JP5607327B2 - 決定方法、露光方法、デバイスの製造方法及びプログラム - Google Patents

決定方法、露光方法、デバイスの製造方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、決定方法、露光方法、デバイスの製造方法及びプログラムに関する。
フォトリソグラフィー技術を用いて半導体メモリや論理回路などの半導体デバイスを製造する際に、露光装置が使用されている。露光装置は、原版(マスク又はレチクル)に形成されたパターンを投影光学系によってウエハ等の基板に投影してパターンを転写する。近年では、半導体デバイスの微細化が進み、露光装置においては、露光波長(露光光の波長)よりも小さい寸法を有するパターンの形成(即ち、解像力の向上)が要求されてきている。
そこで、露光装置の解像力を向上させるために、変形照明(ダイポール照明や四重極照明など)や偏光照明が使用されている。ここで、偏光照明とは、マスクパターンに応じて偏光方向(偏光状態)を制御してコントラストや解像力をより向上させる方法である。
一方、露光装置では露光量が変動するため、照明条件を設計する際に露光余裕度の向上が要求されている。ここで、露光余裕度とは、露光量の変動に対するレジスト線幅の変化率、即ち、露光量誤差に対する敏感度である。露光余裕度の向上には、露光光の偏光方向の制御が有効である。例えば、ラインパターンの長手方向と露光光の電場の振動方向とが平行である場合(s偏光である場合)には、露光光が無偏光である場合よりもコントラスト及び対数像傾斜(ILS)が増大するため、露光余裕度を向上させることができる。
特許文献1及び2には、光強度分布(有効光源)及び偏光方向(の分布)を数値計算によって導出する技術が開示されている。かかる技術では、有効光源に含まれる複数の要素(点光源)によって像面に形成される空中像(光学像)の光学特性を予め定められた偏光方向ごとに求め、その光学特性に基づいて光強度分布及び偏光方向を決定(選択)している。また、特許文献3には、偏光については考慮していないが、光強度分布(有効光源)を数値的に求める技術が開示されている。
特開2005−183938号公報 特開2006−066440号公報 特開2002−334836号公報
しかしながら、従来技術では、有効光源の各要素に対して偏光方向を変更しながら光学像(の光学特性)を逐一算出し、その結果から偏光方向を決定するため、多大な計算コスト(例えば、時間など)を要してしまう。また、従来技術は、光学像の算出に用いた偏光方向のなかからしか偏光方向を選択することができないため、解像力を最も向上させる真の偏光方向とは異なる偏光方向(即ち、真の偏光方向からずれた偏光方向)を最適な偏光方向として決定してしまう可能性がある。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、偏光方向を含む有効光源を少ない計算コストで導出することができる技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、光源からの光を用いてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置において、前記投影光学系の瞳面に形成される有効光源分布の偏光分布をコンピュータによって決定する決定方法であって、前記投影光学系の瞳面を複数の領域に分割する分割ステップと、前記分割ステップで分割した複数の領域のうち少なくとも1つの領域を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域からの光が第1の方向の直線偏光であると仮定したときに前記投影光学系の像面上の少なくとも1つの評価点に形成される像の電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)を算出すると共に、前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域からの光が前記第1の方向に直交する第2の方向の直線偏光であると仮定したときに前記投影光学系の像面上の少なくとも1つの評価点に形成される像の電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)を算出する第1の算出ステップと、前記第1の算出ステップで算出した電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)、及び、電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)を用いて、前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域の偏光方向を決定する第1の決定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、偏光方向を含む有効光源を少ない計算コストで導出する技術を提供することができる。
