以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)」、「白ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)」、「黒ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号13の図柄)」、「ブランク1(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「ブランク2(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号14の図柄)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)」、「BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号7の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、タッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では通常遊技状態、準備モード、およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては3、ボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、メダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち逆V字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、の4種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、準備モード、有利RT、ビッグボーナス、内部中RTにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L4の全てが有効となる。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨るライン、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨るライン、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るラインなどを含むものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。
また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合でも、原則として、設定変更モード移行前の遊技状態(遊技状態の種類)に関する情報が維持される。これにより、たとえば、RT中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後においても当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、ボーナスの当選フラグが初期化されボーナス抽選で当選すると再度当選フラグを設定可能であって当該内部中RT中のリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。このため、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域は、原則として、設定変更に関連して初期化されることはない。例外として、たとえば、設定変更モード移行前の遊技状態がボーナスであるときには、設定変更に関連してたとえば準備モードを示す遊技状態フラグが格納される。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、初期遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
なお、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図5(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、ボーナス終了後に制御される準備モード、所定条件が成立(後述する準備モードあるいは有利RTにおいて特殊出目停止、あるいは有利RTにおいて転落リプレイ入賞)することにより制御される通常遊技状態、通常遊技状態において所定の有利条件が成立(後述する昇格リプレイ入賞)することにより制御される有利RT、ボーナス内部当選したときに制御される内部中RT、およびボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。
有利RTは、各々、再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、準備モードおよび通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。なお、有利RTを、RT、有利状態などという場合もある。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が通常遊技状態や有利RTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。また、所定のポイント付与条件が成立することにより、ATに制御される確率に関与するポイントが付与される。
図5(a)を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜5(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)の5種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB5は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス1(以下、RB1と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。また、BB4〜BB5のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス2(以下、RB2と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。
遊技状態がボーナスにある間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、RBの種類に対応するレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始される毎に対応するレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
BB1〜BB3のいずれかの入賞に起因して発生したボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB4またはBB5の入賞に起因して発生したボーナスは、73枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB5のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
後述する内部抽選においてBB1〜BB5のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB5を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ブドウ1〜ブドウ8、バナナブドウ1〜バナナブドウ12、メロン、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1、1枚役2が含まれる。
小役のうちメロンは、入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると3枚メダルが払い出される。メロンは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。メロンを構成する図柄(「メロン」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、小役のうちイチゴ1は、入賞ラインのいずれかに「イチゴ−バナナ−バナナ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。小役のうちイチゴ2は、リール2Cについて入賞ラインのいずれかに「イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。なお、イチゴ2が入賞した場合には、入賞ラインL1〜L4のすべてにおいて入賞となるため、4枚のメダルが払出される。
次に、小役のうち1枚役1は、入賞ラインのいずれかに「ブランク2−ブランク2−BAR」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。なお、本実施の形態においては、後述するように、メロン、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1が当選したことを条件として、ポイントが付与される。
小役のうち1枚役2は、入賞ラインのいずれかに「BAR−白7−白7」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。1枚役2は、後述するようにRB1中のみ当選可能に設定されている。なお、本実施の形態においては、後述するように、1枚役2が当選したときには、原則として、ナビストックが付与される。
次に、ブドウ1〜8について説明する。ブドウ1は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ2は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ3は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ4は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ5は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ6は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ7は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ8は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、ブドウ1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてブドウ1〜8のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているブドウに入賞することはない。
しかしながら、ブドウ1〜ブドウ8は、後述するように、同時に抽選対象役として読み出されて、同時に当選する。また、「黒ブドウ」および「白ブドウ」のいずれかが、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。また、上記のように、ブドウ1〜8は、「黒ブドウ」および「白ブドウ」から構成され得る8通りすべての組合せである。このため、ブドウ1〜ブドウ8に当選しているときには、原則として、いずれかのブドウを入賞させることができる。
次に、バナナブドウ1〜12について説明する。バナナブドウ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ2は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ3は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ4は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ5は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウーバナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ6は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ7は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ8は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ9は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ10は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ11は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ12は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、バナナブドウ1〜12各々を構成する図柄のうち「バナナ」は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、「黒ブドウ」および「白ブドウ」各々は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてバナナブドウ1〜12のいずれかに当選していても、当選しているバナナブドウの「黒ブドウ」および「白ブドウ」に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているバナナブドウに入賞することはない。
ブドウ1〜8、およびバナナブドウ1〜12のうちいずれかが入賞した場合には、9枚のメダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ1、転落リプレイ2、制御用リプレイが含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
通常リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイを構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態において昇格リプレイに入賞した後は、有利RTに制御される。後述するように、昇格リプレイは、準備モードにおける内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、準備モードにおいては昇格リプレイに入賞しない。その結果、準備モードから有利RTに制御されないように構成されており、通常遊技状態であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常遊技状態からのみ有利RTに制御されるように構成されている。
なお、通常遊技状態以外の遊技状態(たとえば、準備モード)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)で昇格リプレイについて抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からも有利RTに制御されるように構成してもよい。
転落リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ1および転落リプレイ2各々を構成する図柄のうち、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)は、7コマ以内に配置されていない。
しかしながら、転落リプレイ1と転落リプレイ2とは、同時に当選するため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに関わらず、転落リプレイ1および転落リプレイ2のうちいずれかの右リール2Rを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、転落リプレイ1および転落リプレイ2は、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、有利RTにおいて転落リプレイに入賞した後は、通常遊技状態に制御される。
制御用リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白7−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。制御用リプレイを構成する図柄のうち、リール2L、2Rの図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されているが、中リール2Cの図柄(「白7」)は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において制御用リプレイに当選していても、ストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、制御用リプレイに入賞しない。
しかし、制御用リプレイは、昇格リプレイや転落リプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに関わらず、昇格リプレイや転落リプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、制御用リプレイは、原則として、当選しても入賞させることができないが、同時に当選するリプレイのいずれかを入賞させることができる役といえる。
次に、図5(b)を参照して、特殊出目について説明する。特殊出目は、「バナナ−メロン−黒ブドウ」など、図5(b)に示す16種類の図柄組合せを含む。本実施の形態において特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させるリール制御は、いずれの遊技状態においても、ブドウ1〜8のいずれかに当選しているときであって当該当選しているブドウを取りこぼし、かつ当該ブドウと同時にバナナブドウが当選していたときには当該バナナブドウを取りこぼしたときに行なわれる。その結果、ブドウ1〜8のいずれかに当選しているときであって、当該当選しているブドウを構成する図柄を入賞ラインL1〜L4のいずれにも停止させることができない場合で、かつバナナブドウに同時当選している場合で当該当選しているバナナブドウを構成する図柄を入賞ラインL1〜L4のいずれにも停止させることができない場合には、特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させることができる。
図6に示すように、準備モードあるいは有利RTにおいて特殊出目が停止した後は、通常遊技状態に制御される。通常遊技状態は、ボーナスに当選するか、昇格リプレイに入賞するまで継続して制御される。なお、準備モードあるいは有利RT以外の遊技状態において特殊出目が停止されたとしても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において特殊出目が停止されたとしても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態がいずれであるかによって抽選対象役の組合せが異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、図7の○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役(図7の通常の「メロン」)の当選確率は、300/65536となる。
遊技状態が通常遊技状態であるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、リプGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイをいい、通常リプレイおよび昇格リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。リプGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、および制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
また、左押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ2+バナナブドウ9をいう。左押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ5+バナナブドウ12をいう。中押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ4+バナナブドウ8をいう。中押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ7+バナナブドウ11をいう。右押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ1+バナナブドウ3をいう。右押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ10+バナナブドウ6をいう。左、中、右押しブドウ1および2におけるブドウは、ブドウ1+ブドウ2+ブドウ3+…+ブドウ8をいう。よって、たとえば、左押しブドウ1とは、ブドウ1〜8、バナナブドウ2、およびバナナブドウ9が読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
遊技状態が準備モードであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が有利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、リプGR3とは、通常リプレイ+転落リプレイをいい、通常リプレイおよび転落リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。リプGR4とは、通常リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、転落リプレイ、および制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。転落リプレイとは、転落リプレイ1+転落リプレイ2をいい、転落リプレイ1および転落リプレイ2が読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
遊技状態が内部中RTであるときには、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、通常遊技状態などにおいて、BB1〜BB3のいずれかと同時当選し得るイチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の判定値数は、内部中RTにおいては、各々、ボーナスと別個に読み出される、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1に加算されているため、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1各々の当選確率が一定となるように担保されている。
遊技状態がRB1であるときには、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、1枚役2、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。全小役とは、ブドウ1〜8+バナナブドウ1〜12+メロン+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1をいう。また、遊技状態がRB2であるときには、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として読み出される。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、ボーナスは、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の各役と同時に当選し得る。このうち、特に、イチゴ1およびイチゴ2を同時当選役ともいう。イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1のうち当選したときにボーナスと同時当選している割合は、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1が最も高く、次にイチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の順となるように判定値数が設定されている。
次に、図7の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役当選確率を比較する。準備モードであるときには、通常リプレイが読み出され、そのときの判定値数として「9000」が設定されている。このため、準備モードにおいては、再遊技役として、通常リプレイのみに入賞可能であり、遊技状態の移行を伴なう昇格リプレイや転落リプレイに入賞しない。その結果、準備モードにおいては、前述した特殊出目が停止することによってのみ、通常遊技状態に制御されるといえる。
通常遊技状態においては、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイにも入賞し得る。
通常遊技状態において、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「1800」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「6300」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「900」が設定されている。通常遊技状態において、昇格リプレイに入賞したときには、有利RTに制御される。なお、本実施の形態における通常遊技状態におけるリプレイの判定値数の合計値は、通常遊技状態であるときの通常リプレイの判定値数と同じ値となるように設定されている。よって、通常遊技状態においては、準備モードと、リプレイ当選確率が同じになるように設定されている。
一方、有利RT、内部中RTにおいては、各々、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイや転落リプレイにも入賞し得る。
