JP5609455B2 - 鍛造方法 - Google Patents

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本発明は、ギアと内スプラインを有する製品を鍛造する技術に関する。
ベルト式の無段変速機(CVT)は、二つのプーリからなる対のプーリと動力伝達用の無端ベルト又はVベルトとを備え、ベルトの有効径を変更することによって変速比を無段階に変更可能である。無段変速機には車両停止用のパーキング機構が設けられており、通常は無段変速機からの出力側のプーリにパーキングギアが設けられている。
CVTのプーリでは、一組のプーリ部品(プーリ本体及びプーリシャフト)を、互いのプーリ面を対向させた状態でスプライン嵌合させることによって、一つのプーリとして使用される。プーリ本体は円筒状に形成され、プーリシャフトが貫通可能な孔を有する。その孔の内周には内スプラインが形成され、プーリシャフトの外スプラインと嵌合可能である。
そして、プーリ本体をプーリシャフトに対してスライドすること、すなわち、プーリ本体とプーリシャフトとの嵌合位置を変更することによって、プーリとベルトとの接触位置を変更し、動力伝達用ベルトの有効径を変更可能である。
パーキングギアは、歯数が少なく、かつ歯丈が高いため、従来の成形方法では、熱間鍛造で荒加工を施し、冷間鍛造で仕上げ加工することによって成形されている。
また、内スプラインは、スプラインを切るための下穴を機械加工により設けてから成形することによって得られる。
特許文献1には、パーキングギアと内スプラインとを有するプーリシャフトの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の製造方法では、内スプラインは機械加工によって設けられる下穴の内周面に成形されている。このため、粗材表面の潤滑が悪くなり成形型との間で焼きつきが生じやすい、下穴の底部をスプラインとして利用できない等の不利な点が含まれることとなる。
特開2007−301605号公報
本発明は、ギアと内スプラインを有する製品を鍛造する際に、下穴を設けることなく内スプラインを成形することが可能な鍛造技術を提供することを課題とする。
本発明の鍛造方法は、円筒状部材の外周面にギアが形成され、内周面に内スプラインが形成される製品を鍛造する方法であって、円柱状部材の外周面に前記ギアの荒歯を形成することにより構成されたワークを、上型と下型を具備する鍛造装置を用いた冷間鍛造によって前記製品形状に成形する工程を具備し、前記成形工程は、前記荒歯を前記ギアに仕上げるとともに、押し出し成形により前記ワークに有底の凹部および前記凹部の内周面に形成される内スプラインを成形する第一工程と、前記第一工程の押し出し成形によって、前記凹部の底部に生じる捨て軸を打ち抜き、前記製品形状を得る第二工程と、を含み、前記第一工程における前記内スプラインの成形時に、前記上型の中央に設けられた開口部に前記ワークの一部を流動させることで前記捨て軸を成形する
前記第一工程において、前記ギアと内スプラインとの間に、部品軽量化のための軽量化溝を同時に成形することが好ましい。
本発明によれば、ギアと内スプラインを有する製品を鍛造する際に、下穴を設けることなく内スプラインを成形することが可能な鍛造技術を提供できる。従って、下穴を設けてから内スプラインを成形する場合の不具合を回避でき、鍛造にかかる生産効率を向上できる。
製品(鍛造品)であるプーリ部品を示す図である。 熱間鍛造によって成形されるワークを示す図である。 冷間鍛造にてワークを成形する鍛造装置を示す図である。 鍛造装置によって成形される中間品及び中間品からプーリ部品への成形を示す図である。 鍛造方法のフローチャートである。 パーキングギア及び内スプラインを成形する工程を示す図である。 中間品を鍛造装置から取り外して排出する工程を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の鍛造方法の一実施形態について説明する。
