであっても良い。
本発明の手段2に記載のスロットマシンは、手段1に記載のスロットマシンであって、
各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(左、中、右リール)からなる可変表示装置を備え、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)の全てに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)を通る複数の入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に導出された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)に表示結果が導出される前に前記遊技用価値の付与を伴う小役入賞(小役)を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記複数の可変表示領域(左、中、右リール)それぞれに表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域に、該導出操作手段が操作された時点で所定範囲(引込範囲)内に位置する表示結果から前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じていずれかの表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
前記特別入賞の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞が発生しなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグを次ゲーム以降に持ち越す)と、
を備え、
前記小役入賞のうち第1の小役入賞(ブドウ)は、前記複数の可変表示領域のうちの特定の可変表示領域(左リール)において前記第1の小役入賞を構成する第1の特定図柄(ブドウ)、他の可変表示領域(中、右リール)において前記第1の小役入賞を構成する第1の他図柄(中、右リールともにブドウ)がいずれかの入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に揃うことで発生する入賞であり、前記小役入賞のうち第2の小役入賞(1枚役)は、前記特定の可変表示領域(左リール)において前記第2の小役入賞を構成する第2の特定図柄(ブドウ)、他の可変表示領域(中、右リール)において前記第2の小役入賞を構成する第2の他図柄(中リールはプラム、スイカ、チェリー、ベルのいずれか、右リールはブドウ)がいずれかの入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に揃うことで発生する入賞であり、前記小役入賞のうち第3の小役入賞(2枚役)は、前記特定の可変表示領域(左リール)において前記第3の小役入賞を構成する図柄であり前記第2の特定図柄とは異なる第3の特定図柄(リプレイ)、他の可変表示領域において前記第3の小役入賞を構成する第3の他図柄(中リールはプラム、スイカ、チェリー、ベルのいずれか、右リールはリプレイ)がいずれかの入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)上に揃うことで発生する入賞であり、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が、前記第1〜3の小役入賞の発生を許容し、かつ前記特別入賞の発生を許容しない特定の決定結果(特別役非持越中の小役GR(1)〜(5)当選)であり、前記導出操作手段が特定の順番で操作された場合に、前記第1の小役入賞(ブドウ)を構成する図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに導出させる制御を行い、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記特定の決定結果(特別役非持越中の小役GR(1)〜(5)当選)であり、前記導出操作手段が前記特定の順番以外の順番で操作された場合に、前記第2の小役入賞を構成する図柄(1枚役)の組合せ及び前記第3の小役入賞(2枚役)を構成する図柄の組合せの双方をそれぞれいずれかの入賞ラインに導出させる制御を行い、
前記スロットマシンは、
予め定められた複数種類の契機(AT抽選条件)のうちいずれかが成立したことを条件として、遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件(ナビストック)を設定するための契機成立時処理を行う契機成立時設定手段と、
前記契機成立時設定手段により設定された報知条件に従って、前記事前決定手段の決定結果が前記特定の決定結果となった場合に、当該特定の決定結果に対応して遊技者にとって有利となる前記導出操作手段の操作順を特定するための情報(ナビ演出)を報知する報知期間(AT)に制御する報知制御手段と、
を備え、
前記事前決定手段は、前記持越手段によって前記特別入賞の発生を許容する旨が持ち越されていないとき(内部中RTでないとき)であって、前記特定入賞の発生を許容する旨を決定するときに、前記特別入賞の発生を許容する旨と同時に決定する同時決定(BB1+特定小役)と、前記特別入賞の発生とは別に決定する単独決定(特定小役)と、を行い、
前記複数種類の契機は、前記単独決定により前記特定入賞の発生が許容されることを条件として成立する特定契機(最大許容AT抽選条件)を含み、
前記契機成立時設定手段は、前記特定契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる特定時最大報知条件(最大ナビストック数である14)の方が、前記特定契機以外の契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる報知条件(10)よりも、有利度合いが高くなるように前記契機成立時処理を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1〜3の小役入賞の発生が許容され、かつ特別入賞の発生が許容されていない場合には、特定の順番で導出操作手段が操作された場合と、特定の順番以外の順番で導出操作手段が操作された場合と、で小役入賞の組合せが揃う入賞ラインの数が異なるため、小役入賞が発生した際の可変表示領域の表示態様のバリエーションを増やすことができる。
また、報知期間においては、事前決定手段の決定結果が特定の決定結果となった場合に、当該特定の決定結果に対応して遊技者にとって有利となる導出操作手段の操作順を特定するための情報が報知される。このため、報知期間において事前決定手段の決定結果が特定の決定結果となった場合には、遊技者は意図的に有利な操作順で導出操作手段を操作して有利な表示態様を導出させることができる。
また、報知条件を設定させる契機が複数種類設けられているとともに、遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件が設定され得るため、契機および報知条件の有利度合いのバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、複数種類の契機のうち特定契機が成立したときには、特定契機以外の契機が成立することによって設定され得る有利度合いが最大となる報知条件よりも、有利度合いの高い特定時最大報知条件が設定され得る。このため、複数種類の契機のうち特定契機が成立することに対し遊技者に期待感を抱かせて注目させることができる。
さらに、特定時最大報知条件を設定させ得る特定契機は、特定入賞の発生が特別入賞の発生とは別に決定されることを条件として成立し、たとえ特定入賞の発生が許容されたときであっても特別入賞の発生を許容する旨が同時に決定されたときには成立しない。このため、複数種類の入賞について発生を許容するか否かの1ゲームに対する決定において、特定契機を成立させるとともに、特別入賞の発生を許容させる旨が決定されることを防止することができる。その結果、特定時最大報知条件が設定されるとともに特別遊技状態に制御させてしまうことがなく、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、特定契機が成立したときには、特定時最大報知条件が設定されることのみならず、特別入賞の発生が許容されることに対しても、遊技者に期待感を抱かせることができる。
尚、前記契機成立時設定手段は、いずれかの契機が成立したことを条件として報知条件を設定し得るものであれば良く、いずれかの契機が成立したときであってもさらに所定条件が成立しなければ(AT抽選で当選しなければ)報知条件を設定しない(ナビストック数:0)ものであっても良く、いずれかの契機が成立したときには必ず報知条件を設定する(ナビストック数:1以上)ものであっても良い。
手段1、手段2において前記第2の小役入賞を構成する第2の特定図柄、前記第3の小役入賞を構成する第3の特定図柄が異なる構成であれば、第1の小役入賞を構成する第1の特定図柄と第2の特定図柄、または第1の特定図柄と第3の特定図柄が同じ図柄であっても良いし、異なる図柄であっても良い。また、前記第1の小役入賞を構成する第1の他図柄、前記第2の小役入賞を構成する第2の他図柄、前記第3の小役入賞を構成する第3の他図柄は、同じ図柄であっても良いし、異なる図柄であっても良い。
また、手段1、手段2において前記第1の小役入賞を構成する第1の特定図柄と前記第1の他図柄とは同じ図柄であっても良いし、異なる図柄であっても良い。同様に前記第2の小役入賞を構成する第2の特定図柄と前記第2の他図柄とは同じ図柄であっても良いし、異なる図柄であっても良く、前記第3の小役入賞を構成する第3の特定図柄と前記第3の他図柄とは同じ図柄であっても良いし、異なる図柄であっても良い。
本発明の手段3に記載のスロットマシンは、手段1または2に記載のスロットマシンであって、
前記契機成立時設定手段は、前記特定入賞の発生が許容されたときであっても、前記持越手段によって前記特別入賞の発生を許容する旨が持ち越されているときには、前記特定時最大報知条件を設定しないように前記契機成立時処理を行う(内部中RTにおいて特定小役が当選してもAT抽選条件を成立させない)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別入賞の発生が許容されており特別遊技状態に制御されることが確定しているときには、特定入賞の発生が許容されたときであっても特定時最大報知条件が設定されないため、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
本発明の手段4に記載のスロットマシンは、手段1〜3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記事前決定手段は、前記特別遊技状態では前記特定入賞の発生を許容する旨を決定し得ず、前記特別遊技状態でないことを条件として前記特定入賞の発生を許容する旨の決定を行う(RB1およびRB2のいずれにおいても特定小役が当選せず入賞しない)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別遊技状態においては特定入賞の発生が許容されず、特定時最大報知条件が設定されないため、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、特別遊技状態において特定入賞を発生させてしまうことにより遊技者の混乱を招くといった不都合の発生を防止することができる。
本発明の手段5に記載のスロットマシンは、手段1〜4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記複数種類の契機は、前記特定入賞とは異なる特殊入賞(チェリー1、チェリー2)の発生が許容されることを条件として成立する特殊契機を含み、
前記事前決定手段は、前記特定入賞の発生を許容する旨を、前記特殊入賞の発生を許容する旨を決定する割合よりも低い割合に従って決定する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定契機の成立する割合は、特殊契機が成立する割合よりも低い。このため、特定契機が成立して特定時最大報知条件が設定されることに対する価値を高め、プレミア感を遊技者に抱かせることができる。
本発明の手段6に記載のスロットマシンは、手段1〜5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記導出制御手段は、前記特定入賞の発生を許容する旨が決定されているときには、前記導出操作手段が操作された順番に関わらず、前記特定入賞を発生させる図柄の組合せ(「ブドウ−リプレイ−スイカ」)を前記入賞ライン上に導出させる制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定入賞の発生が許容されたときには特定入賞を発生させる図柄の組合せが入賞ラインに導出されることにより、特定契機が成立して特定時最大報知条件が設定されたかもしれないことに対する期待感を確実に遊技者に抱かせることができる。
本発明の手段7に記載のスロットマシンは、手段1〜6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記報知制御手段は、
前記報知条件が設定されたことに基づいて制御される状態であって、当該報知条件に対応する報知終了条件(ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるとき)が成立して前記報知条件が設定されていない通常状態(ATフラグからATでない旨が特定される状態)となるまで、前記報知期間となる割合が前記通常状態であるときよりも高い有利状態(ATである旨を示すATフラグがセットされている状態)に制御する有利状態制御手段と、
前記有利状態において報知期間が終了した後に再び報知期間となり得るまでの非報知期間(潜伏期間)を決定する非報知期間決定手段と、
を含み、
前記非報知期間決定手段は、前記特定時最大報知条件が設定されることにより制御される有利状態の方(最大決定時カウンタの値が1以上であるとき)が前記特定時最大報知条件以外の報知条件が設定されることにより制御される有利状態よりも、非報知期間の期待値が大きくなる(平均化される潜伏期間の長さが長くなる)ように非報知期間を決定する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者にとって有利となる報知期間には、通常状態であるときよりも有利状態であるときの方が高い割合で移行される。その結果、有利状態に制御されて報知期間に移行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
有利状態に制御された場合であっても、非報知期間に移行される長さによって、次の報知期間に移行されるまでに設定する賭数が多くなり遊技者の利益が左右される。このため、非報知期間の長さに遊技者を注目させることができる。このような非報知期間は、特定時最大報知条件が設定されることにより制御された有利状態における非報知期間であるか否かを考慮して決定される。具体的に、特定時最大報知条件が設定されることにより制御された有利状態の方が、特定時最大報知条件以外の報知条件が設定されることにより制御される有利状態に比べて、一の報知期間終了後の非報知期間の期待値が大きくなるように決定される。このため、有利状態において報知期間が終了した後に移行される非報知期間が単調になってしまうことを防止でき、有利状態における遊技の興趣が低下する不都合の発生を防止することができる。さらに、特定時最大報知条件が設定されることにより制御された有利状態における非報知期間が、短い期間ばかりとなり、一連の有利状態における射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
尚、非報知期間決定手段により非報知期間を決定するタイミングは、前記報知条件が設定された後であって、該報知条件に基づき制御される有利状態において当該非報知期間に移行するまでであれば良い。また、非報知期間決定手段の決定対象は、前記有利状態において制御される非報知期間毎であっても良く、また、前記有利状態に制御するまでに当該有利状態において制御されるすべての非報知期間であっても良い。
本発明の手段8に記載のスロットマシンは、手段1〜7のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記報知制御手段は、前記報知条件が設定されたことに基づいて制御される状態であって、当該報知条件に対応する報知終了条件が成立(ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるとき)して前記報知条件が設定されていない通常状態(ATフラグからATでない旨が特定される状態)となるまで、前記報知期間となる割合が前記通常状態であるときよりも高い有利状態(ATである旨を示すATフラグがセットされている状態)に制御する有利状態制御手段を含み、
前記有利状態制御手段は、前記特定時最大報知条件が設定されることにより制御される有利状態の方が、前記特定契機と異なる契機の成立により前記特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件が設定されることにより制御される有利状態よりも、当該一の有利状態に制御されることに起因して付与されることが期待される遊技用価値の総数と賭数の設定に用いられる遊技用価値の総数との差である獲得期待数(増減枚数、メダルの純増枚数)が少なくなるように前記有利状態を制御するための特定制御を行う(例えば、潜伏期間として長い期間を高い割合で選択する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者にとって有利となる報知期間には、通常状態であるときよりも有利状態であるときの方が高い割合で移行される。その結果、有利状態に制御されて報知期間に移行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、有利状態に制御された場合であっても、報知期間や非報知期間に移行される長さによって、遊技者の利益が左右される。さらに、特定時最大報知条件が設定されることにより制御される有利状態の方が、特定契機と異なる契機の成立により特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件が設定されることにより制御される有利状態よりも、獲得期待数が少なくなるように有利状態を制御するための特定制御が行われる。これにより、特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件に従って同じ期間に亘り報知期間に移行させ得る有利状態に制御されたときであっても、特定契機が成立して特定時最大報知条件が設定されたときの方が、それ以外であるときよりも遊技者の利益が少なくなる。その結果、特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件を設定することとなった契機、すなわち有利状態への制御契機にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件を設定することとなった契機の成立回数が多いときには、少ないときと比較して、特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件が設定されるまでに、高い割合で多くの賭数を要する。一方、特定時最大報知条件と同じ有利度合いの報知条件を設定することとなった契機の成立回数が少ないときには、多いときと比較して、遊技者の利益が少なくなる。これにより、契機の成立回数が多いときと少ないときとの利益均衡を図り、例えば契機の成立回数が少ないときにも多いときと同じ利益を付与する場合と比較して、契機の成立回数が少ないときの射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を極力抑制することができる。
本発明の手段9に記載のスロットマシンは、手段1〜8のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果(内部抽選)が、前記第1〜3の小役入賞の発生を許容し、かつ遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB)への移行を伴う特別入賞(特別役)の発生も許容する特別の決定結果(特別役持越中の小役GR(1)〜(5)当選)である場合に、前記導出操作手段が操作された順番に関わらず、前記第1の小役入賞(ブドウ)を構成する図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに導出させる制御を行うとともに、前記第1の小役入賞(ブドウ)と前記特別入賞(特別役)の双方が発生可能となる表示結果を前記第2の小役入賞(1枚役)と前記第3の小役入賞(2枚役)の双方が発生可能となる表示結果よりも優先して導出させる制御を行い、
前記特定の可変表示領域(左リール)に配列された図柄は、所定のタイミング(特別役の引込範囲)にて前記導出操作手段(ストップスイッチ8L)が操作された場合に、前記第1の図柄(ブドウ)及び前記特別入賞を構成する図柄(黒7)の双方を前記入賞ラインに導出させることは可能であるが、前記第2の図柄(ブドウ)、前記第3の図柄(リプレイ)及び前記特別入賞を構成する図柄(黒7)からなる3つの図柄全てを前記入賞ラインに導出させることができない順番にて配置されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定の可変表示領域では、所定のタイミングにて導出操作手段が操作された場合に、第1の図柄及び特別入賞を構成する図柄の双方を前記入賞ラインに導出させることは可能であるが、第2の図柄、第3の図柄及び特別入賞を構成する図柄からなる3つの図柄全てを入賞ラインに導出させることができない順番にて図柄が配列されており、第1〜3の小役入賞の発生が許容され、かつ特別入賞の発生が許容されている場合には、第1の小役入賞と特別入賞の双方が発生可能となる表示結果を第2の小役入賞と第3の小役入賞の双方が発生可能となる表示結果よりも優先して導出させる制御を行うようになっている。このため、特別入賞と複数の小役入賞が同時に許容された場合に、特別入賞の構成図柄と小役入賞の構成図柄の双方を入賞ラインに停止させる構成にしても、特定の可変表示領域において特別入賞を構成する図柄と第1の図柄とが同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち2種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置とすることで、第2の小役入賞の構成図柄、第3の小役入賞の構成図柄及び特別入賞の構成図柄からなる3つの図柄が全て同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち3種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置に比較して図柄配列の制限が少なくて済む。
また、第1〜3の小役入賞の発生が許容され、かつ特別入賞の発生が許容されている場合には、導出操作手段が操作された順番に関わらず、第1の小役入賞を構成する図柄の組合せをいずれかの入賞ラインに導出させる制御を行うようになっており、第1の小役入賞が単独で揃うことで特別入賞が許容されていることに対する期待感を高めることができる。
本発明の手段10に記載のスロットマシンは、手段1〜9のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記第1の小役入賞(ブドウ)が発生した場合と、前記第2の小役入賞(1枚役)及び前記第3の小役入賞(2枚役)の双方が発生した場合と、で付与される遊技用価値の数が異なる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、事前決定手段の決定結果が同じ特定の決定結果であっても、導出操作手段を操作した順番によって付与される遊技用価値の数を変化させることができる。
本発明を適用したスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの内部構造図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。 複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。 ブドウに当選したときのリール制御を説明するための図である。 ブドウ当選時において停止順に応じて入賞ラインに揃う図柄組合せを示す図である。 特別役の当選中にブドウが当選した際の優先制御の一例を示す図である。 特別役の当選中にブドウが当選した際の優先制御の一例を示す図である。 チェリーに当選している場合のリール制御について説明するための図である。 AT抽選を実行する契機となる抽選条件の一例を説明するための図である。 AT抽選において参照されるテーブルの一例を説明するための図である。 潜伏期間決定処理を説明するためのフローチャートである。 潜伏期間を決定するためのテーブルを説明するための図である。 天井ゲーム到達時処理を説明するためのフローチャートである。 ナビ可能期間設定処理を説明するためのフローチャートである。 ナビ演出実行処理を説明するためのフローチャートである。 ペナルティ設定処理を説明するためのフローチャートである。 実施例2における、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。 実施例2における、AT抽選を実行する契機となる抽選条件の一例を説明するための図である。 実施例2における、AT抽選において参照されるテーブルの一例を説明するための図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
以下、添付図面を参照して、実施例1について説明する。図1は、この実施例にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では通常遊技状態、準備モード、及びリプレイの当選確率が高確率となるRT(ReplayTime)においては3、ボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ライン5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では9枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。尚、中リールでは、中段にしか入賞ラインが設定されないため、リール2Cにおいて、ストップスイッチ8Cが操作されたときに当該ストップスイッチに対応する中リールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインPU1aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、内部当選フラグ、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。RTワークは、現在の遊技状態がRT(0)〜(4)のいずれかである場合にその旨を示すRTフラグ、RT残りゲーム数が格納されるワークである。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる6種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及びRTワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、RTワーク及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化3は、BB終了時に行う初期化であり、初期化3では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化4では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化5は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化5では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1、初期化2を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施例におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、ボーナス終了後に制御される準備モード、所定条件が成立(後述する準備モードあるいは有利RTにおいて後述する1枚役・2枚役同時入賞、あるいは有利RTにおいて転落リプレイ入賞)することにより制御される通常遊技状態、通常遊技状態において所定の有利条件が成立(後述する昇格リプレイ入賞)することにより制御される有利RT、ボーナス内部当選したときに制御される内部中RT、及びボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。
