以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る点灯装置100の構成を示すブロック図である。
図1において、点灯装置100は、点灯回路10(点灯部)、調光制御回路12(調光制御部)、寿命末期検出回路13(検出部)、計時部14、不揮発性メモリ15(記憶部)を備える。
点灯回路10は、商用電源ACから交流電流の入力を受け付け、光源LA(ランプ)に電力を供給する。点灯回路10は、光源LAの点灯を制御する点灯制御回路11を備える。点灯制御回路11は、調光制御回路12から調光制御信号の入力を受け付け、調光制御信号に従って光源LAの点灯制御を行う。即ち、光源LAを点灯させるとともに調光する。また、点灯制御回路11は、寿命末期検出回路13から消灯制御信号の入力を受け付け、消灯制御信号に従って光源LAの点灯制御を行う。即ち、光源LAを消灯させる。
調光制御回路12は、点灯回路10に対して調光制御を行う。具体的には、調光制御回路12は、計時部14のタイマで計測された時間(カウンタ)に応じて、調光制御信号(点灯制御信号)を点灯回路10に入力する。
寿命末期検出回路13は、光源LAの寿命末期を検出する。具体的には、寿命末期検出回路13は、光源LAの異常を検出すると、光源LAが寿命末期であると判断し、光源LAが消灯するように、消灯制御信号を点灯回路10に入力する。このとき、寿命末期検出回路13は、光源LAの異常を検出したことを示す検出信号を調光制御回路12に入力する。寿命末期検出回路13は、光源LAの異常を検出していない場合には、光源LAが正常であることを示す検出信号を調光制御回路12に入力する。即ち、寿命末期検出回路13は、光源LAの状態を検出し、光源LAの状態を示す検出信号を調光制御回路12に入力する。
調光制御回路12は、寿命末期検出回路13から光源LAの異常を検出したことを示す検出信号が入力された後、例えば光源LAが交換されたり、商用電源ACがオフ状態からオン状態に変化する操作が行われたりしたことを検知すると、光源LAが交換されたと判断する。即ち、調光制御回路12は、寿命末期検出回路13が検出した光源LAの状態に基づいて、光源LAが交換されたか否かを判断する。
本実施の形態において、調光制御回路12や寿命末期検出回路13といった点灯装置100の各部は、例えばマイコンにより実装可能である。マイコンが独自に備えるROM(メモリ)又は不揮発性メモリ15には、点灯装置100の各部の動作を実装したプログラムが予め格納される。そして、マイコンが備えるプロセッサによりプログラムが読み出され、実行されることにより、点灯装置100の各部の動作が実現される。
計時部14は、光源LAの点灯時間を計測する。計時部14は、総累積点灯時間Tを計測する第1タイマ14aと、累積点灯時間T1(光源累積点灯時間)を計測する第2タイマ14bとを備える。総累積点灯時間Tは、点灯装置100(照明器具)を天井等に設置してから現在までに、光源LAを点灯している時間の累計(点灯装置100としてのトータル点灯時間)である。即ち、総累積点灯時間Tは、光源LAの交換によらず(交換前と交換後の光源LAの区別なく)点灯回路10が光源LAを点灯させた時間の累計である。累積点灯時間T1は、1つの光源LAを点灯装置100に取り付けて(交換)から現在までに、その光源LAを点灯している時間の累計(光源LA個々の点灯時間)である。即ち、累積点灯時間T1は、現在取り付けられている光源LAを点灯回路10が点灯させた時間の累計である。第1タイマ14aは、寿命末期検出回路13等によって光源LAの異常が検出されたり、光源LAが交換されたりしても、リセットされることはない。即ち、総累積点灯時間Tはリセットされない。一方、第2タイマ14bは、光源LAが交換されたと調光制御回路12によって判断される度に、調光制御回路12によってリセットされる。即ち、累積点灯時間T1は光源LAの交換ごとにリセットされる。
不揮発性メモリ15は、計時部14の第1タイマ14aで計測された総累積点灯時間Tと、計時部14の第2タイマ14bで計測された累積点灯時間T1を記憶する。なお、計時部14は、点灯装置100が光源LAを点灯させている通常時は、不図示の揮発性メモリに総累積点灯時間Tと累積点灯時間T1を記憶させ、所定のタイミングにのみ、不揮発性メモリ15に総累積点灯時間Tと累積点灯時間T1を記憶させる。所定のタイミングとは、例えば、商用電源ACの供給が途絶えたときや、所定時間ごと(例えば1時間ごと)等である。このように、不揮発性メモリ15に常に新しい総累積点灯時間T、累積点灯時T1を記憶させるのではなく、所定のタイミングにのみ記憶させることにより、不揮発性メモリ15の寿命を延ばすことができる。なお、不揮発性メモリ15の容量が十分に確保できる場合には、計時部14は、点灯装置100が光源LAを点灯させている通常時も、不揮発性メモリ15に総累積点灯時間Tと累積点灯時間T1を記憶させてよい。
ここで、累積点灯時間T1と光源LAの光出力、光源LAの光束、光源LAの明るさ(照度)との関係を図2に示す。調光制御回路12から出力される調光制御信号の調光指令値(調光レベルを指定する信号値)は累積点灯時間T1が長くなるにつれ、高く設定される。そのため、図2において、光源LAの光出力は、累積点灯時間T1が長くなるにつれ、大きくなっている。一方、光源LAの光束は、累積点灯時間T1が長くなるにつれ、光源LAの経年劣化により少なくなっている。調光制御回路12が調光指令値を適切に設定することで、光束の減少によって低下する明るさを光出力の増加によって補うことができるため、累積点灯時間T1が長くなっても、光源LAの明るさを略一定に保つことが可能である。
また、ここで、光源LAが寿命末期になったときを考える。
寿命末期とは、光源LAが光を出力できない状態(光源LAが異常な状態)をいうものとし、光源LAが経年劣化により不点灯となった状態のほか、光源LAが故障した状態も含むものとする。例えば、光源LAが蛍光灯であるときは、フィラメントに付着するエミッション物質がなくなった状態(放電が維持できない程度までエミッション物質が少なくなった状態を含む)、フィラメントが断線した状態、蛍光灯が内部のガス抜け等によって不点灯となった状態が、寿命末期に該当する。また、光源LAがLEDであるときは、LEDの半導体素子がショートした状態又はオープンになった状態が、寿命末期に該当する。
一般的に、光源LAの寿命に対して、点灯装置100の寿命は長い。そのため、光源LAが寿命末期となっても点灯装置100は機能を損なっておらず、光源LAを新しいものに交換すると、光源LAを点灯させることができる。このとき、交換された光源LAは新しいものであり、光劣化がないことから、従来は、点灯装置100の調光度を初期値に戻していた。しかしながら、光源LAを交換しても、照明器具(点灯装置100)の反射板等に付着するほこりや、経年劣化による反射板等の塗装変色等の影響を受け、照明器具としての照度低下は改善されない。そのため、調光度を初期値に戻してしまうと、照明器具の設置初期状態(照明器具を天井等に設置したときの状態)に比べて、照明器具全体としての照度が低下することになる。そこで、本実施の形態では、光源LAが新しいものに交換されたとき、調光度を初期値に戻す代わりに、照明器具全体としての照度が低下しないように調光度を適切な値に調節する。つまり、調光制御回路12が調光指令値を、より適切に設定することで、光束の減少によって低下する明るさを光出力の増加によって補うことができるため、総累積点灯時間Tが長くなっても、光源LAの明るさを略一定に保つことが可能となる。
