JP5605643B2 - 波長分散測定装置および波長分散測定方法 - Google Patents

波長分散測定装置および波長分散測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、被測定物における波長分散を測定するための波長分散測定装置および波長分散測定方法に関する。
波長分散は、媒質における材料分散や構造分散に起因し、光の伝搬速度に波長依存性を与える。光ファイバにおける波長分散は光パルスの幅を広げ、符号間干渉による伝送速度の低下につながる。このため、波長分散を正確に測定することは極めて重要であり、従来より、様々な波長分散測定装置が案出されてきた。
例えば、非特許文献1(Simple Chromatic Dispersion Measurement by Use of Wavelength-Tunable Raman Soliton Pulse and Two-Photon Absorption”, T. Hori, et.al, Electronics Letters, Vol.41, No.1, pp.32-33)には、チャープフリーな光パルスを光源に用い、被測定物質を透過した光パルスのピークパワーを2光子吸収特性を有するフォトダイオードによって検出する波長分散測定装置が提案されている。波長分散媒質に光パルスを通過させると、パルス幅が広がり、パルスのピークパワーが低下する。この波長分散測定装置は、媒質を透過したパルスのピークパワーを、2光子吸収特性を有するフォトダイオードによって検出することにより、波長分散を計測している。
また、特許文献1(特開2005−315858号公報)に記載の装置は、光パルスのスペクトル強度とスペクトル位相(グループディレイ)を計測することにより、光パルスを評価する装置に関する。この評価装置の応用例として、測定媒質の有無による測定結果(グループディレイ値)の差から、媒質の波長分散の測定を行うことが記載されている。特に、チャープフリーな光パルスを光源に用いた場合には、測定されたグループディレイの傾きが、その媒質の分散量を示す、
特開2005−313585号公報
Simple Chromatic Dispersion Measurement by Use of Wavelength-Tunable Raman Soliton Pulse and Two-Photon Absorption", T. Hori, et.al, Electronics Letters, Vol.41, No.1, pp32-33
しかしながら、非特許文献1に記載の装置は、媒質を透過した光パルスのピークパワーの大きさから直接に波長分散を計測するものである。このため、媒質の透過率または反射率が波長依存性を有していた場合には、媒質の波長分散により誘起されるパルスのチャーピングによるピークパワーの変化と、スペクトル形状変化に起因したパルス形状の変化によるピークパワーの低下とを区別することができない。例えば、媒質の透過帯域幅が光源の帯域(スペクトル)よりも狭い場合には、光パルスを透過したパルスの幅が広がり、ピークパワーが低下してしまう。特に、FBG(Fiber Bragg Grating)の帯域幅は狭く、非特許文献1に記載の装置によってFBGの波長分散を正確に計測することはできない。
また、特許文献1に記載の装置は、位相検出装置を用いて波長分散を求めているため、波長分散の測定精度は位相検出装置の精度に依存する。しかしながら、一般的な位相検出装置の測定精度には限界があり、波長分散を高精度に測定するのは必ずしも容易ではない。特に、分散値の小さな測定対象(FBG等)においては、測定精度を高めるのは困難である。
例えば、図14において、FBG(波長分散D=0.196ps/nm、バンド幅Δλ=10nm)を、位相検出精度がΔθ=0.05度である市販の位相検出装置を用いて波長分散を測定したとする。変調周波数をfreq=1GHz(変調周期T=1/frep=1ns)であるとすると、グループディレイ測定精度はΔt=Δθ/360°×T=0.05°/360°×1ns=139fsとなり、波長分散測定精度はΔD=Δt/Δλ=139fs/10nm=0.0139ps/nmになる。この数値は、FBGの波長分散D=0.196ps/nmの測定おいて、7%の測定誤差に相当する。従って、一般的な位相検出装置を用いる限り、測定精度を向上させるには限界がある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る波長分散測定装置は、パルス光を発生させるパルス光源と、被測定物を透過または反射したパルス光の信号強度を検出する検出器と、前記パルス光源から前記検出器までの光路上に設けられた、分散量Dvを変更可能な可変分散器と、前記分散量Dvを変化させ、前記信号強度が極値となる分散量Dvに基づき前記被測定物の分散量を算出する制御手段とを有する。