有利RTは、各々、再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、準備モード及び通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。尚、有利RTを、RT、有利状態などという場合もある。
また、本実施例におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が通常遊技状態や有利RTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜5(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)の5種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB5は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス1(以下、RB1と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。また、BB4〜BB5のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス2(以下、RB2と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。
遊技状態がボーナスにある間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、RBの種類に対応するレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始される毎に対応するレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
BB1〜BB3のいずれかの入賞に起因して発生したボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB4またはBB5の入賞に起因して発生したボーナスは、73枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB5のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
後述する内部抽選においてBB1〜BB5のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB5を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ブドウ、9枚役1〜4、1枚役1〜4、スイカ、チェリー1、チェリー2、特殊役1、特殊役2が含まれる。
小役のうちスイカは、入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカが入賞すると3枚メダルが払い出される。スイカは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。スイカを構成する図柄(「スイカ」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち特定小役は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−リプレイ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。特定小役が入賞するとメダルが3枚払い出される。
左リール2Lにおいては、特定小役の左図柄を構成する「ブドウ」が7コマ以内に配置されている。また、中リール2Cにおいては、特定小役の中図柄を構成する「リプレイ」が5コマ以内に配置されている。また、右リール2Rにおいては、特定小役の右図柄を構成する「スイカ」が7コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において特定小役に当選しているときには、ストップスイッチ8L〜8Rの操作態様(停止順序、停止タイミング)に関わらず、入賞させることができる。
次に、小役のうちチェリー1は、入賞ラインのいずれかに「チェリー−ブドウ−ブドウ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。小役のうちチェリー2は、リール2Cについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。尚、チェリー2が入賞した場合には、入賞ラインL1〜L5のすべてにおいて入賞となるため、5枚のメダルが払出される。
次に、小役のうち特殊役1は、入賞ラインのいずれかに「プラム−プラム−BAR」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。
小役のうち特殊役2は、入賞ラインのいずれかに「BAR−白7−白7」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。特殊役2は、後述するようにRB1中のみ当選可能に設定されている。尚、本実施例においては、後述するように、特殊役2が当選したときには、原則として、ナビストックが付与される。
小役のうちブドウは、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の図柄が導出されることにより入賞となり、9枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ブドウ図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選においてブドウに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、9枚役1〜3について説明する。9枚役1は、入賞ラインのいずれかに「白7−黒7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役3は、入賞ラインのいずれかに「白7−オレンジ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、9枚役1〜3各々を構成する図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において9枚役1〜3のいずれかに当選していても、当選している9枚役の構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している9枚役に入賞することはない。
9枚役1〜3のうちいずれかが入賞した場合には、9枚のメダルが払い出される。
次に、2枚役1〜4について説明する。2枚役1は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−プラム−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。2枚役2は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−スイカ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。2枚役3は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−チェリー−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。2枚役4は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、2枚役1〜4各々を構成する図柄のうち左リール及び右リールの「リプレイ」は7コマ以内に配置されているが、中リールの「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」は5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において2枚役1〜4のいずれかに当選していても、当選している2枚役の「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」に対応するストップスイッチ8Cを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している2枚役に入賞することはない。
2枚役1〜4のうちいずれかが入賞した場合には、2枚のメダルが払い出される。
次に、1枚役1〜4について説明する。1枚役1は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−プラム−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役2は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−スイカ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役3は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−チェリー−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役4は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ベル−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、1枚役1〜4各々を構成する図柄のうち左リール及び右リールの「ブドウ」は7コマ以内に配置されているが、中リールの「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」は5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において2枚役1〜4のいずれかに当選していても、当選している1枚役の「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」に対応するストップスイッチ8Cを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している1枚役に入賞することはない。
1枚役1〜4のうちいずれかが入賞した場合には、1枚のメダルが払い出される。
また、図6に示すように、準備モード、有利RTにおいて1枚役と2枚役が同時入賞した後は、通常遊技状態に制御される。
通常リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「リプレイ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイを構成する図柄(「リプレイ」、「ブドウ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態において昇格リプレイに入賞した後は、有利RTに制御される。後述するように、昇格リプレイは、準備モードにおける内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、準備モードにおいては昇格リプレイに入賞しない。その結果、準備モードから有利RTに制御されないように構成されており、通常遊技状態であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常遊技状態からのみ有利RTに制御されるように構成されている。
尚、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、準備モード)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)で昇格リプレイについて抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からも有利RTに制御されるように構成しても良い。
転落リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ1及び転落リプレイ2各々を構成する図柄のうち、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、右リール2Rの図柄(「黒7」「BAR」)は、7コマ以内に配置されていない。
しかしながら、転落リプレイ1と転落リプレイ2とは、同時に当選するため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに関わらず、転落リプレイ1及び転落リプレイ2のうちいずれかの右リール2Rを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、転落リプレイ1及び転落リプレイ2は、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、有利RTにおいて転落リプレイに入賞した後は、通常遊技状態に制御される。
制御用リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−白7−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。制御用リプレイを構成する図柄のうち、リール2L、2Rの図柄(「リプレイ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されているが、中リール2Cの図柄(「白7」)は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において制御用リプレイに当選していても、ストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、制御用リプレイに入賞しない。
しかし、制御用リプレイは、昇格リプレイや転落リプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに関わらず、昇格リプレイや転落リプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、制御用リプレイは、原則として、当選しても入賞させることができないが、同時に当選するリプレイのいずれかを入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、準備モードあるいは有利RTにおいて2枚役と1枚役が同時入賞した後は、通常遊技状態に制御される。通常遊技状態は、ボーナスに当選するか、昇格リプレイに入賞するまで継続して制御される。尚、準備モードあるいは有利RT以外の遊技状態において2枚役と1枚役が同時入賞したとしても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において2枚役と1枚役が同時入賞したとしても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施例では、遊技状態がいずれであるかによって抽選対象役の組合せが異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、図7の○印の下に示す数値は、所定の設定値(例えば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役(図7の通常の「スイカ」)の当選確率は、300/65536となる。
遊技状態が通常遊技状態であるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1、スイカ、特定小役、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
尚、リプGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイをいい、通常リプレイ及び昇格リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。リプGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、及び制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。
また、左中右ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4をいう。左右中ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1をいう。右左中ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役2をいう。右中左ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役3をいう。中ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1+9枚役2をいう。よって、例えば、左中右ブドウとは、ブドウ、2枚役1〜4、及び1枚役1〜4が読み出されて内部抽選が行われることを示す。
遊技状態が準備モードであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1、スイカ、特定小役、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ中ブドウ、通常リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が有利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1、スイカ、特定小役、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
尚、リプGR3とは、通常リプレイ+転落リプレイをいい、通常リプレイ及び転落リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。リプGR4とは、通常リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、転落リプレイ、及び制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。転落リプレイとは、転落リプレイ1+転落リプレイ2をいい、転落リプレイ1及び転落リプレイ2が読み出されて内部抽選が行われることを示す。
遊技状態が内部中RTであるときには、スイカ、特定小役、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
本実施例においては、通常遊技状態、準備モード、有利RT、及び内部中RTのように、ボーナス中以外の遊技状態における内部抽選で、特定小役が、抽選対象役としてボーナスと同時に読み出されることがない。尚、特定小役は、抽選対象役として遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役(ボーナス)と同時に読み出されないものであれば、他の入賞役(例えばスイカなど)と同時に読み出されるものであっても良い。
尚、通常遊技状態などにおいて、BB1〜BB3のいずれかと同時当選し得るチェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1の判定値数は、内部中RTにおいては、各々、ボーナスと別個に読み出される、チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1に加算されているため、チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1各々の当選確率が一定となるように担保されている。
遊技状態がRB1であるときには、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、特殊役2、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。全小役とは、小役のうち特定小役及び特殊役2を除いた、ブドウ+9枚役1〜3+2枚役1〜4+2枚役1〜4+スイカ+チェリー1+チェリー2+特殊役1をいう。
また、遊技状態がRB2であるときには、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
RB1及びRB2のようにボーナス中における内部抽選の対象役には、特定小役が含まれていない。このため、ボーナス中において特定小役に当選することがなく、入賞することもない。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行うことを許容するか否かを、全てのリールが停止する以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行われる。
本実施例においては、各役及び役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せ及び現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、ボーナスは、チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1の各役と同時に当選し得る。このうち、特に、チェリー1及びチェリー2を同時当選役ともいう。チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1のうち当選したときにボーナスと同時当選している割合は、チェリー1+チェリー2+特殊役1が最も高く、次にチェリー1+チェリー2、チェリー1の順となるように判定値数が設定されている。
次に、図7の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役当選確率を比較する。準備モードであるときには、通常リプレイが読み出され、そのときの判定値数として「9000」が設定されている。このため、準備モードにおいては、再遊技役として、通常リプレイのみに入賞可能であり、遊技状態の移行を伴う昇格リプレイや転落リプレイに入賞しない。その結果、準備モードにおいては、前述した2枚役・1枚役同時入賞することによってのみ、通常遊技状態に制御されるといえる。
通常遊技状態においては、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイにも入賞し得る。
通常遊技状態において、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「1800」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「6300」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「900」が設定されている。通常遊技状態において、昇格リプレイに入賞したときには、有利RTに制御される。尚、本実施例における通常遊技状態におけるリプレイの判定値数の合計値は、通常遊技状態であるときの通常リプレイの判定値数と同じ値となるように設定されている。よって、通常遊技状態においては、準備モードと、リプレイ当選確率が同じになるように設定されている。
一方、有利RT、内部中RTにおいては、各々、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイや転落リプレイにも入賞し得る。
有利RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8000」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「24000」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「4000」が、リプGR3が読み出されるときの判定値数として「2000」が、リプGR4が読み出されるときの判定値数として「2000」が、設定されている。有利RTにおいて、転落リプレイに入賞したときには、通常遊技状態に制御され、昇格リプレイに入賞したときには遊技状態の移行が行われず当該有利RTが維持される。
内部中RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「7600」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「22800」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「3800」が、リプGR3が読み出されるときの判定値数として「1900」が、リプGR4が読み出されるときの判定値数として「1900」が、設定されている。内部中RTにおいて、昇格リプレイあるいは転落リプレイに入賞したときであっても、遊技状態が移行されず当該内部中RTが維持される。
以上より、準備モード、通常遊技状態、有利RT、及び内部中RT各々における、いずれかのリプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
準備モードであるときのリプレイ当選確率・・・・ 9000/65536
通常遊技状態であるときのリプレイ当選確率・・・ 9000/65536
有利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・40000/65536
内部中RTであるときのリプレイ当選確率・・・・38000/65536
これらより、本実施例においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、有利RT及び内部中RTであるときに、通常遊技状態及び準備モードであるときよりも高くなるように設定されている。このため、有利RT及び内部中RTは、通常遊技状態あるいは準備モードであるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、有利RTであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、有利RTであるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
次に、通常遊技状態、有利RT及び内部中RT各々における、昇格リプレイあるいは転落リプレイの当選確率の比率に着目する。
まず、昇格リプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの昇格リプレイ当選確率・・・ 7200/65536
有利RTであるときの昇格リプレイ当選確率・・・・・28000/65536
内部中RTであるときの昇格リプレイ当選確率・・・・26600/65536
また、転落リプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの転落リプレイ当選確率・・・・・・・0/65536
有利RTであるときの転落リプレイ当選確率・・・・・・4000/65536
内部中RTであるときの転落リプレイ当選確率・・・・・3800/65536
これらより、通常遊技状態、有利RT及び内部中RT各々における、昇格リプレイあるいは転落リプレイの当選率の比率は、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率…1:0
有利RTであるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率・・・7:1
内部中RTであるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率・・7:1
よって、通常遊技状態、有利RT及び内部中RTのうちいずれの遊技状態においても、昇格リプレイに当選する割合の方が転落リプレイに当選するよりも高くなるように、昇格リプレイ及び転落リプレイの当選率が設定されている。特に、有利RTであるときと内部中RTであるときとでは、同じ比率となるように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(チェリー1、スイカ、ブドウ1など)に当選した場合、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行われる。尚、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB1+通常リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(例えば、リプGR1など)には、図8に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図8は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
例えば、通常リプレイと昇格リプレイとを含むリプGR1が当選し、順押し、逆押しあるいは挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、中押しとなる操作態様で操作された場合には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作態様をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる操作態様をいう。挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる操作態様、あるいは右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる操作態様をいう。中押しとは、中リール2Cを第1停止させる操作態様をいう。
