以下の例示的な複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。また、各図では、便宜上、方向(X方向、Y方向、Z方向)が示されている。X方向は、表示画面4aに対する正面視での長手方向、Y方向は、表示画面4aに対する正面視での短手方向、Z方向は表示画面4aに対する正面視での前後方向(奥行方向、筐体3の厚さ方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、相互に直交している。
また、以下の実施形態では、電子機器がテレビジョン受像機またはパーソナルコンピュータとして構成された場合が例示されるが、本実施形態にかかる電子機器は、これらには限定されない。本実施形態にかかる電子機器は、例えば、スマートフォンや、スマートブック、携帯電話機、PDA(personal digital assistant)、映像表示装置、テレビ電話機等の種々の電子機器として構成することができる。
<第1実施形態>
本実施形態にかかる電子機器の一例であるテレビジョン受像機1は、図1,2に示されるように、支持部(支部、台、スタンド)2と、筐体3と、を備える。支持部2は、机や、棚、台等の載置部(図示されず)上に載置され、筐体3を支持する。支持部2は、筐体3を固定的に支持してもよいし、移動可能(回動可能、スライド可能)に支持してもよい。筐体3の支持部2に対する回動形態としては、例えばチルトや、スイベル、ピボット等がある。
筐体3は、図1に示されるように、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3は、図2に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3は、前面(正面、面、第一面、第一面部)3aとこの反対側の後面(背面、面、第二面、第二面部)3bと、を有する。前面3aと後面3bとは略並行している。また、筐体3は、図1に示されるように、正面視では、四つの端部(辺部、縁部)3c〜3fと、四つの角部(尖部、曲部、端部)3g〜3jと、を有する。また、端部3c,3eは、長辺部の一例である。端部3d,3fは、短辺部の一例である。
また、筐体3は、前面3aを有する壁部(第一壁部、第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)3kと、後面3bを有する壁部(第二壁部、第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)3mと、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では一例として長方形状)である。また、筐体3は、壁部3kと壁部3mとの間に亘った側面(面、周面、第三面)3pを有する四つの壁部(第三壁部、第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)3nを有する。そして、壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。
さらに、筐体3は、複数の部品(分割体、部材)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3は、一例としては、少なくとも壁部3kを含む第一部材(第一部分、前側部材、カバー)3Frと、少なくとも壁部3mを含む第二部材(第二部分、後側部材、ベース、ボトム)3Rrとを有する。壁部3nは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrのうち少なくともいずれか一方(例えば、第二部材3Rr)に含まれることができる。なお、筐体3は、第一部材3Frおよび第二部材3Rrとは別に、これらの間に位置した第三部材(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム、図示されず)を有することができる。その場合、壁部3nは、第三部材に含まれることもできる。筐体3は、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。
筐体3内には、表示装置(表示部、ディスプレイ、パネル)4が収容されている。表示装置4の、前面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3の前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、透明な比較的薄い矩形状の入力操作パネル(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)5が設けられている。入力操作パネル5は、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば手指やスタイラス等によって、入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3の前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
筐体3内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)に、複数の基板6,7が収容されている。基板6,7は、相異なる位置に配置され、いずれも、表示装置4と並行して設けられている。また、基板6,7は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間が形成された状態で、設けられている。基板6,7は、表示装置4に沿って並べて配置され、筐体3の厚さ方向には重なり合わないのが好適である。また、基板6,7は、例えばねじ等の固定具によって、筐体3に固定されている。
図1に示される基板(第一基板、第一回路基板、制御基板、メイン基板)6には、CPU(central processing unit)等の複数の電子部品(部品、素子、図示されず)が実装されている。電子部品には、発熱体が含まれる。また、発熱量の大きな電子部品(発熱体)には、冷却機構(放熱部、受熱部、図示されず)を設けることができる。基板6および電子部品によって、制御回路(図示されず)の少なくとも一部が構成されている。制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
