JP5614734B1 - ハンドシャワーヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな操作力で吐水モードを切り換えることができるハンドシャワーヘッドを提供する。【解決手段】複数の吐水モードを切換可能なハンドシャワーヘッドであって、把持部及びこの把持部の先端側に設けられた散水部を有するシャワーヘッド本体と、把持部に設けられ、吐水モードを切り換える単一の操作部6と、操作部の操作によって移動されるカム部材34と、このカム部材に当接することにより、所定の方向に夫々移動される複数の弁作動軸40a、40b、40cと、これらの弁作動軸の移動に伴って開弁位置と閉弁位置の間で夫々移動可能な複数の弁体26a、26b、26cと、を有し、カム部材34は、第1の吐水モード位置から第2の吐水モード位置に移動される途中において、第1の弁体26a及び第2の弁体26bの少なくとも一方が常に開弁された状態となるように構成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、ハンドシャワーヘッドに関し、特に、複数の弁を開閉することにより、複数の吐水モードを切換可能なハンドシャワーヘッドに関する。
近年、複数の吐水モードを切り換えて使用することができるハンドシャワーヘッドが開発されている。このようなハンドシャワーヘッドにおいては、シャワーヘッド本体内に内蔵された弁体を操作することにより、内部の水路を切り換えて、吐水形態を変更している。
特許第5141998号公報(特許文献1)には、ハンドシャワーヘッドが記載されている。このハンドシャワーヘッドの把持部には吐水モードを切り換えるための操作部が設けられており、この操作部を押圧操作することにより、各吐水モードが切り換えられる。このハンドシャワーヘッドにおいては、操作部が押し込まれると、この操作に対応したリフト弁が開弁される一方、従来設定されていた吐水モードに対応するリフト弁が閉弁され、吐水モードが切り換えられる。これにより、ハンドシャワーヘッドの手元で所望の吐水モードに切り換えることができる。
特許第5141998号公報
しかしながら、特許第5141998号公報記載のハンドシャワーヘッドにおいては、全てのリフト弁が閉弁された状態から吐水を開始する場合、又は、第1の吐水モードから第2の吐水モードに切り換える途中で、両方のリフト弁が閉弁状態となった場合に、切り換えに必要な操作力が大きくなるという問題がある。即ち、各吐水モードを設定するための全ての弁が閉弁された状態となると、ハンドシャワーヘッドに供給される湯水の給水圧がシャワーヘッド本体内に籠もり、この状態から弁体を開弁させるために必要な操作力が大きくなる。このような問題は、ハンドシャワーヘッドに供給される湯水の給水圧が高い場合や、各吐水モードを切り換える弁体が給水圧によって閉弁位置に保持されるセルフシール式の弁が使用されている場合に、特に顕著になる。
従って、本発明は、小さな操作力で吐水モードを切り換えることができるハンドシャワーヘッドを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の弁を開閉することにより、複数の吐水モードを切換可能なハンドシャワーヘッドであって、使用者によって把持される把持部及びこの把持部の先端側に設けられた散水部を有するシャワーヘッド本体と、把持部に設けられ、吐水モードを切り換えるために使用者によって操作される単一の操作部と、この操作部に対する操作によって移動されるカム部材と、このカム部材に当接することにより、所定の方向に夫々移動される複数の弁作動軸と、これらの弁作動軸に夫々対応して設けられ、弁作動軸の移動に伴って開弁位置と閉弁位置の間で夫々移動可能な複数の弁体と、を有し、カム部材は、第1の弁体のみが開弁位置になる第1の吐水モード位置から、第2の弁体のみが開弁位置になる第2の吐水モード位置に移動される途中において、第1の弁体及び第2の弁体の少なくとも一方が常に開弁された状態となるように構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、使用者が操作部を操作することによってカム部材が移動され、これに当接している弁作動軸が移動される。この弁作動軸の移動に伴って、複数の弁体が開弁位置と閉弁位置の間で移動され、吐水モードが切り換えられる。シャワーヘッド本体に供給された湯水は、切り換えられた吐水モードで散水部から吐水される。また、第1の吐水モードから第2の吐水モードへの切り換え途中においては、第1の吐水モードにおいて開弁される第1の弁体及び第2の吐水モードにおいて開弁される第2の弁体の少なくとも一方が常に開弁された状態となる。
このように構成された本発明によれば、吐水モードの切り換え途中において、弁体の少なくとも一方が常に開弁されているので、シャワーヘッド本体内の圧力が過度に上昇することがなく、小さな操作力で吐水モードを切り換えることができる。吐水モードの切り換え途中において全ての弁が閉弁状態となると、シャワーヘッド本体の内圧は給水圧と同程度まで急激に上昇する。このような状態においては、高くなった内圧が弁体に作用し、弁体を開弁位置まで移動させるために要する操作力が非常に大きくなり、操作性が低下する。本発明のハンドシャワーヘッドにおいては、吐水モードの切り換え途中においても常に何れかの弁が開弁されているので、シャワーヘッド本体内の圧力は給水圧よりも十分に低く維持され、小さな操作力で円滑に吐水モードを切り換えることができる。また、吐水モードの切り換え途中において全ての弁が閉弁されると、ウォータハンマ現象により異音が発生する場合があるが、本発明のハンドシャワーヘッドによれば、このような異音の発生を防止することができる。
本発明において、好ましくは、カム部材は、各弁作動軸が当接する頂上部及びこの頂上部の両側に形成された斜面部を備え、カム部材が第1の吐水モード位置にある状態においては、頂上部が第1の弁体に対応して設けられた第1の弁作動軸に当接して第1の弁体を開弁位置に保持し、カム部材が第1の吐水モード位置から第2の吐水モード位置に移動される途中においては、頂上部の両側の各斜面部が、第1の弁作動軸及び第2の弁体に対応して設けられた第2の弁作動軸に夫々当接して、第1の弁体及び第2の弁体が開弁された状態にされる。