本鍛造方法では、熱間鍛造によって所定形状に成形されたワークを、冷間鍛造によって製品に成形する。この冷間鍛造は、鍛造装置1・30を用いて行われる。鍛造装置1・30は、無段変速機(CVT)を構成するプーリの一部であるプーリ部品2を成形する。
製品であるプーリ部品2は、図1(a)に示すように、プーリ面3、パーキングギア4、内スプライン5を具備し、中空の円筒形状に形成される。
プーリ面3は、ベルトとの接触面として形成される斜面(テーパー面)であり、プーリ部品2の軸方向一側(外側)に形成される。パーキングギア4は、パーキング機構を構成する部位であり、適宜のラチェットと歯合する歯面を有する。パーキングギア4は、プーリ面3と反対側である軸方向他側(内側)の外周面に形成されるギアである。内スプライン5は、平行な凹溝であり、パーキングギア4と同じ側(内側)に形成されている。内スプライン5は、薄肉の底部を有する凹部の内周面に形成されている。
また、プーリ部品2のパーキングギア4の内周側(半径方向背面側)には、プーリ部品2の軽量化を目的とした軽量化溝6が形成される。
軽量化溝6は、パーキングギア4と内スプライン5との間(略中間位置)に設けられる軸方向を深さ方向とする凹部であり、プーリ部品2の内側面に形成される。このように軽量化溝6によって係る部位の厚みを薄くすることによって、その重量分だけプーリ部品2を軽量化している。
図1(b)に示すように、プーリ部品2は、シャフト部品7とスプライン嵌合することによって、プーリシャフトとして機能する。プーリ部品2の内スプライン5は、シャフト部品7との嵌合部であり、シャフト部品7の外周には、内スプライン5と嵌合可能な外スプラインが形成される。シャフト部品7は、プーリ部品2の中心部に設けられる孔を貫通した状態で、内スプライン5と嵌合して固定される。
こうして、プーリ部品2とシャフト部品7とが一体的に回転運動可能に固定される。言い換えれば、本実施形態におけるプーリシャフトは、プーリ部品2とシャフト部品7との分割構造を有する。
図1(c)に示すように、プーリ部品2とシャフト部品7とからなるプーリシャフトとともにプーリを構成するプーリ本体8は、シャフト部品7のシャフト部とスプライン嵌合するとともに、その嵌合位置を変更可能である。この位置変更は、油圧式のアクチュエータ等、適宜のリニア移動手段によって行われる。
プーリ本体8には、プーリ面3と対向するプーリ面9が形成される。プーリ面9は、プーリ面3と同形状に形成され、かつ、対称位置に配置される。このように形成されるプーリ面3・9によってベルトを挟持するとともに、プーリ面3・9を介してベルトの回転がプーリに伝達される。
以下、図2及び図3を参照して、鍛造装置1の構成について説明する。
鍛造装置1は、上型10と下型20とを具備し、上型10と下型20との間にワークWを配置し、ワークWを上型10と下型20とで挟み込んで押圧することによって、上型10及び下型20の表面形状(成形形状)に沿った鍛造品(中間品M)に鍛造する。
ワークWは、鍛造装置1による冷間鍛造の前に、熱間鍛造によって所定の形状に成形される成形素材である。
図2に示すように、ワークWは、円柱状の素材から熱間鍛造によって成形されるものであり、略円柱形状に成形される。ワークWは、プーリ部品2のパーキングギア4に対応する部位、すなわち略円柱形状の軸方向他側の外周面に、パーキングギア4の荒歯Rを含む形状に成形される。荒歯Rは、パーキングギア4の製品としての面粗度、形状精度を満たしていないものの、パーキングギア4の概略形状を有する歯面として成形されている。この荒歯Rは、鍛造装置1による冷間鍛造によって、パーキングギア4、つまり所定の製品精度を有する歯面に仕上げられる。
また、ワークWには、荒歯Rと同時に軽量化溝6の一部(詳細には、軽量化溝6における外周側の壁面)が成形されており、ワークWにおいて、プーリ部品2の内側(軸方向他側)、つまり内スプライン5が成形される側の面には、軸方向を深さ方向とし、軽量化溝6の外周壁面を含む凹部が成形される。
