本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では通常遊技状態、準備モード、及びリプレイの当選確率が高確率となるRT(ReplayTime)においては3、ボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では9枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。尚、中リールでは、中段にしか入賞ラインが設定されないため、リール2Cにおいて、ストップスイッチ8Cが操作されたときに当該ストップスイッチに対応する中リールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインCPU41aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、内部当選フラグ、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。RTワークは、現在の遊技状態がRT(0)〜(4)のいずれかである場合にその旨を示すRTフラグ、RT残りゲーム数が格納されるワークである。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる6種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及びRTワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、RTワーク及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化3は、BB終了時に行う初期化であり、初期化3では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化4では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化5は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化5では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1、初期化2を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施例におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、ボーナス終了後に制御される準備モード、所定条件が成立(後述する準備モードあるいは有利RTにおいて後述する1枚役・2枚役同時入賞、あるいは有利RTにおいて転落リプレイ入賞)することにより制御される通常遊技状態、通常遊技状態において所定の有利条件が成立(後述する昇格リプレイ入賞)することにより制御される有利RT、ボーナス内部当選したときに制御される内部中RT、及びボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。
有利RTは、各々、再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、準備モード及び通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。尚、有利RTを、RT、有利状態などという場合もある。
また、本実施例におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が通常遊技状態や有利RTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜5(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)の5種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB5は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス1(以下、RB1と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。また、BB4〜BB5のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス2(以下、RB2と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。
遊技状態がボーナスにある間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、RBの種類に対応するレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始される毎に対応するレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
BB1〜BB3のいずれかの入賞に起因して発生したボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB4またはBB5の入賞に起因して発生したボーナスは、73枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB5のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
後述する内部抽選においてBB1〜BB5のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB5を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ブドウ、9枚役1〜4、1枚役1〜4、スイカ、チェリー1、チェリー2、特殊役1、特殊役2が含まれる。
小役のうちスイカは、入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカが入賞すると3枚メダルが払い出される。スイカは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。スイカを構成する図柄(「スイカ」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、小役のうちチェリー1は、入賞ラインのいずれかに「チェリー−ブドウ−ブドウ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。小役のうちチェリー2は、リール2Cについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。尚、チェリー2が入賞した場合には、入賞ラインL1〜L5のすべてにおいて入賞となるため、5枚のメダルが払出される。
次に、小役のうち特殊役1は、入賞ラインのいずれかに「プラム−プラム−BAR」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。
小役のうち特殊役2は、入賞ラインのいずれかに「BAR−白7−白7」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。特殊役2は、後述するようにRB1中のみ当選可能に設定されている。尚、本実施例においては、後述するように、特殊役2が当選したときには、原則として、ナビストックが付与される。
小役のうちブドウは、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の図柄が導出されることにより入賞となり、9枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ブドウ図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選においてブドウに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、9枚役1〜3について説明する。9枚役1は、入賞ラインのいずれかに「白7−黒7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役3は、入賞ラインのいずれかに「白7−オレンジ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、9枚役1〜3各々を構成する図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において9枚役1〜3のいずれかに当選していても、当選している9枚役の構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している9枚役に入賞することはない。
9枚役1〜3のうちいずれかが入賞した場合には、9枚のメダルが払い出される。
次に、2枚役1〜4について説明する。2枚役1は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−プラム−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。2枚役2は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−スイカ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。2枚役3は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−チェリー−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。2枚役4は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、2枚役1〜4各々を構成する図柄のうち左リール及び右リールの「リプレイ」は7コマ以内に配置されているが、中リールの「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」は5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において2枚役1〜4のいずれかに当選していても、当選している2枚役の「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」に対応するストップスイッチ8Cを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している2枚役に入賞することはない。
2枚役1〜4のうちいずれかが入賞した場合には、2枚のメダルが払い出される。
次に、1枚役1〜4について説明する。1枚役1は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−プラム−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役2は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−スイカ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役3は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−チェリー−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役4は、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ベル−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、1枚役1〜4各々を構成する図柄のうち左リール及び右リールの「ブドウ」は7コマ以内に配置されているが、中リールの「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」は5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において2枚役1〜4のいずれかに当選していても、当選している1枚役の「プラム」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」に対応するストップスイッチ8Cを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している1枚役に入賞することはない。
1枚役1〜4のうちいずれかが入賞した場合には、1枚のメダルが払い出される。
また、図6に示すように、準備モード、有利RTにおいて1枚役と2枚役が同時入賞した後は、通常遊技状態に制御される。
通常リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「リプレイ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイを構成する図柄(「リプレイ」、「ブドウ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態において昇格リプレイに入賞した後は、有利RTに制御される。後述するように、昇格リプレイは、準備モードにおける内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、準備モードにおいては昇格リプレイに入賞しない。その結果、準備モードから有利RTに制御されないように構成されており、通常遊技状態であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常遊技状態からのみ有利RTに制御されるように構成されている。
尚、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、準備モード)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)で昇格リプレイについて抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からも有利RTに制御されるように構成しても良い。
転落リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ1及び転落リプレイ2各々を構成する図柄のうち、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、右リール2Rの図柄(「黒7」「BAR」)は、7コマ以内に配置されていない。
しかしながら、転落リプレイ1と転落リプレイ2とは、同時に当選するため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに関わらず、転落リプレイ1及び転落リプレイ2のうちいずれかの右リール2Rを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、転落リプレイ1及び転落リプレイ2は、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、有利RTにおいて転落リプレイに入賞した後は、通常遊技状態に制御される。
制御用リプレイは、入賞ラインのいずれかに「リプレイ−白7−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。制御用リプレイを構成する図柄のうち、リール2L、2Rの図柄(「リプレイ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されているが、中リール2Cの図柄(「白7」)は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において制御用リプレイに当選していても、ストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、制御用リプレイに入賞しない。
しかし、制御用リプレイは、昇格リプレイや転落リプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに関わらず、昇格リプレイや転落リプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、制御用リプレイは、原則として、当選しても入賞させることができないが、同時に当選するリプレイのいずれかを入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、準備モードあるいは有利RTにおいて2枚役と1枚役が同時入賞した後は、通常遊技状態に制御される。通常遊技状態は、ボーナスに当選するか、昇格リプレイに入賞するまで継続して制御される。尚、準備モードあるいは有利RT以外の遊技状態において2枚役と1枚役が同時入賞したとしても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において2枚役と1枚役が同時入賞したとしても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施例では、遊技状態がいずれであるかによって抽選対象役の組合せが異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、図7の○印の下に示す数値は、所定の設定値(例えば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役(図7の通常の「スイカ」)の当選確率は、300/65536となる。
遊技状態が通常遊技状態であるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
尚、リプGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイをいい、通常リプレイ及び昇格リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。リプGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、及び制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。
また、左中右ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4をいう。左右中ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1をいう。右左中ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役2をいう。右中左ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役3をいう。中ブドウとは、ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1+9枚役2をいう。よって、例えば、左中右ブドウとは、ブドウ、2枚役1〜4、及び1枚役1〜4が読み出されて内部抽選が行われることを示す。
遊技状態が準備モードであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が有利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
尚、リプGR3とは、通常リプレイ+転落リプレイをいい、通常リプレイ及び転落リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。リプGR4とは、通常リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、転落リプレイ、及び制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行われることを示す。転落リプレイとは、転落リプレイ1+転落リプレイ2をいい、転落リプレイ1及び転落リプレイ2が読み出されて内部抽選が行われることを示す。
遊技状態が内部中RTであるときには、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
尚、通常遊技状態などにおいて、BB1〜BB3のいずれかと同時当選し得るチェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1の判定値数は、内部中RTにおいては、各々、ボーナスと別個に読み出される、チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1に加算されているため、チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1各々の当選確率が一定となるように担保されている。
遊技状態がRB1であるときには、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、特殊役2、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。全小役とは、ブドウ+9枚役1〜3+2枚役1〜4+2枚役1〜4+スイカ+チェリー1+チェリー2+特殊役1をいう。また、遊技状態がRB2であるときには、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として読み出される。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行うことを許容するか否かを、全てのリールが停止する以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行われる。
本実施例においては、各役及び役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せ及び現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、ボーナスは、チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1の各役と同時に当選し得る。このうち、特に、チェリー1及びチェリー2を同時当選役ともいう。チェリー1+チェリー2+特殊役1、チェリー1+チェリー2、チェリー1のうち当選したときにボーナスと同時当選している割合は、チェリー1+チェリー2+特殊役1が最も高く、次にチェリー1+チェリー2、チェリー1の順となるように判定値数が設定されている。
次に、図7の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役当選確率を比較する。準備モードであるときには、通常リプレイが読み出され、そのときの判定値数として「9000」が設定されている。このため、準備モードにおいては、再遊技役として、通常リプレイのみに入賞可能であり、遊技状態の移行を伴う昇格リプレイや転落リプレイに入賞しない。その結果、準備モードにおいては、前述した2枚役・1枚役同時入賞することによってのみ、通常遊技状態に制御されるといえる。
通常遊技状態においては、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイにも入賞し得る。
通常遊技状態において、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「1800」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「6300」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「900」が設定されている。通常遊技状態において、昇格リプレイに入賞したときには、有利RTに制御される。尚、本実施例における通常遊技状態におけるリプレイの判定値数の合計値は、通常遊技状態であるときの通常リプレイの判定値数と同じ値となるように設定されている。よって、通常遊技状態においては、準備モードと、リプレイ当選確率が同じになるように設定されている。
一方、有利RT、内部中RTにおいては、各々、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2、リプGR3、リプGR4が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイや転落リプレイにも入賞し得る。
有利RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8000」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「24000」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「4000」が、リプGR3が読み出されるときの判定値数として「2000」が、リプGR4が読み出されるときの判定値数として「2000」が、設定されている。有利RTにおいて、転落リプレイに入賞したときには、通常遊技状態に制御され、昇格リプレイに入賞したときには遊技状態の移行が行われず当該有利RTが維持される。
内部中RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「7600」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「22800」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「3800」が、リプGR3が読み出されるときの判定値数として「1900」が、リプGR4が読み出されるときの判定値数として「1900」が、設定されている。内部中RTにおいて、昇格リプレイあるいは転落リプレイに入賞したときであっても、遊技状態が移行されず当該内部中RTが維持される。
以上より、準備モード、通常遊技状態、有利RT、及び内部中RT各々における、いずれかのリプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
準備モードであるときのリプレイ当選確率・・・・ 9000/65536
通常遊技状態であるときのリプレイ当選確率・・・ 9000/65536
有利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・40000/65536
内部中RTであるときのリプレイ当選確率・・・・38000/65536
これらより、本実施例においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、有利RT及び内部中RTであるときに、通常遊技状態及び準備モードであるときよりも高くなるように設定されている。このため、有利RT及び内部中RTは、通常遊技状態あるいは準備モードであるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、有利RTであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、有利RTであるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
次に、通常遊技状態、有利RT及び内部中RT各々における、昇格リプレイあるいは転落リプレイの当選確率の比率に着目する。
まず、昇格リプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの昇格リプレイ当選確率・・・ 7200/65536
有利RTであるときの昇格リプレイ当選確率・・・・・28000/65536
内部中RTであるときの昇格リプレイ当選確率・・・・26600/65536
また、転落リプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの転落リプレイ当選確率・・・・・・・0/65536
有利RTであるときの転落リプレイ当選確率・・・・・・4000/65536
内部中RTであるときの転落リプレイ当選確率・・・・・3800/65536
これらより、通常遊技状態、有利RT及び内部中RT各々における、昇格リプレイあるいは転落リプレイの当選率の比率は、以下のようになる。
通常遊技状態であるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率…1:0
有利RTであるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率・・・7:1
内部中RTであるときの昇格リプレイ当選率:転落リプレイ当選率・・7:1
よって、通常遊技状態、有利RT及び内部中RTのうちいずれの遊技状態においても、昇格リプレイに当選する割合の方が転落リプレイに当選するよりも高くなるように、昇格リプレイ及び転落リプレイの当選率が設定されている。特に、有利RTであるときと内部中RTであるときとでは、同じ比率となるように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(チェリー1、スイカ、ブドウ1など)に当選した場合、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行われる。尚、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB1+通常リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(例えば、リプGR1など)には、図8に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図8は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
例えば、通常リプレイと昇格リプレイとを含むリプGR1が当選し、順押し、逆押しあるいは挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、中押しとなる操作態様で操作された場合には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作態様をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる操作態様をいう。挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる操作態様、あるいは右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる操作態様をいう。中押しとは、中リール2Cを第1停止させる操作態様をいう。
また、通常リプレイと昇格リプレイと制御用リプレイとを含むリプGR2が当選し、順押し、逆押しあるいは中押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、通常リプレイ及び昇格リプレイを構成する図柄は、左リール2L及び右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、通常リプレイまたは昇格リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときには、いずれに当選したか否かに関わらず、順押しあるいは逆押しすると、必ず通常リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。このように、リプGR1とリプGR2とで、通常リプレイに入賞させるための共通の操作態様が設定されている。