このように構成された本発明によれば、吐水モードの切り換え途中における各弁の開度が、カム部材の形状と各弁作動軸の配置により正確に規定されるので、全ての弁が同時に閉弁される状態を確実に回避することができる。
本発明において、好ましくは、頂上部は所定の幅をもって形成され、カム部材の所定範囲の移動に対し、弁体は開弁位置に維持される。
このように構成された本発明によれば、カム部材が所定範囲の位置にあるとき弁体が開弁位置に維持されるので、各部品の寸法誤差、形状誤差に影響されることなく、弁体を安定して開弁位置に保持することができる。
本発明において、好ましくは、第1の吐水モード位置から第2の吐水モード位置への切り換え途中において、第1の弁体が開弁されることにより形成される流路断面積と、第2の弁体が開弁されることにより形成される流路断面積の和が、第1の弁体のみが開弁位置にある状態における流路断面積よりも大きくなる。
このように構成された本発明によれば、吐水モードの切り換え途中において、開弁されている流路断面積の和が大きくなる。このため、切り換え途中において吐水される総流量が増加するので、シャワーを浴びている使用者は吐水モードの切り換えが開始されたことを感覚的に認識することができる。また、切り換え途中においても十分な流量で吐水が継続されるため、切り換え途中の状態でハンドシャワーヘッドを使用することもできる。
本発明において、好ましくは、各弁体は、対応する各弁作動軸の同一の移動距離に対して、同じ距離だけ移動されるように夫々構成されている。
このように構成された本発明によれば、各弁体は弁作動軸の同一の移動距離に対して同じ距離だけ移動されるので、同一のカムで各吐水モードにおける吐水流量を一様に制御することができる。
本発明において、好ましくは、カム部材は所定の中心軸線を中心に回動するように設けられ、各弁作動軸は中心軸線を中心とする円の円周上に配置されている。
このように構成された本発明によれば、各弁作動軸が中心軸線を中心とする円の円周上に配置されているので、各弁作動軸間の距離を十分に確保しながら、吐水モードの切り換え機構全体をコンパクトに配置することができる。これにより、ハンドシャワーヘッドの操作性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、操作部は、概ね円板状の円板部及びその直径に沿って設けられた指かけ凸部を備えると共に、円板部の中心軸線を中心に回動可能に設けられ、指かけ凸部は散水部から把持部に向けて高さが高くなるように形成されている。
このように構成された本発明によれば、操作部の指かけ凸部が散水部から把持部に向けて高さが高くなるように形成されているので、回動される操作部がどの方向に向けられた状態にあるかを、使用者は指の感触で認識することができ、ハンドシャワーヘッドの操作性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、クリック機構を有し、操作部は各吐水モードを切り換えるように回動可能に設けられ、クリック機構は、操作部が所定の使用位置に回動されると、操作部を所定の力で使用位置に保持する。
このように構成された本発明によれば、クリック機構が備えられているので、使用者は、吐水モードの切り換えが開始されたこと、吐水モードの切り換えが完了したことを、指の感触で確実に認識することができ、ハンドシャワーヘッドの操作性を向上させることができる。
本発明のハンドシャワーヘッドによれば、小さな操作力で吐水モードを切り換えることができる。
本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドの断面図である。 本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドに内蔵されている水路切換装置の部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドに内蔵されている水路切換装置の分解斜視図である。 本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッド内において切り換えられる水路を示す断面図である。 本発明の実施形態において、水路切換装置に内蔵されている弁体の斜視図である。 本発明の実施形態において、水路切換装置に備えられているカム部材の下面側を示す斜視図である。 図7におけるVIII−VIII線に沿ったカム部材の断面図である。 本発明の実施形態において、水路切換装置の作用を示す説明図である。 本発明の実施形態において、第1の吐水モードから第2の吐水モードへの切り換え途中における、各弁の流路断面積の変化を示す図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドを説明する。
図1は、本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のハンドシャワーヘッド1は、シャワーヘッド本体2と、このシャワーヘッド本体2の先端部に取り付けられた散水板4と、3つの吐水モードを切り換える操作部6と、を有する。
シャワーヘッド本体2は、使用者が把持する把持部2aと、この把持部2aの先端側に設けられ、把持部2aよりも太くなった散水部2bと、を有する。また、散水部2bには、散水板4が取り付けられる円形の開口部2cが形成されている。また、シャワーヘッド本体2の基端側には、シャワーホース(図示せず)が接続される。
散水板4は、概ね円形の板であり、その中央部には散水ノズルが回転しながら吐水を行うジャイロビート吐水用の散水孔4aが設けられ、散水孔4aの周囲にはスプレー吐水用の多数の散水孔4bが設けられ、シャワーヘッド本体2の先端側には、滝状吐水用の円弧状の散水孔4cが設けられている。
操作部6は、シャワーヘッド本体2の把持部2aの開口部2c側に配置された円形のツマミである。操作部6は、円板状の円板部6a及びその直径に沿って設けられた直線状の指かけ凸部6bを備えており、指かけ凸部6bは散水部2bから把持部2aに向けて高さが高くなるように形成されている。この操作部6を、円板部6aの中心軸線を中心に各方向に回動させることにより、シャワーヘッド本体2に内蔵された水路切換装置が作動され、複数の吐水モードが切り換えられるようになっている。図1に示すように、指かけ凸部6bを散水部2bに向けた状態では、スプレー吐水モードが選択される。また、図1に示す状態から、操作部6を右へ90°回動させるとジャイロビート吐水が選択され、操作部6を左へ90°回動させると滝状吐水が選択される。なお、ハンドシャワーヘッド1においては、常に何れかの吐水モードが選択され、全ての弁が同時に閉鎖されることはない。
