JP5611138B2 - 電圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、配電系統のバンクに含まれるフィーダーと自端で接続された電圧制御装置に関するものである。
現状の配電系統向け電圧調整器には、例えばLRT(Load Ratio control Transformer:負荷時タップ切替変圧器)やSVR(Step Voltage Regulator:ステップ式電圧自動調整器)といったタップ切替により電圧制御を行う変圧器や、SC(Static Condenser:進相コンデンサ)、ShR(Shunt Reactor:分路リアクトル)、SVC(Static Var Compensator:静止型無効電力補償装置)といった無効電力制御により電圧制御を行う調相設備などがある。このような電圧調整器については様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1に開示の技術では、LRTとSC及びShR等の調相設備を併用設置している。そして、予め典型的な負荷の電力使用パターンに基づき電圧変動を想定した上で、適切に電圧変動制御を行うための制御目標電圧スケジュールを設定しておき、当該スケジュールに基づきLRTと調相設備との協調制御を行う。このような技術によれば、調相設備の単独動作に起因して生じるLRTの不要なタップ動作を抑制することが可能となり、配電系統の電圧を適正に制御することが可能となっている。
特許文献2に開示の技術では、SCとShRとを併用する電圧制御装置を配電線に接続している。そして、電圧制御装置の配電線への接続点(連系点)である自端での計測電圧の三相平均電圧値及び三相移動平均値と制御目標電圧上下限とを比較し、電圧上限逸脱の場合には無効電力負荷を増やすようにShRを投入/SCを開放し、電圧下限逸脱の場合には無効電力負荷を軽減するようにSCを投入/ShRを開放する。このような技術によれば、自端での電圧(以下「自端電圧」と記すこともある)を制御目標電圧上下限内に制御することが可能となっている。また配電系統の区間ごとに電圧制御装置を設置することで、配電系統全体の系統電圧を適正に制御することが可能となっている。
特開2007−189821号公報 特許第3426961号公報
さて、配電変電所では、複数フィーダー(配電線)から構成されるバンクと呼ばれる単位で配電系統を管理・運用している。具体的には、バンクの送り出し部分(送電系統との接続点)、つまりバンクの最も上流部分にLRTを設置し、LRTの送り出し電圧制御により、バンク単位で適切な電圧制御を行っている。
そして、LRTの制御方式として、上述の特許文献1のようなバンク内の負荷の電力使用パターンを想定したスケジュール方式、あるいは自端の電圧値と通過電流値とに基づいて電圧制御を行うLDC(Line Drop Compensator:線路電圧降下補償)方式などが、現在知られている。
しかし、太陽光に基づいて発電するPV(Photovoltaic:太陽光発電装置)がフィーダーに接続されると、その発電電力による電圧上昇が原因で、同一バンク内でのフィーダー間の電圧偏差が増大する。そして、この電圧偏差の増大により電圧上下限逸脱が同時に発生する場合には、従来の方式のようなLRT単体によってフィーダーを一律に制御する方式では、バンク内の全フィーダーの電圧を同時に適正電圧範囲内に収めることができない。
また、この問題の対策として、特許文献2のようにバンク内に複数の電圧調整器を設置することが考えられるが、ShRは高価であるため、設備コストがかかるという問題がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、設備投資のコストを抑制しつつ、配電系統のバンク全体を所望の電圧範囲内に収めることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る電圧制御装置は、太陽光発電装置が接続された第1フィーダーを含む配電系統のバンクの第2フィーダーと、接続点である自端において接続された電圧制御装置である。前記電圧制御装置は、前記自端での無効電力を制御可能な進相コンデンサと、前記自端近傍の日射量を計測する第1計測器と、整定値データ部と、無効電力制御量決定部とを備える。前記整定値データ部は、前記第1計測器で計測された前記日射量と、前記第1及び第2フィーダー間の電圧偏差を最小にすることが可能な前記進相コンデンサの無効電力制御量との相関関係を保存する。前記無効電力制御量決定部は、前記第1計測器で計測された前記日射量と前記相関関係とに基づいて、前記自端での前記進相コンデンサの無効電力制御量を決定する。
本発明によれば、第1計測器で計測された日射量と、それと無効電力制御量との相関関係とに基づいて、自端での進相コンデンサの無効電力制御量を決定する。したがって、第1及び第2フィーダー間の電圧偏差を最小化することができ、配電系統のバンク全体を適正電圧範囲内に収めることができる。また、進相コンデンサは、他の電圧調整器と比べて安価であるため、以上の効果を実現するための設備投資のコストを抑制することができる。