また、リプGR1に当選したときには、挟み押しすると通常リプレイを入賞させ、中押しすると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。これに対し、リプGR2に当選したときには、中押しすると通常リプレイを入賞させ、挟み押しすると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。このように、リプGR1とリプGR2とで、昇格リプレイに入賞させるため操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、通常遊技状態において、順押しあるいは逆押しの共通の操作態様で操作する限り、昇格リプレイに入賞することが有り得ず、有利RTに制御されることがない。一方、通常遊技状態において、挟み押しあるいは中押しすると、昇格リプレイに当選していれば1/2の確率で当該昇格リプレイに入賞し、有利RTに制御される。
尚、後述するように、通常遊技状態であって後述するナビ演出が実行されていないときに上記共通の操作態様以外の操作態様で操作されたことを条件として、遊技者にとって不利益となる所定のペナルティが課され、さらに、偶然昇格リプレイに当選しかつ入賞して有利RTに制御されたとしても当該有利RTにおいてATに制御されずナビ演出が実行されないために、意図的に2枚役・1枚役同時入賞及び転落リプレイ入賞を回避することができず当該有利RTを維持させることができないように構成されている。その結果、通常遊技状態において、共通の操作態様以外の操作態様で操作することによる利益よりもペナルティが課されることによる不利益の方が大きくなる。よって、共通の操作態様以外の操作態様で操作するよりも共通の操作態様で操作する方が、遊技者にとっての有利度合いを高くすることができる。
尚、共通の操作態様は、ストップスイッチ8Lを第1停止させる操作態様であっても良い。例えば、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときには、いずれに当選したか否かに関わらず、ストップスイッチ8Lを第1停止(例えば順押し)させる限り、必ず通常リプレイを入賞させるようにリール制御が行われるように構成しても良い。これにより、共通の操作態様をわかり易くすることができる。また、この場合、リプGR1に当選したときには、ストップスイッチ8Rを第1停止(例えば逆押し)すると通常リプレイを入賞させ、ストップスイッチ8Cを第1停止(例えば中押し)すると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われるように構成し、リプGR2に当選したときには、ストップスイッチ8Cを第1停止(例えば中押し)すると通常リプレイを入賞させ、ストップスイッチ8Rを第1停止(例えば逆押し)すると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行われるように構成しても良い。
また、通常リプレイと転落リプレイとを含むリプGR3が当選し、順押しまたは挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、逆押しまたは中押しとなる操作態様で操作された場合には、転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
また、通常リプレイと転落リプレイと制御用リプレイを含むリプGR4が当選し、順押しまたは挟み押しとなる操作態様で操作された場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、逆押しまたは中押しとなる操作態様で操作された場合には、通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、転落リプレイ1及び転落リプレイ2各々単独では、右リール2Rの図柄(「黒7」「BAR」)が7コマ以内に配置されていないために、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって取りこぼす。しかし、転落リプレイ1と転落リプレイ2とが同時に当選するため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、通常リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプGR3に当選したときには、順押しまたは挟み押しすると通常リプレイを入賞させ、逆押しまたは中押しすると転落リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。これに対し、リプGR4に当選したときには、逆押しまたは中押しすると通常リプレイを入賞させ、順押しまたは挟み押しすると転落リプレイを入賞させるようにリール制御が行われる。このように、転落リプレイ入賞を回避させ通常リプレイを入賞させるための操作態様が、リプGR3当選時とリプGR4当選時とで異なるように設定されている。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(チェリー1+チェリー2、ブドウ1〜8すべてなど)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行われる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選している場合には、図9に示すように、特別役が当選しているか否か、同時当選した小役の種類及びリールの停止順に応じてブドウのみを1本の入賞ライン上に揃えて停止させるか、1枚役と2枚役を同時に入賞ライン上に揃えて停止させる制御が行われる。図9(a)は、特別役が当選していない状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図であり、図9(b)は、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
図9(a)に示すように、特別役が当選していない状態で左中右ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1〜4)が当選している場合には、左、中、右の順番でリールの停止操作を行った場合に、図10(a)に示すように、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、左、中、右以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、図10(b)に示すように、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。この際、1枚役1〜4のいずれが揃うか、2枚役1〜4のいずれが揃うか、は中リールの中段に停止する図柄によって異なり、中リールの中段にプラムが停止すれば1枚役1と2枚役1がそれぞれ揃い、中リールの中段にスイカが停止すれば1枚役2と2枚役2がそれぞれ揃い、中リールの中段にチェリーが停止すれば1枚役3と2枚役3がそれぞれ揃い、中リールの中段にベルが停止すれば1枚役4と2枚役4がそれぞれ揃うこととなる。
特別役が当選していない状態で左右中ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1)が当選している場合には、左、右、中の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、左、右、中以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で右左中ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役2)が当選している場合には、右、左、中の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、右、左、中以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で右中左ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役(1)+1枚役1〜4+9枚役3)が当選している場合には、右、中、左の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、右、中、左以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で中ブドウ(ブドウ+2枚役1〜4+1枚役1〜4+9枚役1+9枚役2)が当選している場合には、中リールを第1停止とする順番(中、左、右または中、右、左の順番)でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、中リール以外を第1停止とする順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
このように本実施例では、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の順番で停止操作を行うことで、1本の入賞ラインにブドウが揃い、特定の順番以外の順番で停止操作を行うことで、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役が同時に揃うこととなる。すなわち左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、停止操作の順番に応じて入賞ラインに揃う小役の種類だけでなく、小役が揃う入賞ライン数も異なるようになるため、小役が入賞した際のリールの停止態様のバリエーションを増やすことができる。
また、当選役の種類に応じた特定の順番で停止操作を行って1本の入賞ラインにブドウを入賞させた場合には、9枚のメダルの払出を受けられるのに対して、特定の順番以外の順番で停止操作を行って2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に入賞させた場合には、3枚のメダルの払出しか受けることができない。すなわち特定の順番で停止操作するか、特定の順番以外で停止操作するかによって払い出されるメダル数を変化させることができる。
また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にブドウが入賞する順番を選択することはできないことから、1/5の割合でブドウを入賞させることができるものの、4/5の割合で1枚役と2枚役が同時入賞することとなる。すなわち左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、1/5の割合で9枚のメダルを獲得できるが、4/5の割合では3枚しかメダルを獲得することができない。
ここで、有利RTから通常遊技状態に転落する確率について説明する。有利RTから通常遊技状態に転落する契機は、転落リプレイ入賞、及び2枚役・1枚役同時入賞が設定されている。転落リプレイ入賞確率は、転落リプレイ当選確率及びリール制御から、4000/65536×1/2=2000/65536となる。
次に、2枚役・1枚役同時入賞確率を算出する。左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選したときに、2枚役と1枚役が同時入賞する操作態様で操作される確率は、4/5である。また、また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウの当選確率が3120×5/65536であるから、2枚役・1枚役同時入賞率は、3120×5/65536×4/5=12480/65536となる。
よって、有利RTにおいて、演出状態が後述するATでないときに転落リプレイ入賞あるいは2枚役・1枚役同時入賞により通常遊技状態に転落する確率は、14480/65536≒1/4.5となる。
このため、仮にナビ演出が実行されていない通常遊技状態において共通の操作態様以外で操作することにより、偶然昇格リプレイに入賞して有利RTに制御されたとしても、当該有利RTにおいてATに制御されずナビ演出が実行されないため、約4.5ゲームしか当該有利RTを継続させることができず通常遊技状態に転落する。また、上記のようにナビ演出が実行されていないときに共通の操作態様以外で操作することにより、ペナルティが課される。よって、通常遊技状態中であってナビ演出が実行されていないときには、遊技者に対し、共通の操作態様で操作させることができる。
本実施例では前述のように、特別役の当選後、小役が当選した場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させる制御を行うようになっているが、このように小役を優先させる制御を行う場合であっても、特別役が当選していることに変わりはないことから、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方を引込範囲で引き込めるのであれば、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させることが好ましい。
前述のように左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合には、停止操作の順番に応じて1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御か、2本の入賞ラインに1枚役の組合せと2枚役の組合せを同時に揃える制御か、のいずれかの制御を行うこととなるが、特別役、例えばBB1の当選後、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、後者の制御を行うと、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させる制御を行った場合に、左リールにおいてBB1の構成図柄である黒7と1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも優先される停止位置は、図11(a)に示すように、17・18・19番図柄の黒7・ブドウ・リプレイの位置しか存在しない(18番図柄が下段のタイミングで停止すると、1枚役しか入賞ラインに揃えることができなくなることからこの場合には、0〜2番のブドウ・リプレイ・BARが停止することとなる)。
そして、左リールにおいてBB1の構成図柄である黒7と1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイをそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を増やそうとすると、図11(b)に示すように、黒7の前後に1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイそれぞれ配置する必要があり、黒7の上下の図柄配置が制限を受けることとなる。
これに対して本実施例では、図3に示すように、左リールの図柄配列の一部として、BB1の構成図柄である黒7と、ブドウの構成図柄であるブドウと、を同時に異なる入賞ラインに停止可能であるが、BB1の構成図柄である黒7と、1枚役の構成図柄であるブドウと、2枚役の構成図柄であるリプレイと、を同時に異なる入賞ラインに停止させることが不可能な配置とし、さらに図9(b)に示すように、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選している場合には、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御を行うようになっており、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われることはない。
このため、BBの当選後、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、図12に示すように、17・18・19番図柄の黒7・ブドウ・リプレイの位置だけでなく、18・19・20番図柄の白7・黒7・ブドウの位置も、左リールにおいてBBの構成図柄である黒7とブドウの構成図柄であるブドウがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置となり、BBの構成図柄である黒7の上下どちらか一方のみに小役の構成図柄を配置するのみで、BBの構成図柄である黒7とブドウの構成図柄であるブドウがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置を増やすことが可能となり、BBの構成図柄である黒7の上下どちらか他方に配置される図柄が制限されることなく、自由に設定することが可能となる。
すなわち、BBと左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当時に当選した場合に、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させる構成にしても、左リールにおいてBBを構成する黒7とブドウを構成するブドウとが同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち2種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置とすることで、BBを構成する黒7、1枚役を構成するブドウ、2枚役を構成するリプレイからなる3つの図柄が全て同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち3種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置に比較して図柄配列の制限が少なくて済む。このため、左リールにおける図柄配置の設計自由度が増すこととなる。
さらに、特別役が当選していない状態では左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、リールの停止操作を行った順番に応じて1/5の割合でしかブドウの組合せが揃わないのに対して、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選している場合には、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御を行うこととなるため、ブドウが入賞ラインに揃う頻度が高まることにより特別役の当選に対する期待感を高めることができる。
また、前述のように特別役の当選後、小役が当選した場合に特別役よりも小役を優先させる制御を行う場合であっても、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方を引込範囲で引き込めるのであれば、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させることが好ましいが、このような制御を行うと、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、リールの停止操作を行った順番に応じて1枚役と2枚役が同時入賞させるか、ブドウを入賞させるか、を変化させると、特別役の当選後、遊技者の停止操作を行ったタイミングによっては、本来であれば1枚役と2枚役が同時に入賞する停止順にも関わらず、1枚役または2枚役のいずれか一方しか入賞させることができなかったり、ブドウが入賞してしまう可能性があり、このような場合には、特別役の当選後において左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選した場合に、遊技者の技量によって獲得できるメダル数に変化が生じて不公平となるが、本実施例では、特別役が当選している状態で左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかが当選している場合に、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御を行うので、このような状況であっても遊技者の技量によって獲得できるメダル数は変化しないため、不公平となることもない。
次に、チェリー1に当選している場合のリール制御について説明する。チェリー1は、図7で示したように、単独で当選する場合、チェリー2と同時当選する場合、チェリー2+特殊役1と同時当選する場合が生じ、各々、図13に示すようにリール制御が行われる。
まず、チェリー1に単独で当選しているときには、チェリー1を構成する図柄である「チェリーブドウ−ブドウ」を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行われる。図3に示すように、チェリー1を構成する図柄のうち、中リール2C及び右リール2R各々の図柄である「ブドウ」は、5コマあるいは7コマ以内の間隔で配置されているが、左リール2Lの図柄である「チェリー」は、7コマ以内の間隔で配置されていないため、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングに応じて入賞するようにリール制御が行われる。
次に、チェリー1+チェリー2に当選しているときには、左リール2Lの「チェリー」と、中リール2Cの「チェリー」と、を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行われる。尚、中リール2Cの「チェリー」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちチェリー2を取りこぼす場合には、チェリー1を入賞させるリール制御が行われる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2Lと中リール2Cとで「チェリー」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。尚、右リール2Rについては、「リプレイ」を入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、「チェリー」については少なくとも入賞ラインに引き込まないようにリール制御が行われる。すなわち、チェリー1+チェリー2に当選しているときには、「チェリー」が、左リール2L及び中リール2Cに揃って停止され得るが、さらに右リール2Rにまで揃って停止されないようにリール制御が行われる。
チェリー1+チェリー2+特殊役1に当選しているときには、左リール2Lの「チェリー」と、中リール2Cの「チェリー」と、右リール2Rの「チェリー」とを入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行われる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2L、中リール2C、右リール2Rとで「チェリー」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。すなわち、チェリー1+チェリー2+特殊役1に当選しているときには、「チェリー」が、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において揃って停止され得るようにリール制御が行われる。尚、中リール2Cの「チェリー」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちチェリー2を取りこぼす場合には、チェリー1を入賞させるリール制御が行われる。さらに、チェリー1を入賞させることができない場合には、引き込み可能な限り特殊役1を構成する図柄を引き込むリール制御が行われる。
図7で示したように、チェリー1やチェリー2は、ボーナスと同時当選する同時当選役であって、チェリー1+チェリー2+特殊役1が最も高く、次にチェリー1+チェリー2、チェリー1の順となるように判定値数が設定されている。また、チェリー1やチェリー2に当選しているときには、図13で示したリール制御が行われる。このため、「チェリー」の図柄が入賞ライン上に多く出現する程、ボーナス当選していることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施例においては、チェリー1やチェリー2などの同時当選役に当選したことを条件として、サブ制御部91により所定期間(例えば5ゲーム)に亘り、内部当選状況に応じてナビ演出が実行されるとともに、ボーナス当選していることを煽る連続演出が実行されるナビ可能期間に制御される。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施例にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、例えば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
尚、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う。抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、抽選処理では、BB1〜BB5のいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行われる。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行われた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。尚、入賞判定処理において、BB1〜BB5のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行われる。
また、入賞判定処理において、有利RTであるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行われる。また、通常遊技状態中であるときに昇格リプレイに入賞したと判断されたときには、有利RTに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に有利RTの値を設定など)が行われる。
また、準備モードあるいは有利RT中であるときに2枚役・1枚役同時入賞と判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行われる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、準備モードに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に準備モードフラグの値を設定など)が行われる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(準備モードであるか、通常遊技状態であるか、有利RTであるか、ボーナス中であるか等)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行われ、特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、通常遊技状態、有利RT、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行う。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(例えば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行われる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行われる。遊技演出を行うための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行うために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、及び内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況及び遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行う。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、ATへの制御に関し遊技者にとって不利益となるペナルティを課すためのペナルティ設定処理、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行われる。
[AT抽選処理]
AT制御処理は、ATに制御するか否かに関わるAT抽選を行うAT抽選処理を含む。ATには、設定されている継続確率に従って制御される第1ATと、獲得しているナビストック数に従って制御される第2ATとが設けられている。AT抽選処理は、第1ATに制御するか否かに関わる第1AT抽選を行う第1AT抽選処理と、第2ATに制御するか否かに関わる第2AT抽選を行う第2AT抽選処理とを含む。
AT制御処理では、第1AT当選したときには通常遊技状態に制御されてから次回ボーナス入賞するまで第1ATに制御し、第2AT当選したときには通常遊技状態に制御されてから第2ATを開始し、その後有利RTに制御されてからナビストック数に応じた期間に亘り第2ATに制御する。AT制御処理では、第1AT抽選において第1ATに制御する決定がされているときには、第1ATに制御し、第1AT抽選において第1ATに制御する決定がされていないときであって第2AT抽選において第2ATに制御する決定がされておりナビストック数を有しているときには、第2ATに制御する。すなわちAT制御処理は、第2ATよりも優先的に第1ATに制御する。また、AT制御処理では、前回ボーナスが終了してから第1AT及び第2ATのいずれにも制御されていない非ATにおいて消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達したときには、第1AT抽選及び第2AT抽選の結果に関わらず、次にボーナス入賞するまでATに制御される。
[第1AT抽選処理におけるAT抽選及び昇格抽選]
第1AT抽選処理では、第1AT抽選条件が成立したときに、第1AT抽選が実行される。図14は、第1AT抽選を説明するための図である。第1AT抽選条件としては、図14に示すように、BB1〜BB5のいずれかのボーナスの単独当選を示す「ボーナス単独当選」、ボーナス終了後の1ゲーム目(例えば準備モードの1ゲーム目)においてボーナス当選したことを示す「1ゲーム目ボーナス当選」、ボーナス中におけるスイカの単独当選を示す「スイカ単独当選」、ボーナス中における特殊役2の単独当選を示す「特殊役2単独当選」が設けられている。尚、単独当選とは、1回の内部抽選において複数の入賞役が同時に当選することではなく、例えばBB1のみ当選するなど、一の入賞役が単独で当選することを意味する。
第1AT抽選条件の成否は、メイン制御部41からのコマンド(例えば内部当選コマンド及び遊技状態コマンド)に基づき判定される。尚、ボーナス終了後の1ゲーム目においてボーナスが単独当選したときには、本実施例では「ボーナス単独当選」ではなく「1ゲーム目ボーナス当選」が成立したものとするが、これに限らず、「1ゲーム目ボーナス当選」ではなく「ボーナス単独当選」が成立したものとしても良い。
また、第1AT抽選に用いられる当選率としては、「ボーナス単独当選」に対応して「70%」が、「1ゲーム目ボーナス当選」に対応して「100%」が、「スイカ単独当選」に対応して「30%」が、「特殊役2単独当選」に対応して「100%」が設定されている。