以下では、点灯装置100の動作について説明する。
図3は、累積点灯時間T1と光源LAの調光度(光出力)Wとの関係を示すグラフであり、図4は、総累積点灯時間Tと器具劣化補正値D1との関係を示すグラフである。
図3に示すように、調光制御回路12は、光源LAの調光度Wを、累積点灯時間T1に従い決定する。具体的には、図4に示すように、調光制御回路12は、総累積点灯時間Tと器具の光束劣化関数f(T)=B1×Tにより、光源LAが交換されて光源LAが点灯する累積点灯時間T1が0のときに定める器具劣化補正値D1(調光度の補正値)を算出する。そして、図3に示すように、調光制御回路12は、累積点灯時間T1と調光度Wの初期値C1と器具劣化補正値D1から、光源LAの調光度Wを算出する。なお、総累積点灯時間Tが0のとき、即ち、点灯装置100が未使用のとき、器具劣化補正値D1は0となる。
点灯している光源LAの調光度をW、累積点灯時間T1に対して予め定められた変化係数をA1、総累積点灯時間Tに対して予め定められた変化係数をB1、総累積点灯時間T=0のときに、出力開始する任意の設定値(予め定められた光源LAの調光度の初期値)をC1、総累積点灯時間Tに従い、器具劣化が考慮された補正値(器具劣化補正値)をD1とするとき、式1から式3に示す関係式が成り立つ。
W=A1×T1+(C1+D1)・・・(式1)
D1=f(T)・・・(式2)
f(T)=B1×T・・・(式3)
不揮発性メモリ15には、光源LAの調光度の初期値C1が予め記憶されている。また、不揮発性メモリ15には、累積点灯時間T1と光源LAの照度補正量との対応関係を定義する関数として第1関数h(T1)=A1×T1が予め記憶されている。また、不揮発性メモリ15には、総累積点灯時間Tと光源LAの照度補正量との対応関係を定義する関数として第2関数f(T)=B1×Tが予め記憶されている。調光制御回路12は、初期値C1と第1関数h(T1)と第2関数f(T)とを不揮発性メモリ15から読み出して使用し、光源LAの調光度W=h(T1)+f(T)+C1=A1×T1+B1×T+C1を算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度Wを指令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。
上記のように、本実施の形態において、点灯回路10は、交換自在の光源LAを点灯させる。累積点灯時間T1が所定の単位時間経過する度(例えば100時間ごと)に、調光制御回路12は、累積点灯時間T1と総累積点灯時間Tとに基づいて、現在取り付けられている光源LAの照度補正量を調光度Wとして算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度Wにて光源LAの調光をするよう命令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。これにより、点灯装置100全体としての光束減少に起因して低下する照度を補正するのに適切な調光度Wでの調光制御が可能となる。
また、本実施の形態において、計時部14は、累積点灯時間T1を計測する。寿命末期検出回路13は、光源LAの状態を検出する。調光制御回路12は、寿命末期検出回路13が検出した光源LAの状態に基づいて、光源LAが交換されたか否かを判断する。調光制御回路12は、光源LAが交換されたと判断する前は、第1初期調光度(予め定められた調光度の初期値C1)にて光源LAの点灯を開始するよう点灯回路10に命令する。また、調光制御回路12は、光源LAが交換されたと判断した後は、第1初期調光度より高い調光度の初期値である第2初期調光度(初期値C1+器具劣化補正値D1)にて光源LAの点灯を開始するよう点灯回路10に命令する。そして、光源LAの点灯を開始するよう点灯回路10に命令した後、調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じて、現在取り付けられている光源LAの照度を点灯開始時の照度と略等しくする調光度を新たな調光度Wとして算出する。そして、調光制御回路12は、算出した新たな調光度Wにて光源LAの調光をするよう点灯回路10に命令する。
また、本実施の形態において、計時部14は、さらに、総累積点灯時間Tを計測する。不揮発性メモリ15は、第1関数h(T1)=A1×T1+C1と、第2関数f(T)=B1×Tとを記憶する。
計時部14が計測した累積点灯時間T1が上記単位時間経過する度(例えば100時間ごと)に、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数h(T1)=A1×T1を用いて、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じた光源LAの照度補正量を第1補正量として算出する。また、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数f(T)=B1×Tを用いて、計時部14が計測した総累積点灯時間Tに応じた光源LAの照度補正量を第2補正量(器具劣化補正値D1)として算出する。そして、調光制御回路12は、予め定められた光源LAの調光度の初期値C1に、算出した第1補正量と第2補正量とを加算して調光度W=A1×T1+B1×T+C1を算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度Wにて光源LAの調光をするよう命令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。
つまり、調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数h(T1)=A1×T1から求まる光源LAの照度補正量を第1補正量として算出する。また、調光制御回路12は、計時部14が計測した総累積点灯時間Tに応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数f(T)=B1×Tから求まる光源LAの照度補正量を第2補正量として算出する。そして、調光制御回路12は、第1初期調光度に、算出した第1補正量と第2補正量とを加算して新たな調光度W(光源LAの交換直後は第2初期調光度に相当する)を算出する。
以上説明したように、本実施の形態において、調光制御回路12は、第1の初期電力から開始され、累積点灯時間T1に応じて、第1の初期電力で点灯したときの明るさと略等しくなるように、点灯回路10が光源LAに供給する電力を制御する。また、調光制御回路12は、寿命末期検出回路13が光源LAの異常を検出し、光源LAの異常が解除されたときは、光源LAが交換されたと判断して、第1の初期電力よりも高い第2の初期電力から開始され、累積点灯時間T1に応じて、第2の初期電力で点灯したときの明るさと略等しくなるように、点灯回路10が光源LAに供給する電力を制御する。