実施の形態1に係る電圧制御装置を備えるバンクを示す図である。 実施の形態1に係る電圧制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る整定値データの一例を示す図である。 実施の形態1に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る電圧制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る日射量データ部に保存される日射量の一例を示す図である。 実施の形態3に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る電圧制御装置の処理を示す図である。 実施の形態4に係る電圧制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る整定値データの一例を示す図である。 実施の形態4に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態5に係る電圧制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態5に係る整定値データの一例を示す図である。 実施の形態5に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 実施の形態5に係る電圧制御装置の処理を示すフローチャートである。 関連バンクの構成を示す図である。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1に係る電圧制御装置は、配電系統の管理・運用の単位であるバンクに設けられている。図18は、本実施の形態に係るバンクに関連するバンク(以下「関連バンク」と呼ぶ)を示す図である。本実施の形態に係る電圧制御装置について説明する前に、この関連バンクについて以下説明する。
関連バンクは、負荷時タップ切替変圧器4(以下「LRT4」)と、太陽光発電装置5(以下「PV5」)と、負荷6とを備えており、LRT4とPV5とは第1フィーダー8を介して接続され、LRT4と負荷6とは第2フィーダー9を介して接続されている。
LRT4は、関連バンクの電圧、つまり、第1及び第2フィーダー8,9における電圧を、予め定められた適正電圧範囲に収めるように一律に制御する。PV5は、太陽光の照射により発電する装置であり、この発電により第1フィーダー8の電圧が上昇する。負荷6は、電力を消費する装置などであり、この電力消費により第2フィーダー9の電圧が降下する。
以上のような関連バンクでは、主にPV5の発電電力による電圧上昇が原因で、第1フィーダー8と第2フィーダー9との間の電圧偏差が増大する。この場合、LRT4単体の制御では、関連バンク内のフィーダー8,9の電圧を一律に上昇または下降させることしかできないことから、これらの電圧を適正電圧範囲(図18の破線に示すVmin〜Vmaxの範囲)内に同時に収めることができない。
それに対し、本実施の形態に係る電圧制御装置によれば、設備コストの増加を抑制しつつ、バンク内の全フィーダーの電圧を所望の電圧範囲内(適正電圧範囲内)に同時に収めることが可能となっている。以下、このような本実施の形態に係る電圧制御装置について説明する。なお、本実施の形態に係る電圧制御装置の説明において、以上で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付して説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電圧制御装置1を備えるバンクを示す図である。この図1に示すように、当該バンクは、図18に示す構成において、第2フィーダー9の負荷6側に電圧制御装置1が接続されたものとなっている。つまり、本実施の形態に係る電圧制御装置1は、PV5が接続された第1フィーダー8を含む配電系統のバンクに含まれる第2フィーダー9と、接続点(連系点)である自端において接続されている。なお、ここでは、説明を簡単にするために、2つの第1及び第2フィーダー8,9のみからなるバンクについて説明するが、2つ以上のフィーダーからバンクは構成されていてもよい。
図2は、本実施の形態に係る電圧制御装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、電圧制御装置1は、第1計測器である日射量計測器10と、整定値データ部11と、無効電力制御量決定部12と、自端での無効電力を制御可能な進相コンデンサ13(以下「SC13」)とを備えている。
日射量計測器10は、自端近傍の現在の日射量を計測する。この日射量計測器10には、例えば、日射器が用いられる。
整定値データ部11は、SC13の制御等に関するパラメータ(整定値データ)を保存している。無効電力制御量決定部12は、日射量計測器10で計測される日射量と、整定値データ部11のパラメータとに基づいてSC13の無効電力制御量を決定し、SC13は、当該無効電力制御量に基づいて、自端での無効電力制御を行う。
図3は、整定値データ部11に保存されているパラメータ(整定値データ)の一例を示す図である。この図3に示すように、本実施の形態に係る整定値データ部11は、パラメータa,bによって表される相関式であって、日射量計測器10で計測された日射量と、第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小にすることが可能なSC13の無効電力制御量との相関式を保存している。本実施の形態では、この相関式は、次式(1)のように表される。
Figure 0005611138
ここで、S[kW/m2]は日射量計測器10で計測された日射量を示し、ΔQ[kVar]はその日射量が計測されたときに第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小にすることが可能なSC13の無効電力制御量を示す。この式(1)に示されるように、本実施の形態では、日射量Sと無効電力制御量ΔQとの相関式は線形近似で表されている。なお、図3に示すように、この整定値データ部11には、この相関式(パラメータa,b)だけではなく、電圧制御装置1が電圧制御すべき周期を示す電圧制御周期tsも保存されている。