前記制御手段は、さらに前記パルス光源におけるパルス光の波長を変化させながら、前記被測定物の分散量を算出する。
また、前記制御手段は、前記パルス光源より出射されるパルスのチャープ量Doと前記可変分散器の分散量Dvとの総和を、前記被測定物の分散量として算出する。
さらに、前記検出器は、前記パルス光のピークパワー若しくはパルス幅を前記信号強度として検出する。
本発明によれば、可変分散器における分散量Dvを変化させながら、パルス光の信号強度が極値となる分散量Dvを求めることにより、分散量Dvに基づき被測定物の分散量を算出することができる。例えば、被測定物がパルス光源のスペクトルよりも狭い透過帯域または反射帯域を有していたとしても、検出された信号強度が極値となる分散量Dvは変わらない。したがって、被測定物の透過帯域または反射帯域によらず、被測定物の分散量を正確に測定することが可能となる。
また、測定された分散量の精度は、可変分散器における分散量Dvの変化ステップに依存する。このため、分散量Dvの変化ステップを小さくすることにより、極めて高精度の波長分散測定が可能となる。
さらに、パルス光源におけるパルス光の波長を変化させながら、被測定物の分散量を算出することによって、波長に依存した分散量を測定することができる。
また、パルス光源により出射されるパルスのチャープ量Doと可変分散器の分散量Dvとの総和を被測定物の分散量として算出することにより、チャープを有するパルス光源を用いながらも正確な測定が可能となる。
本発明における検出器はパルス光のピークパワー若しくはパルス幅を前記信号強度として検出し、可変分散量Dvに対する信号のピーク検出を行うため、外乱に対しても安定に測定を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る波長分散測定装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る波長分散測定装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る制御装置のブロック図である。 パルス光源のスペクトルと媒質透過率(反射率)との関係を表す図である。 本発明の波長分散測定方法を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る被測定物の反射スペクトルを表す図である。 本発明の第1施形態に係る波長分散測定方法を表すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る測定結果を表す図である。 本発明の第2実施形態に係る波長分散測定装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る波長分散測定装置のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る波長分散測定方法を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る測定結果を表す図である。 本発明の第2実施形態に係る測定結果を表す図である。 従来の波長分散測定装置を説明するための図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る波長分散測定装置の概略構成図である。
波長分散測定装置1は、パルス光を発生させるパルス光源10、分散量を変更可能な可変分散器20、測定対象である被測定物40、被測定物40からの反射光を分離するビーム分離素子30、被測定物40からの反射光のピークパワー若しくはパルス幅を検出する検出器50とを備えて構成されている。
パルス光源10からのパルス光は可変分散器20を通過し、このとき可変分散器20において所定量の波長分散によるチャープを受ける。この光パルスはビーム分離素子30を介して被測定物40に照射され、被測定物40において波長分散によるチャープを受ける。被測定物40において反射したパルス光はビーム分離素子30を経由して、検出器50において検出される。