また、図3〜10に例示される基板(第二基板、第二回路基板、モジュール基板、サブ基板)7には、複数(本実施形態では二つ)のモジュール(カードモジュール、部品、電子部品、記憶装置、アンテナ、素子)8A,8Bが設けられている。基板7は、フレキシブルケーブル(図示されず)等を介して基板6と電気的に接続されている。基板7には、例えば、SSD(solid state drive)モジュールや、無線通信モジュール等、種々のモジュール8A,8Bを設けることができる。なお、本実施形態では、基板7に二つのモジュール8A,8Bが設けられた構成が例示されたが、三つ以上のモジュールを設けてもよい。また、本実施形態では、一例として、二つのモジュール8A,8Bの形状がほぼ同じであるが、異なっていてもよい。モジュール8Aは、第一カードモジュールの一例であり、モジュール8Bは、第二カードモジュールの一例である。基板7に実装される電子部品の数は、基板6に実装される電子部品の数よりも少ない。基板7のサイズは、基板6のサイズよりも小さい。また、基板7に接続され筐体3内の他の部品と接続するケーブル類の本数は、基板6に接続され筐体3内の他の部品と接続するケーブル類の本数よりも少ない。すなわち、基板7の可搬性は基板6より高い。また、作業工程の順番に関し、基板7は、基板6を含む比較的大型の部品が実装された後に、筐体3内に組み込まれることができる。
図3〜6には、モジュール8A,8Bが取り付けられた基板7が示され、図7〜10には、モジュール8A,8Bが取り外された(取り付けられていない)基板7が示されている。本実施形態では、一例として、基板7の第一面(第一表面、第一部、第一領域)7aにモジュール8Aが設けられ、基板7の第二面(第二表面、第二部、第二領域)7bにモジュール8Bが設けられている。本実施形態では、一例として、第一面7aおよびモジュール8Aは、前側(表示装置4側、正面側、第一側)に、第二面7bおよびモジュール8Bは、後側(表示装置4の反対側、背面側、第二側)に、配置される。
図3〜6に示されるように、モジュール8A,8Bは、いずれも扁平な直方体状に形成され、平面視では矩形状(長方形状)の外観を呈している。モジュール8A,8Bの長手方向一方側の短辺部に相当する端部(辺部、縁部)8aには、コネクタ部8bが設けられている。コネクタ部8bは、複数の端子(図示されず)を有する。複数の端子は、端部8aに沿って列状に並べられる。基板7には、コネクタ9が設けられている。コネクタ部8bは、コネクタ9に差し込まれ、コネクタ9と電気的に接続される。すなわち、コネクタ部8bの端子とコネクタ9の端子(図示されず)とが、導通可能な状態に接触する。コネクタ9は、第一コネクタまたは第二コネクタの一例である。
一方、端部8aの反対側としての長手方向他方側の短辺部に相当する端部(辺部、縁部)8cには、固定部(支持部、保持部)8dが設けられている。固定部8dは、本実施形態では、一例として、モジュール8A,8Bの角部(尖部、曲部、端部)に位置されている。本実施形態では、一例として、角部の前側および後側に正面視で矩形状の凹部(開口部、切欠部)が設けられており、固定部8dは、板状かつフランジ状に構成されている。そして、固定部8dには、固定具(挿入部材、固定部材、位置決め部材)としてのねじ10が通される開口部(例えば、貫通孔や切欠等、図示されず)が設けられている。開口部を通ったねじ10は、基板7に設けられた雌ねじ部(スタッド、ボス)11に固定される。雌ねじ部11は、第一固定部または第二固定部の一例である。なお、固定具は、ねじには限定されず、例えば、クリップや、ピン、リベット等であってもよい。また、固定部は、モジュール8A,8Bおよび基板7のうち少なくともいずれか一方に固定されることができる。
図7〜10に示されるように、基板7の第一面7aには、モジュール8Aに対応したコネクタ9および雌ねじ部11が設けられている。また、第二面7bには、モジュール8Bに対応したコネクタ9および雌ねじ部11が設けられている。また、第一面7aおよび第二面7bのコネクタ9と雌ねじ部11との間には、平面部(領域、部分、面部)7cが設けられている。本実施形態では、一例として、平面部7cには、表面実装部品(電子部品、部品)は実装されていない。しかし、これはあくまで一例であって、平面部7cには、基板7の表面から少なくとも一部が突出された部品や、内部に一部が埋め込まれた部品等が実装されることができる。また、平面部7cは、モジュール8A,8Bと部品とが基板7の厚さ方向に積層されてアセンブリ70の高さが高くなるのを抑制するため、基板7の第一面7aまたは第二面7bのモジュール8A,8Bに対応する(対向する)位置で、部品が設けられない領域、あるいは部品の突出高さがより低い領域である。すなわち、平面部7cには、モジュール8A,8Bと干渉しない高さ(実装高、突出高)の部品が設けられることができる。
図5と図9、ならびに図6と図10を比較して参照することで、本実施形態では、一例として、モジュール8A,8Bが平面部7c上に(平面部7cに重なって)位置していることがわかる。そして、図4に示されるように、本実施形態では、一例として、モジュール8A,8Bが第一面7aまたは第二面7bに沿っている。すなわち、本実施形態では、このような構成により、基板7とモジュール8A,8Bとのアセンブリ(第二アセンブリ)70をより薄くすることができる。平面部7cは、第一平面部または第二平面部の一例である。なお、本実施形態では、コネクタ9からの距離が遠い雌ねじ部11と、コネクタ9からの距離が近い雌ねじ部11とが設けられている。これにより、基板7にモジュール8A,8Bとはサイズ(図5,9の上下方向の長さ)の異なるモジュール(図示されず)を設けることができる。