図3に示すように、上型10は、略円筒形状を有し、パンチ11、スリーブパンチ12、開口部13を具備する。上型10のパンチ11、スリーブパンチ12は、下型20に対して近接方向及び離間方向に移動可能である。
ワークWは、軸方向一側を上方に向けた姿勢で上型10と下型20との間に配置され、パンチ11は、ワークWの軸方向一側面(図6における上端面)の外周側を上方から押圧する。パンチ11のワークWとの接触面(成形面)は中央から外周に向けて下方に傾斜する傾斜面として形成される。パンチ11によってワークWを上方から押圧することによって、ワークWの軸方向一側部(図6における上部)がパンチ11の傾斜に沿って流動し、軸方向一側部(図6における上面)にプーリ面3が形成される。
スリーブパンチ12は、パンチ11の内周側に隣接して配置される。スリーブパンチ12の成形面は平坦面として形成される。
開口部13は、スリーブパンチ12の内周側(上型10の中央部)に設けられる。言い換えれば、開口部13によって上型10の中央が上方に向けて開放されている。これにより、上型10による押圧によって、ワークWの一部がスリーブパンチ12より内周側の開口部13に流出することとなる。
このように、上型10では、外周から中央に向けてパンチ11、スリーブパンチ12、開口部13の順に位置し、パンチ11及びスリーブパンチ12によってワークWに上方からの押圧力を付与する。この押圧によって、プーリ部品2のプーリ面3を形成するとともに、開口部13にワークWの一部を流動可能としている。
図3に示すように、下型20は、略円柱形状を有し、パーキングギアダイス21、ガイドダイス22、ガスクッション23、スペーサ24、スプラインパンチ25、ノックアウトピン26を具備する。
パーキングギアダイス21は、ワークWの荒歯Rをパーキングギア4に仕上げ成形する。パーキングギアダイス21は、上型10のパンチ11の下方であって、ワークWの荒歯Rに対応する位置、つまり下型20の外周部に配置される。パーキングギアダイス21の内周側面には、パーキングギア4の形状に応じた成形面が形成される。また、パーキングギアダイス21には、パーキングギア4を成形する部位の他にもプーリ面3の背面側の面(軸方向他側の面)を成形する成形面が形成されている。
上型10のパンチ11を下方に向けて移動させることによって、ワークWの外周部をパンチ11とパーキングギアダイス21とで挟み込み、パンチ11によってプーリ面3を成形するとともに、パーキングギアダイス21によってワークWの荒歯Rをパーキングギア4に成形する。
ガイドダイス22は、ワークWに軽量化溝6を成形する。ガイドダイス22は、上型10のパンチ11の下方であって、ワークWの軽量化溝6に対応する位置に配置される。ガイドダイス22は上方に向けて突出する形状を有し、その上面には、軽量化溝6の形状に応じた成形面が形成される。
上型10のパンチ11を下方に向けて移動させることによって、ワークWの荒歯R形成部分よりも半径方向内側の部分をパンチ11とガイドダイス22とで挟み込み、ワークWの内側部分(軸方向他側部;図6における下部)に軽量化溝6を成形する。
ガスクッション23は、パーキングギアダイス21及びガイドダイス22の下方に配置されるとともに、これらを支持しつつ、上方に向けた押圧力を発生させるアクチュエータである。ガスクッション23は、上下方向に伸縮可能なガスシリンダ、油圧シリンダ等によって構成されており、上方へ向けた所定の押圧力を常時発生させる。
ガスクッション23は、その押圧力によって、所定の加工中にパーキングギアダイス21及びガイドダイス22を上昇位置に保持する。また、ガスクッション23の押圧力よりも大きい外力が上方から加わった場合は、ガスクッション23が縮み、これに伴って、パーキングギアダイス21及びガイドダイス22が上昇位置から下降する。
