JP5609208B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガス浄化装置に関する。
希薄燃焼式エンジンの排気ガスにはNOx(窒素酸化物)が多く含まれており、これを浄化する触媒が排気ガス通路に配設されている。代表的なNOx浄化触媒としては、NOx吸蔵還元型触媒とNOx選択還元式触媒(SCR触媒)とが知られている。前者は、排気ガス雰囲気がA/FリーンであるときにNOxをアルカリ土類金属等のNOx吸蔵材に吸蔵させ、その吸蔵が飽和する状態になったときにエンジンの燃料噴射制御によりエンジンからのHC(炭化水素)排出量を増大させて排気ガス雰囲気をA/Fリッチにすることにより、NOx吸蔵材からNOxを放出させて還元浄化する。
一方、後者(NOx選択還元式触媒)は、古くから脱硝触媒方式として知られ、ほぼ常時、還元剤を排気ガス中に供給し、TiOやV等の遷移金属酸化物触媒によってNOxを還元する。例えば、特許文献1には、NHを還元剤とする排煙脱硝触媒に関し、半水石膏を主たる原料として、これに水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを添加し、水を加えて硬化させた後、焼成して得られた多孔性物質を硫酸溶液と接触させ、次いで卑金属系遷移金属塩を担持させて触媒を得ることが記載されている。
自動車の場合は、上記NOx選択還元式触媒の還元剤としては一般に尿素水が用いられ、この尿素水が加水分解されて生成するNHを利用してNOxが還元されている。また、希薄燃焼式エンジンでは、その排気ガスにはパティキュレートが含まれるため、これを捕集するフィルタを排気ガス通路に配設し、さらに、フィルタよりも上流側に酸化触媒を設けること、或いはフィルタに酸化触媒成分を担持することがなされている。これは、フィルタにパティキュレートが堆積して目詰まり状態になったときの該フィルタの再生を容易にするためである。すなわち、エンジンの燃料噴射制御によってHC排出量を増やし、酸化触媒でHCが酸化浄化されるときの反応熱を利用してフィルタ温度を高め、パティキュレートの着火燃焼を促進するというものである。その場合、NOx選択還元式触媒は、パティキュレートの堆積による触媒機能の低下を防止するために、フィルタよりも下流側に配置されている。
例えば、特許文献2には、ディーゼルエンジンの排気ガス通路に、酸化触媒、パティキュレートフィルタ、還元剤供給手段(尿素水噴射ノズル)、ミキサ、NOx選択還元式触媒、及びアンモニア酸化触媒を、排気ガス流れの上流側から下流側に向かって順に配設した排気浄化装置が記載されている。ミキサは、還元剤供給手段から供給された尿素還元剤と排気ガスとのミキシングを促進するものである。
特開昭53−12791号公報 特開2009−24655号公報
ところで、上記酸化触媒やパティキュレートフィルタには、酸化用触媒金属、例えばPtが設けられている。この酸化用触媒金属は、アルミナ粒子等のサポート材に担持させた状態でバインダ材によって触媒担体やフィルタに固着されているが、長期にわたる使用中に極少量ではあるが、触媒担体やフィルタから剥離することがある。酸化触媒やフィルタは、振動(例えば自動車の走行振動)が加わるだけでなく、排気ガスの熱等による膨張及び収縮を繰り返すためである。
そして、剥離した酸化用触媒金属が、排気ガス流によって運ばれて、還元剤供給手段より下流側の排気管内壁面やミキサ等に付着し、さらにはNOx選択還元式触媒に付着した場合、還元剤供給手段から供給される還元剤が、上記剥離した酸化用触媒金属によって酸化され、NOx選択還元式触媒でのNOxの還元に有効に利用されなくなる。すなわち、NOx選択還元式触媒によるNOx浄化効率が低下する。
上記問題は、パティキュレートフィルタが排気ガス通路に設けられているケースだけでなく、酸化触媒と還元剤供給手段とNOx選択還元式触媒とが上流側から順に配設されているケース一般において発生する。