次に、上式(1)の相関式を算出する方法について説明する。例えば、電圧制御装置1を接続(連系)する前において、電圧制御装置1が接続されるバンクの各フィーダーの電圧分布と、電圧制御装置1を接続する予定点近傍の日射量を予め複数時間計測する。そして、各日射量について、電圧制御装置1を接続するフィーダー(ここでは第2フィーダー9)の最大電圧maxVf[kV]と、当該フィーダーを除いた全フィーダー(ここでは第1フィーダー8)の最大電圧平均値maxV[kV]と、電圧制御装置1を接続する予定点での電圧Vs[kV]とを求めておく。また、バンクの1次側の上位系統(送電系統)への接続点(LRT4の接続点)から、電圧制御装置1の第2フィーダー9との接続予定点までの線路インピーダンスのリアクタンス分X(誘導分X)[kΩ]も求めておく。そして、これらの値に基づいて、次式(2)により無効電力制御量ΔQ[kVar]を、上述の日射量ごとに推定する。
Figure 0005611138
そして、推定した無効電力制御量ΔQと、日射量Sとに基づいて線形近似して、上式(1)の相関式を求め、そのパラメータa,bを整定値データ部11に保存しておく。
なお、ここでは、最大電圧平均値maxV[kV]を考慮して式(1)の相関式を算出する方法について説明したが、これに限ったものではない。例えば、式(1)の相関式を算出するための無効電力制御量ΔQの推定にあたり、最大電圧平均値maxV[kV]の代わりに、系統運用上の電圧上限Vmax[kV]または電圧下限Vmin[kV]を考慮するものであってもよい。
つまり、上式(2)の電圧制御装置1を接続するフィーダー(ここでは第2フィーダー9)を除いた全フィーダー(ここでは第1フィーダー8)の最大電圧平均値maxV[kV]が運用電圧上限Vmaxを超えている場合には、上式(2)の代わりに次式(3)を用いて、式(1)の相関式を算出するための無効電力制御量ΔQを推定してもよい。あるいは、上式(2)の電圧制御装置1を接続するフィーダー(ここでは第2フィーダー9)を除いた全フィーダー(ここでは第1フィーダー8)の最小電圧平均値minV[kV]が運用電圧下限Vminに満たない場合には、上式(2)の代わりに次式(4)を用いて、式(1)の相関式を算出するための無効電力制御量ΔQを推定してもよい。このように、運用電圧上下限を考慮することで、電圧制御装置1の無効電力制御による電圧上下限逸脱の発生を抑制することができる。
Figure 0005611138
Figure 0005611138
なお、以上の説明では日射量Sと無効電力制御量ΔQとの相関式を算出したが、これらの相関関係を示すことができるのであれば特に相関式の次数は問わず、また相関式ではなく相関表等であっても構わない。
図4は、本実施の形態に係る電圧制御装置1の全体処理の一例を示すフローチャートである。以下、この図4に沿って、この電圧制御装置1の全体処理の手順について説明する。まず、電圧制御装置1は、整定値データ部11に保存された電圧制御周期tsに従って起動する。
ステップS1にて、日射量計測器10は、自端近傍の現在日射量S[kW/m2]を計測し、無効電力制御量決定部12は、日射量計測器10から当該現在日射量S[kW/m2]を取得する。また、無効電力制御量決定部12は、整定値データ部11から上式(1)の相関式を取得する。
ステップS2にて、無効電力制御量決定部12は、取得した現在日射量S[kW/m2]と、上式(1)の相関式とに基づいて、自端でのSC13の無効電力制御量を決定する。ここでは、無効電力制御量決定部12は、ステップS1で取得した現在日射量S[kW/m2]を上式(1)に代入して、自端でのSC13の無効電力制御量ΔQ[kVar]を算出する。
ステップS3にて、当該決定した無効電力制御量ΔQ[kVar]に従い、SC13にて自端での無効電力制御を実施する。本実施の形態では、SC13の現在無効電力制御量が図示しない検出器でΔQnowと検出された場合に、ΔQ>ΔQnowである場合には、ΔQ−ΔQnow相当分だけSC13が投入され、ΔQ<ΔQnowである場合には、ΔQ−ΔQnow相当分だけSC13が開放される。また、ΔQ=ΔQnowである場合には、SC13の現在の状態が維持される。なお、SC13は、1つの進相コンデンサではなく、それぞれの無効電力制御量が小さい複数段の進相コンデンサとするほうが、細かな無効電力の制御を行うことが可能となる。ステップS3のようなSC13の投入/開放により、自端での無効電力が制御される。
以上のことを、図1に示される状態に即して説明すると、第2フィーダー9の電圧が、PV5により上昇した第1フィーダー8の電圧になるべく近づくように、ステップS2の処理にて、SC13の無効電力制御量ΔQが推定される。そして、ステップS3の処理にて、当該無効電力制御量ΔQに基づいて第2フィーダー9の電圧が制御されることにより、図1の下側に示されるように第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差が最小となる。この結果、LRT4は、第1及び第2フィーダー8,9の電圧を、同時に適正電圧範囲(図1の破線に示すVmin〜Vmaxの範囲)内に収めることができる。
なお、ここでは、相関式により求められたSC13の無効電力制御量(相関式に係るSC13の無効電力制御量)により、第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小にする場合について説明した。しかし、相関式に係るSC13の無効電力制御量は、第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小にすることが可能であればよく、厳密に最小するものに限ったものではない。