また、通常リプレイと昇格リプレイと制御用リプレイとを含むリプGR2が当選し、順押し、逆押しあるいは中押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、通常リプレイ及び昇格リプレイを構成する図柄は、左リール2L及び右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、通常リプレイまたは昇格リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときには、いずれに当選したか否かに関わらず、順押しあるいは逆押しすると、必ず通常リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。このように、リプGR1とリプGR2とで、通常リプレイに入賞させるための共通の操作態様が設定されている。
また、リプGR1に当選したときには、挟み押しすると通常リプレイを入賞させ、中押しすると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。これに対し、リプGR2に当選したときには、中押しすると通常リプレイを入賞させ、挟み押しすると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。このように、リプGR1とリプGR2とで、昇格リプレイに入賞させるため操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、通常遊技状態において、順押しあるいは逆押しの共通の操作態様で操作する限り、昇格リプレイに入賞することが有り得ず、有利RTに制御されることがない。一方、通常遊技状態において、挟み押しあるいは中押しすると、昇格リプレイに当選していれば1/2の確率で当該昇格リプレイに入賞し、有利RTに制御される。
尚、後述するように、通常遊技状態であって後述するナビ演出が実行されていないときに上記共通の操作態様以外の操作態様で操作されたことを条件として、遊技者にとって不利益となる所定のペナルティが課され、さらに、偶然昇格リプレイに当選しかつ入賞して有利RTに制御されたとしても当該有利RTにおいてATに制御されずナビ演出が実行されないために、意図的に2枚役・1枚役同時入賞及び転落リプレイ入賞を回避することができず当該有利RTを維持させることができないように構成されている。その結果、通常遊技状態において、共通の操作態様以外の操作態様で操作することによる利益よりもペナルティが課されることによる不利益の方が大きくなる。よって、共通の操作態様以外の操作態様で操作するよりも共通の操作態様で操作する方が、遊技者にとっての有利度合いを高くすることができる。
尚、共通の操作態様は、ストップスイッチ8Lを第1停止させる操作態様であっても良い。例えば、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときには、いずれに当選したか否かに関わらず、ストップスイッチ8Lを第1停止(例えば順押し)させる限り、必ず通常リプレイを入賞させるようにリール制御が行われるように構成しても良い。これにより、共通の操作態様をわかり易くすることができる。また、この場合、リプGR1に当選したときには、ストップスイッチ8Rを第1停止(例えば逆押し)すると通常リプレイを入賞させ、ストップスイッチ8Cを第1停止(例えば中押し)すると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われるように構成し、リプGR2に当選したときには、ストップスイッチ8Cを第1停止(例えば中押し)すると通常リプレイを入賞させ、ストップスイッチ8Rを第1停止(例えば逆押し)すると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われるように構成しても良い。
また、通常リプレイと転落リプレイとを含むリプGR3が当選し、順押しまたは挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、逆押しまたは中押しとなる操作態様で操作された場合には、転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
また、通常リプレイと転落リプレイと制御用リプレイを含むリプGR4が当選し、順押しまたは挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、逆押しまたは中押しとなる操作態様で操作された場合には、通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、転落リプレイ1及び転落リプレイ2各々単独では、右リール2Rの図柄(「黒7」「BAR」)が7コマ以内に配置されていないために、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって取りこぼす。しかし、転落リプレイ1と転落リプレイ2とが同時に当選するため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、通常リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプGR3に当選したときには、順押しまたは挟み押しすると通常リプレイを入賞させ、逆押しまたは中押しすると転落リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。これに対し、リプGR4に当選したときには、逆押しまたは中押しすると通常リプレイを入賞させ、順押しまたは挟み押しすると転落リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。このように、転落リプレイ入賞を回避させ通常リプレイを入賞させるための操作態様が、リプGR3当選時とリプGR4当選時とで異なるように設定されている。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(チェリー1+チェリー2、ブドウ1〜8すべてなど)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行われる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選している場合には、図9に示すように、特別役が当選しているか否か、同時当選した小役の種類及びリールの停止順に応じてブドウのみを1本の入賞ライン上に揃えて停止させるか、1枚役と2枚役を同時に入賞ライン上に揃えて停止させる制御が行われる。図9(a)は、特別役が当選していない状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図であり、図9(b)は、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
図9(a)に示すように、特別役が当選していない状態で左中右ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1〜4)が当選している場合には、左、中、右の順番でリールの停止操作を行った場合に、図10(a)に示すように、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、左、中、右以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、図10(b)に示すように、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。この際、1枚役1〜4のいずれが揃うか、2枚役1〜4のいずれが揃うか、は中リールの中段に停止する図柄によって異なり、中リールの中段にプラムが停止すれば1枚役1と2枚役1がそれぞれ揃い、中リールの中段にスイカが停止すれば1枚役2と2枚役2がそれぞれ揃い、中リールの中段にチェリーが停止すれば1枚役3と2枚役3がそれぞれ揃い、中リールの中段にベルが停止すれば1枚役4と2枚役4がそれぞれ揃うこととなる。
特別役が当選していない状態で左右中ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1)が当選している場合には、左、右、中の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、左、右、中以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で右左中ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役2)が当選している場合には、右、左、中の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、右、左、中以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で右中左ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役(1)+1枚役1〜4+9枚役3)が当選している場合には、右、中、左の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、右、中、左以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で中ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1+9枚役2)が当選している場合には、中リールを第1停止とする順番(中、左、右または中、右、左の順番)でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、中リール以外を第1停止とする順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
このように本実施例では、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の順番で停止操作を行うことで、1本の入賞ラインにブドウが揃い、特定の順番以外の順番で停止操作を行うことで、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役が同時に揃うこととなる。すなわち左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、停止操作の順番に応じて入賞ラインに揃う小役の種類だけでなく、小役が揃う入賞ライン数も異なるようになるため、小役が入賞した際のリールの停止態様のバリエーションを増やすことができる。
また、当選役の種類に応じた特定の順番で停止操作を行って1本の入賞ラインにブドウを入賞させた場合には、9枚のメダルの払出を受けられるのに対して、特定の順番以外の順番で停止操作を行って2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に入賞させた場合には、3枚のメダルの払出しか受けることができない。すなわち特定の順番で停止操作するか、特定の順番以外で停止操作するかによって払い出されるメダル数を変化させることができる。
また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にブドウが入賞する順番を選択することはできないことから、1/5の割合でブドウを入賞させることができるものの、4/5の割合で1枚役と2枚役が同時入賞することとなる。すなわち左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、1/5の割合で9枚のメダルを獲得できるが、4/5の割合では3枚しかメダルを獲得することができない。
ここで、有利RTから通常遊技状態に転落する確率について説明する。有利RTから通常遊技状態に転落する契機は、転落リプレイ入賞、及び2枚役・1枚役同時入賞が設定されている。転落リプレイ入賞確率は、転落リプレイ当選確率及びリール制御から、4000/65536×1/2=2000/65536となる。
次に、2枚役・1枚役同時入賞確率を算出する。左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選したときに、2枚役と1枚役が同時入賞する操作態様で操作される確率は、4/5である。また、また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウの当選確率が3120×5/65536であるから、2枚役・1枚役同時入賞率は、3120×5/65536×4/5)=12480/65536となる。
よって、有利RTにおいて、演出状態が後述するATでないときに転落リプレイ入賞あるいは2枚役・1枚役同時入賞により通常遊技状態に転落する確率は、14480/65536≒1/4.5となる。
このため、仮にナビ演出が実行されていない通常遊技状態において共通の操作態様以外で操作することにより、偶然昇格リプレイに入賞して有利RTに制御されたとしても、当該有利RTにおいてATに制御されずナビ演出が実行されないため、約4.5ゲームしか当該有利RTを継続させることができず通常遊技状態に転落する。また、上記のようにナビ演出が実行されていないときに共通の操作態様以外で操作することにより、ペナルティが課される。よって、通常遊技状態中であってナビ演出が実行されていないときには、遊技者に対し、共通の操作態様で操作させることができる。
本実施例では前述のように、特別役の当選後、小役が当選した場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させる制御を行うようになっているが、このように小役を優先させる制御を行う場合であっても、特別役が当選していることに変わりはないことから、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方を引込範囲で引き込めるのであれば、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させることが好ましい。
前述のように左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、停止操作の順番に応じて1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御か、2本の入賞ラインに1枚役の組合せと2枚役の組合せを同時に揃える制御か、のいずれかの制御を行うこととなるが、特別役、例えばBB1の当選後、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、後者の制御を行うと、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させる制御を行った場合に、左リールにおいてBB1の構成図柄である黒7と1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも優先される停止位置は、図11(a)に示すように、17・18・19番図柄の黒7・ブドウ・リプレイの位置しか存在しない(18番図柄が下段のタイミングで停止すると、1枚役しか入賞ラインに揃えることができなくなることからこの場合には、0〜2番のブドウ・リプレイ・BARが停止することとなる)。
そして、左リールにおいてBB1の構成図柄である黒7と1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイをそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を増やそうとすると、図11(b)に示すように、黒7の前後に1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイそれぞれ配置する必要があり、黒7の上下の図柄配置が制限を受けることとなる。
これに対して本実施例では、図3に示すように、左リールの図柄配列の一部として、BB1の構成図柄である黒7と、ブドウの構成図柄であるブドウと、を同時に異なる入賞ラインに停止可能であるが、BB1の構成図柄である黒7と、1枚役の構成図柄であるブドウと、2枚役の構成図柄であるリプレイと、を同時に異なる入賞ラインに停止させることが不可能な配置とし、さらに図9(b)に示すように、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選している場合には、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御を行うようになっており、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われることはない。
このため、BBの当選後、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、図12に示すように、17・18・19番図柄の黒7・ブドウ・リプレイの位置だけでなく、18・19・20番図柄の白7・黒7・ブドウの位置も、左リールにおいてBBの構成図柄である黒7とブドウの構成図柄であるブドウがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置となり、BBの構成図柄である黒7の上下どちらか一方のみに小役の構成図柄を配置するのみで、BBの構成図柄である黒7とブドウの構成図柄であるブドウがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置を増やすことが可能となり、BBの構成図柄である黒7の上下どちらか他方に配置される図柄が制限されることなく、自由に設定することが可能となる。
すなわち、BBと左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当時に当選した場合に、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させる構成にしても、左リールにおいてBBを構成する黒7とブドウを構成するブドウとが同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち2種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置とすることで、BBを構成する黒7、1枚役を構成するブドウ、2枚役を構成するリプレイからなる3つの図柄が全て同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち3種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置に比較して図柄配列の制限が少なくて済む。このため、左リールにおける図柄配置の設計自由度が増すこととなる。
さらに、特別役が当選していない状態では左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、リールの停止操作を行った順番に応じて1/5の割合でしかブドウの組合せが揃わないのに対して、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選している場合には、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御を行うこととなるため、ブドウが入賞ラインに揃う頻度が高まることにより特別役の当選に対する期待感を高めることができる。
また、前述のように特別役の当選後、小役が当選した場合に特別役よりも小役を優先させる制御を行う場合であっても、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方を引込範囲で引き込めるのであれば、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させることが好ましいが、このような制御を行うと、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、リールの停止操作を行った順番に応じて1枚役と2枚役が同時入賞させるか、ブドウを入賞させるか、を変化させると、特別役の当選後、遊技者の停止操作を行ったタイミングによっては、本来であれば1枚役と2枚役が同時に入賞する停止順にも関わらず、1枚役または2枚役のいずれか一方しか入賞させることができなかったり、ブドウが入賞してしまう可能性があり、このような場合には、特別役の当選後において左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、遊技者の技量によって獲得できるメダル数に変化が生じて不公平となるが、本実施例では、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選している場合に、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御を行うので、このような状況であっても遊技者の技量によって獲得できるメダル数は変化しないため、不公平となることもない。
次に、チェリー1に当選している場合のリール制御について説明する。チェリー1は、図7で示したように、単独で当選する場合、チェリー2と同時当選する場合、チェリー2+特殊役1と同時当選する場合が生じ、各々、図13に示すようにリール制御が行われる。
まず、チェリー1に単独で当選しているときには、チェリー1を構成する図柄である「チェリーブドウ−ブドウ」を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行われる。図3に示すように、チェリー1を構成する図柄のうち、中リール2C及び右リール2R各々の図柄である「ブドウ」は、5コマあるいは7コマ以内の間隔で配置されているが、左リール2Lの図柄である「チェリー」は、7コマ以内の間隔で配置されていないため、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングに応じて入賞するようにリール制御が行われる。
次に、チェリー1+チェリー2に当選しているときには、左リール2Lの「チェリー」と、中リール2Cの「チェリー」と、を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行われる。尚、中リール2Cの「チェリー」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちチェリー2を取りこぼす場合には、チェリー1を入賞させるリール制御が行われる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2Lと中リール2Cとで「チェリー」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。尚、右リール2Rについては、「リプレイ」を入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、「チェリー」については少なくとも入賞ラインに引き込まないようにリール制御が行われる。すなわち、チェリー1+チェリー2に当選しているときには、「チェリー」が、左リール2L及び中リール2Cに揃って停止され得るが、さらに右リール2Rにまで揃って停止されないようにリール制御が行われる。
チェリー1+チェリー2+特殊役1に当選しているときには、左リール2Lの「チェリー」と、中リール2Cの「チェリー」と、右リール2Rの「チェリー」とを入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行われる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2L、中リール2C、右リール2Rとで「チェリー」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。すなわち、チェリー1+チェリー2+特殊役1に当選しているときには、「チェリー」が、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において揃って停止され得るようにリール制御が行われる。尚、中リール2Cの「チェリー」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちチェリー2を取りこぼす場合には、チェリー1を入賞させるリール制御が行われる。さらに、チェリー1を入賞させることができない場合には、引き込み可能な限り特殊役1を構成する図柄を引き込むリール制御が行われる。
図7で示したように、チェリー1やチェリー2は、ボーナスと同時当選する同時当選役であって、チェリー1+チェリー2+特殊役1が最も高く、次にチェリー1+チェリー2、チェリー1の順となるように判定値数が設定されている。また、チェリー1やチェリー2に当選しているときには、図13で示したリール制御が行われる。このため、「チェリー」の図柄が入賞ライン上に多く出現する程、ボーナス当選していることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施例においては、チェリー1やチェリー2などの同時当選役に当選したことを条件として、サブ制御部91により所定期間(例えば5ゲーム)に亘り、内部当選状況に応じてナビ演出が実行されるとともに、ボーナス当選していることを煽る連続演出が実行されるナビ可能期間に制御される。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施例にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、例えば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
尚、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う。抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、抽選処理では、BB1〜BB5のいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行われる。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行われた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。尚、入賞判定処理において、BB1〜BB5のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行われる。
また、入賞判定処理において、有利RTであるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行われる。また、通常遊技状態中であるときに昇格リプレイに入賞したと判断されたときには、有利RTに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に有利RTの値を設定など)が行われる。
また、準備モードあるいは有利RT中であるときに2枚役・1枚役同時入賞と判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行われる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、準備モードに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に準備モードフラグの値を設定など)が行われる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(準備モードであるか、通常遊技状態であるか、有利RTであるか、ボーナス中であるか等)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行われ、特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行う。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(例えば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行われる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行われる。遊技演出を行うための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行うために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、及び内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況及び遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行う。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、ATへの制御に関し遊技者にとって不利益となるペナルティを課すためのペナルティ設定処理、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行われる。