パルス光源10より出射されるパルスのチャープ量Doと可変分散器20およびビーム分離素子30の分散量(チャープ量)Dvとの総和が、被測定物40の分散量(チャープ量)Dtestを打ち消す場合(分散補償された状態)、すなわち、−(Do+Dv)=Dtestである場合に、検出器50におけるパルス光のパルス幅は最小となり、そのピークパワーは最大となる。従って、検出されたパルス光のパルス幅が最小、若しくはパルスのピークパワーが最大となるように可変分散器20を変化させることにより、被測定物30の分散量Dtestを測定することができる。
(全体構成)
図2は、本発明の第1実施形態に係る波長分散測定装置のブロック図である。この図において、パルス光源10は、例えばモードロック型Ybファイバレーザにより構成されており、パルス光を発生させる。実験におけるパルス光の中心波長はλc=1045nm、スペクトルバンド幅はΔλ=15nmであった。なお、パルス光源10のチャープ量Doが既知であれば、パルス光源10は必ずしもチャープフリーでなくても良い。
可変分散器20は、パルス光源10から検出器50までの光路上に設けられており、長さの異なる複数(n本)の光ファイバ201、202・・・20nを備えている。光ファイバ201、202・・・20nは、波長1045nmにおいて単位km当たり、D=−40ps/nm/kmの群速度分散を有する。このため、光ファイバの長さを変えることによって、分散量を変化させることができる。例えば、5cm毎に異なるファイバ長を有する光ファイバ201〜20nを用いることにより、ΔD=0.002ps/nm毎に分散量Dvを変化させることができる。さらに、高精度の波長分散を測定する必要がある場合には、ファイバ長の差を短くするとよい。
ビーム分離素子30は、50:50の光カップラにより構成されている。可変分離装置20からの光パルスはビーム分離素子30を透過し、被測定物40に照射される。
被測定物40は本実施形態においては反射型の分散媒質であり、例えばチャープ型FBG(Fiber Bragg Grating)であってもよい。実験で用いたFBGの推定分散量はDtest=0.196ps/nmであり、帯域はΔλ=13nm、ピーク反射率はR=10%であった。FBGの反射スペクトルの一例を図6に示す。
FBGはパルス光源10のスペクトルに比べて狭い帯域を有するため、パルス光源10のスペクトルはFBGを反射することによって狭められてしまう。上述したように、パルスピークパワーの変化から分散量を見積もる従来の波長分散測定装置においては、このようなスペクトル変化に伴うパルスのピークパワーの変化と波長分散によるパルスのピークパワーの変化とを区別することができない。これに対して、本実施形態によれば、反射波のピークパワーが最大になる可変分散器20の分散量Dvを計測すれば良いため、被測定物40による帯域の影響を受けずに済む。また、ピーク検出を行うため、測定系の光軸のずれや、外乱による信号強度の変動に対して安定的に測定を行うことができる。
検出器50は、レンズとGaAsPフォトダイオードから構成される二光子吸収検出器であって、光パルスのピークパワーを検出可能である。もし検出器が光源50の半波長λc/2以外に、λcにおいても検出感度を有していた場合には、検出信号に一光子吸収による検出成分が重畳されるため、ピークパワーのみを検出することが困難となってしまう。
GaAsPフォトダイオードの分光ピークは約600nmであり、光源の半波長のλ/2=520nmにおける検出感度は0.23A/Wである。一方で、パルス光源10からのパルス光の波長λc=1045nmにおける検出感度は10−3A/W以下となる。従って、パルス光源10の波長λcにおける検出感度は十分に無視でき、検出器50はピークパワーに依存した信号を検出することが可能である。また、検出器50は、自己相関計などのパルス幅を測定できるものであってもよい。この場合は、パルス幅が最小となる可変分散器の分散量Dvを測定する。
制御装置60は、検出器50から出力された信号を分析し、波長分散を算出することが可能である。また、制御装置60は、可変分散器20に指示を与えることにより分散量Dvを変化させる機能を有していてもよい。
(制御装置の構成)
図3は本実施形態に係る制御装置60のブロック図である。制御装置60はパーソナルコンピュータ等によって構成され、データバス500、インターフェース501、レジスタ502、CPU503、ROM505、RAM507、記憶装置508、ディスプレイ509等を備えている。
データバス500は、CPU503と、インターフェース501等の各部とのデータの受け渡しを行うためのものである。インターフェース501はデータの入出力のためのポートである。インターフェース501には、可変分散器20、検出器50が接続されている。制御措置60は、可変分散器20の光ファイバ201、202・・・20nを順に切替えながら、検出器50におけるピークパワーをスキャンすることができる。