以上のように、本実施の形態に係る電圧制御装置1によれば、日射量計測器10で計測された日射量と、それと無効電力制御量ΔQとの相関式とに基づいて、自端でのSC13の無効電力制御量ΔQを決定する。したがって、第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小化することができる。よって、配電系統のバンク全体を適正電圧範囲内に収めることができる。また、SC13、つまり進相コンデンサは、ShR(分路リアクトル)などの他の電圧調整器と比べて安価であるため、以上の効果を実現するための設備投資のコストを抑制することができる。また、日射量計測を行うことにより、天候状況に左右されるPV5の発電電力にも対応することができ、精度よい電圧制御が期待できる。
なお、以上においては、説明を簡単にするために、2つの第1及び第2フィーダー8,9のみからなるバンクについて説明した。しかし、2つ以上の数のフィーダーからバンクが構成されている場合において、複数のフィーダーに複数台のPV5が接続されている場合には、第1フィーダー8に接続された1台のPV5に縮約して、上述の説明と同様に行えばよい。
<実施の形態2>
実施の形態1では、日射量S、電圧分布などの計測データから上式(1)の相関式を推定したが、この相関式の精度を上げるためには膨大な計測データが必要となる。また、計測データ内に含まれる、雲や鳥などによる日射量計測器10での局所的な日射量変化の影響が抑制されることが好ましい。
そこで、本発明の実施の形態2に係る電圧制御装置1では、実施の形態1の計測データは用いずに、上式(1)の相関式を算出することが可能となっている。以下、本実施の形態に係る電圧制御装置1について説明する。なお、以下、本実施の形態に係る電圧制御装置1のブロック構成は、実施の形態1と同じである。ただし、ここでは、前提としてバンクは2つ以上のフィーダーから構成され、かつ、複数のPV5を備えているものとして説明する。
図5は、本実施の形態において、日射量Sと、SC13の無効電力制御量ΔQとの相関式の算出処理を示すフローチャートである。以下、この図5に沿って、この算出処理の手順について説明する。
まず、ステップS11にて、電圧上昇要因となるPV5の発電電力と、日射量との関係式を求める。これを行うために、ここでは、まず、PV5の発電電力に起因して生じるフィーダーごとの電圧上昇量を推定する。
具体的には、PV5の定格出力(定格容量)C[kW]は、JIS C8918により、AM(Air Mass:空気透過量)=1.5、日射量=1[kW/m2]、太陽電池モジュール温度=25[℃]の条件下における、PV5の発電電力と規定されている。したがって、AMと太陽電池モジュール温度とを無視すると、日射量がS[kW/m2]である場合、理想発電電力[kW]は次式(5)となる。
Figure 0005611138
ただし、通常、PV5の実発電電力[kW]は、この理想発電電力[kW]よりは少なくなり、次式(6)となる。
Figure 0005611138
ここで、αは1以下の数値であり、太陽電池モジュール温度、AM値、及び、直流電力から交流電力への変換による損失などの諸要素により決定される値である。以下、このαを補正係数と呼ぶことにする。例えば、結晶系太陽電池の場合は、実発電電力と理想発電電力との比は概ね0.8程度と言われている。そこで、この場合には補正係数αとして左記値を採用してもいい。
この補正係数αは、PV5の装置メーカー毎に設定されてもよいし、日射量と発電電力を実際に計測して求めた値に設定されてもよい。また、バンク内の各PV5に対して個別に補正係数αを設定しても構わないが、運用面を考慮すれば非常に手間がかかり、現実的ではない。そこで、本実施の形態では、補正係数αはPV5によらず一律とする。同様に運用面を考慮して、同フィーダー内の複数台のPV5を縮約して1台として扱うようにしてもよい。本実施の形態では、前提として同一バンク内のPV5は日射量Sが一律であるものとする。
この場合において、複数のフィーダーのうち第i(i=1,2,…)フィーダーに接続(連系)されたN(≧2)台のPV5が、日射量計測器10で計測された日射量S[kW/m2]と同じ日射量を受光した場合に当該PV5全体で発電すると推定される電力は、上式(6)を考慮すると次式(7)のように表される。なお、次式(7)において、Cj[kW]は、第iフィーダーに接続されたj(j=1〜N)番目のPV5の定格出力である。
Figure 0005611138
これを踏まえて、バンクの上位系統への接続点からPV5の第iフィーダーとの接続点までの線路インピーダンスの抵抗分と、当該PV5が日射量計測器10で計測された日射量S[kW/m2]と同じ日射量を受光した場合に発電すると推定される式(7)の電力とに基づいて、次式(8)により、第iフィーダーにおける電圧上昇分ΔVi[kV]をフィーダーごとに簡易的に推定する。なお、次式(8)において、Rj[kΩ]は、バンクの上位系統への接続点を基準にした、j(j=1〜N)番目のPV5の線路インピーダンスの抵抗分であり、Vbase[kV]は、基準系統電圧である。
Figure 0005611138
上式(8)から各フィーダーの電圧上昇分ΔVi[kV]が推定される。なお、この上式(8)より、電圧制御装置1が接続されているフィーダーでの電圧上昇分ΔVs[kV]も推定される。
その後、ステップS12にて、電圧制御装置1が接続されているフィーダーの電圧上昇分ΔVs[kV]を除いた電圧上昇分の平均値ΔVaver[kV]を次式(9)から算出する。
Figure 0005611138
以上のことを、実施の形態1のように第1及び第2フィーダー8,9に縮約された構成に換言すれば、ステップS11及びS12により、PV5が接続されている第1フィーダー8の電圧上昇分に相当するΔVaver[kV]と、電圧制御装置1が接続されている第2フィーダー9の電圧上昇分に相当するΔVs[kV]とが推定されたことになる。以下、説明を簡単にするため、この縮約した構成に換言して説明する。
