JP5614681B2 - 複合粘着剤の製造方法、複合粘着剤及び粘着シート - Google Patents

複合粘着剤の製造方法、複合粘着剤及び粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、複合粘着剤の製造方法、この方法により得られた複合粘着剤及び粘着シートに関する。さらに詳しくは、本発明は、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を、凝集することなく、エマルション型粘着剤中に分散させて、表面抵抗値が1×100〜1×1010Ω/□の導電性に優れる複合粘着剤を効率よく製造する方法、この方法により得られた複合粘着剤及び粘着シートに関するものである。
直径がナノメートルレベルの極細炭素繊維の一種であるカーボンナノチューブ(CNT)は直径0.7nm〜150nm程度、長さ1〜数十μm程度の円筒状の炭素繊維であって、アスペクト比、比表面積が大きく従来の炭素繊維と比べ機械的性質、電気的特性に優れている。
このため、CNTは様々な新機能を発揮しうる新素材として非常に注目を集めているナノ材料の一つである。さらに近年では、大量合成の技術が確立されてきており、産業への用途拡大が期待される。しかしながら、このCNTなどの極細炭素繊維は非常に凝集しやすく、複合材料としてのフィラーとして用いる場合には、マトリックス中への均一な分散が重要となってくる。CNTの分散方法として、ある種の化学修飾法や分散媒を添加する方法がとられている。
例えば硝酸や硫酸などにより、CNTにカルボキシル基を導入することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、酸処理によるカルボキシル基の導入では、水への分散性は向上するが、CNT表面の欠陥が増えることにより、導電性を低下させてしまうという問題が生じる。また、後者の分散剤として一般に界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが用いられているが(例えば、非特許文献2参照)、CNT分散には多量の界面活性剤の添加が必要とされるため、CNTの濃度を高くすることが困難である。また、複合材料としてのマトリックスが粘着剤の場合、CNTの添加量を多くすると、粘着剤溶液の粘度が極端に低下するため、塗工時に多量の増粘剤を添加せざるを得ないなどの問題が生じる。
一方、分散機などの機械的エネルギーにより、CNTの凝集を解砕する方法が報告されている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、複合材料としてのマトリックスがエマルション型の場合には、機械的なエネルギーを加えることによりエマルション粒子が破壊されゲル化するという問題がある。さらに、CNTを用いた粘着剤としては、特許文献1〜3などのように提案されているが、具体的な水系への応用は記載されていない。
特開2001−172582号公報 特開2005−314480号公報 特開2006−35773号公報
Science 280,1253(1998) NANO LETTERS 3,1379(2003) 成型加工 第17巻 50(2005)
本発明は、このような状況下になされたものであり、エマルション型粘着剤中に、CNTやカーボンナノファイバー(CNF)などの直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を、機械的なエネルギーを該エマルション型粘着剤に直接与えることなく、分散させて、良好な導電性を有する複合粘着剤を効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、直径がナノメートルレベルの極細炭素繊維を、エマルション型粘着剤に機械的なエネルギーを直接与えることなく該粘着剤中に分散させるには、分散安定剤として水溶性ポリマーを、分散助剤として糖鎖が結合したフラボノイド系化合物を用いることが極めて有効であることを見出した。 本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1](a)分散助剤として糖鎖が結合したフラボノイド系化合物を含む水性溶液中に、直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を加えたのち、凝集していた該極細炭素繊維を解砕する工程、(b)前記(a)工程で得られた極細炭素繊維を含む液を、水溶性ポリマーの水性溶液中に添加し、極細炭素繊維の分散液を調製する工程、及び(c)前記極細炭素繊維の分散液と、エマルション型粘着剤とを混合する工程、を含むことを特徴とする複合粘着剤の製造方法、
[2](a)工程において、糖鎖が結合したフラボノイド系化合物/極細炭素繊維の質量比が1以上である上記[1]項に記載の複合粘着剤の製造方法、