[AT抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるAT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(例えば50)ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図14は、AT抽選を実行する契機となる抽選条件の一例を説明するための図である。また、図15は、AT抽選において参照されるテーブルの一例を説明するための図である。
AT抽選条件は、図14に示す「遊技状態」において対応する「所定条件」が成立することにより成立する。遊技状態が準備モード、通常遊技状態、あるいは有利RTであるときに特定小役当選によりAT抽選条件が成立する。特定小役当選によりAT抽選条件が成立したときには、図15(a)に示すテーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、遊技状態が準備モード、通常遊技状態、あるいは有利RTであることを特定し、内部当選コマンドに基づき特定小役が当選したことを特定する。
図15(a)に示すテーブルが参照された場合、15%の割合でナビストック数が2に決定され、15%の割合でナビストック数が4に決定され、15%の割合でナビストック数が6に決定され、15%の割合でナビストック数が8に決定され、15%の割合でナビストック数が10に決定され、25%の割合でナビストック数が14に決定されるように、AT抽選が行われる。
本実施例におけるAT抽選では、1回の抽選で獲得できる最大ナビストック数が14に設定されている。1回のAT抽選でナビストック数を設定する決定のうち、最大ナビストック数を設定する決定を最大決定という。以下では、成立することにより最大決定し得るAT抽選条件を最大許容AT抽選条件ともいい、最大決定し得ないAT抽選条件を最大不可AT抽選条件ともいう。遊技状態が準備モード、通常遊技状態、あるいは有利RTにおいて特定小役当選したときのAT抽選では、最大ナビストック数である14に決定され得る。このため、遊技状態が準備モード、通常遊技状態、あるいは有利RTにおいて特定小役当選することにより成立するAT抽選条件は最大許容AT抽選条件である。本実施例においては、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と同時当選しない特定小役に当選したときにのみ、最大許容AT抽選条件が成立し得るように構成されている。
また、遊技状態が準備モード、通常遊技状態、あるいは有利RTにおいて特定小役当選したときには、必ず、ナビストックが付与されるように当選率が設定されている。また、図15(a)のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、8(=2×15%+4×15%+6×15%+8×15%+10×15%+14×25%)となるように構成されている。本実施例における期待ナビストック数は、最大許容AT抽選条件が成立したときに最大となるように、図15(a)のテーブルが構成されている。
尚、本実施例においては、遊技状態が内部中RTであるときに特定小役当選しても、AT抽選条件は成立しない例について説明するが、これに限らず、内部中RTであるときに特定小役当選することによりAT抽選条件が成立するようにしても良く、この場合には、ナビストック数として、最大ナビストック数である14に決定されず、最大ナビストック数未満から決定されるもの(例えば、後述する図15(b)のテーブルを用いて決定するもの)であれば良い。
図14に戻り、遊技状態がボーナス当選している内部中RTであるときには、ボーナス入賞によりAT抽選条件が成立する。ボーナス入賞によりAT抽選条件が成立したときには、図15(b)に示すテーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、内部中RTであることを特定し、遊技状態コマンドや入賞判定コマンドに基づき、ボーナス入賞したことを特定する。
図15(b)に示すテーブルが参照された場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、6%の割合でナビストック数が2に決定され、1%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定され、1%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
また、図15(b)のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、0.4(=0×90%+2×6%+4×1%+6×1%+8×1%+10×1%)となるように構成されている。尚、図15(b)のテーブルでは、最大ナビストック数である14に決定されないため、内部中RTであるときのボーナス入賞は最大不可AT抽選条件である。
図14に戻り、遊技状態がビッグボーナス入賞した後におけるビッグボーナス中であるときには、小役が単独当選することによりAT抽選条件が成立する。小役が単独当選するとは、特定小役以外でかつ全小役以外のいずれかの小役に当選することであって、例えば、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、特殊役2のいずれかに当選することをいう。前述したように、ビッグボーナス中であるときには、特定小役が抽選対象役として読み出されないため、特定小役に当選・入賞することはない。
ビッグボーナス中であるときに小役が単独当選することによりAT抽選条件が成立したときには、図15(c)に示すテーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づきビッグボーナス中であるか否かを特定し、内部当選コマンドに基づき小役が単独当選したか否かを特定する。
図15(c)に示すテーブルには、単独当選した小役の種類、及びAT抽選で最大決定されたか否かに応じて、当選率が設定されている。ビッグボーナス中に参照される図15(c)のテーブルでは、最大ナビストック数である14に決定されないため、ビッグボーナス中の小役単独当選は最大不可AT抽選条件である。
尚、サブ制御部91は、最大決定されたか否かを最大決定時カウンタの値に基づき特定する。最大決定時カウンタとは、1回のAT抽選において最大決定された旨を、予め定められたナビストック数分ATに制御されるまで特定可能にするために、RAM91cの所定領域に格納されるカウンタをいう。
本実施例においては、1回のAT抽選で最大ナビストック数を獲得したときに、最大決定時カウンタの値として、例えば7が設定される。最大決定時カウンタは、ナビストック1消費に対応するATが終了してから新たにナビストックを1消費してATに制御可能となるまでの潜伏期間を決定するときに、1減算される。最大決定されたときには、以後、ナビストック数を7消費することによりATに制御される間、最大決定された旨が特定可能となる。また、最大決定時カウンタの値が0より大きい値に設定されているときに、さらに最大決定されたときには当該最大決定に対応して7加算した値に更新される。尚、小役が単独当選したときのAT抽選において最大決定されたか否かの判定は、最大決定時カウンタの値に基づいて判定するもの替えて、直近(前回)の特定小役当選時におけるAT抽選において最大決定されたか否かで判定するようにしても良い。
ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつAT抽選で最大決定されていない最大未決定時には、80%の割合でナビストック数が0に決定され、8%の割合でナビストック数が2に決定され、4%の割合でナビストック数が4に決定され、3%の割合でナビストック数が6に決定され、3%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつ最大未決定時における1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.94(=0×80%+2×8%+4×4%+6×3%+8×3%+10×2%)となるように構成されている。
また、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつ特定小役当選時におけるAT抽選で最大ナビストック数である14を獲得している最大決定済時には、85%の割合でナビストック数が0に決定され、7%の割合でナビストック数が2に決定され、3%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつ最大決定済時における1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.64(=0×85%+2×7%+4×3%+6×2%+8×2%+10×1%)となるように構成されている。
このように、ビッグボーナス中において小役が単独当選したときであっても、最大決定済時であるときには、最大未決定時であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるように構成されている。
また、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2であった場合には、20%の割合でナビストック数が4に決定され、20%の割合でナビストック数が6に決定され、30%の割合でナビストック数が8に決定され、30%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2であるときにおける1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、7.4(=4×20%+6×20%+8×30%+10×30%)となるように構成されている。
このように、ビッグボーナス中において小役が単独当選したときであっても、特殊役2が単独当選したときの方が、特殊役2以外の小役が単独当選したときよりも、期待ナビストック数が大きくなるように構成されている。
また、ビッグボーナス1〜3では、少なくとも36ゲーム消化する必要がある。なぜなら、ビッグボーナス1〜3では、入賞により9枚払出を伴うブドウなどが高確率で入賞し、払い出されたメダルが316枚以上となることにより終了するからである。
ビッグボーナス1〜3の間に、小役が単独当選する確率は、特殊役2以外の小役の当選確率が3900/65536であり、特殊役2の当選確率が80/65536である。
よって、ビッグボーナス1〜3に入賞してから当該ビッグボーナスが終了するまでの間に、図15(b)のテーブルを用いてAT抽選が行われる回数は1回であるのに対し、図15(c)のテーブルを用いてAT抽選が行われる平均回数は、小役の単独当選確率とゲーム数とから、(3900+80)/65536×36≒2.18回となる。
また、ビッグボーナス1〜3に入賞した後におけるビッグボーナス中のAT抽選で獲得することが期待され得るナビストック数の合計数である総期待ナビストック数は、以下のようになる。
最大未決定時:0.94×3900/65536×36+7.4×80/65536×36≒2.32
最大決定済時:0.64×3900/65536×36+7.4×80/65536×36≒1.62
よって、ビッグボーナス1〜3中におけるAT抽選では、最大決定されないが、ビッグボーナス1〜3中のAT抽選で獲得することが期待され得る総期待ナビストック数は、ビッグボーナス入賞時における期待ナビストック数よりも大きくなる。
一方、ビッグボーナス4〜5では、9ゲーム消化することにより終了する場合がある。なぜなら、ビッグボーナス4〜5は、メダルが73枚以上払出されることにより終了する。また、ビッグボーナス4〜5におけるRB2では、特殊役2が抽選されない。
よって、ビッグボーナス4〜5に入賞してから当該ビッグボーナスが終了するまでの間に、図15(b)のテーブルを用いてAT抽選が行われる回数は1回であり、図15(c)のテーブルを用いてAT抽選が行われる回数は、小役の単独当選確率から、3900/65536×9≒0.53回である。
また、ビッグボーナス4〜5に入賞した後におけるビッグボーナス4〜5中のAT抽選で獲得することが期待され得るナビストック数の合計数である総期待ナビストック数は、以下のようになる。
最大未決定時:0.94×3900/65536×9≒0.5
最大決定済時:0.64×3900/65536×9≒0.34
よって、ビッグボーナス4〜5中のAT抽選で獲得することが期待され得る総期待ナビストック数は、ビッグボーナス入賞時における期待ナビストック数よりも小さくなる。しかし、図7で示したように、ビッグボーナス1〜3の当選確率は、ビッグボーナス4〜5の当選確率よりも高い。このため、ビッグボーナス1〜5における総期待ナビストック数は、ビッグボーナス1〜3中の総期待ナビストック数とビッグボーナス4〜5中の総期待ナビストック数の平均値よりも大きくなる。その結果、ビッグボーナス中の総期待ナビストック数は、ビッグボーナス入賞時における期待ナビストック数よりも大きくなる。
図14に戻り、遊技状態が準備モードであるときには、1ゲーム目が開始されたとき、及び30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎に成立するとともに、ボーナス当選時にも成立する。準備モードにおいてAT抽選条件が成立したときには、図15(d)に示すテーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき遊技状態が準備モードであることを特定し、リール回転コマンドに基づき1ゲーム目が開始されたことを特定し、遊技状態コマンドを受信する毎に消化したゲーム数を特定するためのカウンタを更新し、当該カウンタに基づき準備モードにおいて5ゲーム消化したことを特定し、内部当選コマンドに基づきボーナスが当選したことを特定する。
図15(d)に示すテーブルには、1ゲーム目開始時か、5ゲーム消化毎か、ボーナス当選時か、に応じて、当選率が設定されている。また、5ゲーム消化毎については、さらに、AT抽選で最大決定されたか否かに応じて当選率が設定されている。また、ボーナス当選時については、BB1〜3後のBB1〜3当選時か、BB1〜3後のBB4、5当選時か、BB4、5後のBB1〜3当選時か、BB4、5後のBB4、5当選時か、に応じて当選率が設定されている。
準備モードにおいて1ゲーム目開始時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、3%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
準備モードにおいて1ゲーム目開始時である場合のAT抽選では、最大ナビストック数である14に決定されないため、準備モードにおいて1ゲーム目開始は最大不可AT抽選条件である。また、準備モードにおいて1ゲーム目開始時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.52(=0×90%+2×3%+4×2%+6×2%+8×2%+10×1%)となるように構成されている。
一方、準備モードにおいて5ゲーム消化したときのAT抽選では、最大ストック数に決定されないため、準備モードにおいて5ゲーム消化は最大不可AT抽選条件である。また、準備モードにおいて5ゲーム消化したときのテーブルには、AT抽選で最大決定されたか否かに応じて、当選率が設定されている。サブ制御部91は、最大決定されたか否かを、最大決定時カウンタの値に基づき特定する。
尚、準備モードにおいて5ゲーム消化したときのAT抽選において最大決定されたか否かの判定は、最大決定時カウンタの値に基づいて判定するものに替えて、直近(前回)の特定小役当選時におけるAT抽選において最大決定されたか否かで判定するようにしても良い。
準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大未決定時には、86%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大未決定時における1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.76(=0×86%+2×5%+4×2%+6×2%+8×2%+10×3%)となるように構成されている。
また、準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大決定済時には、90%の割合でナビストック数が0に決定され、3%の割合でナビストック数が2に決定され、1%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大決定済時における1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.62(=0×90%+2×3%+4×1%+6×1%+8×2%+10×3%)となるように構成されている。
このように、準備モードにおいて5ゲーム消化したときであっても、最大決定済時であるときには、最大未決定時であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるように構成されている。
また、準備モードは、前述したように2枚役・1枚役同時入賞率が7800/65536であることから、平均8.4ゲーム継続する。よって、準備モードにおいて、図15(d)のテーブルを用いて、1ゲーム目開始時のAT抽選が行われる回数は1回であるのに対し、5ゲーム消化時のAT抽選が行われる回数は1.68回となる。
また、準備モードにおける5ゲーム消化毎のAT抽選で獲得することが期待され得るナビストック数の合計数である総期待ナビストック数は、以下のようになる。
最大未決定時:0.76×1.68≒1.27
最大決定済時:0.62×1.68≒1.04
よって、準備モードにおける5ゲーム消化毎のAT抽選では、最大決定されないが、準備モードにおける5ゲーム消化毎に行われるAT抽選による総期待ナビストック数は、準備モードにおける1ゲーム開始時における期待ナビストック数よりも大きくなる。
BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合、15%の割合でナビストック数が2に決定され、15%の割合でナビストック数が4に決定され、35%の割合でナビストック数が6に決定され、35%の割合でナビストック数が8に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、5.8(=2×15%+4×15%+6×35%+8×35%)となるように構成されている。
BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合、15%の割合でナビストック数が2に決定され、15%の割合でナビストック数が4に決定され、35%の割合でナビストック数が6に決定され、20%の割合でナビストック数が8に決定され、10%の割合でナビストック数が15に決定されれるように、AT抽選が行われる。
よって、BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、6.1(=2×15%+4×15%+6×35%+8×20%+10×15%)となるように構成されている。
BB4、5終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合、92%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、BB4、5終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.4(=0×92%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%)となるように構成されている。
BB4、5終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、BB4、5終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.6(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×2%)となるように構成されている。
このように、BB1〜3終了後の準備モードにおけるボーナス当選時のAT抽選では、BB4、5終了後の準備ボードにおけるボーナス当選時のAT抽選よりも期待ナビストック数が多くなるように構成されている。また、BB1〜3当選時のAT抽選では最大8個までしか決定されず、BB4、5当選時のみ最大10個まで決定可能である。
図14に戻り、遊技状態が通常遊技状態あるいは有利RTであるときには、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかが単独当選することによって成立する。
チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかが単独当選することによりAT抽選条件が成立したときには、図15(e)に示すテーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき遊技状態が通常遊技状態あるいは有利RTであるか否かを特定し、内部当選コマンドに基づきチェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかが単独当選したか否かを特定する。
図15(e)に示すテーブルには、チェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したか、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したかに応じて、当選率が設定されている。尚、図15(e)のテーブルでは、ナビストック数として最大でも4までしか決定されないため、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかに単独当選は最大不可AT抽選条件である。
ビッグボーナス以外の遊技状態においてチェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したときには、99%の割合でナビストック数が0に決定され、1%の割合でナビストック数が2に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス以外の遊技状態においてチェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したときにおける1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.02(=0×99%+2×1%)となるように構成されている。
ビッグボーナス以外の遊技状態においてチェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときには、70%の割合でナビストック数が0に決定され、20%の割合でナビストック数が2に決定され、10%の割合でナビストック数が4に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス以外の遊技状態においてチェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときにおける1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.8(=0×70%+2×20%+4×10%)となるように構成されている。
このように、ビッグボーナス以外の遊技状態であるときにおいて、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときには、チェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したときよりも、期待ナビストック数が大きくなるように構成されている。図13で前述したように、チェリー1+チェリー2+特殊役1に当選したときには、左〜右リールのチェリーを優先的に引き込むリール制御が行われる。このため、入賞ライン上にチェリーが3つ揃って停止したときには、ビッグボーナスに当選しているか、あるいはナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、ビッグボーナス以外の遊技状態においては、チェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選する確率が710/65536に設定されており、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選する確率が100/65536に設定されている。このため、ビッグボーナス以外の遊技状態における1ゲームにおいて、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかに単独当選することにより獲得することが期待される期待ナビストック数は、0.02×710/65536+0.8×100/65536≒0.00143となる。
通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB1〜3当選時である場合、92%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB1〜3当選時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.4(=0×92%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%)となるように構成されている。
通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB4、5当選時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
よって、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB4、5当選時である場合のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.6(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×2%)となるように構成されている。
このように、通常遊技状態あるいは有利RTにおけるBB1〜3当選時のAT抽選では最大8個までしか決定されず、BB4、5当選時のみ最大10個まで決定可能である。そして、前述のように準備モードにおけるボーナス当選時のAT抽選でも、BB1〜3当選時のAT抽選では最大8個までしか決定されず、BB4、5当選時のみ最大10個まで決定可能である。
一方、準備モードにおいてボーナス当選することにより実行されるAT抽選では、当選時にナビストック数として最大8個までしか決定されないBB1〜3終了後の準備モードであるときに図15(d)のBB1〜3後BB1〜3当選時テーブルまたはBB1〜3後BB4、5当選時テーブルが参照され、当選時にナビストック数として最大10個まで決定され得るBB4、5終了後の準備モードであるときに図15(d)のBB4、5後BB1〜3当選時テーブルまたはBB4、5後BB4、5当選時テーブルが参照される。このため、当選時にナビストック数として最大8個までしか決定されないBB1〜3終了後の準備モードであるときの方が、当選時にナビストック数として最大10個まで決定され得るBB4、5終了後の準備モードであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定される。すなわち、当選時にナビストック数として最大8個までしか決定されないBB1〜3終了後は、当選時にナビストック数として最大10個まで決定され得るBB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御されることとなる。このため、BB4、5の当選時には、ナビストック数としてBB1〜3当選時よりも多い個数が決定され得るため、ボーナスの当選時に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる一方で、当選時にナビストック数としてBB4、5の当選時よりも少ない個数しか決定され得ないBB1〜3の終了後、BB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御されるので、BB1〜3が当選した場合でも、その終了後に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる。