そこで、本発明は、上記剥離する酸化用触媒金属によってNOx選択還元式触媒の浄化効率が低下することを抑制する。
本発明は、上記課題を解決するために、酸化触媒等から剥離した酸化用触媒金属による還元剤の酸化を抑制するようにした。以下、具体的に説明する。
本発明は、エンジンの排気ガス通路に、排気ガス成分を酸化させる酸化用触媒金属を有する触媒と、NOx浄化用の還元剤を排気ガス通路に供給する還元剤供給手段と、その還元剤によって排気ガス中のNOxを還元する選択還元式NOx触媒とが、排気ガス流れの上流側から順に配設されている排気ガス浄化装置において、
上記還元剤供給手段と選択還元式NOx触媒との間の排気ガスが接触する部分の少なくとも一部に、又は上記選択還元式NOx触媒における排気ガス流れの上流側部位に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、硫黄及び燐より選ばれる少なくとも一種よりなる補剤が担持されていることを特徴とする。
すなわち、Ptに代表される酸化触媒用金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、硫黄、或いは燐が触媒毒となり、その被毒によって活性サイトが消失し、触媒活性が著しく弱められる。従って、本発明の場合、上記補剤が担持されている部位では、上記酸化用触媒金属が触媒から剥離して付着しても、その酸化用触媒金属の酸化活性が上記補剤によって弱められる。その結果、還元剤供給手段から供給される還元剤が上記剥離した酸化用触媒金属によって酸化されてしまうことが避けられる。よって、還元剤供給手段から供給される還元剤が選択還元式NOx触媒に有効に利用され、NOx浄化効率の低下防止に有利になる。
ここに、排気ガス成分を酸化させる酸化用触媒金属を有する触媒としては、排気ガス中のHCやCOを酸化する一般の酸化触媒(三元触媒であってもよい)の他、パティキュレートフィルタの上流側に設けられる酸化触媒(所謂DOC)、或いはパティキュレートフィルタに担持された触媒であってもよい。
好ましい実施形態では、上記還元剤供給手段と選択還元式NOx触媒との間に、該還元剤供給手段より供給される還元剤を上記排気ガス通路内において拡散させるミキサが設けられ、上記補剤は、上記ミキサにおける排気ガス流れの上流側を向いた面に担持されていることを特徴とする。
すなわち、上記ミキサの排気ガス流れの上流側を向いた面は排気ガスが接触し易い部分であるから、上記触媒から酸化用触媒金属が剥離したとき、その酸化用触媒金属は排気ガス流によって運ばれて上記面に付着し易い。その場合、ミキサの上記面に上記補剤が担持されているから、補剤によって上記酸化用触媒金属の酸化活性を確実に低下させる上で有利になる。
また、別の好ましい実施形態では、上記選択還元式NOx触媒は、担体と、該担体に担持されたNOx浄化用触媒成分とを備え、上記補剤は、上記担体における排気ガス流れの上流側部位に担持されていることを特徴とする。上流側部位は、排ガス流れ方向に延びる担体全長の中央より上流側を意味する。好ましい上流側部位は、担体上流端から担体全長の1/5程度の範囲であり、1/3の範囲或いは1/10の範囲としてもよい。この場合、上記NOx浄化用触媒成分は、上記担体に排気ガス流れ方向の全長にわたって担持する(上記上流側部位には補剤と共にNOx浄化用触媒成分が担持される)ようにしても、或いは上記担体の上記補剤の担持部分よりも排気ガス流れの下流側のみに担持するようにしてもよい。
そうして、上記選択還元式NOx触媒における担体の上流側部位は、排気ガスが接触し易い部分であるから、上記触媒から酸化用触媒金属が剥離したとき、その酸化用触媒金属は排気ガス流で運ばれて上記上流側部位に付着し易い。そして、この上流側部位に上記補剤が担持されているから、補剤によって上記酸化用触媒金属の酸化活性を確実に低下させる上で有利になる。