有利RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8000」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「24000」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「4000」が、リプGR3が読み出されるときの判定値数として「2000」が、リプGR4が読み出されるときの判定値数として「2000」が、設定されている。有利RTにおいて、転落リプレイに入賞したときには、通常遊技状態に制御され、昇格リプレイに入賞したときには遊技状態の移行が行なわれず当該有利RTが維持される。
内部中RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「7600」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「22800」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「3800」が、リプGR3が読み出されるときの判定値数として「1900」が、リプGR4が読み出されるときの判定値数として「1900」が、設定されている。内部中RTにおいて、昇格リプレイあるいは転落リプレイに入賞したときであっても、遊技状態が移行されず当該内部中RTが維持される。
以上より、準備モード、通常遊技状態、有利RT、および内部中RT各々における、いずれかのリプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
準備モードであるときのリプレイ当選確率・・・・ 9000/65536
通常遊技状態であるときのリプレイ当選確率・・・ 9000/65536
有利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・40000/65536
内部中RTであるときのリプレイ当選確率・・・・38000/65536
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、有利RTおよび内部中RTであるときに、通常遊技状態および準備モードであるときよりも高くなるように設定されている。このため、有利RTおよび内部中RTは、通常遊技状態あるいは準備モードであるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、有利RTであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、有利RTであるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
次に、通常遊技状態、有利RTおよび内部中RT各々における、昇格リプレイあるいは転落リプレイの当選確率の比率に着目する。
まず、昇格リプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの昇格リプレイ当選確率・・・ 7200/65536
有利RTであるときの昇格リプレイ当選確率・・・・・28000/65536
内部中RTであるときの昇格リプレイ当選確率・・・・26600/65536
また、転落リプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの転落リプレイ当選確率・・・・・・・0/65536
有利RTであるときの転落リプレイ当選確率・・・・・・4000/65536
内部中RTであるときの転落リプレイ当選確率・・・・・3800/65536
これらより、通常遊技状態、有利RTおよび内部中RT各々における、昇格リプレイあるいは転落リプレイの当選率の比率は、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率…1:0
有利RTであるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率・・・7:1
内部中RTであるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率・・7:1
よって、通常遊技状態、有利RTおよび内部中RTのうちいずれの遊技状態においても、昇格リプレイに当選する割合の方が転落リプレイに当選するよりも高くなるように、昇格リプレイおよび転落リプレイの当選率が設定されている。特に、有利RTであるときと内部中RTであるときとでは、同じ比率となるように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴ1、メロン、ブドウ1など)に当選した場合、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB1+通常リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、リプGR1など)には、図8(a)に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図8(a)は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、通常リプレイと昇格リプレイとを含むリプGR1が当選し、順押し、逆押しあるいは挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、中押しとなる操作手順で操作された場合には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる操作手順、あるいは右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中押しとは、中リール2Cを第1停止させる操作手順をいう。
また、通常リプレイと昇格リプレイと制御用リプレイとを含むリプGR2が当選し、順押し、逆押しあるいは中押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
図3に示すように、通常リプレイおよび昇格リプレイを構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、通常リプレイまたは昇格リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
このため、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときには、いずれに当選したか否かに関わらず、順押しあるいは逆押しすると、必ず通常リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。このように、リプGR1とリプGR2とで、通常リプレイに入賞させるための共通の操作手順が設定されている。
また、リプGR1に当選したときには、挟み押しすると通常リプレイを入賞させ、中押しすると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。これに対し、リプGR2に当選したときには、中押しすると通常リプレイを入賞させ、挟み押しすると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。このように、リプGR1とリプGR2とで、昇格リプレイに入賞させるため操作手順として異なる操作手順が設定されている。
このため、通常遊技状態において、順押しあるいは逆押しの共通の操作手順で操作する限り、昇格リプレイに入賞することが有り得ず、有利RTに制御されることがない。一方、通常遊技状態において、挟み押しあるいは中押しすると、昇格リプレイに当選していれば1/2の確率で当該昇格リプレイに入賞し、有利RTに制御される。
なお、後述するように、通常遊技状態であって後述するナビ演出が実行されていないときに上記共通の操作手順以外の操作手順で操作されたことを条件として、遊技者にとって不利益となる所定のペナルティが課され、さらに、偶然昇格リプレイに当選しかつ入賞して有利RTに制御されたとしても当該有利RTにおいてATに制御されずナビ演出が実行されないために、意図的に特殊出目停止および転落リプレイ入賞を回避することができず当該有利RTを維持させることができないように構成されている。その結果、通常遊技状態において、共通の操作手順以外の操作手順で操作することによる利益よりもペナルティが課されることによる不利益の方が大きくなる。よって、共通の操作手順以外の操作手順で操作するよりも共通の操作手順で操作する方が、遊技者にとっての有利度合いを高くすることができる。
なお、共通の操作手順は、ストップスイッチ8Lを第1停止させる操作手順であってもよい。たとえば、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときには、いずれに当選したか否かに関わらず、ストップスイッチ8Lを第1停止(たとえば順押し)させる限り、必ず通常リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれるように構成してもよい。これにより、共通の操作手順をわかり易くすることができる。また、この場合、リプGR1に当選したときには、ストップスイッチ8Rを第1停止(たとえば逆押し)すると通常リプレイを入賞させ、ストップスイッチ8Cを第1停止(たとえば中押し)すると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれるように構成し、リプGR2に当選したときには、ストップスイッチ8Cを第1停止(たとえば中押し)すると通常リプレイを入賞させ、ストップスイッチ8Rを第1停止(たとえば逆押し)すると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれるように構成してもよい。
また、通常リプレイと転落リプレイとを含むリプGR3が当選し、順押しまたは挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、逆押しまたは中押しとなる操作手順で操作された場合には、転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、通常リプレイと転落リプレイと制御用リプレイを含むリプGR4が当選し、順押しまたは挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、逆押しまたは中押しとなる操作手順で操作された場合には、通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
図3に示すように、転落リプレイ1および転落リプレイ2各々単独では、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていないために、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって取りこぼす。しかし、転落リプレイ1と転落リプレイ2とが同時に当選するため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、通常リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
このため、リプGR3に当選したときには、順押しまたは挟み押しすると通常リプレイを入賞させ、逆押しまたは中押しすると転落リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。これに対し、リプGR4に当選したときには、逆押しまたは中押しすると通常リプレイを入賞させ、順押しまたは挟み押しすると転落リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。このように、転落リプレイ入賞を回避させ通常リプレイを入賞させるための操作手順が、リプGR3当選時とリプGR4当選時とで異なるように設定されている。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ1+イチゴ2、ブドウ1〜8すべてなど)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、ブドウ(ブドウ1〜8)、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、および右押しブドウ2のいずれかに当選している場合には、図8(b)に示すように、同時当選したブドウおよびバナナブドウの種類および最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、に応じて、ブドウを入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図8(b)は、ブドウに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、バナナブドウが同時に当選することなくブドウに当選している場合には、第1停止させたリールの種類、およびストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、ブドウ1〜8のいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。図3に示すように、ブドウ1〜8各々を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、ブドウ1〜8のいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
また、左押しブドウ1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したブドウのうちブドウ1〜8のいずれかを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、左押しブドウ1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選したバナナブドウ2またはバナナブドウ9のうちいずれかを入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、バナナブドウ2を構成する図柄は、左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄(「黒ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。また、バナナブドウ9を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2R各々の図柄(「黒ブドウ」、「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選したバナナブドウ2またはバナナブドウ9のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するバナナブドウ2または9に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図5(b)で示した特殊出目のいずれかが導出され得る。
また、左押しブドウ2が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したブドウのうちブドウ1〜8のいずれかを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、左押しブドウ2が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選したバナナブドウ5またはバナナブドウ12のうちいずれかを入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、バナナブドウ5を構成する図柄は、左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄(「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。また、バナナブドウ12を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2R各々の図柄(「白ブドウ」、「黒ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選したバナナブドウ5またはバナナブドウ12のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するバナナブドウ5または12に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図5(b)で示した特殊出目のいずれかが導出され得る。
このように、左押しブドウ1あるいは左押しブドウ2に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中押しブドウ1あるいは中押しブドウ2に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右押しブドウ1あるいは右押しブドウ2に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
このように本実施の形態では、左押しブドウ1あるいは2が当選したか、中押しブドウ1あるいは2が当選したか、右押しブドウ1あるいは2が当選したかによって、ブドウ1〜8を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
ここで、有利RTから通常遊技状態に転落する確率について説明する。有利RTから通常遊技状態に転落する契機は、転落リプレイ入賞、および特殊出目停止が設定されている。転落リプレイ入賞確率は、転落リプレイ当選確率およびリール制御から、4000/65536×1/2=2000/65536となる。
次に、特殊出目停止率を算出する。まず、バナナブドウを含む入賞役に当選したときに、ブドウを確実に入賞させる操作手順で操作できる確率は、1/3である。また、バナナブドウを含む入賞役に当選したときに、ブドウを確実に入賞させる操作手順で操作できなかった場合に、当該バナナブドウを入賞させる操作手順で操作できる確率は、当選しているバナナブドウの構成図柄(黒ブドウあるいは白ブドウ)を2つのリールで引き込むことによりバナナブドウを入賞させることができるため、2/3×1/2×1/2=1/6である。また、バナナブドウを含むブドウの当選確率が2600×6/65536であるから、特殊出目停止率は、2600×6/65536×(1−(1/3+1/6))=7800/65536となる。
よって、有利RTにおいて、演出状態が後述するATでないときに転落リプレイ入賞あるいは特殊出目停止により通常遊技状態に転落する確率は、9800/65536≒1/6.6となる。
このため、仮にナビ演出が実行されていない通常遊技状態において共通の操作手順以外で操作することにより、偶然昇格リプレイに入賞して有利RTに制御されたとしても、当該有利RTにおいてATに制御されずナビ演出が実行されないため、約6.6ゲームしか当該有利RTを継続させることができず通常遊技状態に転落する。また、上記のようにナビ演出が実行されていないときに共通の操作手順以外で操作することにより、ペナルティが課される。よって、通常遊技状態中であってナビ演出が実行されていないときには、遊技者に対し、共通の操作手順で操作させることができる。
なお、ブドウに単独当選(ブドウ1〜8に当選した場合をいい、バナナブドウと同時当選する場合を除く)して入賞する確率は、当選した場合には操作手順に関わらず必ずいずれかのブドウに入賞するため、2600/65536となる。
次に、イチゴ1に当選している場合のリール制御について説明する。イチゴ1は、図7で示したように、単独で当選する場合、イチゴ2と同時当選する場合、イチゴ2+1枚役1と同時当選する場合が生じ、各々、図8(c)に示すようにリール制御が行なわれる。
まず、イチゴ1に単独で当選しているときには、イチゴ1を構成する図柄である「イチゴ−バナナ−バナナ」を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。図3に示すように、イチゴ1を構成する図柄のうち、中リール2Cおよび右リール2R各々の図柄である「バナナ」は、5コマあるいは7コマ以内の間隔で配置されているが、左リール2Lの図柄である「イチゴ」は、7コマ以内の間隔で配置されていないため、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングに応じて入賞するようにリール制御が行なわれる。
次に、イチゴ1+イチゴ2に当選しているときには、左リール2Lの「イチゴ」と、中リール2Cの「イチゴ」と、を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。なお、中リール2Cの「イチゴ」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちイチゴ2を取りこぼす場合には、イチゴ1を入賞させるリール制御が行なわれる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2Lと中リール2Cとで「イチゴ」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。なお、右リール2Rについては、「バナナ」を入賞ライン上に引き込むリール制御が行なわれ、「イチゴ」については少なくとも入賞ラインに引き込まないようにリール制御が行なわれる。すなわち、イチゴ1+イチゴ2に当選しているときには、「イチゴ」が、左リール2Lおよび中リール2Cに揃って停止され得るが、さらに右リール2Rにまで揃って停止されないようにリール制御が行なわれる。
イチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選しているときには、左リール2Lの「イチゴ」と、中リール2Cの「イチゴ」と、右リール2Rの「イチゴ」とを入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2L、中リール2C、右リール2Rとで「イチゴ」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。すなわち、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選しているときには、「イチゴ」が、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において揃って停止され得るようにリール制御が行なわれる。なお、中リール2Cの「イチゴ」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちイチゴ2を取りこぼす場合には、イチゴ1を入賞させるリール制御が行なわれる。さらに、イチゴ1を入賞させることができない場合には、引き込み可能な限り1枚役1を構成する図柄を引き込むリール制御が行なわれる。
図7で示したように、イチゴ1やイチゴ2は、ボーナスと同時当選する同時当選役であって、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1が最も高く、次にイチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の順となるように判定値数が設定されている。また、イチゴ1やイチゴ2に当選しているときには、図8(c)で示したリール制御が行なわれる。このため、「イチゴ」の図柄が入賞ライン上に多く出現する程、ボーナス当選していることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、イチゴ1やイチゴ2などの同時当選役に当選したことを条件として、サブ制御部91により所定期間(たとえば5ゲーム)に亘り、内部当選状況に応じてナビ演出が実行されるとともに、ボーナス当選していることを煽る連続演出が実行されるナビ可能期間に制御される。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、抽選処理では、BB1〜BB5のいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれる。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB5のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
また、入賞判定処理において、有利RTであるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、通常遊技状態中であるときに昇格リプレイに入賞したと判断されたときには、有利RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に有利RTの値を設定など)が行なわれる。
また、準備モードあるいは有利RT中であるときにいずれの入賞も発生しておらずかつ特殊出目が入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止していると判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行なわれる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、準備モードに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に準備モードフラグの値を設定など)が行なわれる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(準備モードであるか、通常遊技状態であるか、有利RTであるか、ボーナス中であるか等)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、ポイントを付与・管理するとともに報知するためのポイント関連処理、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、ATへの制御に関し遊技者にとって不利益となるペナルティを課すためのペナルティ設定処理、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