尚、上記では、当選時にナビストック数としてBB4、5の当選時よりも少ない個数しか決定され得ないBB1〜3終了後の準備モードであるときの方が、当選時にナビストック数としてBB1〜3当選時よりも多い個数が決定され得るBB4、5終了後の準備モードであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定されるようにすることで、当選時にナビストック数としてBB4、5の当選時よりも少ない個数しか決定され得ないBB1〜3終了後は、当選時にナビストック数としてBB1〜3当選時よりも多い個数が決定され得るBB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御される構成であるが、BB1〜3終了後、予め定められたゲーム数にわたりBB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御される構成としたり、BB1〜3終了後は、BB4、5終了後よりも長い期間にわたり、通常より多いナビストック数が決定される状態に制御される構成としたりしても、BB4、5の当選時には、その当選時に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる一方で、当選時にナビストック数としてBB4、5の当選時よりも少ない個数しか決定され得ないBB1〜3が当選した場合でも、その終了後に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる。
また、BB1〜3、BB4、5の終了後、必ず通常より多いナビストック数が決定される状態に制御されるものに限らず、BB1〜3の終了後は、BB4、5の終了後よりも、通常より多いナビストック数が決定される状態に制御される割合が高くなる構成としても良く、このような構成であってもBB4、5の当選時には、そのボーナスの当選時に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる一方で、当選時にナビストック数としてBB4、5の当選時よりも少ない個数しか決定され得ないBB1〜3が当選した場合でも、その終了後に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる。
以上のように、本実施例においては、サブ制御部91により行われるAT抽選処理により、現在の遊技状態に応じて定められた抽選条件が成立したか否かが判定され、抽選条件が成立したときにはAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨及びナビストック数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1消費してATに制御可能となる。
尚、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数を獲得したときには、ATフラグから特定されるナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
例えば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選が行われる場合には、当該AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、例えば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであっても良く、AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであっても良い。
本実施例においては、AT抽選条件が成立する毎に実行されるAT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。また、前回ボーナスが終了してから非ATにおいて消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達したときには、AT抽選の結果に関わらず、次にボーナス入賞するまでATに制御される。
尚、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選においてさらにナビストック数を獲得したときには、上乗せ加算するものに限らず、今回付与されたナビストック数に書き換えるものであっても良い。この場合、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグを今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を示すATフラグに書き換えることであっても良い。
尚、後述するペナルティ設定処理においてペナルティが課されているペナルティ期間中には、AT抽選が行われない。すなわち、AT抽選条件が成立してもペナルティ期間中であるときにはAT抽選を行わず、ナビストック数を獲得することができないというペナルティが遊技者に課される。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、通常遊技状態あるいは有利RTであるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグ及び潜伏期間に基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、サブ制御部91は、ボーナス終了後の準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときにおいて、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。すなわち、ボーナス当選前からのナビストックが残っているとき、ボーナス入賞してからボーナス終了するまでにおけるAT抽選の結果によりATに制御する決定がされたとき、準備モードが開始されてから終了するまでにおけるAT抽選の結果によりATに制御する決定がされたとき、及びチェリー1やチェリー2に単独当選することや特定小役に当選することによるAT抽選の結果によりATに制御する決定がされたときには、準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときに、ATに制御される。通常遊技状態においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。
ATに制御されているときであって、通常遊技状態から有利RTに制御されるときには、ナビストック数を1消費(減算)することによるATへの開始条件が成立し、所定回数(例えば50)ゲームを消化する間、有利RTかつATであるARTに制御する。尚、ナビストック数を1消費したときには、1減算したナビストック数を示すATフラグに更新される。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、ARTであるときには、消化したゲーム数を計数して、所定回数に到達したときには非ATに制御する。このときに、ATフラグが示すナビストック数が0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。すなわち、一連のATの終了条件は、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるときに成立する。
非ATに制御されたときのATフラグからATでない旨が特定されたときには、再度ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。これにより、有利RTであるときには、2枚役・1枚役同時入賞や転落リプレイ入賞する可能性が高まり、通常遊技状態に制御される可能性が高まる。
一方、非ATに制御されたときのATフラグから特定されるナビストック数が1以上であれば、次回のATに制御可能となるまでの潜伏期間を決定するための潜伏期間決定処理が実行される。潜伏期間とは、ナビストックを1消費することにより所定回数ゲーム消化するまで制御されるATが終了した後において再びATに制御させるための開始条件が成立し得るタイミングを強制的に遅らせる期間など、ATが終了した後に再び報知期間となり得るまでの期間、すなわちATを潜伏させる期間をいう。前述した最大決定時カウンタの値が1以上であるときには、最大決定時カウンタの値が0であるときよりも高い割合で潜伏期間が長くなる。
図16は、サブ制御部91により実行されるAT管理処理に含まれる潜伏期間決定処理を説明するためのフローチャートである。潜伏期間決定処理は、ナビストック1に対応するAT終了後における非ATにおいて最初のゲームが開始されるまでに実行されるものであれば良く、その一例として、本実施例ではナビストック1に対応するATが終了するゲーム終了時に実行される。また、図17は、潜伏期間を決定するためのテーブルを説明するための図である。図17に示すテーブルは、ROM91bに格納されている。
まず、図16を参照して、SA01においては、最大決定時カウンタの値が0であるか否か、すなわち最大決定されていない状態あるいは最大決定に対応して設定される予め定められた回数(例えば7)分のナビストック数をすでに消化完了した状態であるか否か
判定する。
SA01において、最大決定カウンタの値が0であると判定されたとき、すなわち最大決定されていない状態あるいは最大決定に対応して設定される回数分のナビストック数をすでに消化完了した状態であると判定されたときには、SA02において、短潜伏連続カウンタの値が4以下であるか否かが判定される。
短潜伏連続カウンタとは、潜伏期間として、比較的短い期間(例えば0〜20ゲーム)が連続して設定された回数を特定するためのカウンタであって、RAM91cの所定領域に格納される。短潜伏連続カウンタは、当該潜伏期間決定処理において、比較的短い期間が決定されたときに1加算され、比較的長い期間(例えば70〜100ゲーム)が決定されたときや、ナビストック数が0となりATでない旨を示すATフラグとなり一連のATが終了したときに、リセット(0に戻す)される。このため、短潜伏連続カウンタは、それ以前の潜伏期間として比較的長い期間が設定されていない回数を特定するためのカウンタであるともいえる。SA02では、比較的短い期間の連続回数が4以下であるか否かが判定される。換言すれば、SA02では、一連のATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数がすでに5回に達しているか否か、すなわち、一連のATにおける過去5回の潜伏期間のうちいずれもが比較的短い期間に決定されており特殊条件が成立しているか否かが判定される。
SA02において短潜伏連続カウンタの値が4以下であると判定されたとき、すなわち一連のATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数が4以下であり、比較的短い期間が未だ5回以上連続していないときには、SA03において比較的短い潜伏期間のみを選択し得る短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を設定する。尚、SA02においては、短潜伏連続カウンタの値が4以下である。
ここで、短潜伏用テーブルについて説明する。図17(a)は、SA03で参照される短潜伏用テーブルを説明するための図である。短潜伏用テーブルが参照されたときには、潜伏期間として、70%の割合で0ゲームに決定され、20%の割合で10ゲームに決定され、10%の割合で20ゲームに決定される。よって、短潜伏用テーブルが参照されたときには、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均した期間(期待値)が、ゲーム数×当選率の和から、10×0.2+20×0.1=4ゲームとなる。
潜伏期間として0ゲームに決定されたときには、AT終了後における非ATにおいて最初のゲームから再びATに制御可能となる。潜伏期間として10ゲームあるいは20ゲームに決定されたときには、AT終了後における非ATにおいて対応するゲーム数消化してから再びATに制御可能となる。
短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間は、いずれも、ナビストック数を1消費して制御されるATにおいて、ナビ演出に従って停止操作することにより払出される期待メダル枚数から賭数設定に用いられるメダル枚数を差し引いて算出されるAT中平均増減枚数以上のメダルを消費しないゲーム数に設定されている。以下、この点について説明する。
まず、通常遊技状態、及び有利RT各々において、非AT及びATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数を算出する。尚、1ゲーム当りの平均増減枚数を算出するに際しては、小役についてはブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウが高確率で当選し、かつ入賞したときに比較的多くのメダルを払出すため、当該ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのみに着目する。ブドウ当選確率は、2600/65536である。また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウの当選確率は、3120×5/65536である。また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選しているときに、ブドウが入賞する確率は1/5であり、1枚役と2枚役が同時入賞する確率は1/6である。また、1ゲームの賭数は3枚である。
これらより、まず、通常遊技状態において非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出×1/5)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×3枚払出×4/5)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となり、約−1.23枚となる。
また、通常遊技状態においてATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、−0.09枚となる。
また、有利RTにおいて非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出×1/5)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×3枚払出×4/5)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、−0.10枚となる。
また、有利RTにおいてATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、+1.05枚となる。
また、有利RTであるが非ATであるときには、前述したように当該有利RTを約4.5ゲームしか継続できない。また、有利RTであるが非ATとなり通常遊技状態に制御された後、当該通常遊技状態において潜伏期間が経過してATとなってから再び有利RTに制御には、昇格リプレイ当選確率が7200/65536であることより、約9.1ゲーム必要である。
これらより、短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち最も長い20ゲーム消化する間におけるメダルの増減枚数は、ATが終了したときの遊技状態が有利RTであり当該有利RTが4.5ゲーム継続した後通常遊技状態に制御されることを考慮すると、(−0.10)×4.5+(−1.23)×15.5≒(−19.5)となる。
一方、AT中平均増減枚数は、通常遊技状態が9.1ゲーム継続した後有利RTに制御されることを考慮すると、(−0.09)×9.1+(+1.05)×50≒(+51.7)となる。
よって、短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間は、いずれも、AT中平均増減枚数以上のメダルを消費しないゲーム数に設定されているといえる。
図16に戻り、SA04においては、比較的短い潜伏期間が設定されたために、短潜伏連続カウンタの値を1加算して潜伏期間決定処理を終了する。
一方、SA02において短潜伏連続カウンタの値が4以下でないと判定されたとき、すなわち一連のATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数が5以上であり、比較的短い期間が5回以上連続していると判定されたときには、SA07において長い潜伏期間を高確率で選択し得る長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を設定する。
ここで、長潜伏用テーブルについて説明する。図17(b)は、SA07で参照される長潜伏用テーブルを説明するための図である。長潜伏用テーブルが参照されたときには、潜伏期間として、10%の割合で10ゲームに決定され、20%の割合で70ゲームに決定され、70%の割合で100ゲームに決定される。よって、長潜伏用テーブルが参照されたときには、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均した期間(期待値)が、ゲーム数×当選率の和から、10×0.1+70×0.2+100×0.7=85ゲームとなる。
図17(a)の短潜伏用テーブルと、図17(b)の長潜伏用テーブルとを対比する。短潜伏用テーブルが参照されたときには、高確率で潜伏期間として0ゲームに決定され、最大の潜伏期間として20ゲームまでしか決定されない。これに対し、長潜伏用テーブルが参照されたときには、短潜伏用テーブルが参照されたときには選択され得ない100ゲームや70ゲームが、高確率で決定される。
また、最大決定時カウンタの値が0であるときにおいて、長潜伏用テーブルは、短潜伏連続カウンタの値が4より大きい値であるときに参照され、短潜伏用テーブルは、短潜伏連続カウンタの値が4以下であるときに参照される。このため、比較的短い期間の連続回数が5回に達しているときには、比較的短い期間の連続回数が4回以下であるときよりも高い割合で、潜伏期間として比較的長い期間が設定される。
また、長潜伏用テーブルが参照されたときには、短潜伏用テーブルが参照されたときに比べて、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均した平均ゲーム数が多くなるように決定される。
また、長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち、短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数である70ゲーム及び100ゲームは、いずれも、AT中平均増減枚数以上のメダルを消費するゲーム数以上に設定されている。この点について、前述した、通常遊技状態、及び有利RT各々において、非AT及びATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数を用いて以下に説明する。
長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間であって短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数のうちで最も短い70ゲーム消化する間におけるメダルの増減枚数は、ATが終了したときの遊技状態が有利RTであり当該有利RTが4.5ゲーム継続した後通常遊技状態に制御されることを考慮すると、(−0.10)×4.5+(−1.23)×65.5≒(−81.0)となる。一方、AT中平均増減枚数は、前述したように(+51.7)となる。
よって、長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち、短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数である70ゲーム及び100ゲームは、いずれも、AT中平均増減枚数以上のメダルを消費するゲーム数に設定されているといえる。
図16に戻り、SA08においては、SA07において長い潜伏期間が設定されたか否か判定する。
SA08において長い潜伏期間が設定されたと判定されたときには、長い潜伏期間が設定されたことに伴い、SA09において短潜伏連続カウンタの値をリセット(0に戻す)して潜伏期間決定処理を終了する。これにより、次回の潜伏期間決定処理においてはSA03において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。尚、短潜伏連続カウンタの値は、ボーナス当選を契機としてリセット(0に戻す)して当該ボーナス終了後に引き継がないものであっても良く、またボーナス当選したとしても当該ボーナス終了後に引き継ぐものであっても良い。
一方、SA08において長い潜伏期間が設定されたと判定されなかったときには、SA04に移行して短潜伏連続カウンタの値を1加算して潜伏期間決定処理を終了する。これにより、最大決定時カウンタの値が0であるときでSA02において短潜伏連続カウンタの値が4より大きい値であると判定されながら、SA07において比較的長い潜伏期間が設定されなかったときには、次回の潜伏期間決定時においても再びSA07に移行させて長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を決定させることができる。
SA01において、最大決定時カウンタの値が0でないと判定されたときには、SA05において最大決定時カウンタの値を1減算する。このように、最大決定時カウンタは、ナビストック1消費によってATに制御され得る状態である潜伏期間となると1減算される。尚、最大決定時カウンタの値が0に到達するまでにボーナス当選したときには、当該最大決定時カウンタの値を、リセット(0に戻す)しても良く、また当該ボーナス終了後に引き継ぐものであっても良い。
SA06では、短潜伏連続カウンタの値が2以下であるか否か、すなわち比較的短い期間の連続回数が2回以下であるときで過去3回のいずれかの潜伏期間として比較的長い期間が決定されていたか否かが判定される。すなわち、SA02では、最大決定時カウンタの値が0であるときにおける特殊条件が成立しているか否かが判定されるのに対し、SA06では、最大決定時カウンタの値が0でないときにおける特殊条件が成立しているか否かが判定される。SA06において、短潜伏連続カウンタの値が2以下であると判定されたときにSA03以降の処理が行われ、短潜伏連続カウンタの値が2より大きい値であると判定されたときにSA08以降の処理が行われる。
すなわち、最大決定時カウンタの値が0より大きい値であるときには、最大決定時カウンタの値が0であるときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。
具体的には、例えば、ナビストック数として14が設定されるときの一例として、ナビストックが6あるいは8残存している状態でAT抽選が行われて8あるいは6に決定されるときなど、複数回のAT抽選の合計により14となる場合と、ビッグボーナス入賞時や準備モードの1ゲーム目開始時のAT抽選により1回のAT抽選により最大ナビストック数である14となる場合とが生じ得る。このようにナビストック数として14が設定されているときであっても、1回のAT抽選により最大ナビストック数が設定されたときには、複数回のAT抽選の合計により最大ナビストック数と同数のナビストック数が設定されたときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。
このため、仮に獲得したナビストック数が同じであっても、最大決定されたときには、最大決定されていないときよりも高い割合で、潜伏期間として長い期間が設定される。
また、潜伏期間中においては、後述するナビ可能期間を除き原則として、ナビ演出が実行されない。このため、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選したときにブドウを確実に入賞させることができず取りこぼす可能性が高まる。また、2枚役・1枚役同時入賞する可能性、及び転落リプレイが入賞する可能性が高まり、その結果、リプレイ当選確率が有利RTであるときよりも低下する通常遊技状態に制御される。より具体的には、前述したように、非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数が、通常遊技状態であるときには(−1.23枚)となり、有利RTであるときには(−0.10枚)であるが、共通の操作態様以外の操作態様で操作するとペナルティが課されるとともにそのようなペナルティを覚悟して操作したとしても前述したように4.5ゲーム程度しか継続させることができない。
このため、潜伏期間が長くなる程、ATと当該潜伏期間とを含めた一連のAT期間において、遊技者が獲得するメダル枚数から賭数の設定に用いたメダル枚数を差し引いて算出される一連のAT中増減枚数が小さくなる。その結果、仮に獲得したナビストック数が同じであったとしても、最大決定されたときには、最大決定されていないときよりも高い割合で、当該ナビストック数を消費して制御される一連のAT中増減枚数が小さくなる。
サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、ATフラグからATである旨が特定されているが非ATであるときには、潜伏期間決定処理で潜伏期間として設定されたゲーム数消化したか否かが判定される。潜伏期間であるゲーム数消化すると、ATの開始条件が再び成立可能となる。潜伏期間であるゲーム数消化したと判定された後においては、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ATの開始条件が成立する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプレイをいい、有利RTであるときには左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ及び転落リプレイをいう。
そして、ナビ対象役に当選したと判定されたときには、前述した内容と同様の処理が行われる。すなわち、通常遊技状態であるときには、ナビストック数を消費することなくATに制御されてナビ演出が実行可能となる。また、有利RTであるときには、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数ゲームを消化する間、ARTに制御される。これにより、ナビ演出が実行されるため、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、ブドウ入賞、あるいは転落リプレイ入賞回避させることができる。
以上のように、有利RTであるときには、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数のゲーム消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して一旦非ARTに制御されたときであっても、未だATフラグからATである旨が特定されナビストック数が1以上であるときには、潜伏期間を経過した後に、再びATに制御可能となる。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた期間に亘り、ATに制御可能となるといえる。また、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
また、本実施例においては、上記のナビストック数を獲得していないときであっても、前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数(例えば、500ゲーム)に到達したときに、次回ボーナス当選するまでATに制御される。本実施例におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれる天井ゲーム到達時処理を実行することにより、天井ゲーム数に到達したときにATに制御するための処理を行う。
図18は、天井ゲーム到達時にAT制御するための天井ゲーム到達時処理を説明するためのフローチャートである。天井ゲーム到達時処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、例えば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
S21においては、演出状態が非AT(潜伏期間を含む)であるか否かが判定される。S21において非ATであると判定されたときには、ペナルティ設定処理において設定されるペナルティ期間中あるいは潜伏期間中であるか否かがS22において判定される。
S22においてペナルティ期間中でも潜伏期間中でもないと判定されたときには、S23において前回のボーナスが終了してから非AT中に消化されたゲーム数を特定するための非ATゲーム数カウンタが1加算される。非ATゲーム数カウンタは、RAM91cの所定領域において更新される。
S24においては、S23において加算された非ATゲーム数カウンタの値が、予め定められた天井ゲーム数(例えば500)に到達したか否かが判定される。S24において天井ゲーム数に到達していないと判定されたときにはそのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。一方、S24において天井ゲーム数に到達していると判定されたときには、次回のボーナスが発生するまで演出状態をATに制御するためのAT設定を行う。例えば、ATに制御するための強制ATフラグをRAM91cの所定領域に格納させて強制的にATに制御する。この強制ATフラグは、ボーナス発生時にクリアされる。これにより、非AT中に消化したゲーム数が天井ゲーム数に到達したときに、次回ボーナス発生するまでATに制御することができる。