レジスタ502はCPU503の動作のためのキャッシュレジスタとして一時的にデータを蓄えるためのメモリである。CPU503は予め定められた検査プログラムを実行し、波長分散測定装置1を制御するとともに、計測データの解析を行う。
ROM505は制御装置60のBIOS等の基本プログラムを格納するために用いられる。RAM506は検査プログラムを実行するためのワークエリアとして用いられる。外部記憶装置507は、ハードディスクドライブ、CDドライブ、DVDドライブであって、測定された検査データの保存に用いられる。ディスプレイ508は液晶表示装置を備え、波長分散の測定結果を表示可能である。
(波長分散の計測原理)
続いて、本実施形態に係る波長分散の計測原理について説明する。図4は、パルス光源10のスペクトルと被測定物40の媒質透過率(反射率)との関係を表している。被測定物40の媒質透過率(反射率)が図中の(A)の特性を有していた場合、被測定物40の分散によってパルス幅が広がるとともに、パルスのピークパワーも減少する。被測定物40の媒質透過率(反射率)が図中の(B)の特性を有していた場合、すなわち、媒質透過率(反射率)の帯域が光源の帯域よりも狭い場合、分散によるパルスのピークパワーの低下とともに、帯域が制限されることによるパルスのピークパワーの低下が生じる。
このような場合には、従来の波長分散計測装置においては、帯域制限によるピークパワー低下と分散によるピークパワー低下とを区別できず、正確な分散量を測定することは困難となる。これに対して、本実施形態によれば、可変分散器20における分散量Dvを
可変し、反射光のピークパワーが最大となる分散量Dvを求めることによって、被測定物40の分散量Dtest=−(Do+Dv)を計測することができる。
すなわち、本実施形態によれば、被測定物40がどのような媒質透過率(反射率)を有していたとしても、ピークパワーが最大となる分散量Dvは変化しないため、この分散量Dvに基づき被測定物の分散量Dtestを正確に計測可能である。
例えば、図5(A)に示されたように、光源のスペクトルに対して、被測定物40がグラフAで示される媒質透過率(反射率)を有していたとする。このように媒質透過率(反射率)の帯域が狭い場合には、被測定物40の反射光の信号強度は図5(B)のグラフAのように比較的に低いものとなる。被測定物40の媒質透過率(反射率)の帯域がグラフB、Cのように広がるにしたがい、反射光の信号強度も大きく変化する。ところが、被測定物40の媒質透過率(反射率)の如何によらず、反射光の信号強度が最大となる分散量は一定である。従って、反射光のピークパワーが最大となる分散量Dtestを求めることによって、被測定物40の分散量Dtest=−(Do+Dv)を計測することができる。
なお、被測定物40の分散量Dtestの符号は、パルス光源10の分散量Do、可変分散器20の分散量Dvの総和の符号と逆である。すなわち、分散量(Do+Dv)は被測定物40の分散量Dtest対して、分散補償として機能している。
(波長分散計測方法)
続いて、図7のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る波長分散測定方法を説明する。
まず、測定対象となる被測定物40を波長分散測定装置1にセットする(ステップS1)。オペレータが制御装置60を操作し、検査プログラムを起動させると、CPU503は外部記憶装置506に記憶された検査プログラムを実行し(ステップS2)、可変分散器20において最短長の光ファイバ201を選択する(ステップS3)。すなわち、最小値となる分散量Dvが選択される。
続いて、パルス光源10から所定のチャープ量Doを有するパルス光が発せられ、さらに可変分散器20において所定の分散量Dvが与えられる。このパルス光はビーム分離素子30を透過し、被測定物40に照射される。FBGである被測定物40から反射したパルス光は、分散量(チャープ量)Do、Dvとは逆極性の分散量Dtestの影響を受ける。
ビーム分離素子30は、被測定物40からのパルス光を検出器50に導き、検出器50はパルス光のピークパワーを検出する(ステップS4)。上述したように、検出器50は非線形の二光子吸収特性を有しているため、波長分散に起因するピークパワーの相違を検出することが可能である。検出されたピークパワーは、制御装置60のRAM506上に一時的に記憶される。