次に、図2乃至図8を参照して、本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッド1の内部構造を説明する。
図2は、本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッドの断面図である。
図2に示すように、シャワーヘッド本体2には、通水路形成部材8と、この通水路形成部材8の先端部に接続された水路切換装置10と、この水路切換装置10の先端部に取り付けられた第1散水室形成部材12と、が内蔵されている。さらに、シャワーヘッド本体2には、第1散水室形成部材12を覆うように取り付けられた第2散水室形成部材14と、散水板4の背面側に配置された第3散水室形成部材16と、この第3散水室形成部材16の背面側に配置された散水ノズル形成部材18と、が内蔵されている。また、シャワーヘッド本体2には、ジャイロビート吐水を行うための回転ノズル20と、この回転ノズル20を支持する回転ノズル支持部材22と、が内蔵されている。
通水路形成部材8は、細長い筒状の部材であり、その基端部には、シャワーホース(図示せず)に接続される接続部8aが形成されている。また、第1通水路形成部材8の先端部8bには、水路切換装置10が接続されている。通水路形成部材8と水路切換装置10の間にはOリングが配置され、これらの間の水密性が確保されている。水路切換装置10の詳細については後述する。
第1散水室形成部材12は、水路切換装置10の先端側(下流側)に接続される箱状の部材であり、散水板4の背面側に内蔵されている。第1散水室形成部材12と水路切換装置10の間にはOリングが配置され、これらの部材の間の水密性が確保されている。第1散水室形成部材12の内部には第1水路12a、第2水路12b、及び第3水路12c(図5にも図示)が形成されている。水路切換装置10から流出した湯水は、これらの第1水路12a、第2水路12b、及び第3水路12cを通って、スプレー吐水用の散水孔4b、ジャイロビート吐水用の散水孔4a、滝状吐水用の散水孔4cに夫々導かれるようになっている。また、第1散水室形成部材12の散水板4側は開放されており、この開放部を覆うように第2散水室形成部材14が取り付けられている。
第2散水室形成部材14は、第1散水室形成部材12の開放部を覆うように配置される概ね円板状の部材である。第2散水室形成部材14の中央には、第2水路12bと連通するように凹部14aが設けられ、この凹部14aの中にジャイロビート吐水用の回転ノズル20が回転可能に配置される。また、第2散水室形成部材14には、第1水路12aと連通するように貫通穴14bが設けられており、この貫通穴14bを通った湯水がスプレー吐水用の散水孔4bから吐出される。さらに、第2散水室形成部材14には、第3水路12cと連通するように貫通穴14cが設けられており、この貫通穴14cを通った湯水が滝状吐水用の散水孔4cから吐出される。
第3散水室形成部材16は、散水板4の背面側に重なるように配置される概ね円板状の部材である。この第3散水室形成部材16の背面側と、第2散水室形成部材14の正面側との間の空間が、スプレー吐水用の散水室を形成する。
散水ノズル形成部材18は、ゴム製の概ね円板状の部材であり、第2散水室形成部材14と第3散水室形成部材16の間に配置される。散水ノズル形成部材18には多数のスプレー吐水用の散水ノズル18aが設けられている。これらの散水ノズル18aは、散水板4に設けられた多数の散水孔4b、及びこれらの散水孔4bと夫々整合するように第3散水室形成部材16に設けられた多数の孔を通ってハンドシャワーヘッド1の外部に突出している。また、散水ノズル形成部材18には、ハンドシャワーヘッド1の先端側に位置するように、滝状吐水用の散水ノズル18bが設けられている。この散水ノズル18bは、散水板4に設けられた円弧状の散水孔4c、及びこの散水孔4cと整合するように第3散水室形成部材16に設けられた円弧状の孔を通ってハンドシャワーヘッド1の外部に突出している。なお、散水ノズル形成部材18はゴム製であるため、第2散水室形成部材14の縁部14dに押し付けられることにより、それらの間の水密性が確保される。
回転ノズル20は、概ね円柱状の部材であり、その軸線方向に3本のジャイロビート吐水用の散水ノズル孔20aが設けられている。また、回転ノズル支持部材22は、回転ノズル20を回転可能に支持する概ね円筒状の部材である。回転ノズル支持部材22は、その内部に回転ノズル20を回転可能に受け入れ、支持すると共に、第2散水室形成部材14に設けられた凹部14aに嵌め込まれている。第1散水室形成部材12の第2水路12bに湯水が流入すると、その水勢により、回転ノズル20が回転ノズル支持部材22の中ですりこぎ運動(歳差運動)され、これにより螺旋を描くように吐水が行われる。
次に、図3乃至図9を新たに参照して、本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッド1に内蔵されている水路切換装置10を説明する。
図3は、ハンドシャワーヘッドに内蔵されている水路切換装置の部分を拡大して示す断面図である。図4は、ハンドシャワーヘッドに内蔵されている水路切換装置の分解斜視図である。図5は、ハンドシャワーヘッド内において切り換えられる水路を示す断面図である。図6は、水路切換装置に内蔵されている弁体の斜視図である。図7は、水路切換装置に備えられているカム部材の下面側を示す斜視図である。図8は、図7におけるVIII−VIII線に沿ったカム部材の断面図である。
図3及び図4に示すように、水路切換装置10は、水路切換装置本体24と、この水路切換装置本体24の内部に摺動可能に配置された第1弁体26a、第2弁体26b、及び第3弁体26cと、これらの弁体により開閉される3つの弁座が形成された弁座形成部材28と、を有する。
さらに、水路切換装置10は、円板状の支持部材32と、円板状のカム部材34と、円板状のカムガイド部材36と、3本の弁作動軸40a、40b、40cと、カム押さえリング42と、カム回転軸44と、を有する。
