JP2007300784A - 分散型電源 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散型電源の有効電力に起因する連系点電圧の変動を低コストな手法によって効果的に抑制する。
【解決手段】既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、既存の電力系統の系統インピーダンスを推定すると共に、この系統インピーダンスの推定値R+jX、有効電力P及び無効電力Qからなる下記関係式に基づいて連系点電圧の変動を最小化する無効電力Qの最適値を求め、この最適値を所定の力率下限値に制限して連系点に出力するように前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散型電源に関する。特に、連系点電圧を制御する分散型電源に関する。
近年、風力発電装置や太陽電池等の分散型電源が既存の配電系統と連系して需要家に電力を供給することが行われている。そして、このような分散型電源を電力系統に連系する場合の技術要件のうち、電圧、周波数等の電力品質を確保していくために必要な事項が、経済産業省から「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」として、策定されている。
分散型電源とは、その発電形態、規模、設置者を問わず、需要場所の近くに設置される発電設備のことを指す。例えば、自然エネルギーを利用した太陽光発電設備、風力発電設備などや、燃料を利用したエンジン発電システムやガスタービン発電システム、燃料電池、廃棄物発電設備、バイオマス発電設備などが挙げられる。また、これらのみならず、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池(NAS電池)、フライホイール、超電導エネルギー貯蔵装置(SMES)などの電力やエネルギーを貯蔵し放出するものなども分散型電源の概念に含まれる。
一方、電気事業者には、供給する電気の電圧が電気事業法及び経済産業省令によって維持すべき値として規定されており、上記ガイドラインでは、低圧需要家の電圧を適正値に維持するための対策として、分散型電源からの逆潮流により低圧需要家の電圧が適正値を逸脱して上昇するおそれがあるときは、分散型電源の無効電力制御機能または出力制御機能により自動的に電圧を調整する対策を行うことが記載されている。
なお、分散型電源に関する系統点電圧の制御技術の1つとして、例えば下記特許文献1がある。
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(資源エネルギー庁) 特開2005−160188号公報
ところで、本出願人は、上述した従来技術に鑑み、分散型電源の有効電力に起因する連系点電圧の変動を低コストな手法で抑制し得る発明を、特願2004−316928及び特願2005−168484として出願している。この発明は初期の目的を十分に達成するものであるが、分散型電源に関連する市場からは上記連系点電圧の変動抑制機能に関するコストをさらに低コスト化することが要求されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、分散型電源の有効電力に起因する連系点電圧の変動をさらに低コストな手法によって効果的に抑制することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、分散型電源に係わる第1の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、前記電力系統の系統インピーダンスを推定すると共に、前記系統インピーダンスの推定値R+jX、有効電力P及び無効電力Qからなる下記関係式に基づいて連系点電圧の変動を最小化する無効電力Qの最適値を求め、この最適値を所定の力率下限値に制限して連系点に出力するように前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
Figure 2007300784
また、分散型電源に係わる第2の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記系統インピーダンスの推定値が大きいほど有効電力に対する連系点電圧下げ方向の無効電力の割合が大きくなるように、前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第3の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、前記電力系統の系統インピーダンスZを推定し、有効電力P、無効電力Q、系統インピーダンス推定値Z、前記系統インピーダンスZに関する所定の2値Z,Z(ただし、Z<Z)及び力率cosφからなる下記関係式に基づいた無効電力を出力するように、前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
Figure 2007300784
分散型電源に係わる第4の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、連系点電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が大きいほど有効電力に対する前記連系点電圧下げ方向の無効電力の割合が大きくなるように、前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第5の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、連系点電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧V、有効電力P、無効電力Q、連系点電圧Vに関する所定の2値V,V(ただし、V<V)及び力率cosφからなる下記関係式に基づいた無効電力を出力するように、前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
Figure 2007300784
分散型電源に係わる第6の解決手段として、上記第2ないし第5のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が電力発生手段の出力容量を越えようとするときには、前記出力容量を越えないように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第7の解決手段として、上記第2ないし第5のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が無効電力に関する所定の上限値を上回ろうとするときには、無効電力を前記上限値に設定するように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第8の解決手段として、上記第2ないし第5のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が力率の下限値を下回ろうとするときには、前記力率の下限値を保つように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第9の解決手段として、上記第2ないし第5のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が無効電力の下限値を下回ろうとするときには、無効電力を前記下限値に設定するように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第10の解決手段として、上記第2ないし第5のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が力率の上限値を上回ろうとするときには、無効電力が当該力率の上限値を保つように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第11の解決手段として、上記第2ないし第5のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力の方向が反転しようとするときには、前記無効電力をゼロに設定するように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第12の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記系統インピーダンスの推定値が所定の下限値と上限値とによって規定される許容インピーダンス範囲にある場合は、有効電力に対する無効電力の割合を、前記下限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を減少させる方向に変化させ、逆に前記上限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を増加させる方向に変化させるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