調光制御回路12は、光源LAが交換されたと判断する度に累積点灯時間T1を0にするとともに、器具劣化補正値D1を光束劣化関数f(T)から算出する。そして、調光制御回路12は、算出した器具劣化補正値D1を、光源LAの交換後の初期値C1に加えた調光度Wを示す調光制御信号を生成する。これにより、照明器具の器具効率の低下(光束減少)に応じた光源LAの照度補正をすることができ、照明器具としての照度を略一定に保つことができる。
なお、本実施の形態では、光源LAが交換されたことを、寿命末期検出回路13が光源LAの異常を検出し、その後光源LAの異常が解除されたことによって判断しているが、光源LAの交換を、機械スイッチ等を用いて検出してもよい。また、光源LAが寿命末期のときは必ず光源LAが交換されるので、光源LAが寿命末期であることを検出したときに累積点灯時間T1を0としてもよい。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
実施の形態1では、計時部14の第1タイマ14aが総累積点灯時間Tを計測するが、本実施の形態では、調光制御回路12が総累積点灯時間Tを算出する。そのため、計時部14は、第1タイマ14aを備えていなくてもよい。その他の部分について、本実施の形態に係る点灯装置100の構成は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。
まず、調光制御回路12の全体の動作フロー(点灯動作フロー)を説明する。
図5は、調光制御回路12の全体動作を示すフローチャートである。
図5の処理101において、商用電源ACが点灯装置100に投入されると、調光制御回路12に電力が供給され、点灯動作フローが開始される。
図5の処理102において、調光制御回路12は、初期の設定として、不揮発性メモリ15から各種記憶変数(異常フラグF、ステップ数n、カウント時間t、補正ステップ数x)を読み込む。初期状態(例えば、工場出荷時)では、各種記憶変数が初期値であるので、後述する処理106において、調光制御回路12は、器具劣化を考慮することなく、光源LAの点灯状態を制御する調光制御信号を、点灯制御回路11に出力することになる。このときの調光制御信号は、調光度Dimのデフォルト値(予め定められた初期値)を指令する信号となる。
図5の処理103において、調光制御回路12は、異常フラグFが立っているかどうか判定する。異常フラグFが立っているとき(F=1のとき)は、器具劣化関数設定フローに進む。器具劣化関数設定の処理では、総累積点灯時間Tを求めるための補正ステップ数xが演算され、不揮発性メモリ15に記憶される。具体的な処理については処理301〜304として後述する。異常フラグFが立っていないとき(F=0のとき)、即ち、通常の状態であるときは、通常の点灯動作を行うため、処理104に進む。通常の点灯動作では、累積点灯時間T1に応じて点灯回路10の出力を変化させる調光制御信号が出力される。なお、通常の点灯動作には、光源LAの点灯開始制御の動作も含むものとする。
図5の処理104において、調光制御回路12は、累積点灯時間T1に応じた動作ステップS(n)の設定処理を行う。動作ステップS(n)の設定処理では、累積点灯時間T1を表すステップ数nとカウント時間tが演算され、不揮発性メモリ15に記憶される。具体的な処理については処理201〜206として後述する。なお、処理201〜206の動作ステップS(n)の設定処理は、以下に説明する処理105以降の処理と並行して実施されるルーチンである。
図5の処理105(調光度Dim設定処理)において、調光制御回路12は、処理104で設定される動作ステップS(n)に対応する調光度DimをマイコンのROM等に予め記憶されている第1設定データから指令値として読み出す。
ここで、第1設定データの例として、動作ステップS(n)と調光度Dimとの対応関係を示すテーブルを図6に示す。図6において、ステップ数nは、0〜100の自然数である。動作ステップS(n)は、このステップ数nに応じた器具劣化補正値(調光度Dimの補正値)を示しており、例えば、動作ステップS(0)=0.0、動作ステップS(1)=0.5、動作ステップS(2)=1.0といった具合に設定される。調光度Dimのデフォルト値は、70.0%である。したがって、動作ステップS(0)に対応する調光度Dimは70.0%、動作ステップS(1)に対応する調光度Dimは70.5%、動作ステップS(1)に対応する調光度Dimは71.0%、・・・のように設定される。つまり、本実施の形態では、n≦60であれば動作ステップS(n)と調光度Dimとが比例するように設定される。
なお、ステップ数nの上限値(上記例では100)、下限値(上記例では0)は任意に選択できるものとし、またステップ数nは自然数ではなく整数であってもよい。また、調光度Dimのデフォルト値や、動作ステップS(n)に対応する器具劣化補正値も任意に設定できるものとする。本実施の形態では、第1設定データが予めテーブルとしてマイコンのROM等に記憶されており、調光制御回路12はテーブル参照によって第1設定データの値を算出するが、調光制御回路12が他の方法で第1設定データの値を算出するようにしてもよい。その場合、調光制御回路12は、例えば、n≦60であれば調光度Dim=70.0+0.5×nを算出し、n>60であれば調光度Dim=100.0と設定する。
図5の処理106において、調光制御回路12は、処理105で決定した調光度Dimを指令する調光制御信号を出力する。
図5の処理107(光源異常検出処理)において、調光制御回路12は、処理106で出力する調光制御信号によって点灯を制御している光源LAの状態(正常又は異常)を示す検出信号の入力を、寿命末期検出回路13から受け付ける。例えば、商用電源ACがオフ状態からオン状態に変化したときには、光源LAが異常であることを示す検出信号が入力される。
図5の処理108(光源異常判定処理)において、調光制御回路12は、処理107で入力された検出信号に基づき、光源LAが異常であるか判定する。光源LAが異常でないと判定したときは、処理109に進み、異常であると判定したときは、処理110に進む。
図5の処理109において、調光制御回路12は、処理104で設定される動作ステップS(n)のステップ数nに変化があったかどうかの判定を行う。ステップ数nに変化があったときは、処理105に戻り、調光制御回路12は、変化後の動作ステップS(n)に合わせて調光度Dimを変化させる。そして、処理106において、調光制御回路12は、変化させた調光度Dimを指令する調光制御信号を出力する。一方、ステップ数nに変化がなかったときは、処理106に戻り、調光制御回路12は、同じ調光度Dimを指令する調光制御信号を継続して出力する。調光制御回路12は、処理106以降、処理109までの処理をループさせる。即ち、調光制御回路12は、光源LAの状態を検出し、調光度Dimを調節するルーチンを実行する。