また、本実施形態では、図4,5等に示されるように、第一面7aおよび第二面7bの、平面部7c以外の領域であって、モジュール8A,8Bの裏側に位置した領域(裏側領域、第三平面部)7dには、電子部品12が、例えば表面実装等によって設けられている。本実施形態では、第一面7aの領域7dに、電子部品12の一例として、温度センサ(例えばサーミスタ等)12aが設けられている。図4に示されるように、本実施形態では、一例として、温度センサ12aは、第二面7bに設けられたモジュール8Bの裏側に位置している。モジュール8Bおよび温度センサ12aのこのようなレイアウトは、モジュール8A,8Bが基板7の厚さ方向に完全に重なるのではなく部分的に重なっていることで生じている。すなわち、モジュール8A,8Bが基板7の第一面7aまたは第二面7bに沿ってずれた状態に配置されることで、第一面7aまたは第二面7b(本実施形態では一例として第一面7a)の、モジュール8A,8Bの裏側に、電子部品12を実装可能な領域7dが設けられている。このようなレイアウトにより、一例としては、モジュール8A,8Bに対して基板7を介した反対側に、電子部品12を配置することができる。よって、一例としては、電子部品12を、モジュール8A,8Bにより近付けて位置させることができる。よって、一例としては、温度センサ12aによってモジュール8Bの温度や発熱量をより精度良く検出あるいは推定しやすくなる。なお、モジュール8A,8Bが長手方向(長方形の長辺に沿った方向)にずれた場合には、モジュール8A,8Bが短手方向(長方形の短辺に沿った方向)にずれた場合に比べて、領域7dの面積がより狭くなりやすい。よって、一例としては、アセンブリ70が基板7の第一面7aおよび第二面7bに沿った方向に大きくなりにくい。また、温度センサ12aは、あくまで一例に過ぎず、モジュール8A,8Bの裏側には、温度センサ12a以外の電子部品12を設けることができる。なお、第二面7bの、モジュール8Aの裏側に、電子部品12を設けることができる。領域7dは、第一領域または第二領域の一例である。
また、本実施形態では、電子部品12は、基板7の周縁部分に沿うように、かつ平面部7cの周辺に該平面部7cを避けるように設けられている。このような構成により、一例としては、作業者は、モジュール8A,8Bを取り付ける際に、電子部品12よって平面部7cを目視しやすく、モジュール8A,8Bの位置を確認しやすい。
また、本実施形態では、第一面7aおよび第二面7bの、平面部7c以外の領域であって、モジュール8A,8Bの裏側に位置しない領域(周辺領域、第四平面部)7e、すなわち、平面部7cおよび領域7d以外の領域7eにも、電子部品12が、例えば表面実装等によって設けられている。本実施形態では、図6,10に示されるように、領域7eに、電子部品12を含む回路13が設けられている。さらに、本実施形態では、一例として、第二面7bに設けられるモジュール8Bは、第3世代移動通信システム(3G)用のモジュールである。そして、第二面7bには、モジュール8Bと並べて、この3Gの通信で用いられるID(identification)カード(SIMカード、subscriber identity module card)のカードホルダ12bが、設けられている。カードホルダ12bは、電子部品12の一例である。
また、基板7の第一面7aには、基板6と基板7とを電気的に接続するフレキシブルケーブル(図示されず)のコネクタ14が設けられている。
また、本実施形態では、図5,6に示されるように、モジュール8A,8Bおよびコネクタ9に、取り付けの指標30a,30bが設けられている。指標30a,30bは、本実施形態では、一例として、コネクタ9およびモジュール8A,8Bに、矢印状の印(マーク)として設けられている。指標30a,30bは、例えば、印刷やシールの貼付等によって、設けられる。モジュール8Aとコネクタ9との組み合わせが正しい場合には、指標30aと指標30bとが対応する。一方、モジュール8Aとコネクタ9との組み合わせが誤っている場合には、指標30aと指標30bとが対応しない。一例として、本実施形態では、モジュール8Aとこれに対応するコネクタ9の指標30a,30bの位置と、モジュール8Bとこれに対応するコネクタ9の指標30a,30bの位置とが、コネクタ9に沿う方向(端部8aに沿う方向、短辺方向、コネクタ部8bおよびコネクタ9の端子に沿う方向)に沿ってずれている。よって、作業者は、指標30a,30bにより、モジュール8A,8Bとコネクタ9とが正しい組み合わせであるか否かを、視覚的あるいは触覚的に認識することができる。視覚的な対応の有無は、例えば、指標30a,30bの位置や色等で識別することができる。このような構成によれば、一例としては、モジュール8A,8Bのコネクタ9への誤組み付けを抑制することができる。なお、指標30a,30bは、この例には限定されず、種々に変更することができる。例えば、指標30a,30bは、文字や、模様、絵、色、図形、形状(凹部あるいは凸部等)等であることができる。また、指標は、モジュール8A,8Bおよびコネクタ9のうち一方に設けられることができるし、二つのモジュール8A,8Bのうち一方に設けられることができる。また、指標は、基板7(例えば、第一面7aや第二面7b等)や、ねじ10、雌ねじ部11等に設けることもできる。
以上の本実施形態では、テレビジョン受像機1は、基板6とは別に、第一面7aにモジュール8Aが設けられるとともに第二面7bにモジュール8Bが設けられた基板7を、備えた。よって、一例としては、筐体3内での部品のレイアウトの自由度が向上しやすくなり、筐体3の大型化を抑制しやすくなる。また、一例としては、基板6または基板7の一つの面に複数のモジュール8A,8Bが並べて設けられた場合に比べて、筐体3が基板6または基板7の面に沿う方向に大型化するのを抑制しやすくなる。また、モジュール8A,8Bが基板6ではなく基板7に設けられたため、一例としては、モジュール8A,8Bが基板6に設けられた場合に比べて、モジュール8A,8Bを取り付ける工程やモジュール8A,8Bに対応した部品(例えば、モジュール8A,8Bと他の部品や基板とを電気的に接続するための端子やコネクタ、具体的にはアンテナケーブルの端子等)を取り付ける工程の自由度が高まるため、製造の手間や製造コストを減らしやすくなる。
また、本実施形態では、動作中の温度がモジュール8Aより高いモジュール8Bが、筐体3の壁部3mに近い側に位置され、動作中の温度がモジュール8Bより低いモジュール8Aが、表示装置4側に位置された。よって、一例としては、モジュール8Bによって生じた熱を、壁部3mを介して筐体3の外へ放出しやすくなる。また、一例としては、モジュール8Bによって生じた熱が表示装置4に及ぼす影響を低減しやすくなる。