スペーサ24は、ガスクッション23と、パーキングギアダイス21及びガイドダイス22との間に配置される板材であり、上下方向に所定の厚みを有する。すなわち、スペーサ24は、ガスクッション23からの押圧力を均等にパーキングギアダイス21及びガイドダイス22に伝達するためのクッション部材として機能する。
下型20では、ガスクッション23の伸縮に伴って、パーキングギアダイス21、ガイドダイス22、及びスペーサ24が上下方向に移動する。
なお、ガスクッション23の下死点は、下型20の下死点であり、鍛造装置1の成形下死点である。
スプラインパンチ25は、下型20の中央部に配置される円柱形状の部材であり、上下方向に移動不能に固定される。スプラインパンチ25の外周側面には内スプライン5の形状に応じた成形面が形成されている。鍛造装置1の初期状態において、スプラインパンチ25は、パーキングギアダイス21及びガイドダイス22よりも下方に位置し、ガスクッション23によってこれらが上昇保持されている間は、ワークWと接触せず、ガスクッション23が縮むことによってワークWと接触する。
パンチ11及びスリーブパンチ12によりワークWを上方から押圧することによってガスクッション23を縮ませて、ワークWをスプラインパンチ25に対して押圧する。こうして、スプラインパンチ25によって押し出し成形が行われ、ワークWの中央部にスプラインパンチ25の形状に応じた有底の凹部および内スプライン5が成形される。
スプラインパンチ25による押し出し成形の際、ワークWの一部をスプラインパンチ25の側方へ流動させつつ、前記有底の凹部の内周面に内スプライン5を成形する。これにより、ガイドダイス22の内周側(ガイドダイス22とスプラインパンチ25との間)にワークWの一部を流動させて、軽量化溝6の内周壁部を成形する。
また、スプラインパンチ25によってワークWが成形される領域の上方(成形方向)には、開口部13が設けられている。このため、スプラインパンチ25による押し出し成形時に、ワークWの上部(軸方向一側端部)中央が開口部13側へ向けて流動し、ワークWの上端面(軸方向一側端面)から捨て軸Xが突出するように成形される。捨て軸Xは内スプライン5が形成される凹部の底部の背面側から上方に向けて突出して成形される軸状の部位であり、所定の径を有するように開口部13の内径が設定されている。なお、捨て軸Xは、鍛造装置30による次工程にて排除されるものであり、プーリ部品2の製品形状をなす部位ではない。
このように、スプラインパンチ25による押し出し成形がワークWの上部(軸方向一側端部)に近づくにつれて、素材の流動が上型10の開口部13に逃げるように構成しているので、スプラインパンチ25による成形荷重を低減でき、型寿命を向上できる。
ノックアウトピン26は、パーキングギアダイス21とガイドダイス22との間に設けられており、ワークW(中間品M)においてパーキングギア4が成形される部位の下端面(軸方向他側端面)に当接可能である。ノックアウトピン26は、上下方向に向けて移動可能であり、成形途中は下型20の移動に追随して、成形面よりも上方に突出しないようにされ、成形後に下型20の成形面から上方に突出することによって、ワークWを下型20から外して排出する。
ノックアウトピン26は、鍛造装置1による成形終了後、より厳密には、ガスクッション23によって、下型20のパーキングギアダイス21、ガイドダイス22及びスペーサ24を上昇させて、先にワークW(中間品M)からスプラインパンチ25を外した後に、パーキングギアダイス21とワークW(中間品M)とが接触した状態で作動される。これにより、ワークW(中間品M)は下型20から押し出されることによって取り外される。
以上のように、鍛造装置1によって、熱間鍛造によって所定形状に成形されたワークWを捨て軸Xを含む中間品Mに成形する(図4(a)参照)。