図3乃至図5に示すように、水路切換装置本体24は、通水路形成部材8を通過した湯水が流入するように構成された概ね筒型の部材である。水路切換装置本体24の内部には、第1弁体26a、第2弁体26b、及び第3弁体26cの3つの弁体が、ハンドシャワーヘッド1の幅方向に平行に並べて配置されている。また、これら3つの弁体は、ハンドシャワーヘッド1の長手方向に摺動可能に支持され、開弁位置と閉弁位置の間で移動可能になっている。通水路形成部材8から流入した湯水は、第1、第2、第3弁体のうちの開弁された弁座を通って水路切換装置10から流出される。即ち、本実施形態においては、第1、第2、第3弁体からなる複数のリフト弁により、水路が切り換えられる。
図6に示すように、第1弁体26aは、着座部27aと、この着座部27aの背面側に形成された着座部支持部である支持フレーム部27bと、この支持フレーム部27bの両側面に設けられた摺動突起27cと、支持フレーム部27bの背面側に形成されたバネ取付部27d、を有する。また、図5に示すように、第1弁体26a、第2弁体26b、及び第3弁体26cは、シャワーヘッド本体2の把持部2aから散水部2bへ延びるように、シャワーヘッド本体2内に配置されている。即ち、各弁体の支持フレーム部はシャワーヘッド本体2の把持部2a内に収容され、着座部は散水部2b内に収容されている。
着座部27aは、第1弁体26aの先端に設けられた円板状の部分であり、この着座部27aの先端部が弁座形成部材28に着座することにより、弁座形成部材28に設けられた弁孔が閉鎖される。
支持フレーム部27bは、着座部27aの背面側に形成された直方体状のフレームである。着座部27aは支持フレーム部27bにより支持され、支持フレーム部27bが移動軸線に沿って移動されることにより、着座部27aは開弁位置と閉弁位置の間で移動され、弁座形成部材28の適正な位置に着座される。
摺動突起27cは、支持フレーム部27bの両側面に夫々設けられた細長い突起である。摺動突起27cは、水路切換装置本体24の内部に設けられた細長いガイド部24a(図5)に沿って摺動される。これにより、第1弁体26aは、水路切換装置本体24内で直線移動される。
バネ取付部27dは、支持フレーム部27bの背面側に形成された円形断面の突起であり、このバネ取付部27dがコイルバネ54(図5)の内側に嵌め込まれることにより、第1弁体26aにコイルバネ54が取り付けられる。第1弁体26aはコイルバネ54により、閉弁位置の方に付勢される。
さらに、支持フレーム部27bの内側には、移動方向変換手段である傾斜平面27eが設けられている。傾斜平面27eは、支持フレーム部27bの内側に一体に形成された傾斜した平面部分である。後述するように、この傾斜平面27eが弁作動軸40aの先端で押圧されることにより、第1弁体26aは開弁方向に駆動される。このように、第1弁体26aは、支持フレーム部27bの中心を通る移動軸線に沿って移動可能に支持され、着座部27aは開弁位置と閉弁位置の間で移動可能に支持される。
また、第2弁体26b及び第3弁体26cも、図4、図5に示すように、第1弁体26aと概ね同様の構成を有しているが、第1弁体の両側に配置された第2、第3弁体では、弁座を開閉する着座部と、これを支持する支持フレーム部がオフセットするように構成されており、全体としてL字型に形成されている。即ち、第1弁体26aは、その支持フレーム部27bの中心を通る移動軸線と、着座部27aの中心軸線が一致するように、直線的に構成されている。これに対し、第2弁体26bは、着座部が第1弁体から遠ざかるように屈曲して形成され、その支持フレーム部の中心を通る移動軸線と、着座部の中心軸線がオフセットしている(図5)。同様に、第3弁体26cも、着座部が第1弁体から遠ざかるように屈曲して形成され、その支持フレーム部の中心を通る移動軸線と、着座部の中心軸線がオフセットしている(図5)。
このように、第1、第2、第3弁体の各移動軸線、及びそれらの着座部の各中心軸線は、夫々平行に向けられている。さらに、各中心軸線の間隔は、各移動軸線の間隔よりも広く形成されている。これにより、第1、第2、第3弁体を夫々駆動するための各支持フレーム部を近接して集約的に配置しながら、着座部の中心軸線の間隔を広くとることができ、各着座部及びこれらが着座する弁孔を十分に大きくすることができる。
また、第2、第3弁体においては、コイルバネ54が着座部背面の中心軸線上に取り付けられ、これらのコイルバネ54により、第2、第3弁体は、閉弁位置の方に夫々付勢される。さらに、第2弁体26b及び第3弁体26cの支持フレーム部にも、第1弁体26aと同様に、傾斜平面が設けられており、これらの傾斜平面が、弁作動軸40b、40cによって夫々押圧されることにより、第2、第3弁体が開弁方向に駆動される。
なお、第1弁体26a、第2弁体26b及び第3弁体26cは、その傾斜平面27eが夫々同一の形態に構成されている。このため、第1、第2、第3弁体は、対応する各弁作動軸の同一の移動距離に対して、同じ距離だけ移動される。
弁座形成部材28は、図4に示すように、概ね長円形の板状の部材であり、3つの弁孔28a、28b、28cが一直線上に等間隔に形成されている。これら3つの弁孔の周囲に弁座が形成されており、第1弁体26a、第2弁体26b、第3弁体26cが夫々着座する。
支持部材32は、図3、図4に示すように、水路切換装置本体24の図3における上側(ハンドシャワーヘッド1の散水板の側)に配置される円板状の部材である。また、支持部材32には、3本の弁作動軸40a、40b、40cを夫々案内するための円筒部32a、32b、32cが設けられている。これらの円筒部32a、32b、32cは、カム回転軸44を中心とする円周上に、中心角90°ずつ隔てて配置されている。また、各円筒部32a、32b、32cを夫々取り囲むように、3つのコイルバネ48が夫々配置される。さらに、各コイルバネ48の上端には、各弁作動軸40a、40b、40cに形成された鍔部が当接されている。このため、各弁作動軸40a、40b、40cは、コイルバネ48により、円筒部32a、32b、32cに沿って初期位置(図3における上方)に向けて付勢される。一方、各円筒部32a、32b、32cは、水路切換装置本体24に設けられた3つの円形穴24bと整合する位置に設けられている。このため、各弁作動軸40a、40b、40cの下端部は、各円筒部32a、32b、32c、及び各円形穴24bを通して、水路切換装置本体24の内部まで延びている。