また、本実施形態では、基板7の第一面7aまたは第二面7bの、モジュール8A,8Bの裏側に位置された領域7dに、電子部品12が設けられた。よって、一例としては、電子部品12が、モジュール8A,8Bのより近くに位置することができる。電子部品12が温度センサ12aである場合、一例としては、モジュール8A,8Bの温度をより精度良く検知しやすくなる。
また、本実施形態では、モジュール8A,8Bは、それらの長手方向に沿ってずれて配置された。よって、一例としては、モジュール8A,8Bがずれることにより基板7の第一面7aおよび第二面7bに設けられるモジュール8A,8Bの裏側に位置された領域7dの大きさを、モジュール8A,8Bが短手方向に沿ってずれた場合に比べて、より小さくすることができる。
なお、本実施形態では、二つのモジュール8A,8Bとして、カード型のモジュールが例示された。しかし、これはあくまで一例であって、例えば、二つのモジュール8A,8Bは、基板7に面した領域(面)が平面(平坦面、略平坦面、基板7に沿った面)であって、基板7を挟んで少なくとも一部同士が互いにオーバーラップする位置で、コネクタ9に接続可能な構成を有していれば良く、カード型のものには限定されない。
<変形例>
図11,12には、変形例にかかる基板(第二基板)7Aおよびアセンブリ70Aが示されている。基板7Aおよびアセンブリ70Aは、上記第1実施形態の基板7およびアセンブリ70に替えて用いることができる。本変形例では、モジュール8A,8Bは、一例として、基板7Aの第一面7aおよび第二面7bに対する平面視(第一面7aおよび第二面7bに垂直な方向、基板7Aの厚さ方向(図11,12の上下方向)からの視線)で、ほぼ同じ形状(矩形状、長方形状)である。よって、一例としては、モジュール8A,8Bに用いられるコネクタ9や雌ねじ部11等のスペック(大きさ、形状等)を同じにすることができ、製造の手間や製造コストを減らしやすくなる。
また、本変形例では、一例として、モジュール8Aとモジュール8Bとが、全体的に基板7Aの厚さ方向に重なっている。よって、一例としては、基板7Aが第一面7aおよび第二面7bに沿う方向に大きくなるのを抑制しやすくなる。よって、一例としては、筐体3、ひいてはテレビジョン受像機(電子機器)1が大きくなるのを抑制しやすくなる。
さらに、本変形例では、図12に示されるように、基板7Aには、貫通孔7f,7gが設けられている。そして、貫通孔7fには、第一面7aに設けられた雌ねじ部11の突出部11aと、第二面7bに設けられた雌ねじ部11の突出部11aとが、挿入されている。すなわち、貫通孔7fは、これら二つの雌ねじ部11の位置決め部として機能し、二つの雌ねじ部11の基板7Aへの固定(位置決め)に共用されている。なお、雌ねじ部11には、雌ねじ孔11bが設けられている。固定具としてのねじ10の雄ねじ部(図示されず)は、雌ねじ孔11bに結合される。また、雌ねじ部11は、一例としては、基板7Aの第一面7aおよび第二面7bに設けられた銅箔等からなるパッド部(図示されず)にはんだ付け等されることで、基板7Aに結合される。雌ねじ部11の基板7Aへの固定構造は、上記第1実施形態でも同様であることができる。
また、貫通孔7gには、第一面7aに設けられたコネクタ9の突出部9aと、第二面7bに設けられたコネクタ9の突出部9aとが、挿入されている。すなわち、貫通孔7gは、これら二つのコネクタ9の位置決め部として機能し、二つのコネクタ9の基板7Aへの固定(位置決め)に共用されている。なお、コネクタ9は、一例としては、基板7Aの第一面7aおよび第二面7bに設けられた銅箔等からなるパッド部(図示されず)にはんだ付け等されることで、基板7Aに結合される。コネクタ9の基板7Aへの固定構造は、上記第1実施形態でも同様であることができる。貫通孔7gは、第二貫通孔の一例である。
このように、本変形例では、第一面7aに設けられる部品(電子部品、コネクタ9や雌ねじ部11等)と、第二面7bに設けられる部品(電子部品、コネクタ9や雌ねじ部11等)とで、貫通孔7f,7gを共用することができる。よって、一例としては、製造の手間や製造コストを低減しやすくなる。
また、本変形例の貫通孔7f,7gを共用する構成は、図13,14に例示されるように、一例としては、筐体3の内部での部品15のレイアウトが異なる複数のテレビジョン受像機(電子機器)1について、基板7Aを共用できるという利点も得られる。具体的には、例えば、図13の仕様では、基板7Aの第一面7aにモジュール8Aが設けられている。これに対し、図14の仕様では、筐体3の内部の第一面7a側に別の部品(例えば、カードホルダ等)15が設けられ、第一面7aにモジュール8Aが設けられた場合には、当該モジュール8Aと部品15とが干渉する。よって、図14の仕様では、図13の場合と同機能を果たすモジュール8Aが基板7Aの第二面7bに設けられている。このように、本変形例にかかる基板7Aによれば、一例としては、テレビジョン受像機(電子機器)1の複数の仕様について、基板7Aを共用することができる。よって、一例としては、基板7Aを複数の仕様毎に製造する場合に比べて、製造の手間や製造コストを低減しやすくなる。
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器1Bは、例えば、所謂スレート型、タブレット型、ソフトキーボードの機能を有した表示装置等の、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機、スマートフォン、スマートブック、携帯電話機、PDA等である。
電子機器1Bの筐体3Bは、図15〜17に示されるように、正面視および背面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3Bは、図18〜21に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3Bは、前面(正面、面、第一面、第一面部)3aとこの反対側の後面(背面、面、第二面、第二面部)3bと、を有する。前面3aと後面3bとは略並行している。また、筐体3Bは、図15〜17に示されるように、正面視では、四つの端部(辺部、縁部)3c〜3fと、四つの角部(尖部、曲部、端部)3g〜3jと、を有する。端部3c,3eは、長辺部の一例である。また、端部3d,3fは、短辺部の一例である。