上記選択還元式NOx触媒の担体は、該触媒の排気ガス流れ方向の全長にわたって一体になった一体型担体であっても、上流側部分が分離された分割型担体であってもよい。分割型担体である場合は、上流側担体に上記補剤をNOx浄化用触媒成分と共に担持することができ、或いは上流側担体のさらに上流側部位のみに上記補剤をNOx浄化用触媒成分と共に担持することができ、或いはその上流側部位には上記補剤のみを担持し、それよりも下流側部位にNOx浄化用触媒成分を担持することができる。
さらには、上記選択還元式NOx触媒とは別に、該選択還元式NOx触媒よりも上流側に排気ガス流路を有する担体を設け、該担体に上記補剤を担持するようにしてもよい。
以上のように本発明によれば、エンジンの排気ガス通路に、酸化用触媒金属を含有する触媒と、選択還元式NOx触媒用の還元剤供給手段と、選択還元式NOx触媒とが、排気ガス流れの上流側から順に配設されている排気ガス浄化装置において、上記還元剤供給手段と選択還元式NOx触媒との間の排気ガスが接触する部分の少なくとも一部に、又は上記選択還元式NOx触媒における排気ガス流れの上流側部位に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、硫黄及び燐より選ばれる少なくとも一種よりなる補剤が担持されているから、還元剤供給手段から供給される還元剤が、上記触媒から剥離する酸化用触媒金属によって酸化されることを抑制することができ、選択還元式NOx触媒によるNOx浄化効率が低下することを防止する上で有利になる。
本発明の実施形態に係る排気ガス浄化装置を示す図である。 ミキサの正面図である。 図2のIII−III線断面図である。 補剤を担持した一体型選択還元式NOx触媒の側面図である。 補剤を担持した選択還元式NOx触媒の一部を示す断面図である。 補剤を担持した分割型選択還元式NOx触媒の側面図である。 選択還元式NOx触媒の上流側部位に補剤を担持するケースにおいて、各種補剤がNOx浄化率に与える影響をみたグラフ図である。 ミキサに補剤を担持するケースにおいて、補剤の有無がNOx浄化率に与える影響をみたグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は本発明に係るエンジンの排気ガス浄化装置の構成の一例を示す。同図において、1はエンジン、2はその排気ガス通路である。この排気ガス通路2に、パティキュレート捕集装置3とNOx浄化装置4とが、前者が排気ガス流れの上流側に、後者が下流側になるように配設されている。パティキュレート捕集装置3とNOx浄化装置4との間には、NOx浄化装置4に還元剤を供給する還元剤供給手段5が設けられ、さらに、その下流側には還元剤供給手段5より供給される還元剤を排気ガス通路2内において拡散させるミキサ6が設けられている。
パティキュレート捕集装置3は、酸化触媒7とパティキュレート捕集用のフィルタ8とを、前者が上流側に、後者が下流側になるように配置したものである。NOx浄化装置4は、選択還元式NOx触媒9と、該選択還元式NOx触媒9を通り抜けるアンモニアを酸化させて大気中への排出を防止するアンモニア酸化触媒11とを、前者が上流側に、後者が下流側になるように配置したものである。還元剤供給手段5は、還元剤として尿素水を貯留したタンク12と、該タンク12から延設された還元剤供給管13とを備えてなり、該供給管13の先端の還元剤供給ノズルが排気ガス通路2に臨んでいる。
従って、排気ガス通路2には、酸化触媒7、フィルタ8、還元剤供給手段5の還元剤供給ノズル13、ミキサ6、選択還元式NOx触媒9及びアンモニア酸化触媒11が、排気ガス流れの上流側から順に配設されている。