[3]糖鎖が結合したフラボノイド系化合物がルチンである上記[1]又は[2]項に記載の複合粘着剤の製造方法、
[4]極細炭素繊維が、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノファイバーである上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の複合粘着剤の製造方法、
[5]上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする複合粘着剤、
[6]上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の製造方法による複合粘着剤を塗工して得られたことを特徴とする粘着シート、
[7]表面抵抗値が1×100〜1×1010Ω/□である上記[6]項に記載の粘着シート、
[8]厚さ50μmのポリエステルフィルムに長さ5mmの粘着剤層を形成したものを幅4mmに切り、室温で24時間放置後、該粘着剤層面に幅4mm、厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼付し、荷重19.6Nで5往復押圧し、更に室温で24時間放置後、40℃雰囲気下における60分後に、引張応力320mNの条件で測定されるクリープ特性が、極細炭素繊維未添加に対して、50%以下の変位量である複合粘着剤を塗工して得られる、上記[6]又は[7]項に記載の粘着シート、及び
[9]粘着剤層面を、pH10以上のアルカリ性水溶液で洗浄して得られる上記[6]〜[8]項のいずれかに記載の粘着シート、
を提供するものである。
本発明によれば、分散安定剤として水溶性ポリマーを、分散助剤として糖鎖が結合したフラボノイド系化合物、好ましくはルチンを用いることにより、エマルション型粘着剤中に、CNTやCNFなどの直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を、機械的なエネルギーを該エマルション型粘着剤に直接与えることなく分散させて、良好な導電性を有する複合粘着剤を効率よく製造する方法及びこの方法による粘着剤を塗工して得られる粘着シートを提供することができる。
本発明の複合粘着剤におけるクリープ特性を評価するためのクリープ試験の説明図である。
まず、本発明の複合粘着剤の製造方法について説明する。
[複合粘着剤の製造方法]
本発明の複合粘着剤の製造方法は、下記の(a)工程、(b)工程及び(c)工程を含むことを特徴とする。
((a)工程)
当該(a)工程は、分散助剤として糖鎖が結合したフラボノイド系化合物を含む水性溶液中に、直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を加えたのち、凝集していた該極細炭素繊維を解砕する工程である。
<極細炭素繊維>
当該(a)工程においては、得られる複合粘着剤に導電性を付与するために、直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維が用いられる。この極細炭素繊維としては特に制限はないが、CNT及び/又はCNF、特にCNTが、導電性や分散性、入手性などの観点から、好ましく用いられる。
CNTとしては、公知の各種CNTを用いることができる。CNTは一般に炭素からなる平面構造のグラファイトを丸めた円筒状、すなわちチューブ状構造の炭素の結晶で、その直径は通常0.7から150nm程度、長さは通常1から数10μm程度である。炭素含有ガスの気相分解反応や、炭素棒、炭素繊維等を用いたアーク放電等によって製造することができる。このCNTには、単層カーボンナノチューブ(SWNT)や多層カーボンナノチューブ(MWNT)などがある。一方、CNFも、公知の各種CNFを用いることができる。CNFはグラファイト構造からなり、直径が1から1000nm程度、長さが1から1000μm程度である。
<分散助剤>
当該(a)工程においては、分散助剤として、糖鎖が結合したフラボノイド系化合物が用いられる。この糖鎖が結合したフラボノイド系化合物は、通常水性媒体に溶解して、該フラボノイド化合物濃度が、0.1〜30質量%程度、好ましくは0.5〜10質量%の水性溶液の形態で用いられる。上記水性媒体としては、水を始め、水と低級アルコールとの混合液、アルカリ性水溶液などが用いられる。また、ルチンの他にアストラガリン、イソケルシトリン等も、糖鎖が結合したフラボノイド系化合物として用いることができる。
糖鎖が結合したフラボノイド系化合物としては、下記式(1)で示されるルチンが好適である。
Figure 0005614681
このルチンは、それを含む天然由来の供給源から採取することができる。そのような天然由来の供給源は、例えば、ルチンを含有することが従来知られるそれ自身公知のいずれかの植物であればよく、これに限定するものではないが、例えば、ソバ、エンジュ、ヘンルーダ、並びにタマネギ、レタス及びトマトなどの野菜、柑橘類などの全草、つぼみ、実、葉、花及び芽などであってもよい。