ステップS13にて、これら電圧上昇分ΔVaver,ΔVsと、上位系統への接続点から電圧制御装置1の第2フィーダー9との接続点までの線路インピーダンスのリアクタンス分X[kΩ]とに基づいて、次式(10)により、上式(1)の相関式に係る無効電力制御量ΔQ[kVar]を近似的に求める。
Figure 0005611138
以上の上式(8)〜(10)を用いるステップS11〜13は、様々な日射量Sの値について行われ、当該様々な日射量Sの値に対して、無効電力制御量ΔQが求められる。
ステップS14にて、日射量Sと、以上により求められた無効電力制御量ΔQとに基づいて、上式(1)の相関式、つまりパラメータa,bを求める。ステップS15にて、求めた相関式(パラメータa,b)を整定値データ部11に保存する。
以上のような本実施の形態に係る電圧制御装置1によれば、日射量Sと無効電力制御量ΔQとの相関式を算出するための膨大な日射量S、電圧分布などの計測データが不要となる。また、計測データ内に含まれる、雲や鳥などによる日射量計測器10での局所的な日射量変化の影響を抑制することができる。
<実施の形態3>
上述の実施の形態では、例えば、電圧制御装置1の近傍にのみ雲がたまたまかかっている場合、日射量計測器10の計測日射量Sが局所的に減少するため、第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小化するための無効電力制御量ΔQの決定が精度よく行えない可能性が多少ある。そこで、本発明の実施の形態3では、日射量計測器10の計測日射量Sが局所的に変化する場合であっても、無効電力制御量決定の精度を向上させることが可能となっている。
図6は、本実施の形態に係る電圧制御装置1の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る電圧制御装置1の説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付して説明を省略する。この図6に示されるように、本実施の形態に係る電圧制御装置1は、実施の形態1の構成に、日射量データ部14と、平均日射量推定部15とを追加したものとなっている。
図7は、本実施の形態に係る電圧制御装置1の全体処理の一例を示すフローチャートである。以下、この図7に沿って、この電圧制御装置1の全体処理の手順について説明する。
まず、ステップS21にて、日射量計測器10は日射量を計測し、日射量データ部14は、日射量計測器10が複数時点において計測した日射量を保存する。図8に、日射量データ部14に保存される日射量の一例を示す。
ステップS22にて、平均日射量推定部15は、日射量データ部14に保存された過去の期間(所定期間)内の日射量を平均することによって、平均日射量を推定する。ここでの平均日射量には、過去の期間の計測日射量Sの平均値Savr、または、日射量計測器10で直近に計測された計測日射量Sが相当するものとなっている。このステップS22での推定処理については、後で詳細に説明する。
ステップS23にて、無効電力制御量決定部12は、平均日射量推定部15から平均日射量を取得するとともに、整定値データ部11から上式(1)の相関式における日射量Sを当該平均日射量に代えた相関式を取得する。
ステップS24にて、無効電力制御量決定部12は、取得した平均日射量及び相関式に基づいて、自端でのSC13の無効電力制御量を決定する。つまり、本実施の形態では、実施の形態1において日射量計測器10で計測された日射量Sに代えて、平均日射量推定部15にて推定された平均日射量を用いる。
ステップS25にて、実施の形態1のステップS3と同様に、当該決定した無効電力制御量ΔQ[kVar]に従い、SC13にて自端での無効電力制御を実施する。
図9は、平均日射量推定部15により行われるステップS22の処理を詳細に示すフローチャートの一例である。以下、このステップS22の推定処理について詳細に説明する。
まず、ステップS31にて、平均日射量推定部15は、日射量データ部14から、過去の期間(例えば現在の時刻と、そこから1分間遡った時刻との間の期間)内の複数の計測日射量Sを取得する。
ステップS32にて、平均日射量推定部15は、当該取得した複数の計測日射量S[kW/m2]に基づいて、各時刻断面の日射量の変化量を示す日射変化量ΔSiを算出する。そして、平均日射量推定部15は、上述の過去の期間内の日射変化量ΔSiの平均である日射変化量平均ΔSavrと、当該日射変化量ΔSiの標準偏差である日射変化量標準偏差ΔSσとを求める。
ステップS33にて、平均日射量推定部15は、日射変化量平均ΔSavrを図10に示される基準日射変化量とし、ΔSavr−ΔSσ以上かつΔSavr+ΔSσ以下の範囲を同図10に示される不感帯として設定する。そして、平均日射量推定部15は、日射量計測器10が直近に計測した計測日射量S(t)と、その1つ前に計測された計測日射量S(t−1)との変化量を示す直近日射変化量ΔSnowを算出する。
ステップS34にて、平均日射量推定部15は、直近日射変化量ΔSnowが不感帯の下限(ΔSavr−ΔSσ)よりも小さいかを判定する。小さい(ΔSnowが不感帯を逸脱している)と判定された場合にはステップS36に進み、そうでないと判定された場合にはステップS35に進む。
ステップS35にて、平均日射量推定部15は、直近日射変化量ΔSnowが不感帯の上限(ΔSavr+ΔSσ)よりも大きいかを判定する。大きい(ΔSnowが不感帯を逸脱している)と判定された場合にはステップS36に進み、そうでないと判定された場合にはステップS37に進む。
