JP5606040B2 - スライド継手および排水集合管と立管との連結構造 - Google Patents
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Description
ところで、排水配管には、種々の液性(例えば酢等の酸性)の排水、固形物または油が混入した排水が流れるため、長期間の使用により腐食または異物(汚れ)の付着等が生じる。排水配管の内面の腐食、異物の付着等は、配管内の排水の流れを悪化させて下層階での排水不良を引き起こし、また排水流下時の騒音を増大させる等の原因となる。
がある。そして、立管および排水集合管(またはこれらの一方)とスライド継手とが固着すると、スライド継手を上方に移動させることが難しくなり、立管の取り外しに支障が生じ、立管を切断することなく取り外すというスライド継手を使用する利便性が損なわれる。
前記第1の押し輪は前記第1のフランジ側を向く面である押圧面を有し、前記貫通孔の前記第1のフランジにおける開口近傍は、開口側から内方に一定割合で内径が減少するテーパー状のテーパー内面となっており、前記第1のパッキンは、前記第1の押し輪側の端面において前記押圧面に当接可能なリング状の部分と、外周に設けられ前記第1の押し輪側とは反対側に向けて前記テーパー内面と同一の割合で外径が減少し前記テーパー内面と面で当接可能な凹凸の関係を有するテーパー状のテーパー外面と、を有する。
前記スライド継手は、前記第1のフランジ、前記第1のフランジと対になる前記第1の押し輪、前記第2の押し輪および前記第2の押し輪と対になる前記第2のフランジを貫通可能なボルトを複数本有する。
スライド継手1は、継手本体13、上押し輪14、下押し輪15、上部パッキン11、下部パッキン12および貫通ボルト16,16等からなる。
継手本体13は、円筒状の筒部21、それぞれ筒部21の異なる端に一体化された上部フランジ22および下部フランジ23で構成される。
貫通孔24の上部フランジ22および下部フランジ23における開口端近傍は、いずれも筒部21の内方における貫通孔24よりも内径が大きい径大部25,26となっている。
上部フランジ22および下部フランジ23は、それぞれ周方向に等間隔に配されて筒部21の中心軸に平行な3つのボルト孔29,30を有する。なお、上部フランジ22と下部フランジ23とは、形状が面対称である。
下押し輪15は、上押し輪14と同様に孔、押圧部35およびボルト孔36を有し、これらを含めその形状は上押し輪14と同じである。押圧部35の押圧面39は、径方向外側に向けて浅くなる、テーパー面であってもよい。
上部パッキン11は、その断面形状が、直角である2つの頂角を有する台形であって、この台形断面の傾斜する辺41の回転体である面を外周面51とする筒状(リング状)に形成されている。外周面51は、上部パッキン11の中心軸となす角度が上部フランジ22のテーパー面27におけるものと略等しい。
下部パッキン12は、外部シール部42および内部シール部43の、2つのシール機能を有する部分からなる。外部シール部42は、上部パッキンと略等しい形状である。外部シール部42の台形断面における傾斜する辺44の回転体である外周面52が外部シール部42の中心軸となす角度βは、下部フランジ23のテーパー面28におけるものと略等
しい。つまり、外周面52とテーパー面28とは面で当接可能な凹凸の関係を有する。外周面52の母線における角度βは略45度であり、30〜60度に設計される事が望ましいが、角度βを角度αと異ならせてもよい。
円筒状部45は、その内径が外部シール部42の内径と等しく、内周面が外部シール部42の内周面と段差なく円滑に連続する。円筒状部45の肉厚は、外部シール部42の肉厚(台形断面の高さに相当)よりも小さく、その外径は継手本体13の内径よりも小さい。
貫通ボルト16,16は、長尺のボルトである。
次に、スライド継手1を使用した立管3更新時における排水集合管2(2d)と立管3との接続について説明する。
図3ないし図5において、スライド継手1は、床スラブ6dに固定された排水集合管2dにおける床スラブ6dの上面から突出した直管状の上側連結部61と、排水集合管2dに上階からの排水を流入させる立管3における直管状の端部との接続を行う。
初めに、排水集合管2dに、下押し輪15がその孔に上側連結部61が挿通されて取り付けられる。また、下部パッキン12が、外部シール部42側を下にして上側連結部61の端部を覆うように、排水集合管2dに取り付けられる。なお、下押し輪15のボルト孔37には、事前に貫通ボルト16,16が頭を下にして挿通される。