糖鎖が結合したフラボノイド系化合物として、前記ルチンを用いる場合、ルチンは水に対して室温で微溶であるために、溶解する溶液としては、アルカリ性水溶液を用いる。この際、アルカリ性水溶液のpHは10以上であることが好ましい。
当該(a)工程においては、このようにして調製された糖鎖が結合したフラボノイド系化合物の水性溶液に、前述した極細炭素繊維を加えたのち、超音波処理などを施して、凝集していた極細炭素繊維を解砕する。
この際、糖鎖が結合したフラボノイド系化合物/極細炭素繊維の質量比は、該炭素繊維の分散性の観点から、1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。また、その上限は特に制限はないが、通常3.0程度である。
((b)工程)
当該(b)工程は、前記(a)工程で得られた極細炭素繊維を含む液を、水溶性ポリマーの水性溶液中に添加し、極細炭素繊維の分散液を調製する工程である。
<水溶性ポリマー>
当該(b)工程においては、前記の極細炭素繊維を、エマルション型粘着剤中に、経時安定的に分散させるために、分散安定剤として水溶性ポリマーが用いられる。この水溶性ポリマーとしては、特に制限はないが、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)およびそのアルカリ金属塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホン酸エチルセルロース及びシアノエチルセルロースなどのセルロース系化合物、さらには、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アミノ樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性ポリウレタン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム又はそれらの混合物を用いることができる。これらの中で分散安定剤としての効果及び入手性の観点から、カルボキシメチルセルロース(CMC)のアルカリ金属塩が好適である。
この水溶性ポリマーは、水性媒体中に溶解させて水性溶液の形態で用いられる。上記水性媒体としては、水を始め、水と低級アルコールとの混合物、アルカリ性水溶液などが用いられる。水性溶液中の水溶性ポリマーの濃度は、通常1〜10質量%程度、好ましくは3〜7質量%である。
当該(b)工程においては、このようにして調製された水溶性ポリマーの水性溶液中に、前述の(a)工程で得られた極細炭素繊維を含む液を添加し、例えばホモジナイザーなどを用いて、該極細繊維を分散させることにより、極細炭素繊維の分散液を調製する。
この分散液中の該極細繊維の含有量は、通常0.01〜50質量%程度、好ましくは0.1〜30質量%である。
((c)工程)
当該(c)工程においては、前記(b)工程で得られた極細炭素繊維の分散液と、エマルション型粘着剤とを混合する工程である。
<エマルション型粘着剤>
当該(c)工程においては、粘着剤としてエマルション型粘着剤が用いられる。このエマルション型粘着剤としては特に制限はないが、エマルション型アクリル系粘着剤が好ましい。
エマルション型アクリル系粘着剤は、官能基モノマーと、アクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステルなどとを共重合して得られるアクリル系共重合体を主成分として構成され、溶媒として水を含み、乳化剤、増粘剤などの各種添加剤が適宜含まれており、必要に応じて、安定剤、粘着付与剤、充填剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等をさらに含んでもよい。官能基モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー等が挙げられる。
このエマルション型アクリル系粘着剤の固形分濃度は、通常20〜75質量%程度、好ましくは30〜65質量%である。
当該(c)工程においては、エマルション型粘着剤、好ましくは前記のエマルション型アクリル系粘着剤と、前述の(b)工程で得られた極細炭素繊維の分散液とを混合することにより、複合粘着剤を製造する。
この複合粘着剤における固形分中の極細炭素繊維の含有量は、所望の導電性を得るためには、通常0.01〜10質量%程度、好ましくは、0.1〜9質量%、より好ましくは、0.5〜8質量%である。
本発明はまた、前述した本発明の製造方法で得られた複合粘着剤、さらにはその複合粘着剤を用いた粘着シートをも提供する。
[複合粘着剤および粘着シート]