酸化触媒7は、排気ガス中のHC(未燃燃料)及びCOを酸化浄化するとともに、フィルタ8に堆積したパティキュレートを燃焼して該フィルタ8を再生するための昇温手段として働く。すなわち、フィルタ8のパティキュレート堆積量が所定値を越えたときに、エンジンの膨張行程後半でのエンジンへの燃料噴射や、排気ガス通路2への燃料噴射によって、酸化触媒7に燃料由来の炭化水素を供給して触媒燃焼させ、その反応熱によってフィルタ8を加熱する。これにより、フィルタ8でのパティキュレートの燃焼が促進され、該フィルタ8を再生することができる。そのために、酸化触媒7は、活性アルミナにPt等の酸化用触媒金属を担持させてなる触媒金属成分、酸素吸蔵放出材等をハニカム担体に担持させて構成されている。フィルタ8にもパティキュレート燃焼のためにPt触媒成分等が設けられている。
そうして、本発明の特徴とするところは、上記酸化触媒7やパティキュレートフィルタ8から、振動、膨張収縮、経年劣化等によってわずかに剥離する酸化用触媒金属に対策した点にある。すなわち、その剥離した酸化用触媒金属が、還元剤供給手段5より下流側のミキサ6や選択還元式NOx触媒9、或いは排気ガス通路壁面等に付着し、該酸化用触媒金属が触媒となって、還元剤供給手段5から供給される還元剤が酸化され、選択還元式NOx触媒9でのNOx浄化に有効に利用されなくなることを防止する。そのために、還元剤供給手段5より下流側の、上記剥離した酸化用触媒金属が付着する部位に該酸化用触媒金属の酸化活性を抑制する補剤を予め担持させておくものである。
上記補剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、硫黄及び燐より選ばれる少なくとも一種である。補剤の担持場所として好ましいのは、上述のミキサ6や選択還元式NOx触媒9の上流側部位であり、排気ガス通路壁面に担持させてもよい。以下、具体例で説明する。
上記補剤の担持に好ましいミキサ6は、図2に示すように、排気ガス通路2を横断するように設けられたプレート材よりなり、該プレート材の一部、図例では断面円形の排気ガス通路に対応する4ヶ所の四半円部分15が下流側に切り起こされることにより、排気ガス流れを乱す開口16が形成されている。従って、図3に矢印で示したように、排気ガス通路2を上流から流れてきた排気ガスは、ミキサ6に衝突して開口16を通過することにより、排気ガスの流れが乱れ、その結果、上流で排気ガス中に噴射された尿素水と排気ガスとが攪拌されて尿素水が排気ガス通路内に拡散する。
そうして、上記補剤は、ミキサ6における排気ガス流れの上流側を向いた面に担持する。具体的には、4ヶ所の四半円部分15、並びにそれらの境界部分の上流側を向いた面に補剤担持層17を形成し、そこに上記アルカリ金属等の補剤を担持する。この場合、Alを含むフェライト形ステンレス鋼によってミキサ6を形成し、熱処理によって上記上流側を向いた面にAl酸化物ウィスカを成長させて固定層を形成し、該固定層にアルミナゾル等をコーティングして補剤担持層17を形成し、これにアルカリ金属等の補剤溶液を含浸担持すればよい。
図4及び図5は選択還元式NOx触媒9のハニカム担体の上流側部位に補剤担持部18を設ける例を示す。図5の例は、ハニカム担体21の全長にわたってNOx浄化用触媒成分を含有する触媒層23を形成し、該触媒層23における担体上流端から担体全長の1/5の範囲はNOx浄化用触媒成分と共に補剤を含有する補剤含有触媒層24としている。同図の符号22はハニカム担体1のセル通路である。同図に示すように、補剤含有触媒層24は、セル通路22の内壁面に形成するだけでなく、ハニカム担体1の上流側端面25を覆うように形成する。
上述の如く選択還元式NOx触媒9のハニカム担体の上流側部位に補剤担持部18を設ける場合、その補剤担持部18には上記補剤のみを担持し、それよりも下流側を、NOx浄化用触媒成分のみを含有する触媒層としてもよい。