本発明の一側面としての決定方法を実行する処理装置の構成を示す概略ブロック図である。 図1に示す処理装置の制御部が有効光源決定プログラムを実行して偏光データ及び光強度データを生成する処理を説明するためのフローチャートである。 目標パターン(パターンデータ)を示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の光強度分布を示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の偏光方向の分布を示す図である。 4重極照明(タンジェンシャル偏光)の一例を示す図である。 図4に示す光強度分布及び図5に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像と、図6に示す4重極照明を用いて算出した空中像とを示す図である。 目標パターン(パターンデータ)を示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の光強度分布を示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の偏光方向の分布を示す図である。 4重極照明(タンジェンシャル偏光)の一例を示す図である。 図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像のx方向のNILSと、図11に示す4重極照明を用いて算出した空中像のx方向のNILSとを示す図である。 図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像の線幅と、図11に示す4重極照明を用いて算出した空中像の線幅とを示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の光強度分布を示す図である。 図14に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像のNILSの最大差及び平均値を示す図である。 Zernike多項式の第4項で表されるデフォーカスを示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の光強度分布を示す図である。 有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源の偏光方向の分布を示す図である。 図17に示す光強度分布及び図18に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像のx=0、且つ、y=62.5に位置するコンタクトホールパターンのx方向の線幅のデフォーカス量依存性を示す図である。 露光装置の構成を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本発明は、IC、LSIなどの半導体チップ、液晶パネルなどの表示素子、磁気ヘッドなどの検出素子、CCDなどの撮像素子といった各種デバイスの製造やマイクロメカニクスで用いられる露光装置の有効光源を決定する際に適用することができる。ここで、マイクロメカニクスとは、半導体集積回路製造技術を微細構造体の製作に応用して高度な機能を有するミクロン単位の機械システムを作成する技術やかかる機械システム自体をいう。本発明は、例えば、開口数(NA)の大きな投影光学系を備える露光装置や投影光学系とウエハとの間を液体で満たす液浸露光装置に用いられる有効光源の決定(設定)に好適である。
本発明で開示される概念は、数学的にモデル化することができる。従って、コンピュータ・システムのソフトウエア機能として実装することができる。コンピュータ・システムのソフトウエア機能は、実行可能なソフトウエア・コードを有するプログラミングを含み、本実施形態では、微細なパターンを精度よく形成するための有効光源を少ない計算コストで決定することができる。ソフトウエア・コードは、コンピュータ・システムのプロセッサによって実行される。ソフトウエア・コード動作中において、コード又は関連データ記録は、コンピュータ・プラットフォームに格納される。但し、ソフトウエア・コードは、他の場所に格納される、或いは、適切なコンピュータ・システムにロードされることもある。従って、ソフトウエア・コードは、1つ又は複数のモジュールとして、コンピュータで読み取り可能な記録媒体で保持することができる。本発明は、上述したコードという形式で記述することが可能であり、1つ又は複数のソフトウエア製品として機能させることができる。
図1は、本発明の一側面としての決定方法を実行する処理装置1の構成を示す概略ブロック図である。
かかる決定方法は、光源からの光を用いてマスクを照明する照明光学系と、マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置において、投影光学系の瞳面に形成される有効光源を決定(設定)する。ここで、有効光源は、その各領域の光強度(即ち、光強度分布)及び偏光方向(偏光方向の分布)を含む。
処理装置1は、例えば、汎用のコンピュータで構成され、図1に示すように、バス配線10と、制御部20と、表示部30と、記憶部40と、入力部50と、媒体インターフェース60とを有する。なお、バス配線10は、制御部20、表示部30、記憶部40、入力部50及び媒体インターフェース60を相互に接続する。
制御部20は、CPU、GPU、DSP又はマイコンで構成され、一時記憶のためのキャッシュメモリなどを含む。制御部20は、入力部50を介してユーザから入力される起動命令に基づいて、記憶部40に記憶された有効光源決定プログラム401を起動して実行する。制御部20は、記憶部40に記憶されたデータを用いて、有効光源の決定に関連する演算を実行する。
表示部30は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示デバイスで構成される。表示部30は、例えば、有効光源決定プログラム401の実行に関連する情報(例えば、後述する偏光データ408や光強度データ409など)を表示する。
記憶部40は、例えば、メモリやハードディスクで構成される。記憶部40は、媒体インターフェース60に接続された記憶媒体70から提供される有効光源決定プログラム401を記憶する。
記憶部40は、有効光源決定プログラム401を実行する際の入力情報として、パターンデータ402と、NA情報403と、λ情報404と、収差情報405と、レジスト情報406と、評価座標データ407とを記憶する。また、記憶部40は、有効光源決定プログラム401を実行した後の出力情報として、偏光データ408と、光強度データ409とを記憶する。更に、記憶部40は、有効光源決定プログラム401を実行中の一時記憶情報として、ベクトルデータ410を記憶する。