一方、S22において、ペナルティ期間中あるいは潜伏期間中であると判定されたときには、そのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。これにより、ペナルティ期間中であるときには、1ゲームに関連して非ATゲーム数カウンタが加算されない。すなわち、ペナルティ期間中であるときには、非AT中に消化されるゲームであっても、天井ゲーム数に到達したか否かを判定するためのゲーム数として加算されない、という遊技者にとって不利益を課すことができる。また、潜伏期間中において、無駄に非ATゲーム数カウンタが加算されることを防止することができる。
また、本実施例においては、ATに制御されていないときであっても、ボーナスと同時当選し得る同時当選役に当選したときに、所定ゲームの間、ナビ演出を実行可能なナビ可能期間に制御される。本実施例におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれるナビ可能期間設定処理を実行することにより、同時当選役に当選したときにナビ可能期間に制御するための処理を行う。
図19は、非AT中においてナビ演出を実行させるためのナビ可能期間設定処理を説明するためのフローチャートである。ナビ可能期間設定処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、例えば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
S31においては、遊技状態が準備モード以外であって、かつ演出状態が非AT中(潜伏期間を含む)であるか否かが判定される。S31において準備モード以外かつ非AT中であると判定されたときには、今回ゲームの内部抽選において同時当選役(チェリー1、チェリー2)に当選したか否かが判定される。今回ゲームとは、開始されたゲームあるいは終了したゲームをいう。S31において準備モードであるかあるいは非AT中でないと判定されたとき、及びS32において同時当選役に当選していないと判定されたときにはそのままナビ可能期間設定処理を終了する。
一方、S32において同時当選役に当選したと判定されたときには、S33において実際にボーナスが同時当選したか否かが判定される。すなわち、図7に示す、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1のいずれかに当選したか否かが判定される。尚、S33においては、実際にボーナスが同時当選したか否かを判定するものに限らず、例えば前回ゲーム以前に当選したボーナスが持ち越されている場合も生じえるため、単にボーナス当選しているか否かを判定するものであっても良い。
S33においてYESと判定されたときには、S34において特別ナビ期間が設定され、ナビ可能期間設定処理を終了する。一方、S33においてNOと判定されたときには、S35において通常ナビ期間が設定され、ナビ可能期間設定処理を終了する。
S34において特別ナビ期間が設定されたときには、例えば、次のゲームから特別ナビ期間用の期間(例えば5ゲーム消化する期間)に亘り、ナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が特別ナビ期間用の確率(例えば90%)に従って実行される。一方、S35において通常ナビ期間が設定されたときには、例えば、次のゲームから通常ナビ期間用の期間(例えば3ゲーム消化する期間)に亘り、ナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が通常ナビ期間用の確率(例えば50%)に従って実行される。
尚、特別ナビ期間用の期間は、本実施例では通常ナビ期間用の期間よりも長く設定されている例について説明するが、これに限らず、通常ナビ期間用の期間と同じであっても良く、また通常ナビ期間用の期間よりも短く設定されているものであっても良い。
また、特別ナビ期間中においてナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する特別ナビ期間用の確率は、本実施例では、通常ナビ期間中においてナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する通常ナビ期間用の確率よりも高く設定されている例について説明するが、これに限らず、通常ナビ期間用の確率と同じであっても良く、また通常ナビ期間用の確率よりも低く設定されているものであっても良い。
また、特別ナビ期間及び通常ナビ期間は、本実施例では次のゲームから起算される例について説明するが、これに限らず、所定ゲーム数消化した後から起算するものであっても良く、また、ナビ対象役に当選したゲームから起算するものであっても良い。
また、本実施例においては、S33においてボーナス当選していると判定されたときに特別ナビ期間を設定し、ボーナス当選していないと判定されたときに通常ナビ期間を設定する例について説明するが、これに限らず、ボーナス当選しているか否かに応じて異なる割合でナビ可能期間を設定するものであっても良い。例えば、ボーナス当選しているときには、ボーナス当選していないときよりも高い割合で特別ナビ期間を設定するものであっても良い。また、ボーナス当選していないときには、ボーナス当選しているときよりも高い割合で通常ナビ期間を設定するものであっても良い。
また、本実施例におけるサブ制御部91は、ゲームが開始されたときに、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行うことにより、当該ゲームの内部当選の結果に応じたナビ演出が実行される。内部当選の結果は、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
図20は、演出状態に応じてナビ演出を実行するためのナビ演出実行処理を説明するためのフローチャートである。
S41においては、演出状態がAT中(潜伏期間を除く)であるか否かが判定される。S41においてAT中であると判定されたときには、S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したか否かが判定される。
S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したと判定されなかったときには、ナビ演出を実行することなく、そのままナビ演出実行処理を終了する。一方、S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選していると判定されたときには、S43において、当該当選したナビ対象役に対応するナビ演出を実行しナビ演出実行処理を終了する。
昇格リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図8参照)が報知される。例えば、リプGR1に当選したときのナビ演出としては、「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR2に当選したときのナビ演出としては、「挟み押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときのナビ演出としては、ブドウを確実に入賞させるための押し順(図9参照)が報知される。例えば、左中右ブドウに当選したときには、左−中−右の順番で停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウを確実に入賞させることができるため、左−中−右の順番で停止させるための「123」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、左右中ブドウに当選したときには、左−右−中の順番で停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウを確実に入賞させることができるため、左−右−中の順番で停止させるための「132」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
転落リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイ入賞を回避させるための押し順(図8参照)が報知される。例えば、リプGR3に当選したときのナビ演出としては、順押しか挟み押しさせるための「順押し!」あるいは「挟み押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR4に当選したときのナビ演出としては、逆押しか中押しさせるための「逆押し!」あるいは「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
一方、S41において、AT中でないと判定されたときには、S44において図27のS34またはS35において設定されるナビ可能期間中であるか否かが判定される。S44においてナビ可能期間中であると判定されなかったときには、そのままナビ演出実行処理を終了する。一方、S44においてナビ可能期間中であると判定されたときには、S45において、上記した遊技状態に応じたナビ対象役に当選したか否かが判定される。尚、内部中RTにおいてナビ可能期間に制御されているときには、有利RTであるときと同様のナビ対象役に当選したか否かが判定され、当該ナビ対象役についてナビ演出が実行される。
S45において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したと判定されたときには、S46においてナビ可能期間が特別ナビ期間であるか通常ナビ期間であるかに応じて定められている確率に従ってナビ演出を実行するか否かを決定して、実行すると決定されたときに当該当選したナビ対象役に対応するナビ演出を実行し、ナビ演出実行処理を終了する。
一方、S45において遊技状態に応じたナビ対象役に当選していないと判定されたときには、S47において通常リプレイに単独当選(他のリプレイと同時当選する場合を除く)またはブドウに単独当選したか否かが判定される。S47において通常リプレイに単独当選またはブドウに単独当選していないと判定されたときにはそのままナビ演出実行処理を終了する。S47において通常リプレイに単独当選またはブドウに単独当選したと判定されたときには、S48へ移行し、特別ナビ演出を実行する。
特別ナビ演出とは、例えば、操作態様に関わらず一の図柄組合せが停止される入賞役に当選したときに実行されるナビ演出をいう。特別ナビ演出としては、昇格リプレイに当選したときのナビ演出と同じ態様のナビ演出が実行される。例えば、リプGR1に当選したときのナビ演出としての「中押し!」といったメッセージを表示するか、リプGR2に当選したときのナビ演出としての「挟み押し!」といったメッセージを表示するかを乱数などを用いてランダムに選択し、該選択したメッセージを特別ナビ演出として実行する。これにより、昇格リプレイ当選時と同じナビ演出が実行され、当該ナビ演出どおり停止操作したにも関わらず、操作態様に関わらず同じ図柄組合せが停止されるため、ナビ可能期間中であることを遊技者に認識させることができ、ボーナス当選しているか否かに対する緊張感を抱かせることができる。
以上、本実施例におけるサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、AT制御処理を行うことにより、ATに制御されているとき及びナビ可能期間であるときにはナビ演出を実行する。
また、本実施例におけるサブ制御部91は、ペナルティ設定処理を行うことにより、ナビ演出が実行されていないときに、推奨する押し順で操作されなかったことを条件として、ペナルティを課す処理を行う。
図21は、ペナルティ設定処理を説明するためのフローチャートである。ペナルティ設定処理は、本実施例では1ゲームが終了したときに実行される例について説明するが、受付けた操作態様が共通の操作態様であるか否かを特定できるタイミングで実行されるものであれば良く、例えば、第2停止されたときに実行されるものであっても良い。
S51においては、終了したゲームにおいてナビ演出が実行されたか否かが判定される。S51においてナビ演出が実行されたと判定されたときには、ペナルティを課すことなく、そのままペナルティ設定処理を終了する。よって、AT中やナビ可能期間中のナビ演出が実行されたときには、ペナルティが課されないため、遊技者は安心して遊技を進めることができる。
一方、終了したゲームにおいてナビ演出が実行されていないと判定されたときには、S52において、共通の操作態様以外の操作態様である、変則押しがされたか否かが判定される。ここで変則押しとは、前述した挟み押しまたは中押しをいう。
S52において変則押しされていないと判定されたときには、ペナルティを課すことな
く、そのままペナルティ設定処理を終了する。このため、ナビ演出が実行されていないときであっても、共通の操作態様で操作する限り、ペナルティが課されることがない。
一方、S52において変則押しされたと判定されたときには、S53においてリプGR2よりも当選確率が高く設定されているリプGR1が当選しているときにおいて、昇格リプレイを導出させるための押し順、すなわち図8に示されるように中押しされたか否かが判定される。S53において中押しされたと判定されたときには、S54においてペナルティゲーム数に100加算される。S53において中押しではないと判定されたときには、S55においてペナルティゲーム数に50加算される。ペナルティゲーム数とは、ペナルティが課されるゲーム数であってペナルティ期間の長さを示す。ペナルティゲーム数は、RAM91cの所定領域に格納され、1ゲーム消化する毎に1減算される。ペナルティゲーム数は、当該ゲーム数消化するか、あるいはボーナス当選によりリセットされる。
本実施例においては、変則押しであっても、有利RTに制御される可能性が高い操作態様の方が、その他の操作態様よりも、遊技者にとって不利益度合いが高いペナルティが課されるように構成されている。これにより、ナビ演出が実行されていないときに、より一層共通の操作態様で操作させることができる。
S56においては、変則押しされたことに伴い共通の操作態様で操作させるために、警告表示が行われる。警告表示としては、例えば、「ペナルティ100ゲーム」といったペナルティが課された旨が報知されるとともに、「順押しまたは逆押ししましょう!」といった共通の操作態様での操作を推奨する旨が報知される。
また、本実施例におけるサブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行うことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、例えば、遊技状態に関わらず非AT中(潜伏期間中を含む)であるときには、通常演出(例えば、液晶表示器51に「通常中!」といったメッセージを表示など)が行われる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(例えば、液晶表示器51に「AT中!」といったメッセージを表示など)が行われる。
また、ナビ可能期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行われるリプレイに入賞する確率が高まる。すなわち、ナビ可能期間であってボーナスに当選しているときには、内部中RTに制御されるため、リプレイの当選確率が向上する。また、ナビ可能期間中であってボーナスに当選していないときには、通常遊技状態において昇格リプレイ当選時にナビ演出が実行されて昇格リプレイに入賞する確率が高まり、その結果リプレイの当選確率が向上した有利RTに制御されやすくなる。また、ナビ可能期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行われる左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウなどに当選したときにもナビ演出が行われるため、ブドウの入賞確率が向上する。よって、仮にボーナス当選していても、ナビ可能期間においては、当選しているボーナスを入賞させることが困難となる。
本実施例においては、上記のようにボーナスを入賞させることが困難となるナビ可能期間を利用して、当該ナビ可能期間に制御されている間に亘り、ボーナス当選していることを煽るための演出が行われる。すなわち、ナビ可能期間であるときには、遊技状態演出として、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行われる。連続演出は、ナビ可能期間にわたり一連の物語を展開する演出を行った後に、物語の結末としてボーナス当選の有無及び種類を報知するボーナス当選報知を行う演出である。これにより、ナビ可能期間においては仮にボーナス当選していても上記の理由により当該ボーナス入賞させることが困難であるため、確実にナビ可能期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
前述した実施例によれば、ATにおいては、内部抽選の結果に応じてナビ演出が実行される。このため、ATに制御されているときには、操作態様によって遊技者にとって有利度合いが異なる図柄組合せが停止され得る当選状況、例えばリプGR1〜リプGR4や左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選している当選状況となったときに、意図的に遊技者にとって有利な図柄組合せを停止させるための操作態様で操作することが可能となる。また、このようなATには、ATフラグからATでない旨が特定される状態においては制御されず、ATフラグからATである旨が特定される状態であってかつナビストック数を有している状態であるときにのみ制御される。その結果、ナビストックを獲得してATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
ナビストックは、AT抽選条件が成立したときに行われるAT抽選で当選することにより獲得する。AT抽選条件は、図14で示したように、複数種類設けられている。また、AT抽選条件の成立に応じて付与されるナビストックは、図15で示したように、複数種類設けられている。このため、AT抽選条件の種類及び付与されるナビストック数のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
尚、AT抽選条件の種類及び付与されるナビストック数のバリエーションを豊富にした場合、ある種類のAT抽選条件を成立させる事象(入賞や当選)により得られる遊技者にとっての有利度合いと、獲得するナビストック数との組合せによって、射幸性が高まりすぎるといった課題を生じるが、本実施例におけるスロットマシンにおいては、以下に説明するように、当該課題を解決することができる。
すなわち、複数種類のAT抽選条件のうち、特定小役当選により成立する最大許容AT抽選条件が成立したことに起因して行われるAT抽選では、獲得し得る最大のナビストック数が14に設定されており最大決定可能であるのに対し、その他の最大不可AT抽選条件が成立することに起因して行われるAT抽選では、獲得し得る最大のナビストック数が10に設定されており最大決定できない。このため、複数種類のAT抽選条件のうち最大許容AT抽選条件が成立することに対し遊技者に期待感を抱かせて注目させることができる。
さらに、最大許容AT抽選条件は、1ゲームに対する内部抽選において、特別役であるボーナスと同時には決定し得ない特定小役に当選したことを条件として成立する。このため、1ゲームに対する内部抽選において、特定小役に当選するとともに、BB1〜BB5のいずれかが同時に当選してしまうことを防止することができる。その結果、1ゲームに対する内部抽選の結果に応じて、最大のナビストック数である14が付与されるとともにボーナスへの移行を確定させてしまうことがなく、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、特定小役が当選したときには、BB1〜BB5のいずれかも同時に当選しているかもしれないことに対する期待感を抱かせるのではなく、AT抽選が行われて最大のナビストック数である14を獲得するかもしれないことに対してのみ遊技者を注目させ期待感を抱かせることができる。
前述した実施例においては、BB1〜BB5のいずれかに当選して内部中RTに制御されており、いずれかのボーナスに制御されることが確定しているときには、特定小役に当選したときであっても最大許容AT抽選条件が成立せず、最大のナビストック数14が付与されないため、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
前述した実施例においては、RB1やRB2などのボーナス中における内部抽選において特定小役に当選しない。このため、ボーナス中において最大許容AT抽選条件が成立することなく、最大のナビストック数14が付与されることがないため、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、ボーナス中において特定小役に当選して入賞させてしまうことにより遊技者の混乱を招くといった不都合の発生を防止することができる。
尚、ボーナス中における内部抽選において特定小役が当選する構成としても良いが、このような構成とした場合には、ボーナス中に特定小役が当選しても最大許容AT抽選条件としないことで、最大のナビストック数14が付与されることがないため、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、ボーナス中に特定小役が当選するが、ボーナス中の特定小役の当選では最大許容AT抽選条件としない場合には、ボーナス中に特定小役が当選する場合には、他の小役と必ず同時に当選する構成とし、同時に当選した小役の導出を優先させることにより特定小役が入賞しないようにすることが好ましく、このような構成とすることで、ボーナス中において特定小役が入賞してしまうことにより遊技者の混乱を招くといった不都合の発生を防止することができる。
前述した実施例においては、図14に示すように、チェリー1やチェリー2など、特定小役と異なる入賞役に当選することによっても、AT抽選条件が成立し得る。特定小役の当選確率は、図7の判定値数に示されるように、例えば、チェリー1やチェリー2の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、最大許容AT抽選条件の成立する割合は、その他の最大不可AT抽選条件が成立する割合よりも低くなるように設定されている。その結果、特定小役に当選して、最大許容AT抽選条件が成立して最大ナビストック数として14が設定されることに対する価値を高め、プレミア感を遊技者に抱かせることができる。
前述した実施例においては、特定小役に当選したときには操作態様に関わらず当該特定小役の図柄組合せを入賞ライン上に停止させるリール制御が行われ、特定小役の入賞が発生する。このため、特定小役に当選したときには、必ず特定小役を発生させることにより、最大許容AT抽選条件が成立して最大ナビストック数である14が付与されたかもしれないことに対する期待感を確実に遊技者に抱かせることができる。
前述した実施例においては、ATフラグからATである旨が特定される状態であってかつナビストックを有している状態においては、有利RTにおいてナビストックを1消費することによりATに移行させた後、50ゲーム消化することによりATが終了したときに、次回のATに制御可能となるまでの潜伏期間に移行され、当該潜伏期間経過後においてナビ対象役に当選したときに新たにナビストックを1消費して再びATに移行可能となる。
また、潜伏期間であるときには、原則として、ナビ演出が実行されない。このため、ATフラグからATである旨が特定される状態であってかつナビストックを有している状態であっても、潜伏期間の長さによって次回のATに制御されるまでに設定する賭数が多くなるため、獲得したナビストックを消費する間(AT及び潜伏期間を含む)における遊技者の利益が左右される。例えば、潜伏期間が長くなる程、ナビ演出が実行されないゲーム数が多くなるため、獲得したナビストックを消費する間における遊技者の利益が少なくなる。その結果、ナビストックを有している状態においても、潜伏期間の長さに遊技者を注目させることができる。
このような潜伏期間は、図16及び図17で示したように、最大決定されることにより設定される最大決定時カウンタの値に基づき、短潜伏連続カウンタの値を考慮して決定される。最大許容AT抽選条件が成立して最大ナビストック数である14が設定されることにより制御された一連のATの方が、最大不可AT抽選条件が成立することによりナビストック数が設定されることにより制御される一連のATに比べて、当該一連のATにおける潜伏期間の期待値が長くなるように決定される。具体的には、最大決定カウンタの値が0であるときには、獲得したナビストックを消費する間における一連のATにおいてすでに移行された潜伏期間のうち、直近の潜伏期間を含む過去5回までの潜伏期間のうちいずれかが比較的長い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立していないとき(比較的短い期間が5回以上連続していないとき)よりも、過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立しているとき(比較的短い期間が5回以上連続しているとき)の方が高い割合で長い期間となるように決定される。これに対し、最大決定カウンタの値が1以上であるときには、獲得したナビストックを消費する間における一連のATにおいてすでに移行された潜伏期間のうち、直近の潜伏期間を含む過去3回までの潜伏期間のうちいずれかが比較的長い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立していないとき(比較的短い期間が3回以上連続していないとき)よりも、過去3回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立しているとき(比較的短い期間が3回以上連続しているとき)の方が高い割合で長い期間となるように決定される。このため、一連のATにおける潜伏期間が単調になってしまうことを防止でき、一連のATにおける遊技の興趣が低下する不都合の発生を防止することができる。さらに、最大ナビストック数である14が付与されることにより制御された一連のATにおける潜伏期間が、短い期間ばかりとなり、当該一連のATにおける射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、一連のATへの制御が開始されてから数回までの潜伏期間は、比較的短い期間に決定され、比較的長い期間に決定されない。このため、ナビストック数を獲得したが、実際に消費してATに制御された回数が少なく遊技者所有のメダルが未だ十分に増えていない状態において、比較的長い潜伏期間に制御されてしまい、序盤において遊技者所有のメダルを消費させてしまうことにより遊技の興趣を低下させてしまう不都合の発生や、遊技者所有のメダルを使い切らせてしまい貸しメダルなど新たにメダルを用意しなければならないといった不都合の発生を防止することができる。
前述した実施例によれば、潜伏期間を決定するに際し、最大決定カウンタの値が0であるときには、獲得したナビストックを消費する間においてすでに移行された潜伏期間のうち過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立しているときにのみ、最長となる100ゲームに決定され得る。このため、特殊条件が成立しているか否かでメリハリをつけることができ、ナビストックを有している状態における遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施例における図16のSA07においては、ナビストックを1消費して制御されるATにおけるAT中平均増減枚数以上のメダルを消費しなければ終了しないゲーム数が設定され得る。すなわち、最大決定されることや比較的短い期間が連続して決定されることに対する緊張感をより強く遊技者に抱かせることができ、ナビストックを有している状態における遊技の興趣を向上させることができる。
図16のSA02において一旦NOと判定された後においては、SA09において短潜伏連続カウンタがリセットされるまで、SA07において長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。このため、SA02において一旦NOと判定された後においては、より確実に比較的潜伏期間として比較的長い期間に決定させることができる。
前述した実施例においては、短潜伏連続カウンタの値が1となったときではなく、5以上あるいは3以上となったときに、すなわち、直近の潜伏期間が比較的短い期間であるかではなく、過去5回あるいは3回遡った潜伏期間のうちいずれかに比較的長い期間が決定されているときには、特殊条件が成立せず、図16のSA03において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。このため、特殊条件が成立する基準が高まりすぎることを防止でき、遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