本発明の複合粘着剤は、前述した本発明の製造方法により得られたものである。粘着シートは、前記複合粘着剤を公知の方法で、紙、フィルム等の基材上に塗工して得ることができ、粘着シートの表面抵抗値が1×100〜1×1010Ω/□であることを特徴とする。前記表面抵抗値は、好ましくは1×100〜1×108Ω/□である。
また、当該粘着シートとしては、40℃雰囲気下における60分後に、貼付面積20mm2(幅4mm×長さ5mm)及び引張応力320mNの条件で測定されるクリープ特性が、極細炭素繊維未添加に対して、50%以下の変位量であるものが好ましい。変位量が少ない程、粘着剤の凝集力が高いことを意味する。
なお、クリープ特性を評価するためのクリープ試験の具体的な方法については、後で詳述する。
さらに、当該粘着シートにおいては、それを用いて形成された粘着剤層面を、pH10以上のアルカリ性水溶液で洗浄することが好ましい。
このアルカリ性水溶液による洗浄で、表面に存在するルチンなどの糖鎖が結合したフラボノイド系化合物及び水溶性ポリマーが溶出して粘着剤層から除かれることにより、より強い粘着力を発揮する。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた複合粘着剤の分散性、粘着シートの表面抵抗値及びクリープ試験は、以下に示す方法で行った。
<試験1> 分散性確認
光学顕微鏡[オリンパス(株)製「BX51N−33P−OC」]を用い、顕微鏡CCDカメラ[オリンパス(株)製「DP70」]により撮影した画像により、粒径50μm以上の凝集物が確認されない場合を良好とし、確認された場合を不良とした。
<試験2> 表面抵抗値測定
表面抵抗値が107Ω/□以下は、三菱化学アナリテック社製「ロレスタGP MCP−T610型」、それ以上の抵抗値のものは、「ハイレスターUP MCP−HT450」を使用した。
<試験3> クリープ試験
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「TMA/SSG100」を用いて測定した。測定条件は以下の通りである。
モード:引張モード
貼付面積:20mm2(4mm×5mm)
被着体:ポリエステルフィルム(厚さ50μm)
測定温度:40℃
引張応力:320mN
具体的には、図1で示すように、厚さ50μmのポリエステルフィルムに長さ5mmの粘着剤層を形成したものを幅4mmに切り、室温で24時間放置後、該粘着剤層面に幅4mm、厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼付し、荷重19.6Nで5往復押圧した。室温で24時間放置後に、測定温度40℃、引張応力320mNでクリープ試験を行った。
CNT添加によるクリープ特性を簡易的に評価するために、下記式により60分後の変位量を算出した。
C=(H1/H0)×100
C:クリープ特性
0:CNT未添加の試料(エマルション型粘着剤のみ)の60分後変位量
1:CNT添加の試料の60分後の変位量
なお、表において、脱落と記載した結果については、60分以前に貼付部分が被着体から剥がれ落ちたことを表す。
<試験4> 粘着力試験
JIS Z 0237(2009)に従い、常温(23℃)で、貼り付け1分以内の粘着力を測定した。被着体にはステンレス板(SUS600)を用いた。
実施例1
(1)CNT分散
((a)工程)
5.0質量%アンモニア水溶液(pH=11.9)5.0g中へ、ルチン粉末[和光純薬工業(株)製]0.06gを添加し、15分間撹拌し溶解させた。その後、CNT(平均直径1.4nm、平均長さ1〜5μmのSWNT)を0.04g添加し、Branson Ultrasonics社製「510J−DTH」超音波発生装置にて60分間照射し、CNTを解砕した。このCNT−ルチンアンモニア水溶液を溶液Aとする。
((b)工程)
その後、5質量%カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC−Na)水溶液5.0g中へ溶液Aを添加し、(株)エスエムテー社製「PH91型」ホモジナイザーを用いて、回転数15000rpm、撹拌時間10分間、撹拌温度60℃において、CMC−Na水溶液中へCNTを分散させた。この溶液を溶液Bとする。
(2)CNT/エマルション型アクリル系粘着剤(複合粘着剤)および粘着シートの作製
((c)工程) 上記溶液Bとエマルション型アクリル系粘着剤[東洋インキ製造(株)製「BPW6111」、固形分60質量%]5.0gとを混合し、撹拌することにより、複合粘着剤を作製した。
次いで、アプリケーターを用いて、厚さ50μmのポリエステルフィルムへ乾燥後の厚さが30μmになるように塗布した。その後、100℃雰囲気下において約5分間乾燥させて、粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
実施例2
実施例1で得られた粘着シートを5質量%アンモニア水溶液(pH=11.9)中へ30分間浸漬し、その後90℃雰囲気下で5分間乾燥させた。