図5の処理110において、調光制御回路12は、動作ステップS(n)の設定処理(処理104)のフローを停止させるとともに、点灯回路10の出力を抑制又は停止させる調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
図5の処理111において、調光制御回路12は、光源LAが異常であることを、異常フラグFを立てて定義する(F=1とする)。これにより、次の処理103では、器具劣化関数設定フローに進むことになる。
図5の処理112において、調光制御回路12は、処理111で異常フラグFを立てた後、この異常フラグFの情報を不揮発性メモリ15に記憶させる。これにより、商用電源ACがオフ状態になる等、点灯装置100の電源がなくなったときに異常フラグFがリセットされないようにすることができ、処理103での判定がより確実に行えるようになる。
図5の処理113において、調光制御回路12は、光源LAを消灯させる消灯動作を行うための点灯制御信号を点灯制御回路11に入力する。なお、このとき、調光制御回路12は、実施の形態1と同様に、寿命末期検出回路13から点灯制御回路11に消灯制御信号を入力させてもよい。
次に、動作ステップS(n)の設定処理のフローについて説明する。
図7は、図5の処理104に相当する調光制御回路12の動作ステップS(n)の設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図7の処理201において、調光制御回路12は、カウント時間tをカウントする。カウント時間tの初期値は0であり、調光制御回路12は、計時部14の第2タイマ14bが計測する累積点灯時間T1が1時間経過する度に、カウント時間tを1つずつインクリメントする。
図7の処理202において、調光制御回路12は、カウント時間tが所定時間であるか判定する。所定時間とは、1,2,・・・,100のいずれかであるものとする。なお、所定時間の単位(上記例では1時間)、上限値(上記例では100)、下限値(上記例では1)は、別の値に設定してもよい。カウント時間tが所定時間のとき、処理203に進む。一方、カウント時間tが所定時間でないときは、処理204に進む。
図7の処理203において、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15にそのときのカウント時間tとステップ数nを記憶させる。
ここで、累積点灯時間T1は、式4のようにカウント時間tとステップ数nとで表される。
T1=n×100+t・・・(式4)
即ち、調光制御回路12は、カウント時間tとステップ数nを不揮発性メモリ15に記憶させることにより、累積点灯時間T1を時間単位の精度で不揮発性メモリ15に記憶させたことになる。なお、調光制御回路12は、ステップ数nの代わりに、動作ステップS(n)を不揮発性メモリ15に記憶させてもよい。
図7の処理204において、調光制御回路12は、カウント時間tが100時間に達したかどうか判定する。100時間は1ステップに相当する。カウント時間tが100時間に達しないときには、処理201に戻り、調光制御回路12は、引き続きカウント時間tのカウントを継続する。カウント時間tが100時間に達した(カウント時間tのカウントが1ステップと同じになった)ときには、処理205に進む。
図7の処理205において、調光制御回路12は、ステップ数nに1を加算する。即ち、調光制御回路12は、ステップ数n=n+1と設定する。これにより、動作ステップS(n)=S(n+1)となる。
図7の処理206において、調光制御回路12は、処理205でステップ数nを変化させたため、カウント時間tを0にして、処理201に戻り、引き続きカウントを行う。
前述したように、図5の処理105において、調光制御回路12は、図7の処理205で変化した動作ステップS(n)に応じて調光度Dimを変化させる。
次に、器具劣化関数設定フローについて説明する。
前述したように、器具劣化関数設定フローが開始されるのは、異常フラグFが立っているとき(F=1のとき)であり、図5の処理108にて光源LAが異常であると判定され、次に点灯動作(特に、図5の処理101〜103)が行われたときである。即ち、光源LAが異常であると判定された後に、例えば光源LAが交換されたり、商用電源ACがオフ状態からオン状態に変化する操作が行われたりしたことによって、調光制御回路12が、光源LAが交換されたと判断したときである。
図8は、調光制御回路12の器具劣化関数設定の処理の詳細を示すフローチャートである。
図8の処理301において、調光制御回路12は、式5より器具劣化時間(器具の使用時間)を求める。ここで、器具劣化関数をp、現在のステップ数をn、光源LAの交換後の初期(点灯開始時)の補正ステップ数をx、カウント時間をtとする。また、補正ステップ数xに対応する光源LAの交換直前(交換前の光源LAの寿命が尽きたとき)の器具劣化時間を求める関数をg(x)とする。
p=((n−x)×100+t)+g(x)・・・(式5)
式5において、第1項の(n−x)×100+tは累積点灯時間T1に相当する。このうち、(n−x)×100は交換前の光源LAの寿命が尽きたときから現在の光源LAの寿命が尽きるまでのステップ単位の精度での累積点灯時間であり、tはステップ数に反映されなかった累積点灯時間である。第2項のg(x)は交換前の光源LAの寿命が尽きるまでの総累積点灯時間Tに相当する。調光制御回路12は、光源LAの交換後の初期の補正ステップ数xに対応する総累積点灯時間T、即ち、器具劣化時間(器具劣化関数p)をマイコンのROM等に予め記憶されている第2設定データから読み出す。
ここで、光源LAの交換直前(交換前の光源LAの点灯終了時)の器具劣化時間(器具劣化関数p)と光源LAの交換直後(現在の光源LAの点灯開始時)の補正ステップ数xとの対応関係を示すグラフを図9に示す。また、第2設定データの例として、当該対応関係を示すテーブルを図10に示す。図9に示したグラフは、g(x)の逆関数を示すグラフに相当し、横軸に器具劣化時間、縦軸に補正ステップ数xを示している。図10において、例えば、光源LAの交換直前の器具劣化時間が0,1000,2000,・・・と長くなるにつれ、光源LAの交換直後の補正ステップ数xは0,1,2,・・・と大きく設定されている。つまり、本実施の形態では、光源LAの交換直前の器具劣化時間と光源LAの交換直後の補正ステップ数xとが比例するように設定されている。
なお、器具劣化時間と補正ステップ数xとの対応関係は任意に設定できるものとする。本実施の形態では、第2設定データが予めテーブルとしてマイコンのROM等に記憶されており、調光制御回路12はテーブル参照によって第2設定データの値を算出するが、調光制御回路12が他の方法で第2設定データの値を算出するようにしてもよい。その場合、調光制御回路12は、例えば、光源LAの交換直後の補正ステップ数xに基づき、g(x)=1000×xを計算して光源LAの交換直前の器具劣化時間を求める。また、逆に、調光制御回路12は、例えば、光源LAの交換直前の器具劣化時間を1000(別の値でもよい)で除算して、光源LAの交換直後の補正ステップ数xを算出する。