[第1AT抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれる第1AT抽選処理を実行することにより、第1AT抽選を行なう。第1AT抽選処理では、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づきボーナス当選したと判定されたときに、前回のボーナス終了以降において実際に付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがって第1AT抽選が実行される。また、第1AT抽選処理では、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づきボーナス終了したと判定されたときに、当該ボーナス中に付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがって第1AT抽選が実行される。
図9は、第1AT抽選を実行する契機となる抽選条件を説明するための図である。また、図10および図11は、それぞれ、第1AT抽選において参照されるテーブルを説明するための図である。
第1AT抽選では、図9に示すように、ボーナス当選したと判定されたときには図10に示すボーナス当選時用テーブルを参照し、ボーナス終了したと判定されたときには図11に示すボーナス終了時用テーブルを参照し、付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがってナビストック数が決定される。ボーナス当選したか否かは、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。また、ボーナス終了したか否かは、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドから特定される。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。これより、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。本実施の形態においては、ボーナス当選による第1AT抽選で決定されたナビストック数と、後述する第2AT抽選で決定されたナビストック数と、ボーナス終了による第1AT抽選で決定されたナビストック数との合計数に応じて、当該ボーナス終了後においてATに制御される。また、前回ボーナスが終了してから非ATにおいて消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達したときには、AT抽選の結果に関わらず、次にボーナス入賞するまでATに制御される。
サブ制御部91は、第1AT抽選や第2AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨およびナビストック数(第1AT抽選や第2AT抽選の合計数)を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1消費してATに制御可能となる。
なお、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数が付与されたときには、ATフラグから特定されるナビストック数に今回付与されたナビストック数を上乗せ加算させてもよく、今回付与されたナビストック数に書き換えるものであってもよい。
たとえば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ボーナス当選により第1AT抽選や第2AT抽選が行なわれる場合には、当該第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。なお、第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、たとえば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回の第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであってもよく、また、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグを今回の第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたナビストック数を示すATフラグに書き換えることであってもよい。第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであってもよい。
また、ボーナス当選によりたとえば第1AT抽選が行なわれてATである旨を示すATフラグがセットされた後において、ナビストック数が付与された場合には、上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えられる。
たとえば、ボーナス当選によりたとえば第1AT抽選が行なわれてATである旨を示すATフラグがセットされた後において、当該ボーナス当選による第2AT抽選や当該ボーナス終了による第1AT抽選が行なわれてさらに1以上のナビストック数が決定された場合には、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に、当該ボーナス当選による第2AT抽選や当該ボーナス終了による第1AT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えられる。
第1AT抽選において、図10に示すボーナス当選時用テーブルが参照された場合について説明する。ボーナス以外において付与された付与ポイントであって、ボーナス当選したときにおける付与ポイントの総数(以下、通常付与ポイント総数ともいう)が「0〜2」であるときには、90%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、1%の割合でナビストック数が8に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。
通常付与ポイント総数が「3〜5」であるときには、50%の割合でナビストック数が0に決定され、30%の割合でナビストック数が2に決定され、15%の割合でナビストック数が4に決定され、3%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。
通常付与ポイント総数が「6〜9」であるときには、70%の割合でナビストック数が2に決定され、20%の割合でナビストック数が4に決定され、5%の割合でナビストック数が6に決定され、3%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。
通常付与ポイント総数が「10」であるときには、70%の割合でナビストック数が4に決定され、10%の割合でナビストック数が6に決定され、10%の割合でナビストック数が8に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。なお、後述するように、通常付与ポイント総数の上限は、「10」に設定されている。
このように、図10のボーナス当選時用テーブルは、通常付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように、すなわち遊技者にとって有利となるようにボーナス当選時のAT抽選が行なわれる。また、通常付与ポイント総数が6以上であるときには必ず2以上のナビストック数に決定される。このため、通常付与ポイント総数が6以上であるときにはボーナス終了後において必ずATに制御される。
よって、通常付与ポイント総数が多い程、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、遊技者が認識するポイントの総数が多い程、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、第1AT抽選において、図11に示すボーナス終了時用テーブルが参照された場合について説明する。ボーナス中に付与された付与ポイントであって、当該ボーナス終了したときにおける付与ポイントの総数(以下、ボーナス中付与ポイント総数ともいう)が「0〜1」であるときには、95%の割合でナビストック数が0に決定され、3%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。
ボーナス中付与ポイント総数が「2〜3」であるときには、80%の割合でナビストック数が0に決定され、15%の割合でナビストック数が2に決定され、4%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。
ボーナス中付与ポイント総数が「4」であるときには、60%の割合でナビストック数が0に決定され、25%の割合でナビストック数が2に決定され、10%の割合でナビストック数が4に決定され、4%の割合でナビストック数が6に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。
ボーナス中付与ポイント総数が「5」であるときには、70%の割合でナビストック数が4に決定され、10%の割合でナビストック数が6に決定され、10%の割合でナビストック数が8に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。なお、後述するように、ボーナス中付与ポイント総数の上限は、「5」に設定されている。
このように、図11のボーナス終了時用テーブルにおいても、ボーナス中付与ポイント総数が多い程、高い割合でナビストック数を獲得しかつより多いナビストック数に決定されるように、すなわち遊技者にとって有利となるようにボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。また、ボーナス中付与ポイント総数が5であるときには必ず4以上のナビストック数に決定される。このため、ボーナス中付与ポイント総数が5であるときにはボーナス終了後において必ずATに制御される。
よって、ボーナス中付与ポイント総数が多い程、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、遊技者が認識するポイントの総数が多い程、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者が認識するポイントの総数が少ない場合であっても、後述するような報知抽選が行なわれてポイントが報知されるため、認識したポイントの総数以上のポイントが実際に付与されている可能性があり、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を持続させることができる。
以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91によりボーナス当選あるいはボーナス終了したときに行なわれる第1AT抽選処理により、図10あるいは図11に示すテーブルを参照して、第1AT抽選が行なわれる。
なお、ペナルティ設定処理においてペナルティが課されているペナルティ期間中にボーナス当選したとき、および当該ボーナスが終了したときには、第1AT抽選が行なわれない。すなわち、ボーナスに関連して実行されるはずの第1AT抽選を行なわず、ナビストック数を獲得することができないというペナルティが遊技者に課される。
[ポイント関連処理]
第1AT抽選においてATに制御すると決定される確率に関与するポイントは、サブ制御部91により、演出制御処理に含まれるポイント関連処理が実行されることにより、付与され、管理される。また、サブ制御部91によりポイント関連処理が実行されることにより、ポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出が実行される。図12は、サブ制御部91により実行されるポイント関連処理を説明するためのフローチャートである。
まず、S1においては、所定のポイント付与条件が成立しているか否かが判定される。図13(a)は、ボーナス以外であるときに成立し得るポイント付与条件を説明するための図であり、図13(b)は、ボーナス中において成立し得るポイント付与条件を説明するための図である。
まず、図13(a)を参照して、ボーナス以外であるときには、メロン、イチゴ1、およびイチゴ2の少なくともいずれかに当選することあるいはイチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選することを条件として成立する。より具体的には、ボーナス以外の遊技状態である場合にメロン、イチゴ1、およびイチゴ2の少なくともいずれかに当選したときには、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いた所定の抽選で当選することを条件として、ポイント付与条件が成立する。当該所定の抽選で当選する確率は、たとえば、遊技状態が通常遊技状態であるときに5%に設定されており、遊技状態が通常遊技状態以外であるときに10%に設定されている。すなわち、メロン、イチゴ1、およびイチゴ2の少なくともいずれかに当選したときであっても、遊技状態が通常遊技状態以外であるときの方が通常遊技状態であるときよりも高い割合でポイント付与条件が成立する。よって、ポイント付与条件が成立しやすい点において、通常遊技状態であるときよりも、通常遊技状態以外のたとえば準備モードや有利RTなどであるときの方が、遊技者にとって有利であるといえる。
なお、ボーナス以外の遊技状態であるときにメロン、イチゴ1、およびイチゴ2の少なくともいずれかに当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように、所定の報知抽選の結果に応じて報知され得る。
また、ボーナス以外の遊技状態である場合にイチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選したときには、原則として、必ずポイント付与条件が成立する。このため、ボーナス以外の遊技状態である場合にイチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように少なくとも所定数(たとえば1)のポイントが付与された旨、報知される。
次に、図13(b)を参照して、ボーナス中においては、メロンあるいは1枚役1が単独で当選することを条件として成立する。なお、図7で示したように、小役が単独で当選し得るボーナスは、RB1中のみとなる。
RB1中であるときにメロンに単独当選(抽選対象役としてメロンのみが読み出されて当選)したときには、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いた所定の抽選で当選することを条件として、ポイント付与条件が成立する。当該所定の抽選で当選する確率は、たとえば10%に設定されている。
なお、RB1中にいずれかの小役が単独で当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように、所定の報知抽選の結果に応じて報知され得る。
また、RB1中であるときに1枚役1に単独当選(抽選対象役として1枚役1のみが読み出されて当選)したときには、原則として必ずポイント付与条件が成立する。RB1中であるときに1枚役1に単独当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように、少なくとも所定数(たとえば1)のポイントが付与された旨、報知される。
なお、当選により必ずポイント付与条件が成立する場合には、所定数のポイントが付与された旨を報知されるものに限らず、後述するS2において決定される付与ポイントを正確に報知するものであってもよい。
図12に戻り、S1において、図13に示した状態に応じたポイント付与条件が成立したと判定されなかったときには、そのままポイント関連処理を終了する。一方、S1においてポイント付与条件が成立していると判定されたときには、S2において、遊技者に付与し得る付与ポイントが設定される。
図14は、S2において付与ポイントを決定するためのテーブルを説明するための図である。ボーナス以外であるときにポイント付与条件が成立したときには、図14のボーナス以外の欄に示されるように、付与ポイントとして、50%の割合で1ポイントに決定され、20%の割合で2ポイントに決定され、20%の割合で3ポイントに決定され、10%の割合で5ポイントに決定される。
ボーナス中であるときにポイント付与条件が成立したときには、図14のボーナス中の欄に示されるように、付与ポイントとして、85%の割合で1ポイントに決定され、10%の割合で2ポイントに決定され、4%の割合で3ポイントに決定され、1%の割合で5ポイントに決定される。
このように、ポイント付与条件がボーナス中に成立したときよりも、ボーナス以外で成立したときの方が、高い割合で、より多いポイントが付与ポイントとして決定される。
なお、ポイント付与条件が成立したときの遊技状態に応じて異なる割合で付与ポイントが決定されるように構成してもよい。より具体的には、ポイント付与条件が成立したときの遊技状態に応じたテーブルを参照して、付与ポイントが決定されるように構成してもよい。これにより、より多いポイントが付与されることに対する期待感を、ポイント付与条件が成立したときの遊技状態によって異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ポイント付与条件が成立する契機となった入賞役の種類に応じて異なる割合で付与ポイントが決定されるように構成してもよい。より具体的には、ポイント付与条件が成立する契機となった入賞役の種類に応じたテーブルを参照して、付与ポイントが決定されるように構成してもよい。これにより、より多いポイントが付与されることに対する期待感を、ポイント付与条件が成立する契機となった入賞役の種類によって異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図12のS2においては、図14に示すテーブルを参照して付与ポイントを決定し、該決定された付与ポイントを特定するための付与ポイント情報をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cの付与ポイント情報に基づき、今回のポイント付与条件が成立したことに起因する付与ポイントを特定する。
なお、本実施の形態においては、S1においてポイント付与条件が成立しているか否かを判定し、成立しているときにS2において付与ポイントを決定する例について説明したが、ポイントを付与するか否かおよび付与ポイントの決定に関しては、これに限らず、1回の抽選でポイントを付与するか否かおよび付与ポイントが決定されるように構成してもよい。例えば、ボーナス以外の遊技状態であり、通常遊技状態中にメロン当選したときに、ポイント0〜5のうちいずれにするかを決定するように構成してもよい。この場合、ポイント0に決定されたときには、ポイントが付与されないことになる。
S3においては、ポイント付与の契機となった今回のポイント付与条件が、所定数のポイントが付与された旨を必ず報知する条件であったか否かが判定される。すなわち、今回のポイント付与条件が、図13(a)に示すボーナス以外の遊技状態であるときにイチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選することにより成立した条件、あるいは図13(b)に示すボーナス中であるときに1枚役1に単独当選することにより成立した条件のいずれかであるかが判定される。
S3において、ポイント付与条件が所定数のポイントが付与された旨を必ず報知する条件であったと判定されたときには、所定数のポイントが付与された旨を報知するために後述するS8へ移行される。本実施の形態においては、たとえば報知ポイントとしてポイント「1」に決定される。
一方、S3において、ポイント付与条件が所定数のポイントが付与された旨を必ず報知する条件であったと判定されなかったときには、ポイントが付与された旨を報知するか否かの決定および報知する場合のポイント数の決定を行なう報知抽選するためにS4へ移行される。
S4においては、差数対応報知抽選が行なわれる。差数対応報知抽選とは、実際に付与されたポイントの総数と、報知されたポイントの総数との差数に応じて、今回ポイント付与条件が成立してS2において設定された付与ポイントを報知するか否かの抽選、S2において設定された付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選、およびS2において設定された付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイント低いポイントを報知するかの抽選を含む。なお、差数は、S4において、後述する付与ポイント総数(S10で更新)と報知ポイント総数(S9で更新)とから算出される。具体的に、差数は、付与ポイント総数から報知ポイント総数を差し引いた値である。
図15は、差数対応報知抽選を行なうためのテーブルを説明するための図である。本実施の形態における差数対応報知抽選では、まず、図15(a)の差数対応テーブルAを参照して、差数に応じてポイントを報知するか否かの抽選が行なわれる。
差数が「0」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、30%の割合で報知するに決定され、70%の割合で報知しないに決定される。差数が「1」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、40%の割合で報知するに決定され、60%の割合で報知しないに決定される。
差数が「2」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、50%の割合で報知するに決定され、50%の割合で報知しないに決定される。差数が「3以上」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、70%の割合で報知するに決定され、30%の割合で報知しないに決定される。
このように、図15(a)の差数対応テーブルAは、ポイントが付与された旨を、差数が小さい程、高い割合で報知しないに決定され、差数が大きい程、高い割合で報知するに決定される。これにより、すでに差数が大きいときに、さらに報知されないことにより差数が大きくなり過ぎることを防止することができる。
図15(a)の差数対応テーブルAを参照して、報知するに決定された場合には、さらに図15(b)の差数対応テーブルBを参照して、S2において設定された付与ポイントおよび差数に応じて、当該付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選および当該付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイントを報知するか報知する報知ポイントを決定する抽選が行なわれる。正確に報知しない場合には、付与ポイントよりも遊技者にとって演出状態抽選において有利度合いが低くなるポイント、すなわち付与ポイントよりも少ないポイントから報知ポイントが決定される。
付与ポイントが「1」である場合には、差数に関わらず、報知ポイントとして、100%の割合でポイント「1」に決定される。付与ポイントが「2」である場合で、差数が「0〜2」である場合には、報知ポイントとして、30%の割合でポイント「1」に決定され、70%の割合でポイント「2」に決定される。付与ポイントが「2」である場合で、差数が「3以上」である場合には、報知ポイントとして、20%の割合でポイント「1」に決定され、80%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、差数が「0〜2」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「1」に決定され、20%の割合でポイント「2」に決定され、70%の割合でポイント「3」に決定される。付与ポイントが「3」である場合で、差数が「3以上」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「2」に決定され、90%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、差数が「0〜2」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「2」に決定され、20%の割合でポイント「3」に決定され、70%の割合でポイント「5」に決定される。付与ポイントが「5」である場合で、差数が「3以上」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「3」に決定され、90%の割合でポイント「5」に決定される。
このように、図15(b)の差数対応テーブルBは、差数が小さい程、高い割合で付与ポイントよりもより少ないポイントが付与された旨が報知されるように報知するポイントが決定され、差数が大きい程、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知するポイントが決定される。また、付与ポイントが多い程、高い割合で正確に報知される。これにより、すでに差数が大きいときや、付与ポイントが多く差数を生じさせやすい場合に、さらに少ないポイントが報知されてしまうことにより差数が大きくなり過ぎることを防止することができる。
本実施の形態における差数対応報知抽選では、図15(a)および(b)のテーブルを用いて報知するか否か、および報知ポイントを決定する例について説明したが、これに限らず、図15(a)のテーブルのみを用いて差数に応じて報知するか否かのみを決定し、報知すると決定されたときにはS2において設定された付与ポイントを正確に報知するように構成してもよい。また、図15(b)のテーブルのみを用いて差数に応じて報知ポイントを決定するように構成してもよい。
図12に戻り、S5においては、S4の差数対応報知抽選によりポイントが付与された旨を報知すると決定されたか否かが判定される。報知すると決定されたときには、S4において決定されたポイントが付与された旨を報知するために後述するS8へ移行される。一方、S5において報知すると決定されなかったときには、S6へ移行される。
S6においては、総数対応報知抽選が行なわれる。総数対応報知抽選とは、付与ポイント総数(ボーナス以外においては通常付与ポイント総数、ボーナス中においてはボーナス中付与ポイント総数)に応じて、今回ポイント付与条件が成立してS2において設定された付与ポイントを報知するか否かの抽選、S2において設定された付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選、およびS2において設定された付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイント低いポイントを報知するかの抽選を含む。正確に報知しない場合には、後述する演出状態抽選などにおいて実際の付与ポイントよりも遊技者にとって有利度合いが低くなるポイント、すなわち付与ポイントよりも少ないポイントから報知ポイントが決定される。なお、実際に付与されたポイントの総数は、後述する付与ポイント総数から特定される。