第1ATフラグが設定されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立したときには、第1AT抽選として、対応する当選率に従って第1ATに制御するか否かのAT抽選を行う。第1ATフラグとは、第1AT当選したことを示すフラグであって、第1AT抽選において第1ATに制御すると決定されたときにRAM91cの所定領域に格納される。第1ATフラグは、次回ボーナス入賞するまで維持される。これにより、第1ATフラグが設定されているときには、次回ボーナス入賞するまで第1ATに制御される。本実施例においては、第1ATに実際に制御されている状態を第1報知状態ともいい、本実施例においては、第1ATフラグが設定されている状態を報知期間ともいう。
また、第1ATフラグが設定されているときにおいて第1AT抽選条件が成立したときには、第1AT抽選として、対応する当選率に従って継続確率を昇格(向上)させるか否かの昇格抽選を行う。継続確率とは、制御することが確定している第1ATが終了した後にさらに第1ATに制御させるか否かを決定するときに用いられる確率であって、第1ATに制御させると決定する確率をいう。
尚、本実施例においては、図14に示すように、第1AT抽選における当選率を、AT抽選と昇格抽選とで同じである例について説明するが、これに限らず、AT抽選と昇格抽選とで異ならせても良い。例えば、昇格抽選よりも、AT抽選の方が高い当選率を用いるようにしても良い。この場合、第1ATに制御され易いが昇格し難いという遊技性を提供することができる。また、AT抽選よりも、昇格抽選の方が高い当選率を用いるようにしても良い。この場合、第1ATに制御され難いが一旦第1ATに制御されると昇格し易くなるという遊技性を提供することができる。
[第1AT抽選処理における初当選時確率抽選及び昇格時確率抽選]
第1AT抽選処理では、第1AT抽選におけるAT抽選あるいは昇格抽選で当選したときに、第1AT抽選としてさらに継続確率を決定するための確率抽選が実行される。図15は、確率抽選を説明するための図である。また、図16は、確率抽選で参照される確率抽選用テーブルを説明するための図である。
第1ATフラグが設定されていないときにおける第1AT抽選(AT抽選)で当選したときには、確率抽選として、成立した第1AT抽選条件に対応する確率抽選用テーブルを参照して、当該第1AT抽選で当選したことにより制御される第1ATが終了した後(第1ATが1回終了した後)においても第1ATに制御させるか否かを決定するために用いる継続確率を抽選する初当選時確率抽選を行う。
初当選時確率抽選では、図15に示すように、「ボーナス単独当選」に対応して図16(a)の初当選時確率抽選用テーブルが、「1ゲーム目ボーナス当選」、「スイカ単独当選」及び「特殊役2単独当選」各々に対応して図16(b)の初当選時確率抽選用テーブルが参照されて、抽選が行われる。
初当選時確率抽選において図16(a)のテーブルが参照されたときには、40%の振分率で継続確率として「25%」に、30%の振分率で継続確率として「50%」に、20%の振分率で継続確率として「75%」に、10%の振分率で継続確率として「77%」に決定される。また、初当選時確率抽選において図16(b)のテーブルが参照されたときには、50%の振分率で継続確率として「25%」に、30%の振分率で継続確率として「50%」に、20%の振分率で継続確率として「75%」に決定される。
初当選時確率抽選において継続確率が決定されたときには、当該継続確率を特定するための継続確率特定用情報をRAM91cの所定領域に格納する。第1ATは、決定された継続確率に従って当該第1ATを継続させるか否かが決定される。このため、決定された継続確率が高い程、長い期間に亘り第1ATに制御される可能性が高まるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
このように、初当選時確率抽選では、「25%」〜「77%」の範囲内における確率から一の継続確率が決定される。また、この範囲内のうち最高確率である「77%」は、図16(b)のテーブルが参照されたときには選択され得ず、図16(a)のテーブルが参照されたとき、すなわち「ボーナス単独当選」したときにのみ選択され得るように、初当選時確率抽選における当選率が設定されている。
ここで、第1AT抽選条件のうち「ボーナス単独当選」が成立する確率は、その他の「1ゲーム目ボーナス当選」、「スイカ単独当選」、及び「特殊役2単独当選」各々が成立するいずれの確率よりも低くなっていることについて説明する。
まず、ボーナス以外の遊技状態中のゲームにおいて成立する第1AT抽選条件は、「ボーナス単独当選」及び「1ゲーム目ボーナス当選」である。このうち、「ボーナス単独当選」が成立する確率は、図7のボーナス単独当選の判定値数から、6/65536となる。一方、「1ゲーム目ボーナス当選」が成立する確率は、図7のボーナス当選の判定値数から、269/65536となる。
また、ボーナス中のゲームにおいて成立する第1AT抽選条件は、「スイカ単独当選」及び「特殊役2単独当選」である。このうち、「スイカ単独当選」が成立する確率は、図7のボーナス中におけるスイカの単独当選の判定値数から、700/65536となる。また、「特殊役2単独当選」が成立する確率は、図7のボーナス中における特殊役2の単独当選の判定値数から、80/65536となる。
以上より、図7の判定値数に基づく第1AT抽選条件各々の成立確率は、「ボーナス単独当選」が最も低いといえる。このように、複数種類の第1AT抽選条件のうち、最も成立確率が低い第1AT抽選条件が成立したときにだけ、継続確率として最高確率である「77%」を選択し得、それ以外の第1AT抽選条件が成立したときには選択し得ない。これにより、第1AT抽選条件のうちいずれが成立したときであっても最高確率である「77%」を選択し得るものと比較して、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
本実施例においては、第1AT抽選条件のうち継続確率として最高確率を選択し得る第1AT抽選条件の成立確率が、その他の、継続確率として最高確率を選択し得ない第1AT抽選条件のいずれの成立確率よりも低くなる例について説明した。しかし、第1AT抽選条件のうち継続確率として最高確率を選択し得る第1AT抽選条件の成立確率は、複数種類の第1AT抽選条件のうちいずれかの第1AT抽選条件の成立確率よりも低くなるものであっても良く、同様の効果を奏する。
また、本実施例においては、遊技状態を考慮に入れず、図7の判定値数から算出され得る成立確率を比較し、第1AT抽選条件のうち最高確率を選択し得る第1AT抽選条件の成立確率が他の第1AT抽選条件(少なくとも他の1つの第1AT抽選条件、あるいは他のすべての第1AT抽選条件)よりも低くなる例について説明した。しかし、比較する成立確率は、例えば、それぞれの第1AT抽選条件が成立し得る遊技状態となる確率(例えば、ボーナス終了後1ゲーム目となる確率、ボーナス中になる確率など)と当該遊技状態において当該第1AT抽選条件が成立する確率(図7の判定値数から算出され得る確率)とから算出される確率や、これら算出される確率と図14で示す当選率とから算出される合算確率などであっても良い。確率を比較したときに、第1AT抽選条件のうち最高確率を選択し得る第1AT抽選条件の成立確率が、他の第1AT抽選条件(少なくとも他の1つの第1AT抽選条件、あるいは他のすべての第1AT抽選条件)よりも低くなるものであれば良い。すなわち、第1AT抽選条件のうち最高確率を選択し得る第1AT抽選条件が、他の第1AT抽選条件(少なくとも他の1つの第1AT抽選条件、あるいは他のすべての第1AT抽選条件)よりも、成立し難いように設定されているものであれば良い。
また、すでに第1ATフラグが設定されているときにおける第1AT抽選(昇格抽選)で当選したときには、確率抽選として、成立した第1AT抽選条件に対応する確率抽選用テーブルを参照して、設定されている継続確率を昇格(向上)させる加算確率を抽選する昇格時確率抽選を行う。昇格時確率抽選において加算確率が決定されたときには、当該加算確率を現在の継続確率に加算した確率を特定するための継続確率特定用情報に更新する。
昇格時確率抽選では、図15に示すように、「ボーナス単独当選」及び「1ゲーム目ボーナス当選」各々に対応して図16(c)の昇格時確率抽選用テーブルが、「スイカ単独当選」及び「特殊役2単独当選」各々に対応して図16(b)の昇格時確率抽選用テーブルが参照されて、抽選が行われる。
昇格時確率抽選において図16(c)のテーブルが参照されたときには、45%の振分率で加算確率として「5%」に、30%の振分率で加算確率として「10%」に、20%の振分率で加算確率として「20%」に、5%の振分率で上限確率(75%)となる加算確率に決定される。尚、昇格時確率抽選において図16(c)のテーブルが参照されて加算された継続確率の上限は、75%以下に制限される。このため、決定された加算確率を現在の継続確率に加算した結果75%を超える場合であっても、継続確率75%までしか更新されない。
また、昇格時確率抽選において図16(d)のテーブルが参照されたときには、50%の振分率で加算確率として「2%」に、27%の振分率で加算確率として「5%」に、20%の振分率で加算確率として「10%」に、3%の振分率で上限確率(70%)となる加算確率に決定される。尚、図16(d)の昇格時確率抽選用テーブルが参照されて加算された継続確率の上限は、70%以下に制限される。このため、決定された加算確率を現在の継続確率に加算した結果70%を超える場合であっても、継続確率70%までしか更新されない。
このように、昇格時確率抽選では、継続確率を向上させることができる。また、図16(c)のテーブルが参照されたときの方が、図16(d)のテーブルが参照されたときよりも、高い割合でより高い加算確率に決定され得る。また、加算後の継続確率の上限が、図16(c)のテーブルが参照されたときの方が、図16(d)のテーブルが参照されたときよりも、高くなるように設定されている。このため、ボーナス中においてスイカや特殊役2に単独当選することに対する期待感を抱かせつつ、ボーナス当選したときにより一層の期待感を抱かせることができる。
一方、昇格時確率抽選では、初当選時確率抽選で選択され得る最高確率「77%」に到達しないように構成されている。このため、最高確率「77%」に決定され得る初当選時確率抽選に対する注目度を向上させることができ、かつ初当選時確率抽選において最高確率「77%」に決定されていないときであってもその後の昇格時確率抽選で最高確率「77%」に到達し得るものと比較して射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
[第1AT抽選処理における継続抽選]
第1AT抽選処理では、決定された継続確率に従って、制御されることが確定している第1ATが終了した後においてさらに第1ATに制御させるか否か、すなわちさらに第1ATを継続させるか否かを抽選する継続抽選を行う。本実施例における継続抽選は、第1ATフラグが設定されていないときにおけるAT抽選でAT当選したとき、あるいは後述する継続回数カウンタの値として「1」が設定されているときであってボーナス当選したときに実行される例について説明する。
具体的に、第1ATフラグが設定されていないときにおけるAT抽選でAT当選したときには、前述した初当選時確率抽選において決定された継続確率に従って、今から開始される第1ATが終了した後において第1ATを継続させるか否かの継続抽選(以下では、初当選時継続抽選ともいう)を行う。初当選時継続抽選で当選したときには、例えば、継続可能回数を特定するための継続回数カウンタの値として「1」を格納する。継続回数カウンタの値は、RAM91cの所定領域において更新される。
前述した第1ATフラグは、原則として次回ボーナス入賞したときに消去される。しかし、ボーナス入賞したときに継続回数カウンタの値が1以上であるときには、当該継続回数カウンタの値を1減算するとともに、第1ATフラグを次回ボーナス入賞するまで維持させる。これにより、初当選時継続抽選で当選したときには、次回ボーナス入賞した後、更にその次のボーナスに入賞するまで、第1ATに継続して制御される。
また、初当選時継続抽選は、AT当選してから次に第1AT抽選条件が成立するまでに行われる。本実施例における初当選時継続抽選は、例えば、初当選時確率抽選の行われたゲームが終了したときに行われる。これにより、初当選時確率抽選で決定された継続確率に従って、少なくとも1回は、継続抽選が行われるため、初当選時確率抽選で決定される継続確率に対し期待感を抱かせることができる。
初当選時継続抽選で当選すると、今から開始される第1ATがボーナス入賞によって終了した後においても、当該ボーナス終了後において第1ATに制御される。しかし、初当選時継続抽選で当選しなければ、第1ATフラグが設定されている間において継続抽選が行われないため、今から開始される第1ATがボーナス入賞によって終了したことにより第1ATフラグがクリアされ、第1ATに制御されない。このため、初当選時継続抽選で当選しなければ、第1ATフラグが設定されているときであっても、上述した昇格時確率抽選を行わないようにしても良い。
また、継続回数カウンタの値が1に設定されているときにおいて、ボーナス当選したときには、初当選時確率抽選あるいは昇格時確率抽選(今回ボーナス当選に起因する昇格時確率抽選を含む)の結果に応じて現在設定されている継続確率に従って、継続回数カウンタに基づき制御されることが確定している第1ATが終了した後すなわち次回開始される第1ATが終了した後において、さらに第1ATを継続させるか否かを抽選する再継続抽選を行う。再継続抽選で当選したときには、例えば、継続回数カウンタの値を1加算する。
再継続抽選で当選すると、現在制御されている第1ATが終了した後に制御される次回の第1ATがボーナス入賞によって終了した後においても、当該ボーナス終了後において第1ATに制御される。しかし、再継続抽選で当選しなければ、第1ATフラグが設定されている間において再継続抽選が行われないため、次回の第1ATがボーナス入賞によって終了することにより第1ATフラグがクリアされ、第1ATに制御されない。このため、再継続抽選で当選しなければ、第1ATフラグが設定されているときであっても、上述した昇格時確率抽選を行わないようにしても良い。
以上のように、第1AT抽選処理の結果に応じて、第1ATに制御される。すなわち、第1ATフラグが設定されていないときに第1AT抽選条件が成立して実行されるAT抽選で当選すると、第1ATフラグを設定するとともにボーナス終了した後において第1ATに制御することができる。また、第1ATフラグが設定されているときに第1AT抽選条件が成立して実行される昇格抽選で当選すると、継続確率を向上させることができる。また、継続抽選は、制御することが確定している第1ATが終了した後にさらに第1ATに制御させるか否かを1回の継続抽選で抽選するものであり、当該継続抽選で当選しなかったときには制御することが確定している第1ATが終了することによりATフラグがクリアされる。
尚、後述するペナルティ設定処理においてペナルティが課されているペナルティ期間中には、第1AT抽選処理が行われない。すなわち、第1AT抽選条件が成立してもペナルティ期間中であるときには第1AT抽選処理における各種の抽選を行わず、第1ATに制御されないというペナルティが遊技者に課される。
[第2AT抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれる第2AT抽選処理を実行することにより、第2ATに制御するか否かの第2AT抽選を行う。第2AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の第2AT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときに第2AT抽選が実行される。第2AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。
ナビストック数とは、第2ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(例えば50)ゲームを消化する間、第2ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘り第2ATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図17は、第2AT抽選を実行する契機となる第2AT抽選条件の一例を説明するための図である。また、図18は、第2AT抽選において参照されるテーブルの一例を説明するための図である。
第2AT抽選条件は、図17に示す「遊技状態」において対応する「所定条件」を満たすことにより成立する。本実施例においては、第2AT抽選条件が成立したときであっても、第1AT抽選処理で設定される第1ATフラグが設定されているか否かに応じて異なる態様(異なるテーブル)で第2AT抽選が行われる。このため、以下では、第1ATフラグが設定されていないときの第2AT抽選と、第1ATフラグが設定されているときの第2AT抽選とについて説明する。
[第1ATフラグ未設定時における第2AT抽選]
まず、第1ATフラグが設定されていないときに、第2AT抽選条件が成立したときの第2AT抽選について説明する。遊技状態がボーナス当選している内部中RTであるときには、ボーナス入賞により第2AT抽選条件が成立する。ボーナス入賞により第2AT抽選条件が成立したときには、図18(a)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、内部中RTであることを特定し、遊技状態コマンドや入賞判定コマンドに基づき、ボーナス入賞したことを特定する。
図18(a)に示すテーブルが参照された場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、1%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定され、1%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定され、4%の割合でナビストック数が14に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
本実施例における第2AT抽選では、1回の抽選で獲得できる最大ナビストック数が14に設定されている。1回の第2AT抽選でナビストック数を設定する決定のうち、最大ナビストック数を設定する決定を最大決定という。以下では、成立することにより最大決定し得る第2AT抽選条件を最大許容AT抽選条件ともいい、最大決定し得ない第2AT抽選条件を最大不可AT抽選条件ともいう。ビッグボーナス入賞したときの第2AT抽選では、最大ナビストック数である14に決定され得るため、ビッグボーナス入賞は最大許容AT抽選条件である。
また、図18(a)のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、0.88(=0×90%+2×2%+4×1%+6×1%+8×1%+10×1%+14×4%)となるように構成されている。
図17に戻り、遊技状態がビッグボーナス入賞した後におけるビッグボーナス中であるときには、小役が単独当選することにより第2AT抽選条件が成立する。小役が単独当選するとは、全小役以外のいずれかの小役に当選することであって、例えば、スイカ、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1、特殊役1、特殊役2のいずれかに当選することをいう。
尚、ボーナス中におけるスイカ単独当選及び特殊役2単独当選は、第1AT抽選条件でもあり、第2AT抽選条件でもある。よって、ボーナス中におけるスイカ単独当選及び特殊役2単独当選したときには、第1AT抽選及び第2AT抽選のうちいずれか一方を優先的に行い、当選しなかったときに他方のAT抽選を行うように構成しても良い。例えば、ボーナス中におけるスイカ単独当選及び特殊役2単独当選したときには、まず、第1AT抽選を行い、当該第1AT抽選でAT当選しなかったときにのみ、第2AT抽選を行うようにしても良い。
ビッグボーナス中であるときに小役が単独当選することにより第2AT抽選条件が成立したときには、図18(b)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づきビッグボーナス中であるか否かを特定し、内部当選コマンドに基づき小役が単独当選したか否かを特定する。
図18(b)に示すテーブルには、単独当選した小役の種類、及び第2AT抽選で最大決定されたか否かに応じて、当選率が設定されている。ビッグボーナス中に参照される図18(b)のテーブルでは、最大ナビストック数である14に決定されないため、ビッグボーナス中の小役単独当選は最大不可AT抽選条件である。
尚、サブ制御部91は、最大決定されたか否かを最大決定時カウンタの値に基づき特定する。最大決定時カウンタとは、1回の第2AT抽選において最大決定された旨を、予め定められたナビストック数分に亘り第2ATに制御されるまで特定可能にするために、RAM91cの所定領域に格納されるカウンタをいう。
本実施例においては、1回の第2AT抽選で最大ナビストック数を獲得したときに、最大決定時カウンタの値として、例えば7が設定される。最大決定時カウンタは、ナビストック1消費に対応する第2ATが終了してから新たにナビストックを1消費して第2ATに制御可能となるまでの潜伏期間を決定するときに、1減算される。最大決定されたときには、以後、ナビストック数を7消費することにより第2ATに制御される間、最大決定された旨が特定可能となる。また、最大決定時カウンタの値が0より大きい値に設定されているときに、さらに最大決定されたときには当該最大決定に対応して7加算した値に更新される。尚、小役が単独当選したときの第2AT抽選において最大決定されたか否かの判定は、最大決定時カウンタの値に基づいて判定するものに替えて、直近のビッグボーナス入賞時における第2AT抽選において最大決定されたか否かで判定するようにしても良い。
ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつ第2AT抽選で最大決定されていない最大未決定時には、80%の割合でナビストック数が0に決定され、8%の割合でナビストック数が2に決定され、4%の割合でナビストック数が4に決定され、3%の割合でナビストック数が6に決定され、3%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつ最大未決定時における1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.94(=0×80%+2×8%+4×4%+6×3%+8×3%+10×2%)となるように構成されている。
また、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつビッグボーナス入賞時における第2AT抽選で最大ナビストック数である14を獲得している最大決定済時には、85%の割合でナビストック数が0に決定され、7%の割合でナビストック数が2に決定され、3%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2以外の小役で、かつ最大決定済時における1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.64(=0×85%+2×7%+4×3%+6×2%+8×2%+10×1%)となるように構成されている。
このように、ビッグボーナス中において小役が単独当選したときであっても、最大決定済時であるときには、最大未決定時であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるように構成されている。
また、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2であった場合には、40%の割合でナビストック数が8に決定され、60%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、ビッグボーナス中において単独当選した小役が特殊役2であるときにおける1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、9.2(=8×40%+10×60%)となるように構成されている。
このように、ビッグボーナス中において小役が単独当選したときであっても、特殊役2が単独当選したときの方が、特殊役2以外の小役が単独当選したときよりも、期待ナビストック数が大きくなるように構成されている。
また、ビッグボーナス1〜3では、少なくとも36ゲーム消化する必要がある。なぜなら、ビッグボーナス1〜3では、入賞により9枚払出を伴うブドウなどが高確率で入賞し、払い出されたメダルが316枚以上となることにより終了するからである。
ビッグボーナス1〜3の間に、小役が単独当選する確率は、特殊役2以外の小役の当選確率が3900/65536であり、特殊役2の当選確率が80/65536である。
よって、ビッグボーナス1〜3に入賞してから当該ビッグボーナスが終了するまでの間に、図18(a)のテーブルを用いて第2AT抽選が行われる回数は1回であるのに対し、図18(b)のテーブルを用いて第2AT抽選が行われる平均回数は、小役の単独当選確率とゲーム数とから、(3900+80)/65536×36≒2.18回となる。
また、ビッグボーナス1〜3に入賞した後におけるビッグボーナス中の第2AT抽選で獲得することが期待され得るナビストック数の合計数である総期待ナビストック数は、以下のようになる。
最大未決定時:0.94×3900/65536×36+9.2×80/65536×36≒2.4
最大決定済時:0.64×3900/65536×36+9.2×80/65536×36≒1.7
よって、ビッグボーナス1〜3中における第2AT抽選では、最大決定されないが、ビッグボーナス1〜3中の第2AT抽選で獲得することが期待され得る総期待ナビストック数は、ビッグボーナス入賞時における期待ナビストック数よりも大きくなる。
一方、ビッグボーナス4〜5では、9ゲーム消化することにより終了する場合がある。なぜなら、ビッグボーナス4〜5は、メダルが73枚以上払出されることにより終了する。また、ビッグボーナス4〜5におけるRB2では、特殊役2が抽選されない。
よって、ビッグボーナス4〜5に入賞してから当該ビッグボーナスが終了するまでの間に、図18(a)のテーブルを用いて第2AT抽選が行われる回数は1回であり、図18(b)のテーブルを用いて第2AT抽選が行われる回数は、小役の単独当選確率から、3900/65536×9≒0.53回である。
また、ビッグボーナス4〜5に入賞した後におけるビッグボーナス4〜5中の第2AT抽選で獲得することが期待され得るナビストック数の合計数である総期待ナビストック数は、以下のようになる。
最大未決定時:0.94×3900/65536×9≒0.5
最大決定済時:0.64×3900/65536×9≒0.34
よって、ビッグボーナス4〜5中の第2AT抽選で獲得することが期待され得る総期待ナビストック数は、ビッグボーナス入賞時における期待ナビストック数よりも小さくなる。しかし、図7で示したように、ビッグボーナス1〜3の当選確率は、ビッグボーナス4〜5の当選確率よりも高い。このため、ビッグボーナス1〜5における総期待ナビストック数は、ビッグボーナス1〜3中の総期待ナビストック数とビッグボーナス4〜5中の総期待ナビストック数の平均値よりも大きくなる。その結果、ビッグボーナス中の総期待ナビストック数は、ビッグボーナス入賞時における期待ナビストック数よりも大きくなる。
図17に戻り、遊技状態が準備モードであるときには、1ゲーム目が開始されたとき、及び30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎に成立するとともに、ボーナス当選時にも成立する。準備モードにおいて第2AT抽選条件が成立したときには、図18(c)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき遊技状態が準備モードであることを特定し、リール回転コマンドに基づき1ゲーム目が開始されたことを特定し、遊技状態コマンドを受信する毎に消化したゲーム数を特定するためのカウンタを更新し、当該カウンタに基づき準備モードにおいて5ゲーム消化したことを特定し、内部当選コマンドに基づきボーナスが当選したことを特定する。
図18(c)に示すテーブルには、1ゲーム目開始時か、5ゲーム消化毎かに応じて、当選率が設定されている。また、5ゲーム消化毎については、さらに、第2AT抽選で最大決定されたか否かに応じて、当選率が設定されている。また、ボーナス当選時については、BB1〜3後のBB1〜3当選時か、BB1〜3後のBB4、5当選時か、BB4、5後のBB1〜3当選時か、BB4、5後のBB4、5当選時か、に応じて当選率が設定されている。
準備モードにおいて1ゲーム目開始時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定され、1%の割合でナビストック数が14に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
準備モードにおいて1ゲーム目開始時である場合の第2AT抽選では、最大ナビストック数である14に決定され得るため、準備モードにおいて1ゲーム目開始は最大許容AT抽選条件である。また、準備モードにおいて1ゲーム目開始時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.64(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×1%+14×1%)となるように構成されている。このように、準備モードにおいて1ゲーム目開始時の第2AT抽選では、最大決定可能であるが、期待ナビストック数がビッグボーナス入賞時よりも小さくなるように構成されている。
一方、準備モードにおいて5ゲーム消化したときの第2AT抽選では、最大ストック数に決定されないため、準備モードにおいて5ゲーム消化は最大不可AT抽選条件である。また、準備モードにおいて5ゲーム消化したときのテーブルには、第2AT抽選で最大決定されたか否かに応じて、当選率が設定されている。サブ制御部91は、最大決定されたか否かを、最大決定時カウンタの値に基づき特定する。
尚、準備モードにおいて5ゲーム消化したときの第2AT抽選において最大決定されたか否かの判定は、最大決定時カウンタの値に基づいて判定するものに替えて、直近のビッグボーナス入賞時あるいは準備モードにおける1ゲーム目開始時における第2AT抽選において最大決定されたか否かで判定するようにしても良い。
準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大未決定時には、86%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大未決定時における1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.76(=0×86%+2×5%+4×2%+6×2%+8×2%+10×3%)となるように構成されている。
また、準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大決定済時には、90%の割合でナビストック数が0に決定され、3%の割合でナビストック数が2に決定され、1%の割合でナビストック数が4に決定され、1%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、準備モードにおいて5ゲーム消化したときで、かつ最大決定済時における1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.62(=0×90%+2×3%+4×1%+6×1%+8×2%+10×3%)となるように構成されている。