図4(b)に示すように、鍛造装置30は、鍛造装置1によって成形された中間品Mの捨て軸X部分を打ち抜いて排除するとともに、プーリ部品2の中央部にシャフト部品7が貫通可能な孔を成形する。
このように、本鍛造方法では、鍛造装置1・30による鍛造工程によって、ワークWをプーリ部品2に成形する。ただし、鍛造装置1と鍛造装置30を同一の鍛造装置によって実現しても良い。
以下、図5〜図7を参照して、鍛造工程S1について説明する。鍛造工程S1では、熱間鍛造により円柱状の素材から荒成形されたワークWを冷間鍛造により中間品Mを経て、製品であるプーリ部品2に仕上げ成形する。
図5に示すように、鍛造工程S1は、熱間鍛造工程S10、熱処理工程S20、潤滑処理工程S30、冷間鍛造工程S40を具備する。また、冷間鍛造工程S40は、成形工程S41、打ち抜き工程S42を具備する。
熱間鍛造工程S10は、適宜の熱間鍛造装置によって素材をワークWに成形する工程である。熱間鍛造工程S10では、円柱状の素材の外周面にパーキングギア4の荒歯Rを成形する。このとき、同時に軽量化溝6の外周壁面を含む穴部も成形する(図2参照)。
このように、熱間鍛造工程S10によって、所定形状を有するワークWを成形する。
熱処理工程S20では、熱間鍛造工程S10にて成形されたワークWの内部硬度と組織を整える。
潤滑処理工程S30では、次工程である冷間鍛造工程S40に備えてワークWの表面に潤滑処理を施す。
冷間鍛造工程S40では、ワークWを中間品Mに成形する成形工程S41と、中間品Mに含まれる非製品部分である捨て軸Xを打ち抜いてプーリ部品2の製品形状を得る打ち抜き工程S42との二工程が順に行われる。
図6及び図7に示すように、成形工程S41では、鍛造装置1を用いて、冷間鍛造にてワークWを中間品Mに成形する。
まず、図6を参照して、鍛造装置1によってワークWを中間品Mに成形する際の装置の動きについて説明する。
図6(a)に示すように、ガスクッション23にてパーキングギアダイス21及びガイドダイス22を上昇保持した状態で、ワークWをパーキングギアダイス21に押し付けて、荒歯Rをパーキングギア4に仕上げる。このとき、ワークWは、スプラインパンチ25よりも上方に保持され、接触しない。
図6(b)に示すように、さらに上型10の押圧が進み、パンチ11及びスリーブパンチ12からの押圧力がガスクッション23の押圧力を上回ると、ガスクッション23が縮み、スプラインパンチ25による押し出し成形が開始される。これと同時に、パンチ11によってプーリ面3の成形が開始される。
このスプラインパンチ25による押し出し成形とともに、ガイドダイス22による成形も同時に行われ、ワークWに軽量化溝6が成形される。すなわち、スプラインパンチ25によって流動する素材の一部が下方、つまりガイドダイス22側へ流動し、ガイドダイス22の表面形状に沿って変形することによって、軽量化溝6の内周側壁面を成形する。
ガスクッション23が下死点まで縮むと、鍛造装置1の成形下死点を迎え、スプラインパンチ25によって内スプライン5が成形され、ガイドダイス22によって軽量化溝6が成形される。
以上のように、成形工程S41では、ガスクッション23によりパーキングギアダイス21を上昇保持した状態でパーキングギア4を仕上げ、その後ガスクッション23を縮小させて、スプラインパンチ25による内スプライン5の成形を行っている。
このように、スプラインパンチ25による押し出し成形は、十分な潤滑処理が施されているワークWの表面に対して行われるため、成形時の焼きつきが防止される。さらに、内スプライン5は、スプラインパンチ25による押し出し成形によって成形されるため、下穴を設ける必要がなく、内スプライン5として最大限に利用できるという利点がある。
また、スプラインパンチ25による成形がプーリ面3に近づくと、ワークWのプーリ面3側の部分の肉厚が薄くなり、成形荷重が大きくなるが、本実施形態では上型10の中央に開口部13を設けていることにより、成形時に素材を開口部13に逃がして捨て軸Xを成形している。これにより、スプラインパンチ25の成形荷重を低減し、型寿命を向上している。