カムガイド部材36は、下側が開放した概ね円形皿状の部材であり、支持部材32の上面を覆うように配置される。また、カムガイド部材36には、支持部材32の各円筒部と整合する位置に3つの穴36aが形成されており、各弁作動軸40a、40b、40cの上端部は、これらの穴を通して上方に突出する。さらに、カムガイド部材36の中心にはカム回転軸44を通すための軸穴36bが形成されており、カム回転軸44はカムガイド部材36を貫通して上方に突出している。また、カム回転軸44には鍔部44aが形成されており、この鍔部44aが支持部材32とカムガイド部材36の間に挟まれることにより、カム回転軸44は固定される。
カム部材34は、下側が開放した概ね円形皿状の部材であり、その下面側にカムが形成されている。なお、カムの構成については後述する。また、カム部材34は、カムガイド部材36の上部を覆うように配置され、カムガイド部材36上端の摺動面36cによって案内される。カム部材34の中心には、カム回転軸44を受け入れるための軸受け穴34aが形成されており、カム部材34は、カム回転軸44を中心に回動可能に支持される。また、カム回転軸44の先端部には抜け止め金具43が取り付けられており、抜け止め金具43により、カム部材34のカム回転軸44からの抜けが防止される。さらに、カム部材34の上面には4つの受け部34cが形成されており、これらの受け部34cが操作部6に設けられた4つの突起6cと夫々係合することにより、操作部6がカム部材34にスナップ止めされる。これにより、カム部材34は、操作部6と一体となって回動される。
カム押さえリング42は概ね円環状の部材であり、支持部材32、カムガイド部材36及びカム部材34の外周部を覆うように、水路切換装置本体24に固定される。カム部材34の上端部はカム押さえリング42の開口部42aを通して上方に突出される一方、カム部材34の外周縁部34bは、カム押さえリング42上端の縁部42bと係合され、カム部材34のカムガイド部材36からの浮き上がりが防止される。
次に、図7及び図8を参照して、カム部材の構成及びクリック機構を詳細に説明する。
図7に示すように、カム部材34の下面側には小穴34dが設けられ、この小穴34dには、ピン46(図4)が挿入される。ピン46はカム部材34の下面側から下方に突出し、カムガイド部材36の上面に設けられた円弧状凹部36d(図4)に受け入れられる。円弧状凹部36dは、軸穴36bの外側に、中心角約180°に亘って形成された円弧状の窪みである。ピン46が円弧状凹部36dの中に受け入れられた状態で、カム部材34が回動されるため、カム部材34の回動可能範囲は約180°に制限される。
また、カムガイド部材36の内側には、山形に折り曲げられた板バネ50(図4)が配置される。この状態において、板バネ50中央の屈曲部50aは、カムガイド部材36の側面に設けられた窓36e(図4)から、半径方向外方に突出する。一方、図7に示すように、カム部材34の内側側面3箇所には、クリック溝34eが夫々形成されている。各クリック溝34eは、中心角約180°の区間に、中心角約90°ずつ隔てて配置されており、この約180°の区間の回動が円弧状凹部36dによって許容されている。各クリック溝34eに、板バネ50の屈曲部50aが受け入れられることにより、カム部材34は所定の力でその位置に保持される。この保持力を超える力(トルク)がカム部材34(操作部6)に加えられると、カム部材34が回動される。これにより、操作部6の回動にクリック感が与えられる。従って、板バネ50及び各クリック溝34eはクリック機構を構成する。
さらに、図7、図8に示すように、カム部材34の下面側には、軸受け穴34aを中心とした円環状のカム溝38が形成されている。カム溝38は、カム回転軸44を中心とする円の円周上に配置された3本の弁作動軸40a、40b、40c(図4)の上端部を夫々受け入れるように構成されている(図3)。なお、各弁作動軸40a、40b、40cは、コイルバネ48の付勢力によりカム溝38の中に押し込まれている。また、カム溝38は、その頂上部38aにおいて最も浅く、この頂上部38aの両側に形成された斜面部38bを介して次第に深くなり、頂上部38aの反対側の基底部38cでは最も深くなっている。
ここで、図3は、カム溝38の頂上部38aが、弁作動軸40aと整合した状態を示している。図3に示すように、弁作動軸40aとカム溝38の頂上部38aが整合した状態において、弁作動軸40aは、図3における最も下方に突出した状態となる。この状態から、操作部6が操作され、カム部材34が何れかの方向に回動されると、弁作動軸40aはカム溝38の斜面部38bと整合されるようになるため、カム溝38は次第に深くなり、弁作動軸40aは図3における上方に移動される。同様に、カム溝38に受け入れられている他の2本の弁作動軸40b、40cについても、それらが頂上部38aに整合しているとき最も下方に突出した状態となり、頂上部38aから離間すると共に次第に突出量が減少する。
また、上述したクリック機構は、頂上部38aと各弁作動軸40a、40b、40cが整合する各使用位置に、カム部材34を所定の力で保持するように構成されている。
次に、各弁体の開閉機構を説明する。
図3に示すように、支持部材32によって案内される弁作動軸40aは、支持部材32の円筒部32aの中を通って、下方(水路切換装置本体24の方向)に突出する。突出した弁作動軸40aは、水路切換装置本体24に設けられた円形穴24b(図4)を通って水路切換装置本体24の内部に挿入され、挿入された弁作動軸40aの先端は、第1弁体26aに当接する。また、各円形穴24bにはドーナツ状のパッキン52が配置され、弁作動軸40aと水路切換装置本体24の間の水密性が確保されている。
この構成により、カム部材34(操作部6)が、頂上部38aと弁作動軸40aが整合する位置に回動されると、弁作動軸40aが下方に移動され、弁作動軸40aの先端が第1弁体26aの傾斜平面27eを押圧する。これにより、第1弁体26aは開弁位置まで駆動される。なお、カム部材34の頂上部38aは、所定の幅をもって一定の高さに形成されているため、カム部材34の所定範囲の回動に対して第1弁体26aは開弁位置に維持される。