ΔSnowが不感帯を逸脱する程度に直近の日射量Sの変化が急峻であった場合に行われるステップS36において、平均日射量推定部15は、上述の過去の期間の計測日射量Sの平均値Savrを算出し、これを平均日射量として採用する。一方、直近(現在)の日射量Sの変化が緩慢であった場合に行われるステップS37において、平均日射量推定部15は、当該直近の計測日射量Snowを平均日射量として採用する。
以上、平均日射量推定部15が平均日射量を推定する処理の一例について説明したが、以下の別処理を行ってもよい。例えば、直近日射変化量ΔSnowが不感帯を逸脱するときには、平均日射量推定部15は、ΔSavr,ΔSσの値を固定し、図10の斜線部分に示されるように、不感帯の逸脱量についての時間に関する積分量である日射変化量積分量ΔSp[ms・kW/m2]を算出する。そして、日射変化量積分量ΔSpが設定閾値を超えた場合には、平均日射量推定部15は、上述の過去の期間の計測日射量Sの平均値Savrを平均日射量として採用する。一方、日射変化量積分量ΔSpが当該設定閾値以下である場合には、平均日射量推定部15は、直近の計測日射量Sを平均日射量として採用する。そして、直近日射変化量ΔSnowが不感帯範囲内に戻った場合には、次の時刻からΔSavr,ΔSσを再度算出する。
なお、この処理で用いられる設定閾値は、整定値データ部11に保存しておけばよい。次に、当該設定閾値を決定する方法の一例について説明する。
例えば、電圧制御装置1の近傍にかかっている雲の大きさを幅100[m]、風速10[m/s](平均的な風速)を想定した場合、電圧制御装置1の近傍を通過する時間は経験的に約10[s]であると推定できる。よって、ΔSσ×10000[ms・kW/m2]を設定閾値と決定すればよい。なお、ここで説明した設定閾値の決定方法は一例であって、それ以外の決定方法を採用してもよい。
平均日射量の推定として、上述の処理の代わりに、以下の処理を行ってもよい。例えば、直近日射変化量ΔSnowが不感帯を逸脱するときには、上述と同様に推定される雲の通過時間10[s](=10000[ms])を動作時間tm[ms]として整定値データ部11に設定(保存)する。ただし、既に動作時間tm>0の場合(不感帯逸脱時)には、初期値入力済みのため、動作時間tmの値を変更しないようにする。動作時間tm>0の間は、当該動作時間tmから日射量計測周期の差分を取り、上述と同様に過去の期間の計測日射量Sの平均値を平均日射量として採用する。そして、動作時間tm≦0となった時点で、次の時刻からΔSavr,ΔSσを再度算出する。
その他の簡易手段としては、常に過去機関に計測した日射量の平均値を平均日射量として採用することも考えられる。
以上のような本実施の形態に係る電圧制御装置1によれば、局所的な変化が抑制された平均日射量と、上式(1)の相関式とに基づいて、自端でのSC13の無効電力制御量ΔQが決定される。したがって、電圧制御装置1の近傍に雲がたまたまかかっている場合などに生じる局所的変化を抑制できることから、局所的変化が計測日射量Sに影響するのを抑制することができる。よって、SC13の無効電力制御量を安定させることができる。
<実施の形態4>
図11は、本発明の実施の形態4に係る電圧制御装置1の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る電圧制御装置1の説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付して説明を省略する。図11に示されるように、本実施の形態に係る電圧制御装置1は、自装置内に、日射量計測器10の代わりに、電圧制御装置1において照射される太陽光に基づいて電力を発生するとともに、当該電力を計測する電力発生計測装置たるPV16(以下、「自装置PV16」と呼ぶ)を備えている。
さて、実施の形態1では、日射量計測器10で計測された日射量Sと、上式(1)の相関式とに基づいてSC13の無効電力制御量を決定したが、本実施の形態では、自装置PV16で計測された電力PG[kW]と、次式(11)の相関式とに基づいてSC13の無効電力制御量を決定するものとなっている。なお、次式(11)は、自装置PV16で計測された電力PGと、第1及び第2フィーダー8,9間の電圧偏差を最小にすることが可能なSC13の無効電力制御量との相関式、つまり、上式(1)の相関式における日射量Sを電力PGに代えた相関式である。
Figure 0005611138
以上のように、本実施の形態では、日射量計測器10で計測された日射量に代えて自装置PV16で計測された電力を用いるものとなっている。
図12は、整定値データ部11に保存されているパラメータ(整定値データ)の一例を示す図である。日射量Sから電力PGへの変更に伴い、本実施の形態に係る整定値データ部11は、上式(11)のパラメータa1,b1を保存している。
なお、上式(11)の具体的な算出手段に関しては、実施の形態1の例と同様に実計測データを収集して算出しても構わないし、実施の形態2の上式(8)を次式(12)に置き換えて、実施の形態2と同様の手順を行うことで算出してもよい。なお、次式(12)におけるCself[kW]は、自装置PV16の定格出力を示す。
Figure 0005611138
図13は、本実施の形態に係る電圧制御装置1の全体処理の一例を示すフローチャートである。以下、この図13に沿って、この電圧制御装置1の全体処理の手順について説明する。まず、電圧制御装置1は、整定値データ部11に保存された電圧制御周期tsに従って起動する。
ステップS41にて、自装置PV16は、電力PG[kW]を計測し、無効電力制御量決定部12は、自装置PV16から当該電力PG[kW]を取得する。また、無効電力制御量決定部12は、整定値データ部11から上式(11)の相関式を取得する。