次に、立管3は、下方に位置する直管状の他端が、上押し輪14の孔、上部パッキン11および継手本体13の貫通孔24に差し入れられる。このとき、上押し輪14は押圧部34が上部パッキン11側になるように、上部パッキン11は外周面51が継手本体13側になるように、および継手本体13は上部フランジ22側が先(上側)になるように留意される。この後に、立管3を挿通させた上押し輪14、上部パッキン11および継手本体13を、上押し輪14および上部フランジ22のそれぞれのボルト孔36,29に挿通させた短尺のボルトとこれに螺合するナットとによって仮止めする。このようにすると、立管3からのこれらの脱落が防止される。
立管3の直管状の他端が上側連結部61の直上まで移動したら、上押し輪14、上部パッキン11および継手本体13を下方に移動させる。下方へのこれらの移動は、短尺ボルトにより一体化されている場合には、短尺ボルトを取り外して行われる。また、これらの下方への移動過程で、継手本体13の下部フランジ23および上部フランジ22の各ボルト孔30,29および上押し輪14のボルト孔36に、貫通ボルト16,16が挿通される(図4(b))。
、下部パッキン12および下押し輪15が一体化され、排水集合管2dに立管3が接続される(図5)。
なお、貫通ボルトは下から挿入する場合の方が、ナットを締め付ける際の作業性が増すことから好ましいが、これに限らず、上から挿入する方法であっても良い。
図4(b)を参照して、立管3の直管状の他端が上側連結部61の直上まで移動されると、下部パッキン12のリング部46は、立管3の他端面と排水集合管2における上側連結部61の上端面とに挟まれる。この状態で、リング部46には、立管3の重さが加わり、見かけ上、立管3および上側連結部61における流路と外部とが遮断される。
すなわち、貫通ボルト16,16に固く締められたナット17,17を緩めた後取り外す。下部フランジ23のボルト孔30から貫通ボルト16,16が抜け出るまで、継手本体13、上部パッキン11および上押し輪14を立管3に沿って上にずらす。次に、立管3を上に少し持ち上げながら、立管3の下端を、排水集合管2の上側連結部61との対向位置から横に移動させる。続いて、立管3の上端の連結部63を、上階の排水集合管2uの下側連結部62から分離する。最後に、立管3から継手本体13、上部パッキン11および上押し輪14を外して立管3の除去作業が終了する。
スライド継手1Bは、継手本体13、上押し輪14、下押し輪15、上部パッキン11、下部パッキン12および貫通ボルト16,16等に加え、補助パッキン18Bを有する。継手本体13、上押し輪14、下押し輪15、上部パッキン11、下部パッキン12お
よび貫通ボルト16,16は、上記スライド継手1におけるものと同じである。
円筒状部47Bの内径は、接続を予定する立管3の外径と略同一またはわずかに小さい。円筒状部47Bの外径は、継手本体13の内径よりも小さい。
リング部48Bにおける「内方に所定の幅」は、下部パッキン12のリング部46における「内方に所定の幅」に略等しい。
外部間シール19Cは、スライド継手1における下部パッキン12の外部シール部42と略同じ形状を有する。内部間シール20Cは、円筒状部45Cおよびリング部46からなる。内部間シール20Cは、スライド継手1における下部パッキン12の内部シール部43と略同じ形状を有する。
スライド継手1Cによる立管3と排水集合管2との連結は、連結前の排水集合管2の上側連結部61に下部パッキン12を取り付ける作業に換えて、上側連結部61に外部シール部42および内部シール部43の順で取り付ける点を除き、スライド継手1による連結と同様に行われる。
スライド継手1Dは、上記したスライド継手1Cと同様に、スライド継手1における下部パッキン12に換えて外部間シール19Cおよび内部間シール20Cを有する。
スライド継手1Dでは、接続が予定される排水集合管2の上側連結部61は、その開放端を含む近傍が、他の部分よりも外径が小さな環状の溝64となっている。そして、内部間シール20Cにおける円筒状部45Cの内径は、排水集合管2の上側連結部61における溝64の外径よりも小さい。内部間シール20Cは、この溝64に被せられて、排水集合管2の上側連結部61に取り付けられる。
スライド継手1,1B〜1Dにおいて、相互に同じ構成を有する部分(共通部分)についてはこれらの図において同一の符合を付し、スライド継手1B〜1Dにおける共通部分の説明を省略する。
2,2d,2u 排水集合管
3 円管、立管
6,6d,6u 床スラブ
11 第2のパッキン(上部パッキン)