同様の構成により、カム部材34(操作部6)が、頂上部38aと弁作動軸40bが整合する位置に回動されると、弁作動軸40bは第2弁体26bに設けられた傾斜平面を押圧して、第2弁体26bを開弁位置まで駆動する。カム部材34(操作部6)が、頂上部38aと弁作動軸40cが整合する位置に回動されると、弁作動軸40cは第3弁体26cに設けられた傾斜平面を押圧して、第3弁体26cを開弁位置まで駆動する。
まず、図1、図2及び図5を参照して、ハンドシャワーヘッド1の作用の概略を説明する。
図1に示すように、ハンドシャワーヘッド1の操作部6に設けられている指かけ凸部6bの低い側を散水板4の側に向けると、第1弁体26aが開弁状態となり、吐水が開始される。第1弁体26aが開弁状態にされると、図2、図5に矢印で示すように、通水路形成部材8から水路切換装置10に流入した湯水は、第1弁体26aの周囲を通って弁座形成部材28の弁孔28aに流入する。弁孔28aを通過した湯水は、第1散水室形成部材12の第1水路12aに流入し、第1水路12aと連通するように形成された第2散水室形成部材14の貫通穴14b(図2)を通って、第2散水室形成部材14と散水ノズル形成部材18の間の空間に流入する。この空間に流入した湯水は、散水ノズル形成部材18に設けられた多数の散水ノズル18aからスプレー吐水される。
次いで、使用者が、操作部6を図1における右側に90°回動させると、開弁されていた第1弁体26aは閉弁位置に移動される一方、第2弁体26bが開弁位置に移動される。なお、第1弁体26aが閉弁位置に移動され、第2弁体26bが開弁位置に移動されるまでの間の作用は後述する。第2弁体26bが開弁位置に移動されると、水路切換装置10に流入した湯水は、第2弁体26bの周囲を通って弁座形成部材28の弁孔28bに流入する。弁孔28bを通過した湯水は、第1散水室形成部材12の第2水路12bに流入する。第2水路12bに流入した湯水は、第2水路12bと連通するように形成された第2散水室形成部材14の貫通穴14a(図2)を通って、回転ノズル20の散水ノズル孔20aから吐出される。回転ノズル20は第1水路12aに流入した湯水の水勢により、すりこぎ状に回転運動され、散水ノズル孔20aから吐出される湯水は、螺旋を描くジャイロビート吐水となる。
さらに、図1に示す状態から、使用者が、操作部6を図1における左側に90°回動させると、開弁されていた第1弁体26aは閉弁位置に移動される一方、第3弁体26cが開弁位置に移動される。第3弁体26cが開弁位置に移動されると、水路切換装置10に流入した湯水は、第3弁体26cの周囲を通って弁座形成部材28の弁孔28cに流入する。弁孔28cを通過した湯水は、第1散水室形成部材12の第3水路12cに流入する。第3水路12cに流入した湯水は、第3水路12cと連通するように形成された第2散水室形成部材14の貫通穴14c(図2)から流出する。貫通穴14cから流出した湯水は、貫通穴14cと向かい合うように散水ノズル形成部材18に設けられた円弧状の散水ノズル18bから滝状吐水される。
次に、図9及び図10を新たに参照して、本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッド1の作用を説明する。
図9は、水路切換装置10の作用を示す説明図であり、カム部材34に設けられた円環状のカム溝38を平面上に展開して模式的に示すと共に、カム溝38とそれに沿って配置された各弁作動軸の位置関係を示した図である。図10は、第1の吐水モードから第2の吐水モードへの切り換え途中における、各弁の流路断面積の変化を示す図である。
まず、図9(a)の状態においては、カム溝38の頂上部38aが弁作動軸40aに整合している。この状態を、カム部材34の回転位置θ=0°とし、このカム部材34の位置を第1の吐水モード位置とする。この状態においては、弁作動軸40aは最も下方に突出された状態にあり、これに対応した第1弁体26aは開弁位置に位置している。一方、弁作動軸40b、40cはカム溝38の基底部38cに当接されており、これらに対応した第2弁体26b及び第3弁体26cは閉弁位置に位置する。これにより、第1の吐水モードであるスプレー吐水モードが選択される。
次に、図9(a)の状態から、操作部6(カム部材34)を、図1における右側に回動させると、図9(b)に示す状態となる(カム部材34の回転位置θ=45°)。図9(b)に示す状態においては、弁作動軸40bがカム溝38の斜面部38bにさしかかる一方、頂上部38aと整合されていた弁作動軸40aは頂上部38aから外れ、反対側の斜面部38bと当接する。これにより、弁作動軸40bが下方に移動される一方、弁作動軸40aは上方に移動される。これにより、弁作動軸40aに対応する第1弁体26a、及び弁作動軸40bに対応する第2弁体26bは夫々半開状態となる。頂上部38a及び斜面部38bがこのように形成されているため、吐水モードの切り換え途中において、全ての弁体が同時に閉弁位置に移動されることはない。この状態においては、第1弁体26aが弁孔28aからリフトすることによるスプレー吐水、及び第2弁体26bが弁孔28bからリフトすることによるジャイロビート吐水の両方が同時に行われる。このように、本実施形態においては、カム部材34が回動可能範囲内の如何なる位置に回動された状態であっても、常に、少なくとも1つの弁体が弁孔からリフトされた状態となる。
図9(b)に示す状態から操作部6が更に回動されると、図9(c)に示す状態となる(カム部材34の回転位置θ=90°)。このカム部材34の位置を第2の吐水モード位置とする。この状態においては、カム溝38の頂上部38aが弁作動軸40bに整合し、弁作動軸40a、40cはカム溝38の基底部38cに当接される。図9(c)の状態においては、弁作動軸40bは最も下方に突出された状態にあり、これに対応した第2弁体26bは開弁位置に位置している。一方、第1弁体26a及び第3弁体26cは閉弁位置に位置する。これにより、第2の吐水モードであるジャイロビート吐水モードが選択される。
次に、図10を参照して、図9(a)〜(c)の各状態における弁の流路断面積を説明する。図10において、第1弁体26aが弁孔28aからリフトして開弁されることにより形成される流路断面積を破線で、第2弁体26bが弁孔28bからリフトして開弁されることにより形成される流路断面積を一点鎖線で、これらの流路断面積の和を実線で示す。