制御装置60は、可変分散器20における分散量Dvが最大値に達したか否かを判断し(ステップS5)、判断結果がNOであればステップS3の処理に戻る。このとき、分散量Dvは最小値が選択されている(ステップS5でNO)。従って、制御装置60は、可変分散器20にいて最短の光ファイバ201から2番目に短い光ファイバ202に切り替え、分散量Dvを変更する(ステップS3)。検出器50は被測定物40からのパルス光のピークパワーを検出し、記憶する(ステップS4)。
以下、同様にして、制御装置60は、可変分散器20における分散量Dvが予め定められた最大値になるまで(ステップS5でYES)、ピークパワーの検出を繰り返す。すなわち、可変分散器20において最長の光ファイバ20nに切り替えられるまで、ピークパワーの検出が行われる。
このようにして検出されたピークパワーは、図8に示されるグラフ上にプロットされる。このグラフにおいて、横軸は分散量、縦軸はピークパワー(検出電圧)を表している。制御装置60は、ピークパワーが最大となる分散量(Do+Dv)を求める(ステップS6)。
制御装置60は、ピークパワーが最大となる分散量D+Dを被測定物40の分散量Dtestとして決定する(ステップS7)。図8においては、分散量Do+Dv=0.196ps/nmにおいてピークパワーが最大となった。従って、被測定物40の分散量Dtest=0.196ps/nmが求められる。このようにして算出された計測結果は、ディスプレイ508に表示される(ステップS8)。
上述の例では、可変分散器20において5cm毎に異なる光ファイバ201〜20nを用いた場合、ΔD=0.002ps/nmの分解能で波長分散を計測可能である。この数値は、FBGの波長分散を約1%(0.002ps/nm/0.196ps/nm)で計測可能であることを意味している。
以上述べたように、本実施形態によれば、可変分散器における分散量Dvを変化させながら、パルス光の信号強度が最大となる分散量Dvを求めることにより、分散量Dvに基づき被測定物の分散量を算出することができる。被測定物が、パルス光源のスペクトルよりも狭い透過帯域または反射帯域を有していたとしても、検出された信号強度が最大となる分散量Dvは変わらない。したがって、被測定物の透過帯域または反射帯域によらず、被測定物の分散量を正確に測定することが可能となる。
また、測定された分散量の精度は、可変分散器における分散量Dvの変化ステップに依存する。このため、分散量Dvの変化ステップを小さくすることにより、極めて高精度の波長分散測定が可能となる。
また、パルス光源のチャープ量Doと可変分散器の分散量Dvとの総和を被測定物の分散量として算出することにより、チャープを有するパルス光源を用いながらも正確な測定が可能となる。
[第2実施形態]
(全体構成)
図9は、本発明の第2実施形態に係る波長分散測定装置の概略構成図である。
本実施形態に係る波長分散測定装置1aは、透過型の被測定物40aを計測可能であって、パルス光を発生させるパルス光源10a、分散量を変更可能な可変分散器20、測定対象である被測定物30、被測定物30を透過したパルス光のピークパワーを検出する検出器50とを備えて構成されている。
パルス光源10aからの光パルスは可変分散器20を通過し、可変分散器20において所定量の波長分散によるチャープを受ける。この光パルスは被測定物40aを通過する際に、波長分散によるチャープを受ける。被測定物40aを透過したパルス光は検出器50において検出される。
本実施形態においても、パルス光源10aの分散量をDoと可変分散器20aおよびビーム分散素子30の分散量Dvとの総和が、被測定物40aの分散量Dtestを打ち消す場合、すなわち、−(Do+Dv)=Dtestである場合に、検出器50におけるパルス光のピークパワーは最大となる。従って、検出された光パルスのピークパワーが最大となるように可変分散器20を調整することにより、被測定物30の分散量Dtestを測定することができる。
図10は、本発明の第2実施形態に係る波長分散測定装置のブロック図である。同図において、第1実施形態に係る波長測定装置と同様の構成部材に関しては、同じ符号を付してある。
この図において、パルス光源10aは、パルスの中心波長を変更できる波長可変光源である。実験では、フーリエ限界のパルス幅100fsを発生可能なパルス光源10を用い、1000〜1150nmの範囲で波長を変化させた。なお、第1実施形態と同様に、パルス光源10のチャープ量Doが既知であれば、パルス光源10は必ずしもチャープフリーでなくても良い。
被測定物40aは透過型の媒質であり、実験では1.0mのシングルモード光ファイバを用いた。被測定物40aは、シングルモード光ファイバに限定されることなく、透過型の媒質であればその種類を問わない。