を具備する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第13の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、連系点電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の下限値と上限値とによって規定される許容電圧範囲にある場合は、有効電力に対する無効電力の割合を、前記下限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を減少させる方向に変化させ、逆に前記上限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を増加させる方向に変化させるように、前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第14の解決手段として、上記第12または第13の解決手段において、制御手段は、前記上限値を超える場合には、前記上限値に相当する無効電力を出力するように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第15の解決手段として、上記第12ないし第14のいずれか一の解決手段において、制御手段は、前記下限値を下回る場合には、前記下限値に相当する無効電力を出力するように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第16の解決手段として、上記第12ないし第15のいずれか一の解決手段において、制御手段は、連系点系統電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が電力発生手段の出力容量を越えようとするときには、前記当該出力容量を越えないように前記電力発生手段を制御する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第17の解決手段として、既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、連系点電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の上限値を越えた場合は系統電圧下げ方向の無効電力を出力して前記連系点電圧を前記上限値に維持するように、また前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の下限値を下回った場合には系統電圧上げ方向の無効電力を出力して前記連系点電圧を前記下限値に維持するように前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第18の解決手段として、上記第17の解決手段において、前記電力発生手段から連系点に無効電力を出力しない通常運転モードと、無効電力を前記電力発生手段から連系点に出力することにより連系点電圧を前記上限値または前記下限値に制御する電圧補償運転モードとの2つの運転モードを持ち、前記通常運転モードにおいて、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が前記上限値よりも高くなったとき及び前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が前記下限値よりも低くなったときに前記電圧補償運転モードに移行し、前記電圧補償運転モードにおいては、無効電力出力の極性が反転したときに前記通常運転モードに移行する、という手段を採用する。
分散型電源に係わる第19の解決手段として、上記第1ないし第18のいずれか一の解決手段において、既存の電力系統に代えて、電力系統から自立して運転している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統と連系して電力を負荷に供給する、という手段を採用する。
本発明によれば、過剰な無効電力の出力を抑制することができるので、無効電力を発生する電力発生手段の容量を低減することができる。したがって、分散型電源の有効電力に起因する連系点電圧の変動抑制に関するコストを低コスト化することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
A:第1実施形態(一定リミッタ付Zカメレオン方式)
図1は、本発明の第1実施形態に係わる配電設備の系統図である。本第1実施形態は、自らが出力する有効電力Pを定常的に制御し得ないタイプの分散型電源PW1を具備する配電設備に関する。
この図1において、符号Sは配電用変電所、C1は高圧配電線、T1,T2は配電用変圧器(柱上変圧器)、C2は低圧配電線、PW1は分散型電源、Lは負荷である。配電用変電所Sは高圧配電線C1を介して配電用変圧器T1,T2の一次側に接続されている。高圧配電線C1は、上記配電用変電所Sから出力された高圧電力(例えば6600V)を配電用変圧器T1,T2まで伝送する。配電用変圧器T1,T2は、高圧配電線C1を介して供給された高圧電力を例えば100Vや200Vの低圧電力に電圧変換し低圧配電線C2に供給する。低圧配電線C2は、配電用変圧器T1,T2と負荷Lとの間に設けられており、低圧電力を負荷Lに供給する。
ここで、上記配電用変電所S、高圧配電線C1、配電用変圧器T1,T2及び低圧配電線C2は、市中にネットワーク状に敷設された既存の配電系統を構成している。これに対して、分散型電源PW1は、連系点において低圧配電線C2と接続されており、上記既存の配電系統と連系して負荷Lに低圧電力を供給するものである。また、負荷Lは、既存の配電系統に接続された全ての負荷を例示している。
このような分散型電源PW1は、図示するように、主な機能構成要素として電圧計1、電流計2、検出電力演算部3、最適出力電力演算部4、記憶部5、出力電流設定部6、出力電流制御部7、インバータ8、直流電源9及び連系リアクトル10を備えている。電圧計1は、低圧配電線C2の連系点における電圧(連系点電圧V)を検出して検出電力演算部3に出力する。電流計2は、本分散型電源PW1の出力電流を検出して検出電力演算部3に出力する。
検出電力演算部3は、上記電圧計1から入力された連系点の電圧瞬時値及び上記電流計2から入力された出力電流瞬時値に基づいて分散型電源PW1から連系点に出力される出力電力(つまり有効電力P及び無効電力Q)を演算し、検出電力として最適出力電力演算部4に出力すると共に、電圧計1から入力された連系点の電圧瞬時値に基づいて当該連系点の電圧の実効値演算を行い、連系点電圧の実効値(連系点電圧V)として最適出力電力演算部4に出力する。
最適出力電力演算部4は、検出電力演算部3から入力される検出電力(有効電力P及び無効電力Q)と連系点電圧Vとを記憶部5に出力して記憶させる一方、当該記憶部5に記憶された連系点電圧V、有効電力P、無効電力Q及び力率の下限値等に基づいてインバータ8の出力電力(有効電力P及び無効電力Q)を電力指令値として出力電流設定部6に出力する。この電力指令値は、インバータ8から出力する有効電力Pを指示する有効電力指令値と無効電力Qを指示する無効電力指令値とからなる。なお、上記力率の下限値は、インバータ8から出力する無効電力Qの上限を規定するものであり、既存の配電系統で許容される値(例えば0.85)である。また、前記有効電力指令値は、直流電源9の発電電力に定常的に一致させる必要がある。
記憶部5は、上記最適出力電力演算部4から入力された検出電力(有効電力P及び無効電力Q)及び連系点電圧Vとを記憶すると共に、最適出力電力演算部4の読出要求に応じて読み出して最適出力電力演算部4に出力する。また、この記憶部5は、制御情報の1つとして、上述した力率の下限値を予め記憶している。
ここで、詳細は後述するが、上記最適出力電力演算部4は、上記無効電力指令値を生成するに当たり、既存の配電系統およびその上位系統を含めた系統インピーダンスZを所定の推定手法を用いて推定し、この推定値と上記力率の下限値とに基づいて有効電力Pをインバータ8から連系点に出力した場合の連系点電圧Vの変動を最小値に抑制し得ると共にインバータ8の最大出力容量を抑制し得る無効電力Qを最適値として求め、この最適値の出力を指示する内容の無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。本明細書では、このような制御方式を「一定リミッタ付Zカメレオン方式」と言う。
出力電流設定部6は、上記有効電力指令値と無効電力指令値に基づいて電流指令値を生成して出力電流制御部7に出力する。出力電流制御部7は、上記電流指令値に基づいてインバータ8を制御するための制御信号、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータ8に出力する。インバータ8は、直流電源9から供給された直流電圧を上記制御信号に基づいてスイッチングすることにより交流電圧に変換する。直流電源9は、例えば太陽電池であり、所定の直流電圧をインバータ8に出力する。また、連系リアクトル10は、インダクタンスを付与するためにインバータ8の出力端に設けられている。
なお、直流電源9は発電電力が例えば太陽から照射される光の光量に依存するので、インバータ8は、長期間にわたって一定の値に制御された有効電力Pを連系点に出力することはできず、直流電源9の発電電力に定常的に適合した有効電力を出力することになる。すなわち、本配電設備における分散型電源PW1は、有効電力Pを一定の値に制御できず、直流電源9の発電電力に依存してランダムに変動する有効電力Pを連系点に出力するものである。
このように、分散型電源PW1は、主な機能構成要素として、電圧計1、電流計2、検出電力演算部3、最適出力電力演算部4、記憶部5、出力電流設定部6、出力電流制御部7、インバータ8、直流電源9及び連系リアクトル10を備えているが、これら機能構成要素のうち、インバータ8、直流電源9及び連系リアクトル10は、有効電力P及び無効電力Qを発生して連系点に出力する電力発生手段を構成している。
また、電圧計1、電流計2、検出電力演算部3、最適出力電力演算部4、記憶部5、出力電流設定部6及び出力電流制御部7は、有効電力Pに起因する連系点電圧Vの変動を抑制するような無効電力Qを前記系統インピーダンスZに基づいて求め、当該無効電力Qを発生するように上記電力発生手段を制御する制御手段を構成している。このような分散型電源PW1は、本配電設備の特徴的な構成要素である。
次に、このように構成された配電設備の動作について詳しく説明する。
本配電設備では、上記分散型電源PW1と既存の配電系統とが連係して電力を負荷Lに供給する。分散型電源PW1と既存の配電系統との連系点における連系点電圧Vは、一般的には分散型電源PW1から出力される有効電力Pに依存して変動することになるが、本配電設備の分散型電源PW1は、自らが連系点に出力する有効電力Pに起因する連系点電圧Vの変動を抑制するように無効電力Qを設定して連系点に出力する。
図2は、無効電力Qによる連系点電圧Vの変動抑制原理を説明するための模式図である。この模式図では、配電系統およびその上位系統を含めた系統インピーダンスZを「R+jX」、系統の背後電圧を「E」、分散型電源PW1から出力される電力を「P+jQ」、また連系点から負荷Lが消費する負荷電力を「P+jQ」としている。負荷電力P+jQのうち、「P」は負荷実効電力を、また「Q」は負荷無効電力をそれぞれ示している。なお、前記系統インピーダンスZは上位系統のインピーダンスも含むが実際上は配電系統のインピーダンスが大部分を占めるため、系統の背後電圧Eも配電用変電所Sの出力電圧にほぼ等しくなる。