また、筐体3Bは、前面3aを有する壁部(第一壁部、第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)3kと、後面3bを有する壁部(第二壁部、第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)3mと、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では一例として長方形状)である。また、筐体3Bは、壁部3kと壁部3mとの間に亘った側面(面、周面、第三面)3pを有する四つの壁部(第三壁部、第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)3nを有する。壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。
さらに、筐体3Bは、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3Bは、一例としては、少なくとも壁部3kを含む第一部材(第一部分、前側部材、カバー)3Frと、少なくとも壁部3mを含む第二部材(第二部分、後側部材、ベース、ボトム)3Rrとを有する。壁部3nは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrのうち少なくともいずれか一方(例えば、第二部材3Rr)に含まれる。また、本実施形態では、図22に示されるように、筐体3Bは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrとは別に、これらの間に位置した第三部材3Md(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム)を有する。壁部3nの一部は、第三部材3Mdに含まれることができる。筐体3Bは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。一例として、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdは、例えばマグネシウム合金等の金属材料で構成されることができ、第一部材3Frは、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdより剛性の低い合成樹脂材料で構成されることができる。なお、第一部材3Fr、第二部材3Rr、および第三部材3Mdには、リブ等の壁部(突出部、突出壁部)が設けられることができる。壁部により、筐体3Bの剛性が向上される。また、第三部材3Mdには、貫通孔等の開口部が設けられることができる。開口部により、筐体3Bをより軽量に構成することができる。
また、本実施形態では、図19,21に示されるように、一例として、長手方向を横向きにした使用状態で下側または手前側(ユーザに近い側)となる第一部3Baの厚さが、当該使用状態で上側または奥側(ユーザから遠い側)となる第二部3Bbの厚さより薄い。このため、机等の載置面P上に載せて使用する状態では、筐体3Bの前面3aおよび表示画面4aの載置面Pからの高さが、手前側(下側)から奥側(上側)に向かうにつれて、高くなる。よって、本実施形態によれば、一例としては、電子機器1Bに対して図19の左側、図21の右側に位置したユーザにとって、表示画面4aが所謂チルトの状態となり、ユーザが表示画面4aを見やすいという利点がある。
また、使用時に表示画面4aで出力される映像の向きは、筐体3B(電子機器1B)の姿勢に応じて変化させることができる。例えば、筐体3B内に設けられた制御回路(図示されず)は、筐体3Bに設けられたセンサ(例えば、ジャイロセンサや加速度センサ)等の検出結果に応じて、表示画面4aに出力される映像の向きや大きさ等を変更することができる。また、制御回路は、映像の姿勢を、いくつかに限定することができる。具体的には、例えば、制御回路は、筐体3Bの端部3cが端部3eより上側に位置したときに(第一姿勢)、表示画面4aに当該端部3c側が上の映像を表示し、端部3dが端部3fより上側に位置したときに(第二姿勢)、表示画面4aに当該端部3dが上の映像を表示することができる。そして、制御回路は、筐体3Bの姿勢が、従前の姿勢から第一姿勢および第二姿勢に変化した際には、表示画面4aの映像を姿勢に対応した映像に切り替えるが、従前の姿勢から第一姿勢および第二姿勢以外の姿勢(すなわち、この例では、端部3eが端部3cより上側に位置した姿勢、あるいは端部3fが端部3dより上側に位置した姿勢)に変化した際には、制御回路は、表示画面4aの映像を切り替えない。このような制御により、ユーザによる電子機器1Bの使用姿勢を、限定することができる。
そして、筐体3Bには、部品16を出入可能に収容した部品収容部17が設けられている。部品収容部17の開口部17aは、本実施形態では、一例として、端部3dに開口している。この開口部17aは、いずれかの使用姿勢(上述の例では、第一姿勢または第二姿勢)で上側となり、かつ非使用姿勢では下側とならない端部3dに設けられている。このような構成によれば、使用姿勢では、開口部17aが上側に位置される。よって、一例としては、部品16が部品収容部17から重力の作用によって脱落するのを抑制しやすくなる。部品16は、具体的には、例えば、スタイラス、スタイラスペン、ペン等である。
また、図16に示されるように、本実施形態では、バッテリ18と、表示装置4とが、筐体3Bの厚さ方向には重ならず、厚さ方向と直交する方向(前面3aまたは後面3bに沿う方向、X方向またはY方向、本実施形態では一例として、Y方向)に並んで配置されている。よって、一例としては、バッテリ18と表示装置4とが筐体3Bの厚さ方向に重なった場合に比べて、筐体3Bをより薄く構成することができる。また、一例としては、バッテリ18と表示装置4とが筐体3Bの厚さ方向に重なった場合に比べて、バッテリ18をより厚くしやすくなり、ひいては、バッテリ18の単位体積あたりの容量を高めやすくなる。また、図19,21に示されるように、本実施形態では、筐体3Bは、薄い第一部3Baと、厚い第二部3Bbとを有している。バッテリ18を収容するバッテリ収容部(バッテリ支持部)3sは、厚い第二部3Bbの端部3cに設けられている。よって、一例としては、バッテリ収容部3sが第一部3Baに設けられた場合に比べて、バッテリ18を厚くしやすくなり、ひいては、バッテリ18の単位体積あたりの蓄電容量を高めやすくなる。