器具劣化関数pで求められる器具劣化時間は、tと同じ精度(この例では時間単位の精度)の総累積点灯時間Tである。即ち、調光制御回路12は、器具劣化関数p=((n−x)×100+t)+g(x)により、総累積点灯時間Tを算出する。
図8の処理302(器具劣化補正設定処理)において、調光制御回路12は、処理301で算出される器具劣化時間(器具劣化関数p)に対応する補正ステップ数xをマイコンのROM等に予め記憶されている第2設定データから読み出す。これにより、器具劣化を補う補正値(器具劣化補正値)が決定する。
図8の処理303において、調光制御回路12は、異常フラグF、カウント時間t、ステップ数nを設定する。異常フラグFはリセットする(F=0に設定する)。ステップ数nは処理302で求めた補正ステップ数xに設定する。カウント時間tはリセットする(t=0に設定する)。
図8の処理304において、調光制御回路12は、処理302で求めた補正ステップ数x、処理303で設定した異常フラグF、カウント時間t、ステップ数nを不揮発性メモリ15に記憶する。これにより、器具劣化補正値(補正ステップ数x)も決定し、動作ステップS(n)も決定したことになるため、点灯動作フローに戻る。その結果、動作ステップS(n)には、器具劣化補正値が反映された値が設定されることになる。
ここで、本実施の形態の具体例を説明する。
初期状態では、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=0、カウント時間t=0、補正ステップ数x=0となっている。
図5の処理101で点灯動作フローが開始されると、処理102で、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15から変数を読み込む。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、第1設定データ(図6のテーブル)を参照して動作ステップS(0)に対応する調光度Dim=70.0%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
処理104で、カウント時間tが1,2,・・・とカウントされていき、カウント時間t=100となると、調光制御回路12は、ステップ数nをインクリメントしてステップ数n=1に設定する。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、動作ステップS(1)に対応する調光度Dim=70.5%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。その後、ステップ数nの増加に従って、より高い調光度Dimを指令する調光制御信号が点灯制御回路11に入力される。
最初に取り付けられた光源LAの寿命が4050時間であったとする。即ち、最初の光源LAの寿命が尽きたとき、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=40、カウント時間t=50、補正ステップ数x=0となっていたとする。図5の処理101で点灯動作フローが再び開始されると、器具劣化関数設定フローにおいて、調光制御回路12は、第2設定データ(図10のテーブル)を参照してg(0)=0を求め、器具劣化関数p=((n−x)×100+t)+g(x)=4050を算出する。即ち、この時点での総累積点灯時間Tはステップ単位の精度で4000時間となる(カウント時間tは無視してよい)。調光制御回路12は、第2設定データを参照して器具劣化関数p=4000に対応する補正ステップ数x=4を求める。そして、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=補正ステップ数x=4、カウント時間t=0に更新する。
光源LAが交換され、図5の処理101で点灯動作フローが開始されると、処理102で、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15から変数を読み込む。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、第1設定データを参照して動作ステップS(4)に対応する調光度Dim=72.0%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
2番目に取り付けられた光源LAの寿命が6000時間であったとする。即ち、2番目の光源LAの寿命が尽きたとき、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=64、カウント時間t=0、補正ステップ数x=4となっていたとする。図5の処理101で点灯動作フローが再び開始されると、器具劣化関数設定フローにおいて、調光制御回路12は、第2設定データを参照してg(4)=4000を求め、器具劣化関数p=((n−x)×100+t)+g(x)=6000+4000=10000を算出する。即ち、この時点での総累積点灯時間Tはステップ単位の精度で10000時間となる。調光制御回路12は、第2設定データを参照して器具劣化関数p=10000に対応する補正ステップ数x=10を求める。そして、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=補正ステップ数x=10、カウント時間t=0に更新する。
光源LAが交換され、図5の処理101で点灯動作フローが開始されると、処理102で、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15から変数を読み込む。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、第1設定データを参照して動作ステップS(10)に対応する調光度Dim=75.0%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
その後、上記と同様の動作が行われる。
上記のように、本実施の形態において、不揮発性メモリ15は、ステップ数n(調光制御回路12によりインクリメントされるカウンタの値)と、補正ステップ数x(上記カウンタの初期値)と、補正ステップ数xと総累積点灯時間Tとの対応関係を定義する関数である第1関数(第2設定データ)と、ステップ数nと調光度Dimとの対応関係を定義する関数である第2関数(第1設定データ)とを記憶する。