本配電設備には、このような各値を変数あるいは定数とする以下の近似式(1)が成立する。
Figure 2007300784
この近似式(1)は、系統の電圧降下Vdropが負荷Lの変動に起因する電圧降下Vdrop1(=R・P+X・Q)と分散型電源PW1から出力される有効電力Pおよび無効電力Qに起因する電圧降下Vdrop2(=R・P+X・Q)とからなることを示している。
すなわち、分散型電源PW1の有効電力Pおよび無効電力Qに起因する電圧降下Vdrop2は、分散型電源PW1の無効電力Qを最適化することにより、つまり条件式:R・P+X・Q=0を満足するように無効電力Qを設定することにより最小化することが可能である。この電圧降下Vdrop2は、分散型電源PW1の有効電力Pが既存の配電系統に流入すること及び当該有効電力Pが変動することによって生じるものである。そして、このような電圧降下Vdrop2を最小化、すなわち、分散型電源PW1の有効電力Pによる系統電圧の変動を最小化するための無効電力Q(つまり無効電力Qの最適値)を求めるためには、系統インピーダンスZを推定する必要がある。
さて、本実施形態における連系点電圧Vの変動抑制原理は以上の通りであるが、このような変動抑制原理に基づいて無効電力Qを最適値に設定するためには、系統インピーダンスZを知る必要がある。既存の配電系統の構成に変更がなく系統インピーダンスZが固定である場合は、予め求めた系統インピーダンスZを用いて無効電力Qを最適設定することが考えられるが、実際の配電系統は種々に事情で構成が変更されることが多く、よって実際には系統インピーダンスZを固定値と考えることはできない。
このような事情から、最適出力電力演算部4は、無効電力Qを意図的に変動させた場合における連系点電圧Vを計測することによって系統インピーダンスZを推定する。なお、本配電設備における分散型電源PW1の場合、上述したように有効電力Pについて定常的な制御ができないので、無効電力Qのみを意図的に変動させる。
また、有効電力Pおよび無効電力Qを、系統インピーダンスZを推定するのに必要最小限の短時間の間、瞬間的に変動させることによっても系統インピーダンスZを推定することができる。このように無効電力のみ、あるいは有効電力および無効電力を瞬間的に変動させる系統インピーダンスZの推定手法を本明細書では瞬時変動法という。
すなわち、最適出力電力演算部4は、負荷電力P+jQが変動しないような比較的短期間内の3時刻t1,t2,t3について無効電力Qを指定値QG1〜QG3に設定させる無効電力指令値を出力電流設定部6に出力(または、有効電力Pおよび無効電力Qを、系統インピーダンスZを推定するのに必要最小限の短時間の間、指定値PG1〜PG3およびQG1〜QG3に瞬間的に設定させる有効電力指令値および無効電力指令値を出力電流設定部6に出力)し、このときの連系点電圧V〜V、有効電力PG1〜PG3及び無効電力QG1〜QG3を検出電力演算部3から取得する。そして、最適出力電力演算部4は、これら連系点電圧V〜V、有効電力PG1〜PG3及び無効電力QG1〜QG3を上式(1)に代入して得られる連立方程式(2)〜(4)を解くことにより系統インピーダンスZの実部R及び虚部Xを求める。
Figure 2007300784
式(3)から式(2)を引くことにより下式(5)が得られ、また式(4)から式(2)を引くことにより下式(6)が得られる。
Figure 2007300784
ここで、ΔP=PG1−PG2、ΔP=PG1−PG3、ΔQ=QG1−QG2、ΔQ=QG1−QG3、またΔV=V−V、ΔV=V−Vと置くと、上式(5)、(6)は以下の行列式(7)として表される。
Figure 2007300784
そして、この行列式(7)から系統インピーダンスZの実部R及び虚部Xは下式(8)によって求められる。上記最適出力電力演算部4には、この式(8)に検出電力演算部3から取得される連系点電圧V〜V、有効電力PG1〜PG3及び無効電力QG1〜QG3を代入することにより系統インピーダンス実部R及び虚部Xを求める。
Figure 2007300784
ここで、上述したように分散型電源PW1は有効電力Pを実質的に制御することはできない。したがって、3つの時刻t1,t2,t3について得られる連系点電圧V〜V、有効電力PG1〜PG3及び無効電力QG1〜QG3を上式(8)に代入することによって系統インピーダンスZを求めることになる。しかしながら、有効電力PG1と有効電力PG2とが等しい場合には、系統インピーダンスZの虚部Xを上式(8)よりも簡単な式(9)によって求めることができる。
Figure 2007300784
また、上記3つの時刻t1,t2,t3は、負荷電力P+jQが変動しない比較的短期間のうち、つまり負荷Lが変動することなく一定と見なせる期間内に設定されているので、無効電力Qの最適値は、上述した分散型電源PW1の出力に起因する系統の電圧降下Vdrop2を「0」とした条件式:R・P+X・Q=0を変形して得られる下式(10)によって表される。
Figure 2007300784
すなわち、最適出力演算部4は、検出電力演算部3が求めた有効電力P及び式(8)から求めた系統インピーダンスZを式(10)に代入することによってインバータ8が連系点に有効電力Pを出力することに起因する系統の電圧降下Vdrop2を最小化(連系点電圧電圧Vの電圧変動を最小化)する無効電力Qを最適値として求めるが、この最適値は、式(10)に示されているように有効電力Pと系統インピーダンスZとによって決まるものであり、したがって有効電力Pあるいは系統インピーダンスZの変化に応じて無制限に変化する。
そこで、最適出力演算部4は、式(10)から求めた無効電力Qを出力したときの力率の下限値を設定し、式(10)から求めた無効電力Qを出力したときに上記力率の下限値を下回る場合には無効電力Qを上記力率の上限値に相当する値に設定する。すなわち、最適出力演算部4は、上式(10)と上記力率の下限値とによって規定される無効電力Qを最終的な最適値とし、当該最終的な最適値の出力を指示する電力指令値を電流設定部6に出力する。この結果、分散型電源PW1の出力が上記力率の下限値を下回ることなく、連系点電圧Vの電圧変動は最小限に抑制される。
なお、最適出力演算部4は、このような系統インピーダンスZの推定処理を一定時間間隔で行うことにより、既存の配電系統およびその上位系の構成変更による系統インピーダンスZの変動に対して常に適切な最適値を推定する。
ところで、上記のように連立方程式(2)〜(4)に基づいて系統インピーダンスZを推定する場合、負荷Lが変動することなく一定と見なせる期間について連系点電圧Vを検出する必要があるが、実際の配電系統に接続される負荷Lには、常時ある周期で変動しているものや、または瞬間的に変動するものが存在する。このような負荷Lが接続されている場合、連系点電圧Vの電圧変動ΔVには、意図的に無効電力Qを変動させた場合の電圧変動に加え、上記のような負荷Lの変動に起因する電圧変動が重畳することになり、結果として系統インピーダンスZの推定値に誤差が生じることになる。また、連系点電圧Vを検出する際の計測ノイズも系統インピーダンスZの推定値に誤差を生じる原因になる。
このような負荷Lの変動に起因する連系点電圧Vの電圧変動及び連系点電圧Vの計測ノイズの影響を除去するために、無効電力Qを変動させた時に検出する連系点電圧Vをローパスフィルタに通した値に基づいて系統インピーダンスZを推定する。これにより、高周波の負荷変動に起因する連系点電圧Vの電圧変動のみならず連系点電圧Vの計測ノイズの影響を除去し、系統インピーダンスZの推定値の誤差を軽減できる。
また、他の方法として、系統インピーダンスZの推定値を時系列データとして記憶部5に記憶しておき、それら時系列データの平均値を求め、その値を最終的な系統インピーダンスZの推定値として用いることによっても高周波の負荷変動に起因する連系点電圧Vの電圧変動のみならず連系点電圧Vの計測ノイズの影響を除去し、系統インピーダンスZの推定値の誤差を軽減できる。なお、系統インピーダンスZの推定値の時系列データにデジタルローパスフィルタをかけることで平均化処理を行っても良い。
一方、負荷Lの負荷変動が予めわかっている場合には、以下の方法により系統インピーダンスZの虚部Xの推定精度を上げることができる。
図1において、負荷L(ここでは誘導機とする)の起動時に生じる突入電流をΔIとする。ここで、負荷Lの起動時の突入電流ΔIは無効成分がほとんどであると考えると、上記突入電流ΔIによって生じる連系点電圧Vの電圧変動ΔVを検出することで系統インピーダンスZの虚部XをX=ΔV/ΔIによって求めることができる。
従って、負荷Lの起動時の突入電流ΔIの値が予めわかっていれば、分散型電源PW1の記憶部5に突入電流ΔIを記憶しておき、常時連系点電圧Vを検出して、突入電流ΔIに起因する電圧変動ΔVが検出された時に最適出力演算部4は記憶部5から突入電流値ΔIを読み出し、系統インピーダンスZの虚部X=ΔV/ΔIを算出する。ここで突入電流ΔIに起因する電圧変動ΔVは、スパイク状の大きな電圧変動であるので、予め最適出力演算部4に閾値を設定しておき、最適出力演算部4はその閾値を超えた電圧変動ΔVを検出した場合に突入電流ΔIに起因する電圧変動ΔVと判断し、系統インピーダンスZの虚部Xを算出する。
突入電流ΔIの値は負荷Lの定格容量の数倍に達し、突入電流ΔIによる連系点の電圧変動ΔVは無効電力Qの出力による連系点電圧Vの電圧変動幅よりはるかに大きいため、計測ノイズ等の外乱の影響を受けず、系統インピーダンスZの虚部Xの推定精度を上げることができる。よって、連立方程式(2)〜(4)に基づいて系統インピーダンスZを推定する場合、上記の方法で求めた虚部Xを用いることにより虚部Xについて推定精度を上げることができる。
なお、このように突入電流ΔIによって生じるスパイク状の電圧変動ΔVによって系統インピーダンスZの虚部Xを推定する場合、上記で説明したローパスフィルタを用いることはできない。従って、系統インピーダンスZの実部Rを求める際には、連立方程式(2)〜(4)に基づいて推定した実部Rを時系列データとして記憶しておき、その時系列データの平均値を実部Rの最終値とする。これにより、実部Rについても精度の良い推定値とすることができる。