また、一つの鍛造装置1を用いた一連の成形によって、パーキングギア4及び内スプライン5を成形するので、これらの相対的な位置精度を高く保つことができる。
また、プーリ部品2の軽量化を目的とした軽量化溝6を鍛造装置1による一連の成形動作によって成形しているので、パーキングギア4及び内スプライン5を有する鍛造品に対して機械加工によって係る溝を設ける場合と比べて、工数が少ないという利点がある。
さらに、軽量化溝6を冷間鍛造にて成形しているため、ガイドダイス22の早期摩耗を抑制でき、型寿命を向上できる。
次に、図7を参照して、鍛造装置1によって成形された中間品Mを取り出す際の装置の動きについて説明する。
図7(a)に示すように、上型10を上方へ移動させて、中間品Mからパンチ11及びスリーブパンチ12を取り外す。また、これにより、ガスクッション23による押圧力が再度付与されて、パーキングギアダイス21、ガイドダイス22、スペーサ24が上昇する。このとき、中間品Mは、パーキングギアダイス21及びガイドダイス22と接触した状態(取り付いた状態)で、スプラインパンチ25から取り外される。
図7(b)に示すように、ノックアウトピン26を作動させて、中間品Mを上方へ押し出す。これにより、中間品Mがパーキングギアダイス21から外れ、下型20から排出される。
以上のように、中間品Mを鍛造装置1から取り外す際に、スプラインパンチ25から中間品Mを取り外す工程と、パーキングギアダイス21から中間品Mを取り外す工程との二工程を経て取り外されている。このように二段階で取り外すことによって、型排出荷重を低減できるとともに、内スプライン5及びパーキングギア4の精度悪化を防止できる。
打ち抜き工程S42では、鍛造装置30を用いて、冷間鍛造にて中間品Mをプーリ部品2に成形する(図4参照)。
打ち抜き工程S42では、中間品Mの捨て軸Xと内スプライン5が形成される凹部の底部の一部とを打ち抜いて排除し、中間品Mを製品であるプーリ部品2の形状に成形する。
なお、本実施形態では、鍛造対象であるプーリ部品2が軽量化溝6を具備するものとしたが、これに限定されず、プーリ部品2が軽量化溝6を具備しない場合にも同様の技術的思想によって実現可能である。
1 鍛造装置
2 プーリ部品(製品)
4 パーキングギア(ギア)
5 内スプライン
6 軽量化溝
10 上型
20 下型
R 荒歯
W ワーク
M 中間品
X 捨て軸

Claims (2)

  1. 円筒状部材の外周面にギアが形成され、内周面に内スプラインが形成される製品を鍛造する方法であって、
    円柱状部材の外周面に前記ギアの荒歯を形成することにより構成されたワークを、上型と下型を具備する鍛造装置を用いた冷間鍛造によって前記製品形状に成形する工程を具備し、
    前記成形工程は、
    前記荒歯を前記ギアに仕上げるとともに、押し出し成形により前記ワークに有底の凹部および前記凹部の内周面に形成される内スプラインを成形する第一工程と、
    前記第一工程の押し出し成形によって、前記凹部の底部に生じる捨て軸を打ち抜き、前記製品形状を得る第二工程と、を含み、
    前記第一工程における前記内スプラインの成形時に、前記上型の中央に設けられた開口部に前記ワークの一部を流動させることで前記捨て軸を成形する鍛造方法。
  2. 前記第一工程において、前記ギアと内スプラインとの間に、部品軽量化のための軽量化溝を同時に成形する請求項1に記載の鍛造方法。
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CN108057992A (zh) * 2017-12-06 2018-05-22 浙江浙研冷挤压有限公司 一种新能源汽车驱动电机轴的制备方法

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