有効光源決定プログラム401は、露光装置における有効光源(光強度分布及び偏光方向)を決定するためのプログラムであって、本実施形態では、偏光データ408及び光強度データ409を決定(生成)するプログラムである。
パターンデータ402は、集積回路などの設計において、レイアウト設計されたパターン(ウエハに形成すべきパターン(解像パターン)であり、レイアウトパターン又は目標パターンと呼ばれる)のデータである。なお、パターンは閉じた図形で形成され、それらの集合体でマスク全体のパターンが構成される。
NA情報403は、投影光学系の像面側の開口数(NA)に関する情報である。λ情報404は、光源から射出される光(露光光)の波長λに関する情報である。収差情報405は、投影光学系の収差に関する情報である。なお、投影光学系に複屈折がある場合には、複屈折に応じて位相ズレが発生するが、かかる位相ズレも収差の一種として考えることができる。レジスト情報406は、ウエハに塗布されるレジストに関する情報である。
評価座標データ407は、投影光学系の像面上の評価点の座標を示すデータである。評価座標データ407は、有効光源決定プログラム401を実行する際に、少なくとも1つ選択される。
偏光データ408は、有効光源決定プログラム401を実行することによって生成されるデータである。偏光データ408は、投影光学系に収差、複屈折及び透過ムラがなく、投影光学系の物体面にマスクが配置されていない場合に、投影光学系の瞳面に形成される有効光源の各領域の偏光方向に関するデータである。
光強度データ409は、有効光源決定プログラム401を実行することによって生成されるデータである。光強度データ409は、投影光学系に収差、複屈折及び透過ムラがなく、投影光学系の物体面にマスクが配置されていない場合に、投影光学系の瞳面に形成される有効光源の各領域の光強度(即ち、光強度分布)に関するデータである。
ベクトルデータ410は、偏光データ408及び光強度データ409を生成するために一時的に使用するデータであって、投影光学系の像面上に形成される像の電場振幅ベクトルに関するデータである。
入力部50は、例えば、キーボードやマウスなどを含む。ユーザは、入力部50を介して、有効光源決定プログラム401の入力情報などを入力することが可能である。
媒体インターフェース60は、例えば、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、USBインターフェースなどを含み、記憶媒体70と接続可能に構成される。なお、記憶媒体70は、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリなどであり、有効光源決定プログラム401や処理装置1が実行するその他のプログラムを提供する。
以下、図2を参照して、処理装置1の制御部20が有効光源決定プログラム401を実行して偏光データ408及び光強度データ409を生成する、即ち、有効光源を決定する処理について説明する。なお、パターンデータ402、NA情報403、λ情報404、収差情報405、レジスト情報406及び評価座標データ407を含む入力情報は、ユーザによって予め決定されているものとする。ユーザは、入力部50を介して、記憶部40に記憶された入力情報を選択することも可能であるし、入力情報を直接入力することも可能である。また、有効光源の形状(但し、光強度及び偏光方向は含んでいない)もユーザによって予め決定されているものとする。
S202(分割ステップ)では、例えば、予め定められた分割モデルに従って、有効光源を複数の領域に分割する。なお、分割モデルとは、有効光源をどのように分割するのか(有効光源の分割方法)を示すモデルであって、例えば、有効光源を格子状(矩形形状)に分割する分割モデルなどを含む。
S204(選択ステップ)では、S202で分割した複数の領域のうち1つの領域を選択する。
S206(第1の算出ステップ)では、入力情報に基づいて、S204で選択された1つの領域からの光を互いに直交する2つの直線偏光のそれぞれと仮定したときに、投影光学系の像面上に形成される像(空中像)の電場振幅ベクトルを算出する。詳細には、S204で選択された1つの領域からの光が第1の方向の直線偏光であると仮定したときに像面上の1つの評価点に形成される像の電場振幅ベクトルを算出する。同様に、S204で選択された1つの領域からの光が第1の方向に直交する第2の方向の直線偏光であると仮定したときに像面上の1つの評価点に形成される像の電場振幅ベクトルを算出する。なお、評価点は、記憶部40に記憶された評価座標データ407のうち1つのデータを選択することで指定される。
光源の偏光を考慮して空中像を算出する方法は従来から幾つか開示されており、例えば、特許文献1にも空中像算出式が開示されている。例えば、光強度が1で第1の方向の直線偏光(即ち、X偏光)である光源要素(領域)が像面上の評価点(x,y)に形成する像の電場振幅ベクトルを(Exx,Eyx,Ezx)とする((Ex1,Ey1,Ez1)に相当)。同様に、光強度が1で第2の方向の直線偏光(即ち、Y偏光)である光源要素が像面上の評価点(x,y)に形成する像の電場振幅ベクトルを(Exy,Eyy,Ezy)とする((Ex2,Ey2,Ez2)に相当)。これらのベクトルは、特許文献1に開示された空中像計算式から算出することができる。
従って、光源においてX軸に対して角度Ψをなす直線偏光(光強度は1)が像面上の評価点(x,y)に形成する像の光強度I(x,y)は、電場振幅ベクトルを用いて、以下の式1で表すことができる。
ここで、電場振幅ベクトルの計算は、当業者によく知られているように、アッベの公式に基づいて、以下の式2で表される。ここで、μはx又はy、IFTは逆フーリエ変換、Pは投影光学系の瞳面を表す瞳関数、(f,g)は光源要素の座標、aは回折光分布、Mは伝播による電場振幅の変化を表すベクトルである。
