JP2007300784A - 分散型電源 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、既存の電力系統の系統インピーダンスを推定すると共に、この系統インピーダンスの推定値R+jX、有効電力PG及び無効電力QGからなる下記関係式に基づいて連系点電圧の変動を最小化する無効電力QGの最適値を求め、この最適値を所定の力率下限値に制限して連系点に出力するように前記電力発生手段を制御する制御手段とを具備する。
【選択図】図1
Description
分散型電源とは、その発電形態、規模、設置者を問わず、需要場所の近くに設置される発電設備のことを指す。例えば、自然エネルギーを利用した太陽光発電設備、風力発電設備などや、燃料を利用したエンジン発電システムやガスタービン発電システム、燃料電池、廃棄物発電設備、バイオマス発電設備などが挙げられる。また、これらのみならず、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池(NAS電池)、フライホイール、超電導エネルギー貯蔵装置(SMES)などの電力やエネルギーを貯蔵し放出するものなども分散型電源の概念に含まれる。
なお、分散型電源に関する系統点電圧の制御技術の1つとして、例えば下記特許文献1がある。
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(資源エネルギー庁)
を具備する、という手段を採用する。
A:第1実施形態(一定リミッタ付Zカメレオン方式)
図1は、本発明の第1実施形態に係わる配電設備の系統図である。本第1実施形態は、自らが出力する有効電力PGを定常的に制御し得ないタイプの分散型電源PW1を具備する配電設備に関する。
本配電設備では、上記分散型電源PW1と既存の配電系統とが連係して電力を負荷Lに供給する。分散型電源PW1と既存の配電系統との連系点における連系点電圧Vは、一般的には分散型電源PW1から出力される有効電力PGに依存して変動することになるが、本配電設備の分散型電源PW1は、自らが連系点に出力する有効電力PGに起因する連系点電圧Vの変動を抑制するように無効電力QGを設定して連系点に出力する。
また、有効電力PGおよび無効電力QGを、系統インピーダンスZを推定するのに必要最小限の短時間の間、瞬間的に変動させることによっても系統インピーダンスZを推定することができる。このように無効電力のみ、あるいは有効電力および無効電力を瞬間的に変動させる系統インピーダンスZの推定手法を本明細書では瞬時変動法という。
なお、最適出力演算部4は、このような系統インピーダンスZの推定処理を一定時間間隔で行うことにより、既存の配電系統およびその上位系の構成変更による系統インピーダンスZの変動に対して常に適切な最適値を推定する。
この図に示すように、最適出力電力演算部4は、規定時刻になると(ステップS1)、直流電源9の出力変動に応じてランダムに変動する有効電力PGと連系点電圧Vとを検出電力演算部3から時系列的に順次取得し(ステップS2)、有効電力PGの時系列データをFFT(Fast Fourier Transform)処理することによって該時系列データの最大周波数成分PG(ω0)を抽出する(ステップS3)。
まず、分散型電源PW11、PW12及びPW13が連立方程式(2)〜(4)を解くことにより系統インピーダンスZを推定する場合、各分散型電源は負荷L1、L2及びL3が変動することなく一定とみなせる短期間の3つの時刻について無効電力QGを意図的に変動させ、連系点1、2及び3での電圧変動ΔVを検出することになる。このような動作が同時に行われると、各連系点電圧Vの電圧変動ΔVの値は、各分散型電源が出力する無効電力QGに起因する電圧変動が重畳することになり、各連系点からみた系統インピーダンスZの推定値に誤差が生じることになる。
このような系統インピーダンスZの推定方法によれば、インピーダンス推定に起因する分散型電源PW11、PW12及びPW13の相互干渉を回避することができる。
なお、「比較的近い地点」とは、同一地点ではないが、系統インピーダンスの差が無視できる程度に近い地点を意味する。よって、一方のインピーダンス推定値を他方のインピーダンスと同じと見なして扱うことができるため、別々にインピーダンス推定を行う必要がない。
なお、「違う地点」とは、例えば、系統インピーダンスの差が、インピーダンス推定の際の推定誤差の範囲を逸脱するような、系統インピーダンスの差が無視できない程度に離れた地点を意味する。よって、一方のインピーダンス推定値を他方のインピーダンスと同じと見なして扱うことをせず、別々にインピーダンス推定を行う必要がある。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態と上記第1実施形態との相違点は、最適出力電力演算部4における無効電力QGの最適値の設定手法にある。したがって、以下の説明では、本第2実施形態における連系点電圧Vの制御方式について詳しく説明する。なお、本明細書では、このような制御方式を「系統インピーダンス依存Zカメレオン方式」という。