図6は、上記選択還元式NOx触媒9を、上流側担体にNOx浄化用触媒成分を担持してなる上流側触媒部9aと、下流側担体にNOx浄化用触媒成分を担持してなる下流側触媒部9bとに分割したケースである。このケースでは、上流側担体のさらに上流側部位に図4及び図5の例と同様の補剤担持部18を設ける。この場合も、上流側担体の上流側部位には、補剤をNOx浄化用触媒成分と共に担持するようにしても、或いは補剤のみを担持するようにしてもよい。
<NOx浄化性能評価(補剤の効果)>
−評価試験1−
図4に示すように選択還元式NOx触媒9のハニカム担体の上流側部位に補剤担持部18を設けるケースにおいて、補剤の有無及び補剤の種類が選択還元式NOx触媒9によるNOx浄化に及ぼす影響を調べた。
供試材の構成は次のとおりである。すなわち、ハニカム担体はセル壁厚さ4.5mil(11.43×10−2mm)、1平方インチ(645.16mm)当たりのセル数400のコージェライト製で、直径17mm、長さ50mmのものを用いた。このハニカム担体の全長にわたってNOx浄化用触媒成分を含有する触媒層を形成し(その担体の上流側端面にも触媒層を形成し)、担体上流端から10mmの範囲に各種の補剤溶液を含浸させて焼成し、さらに、その10mmの範囲に酸化用触媒金属としてのPtの溶液を含浸させて焼成した。
NOx浄化用触媒成分及びその担体1L当たりの担持量は、βゼオライトが150g/L、TiOが20g/L、La含有アルミナが40g/L、CeZr複合酸化物が40g/Lであり、アルミナバインダが25g/Lである。補剤は、LiCO、NaCO、KCO、MgCO、SrCO、BaCO、BaSO、HPO及びBaPOの9種類である。補剤担持量は0.2mol/Lである。また、Pt担持量はいずれも6.1mg/Lである。
また、別に補剤を担持せずにPtのみを担持した「Pt担持」供試材、並びに補剤及びPtを共に担持していない「無処理」供試材を準備した。
以上の計11種類の供試材について、それらをモデルガス流通反応装置に取り付け、モデル排気ガス(NO;300ppm,NH;300ppm,O;16容量%,HO;7容量%,N;残)をSV=53000h−1で流しながら、ガス温度を30℃/分の速度で上昇させていった。上記排気ガス中のNHは還元剤供給手段から供給されて生成する還元剤に相当する。そして、触媒入口ガス温度350℃、400℃及び450℃各々でのNOx浄化率を測定した。結果を図7に示す。
「無処理」に比べて「Pt担持」はNOx浄化率が大きく低下している。特に400℃及び450℃での低下が大きい。これは、供試材の上流側部位に担持したPtが触媒となって、排気ガス中の還元剤NHが酸化され、その分、NOの還元に要するNHが不足したためであると認められる。このことから、上述の酸化触媒等から酸化用触媒金属が剥離して還元剤供給手段より下流側の選択還元式NOx触媒に付着すると、そのNOx浄化効率が低下することがわかる。
そうして、LiCO、NaCO等の補剤を担持した上でPtを担持した各供試材の場合、いずれも「Pt担持」供試材よりもNOx浄化率が高くなっている。これは、補剤がPtの酸化活性を低下させた結果である、つまり、PtによるNH(還元剤)の浪費(酸化)が抑えられた結果であると認められる。補剤のなかでも、KCO及びMgCOが、Ptの触媒活性を低減させる効果が大きいことがわかる。また、「HPO」供試材と「Pt担持」供試材との比較から、アルカリ金属及びアルカリ土類金属だけでなく、燐(P)も補剤として有用であることがわかる。また、「BaCO」供試材と「BaSO」供試材との比較から、硫酸根、すなわち、硫黄(S)も補剤として有用であることがわかる。
−評価試験2−