ステップS42にて、無効電力制御量決定部12は、取得した電力PG[kW]と、上式(11)の相関式とに基づいて、自端でのSC13の無効電力制御量を決定する。
ステップS43にて、ステップS3と同様に、当該決定した無効電力制御量ΔQ[kVar]に従い、SC13にて自端での無効電力制御を実施する。
以上のような本実施の形態に係る電圧制御装置1によれば、実施の形態1〜3と異なり、日射量Sから発電電力PGを推定しなくて済むことから、フィーダーにおける電圧上昇分の推定精度の向上が期待できる。また、電圧制御装置1が、自装置PV16で生成される電力を使用するようにすれば、電圧制御装置1の電源の省略も期待できる。
<実施の形態5>
実施の形態1では、上式(3),(4)により運用電圧上下限を考慮した無効電力制御量の決定について記載した。しかしながら、過去の実計測データでは必ずしも全ての系統状態を網羅できるとは限らないため、電圧制御装置1の無効電力制御により電圧上下限を逸脱する可能性も多少ある。そこで、本発明の実施の形態5では、実施の形態1で決定された無効電力制御量により制御された場合の自端での電圧を推定し、当該電圧等に基づいてSC13の無効電力制御量を決定することで、電圧が上下限を逸脱するのを低減することが可能となっている。
図14は、本発明の実施の形態5に係る電圧制御装置1の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る電圧制御装置1の説明において、実施の形態1で説明した構成要素と類似するものについては同じ符号を付して説明を省略する。図14に示されるように、本実施の形態に係る電圧制御装置1は、実施の形態1の構成に、自端での電圧を計測する第2計測器である電圧計測器17を追加したものとなっている。ここでは、センサーPTが自端において設けられており、電圧計測器17は、センサーPTにおける電圧を計測するものとなっている。
図15は、整定値データ部11に保存されているパラメータ(整定値データ)の一例を示す図である。この図に示されるように、本実施の形態に係る整定値データ部11は、これまでのデータに加えて、自端電圧の上限及び下限を示す自端電圧上限Vsmax[kV]及び自端電圧下限Vsmin[kV]と、バンクの上位系統への接続点から電圧制御装置1の第2フィーダー9との接続点までの線路インピーダンスのリアクタンス分X[kΩ]を示す自装置連系点リアクタンスとを保存している。
図16は、本実施の形態に係る電圧制御装置1の全体処理の一例を示すフローチャートである。以下、この図16に沿って、この電圧制御装置1の全体処理の手順について説明する。まず、電圧制御装置1は、整定値データ部11に保存された電圧制御周期tsに従って起動する。
ステップS51にて、無効電力制御量決定部12は、日射量計測器10から現在日射量S[kW/m2]を取得するとともに、整定値データ部11から図15に示した整定値データを取得する。また、電圧計測器17は、現在の自端での電圧Vs(以下「現在自端電圧Vs」と呼ぶこともある)を計測し、無効電力制御量決定部12は、電圧計測器17から当該現在自端電圧Vsを取得する。
ステップS52にて、無効電力制御量決定部12は、現在日射量Sと、現在自端電圧Vsと、整定値データとに基づいて、SC13の無効電力制御量ΔQを決定する。このステップS52での決定処理については、後で詳細に説明する。
ステップS53にて、実施の形態1のステップS3と同様に、当該決定した無効電力制御量ΔQ[kVar]に従い、SC13にて自端での無効電力制御を実施する。
図17は、無効電力制御量決定部12により行われるステップS52の決定処理を詳細に示すフローチャートの一例である。以下、このステップS52の処理について詳細に説明する。
まず、ステップS61にて、無効電力制御量決定部12は、実施の形態1のステップS2と同様に、日射量計測器10で計測された現在日射量Sと上式(1)の相関式とに基づいて無効電力制御量ΔQ[kVar]を決定する。
ステップS62にて、無効電力制御量決定部12は、当該無効電力制御量ΔQ[kVar]と、整定値データに含まれるリアクタンス分X[kΩ]と、電圧計測器17で計測された現在自端電圧Vs[kV]とに基づいて、自端での無効電力が上述の無効電力制御量ΔQ[kVar]により制御された場合の自端での電圧Vsnew[kV]を、次式(13)により推定する。なお、ここで推定される自端の電圧Vsnewを、以下「推定自端電圧Vsnew」と呼ぶこともある。
Figure 0005611138
無効電力制御量決定部12は、以下に説明するステップS63〜S66にて、推定自端電圧Vsnew[kV]と、整定値データに含まれる自端での電圧に予め定められた自端電圧上限Vsmax[kV]及び自端電圧下限Vsmin[kV]とに基づいて、自端でのSC13の無効電力制御量ΔQを決定する。
本実施の形態では、ステップS63にて、推定自端電圧Vsnew[kv]が、自端電圧上限Vsmax[kV]よりも大きいか、つまり自端電圧上限Vsmax[kV]を逸脱しているかを判定する。逸脱していると判定した場合には、ステップS64に進み、次式(14)によりSC13の無効電力制御量ΔQを修正(決定)して処理を終了する。そうでない場合には、ステップS65に進む。
Figure 0005611138
ステップS65にて、推定自端電圧Vsnew[kv]が、自端電圧下限Vsmin[kV]よりも小さいか、つまり自端電圧下限Vsmin[kV]を逸脱しているかを判定する。逸脱していると判定した場合には、ステップS66に進み、次式(15)によりSC13の無効電力制御量ΔQを修正(決定)して処理を終了する。そうでない場合には、無効電力制御量ΔQを修正することなくそのまま決定して処理を終了する。
Figure 0005611138