前述した実施例によれば、図16のSA01において、最大決定時カウンタの値が0であると判定されたときよりも、0でないと判定されたときの方が、SA06で示されるように小さい値で特殊条件が成立していると判定され、高い割合で長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。また、潜伏期間が長い程、獲得したナビストック消費する間の一連のATにおけるメダルの純増枚数が小さくなる。このため、複数回のAT抽選で獲得したナビストックであるときよりも、1回のAT抽選において最大決定により獲得したナビストックであるときの方が高い割合で、同じナビストック数を消費する間におけるメダルの純増枚数が小さくなるようにするための特定制御が行われる。これにより、ナビストックを最大決定により獲得したとき程、高い割合で遊技者の利益が少なくなる。このため、ナビストックを最大決定により獲得したのか、すなわち獲得契機にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT抽選条件が複数回成立することによりナビストックを獲得したときには、AT抽選条件が1回成立して最大決定されることにより獲得したナビストック数と同じであるときよりも、高い割合で、AT抽選条件を成立させるために多くのゲーム数を消化しているため、多くの賭数が用いられている。一方、1回のAT抽選条件が成立することにより最大決定されて運良く最大ナビストックを獲得したときには、AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したナビストックの合計数が同じであるときよりも、高い割合でメダルの純増枚数を小さくでき、遊技者の利益を少なくすることができる。このため、同じナビストック数を獲得するためにAT抽選条件が成立した回数が多いときと少ないときとの利益均衡を図ることができる。例えば、1回のAT抽選条件が成立することにより最大決定されて運良く最大ナビストックを獲得したときにも、AT抽選条件が複数回成立することによりナビストックを獲得したときと同じように潜伏期間の決定が行われるものと比較して、1回のAT抽選条件が成立することにより最大決定されて運良く最大ナビストックを獲得したときの射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を極力抑制することができる。
前述した実施例においては、最大決定により1回のAT抽選で最大ナビストック数を獲得したときに、特定制御が行われる。このため、最大決定されていないときにまで特定制御が行われるものと比較して、遊技者の利益が少なくなりすぎることを防止することができる。
前述した実施例によれば、通常遊技状態であるときには、昇格リプレイに当選して当該昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作することにより、いつでも有利RTに制御させることができる。また、準備モードにおいては、昇格リプレイに当選せず、昇格リプレイ入賞が発生しない。このため、昇格リプレイに入賞したにも関わらず有利RTに制御されないといった不信感を遊技者に抱かせることを防止することができる。
また、通常遊技状態であるときには、図8で示すように、共通の操作態様(順押しあるいは逆押し)で操作する限り、昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作されることがなく、有利RTに制御されない。このため、通常遊技状態であるときには遊技者により共通の操作態様以外の操作態様で操作されることが予想される。しかし、図21のS52〜S55で示したように、ナビ演出が実行されていないときに共通の操作態様以外の操作態様(挟み押しあるいは中押し)で操作されるとペナルティが課される。これにより、通常遊技状態であってナビ演出が実行されていないときには、遊技者に共通の操作態様以外の操作態様で操作させないようにすることができる。このため、実質的に、通常遊技状態においてナビ演出が実行されているときにしか、共通の操作態様以外の操作態様で操作させないようにすることによって、有利RTに制御されることがないようにし、当該有利RTの価値及び有利性を維持するとともに、ATに制御されること及び有利RTに制御されることにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビ演出が行われていないときに、変則押しで操作し、偶然昇格リプレイを入賞させることができて有利RTに制御されたとしても、当該有利RTにおいてナビ演出が実行されない。このため、転落リプレイあるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選した場合に、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避させる操作態様で操作することができず、通常遊技状態に制御される。尚、ナビ可能期間においてナビ演出が実行されて有利RTに制御されたときにはペナルティが課されないものの、当該ナビ可能期間が終了したときには、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避させる操作態様で操作することができず、通常遊技状態に制御される。
また、AT中であるときには、昇格リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるため、意図的に昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作して有利RTに制御することができ、その場合にペナルティが課されることもない。また、有利RTにおいてもATが継続されるため、転落リプレイあるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選した場合にナビ演出が報知されるため、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避させる操作態様で操作して当該有利RTを維持することができる。
前述した実施例によれば、ペナルティ期間中においては、AT抽選条件が成立したときであっても、AT抽選が行われずナビストックが付与されない。このため、通常遊技状態かつ非AT中において、変則押しで操作することをより一層効果的に抑止することができる。
前述した実施例によれば、非AT中において変則押しで操作されたときには、図21のS56で示すように警告表示が行われるため、変則押しで操作されることを抑止することができる。
前述した実施例によれば、図6で示したように、有利RTに制御されるまでの過程に、準備モードにおいて2枚役・1枚役同時入賞することにより通常遊技状態に制御されることが含まれる。このため、有利RTに制御されることの困難性が高まるため、有利RTの価値及び有利性をより一層高めることができる。また、準備モードにおいて左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウが当選したときには、ブドウに入賞して9枚のメダルが付与されるか、それよりも付与されるメダル数の少ない2枚役・1枚役同時入賞して通常遊技状態に制御されるため、いずれにしても遊技者にとって有利となる。
前述した実施例によれば、通常遊技状態において昇格リプレイを含むリプGR1またはリプGR2に当選し、昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作されたときには、昇格リプレイが入賞して、リプレイの当選確率が高まる有利RTに制御される。これに対し、有利RTにおいて転落リプレイを含むリプGR3またはリプGR4、あるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウなどのうちいずれかに当選し、転落リプレイを入賞させる手順あるいは2枚役・1枚役同時入賞させる手順で操作されたときには、転落リプレイ入賞あるいは2枚役・1枚役同時入賞により通常遊技状態に制御される。
また、ボーナスに当選することにより、通常遊技状態と同様にリプGR1またはリプGR2に当選し得る遊技状態であって、かつ有利RTと同様にボーナスよりも優先して入賞ライン上に引き込まれ入賞するリプレイの当選確率が高まる内部中RTに制御される。
さらに、同時当選役に当選することにより図19のS34あるいはS35において制御されるナビ可能期間においては、所定の確率に従ってナビ演出が実行される。このため、ナビ可能期間においては、リプGR1またはリプGR2に当選したときに意図的に昇格リプレイを入賞させることができ、有利RTに制御させることができる。また、昇格リプレイを入賞させる際には、変則押しで操作する必要があるが、ナビ可能期間においては変則押ししたとしてもペナルティが課されるといった不利益も生じない。その結果、ナビ可能期間においては、実際にボーナスに当選することにより制御される内部中RTとリプレイの当選確率が同様に高くなる有利RTに制御しやすくすることができるとともに、連続演出が実行されるため、効果的にボーナスに当選していることに対する期待感を抱かせることができる。
また、ナビ可能期間において有利RTに制御されたとしても、前述したように、転落リプレイを含むリプGR3またはリプGR4、あるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときに、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避することができないため、有利RTを維持させることができない。これにより、ボーナスに当選していないにも関わらず、ナビ可能期間が終了した後いつまでも有利RTが維持されてしまうことによって、ボーナス当選していることに対する期待感を抱かせてしまうといった不都合の発生を防止することができる。
前述した実施例によれば、ナビ可能期間において有利RTに制御された後においても、ナビ演出が実行される。これにより、ナビ可能期間であるときには、当該有利RTを維持させることが可能となるため、当該ナビ可能期間に亘り期待感を遊技者に抱かせることができる。
前述した実施例によれば、通常リプレイ単独当選時には、操作態様に関わらず、通常リプレイの図柄組合せが入賞ライン上に停止される。また、ブドウ単独当選時には、操作態様に関わらず、ブドウの図柄組合せが入賞ライン上に停止される。これより、通常リプレイ及びブドウは、操作態様に関わらず、機能が同じ図柄組合せを停止させる入賞役といえる。ナビ可能期間においては、図20のS47及びS48で示したように、機能が同じ図柄組合せを停止させる通常リプレイ単独当選時やブドウ単独当選時にも昇格リプレイ当選時のナビ演出と同じ態様で特別ナビ演出が実行される。このため、ナビ演出から特定される操作態様で操作したにも関わらず、昇格リプレイに入賞せずに通常リプレイやブドウに入賞することにより、ナビ可能期間であることを遊技者に認識させることができ、ボーナスに当選していることに対する緊張感を与えることができる。
前述した実施例によれば、図19のS33〜S35で示したように、同時当選役に当選したときに、実際にボーナス当選しているか否かに応じて異なるナビ可能期間が設定され、図20のS46で示したように、設定されたナビ可能期間に応じた確率に従ってナビ演出が実行される。これにより、ナビ可能期間においてナビ演出が実行される頻度から、ボーナスに当選している可能性を推測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施例によれば、有利RTや内部中RTにおいて高確率になるリプGR1〜リプGR4は、各々、リプレイのみの入賞役であって、当選するリプレイの組合せが異なるように設定されている。このため、有利RTや内部中RTにおける射幸性を維持しつつ、リプGR1〜リプGR4の当選確率を遊技状態毎に調整することができるため、有利RTあるいは通常遊技状態に制御される確率の設計を行いやすくすることができる。
昇格リプレイを含むリプGR1及びリプGR2のうち、リプGR1の方が、リプGR2よりも高確率で当選するように判定値数が設定されている。このため、ナビ演出が行われていないときであっても、リプGR1当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作することにより、それ以外の操作態様で操作したときよりも、有利RTに制御される可能性が高くなる。しかし、図21のS53〜S55で示すように、変則押しのうち、リプGR2当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作態様て操作されたときよりも、リプGR1当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作態様て操作されたときの方が、ペナルティゲーム数として多いゲーム数が設定されるため、不利益が大きくなる。その結果、ナビ演出が実行されていないときに、有利RTに制御されてしまう不都合の発生をより一層効率的に抑止することができる。
前述した実施例においては、図15(c)及び(d)に示すように、最大決定時カウンタが設定されているときなどすでに最大決定されている最大決定済時であるときには、最大決定されていない最大未決定時であるときよりも、AT抽選における期待ナビストック数が小さくなる。例えば、図15(c)に示すように、特殊役2以外の小役に単独当選したときであっても、最大未決定時の期待ナビストック数は0.94であるのに対し、最大決定済時の期待ナビストック数は0.64であり、最大決定済時であるときには最大未決定時であるときよりもAT抽選における期待ナビストック数が小さくなる。すなわち、特定小役当選によるAT抽選で最大ナビストック数を獲得したときには、その後のAT抽選における期待ナビストック数が小さくなる。このため、特定小役当選によるAT抽選で最大ナビストック数を獲得したときの射幸性が高まりすぎることを抑制することができる。
前述した実施例1では、1ゲームに対する内部抽選において最大許容AT抽選条件を成立させ得る特定小役をボーナスと同時当選させないこと、内部中RTにおいて特定小役当選しても最大許容AT抽選条件を成立させないこと、及びボーナス中における内部抽選において特定小役を当選させないことなどにより、ボーナス付与に合わせて最大ナビストック数が付与されることを防止する例について説明した。しかし、ボーナス付与に合わせて最大ナビストック数が付与されることを防止する例としては、実施例1で説明したものに限らず、どのようなものであっても良い。実施例2では、例えば、1ゲームに対する内部抽選において最大許容AT抽選条件を成立させ得る特定小役をボーナスと同時当選可能にしつつ、ボーナス付与と合わせて最大ナビストック数が付与されることを防止できるスロットマシンについて説明する。尚、実施例2において、実施例1と同様の構成及び処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例では、実施例1と比較して、さらに、当選により最大許容AT抽選条件を成立させ得る特定小役が、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と同時当選し得るように構成されている。図22は、本実施例における、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。
図22に示すように、遊技状態が、準備モード、通常遊技状態、及び有利RTのうちいずれかに制御されているときに、抽選対象役として「BB1+特定小役」が読み出されるように構成されている。これにより、特定小役は、実施例1と同様にボーナスとは別に当選する場合と、ボーナスと同時に当選する場合とが生じ得る。
また、本実施例では、実施例1と比較して、さらに、内部抽選において「BB1+特定小役」に当選したときに、AT抽選条件を成立させてAT抽選が行われるように構成されている。図23は、本実施例における、AT抽選を実行する契機となる抽選条件の一例を説明するための図である。
図23に示すように、遊技状態が準備モード、通常遊技状態、及び有利RTであるときに、特定小役がボーナスと同時当選したときには、AT抽選条件が成立して、図24(f)に示すテーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、遊技状態が準備モード、通常遊技状態、及び有利RTであるときに、特定小役がボーナスと同時当選することにより成立するAT抽選条件以外については、図14及び図15で説明した内容と同じである。
図24(f)に示すテーブルが参照された場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、6%の割合でナビストック数が2に決定され、1%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定され、1%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、AT抽選が行われる。
また、図24(f)のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、0.4(=0×90%+2×6%+4×1%+6×1%+8×1%+10×1%)となるように構成されている。尚、図24(f)のテーブルでは、最大ナビストック数である14に決定されないため、特定小役がボーナスと同時当選することにより成立するAT抽選条件は最大不可AT抽選条件である。
以上のように、本実施例では、1ゲームに対する内部抽選において最大許容AT抽選条件を成立させ得る特定小役がボーナスと同時当選可能であるが、特定小役がボーナスと同時当選した場合には最大ナビストック数である14が付与されないようにAT抽選が行われる。このため、特定小役に当選することにより最大許容AT抽選条件が成立し得るため、特定小役に当選することに対し遊技者に期待感を抱かせて注目させることができるとともに、1ゲームに対する内部抽選の結果に応じて、仮に特定小役とボーナスとが同時当選したとしても最大のナビストック数である14が付与されず、当該最大ナビストック数が付与されるとともにボーナスへの移行を確定させてしまうことがないために、AT抽選条件の種類及び付与されるナビストック数のバリエーションを豊富にした場合に生じる射幸性が高まりすぎるといった課題を解決できる。また、特定小役に当選して入賞したときには、最大許容AT抽選条件が成立して最大ナビストック数として14が設定されることのみならず、ボーナス当選に対しても、遊技者に期待感を抱かせることができる。
尚、本実施例では、内部抽選において特定小役がボーナスと同時当選したときにAT抽選が行われる例について説明したが、内部抽選において特定小役がボーナスと同時当選したときに最大のナビストック数である14が付与されないものであれば良い。例えば、内部抽選において特定小役がボーナスと同時当選しても、AT抽選を行わず、ナビストックが付与されないものであっても良い。
また、本実施例におけるスロットマシンにおいては、前述した実施例1と共通する技術思想による構成について、前述した実施例1の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施例の変形態様について説明する。
[特別入賞及び特定入賞について]
前述した実施例においては、特別入賞としてBB1〜BB5を例示し、特定入賞の一例として特定小役を例示した。しかし、特別入賞は、入賞することにより遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う入賞であれば、BB1〜BB5に限るものではなく、例えば、いわゆるチャレンジボーナス、シングルボーナス、レギュラーボーナス、及びリプレイの当選確率が高まるRTなどへの移行を伴う入賞であれば良い。また、特定入賞は、入賞することにより払出を伴う小役に限るものではなく、例えば、再ゲームを付与するリプレイであっても良い。
[内部中RTにおける特定小役当選時のAT抽選について]
前述した実施例では、内部中RTにおいて特定小役が当選してもAT抽選条件を成立させずに、AT抽選が行われない例について説明した。しかし、内部中RTにおいて特定小役が当選することにより最大不可AT抽選条件を成立させて、獲得し得るナビストック数の上限を10として、所定の当選率に従ってAT抽選が行われるものであっても良い。これにより、AT抽選条件の種類をより豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[ボーナス中における特定小役について]
前述した実施例におけるボーナス中においては、内部抽選において特定小役を当選させないことにより、入賞させない例について説明した。しかし、ボーナス中において特定小役を入賞させない手法としては、これに限らず、例えば、特定小役を、操作態様に関わらず入賞させることが可能なブドウ1〜8と同時当選させて、特定小役当選時において、特定小役よりもブドウ1〜8を優先的に入賞ライン上に引き込むリール制御を行うようにしても良い。これによっても、ボーナス中において特定小役を入賞させてしまうことにより遊技者の混乱を招くといった不都合の発生を防止することができる。
また、上記のように構成する場合、ボーナス中において特定小役に当選したとしても、最大許容AT抽選条件を成立させないものであれば、最大不可AT抽選条件を成立させるものであっても良い。これにより、ボーナス中において最大許容AT抽選条件が成立することなく、最大のナビストック数14が付与されることがないため、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
[最大許容AT抽選条件について]
前述した実施例における最大許容AT抽選条件は、特定小役が当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、特定小役に入賞することにより成立するものであっても良い。また、特定小役が当選しているときにのみ入賞ライン上に停止可能となる特定の図柄組合せが、入賞ライン上に停止表示されることにより最大許容AT抽選条件を成立させるように構成しても良い。
[最大許容AT抽選条件成立時のAT抽選について]
前述した実施例においては、最大許容AT抽選条件が成立したときのAT抽選でも、所定確率でしか最大ナビストック数の14に決定されない例について説明したが、これに限らず、最大許容AT抽選条件が成立したときには、必ず最大ナビストック数の14に決定されるものであっても良い。これにより、最大許容AT抽選条件が成立することに対する価値を高めることができる。
[ナビストック獲得演出について]
前述した実施例においては、最大許容AT抽選条件が成立したときに特定小役の入賞が生じる。このため、最大許容AT抽選条件が成立することによるAT抽選の結果に応じた情報を、特定小役の入賞が生じたときに報知するようにしても良い。これにより、特定小役の入賞が生じたときの注目度をより一層向上させることができる。尚、報知は、例えば、サブ制御部91により、ナビストック数を特定可能な演出を実行しても良い。
[期待ナビストック数による射幸性の抑制について]
前述した実施例においては、図15(c)及び(d)に示すように、最大不可AT抽選条件成立時のAT抽選について、最大決定済時であるときの方が最大未決定時であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制する例について説明した。
しかし、期待ナビストック数による射幸性の抑制は、最大決定されたか否かに限らず、例えば、最大不可AT抽選条件成立時のAT抽選について、現在獲得しているナビストック数が規定値以上(例えば8以上)であるときの方が規定値未満であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制するようにしても良い。具体的に、例えば、図15(c)のテーブルにおいて、現在獲得しているナビストック数が規定値以上(例えば8以上)であるときには、「最大決定済時」の当選率を用いてAT抽選を行い、すでに獲得しているナビストック数が規定値未満であるときには、「最大未決定時」の当選率を用いてAT抽選を行うようにしても良い。また、期待ナビストック数が小さくなるようにするAT抽選条件は、最大不可AT抽選条件に限らず、最大許容AT抽選条件を含めても良い。すなわち、現在獲得しているナビストック数が規定値以上(例えば8以上)であるときの方が規定値未満であるときよりも、AT抽選条件が最大不可AT抽選条件であるか否かに関わらずすべてのAT抽選における期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制するようにしても良い。この場合、規定値以上のナビストック数が最大許容AT抽選条件成立時の一回のAT抽選において設定された場合にのみ、以後のAT抽選における期待ナビストック数が小さくなるようにしても良い。また、現在獲得しているナビストック数が規定値以上であるときに、期待ナビストック数を小さくする対象を、当該規定値以上のナビストックを獲得した特定の遊技期間内におけるAT抽選に限るものであっても良く、あるいは当該規定値以上のナビストックを獲得した特定の遊技期間内におけるAT抽選であるか否かに関わらずすべてのAT抽選とするものであっても良い。
[潜伏期間による射幸性の抑制について]
前述した実施例においては、図16のSA01などに示すように、最大許容AT抽選条件が成立して最大決定されたときにのみ、SA06以降の処理を行うことにより、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定することにより、潜伏期間により射幸性を抑制する例について説明した。
しかし、潜伏期間による射幸性の抑制は、最大許容AT抽選条件が成立して最大決定されたときに限らず、最大許容AT抽選条件が成立して所定数(例えば8)以上のナビストック数に決定されたときにもSA06以降の処理を行うことにより、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定することにより、潜伏期間により射幸性を抑制するようにしても良い。
また、潜伏期間による抑制の抑制は、最大決定されたか否か及び最大許容AT抽選条件が成立したか否かに限らず、例えば、所定数以上(例えば8以上)のナビストック数を、1回のAT抽選で獲得したときの方が複数回のAT抽選で獲得したときよりも高い割合で、同じナビストック数を消費する間におけるメダルの純増枚数が小さくなるようにするための特定制御を行って、射幸性を抑制するようにしても良い。具体的には、1回のAT抽選で8以上のナビストック数に決定されたとき(以下、多数決定という)に、最大決定時カウンタに替えて多数決定時カウンタの値に7を設定し、図16のSA01において多数決定時カウンタの値が0であるか否かを判定し、SA01において0でないと判定されたときにSA05において多数決定時カウンタの値を1減算して、SA06以降の処理を行うことにより、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定されるようにしても良い。
[潜伏期間について]
前述した実施例においては、潜伏期間として非AT中のゲーム数を設定し、当該ゲーム数消化することにより潜伏期間が経過したと判定して次回のAT作動を開始可能にする例について説明した。しかし、潜伏期間としては、ゲーム数に限らず、ゲームが消化されることに伴って経過が進行する期間であれば良く、以下のものであっても良い。
第1の例としては、例えば、潜伏期間として、メダル枚数を設定するものであっても良く、この場合、潜伏期間において設定された賭数と当該潜伏期間において払い出された払出メダル枚数とを計数する処理を行い、賭数から払出メダル枚数を差し引いた枚数が、設定されたメダル枚数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成しても良い。
第2の例としては、例えば、潜伏期間として、当選回数を設定するものであっても良く、この場合、潜伏期間において特定の入賞役(例えば、ブドウ単独、昇格リプレイなど)に当選した回数を計数する処理を行い、計数された回数が、設定された当選回数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成しても良い。
第3の例としては、例えば、潜伏期間として、押し順回数を設定するものであっても良く、この場合、潜伏期間において左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウが当選したときにブドウを入賞させた回数、すなわち押し順が正解した回数を計数する処理を行い、計数された回数が、設定された押し順回数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成しても良い。
第4の例としては、例えば、潜伏期間として、所定の遊技状態を終了した状態終了回数を設定するものであっても良い。前述した実施例においては、有利RTにおいてAT終了後、2枚役・1枚役同時入賞や転落リプレイ入賞により転落条件が成立したときに制御され得る遊技状態として、昇格リプレイ入賞すれば必ず有利RTに制御可能な通常遊技状態に制御し、昇格リプレイ入賞やボーナス当選を除き当該通常遊技状態への制御が継続される例について説明したが、有利RTにおいてAT終了後であって転落条件が成立した後においては、昇格リプレイ入賞しても有利RTに制御されない遊技状態に制御され得るように構成したものに適用できる。