図2及び図3に示すミキサ6に補剤担持層17を設けるケースにおいて、補剤の有無が選択還元式NOx触媒9によるNOx浄化に及ぼす影響を調べた。まず、供試触媒(選択還元式NOx触媒9)としては、評価試験1の「無処理」供試材を採用した。そして、ミキサ6の上流側を向いた面にAl酸化物ウィスカを有する固定層を形成し、該固定層の上にアルミナ層を形成した。このアルミナ層に酢酸マグネシウム溶液を含浸させて焼成することによって補剤としてのMgCOを担持し、さらに酸化用触媒金属としてのPtの溶液を含浸させて焼成することにより、「MgCO」担持ミキサとした。また、別にアルミナ層にPtのみを担持し補剤を担持しない「Pt担持」ミキサと、補剤及びPtを共に担持していない「無処理」ミキサとを準備した。ここで、Ptの担持量、及び上記補剤の担持量は上記評価試験1の場合と同じにした。即ち、上記評価試験1で用いたハニカム担体における補剤担持部18の幾何学的表面積とミキサ6における上流側を向いた面の面積割合を基にしてPtと補剤の担持すべき量を算出している。
そうして、供試触媒(選択還元式NOx触媒)をモデルガス流通反応装置に取り付け、該供試触媒よりも上流側に、上記「MgCO」担持ミキサ、「Pt担持」ミキサ、及び「無処理」ミキサ各々を配置した各ケースについて、評価試験1と同じ条件及び方法で、触媒入口ガス温度350℃、400℃及び450℃各々でのNOx浄化率を測定した。結果を図8に示す。
評価試験1の場合と同じく、「無処理」に比べて「Pt担持」はNOx浄化率が大きく低下している。そして、「MgCO」では、「Pt担持」よりもNOx浄化率が高くなっている。従って、ミキサに補剤を担持した場合も、選択還元式NOx触媒の上流側部位に補剤を担持するケースと同じく、その補剤が、剥離するPtの酸化活性を低下させて還元剤の浪費を少なくし、選択還元式NOx触媒のNOx浄化効率が低下することを抑制することがわかる。
1 エンジン
2 排気ガス通路
5 還元剤供給手段
6 ミキサ
7 酸化触媒
8 パティキュレートフィルタ
9 選択還元式NOx触媒
17 補剤担持層
18 補剤担持部
21 ハニカム担体
23 触媒層
24 補剤含有触媒層

Claims (4)

  1. エンジンの排気ガス通路に、排気ガス成分を酸化させる酸化用触媒金属を有する触媒と、NOx浄化用の還元剤を排気ガス通路に供給する還元剤供給手段と、その還元剤によって排気ガス中のNOxを還元する選択還元式NOx触媒とが、排気ガス流れの上流側から順に配設されている排気ガス浄化装置において、
    上記還元剤供給手段と選択還元式NOx触媒との間の排気ガスが接触する部分の少なくとも一部に、又は上記選択還元式NOx触媒における排気ガス流れの上流側部位に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、硫黄及び燐より選ばれる少なくとも一種よりなる補剤が担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 請求項1において、
    上記還元剤供給手段と選択還元式NOx触媒との間に、該還元剤供給手段より供給される還元剤を上記排気ガス通路内において拡散させるミキサが設けられ、
    上記補剤は、上記ミキサにおける排気ガス流れの上流側を向いた面に担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記選択還元式NOx触媒は、担体と、該担体に排気ガス流れ方向の全長にわたって担持されたNOx浄化用触媒成分とを備え、
    上記補剤は、上記担体における排気ガス流れの上流側部位に、上記NOx浄化用触媒成分と共に担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  4. 請求項1又は請求項2において、
    上記選択還元式NOx触媒は、担体と、該担体に担持されたNOx浄化用触媒成分とを備え、
    上記補剤は、上記担体における排気ガス流れの上流側部位に担持され、上記NOx浄化用触媒成分は、上記担体の上記補剤担持部分よりも排気ガス流れの下流側のみに担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
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