12 第1のパッキン(下部パッキン)
13 継手本体
14 第2の押し輪(上押し輪)
15 第1の押し輪(下押し輪)
16 貫通ボルト
19C 外部シール部(外部間シール)
20C 内部シール部(内部間シール)
21 筒部
22 第2のフランジ(上部フランジ)
23 第1のフランジ(下部フランジ)
24 貫通孔
27 テーパー内面(上部フランジ側のテーパー面)
28 テーパー内面(下部フランジ側のテーパー面)
38 (第2の押し輪の)押圧面
39 (第1の押し輪の)押圧面
42 外部シール部
43 内部シール部
45,45C 円筒状部
46 リング部
48B リング部
51 テーパー外面
52 テーパー外面
61 円管、上側連結部
Claims (6)
- 2つの円管の端同士を連結するためのスライド継手であって、
継手本体と、
第1の押し輪および第2の押し輪と、
第1のパッキンおよび第2のパッキンと、を有し、
前記継手本体は、
円筒状の筒部と、
前記筒部の互いに異なる端に一体化された第1のフランジおよび第2のフランジと、
前記筒部、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジを貫きその断面が円形の貫通孔と、を有し、
前記貫通孔は前記2つの円管のいずれの端部も貫通可能に形成されており、
前記第1の押し輪および前記第2の押し輪は、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジにそれぞれ対となり、対となる前記フランジが貫通可能な前記円管の端部を挿通可能に形成されており、
前記第1のパッキンは、
前記第1のフランジが貫通可能な前記円管の端部を嵌入可能な円筒状の円筒状部および前記円筒状部の一端に連続し内方に所定の幅を有し環状であってかつ板状のリング部を備えた内部シール部と、
前記第1のフランジが貫通可能な前記円管の端部を貫通可能であって前記円筒状部よりも厚肉の全体として円筒状の外部シール部と、で形成され、
前記内部シール部が前記リング部を奥にして前記筒部における前記貫通孔内に配され、
前記外部シール部が前記第1のフランジと前記第1の押し輪との間に配され、
前記第2のパッキンは、前記第2のフランジと前記第2の押し輪との間に配され、
前記2つの円管を連結したとき前記リング部が前記2つの円管の端に挟まれるように構成された
ことを特徴とするスライド継手。 - 前記第1のパッキンは、
前記内部シール部の円筒状部における前記リング部とは反対側の端が前記外部シール部に連続する
請求項1に記載のスライド継手。 - 前記第1の押し輪は前記第1のフランジ側を向く面である押圧面を有し、
前記貫通孔の前記第1のフランジにおける開口近傍は、開口側から内方に一定割合で内径が減少するテーパー状のテーパー内面となっており、
前記第1のパッキンは、
前記第1の押し輪側の端面において前記押圧面に当接可能なリング状の部分と、
外周に設けられ前記第1の押し輪側とは反対側に向けて前記テーパー内面と同一の割合で外径が減少し前記テーパー内面と面で当接可能な凹凸の関係を有するテーパー状のテーパー外面と、を有する
請求項1または請求項2に記載のスライド継手。 - 前記内部シール部における前記円筒状部の中心軸方向の長さが、前記継手本体における前記筒部の中心軸方向の長さの略2分の1である
請求項2項に記載のスライド継手。 - 前記第1のフランジ、前記第1のフランジと対になる前記第1の押し輪、前記第2の押し輪および前記第2の押し輪と対になる前記第2のフランジを貫通可能なボルトを複数本有する
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のスライド継手。 - 建築物の床スラブに固定された排水集合管と前記床スラブの上階から前記排水集合管に排水を流入される立管との連結構造であって、
前記排水集合管における前記床スラブから上方に突出する上側連結部が、前記第1の押し輪、前記外部シール部および前記内部シール部の順にこれらに嵌め入れられ、
前記立管の下方端部が、前記第2の押し輪および前記第2のパッキンの順にこれらに挿通され、
前記リング部が前記上側連結部の端面と前記立管の下端面とに押圧されて前記排水集合管と前記立管との連結部分をシールする、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のスライド継手が使用された
排水集合管と立管との連結構造。
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