より具体的には、有利RTにおいて2枚役・1枚役同時入賞したときにのみ有利RTから通常遊技状態に制御し、転落リプレイが入賞することにより、仮に昇格リプレイ入賞したとしても有利RTに制御し得ない不利RTに制御するように構成しても良い。また、通常遊技状態においても転落リプレイを含むリプGR3やリプGR4に所定確率で当選し得るように内部抽選を行い、当該通常遊技状態において転落リプレイ入賞により不利RTに制御するように構成しても良い。不利RTは、規定ゲーム数(例えば32ゲーム)消化により終了条件が成立して通常遊技状態に移行される。この場合において、潜伏期間として不利RTを終了した回数を設定し、潜伏期間において不利RTが終了した回数を計数する処理を行い、計数された回数が、設定された状態終了回数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成しても良い。
また、潜伏期間としては、ゲーム数など一種類の条件を設定するものに限らず、ゲーム数、メダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数のうち複数種類の条件を設定し、いずれかの条件を満たしたときに、次回AT作動を開始可能にするように構成しても良い。これにより、潜伏期間の種類がバラエティー豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
尚、潜伏期間を決定するに際しては、それ以前の潜伏期間の長さに基づき短潜伏決定条件が成立しているときよりも成立していないときの方が高い割合で長い期間(すなわちメダル枚数である場合にはより多いメダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数である場合にはより多い回数)となるように決定するように構成すれば良い。また、潜伏期間を決定するに際しては、多数決定されていないときよりも多数決定されているときの方が高い割合で長い期間(すなわちメダル枚数である場合にはより多いメダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数である場合にはより多い回数)となるように決定することにより、メダルの純増枚数が少なくなるように構成すれば良い。これにより、前述した実施例と同様の効果を奏する。
[潜伏期間決定について]
前述した実施例においては、潜伏期間を決定するタイミングが、ナビストック1に対応するATが終了するゲーム終了時である例について説明したが、これに限らず、ナビストックを獲得してからナビストック1に対応するAT終了後における非ATにおいて最初のゲームが開始されるまでのタイミングであれば良い。
また、前述した実施例においては、決定される潜伏期間の対象が、AT終了後から次回AT開始可能となるまでの一の期間であり、潜伏期間毎にその長さが決定される例について説明したが、これに限らず、決定される潜伏期間の対象が、獲得したナビストックを消費する間における全ての潜伏期間であり、複数の潜伏期間がまとめて決定されるように構成しても良い。具体的には、ナビストック数毎に潜伏期間の長さを特定するための潜伏期間パターンが複数種類定められているテーブルを記憶させておき、獲得したナビストック数に対応するテーブルを参照して当該ナビストックを消費する間における全ての潜伏期間を決定するように構成しても良い。この場合、複数種類のテーブルから特定される潜伏期間パターンは、各々の潜伏期間以前の潜伏期間の長さに基づき短潜伏決定条件が成立しているときよりも成立していないときの方が高い割合で長い期間となるように、潜伏期間の長さが定められているように構成すれば良い。また、複数種類のテーブルから特定される潜伏期間パターンは、最大決定されていないときよりも最大決定されているときの方が高い割合で長い期間となるように、潜伏期間の長さが定められていることにより、メダルの純増枚数が少なくなるように構成すれば良い。これにより、前述した実施例と同様の効果を奏する。
[特定制御について]
前述した実施例においては、ナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行う具体的手法として、同じナビストックを獲得しているときであっても、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件(最大不可AT抽選条件成立時)が1回成立しかつ最大決定されて獲得したとき(最大許容AT抽選条件成立時)の方が高い割合で、潜伏期間として長い期間を決定する手法について説明した。しかし、ナビストックを消費する間における純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行う具体的手法は、これに限らず、以下のものであっても良い。
第1の例として、すでにナビストックを獲得しているときに、さらに特定の上乗せAT抽選条件(例えば、図14で示した準備モードにおいて5ゲーム消化、特定の入賞役に当選など)が成立したときに上乗せするナビストックを抽選する上乗せAT抽選を行うスロットマシンにおいて、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、高い割合で特定の上乗せAT抽選条件が成立するように、あるいは高い割合でナビストックが上乗せされるように、上乗せAT抽選を行うことにより実現しても良い。これにより、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックが上乗せされる確率が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、その後に獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。
第2の例として、ナビストックを1消費することによりATに制御されるAT期間を決定するスロットマシンにおいて、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が、高い割合でAT期間として短い期間を決定することにより実現しても良い。これにより、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が高い割合で、AT期間が短くなることにより、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。
第3の例として、ナビストックを1消費することにより所定期間に亘りATに制御するものであって、所定期間ATを継続させた後においても当該ATを継続させるか否かを所定の継続率に従って決定し、継続させると決定されたときには新たなナビストックを消費することなく所定期間に亘りATへの制御を継続させ、継続させないと決定されたときにはATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより新たに所定期間に亘りATに制御するスロットマシンにおいて、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、高い割合で、低い継続率を決定することにより実現しても良い。これにより、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックを新たに消費せずにATへの制御が継続される確率が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。尚、この場合における報知条件の有利度合いは、ナビストックや継続率から特定される。有利度合いが高い報知条件とは、ナビストックが多いものや、継続率が高いものをいう。
尚、前述した実施例においては、ボーナスが終了して準備モード及び通常遊技状態を介して有利RTへの制御を開始する時点において獲得しているナビストック数のいずれかが最大決定により獲得したものであるときに、最大決定により獲得したナビストックを消費するときであるか否かに関わらず、1回目のATが終了したときに次回のATまでの潜伏期間を決定するときからSA01においてNOと判定させることにより特定制御が行われる例について説明した。しかし、有利RTへの制御を開始する時点において獲得しているナビストック数のいずれかが最大決定により獲得したものであるときに、当該最大決定により獲得したナビストックを特定可能な情報を記憶し、次回のATを当該情報から最大決定により獲得したナビストックを消費して制御させるときに、SA01においてNOと判定させることにより、最大決定により獲得したナビストックを消費してATに制御させるまでの潜伏期間について特定制御が行われるように構成しても良い。これにより、最大決定されたものでないナビストックを消費するときに特定制御が行われて、遊技者にとって不利となる不都合の発生を防止することができる。
[特殊条件について]
前述した実施例においては、短潜伏連続カウンタの値がSA02においては4以下であること、SA06においては2以下であること、すなわち過去所定回(例えば5回あるいは3回)のいずれかの潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより、特殊条件が成立せず、過去所定回のいずれの潜伏期間としても比較的長い期間が決定されていないことにより、特殊条件が成立する例について説明した。しかし、特殊条件は、これに限らず、例えば、前回の潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより成立せず、前回の潜伏期間として比較的長い期間が決定されていないことにより成立するものであっても良い。また、特殊条件は、過去所定回(例えば5回)すべての潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより成立せず、過去所定回のうちいずれかの潜伏期間として比較的短い期間が決定されていることにより成立するものであっても良い。また、特殊条件は、過去所定回(例えば5回)の潜伏期間の合計期間(合計ゲーム数)が、所定期間よりも長い期間であるときに成立せず、所定期間よりも短い期間であるときに成立するものなどでも良い。
また、前述した実施例において、SA08においてNOと判定されたときに、さらに、SA04に移行される前において短潜伏連続カウンタを1加算するようにしても良い。これは、次のような不都合を解消するためである。例えば最大決定時カウンタの値が1であってかつ短潜伏連続カウンタの値が3である場合に、SA05において最大決定時カウンタの値が0となった後、SA07において比較的短い潜伏期間に決定されてSA08においてNOと判定されたときには、SA04において短潜伏連続カウンタの値に1しか加算されず、短潜伏連続カウンタの値が4となる。この場合、次回の潜伏期間決定処理においては、SA01においてYESと判定されかつSA02においてYESと判定される結果、未だ比較的長い潜伏期間に決定されていないにも関わらず、SA03において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定されてしまうといった不都合が生じる。しかし、SA08においてNOと判定されたときに、さらに、SA04に移行される前において短潜伏連続カウンタを1加算することにより、上記の場合においてSA08においてNOと判定された後の短潜伏連続カウンタの値が5となるため、次回の潜伏期間決定処理においては、SA01においてYESと判定されたときでも、SA02においてNOと判定され、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を決定することができ、上記不都合を解消することができる。
[潜伏期間決定用テーブルについて]
前述した実施例においては、図17に示すように、短潜伏用テーブルと長潜伏用テーブルとを記憶し、潜伏期間の決定において短潜伏用テーブルよりも長潜伏用テーブルの方が高い割合で長い期間に決定される例について説明したが、潜伏期間の決定に用いるテーブルは、図17に示すテーブルに限るものではない。
また、図16のSA01において、最大決定時カウンタの値が0であるときと0でないときとで、SA03あるいはSA07において同じテーブルを用いて潜伏期間を決定する例について説明した。しかし、最大決定時カウンタの値が0であるときと0でないときとで、異なるテーブルを用いて潜伏期間を決定するように構成しても良い。例えば、SA01でYESと判定されたときには、SA02の判定結果に基づき、SA03あるいはSA07において図17に示すテーブルを用いて潜伏期間を決定し、SA01でNOと判定されたときには、SA06の判定結果に基づき、図17に示すテーブルよりも高い割合でより多いゲーム数に決定されるように設定されたテーブルを用いて潜伏期間を決定するように構成しても良い。これにより、最大決定されていないときよりも最大決定されたときの方が高い割合で潜伏期間として長い期間に決定することができる。尚、この場合、SA02及びSA06における判定基準を同じに設定しても良い。
また、図17(a)に示す短潜伏用テーブルを用いたときには、比較的長い潜伏期間に決定されない例について説明したが、これに限らず、所定確率(極めて低い確率)で比較的長い潜伏期間(例えば70ゲーム)に決定され得るものであっても良い。この場合、SA03において比較的長い潜伏期間に決定されたときには、SA09に移行させ、比較的短い潜伏期間に決定されたときにはSA04に以降させるように構成しても良い。
また、図17(b)に示す長潜伏用テーブルを用いたときには、比較的短い潜伏期間(10ゲーム)に決定され得る例について説明したが、これに限らず、比較的短い潜伏期間に決定されないようにし、比較的長い潜伏期間のみに決定され得るものであっても良い。これにより、図16のSA08の判定処理を行うことなく、SA07からSA09に移行させるようにすることができ、処理負担を軽減することができる。
[ATでない旨が特定される状態について]
前述した実施例では、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときには、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない例について説明した。しかし、ATフラグからATでない旨が特定される状態であっても、所定確率でATに制御しても良く、また所定確率でナビ演出を実行するように構成しても良い。ATフラグからATである旨が特定される状態であるときの方が、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときよりも高い割合で、ATに制御され、ナビ演出が実行されるものであれば良い。
[報知条件及び報知終了条件について]
前述した実施例では、報知条件の一例として、図14、図15で示したテーブルが参照されてナビストック数が設定されることを示し、報知終了条件の一例として、獲得したナビストック数を全て消化して、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であることを示した。しかし、報知条件は、ATに制御可能な状態に制御するための条件であれば良く、また、報知終了条件は、設定された報知条件と関連あるいは対応して変化する条件であって、ATに制御可能な状態を終了させるための条件であれば良い。
例えば、AT抽選条件成立を契機に、ATに制御するか否かを決定し、ATに制御すると決定されたときにはATを継続させるか否かを決定するための継続率を設定しておき、まず、50ゲームに亘るATに制御し、当該ATが終了したときに設定されている継続率に従って継続させるか、すなわち再びATに制御するか否かを決定するようにAT制御が行われる場合について説明する。この場合、報知条件は、ATに制御するか否かの決定でATに制御すると決定されること及び継続率を設定することであり、報知終了条件は、設定されている継続率に従って継続させないと決定されることであるといえる。この場合、報知条件の有利度合いは、継続率から特定される。有利度合いが高い報知条件とは、継続率が高いものをいう。
[その他の変形例について]
前述した実施例においては、昇格リプレイを含むリプGR1及びリプGR2に転落リプレイが含まれず、転落リプレイを含むリプGR3及びリプGR4に昇格リプレイが含まれないように、当選対象役の組合せが定められている例について説明した。しかし、昇格リプレイを含むリプGR1及びリプGR2に転落リプレイが含まれるものであっても良い。また、転落リプレイを含むリプGR3及びリプGR4に昇格リプレイが含まれるものであっても良い。
昇格リプレイを含む当選対象役の組合せとして、例えば、転落リプレイ+昇格リプレイの当選対象役の組合せと、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイの当選対象役の組合せとが定められているものであっても良い。また、転落リプレイを含む当選対象役の組合せとして、例えば、転落リプレイ+昇格リプレイの当選対象役の組合せと、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイの当選対象役の組合せとが定められているものであっても良い。このように、昇格リプレイを含む当選対象役の組合せと転落リプレイを含む当選対象役の組合せとが同一の組合せとなるものであっても良い。この場合におけるリール制御としては、次のものであっても良い。例えば、転落リプレイ+昇格リプレイ及び転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイのいずれに当選したかに関わらず、順押しあるいは逆押しで操作されたときには転落リプレイを入賞させる。また、転落リプレイ+昇格リプレイに当選したときに、挟み押しで転落リプレイを入賞させ、中押しで昇格リプレイを入賞させる。また、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイに当選したときに、挟み押しで昇格リプレイを入賞させ、中押しで転落リプレイを入賞させる。
これにより、順押しあるいは逆押しの共通の操作態様で操作する限り、転落リプレイに入賞させ通常遊技状態である場合は当該通常遊技状態を維持させることができ、当選している組合せに応じて、昇格リプレイを入賞させるための操作態様、及び転落リプレイを入賞させるための操作態様を異ならせることができるため、ナビ演出が実行されていないときに有利RTに制御させにくく、かつ有利RTを維持させにくくすることができる。
前述した実施例における準備モードでは、昇格リプレイや転落リプレイを含むリプGR1〜リプGR4が抽選対象役として読み出されず当選しない例について説明したが、これに限らず、昇格リプレイや転落リプレイを含むリプGR1〜リプGR4が抽選対象役として読み出されて、所定確率で当選し、入賞し得るように構成しても良い。このように構成した場合、例えば、準備モードにおいて、昇格リプレイに入賞したときには有利RTに制御するようにしても良く、転落リプレイに入賞したときには通常遊技状態に制御するようにしても良い。この場合において、準備モードにおいて、共通の操作態様以外で操作されたときには、図21ののS53〜S56と同様の処理を行い、ペナルティが課されるようにしても良い。
前述した実施例においてナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役として、チェリー1やチェリー2などの小役を例に説明した。しかし、ナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役は、これに限らず、例えば、再遊技役であっても良い。
前述した実施例においてナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役として、BB1がチェリー1+チェリー2+特殊役1と同時当選し、BB2がチェリー1+チェリー2と同時当選し、BB3がチェリー1と同時当選する例について説明したが、同時当選するボーナスと同時当選役との組合せについてはこれに限らず、例えば、BB1〜BB5が、各々、チェリー1+チェリー2+特殊役1と同時当選する場合、BB2がチェリー1+チェリー2と同時当選する場合、BB3がチェリー1と同時当選する場合が生じ得るような組合せが設定されているものであっても良い。
前述した実施例においては、ナビ演出が実行されていないときに共通の操作態様以外の変則押しで操作されたときに、ペナルティ期間に制御し、一定期間ペナルティを課す例について説明した。しかし、ペナルティは、ATに制御されるか否かにおいて、遊技者にとって不利益となるものであれば良く、例えば、AT抽選条件が成立したときに遊技者にとって有利度合いが低いAT抽選を行わせるものであっても良い。例えば、AT抽選条件が成立したときに、前回AT抽選されてから後に変則押しされた回数に応じて、当該回数が多い程、ナビストックを獲得する確率やより多いナビストック数を獲得する確率が低くなるようにAT抽選を行うものであっても良い。
また、ペナルティ期間においては、図18のS22で示したように非ATゲーム数カウンタを加算させないというペナルティの他に、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行わないペナルティを課す例について説明したが、これらのうちいずれか一のペナルティのみを課すものであっても良い。例えば、ペナルティ期間においては、非ATゲーム数カウンタを加算させないというペナルティのみを課すものであっても良い。また、ペナルティ期間に制御される毎に、どの種類のペナルティを課すかをランダムに抽選し、当選したペナルティを課すようにしても良い。
また、ペナルティ期間は、ゲームを所定回数消化することにより終了する例について説明した。しかし、ペナルティ期間は、ゲームを所定回数消化することにより終了するものに限らず、AT抽選条件が所定回数(例えば1回)成立することにより終了するものであっても良い。例えば、ペナルティ期間において、AT抽選条件が成立したとしても当該AT抽選条件に応じたAT抽選を行わないことにより、当該ペナルティ期間を終了させても良い。
前述した実施例においては、図19のS33〜S35で示したように、ボーナスが当選しているか否かに応じて、制御される期間やナビ演出実行確率が異なるナビ可能期間に制御する例について説明したが、これに限らず、同時当選役の種類に応じて、制御される期間やナビ演出実行確率が異なるナビ可能期間に制御するように構成しても良い。例えば、ボーナスと同時当選確率が最も高いチェリー1+チェリー2+特殊役1に当選したときには、他の同時当選役に当選したときよりも、高い割合で特別ナビ期間が設定されるように構成しても良い。これにより、ボーナス当選していることに対する期待感と連動したナビ可能期間に制御することができる。
前述した実施例においては、BB1〜BB3であるときにRB1に制御し、BB4または5であるときにRB2に制御する例について説明したが、BBの種類に関わらず、同じRBに制御するように構成しても良い。例えば、BBの種類に関わらずRB1に制御するように構成しても良い。
前述した実施例における有利RTを終了させる契機となる入賞役として再遊技役である転落リプレイが設定されている例について説明した。しかし、有利RTを終了させる契機となる入賞役は、再遊技役に限らず、所定の小役、入賞により次の1ゲームをボーナスに制御するシングルボーナスなどであっても良い。
ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(例えば「0」)する処理を行うものであっても良く、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであっても良く、所定数減算する処理を行うものであっても良く、所定数上乗せ加算する処理を行うものであっても良く、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであっても良い。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であっても良い。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数
を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。
前述した実施例においては、図8で示したように、昇格リプレイの入賞手順及び転落リプレイの回避手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであっても良い。例えば、転落リプレイとして転落リプレイ1(白7−リプレイ−リプレイ)、転落リプレイ2(黒7−リプレイ−リプレイ)、転落リプレイ3(BAR−リプレイ−リプレイ)が設けられており、内部抽選において転落リプレイ以外のリプレイと、転落リプレイ1〜3の各々とが同時に当選し得るように構成されている場合には、同時当選している転落リプレイを構成する左図柄を入賞ライン上に停止させないようなタイミングで停止操作する手順が転落リプレイの回避手順となる。また、昇格リプレイの入賞手順及び転落リプレイの回避手順は、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであっても良い。
前述した実施例においては、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選時においてブドウを取りこぼした場合に出現する2枚役・1枚役同時入賞により、準備モードあるいは有利RTから通常遊技状態に転落する例について説明したが、準備モードあるいは有利RTから通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。例えば、特定の小役(例えばスイカ)に入賞することであっても良い。
前述した実施例においては、昇格リプレイ入賞することにより、通常遊技状態から有利RTに昇格する例について説明したが、通常遊技状態から有利RTへの昇格契機はこれに限らず、例えば、同時当選役取りこぼし時の図柄組合せであっても良い。チェリー1+チェリー2に当選時においてチェリー入賞を回避したときにのみ発生する所定のはずれ図柄の組合せが導出することであっても良い。これにより、チェリーを取りこぼす代わりに、ナビ可能期間に制御するとともに有利RTに制御されるという面白みを付加することができる。
前述した実施例においては、RT中、ATモードにおいて特定期間として50ゲーム消化することにより、1のナビストックに対するATモードを終了させる例について説明した。しかし、特定期間としては、予め定められた回数分ゲーム消化する期間に限らず、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化する期間、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達するまでの期間、特定の入賞役(例えばチェリー1など)に当選した回数が所定回数に到達するまでの期間などであっても良い。
尚、今回開示された実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
41a メインCPU
91 サブ制御部
91a サブCPU

Claims (1)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能可変表示複数備え、
    前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能スロットマシンにおいて
    表示結果が導出される前に入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
    遊技者が表示結果を導出させるために操作る導出操作手段と、
    前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて、表示結果を導出する制御を行う手段であって、前記事前決定手段の決定結果が所定結果となった場合において、当該所定結果に応じて予め定められた有利手順で前記導出操作手段が操作されたときには、前記有利手順と異なる手順で前記導出操作手段が操作されたときに導出する表示結果の組合せよりも遊技者にとって有利な表示結果の組合せを導出可能な制御を行う導出制御手段と
    予め定められた複数種類の契機のうちいずれかが成立したことを条件として、遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件を設定するための契機成立時処理を行う契機成立時設定手段と、
    前記契機成立時設定手段により設定された報知条件に従って、前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果となったときに当該所定結果に対応する有利手順を特定するための情報を報知する報知期間に制御する報知制御手段と、
    を備え
    前記複数種類の契機は、前記入賞のうちの特定入賞の発生を許容する旨が決定される一方で当該決定とともに遊技者にとって有利な状態に移行する移行条件が成立しない第1契機と、前記特定入賞の発生を許容する旨が決定されるとともに前記移行条件が成立する第2契機とを含み、
    前記契機成立時設定手段は、前記第1契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる第1契機時最大報知条件の方が、前記第2契機が成立することにより設定され得る報知条件のうち有利度合いが最大となる第2契機時最大報知条件よりも、有利度合いが高くなるように前記契機成立時処理を行い、
    前記スロットマシンは、前記有利手順を特定するための情報を報知していないときにおいて、特定手順以外の手順で操作されたときには、前記特定手順であったときに行われることのない遊技者にとって不利な不利制御を行うことが可能である
    ことを特徴とするスロットマシン。
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