図10に示すように、カム部材34の回転位置θ=0°の状態(図9(a)の状態)においては、第1弁体26aは開弁位置にあり、第2弁体26bは閉弁位置にある。この状態は、回転位置θ=約30°まで維持される。回転位置θ=約30°を超えると、弁作動軸40bがカム溝38の斜面部38bにさしかかり、第2弁体26bが開弁位置に向けて移動し始め、第2弁体26bがリフトすることによる流路断面積(図10の一点鎖線)がθの増加と共に増大する。一方、回転位置θ=約30°〜40°の間は第1弁体26aは開弁位置に維持されるため、第1弁体26aがリフトすることによる流路断面積と第2弁体26bがリフトすることによる流路断面積の和(図10の実線)は増大する。
さらに、カム部材34の回転位置θ=40°を超えると、弁作動軸40aがカム溝38の頂上部38aから外れて斜面部38bに当接し、第1弁体26aは閉弁位置に向けて移動し始める。これにより、第1弁体26aがリフトすることによる流路断面積(図10の破線)はθの増加と共に減少する。このように、回転位置θ=50°までの間は、第1弁体26aがリフトすることによる流路断面積は減少し、第2弁体26bがリフトすることによる流路断面積は増大する。回転位置θ=50°を超えると、弁作動軸40bは頂上部38aに到達し、第2弁体26bは開弁位置まで移動される。さらに、回転位置θ=60°に達すると、弁作動軸40aはカム溝38の基底部38cと当接されるようになり、第1弁体26aは閉弁位置まで移動される。
このように、本実施形態のハンドシャワーヘッド1においては、第1の吐水モードであるスプレー吐水モードから第2の吐水モードであるジャイロビート吐水モードに切り換えられる途中において、第1弁体26a及び第2弁体26bの少なくとも一方が常に開弁された状態にされている。なお、上記においては、第1の吐水モードがスプレー吐水モードであり、第2の吐水モードがジャイロビート吐水モードである場合を例として、これらの間の切り換えを説明した。しかしながら、本実施形態のハンドシャワーヘッド1においては、切り換え可能な各吐水モード相互間において、切り換えにより作動される2つの弁体のうち、少なくとも一方の弁体が常に開弁された状態にされる。
本実施形態のハンドシャワーヘッド1においては、シャワーヘッド本体2内の給水圧力が弁体を閉弁位置に維持するように作用するセルフシール式の弁体が使用されている。しかしながら、第1の吐水モード(例えば、スプレー吐水モード)から第2の吐水モード(例えば、ジャイロビート吐水モード)に切り換えられる途中において、少なくとも一方の弁が常に開弁された状態にされているため、シャワーヘッド本体2内に給水圧が籠もり、圧力が過度に上昇することがない。このため、閉弁位置にある弁体を開弁方向に移動させるために必要とされる操作力が小さく、容易に吐水モードを切り換えることができる。
本発明の実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、吐水モードの切り換え途中において、弁体の少なくとも一方が常に開弁されている(図10)ので、シャワーヘッド本体2内の圧力が過度に上昇することがなく、小さな操作力で吐水モードを切り換えることができる。本実施形態のハンドシャワーヘッド1においては、吐水モードの切り換え途中においても常に何れかの弁が開弁されているので、シャワーヘッド本体2内の圧力は給水圧よりも十分に低く維持され、小さな操作力で円滑に吐水モードを切り換えることができる。また、ウォータハンマ現象による異音の発生も防止することができる。
また、本実施形態のハンドシャワーヘッド1においては、カム部材34が第1の吐水モード位置から第2の吐水モード位置に移動される途中においては、頂上部38aの両側の各斜面部38bが、第1の弁作動軸(弁作動軸40a)及び第2の弁作動軸(弁作動軸40b)に夫々当接して(図9(b))、第1の弁体(第1弁体26a)及び第2の弁体(第2弁体26b)が開弁された状態にされる。これにより、吐水モードの切り換え途中における各弁の開度が、カム部材34の形状と各弁作動軸40a、40b、40cの配置により正確に規定されるので、全ての弁が同時に閉弁される状態を確実に回避することができる。
さらに、本実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、頂上部38aが所定の幅をもって形成されている(図9)ので、カム部材34が所定範囲の回動位置にあるとき弁体が開弁位置に維持されるので、各部品の寸法誤差、形状誤差に影響されることなく、弁体を安定して開弁位置に保持することができる。
また、本実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、吐水モードの切り換え途中において、開弁されている流路断面積の和が大きくなる(図10)。このため、切り換え途中において吐水される総流量が増加するので、シャワーを浴びている使用者は吐水モードの切り換えが開始されたことを感覚的に認識することができる。また、切り換え途中においても十分な流量で吐水が継続されるため、切り換え途中の状態でハンドシャワーヘッド1を使用することもできる。
さらに、本実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、第1弁体26a、第2弁体26b、第3弁体26cは弁作動軸40a、40b、40cの同一の移動距離に対して同じ距離だけ移動されるので、同一のカムで各吐水モードにおける吐水流量を一様に制御することができる。
また、本実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、弁作動軸40a、40b、40cが中心軸線を中心とする円の円周上に配置されている(図4)ので、各弁作動軸間の距離を十分に確保しながら、吐水モードの切り換え機構全体をコンパクトに配置することができる。これにより、ハンドシャワーヘッド1の操作性を向上させることができる。