各特性を第1表に示す。
実施例3
実施例1における、(a)工程のルチン添加量を0.09gに変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
実施例4
実施例1における、(a)工程のCNT添加量を0.025gに変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
実施例5
実施例1における、(a)工程のCNT添加量を0.06gに変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
実施例6
実施例1における、(b)工程の水溶性ポリマー溶液を5質量%CMC水溶液から5質量%ポリアクリル酸水溶液に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
実施例7
実施例1における、(a)工程のルチン添加量を0.1gに変更し、CNTの代わりに直径約80nmのCNF0.1gを用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。得られた粘着シートを5質量%アンモニア水溶液(pH=11.9)中へ30分間浸漬し、その後90℃雰囲気下で5分間乾燥させた。
各特性を第1表に示す。
比較例1
実施例1における、(a)工程の工程を行わずに、直接CMC−Na水溶液にCNTを添加した以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
比較例2
実施例1における、(b)工程を行わずに、溶液Aとエマルション型アクリル系粘着剤とを混合した以外は、実施例1と同様な操作を行い、複合粘着剤を作製し、さらに粘着シートを作製した。
各特性を第1表に示す。
Figure 0005614681
第1表から分かるように、実施例1〜7のものは、いずれも分散性が良好で、表面抵抗値が1.51×105〜8.75×109Ω/□の範囲にあり、かつクリープ試験による変位量が24.2〜47.8%の範囲にある。
これに対し、比較例1のものは、分散性が不良で、表面抵抗値が4.59×1010Ω/□と高い。比較例2のものは、分散性が不良で、表面抵抗値は測定不可であり、クリープ試験において脱落が生じた。
本発明の複合粘着剤の製造方法は、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を、凝集することなく、エマルション型粘着剤中に分散させて、表面抵抗値が、1×100〜1×1010Ω/□の導電性に優れる複合粘着剤を効率よく製造することができる。

Claims (9)

  1. (a)分散助剤として糖鎖が結合したフラボノイド系化合物を含む水性溶液中に、直径が0.2〜200ナノメートルレベルの極細炭素繊維を加えたのち、凝集していた該極細炭素繊維を解砕する工程、(b)前記(a)工程で得られた極細炭素繊維を含む液を、水溶性ポリマーの水性溶液中に添加し、極細炭素繊維の分散液を調製する工程、及び(c)前記極細炭素繊維の分散液と、エマルション型粘着剤とを混合する工程、を含むことを特徴とする複合粘着剤の製造方法。
  2. (a)工程において、糖鎖が結合したフラボノイド系化合物/極細炭素繊維の質量比が1以上である請求項1に記載の複合粘着剤の製造方法。
  3. 糖鎖が結合したフラボノイド系化合物がルチンである請求項1又は2に記載の複合粘着剤の製造方法。
  4. 極細炭素繊維が、カーボンナノチューブ及び/又はカーボンナノファイバーである請求項1〜3のいずれかに記載の複合粘着剤の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする複合粘着剤。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法による複合粘着剤を塗工して得られたことを特徴とする粘着シート。
  7. 表面抵抗値が1×100〜1×1010Ω/□である請求項6に記載の粘着シート。
  8. 厚さ50μmのポリエステルフィルムに長さ5mmの粘着剤層を形成したものを幅4mmに切り、室温で24時間放置後、該粘着剤層面に幅4mm、厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼付し、荷重19.6Nで5往復押圧し、更に室温で24時間放置後、40℃雰囲気下における60分後に、引張応力320mNの条件で測定されるクリープ特性が、極細炭素繊維未添加に対して、50%以下の変位量である複合粘着剤を塗工して得られる、請求項6又は7に記載の粘着シート。
  9. 粘着剤層面を、pH10以上のアルカリ性水溶液で洗浄して得られる請求項6〜8のいずれかに記載の粘着シート。
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