レンズ12は、被測定物40aからのパルス光をコリメートし、ビームスプリッタ30aに導く。ビーム分離素子30aは、50:50の光カップラにより構成されており、レンズ12からのパルス光を可変分散器20aに導くとともに、可変分散器20aからのパルス光を検出器50に照射する。
可変分散器20aは、パルス光源10aから検出器50までの光路上に設けられており、グレーティング(回折格子)対21、22、ミラー23を備えている。グレーティング対21、22は、互いに平行に配置されており、パルス光はグレーティング対21、22において反射する。パルス光内の異なった周波数成分は、グレーティング21から異なった方向に回折される。このとき、高い周波数成分は低い周波数成分よりも短い時間でグレーティング対21,22を通過する。正のチャープのあるパルス光において、高い周波数成分はパルスの後端近くにあり、低い周波数成分はパルスの前端にあるので、パルスがグレーティング対を通過する間に後端が前端に近づき、異常分散が生じる。
ミラー23は、グレーティング対21、22から反射したレーザビームをさらにグレーティング21、22に戻す。グレーティング対21、22から反射したレーザビームのスペクトル成分は空間的に分散されてしまう。このため、ミラー23によってレーザビームをグレーティング対21,22に反射させ、空間的に分散したパルス光を元に戻す。
可変分散器20aは、グレーティング対21、22へのパルス光の入射角、グレーティング対21、22の間隔、グレーティングの間隔等を変化させることにより、分散量を変更できる。
検出器50は、第1実施形態と同様に、レンズとGaAsPフォトダイオードから構成される二光子吸収検出器であって、反射光のピークパワーを検出可能である。
制御装置60は、検出器50から出力された信号を分析し、波長分散を算出することが可能である。また、制御装置60は、パルス光源10aにおけるパルス光の波長を変化させるとともに、可変分散器20aにおける分散量Dvを変化させる機能を有している。
算出された波長分散を表示するディスプレイを備えている。
(波長分散計測方法)
続いて、図11のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る波長雲散計測方法を説明する。
まず、測定対象となる被測定物40aを波長分散測定装置1aにセットする(ステップS21)。オペレータが制御装置60を操作し、検査プログラムを起動させると、CPU503は外部記憶装置506に記憶された検査プログラムを実行し(ステップS22)、パルス光源10aにおけるパルス光の波長λを最小値に設定するととともに(ステップS23)、可変分散器20における分散量Dvを最小値に設定する(ステップS24)。
続いて、パルス光源10aから所定の分散量Doを有するパルス光が発せられ、このパルス光は被測定物40aを透過する。この際、パルス光には分散量Dtestによるチャープが与えられる。被測定物40aを透過したパルス光はビーム分離素子30aを透過し、可変分散器20aに導かれる。
可変分散器20aは、回折格子対21、22においてパルス光に所定の分散量Dvによるチャープを与える。このパルス光はビーム分離素子30aを透過し、検出器50に導かれ、検出器50はパルス光のピークパワーを検出する(ステップS25)。上述したように、検出器50は非線形の二光子吸収特性を有しているため、波長分散に起因するピークパワーの相違を検出することが可能である。検出されたピークパワーは、制御装置60のRAM506上に一時的に記憶される。
制御装置60は、可変分散器20aにおける分散量Dvが最大値に達したか否かを判断し(ステップS26)、判断結果がNOであればステップS24の処理に戻る。このとき、分散量Dvは最小値が選択されているため(ステップS26でNO)、制御装置60は可変分散器20aの分散量Dvを所定量だけ増加させる(ステップS24)。検出器50は被測定物40a0からのパルス光のピークパワーを検出するとともに、RAM506上に記憶する(ステップS25)。
以下、同様にして、可変分散器20aにおける分散量Dvが予め定められた最大値になるまで、ピークパワーの検出を繰り返す。分散量Dvが最大値になると(ステップS26でYES)、制御装置60はパルス光源10aにおけるパルス光の波長λが最大値になったか否かを判断する(ステップS27)。このとき、パルス光の波長λは最小値に設定されているため(ステップS27でNO)、制御装置60はパルス光源10aにおけるパルス光の波長λを所定量だけ増加させる(ステップS23)。さらに制御装置60は可変分散器20aにおける分散量Dvを最小値に設定し(ステップS24)、検出器50はパルス光のピークパワーを検出する(ステップS25)。