このように、準備モードにおいて5ゲーム消化したときであっても、最大決定済時であるときには、最大未決定時であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるように構成されている。
また、準備モードは、前述したように特殊出目停止率が7800/65536であることから、平均8.4ゲーム継続する。よって、準備モードにおいて、図18(c)のテーブルを用いて、1ゲーム目開始時の第2AT抽選が行われる回数は1回であるのに対し、5ゲーム消化時の第2AT抽選が行われる回数は1.68回となる。
また、準備モードにおける5ゲーム消化毎の第2AT抽選で獲得することが期待され得るナビストック数の合計数である総期待ナビストック数は、以下のようになる。
最大未決定時:0.76×1.68≒1.27
最大決定済時:0.62×1.68≒1.04
よって、準備モードにおける5ゲーム消化毎の第2AT抽選では、最大決定されないが、準備モードにおける5ゲーム消化毎に行われる第2AT抽選による総期待ナビストック数は、準備モードにおける1ゲーム開始時における期待ナビストック数よりも大きくなる。
BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合、15%の割合でナビストック数が2に決定され、15%の割合でナビストック数が4に決定され、35%の割合でナビストック数が6に決定され、20%の割合でナビストック数が8に決定され、15%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
このため、BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、6.1(=2×15%+4×15%+6×35%+8×20%+10×15%)となるように構成されている。
BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合、15%の割合でナビストック数が2に決定され、15%の割合でナビストック数が4に決定され、35%の割合でナビストック数が6に決定され、20%の割合でナビストック数が8に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定され、5%の割合でナビストック数が14に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
このため、BB1〜3終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、6.3(=2×15%+4×15%+6×35%+8×20%+10×10%+14×5%)となるように構成されている。
BB4、5終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
このため、BB4、5終了後の準備モードにおいてBB1〜3当選時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.6(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×2%)となるように構成されている。
BB4、5終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定され、1%の割合でナビストック数が14に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
このため、BB4、5終了後の準備モードにおいてBB4、5当選時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.64(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×1%+14×1%)となるように構成されている。
このように、BB1〜3終了後の準備モードにおけるボーナス当選時の第2AT抽選では、BB4、5終了後の準備ボードにおけるボーナス当選時の第2AT抽選よりも期待ナビストック数が多くなるように構成されている。また、BB1〜3当選時の第2AT抽選では最大決定されず、BB4、5当選時のみ最大決定可能である。
図17に戻り、遊技状態が通常遊技状態あるいは有利RTであるときには、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかが単独当選するか、いずれかのボーナスが当選することによって成立する。
チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかが単独当選することにより第2AT抽選条件が成立したときには、図18(d)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき遊技状態が通常遊技状態あるいは有利RTであるか否かを特定し、内部当選コマンドに基づきチェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかが単独当選したか否か、ボーナスが当選したか、を特定する。
図18(d)に示すテーブルには、チェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したか、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したかに応じて、当選率が設定されている。また、ボーナス当選時については、BB1〜3当選時か、BB4、5当選時か、に応じて当選率が設定されている。
尚、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したとき、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときのAT抽選では、最大ナビストック数である14に決定されないため、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したとき、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときは最大不可AT抽選条件である。
通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したときには、99%の割合でナビストック数が0に決定され、1%の割合でナビストック数が2に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したときにおける1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.02(=0×99%+2×1%)となるように構成されている。
通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときには、70%の割合でナビストック数が0に決定され、20%の割合でナビストック数が2に決定され、10%の割合でナビストック数が4に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてチェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときにおける1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.8(=0×70%+2×20%+4×10%)となるように構成されている。
このように、通常遊技状態あるいは有利RTであるときにおいて、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選したときには、チェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選したときよりも、期待ナビストック数が大きくなるように構成されている。図13で前述したように、チェリー1+チェリー2+特殊役1に当選したときには、左〜右リールのチェリーを優先的に引き込むリール制御が行われる。このため、入賞ライン上にチェリーが3つ揃って停止したときには、ビッグボーナスに当選しているか、あるいはナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、通常遊技状態あるいは有利RTにおいては、チェリー1、チェリー1+チェリー2のいずれかに単独当選する確率が710/65536に設定されており、チェリー1+チェリー2+特殊役1に単独当選する確率が100/65536に設定されている。このため、通常遊技状態あるいは有利RTにおける1ゲームにおいて、チェリー1、チェリー1+チェリー2、チェリー1+チェリー2+特殊役1のいずれかに単独当選することにより獲得することが期待される期待ナビストック数は、0.02×710/65536+0.8×100/65536≒0.00143となる。
通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB1〜3当選時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB1〜3当選時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.6(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×2%)となるように構成されている。
通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB4、5当選時である場合、90%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が2に決定され、2%の割合でナビストック数が4に決定され、2%の割合でナビストック数が6に決定され、2%の割合でナビストック数が8に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定され、1%の割合でナビストック数が14に決定されるように、第2AT抽選が行われる。
よって、通常遊技状態あるいは有利RTにおいてBB4、5当選時である場合のテーブルは、1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、0.64(=0×90%+2×2%+4×2%+6×2%+8×2%+10×1%+14×1%)となるように構成されている。
このように、通常遊技状態あるいは有利RTにおけるBB1〜3当選時の第2AT抽選では最大決定されず、BB4、5当選時のみ最大決定可能である。そして、前述のように準備モードにおけるボーナス当選時の第2AT抽選でも、BB1〜3当選時の第2AT抽選では最大決定されず、BB4、5当選時のみ最大決定可能である。
一方、準備モードにおいてボーナス当選することにより実行される第2AT抽選では、当選時にナビストック数として最大数が決定されないBB1〜3終了後の準備モードであるときに図18(c)のBB1〜3後BB1〜3当選時テーブルまたはBB1〜3後BB4、5当選時テーブルが参照され、当選時にナビストック数として最大数が決定され得るBB4、5終了後の準備モードであるときに図18(c)のBB4、5後BB1〜3当選時テーブルまたはBB4、5後BB4、5当選時テーブルが参照される。このため、当選時にナビストック数として最大数が決定されないBB1〜3終了後の準備モードであるときの方が、当選時にナビストック数として最大数が決定され得るBB4、5終了後の準備モードであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定される。すなわち、当選時にナビストック数として最大数が決定されないBB1〜3終了後は、当選時にナビストック数として最大数が決定され得るBB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御されることとなる。このため、BB4、5の当選時には、ナビストック数として最大数が決定され得るため、ボーナスの当選時に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる一方で、当選時に最大数が決定されないBB1〜3の終了後、BB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御されるので、BB1〜3が当選した場合でも、その終了後に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる。
尚、上記では、当選時にナビストック数として最大数が決定されないBB1〜3終了後の準備モードであるときの方が、当選時にナビストック数として最大数が決定され得るBB4、5終了後の準備モードであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定されるようにすることで、当選時にナビストック数として最大数が決定されないBB1〜3終了後は、当選時にナビストック数として最大数が決定され得るBB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御される構成であるが、BB1〜3終了後、予め定められたゲーム数にわたりBB4、5終了後よりも高い割合でより多いナビストック数が決定される状態に制御される構成としたり、BB1〜3終了後は、BB4、5終了後よりも長い期間にわたり、通常より多いナビストック数が決定される状態に制御される構成としたりしても、BB4、5の当選時には、その当選時に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる一方で、当選時に最大数が決定されないBB1〜3が当選した場合でも、その終了後に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる。
また、BB1〜3、BB4、5の終了後、必ず通常より多いナビストック数が決定される状態に制御されるものに限らず、BB1〜3の終了後は、BB4、5の終了後よりも、通常より多いナビストック数が決定される状態に制御される割合が高くなる構成としても良く、このような構成であってもBB4、5の当選時には、そのボーナスの当選時に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる一方で、当選時に最大数が決定されないBB1〜3が当選した場合でも、その終了後に多くのナビストック数が決定されることへの期待感を高められる。
[第1ATフラグ設定時における第2AT抽選]
次に、第1ATフラグが設定されているときに、第2AT抽選条件が成立したときの第2AT抽選について説明する。第1ATフラグ設定時においては、前述した第2AT抽選条件のうちいずれが成立したときであっても、図18(e)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行われる。
図18(e)に示すテーブルでは、ナビストック数として最大でも1にしか決定されない。このため、第1ATフラグ設定時における第2AT抽選条件は、いずれも最大不可AT抽選条件である。
第1ATフラグ設定時においていずれかの第2AT抽選条件が成立したときには、99%の割合でナビストック数が0に決定され、1%の割合でナビストック数が1に決定されるように、第2AT抽選が行われる。よって、第1ATフラグ設定時における1回の第2AT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、ナビストック数×当選率の和から、0.01(=0×99%+1×1%)となるように構成されている。このように、第2AT抽選における期待ナビストック数は、第1ATフラグが設定されていないときよりも、第1ATフラグが設定されてときの方が、成立した第2AT抽選条件に関わらず、小さくなるように構成されている。
このため、すでに第1ATフラグが設定されており、第1ATに制御されるかあるいは制御されており遊技者にとって有利な状態となることが確定しているときにまで、第1ATフラグが設定されていないときと同じように第2AT抽選が行われてナビストック数が付与されることにより射幸性が高まりすぎることを未然に防止することができる。
以上のように、本実施例においては、サブ制御部91により行われる第2AT抽選処理により、現在の遊技状態に応じて定められた第2AT抽選条件が成立したか否かが判定され、第2AT抽選条件が成立したときには第1ATフラグが設定されているか否かに応じた態様で第2AT抽選が行われる。
サブ制御部91は、第2AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、第2ATである旨及びナビストック数を示す第2ATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cの第2ATフラグに基づき、第2ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。第2ATである旨を示す第2ATフラグがセットされている状態であることを条件として、ナビストック数を1消費して第2ATに制御可能となる。
尚、第2ATである旨を示す第2ATフラグがセットされているときに、ナビストック数を獲得したときには、第2ATフラグから特定されるナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
例えば、第2ATである旨を示す第2ATフラグがセットされているときに、第2AT抽選が行われる場合には、当該第2AT抽選の結果に応じた第2ATフラグに更新される。第2AT抽選の結果に応じた第2ATフラグに更新するとは、例えば、RAM91cの所定領域に格納されている第2ATフラグから特定されるナビストック数に今回の第2AT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定する第2ATフラグに書き換えることであっても良く、第2AT抽選の結果に応じた現在の第2ATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであっても良い。
本実施例においては、第2AT抽選条件が成立する毎に実行される第2AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、第2ATに制御される。尚、第2ATである旨を示す第2ATフラグがセットされているときに、第2AT抽選においてさらにナビストック数を獲得したときには、上乗せ加算するものに限らず、今回付与されたナビストック数に書き換えるものであっても良い。この場合、RAM91cの所定領域に格納されている第2ATフラグを今回の第2AT抽選の結果に応じたナビストック数を示す第2ATフラグに書き換えることであっても良い。
尚、後述するペナルティ設定処理においてペナルティが課されているペナルティ期間中には、第2AT抽選が行われない。すなわち、第2AT抽選条件が成立してもペナルティ期間中であるときには第2AT抽選を行わず、ナビストック数を獲得することができないというペナルティが遊技者に課される。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、通常遊技状態あるいは有利RTであるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、第1AT抽選及び第2AT抽選の結果に応じてセットされる第1ATフラグ、継続回数カウンタ、第2ATフラグ、及び潜伏期間に基づき、第1AT及び第2ATへの制御を管理する。尚、以下では、第1ATフラグと第2ATフラグとをまとめてATフラグともいい、第1ATと第2ATとをまとめてATともいう。
具体的に、サブ制御部91は、ボーナス終了後の準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときにおいて、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。
第1ATフラグが設定されているときには、ボーナス終了後の準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときから、次回ボーナス入賞するまで第1ATに制御される。これにより、第1ATに制御されたときには、通常遊技状態かつ第1ATに制御され、その後、有利RTかつ第1ATである第1ARTに制御される。尚、第1ATフラグが設定されているときには、ボーナス終了後から次回ボーナス入賞するまで第1ATに制御するようにしても良い。
また、AT管理処理では、第1AT中にボーナス入賞したときに、前述した継続回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。継続回数カウンタの値が1以上であると判定されたときには、設定されている継続回数カウンタの値を1減算更新することにより第1ATフラグを維持する。これにより、ボーナス終了後においても第1ATに継続して制御させることができる。一方、継続回数カウンタの値が0であると判定されたときには、第1ATフラグをクリアする。これにより、継続抽選において当選した回数に亘り第1ATに制御した後、第1ATを終了させることができる。
本実施例においては、第1ATフラグが設定されているときであっても、ボーナス中においては第1ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。また、本実施例においては、第1ATをボーナス入賞まで継続させる制御を一例として説明したが、当該制御は、ボーナス当選して制御される内部中RTにおいて第1ATに制御されている場合における1ゲーム当りの平均増減枚数が0以下となる場合に限っても良い。これにより、内部中RTであって第1ATである期間を意図的に長引かせることにより遊技者の利益を増加させてしまうといった不都合の発生を未然に防止することができる。
また、内部中RTにおいて第1ATに制御されている場合における1ゲーム当りの平均増減枚数が0より大きくなる場合には、第1ATをボーナス当選まで継続させ、内部中RTにおいて第1ATに制御しないように構成しても良い。この場合には、後述するように、第1ATが終了したことによりボーナス当選したことを特定され難くするための遊技状態演出が行われる。
また、サブ制御部91は、AT管理処理において、第1AT中においてボーナス入賞した後に第1ATが継続される毎、すなわち継続回数カウンタが減算される毎に、第1ATに連続して制御された回数を特定するための第1AT連続カウンタの値を1加算する。第1AT継続回数カウンタの値は、RAM91cの所定領域において更新される。第1AT継続回数カウンタの値は、後述する潜伏期間決定処理により減算されるとともに、第1ATフラグが設定されていない状態において第1AT抽選で当選したときにクリアされる。
一方、第2ATには、第1ATフラグが設定されておらず、第2ATフラグが設定されているときに制御される。第1ATフラグが設定されておらず第2ATフラグが設定されているときには、ボーナス終了後の準備モードから通常遊技状態への制御が開始されるときから、ナビストック数に応じた期間に亘り第2ATに制御される。通常遊技状態に制御されている間においては、ナビストック数を消費(減算)することなく第2ATに制御される。通常遊技状態から有利RTに制御されるときには、ナビストック数を1消費(減算)することによる第2ATへの開始条件が成立し、所定回数(例えば50)ゲームを消化する間、有利RTかつ第2ATである第2ARTに制御される。尚、ナビストック数を1消費したときには、1減算したナビストック数を示す第2ATフラグに更新される。尚、第2ATフラグが設定されているときには、ボーナス終了後から有利RTに制御されるまでについて、ナビストック数を消費することなく、第2ATに制御するようにしても良い。本実施例においては、第2ATに実際に制御されている状態を第2報知状態といい、第2ATである旨を示す第2ATフラグが設定されている状態を特定報知期間という。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、第2ARTであるときには、消化したゲーム数を計数して、所定回数に到達したときには非ATに制御する。このときに、第2ATフラグが示すナビストック数が0であれば、第2ATでない旨を示す第2ATフラグに更新される。すなわち、一連の第2ATの終了条件は、第2ATから非ATに制御するときの第2ATフラグがナビストック数0であるときに成立する。
非ATに制御されたときの第2ATフラグから第2ATでない旨が特定されたときには、再度第2ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。これにより、有利RTであるときには、2枚役・1枚役同時入賞や転落リプレイ入賞する可能性が高まり、通常遊技状態に制御される可能性が高まる。
一方、非ATに制御されたときの第2ATフラグから特定されるナビストック数が1以上であれば、次回の第2ATに制御可能となるまでの潜伏期間を決定するための潜伏期間決定処理が実行される。潜伏期間とは、ナビストックを1消費することにより所定回数ゲーム消化するまで制御される第2ATが終了した後において再び第2ATに制御させるための開始条件が成立し得るタイミングを強制的に遅らせる期間など、第2ATが終了した後に再び報知期間となり得るまでの期間、すなわち第2ATを潜伏させる期間をいう。前述した最大決定時カウンタの値が1以上であるときには、最大決定時カウンタの値が0であるときよりも高い割合で潜伏期間が長くなる。また、前述した第1AT連続カウンタの値が1以上であるときには、第1AT連続カウンタの値が0であるときよりも高い割合で潜伏期間が長くなる。
図19は、サブ制御部91により実行されるAT管理処理に含まれる潜伏期間決定処理を説明するためのフローチャートである。潜伏期間決定処理は、ナビストック1に対応する第2AT終了後における非ATにおいて最初のゲームが開始されるまでに実行されるものであれば良く、その一例として、本実施例ではナビストック1に対応する第2ATが終了するゲーム終了時に実行される。また、図20は、潜伏期間を決定するためのテーブルを説明するための図である。図20に示すテーブルは、ROM91bに格納されている。
まず、図19を参照して、SA01においては、第1AT連続カウンタの値が0であるか否か、すなわち前回の一連の第1ATに制御された回数分のナビストック数をすでに消化完了した状態であるか否か判定する。例えば、前回の第1ATに制御されたときにおいて、当該第1ATが3回継続していたときには、ナビストック数として3をすでに消化完了した状態であるか否か判定する。
SA01において、第1AT連続カウンタの値が0であると判定されたとき、すなわち前回の一連の第1ATに制御された回数分のナビストック数をすでに消化完了した状態であると判定されたときには、SA03に移行される。一方、第1AT連続カウンタの値が0でないと判定されたとき、すなわち前回の一連の第1ATに制御された回数分のナビストック数を未だ消化完了していない状態であると判定されたときには、SA02において第1AT連続カウンタの値を1減算した後、SA08に移行される。
SA03においては、最大決定時カウンタの値が0であるか否か、すなわち最大決定されていない状態あるいは最大決定に対応して設定される予め定められた回数(例えば7)分のナビストック数をすでに消化完了した状態であるか否か判定する。
SA03において、最大決定カウンタの値が0であると判定されたとき、すなわち最大決定されていない状態あるいは最大決定に対応して設定される回数分のナビストック数をすでに消化完了した状態であると判定されたときには、SA04において、短潜伏連続カウンタの値が4以下であるか否かが判定される。
短潜伏連続カウンタとは、潜伏期間として、比較的短い期間(例えば0〜20ゲーム)が連続して設定された回数を特定するためのカウンタであって、RAM91cの所定領域に格納される。短潜伏連続カウンタは、当該潜伏期間決定処理において、比較的短い期間が決定されたときに1加算され、比較的長い期間(例えば70〜100ゲーム)が決定されたときや、ナビストック数が0となり第2ATでない旨を示す第2ATフラグとなり一連の第2ATが終了したときに、リセット(0に戻す)される。このため、短潜伏連続カウンタは、それ以前の潜伏期間として比較的長い期間が設定されていない回数を特定するためのカウンタであるともいえる。SA04では、比較的短い期間の連続回数が4以下であるか否かが判定される。換言すれば、SA04では、一連の第2ATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数がすでに5回に達しているか否か、すなわち、一連の第2ATにおける過去5回の潜伏期間のうちいずれもが比較的短い期間に決定されており特定条件が成立しているか否かが判定される。
SA04において短潜伏連続カウンタの値が4以下であると判定されたとき、すなわち一連の第2ATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数が4以下であり、比較的短い期間が未だ5回以上連続していないときには、SA05において比較的短い潜伏期間のみを選択し得る短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を設定する。尚、SA04においては、短潜伏連続カウンタの値が4以下である。
ここで、短潜伏用テーブルについて説明する。図20(a)は、SA05で参照される短潜伏用テーブルを説明するための図である。短潜伏用テーブルが参照されたときには、潜伏期間として、70%の割合で0ゲームに決定され、20%の割合で10ゲームに決定され、10%の割合で20ゲームに決定される。よって、短潜伏用テーブルが参照されたときには、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均した期間(期待値)が、ゲーム数×当選率の和から、10×0.2+20×0.1=4ゲームとなる。
潜伏期間として0ゲームに決定されたときには、第2AT終了後における非ATにおいて最初のゲームから再び第2ATに制御可能となる。潜伏期間として10ゲームあるいは20ゲームに決定されたときには、第2AT終了後における非ATにおいて対応するゲーム数消化してから再び第2ATに制御可能となる。
短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間は、いずれも、ナビストック数を1消費して制御される第2ATにおいて、ナビ演出に従って停止操作することにより払出される期待メダル枚数から賭数設定に用いられるメダル枚数を差し引いて算出される第2AT中平均増減枚数以上のメダルを消費しないゲーム数に設定されている。以下、この点について説明する。
まず、通常遊技状態、及び有利RT各々において、非AT及びATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数を算出する。尚、1ゲーム当りの平均増減枚数を算出するに際しては、小役についてはブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウが高確率で当選し、かつ入賞したときに比較的多くのメダルを払出すため、当該ブドウ、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのみに着目する。ブドウ当選確率は、2600/65536である。また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウの当選確率は、3120×5/65536である。また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選しているときに、ブドウが入賞する確率は1/5であり、1枚役と2枚役が同時入賞する確率は1/6である。また、1ゲームの賭数は3枚である。