以上のような本実施の形態に係る電圧制御装置1によれば、実施の形態1で決定された無効電力制御量により制御された場合の自端での電圧を推定し、当該電圧と、予め定められたその上下限とに基づいてSC13の無効電力制御量を決定する。したがって、所望の電圧範囲を逸脱するような無効電力制御が行われるのを抑制することができる。
なお、以上で説明した、整定値データ部11に保存する自端電圧上下限Vsmax,Vsminには、例えば、運用上の電圧上下限Vmax,Vminを設定してもよい。あるいは、自端電圧上下限Vsmax,Vsminには、例えば、実施の形態2と同様に、バンクの上位系統の接続点から下流のPV5による電圧上昇分ΔVU[kV]と、当該接続点から下流の負荷6による電圧降下分ΔVL[kV]とを考慮した上下限を設定してもよい。
つまり、基準系統電圧をVbase[kV]とし、バンクの上位系統の接続点から下流に存在する各PV5の定格容量Cpvi[kW]と、当該接続点から当該各PV5のフィーダー線路インピーダンスの抵抗分Rpvi[kΩ]とに基づいて、次式(16)により、電圧上昇分ΔVU[kV]を算出する。また、同様に、バンクの上位系統の接続点から下流に存在する各負荷6の定格容量Cloadi[kW]と、当該接続点から当該各負荷6のフィーダー線路インピーダンスの抵抗分Rloadi[kΩ]とに基づいて、次式(17)により、電圧降下分ΔVL[kV]を算出する。
Figure 0005611138
Figure 0005611138
そして、次式(18),(19)により算出される値を、整定値データ部11に保存すべき自端電圧上下限Vsmax,Vsminとして設定してもよい。
Figure 0005611138
Figure 0005611138
なお、以上説明した自端電圧上下限Vsmax,Vsminの設定手段は一例であり、もちろん上下限別々に設定してもよいし、以上説明した設定手段に限るものではない。
1 電圧制御装置、5 太陽光発電装置(PV)、8 第1フィーダー、9 第2フィーダー、10 日射量計測器、11 整定値データ部、12 無効電力制御量決定部、13 進相コンデンサ(SC)、14 日射量データ部、15 平均日射量推定部、16 自装置PV、17 電圧計測器。

Claims (6)

  1. 太陽光発電装置が接続された第1フィーダーを含む配電系統のバンクの第2フィーダーと、接続点である自端において接続された電圧制御装置であって、
    前記自端での無効電力を制御可能な進相コンデンサと、
    前記自端近傍の日射量を計測する第1計測器と、
    前記第1計測器で計測された前記日射量と、前記第1及び第2フィーダー間の電圧偏差を最小にすることが可能な前記進相コンデンサの無効電力制御量との相関関係を保存する整定値データ部と、
    前記第1計測器で計測された前記日射量と前記相関関係とに基づいて、前記自端での前記進相コンデンサの無効電力制御量を決定する無効電力制御量決定部と
    を備える電圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の電圧制御装置であって、
    前記バンクの上位系統への接続点から前記太陽光発電装置の前記第1フィーダーとの接続点までの線路インピーダンスの抵抗分と、前記太陽光発電装置が前記第1計測器で計測された前記日射量と同じ日射量を受光した場合に発電すると推定される電力とに基づいて、前記第1及び第2フィーダーのそれぞれの電圧上昇分を推定し、
    これら電圧上昇分と、前記上位系統への接続点から前記電圧制御装置の前記第2フィーダーとの接続点までの線路インピーダンスのリアクタンス分とに基づいて、前記相関関係に係る前記無効電力制御量を求める、電圧制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電圧制御装置であって、
    前記第1計測器で複数時点において計測された前記日射量を保存する日射量データ部と、
    前記日射量データ部に保存された所定期間内の前記日射量を平均することによって、平均日射量を推定する平均日射量推定部と
    をさらに備え、
    前記第1計測器で計測された前記日射量に代えて前記平均日射量を用いる、電圧制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電圧制御装置であって、
    前記電圧制御装置において照射される太陽光に基づいて電力を発生するとともに、当該電力を計測する電力発生計測装置を、前記第1計測器の代わりに備え、
    前記第1計測器で計測された前記日射量に代えて前記電力発生計測装置で計測された前記電力を用いる、電圧制御装置。
  5. 請求項4に記載の電圧制御装置であって、
    前記電圧制御装置は、前記電力発生計測装置で生成される前記電力を使用する、電圧制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電圧制御装置であって、
    前記自端での電圧を計測する第2計測器をさらに備え、
    前記無効電力制御量決定部は、
    前記第1計測器で計測された前記日射量と前記相関関係とに基づいて決定した前記無効電力制御量と、前記バンクの上位系統への接続点から前記電圧制御装置の前記第2フィーダーとの接続点までの線路インピーダンスのリアクタンス分と、前記第2計測器で計測された前記自端での電圧とに基づいて、前記自端での無効電力が前記無効電力制御量により制御された場合の前記自端での電圧を推定し、当該推定した前記自端での電圧と、当該自端での電圧に予め定められた上下限とに基づいて、前記自端での前記進相コンデンサの無効電力制御量を決定する、電圧制御装置。
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