ところで、上述したように連立方程式(2)〜(4)を解くことにより系統インピーダンスZを求め、そして当該系統インピーダンスZと式(10)を用いて無効電力Qの最適値を求める方法に代えて、以下に説明する周期変動法を用いて系統インピーダンスZを求めても良い。この周期変動法によれば、処理が複雑になるものの外乱による連系点電圧Vの変動の影響を除去することが可能であり、よって連立方程式(2)〜(4)を解く方法よりも正確に系統インピーダンスZを推定することができる。
図3は、上記周期変動法の処理手順を示すフローチャートである。
この図に示すように、最適出力電力演算部4は、規定時刻になると(ステップS1)、直流電源9の出力変動に応じてランダムに変動する有効電力Pと連系点電圧Vとを検出電力演算部3から時系列的に順次取得し(ステップS2)、有効電力Pの時系列データをFFT(Fast Fourier Transform)処理することによって該時系列データの最大周波数成分P(ω)を抽出する(ステップS3)。
また、最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vの時系列データを有効電力Pの最大周波数成分P(ω)に関してDFT(Discrete Fourier Transform)処理することにより、上記有効電力Pの最大周波数成分P(ω)と同一の周波数成分V(ω)を抽出する(ステップS4)。ここで、連系点電圧Vに対する負荷P,Qの同一周波数成分による影響を無視できるとし、無効電力Qを当該期間中一定に保持しておけば、連系点電圧Vの時系列データについて抽出された上記同一周波数成分V(ω)は、有効電力Pの影響によるものだけとなるため、V(ω)≒R・P(ω)となる。最適出力電力演算部4は、このようにして抽出された有効電力Pの最大周波数成分P(ω)とこれに一致する連系点電圧Vの周波数成分V(ω)とに基づいて、系統インピーダンスZの実部Rを算出する(ステップS5)。
続いて、最適出力電力演算部4は、無効電力Qを所定周期で変動させる無効電力指令値を出力電流設定部7に出力してインバータ8から連系点に出力される無効電力Qを所定周期で変動させ(ステップS6)、このときの連系点電圧Vを検出電力演算部3から時系列的に順次取得する(ステップS7)。そして、最適出力電力演算部4は、この連系点電圧Vの時系列データをDFT処理することにより、無効電力Qの変動周波数と同一周波数の成分を抽出し(ステップS8)、このように抽出した連系点電圧Vの周波数成分に基づいて系統インピーダンスZの虚部Xを算出する(ステップS9)。
そして、最適出力電力演算部4は、上記スッテプS1〜S9の一連の処理が完了すると、処理をステップS1に戻し、次の規定時刻になると(スッテプS1)、スッテプS2以降の処理を繰り返すことにより所定時間間隔で系統インピーダンスZを推定する。このような周期変動法によれば、有効電力P及び無効電力Qの変動周波数に合致する周波数の連系点電圧Vを用いて系統インピーダンスZを推定するので、外乱を排除して系統インピーダンスZをより正確に推定することができる。推定された系統インピーダンスZに基づき式(10)より最適な無効電力Qを求めて出力する。なお、FFT処理やDFT処理に代えてフィルタ(例えばバンドパスフィルタ)を用いても良い。
以上が本第1実施形態の説明であるが、上記では説明の簡略化のため既存の配電系統に1つの分散型電源PW1が接続されている場合について説明した。しかし、実際には図4に示すように複数の分散型電源が既存の配電系統に連系される場合もあり得る。
図4において、図1と同一の構成要素については同一符号を付し、説明を省略する。分散型電源PW11、PW12及びPW13は、それぞれ連系点1、2及び3において低圧配電線C2と接続されており、既存の配電系統と連系して負荷L1、L2、及びL3に低圧電力を供給している。これらの分散型電源PW11、PW12及びPW13は、各連系点からみた既存の配電系統の系統インピーダンスZを上述した方法により推定し、最適な無効電力Qを求めて出力する。なお、図4では省略したが、高圧配電線C1には、配電用変圧器T1、低圧配電線C1、負荷L1、L2及びL3等で構成されるような低圧電力系統が複数接続されている。
このような構成の配電系統において、複数の分散型電源PW11、PW12及びPW13が同時に系統インピーダンス推定処理を行った場合には以下のような問題がある。
まず、分散型電源PW11、PW12及びPW13が連立方程式(2)〜(4)を解くことにより系統インピーダンスZを推定する場合、各分散型電源は負荷L1、L2及びL3が変動することなく一定とみなせる短期間の3つの時刻について無効電力Qを意図的に変動させ、連系点1、2及び3での電圧変動ΔVを検出することになる。このような動作が同時に行われると、各連系点電圧Vの電圧変動ΔVの値は、各分散型電源が出力する無効電力Qに起因する電圧変動が重畳することになり、各連系点からみた系統インピーダンスZの推定値に誤差が生じることになる。
そこで、上記のような場合では、無効電力Qを変動させる時刻を各分散型電源で異なるように設定する。例えば、各分散型電源をオンラインで接続し、他の分散型電源の無効電力Qを変動させる時刻を検出して、その時刻が自己の分散型電源と同じ時刻であれば、自立的に自己の無効電力Qを変動させる時刻を変更するようにする。
このようにすれば、他の分散型電源が無効電力Qを変動させる時刻と同期することがなくなり、系統インピーダンス推定処理を行った分散型電源自身の無効電力Qの変動に起因する連系点電圧Vの電圧変動ΔVのみを抽出することができる。その結果、系統インピーダンスZの推定値の誤差を軽減することができる。
一方、分散型電源PW11、PW12及びPW13が周期変動法により系統インピーダンス推定処理を行った場合にも、各分散型電源が無効電力Qを周期的に変動させるため、変動周期が他の分散型電源と一致した場合に系統インピーダンスZの推定値に誤差が生じることになる。
そこで、このように各分散型電源が周期変動法により系統インピーダンス推定処理を行った場合、無効電力Qを変動させる周期を各分散型電源で異なるように設定する。例えば、上記と同様に、各分散型電源をオンラインで接続し、他の分散型電源の無効電力Qの変動周期を検出し、他の分散型電源と変動周期が一致すれば自立的に自己の変動周期を変更するようにする。
このようにすれば他の分散型電源による無効電力Qの変動周期と一致することなく、系統インピーダンス推定処理を行った分散型電源自身の無効電力Qの変動周期に起因する連系点電圧Vのみを抽出することができるので、その結果、系統インピーダンスZの推定値の誤差を軽減することができる。したがって、図4のような複数の分散型電源が連系されている配電系統においても、上述したような系統インピーダンスZの推定を行うことにより無効電力Qの最適値を求め、各連系点の電圧変動を抑制することができる。
なお、上記分散型電源PW1は、自らが出力する有効電力Pを実質的に制御し得ないタイプのものである場合に関するものであったが、本発明は、自らが出力する有効電力Pを実質的に制御し得るタイプの分散型電源を備える配電設備についても適用可能である。このような有効電力Pを実質的に制御し得るタイプの分散型電源としては、特願2004−316928及び特願2005−168484に第2実施形態として記載されたもの等が考えられる。
また、上述した瞬時変動法や周期変動法並びにその派生手法では、基本周波数の無効電力Qを連系点に注入した際に検出される基本周波数の連系点電圧Vに基づいて系統インピーダンスZを推定するが、上記基本周波数に代えて当該基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の無効電力(例えばn次高調波の無効電力QGn)または当該基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の有効電力及び無効電力(例えばn次高調波の場合には有効電力PGn及び無効電力QGn)を連系点に注入し、これに起因する連系点電圧Vの変動(整数次高調波あるいは次数間高調波の変動)に基づいて系統インピーダンスZを推定するようにしても良い。
このような系統インピーダンスZの推定方法によれば、配電系統の電力品質に与える影響を軽減することが可能であり、特に次数間高調波の場合には、配電系統に通常では存在しない周波数成分なので、注入レベルを非常に小さなレベルに設定しても系統インピーダンスZを正確に推定することが可能である。したがって、インバータ8の容量低減と電力品質の影響低減をと実現することができる。
また、複数の分散型電源PW11、PW12及びPW13が配電系統の同一地点または比較的近い地点に連系されている場合、これらの分散型電源のうち、何れか1つの分散型電源(例えば分散型電源PW11)のみで系統インピーダンスZを推定し、この推定結果を他の分散型電源PW12及びPW13と共有するようにしても良い。
このような系統インピーダンスZの推定方法によれば、インピーダンス推定に起因する分散型電源PW11、PW12及びPW13の相互干渉を回避することができる。
なお、「比較的近い地点」とは、同一地点ではないが、系統インピーダンスの差が無視できる程度に近い地点を意味する。よって、一方のインピーダンス推定値を他方のインピーダンスと同じと見なして扱うことができるため、別々にインピーダンス推定を行う必要がない。
また、複数の分散型電源PW11、PW12及びPW13が配電系統の違う地点に連系されている場合、基本周波数に代えて当該基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の無効電力(例えばn次高調波の無効電力QGn)または当該基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の有効電力及び無効電力(例えばn次高調波の場合には有効電力PGn及び無効電力QGn)を連系点に注入し、これに起因する連系点電圧Vの変動(整数次高調波あるいは次数間高調波の変動)に基づいて系統インピーダンスZを推定する方法を採用し、各分散型電源において、異なる次数の整数次高調波あるいは次数間高調波を注入することにより、インピーダンス推定に起因する分散型電源PW11、PW12及びPW13の相互干渉を回避することができる。