図16は、総数対応報知抽選を行なうためのテーブルを説明するための図である。本実施の形態における総数対応報知抽選では、まず、図16(a)の総数対応テーブルAを参照して、実際に付与されたポイントの総数に応じてポイントを報知するか否かの抽選が行なわれる。
ボーナス中以外において付与されたポイントの総数が「0〜2」であるとき、あるいはボーナス中において付与されたポイントの総数が「0〜1」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、80%の割合で報知するに決定され、20%の割合で報知しないに決定される。
ボーナス中以外において付与されたポイントの総数が「3〜5」であるとき、あるいはボーナス中において付与されたポイントの総数が「2〜3」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、50%の割合で報知するに決定され、50%の割合で報知しないに決定される。
ボーナス中以外において付与されたポイントの総数が「6〜10」であるとき、あるいはボーナス中において付与されたポイントの総数が「4〜5」であるときには、S2において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、10%の割合で報知するに決定され、90%の割合で報知しないに決定される。
このように、図16(a)の総数対応テーブルAは、ポイントが付与された旨を、付与されたポイントの総数が少ない程、高い割合で報知するに決定され、付与されたポイントの総数が多い程、高い割合で報知しないに決定される。これにより、少ないポイントしか付与されていないときに、高い割合で報知することにより、少ないポイントについては付与されていることを遊技者に認識させ安心させることができる。一方、多いポイントが付与されているときに、高い割合で報知されないことにより、報知ポイントから遊技者が認識しているポイントよりも実際には多いポイントが付与されている可能性を高めることができ、期待感をより持続させることができる。
図16(a)の総数対応テーブルAを参照して、報知するに決定された場合には、さらに図16(b)の総数対応テーブルBを参照して、S2において設定された付与ポイントおよびすでに付与されたポイントの総数に応じて、当該付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選および当該付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイントを報知するか報知する報知ポイントを決定する抽選が行なわれる。
付与ポイントが「1」である場合には、付与されたポイントの総数に関わらず、報知ポイントとして、100%の割合でポイント「1」に決定される。付与ポイントが「2」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「0〜2」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、30%の割合でポイント「1」に決定され、70%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「2」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「3〜5」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「2〜3」である場合には、報知ポイントとして、50%の割合でポイント「1」に決定され、50%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「2」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「6〜10」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「4〜5」である場合には、報知ポイントとして、90%の割合でポイント「1」に決定され、10%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「0〜2」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「1」に決定され、20%の割合でポイント「2」に決定され、70%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「3〜5」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「2〜3」である場合には、報知ポイントとして、20%の割合でポイント「1」に決定され、30%の割合でポイント「2」に決定され、50%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「6〜10」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「4〜5」である場合には、報知ポイントとして、50%の割合でポイント「1」に決定され、30%の割合でポイント「2」に決定され、20%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「0〜2」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「3」に決定され、90%の割合でポイント「5」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「3〜5」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「2〜3」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「1」に決定され、10%の割合でポイント「2」に決定され、30%の割合でポイント「3」に決定され、50%の割合でポイント「5」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「6〜10」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「4〜5」である場合には、報知ポイントとして、30%の割合でポイント「1」に決定され、30%の割合でポイント「2」に決定され、30%の割合でポイント「3」に決定され、10%の割合でポイント「5」に決定される。
このように、図16(b)の総数対応テーブルBは、付与されたポイントの総数が少ない程、高い割合で付与ポイントあるいは付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように、付与されたポイントの総数が多い程、高い割合で付与ポイントよりもより少ないポイントが付与された旨が報知されるように報知するポイントが決定される。これにより、少ないポイントしか付与されていないときに、高い割合で正確に報知することにより、少ないポイントについては付与されていることを遊技者に認識させ安心させることができる。一方、多いポイントが付与されているときに、高い割合で付与ポイントよりも少ないポイントが報知されることにより、報知ポイントから遊技者が認識しているポイントよりも実際には多いポイントが付与されている可能性を高めることができ、期待感をより持続させることができる。
本実施の形態における総数対応報知抽選では、図16(a)および(b)のテーブルを用いて報知するか否か、および報知ポイントを決定する例について説明したが、これに限らず、図16(a)のテーブルのみを用いて総数に応じて報知するか否かのみを決定し、報知すると決定されたときにはS2において設定された付与ポイントを正確に報知するように構成してもよい。また、図16(b)のテーブルのみを用いて総数に応じて報知ポイントを決定するように構成してもよい。
また、本実施の形態における報知抽選として、差数対応報知抽選および総数対応報知抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、いずれか一方のみを行なうように構成してもよい。また、差数対応報知抽選を行なった後に総数対応報知抽選を行なう例について説明したが、総数対応報知抽選を行なった後に差数対応報知抽選を行なうように構成してもよい。
また、本実施の形態における報知抽選では、差数や総数に応じて、報知するか否か、および報知ポイントを決定する例について説明したが、これに限らず、報知抽選では、差数や総数に関わらず、S2で設定される付与ポイントに応じて、報知するか否か、および報知ポイントを決定するように構成してもよい。
図12に戻り、S7においては、S6の総数対応報知抽選によりポイントが付与された旨を報知すると決定されたか否かが判定される。報知すると決定されたときには、S6において決定されたポイントが付与された旨を報知するために後述するS8へ移行される。一方、S7において報知すると決定されなかったときには、ポイントが付与された旨を報知するための処理を行なうことなく、S10へ移行される。
S8においては、ポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出を実行するための報知処理が行なわれる。報知処理においては、S3においてYESと判定されたときには、ポイント付与演出として、たとえばポイント「1」が付与された旨を特定可能な情報を報知(当該ゲーム開始時または終了時において「ポイント1獲得!!」といったメッセージを表示)するための処理が行なわれる。また、報知処理においては、ポイント付与演出として、S4またはS6において決定されたポイントが付与された旨を特定可能な情報を報知(たとえば、ポイント「2」が付与された旨を報知する場合には、当該ゲーム開始時または終了時において「ポイント2獲得!!」といったメッセージを表示)するための処理が行なわれる。
なお、ポイント付与演出は、上記態様で実行されるものに限らず、付与されたポイント数に応じた態様で実行される演出であれば、どのような態様で実行されるものであってもよい。
S9においては、S8の処理により遊技者に報知されたポイントの総数である報知ポイント総数を特定するための報知ポイント総数情報を更新する。なお、S8において報知されるポイント付与演出としては、報知ポイント総数を特定するための情報(たとえば、「獲得ポイント総数5!!」といったメッセージを表示)を報知してもよい。
報知ポイント総数情報は、RAM91cの所定領域に格納されており、S8においてポイントが付与された旨が報知される毎に当該ポイント分加算更新される。なお、当該報知ポイント総数情報は、ボーナス当選すること、あるいは演出状態をATモードに制御する決定がされることによりリセットされる。
S10においては、S2の処理により実際に付与されたポイントの総数である付与ポイント総数を特定するための付与ポイント総数情報を更新する。付与ポイント総数情報は、RAM91cの所定領域に格納されており、S2において付与ポイントが設定され報知抽選などが行なわれた後に当該付与ポイント分加算更新される。
本実施の形態における付与ポイント総数情報は、ボーナス当選して演出状態抽選が行なわれたこと、あるいは演出状態をATに制御する決定がされたことによりリセットされる。なお、付与ポイント総数情報は、ボーナス当選して演出状態抽選が行なわれたこと、あるいは演出状態をATに制御する決定がされたことによりリセットされるものに限らず、ボーナス当選して演出状態抽選が行なわれた後、あるいは演出状態をATに制御する決定がされた後においても当該付与ポイント総数のうち所定数のポイント(たとえば、2ポイント)を持ち越すようにしてもよい。
なお、本実施の形態においては、付与ポイント総数の上限として、ボーナス中以外においては「10」が、ボーナス中においては「5」が、各々予め設定されている。このため、S2において設定された付与ポイントを、今回のポイント付与条件が成立するまでの付与ポイント総数に加算すると、前述した上限値を超える場合には、付与ポイント総数として上限値が設定される。これに伴い、報知ポイント総数についても、上限として、ボーナス中以外においては「10」が、ボーナス中においては「5」が、各々予め設定されている。このため、S8においては、報知抽選などで決定されたポイントを報知すると、報知ポイント総数との関係から、前述した上限値を超える場合には、上限値になるポイントが付与された旨が報知される。
なお、報知ポイント総数がすでに上限値である場合には、ポイントが付与されなかったときと同様に報知されない。よって、S2において付与ポイントが設定された後において、報知ポイント総数がすでに上限値である場合にはそのままポイント関連処理を終了させ、報知ポイント総数が上限値に満たない場合にのみS3へ移行するように構成してもよい。
以上のように、本実施の形態においては、ポイント付与条件が成立したときに、差数や実際に付与されているポイントの総数に応じて、報知するか否かおよび報知する場合の報知ポイントが決定され、当該決定結果にしたがって報知される。また、報知ポイントは、実際に付与された付与ポイントよりも、遊技者にとって演出状態抽選において有利度合いが低くなるポイントから報知ポイントが決定される。このため、報知ポイントから遊技者が認識するポイントは、実際に付与されたポイントの総数以下となる。その結果、実際に付与されているポイントの総数が報知ポイントから特定されるポイントの総数よりも多いかもしれないと遊技者に期待感を抱かせることができ、報知ポイントから特定されるポイントの総数よりも遊技者にとって演出状態抽選において有利な演出状態に決定されることに対し大きな期待感を抱かせることができる。
なお、ペナルティ設定処理においてペナルティが課されているペナルティ期間中においては、当該ポイント関連処理が実行されない。すなわち、ポイント付与条件が成立したときであってもポイントを獲得することができないというペナルティが遊技者に課される。よって、原則として必ずポイントが付与されるイチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選したときであっても、ペナルティ期間中においては、ポイントが付与されない。なお、ポイントに関するペナルティとしては、付与ポイント総数情報をリセットするものであってもよい。
[第2AT抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれる第2AT抽選処理を実行することにより、第2AT抽選を行なう。第2AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときに第2AT抽選が実行される。図17は、第2AT抽選を実行する契機となる抽選条件の一例を説明するための図である。また、図18は、第2AT抽選において参照されるテーブルの一例を説明するための図である。
図17の通常遊技状態の欄に示すように、現在の遊技状態が通常遊技状態であるときには、演出状態がATであるか否かに関わらず、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図18(a)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき現在の遊技状態を特定し、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づきボーナス当選したことを特定する。
図18(a)に示すテーブルが参照された場合、50%の割合でナビストック数が0に決定され、30%の割合でナビストック数が2に決定され、10%の割合でナビストック数が4に決定され、7%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
なお、ボーナス終了後においては、第2AT抽選で決定されたナビストック数だけでなく、前述したボーナス当選による第1AT抽選で決定されたナビストック数とボーナス終了による第1AT抽選で決定されたナビストック数との合計数に応じて、ATに制御される。なお、ナビストック数の合計数については、上限数(たとえば、20)を設け、合計数が上限数以上となる場合には上限数が設定されるように構成してもよい。
また、準備モードであるときには、図17の準備モードの欄に示すように、30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎、あるいはボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図18(b)に示すテーブルのうち成立した抽選条件に対応するテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。
第2AT抽選処理においては、準備モードに制御されてから消化したゲーム数を特定するために、たとえば準備モードに制御されてから、メイン制御部41からの遊技状態コマンドを受信する毎に所定のゲーム数カウンタをカウントアップする処理が行なわれる。サブ制御部41は、当該ゲーム数カウンタの値から、準備モードに制御されてから消化したゲーム数を特定し、図17に示す抽選条件を満たすゲーム数であるときに、第2AT抽選が実行される。たとえば、準備モードに制御されてから5回目のゲームが終了したときに、5ゲーム消化したと判定されて、第2AT抽選が実行される。なお、所定のゲーム数カウンタの値は、30に達したこと、転落リプレイ入賞したこと、ボーナス当選したことなどによりリセットされる。
準備モードに制御されてから5ゲーム消化したと判定されたときには、図18(b)に示す5G消化時のテーブルを参照して、99%の割合でナビストック数が0に決定され、1%の割合でナビストック数が2に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計10ゲーム消化したと判定されたときには、図18(b)に示す10G消化時のテーブルを参照して、98%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計15ゲーム消化したと判定されたときには、図18(b)に示す15G消化時のテーブルを参照して、95%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が2に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計20ゲーム消化したと判定されたときには、図18(b)に示す20G消化時のテーブルを参照して、90%の割合でナビストック数が0に決定され、7%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計25ゲーム消化したと判定されたときには、図18(b)に示す25G消化時のテーブルを参照して、70%の割合でナビストック数が0に決定され、20%の割合でナビストック数が2に決定され、5%の割合でナビストック数が4に決定され、3%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計30ゲーム消化したと判定されたときには、図18(b)に示す30G消化時のテーブルを参照して、60%の割合でナビストック数が2に決定され、25%の割合でナビストック数が4に決定され、10%の割合でナビストック数が6に決定され、3%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。なお、図18(b)に示す30G消化時のテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず2以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、準備モードにおいてボーナス当選したときには、図18(b)に示すボーナス当選時のテーブルを参照して、30%の割合でナビストック数が2に決定され、35%の割合でナビストック数が4に決定され、20%の割合でナビストック数が6に決定され、10%の割合でナビストック数が8に決定され、5%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。なお、図18(b)に示すボーナス当選時のテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず2以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、有利RTであるときには、図17の有利RTの欄に示すように、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図18(c)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。
図18(c)に示すテーブルが参照された場合、60%の割合でナビストック数が2に決定され、25%の割合でナビストック数が4に決定され、10%の割合でナビストック数が6に決定され、3%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
なお、図18(c)に示すテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず2以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
ここで、遊技状態が、通常遊技状態、準備モード、および有利RT各々であるときに実行される第2AT抽選における、遊技者にとっての有利度合いを対比する。遊技者にとっての有利度合いとは、たとえば、AT抽選においてナビストック数を獲得する割合すなわちATに制御される割合の高低、AT抽選においてより多いナビストック数に決定される割合の高低などをいう。
まず、ボーナス当選することにより抽選条件が成立した場合、通常遊技状態であるときに実行される第2AT抽選においては、図18(a)に示すテーブルが参照され、準備モードあるいは有利RTであるときに実行される第2AT抽選においては、図18(c)に示すテーブルあるいは図18(b)のボーナス当選時に示すテーブルが参照される。このため、準備モードあるいは有利RTであるときの方が、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でナビストック数を獲得し、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定される。すなわち、準備モードあるいは有利RTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、準備モードあるいは有利RTであるときには、通常遊技状態であるときよりも、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、準備モードにおいては、ボーナス当選せずとも、30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎に、図18(b)に示す5G〜30G消化時のテーブルが参照されて第2AT抽選される。このため、準備モードにおいては、少なくとも通常遊技状態であるときよりも、より高い割合でATに制御されることになる。また、準備モードにおいては、前述したように、ボーナス当選することにより、少なくとも通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、準備モードにおいては、ATに制御されることに対し期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、準備モードにおいては、図18(b)の5G〜30G消化時のテーブルに示すように、消化ゲーム数に比例して、ATに制御される割合、およびより多いナビストック数に決定される割合各々が高くなるように、当選率が設定されている。特に、30ゲーム消化したときには、原則として、必ずナビストックを獲得する。これにより、準備モードにおいては、ブドウを取りこぼさずに特殊出目を停止させることなく当該準備モードが維持されて極力多い回数ゲーム消化することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、準備モードあるいは有利RTにおいて、ボーナス当選することにより実行される第2AT抽選では、準備モードであるときに図18(b)のボーナス当選時のテーブルが参照され、有利RTであるときに図18(c)に示すテーブルが参照される。このため、準備モードあるいは有利RTのいずれでもボーナス当選により当該ボーナス終了後において必ずナビストックを獲得するが、準備モードであるときの方が、有利RTであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定される。すなわち、準備モードにおいては、有利RTであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、準備モードでボーナス当選すること、すなわち極力早い段階でボーナス当選することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、現在の遊技状態がRB1であるときには、1枚役2に当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図18(d)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。
図18(d)に示すテーブルが参照された場合、40%の割合でナビストック数が8に決定され、60%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。このため、1枚役2に当選することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、1枚役2は、RB1中においてのみ抽選される入賞役であるため、当該RB1に制御されることに対する期待感を抱かせることができる。なお、比較的多くのナビストックを獲得する契機の一例となる入賞役として、1枚役2に当選することを例に説明したが、これに限らず、他の特定の入賞役であってもよく、また入賞することを条件とするものであってもよく、その他の条件であってもよい。
以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91により行なわれる第2AT抽選処理により、現在の遊技状態に応じて定められた抽選条件が成立したか否かが判定され、抽選条件が成立したときには第2AT抽選が行なわれる。
なお、ペナルティ設定処理においてペナルティが課されているペナルティ期間中には、第2AT抽選が行なわれない。すなわち、ボーナス当選、準備モードで所定ゲーム消化、あるいはRB1中に1枚役2当選しても第2AT抽選を行なわず、ナビストック数を獲得することができないというペナルティが遊技者に課される。