これらより、まず、通常遊技状態において非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出×1/5)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×3枚払出×4/5)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となり、約−1.23枚となる。
また、通常遊技状態において第2ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、−0.09枚となる。
また、有利RTにおいて非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出×1/5)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×3枚払出×4/5)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、−0.10枚となる。
また、有利RTにおいて第2ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数は、[(ブドウ単独当選確率×9枚払出)+(左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選確率×9枚払出)+(リプレイ当選確率×実質3枚払出)]−3枚賭数となることより、+1.05枚となる。
また、有利RTであるが非ATであるときには、前述したように当該有利RTを約4.5ゲームしか継続できない。また、有利RTであるが非ATとなり通常遊技状態に制御された後、当該通常遊技状態において潜伏期間が経過して第2ATとなってから再び有利RTに制御には、昇格リプレイ当選確率が7200/65536であることより、約9.1ゲーム必要である。
これらより、短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち最も長い20ゲーム消化する間におけるメダルの増減枚数は、第2ATが終了したときの遊技状態が有利RTであり当該有利RTが4.5ゲーム継続した後通常遊技状態に制御されることを考慮すると、(−0.10)×4.5+(−1.23)×15.5≒(−19.5)となる。
一方、第2AT中平均増減枚数は、通常遊技状態が9.1ゲーム継続した後有利RTに制御されることを考慮すると、(−0.09)×9.1+(+1.05)×50≒(+51.7)となる。
よって、短潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間は、いずれも、第2AT中平均増減枚数以上のメダルを消費しないゲーム数に設定されているといえる。
図19に戻り、SA06においては、比較的短い潜伏期間が設定されたために、短潜伏連続カウンタの値を1加算して潜伏期間決定処理を終了する。
一方、SA04において短潜伏連続カウンタの値が4以下でないと判定されたとき、すなわち一連の第2ATにおける潜伏期間のうち直近の潜伏期間から過去に遡り連続して比較的短い期間となった回数が5以上であり、比較的短い期間が5回以上連続していると判定されたときには、SA09において長い潜伏期間を高確率で選択し得る長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を設定する。
ここで、長潜伏用テーブルについて説明する。図20(b)は、SA09で参照される長潜伏用テーブルを説明するための図である。長潜伏用テーブルが参照されたときには、潜伏期間として、10%の割合で10ゲームに決定され、20%の割合で70ゲームに決定され、70%の割合で100ゲームに決定される。よって、長潜伏用テーブルが参照されたときには、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均した期間(期待値)が、ゲーム数×当選率の和から、10×0.1+70×0.2+100×0.7=85ゲームとなる。
図20(a)の短潜伏用テーブルと、図20(b)の長潜伏用テーブルとを対比する。短潜伏用テーブルが参照されたときには、高確率で潜伏期間として0ゲームに決定され、最大の潜伏期間として20ゲームまでしか決定されない。これに対し、長潜伏用テーブルが参照されたときには、短潜伏用テーブルが参照されたときには選択され得ない100ゲームや70ゲームが、高確率で決定される。
また、最大決定時カウンタの値が0であるときにおいて、長潜伏用テーブルは、短潜伏連続カウンタの値が4より大きい値であるときに参照され、短潜伏用テーブルは、短潜伏連続カウンタの値が4以下であるときに参照される。このため、比較的短い期間の連続回数が5回に達しているときには、比較的短い期間の連続回数が4回以下であるときよりも高い割合で、潜伏期間として比較的長い期間が設定される。
また、長潜伏用テーブルが参照されたときには、短潜伏用テーブルが参照されたときに比べて、決定されることが期待され得る潜伏期間を平均した平均ゲーム数が多くなるように決定される。
また、長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち、短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数である70ゲーム及び100ゲームは、いずれも、第2AT中平均増減枚数以上のメダルを消費するゲーム数以上に設定されている。この点について、前述した、通常遊技状態、及び有利RT各々において、非AT及び第2ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数を用いて以下に説明する。
長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間であって短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数のうちで最も短い70ゲーム消化する間におけるメダルの増減枚数は、第2ATが終了したときの遊技状態が有利RTであり当該有利RTが4.5ゲーム継続した後通常遊技状態に制御されることを考慮すると、(−0.10)×4.5+(−1.23)×65.5≒(−81.0)となる。一方、第2AT中平均増減枚数は、前述したように(+51.7)となる。
よって、長潜伏用テーブルを用いて決定される潜伏期間のうち、短潜伏用テーブルを用いた場合に決定され得ないゲーム数である70ゲーム及び100ゲームは、いずれも、第2AT中平均増減枚数以上のメダルを消費するゲーム数に設定されているといえる。
図19に戻り、SA10においては、SA09において長い潜伏期間が設定されたか否か判定する。
SA10において長い潜伏期間が設定されたと判定されたときには、長い潜伏期間が設定されたことに伴い、SA11において短潜伏連続カウンタの値をリセット(0に戻す)して潜伏期間決定処理を終了する。これにより、次回の潜伏期間決定処理においてはSA05において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。尚、短潜伏連続カウンタの値は、ボーナス当選を契機としてリセット(0に戻す)して当該ボーナス終了後に引き継がないものであっても良く、またボーナス当選したとしても当該ボーナス終了後に引き継ぐものであっても良い。
一方、SA10において長い潜伏期間が設定されたと判定されなかったときには、SA06に移行して短潜伏連続カウンタの値を1加算して潜伏期間決定処理を終了する。これにより、最大決定時カウンタの値が0であるときでSA04において短潜伏連続カウンタの値が4より大きい値であると判定されながら、SA09において比較的長い潜伏期間が設定されなかったときには、次回の潜伏期間決定時においても再びSA09に移行させて長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を決定させることができる。
SA03において最大決定時カウンタの値が0でないと判定されたときには、SA07において最大決定時カウンタの値を1減算する。このように、最大決定時カウンタは、ナビストック1消費によって第2ATに制御され得る状態である潜伏期間となると1減算される。尚、最大決定時カウンタの値が0に到達するまでにボーナス当選したときには、当該最大決定時カウンタの値を、リセット(0に戻す)しても良く、また当該ボーナス終了後に引き継ぐものであっても良い。
SA08では、短潜伏連続カウンタの値が2以下であるか否か、すなわち比較的短い期間の連続回数が2回以下であるときで過去3回のいずれかの潜伏期間として比較的長い期間が決定されていたか否かが判定される。すなわち、SA04では、第1AT連続カウンタの値が0でありかつ最大決定時カウンタの値が0であるときにおける特定条件が成立しているか否かが判定されるのに対し、SA08では、第1AT連続カウンタの値が0でないかまたは最大決定時カウンタの値が0でないときにおける特定条件が成立しているか否かが判定される。SA08において、短潜伏連続カウンタの値が2以下であると判定されたときにSA05以降の処理が行われ、短潜伏連続カウンタの値が2より大きい値であると判定されたときにSA10以降の処理が行われる。
すなわち、第1AT連続カウンタの値あるいは最大決定時カウンタの値が0より大きい値であるときには、第1AT連続カウンタの値及び最大決定時カウンタの値各々が0であるときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。
具体的には、例えば、ナビストック数として14が設定されるときの一例として、ナビストックが6あるいは8残存している状態で第2AT抽選が行われて8あるいは6に決定されるときなど、複数回の第2AT抽選の合計により14となる場合と、ビッグボーナス入賞時や準備モードの1ゲーム目開始時の第2AT抽選により1回のAT抽選により最大ナビストック数である14となる場合とが生じ得る。このようにナビストック数として14が設定されているときであっても、1回の第2AT抽選により最大ナビストック数が設定されたときには、複数回の第2AT抽選の合計により最大ナビストック数と同数のナビストック数が設定されたときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。
このため、仮に獲得したナビストック数が同じであっても、最大決定されたときには、最大決定されていないときよりも高い割合で、潜伏期間として長い期間が設定される。
また、第2ATに制御される以前において、第1ATに制御された際に、第1ATに継続して制御されることにより2回以上制御された場合と、第1ATに制御されたが継続して制御されなかった場合とが生じ得る。この点に着目し、第1ATに継続して制御されることにより2回以上制御されたときには、第1ATに制御されたが継続して制御されなかったときと比較して、比較的短い潜伏期間の連続回数が少ない回数に達することにより、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が設定される。このため、仮に獲得したナビストック数が同じであっても、第1ATに2回以上制御されたときには、第1ATに制御されたが継続して制御されなかったときよりも高い割合で、潜伏期間として長い期間が設定される。
また、潜伏期間中においては、後述するナビ可能期間を除き原則として、ナビ演出が実行されない。このため、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選したときにブドウを確実に入賞させることができず取りこぼす可能性が高まる。また、2枚役・1枚役同時入賞する可能性、及び転落リプレイが入賞する可能性が高まり、その結果、リプレイ当選確率が有利RTであるときよりも低下する通常遊技状態に制御される。より具体的には、前述したように、非ATであるときの1ゲーム当りの平均増減枚数が、通常遊技状態であるときには(−1.23枚)となり、有利RTであるときには(−0.10枚)であるが、共通の操作態様以外の操作態様で操作するとペナルティが課されるとともにそのようなペナルティを覚悟して操作したとしても前述したように4.5ゲーム程度しか継続させることができない。
このため、潜伏期間が長くなる程、第2ATと当該潜伏期間とを含めた一連のAT期間において、遊技者が獲得するメダル枚数から賭数の設定に用いたメダル枚数を差し引いて算出される一連の第2AT中増減枚数が小さくなる。その結果、仮に獲得したナビストック数が同じであったとしても、最大決定されたときには、最大決定されていないときよりも高い割合で、当該ナビストック数を消費して制御される一連の第2AT中増減枚数が小さくなる。また、仮に獲得したナビストック数が同じであっても、第1ATに2回以上継続して制御されていたときには、第1ATに継続して制御されなかったときよりも高い割合で、当該ナビストック数を消費して制御される一連の第2AT中増減枚数が小さくなる。
サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、第2ATフラグから第2ATである旨が特定されているが非ATであるときには、潜伏期間決定処理で潜伏期間として設定されたゲーム数消化したか否かが判定される。潜伏期間であるゲーム数消化すると、第2ATの開始条件が再び成立可能となる。潜伏期間であるゲーム数消化したと判定された後においては、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、第2ATの開始条件が成立する。
第2AT中において有利RTに制御されたとき、すなわち第2ARTに制御されたときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数のゲーム消化する間第2ARTに制御される。また、第2ARTにおいて所定回数ゲームを消化して一旦非ATに制御されたときであっても、未だ第2ATフラグから第2ATである旨が特定されナビストック数が1以上であるときには、潜伏期間を経過した後に、再び第2ATに制御可能となる。これにより、第2AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた期間に亘り、第2ATに制御可能となるといえる。また、第2AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、第2ATに繰り返し制御可能となるといえる。
遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプレイをいい、有利RTであるときには左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ及び転落リプレイをいう。そして、AT中においてナビ対象役に当選したと判定されたときには、ナビ演出が実行可能となる。これにより、AT中においては、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、ブドウ入賞、あるいは転落リプレイ入賞回避させることができる。
また、本実施例においては、上記のATフラグが設定されていないときであっても、非ATで消化されたゲーム数が所定の天井ゲーム数(例えば、500ゲーム)に到達したときに、AT抽選に関わらず、次回ボーナス当選するまでATに制御される。本実施例におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれる天井ゲーム到達時処理を実行することにより、天井ゲーム数に到達したときにATに制御するための処理を行う。
図21は、天井ゲーム到達時にAT制御するための天井ゲーム到達時処理を説明するためのフローチャートである。天井ゲーム到達時処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、例えば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
S21においては、演出状態が非AT(潜伏期間を含む)であるか否かが判定される。S21において非ATであると判定されたときには、ペナルティ設定処理において設定されるペナルティ期間中あるいは潜伏期間中であるか否かがS22において判定される。
S22においてペナルティ期間中でも潜伏期間中でもないと判定されたときには、S23において前回のボーナスが終了してから非AT中に消化されたゲーム数を特定するための非ATゲーム数カウンタが1加算される。非ATゲーム数カウンタは、RAM91cの所定領域において更新される。
S24においては、S23において加算された非ATゲーム数カウンタの値が、予め定められた天井ゲーム数(例えば500)に到達したか否かが判定される。S24において天井ゲーム数に到達していないと判定されたときにはそのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。一方、S24において天井ゲーム数に到達していると判定されたときには、次回のボーナスが発生するまで演出状態をATに制御するためのAT設定を行う。例えば、ATに制御するための強制ATフラグをRAM91cの所定領域に格納させて強制的にATに制御する。この強制ATフラグは、ボーナス発生時にクリアされる。これにより、非AT中に消化したゲーム数が天井ゲーム数に到達したときに、次回ボーナス発生するまでATに制御することができる。
一方、S22において、ペナルティ期間中あるいは潜伏期間中であると判定されたときには、そのまま天井ゲーム到達時処理を終了する。これにより、ペナルティ期間中であるときには、1ゲームに関連して非ATゲーム数カウンタが加算されない。すなわち、ペナルティ期間中であるときには、非AT中に消化されるゲームであっても、天井ゲーム数に到達したか否かを判定するためのゲーム数として加算されない、という遊技者にとって不利益を課すことができる。また、潜伏期間中において、無駄に非ATゲーム数カウンタが加算されることを防止することができる。
また、本実施例においては、ATに制御されていないときであっても、ボーナスと同時当選し得る同時当選役に当選したときに、所定ゲームの間、ナビ演出を実行可能なナビ可能期間に制御される。本実施例におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれるナビ可能期間設定処理を実行することにより、同時当選役に当選したときにナビ可能期間に制御するための処理を行う。
図22は、非AT中においてナビ演出を実行させるためのナビ可能期間設定処理を説明するためのフローチャートである。ナビ可能期間設定処理は、1ゲームに関連して実行されるものであって、例えば、1ゲームが開始されるとき、あるいは1ゲームが終了するときに実行される。
S31においては、遊技状態が準備モード以外であって、かつ演出状態が非AT中(潜伏期間を含む)であるか否かが判定される。S31において準備モード以外かつ非AT中であると判定されたときには、今回ゲームの内部抽選において同時当選役(チェリー1、チェリー2)に当選したか否かが判定される。今回ゲームとは、開始されたゲームあるいは終了したゲームをいう。S31において準備モードであるかあるいは非AT中でないと判定されたとき、及びS32において同時当選役に当選していないと判定されたときにはそのままナビ可能期間設定処理を終了する。
一方、S32において同時当選役に当選したと判定されたときには、S33において実際にボーナスが同時当選したか否かが判定される。すなわち、図7に示す、BB1+チェリー1+チェリー2+特殊役1、BB2+チェリー1+チェリー2、BB3+チェリー1のいずれかに当選したか否かが判定される。尚、S33においては、実際にボーナスが同時当選したか否かを判定するものに限らず、例えば前回ゲーム以前に当選したボーナスが持ち越されている場合も生じえるため、単にボーナス当選しているか否かを判定するものであっても良い。
S33においてYESと判定されたときには、S34において特別ナビ期間が設定され、ナビ可能期間設定処理を終了する。一方、S33においてNOと判定されたときには、S35において通常ナビ期間が設定され、ナビ可能期間設定処理を終了する。
S34において特別ナビ期間が設定されたときには、例えば、次のゲームから特別ナビ期間用の期間(例えば5ゲーム消化する期間)に亘り、ナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が特別ナビ期間用の確率(例えば90%)に従って実行される。一方、S35において通常ナビ期間が設定されたときには、例えば、次のゲームから通常ナビ期間用の期間(例えば3ゲーム消化する期間)に亘り、ナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が通常ナビ期間用の確率(例えば50%)に従って実行される。
尚、特別ナビ期間用の期間は、本実施例では通常ナビ期間用の期間よりも長く設定されている例について説明するが、これに限らず、通常ナビ期間用の期間と同じであっても良く、また通常ナビ期間用の期間よりも短く設定されているものであっても良い。
また、特別ナビ期間中においてナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する特別ナビ期間用の確率は、本実施例では、通常ナビ期間中においてナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する通常ナビ期間用の確率よりも高く設定されている例について説明するが、これに限らず、通常ナビ期間用の確率と同じであっても良く、また通常ナビ期間用の確率よりも低く設定されているものであっても良い。
また、特別ナビ期間及び通常ナビ期間は、本実施例では次のゲームから起算される例について説明するが、これに限らず、所定ゲーム数消化した後から起算するものであっても良く、また、ナビ対象役に当選したゲームから起算するものであっても良い。
また、本実施例においては、S33においてボーナス当選していると判定されたときに特別ナビ期間を設定し、ボーナス当選していないと判定されたときに通常ナビ期間を設定する例について説明するが、これに限らず、ボーナス当選しているか否かに応じて異なる割合でナビ可能期間を設定するものであっても良い。例えば、ボーナス当選しているときには、ボーナス当選していないときよりも高い割合で特別ナビ期間を設定するものであっても良い。また、ボーナス当選していないときには、ボーナス当選しているときよりも高い割合で通常ナビ期間を設定するものであっても良い。
また、本実施例におけるサブ制御部91は、ゲームが開始されたときに、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行うことにより、当該ゲームの内部当選の結果に応じたナビ演出が実行される。内部当選の結果は、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
図23は、演出状態に応じてナビ演出を実行するためのナビ演出実行処理を説明するためのフローチャートである。
S41においては、演出状態がAT中(潜伏期間を除く)であるか否かが判定される。S41においてAT中であると判定されたときには、S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したか否かが判定される。
S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したと判定されなかったときには、ナビ演出を実行することなく、そのままナビ演出実行処理を終了する。一方、S42において遊技状態に応じたナビ対象役に当選していると判定されたときには、S43において、当該当選したナビ対象役に対応するナビ演出を実行しナビ演出実行処理を終了する。
昇格リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図8参照)が報知される。例えば、リプGR1に当選したときのナビ演出としては、「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR2に当選したときのナビ演出としては、「挟み押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときのナビ演出としては、ブドウを確実に入賞させるための押し順(図9参照)が報知される。例えば、左中右ブドウに当選したときには、左−中−右の順番で停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウを確実に入賞させることができるため、左−中−右の順番で停止させるための「123」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、左右中ブドウに当選したときには、左−右−中の順番で停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウを確実に入賞させることができるため、左−右−中の順番で停止させるための「132」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
転落リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイ入賞を回避させるための押し順(図8参照)が報知される。例えば、リプGR3に当選したときのナビ演出としては、順押しか挟み押しさせるための「順押し!」あるいは「挟み押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR4に当選したときのナビ演出としては、逆押しか中押しさせるための「逆押し!」あるいは「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
一方、S41において、AT中でないと判定されたときには、S44において図27のS34またはS35において設定されるナビ可能期間中であるか否かが判定される。S44においてナビ可能期間中であると判定されなかったときには、そのままナビ演出実行処理を終了する。一方、S44においてナビ可能期間中であると判定されたときには、S45において、上記した遊技状態に応じたナビ対象役に当選したか否かが判定される。尚、内部中RTにおいてナビ可能期間に制御されているときには、有利RTであるときと同様のナビ対象役に当選したか否かが判定され、当該ナビ対象役についてナビ演出が実行される。
S45において遊技状態に応じたナビ対象役に当選したと判定されたときには、S46においてナビ可能期間が特別ナビ期間であるか通常ナビ期間であるかに応じて定められている確率に従ってナビ演出を実行するか否かを決定して、実行すると決定されたときに当該当選したナビ対象役に対応するナビ演出を実行し、ナビ演出実行処理を終了する。
一方、S45において遊技状態に応じたナビ対象役に当選していないと判定されたときには、S47において通常リプレイに単独当選(他のリプレイと同時当選する場合を除く)またはブドウに単独当選したか否かが判定される。S47において通常リプレイに単独当選またはブドウに単独当選していないと判定されたときにはそのままナビ演出実行処理を終了する。S47において通常リプレイに単独当選またはブドウに単独当選したと判定されたときには、S48へ移行し、特別ナビ演出を実行する。
特別ナビ演出とは、例えば、操作態様に関わらず一の図柄組合せが停止される入賞役に当選したときに実行されるナビ演出をいう。特別ナビ演出としては、昇格リプレイに当選したときのナビ演出と同じ態様のナビ演出が実行される。例えば、リプGR1に当選したときのナビ演出としての「中押し!」といったメッセージを表示するか、リプGR2に当選したときのナビ演出としての「挟み押し!」といったメッセージを表示するかを乱数などを用いてランダムに選択し、該選択したメッセージを特別ナビ演出として実行する。これにより、昇格リプレイ当選時と同じナビ演出が実行され、当該ナビ演出どおり停止操作したにも関わらず、操作態様に関わらず同じ図柄組合せが停止されるため、ナビ可能期間中であることを遊技者に認識させることができ、ボーナス当選しているか否かに対する緊張感を抱かせることができる。
以上、本実施例におけるサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、AT制御処理を行うことにより、ATに制御されているとき及びナビ可能期間であるときにはナビ演出を実行する。
また、本実施例におけるサブ制御部91は、ペナルティ設定処理を行うことにより、ナビ演出が実行されていないときに、推奨する押し順で操作されなかったことを条件として、ペナルティを課す処理を行う。
図24は、ペナルティ設定処理を説明するためのフローチャートである。ペナルティ設定処理は、本実施例では1ゲームが終了したときに実行される例について説明するが、受付けた操作態様が共通の操作態様であるか否かを特定できるタイミングで実行されるものであれば良く、例えば、第2停止されたときに実行されるものであっても良い。
S51においては、終了したゲームにおいてナビ演出が実行されたか否かが判定される。S51においてナビ演出が実行されたと判定されたときには、ペナルティを課すことなく、そのままペナルティ設定処理を終了する。よって、AT中やナビ可能期間中のナビ演出が実行されたときには、ペナルティが課されないため、遊技者は安心して遊技を進めることができる。
一方、終了したゲームにおいてナビ演出が実行されていないと判定されたときには、S52において、共通の操作態様以外の操作態様である、変則押しがされたか否かが判定される。ここで変則押しとは、前述した挟み押しまたは中押しをいう。
S52において変則押しされていないと判定されたときには、ペナルティを課すことなく、そのままペナルティ設定処理を終了する。このため、ナビ演出が実行されていないときであっても、共通の操作態様で操作する限り、ペナルティが課されることがない。
一方、S52において変則押しされたと判定されたときには、S53においてリプGR2よりも当選確率が高く設定されているリプGR1が当選しているときにおいて、昇格リプレイを導出させるための押し順、すなわち図8に示されるように中押しされたか否かが判定される。S53において中押しされたと判定されたときには、S54においてペナルティゲーム数に100加算される。S53において中押しではないと判定されたときには、S55においてペナルティゲーム数に50加算される。ペナルティゲーム数とは、ペナルティが課されるゲーム数であってペナルティ期間の長さを示す。ペナルティゲーム数は、RAM91cの所定領域に格納され、1ゲーム消化する毎に1減算される。ペナルティゲーム数は、当該ゲーム数消化するか、あるいはボーナス当選によりリセットされる。
本実施例においては、変則押しであっても、有利RTに制御される可能性が高い操作態様の方が、その他の操作態様よりも、遊技者にとって不利益度合いが高いペナルティが課されるように構成されている。これにより、ナビ演出が実行されていないときに、より一層共通の操作態様で操作させることができる。
S56においては、変則押しされたことに伴い共通の操作態様で操作させるために、警告表示が行われる。警告表示としては、例えば、「ペナルティ100ゲーム」といったペナルティが課された旨が報知されるとともに、「順押しまたは逆押ししましょう!」といった共通の操作態様での操作を推奨する旨が報知される。