なお、投影光学系の瞳面における波面収差を反映させるためには、瞳面上の点(f,g)における位相ズレがθ(f,g)と表される場合、瞳関数P(f,g)を波面収差を含む瞳関数exp{iθ(f,g)}に置き換えればよい。ここで、expは自然対数の底による指数関数、iは虚数単位を表す。
投影光学系の瞳面における波面収差を含む瞳関数を用いた場合、例えば、デフォーカスを反映して決定された有効光源は、収差を考慮せずに決定された有効光源と比較して、デフォーカスが発生したときの像性能の劣化を低減させることができる。なお、デフォーカスを反映させる場合、瞳関数P(f,g)は、cを実定数として、exp{ic(2f+2g−1)}に置き換えられる。
S208では、全ての評価点について、電場振幅ベクトルを算出したかどうかを判定する。全ての評価点について、電場振幅ベクトルを算出していないと判定した場合には、S210において、電場振幅ベクトルを算出していない評価点を選択し(即ち、評価点を変更して)、S206に移行する。一方、全ての評価点について、電場振幅ベクトルを算出したと判定した場合には、S212に移行する。
S212(第1の決定ステップ)では、S206で算出した電場振幅ベクトルを用いて、S204で選択した領域の偏光方向を、後述する式8に従って決定する。なお、S212で決定された偏光方向は、偏光データ408として記憶部40に記憶される。
像面上のn個の評価点のうち1つの評価点の座標を(xi,yi)とすると、評価点(xi,yi)に対する評価指標Hは、評価関数Fを用いて、以下の式3又は式4で定義することができる。なお、式3は、評価関数の加重平均値を評価指標として選択した場合の評価指標であり、式4は、評価関数の分散値を評価指標として選択した場合の評価指標である。また、式3と式4とを足し合わせて評価指標とすることも可能である。ここで、iは評価点に対応する1からnまでの整数である。また、評価関数Fとしては、光強度値、像傾斜値(Image Slope)又は対数像傾斜値(Image Log Slope)を用いることができる。像傾斜値とは、光強度値の座標による偏微分値であって、∂I/∂x又は∂I/∂yで表される。対数像傾斜値とは、光強度値の自然対数の座標による偏微分値であって、∂(lnI)/∂x又は∂(lnI)/∂yで表される。但し、評価関数は、これらに限定されるものではない。
ここで、式3におけるa及び式4におけるbは、評価点に対応した重率を表す実定数である。式4におけるqは、分散値を定義するためのべき数である。a、b及びqには、任意の有理数を指定することができる。なお、式4におけるFの上の−は、n個の評価点に対する評価関数Fの平均値を意味する。
評価指標Hが極大値となる角度ΨをS204で選択した領域の偏光方向とすると、角度Ψは、以下の式5及び式6から決定される。このように、式5及び式6を用いることによって、偏光方向ごとに空中像を算出することなく偏光方向を決定することができるため、計算コストを抑えることができる。
例えば、光強度値の加重平均値を評価指標Hとした場合、式5は、式1を用いて、以下の式7のように表すことができる。ここで、A及びBは、実スカラー量である。
このとき、偏光方向とX軸とのなす角度Ψは、式5から、以下の式8のように表すことができる。なお、arctanは、逆正接を表す。また、式6を満たさない角度Ψは、解として採用しない。
このようにして決定された偏光方向における評価指標Hの値を、S204で選択された領域の相対光強度とする。本実施形態では、有効光源の各領域の偏光方向及び相対光強度の決定において、複数の偏光方向や光強度を与えて空中像を算出する従来技術と比較して、原理上、計算コストを著しく低減することができる。なお、評価関数の分散値を評価指標Hとした場合も同様である。
S214(第2の算出ステップ)では、S206で算出した電場振幅ベクトルと、S212で決定した偏光方向とに基づいて、式3、式4、又は、それらの組み合わせで表される評価指標を算出する。換言すれば、S214では、評価関数に応じて、光強度値、像傾斜値、対数像傾斜値などを算出する。なお、評価指標は、式1を用いて算出してもよいし、式1を用いずに直接算出してもよい。
S216(第2の決定ステップ)では、S214で算出した評価指標に基づいて、S204で選択された領域の光強度を決定する。具体的には、S214で算出した評価指標の値(即ち、光強度値、像傾斜値、対数像傾斜値など)を、又は、かかる評価指標の値に定数を乗じた値を光強度として決定する。なお、式5及び式6を満たす偏光方向がない場合には光強度を0とする、或いは、式4の分散値が既定値を超えた場合には光強度を0とすることも可能である。また、像面上の複数の点における特性ばらつきを抑えるために、評価指標の値に評価指標の分散値のべき乗を乗じた値を光強度として決定してもよい。なお、S216で決定された光強度は、光強度データ409として記憶部40に記憶される。
S218では、S202で分割した全ての領域について、偏光方向及び光強度が決定されたかどうかを判定する。全ての領域について、偏光方向及び光強度が決定されていないと判定した場合には、偏光方向及び光強度が決定されていない領域を選択する(即ち、領域を変更する)ために、S204に移行する。一方、全ての領域について、偏光方向及び光強度が決定されていると判定した場合には、終了する。
このように、本実施形態では、空中像計算式に基づく解析式によって有効光源の各領域ごとに偏光方向及び光強度を決定しているため、微細なパターンを精度よく形成するための有効光源を少ない計算コストで決定することができる。なお、本実施形態では、電場振幅ベクトルをそのまま用いた場合について説明したが、電場振幅ベクトルとして、電場振幅ベクトルに座標による偏微分を施した偏微分ベクトルの加重平均値を用いてもよい。