パルス光の波長λを変化させた後、可変分散器20aにおける分散量Dvが最大値になるまで(ステップS26でYES)、検出子50はパルス光のピークパワーを検出する(ステップS25)。このようにして、パルス光源10aにおけるパルス光の波長λが最大値になるまで(ステップS27でYES)、パルス光のピークパワーの検出が行われる。
このようにして検出されたピークパワーは、図12に示されるグラフ上にプロットされる。このグラフにおいて、横軸は分散量、縦軸はピークパワー(検出電圧)を表している。また、このグラフには、異なる波長λの各々についての分散量が示されている。すなわち、波長λを1000nm、1050nm、1100nm、1150nmのそれぞれにおける分散量が示されている。制御装置60は、波長毎にピークパワーが最大となる分散量(Do+Dv)を求める(ステップS28)。
制御装置60は、ピークパワーが最大となる分散量−(Do+Dv)を被測定物40の分散量Dtestとして決定する(ステップS29)。さらに、制御装置60は、波長に対する分散量Dtest変化をグラフに表す。図13のグラフは、図12において、横軸は波長を表し、縦軸は分散量Dtestを単位kmあたりの数値に換算した値を示している。
このグラフは、1000nm、1050nm、1100nm、1150nmの4種類の波長のデータを曲線で表したものであるが、さらに多くの波長のデータを用いても良い。また、データをセルマイヤ多項式等によって、グラフを補間することにより、任意波長における分散量を推定することも可能である。このようにして求められた測定結果はディスプレイ508に表示される(ステップS30)。
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施可能である。例えば、二光子吸収検出器に代えて、SHG(Second Harmonic Generator)結晶と光検出器で構成される倍波発生器を用いても良い。また、可変分散器は、光ファイバ、グレーティング対に限定されることなく、プリズム対等、分散量を可変できるものであればその種類を問わない。また、パルス光源は本実施形態で示された帯域を有するものに限定されず、あらゆる帯域の光源を用いることができる。なお、上述した第1実施形態においては、パルス光源における波長を変化させていないが、第2実施形態と同様に波長可変光源を用い、波長毎の分散量を測定しても良い。
1、1a 波長分散測定装置
10、10a パルス光源
20、20a 可変分散器
201〜20n 光ファイバ
30 ビーム分離素子
40、40a 被測定物
50 検出器
60 制御装置(制御手段)

Claims (5)

  1. パルス光を発生させるパルス光源と、
    被測定物を透過または反射したパルス光の信号強度を検出する検出器と、
    前記パルス光源から前記検出器までの光路上に設けられた、分散量Dvを変更可能な可変分散器と、
    前記分散量Dvを変化させ、前記信号強度が極値となる分散量Dvに基づき前記被測定物の分散量を算出する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記パルス光源により出射されるパルスのチャープ量Doと前記可変分散器の分散量Dvとの総和を、前記被測定物の分散量として算出する、波長分散測定装置。
  2. 前記制御手段は、さらに前記パルス光源におけるパルス光の波長を変化させながら、前記被測定物の分散量を算出する請求項1に記載の波長分散測定装置。
  3. 前記検出器は、前記パルス光のピークパワー若しくはパルス幅を前記信号強度として検出する請求項1または2のいずれかに記載の波長分散測定装置。
  4. パルス光源によってパルス光を発生させるステップと、
    検出器によって被測定物を透過または反射したパルス光の信号強度を検出するステップと、
    可変分散器によって分散量Dvを変化させ、前記信号強度が最大となる分散量Dvに基づき前記被測定物の分散量を算出するステップとを有し、
    前記算出ステップは、前記パルス光源のチャープ量Doと前記可変分散器の分散量Dvとの総和を、前記被測定物の分散量として算出する、波長分散測定方法。
  5. 前記算出ステップは、さらに前記パルス光源におけるパルス光の波長を変化させながら、前記被測定物の分散量を算出する請求項に記載の波長分散測定方法。
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