なお、「違う地点」とは、例えば、系統インピーダンスの差が、インピーダンス推定の際の推定誤差の範囲を逸脱するような、系統インピーダンスの差が無視できない程度に離れた地点を意味する。よって、一方のインピーダンス推定値を他方のインピーダンスと同じと見なして扱うことをせず、別々にインピーダンス推定を行う必要がある。
B:第2実施形態(系統インピーダンス依存Zカメレオン方式)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態と上記第1実施形態との相違点は、最適出力電力演算部4における無効電力Qの最適値の設定手法にある。したがって、以下の説明では、本第2実施形態における連系点電圧Vの制御方式について詳しく説明する。なお、本明細書では、このような制御方式を「系統インピーダンス依存Zカメレオン方式」という。
上記第1実施形態では、系統インピーダンスZの推定値、式(10)及び力率の上限値に基づいて無効電力Qの最適値を設定したが、本第2実施形態における最適出力電力演算部4は、系統インピーダンスZの推定値、当該系統インピーダンスZに関する上限値Z及び下限値Z及び下式(11)に基づいて無効電力Qの最適値を設定する。また、本第2実施形態における分散型電源PW1の記憶部5には、上記上限値Z及び下限値Zが制御情報の1つとして予め記憶されている。
すなわち、最適出力電力演算部4は、上述した第1実施形態の手法によって系統インピーダンスZを推定すると、当該系統インピーダンスZを記憶部5に予め記憶された系統インピーダンスZに関する上限値Z及び下限値Zと比較する。そして、最適出力電力演算部4は、系統インピーダンスZが下限値Zと上限値Zとによって規定される許容インピーダンス範囲にある場合、つまりZ≧Z≧Zの場合は、下記関係式(11)によって与えられる無効電力Qを最適値とし、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合、つまりZ>Zの場合には、力率cosφが所定の一定値(例えば0.85)となる無効電力Qを最適値とする。この関係式(11)は、有効電力P、無効電力Q、系統インピーダンスZ、下限値Z、上限値Z及び力率cosφとの関係を示すものである。
Figure 2007300784
図5は、このような最適出力電力演算部4の制御手法、つまり「系統インピーダンス依存Zカメレオン方式」の特徴を示す模式図である。この図5に示されているように、本第2実施形態の最適出力電力演算部4は、系統インピーダンスZが下限値Zと上限値Zとの間にある場合は、系統インピーダンスZの変化に対して無効電力Qを上記関係式(11)に基づいて直線的に変化させるが、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合には、無効電力Qを一定力率fp(=0.85)に相当するものに固定し、また、系統インピーダンスZが下限値Zを下回る場合には、無効電力Qを一定力率fp(=1)に相当するものに固定する。
本第2実施形態によれば、上記のように設定された無効電力Qの最適値の出力を指示する無効電力指令値が最適出力電力演算部4から出力電流設定部6に出力されることにより、インバータ8からは有効電力Pに加えて上記最適値に一致した無効電力Qが連系点に出力され、有効電力Pに起因する連系点電圧Vの電圧変動は最小限に抑制される。
また、本第2実施形態によれば、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合には、インバータ8から連系点に出力される無効電力Qは力率fp(=cosφ)が所定の一定値(例えば0.85)に相当するものに固定されるので、インバータ8の最大出力容量は、上記上限値Zを設けていない特願2004−316928及び特願2005−168484のインバータの最大出力容量よりも小さくて良い。したがって、インバータ8を小型化かつ低コスト化、つまり分散型電源PW1を小型化かつ低コスト化することができる。
なお、この第2実施形態については、以下に示すような種々の変形例が考えられる。
(1)本実施形態では、系統インピーダンスZが下限値Zと上限値Zとの間にある場合は、系統インピーダンスZの変化に対して無効電力Qを関係式(11)に基づいて直線的に変化させ、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合及び下限値Zを下回る場合は、無効電力Qを一定力率に相当するものに固定しているが、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合、下限値Zを下回る場合とも、系統インピーダンスZの変化に対して無効電力Qを関係式(11)に基づいて直線的に変化させてもよい。また、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合または下限値Zを下回る場合のみ、無効電力Qを一定力率に相当するものに固定してもよい。
(2)本実施形態では、系統インピーダンスZが上限値Zを越える場合、無効電力Qを一定力率fp(=0.85)に相当するものに固定しているが、所定の無効電力の上限値に固定するようにしてもよい。また、系統インピーダンスZが下限値Zを下回る場合、無効電力Qを一定力率fp(=1)に相当するものに固定しているが、所定の無効電力の下限値に固定するようにしてもよい。
(3)最適出力演算部4は、系統インピーダンスZが比較的小さい場合であって(図5参照)、系統電圧下げ方向の無効電力が小さくなることによりインバータ8から連系点に出力される無効電力の方向が反転しようとするときには、連系点に出力する無効電力をゼロに設定するようにインバータ8を制御するようにしてもよい。
(4)最適出力演算部4は、系統インピーダンスが上限値Zを超える場合には、当該上限値Zに相当する無効電力を出力するようにインバータ8を制御し、かつ、有効電力が定格出力PG1のときにおける上限値Zに相当する無効電力QG1が分散型電源の定格容量SG1との間で下記関係式(12)を満たすようにインバータ8を制御してもよい。
Figure 2007300784
C:第3実施形態(連系点電圧依存無効電力制御方式)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本第3実施形態は、連系点電圧Vに関して上限値Vと下限値Vとを設定し、当該上限値V及び下限値Vに対する連系点電圧Vの大小関係に基づいて有効電力Pを連系点に出力した場合の連系点電圧Vの変動を最小値に抑制し得る無効電力Qを最適値とするものである。本明細書では、このような制御方式を「連系点電圧依存無効電力制御方式」と言う。
すなわち、本第3実施形態における分散型電源PW1は、記憶部5に連系点電圧Vに関する上限値Vと下限値Vとが予め記憶されている。最適出力電力演算部4は、検出電力演算部3を介して電圧計1から入力された連系点電圧Vを上記記憶部5に予め記憶された上限値V及び下限値Vと比較することにより、連系点電圧Vが上記上限値V及び下限値Vによって規定される許容電圧範囲にあるかあるいは上記上限値Vを越えているかを判定する。
そして、最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vが許容電圧範囲にある場合、つまりV≧V≧Vの場合は、下記関係式(13)によって与えられる無効電力Qを最適値とし、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合、つまりV>Vの場合には、力率fp(=cosφ)が所定の一定値(例えば0.85)となる無効電力Qを最適値とする。この関係式(13)は、有効電力P、無効電力Q、連系点電圧V、下限値V、上限値V及び力率fp(=cosφ)との関係を示すものである。
Figure 2007300784
図6は、このような「連系点電圧依存無効電力制御方式」の特徴を示す模式図である。この図6に示されているように、本第3実施形態の最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vが下限値Vと上限値Vとの間にある場合は、連系点電圧Vの変化に対して無効電力Qを上記関係式(13)に基づいて直線的に変化させるが、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合には、無効電力Qを一定力率fp(=0.85)に相当するものに固定し、また、連系点電圧Vが下限値Vを下回る場合には、無効電力Qを一定力率fp(=1)に相当するものに固定する。
このような本第3実施形態によれば、インバータ8からは有効電力Pに加えて上記最適値に一致した無効電力Qが連系点に出力されるので、有効電力Pに起因する連系点電圧Vの電圧変動は最小限に抑制される。
また、本第3実施形態によれば、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合には、インバータ8から連系点に出力される無効電力Qは力率cosφが一定値(例えば0.85)に相当するものに固定されるので、インバータ8の最大出力容量は連系点電圧Vに関する上限値Vを設けていない特願2004−316928及び特願2005−168484のインバータの最大出力容量よりも小さくて良く、よってインバータ8を小型化かつ低コスト化、つまり分散型電源PW1を小型化かつ低コスト化することができる。
なお、この第3実施形態については、以下に示すような種々の変形例が考えられる。
(1)本実施形態では、連系点電圧Vが下限値Vと上限値Vとの間にある場合は、連系点電圧Vの変化に対して無効電力Qを関係式(13)に基づいて直線的に変化させ、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合及び下限値Vを下回る場合は、無効電力Qを一定力率に相当するものに固定しているが、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合、下限値Vを下回る場合とも、連系点電圧Vの変化に対して無効電力Qを関係式(13)に基づいて直線的に変化させてもよい。また、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合または下限値Vを下回る場合のみ、無効電力Qを一定力率に相当するものに固定してもよい。