また、1回のAT抽選で8以上のナビストック数に決定されて、一挙に8以上のナビストック数を獲得したときには、多数決定時カウンタを設定するための処理が行なわれる。1回のAT抽選で8以上のナビストック数に決定されるとは、たとえば、図10のテーブルを参照する第1AT抽選において8以上のナビストックに決定されたとき、図11のテーブルを参照する第1AT抽選において8以上のナビストックに決定されたとき、図18に示すいずれかのテーブルを参照する第2AT抽選において8以上のナビストックに決定されたときなど、1回のAT抽選条件成立に対応して実行されるAT抽選において8以上のナビストック数に決定されることをいう。多数決定時カウンタとは、1回のAT抽選において8以上の比較的多いナビストック数に決定(以下、多数決定ともいう)された旨を、該多数決定により獲得したナビストック数消化して当該ナビストック数分ATに制御されるまで特定可能にするために、RAM91cの所定領域に格納されるカウンタをいう。
たとえば、1回のAT抽選においてナビストック数として8に決定されたときには、多数決定時カウンタの値として7が設定され、1回のAT抽選においてナビストック数として10に決定されたときには、多数決定時カウンタの値として9が設定される。また、多数決定時カウンタの値が0より大きい値に設定されているときに、さらに多数決定されたときには当該多数決定されたナビストック数に対応する値を加算した値に更新される。
多数決定時カウンタの値が1以上であるときには、多数決定時カウンタの値が0であるときよりも高い割合で潜伏期間が長くなる。潜伏期間とは、ナビストックを1消費することにより所定回数ゲーム消化するまで制御されるATが終了した後において再びATに制御させるための開始条件が成立し得るタイミングを強制的に遅らせる期間など、ATが終了した後に再び報知期間となり得るまでの期間、すなわちATを潜伏させる期間をいう。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、通常遊技状態あるいは有利RTであるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグおよび潜伏期間に基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、サブ制御部91は、ボーナス終了後の準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときにおいて、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。すなわち、ボーナス当選前からのナビストックが残っているとき、ボーナス当選あるいはボーナス終了によるAT抽選の結果によりATに制御する決定がされたとき、準備モードにおける5ゲーム毎のAT抽選の結果によりATに制御する決定がされたとき、および1枚役2当選によりATに制御する決定がされたときには、準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときに、ATに制御される。通常遊技状態においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。
ATに制御されているときであって、通常遊技状態から有利RTに制御されるときには、ナビストック数を1ポイント消費(減算)することによるATへの開始条件が成立し、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、ARTに制御する。なお、ナビストック数を1ポイント消費したときには、1減算したナビストック数を示すATフラグに更新される。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行なうことにより、ARTであるときには、消化したゲーム数を計数して、所定回数に到達したときには非ATに制御する。このときに、ATフラグが示すナビストック数が0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。すなわち、一連のATの終了条件は、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるときに成立する。
非ATに制御されたときのATフラグからATでない旨が特定されたときには、再度ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。これにより、有利RTであるときには、特殊出目停止や転落リプレイ入賞する可能性が高まり、通常遊技状態に制御される可能性が高まる。
一方、非ATに制御されたときのATフラグから特定されるナビストック数が1以上であれば、次回のATに制御可能となるまでの潜伏期間を決定するための潜伏期間決定処理が実行される。
図19は、サブ制御部91により実行されるAT管理処理に含まれる潜伏期間決定処理を説明するためのフローチャートである。潜伏期間決定処理は、ナビストック1に対応するAT終了後における非ATにおいて最初のゲームが開始されるまでに実行されるものであればよく、その一例として、本実施の形態ではナビストック1に対応するATが終了するゲーム終了時に実行される。また、図20は、潜伏期間を決定するためのテーブルを説明するための図である。図20に示すテーブルは、ROM91bに格納されている。
まず、図19を参照して、SA01においては、多数決定時カウンタの値が0であるか否か、すなわち多数決定されていない状態あるいは多数決定により獲得したナビストック数をすでに消化完了した状態であるか否か判定する。
SA01において、多数決定カウンタの値が0であると判定されたとき、すなわち多数決定されていない状態あるいは多数決定により獲得したナビストック数をすでに消化完了した状態であると判定されたときには、SA02において、短潜伏連続カウンタの値が4以下であるか否かが判定される。
短潜伏連続カウンタとは、潜伏期間として、比較的短い期間(たとえば0〜20ゲーム)が連続して設定された回数を特定するためのカウンタであって、RAM91cの所定領域に格納される。短潜伏連続カウンタは、当該潜伏期間決定処理において、比較的短い期間が決定されたときに1加算され、比較的長い期間(たとえば70〜100ゲーム)が決定されたときや、ナビストック数が0となりATでない旨を示すATフラグとなり一連のATが終了したときに、リセット(0に戻す)される。このため、短潜伏連続カウンタは、それ以前の潜伏期間として比較的長い期間が設定されていない回数を特定するためのカウンタであるともいえる。SA02では、比較的短い期間の連続回数が4以下であるか否かが判定される。換言すれば、SA02では、一連のATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数がすでに5回に達しているか否か、すなわち、一連のATにおける過去5回の潜伏期間のうちいずれもが比較的短い期間に決定されており特殊条件が成立しているか否かが判定される。
SA02において短潜伏連続カウンタの値が4以下であると判定されたとき、すなわち一連のATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数が4以下であり、比較的短い期間が未だ5回以上連続していないときには、SA03において比較的短い潜伏期間のみを選択し得る短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を設定する。なお、SA02においては、短潜伏連続カウンタの値が4以下である。
ここで、短潜伏用テーブルについて説明する。図20(a)は、SA03で参照される短潜伏用テーブルを説明するための図である。短潜伏用テーブルが参照されたときには、潜伏期間として、70%の割合で0ゲームに決定され、20%の割合で10ゲームに決定され、10%の割合で20ゲームに決定される。よって、短潜伏用テーブルが参照されたときには、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均化した期間(期待値)が、ゲーム数×当選率の和から、10×0.2+20×0.1=4ゲームとなる。
潜伏期間として0ゲームに決定されたときには、AT終了後における非ATにおいて最初のゲームから再びATに制御可能となる。潜伏期間として10ゲームあるいは20ゲームに決定されたときには、AT終了後における非ATにおいて対応するゲーム数消化してから再びATに制御可能となる。
短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間は、いずれも、ナビストック数を1消費して制御されるATにおいて、ナビ演出にしたがって停止操作することにより払出される期待メダル枚数から賭数設定に用いられるメダル枚数を差し引いて算出されるAT中平均増減枚数以上のメダルを消費しないゲーム数に設定されている。以下、この点について説明する。
まず、通常遊技状態、および有利RT各々において、非ATおよびATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数を算出する。なお、1ゲーム当りの平均増減枚数を算出するに際しては、小役についてはブドウあるいはバナナブドウが高確率で当選し、かつ入賞したときに比較的多くのメダルを払出すため、当該ブドウおよびバナナブドウのみに着目する。ブドウ当選確率は、2600/65536である。また、バナナブドウ当選確率は、2600×6/65536である。また、バナナブドウを含むブドウに当選しているときに、ブドウを入賞させる操作手順で操作できる確率(引込率)は1/3であり、バナナブドウを入賞させる操作手順で操作できる確率(引込率)は1/6である。よって、バナナブドウを含むブドウに当選しているときにおけるブドウあるいはバナナブドウの引込率は、1/2である。また、1ゲームの賭数は、3枚である。
これらより、まず、通常遊技状態において非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(バナナブドウを含むブドウ当選確率×9枚払出×引込率)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となり、−1.15枚となる。
また、通常遊技状態においてATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(バナナブドウを含むブドウ当選確率×9枚払出)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、−0.008枚となる。
また、有利RTにおいて非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(バナナブドウを含むブドウ当選確率×9枚払出×引込率)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、+0.259枚となる。
また、有利RTにおいてATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(バナナブドウを含むブドウ当選確率×9枚払出)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、+1.33枚となる。
また、有利RTであるが非ATであるときには、前述したように当該有利RTを約6.6ゲームしか継続できない。また、有利RTであるが非ATとなり通常遊技状態に制御された後、当該通常遊技状態において潜伏期間が経過してATとなってから再び有利RTに制御には、昇格リプレイ当選確率が7200/65536であることより、約9.1ゲーム必要である。
これらより、短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち最も長い20ゲーム消化する間におけるメダルの増減枚数は、ATが終了したときの遊技状態が有利RTであり当該有利RTが6.6ゲーム継続した後通常遊技状態に制御されることを考慮すると、(+0.259)×6.6+(−1.15)×13.4≒(−13.7)となる。
一方、AT中平均増減枚数は、通常遊技状態が9.1ゲーム継続した後有利RTに制御されることを考慮すると、(−0.008)×9.1+(+1.33)×50≒(+66.4)となる。
よって、短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間は、いずれも、AT中平均増減枚数以上のメダルを消費しないゲーム数に設定されているといえる。
図19に戻り、SA04においては、比較的短い潜伏期間が設定されたために、短潜伏連続カウンタの値を1加算して潜伏期間決定処理を終了する。
一方、SA02において短潜伏連続カウンタの値が4以下でないと判定されたとき、すなわち一連のATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数が5以上であり、比較的短い期間が5回以上連続していると判定されたときには、SA07において長い潜伏期間を高確率で選択し得る長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を設定する。
ここで、長潜伏用テーブルについて説明する。図20(b)は、SA07で参照される長潜伏用テーブルを説明するための図である。長潜伏用テーブルが参照されたときには、潜伏期間として、10%の割合で10ゲームに決定され、20%の割合で70ゲームに決定され、70%の割合で100ゲームに決定される。よって、長潜伏用テーブルが参照されたときには、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均化した期間(期待値)が、ゲーム数×当選率の和から、10×0.1+70×0.2+100×0.7=85ゲームとなる。
図20(a)の短潜伏用テーブルと、図20(b)の長潜伏用テーブルとを対比する。短潜伏用テーブルが参照されたときには、高確率で潜伏期間として0ゲームに決定され、最大の潜伏期間として20ゲームまでしか決定されない。これに対し、長潜伏用テーブルが参照されたときには、短潜伏用テーブルが参照されたときには選択され得ない100ゲームや70ゲームが、高確率で決定される。
また、多数決定時カウンタの値が0であるときにおいて、長潜伏用テーブルは、短潜伏連続カウンタの値が4より大きい値であるときに参照され、短潜伏用テーブルは、短潜伏連続カウンタの値が4以下であるときに参照される。このため、比較的短い期間の連続回数が5回に達しているときには、比較的短い期間の連続回数が4回以下であるときよりも高い割合で、潜伏期間として比較的長い期間が設定される。
また、長潜伏用テーブルが参照されたときには、短潜伏用テーブルが参照されたときに比べて、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均化した平均ゲーム数が多くなるように決定される。
また、長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち、短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数である70ゲームおよび100ゲームは、いずれも、AT中平均増減枚数以上のメダルを消費するゲーム数以上に設定されている。この点について、前述した、通常遊技状態、および有利RT各々において、非ATおよびATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数を用いて以下に説明する。
長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間であって短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数のうちで最も短い70ゲーム消化する間におけるメダルの増減枚数は、ATが終了したときの遊技状態が有利RTであり当該有利RTが6.6ゲーム継続した後通常遊技状態に制御されることを考慮すると、(+0.259)×6.6+(−1.15)×63.4≒(−71.2)となる。一方、AT中平均増減枚数は、前述したように(+66.4)となる。
よって、長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち、短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数である70ゲームおよび100ゲームは、いずれも、AT中平均増減枚数以上のメダルを消費するゲーム数に設定されているといえる。
図19に戻り、SA08においては、SA07において長い潜伏期間が設定されたか否か判定する。
SA08において長い潜伏期間が設定されたと判定されたときには、長い潜伏期間が設定されたことに伴ない、SA09において短潜伏連続カウンタの値をリセット(0に戻す)して潜伏期間決定処理を終了する。これにより、次回の潜伏期間決定処理においてはSA03において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。なお、短潜伏連続カウンタの値は、ボーナス当選を契機としてリセット(0に戻す)して当該ボーナス終了後に引き継がないものであってもよく、またボーナス当選したとしても当該ボーナス終了後に引き継ぐものであってもよい。
一方、SA08において長い潜伏期間が設定されたと判定されなかったときには、SA04に移行して短潜伏連続カウンタの値を1加算して潜伏期間決定処理を終了する。これにより、多数決定時カウンタの値が0であるときでSA02において短潜伏連続カウンタの値が4より大きい値であると判定されながら、SA07において比較的長い潜伏期間が設定されなかったときには、次回の潜伏期間決定時においても再びSA07に移行させて長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を決定させることができる。
SA01において、多数決定時カウンタの値が0でないと判定されたときには、SA05において多数決定時カウンタの値を1減算する。このように、多数決定時カウンタは、ナビストック1消費によってATに制御され得る状態である潜伏期間となると1減算される。なお、多数決定時カウンタの値が0に到達するまでにボーナス当選したときには、当該多数決定時カウンタの値を、リセット(0に戻す)してもよく、また当該ボーナス終了後に引き継ぐものであってもよい。
SA06では、短潜伏連続カウンタの値が2以下であるか否か、すなわち比較的短い期間の連続回数が2回以下であるときで過去3回のいずれかの潜伏期間として比較的長い期間が決定されていたか否かが判定される。すなわち、SA02では、多数決定時カウンタの値が0であるときにおける特殊条件が成立しているか否かが判定されるのに対し、SA06では、多数決定時カウンタの値が0でないときにおける特殊条件が成立しているか否かが判定される。SA06において、短潜伏連続カウンタの値が2以下であると判定されたときにSA03以降の処理が行なわれ、短潜伏連続カウンタの値が2より大きい値であると判定されたときにSA08以降の処理が行なわれる。
すなわち、多数決定時カウンタの値が0より大きい値であるときには、多数決定時カウンタの値が0であるときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。
具体的には、たとえば、ナビストック数として8が設定されるときの一例として、ナビストックが2あるいは4残存している状態でAT抽選が行なわれて6あるいは4に決定されるときなど、複数回のAT抽選の合計により8となる場合と、1枚役2当選や抽選により1回のAT抽選により8となる場合とが生じ得る。このようにナビストック数として8が設定されているときであっても、1回のAT抽選により8が設定されたときには、複数回のAT抽選の合計により8が設定されたときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。
このため、仮に獲得したナビストック数が同じであっても、多数決定されたときには、多数決定されていないときよりも高い割合で、潜伏期間として長い期間が設定される。
また、潜伏期間中においては、後述するナビ可能期間を除き原則として、ナビ演出が実行されない。このため、バナナブドウに当選したときにブドウを確実に入賞させることができず取りこぼす可能性が高まる。また、特殊出目が停止する可能性、および転落リプレイが入賞する可能性が高まり、その結果、リプレイ当選確率が有利RTであるときよりも低下する通常遊技状態に制御される。より具体的には、前述したように、非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数が、通常遊技状態であるときには(−1.15枚)となり、有利RTであるときには(+0.259枚)であるが、共通の操作手順以外の操作手順で操作するとペナルティが課されるとともにそのようなペナルティを覚悟して操作したとしても前述したように6.6ゲーム程度しか継続させることができない。
このため、潜伏期間が長くなる程、ATと当該潜伏期間とを含めた一連のAT期間において、遊技者が獲得するメダル枚数から賭数の設定に用いたメダル枚数を差し引いて算出される一連のAT中増減枚数が小さくなる。その結果、仮に獲得したナビストック数が同じであったとしても、多数決定されたときには、多数決定されていないときよりも高い割合で、当該ナビストック数を消費して制御される一連のAT中増減枚数が小さくなる。
サブ制御部91は、AT管理処理を行なうことにより、ATフラグからATである旨が特定されているが非ATであるときには、潜伏期間決定処理で潜伏期間として設定されたゲーム数消化したか否かが判定される。潜伏期間であるゲーム数消化すると、ATの開始条件が再び成立可能となる。潜伏期間であるゲーム数消化したと判定された後においては、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ATの開始条件が成立する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプレイをいい、有利RTであるときにはブドウ+バナナブドウ、および転落リプレイをいう。
そして、ナビ対象役に当選したと判定されたときには、前述した内容と同様の処理が行なわれる。すなわち、通常遊技状態であるときには、ナビストック数を消費することなくATに制御されてナビ演出が実行可能となる。また、有利RTであるときには、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数ゲームを消化する間、ARTに制御される。これにより、ナビ演出が実行されるため、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、ブドウ入賞、あるいは転落リプレイ入賞回避させることができる。
以上のように、有利RTであるときには、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数のゲーム消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して一旦非ARTに制御されたときであっても、未だATフラグからATである旨が特定されナビストック数が1以上であるときには、潜伏期間を経過した後に、再びATに制御可能となる。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた期間に亘り、ATに制御可能となるといえる。また、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
また、本実施の形態においては、上記のナビストック数を獲得していないときであっても、前回のボーナス終了時から非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数(たとえば、500ゲーム)に到達したときに、次回ボーナス当選するまでATに制御される。本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれる天井ゲーム到達時処理を実行することにより、天井ゲーム数に到達したときにATに制御するための処理を行なう。
図21は、天井ゲーム到達時にAT制御するための天井ゲーム到達時処理を説明するためのフローチャートである。天井ゲーム到達時処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、たとえば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
S21においては、演出状態が非AT(潜伏期間を含む)であるか否かが判定される。S21において非ATであると判定されたときには、ペナルティ設定処理において設定されるペナルティ期間中あるいは潜伏期間中であるか否かがS22において判定される。
S22においてペナルティ期間中でも潜伏期間中でもないと判定されたときには、S23において前回のボーナスが終了してから非AT中に消化されたゲーム数を特定するための非ATゲーム数カウンタが1加算される。非ATゲーム数カウンタは、RAM91cの所定領域において更新される。
S24においては、S23において加算された非ATゲーム数カウンタの値が、予め定められた天井ゲーム数(たとえば500)に到達したか否かが判定される。S24において天井ゲーム数に到達していないと判定されたときにはそのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。一方、S24において天井ゲーム数に到達していると判定されたときには、次回のボーナスが発生するまで演出状態をATに制御するためのAT設定を行なう。たとえば、ATに制御するための強制ATフラグをRAM91cの所定領域に格納させて強制的にATに制御する。この強制ATフラグは、ボーナス発生時にクリアされる。これにより、非AT中に消化したゲーム数が天井ゲーム数に到達したときに、次回ボーナス発生するまでATに制御することができる。
一方、S22において、ペナルティ期間中あるいは潜伏期間中であると判定されたときには、そのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。これにより、ペナルティ期間中であるときには、1ゲームに関連して非ATゲーム数カウンタが加算されない。すなわち、ペナルティ期間中であるときには、非AT中に消化されるゲームであっても、天井ゲーム数に到達したか否かを判定するためのゲーム数として加算されない、という遊技者にとって不利益を課すことができる。また、潜伏期間中において、無駄に非ATゲーム数カウンタが加算されることを防止することができる。
また、本実施の形態においては、ATに制御されていないときであっても、ボーナスと同時当選し得る同時当選役に当選したときに、所定ゲームの間、ナビ演出を実行可能なナビ可能期間に制御される。本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれるナビ可能期間設定処理を実行することにより、同時当選役に当選したときにナビ可能期間に制御するための処理を行なう。