また、処理装置1で決定された有効光源(偏光データ408及び光強度データ409)は、例えば、露光装置に与えられ、照明光学系を調整することで偏光データ408及び光強度データ409に対応する有効光源が形成される。なお、露光装置に存在する収差の情報を記憶部40に記憶させ、有効光源決定プログラム401に用いることで、収差が存在する露光装置に対しても最適な有効光源を決定することができる。
以下、実施例1乃至実施例4において、有効光源決定プログラムを実行して決定される有効光源について具体的に説明する。なお、露光光の波長をλとし、投影光学系の像側の開口数をNAとする。
<実施例1>
実施例1では、露光装置として、投影光学系のNAが1.35であり(NA情報に相当)、露光光の波長が193nmであり(λ情報に相当)である場合を考える。また、投影光学系は無収差(収差情報に相当)、ウエハに塗布されるレジストは考慮しない(レジスト情報に相当)ものとし、屈折率1.44の水を液浸液として用いる。
目標パターン(パターンデータ)は、図3に示すように、煉瓦壁パターンがx方向及びy方向に周期的に連続するパターンとする。また、短辺方向の長さが60nmでパターン間ピッチが90nmであり、長辺方向の長さが130nmでパターン間ピッチが180nmである。図3において、境界線B1で囲まれた煉瓦壁パターンは遮光パターン(即ち、透過率が0)とし、かかる煉瓦壁パターンの存在しない領域(背景)の透過率は1とする。また、マスクを透過した光の相対位相は全て0°とする。
次に、有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源について説明する。なお、有効光源及び瞳面の分割数(サンプリング数)は、63×63である。図3に示す座標P1乃至P4における対数像傾斜値の平均値を評価指標として用いた場合において、有効光源の光強度分布を図4に、有効光源の偏光方向の分布を図5に示す。図4に示す光強度分布及び図5に示す偏光方向の分布の決定に要した時間は約30秒であった。また、座標P1及びP2では、x方向の偏微分による対数像傾斜値を、座標P3及びP4では、y方向の偏微分による対数像傾斜値を算出し、それらの平均値を評価指標として光強度及び偏光方向を決定した。
図4に示す光強度分布及び図5に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像(実線C1)と、図6に示す4重極照明にタンジェルシャル(TE)偏光を用いて算出した空中像(実線C2)とを図7に示す。図7を参照するに、図6に示す4重極照明にタンジェルシャル(TE)偏光を用いた場合には、空中像がy方向に著しく縮小している。一方、図4に示す光強度分布及び図5に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いた場合には、x方向及びy方向ともに目標線幅に近い空中像が得られている。
<実施例2>
実施例2では、実施例1と同様に、露光装置として、投影光学系のNAが1.35であり(NA情報に相当)、露光光の波長が193nmであり(λ情報に相当)である場合を考える。また、投影光学系は無収差(収差情報に相当)、ウエハに塗布されるレジストは考慮しない(レジスト情報に相当)ものとし、屈折率1.44の水を液浸液として用いる。
目標パターン(パターンデータ)は、図8に示すように、コンタクトホールパターンがx方向及びy方向に周期的に連続するパターンとする。図8において、コンタクトホールパターンは、一辺の長さが50nmの開口パターン(即ち、透過率が1)とし、かかるコンタクトホールパターンの存在しない領域(背景)の透過率は0とする。また、マスクを透過した光の相対位相は全て0°とする。
次に、有効光源決定プログラムを実行することで決定される有効光源について説明する。なお、有効光源及び瞳面の分割数(サンプリング数)は、実施例1と同様に、63×63である。図8に示す座標P1乃至P18における対数像傾斜値の平均値を評価指標として用いた場合において、有効光源の光強度分布を図9に、有効光源の偏光方向の分布を図10に示す。図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布の決定に要した時間は約120秒であった。また、座標P1乃至P9では、x方向の偏微分による対数像傾斜値を、座標P10乃至P18では、y方向の偏微分による対数像傾斜値を算出し、それらの平均値を評価指標として光強度及び偏光方向を決定した。
図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像のx方向のNILS(実線)と、図11に示す4重極照明にTE偏光を用いて算出した空中像のx方向のNILS(点線)とを図12に示す。なお、図12では、評価点P1乃至P9のNILSを示している。図12を参照するに、対数傾斜値(ILS)を指標として有効光源を決定したことによって、全体的にNILSの値が向上している。
また、図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像の線幅(実線)と、図11に示す4重極照明にTE偏光を用いて算出した空中像の線幅(点線)とを図13に示す。図13を参照するに、図11に示す4重極照明の場合には、全体的に線幅が目標線幅の50nmに対して下回っていたり、解像できていなかったりしている。一方、図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源の場合には、目標線幅により近い線幅で解像している。
<実施例3>
実施例3では、実施例2と同じ条件とし、評価指標として、図8に示す座標P1乃至P18における対数像傾斜値の平均値をかかる対数像傾斜値の座標に対する分散値の4乗根で除した値を用いて、図14に示すように、有効光源の光強度分布を決定した。なお、有効光源の偏光方向の分布は、図10に示す通りである。