(2)本実施形態では、連系点電圧Vが上限値Vを越える場合、無効電力Qを一定力率fp(=0.85)に相当するものに固定しているが、所定の無効電力の上限値に固定するようにしてもよい。また、連系点電圧Vが下限値Vを下回る場合、無効電力Qを一定力率fp(=1)に相当するものに固定しているが、所定の無効電力の下限値に固定するようにしてもよい。
(3)最適出力演算部4は、連系点電圧Vが比較的小さい場合であって(図6参照)、系統電圧下げ方向の無効電力が小さくなることによりインバータ8から連系点に出力される無効電力の方向が反転しようとするときには、連系点に出力する無効電力をゼロに設定するようにインバータ8を制御するようにしてもよい。
(4)最適出力演算部4は、連系点電圧が上限値Vを超える場合には、当該上限値Vに相当する無効電力を出力するようにインバータ8を制御し、かつ、有効電力が定格出力PG1のときにおける上限値Vに相当する無効電力QG1が分散型電源の定格容量SG1との間で関係式(12)を満たすようにインバータ8を制御してもよい。
D:第4実施形態(不感帯付基準電圧制御方式)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本第4実施形態は、連系点電圧Vに関して制御上限値VH0と制御下限値VL0とを設定し、当該制御上限値VH0及び制御下限値VL0に対する連系点電圧Vの大小関係に基づいて、当該連系点電圧Vが所定の電圧範囲に収まるように分散型電源PW1が連系点に無効電力Qを出力するものである。本明細書では、このような制御方式を「不感帯付基準電圧制御方式」と言う。
図7は、このような「不感帯付基準電圧制御方式」の特徴を示す模式図である。
この図7に示すように、上記分散型電源PW1の最適出力電力演算部4は、記憶部5に予め記憶している連系点電圧Vに関する制御上限値VH0と制御下限値VL0とに基づき、連系点電圧Vが上記制御上限値VH0と制御下限値VL0とによって規定される電圧範囲から逸脱すると無効電力Qを出力するよう無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。
例えば連系点電圧Vが制御上限値VH0を越えると、最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vを低下させる上記制御上限値VH0を維持するような無効電力(既存の配電系統から見て位相遅れの無効電力)を連系点に出力するよう無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。この結果、連系点電圧Vは上限値VH0を大きく越えることがなく、上記制御上限値VH0に維持される。そして、最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vが制御上限値VH0を維持するのに配電系統から見て位相遅れの無効電力が必要なくなったと判定すると、無効電力の連系点への出力を停止するよう無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。
一方、連系点電圧Vが制御下限値VL0よりも低下すると、最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vを上昇させ上記制御下限値VL0を維持するような無効電力(既存の配電系統から見て位相進みの無効電力)を連系点に出力するよう無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。この結果、連系点電圧Vは制御下限値VL0を大きく下回ることがなく、上記制御下限値VL0に維持される。そして、最適出力電力演算部4は、連系点電圧Vが制御下限値VL0を維持するのに配電系統から見て位相進みの無効電力が必要なくなったと判断すると、無効電力の連系点への出力を停止するよう無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。
このように、本第4実施形態によれば、連系点電圧Vが所定の電圧範囲から逸脱しないように分散型電源PW1から無効電力を連系点に出力するので、連系点電圧Vの大幅な電圧変動ΔVを所定の電圧範囲内に抑制することができる。
また、本第4実施形態によれば、連系点電圧Vが所定の許容電圧範囲から逸脱しそうな状態のときのみに分散型電源PW1から無効電力を連系点に出力するので、インバータ8の最大出力容量は、連系点電圧Vに関する制御上限値VH0を設けていない特願2004−316928及び特願2005−168484のインバータの最大出力容量よりも小さくて良く、よって分散型電源PW1を小型化かつ低コスト化することができる。
なお、本第4実施形態においては、インバータ8から連系点に無効電力を出力しない通常運転モードと、インバータ8から連系点に無効電力を出力することにより連系点電圧を前記制御上限値VH0または前記制御下限値VL0に制御する電圧補償運転モードとの2つの運転モードを備える構成を採用し、通常運転モードにおいて、電圧計1が検出した連系点電圧が上記制御上限値VH0よりも高くなったとき及び電圧計1が検出した連系点電圧が上記制御下限値VL0よりも低くなったときに制御上限値VH0または制御下限値VL0を維持するような無効電力を出力する電圧補償運転モードに移行し、また電圧補償運転モードにおいては、無効電力出力の極性が反転したときに通常運転モードに移行するようにしても良い。このとき、無効電力出力の極性反転の判定条件を厳密に「0」とするのではなく若干の余裕を持たせ、極性反転後微小な出力の間は電圧補償運転モードを維持するようにすることにより、通常運転モードと電圧補償運転モードの間で移行の際のチャタリングを防止することもできる。
図8は、軽負荷時について、上述した各実施形態の制御方式の効果を特願2004−316928及び特願2005−168484に記載された制御方式、通常の制御方式及び分散型電源がない場合(既存の配電系統に接続されていない場合)の効果と比較対照したシミュレーション結果である。また、図9は、重負荷時について、上述した各実施形態の制御方式の効果を特願2004−316928及び特願2005−168484に記載された制御方式、通常の制御方式及び分散型電源がない場合(既存の配電系統に接続されていない場合)の効果と比較対照したシミュレーション結果である。
これら図8及び図9におけるシミュレーション設定は、変圧器及び高圧配電線を介して配電所に接続された既存の低圧配電線に所定距離を隔てて4つの負荷が接続され、当該4つの負荷の各々に上述した各実施形態の分散型電源が接続(連系)している状態である。図8及び図9は、このようなシミュレーション設定における各連系点(ノード)の連系点電圧の値(100Vを1として正規化した値)を上段に、また各連系点(ノード)の無効電力の値(正規化した値)を下段示している。
なお、これら図8及び図9において、「力率1制御方式」は、既存の配電系統における通常の制御方式であり、無効電力を出力しない(したがって、力率は常に1となる)制御方式である。また、「Zカメレオン方式」は、特願2004−316928及び特願2005−168484に記載された制御方式のうち、系統インピーダンスの推定値に基づいて無効電力の最適値を設定する方法であり、「理想カメレオン方式」は、特願2004−316928及び特願2005−168484に記載された制御方式のうち、最適値探索法を用いて無効電力の最適値を設定する方法である。
これら図8及び図9を見ると、上述した各実施形態の制御方式は、連系点電圧が許容電圧範囲内に抑えられていると共に、無効電力の大きさが特願2004−316928及び特願2005−168484に記載された制御方式並びに通常の制御方式よりも抑制されていることが分かる。すなわち、上述した各実施形態の制御方式は、連系点電圧の抑制と無効電力の低出力化を実現するものである。
図10は、上述した各実施形態の制御方式におけるインバータ8の必要容量を特願2004−316928及び特願2005−168484に記載された制御方式である「理想カメレオン方式」及び通常の制御方式である「力率1制御方式」と比較した結果である。この図10は、上述した各実施形態の制御方式がインバータ8の必要容量を低減させることができるものであることを示している。
E:追加実施形態
次に、本発明の追加実施形態について説明する。
本追加実施形態は、上述した各実施形態における系統インピーダンスZの推定機能と当該機能によって得られた系統インピーダンスZの推定値に基づく連系点電圧Vの変動抑制機能とを別体の装置(インピーダンス推定装置及び系統インピーダンスZの推定機能を持たない分散型電源)として構成し、両装置を有線通信によって連携させることにより、上述した各実施形態における分散型電源と同一の機能を実現するものである。
図11は、本追加実施形態に係わる分散型電源の機能構成を示すブロック図である。この図に示すように、本分散型電源は、分散型電源本体PWHとインピーダンス推定装置IEと、両者を接続する通信線路TL(有線通信路)から構成されている。
なお、この図11では、図1に示した分散型電源PW1と同一の構成要素には同一符号を付している。
すなわち、分散型電源本体PWHは、分散型電源PW1の最適電力演算部4から系統インピーダンスZの推定機能を除外した機能を有する最適電力演算部4Aを備える点、またインピーダンス推定装置IEと通信を行う通信部11を備える点のみが分散型電源PW1と相違する。分散型電源本体PWHの最適電力演算部4Aは、通信部11を介してインピーダンス推定装置IEから入力された系統インピーダンスZの推定値と上述した力率の下限値とに基づいて、有効電力Pをインバータ8から連系点に出力した場合の連系点電圧Vの変動を最小値に抑制し得ると共にインバータ8の最大出力容量を抑制し得る無効電力Qを最適値として求め、この最適値の出力を指示する内容の無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。
通信部11は、通信線路TLを介してインピーダンス推定装置IEと各種情報の授受を行うために設けられたものである。すなわち、この通信部11は、インピーダンス推定装置IEから通信線路TLを介して受信された系統インピーダンスZの推定値を最適電力演算部4Aに出力する。