さらに、本実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、操作部6の指かけ凸部6bが散水部2bから把持部2aに向けて高さが高くなるように形成されている(図1)ので、回動される操作部6がどの方向に向けられた状態にあるかを、使用者は指の感触で認識することができ、ハンドシャワーヘッド1の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態のハンドシャワーヘッド1によれば、クリック機構(板バネ50、クリック溝34e)が備えられているので、使用者は、吐水モードの切り換えが開始されたこと、吐水モードの切り換えが完了したことを、指の感触で確実に認識することができ、ハンドシャワーヘッド1の操作性を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、水路切換装置により3つの弁体が開閉されていたが、水路切換装置により開閉する弁体は、2つ、或いは4つ以上であっても良い。
また、上述した実施形態においては、セルフシール式の弁体が使用されていたが、任意の形式の弁体を使用することができる。さらに、上述した実施形態においては、操作部とカム部材は別々の部品で構成されていたが、操作部とカム部材を一体に構成することもできる。
また、上述した実施形態においては、カム部材に設けられたカム溝は円環状であり、カム部材は回動可能に構成されていたが、例えば、カムを直線状に形成し、カム部材を直線的に移動させることにより、吐水モードが切り換えられるように本発明を構成することもできる。
1 本発明の実施形態によるハンドシャワーヘッド
2 シャワーヘッド本体
2a 把持部
2b 散水部
2c 開口部
4 散水板
4a 散水孔
4b 散水孔
4c 散水孔
6 操作部
6a 円板部
6b 指かけ凸部
6c 突起
8 通水路形成部材
8a 接続部
8b 先端部(開閉機構本体)
10 水路切換装置
12 第1散水室形成部材
12a 第1水路
12b 第2水路
12c 第3水路
14 第2散水室形成部材
14a 凹部
14b 貫通穴
14c 貫通穴
14d 縁部
16 第3散水室形成部材
18 散水ノズル形成部材
18a 散水ノズル
18b 散水ノズル
20 回転ノズル
20a 散水ノズル孔
22 回転ノズル支持部材
24 水路切換装置本体
24a ガイド部
24b 円形穴
26a 第1弁体
26b 第2弁体
26c 第3弁体
27a 着座部
27b 支持フレーム部(着座部支持部)
27c 摺動突起
27d バネ取付部
27e 傾斜平面
28 弁座形成部材
28a、28b、28c 弁孔
32 支持部材
32a、32b、32c 円筒部
34 カム部材
34a 軸受け穴
34b 外周縁部
34c 受け部
34d 小穴
34e クリック溝
36 カムガイド部材
36a 穴
36b 軸穴
36c 摺動面
36d 円弧状凹部
36e 窓
38 カム溝
38a 頂上部
38b 斜面部
38c 基底部
40a、40b、40c 弁作動軸
42 カム押さえリング
42a 開口部
42b 縁部
43 抜け止め金具
44 カム回転軸
44a 鍔部
46 ピン
48 コイルバネ
50 板バネ
50a 屈曲部

Claims (8)

  1. 複数の弁を開閉することにより、複数の吐水モードを切換可能なハンドシャワーヘッドであって、
    使用者によって把持される把持部及びこの把持部の先端側に設けられた散水部を有するシャワーヘッド本体と、
    上記把持部に設けられ、吐水モードを切り換えるために使用者によって操作される単一の操作部と、
    この操作部に対する操作によって移動されるカム部材と、
    このカム部材に当接することにより、所定の方向に夫々移動される複数の弁作動軸と、
    これらの弁作動軸に夫々対応して設けられ、上記弁作動軸の移動に伴って開弁位置と閉弁位置の間で夫々移動可能な複数の弁体と、を有し、
    上記カム部材は、第1の弁体のみが開弁位置になる第1の吐水モード位置から、第2の弁体のみが開弁位置になる第2の吐水モード位置に移動される途中において、上記第1の弁体及び上記第2の弁体の少なくとも一方が常に開弁された状態となるように構成されていることを特徴とするハンドシャワーヘッド。
  2. 上記カム部材は、上記各弁作動軸が当接する頂上部及びこの頂上部の両側に形成された斜面部を備え、上記カム部材が上記第1の吐水モード位置にある状態においては、上記頂上部が上記第1の弁体に対応して設けられた第1の弁作動軸に当接して上記第1の弁体を開弁位置に保持し、上記カム部材が上記第1の吐水モード位置から上記第2の吐水モード位置に移動される途中においては、上記頂上部の両側の上記各斜面部が、上記第1の弁作動軸及び上記第2の弁体に対応して設けられた第2の弁作動軸に夫々当接して、上記第1の弁体及び上記第2の弁体が開弁された状態にされる請求項1記載のハンドシャワーヘッド。
  3. 上記頂上部は所定の幅をもって形成され、上記カム部材の所定範囲の移動に対し、上記弁体は開弁位置に維持される請求項2記載のハンドシャワーヘッド。
  4. 上記第1の吐水モード位置から上記第2の吐水モード位置への切り換え途中において、上記第1の弁体が開弁されることにより形成される流路断面積と、上記第2の弁体が開弁されることにより形成される流路断面積の和が、上記第1の弁体のみが開弁位置にある状態における流路断面積よりも大きくなる請求項1乃至3の何れか1項に記載のハンドシャワーヘッド。
  5. 上記各弁体は、対応する各弁作動軸の同一の移動距離に対して、同じ距離だけ移動されるように夫々構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンドシャワーヘッド。
  6. 上記カム部材は所定の中心軸線を中心に回動するように設けられ、上記各弁作動軸は上記中心軸線を中心とする円の円周上に配置されている請求項1乃至5の何れか1項に記載のハンドシャワーヘッド。
  7. 上記操作部は、概ね円板状の円板部及びその直径に沿って設けられた指かけ凸部を備えると共に、上記円板部の中心軸線を中心に回動可能に設けられ、上記指かけ凸部は上記散水部から上記把持部に向けて高さが高くなるように形成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載のハンドシャワーヘッド。
  8. さらに、クリック機構を有し、上記操作部は各吐水モードを切り換えるように回動可能に設けられ、上記クリック機構は、上記操作部が所定の使用位置に回動されると、上記操作部を所定の力で上記使用位置に保持する請求項1乃至7の何れか1項に記載のハンドシャワーヘッド。
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