(1)本実施形態では、系統インピーダンスZが下限値ZLと上限値ZHとの間にある場合は、系統インピーダンスZの変化に対して無効電力QGを関係式(11)に基づいて直線的に変化させ、系統インピーダンスZが上限値ZHを越える場合及び下限値ZLを下回る場合は、無効電力QGを一定力率に相当するものに固定しているが、系統インピーダンスZが上限値ZHを越える場合、下限値ZLを下回る場合とも、系統インピーダンスZの変化に対して無効電力QGを関係式(11)に基づいて直線的に変化させてもよい。また、系統インピーダンスZが上限値ZHを越える場合または下限値ZLを下回る場合のみ、無効電力QGを一定力率に相当するものに固定してもよい。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本第3実施形態は、連系点電圧Vに関して上限値VHと下限値VLとを設定し、当該上限値VH及び下限値VLに対する連系点電圧Vの大小関係に基づいて有効電力PGを連系点に出力した場合の連系点電圧Vの変動を最小値に抑制し得る無効電力QGを最適値とするものである。本明細書では、このような制御方式を「連系点電圧依存無効電力制御方式」と言う。
また、本第3実施形態によれば、連系点電圧Vが上限値VHを越える場合には、インバータ8から連系点に出力される無効電力QGは力率cosφが一定値(例えば0.85)に相当するものに固定されるので、インバータ8の最大出力容量は連系点電圧Vに関する上限値VHを設けていない特願2004−316928及び特願2005−168484のインバータの最大出力容量よりも小さくて良く、よってインバータ8を小型化かつ低コスト化、つまり分散型電源PW1を小型化かつ低コスト化することができる。
(1)本実施形態では、連系点電圧Vが下限値VLと上限値VHとの間にある場合は、連系点電圧Vの変化に対して無効電力QGを関係式(13)に基づいて直線的に変化させ、連系点電圧Vが上限値VHを越える場合及び下限値VLを下回る場合は、無効電力QGを一定力率に相当するものに固定しているが、連系点電圧Vが上限値VHを越える場合、下限値VLを下回る場合とも、連系点電圧Vの変化に対して無効電力QGを関係式(13)に基づいて直線的に変化させてもよい。また、連系点電圧Vが上限値VHを越える場合または下限値VLを下回る場合のみ、無効電力QGを一定力率に相当するものに固定してもよい。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本第4実施形態は、連系点電圧Vに関して制御上限値VH0と制御下限値VL0とを設定し、当該制御上限値VH0及び制御下限値VL0に対する連系点電圧Vの大小関係に基づいて、当該連系点電圧Vが所定の電圧範囲に収まるように分散型電源PW1が連系点に無効電力QGを出力するものである。本明細書では、このような制御方式を「不感帯付基準電圧制御方式」と言う。
この図7に示すように、上記分散型電源PW1の最適出力電力演算部4は、記憶部5に予め記憶している連系点電圧Vに関する制御上限値VH0と制御下限値VL0とに基づき、連系点電圧Vが上記制御上限値VH0と制御下限値VL0とによって規定される電圧範囲から逸脱すると無効電力QGを出力するよう無効電力指令値を出力電流設定部6に出力する。
また、本第4実施形態によれば、連系点電圧Vが所定の許容電圧範囲から逸脱しそうな状態のときのみに分散型電源PW1から無効電力を連系点に出力するので、インバータ8の最大出力容量は、連系点電圧Vに関する制御上限値VH0を設けていない特願2004−316928及び特願2005−168484のインバータの最大出力容量よりも小さくて良く、よって分散型電源PW1を小型化かつ低コスト化することができる。
次に、本発明の追加実施形態について説明する。
本追加実施形態は、上述した各実施形態における系統インピーダンスZの推定機能と当該機能によって得られた系統インピーダンスZの推定値に基づく連系点電圧Vの変動抑制機能とを別体の装置(インピーダンス推定装置及び系統インピーダンスZの推定機能を持たない分散型電源)として構成し、両装置を有線通信によって連携させることにより、上述した各実施形態における分散型電源と同一の機能を実現するものである。
なお、この図11では、図1に示した分散型電源PW1と同一の構成要素には同一符号を付している。
なお、マイクログリッドの定義の1つとして、自然エネルギーを利用した分散型電源を含む多様な分散型電源を構成要素とする、というものがあるが、本発明はこれに限定されない。ガスタービン等を利用し、自然エネルギーを利用していない分散型電源であり分散型電源の種類が1種類であっても良い。
Claims (19)
- 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記系統インピーダンスの推定値が大きいほど有効電力に対する連系点電圧下げ方向の無効電力の割合が大きくなるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする分散型電源。 - 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が大きいほど有効電力に対する前記連系点電圧下げ方向の無効電力の割合が大きくなるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする分散型電源。 - 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が電力発生手段の出力容量を越えようとするときには、前記出力容量を越えないように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。 - 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が無効電力に関する所定の上限値を上回ろうとするときには、無効電力を前記上限値に設定するように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。 - 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が力率の下限値を下回ろうとするときには、前記力率の下限値を保つように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。 - 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が無効電力の下限値を下回ろうとするときには、無効電力を前記下限値に設定するように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。 - 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が力率の上限値を上回ろうとするときには、無効電力が当該力率の上限値を保つように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。 - 制御手段は、連系点電圧下げ方向の無効電力が小さくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力の方向が反転しようとするときには、前記無効電力をゼロに設定するように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれか一記載の分散型電源。 - 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記系統インピーダンスの推定値が所定の下限値と上限値とによって規定される許容インピーダンス範囲にある場合は、有効電力に対する無効電力の割合を、前記下限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を減少させる方向に変化させ、逆に前記上限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を増加させる方向に変化させるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする分散型電源。 - 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の下限値と上限値とによって規定される許容電圧範囲にある場合は、有効電力に対する無効電力の割合を、前記下限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を減少させる方向に変化させ、逆に前記上限値に近いほど連系点電圧下げ方向の無効電力を増加させる方向に変化させるように、前記電力発生手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする分散型電源。 - 制御手段は、前記上限値を超える場合には、前記上限値に相当する無効電力を出力するように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項12または13記載の分散型電源。 - 制御手段は、前記下限値を下回る場合には、前記下限値に相当する無効電力を出力するように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項12ないし14いずれか一記載の分散型電源。 - 制御手段は、連系点系統電圧下げ方向の無効電力が大きくなることにより電力発生手段から連系点に出力される無効電力が電力発生手段の出力容量を越えようとするときには、前記当該出力容量を越えないように前記電力発生手段を制御する
ことを特徴とする請求項12ないし15いずれか一記載の分散型電源。 - 既存の電力系統と連系して電力を負荷に供給する分散型電源であって、
有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生手段と、
連系点電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の上限値を越えた場合は系統電圧下げ方向の無効電力を出力して前記連系点電圧を前記上限値に維持するように、また前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が所定の下限値を下回った場合には系統電圧上げ方向の無効電力を出力して前記連系点電圧を前記下限値に維持するように前記電力発生手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする分散型電源。 - 前記電力発生手段から連系点に無効電力を出力しない通常運転モードと、無効電力を前記電力発生手段から連系点に出力することにより連系点電圧を前記上限値または前記下限値に制御する電圧補償運転モードとの2つの運転モードを持ち、
前記通常運転モードにおいて、前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が前記上限値よりも高くなったとき及び前記電圧検出手段が検出した連系点電圧が前記下限値よりも低くなったときに前記電圧補償運転モードに移行し、
前記電圧補償運転モードにおいては、無効電力出力の極性が反転したときに前記通常運転モードに移行する
ことを特徴とする請求項17記載の分散型電源。 - 既存の電力系統に代えて、電力系統から自立して運転している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統と連系して電力を負荷に供給することを特徴とする請求項1ないし18いずれか一記載の分散型電源。
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