インピーダンス推定装置IEは、上述した分散型電源PW1の系統インピーダンスZの推定機能と全く同一の機能と、通信線路TLを介した通信部11との通信機能とを備えたものである。すなわち、このインピーダンス推定装置IEは、自ら有効電力Pおよび無効電力Qを系統に注入し(または無効電力Qを系統に注入し)、自ら検出した連系点の検出電力(=自ら注入したもの)及び連系点電圧Vに基づいて系統インピーダンスZを推定し、その推定結果を通信線路TLを介して通信部11に送信する。
インピーダンス推定装置IEは、図示するように線路a,bによって連系点に接続されており、線路aを介して系統インピーダンスZの推定に必要な電力を連系点に供給すると共に、線路bを介して系統インピーダンスZの推定に必要な連系点電圧Vを検出する。
このように構成された本追加実施形態に係わる分散型電源では、インピーダンス推定装置IEは、自ら注入し検出した上記検出電力の時系列データ及び連系点電圧Vに基づいて系統インピーダンスZの推定値を演算し、通信線路TLを介して分散型電源本体PWHの通信部11に送信する。そして、分散型電源本体PWHの通信部11は、インピーダンス推定装置IEから受信した系統インピーダンスZの推定値を最適電力演算部4Aに出力する。
最適電力演算部4Aは、このようにしてインピーダンス推定装置IEから得られた系統インピーダンスZの推定値と力率の下限値とに基づいて、有効電力Pをインバータ8から連系点に出力した場合の連系点電圧Vの変動を最小値に抑制し得ると共にインバータ8の最大出力容量を抑制し得る無効電力Qを最適値として求め、この最適値の出力を指示する内容の無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。
このような追加実施形態によれば、分散型電源本体PWHとインピーダンス推定装置IEとが別体として構成されているので、インピーダンス推定のための出力変動が困難な回転機型分散型電源にも適用可能である。このとき、注入する電力は、基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の無効電力(例えばn次高調波の無効電力QGn)または基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の有効電力及び無効電力(例えばn次高調波の場合には有効電力PGn及び無効電力QGn)であってもよい。特に、次数間高調波の無効電力または次数間高調波の有効電力及び無効電力を連系点に注入するインピーダンス推定法を採用したインピーダンス推定装置IEの場合、無効電力QGnまたは次数間高調波の有効電力PGn及び無効電力QGnの注入レベルを小さく抑えても系統インピーダンスZを正確に推定することができる。
また、本追加実施形態の分散型電源を、図4に示した複数の分散型電源が配電系統の同一地点または比較的近い地点に連系されている場合に適用すると、1つのインピーダンス推定装置の推定結果を複数の分散型電源本体で共有することができるので、インピーダンス推定装置を複数設けた場合の相互干渉を回避することができると共に、電力品質の低下を抑制することができる。したがって、本追加実施形態は、回転機型分散型電源を複数連系させる場合に最も効果的である。
また、本追加実施形態の複数の分散型電源が、配電系統の違う地点に連系され、かつ、それぞれ別体のインピーダンス推定装置を持っている場合にも適用できる。すなわち、それぞれのインピーダンス推定装置において、基本周波数の整数次高調波あるいは次数間高調波の有効電力・無効電力を注入してインピーダンスを推定する方法を採用する場合において、それぞれのインピーダンス推定装置が注入する整数次高調波あるいは次数間高調波の次数を異なるものとすることにより、インピーダンス推定時のインピーダンス推定装置間の相互干渉を回避することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記各実施形態では、既存の配電系統の低圧側に分散型電源を連系させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、配電系統の高圧側や送電系統等、既存の電力系統や商用電力系統に分散型電源を連系させる場合についても適用可能である。
(2)上記各実施形態では、分散型電源PW1について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明における分散型電源は、電力系統に連係される発電設備のうち、系統電圧を単独では決定できる程の影響力を電力系統に対して持たない比較的小容量の電源一般であり、具体的には太陽光発電、風力発電、小水力発電、燃料電池、熱電併給設備あるいはごみ焼却発電等である。
(3)上記第1実施形態では、条件式:R・P+X・Q=0を満足する無効電力Q、つまり分散型電源の出力に起因する系統の電圧降下Vdrop2(=R・P+X・Q)を最小化する無効電力Qを最適値としたが、最適値の定義はこれに限定されるものではない。例えば、電圧降下Vdrop2が所定のしきい値Vrefとなるように、つまりR・P+X・Q=Vrefなる条件式を満足する無効電力Qを最適値とすることによっても、分散型電源が連系点に出力する有効電力Pに起因する系統電圧の電圧変動を抑制することができる。
(4)上記第1実施形態の複数の分散型電源が同時に連立方程式(2)〜(4)に基づいて系統インピーダンスZを推定する場合において、各分散型電源で無効電力Qを変動させる時刻を異なるように設定する方法に変えて、その時刻を分散型電源毎に一定の周期でランダムに変更するようにしても良い。なお、この方法に加えて、系統インピーダンスZの推定値を2回連続して求め、その2つの推定値がある一定の誤差内で同じ値になることを確認する。このようにすれば、無効電力Q及び/または有効電力Pを変動させる時刻が他の分散型電源と一時的に一致した場合であっても、2回連続して一致する可能性は低いので、系統インピーダンスZが2回連続してある一定の誤差内で同じ値になれば、それは系統インピーダンス推定処理を行った分散型電源自身が求めた系統インピーダンスZであると判断できる。
(5)また、上記第1実施形態の複数の分散型電源が同時に周期変動法により系統インピーダンスZを推定する場合において、各分散型電源で無効電力Qを変動させる周期を異なるように設定する方法に変えて、その無効電力Q及び変動させる周期をある一定の期間毎に各分散型電源でランダムに変更するようにしても良い。なお、この方法に加えて、さらに周期を変更して系統インピーダンスZを2回連続して求めるようにする。このようにすれば、無効電力Q及び/または有効電力Pを変動させる周期が他の分散型電源と一時的に一致した場合であっても、2回連続して一致する可能性は低いので、系統インピーダンスZの推定値が2回連続して同じ値になれば、それは系統インピーダンス推定処理を行った分散型電源自身によって求められた系統インピーダンスZであると判断できる。また、配電系統電圧の周波数スペクトルを観測し、系統内に存在しない周波数成分で無効電力Q及び/または有効電力Pを変動させて系統インピーダンスZを推定しても良い。
(6)上記各実施形態では、本願発明を電力系統の一部である配電設備に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、電力系統から自立して運転している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統にも適用可能である。このような電力系統から自立して運転している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統の1つとして、例えばマイクログリッドがある。
現状では、マイクログリッドについて統一された定義は存在しないが、マイクログリッドは、分散型電源や電力貯蔵システムを組み合わせて構成され、分散型電源の発電量を調節することによって需要電量に見合った電力供給を実現するものであり、通常では電力系統から自立して運転されるが、必要に応じて電力系統と連系して運転される場合もある。このようなマイクログリッドの一構成要素として、本発明を適用することができる。
なお、マイクログリッドの定義の1つとして、自然エネルギーを利用した分散型電源を含む多様な分散型電源を構成要素とする、というものがあるが、本発明はこれに限定されない。ガスタービン等を利用し、自然エネルギーを利用していない分散型電源であり分散型電源の種類が1種類であっても良い。
(7)上記追加実施形態では、インピーダンス推定装置IEが線路bを介して系統インピーダンスZの推定に必要な連系点電圧Vを検出するようにしたが、これに代えて、分散型電源本体PWHで検出した連系点電圧Vを通信部11及び通信線路TLを介してインピーダンス推定装置IEに送信するようにしても良い。この場合、線路bは不要となる。
なお、上記各実施形態では、分散型電源PW1に電圧計1が内蔵されている場合について説明したが、電圧計1については、必ずしも分散型電源PW1内に設ける必要はなく、別体としても良い。すなわち、別体として設けられた電圧計1が検出した連系点電圧Vを、分散型電源PW1内の検出電力演算部3へ出力するようにしても良い(図示せず)。このことは、図4の分散型電源PW1が複数連係する場合でも同様である(図示せず)。
図11に示した例でも、分散型電源本体PWHと電圧計1とが必ずしも一体とする必要はなく、電圧計1を分散型電源本体PWHの外部に設置してもよい。すなわち、別体として設けられた電圧計1で検出した連系点電圧Vを、分散型電源本体PWH内の検出電力演算部3へ出力するようにしても良い(図示せず)。
また、図11に示した例において、分散型電源本体PWHの電圧計1に相当する装置を省略してインピーダンス推定装置IEを構成し、分散型電源本体PWHとは別体として設けられた電圧計1で検出した連系点電圧Vを分散型電源本体PWHとインピーダンス推定装置IEとに出力するようにしても良い。この場合は、別体として設けられた電圧計1で検出した連系点電圧Vを、分散型電源本体PWH内の検出電力演算部3と、インピーダンス推定装置IE内の検出電力演算部3に相当する装置へ出力する(図示せず)。この場合には、別体として設けられた電圧計1を分散型電源本体PWHとインピーダンス推定装置IEとが共用するので、部品点数が削減できるという利点がある。