光源LAが交換されたと判断する度に、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数を用いて、不揮発性メモリ15に記憶された補正ステップ数xに応じた総累積点灯時間Tを算出する。つまり、不揮発性メモリ15に記憶された補正ステップ数xに応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数から求まる総累積点灯時間Tを算出する。調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1に、算出した総累積点灯時間Tを加算して新たな総累積点灯時間Tを算出する。調光制御回路12は、当該第1関数を用いて、算出した新たな総累積点灯時間Tに応じた補正ステップ数xを新たな補正ステップ数xとして算出する。つまり、算出した新たな総累積点灯時間Tに応じて、当該第1関数から求まる補正ステップ数xを新たな補正ステップ数xとして算出する。そして、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数nと補正ステップ数xとを、算出した新たな補正ステップ数xに更新する。
また、計時部14が計測した累積点灯時間T1が所定の単位時間経過する度(例えば100時間ごと)に、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数nをインクリメントする。調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数を用いて、インクリメントしたステップ数nに応じた調光度Dimを算出する。つまり、インクリメントしたステップ数nに応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数から求まる調光度を新たな調光度Dimとして算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度Dimにて光源LAの調光をするよう命令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。
以上説明したように、本実施の形態において、調光制御回路12は、計時部14の計時による総累積点灯時間Tに代えて、光源LAの異常を検出するときに計時された累積点灯時間T1と、現在の補正値に対応する所定時間とを加算して算出し、この算出した結果から、予め定める器具の経年劣化を補うように設定された調光補正テーブルを参照して、新しい補正値を生成する。
実施の形態1では、総累積点灯時間Tを不揮発性メモリ15に記憶させなければならないため、その分の容量を確保しておく必要があるが、上記のように、本実施の形態では、その必要がない。また、本実施の形態では、計時部14の第1タイマ14aを省略することができる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態2との差異を説明する。
本実施の形態では、器具劣化補正値を設定する方法が実施の形態2と異なる。
本実施の形態に係る点灯装置100の構成は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。また、本実施の形態に係る点灯装置100の調光制御回路12の点灯動作フロー及び動作ステップS(n)の設定処理のフローは、図5及び図7に示した実施の形態2のものと同様である。
以下、器具劣化関数設定フローについて説明する。
図11は、調光制御回路12の器具劣化関数設定の処理の詳細を示すフローチャートである。
図11の処理401において、調光制御回路12は、式6より累積点灯時間T1を求める。ここで、現在のステップ数をn、現在の補正ステップ数をx、カウント時間をtとする。
T1=(n−x)×100+t・・・(式6)
式6において、第1項の(n−x)×100は交換前の光源LAの寿命が尽きたときから現在の光源LAの寿命が尽きるまでのステップ単位の精度での累積点灯時間であり、第2項のtはステップ数に反映されなかった累積点灯時間である。
図11の処理402(器具劣化補正設定処理)において、調光制御回路12は、処理401で算出される累積点灯時間T1に対応する追加補正ステップ数x0をマイコンのROM等に予め記憶されている第3設定データから読み出す。そして、調光制御回路12は、現在の補正ステップ数xに、読み出した追加補正ステップ数x0を加算して補正ステップ数xを更新する。これにより、器具劣化を補う補正値(器具劣化補正値)が決定する。
ここで、累積点灯時間T1と追加補正ステップ数x0との対応関係を示すグラフを図12に示す。また、第3設定データの例として、当該対応関係を示すテーブルを図13に示す。図12に示したグラフは、累積点灯時間T1から追加補正ステップ数x0を求める関数を示すグラフに相当し、横軸に累積点灯時間T1、縦軸に追加補正ステップ数x0を示している。図13において、例えば、累積点灯時間T1が0,1000,2000,・・・と長くなるにつれ、追加補正ステップ数x0は0,1,2,・・・と大きく設定されている。つまり、本実施の形態では、累積点灯時間T1と追加補正ステップ数x0とが比例するように設定されている。
なお、累積点灯時間T1と追加補正ステップ数x0との対応関係は任意に設定できるものとする。本実施の形態では、第3設定データが予めテーブルとしてマイコンのROM等に記憶されており、調光制御回路12はテーブル参照によって第3設定データの値を算出するが、調光制御回路12が他の方法で第3設定データの値を算出するようにしてもよい。その場合、調光制御回路12は、例えば、累積点灯時間T1を1000(別の値でもよい)で除算して、追加補正ステップ数x0を算出する。
図11の処理403において、調光制御回路12は、異常フラグF、カウント時間t、ステップ数nを設定する。異常フラグFはリセットする(F=0に設定する)。ステップ数nは処理402で更新した補正ステップ数xに設定する。カウント時間tはリセットする(t=0に設定する)。
図11の処理404において、調光制御回路12は、処理402で更新した補正ステップ数x、処理403で設定した異常フラグF、カウント時間t、ステップ数nを不揮発性メモリ15に記憶する。これにより、器具劣化補正値(補正ステップ数x)も決定し、動作ステップS(n)も決定したことになるため、点灯動作フローに戻る。その結果、動作ステップS(n)には、器具劣化補正値が反映された値が設定されることになる。
ここで、本実施の形態の具体例を説明する。
初期状態では、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=0、カウント時間t=0、補正ステップ数x=0となっている。
実施の形態2と同様に、図5の処理101で点灯動作フローが開始されると、処理102で、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15から変数を読み込む。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、第1設定データ(図6のテーブル)を参照して動作ステップS(0)に対応する調光度Dim=70.0%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