また、本実施形態では、バッテリ収容部3sが設けられた端部3cと反対側の端部3eが、ドッキングステーション(他の電子機器、図示されず)に支持される。よって、一例としては、作業者(ユーザ等)は、電子機器1Bがドッキングステーションに支持された状態で、バッテリ18を筐体3Bに着脱することができる。また、端部3eには、図15,20に示されるように、ドッキングステーションのコネクタ(図示されず)と接続されるコネクタ19が設けられている。よって、一例としては、バッテリ収容部3sおよびコネクタ19が、相互に干渉することなく、筐体3Bに設けられやすい。なお、端部3eには、端子3tも露出している。コネクタ19および端子3tは、端部3eの壁部3nに設けられた開口部3uを介して露出している。
また、バッテリ収容部3sにおいて、バッテリ18によって隠される部分には、筐体3Bの第一部材3Fr、第二部材3Rr、および第三部材3Mdのうちいずれか二つ以上(二つまたは三つ)の結合部分が、設けられている。この結合部分では、例えば、結合具の一例としてのねじによって、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとが結合されている。筐体3Bを分解する場合、作業者(ユーザ等)は、まず、このねじを外して、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとをこの部分で少なくとも局所的に分離し、離間させる。その後、作業者は、例えば、この離間した部分に力を加えることで、第一部材3Frを弾性的に変形させながら、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとの弾性的な結合部(係合部、接続部、一例としては爪と孔の縁とによる係合部、図示されず)の結合を解除して、第一部材3Frを第三部材3Mdまたは第二部材3Rrから取り外す。第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとの複数の結合部(係合部、接続部)が、第一部材3Frの外周に沿って設けられている。第二部材3Rrと第三部材3Mdとを結合する結合具としての複数のねじ(図示されず)は、第一部材3Frによって全て覆われている。よって、作業者は、第一部材3Frを第三部材3Mdまたは第二部材3Rrから取り外すことで、そのねじを取り外すことができ、第二部材3Rrと第三部材3Mdとを分離することができる。このような構成によれば、バッテリ18をバッテリ収容部3sから取り外したときに、筐体3Bの円滑な分解が可能となる。すなわち、バッテリ18がバッテリ収容部3sに装着された状態で筐体3Bが分解されるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdがバッテリ収容部3sまで進出し、端部3c(壁部3n、側面3p)の一部を構成している。よって、一例としては、筐体3Bの剛性をより高くすることができる。また、バッテリ収容部3sの剛性がより高くなるため、一例としては、バッテリ18の振動やずれ等をより一層抑制しやすくなる。
また、図15〜21に示されるように、筐体3Bの前面3aや側面3pには、操作部20やコネクタ21が設けられている。操作部20は、押しボタンや、押しスイッチ、スライドスイッチ、ポインティングデバイス等であることができる。コネクタ21は、電源ケーブル用のコネクタや、USBコネクタ、イヤホンやマイクのコネクタ等である。操作部20やコネクタ21は、筐体3Bの壁部3k,3nに設けられた開口部3uを介して露出している。また、前面3aには、カメラ(カメラモジュール、撮像装置)31を設けることができる。
また、図17,19に示されるように、筐体3Bの後面3bや側面3pには、電子部品12(図24等参照)の冷却等に用いる空気を導入したり排出したりする通気口22が設けられている。本実施形態では、一例として、後面3b(壁部3m)に、空気を導入する導入口22aが設けられ、側面3p(壁部3n、端部3d)に、空気を排出する排出口22bが設けられている。本実施形態では、導入口22aや排出口22bは、壁部3m,3nに設けられた複数の小孔22cが集まった部分として設けられている。なお、後面3bには突出部3vが設けられている。よって、図19,21に示されるような後面3bが載置面P上に載せられた状態でも、導入口22aは塞がれない。また、本実施形態では、筐体3Bの薄い第一部3Baと厚い第二部3Bbとの境界部分に、傾斜部3Bcが設けられている。そして、図17に示されるように、導入口22aのうちの一つ22a1が、傾斜部3Bcの後面3bに設けられている。図19,21に示されるように、傾斜部3Bcと載置面Pとの間の距離は、他の部分と載置面Pとの間の距離より大きくなるため、この傾斜部3Bcに設けられた導入口22a1については、空気の通流抵抗を減らしやすくなって、冷却効率をより高めやすくなる。また、本実施形態では、複数の導入口22aが設けられている。よって、一例としては、何らかの原因で一つの導入口22aが塞がれたような場合にあっても、他の導入口22aから空気流を筐体3B内に導入することができ、冷却性能が損なわれにくくなる。なお、筐体3B内は、冷却機構23(図23等参照)によって冷却してもよいし、自然冷却(対流冷却)によって冷却してもよい。
図22に示されるように、本実施形態でも、筐体3B内に、本実施形態では、一例として、第一部材3Frと第三部材3Mdとの間に、表示装置(表示部、ディスプレイ、パネル)4が収容されている。表示装置4の、前面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3Bの前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
また、表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、透明な比較的薄い矩形状の入力操作パネル(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)5が設けられている。入力操作パネル5は、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば、手指や部品16(スタイラス)等で入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは手指やスタイラス等を入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3Bの前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