本発明の第1実施形態に係わる配電設備の系統図である。 本発明の各実施形態における無効電力Qによる連系点電圧Vの変動抑制原理を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態における周期変動法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態において分散型電源PW1を複数連系した場合の配電系統の構成図である。 本発明の第2実施形態における無効電力の制御方式の特徴と示す模式図である。 本発明の第3実施形態における無効電力の制御方式の特徴と示す模式図である。 本発明の第4実施形態における無効電力の制御方式の特徴と示す模式図である。 本発明の各実施形態の軽負荷時における効果を示すシミュレーション結果である。 本発明の各実施形態の重負荷時における効果を示すシミュレーション結果である。 本発明の各実施形態における必要インバータ容量を示すシミュレーション結果である。 本発明の追加実施形態に係わる分散型電源の機能構成を示すブロック図である。
符号の説明
S…配電用変電所、C1…高圧配電線、T1,T2…配電用変圧器、C2…低圧配電線、PW1、PW11、PW12、PW13…分散型電源、L、L1、L2、L3…負荷、1…電圧計、2…電流計、3…検出電力演算部、4,4A…最適出力演算部、5…記憶部、6…出力電流設定部、7…出力電流制御部、8…インバータ、9…直流電源、10…連系リアクトル、11…通信部、PWH…分散型電源本体、IE…インピーダンス推定装置、TL…通信線路

Claims (19)

  1. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    前記電力系統の系統インピーダンスを推定すると共に、前記系統インピーダンスの推定値R+jX、有効電力P及び無効電力Qからなる下記関係式に基づいて連系点電圧の変動を最小化する無効電力Qの最適値を求め、この最適値を所定の力率下限値に制限して連系点に出力するように前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
    Figure 2007300784
  2. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記系統インピーダンスの推定値が大きいほど有効電力に対する連系点電圧下げ方向の無効電力の割合が大きくなるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
  3. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    前記電力系統の系統インピーダンスZを推定し、有効電力P、無効電力Q、系統インピーダンス推定値Z、前記系統インピーダンスZに関する所定の2値Z,Z(ただし、Z<Z)及び力率cosφからなる下記関係式に基づいた無効電力を出力するように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
    Figure 2007300784
  4. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が大きいほど有効電力に対する前記連系点電圧下げ方向の無効電力の割合が大きくなるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
  5. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段が検出した連系点電圧V、有効電力P、無効電力Q、連系点電圧Vに関する所定の2値V,V(ただし、V<V)及び力率cosφからなる下記関係式に基づいた無効電力を出力するように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
    Figure 2007300784
  6. 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が電力発生手段の出力容量を越えようとするときには、前記出力容量を越えないように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。
  7. 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が無効電力に関する所定の上限値を上回ろうとするときには、無効電力を前記上限値に設定するように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。
  8. 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が力率の下限値を下回ろうとするときには、前記力率の下限値を保つように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。
  9. 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が無効電力の下限値を下回ろうとするときには、無効電力を前記下限値に設定するように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。
  10. 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が力率の上限値を上回ろうとするときには、無効電力が当該力率の上限値を保つように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。
  11. 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力の方向が反転しようとするときには、前記無効電力をゼロに設定するように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。
  12. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記系統インピーダンスの推定値が所定の下限値と上限値とによって規定される許容インピーダンス範囲にある場合は、有効電力に対する無効電力の割合を、前記下限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を減少させる方向に変化させ、逆に前記上限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を増加させる方向に変化させるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
  13. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の下限値と上限値とによって規定される許容電圧範囲にある場合は、有効電力に対する無効電力の割合を、前記下限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を減少させる方向に変化させ、逆に前記上限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を増加させる方向に変化させるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
  14. 制御手段は、前記上限値を超える場合には、前記上限値に相当する無効電力を出力するように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項12または13記載の分散型電源。
  15. 制御手段は、前記下限値を下回る場合には、前記下限値に相当する無効電力を出力するように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項12ないし14いずれか一記載の分散型電源。
  16. 制御手段は、連系点系統電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が電力発生手段の出力容量を越えようとするときには、前記当該出力容量を越えないように前記電力発生手段を制御する
    ことを特徴とする請求項12ないし15いずれか一記載の分散型電源。
  17. 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
    有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
    連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の上限値を越えた場合は系統電圧下げ方向の無効電力を出力して前記連系点電圧を前記上限値に維持するように、また前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の下限値を下回った場合には系統電圧上げ方向の無効電力を出力して前記連系点電圧を前記下限値に維持するように前記電力発生手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする分散型電源。
  18. 前記電力発生手段から連系点に無効電力を出力しない通常運転モードと、無効電力を前記電力発生手段から連系点に出力することにより連系点電圧を前記上限値または前記下限値に制御する電圧補償運転モードとの2つの運転モードを持ち、
    前記通常運転モードにおいて、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が前記上限値よりも高くなったとき及び前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が前記下限値よりも低くなったときに前記電圧補償運転モードに移行し、
    前記電圧補償運転モードにおいては、無効電力出力の極性が反転したときに前記通常運転モードに移行する
    ことを特徴とする請求項17記載の分散型電源。
  19. 既存の電力系統に代えて、電力系統から自立して運転している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統と連系して電力を負荷に供給することを特徴とする請求項1ないし18いずれか一記載の分散型電源。
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