実施の形態2と同様に、処理104で、カウント時間tが1,2,・・・とカウントされていき、カウント時間t=100となると、調光制御回路12は、ステップ数nをインクリメントしてステップ数n=1に設定する。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、動作ステップS(1)に対応する調光度Dim=70.5%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。その後、ステップ数nの増加に従って、より高い調光度Dimを指令する調光制御信号が点灯制御回路11に入力される。
最初に取り付けられた光源LAの寿命が4050時間であったとする。即ち、最初の光源LAの寿命が尽きたとき、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=40、カウント時間t=50、補正ステップ数x=0となっていたとする。図5の処理101で点灯動作フローが再び開始されると、器具劣化関数設定フローにおいて、調光制御回路12は、累積点灯時間T1=(n−x)×100+t=4050を算出する。即ち、この時点での累積点灯時間T1はステップ単位の精度で4000時間となる(カウント時間tは無視してよい)。調光制御回路12は、第3設定データ(図13のテーブル)を参照して累積点灯時間T1=4000に対応する追加補正ステップ数x0=4を求める。そして、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された補正ステップ数x=補正ステップ数x+追加補正ステップ数x0=4に更新する。また、調光制御回路12は、ステップ数n=補正ステップ数x=4、カウント時間t=0に更新する。
実施の形態2と同様に、光源LAが交換され、図5の処理101で点灯動作フローが開始されると、処理102で、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15から変数を読み込む。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、第1設定データを参照して動作ステップS(4)に対応する調光度Dim=72.0%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
2番目に取り付けられた光源LAの寿命が6000時間であったとする。即ち、2番目の光源LAの寿命が尽きたとき、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数n=64、カウント時間t=0、補正ステップ数x=4となっていたとする。図5の処理101で点灯動作フローが再び開始されると、器具劣化関数設定フローにおいて、調光制御回路12は、累積点灯時間T1=(n−x)×100+t=6000を算出する。即ち、この時点での累積点灯時間T1はステップ単位の精度で6000時間となる。調光制御回路12は、第3設定データを参照して累積点灯時間T1=6000に対応する追加補正ステップ数x0=6を求める。そして、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された補正ステップ数x=補正ステップ数x+追加補正ステップ数x0=10に更新する。また、調光制御回路12は、ステップ数n=補正ステップ数x=10、カウント時間t=0に更新する。この時点での総累積点灯時間Tはステップ単位の精度で10000時間となっているが、実施の形態2と異なり、本実施の形態では、総累積点灯時間Tを明示的に計算する必要はない。しかしながら、上記のように、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、総累積点灯時間Tに応じた補正ステップ数xを設定することができる。
実施の形態2と同様に、光源LAが交換され、図5の処理101で点灯動作フローが開始されると、処理102で、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15から変数を読み込む。処理105〜109のループ処理で、調光制御回路12は、第1設定データを参照して動作ステップS(10)に対応する調光度Dim=75.0%を指令する調光制御信号を点灯制御回路11に入力する。
その後、上記と同様の動作が行われる。
上記のように、本実施の形態において、不揮発性メモリ15は、ステップ数n(調光制御回路12によりインクリメントされるカウンタの値)と、補正ステップ数x(上記カウンタの補正値)と、追加補正ステップ数x0と累積点灯時間T1との対応関係を定義する関数である第1関数(第3設定データ)と、ステップ数nと調光度Dimとの対応関係を定義する関数である第2関数(第1設定データ)とを記憶する。
光源LAが交換されたと判断する度に、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数を用いて、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じた追加補正ステップ数x0を新たな補正値として算出する。つまり、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数から求まる追加補正ステップ数x0を新たな補正値として算出する。調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された補正ステップ数xに、算出した新たな補正値を加算して補正ステップ数xを更新する。そして、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数nを、更新した補正ステップ数xに更新する。
また、計時部14が計測した累積点灯時間T1が所定の単位時間経過する度(例えば100時間ごと)に、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶されたステップ数nをインクリメントする。調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数を用いて、インクリメントしたステップ数nに応じた調光度Dimを算出する。つまり、インクリメントしたステップ数nに応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数から求まる調光度を新たな調光度Dimとして算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度Dimにて光源LAの調光をするよう命令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。
実施の形態2では、光源LAの交換ごとに、交換時までの総累積点灯時間Tから補正ステップ数xを決定するため、総累積点灯時間Tを明示的に計算する必要があるが、上記のように、本実施の形態では、交換前の光源LAの累積点灯時間T1から補正ステップ数xを決定できるため、総累積点灯時間Tを明示的に計算する必要がない。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