図22は、非AT中においてナビ演出を実行させるためのナビ可能期間設定処理を説明するためのフローチャートである。ナビ可能期間設定処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、たとえば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
S31においては、遊技状態が準備モード以外であって、かつ演出状態が非AT中(潜伏期間を含む)であるか否かが判定される。S31において準備モード以外かつ非AT中であると判定されたときには、今回ゲームの内部抽選において同時当選役(イチゴ1、イチゴ2)に当選したか否かが判定される。今回ゲームとは、開始されたゲームあるいは終了したゲームをいう。S31において準備モードであるかあるいは非AT中でないと判定されたとき、およびS32において同時当選役に当選していないと判定されたときにはそのままナビ可能期間設定処理を終了する。
一方、S32において同時当選役に当選したと判定されたときには、S33において実際にボーナスが同時当選したか否かが判定される。すなわち、図7に示す、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1のいずれかに当選したか否かが判定される。なお、S33においては、実際にボーナスが同時当選したか否かを判定するものに限らず、たとえば前回ゲーム以前に当選したボーナスが持ち越されている場合も生じえるため、単にボーナス当選しているか否かを判定するものであってもよい。
S33においてYESと判定されたときには、S34において特別ナビ期間が設定され、ナビ可能期間設定処理を終了する。一方、S33においてNOと判定されたときには、S35において通常ナビ期間が設定され、ナビ可能期間設定処理を終了する。
S34において特別ナビ期間が設定されたときには、たとえば、次のゲームから特別ナビ期間用の期間(たとえば5ゲーム消化する期間)に亘り、ナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が特別ナビ期間用の確率(たとえば90%)に従って実行される。一方、S35において通常ナビ期間が設定されたときには、たとえば、次のゲームから通常ナビ期間用の期間(たとえば3ゲーム消化する期間)に亘り、ナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が通常ナビ期間用の確率(たとえば50%)に従って実行される。
なお、特別ナビ期間用の期間は、本実施の形態では通常ナビ期間用の期間よりも長く設定されている例について説明するが、これに限らず、通常ナビ期間用の期間と同じであってもよく、また通常ナビ期間用の期間よりも短く設定されているものであってもよい。
また、特別ナビ期間中においてナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する特別ナビ期間用の確率は、本実施の形態では、通常ナビ期間中においてナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する通常ナビ期間用の確率よりも高く設定されている例について説明するが、これに限らず、通常ナビ期間用の確率と同じであってもよく、また通常ナビ期間用の確率よりも低く設定されているものであってもよい。
また、特別ナビ期間および通常ナビ期間は、本実施の形態では次のゲームから起算される例について説明するが、これに限らず、所定ゲーム数消化した後から起算するものであってもよく、また、ナビ対象役に当選したゲームから起算するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、S33においてボーナス当選していると判定されたときに特別ナビ期間を設定し、ボーナス当選していないと判定されたときに通常ナビ期間を設定する例について説明するが、これに限らず、ボーナス当選しているか否かに応じて異なる割合でナビ可能期間を設定するものであってもよい。たとえば、ボーナス当選しているときには、ボーナス当選していないときよりも高い割合で特別ナビ期間を設定するものであってもよい。また、ボーナス当選していないときには、ボーナス当選しているときよりも高い割合で通常ナビ期間を設定するものであってもよい。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、ゲームが開始されたときに、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行なうことにより、当該ゲームの内部当選の結果に応じたナビ演出が実行される。内部当選の結果は、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
図23は、演出状態に応じてナビ演出を実行するためのナビ演出実行処理を説明するためのフローチャートである。
S41においては、演出状態がAT中(潜伏期間を除く)であるか否かが判定される。S41においてAT中であると判定されたときには、S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したか否かが判定される。
S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したと判定されなかったときには、ナビ演出を実行することなく、そのままナビ演出実行処理を終了する。一方、S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選していると判定されたときには、S43において、当該当選したナビ対象役に対応するナビ演出を実行しナビ演出実行処理を終了する。
昇格リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図8(a)参照)が報知される。たとえば、リプGR1に当選したときのナビ演出としては、「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR2に当選したときのナビ演出としては、「挟み押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、ブドウ+バナナブドウに当選したときのナビ演出としては、ブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための押し順(図8(b)参照)が報知される。たとえば、左押しブドウ1に当選したときには、左リールを第1停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させることができるため、左リールを第1停止させるための「順押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中押しブドウ1に当選したときには、中リールを第1停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させることができるため、中リールを第1停止させるための「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
転落リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイ入賞を回避させるための押し順(図8(a)参照)が報知される。たとえば、リプGR3に当選したときのナビ演出としては、順押しか挟み押しさせるための「順押し!」あるいは「挟み押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR4に当選したときのナビ演出としては、逆押しか中押しさせるための「逆押し!」あるいは「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作手順で操作することができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
一方、S41において、AT中でないと判定されたときには、S44において図22のS34またはS35において設定されるナビ可能期間中であるか否かが判定される。S44においてナビ可能期間中であると判定されなかったときには、そのままナビ演出実行処理を終了する。一方、S44においてナビ可能期間中であると判定されたときには、S45において、上記した遊技状態に応じたナビ対象役に当選したか否かが判定される。なお、内部中RTにおいてナビ可能期間に制御されているときには、有利RTであるときと同様のナビ対象役に当選したか否かが判定され、当該ナビ対象役についてナビ演出が実行される。
S45において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したと判定されたときには、S46においてナビ可能期間が特別ナビ期間であるか通常ナビ期間であるかに応じて定められている確率に従ってナビ演出を実行するか否かを決定して、実行すると決定されたときに当該当選したナビ対象役に対応するナビ演出を実行し、ナビ演出実行処理を終了する。
一方、S45において遊技状態に応じたナビ対象役に当選していないと判定されたときには、S47において通常リプレイに単独当選(他のリプレイと同時当選する場合を除く)またはブドウに単独当選(ブドウ1〜8に当選した場合をいい、バナナブドウと同時当選する場合を除く)に当選したか否かが判定される。S47において通常リプレイに単独当選またはブドウに単独当選していないと判定されたときにはそのままナビ演出実行処理を終了する。S47において通常リプレイに単独当選またはブドウに単独当選したと判定されたときには、S48へ移行し、特別ナビ演出を実行する。
特別ナビ演出とは、たとえば、操作手順に関わらず一の図柄組合せが停止される入賞役に当選したときに実行されるナビ演出をいう。特別ナビ演出としては、昇格リプレイに当選したときのナビ演出と同じ態様のナビ演出が実行される。たとえば、リプGR1に当選したときのナビ演出としての「中押し!」といったメッセージを表示するか、リプGR2に当選したときのナビ演出としての「挟み押し!」といったメッセージを表示するかを乱数などを用いてランダムに選択し、該選択したメッセージを特別ナビ演出として実行する。これにより、昇格リプレイ当選時と同じナビ演出が実行され、当該ナビ演出どおり停止操作したにも関わらず、操作手順に関わらず同じ図柄組合せが停止されるため、ナビ可能期間中であることを遊技者に認識させることができ、ボーナス当選しているか否かに対する緊張感を抱かせることができる。
以上、本実施の形態におけるサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、AT制御処理を行なうことにより、ATに制御されているときおよびナビ可能期間であるときにはナビ演出を実行する。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、ペナルティ設定処理を行なうことにより、ナビ演出が実行されていないときに、推奨する押し順で操作されなかったことを条件として、ペナルティを課す処理を行なう。
図24は、ペナルティ設定処理を説明するためのフローチャートである。ペナルティ設定処理は、本実施の形態では1ゲームが終了したときに実行される例について説明するが、受付けた操作手順が共通の操作手順であるか否かを特定できるタイミングで実行されるものであればよく、たとえば、第2停止されたときに実行されるものであってもよい。
S51においては、終了したゲームにおいてナビ演出が実行されたか否かが判定される。S51においてナビ演出が実行されたと判定されたときには、ペナルティを課すことなく、そのままペナルティ設定処理を終了する。よって、AT中やナビ可能期間中のナビ演出が実行されたときには、ペナルティが課されないため、遊技者は安心して遊技を進めることができる。
一方、終了したゲームにおいてナビ演出が実行されていないと判定されたときには、S52において、共通の操作手順以外の操作手順である、変則押しがされたか否かが判定される。ここで変則押しとは、前述した挟み押しまたは中押しをいう。
S52において変則押しされていないと判定されたときには、ペナルティを課すことなく、そのままペナルティ設定処理を終了する。このため、ナビ演出が実行されていないときであっても、共通の操作手順で操作する限り、ペナルティが課されることがない。
一方、S52において変則押しされたと判定されたときには、S53においてリプGR2よりも当選確率が高く設定されているリプGR1が当選しているときにおいて、昇格リプレイを導出させるための押し順、すなわち図8(a)に示されるように中押しされたか否かが判定される。S53において中押しされたと判定されたときには、S54においてペナルティゲーム数に100加算される。S53において中押しではないと判定されたときには、S55においてペナルティゲーム数に50加算される。ペナルティゲーム数とは、ペナルティが課されるゲーム数であってペナルティ期間の長さを示す。ペナルティゲーム数は、RAM91cの所定領域に格納され、1ゲーム消化する毎に1減算される。ペナルティゲーム数は、当該ゲーム数消化するか、あるいはボーナス当選によりリセットされる。
本実施の形態においては、変則押しであっても、有利RTに制御される可能性が高い操作手順の方が、その他の操作手順よりも、遊技者にとって不利益度合いが高いペナルティが課されるように構成されている。これにより、ナビ演出が実行されていないときに、より一層共通の操作手順で操作させることができる。
S56においては、変則押しされたことに伴い共通の操作手順で操作させるために、警告表示が行なわれる。警告表示としては、たとえば、「ペナルティ100ゲーム」といったペナルティが課された旨が報知されるとともに、「順押しまたは逆押ししましょう!」といった共通の操作手順での操作を推奨する旨が報知される。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中(潜伏期間中を含む)であるときには、通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中!」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中!」といったメッセージを表示など)が行なわれる。
また、ナビ可能期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行なわれるリプレイに入賞する確率が高まる。すなわち、ナビ可能期間であってボーナスに当選しているときには、内部中RTに制御されるため、リプレイの当選確率が向上する。また、ナビ可能期間中であってボーナスに当選していないときには、通常遊技状態において昇格リプレイ当選時にナビ演出が実行されて昇格リプレイに入賞する確率が高まり、その結果リプレイの当選確率が向上した有利RTに制御されやすくなる。また、ナビ可能期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行なわれるバナナブドウなどに当選したときにもナビ演出が行なわれるため、ブドウの入賞確率が向上する。よって、仮にボーナス当選していても、ナビ可能期間においては、当選しているボーナスを入賞させることが困難となる。
本実施の形態においては、上記のようにボーナスを入賞させることが困難となるナビ可能期間を利用して、当該ナビ可能期間に制御されている間に亘り、ボーナス当選していることを煽るための演出が行なわれる。すなわち、ナビ可能期間であるときには、遊技状態演出として、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行なわれる。連続演出は、ナビ可能期間にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてボーナス当選の有無および種類を報知するボーナス当選報知を行なう演出である。これにより、ナビ可能期間においては仮にボーナス当選していても上記の理由により当該ボーナス入賞させることが困難であるため、確実にナビ可能期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 前述した実施の形態によれば、ATにおいては、内部抽選の結果に応じてナビ演出が実行される。このため、ATに制御されているときには、操作手順によって遊技者にとって有利度合いが異なる図柄組合せが停止され得る当選状況、たとえばリプGR1〜リプGR4や左押しブドウ1などバナナブドウに当選している当選状況となったときに、意図的に遊技者にとって有利な図柄組合せを停止させるための操作手順で操作することが可能となる。また、このようなATには、ATフラグからATでない旨が特定される状態においては制御されず、ATフラグからATである旨が特定される状態であってかつナビストック数を有している状態であるときにのみ制御される。その結果、ナビストックを獲得してATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、ATフラグからATである旨が特定される状態であってかつナビストックを有している状態においては、有利RTにおいてナビストックを1消費することによりATに移行させた後、50ゲーム消化することによりATが終了したときに、次回のATに制御可能となるまでの潜伏期間に移行され、当該潜伏期間経過後においてナビ対象役に当選したときに新たにナビストックを1消費して再びATに移行可能となる。また、潜伏期間であるときには、原則として、ナビ演出が実行されない。このため、ATフラグからATである旨が特定される状態であってかつナビストックを有している状態であっても、潜伏期間の長さによって次回のATに制御されるまでに設定する賭数が多くなるため、獲得したナビストックを消費する間(ATおよび潜伏期間を含む)における遊技者の利益が左右される。たとえば、潜伏期間が長くなる程、ナビ演出が実行されないゲーム数が多くなるため、獲得したナビストックを消費する間における遊技者の利益が少なくなる。その結果、ナビストックを有している状態においても、潜伏期間の長さに遊技者を注目させることができる。
このような潜伏期間は、図19および図20で示したように、獲得したナビストックを消費する間であって一連のATにおいてすでに移行された潜伏期間の長さに基づき、短潜伏連続カウンタの値を考慮して決定される。多数決定カウンタの値が0であるときについて具体的に説明すると、潜伏期間は、獲得したナビストックを消費する間における一連のATにおいてすでに移行された潜伏期間のうち、直近の潜伏期間を含む過去5回までの潜伏期間のうちいずれかが比較的長い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立していないとき(比較的短い期間が5回以上連続していないとき)よりも、過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立しているとき(比較的短い期間が5回以上連続しているとき)の方が高い割合で長い期間となるように決定される。換言すれば、特殊条件が成立している場合には、特殊条件が成立していない場合に参照される短潜伏用テーブルと比べて、決定し得る潜伏期間の平均ゲーム数である期待値が多くなる長潜伏用テーブルを参照して潜伏期間が決定されるため、潜伏期間の平均ゲーム数である期待値が多くなるように決定される。これにより、過去5回までの潜伏期間のうちいずれもが比較的短い潜伏期間に決定されているときに再び比較的短い潜伏期間に決定されてしまうことを極力防止することができる。このため、ナビストックを有している状態における潜伏期間の長さが単調になってしまうことを極力防止できる。その結果、ATと潜伏期間とを含むナビストックを有している状態における遊技の興趣を低下させてしまう不都合の発生を防止することができる。
さらに、過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されているときに再び比較的短い潜伏期間に決定されてしまうことを防止することによって、たとえば潜伏期間が比較的短い期間ばかりとなり獲得したナビストックを消化する間における潜伏期間が短くなることにより、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、一連のATへの制御が開始されてから数回までの非報知期間は、比較的短い期間に決定され、比較的長い期間に決定されない。このため、ナビストック数を獲得したが、実際に消費してATに制御された回数が少なく遊技者所有のメダルが未だ十分に増えていない状態において、比較的長い非報知期間に制御されてしまい、序盤において遊技者所有のメダルを消費させてしまうことにより遊技の興趣を低下させてしまう不都合の発生や、遊技者所有のメダルを使い切らせてしまい貸しメダルなど新たにメダルを用意しなければならないといった不都合の発生を防止することができる。
(1−2) 前述した実施の形態によれば、潜伏期間を決定するに際し、多数決定カウンタの値が0であるときには、獲得したナビストックを消費する間においてすでに移行された潜伏期間のうち過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されており特殊条件が成立しているときにのみ、最長となる100ゲームに決定され得る。このため、特殊条件が成立しているか否かでメリハリをつけることができ、ナビストックを有している状態における遊技の興趣を向上させることができる。
(1−3) 前述した実施の形態における図19のSA07においては、ナビストックを1消費して制御されるATにおけるAT中平均増減枚数以上のメダルを消費しなければ終了しないゲーム数が設定され得る。すなわち、多数決定されることや比較的短い期間が連続して決定されることに対する緊張感をより強く遊技者に抱かせることができ、ナビストックを有している状態における遊技の興趣を向上させることができる。
(1−4) 図19のSA02において一旦NOと判定された後においては、SA09において短潜伏連続カウンタがリセットされるまで、SA07において長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。このため、SA02において一旦NOと判定された後においては、より確実に比較的潜伏期間として比較的長い期間に決定させることができる。
(1−5) 前述した実施の形態においては、短潜伏連続カウンタの値が1となったときではなく、5以上あるいは3以上となったときに、すなわち、直近の潜伏期間が比較的短い期間であるかではなく、過去5回あるいは3回遡った潜伏期間のうちいずれかに比較的長い期間が決定されているときには、特殊条件が成立せず、図19のSA03において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。このため、特殊条件が成立する基準が高まりすぎることを防止でき、遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
(2−1) 前述した実施の形態によれば、図19のSA01において、多数決定時カウンタの値が0であると判定されたときよりも、0でないと判定されたときの方が、SA06で示されるように小さい値で特殊条件が成立していると判定され、高い割合で長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。また、潜伏期間が長い程、獲得したナビストック消費する間の一連のATにおけるメダルの純増枚数が小さくなる。このため、複数回のAT抽選で獲得したナビストックであるときよりも、1回のAT抽選において多数決定により獲得したナビストックであるときの方が高い割合で、同じナビストック数を消費する間におけるメダルの純増枚数が小さくなるようにするための特定制御が行なわれる。これにより、ナビストックを多数決定により獲得したとき程、高い割合で遊技者の利益が少なくなる。このため、ナビストックを多数決定により獲得したのか、すなわち獲得契機にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT抽選条件が複数回成立することによりナビストックを獲得したときには、AT抽選条件が1回成立して多数決定されることにより獲得したナビストック数と同じであるときよりも、高い割合で、AT抽選条件を成立させるために多くのゲーム数を消化しているため、多くの賭数が用いられている。一方、1回のAT抽選条件が成立することにより多数決定されて運良く比較的多くのナビストックを獲得したときには、AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したナビストックの合計数が同じであるときよりも、高い割合でメダルの純増枚数を小さくでき、遊技者の利益を少なくすることができる。このため、同じナビストック数を獲得するためにAT抽選条件が成立した回数が多いときと少ないときとの利益均衡を図ることができる。たとえば、1回のAT抽選条件が成立することにより多数決定されて運良く比較的多くのナビストックを獲得したときにも、AT抽選条件が複数回成立することによりナビストックを獲得したときと同じように潜伏期間の決定が行なわれるものと比較して、1回のAT抽選条件が成立することにより多数決定されて運良く比較的多くのナビストックを獲得したときの射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を極力抑制することができる。
(2−2) 前述した実施の形態においては、多数決定により1回のAT抽選で8以上のナビストック数を獲得したときに、特定制御が行なわれる。このため、8以上のナビストック数を獲得していないときにまで特定制御が行なわれるものと比較して、遊技者の利益が少なくなりすぎることを防止することができる。
(3−1) 前述した実施の形態によれば、通常遊技状態であるときには、昇格リプレイに当選して当該昇格リプレイを入賞させるための操作手順で操作することにより、いつでも有利RTに制御させることができる。また、準備モードにおいては、昇格リプレイに当選せず、昇格リプレイ入賞が発生しない。このため、昇格リプレイに入賞したにも関わらず有利RTに制御されないといった不信感を遊技者に抱かせることを防止することができる。