そして、図22,23等に示されるように、筐体3B内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)、本実施形態では、一例として、第二部材3Rrと第三部材3Mdとの間に、複数の基板6,7,25が収容されている。基板6,7,25は、相異なる位置に配置され、いずれも、表示装置4と並行して設けられている。また、基板6,7,25は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間が形成された状態で、設けられている。基板6,7,25は、表示装置4に沿って並べて配置され、筐体3Bの厚さ方向には重なり合わないのが好適である。また、基板6,7,25は、ねじ等の固定具によって、筐体3Bに固定されている。
基板(第一基板、第一回路基板、制御基板、メイン基板)6には、例えば、CPU(central processing unit)や、グラフィックコントローラ、電源回路部品、PCH(platform controller hub)、メモリスロットコネクタ、LCDコネクタ、I/O(input/output)コネクタ、電源コイル、素子、コネクタ等の複数の電子部品12(図24等参照、図24には一部のみ図示)を実装することができる。電子部品12には、発熱体が含まれる。発熱量の大きな電子部品(発熱体)12には、冷却機構23を設けることができる。冷却機構23は、ヒートシンク(受熱部、図示されず)、ヒートパイプ23a、放熱部23b、ファン24等を含んでいる。基板6および電子部品12によって、制御回路(図示されず)の少なくとも一部が構成されている。また、制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
基板7およびモジュール8A,8Bは、上記第1実施形態と同様の構成を有している。本実施形態でも、基板7の第一面7aおよびモジュール8Aが表示装置4側に位置し、第二面7bおよびモジュール8Bが表示装置4の反対側に位置している。また、第一面7a、第二面7b、およびモジュール8A,8Bは、表示装置4に沿って配置されている。また、基板25には、電子部品12が設けられている。また、筐体3B内には、フレキシブルケーブル27が収容されている。フレキシブルケーブル27は、基板6,7,25や、表示装置4、コネクタ19等の間を、電気的に接続している。フレキシブルケーブル27は、対応するコネクタ14に電気的に接続されている。フレキシブルケーブル27は、例えば、フレキシブルプリント配線板や、フラットケーブル等である。
また、図23に示されるように、筐体3B内には、複数のアンテナ26が収容されている。本実施形態では、一つの通信モジュール(例えば、モジュール8B)に接続された複数のアンテナ26が、相互に離間して配置されている。本実施形態では、一例として、一つのアンテナ26は、筐体3Bの端部3dおよび端部3eの近傍(角部3hの近傍)に配置され、もう一つのアンテナ26は、筐体3Bの端部3eおよび端部3fの近傍(角部3iの近傍)に配置されている。これにより、一例としては、アンテナ26の空間ダイバーシティを構成することができる。なお、アンテナ26とモジュール8Bとは、ケーブル28を介して電気的に接続されている。なお、一方のアンテナ26を送受信用とし、他方のアンテナ26を受信専用とするなど、複数のアンテナ26,26で機能を分けることもできるし、一方のアンテナ26を他方のアンテナ26の予備として利用することもできる。
また、図17,23から明らかであるように、基板6,7および冷却機構23は、筐体3Bの厚い第二部3Bbに位置されている。よって、一例としては、基板6,7および冷却機構23が薄い第一部3Baに位置された場合に比べて、空間をより広く確保しやすくなり、冷却機構23のファン24によって流される空気流による冷却効果が得られやすい。また、本実施形態では、ファン24および放熱部23bは、規定された(制御された)使用状態で上側となる端部3cと端部3dとが接続される角部3gに設けられている。したがって、一例としては、電子機器1Bの使用姿勢によらず、ファン24および放熱部23bを筐体3B内の上側に配置することができる。よって、一例としては、熱が筐体3B内に留まりにくくなる。なお、ファン24および放熱部23bは、排出口22bに隣接して設けられている。
基板7は、冷却機構23との間で基板6を挟む位置(第二部3Bbで基板7、基板6、および冷却機構23の順に並ぶ位置)に設けられる。このような構成により、外部から吸気された空気が基板6の位置に到達する前に基板7に当たる。よって、一例としては、基板7の放熱効率が向上する。また、モジュール8A,8Bが実装された基板7が、筐体3B内の部品の中では比較的重量が大きく筐体3Bの中央に位置した基板6に対し、他の重量物である冷却機構23と反対側に位置される。よって、一例としては、電子機器1Bの重量バランスがより良くなる。よって、一例としては、ユーザは、電子機器1Bを持ち運ぶ際に、より持ちやすい。
また、図17,24に示されるように、本実施形態では、一例として、筐体3Bの壁部3mに、ファン24に近い導入口22a2と、基板6を挟んで導入口22a2の反対側に位置した導入口22a3と、導入口22a2,22a3より発熱体としての電子部品12に近い導入口22a1と、が設けられている。導入口22a2が設けられたことで、筐体3B内により効率良く空気流を流すことができる。また、導入口22a3から導入された空気流Sは、基板6の後側の第二面6bに沿ってファン24に向けて流れる空気流S2と、基板6のファン24の反対側に位置した端部6cの外側を通過して(回り込んで、迂回して)基板6の前側の第一面6aに沿ってファン24に向けて流れる空気流S1と、に分けられる。よって、基板6の第一面6aおよび第二面6bの両側に設けられた電子部品(発熱体)12を冷却することができる。