図14に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像の評価点P1乃至P9のx方向のNILSの最大差及び平均値を図15に示す。また、図15には、図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像の評価点P1乃至P9のx方向のNILSの最大差及び平均値も示す。図15を参照するに、分散値を考慮した場合には、NILSの平均値は低下するが、NILSの最大差を低減することができる。
<実施例4>
実施例4では、実施例2と同じ条件とし、収差情報として、図16に示すように、上下限差が500mλのZernike多項式の第4項で表されるデフォーカスを瞳面上に設定する。なお、図16に示すデフォーカスは、瞳面における相対位相分布を2πで規格化してラジアン単位で表している。図8に示す座標P1乃至P18における対数像傾斜値の平均値を評価指標とし、図16に示すデフォーカスを考慮した場合において、有効光源の光強度分布を図17に、有効光源の偏光方向の分布を図18に示す。
図17に示す光強度分布及び図18に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像のx=0、且つ、y=62.5に位置するコンタクトホールパターンのx方向の線幅のデフォーカス量依存性を図19に示す。また、図19には、図9に示す光強度分布及び図10に示す偏光方向の分布で規定される有効光源を用いて算出した空中像のx=0、且つ、y=62.5に位置するコンタクトホールパターンのx方向の線幅のデフォーカス量依存性も示す。図19を参照するに、図17に示す光強度分布及び図18に示す偏光方向の分布で規定される有効光源(実施例4)は、実施例2と比較して、焦点深度が向上している。
次に、図20を参照して、露光装置100について説明する。図20は、露光装置100の構成を示す概略図である。なお、露光装置100は、上述した有効光源決定プログラムを実行して決定された有効光源(光強度分布及び偏光方向の分布)を形成する。
露光装置100は、投影光学系140とウエハ150との間に供給される液体LWを介して、マスク130のパターンをウエハ150に露光する液浸露光装置である。露光装置100は、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式を適用するが、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式も適用することができる。
露光装置100は、図20に示すように、光源110と、照明光学系120と、マスク130を載置するマスクステージ135と、投影光学系140と、ウエハ150を載置するウエハステージ155と、液体供給回収部160と、主制御システム170とを備える。なお、光源110及び照明光学系120は、転写用の回路パターンが形成されたマスク130を照明する照明装置を構成する。
光源110は、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約193nmのArFエキシマレーザーなどのエキシマレーザーを使用する。但し、光源110の種類及び個数は限定されず、例えば、波長約157nmのFレーザーを光源110として使用することもできる。
照明光学系120は、光源110からの光を用いてマスク130を照明する光学系である。照明光学系120は、有効光源決定プログラムを実行して決定された有効光源(例えば、図4に示す光強度分布及び図5に示す偏光方向の分布で規定される有効光源)を形成する。照明光学系120は、本実施形態では、ビーム整形光学系121と、集光光学系122と、偏光制御部123と、オプティカルインテグレーター124と、開口絞り125とを含む。更に、照明光学系120は、集光レンズ126と、折り曲げミラー127と、マスキングブレード128と、結像レンズ129とを含む。
ビーム整形光学系121は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを含むビームエクスパンダ等を使用する。ビーム整形光学系121は、光源110からの平行光の断面形状の縦横比率を所定の値に変換する(例えば、断面形状を長方形から正方形にする)。ビーム整形光学系121は、本実施形態では、光源110からの光を、オプティカルインテグレーター124を照明するために必要な大きさ及び発散角を有する光に整形する。
集光光学系122は、複数の光学素子を含み、ビーム整形光学系121で整形された光をオプティカルインテグレーター124に効率よく導光する。集光光学系122は、例えば、ズームレンズシステムを含み、オプティカルインテグレーター124に入射する光の形状及び角度の分配を調整する。
偏光制御部123は、例えば、偏光素子を含み、投影光学系140の瞳面142と略共役な位置に配置される。偏光制御部123は、投影光学系140の瞳面142に形成される有効光源の所定領域の偏光状態を制御する。
オプティカルインテグレーター124は、マスク130を照明する照明光を均一化し、入射光の角度分布を位置分布に変換して射出する機能を有する。オプティカルインテグレーター124は、例えば、入射面と射出面とがフーリエ変換の関係に維持されたハエの目レンズを使用する。なお、ハエの目レンズは、複数のロッドレンズ(即ち、微小レンズ素子)を組み合わせることによって構成される。但し、オプティカルインテグレーター124は、ハエの目レンズに限定されず、光学ロッド、回折格子、各組が直交するように配置されたシリンドリカルレンズアレイ板などを使用してもよい。
開口絞り125は、オプティカルインテグレーター124の射出面の直後の位置であって、投影光学系140の瞳面142に形成される有効光源と略共役な位置に配置される。開口絞り125の開口形状は、投影光学系140の瞳面142に形成される有効光源の光強度分布(即ち、有効光源形状)に相当する。換言すれば、開口絞り125は、有効光源の光強度分布を制御する。開口絞り125は、照明モードに応じて切り替え可能に構成される。なお、開口絞りを使用せずに、あるいは、併用して、オプティカルインテグレーター124よりも光源側に回折光学素子(CGH)やプリズムを配置して有効光源の形状を調整してもよい。