また、通常遊技状態であるときには、図8(a)で示すように、共通の操作手順(順押しあるいは逆押し)で操作する限り、昇格リプレイを入賞させるための操作手順で操作されることがなく、有利RTに制御されない。このため、通常遊技状態であるときには遊技者により共通の操作手順以外の操作手順で操作されることが予想される。しかし、図24のS52〜S55で示したように、ナビ演出が実行されていないときに共通の操作手順以外の操作手順(挟み押しあるいは中押し)で操作されるとペナルティが課される。これにより、通常遊技状態であってナビ演出が実行されていないときには、遊技者に共通の操作手順以外の操作手順で操作させないようにすることができる。このため、実質的に、通常遊技状態においてナビ演出が実行されているときにしか、共通の操作手順以外の操作手順で操作させないようにすることによって、有利RTに制御されることがないようにし、当該有利RTの価値および有利性を維持するとともに、ATに制御されることおよび有利RTに制御されることにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビ演出が行なわれていないときに、変則押しで操作し、偶然昇格リプレイを入賞させることができて有利RTに制御されたとしても、当該有利RTにおいてナビ演出が実行されない。このため、転落リプレイあるいはバナナブドウを含む入賞役に当選した場合に、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは特殊出目停止を回避させる操作手順で操作することができず、通常遊技状態に制御される。なお、ナビ可能期間においてナビ演出が実行されて有利RTに制御されたときにはペナルティが課されないものの、当該ナビ可能期間が終了したときには、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは特殊出目停止を回避させる操作手順で操作することができず、通常遊技状態に制御される。
また、AT中であるときには、昇格リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるため、意図的に昇格リプレイを入賞させるための操作手順で操作して有利RTに制御することができ、その場合にペナルティが課されることもない。また、有利RTにおいてもATが継続されるため、転落リプレイあるいはバナナブドウを含む入賞役に当選した場合にナビ演出が報知されるため、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは特殊出目停止を回避させる操作手順で操作して当該有利RTを維持することができる。
(3−2) 前述した実施の形態によれば、ペナルティ期間中においては、第1AT抽選条件や第2AT抽選条件が成立したときであっても、AT抽選が行なわれずナビストックが付与されない。このため、通常遊技状態かつ非AT中において、変則押しで操作することをより一層効果的に抑止することができる。
(3−3) 前述した実施の形態によれば、非AT中において変則押しで操作されたときには、図24のS56で示すように警告表示が行なわれるため、変則押しで操作されることを抑止することができる。
(3−4) 前述した実施の形態によれば、図6で示したように、有利RTに制御されるまでの過程に、準備モードにおいてブドウ取りこぼし時に導出される特殊出目が停止されることにより通常遊技状態に制御されることが含まれる。このため、有利RTに制御されることの困難性が高まるため、有利RTの価値および有利性をより一層高めることができる。また、準備モードにおいてブドウ当選したときには、ブドウあるいはバナナブドウに入賞してメダルが付与されるか、特殊出目が停止されて通常遊技状態に制御されるため、いずれにしても遊技者にとって有利となる。
(3−5) 前述した実施の形態によれば、ATには、図9〜図11で示した第1AT抽選や、図17および図18で示した第2AT抽選などのAT抽選において、1以上のナビストックに決定されることにより制御される。
また、AT抽選のうち第1AT抽選は、図9で示したように、ボーナス当選時およびボーナス終了時に行なわれる。ボーナス当選時に行なわれる第1AT抽選では、ボーナス以外において付与された付与ポイント総数に応じて、当該付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって抽選される。また、ボーナス終了時に行なわれる第1AT抽選では、ボーナス中に付与された付与ポイント総数に応じて、当該付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって抽選される。よって、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって第1AT抽選が行なわれるように、遊技者はより多くのポイントが付与されることに期待感を抱かせることができる。
また、前述した実施の形態では、図12に示すポイント関連処理において、ポイント付与条件が成立してポイントが付与されたことを条件として、S8においてポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出を行なうための報知処理が行なわれる。この報知処理では、図12のS3〜S6の処理結果に基づき、図12のS2で設定された付与ポイントを正確に報知するポイント付与演出か、あるいは図12のS2で設定された付与ポイントよりも少ないポイントを報知するポイント付与演出が実行される。また、図12に示すポイント関連処理では、ポイント付与条件が成立してポイントが付与された場合であっても、図12のS4またはS6の報知抽選において報知しないに決定されたときには、ポイント付与演出が実行されず、ポイントが付与された旨が全く報知されない。このため、実行されたポイント付与演出から特定されるポイント総数よりも多いポイントが実際には付与されているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
その結果、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって第1AT抽選が行なわれること、およびATに制御されることに対し、ポイント付与演出から特定されるポイント総数よりも大きな期待感を抱かせることができる。また、ポイント付与演出から特定されるポイント総数が比較的少ないときであっても、当該ポイント総数よりも多いポイントが実際には付与されているかもしれないため、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって第1AT抽選が行なわれること、およびATに制御されることに対する期待感を持続させることができる。
また、図12に示すポイント関連処理においては、ポイント付与条件が成立してポイントが付与されたことを条件として、図12のS2で設定された付与ポイントに対するポイント付与演出が行なわれる。このため、前述した期待感をポイント付与演出が実行される毎に段階的に高めることができる。また、付与されたポイント総数を遊技者が予想するために、実行されたポイント付与演出から特定されるポイントを遊技者自身が累積加算して記憶するといった面白みを付加することができる。
また、ポイント関連処理のS4における差数対応報知抽選では、図15(a)および(b)で示すテーブルが参照され、報知するか否かおよび付与ポイントを正確に報知するか否かを、すでに実行されたポイント付与演出から特定される報知ポイント総数と実際に付与されている付与ポイント総数との差数に応じた確率で決定される。さらに、差数対応報知抽選では、差数が小さいときよりも差数が大きいときの方が、高い割合で報知するに決定されるとともに、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知ポイントが決定される。これにより、差数が大きくなり過ぎてしまうこと、およびポイント付与演出から特定されるポイントの信頼性が低くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、ポイント関連処理のS6における総数対応報知抽選では、図16(a)および(b)で示すテーブルが参照され、報知するか否かおよび付与ポイントを正確に報知するか否かを、実際に付与されている付与ポイント総数に応じた確率で決定される。さらに、総数対応報知抽選では、付与ポイント総数が多いときよりも付与ポイント総数が少ないときの方が、高い割合で報知するに決定されるとともに、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知ポイントが決定される。一方、付与ポイント総数が少ないとき程、遊技者はポイントが報知されたか否かに対する注目度合いが高い。よって、ポイント付与演出に対する遊技者の注目度合いが高い段階においては、付与されたポイントに相当する期待感および安心感を高い割合で遊技者に抱かせることができる。
(4−1) 前述した実施の形態によれば、通常遊技状態において昇格リプレイを含むリプGR1またはリプGR2に当選し、昇格リプレイを入賞させるための操作手順で操作されたときには、昇格リプレイが入賞して、リプレイの当選確率が高まる有利RTに制御される。これに対し、有利RTにおいて転落リプレイを含むリプGR3またはリプGR4、あるいはバナナブドウを含む左押しブドウ1などのうちいずれかに当選し、転落リプレイを入賞させる手順あるいは特殊出目を停止させる手順で操作されたときには、転落リプレイ入賞あるいは特殊出目停止により通常遊技状態に制御される。
また、ボーナスに当選することにより、通常遊技状態と同様にリプGR1またはリプGR2に当選し得る遊技状態であって、かつ有利RTと同様にボーナスよりも優先して入賞ライン上に引き込まれ入賞するリプレイの当選確率が高まる内部中RTに制御される。
さらに、同時当選役に当選することにより図22のS34あるいはS35において制御されるナビ可能期間においては、所定の確率に従ってナビ演出が実行される。このため、ナビ可能期間においては、リプGR1またはリプGR2に当選したときに意図的に昇格リプレイを入賞させることができ、有利RTに制御させることができる。また、昇格リプレイを入賞させる際には、変則押しで操作する必要があるが、ナビ可能期間においては変則押ししたとしてもペナルティが課されるといった不利益も生じない。その結果、ナビ可能期間においては、実際にボーナスに当選することにより制御される内部中RTとリプレイの当選確率が同様に高くなる有利RTに制御しやすくすることができるとともに、連続演出が実行されるため、効果的にボーナスに当選していることに対する期待感を抱かせることができる。
また、ナビ可能期間において有利RTに制御されたとしても、前述したように、転落リプレイを含むリプGR3またはリプGR4、あるいはバナナブドウを含む左押しブドウ1などのうちいずれかに当選したときに、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは特殊出目停止を回避することができないため、有利RTを維持させることができない。これにより、ボーナスに当選していないにも関わらず、ナビ可能期間が終了した後いつまでも有利RTが維持されてしまうことによって、ボーナス当選していることに対する期待感を抱かせてしまうといった不都合の発生を防止することができる。
(4−2) 前述した実施の形態によれば、ナビ可能期間において有利RTに制御された後においても、ナビ演出が実行される。これにより、ナビ可能期間であるときには、当該有利RTを維持させることが可能となるため、当該ナビ可能期間に亘り期待感を遊技者に抱かせることができる。
(4−3) 前述した実施の形態によれば、通常リプレイ単独当選時には、操作手順に関わらず、通常リプレイの図柄組合せが入賞ライン上に停止される。また、ブドウ単独当選時には、操作手順に関わらず、ブドウ1〜8のいずれかであって同じ9枚払出を伴なう図柄組合せが入賞ライン上に停止される。これより、通常リプレイおよびブドウは、操作手順に関わらず、機能が同じ図柄組合せを停止させる入賞役といえる。ナビ可能期間においては、図23のS47およびS48で示したように、機能が同じ図柄組合せを停止させる通常リプレイ単独当選時やブドウ単独当選時にも昇格リプレイ当選時のナビ演出と同じ態様で特別ナビ演出が実行される。このため、ナビ演出から特定される操作手順で操作したにも関わらず、昇格リプレイに入賞せずに通常リプレイやブドウに入賞することにより、ナビ可能期間であることを遊技者に認識させることができ、ボーナスに当選していることに対する緊張感を与えることができる。
(4−4) 前述した実施の形態によれば、図22のS33〜S35で示したように、同時当選役に当選したときに、実際にボーナス当選しているか否かに応じて異なるナビ可能期間が設定され、図23のS46で示したように、設定されたナビ可能期間に応じた確率に従ってナビ演出が実行される。これにより、ナビ可能期間においてナビ演出が実行される頻度から、ボーナスに当選している可能性を推測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4−5) 前述した実施の形態によれば、有利RTや内部中RTにおいて高確率になるリプGR1〜リプGR4は、各々、リプレイのみの入賞役であって、当選するリプレイの組合せが異なるように設定されている。このため、有利RTや内部中RTにおける射幸性を維持しつつ、リプGR1〜リプGR4の当選確率を遊技状態毎に調整することができるため、有利RTあるいは通常遊技状態に制御される確率の設計を行ないやすくすることができる。
(4−6) 昇格リプレイを含むリプGR1およびリプGR2のうち、リプGR1の方が、リプGR2よりも高確率で当選するように判定値数が設定されている。このため、ナビ演出が行なわれていないときであっても、リプGR1当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作手順で操作することにより、それ以外の操作手順で操作したときよりも、有利RTに制御される可能性が高くなる。しかし、図24のS53〜S55で示すように、変則押しのうち、リプGR2当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作手順て操作されたときよりも、リプGR1当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作手順て操作されたときの方が、ペナルティゲーム数として多いゲーム数が設定されるため、不利益が大きくなる。その結果、ナビ演出が実行されていないときに、有利RTに制御されてしまう不都合の発生をより一層効率的に抑止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
[潜伏期間について]
前述した実施の形態においては、潜伏期間として非AT中のゲーム数を設定し、当該ゲーム数消化することにより潜伏期間が経過したと判定して次回のAT作動を開始可能にする例について説明した。しかし、潜伏期間としては、ゲーム数に限らず、ゲームが消化されることに伴なって経過が進行する期間であればよく、以下のものであってもよい。
第1の例としては、たとえば、潜伏期間として、メダル枚数を設定するものであってもよく、この場合、潜伏期間において設定された賭数と当該潜伏期間において払い出された払出メダル枚数とを計数する処理を行ない、賭数から払出メダル枚数を差し引いた枚数が、設定されたメダル枚数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成してもよい。
第2の例としては、たとえば、潜伏期間として、当選回数を設定するものであってもよく、この場合、潜伏期間において特定の入賞役(たとえば、ブドウ単独、昇格リプレイなど)に当選した回数を計数する処理を行ない、計数された回数が、設定された当選回数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成してもよい。
第3の例としては、たとえば、潜伏期間として、押し順回数を設定するものであってもよく、この場合、潜伏期間において左押しブドウ、中押しブドウ、右押しブドウが当選したときにブドウ1〜8を入賞させた回数、すなわち押し順が正解した回数を計数する処理を行ない、計数された回数が、設定された押し順回数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成してもよい。
第4の例としては、たとえば、潜伏期間として、所定の遊技状態を終了した状態終了回数を設定するものであってもよい。前述した実施の形態においては、有利RTにおいてAT終了後、特殊出目停止や転落リプレイ入賞により転落条件が成立したときに制御され得る遊技状態として、昇格リプレイ入賞すれば必ず有利RTに制御可能な通常遊技状態に制御し、昇格リプレイ入賞やボーナス当選を除き当該通常遊技状態への制御が継続される例について説明したが、有利RTにおいてAT終了後であって転落条件が成立した後においては、昇格リプレイ入賞しても有利RTに制御されない遊技状態に制御され得るように構成したものに適用できる。
より具体的には、有利RTにおいて特殊出目が停止したときにのみ有利RTから通常遊技状態に制御し、転落リプレイが入賞することにより、仮に昇格リプレイ入賞したとしても有利RTに制御し得ない不利RTに制御するように構成してもよい。また、通常遊技状態においても転落リプレイを含むリプGR3やリプGR4に所定確率で当選し得るように内部抽選を行ない、当該通常遊技状態において転落リプレイ入賞により不利RTに制御するように構成してもよい。不利RTは、規定ゲーム数(たとえば32ゲーム)消化により終了条件が成立して通常遊技状態に移行される。この場合において、潜伏期間として不利RTを終了した回数を設定し、潜伏期間において不利RTが終了した回数を計数する処理を行ない、計数された回数が、設定された状態終了回数に達したことを条件として、次回のAT作動を開始可能にするように構成してもよい。
また、潜伏期間としては、ゲーム数など一種類の条件を設定するものに限らず、ゲーム数、メダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数のうち複数種類の条件を設定し、いずれかの条件を満たしたときに、次回AT作動を開始可能にするように構成してもよい。これにより、潜伏期間の種類がバラエティー豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、潜伏期間を決定するに際しては、それ以前の潜伏期間の長さに基づき短潜伏決定条件が成立しているときよりも成立していないときの方が高い割合で長い期間(すなわちメダル枚数である場合にはより多いメダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数である場合にはより多い回数)となるように決定するように構成すればよい。また、潜伏期間を決定するに際しては、多数決定されていないときよりも多数決定されているときの方が高い割合で長い期間(すなわちメダル枚数である場合にはより多いメダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数である場合にはより多い回数)となるように決定することにより、メダルの純増枚数が少なくなるように構成すればよい。これにより、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
[潜伏期間決定について]
前述した実施の形態においては、潜伏期間を決定するタイミングが、ナビストック1に対応するATが終了するゲーム終了時である例について説明したが、これに限らず、ナビストックを獲得してからナビストック1に対応するAT終了後における非ATにおいて最初のゲームが開始されるまでのタイミングであればよい。
また、前述した実施の形態においては、決定される潜伏期間の対象が、AT終了後から次回AT開始可能となるまでの一の期間であり、潜伏期間毎にその長さが決定される例について説明したが、これに限らず、決定される潜伏期間の対象が、獲得したナビストックを消費する間における全ての潜伏期間であり、複数の潜伏期間がまとめて決定されるように構成してもよい。具体的には、ナビストック数毎に潜伏期間の長さを特定するための潜伏期間パターンが複数種類定められているテーブルを記憶させておき、獲得したナビストック数に対応するテーブルを参照して当該ナビストックを消費する間における全ての潜伏期間を決定するように構成してもよい。この場合、複数種類のテーブルから特定される潜伏期間パターンは、各々の潜伏期間以前の潜伏期間の長さに基づき短潜伏決定条件が成立しているときよりも成立していないときの方が高い割合で長い期間となるように、潜伏期間の長さが定められているように構成すればよい。また、複数種類のテーブルから特定される潜伏期間パターンは、多数決定されていないときよりも多数決定されているときの方が高い割合で長い期間となるように、潜伏期間の長さが定められていることにより、メダルの純増枚数が少なくなるように構成すればよい。これにより、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
[特定制御について]
前述した実施の形態においては、ナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行なう具体的手法として、同じナビストックを獲得しているときであっても、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときの方が高い割合で、潜伏期間として長い期間を決定する手法について説明した。しかし、ナビストックを消費する間における純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行なう具体的手法は、これに限らず、以下のものであってもよい。
第1の例として、すでにナビストックを獲得しているときに、さらに特定の上乗せAT抽選条件(たとえば、図17で示した準備モードにおいて5ゲーム消化、特定の入賞役に当選など)が成立したときに上乗せするナビストックを抽選する上乗せAT抽選を行なうスロットマシンにおいて、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときよりも、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、高い割合で特定の上乗せAT抽選条件が成立するように、あるいは高い割合でナビストックが上乗せされるように、上乗せAT抽選を行なうことにより実現してもよい。これにより、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときよりも、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックが上乗せされる確率が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときには、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、その後に獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行なうことができる。
第2の例として、ナビストックを1消費することによりATに制御されるAT期間を決定するスロットマシンにおいて、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときの方が、高い割合でAT期間として短い期間を決定することにより実現してもよい。これにより、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときの方が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときの方が高い割合で、AT期間が短くなることにより、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行なうことができる。
第3の例として、ナビストックを1消費することにより所定期間に亘りATに制御するものであって、所定期間ATを継続させた後においても当該ATを継続させるか否かを所定の継続率に従って決定し、継続させると決定されたときには新たなナビストックを消費することなく所定期間に亘りATへの制御を継続させ、継続させないと決定されたときにはATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより新たに所定期間に亘りATに制御するスロットマシンにおいて、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときには、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、高い割合で、低い継続率を決定することにより実現してもよい。これにより、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときよりも、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックを新たに消費せずにATへの制御が継続される確率が高くなる。その結果、一連のATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、AT抽選条件が1回成立しかつ多数決定されて獲得したときには、多数決定ではなくAT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行なうことができる。
なお、前述した実施の形態においては、ボーナスが終了して準備モードおよび通常遊技状態を介して有利RTへの制御を開始する時点において獲得しているナビストック数のいずれかが多数決定により獲得したものであるときに、多数決定により獲得したナビストックを消費するときであるか否かに関わらず、1回目のATが終了したときに次回のATまでの潜伏期間を決定するときからSA01においてNOと判定させることにより特定制御が行なわれる例について説明した。しかし、有利RTへの制御を開始する時点において獲得しているナビストック数のいずれかが多数決定により獲得したものであるときに、当該多数決定により獲得したナビストックを特定可能な情報を記憶し、次回のATを当該情報から多数決定により獲得したナビストックを消費して制御させるときに、SA01においてNOと判定させることにより、多数決定により獲得したナビストックを消費してATに制御させるまでの潜伏期間について特定制御が行なわれるように構成してもよい。これにより、多数決定されたものでないナビストックを消費するときに特定制御が行なわれて、遊技者にとって不利となる不都合の発生を防止することができる。
[特定制御実行契機について]
前述した実施の形態では、1回のAT抽選で獲得したナビストック数が8以上であることを条件として多数決定時カウンタに値を設定して、特定制御を実行する例について説明した。しかし、特定制御は、1回のAT抽選で獲得し得る最大数であるナビストック数が10であることを条件として実行するように構成してもよい。これにより、ナビストック数として最も有利度合いが高いときにのみ特定制御を行なうことができる。
また、特定制御は、特定の入賞役(前述した実施の形態においては1枚役2)に当選してナビストック数を獲得したときにのみ実行されるように構成してもよい。これにより、特定の入賞役に当選することに比較的多くのナビストックを獲得させることにより、特定の入賞役に当選することにプレミア的な価値を付与することができる反面、特定制御を行なうことにより射幸性が高まりすぎる不都合の発生を極力防止することができる。