また、図25に示されるように、本実施形態では、コネクタ21A(21)と基板25とが筐体3Bの厚さ方向に重ねて配置されている。基板25には、操作部20Aの押しボタン20aの操作に応じた信号を出力する電子部品(例えば、押圧スイッチ等)12が設けられている。本実施形態では、一例としては、コネクタ21Aまたはコネクタ21Aが設けられることによって構成される凹凸形状(本実施形態では、一例として、第三部材3Mdに設けられる凹凸形状、凹部または凸部、突出部)32を、基板25の位置決めや支持に利用することができる。基板25には、凹凸形状32に対応した凹凸形状25a(例えば、突出部や切欠、貫通孔等、本実施形態では、一例として切欠)が設けられている。本実施形態で、第三部材3Mdに設けられた凹凸形状32は、コネクタ21Aの端子(図示されず)の可動領域に対応して設けられ、当該端子と他の部品との干渉を抑制する逃げ部として機能している。
また、図26〜28に示されるように、本実施形態では、操作部20Bを筐体3Bに固定したり位置決めしたりするブラケット29が、コネクタ21Bを筐体3Bに固定したり位置決めしたりするブラケットとして用いられている。すなわち、ブラケット29は、一例として、操作部20Bを支持する第一部分29aと、コネクタ21Bを支持する第二部分29bとを有している。第一部分29aおよび第二部分29bは、いずれも筐体3Bの壁部3nに沿って板状に構成されている。このような構成により、一例としては、部品点数を減らすことができる。また、一例としては、製造の手間や製造コストを低減しやすくなる。
また、図26〜28とともに図23を参照すれば、本実施形態では、バッテリ18に対して端部3cに沿った方向の両側に位置した筐体3B内に、それぞれ操作部20が設けられていることがわかる。すなわち、本実施形態では、バッテリ18の長手方向の端部を支持する支持部3wの内部に、操作部20が設けられている。このような構成により、一例としては、この部分のデッドスペースをより有効に利用することができる。
さらに、図29に示されるように、本実施形態では、スライドスイッチとしての操作部20C(20)が、少なくとも一方に誤操作されるのを抑制する突出部3xが設けられている。操作部20Cの操作子20bは、第一位置P1と第二位置P2との間で移動可能に構成されている。操作子20bは、一例としては、図示されない操作部20Cの内部の機構によって、少なくとも第一位置P1と第二位置P2とで保持される。ただし、操作子20bが第一位置P1または第二位置P2の位置に、不本意な外力等の作用によって、操作子20bが移動するのは好ましくない。そこで、本実施形態では、操作子20bは、筐体3Bの後面3bより筐体3B内側へ引っ込んでいる。さらに、操作子20bに手指や物が当たるのを抑制する障壁(障害物)となるリブ状(壁状)の突出部3xが設けられている。突出部3xは第二位置P2に対して、第一位置P1の反対側から突出部3xを取り囲む状態に設けられ、一例としては半円状(円弧状)に設けられている。一例として、この操作部20Cが電子機器1Bの電源のオンオフを切り替える電源スイッチであった場合、第一位置P1は電源オフ、第二位置P2は電源オンとするのが好適である。これにより、第二位置P2から不本意に操作子20bが第一位置P1に移動して電子機器1Bの電源が遮断され、何らかの不都合な事象が生じるのを抑制しやすくなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。また、上記各実施形態の技術的特徴は、適宜に組み合わせて実施することができる。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
以下に、本願の原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
筐体と、
前記筐体に設けられた表示装置と、
前記筐体内に収容され、前記表示装置側の第一面と、前記表示装置とは反対側の第二面と、を有した基板と、
前記第一面に設けられた第一モジュールと、
前記第二面に設けられ、動作時の温度が前記第一モジュールより高くなる第二モジュールと、
を備え、
前記第一面には、前記第一モジュールと電気的に接続された第一コネクタが設けられ、
前記第二面には、前記第二モジュールと電気的に接続された第二コネクタが設けられ、
前記第一モジュールの少なくとも一部が、前記第二モジュールと、前記基板の厚さ方向に重なった電子機器。
[2]
前記筐体内に収容され発熱体が実装された第二の基板を備えた、[1]に記載の電子機器。
[3]
前記第一面の前記第二モジュールの裏側である第一領域、および前記第二面の前記第一モジュールの裏側である第二領域のうち、少なくともいずれか一方に、電子部品が設けられた、[1]または[2]に記載の電子機器。
[4]
前記電子部品は、前記第一領域に設けられた温度センサである、[3]に記載の電子機器。
[5]
前記基板に設けられた貫通孔が、前記第一コネクタおよび前記第二コネクタの前記基板への固定に共用された、[1]に記載の電子機器。
[6]
前記第一モジュールの前記基板の厚さ方向の視線での大きさと、前記第二モジュールの前記基板の厚さ方向の視線での大きさとが同一である、[1]〜[5]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[7]
前記第一モジュールの長手方向と前記第二モジュールの長手方向とが並行し、
前記第一モジュールおよび前記第二モジュールは、前記第一モジュールの長手方向または前記第二モジュールの長手方向に沿ってずれて配置された、[6]に記載の電子機器。
[8]
前記第一モジュールと前記第二モジュールとが全体的に前記基板の厚さ方向に重なった、[6]に記載の電子機器。
[9]
前記基板と前記第二の基板とを電気的に接続し、前記基板および前記第二の基板のうち少なくとも一方に着脱可能なフレキシブルケーブルを備えた、[2]に記載の電子機器。
[10]
前記第一モジュールおよび前記第二モジュールのうち少なくとも一方に取付の指標が設けられた、[1]〜[9]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[11]
前記第一モジュールは、第一カードモジュールであり、前記第二モジュールは、第二カードモジュールである、[1]〜[10]のうちいずれか一つに記載の電子機器。