また、本実施例におけるサブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行うことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、例えば、遊技状態に関わらず非AT中(潜伏期間中を含む)であるときには、通常演出(例えば、液晶表示器51に「通常中!」といったメッセージを表示など)が行われる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(例えば、液晶表示器51に「AT中!」といったメッセージを表示など)が行われる。より具体的に、第1AT中であるときには、第1特別演出(例えば、液晶表示器51に「第1AT中!」といったメッセージを表示など)が行われ、第2AT中であるときには、第2特別演出(例えば、液晶表示器51に「第2AT中!」といったメッセージを表示など)が行われる。
また、ナビ可能期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行われるリプレイに入賞する確率が高まる。すなわち、ナビ可能期間であってボーナスに当選しているときには、内部中RTに制御されるため、リプレイの当選確率が向上する。また、ナビ可能期間中であってボーナスに当選していないときには、通常遊技状態において昇格リプレイ当選時にナビ演出が実行されて昇格リプレイに入賞する確率が高まり、その結果リプレイの当選確率が向上した有利RTに制御されやすくなる。また、ナビ可能期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行われる左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウなどに当選したときにもナビ演出が行われるため、ブドウの入賞確率が向上する。よって、仮にボーナス当選していても、ナビ可能期間においては、当選しているボーナスを入賞させることが困難となる。
本実施例においては、上記のようにボーナスを入賞させることが困難となるナビ可能期間を利用して、当該ナビ可能期間に制御されている間に亘り、ボーナス当選していることを煽るための演出が行われる。すなわち、ナビ可能期間であるときには、遊技状態演出として、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行われる。連続演出は、ナビ可能期間にわたり一連の物語を展開する演出を行った後に、物語の結末としてボーナス当選の有無及び種類を報知するボーナス当選報知を行う演出である。これにより、ナビ可能期間においては仮にボーナス当選していても上記の理由により当該ボーナス入賞させることが困難であるため、確実にナビ可能期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技状態演出としては、所定の報知条件が成立したときに、ボーナス終了後において第1ATに制御されるか否かに関わる情報を報知する第1AT制御演出が行われる。第1AT制御演出は、例えば、第1ATフラグが設定されているときに、第1ATフラグが設定されていないときよりも高い割合で、液晶表示器51に「第1ATに制御されるかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであっても良い。これにより、第1AT制御演出が実行されたことにより、第1ATに制御されることに対する期待感を高めることができる。所定の報知条件とは、例えば、第1AT抽選条件成立により成立するものや、特定の入賞役に当選することにより成立するものや、所定ゲーム数消化したことにより成立するものなど、遊技の進行において成立し得る条件であれば良い。
また、遊技状態演出としては、第1AT中において、所定の報知条件が成立したときに、次回ボーナス入賞した後において第1ATに継続して制御されることが確定しているか否かに関わる情報を報知する継続演出が行われる。継続演出は、例えば、継続回数カウンタが1以上であるときに、継続回数カウンタが0であるときよりも高い割合で、液晶表示器51に「継続するかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであっても良い。これにより、継続演出が実行されたことにより、第1ATが継続することに対する期待感を高めることができる。所定の報知条件とは、例えば、特定の入賞役に当選することにより成立するものや、所定ゲーム数消化したことにより成立するものなど、遊技の進行において成立し得る条件であれば良い。
また、遊技状態演出としては、第1ATフラグが設定されているときに、昇格抽選が行われたときに、継続確率が昇格したか否かに関わる情報を報知する昇格演出が行われる。昇格演出は、例えば、継続回数カウンタが1以上であるときに、継続回数カウンタが0であるときよりも高い割合で、液晶表示器51に「継続するかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであっても良い。これにより、昇格演出が実行されたことにより、第1ATが継続することに対する期待感を高めることができる。
また、内部中RTにおいて第1ATに制御させた場合における1ゲーム当りの増減枚数が0より大きくなる場合において、第1ATをボーナス当選まで継続させ、内部中RTにおいて第1ATに制御しないように構成した場合には、次のように遊技状態演出を実行しても良い。例えば、第1ATがボーナス当選により終了したときには、内部中RTにおいてナビ演出が実行されない特定の遊技演出を実行する場合、第1AT中においてボーナス当選していないときであっても所定確率に従って所定期間(例えば10ゲーム)に亘って特定の遊技演出と同じ遊技演出を実行するようにしても良い。これにより、特定の遊技演出が実行されたときに、ボーナス当選したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。特定の遊技演出として、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出を実行するように構成しても良い。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
前述した実施例によれば、ATにおいては、内部抽選の結果に応じてナビ演出が実行される。このため、ATに制御されているときには、操作態様によって遊技者にとって有利度合いが異なる図柄組合せが停止され得る当選状況、例えばリプGR1〜リプGR4や左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選している当選状況となったときに、意図的に遊技者にとって有利な図柄組合せを停止させるための操作態様で操作することが可能となる。その結果、ATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
ATのうち第1ATには、図14に示す第1AT抽選条件が成立することにより行われるAT抽選で当選することにより制御され得る。また、第1ATに制御される期間は、継続確率の高低に左右されるところ、継続確率は第1AT抽選条件が成立して第1ATに制御されるときに行われる初当選時確率抽選で決定される。このため、第1ATに制御されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立することに注目させ、第1ATに制御されること及び継続確率としてより高い確率に決定されることに期待感を抱かせることができる。
また、継続確率は、第1ATに制御された後であっても、第1AT抽選条件が成立することによって行われる昇格抽選で当選することにより、図16(c)及び(d)のテーブルに示されるように、現在の継続確率よりも高い確率に昇格され得る。一方、第1ATに制御されているときに第1AT抽選条件が成立することにより行われる昇格時確率抽選では、図16(c)及び(d)のテーブルに示されるように、第1ATに制御されていないときに第1AT抽選条件が成立することにより行われる初当選時確率抽選において決定され得る最も高い継続確率である77%未満の確率からしか継続確率を決定することができない。すなわち、継続確率として最も高い77%が決定され得るのは、第1ATに制御されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立したときだけであり、第1ATに制御された後において第1AT抽選条件が成立したとしても継続確率として最も高い77%に決定されることがない。このため、第1ATに制御されているときであっても第1AT抽選条件が成立することに注目させるとともに継続確率が向上することに対する期待感を抱かせつつ、第1ATに制御された後において最も高い継続確率に昇格し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
前述した実施例における継続抽選は、初当選時確率抽選において継続確率が決定されたゲームが終了したときに、当該継続確率に従って行われる。このため、初当選時確率抽選で決定された継続確率に従って少なくとも1回は継続抽選を行うことができる。その結果、第1ATに制御されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立したときに決定される継続確率に対する注目度合いをより一層向上させることができる。
前述した実施例において、継続確率として最も高い「77%」が決定され得るのは、第1AT抽選条件のうち最も成立確率が低い「ボーナス単独当選」が成立して図16(a)のテーブルが参照されて確率抽選が行われたときだけである。このため、いずれの第1AT抽選条件が成立した場合であっても最も高い「77%」が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、継続確率として最も高い「77%」に決定されることに対する価値を高めることができる。
前述した実施例における昇格時確率抽選では、設定されている継続確率よりも高い確率に決定されるが、成立した第1AT抽選条件の種類によって図15(c)及び(d)のテーブルに示されるように遊技者にとっての有利度合いが異なっている。
まず、昇格時確率抽選において決定し得る最も高い確率は、「ボーナス単独当選」あるいは「1ゲーム目ボーナス当選」成立時の方が、「スイカ単独当選」あるいは「特殊役2単独当選」成立時よりも、高確率に設定されている。具体的には、昇格時確率抽選において決定し得る最も高い「75%」は、「ボーナス単独当選」あるいは「1ゲーム目ボーナス当選」成立時のみに決定でき、「スイカ単独当選」あるいは「特殊役2単独当選」成立時には決定できないように構成されている。このため、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、継続確率として昇格時確率抽選において決定し得る最も高い「75%」に決定されることに対する価値を高めることができる。
また、昇格時確率抽選において加算される平均確率は、「ボーナス単独当選」あるいは「1ゲーム目ボーナス当選」成立時の方が、「スイカ単独当選」あるいは「特殊役2単独当選」成立時よりも、高確率となるように設定されている。これにより、第1ATに制御されているときには、第1AT抽選条件のうちいずれが成立するかに対する注目度を向上させることができる。
前述した実施例におけるナビストックは、第2AT抽選条件が成立したときに行われる第2AT抽選で当選することにより獲得する。第2AT抽選条件は、図17で示したように、複数種類設けられている。例えば、ビッグボーナスに入賞してから終了するまでの第1の特定の遊技期間においては、ボーナス入賞時に成立する第2AT抽選条件と、小役の単独当選時に成立する第2AT抽選条件とが設けられている。このため、ボーナス入賞時にナビストックを獲得すること、及びボーナス中において小役単独当選して第2AT抽選が行われてナビストックを獲得することに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、第1の特定の遊技期間における遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2ATフラグから第2ATである旨が特定される状態であってかつナビストックを有している状態においては、有利RTにおいてナビストックを1消費することにより第2ATに移行させた後、50ゲーム消化することにより第2ATが終了したときに、次回の第2ATに制御可能となるまでの潜伏期間に移行され、当該潜伏期間経過後においてナビ対象役に当選したときに新たにナビストックを1消費して再び第2ATに移行可能となる。
また、潜伏期間であるときには、原則として、ナビ演出が実行されない。このため、第2ATフラグから第2ATである旨が特定される状態であってかつナビストックを有している状態であっても、潜伏期間の長さによって次回の第2ATに制御されるまでに設定する賭数が多くなるため、獲得したナビストックを消費する間(第2AT及び潜伏期間を含む)における遊技者の利益が左右される。例えば、潜伏期間が長くなる程、ナビ演出が実行されないゲーム数が多くなるため、獲得したナビストックを消費する間における遊技者の利益が少なくなる。その結果、ナビストックを有している状態においても、潜伏期間の長さに遊技者を注目させることができる。
このような潜伏期間は、図19及び図20で示したように、まず、第2ATに制御される前において第1AT制御中において、第1ATに2回以上連続して制御されていることを特定する第1AT連続カウンタの値を考慮して決定される。例えば、第1AT連続カウンタの値が0であり特定条件が成立していないときよりも、第1AT連続カウンタの値が1以上であり特定条件が成立しているときの方が、高い割合で長い期間となるように潜伏期間が決定される。
換言すれば、特定条件が成立している場合には、特定条件が成立していない場合に参照される短潜伏用テーブルと比べて、決定し得る潜伏期間の平均ゲーム数である期待値が多くなる長潜伏用テーブルを参照して潜伏期間が決定されるため、潜伏期間の平均ゲーム数である期待値が多くなるように決定される。これにより、第2ATに制御される以前の第1ATにおいて2回以上継続して制御されたことにより遊技者がすでに利益を獲得した後、その後の第2ATにおいて比較的短い潜伏期間ばかりに決定されてさらに利益が付与されることにより射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を極力防止することができる。
また、潜伏期間は、図19及び図20で示したように、獲得したナビストックを消費する間であって一連の第2ATにおいてすでに移行された潜伏期間の長さに基づき、短潜伏連続カウンタの値を考慮して決定される。最大決定カウンタの値が0であるときについて具体的に説明すると、潜伏期間は、獲得したナビストックを消費する間における一連の第2ATにおいてすでに移行された潜伏期間のうち、直近の潜伏期間を含む過去5回までの潜伏期間のうちいずれかが比較的長い潜伏期間に決定されており特定条件が成立していないとき(比較的短い期間が5回以上連続していないとき)よりも、過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されており特定条件が成立しているとき(比較的短い期間が5回以上連続しているとき)の方が高い割合で長い期間となるように決定される。換言すれば、特定条件が成立している場合には、特定条件が成立していない場合に参照される短潜伏用テーブルと比べて、決定し得る潜伏期間の平均ゲーム数である期待値が多くなる長潜伏用テーブルを参照して潜伏期間が決定されるため、潜伏期間の平均ゲーム数である期待値が多くなるように決定される。これにより、過去5回までの潜伏期間のうちいずれもが比較的短い潜伏期間に決定されているときに再び比較的短い潜伏期間に決定されてしまうことを極力防止することができる。このため、ナビストックを有している状態における潜伏期間の長さが単調になってしまうことを極力防止できる。その結果、第2ATと潜伏期間とを含むナビストックを有している状態における遊技の興趣を低下させてしまう不都合の発生を防止することができる。
さらに、過去5回までの潜伏期間のうちいずれも比較的短い潜伏期間に決定されているときに再び比較的短い潜伏期間に決定されてしまうことを防止することによって、例えば潜伏期間が比較的短い期間ばかりとなり獲得したナビストックを消化する間における潜伏期間が短くなることにより、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、一連の第2ATへの制御が開始されてから数回までの非報知期間(非報知状態)は、比較的短い期間に決定され、比較的長い期間に決定されない。このため、ナビストック数を獲得したが、実際に消費して第2ATに制御された回数が少なく遊技者所有のメダルが未だ十分に増えていない状態において、比較的長い非報知期間に制御されてしまい、序盤において遊技者所有のメダルを消費させてしまうことにより遊技の興趣を低下させてしまう不都合の発生や、遊技者所有のメダルを使い切らせてしまい貸しメダルなど新たにメダルを用意しなければならないといった不都合の発生を防止することができる。
前述した実施例によれば、図17及び図18に示すように、第2AT抽選条件が、第1ATフラグ設定時に成立したときの方が第1ATフラグ未設定時に成立したときよりも、期待され得る期待ナビストック数が小さくなる。このため、第2AT中増減枚数は、第2AT抽選条件が第1ATフラグ未設定時に成立することに起因して制御される一連の第2ATよりも、第1ATフラグ設定時に成立することに起因して制御される一連の第2ATの方が小さくなる。これにより、第1ATにおいて遊技者が利益を獲得している最中に獲得したナビストックを用いて制御される第2ATにおいてさらに利益が付与されることにより射幸性が高まりすぎてしまう不都合の発生を極力防止することができる。
また、図19のSA03において、最大決定時カウンタの値が0であると判定されたときよりも、0でないと判定されたときの方が、SA08で示されるように小さい値で特定条件が成立していると判定され、高い割合で長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定される。また、潜伏期間が長い程、獲得したナビストック消費する間の一連の第2ATにおけるメダルの純増枚数が小さくなる。このため、複数回の第2AT抽選で獲得したナビストックであるときよりも、1回の第2AT抽選において最大決定により獲得したナビストックであるときの方が高い割合で、同じナビストック数を消費する間におけるメダルの純増枚数が小さくなるようにするための特定制御が行われる。これにより、ナビストックを最大決定により獲得したとき程、高い割合で遊技者の利益が少なくなる。このため、ナビストックを最大決定により獲得したのか、すなわち獲得契機にも注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2AT抽選条件が複数回成立することによりナビストックを獲得したときには、第2AT抽選条件が1回成立して最大決定されることにより獲得したナビストック数と同じであるときよりも、高い割合で、第2AT抽選条件を成立させるために多くのゲーム数を消化しているため、多くの賭数が用いられている。一方、1回の第2AT抽選条件が成立することにより最大決定されて運良く最大ナビストックを獲得したときには、第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したナビストックの合計数が同じであるときよりも、高い割合でメダルの純増枚数を小さくでき、遊技者の利益を少なくすることができる。このため、同じナビストック数を獲得するために第2AT抽選条件が成立した回数が多いときと少ないときとの利益均衡を図ることができる。例えば、1回の第2AT抽選条件が成立することにより最大決定されて運良く最大ナビストックを獲得したときにも、第2AT抽選条件が複数回成立することによりナビストックを獲得したときと同じように潜伏期間の決定が行われるものと比較して、1回の第2AT抽選条件が成立することにより最大決定されて運良く最大ナビストックを獲得したときの射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を極力抑制することができる。
ボーナス入賞時における第2AT抽選では、獲得し得る最大のナビストック数が14に設定されており最大決定可能であるのに対し、小役の単独当選時における第2AT抽選では、獲得し得る最大のナビストック数が10に設定されており最大決定できない。また、ビッグボーナスに入賞してから終了するまでの第1の特定の遊技期間において、ボーナス入賞時は最大でも1回しか生じ得ないが、小役の単独当選は、内部抽選の結果次第で毎ゲーム成立する可能性があるため、最大でボーナス終了までに要するゲーム数分生じ得る。すなわち、最大許容AT抽選条件が成立し得る回数は、最大不可AT抽選条件が成立し得る回数よりも少ない。このため、ボーナス入賞時における第2AT抽選の価値を高めて遊技者を注目させることができるとともに、最大許容AT抽選条件の成立し得る回数が最大不可AT抽選条件の成立し得る回数よりも多くなるように設定されている場合と比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、前述した実施例においては、第1の特定の遊技期間において、最大許容AT抽選条件が1回しか成立しないため、当該最大許容AT抽選条件が成立して行われる第2AT抽選の価値をより一層高めることができるとともに、遊技者を注目させつつ1回の第2AT抽選に集中させることができる。また、第1の特定の遊技期間において最大許容AT抽選条件が、必ず成立するため、期待感を遊技者に確実に抱かせることができる。
前述した実施例においては、準備モードに移行されてから終了するまでの第2の特定の遊技期間、準備モードに移行されてからボーナス当選するまでの第3の特定の遊技期間においても、最大許容AT抽選条件(準備モードの1ゲーム目開始)が成立し得る回数は、最大不可AT抽選条件(準備モードの5ゲーム消化毎、あるいはチェリー1やチェリー2当選など)が成立し得る回数よりも少ない。このため、準備モードの1ゲーム目開始時における第2AT抽選の価値を高めて遊技者を注目させることができるとともに、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、第2の特定の遊技期間及び第3の特定の遊技期間において、最大許容AT抽選条件が1回しか成立しないため、当該最大許容AT抽選条件が成立して行われる第2AT抽選の価値をより一層高めることができるとともに、遊技者を注目させつつ1回の第2AT抽選に集中させることができる。また、第2の特定の遊技期間及び第3の特定の遊技期間において最大許容AT抽選条件が、必ず成立するため、期待感を遊技者に確実に抱かせることができる。
前述した実施例においては、ボーナス入賞してから当該ボーナス終了して準備モードに移行されて当該準備モードが終了するまでの第4の特定の遊技期間、ボーナス入賞してから次回ボーナス当選するまでの第5の特定の遊技期間においても、最大許容AT抽選条件(ボーナス入賞、準備モードの1ゲーム目開始)が成立し得る回数は、最大不可AT抽選条件(ボーナス中の小役単独当選、準備モードの5ゲーム消化毎、あるいはチェリー1やチェリー2当選など)が成立し得る回数よりも少ない。このため、最大許容AT抽選条件が成立することによる第2AT抽選の価値を高めて遊技者を注目させることができるとともに、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、第4の特定の遊技期間及び第5の特定の遊技期間において最大許容AT抽選条件が、必ず成立するため、期待感を遊技者に確実に抱かせることができる。尚、第4の特定の遊技期間や第5の特定の遊技期間のように、最大許容AT抽選条件が成立し得る回数は、1回に限るものではなく、2回であっても良く、また3回以上の回数であっても良い。
前述した実施例においては、準備モードに移行されて1ゲーム目を消化した後からボーナス当選するまでの第6の特定の遊技期間においても、同様の効果を奏する。準備モードに移行されて1ゲーム目を消化した後において5ゲーム消化時における第2AT抽選では、獲得し得る最大のナビストック数が10に設定されており、ナビストック数として10を設定する決定(以下、準最大決定という)が可能であるのに対し、準備モードが終了した後における通常遊技状態や有利RTにおいてチェリー1やチェリー2の単独当選時における第2AT抽選では、獲得し得る最大のナビストック数が4に設定されており、準最大決定できない。また、第6の特定の遊技期間において、5ゲーム消化時における第2AT抽選は最大でも6回しか生じ得ないが、チェリー1やチェリー2の単独当選は、内部抽選の結果次第で毎ゲーム成立する可能性がある。すなわち、準最大決定可能な第2AT抽選条件が成立し得る回数は、準最大決定できない第2AT抽選条件が成立し得る回数よりも少ない。このため、通常遊技状態や有利RTであるときと比較して、準最大決定可能な準備モードにおける第2AT抽選の価値を高めて遊技者を注目させることができる。
前述した実施例によれば、通常遊技状態であるときには、昇格リプレイに当選して当該昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作することにより、いつでも有利RTに制御させることができる。また、準備モードにおいては、昇格リプレイに当選せず、昇格リプレイ入賞が発生しない。このため、昇格リプレイに入賞したにも関わらず有利RTに制御されないといった不信感を遊技者に抱かせることを防止することができる。
また、通常遊技状態であるときには、図8で示すように、共通の操作態様(順押しあるいは逆押し)で操作する限り、昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作されることがなく、有利RTに制御されない。このため、通常遊技状態であるときには遊技者により共通の操作態様以外の操作態様で操作されることが予想される。しかし、図24のS52〜S55で示したように、ナビ演出が実行されていないときに共通の操作態様以外の操作態様(挟み押しあるいは中押し)で操作されるとペナルティが課される。これにより、通常遊技状態であってナビ演出が実行されていないときには、遊技者に共通の操作態様以外の操作態様で操作させないようにすることができる。このため、実質的に、通常遊技状態においてナビ演出が実行されているときにしか、共通の操作態様以外の操作態様で操作させないようにすることによって、有利RTに制御されることがないようにし、当該有利RTの価値及び有利性を維持するとともに、ATに制御されること及び有利RTに制御されることにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビ演出が行われていないときに、変則押しで操作し、偶然昇格リプレイを入賞させることができて有利RTに制御されたとしても、当該有利RTにおいてナビ演出が実行されない。このため、転落リプレイあるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選した場合に、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避させる操作態様で操作することができず、通常遊技状態に制御される。尚、ナビ可能期間においてナビ演出が実行されて有利RTに制御されたときにはペナルティが課されないものの、当該ナビ可能期間が終了したときには、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避させる操作態様で操作することができず、通常遊技状態に制御される。
また、AT中であるときには、昇格リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるため、意図的に昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作して有利RTに制御することができ、その場合にペナルティが課されることもない。また、有利RTにおいてもATが継続されるため、転落リプレイあるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウに当選した場合にナビ演出が報知されるため、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避させる操作態様で操作して当該有利RTを維持することができる。
前述した実施例によれば、ペナルティ期間中においては、第1AT抽選条件や第2AT抽選条件が成立したときであっても、AT抽選が行われずナビストックが付与されない。このため、通常遊技状態かつ非AT中において、変則押しで操作することをより一層効果的に抑止することができる。
前述した実施例によれば、非AT中において変則押しで操作されたときには、図24のS56で示すように警告表示が行われるため、変則押しで操作されることを抑止することができる。
前述した実施例によれば、図6で示したように、有利RTに制御されるまでの過程に、準備モードにおいて2枚役・1枚役同時入賞することにより通常遊技状態に制御されることが含まれる。このため、有利RTに制御されることの困難性が高まるため、有利RTの価値及び有利性をより一層高めることができる。また、準備モードにおいて左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウが当選したときには、ブドウに入賞して9枚のメダルが付与されるか、それよりも付与されるメダル数の少ない2枚役・1枚役同時入賞して通常遊技状態に制御されるため、いずれにしても遊技者にとって有利となる。
前述した実施例によれば、通常遊技状態において昇格リプレイを含むリプGR1またはリプGR2に当選し、昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作されたときには、昇格リプレイが入賞して、リプレイの当選確率が高まる有利RTに制御される。これに対し、有利RTにおいて転落リプレイを含むリプGR3またはリプGR4、あるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウなどのうちいずれかに当選し、転落リプレイを入賞させる手順あるいは2枚役・1枚役同時入賞させる手順で操作されたときには、転落リプレイ入賞あるいは2枚役・1枚役同時入賞により通常遊技状態に制御される。
また、ボーナスに当選することにより、通常遊技状態と同様にリプGR1またはリプGR2に当選し得る遊技状態であって、かつ有利RTと同様にボーナスよりも優先して入賞ライン上に引き込まれ入賞するリプレイの当選確率が高まる内部中RTに制御される。
さらに、同時当選役に当選することにより図22のS34あるいはS35において制御されるナビ可能期間においては、所定の確率に従ってナビ演出が実行される。このため、ナビ可能期間においては、リプGR1またはリプGR2に当選したときに意図的に昇格リプレイを入賞させることができ、有利RTに制御させることができる。また、昇格リプレイを入賞させる際には、変則押しで操作する必要があるが、ナビ可能期間においては変則押ししたとしてもペナルティが課されるといった不利益も生じない。その結果、ナビ可能期間においては、実際にボーナスに当選することにより制御される内部中RTとリプレイの当選確率が同様に高くなる有利RTに制御しやすくすることができるとともに、連続演出が実行されるため、効果的にボーナスに当選していることに対する期待感を抱かせることができる。
また、ナビ可能期間において有利RTに制御されたとしても、前述したように、転落リプレイを含むリプGR3またはリプGR4、あるいは左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウのいずれかに当選したときに、意図的に転落リプレイ入賞を回避あるいは2枚役・1枚役同時入賞を回避することができないため、有利RTを維持させることができない。これにより、ボーナスに当選していないにも関わらず、ナビ可能期間が終了した後いつまでも有利RTが維持されてしまうことによって、ボーナス当選していることに対する期待感を抱かせてしまうといった不都合の発生を防止することができる。