集光レンズ126は、オプティカルインテグレーター124の射出面近傍に形成される2次光源から射出して開口絞り125を通過した光を集光し、折り曲げミラー127を介して、マスキングブレード128を均一に照明する。
マスキングブレード128は、マスク130と略共役な位置に配置され、複数の可動遮光板で構成される。マスキングブレード128は、投影光学系140の有効面積に対応する略矩形形状の開口を形成する。マスキングブレード128を通過した光は、マスク130を照明する照明光として使用される。
結像レンズ129は、マスキングブレード128の開口を通過した光をマスク130に結像させる。
マスク130は、ウエハ150に転写すべきパターン(目標パターン)を有し、マスクステージ135に支持及び駆動される。マスク130から発せられた回折光は、投影光学系140を介して、ウエハ150に投影される。マスク130とウエハ150とは、光学的に共役の関係に配置される。露光装置100はステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、マスク130とウエハ150とを同期走査することによって、マスク130の転写すべき回路パターンをウエハ150に転写する。なお、露光装置100がステップ・アンド・リピート方式の露光装置であれば、マスク130とウエハ150とを静止させた状態で露光する。
マスクステージ135は、マスクチャックを介してマスク130を支持し、図示しない駆動機構に接続されている。図示しない駆動機構は、例えば、リニアモーターなどで構成され、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及び各軸の回転方向にマスクステージ135を駆動する。なお、マスク130又はウエハ150の面内で走査方向をY軸、それに垂直な方向をX軸、マスク130又はウエハ150の面に垂直な方向をZ軸とする。
投影光学系140は、マスク130の回路パターンをウエハ150に投影する光学系である。投影光学系140は、屈折系、反射屈折系、或いは、反射系を使用することができる。投影光学系140の最終レンズ(最終面)には、液体供給回収部160から供給される液体LWによる影響を低減(保護)するためのコーティングが施されている。
ウエハ150は、マスク130のパターンが投影(転写)される基板である。但し、ウエハ150は、ガラスプレートやその他の基板に置換することもできる。ウエハ150には、レジストが塗布されている。
ウエハステージ155は、ウエハ150を支持し、マスクステージ135と同様に、リニアモーターを利用して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及び各軸の回転方向にウエハ150を移動させる。
液体供給回収部160は、投影光学系140の最終レンズ(最終面)とウエハ150との間の空間に液体LWを供給する機能を有する。また、液体供給回収部160は、投影光学系140の最終レンズとウエハ150との間の空間に供給された液体LWを回収する機能を有する。液体LWには、露光光に対して高い透過率を有し、投影光学系140(の最終レンズ)に汚れを付着させず、レジストプロセスとのマッチングがよい物質を選択する。
主制御システム170は、CPUやメモリを有し、露光装置100の動作を制御する。例えば、主制御システム170は、マスクステージ135、ウエハステージ155及び液体供給回収部160と電気的に接続し、マスクステージ135とウエハステージ155との同期走査を制御する。また、主制御システム170は、露光時のウエハステージ155の走査方向及び速度などに基づいて、液体LWの供給と回収、或いは、停止の切り替えを制御する。更に、主制御システム170には、処理装置1で決定された有効光源に関するデータ(偏光データ及び光強度データ)が入力され、かかるデータに基づいて照明光学系120を制御する。例えば、主制御システム170は、照明光学系120を構成する偏光制御部123、オプティカルインテグレーター124、開口絞り125等を制御して、処理装置1で決定された有効光源が形成されるようにする。なお、処理装置1で決定された有効光源に関するデータの入力は、ユーザによって入力されてもよいし、処理装置1と露光装置100をデータ通信可能に接続して、処理装置1から露光装置100に有効光源に関するデータを送信することによって行ってもよい。処理装置1と露光装置100をデータ通信可能に接続する場合は、露光装置100は周知のデータ受信部を備え、処理装置1は周知のデータ送信部を備える。但し、主制御システム170が処理装置1の機能を備えることも可能である。
露光において、光源110から発せられた光束は、照明光学系120によりマスク130を照明する。マスク130を通過して回路パターンを反映する光束は、投影光学系140により、液体LWを介してウエハ150に結像される。露光装置100における有効光源は、上述したように、従来の有効光源よりも像特性が向上しており、微細なパターンを精度よく形成することが可能である。従って、露光装置100は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。かかるデバイスは、露光装置100を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることによって製造される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (8)

  1. 光源からの光を用いてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置において、前記投影光学系の瞳面に形成される有効光源分布の偏光分布をコンピュータによって決定する決定方法であって、