また、獲得したナビストック数が所定数(たとえば、8)以上であれば、当該ナビストック数を獲得するために行なわれたAT抽選の回数が少ない程、高い割合で当該獲得したナビストック数を消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるように特定制御を行なうようにしてもよい。たとえば、獲得しているナビストック数が8である場合に、当該8を獲得するために行なわれたAT抽選の回数が3回であるときよりも、2回であるときあるいは1回であるときの方が高い割合で、ストック数8消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるように特定制御を行なうようにしてもよい。これにより、ナビストックがAT抽選が何回行なわれることにより獲得したものであるのかその獲得契機に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[特殊条件について]
前述した実施の形態においては、短潜伏連続カウンタの値がSA02においては4以下であること、SA06においては2以下であること、すなわち過去所定回(たとえば5回あるいは3回)のいずれかの潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより、特殊条件が成立せず、過去所定回のいずれの潜伏期間としても比較的長い期間が決定されていないことにより、特殊条件が成立する例について説明した。しかし、特殊条件は、これに限らず、たとえば、前回の潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより成立せず、前回の潜伏期間として比較的長い期間が決定されていないことにより成立するものであってもよい。また、特殊条件は、過去所定回(たとえば5回)すべての潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより成立せず、過去所定回のうちいずれかの潜伏期間として比較的短い期間が決定されていることにより成立するものであってもよい。また、特殊条件は、過去所定回(たとえば5回)の潜伏期間の合計期間(合計ゲーム数)が、所定期間よりも長い期間であるときに成立せず、所定期間よりも短い期間であるときに成立するものなどでもよい。
また、前述した実施の形態において、SA08においてNOと判定されたときに、さらに、SA04に移行される前において短潜伏連続カウンタを1加算するようにしてもよい。これは、次のような不都合を解消するためである。たとえば多数決定時カウンタの値が1であってかつ短潜伏連続カウンタの値が3である場合に、SA05において多数決定時カウンタの値が0となった後、SA07において比較的短い潜伏期間に決定されてSA08においてNOと判定されたときには、SA04において短潜伏連続カウンタの値に1しか加算されず、短潜伏連続カウンタの値が4となる。この場合、次回の潜伏期間決定処理においては、SA01においてYESと判定されかつSA02においてYESと判定される結果、未だ比較的長い潜伏期間に決定されていないにも関わらず、SA03において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定されてしまうといった不都合が生じる。しかし、SA08においてNOと判定されたときに、さらに、SA04に移行される前において短潜伏連続カウンタを1加算することにより、上記の場合においてSA08においてNOと判定された後の短潜伏連続カウンタの値が5となるため、次回の潜伏期間決定処理においては、SA01においてYESと判定されたときでも、SA02においてNOと判定され、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を決定することができ、上記不都合を解消することができる。
[潜伏期間決定用テーブルについて]
前述した実施の形態においては、図20に示すように、短潜伏用テーブルと
長潜伏用テーブルとを記憶し、潜伏期間の決定において短潜伏用テーブルよりも長潜伏用テーブルの方が高い割合で長い期間に決定される例について説明したが、潜伏期間の決定に用いるテーブルは、図20に示すテーブルに限るものではない。
また、図19のSA01において、多数決定時カウンタの値が0であるときと0でないときとで、SA03あるいはSA07において同じテーブルを用いて潜伏期間を決定する例について説明した。しかし、多数決定時カウンタの値が0であるときと0でないときとで、異なるテーブルを用いて潜伏期間を決定するように構成してもよい。たとえば、SA01でYESと判定されたときには、SA02の判定結果に基づき、SA03あるいはSA07において図20に示すテーブルを用いて潜伏期間を決定し、SA01でNOと判定されたときには、SA06の判定結果に基づき、図20に示すテーブルよりも高い割合でより多いゲーム数に決定されるように設定されたテーブルを用いて潜伏期間を決定するように構成してもよい。これにより、多数決定されていないときよりも多数決定されたときの方が高い割合で潜伏期間として長い期間に決定することができる。なお、この場合、SA02およびSA06における判定基準を同じに設定してもよい。
また、図20(a)に示す短潜伏用テーブルを用いたときには、比較的長い潜伏期間に決定されない例について説明したが、これに限らず、所定確率(極めて低い確率)で比較的長い潜伏期間(たとえば70ゲーム)に決定され得るものであってもよい。この場合、SA03において比較的長い潜伏期間に決定されたときには、SA09に移行させ、比較的短い潜伏期間に決定されたときにはSA04に以降させるように構成してもよい。
また、図20(b)に示す長潜伏用テーブルを用いたときには、比較的短い潜伏期間(10ゲーム)に決定され得る例について説明したが、これに限らず、比較的短い潜伏期間に決定されないようにし、比較的長い潜伏期間のみに決定され得るものであってもよい。これにより、図19のSA08の判定処理を行なうことなく、SA07からSA09に移行させるようにすることができ、処理負担を軽減することができる。
[ATでない旨が特定される状態について]
前述した実施の形態では、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときには、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない例について説明した。しかし、ATフラグからATでない旨が特定される状態であっても、所定確率でATに制御してもよく、また所定確率でナビ演出を実行するように構成してもよい。ATフラグからATである旨が特定される状態であるときの方が、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときよりも高い割合で、ATに制御され、ナビ演出が実行されるものであればよい。
[有利条件および有利終了条件について]
前述した実施の形態では、有利条件の一例として、図10、図11、図17、図18で示したテーブルが参照されてナビストック数が設定されることを示し、有利終了条件の一例として、獲得したナビストック数を全て消化して、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であることを示した。しかし、有利条件は、ATに制御可能な状態に制御するための条件であればよく、また、有利終了条件は、設定された有利条件と関連あるいは対応して変化する条件であって、ATに制御可能な状態を終了させるための条件であればよい。
たとえば、ボーナス当選を契機に、ATに制御するか否かを決定し、ATに制御すると決定されたときにはATを継続させるか否かを決定するための継続率を設定しておき、まず、50ゲームに亘るATに制御し、当該ATが終了したときに設定されている継続率に従って継続させるか、すなわち再びATに制御するか否かを決定するようにAT制御が行なわれる場合について説明する。この場合、有利条件は、ATに制御するか否かの決定でATに制御すると決定されることおよび継続率を設定することであり、有利終了条件は、設定されている継続率に従って継続させないと決定されることであるといえる。
[その他の変形例について]
(1) 前述した実施の形態においては、昇格リプレイを含むリプGR1およびリプGR2に転落リプレイが含まれず、転落リプレイを含むリプGR3およびリプGR4に昇格リプレイが含まれないように、当選対象役の組合せが定められている例について説明した。しかし、昇格リプレイを含むリプGR1およびリプGR2に転落リプレイが含まれるものであってもよい。また、転落リプレイを含むリプGR3およびリプGR4に昇格リプレイが含まれるものであってもよい。
昇格リプレイを含む当選対象役の組合せとして、たとえば、転落リプレイ+昇格リプレイの当選対象役の組合せと、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイの当選対象役の組合せとが定められているものであってもよい。また、転落リプレイを含む当選対象役の組合せとして、たとえば、転落リプレイ+昇格リプレイの当選対象役の組合せと、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイの当選対象役の組合せとが定められているものであってもよい。このように、昇格リプレイを含む当選対象役の組合せと転落リプレイを含む当選対象役の組合せとが同一の組合せとなるものであってもよい。この場合におけるリール制御としては、次のものであってもよい。たとえば、転落リプレイ+昇格リプレイおよび転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイのいずれに当選したかに関わらず、順押しあるいは逆押しで操作されたときには転落リプレイを入賞させる。また、転落リプレイ+昇格リプレイに当選したときに、挟み押しで転落リプレイを入賞させ、中押しで昇格リプレイを入賞させる。また、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイに当選したときに、挟み押しで昇格リプレイを入賞させ、中押しで転落リプレイを入賞させる。
これにより、順押しあるいは逆押しの共通の操作手順で操作する限り、転落リプレイに入賞させ通常遊技状態である場合は当該通常遊技状態を維持させることができ、当選している組合せに応じて、昇格リプレイを入賞させるための操作手順、および転落リプレイを入賞させるための操作手順を異ならせることができるため、ナビ演出が実行されていないときに有利RTに制御させにくく、かつ有利RTを維持させにくくすることができる。
(2) 前述した実施の形態における準備モードでは、昇格リプレイや転落リプレイを含むリプGR1〜リプGR4が抽選対象役として読み出されず当選しない例について説明したが、これに限らず、昇格リプレイや転落リプレイを含むリプGR1〜リプGR4が抽選対象役として読み出されて、所定確率で当選し、入賞し得るように構成してもよい。このように構成した場合、たとえば、準備モードにおいて、昇格リプレイに入賞したときには有利RTに制御するようにしてもよく、転落リプレイに入賞したときには通常遊技状態に制御するようにしてもよい。この場合において、準備モードにおいて、共通の操作手順以外で操作されたときには、図24のS53〜S56と同様の処理を行ない、ペナルティが課されるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においてナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役として、イチゴ1やイチゴ2などの小役を例に説明した。しかし、ナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役は、これに限らず、たとえば、再遊技役であってもよい。
(4) 前述した実施の形態においてナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役として、BB1がイチゴ1+イチゴ2+1枚役1と同時当選し、BB2がイチゴ1+イチゴ2と同時当選し、BB3がイチゴ1と同時当選する例について説明したが、同時当選するボーナスと同時当選役との組合せについてはこれに限らず、たとえば、BB1〜BB5が、各々、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1と同時当選する場合、BB2がイチゴ1+イチゴ2と同時当選する場合、BB3がイチゴ1と同時当選する場合が生じ得るような組合せが設定されているものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、ナビ演出が実行されていないときに共通の操作手順以外の変則押しで操作されたときに、ペナルティ期間に制御し、一定期間ペナルティを課す例について説明した。しかし、ペナルティは、ATに制御されるか否かにおいて、遊技者にとって不利益となるものであればよく、たとえば、AT抽選条件が成立したときに遊技者にとって有利度合いが低いAT抽選を行なわせるものであってもよい。たとえば、AT抽選条件が成立したときに、前回AT抽選されてから後に変則押しされた回数に応じて、当該回数が多い程、ナビストックを獲得する確率やより多いナビストック数を獲得する確率が低くなるようにAT抽選を行なうものであってもよい。また、変則押しされる毎に、第1AT抽選に用いられる付与ポイントを所定数減算するものであってもよい。
また、ペナルティ期間においては、図21のS22で示したように非ATゲーム数カウンタを加算させないというペナルティの他に、ポイント付与条件が成立してもポイントを付与しないペナルティや、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行なわないペナルティを課す例について説明したが、これらのうちいずれか一のペナルティのみを課すものであってもよい。たとえば、ペナルティ期間においては、非ATゲーム数カウンタを加算させないというペナルティのみを課すものであってもよい。また、ペナルティ期間に制御される毎に、どの種類のペナルティを課すかをランダムに抽選し、当選したペナルティを課すようにしてもよい。
また、ペナルティ期間は、ゲームを所定回数消化することにより終了する例について説明した。しかし、ペナルティ期間は、ゲームを所定回数消化することにより終了するものに限らず、AT抽選条件が所定回数(たとえば1回)成立することにより終了するものであってもよい。たとえば、ペナルティ期間において、AT抽選条件が成立したとしても当該AT抽選条件に応じたAT抽選を行なわないことにより、当該ペナルティ期間を終了させてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、図22のS33〜S35で示したように、ボーナスが当選しているか否かに応じて、制御される期間やナビ演出実行確率が異なるナビ可能期間に制御する例について説明したが、これに限らず、同時当選役の種類に応じて、制御される期間やナビ演出実行確率が異なるナビ可能期間に制御するように構成してもよい。たとえば、ボーナスと同時当選確率が最も高いイチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選したときには、他の同時当選役に当選したときよりも、高い割合で特別ナビ期間が設定されるように構成してもよい。これにより、ボーナス当選していることに対する期待感と連動したナビ可能期間に制御することができる。
(7) 前述した実施の形態においては、BB1〜BB3であるときにRB1に制御し、BB4または5であるときにRB2に制御する例について説明したが、BBの種類に関わらず、同じRBに制御するように構成してもよい。たとえば、BBの種類に関わらずRB1に制御するように構成してもよい。この場合、BBに制御されると、必ずポイントが付与され得るボーナスに制御されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、図12のS4やS6における報知抽選において、S2で設定された付与ポイントよりも遊技者にとって有利度合いが低い、すなわち付与ポイント以下のポイントが報知ポイントとして決定される例について説明した。しかし、図12のS4やS6における報知抽選において決定される報知ポイントは、報知後においても報知ポイント総数が実際に付与されている付与ポイント総数以上とならないポイントから決定されるものであれば、S2で設定された付与ポイントよりも遊技者にとって有利度合いが高い、すなわち付与ポイントより多いポイントが報知ポイントとして決定されるように構成してもよい。
図25は、報知抽選において用いられるテーブルの一例であって、差数対応報知抽選において付与ポイントより多いポイントが報知ポイントとして決定され得るテーブルを説明するための図である。
この変形例における差数対応報知抽選でも、図25(a)の差数対応テーブルAを参照して、差数に応じてポイントを報知するか否かの抽選が行なわれる。図25(a)の差数対応テーブルAは、図15(a)のテーブルと同じであるため説明を省略する。
図25(a)の差数対応テーブルAを参照して、報知するに決定された場合には、さらに図25(b)の差数対応テーブルBを参照して、S2において設定された付与ポイントおよび差数に応じて、報知ポイントを決定する抽選が行なわれる。
付与ポイントが「1」である場合で、差数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、100%の割合で今回の報知ポイントを報知した後の報知ポイント総数と今回付与された付与ポイントが加算された付与ポイント総数との差数である報知後差数が「0」となるポイントに決定される。具体的に、報知ポイントは、(差数−報知後差数+付与ポイント)となる。この場合において、差数が「1」であるとすると、報知ポイントは、(1−0+1)=ポイント「2」に決定される。このように、付与ポイントよりも多いポイントが報知される。
付与ポイントが「1」である場合で、差数が「2〜3」である場合には、報知後差数が、15%の割合で「0」に決定され、25%の割合で「1」に決定され、60%の割合で「2」に決定される。
付与ポイントが「1」である場合で、差数が「4」である場合には、報知後差数が、10%の割合で「1」に決定され、20%の割合で「2」に決定され、30%の割合で「3」に決定され、40%の割合で「4」に決定される。
以下、同様に、付与ポイントおよび差数から特定される振分率にしたがって、報知後差数が決定され、(差数−報知後差数+付与ポイント)を算出することにより報知ポイントが決定される。
たとえば、付与ポイントが「3」であり、差数が「3」である場合で、報知後差数として「1」が決定されたときには、報知ポイントとして、(3−1+3)=ポイント「5」に決定される。
以上のように、付与ポイントより多いポイントが報知ポイントとして決定され得るテーブルを用いて報知抽選した場合には、たとえば差数が大きくなり過ぎたときであっても、付与ポイントよりも遊技者にとっての有利度合いが高いポイントを報知ポイントとして報知することにより、差数を小さくすることができる。このため、報知ポイント総数の信頼性を向上させやすくすることができる。
(9) 前述した実施の形態における総数対応報知抽選では、図12のS10で更新される付与ポイント総数に応じて抽選を行なう例について説明した。しかし、総数対応報知抽選は、図12のS9で更新される報知ポイント総数に応じて抽選を行なうように構成してもよい。この場合における総数対応報知抽選では、図16(a)および(b)で示すテーブルが参照され、報知するか否かおよび付与ポイントを正確に報知するか否かを、それまでに報知された報知ポイント総数に応じた確率で決定される。さらに、この場合における総数対応報知抽選では、報知ポイント総数が多いときよりも報知ポイント総数が少ないときの方が、高い割合で報知するに決定されるとともに、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知ポイントが決定される。一方、報知ポイント総数が少ないとき程、遊技者はポイントが報知されたか否かに対する注目度合いが高い。よって、ポイント付与演出に対する遊技者の注目度合いが高い段階においては、付与されたポイントに相当する期待感および安心感を高い割合で遊技者に抱かせることができる。
(10) 前述した実施の形態におけるポイント関連処理において、S10において更新される付与ポイント総数が上限である場合であっても、S9において更新される報知ポイント総数が上限でない場合には、S3以降の処理が実行されるように構成してもよい。これにより、付与ポイント総数が上限となった後であっても、報知ポイント総数が上限に達していないときには、付与ポイント総数が上限となる前と同じ制御が行なわれる。その結果、付与ポイント総数が上限となった後にポイント付与演出が実行されないといった不都合の発生を防止することができる。なお、報知ポイント総数が上限となった場合には、ポイント関連処理を実行しないように構成してもよい。これにより、無駄な処理が行なわれることを防止することができる。
(11) 前述した実施の形態における有利RTを終了させる契機となる入賞役として再遊技役である転落リプレイが設定されている例について説明した。しかし、有利RTを終了させる契機となる入賞役は、再遊技役に限らず、所定の小役、入賞により次の1ゲームをボーナスに制御するシングルボーナスなどであってもよい。
(12) ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行なうものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行なうものであってもよく、所定数減算する処理を行なうものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行なうものであってもよく、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行なうかを決定し、該決定された処理を行なうものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(13) 前述した実施の形態においては、付与ポイント数が減算されない例について説明したが、所定の減算条件(たとえば、特定の入賞役に当選)したことを条件として、付与ポイント数から所定数減算するように構成してもよい。この場合、減算されたポイント数として、実際に減算されたポイント数を報知するか、実際に減算されたポイント数よりも多いポイント数を報知するように構成してもよい。実際に減算されたポイント数を報知するか、実際に減算されたポイント数よりも多いポイント数を報知するかについては、付与ポイント、差数、付与ポイント数、報知ポイント数のうち少なくともいずれかに応じて異なる確率で決定するように構成してもよい。このように構成した場合には、ポイントが付与された後も、ポイントが減算されることに対する緊張感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(14) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、付与ポイントが、各種抽選に用いられる例について説明した。しかし、付与ポイントは、演出状態に関わらず、ナビ演出を実行するために用いられるものであってもよい。ナビ演出は、ポイントに応じた回数だけ実行するようにしてもよく(ポイント1に対してナビ演出1回実行)、ポイントに応じたゲーム数消化する間に転落リプレイなどに当選したときにナビ演出を実行するようにしてもよく(ポイント1に対して3ゲームに亘りナビ演出実行可能)、また、付与ポイントの量に応じた割合にしたがって転落リプレイなどに当選する毎にナビ演出を実行するか否かの抽選を行ない当選したときにナビ演出を実行する(付与ポイント総数が多い程、高い割合でナビ演出抽選に用いる確率として高い確率を決定する)ようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、図8(a)で示したように、昇格リプレイの入賞手順および転落リプレイの回避手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであってもよい。たとえば、転落リプレイとして転落リプレイ1(白7−バナナ−バナナ)、転落リプレイ2(黒7−バナナ−バナナ)、転落リプレイ3(BAR−バナナ−バナナ)が設けられており、内部抽選において転落リプレイ以外のリプレイと、転落リプレイ1〜3の各々とが同時に当選し得るように構成されている場合には、同時当選している転落リプレイを構成する左図柄を入賞ライン上に停止させないようなタイミングで停止操作する手順が転落リプレイの回避手順となる。また、昇格リプレイの入賞手順および転落リプレイの回避手順は、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであってもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、ブドウ当選時における取りこぼし出目である特殊出目が導出されることにより、準備モードあるいは有利RTから通常遊技状態に転落する例について説明したが、準備モードあるいは有利RTから通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。たとえば、特定の小役(たとえばメロン)に入賞することであってもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、昇格リプレイ入賞することにより、通常遊技状態から有利RTに昇格する例について説明したが、通常遊技状態から有利RTへの昇格契機はこれに限らず、たとえば、同時当選役取りこぼし時の図柄組合せであってもよい。イチゴ1+イチゴ2に当選時においてイチゴ入賞を回避したときにのみ発生する所定のはずれ図柄の組合せが導出することであってもよい。これにより、イチゴを取りこぼす代わりに、ナビ可能期間に制御するとともに有利RTに制御されるという面白みを付加することができる。
(19) 前述した実施の形態においては、RT中、ATモードにおいて特定の期間として50ゲーム消化することにより、1のナビストックに対するATモードを終了させる例について説明した。しかし、特定の期間としては、予め定められた回数分ゲーム消化する期間に限らず、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化する期間、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達するまでの期間、特定の入賞役(たとえばイチゴ1など)に当選した回数が所定回数に到達するまでの期間などであってもよい。
(20) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。