前述した実施例によれば、ナビ可能期間において有利RTに制御された後においても、ナビ演出が実行される。これにより、ナビ可能期間であるときには、当該有利RTを維持させることが可能となるため、当該ナビ可能期間に亘り期待感を遊技者に抱かせることができる。
前述した実施例によれば、通常リプレイ単独当選時には、操作態様に関わらず、通常リプレイの図柄組合せが入賞ライン上に停止される。また、ブドウ単独当選時には、操作態様に関わらず、ブドウの図柄組合せが入賞ライン上に停止される。これより、通常リプレイ及びブドウは、操作態様に関わらず、機能が同じ図柄組合せを停止させる入賞役といえる。ナビ可能期間においては、図23のS47及びS48で示したように、機能が同じ図柄組合せを停止させる通常リプレイ単独当選時やブドウ単独当選時にも昇格リプレイ当選時のナビ演出と同じ態様で特別ナビ演出が実行される。このため、ナビ演出から特定される操作態様で操作したにも関わらず、昇格リプレイに入賞せずに通常リプレイやブドウに入賞することにより、ナビ可能期間であることを遊技者に認識させることができ、ボーナスに当選していることに対する緊張感を与えることができる。
前述した実施例によれば、図22のS33〜S35で示したように、同時当選役に当選したときに、実際にボーナス当選しているか否かに応じて異なるナビ可能期間が設定され、図23のS46で示したように、設定されたナビ可能期間に応じた確率に従ってナビ演出が実行される。これにより、ナビ可能期間においてナビ演出が実行される頻度から、ボーナスに当選している可能性を推測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施例によれば、有利RTや内部中RTにおいて高確率になるリプGR1〜リプGR4は、各々、リプレイのみの入賞役であって、当選するリプレイの組合せが異なるように設定されている。このため、有利RTや内部中RTにおける射幸性を維持しつつ、リプGR1〜リプGR4の当選確率を遊技状態毎に調整することができるため、有利RTあるいは通常遊技状態に制御される確率の設計を行いやすくすることができる。
昇格リプレイを含むリプGR1及びリプGR2のうち、リプGR1の方が、リプGR2よりも高確率で当選するように判定値数が設定されている。このため、ナビ演出が行われていないときであっても、リプGR1当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作態様で操作することにより、それ以外の操作態様で操作したときよりも、有利RTに制御される可能性が高くなる。しかし、図24のS53〜S55で示すように、変則押しのうち、リプGR2当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作態様て操作されたときよりも、リプGR1当選時において昇格リプレイを入賞させるための操作態様て操作されたときの方が、ペナルティゲーム数として多いゲーム数が設定されるため、不利益が大きくなる。その結果、ナビ演出が実行されていないときに、有利RTに制御されてしまう不都合の発生をより一層効率的に抑止することができる。
本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施例の変形態様について説明する。
[第1AT抽選条件について]
前述した実施例においては、図14及び図15に示したように、第1AT抽選条件はすべてボーナス当選あるいはボーナス中に関連する条件である例について説明した。これにより、ボーナスに対する注目度合いをより一層向上させることができる。しかし、第1AT抽選条件は、ボーナス当選あるいはボーナス中に関連する条件に限るものではない。第1AT抽選条件は、例えば、予め定められた回数分ゲーム消化すること、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化すること、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役(例えばチェリー1など)に当選した回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役に当選あるいは入賞すること、特定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなど、どのようなものであっても良い。
また、前述した実施例においては、共通の第1AT抽選条件が成立することを抽選契機として、AT抽選、昇格抽選各々の抽選が行われる例について説明した。すなわち、AT抽選、昇格抽選各々の抽選契機が同じである例について説明した。しかし、AT抽選、昇格抽選各々の抽選契機は、予め定められているものであれば良く、AT抽選の抽選契機と昇格抽選の抽選契機とを異ならせても良い。例えば、AT抽選の抽選契機を図14に示す第1AT抽選条件を満たすことにより成立させ、昇格抽選の抽選契機を第1AT中(尚内部中RTを除いても良い)において所定ゲーム数(例えば100ゲーム)消化する毎に成立させるようにしても良い。これにより、遊技者を注目させる契機を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[継続抽選について]
前述した実施例においては、継続抽選の抽選条件が、第1ATフラグが設定されていないときにおけるAT抽選でAT当選したとき、あるいは後述する継続回数カウンタの値として「1」が設定されているときであってボーナス当選したときに成立する例を説明した。しかし、継続抽選の抽選条件は、これに限るものではない。
継続抽選の抽選条件としては、例えば、初当選時確率抽選あるいは昇格時確率抽選において継続確率が新たに設定されることにより成立するものであっても良い。まず、初当選時継続抽選として、初当選時確率抽選により設定された継続確率に従って継続抽選を行う。また、再継続抽選として、昇格時確率抽選において継続確率が昇格したときに、昇格した継続確率に従って、継続回数カウンタに基づき制御されることが確定している第1ATが終了した後においてさらに第1ATを継続させるか否かの抽選を行う。再継続抽選で当選する毎に、例えば、継続回数カウンタの値を1加算する。これにより、再継続抽選で当選する毎に、第1ATに制御される回数を増加させることができる。
また、この変形例における再継続抽選は、昇格当選してから次に第1AT抽選条件が成立するまでに行われる。例えば、再継続抽選は、昇格時確率抽選が行われたゲームが終了したときに行われる。これにより、昇格時確率抽選において昇格した継続確率に従って、少なくとも1回は、継続抽選が行われるため、昇格時確率抽選で決定される継続確率に対し期待感を抱かせることができる。
尚、この変形例における再継続抽選は、昇格抽選で当選したときにのみ行われる。これにより、昇格抽選が行われることにより継続確率が向上することと第1ATの継続回数が増えることに対する期待感を抱かせることができる。しかし、再継続抽選は、昇格抽選で当選したときに限らず、昇格抽選で当選しなかったときにも行うように構成しても良い。これにより、再継続抽選が行われる機会を増やすことができる。
また、この変形例における継続抽選は、継続回数カウンタの値に関わらず行われる例について説明した。しかし、継続抽選は、継続回数カウンタの値が所定数(例えば、5など)未満のときにだけ行われ、所定数以上のときには行われないようにしても良い。これにより、射幸性が高まりすぎることを防止することができる。
また、継続抽選で当選する毎に当該継続回数カウンタの値に1加算する例について説明した。しかし、継続抽選で当選したときには、第1ATを継続させる回数を複数の回数(例えば、1回〜10回)から決定するようにしても良い。これにより、継続抽選における興趣を向上させることができる。
また、この変形例において継続演出を実行する場合、実行可能な継続演出を複数種類設け、継続回数カウンタの値に応じた割合に従って複数種類のうちから選択された継続演出を実行するようにしても良い。例えば、継続演出として、第1継続演出(例えば液晶表示器51に「継続に期待!」といったメッセージを表示)と第2継続演出(例えば液晶表示器51に「大連チャンかも!」といったメッセージを表示)とを設け、継続回数カウンタの値が3以下であるときよりも4以上であるときの方が、高い割合で第2継続演出を実行するものであっても良い。これにより、実行された継続演出の種類から、継続回数を推測するといった面白みを遊技者に提供することができる。
尚、継続抽選の抽選条件は、上記のものに限らず、例えば、予め定められた回数分ゲーム消化すること、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化すること、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役(例えばチェリー1など)に当選した回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役に当選あるいは入賞すること、特定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなど、どのようなものであっても良い。
[AT抽選と初当選時確率抽選、及び昇格抽選と昇格時確率抽選について]
前述した実施例においては、図14で示す当選率に従ってAT抽選を行い、当該AT当選で当選したときに図16(a)あるいは(b)のテーブルを参照して初当選時確率抽選を行う、すなわち、AT抽選と初当選時確率抽選とをそれぞれ別個に行う例について説明した。しかし、AT抽選と初当選時確率抽選とを一の抽選で行うようにしても良い。例えば、継続確率として0%を選択し得るテーブルを設けて、当該テーブルを参照して継続確率として0%に決定されたときには第1ATに制御せず、1%以上に決定されたときには第1ATに制御すること及び決定された継続確率を設定するように構成しても良い。これにより、AT抽選を行った後に別途初当選時確率抽選を行う必要がなくなるため、処理負担を軽減することができる。尚、昇格抽選と昇格時確率抽選とについても、前述した実施例ではそれぞれ別個に行う例について説明したが、上記した内容と同様に、昇格抽選と昇格時確率抽選とを一の抽選で行うようにしても良い。
[確率抽選について]
確率抽選では、現在設定されている継続確率に加算する確率を決定するものに限らず、変更後の継続確率そのものを決定するようにしても良い。これにより、継続確率を設定するための処理負担を軽減することができる。
[確率降格について]
前述した実施例では、昇格抽選で当選したときに継続確率を向上させ、非当選であったときには継続確率を変化させない例について説明した。しかし、昇格抽選で非当選であったときには、現在設定されている継続確率よりも低い確率から一の確率を決定する、すなわち継続確率を降格(低下)させるようにしても良い。これにより、第1ATに制御されている期間において、継続確率が降格することに対する緊張感を抱かせることができる。
[第1ATについて]
前述した実施例における第1ATフラグをクリアする条件(以下では、単に第1ATの終了条件ともいう)として、次回ボーナス入賞したときに継続回数カウンタが0であることを例に説明した。しかし、第1ATの終了条件は、所定条件が成立したときの継続回数カウンタが0であるときに成立するものであれば良い。所定条件としては、例えば、予め定められた回数分ゲーム消化すること、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化すること、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役(例えばチェリー1など)に当選した回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役に当選あるいは入賞すること、特定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなど、どのようなものであっても良い。これにより、第1ATにおける興趣を向上させることができる。
また、第1ATの終了条件は、継続回数カウンタの値に関わらず、第1ATへの継続回数が所定回数以上に到達したときに成立するようにしても良い。これにより、射幸性が高まりすぎることを防止することができる。
また、第1ATの終了条件は、有利RTを終了させ得る有利終了条件を満たしたときに成立するようにしても良い。前述した実施例において、例えば、第1ATの終了条件が転落リプレイ当選により成立するようにしても良い。この場合、以下のように制御しても良い。
転落リプレイ当選したときには、決定されている継続確率に従って継続抽選を行い、当該継続抽選で当選したときに第1ATフラグをクリアせずに継続させて第1ATに制御し、当該継続抽選で当選しなかったときに第1ATフラグをクリアして第1ATを終了させるようにしても良い。継続抽選で当選したときには、前述した転落リプレイに当選したときのナビ演出を実行し、意図的に転落リプレイ入賞を回避して有利RTを継続可能にする。
一方、継続抽選で当選しなかったときには、第1ATが継続することができるか否かを煽るための所定の煽り演出を実行するが、ナビ演出を実行しないため、意図的に転落リプレイ入賞を回避することができないようにする。また、煽り演出が行われたゲームにおいて、変則押しされた場合であっても、図24で示したペナルティを課さないようにし、変則押しを可能とする。これにより、ナビ演出が実行されなかった場合であっても、偶然転落リプレイ入賞を回避でき、その場合には第1ATフラグを設定し直して再び第1ATに制御しても良い。
以上のように構成した場合であっても、昇格時確率抽選においては継続確率として最も高い確率(例えば「77%」)に決定することができず、最も高い確率は初当選時確率抽選でしか決定し得ないようにすれば良い。これにより、第1ATに制御されているときであっても第1AT抽選条件が成立することに注目させるとともに継続確率が向上することに対する期待感を抱かせつつ、第1ATに制御された後において最も高い継続確率に昇格し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。また、煽り演出が実行されたときの緊張感を高めるとともに、興趣を向上させることができる。
[第1ATの継続について]
第1ATが継続するとは、第1ATの終了条件が成立した後において必ず第1ATに制御されることをいい、例えば、前述した実施例のように第1ATにおいて終了条件が成立したときに一旦終了させて、ボーナスや準備モードなど他の状態に制御させた後、再び第1ATに制御されるものであっても良く、第1ATにおいて終了条件が成立したときに一旦終了させることなくそのまま引き続き第1ATに制御されるものであっても良い。
[報知条件及び報知期間の終了条件について]
前述した実施例では、報知条件の一例として、図15、図16で示したテーブルが参照されて継続確率が設定されることを示し、報知期間の終了条件の一例として継続抽選で非当選であることを示した。
しかし、報知条件は、継続確率に限らず、設定されることにより制御される第1ATにおける遊技者にとっての有利度合いを異ならせるものであればどのようなものであっても良い。また、報知期間の終了条件は、設定された報知条件と関連あるいは対応して変化する条件であって、第1ATに制御可能な状態を終了させるための条件であればどのようなものであっても良い。以下に、報知条件及び報知期間の終了条件について、変形例を示す。
(第1の例)
例えば、前述した実施例における継続抽選において第1ATを終了させるか否かを抽選するように構成しても良い。この場合には、初当選時確率抽選では、継続確率ではなく、終了確率を決定するようにしても良い。また、昇格時確率抽選では、加算確率ではなく、減算確率を決定するようにしても良い。具体的には、図16(a)及び(b)に示すテーブルにおける「継続確率」に対応する数値を100%から差し引いた数値に置き換え、「継続確率」を「終了確率」に置き換え、さらに、図16(c)及び(d)に示すテーブルにおける「加算確率」に対応する数値を100%から差し引いた数値に置き換え、「加算確率」を「減算確率」に置き換え、図16(c)の上限を25%とし、図16(d)の上限を30%としたテーブルを用いて第1AT抽選処理を行うようにしても良い。この場合、AT当選したことを条件として初当選時確率抽選で終了確率が決定され、当該終了確率に従って継続抽選が行われ、その後第1AT抽選条件が成立して昇格時確率抽選で減算確率が決定されたときには、当該減算確率を現在の終了確率から差し引いた確率に更新し、次回の継続抽選では当該更新された終了確率に従って継続抽選が行われる。また、継続抽選において第1ATを終了させると決定されたときに終了フラグを設定する。ボーナス入賞したときに終了フラグが設定されていないときには、第1ATフラグを次回ボーナス入賞するまで維持させ、ボーナス入賞したときに終了フラグが設定されているときには、第1ATフラグを消去して、報知期間を終了させるように構成しても良い。このように構成した場合であっても、終了確率として最も低い遊技者にとって有利な確率(例えば、23%)が決定され得るのは、第1ATに制御されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立したときだけであり、第1ATに制御された後において第1AT抽選条件が成立したとしても終了確率として最も低い遊技者にとって有利な確率(例えば、23%)に決定されることがない。このため、第1ATに制御されているときであっても第1AT抽選条件が成立することに注目させるとともに終了確率が低下することに対する期待感を抱かせつつ、第1ATに制御された後において最も低い終了確率に昇格し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
(第2の例)
例えば、報知条件は、前述した実施例における第2ATの特殊条件と同様に、1消費することにより所定ゲーム数(例えば、50ゲーム)に亘り第1ATに制御するナビストック数であっても良く、報知期間の終了条件は、獲得したナビストック数をすべて消費することにより成立するものであっても良い。
この場合、例えば、第1AT抽選では、ナビストック数を獲得していないときに第1AT抽選条件が成立することにより、0〜20までの範囲内からナビストック数を抽選する初回抽選を行い、当該初回抽選において1以上のナビストック数に決定されたときには、第1ATフラグを設定するとともに獲得したナビストック数を特定するためのナビストック情報を格納する。1以上のナビストック数を獲得し第1ATフラグが設定されることにより報知期間に制御される。さらに、第1AT抽選では、第1ATフラグが設定されているときにおいて第1AT抽選条件が成立したときには、初回抽選において獲得し得る最大のナビストック数である20よりも上限が小さい、例えば0〜10までの範囲内からナビストック数を抽選する報知期間中抽選を行い、獲得したナビストック数をすでに獲得しているナビストック数に上乗せ加算された値にナビストック情報を更新する。このように、報知期間中抽選でナビストック数を獲得すると遊技者にとっての有利度合いが高まる。尚、報知期間中抽選でナビストック数を獲得したとしても、上乗せ加算後のナビストック数の上限は、初回抽選において決定し得る最大のナビストック数未満(例えば、18)に設定されている。すなわち、ナビストック数として最大の20が決定され得るのは、第1ATに制御されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立したときだけであり、第1ATに制御された後において第1AT抽選条件が成立したとしてもナビストック数として最大の20に到達することがない。このため、第1ATに制御されているときであっても第1AT抽選条件が成立することに注目させるとともにナビストック数が上乗せされることに対する期待感を抱かせつつ、第1ATに制御された後においても最大のナビストック数に到達し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、ナビストック数として最大の20が決定され得るのは、第1AT抽選条件のうち最も成立確率が低い条件(例えば「ボーナス単独当選」)が成立して初回抽選が行われたときだけとなるようにしても良い。これにより、いずれの第1AT抽選条件が成立した場合であってもナビストック数として最大の20が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、ナビストック数として最大の20に決定されることに対する価値を高めることができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、報知期間中抽選において決定し得る最大のナビストック数である10に決定し得るのは、第1AT抽選条件のうち所定の条件(例えば「ボーナス単独当選」あるいは「1ゲーム目ボーナス当選」)が成立して報知期間中抽選が行われたときだけとなるようにしても良い。これにより、いずれの第1AT抽選条件が成立した場合であっても報知期間中抽選において決定し得る最大のナビストック数である10が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、報知期間中においていずれの第1AT抽選条件が成立するかに対する注目度を向上させることができる。
(第3の例)
例えば、報知条件は、第1ATに制御するゲーム数であっても良く、報知期間の終了条件は、当該ゲーム数を消化することにより成立するものであっても良い。
この場合、例えば、第1AT抽選では、第1ATに制御されていないときに第1AT抽選条件が成立することにより、0〜1000までの範囲内から第1ATに制御するゲーム数である第1ATゲーム数を抽選する初回抽選を行い、初回抽選において1以上のゲーム数に決定されたときには第1ATフラグを設定するとともに第1ATゲーム数を特定するための第1ATゲーム数情報を格納する。1以上のゲーム数に決定され第1ATフラグが設定されることにより報知期間に制御される。さらに、第1AT抽選では、第1ATフラグが設定されているときにおいて第1AT抽選条件が成立したときには、初回抽選において決定し得る最大のゲーム数である1000よりも上限が小さい、例えば0〜200までの範囲内からゲーム数を抽選する報知期間中抽選を行い、決定したゲーム数を現在の第1ATゲーム数に上乗せ加算された値に第1ATゲーム数情報を更新する。このように、報知期間中抽選で加算するゲーム数を獲得すると遊技者にとっての有利度合いが高まる。尚、報知期間中抽選で加算するゲーム数を獲得したとしても、上乗せ加算後の第1ATゲーム数の上限は、初回抽選において決定し得る最大のゲーム数未満(例えば、800)に設定されている。すなわち、第1ATゲーム数として最大の1000が決定され得るのは、第1ATに制御されていないときにおいて第1AT抽選条件が成立したときだけであり、第1ATに制御された後において第1AT抽選条件が成立したとしても第1ATゲーム数として最大の1000に到達することがない。このため、第1ATに制御されているときであっても第1AT抽選条件が成立することに注目させるとともに第1ATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を抱かせつつ、第1ATに制御された後においても最大の第1ATゲーム数である1000に到達し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、第1ATゲーム数として最大の1000が決定され得るのは、第1AT抽選条件のうち最も成立確率が低い条件(例えば「ボーナス単独当選」)が成立して初回抽選が行われたときだけになるようにしても良い。これにより、いずれの第1AT抽選条件が成立した場合であっても第1ATゲーム数として最大の1000が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、第1ATゲーム数として最大の1000に決定されることに対する価値を高めることができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、報知期間中抽選において決定し得る最大加算ゲーム数である200に決定し得るのは、第1AT抽選条件のうち所定の条件(例えば「ボーナス単独当選」あるいは「1ゲーム目ボーナス当選」)が成立して報知期間中抽選が行われたときだけとなるようにしても良い。これにより、いずれの第1AT抽選条件が成立した場合であっても報知期間中抽選において決定し得る最大加算ゲーム数である200が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、報知期間中においていずれの第1AT抽選条件が成立するかに対する注目度を向上させることができる。
[特定の遊技期間と第2AT抽選条件成立タイミングとの関係について]
前述した実施例においては、特定の遊技期間と第2AT抽選条件成立タイミングとの関係として、特定の遊技期間が開始されると同時に最大許容AT抽選条件が成立し得、その後において最大不可AT抽選条件が成立し得る例について説明した。これにより、最大許容AT抽選条件が成立するタイミングがわかり易いため、当該タイミングに遊技者を確実に注目させることができるとともに、その後においても期待感を持続させることができる。
しかし、特定の遊技期間と第2AT抽選条件成立タイミングとの関係は、特定の遊技期間において第2AT抽選条件が成立するものであれば、前述した実施例で示したものに限らず、どのようなものであっても良い。例えば、第1の特定の遊技期間として、ボーナス当選により開始され、ボーナス終了により終了するものであっても良い。この場合、最大許容AT抽選条件は、ボーナス当選により成立するように構成しても良い。また、特定の遊技期間が開始されてから最大不可AT抽選条件が成立し得、特定の遊技期間が終了するときに最大許容AT抽選条件が成立し得るようなものであっても良い。
[第2AT抽選条件の成立回数について]
前述した実施例においては、最大許容AT抽選条件について特定の遊技期間において予め定められた回数必ず成立し、最大不可AT抽選条件について、特定の遊技期間において抽選(内部抽選)で当選したときに成立する例について説明した。これにより、特定の遊技期間においては必ず予め定められた回数、最大決定されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、第1の特定の遊技期間では、最大許容AT抽選条件が1回だけ成立するため、遊技者を注目させつつ当該1回の第2AT抽選に集中させることができる。また、最大不可AT抽選条件が成立する回数に変化を持たせることができ、特定の遊技期間における遊技の興趣を向上させることができる。
しかし、最大許容AT抽選条件は、特定の遊技期間において予め定められた回数必ず成立するものに限るものではなく、また、最大不可AT抽選条件は、抽選で当選したときに成立するものに限るものではない。
最大許容AT抽選条件は、特定の遊技期間において予め定められた回数を上限回数として成立するものであっても良い。具体的には、特定の遊技期間において最大許容AT抽選条件を成立させる回数を、上限回数以下の回数(0回を含む)からランダムに決定し、当該回数だけ最大許容AT抽選条件成立時の第2AT抽選を行うものであっても良い。また、特定の遊技期間において最大許容AT抽選条件の成立回数が上限回数未満であるときに、予め定められた最大抽選条件が成立したときに最大許容AT抽選条件を成立させて第2AT抽選を行われるものであっても良い。すなわち、特定の遊技期間において最大許容AT抽選条件が成立する回数が上限回数までの範囲内で変化し、抽選結果に応じて最大許容AT抽選条件が1回も成立しない場合が生じ得るものであっても良い。尚、この場合における上限回数は、最大不可AT抽選条件が成立し得る最大成立回数未満であれば良い。また、最大不可AT抽選条件は、特定の遊技期間において予め定められた回数必ず成立するものであっても良い。
[ナビストック獲得演出について]
前述した実施例における、最大許容AT抽選条件の成立タイミングは、予め定められている。このため、最大許容AT抽選条件が成立することによる第2AT抽選の結果に応じた情報を、予め定められている成立タイミングで報知するようにしても良い。これにより、最大許容AT抽選条件が成立するタイミングの注目度をより一層向上させることができる。また、最大不可AT抽選条件は、ランダムに成立する。このため、最大不可AT抽選条件が成立することによる第2AT抽選の結果を、当該第2AT抽選が行われる度に報知しても良く、また、特定の遊技期間が終了したときに獲得した合計ナビストック数を報知しても良い。尚、報知は、例えば、サブ制御部91により、ナビストック数を特定可能な演出を実行しても良い。
[期待ナビストック数による射幸性の抑制について]
前述した実施例においては、図18(e)に示すように、第2AT抽選を行う契機となった第2AT抽選条件が、第1ATフラグが設定されていないときに成立したときよりも、第1ATフラグが設定されているときに成立した時の方が、期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制する例について説明した。また、前述した実施例においては、図18(b)及び(c)に示すように、最大不可AT抽選条件成立時の第2AT抽選について、最大決定済時であるときの方が最大未決定時であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制する例について説明した。
しかし、期待ナビストック数による射幸性の抑制は、最大決定されたか否かに限らず、例えば、最大不可AT抽選条件成立時の第2AT抽選について、現在獲得しているナビストック数が規定値以上(例えば8以上)であるときの方が規定値未満であるときよりも、期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制するようにしても良い。具体的に、例えば、図18(b)のテーブルにおいて、現在獲得しているナビストック数が規定値以上(例えば8以上)であるときには、「最大決定済時」の当選率を用いて第2AT抽選を行い、すでに獲得しているナビストック数が規定値未満であるときには、「最大未決定時」の当選率を用いて第2AT抽選を行うようにしても良い。また、期待ナビストック数が小さくなるようにする第2AT抽選条件は、最大不可AT抽選条件に限らず、最大許容AT抽選条件を含めても良い。すなわち、現在獲得しているナビストック数が規定値以上(例えば8以上)であるときの方が規定値未満であるときよりも、第2AT抽選条件が最大不可AT抽選条件であるか否かに関わらずすべての第2AT抽選における期待ナビストック数が小さくなるようにすることにより、射幸性を抑制するようにしても良い。この場合、規定値以上のナビストック数が最大許容AT抽選条件成立時の一回の第2AT抽選において設定された場合にのみ、以後の第2AT抽選における期待ナビストック数が小さくなるようにしても良い。また、現在獲得しているナビストック数が規定値以上であるときに、期待ナビストック数を小さくする対象を、当該規定値以上のナビストックを獲得した特定の遊技期間内における第2AT抽選に限るものであっても良く、あるいは当該規定値以上のナビストックを獲得した特定の遊技期間内における第2AT抽選であるか否かに関わらずすべての第2AT抽選とするものであっても良い。
[潜伏期間による射幸性の抑制について]
前述した実施例においては、図19のSA01で示すように第1AT連続カウンタの値が1以上であるとき、あるいはSA03で示すように最大許容AT抽選条件が成立して最大決定されているときに、SA08以降の処理を行うことにより、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定することにより、潜伏期間により射幸性を抑制する例について説明した。