    前記投影光学系の瞳面を複数の領域に分割する分割ステップと、
    前記分割ステップで分割した複数の領域のうち少なくとも1つの領域を選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域からの光が第1の方向の直線偏光であると仮定したときに前記投影光学系の像面上の少なくとも1つの評価点に形成される像の電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)を算出すると共に、前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域からの光が前記第1の方向に直交する第2の方向の直線偏光であると仮定したときに前記投影光学系の像面上の少なくとも1つの評価点に形成される像の電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)を算出する第1の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップで算出した電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)、及び、電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)を用いて、前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域の偏光方向を、当該偏光方向と前記第1の方向とのなす角をΨとして、
    に従って決定する第1の決定ステップと、
    を有することを特徴とする決定方法。
  2. 前記第1の算出ステップで算出した電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)、及び、電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)と、前記第1の決定ステップで決定した偏光方向とに基づいて、前記投影光学系の像面上の少なくとも1つの評価点に形成される像の光強度値、像傾斜値又は対数像傾斜値を算出する第2の算出ステップと、
    前記第2の算出ステップで算出した光強度値、像傾斜値又は対数像傾斜値を、又は、前記光強度値、像傾斜値又は対数像傾斜値に所定の値を乗じた値を前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域の光強度として、前記有効光源分布の光強度分布を決定する第2の決定ステップと、
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  3. 前記第1の算出ステップで算出した電場振幅ベクトル(E x1 ,E y1 ,E z1 )、及び、電場振幅ベクトル(E x2 ,E y2 ,E z2 )と、前記第1の決定ステップで決定した偏光方向とに基づいて、前記投影光学系の像面上の少なくとも1つの評価点に形成される像の光強度値、像傾斜値又は対数像傾斜値を算出する第2の算出ステップと、
    前記第2の算出ステップで算出した光強度値に当該光強度値の分散値のべき乗を乗じた値、前記第2の算出ステップで算出した像傾斜値に当該像傾斜値の分散値のべき乗を乗じた値、又は、前記第2の算出ステップで算出された対数像傾斜値に当該対数像傾斜値の分散値のべき乗を乗じた値を、前記選択ステップで選択した少なくとも1つの領域の光強度として、前記有効光源分布の光強度分布を決定する決定ステップと、
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  4. 前記第1の算出ステップでは、前記投影光学系の瞳面における波面収差を含めて前記投影光学系の瞳面を表す瞳関数を用いて、前記電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)、及び、前記電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)を算出することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の決定方法。
  5. 前記電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)として、当該電場振幅ベクトル(Ex1,Ey1,Ez1)に座標による偏微分を施した偏微分ベクトルの加重平均値を用い、
    前記電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)として、当該電場振幅ベクトル(Ex2,Ey2,Ez2)に座標による偏微分を施した偏微分ベクトルの加重平均値を用いることを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の決定方法によって決定された有効光源分布を用いてマスクを照明するステップと、
    前記マスクのパターンを基板に投影するステップと、
    を有することを特徴とする露光方法。
  7. 請求項6に記載の露光方法を用いて基板を露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップと、
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
  8. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の決定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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