実施の形態1では、器具劣化を考慮し、劣化具合を求めて調光制御信号で指令する調光度に反映させるが、本実施の形態では、このように劣化具合を明示的に求めず、より簡易な方法で器具劣化を考慮した調光度の調節を行う。
本実施の形態に係る点灯装置100の構成は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。
以下では、点灯装置100の動作について説明する。
図14は、累積点灯時間T1と光源LAの調光度(光出力)Wとの関係を示すグラフである。
図14に示すように、工場出荷時等、総累積点灯時間Tが初期値のとき、調光制御回路12は、W1=a×T1+C1によって算出される最初の光源LAの調光度W1にて点灯回路10の点灯制御回路11を制御し、光源LAを点灯させる。このとき、aは予め定められた変化係数、T1は最初の光源LAの累積点灯時間、C1は予め定められた光源LAの調光度の初期値である。
光源LAの寿命が尽きたとき、寿命末期検出回路13は、光源LAの異常を検知し、点灯回路10の点灯制御回路11に消灯制御信号を入力する。このとき、点灯制御回路11は、点灯回路10の動作を停止させ、光源LAを消灯させる。
光源LAが交換されると、寿命末期検出回路13は、光源LAが正常であることを検知し、それを検出信号により調光制御回路12に通知する。調光制御回路12は、検出信号に従って、計時部14の第1タイマ14aでカウントされる総累積点灯時間Tに応じた補正カウント時間t0をマイコンのROM等に予め記憶されている第4設定データから読み出し、累積点灯時間T1の初期値とする。つまり、計時部14の第2タイマ14bは、補正カウント時間t0を初期値として、累積点灯時間T1のカウントを開始する。
ここで、第4設定データの例として、総累積点灯時間Tと補正カウント時間t0との対応関係を示すテーブルを図15に示す。図15において、例えば、総累積点灯時間Tが0,1000,2000,・・・と長くなるにつれ、補正カウント時間t0は0,50,100,・・・と大きく設定されている。つまり、本実施の形態では、総累積点灯時間Tと補正カウント時間t0とが比例するように設定されている。
なお、総累積点灯時間Tと補正カウント時間t0との対応関係は任意に設定できるものとする。本実施の形態では、第4設定データが予めテーブルとしてマイコンのROM等に記憶されており、調光制御回路12はテーブル参照によって第4設定データの値を算出するが、調光制御回路12が他の方法で第4設定データの値を算出するようにしてもよい。その場合、調光制御回路12は、例えば、総累積点灯時間Tを200(別の値でもよい)で除算して、補正カウント時間t0を算出する。
図14に示すように、調光制御回路12は、W2=a×T1+C1によって算出される2番目以降の光源LAの調光度W2にて点灯回路10の点灯制御回路11を制御し、光源LAを点灯させる。このとき、aとC1についてはW1の場合と同様であるが、T1は補正カウント時間t0を初期値とした2番目以降の光源LAそれぞれの累積点灯時間である。
上記のように、本実施の形態において、計時部14は、累積点灯時間T1だけでなく、総累積点灯時間Tを計測する。不揮発性メモリ15は、累積点灯時間T1と調光度との対応関係を定義する関数である第1関数k(T1)=a×T1+C1を記憶する。また、不揮発性メモリ15は、総累積点灯時間Tと補正カウント時間t0(累積点灯時間T1の補正値)との対応関係を定義する関数である第2関数(第4設定データ)を記憶する。
最初に取り付けられた光源LAが交換される前は、調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1が所定の単位時間経過する度(例えば100時間ごと)に、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数k(T1)=a×T1+C1を用いて、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じた調光度W1を算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度W1にて光源LAの調光をするよう命令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。
つまり、光源LAが交換されたと判断する前は、調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1に応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数k(T1)=a×T1+C1から求まる調光度を新たな調光度W1として算出する。
また、最初に取り付けられた光源LAが交換された後は、調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数を用いて、計時部14が計測した総累積点灯時間Tに応じた補正カウント時間t0を算出する。調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1に、算出した補正カウント時間t0を加算して補正時間を算出する。調光制御回路12は、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数k(T1)=a×T1+C1を用いて、当該補正時間に応じた調光度W2を算出する。そして、調光制御回路12は、算出した調光度W2にて光源LAの調光をするよう命令する調光制御信号を点灯回路10に入力する。
つまり、光源LAが交換されたと判断した後は、調光制御回路12は、計時部14が計測した総累積点灯時間Tに応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第2関数から求まる補正カウント時間t0を算出する。調光制御回路12は、計時部14が計測した累積点灯時間T1に、算出した補正カウント時間t0を加算して補正時間を算出する。そして、調光制御回路12は、当該補正時間に応じて、不揮発性メモリ15に記憶された第1関数k(T1)=a×T1+C1から求まる調光度を新たな調光度W2として算出する。
以上のように、本実施の形態では、総累積点灯時間Tに応じて、累積点灯時間T1のカウント開始時間を進めることで、照明器具の器具劣化を考慮した明るさを得ることができる。
ここで、社団法人照明学会・技術指針JIEG−001(2005)によれば、「照明器具光学系の劣化によって生ずる光束低下は、照明設備の使用開始後約10年経過した時点で、屋内で3%前後」である。また、蛍光ランプの寿命は、旧来6000時間であったが、近年9000時間、12000時間、20000時間と長寿命化が進んでいる。
したがって、照明器具光学系の劣化によって生ずる光束低下と、蛍光ランプの長寿命化を考慮して、1回目の交換後の調光率を71.5%程度(工場出荷時の調光率に対して1.5%程度増やす)にすれば、2回目以降の交換後の調光率を考慮しなくとも、大幅に照明器具としての明るさが変わることがなく、調光制御回路12の制御を簡素化することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。