しかし、図19において、SA01またはSA03のいずれか一方のみを判定するようにしても良い。例えば、SA03及びSA07の処理を設けることなく、SA01においてYESと判定されたときには、SA04に移行させるようにしても良い。また、SA01及びSA02の処理を設けることなく、SA03の判定結果に基づき、SA04またはSA07に移行させるようにしても良い。
また、潜伏期間決定処理では、第2ATに制御される前における一連の第1ATの継続確率として、最も高い確率(図16では「77%」)に決定されていたか否かを判定し、決定されていなかったときにはSA04に移行させ、決定されていたときにはSA08に移行させるようにしても良い。これにより、第2ATに制御される前における一連の第1ATの継続確率として最も高い確率が決定されていたときには、最も高い確率に決定されていなかったときと比較して、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定されるため、潜伏期間により射幸性を抑制することができる。
また、潜伏期間による射幸性の抑制は、最大許容AT抽選条件が成立して最大決定されたときに限らず、最大許容AT抽選条件が成立して所定数(例えば8)以上のナビストック数に決定されたときにもSA08以降の処理を行うことにより、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定することにより、潜伏期間により射幸性を抑制するようにしても良い。
また、潜伏期間による抑制の抑制は、最大決定されたか否か及び最大許容AT抽選条件が成立したか否かに限らず、例えば、所定数以上(例えば8以上)のナビストック数を、1回の第2AT抽選で獲得したときの方が複数回の第2AT抽選で獲得したときよりも高い割合で、同じナビストック数を消費する間におけるメダルの純増枚数が小さくなるようにするための特定制御を行って、射幸性を抑制するようにしても良い。具体的には、1回の第2AT抽選で8以上のナビストック数に決定されたとき(以下、多数決定という)に、最大決定時カウンタに替えて多数決定時カウンタの値に7を設定し、図19のSA03において多数決定時カウンタの値が0であるか否かを判定し、SA03において0でないと判定されたときにSA07において多数決定時カウンタの値を1減算して、SA08以降の処理を行うことにより、比較的長い潜伏期間が高い割合で決定されるようにしても良い。
[潜伏期間について]
前述した実施例においては、潜伏期間として非AT中のゲーム数を設定し、当該ゲーム数消化することにより潜伏期間が経過したと判定して次回の第2AT作動を開始可能にする例について説明した。しかし、潜伏期間としては、ゲーム数に限らず、ゲームが消化されることに伴って経過が進行する期間であれば良く、以下のものであっても良い。
第1の例としては、例えば、潜伏期間として、メダル枚数を設定するものであっても良く、この場合、潜伏期間において設定された賭数と当該潜伏期間において払い出された払出メダル枚数とを計数する処理を行い、賭数から払出メダル枚数を差し引いた枚数が、設定されたメダル枚数に達したことを条件として、次回の第2AT作動を開始可能にするように構成しても良い。
第2の例としては、例えば、潜伏期間として、当選回数を設定するものであっても良く、この場合、潜伏期間において特定の入賞役(例えば、ブドウ単独、昇格リプレイなど)に当選した回数を計数する処理を行い、計数された回数が、設定された当選回数に達したことを条件として、次回の第2AT作動を開始可能にするように構成しても良い。
第3の例としては、例えば、潜伏期間として、押し順回数を設定するものであっても良く、この場合、潜伏期間において左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウが当選したときにブドウを入賞させた回数、すなわち押し順が正解した回数を計数する処理を行い、計数された回数が、設定された押し順回数に達したことを条件として、次回の第2AT作動を開始可能にするように構成しても良い。
第4の例としては、例えば、潜伏期間として、所定の遊技状態を終了した状態終了回数を設定するものであっても良い。前述した実施例においては、有利RTにおいて第2AT終了後、2枚役・1枚役同時入賞や転落リプレイ入賞により転落条件が成立したときに制御され得る遊技状態として、昇格リプレイ入賞すれば必ず有利RTに制御可能な通常遊技状態に制御し、昇格リプレイ入賞やボーナス当選を除き当該通常遊技状態への制御が継続される例について説明したが、有利RTにおいて第2AT終了後であって転落条件が成立した後においては、昇格リプレイ入賞しても有利RTに制御されない遊技状態に制御され得るように構成したものに適用できる。
より具体的には、有利RTにおいて2枚役・1枚役同時入賞したときにのみ有利RTから通常遊技状態に制御し、転落リプレイが入賞することにより、仮に昇格リプレイ入賞したとしても有利RTに制御し得ない不利RTに制御するように構成しても良い。また、通常遊技状態においても転落リプレイを含むリプGR3やリプGR4に所定確率で当選し得るように内部抽選を行い、当該通常遊技状態において転落リプレイ入賞により不利RTに制御するように構成しても良い。不利RTは、規定ゲーム数(例えば32ゲーム)消化により終了条件が成立して通常遊技状態に移行される。この場合において、潜伏期間として不利RTを終了した回数を設定し、潜伏期間において不利RTが終了した回数を計数する処理を行い、計数された回数が、設定された状態終了回数に達したことを条件として、次回の第2AT作動を開始可能にするように構成しても良い。
また、潜伏期間としては、ゲーム数など一種類の条件を設定するものに限らず、ゲーム数、メダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数のうち複数種類の条件を設定し、いずれかの条件を満たしたときに、次回第2AT作動を開始可能にするように構成しても良い。これにより、潜伏期間の種類がバラエティー豊かになり、遊技の興趣を向上させることができる。
尚、潜伏期間を決定するに際しては、それ以前の潜伏期間の長さに基づき短潜伏決定条件が成立しているときよりも成立していないときの方が高い割合で長い期間(すなわちメダル枚数である場合にはより多いメダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数である場合にはより多い回数)となるように決定するように構成すれば良い。また、潜伏期間を決定するに際しては、最大決定されていないときよりも最大決定されているときの方が高い割合で長い期間(すなわちメダル枚数である場合にはより多いメダル枚数、当選回数、押し順回数、状態終了回数である場合にはより多い回数)となるように決定することにより、メダルの純増枚数が少なくなるように構成すれば良い。これにより、前述した実施例と同様の効果を奏する。
[潜伏期間決定について]
前述した実施例においては、潜伏期間を決定するタイミングが、ナビストック1に対応する第2ATが終了するゲーム終了時である例について説明したが、これに限らず、ナビストックを獲得してからナビストック1に対応する第2AT終了後における非ATにおいて最初のゲームが開始されるまでのタイミングであれば良い。
また、前述した実施例においては、決定される潜伏期間の対象が、第2AT終了後から次回第2AT開始可能となるまでの一の期間であり、潜伏期間毎にその長さが決定される例について説明したが、これに限らず、決定される潜伏期間の対象が、獲得したナビストックを消費する間における全ての潜伏期間であり、複数の潜伏期間がまとめて決定されるように構成しても良い。具体的には、ナビストック数毎に潜伏期間の長さを特定するための潜伏期間パターンが複数種類定められているテーブルを記憶させておき、獲得したナビストック数に対応するテーブルを参照して当該ナビストックを消費する間における全ての潜伏期間を決定するように構成しても良い。この場合、複数種類のテーブルから特定される潜伏期間パターンは、各々の潜伏期間以前の潜伏期間の長さに基づき短潜伏決定条件が成立しているときよりも成立していないときの方が高い割合で長い期間となるように、潜伏期間の長さが定められているように構成すれば良い。また、複数種類のテーブルから特定される潜伏期間パターンは、最大決定されていないときよりも最大決定されているときの方が高い割合で長い期間となるように、潜伏期間の長さが定められていることにより、メダルの純増枚数が少なくなるように構成すれば良い。これにより、前述した実施例と同様の効果を奏する。
[特定制御について]
前述した実施例においては、ナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行う具体的手法として、第2AT抽選条件が、第1ATフラグ未設定時に成立したときよりも第1ATフラグ設定時に成立したときの方が、高い割合で、潜伏期間として長い期間を決定する手法、及び、同じナビストックを獲得しているときであっても、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が高い割合で、潜伏期間として長い期間を決定する手法について説明した。しかし、ナビストックを消費する間における純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行う具体的手法は、これに限らず、以下のものであっても良い。
第1の例として、すでにナビストックを獲得しているときに、さらに特定の上乗せ第2AT抽選条件(例えば、図17で示した準備モードにおいて5ゲーム消化、特定の入賞役に当選など)が成立したときに上乗せするナビストックを抽選する上乗せ第2AT抽選を行うスロットマシンにおいて、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、高い割合で特定の上乗せ第2AT抽選条件が成立するように、あるいは高い割合でナビストックが上乗せされるように、上乗せ第2AT抽選を行うことにより実現しても良い。これにより、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックが上乗せされる確率が高くなる。その結果、一連の第2ATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、その後に獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。
第2の例として、ナビストックを1消費することにより第2ATに制御される第2AT期間を決定するスロットマシンにおいて、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が、高い割合で第2AT期間として短い期間を決定することにより実現しても良い。これにより、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が高くなる。その結果、一連の第2ATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときの方が高い割合で、第2AT期間が短くなることにより、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。
第3の例として、ナビストックを1消費することにより所定期間に亘り第2ATに制御するものであって、所定期間第2ATを継続させた後においても当該第2ATを継続させるか否かを所定の継続率に従って決定し、継続させると決定されたときには新たなナビストックを消費することなく所定期間に亘り第2ATへの制御を継続させ、継続させないと決定されたときには第2ATを終了させ、残存するナビストックを1消費することにより新たに所定期間に亘り第2ATに制御するスロットマシンにおいて、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、高い割合で、低い継続率を決定することにより実現しても良い。これにより、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときよりも、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときの方が、ナビストックを新たに消費せずに第2ATへの制御が継続される確率が高くなる。その結果、一連の第2ATへの制御を開始するときに獲得しているナビストック数が同じであっても、第2AT抽選条件が1回成立しかつ最大決定されて獲得したときには、最大決定ではなく第2AT抽選条件が複数回成立することにより獲得したときよりも、獲得したすべてのナビストックを消費する間におけるメダルの純増枚数が少なくなるようにするための特定制御を行うことができる。尚、この場合における報知条件の有利度合いは、ナビストックや継続率から特定される。有利度合いが高い報知条件とは、ナビストックが多いものや、継続率が高いものをいう。
尚、前述した実施例においては、ボーナスが終了して準備モード及び通常遊技状態を介して有利RTへの制御を開始する時点において獲得しているナビストック数のいずれかが最大決定により獲得したものであるときに、最大決定により獲得したナビストックを消費するときであるか否かに関わらず、1回目の第2ATが終了したときに次回の第2ATまでの潜伏期間を決定するときからSA03においてNOと判定させることにより特定制御が行われる例について説明した。しかし、有利RTへの制御を開始する時点において獲得しているナビストック数のいずれかが最大決定により獲得したものであるときに、当該最大決定により獲得したナビストックを特定可能な情報を記憶し、次回の第2ATを当該情報から最大決定により獲得したナビストックを消費して制御させるときに、SA03においてNOと判定させることにより、最大決定により獲得したナビストックを消費して第2ATに制御させるまでの潜伏期間について特定制御が行われるように構成しても良い。これにより、最大決定されたものでないナビストックを消費するときに特定制御が行われて、遊技者にとって不利となる不都合の発生を防止することができる。
[特定条件について]
前述した実施例においては、短潜伏連続カウンタの値がSA04においては4以下であること、SA08においては2以下であること、すなわち過去所定回(例えば5回あるいは3回)のいずれかの潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより、特定条件が成立せず、過去所定回のいずれの潜伏期間としても比較的長い期間が決定されていないことにより、特定条件が成立する例について説明した。しかし、特定条件は、これに限らず、例えば、前回の潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより成立せず、前回の潜伏期間として比較的長い期間が決定されていないことにより成立するものであっても良い。また、特定条件は、過去所定回(例えば5回)すべての潜伏期間として比較的長い期間が決定されていることにより成立せず、過去所定回のうちいずれかの潜伏期間として比較的短い期間が決定されていることにより成立するものであっても良い。また、特定条件は、過去所定回(例えば5回)の潜伏期間の合計期間(合計ゲーム数)が、所定期間よりも長い期間であるときに成立せず、所定期間よりも短い期間であるときに成立するものなどでも良い。
また、前述した実施例において、SA10においてNOと判定されたときに、さらに、SA06に移行される前において短潜伏連続カウンタを1加算するようにしても良い。これは、次のような不都合を解消するためである。例えば最大決定時カウンタの値が1であってかつ短潜伏連続カウンタの値が3である場合に、SA07において最大決定時カウンタの値が0となった後、SA09において比較的短い潜伏期間に決定されてSA10においてNOと判定されたときには、SA06において短潜伏連続カウンタの値に1しか加算されず、短潜伏連続カウンタの値が4となる。この場合、次回の潜伏期間決定処理においては、SA03においてYESと判定されかつSA04においてYESと判定される結果、未だ比較的長い潜伏期間に決定されていないにも関わらず、SA05において短潜伏用テーブルを用いて潜伏期間が決定されてしまうといった不都合が生じる。しかし、SA10においてNOと判定されたときに、さらに、SA06に移行される前において短潜伏連続カウンタを1加算することにより、上記の場合においてSA10においてNOと判定された後の短潜伏連続カウンタの値が5となるため、次回の潜伏期間決定処理においては、SA03においてYESと判定されたときでも、SA04においてNOと判定され、長潜伏用テーブルを用いて潜伏期間を決定することができ、上記不都合を解消することができる。
[潜伏期間決定用テーブルについて]
前述した実施例においては、図20に示すように、短潜伏用テーブルと長潜伏用テーブルとを記憶し、潜伏期間の決定において短潜伏用テーブルよりも長潜伏用テーブルの方が高い割合で長い期間に決定される例について説明したが、潜伏期間の決定に用いるテーブルは、図20に示すテーブルに限るものではない。
また、図19のSA03において、最大決定時カウンタの値が0であるときと0でないときとで、SA05あるいはSA09において同じテーブルを用いて潜伏期間を決定する例について説明した。しかし、最大決定時カウンタの値が0であるときと0でないときとで、異なるテーブルを用いて潜伏期間を決定するように構成しても良い。例えば、SA03でYESと判定されたときには、SA04の判定結果に基づき、SA05あるいはSA09において図20に示すテーブルを用いて潜伏期間を決定し、SA03でNOと判定されたときには、SA08の判定結果に基づき、図20に示すテーブルよりも高い割合でより多いゲーム数に決定されるように設定されたテーブルを用いて潜伏期間を決定するように構成しても良い。これにより、最大決定されていないときよりも最大決定されたときの方が高い割合で潜伏期間として長い期間に決定することができる。尚、この場合、SA04及びSA08における判定基準を同じに設定しても良い。
また、図20(a)に示す短潜伏用テーブルを用いたときには、比較的長い潜伏期間に決定されない例について説明したが、これに限らず、所定確率(極めて低い確率)で比較的長い潜伏期間(例えば70ゲーム)に決定され得るものであっても良い。この場合、SA05において比較的長い潜伏期間に決定されたときには、SA11に移行させ、比較的短い潜伏期間に決定されたときにはSA06に以降させるように構成しても良い。
また、図20(b)に示す長潜伏用テーブルを用いたときには、比較的短い潜伏期間(10ゲーム)に決定され得る例について説明したが、これに限らず、比較的短い潜伏期間に決定されないようにし、比較的長い潜伏期間のみに決定され得るものであっても良い。これにより、図19のSA10の判定処理を行うことなく、SA09からSA11に移行させるようにすることができ、処理負担を軽減することができる。
[ATでない旨が特定される状態について]
前述した実施例では、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときには、原則として、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない例について説明した。しかし、ATフラグからATでない旨が特定される状態であっても、所定確率でATに制御しても良く、また所定確率でナビ演出を実行するように構成しても良い。ATフラグからATである旨が特定される状態であるときの方が、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときよりも高い割合で、ATに制御され、ナビ演出が実行されるものであれば良い。
[特殊条件及び特殊終了条件について]
前述した実施例では、特殊条件の一例として、図17、図18で示したテーブルが参照されてナビストック数が設定されることを示し、特殊終了条件の一例として、獲得したナビストック数を全て消化して、第2ATから非ATに制御するときの第2ATフラグがナビストック数0であることを示した。しかし、特殊条件は、第2ATに制御可能な状態に制御するための条件であれば良く、また、特殊終了条件は、設定された特殊条件と関連あるいは対応して変化する条件であって、第2ATに制御可能な状態を終了させるための条件であれば良い。
例えば、第2AT抽選条件成立を契機に、第2ATに制御するか否かを決定し、第2ATに制御すると決定されたときには第2ATを継続させるか否かを決定するための継続率を設定しておき、まず、50ゲームに亘る第2ATに制御し、当該第2ATが終了したときに設定されている継続率に従って継続させるか、すなわち再び第2ATに制御するか否かを決定するように第2AT制御が行われる場合について説明する。この場合、特殊条件は、第2ATに制御するか否かの決定で第2ATに制御すると決定されること及び継続率を設定することであり、特殊終了条件は、設定されている継続率に従って継続させないと決定されることであるといえる。この場合、特殊条件の有利度合いは、継続率から特定される。有利度合いが高い特殊条件とは、継続率が高いものをいう。
[その他の変形例について]
前述した実施例においては、昇格リプレイを含むリプGR1及びリプGR2に転落リプレイが含まれず、転落リプレイを含むリプGR3及びリプGR4に昇格リプレイが含まれないように、当選対象役の組合せが定められている例について説明した。しかし、昇格リプレイを含むリプGR1及びリプGR2に転落リプレイが含まれるものであっても良い。また、転落リプレイを含むリプGR3及びリプGR4に昇格リプレイが含まれるものであっても良い。
昇格リプレイを含む当選対象役の組合せとして、例えば、転落リプレイ+昇格リプレイの当選対象役の組合せと、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイの当選対象役の組合せとが定められているものであっても良い。また、転落リプレイを含む当選対象役の組合せとして、例えば、転落リプレイ+昇格リプレイの当選対象役の組合せと、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイの当選対象役の組合せとが定められているものであっても良い。このように、昇格リプレイを含む当選対象役の組合せと転落リプレイを含む当選対象役の組合せとが同一の組合せとなるものであっても良い。この場合におけるリール制御としては、次のものであっても良い。例えば、転落リプレイ+昇格リプレイ及び転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイのいずれに当選したかに関わらず、順押しあるいは逆押しで操作されたときには転落リプレイを入賞させる。また、転落リプレイ+昇格リプレイに当選したときに、挟み押しで転落リプレイを入賞させ、中押しで昇格リプレイを入賞させる。また、転落リプレイ+昇格リプレイ+制御用リプレイに当選したときに、挟み押しで昇格リプレイを入賞させ、中押しで転落リプレイを入賞させる。
これにより、順押しあるいは逆押しの共通の操作態様で操作する限り、転落リプレイに入賞させ通常遊技状態である場合は当該通常遊技状態を維持させることができ、当選している組合せに応じて、昇格リプレイを入賞させるための操作態様、及び転落リプレイを入賞させるための操作態様を異ならせることができるため、ナビ演出が実行されていないときに有利RTに制御させにくく、かつ有利RTを維持させにくくすることができる。
前述した実施例における準備モードでは、昇格リプレイや転落リプレイを含むリプGR1〜リプGR4が抽選対象役として読み出されず当選しない例について説明したが、これに限らず、昇格リプレイや転落リプレイを含むリプGR1〜リプGR4が抽選対象役として読み出されて、所定確率で当選し、入賞し得るように構成しても良い。このように構成した場合、例えば、準備モードにおいて、昇格リプレイに入賞したときには有利RTに制御するようにしても良く、転落リプレイに入賞したときには通常遊技状態に制御するようにしても良い。この場合において、準備モードにおいて、共通の操作態様以外で操作されたときには、図24ののS53〜S56と同様の処理を行い、ペナルティが課されるようにしても良い。
前述した実施例においてナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役として、チェリー1やチェリー2などの小役を例に説明した。しかし、ナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役は、これに限らず、例えば、再遊技役であっても良い。
前述した実施例においてナビ可能期間に制御される契機となる同時当選役として、BB1がチェリー1+チェリー2+特殊役1と同時当選し、BB2がチェリー1+チェリー2と同時当選し、BB3がチェリー1と同時当選する例について説明したが、同時当選するボーナスと同時当選役との組合せについてはこれに限らず、例えば、BB1〜BB5が、各々、チェリー1+チェリー2+特殊役1と同時当選する場合、BB2がチェリー1+チェリー2と同時当選する場合、BB3がチェリー1と同時当選する場合が生じ得るような組合せが設定されているものであっても良い。
前述した実施例においては、ナビ演出が実行されていないときに共通の操作態様以外の変則押しで操作されたときに、ペナルティ期間に制御し、一定期間ペナルティを課す例について説明した。しかし、ペナルティは、ATに制御されるか否かにおいて、遊技者にとって不利益となるものであれば良く、例えば、第1AT抽選条件や第2AT抽選条件が成立したときに遊技者にとって有利度合いが低いAT抽選を行わせるものであっても良い。例えば、第2AT抽選条件が成立したときに、前回第2AT抽選されてから後に変則押しされた回数に応じて、当該回数が多い程、ナビストックを獲得する確率やより多いナビストック数を獲得する確率が低くなるように第2AT抽選を行うものであっても良い。
また、ペナルティ期間においては、図21のS22で示したように非ATゲーム数カウンタを加算させないというペナルティの他に、第1AT抽選条件が成立しても第1AT抽選を行わず、さらに第2AT抽選条件が成立しても第2AT抽選を行わないペナルティを課す例について説明したが、これらのうちいずれか一のペナルティのみを課すものであっても良い。例えば、ペナルティ期間においては、非ATゲーム数カウンタを加算させないというペナルティのみを課すものであっても良い。また、ペナルティ期間に制御される毎に、どの種類のペナルティを課すかをランダムに抽選し、当選したペナルティを課すようにしても良い。
また、ペナルティ期間は、ゲームを所定回数消化することにより終了する例について説明した。しかし、ペナルティ期間は、ゲームを所定回数消化することにより終了するものに限らず、第1AT抽選条件あるいは第2AT抽選条件が所定回数(例えば1回)成立することにより終了するものであっても良い。例えば、ペナルティ期間において、第2AT抽選条件が成立したとしても当該第2AT抽選条件に応じた第2AT抽選を行わないことにより、当該ペナルティ期間を終了させても良い。
前述した実施例においては、図22のS33〜S35で示したように、ボーナスが当選しているか否かに応じて、制御される期間やナビ演出実行確率が異なるナビ可能期間に制御する例について説明したが、これに限らず、同時当選役の種類に応じて、制御される期間やナビ演出実行確率が異なるナビ可能期間に制御するように構成しても良い。例えば、ボーナスと同時当選確率が最も高いチェリー1+チェリー2+特殊役1に当選したときには、他の同時当選役に当選したときよりも、高い割合で特別ナビ期間が設定されるように構成しても良い。これにより、ボーナス当選していることに対する期待感と連動したナビ可能期間に制御することができる。
前述した実施例においては、BB1〜BB3であるときにRB1に制御し、BB4または5であるときにRB2に制御する例について説明したが、BBの種類に関わらず、同じRBに制御するように構成しても良い。例えば、BBの種類に関わらずRB1に制御するように構成しても良い。
前述した実施例における有利RTを終了させる契機となる入賞役として再遊技役である転落リプレイが設定されている例について説明した。しかし、有利RTを終了させる契機となる入賞役は、再遊技役に限らず、所定の小役、入賞により次の1ゲームをボーナスに制御するシングルボーナスなどであっても良い。
ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(例えば「0」)する処理を行うものであっても良く、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであっても良く、所定数減算する処理を行うものであっても良く、所定数上乗せ加算する処理を行うものであっても良く、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであっても良い。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であっても良い。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。
前述した実施例においては、図8で示したように、昇格リプレイの入賞手順及び転落リプレイの回避手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであっても良い。例えば、転落リプレイとして転落リプレイ1(白7−リプレイ−リプレイ)、転落リプレイ2(黒7−リプレイ−リプレイ)、転落リプレイ3(BAR−リプレイ−リプレイ)が設けられており、内部抽選において転落リプレイ以外のリプレイと、転落リプレイ1〜3の各々とが同時に当選し得るように構成されている場合には、同時当選している転落リプレイを構成する左図柄を入賞ライン上に停止させないようなタイミングで停止操作する手順が転落リプレイの回避手順となる。また、昇格リプレイの入賞手順及び転落リプレイの回避手順は、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであっても良い。
前述した実施例においては、左中右ブドウ、左右中ブドウ、右左中ブドウ、右中左ブドウ、中ブドウ当選時においてブドウを取りこぼした場合に出現する2枚役・1枚役同時入賞により、準備モードあるいは有利RTから通常遊技状態に転落する例について説明したが、準備モードあるいは有利RTから通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。例えば、特定の小役(例えばスイカ)に入賞することであっても良い。
前述した実施例においては、昇格リプレイ入賞することにより、通常遊技状態から有利RTに昇格する例について説明したが、通常遊技状態から有利RTへの昇格契機はこれに限らず、例えば、同時当選役取りこぼし時の図柄組合せであっても良い。チェリー1+チェリー2に当選時においてチェリー入賞を回避したときにのみ発生する所定のはずれ図柄の組合せが導出することであっても良い。これにより、チェリーを取りこぼす代わりに、ナビ可能期間に制御するとともに有利RTに制御されるという面白みを付加することができる。
前述した実施例においては、第2AT中において特定の期間として50ゲーム消化することにより、1のナビストックに対する第2ATを終了させる例について説明した。しかし、特定の期間としては、予め定められた回数分ゲーム消化する期間に限らず、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化する期間、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達するまでの期間、特定の入賞役(例えばチェリー1など)に当選した回数が所定回数に到達するまでの期間などであっても良い。
尚、今回開示された実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。