JP5605234B2 - 錆の判別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄筋等の金属表面における錆の有無を判断したり、あるいは当該錆の面積を測定したりする際に用いられる錆の判別方法に関するものである。
一般に、鉄筋コンクリート内に埋め込まれた鉄筋は、上記コンクリートがアルカリ性であるために、理論的には腐食することがない。しかしながら、実際には、大気中に含まれている炭酸ガスが上記コンクリート内に吸収され、この結果、時間の経過に伴って徐々にコンクリートが中性に近づき、上記鉄筋の表面に錆が発生する現象がみられる。
このため、鉄筋コンクリートに対する経年的な補修方法を検討する際や、セメント自体の組成を評価する際等に、対象となる鉄筋コンクリート内の鉄筋に対して、一定期間が経過した後に、錆の発生の有無やその程度(面積)を測定する劣化診断が行われている。
ところで、一般に、このような鉄筋に発生した錆の面積を測定する従来の方法としては、判別対象となる鉄筋表面の全周にビニールシート等の透明なシートを巻きつけ、当該シートを透過して見える錆部分を目視で判断して、マジック等により錆と判断された全ての部分を手作業により黒色等に塗りつぶした後に、このシートを平面に展開してイメージスキャナー等の画像入力装置でパーソナルコンピュータに取り込み、塗りつぶした部分の面積を計測する方法が知られている。
しかしながら、上記従来の錆面積の測定方法にあっては、鉄筋の表面全周に透明なシートを巻付ける作業に手間がかかり、しかもこの透明なシートの錆と対応する部分を、手作業により黒色等に塗りつぶす作業は、個人差が発生する。また特に、錆が小面積で点在する場合は、錆の部分の全てを正確に塗りつぶせない可能がある。さらに、長時間の作業では、作業効率が悪いという問題があり、塗りつぶす作業の正確さにも影響が生じるという様々な問題点があった。
そこで、本発明者等は、上記の問題点について種々検討した結果、錆面積を計測する鉄板や鉄筋などの表面の画像を、直接イメージスキャナー等の画像入力装置でパーソナルコンピュータに取り込み、取り込んだ画像データの各画素を光の三原色である赤色、緑色および青色の各要素に分解し、以下に述べるアルゴリズムを適用して発錆面積を計測することで、個人差がなく、正確に発錆面積を計測することができ、かつ測定時間を短縮することができることを見出した。
下記特許文献1は、本発明者等が、先に上記知見に基づいて提案した鉄筋の発錆面積の測定方法等に係るものである。
この方法は、錆と認定できる基準として典型的な錆データから得られた赤データ、緑データおよび青データをコンピュータに記憶させて置き、ついで錆測定用鉄筋の全周の画像を入力装置でコンピュータに取り込み、この鉄筋画像データを三原色に分解し、それぞれ赤データ、緑データ及び青データを得、前記の緑データ及び青データは、予め入力してある緑閾値及び青閾値から求められる錆として認識できる上限の値と比較し、これらデータが上限値より小さければ、赤と認識し、またこれらのデータが上限値より大きいときは、前記の典型的な錆のデータ群から赤データを基準として錆の緑データ、青データを抽出し、錆の緑データ、青データの範囲内にあれば、赤と認識し、これらを総計して錆ドットの総和面積を得ることを特徴とするものである。
上記測定方法は、通常、錆が「赤っぽく」見えることに着目し、上記画像データにおける任意の1画素から得られた緑色や青色の明度が、同じ1画素から得られた赤色の明度より小さい場合に錆である確率が高いという観点から解析しようとするものであ。
しかしながら、一般に、金属表面の錆は、金属自体の色や、画像データを取得する際の照明の明るさ等に起因して、外観上「赤っぽく」見える場合のみならず、「赤っぽく」見えない場合もある。このため、上記測定方法にあっても、得られた赤色よりも他の緑色や青色の明度が単に小さいだけでは、上述した外観上「赤っぽく」見えない錆については、正確に判断できない場合が多々発生することが分かった。
特開2001−343226号公報
そこで、本発明者等は、上記画像データにおける任意の1画素について、同一画素の赤色の明度に対する緑色の明度の比、および同一画素の赤色の明度に対する青色の明度の比に着目して鋭意解析した結果、赤色の明度に対する緑色の明度の比、すなわち(緑色の明度/赤色の明度)がある値以下であり、かつ赤色の明度に対する青色の明度の比、すなわち(青色の明度/赤色の明度)がある値以下である場合に、その画素が錆である確率が高いこと、および上記ある値が、それぞれ対する赤色の明度の大きさに依存することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、作業者の習熟程度等に左右されることなく、高い精度で金属表面における発錆の有無およびその面積を容易に測定することができる錆の判別方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、判別対象となる金属の表面を、複数の画素の集合体で構成される電子的な画像データとして取り込み、当該画像データを構成する各々の上記画素のデータを三原色に分解して、得られた赤色、緑色および青色の明度から上記金属の表面における錆の有無を判断する錆の判別方法であって、予め、上記金属と同材質の複数の金属の発錆表面について上記画像データを採取し、これら画像データを構成する各々の画素のデータを、赤色、緑色および青色の三原色に分解し、分解した1つの画素毎に赤の明度Rに対する緑色の明度Gの比および青色の明度Bの比を算出し、これらの算出結果から任意の1つの画素の赤色の明度Rの大きさについて、当該赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値および青色の明度Bの比の最大値を算出して、得られた全ての赤色の明度Rの大きさについての上記最大値について、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値を赤色の明度Rの関数Fg(R)として求めるとともに、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最大値を赤色の明度Rの関数Fb(R)として求めておき、上記判別対象となる金属の表面の上記画像データから、1つの画素iにおける緑色の明度Giを赤色の明度Riで除した緑色要素錆判定値{Hg}iおよび青色の明度Biを赤色の明度Riで除した青色要素錆判定値{Hb}iを算出し、Fg(Ri)≧{Hg}i、であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i、である場合に、当該画素iを錆部分と判定することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、予め、上記金属と同材質の複数の金属の発錆表面に対して、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最小値を赤色の明度Rの関数Fg(R)minとして求めるとともに、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最小値を赤色の明度Rの関数Fb(R)minとして求めておき、Fg(Ri)≧{Hg}i であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i であるとともに、さらにFg(Ri)min≦{Hg}i であって、かつFb(Ri)min≦{Hb}i である場合に、当該画素iを錆部分と判定することを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、錆と判定された上記画素iの総数がnであり、かつ画素iの面積がAiである時に、下記式1により、当該対象物となる金属の表面における錆の面積Aを求めることを特徴とするものである。
式1
Figure 0005605234
請求項1〜3のいずれかに記載の発明においては、予め判別対象となる金属と同材質の複数の金属の発錆表面について画像データを採取し、これら画像データの発錆表面における各々の画素について、1画素のデータ毎に、当該画素データを光の三原色である赤色、緑色および青色の各要素に分解し、赤色の明度Rと、緑色の明度Gを赤色の明度Rで除した値との関係、および赤色の明度Rと、青色の明度Bを赤色の明度Rで除した値との関係を算出する。
次に、これによって得られた多数の算出結果に、最尤法、区間推定や最小二乗法等の統計学的手法を適用して、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値を、赤色の明度Rの関数Fg(R)として求めるとともに、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最大値を、赤色の明度Rの関数Fb(R)として求めておく。
すなわち、上記発錆表面において、赤色の明度の大きさがRである時の赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値を、最尤法等の統計学的手法を適用して解析し、解析された全ての上記最大値について最小二乗法等を適用して赤色の明度Rの関数Fg(R)として求める。また、同様に発錆表面において、赤色の明度の大きさがRである時の赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最大値を、上記と同様にして赤色の明度Rの関数Fb(R)として求める。
そして、判別対象となる金属表面における発錆の有無やその面積を調べる場合に、上記金属表面の画像データから、1つの画素iにおける緑色要素錆判定値{Hg}i(緑色の明度Gi/赤色の明度Ri)および青色要素錆判定値{Hb}i(青色の明度Bi/赤色の明度Ri)を算出し、Fg(Ri)≧{Hg}i、であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i、である場合に、当該画素iを錆部分と判定する。
したがって、判別対象となる金属と同材質の金属の発錆表面についての画像データから得られた赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比についての関数Fg(R)および赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の関数Fb(R)に基づいて、当該金属自体の色や、画像データを取得する際の照明の明るさ等に起因する「赤っぽく」見える錆や、「赤っぽく」見えない錆についても、正確に判断することが可能になる。
この結果、作業者の習熟程度等に左右されることなく、高い精度で金属表面における発錆の有無およびその面積を容易に測定することができる。
さらに、請求項2に記載の発明においては、予め赤色の明度Rに対する緑色の明度Gあるいは青色の明度Bの比の最大値の関数Fg(R)、Fb(R)に加えて、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gあるいは青色の明度Bの比の最小値を、最尤法、区間推定や最小二乗法等の統計学的手法を適用して、各々赤色の明度Rの関数Fg(R)min、Fb(R)minとして求めている。
そして、Fg(Ri)≧{Hg}i であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i であるとともに、さらにFg(Ri)min≦{Hg}i であって、かつFb(Ri)min≦{Hb}i である場合に、当該画素iを錆部分と判定している。
このため、様々な材質の金属に対して、極めて高い精度で発錆の有無を判断することが可能になる。
本発明に係る錆の判別方法の一実施形態における判別のフローチャートである。
以下、図1に基づいて、本発明に係る錆の判別方法を鉄筋の表面における発錆の判定およびその面積の算出に適用した一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、赤色の明度に対する緑色および青色の明度の比の最大値の関数のみによって発錆の有無の判定を行う場合に適用したものであって、赤色の明度に対する緑色および青色の明度の比の最小値の関数については、考慮を省略している。
[STEP1] 赤色の明度に対する緑色および青色の明度の比の最大値の関数を求める工程
先ず、この判別方法においては、判別対象となる鉄筋と同材質の金属であって、典型的な発錆表面を有するサンプルを用いて、赤色の明度Rを変数とし、赤色の明度Rに対する緑色および青色の明度の比の最大値に関する関数Fg(R)、Fb(R)を求める。
具体的には、発錆のサンプルとなる上記複数の金属の表面の画像を、直接イメージスキャナーやデジタルカメラ等の画像入力装置を用いて、パーソナルコンピュータの記憶装置内に、複数の画素の集合体で構成される電子的な画像データとして各々取り込む。そして、これら画像データを構成する各々の画素のデータを、赤色、緑色および青色の三原色に分解する。
次いで、上記各々の画像データの分解した全画素について、1つの画素毎に赤の明度Rに対する緑色の明度Gの比および青色の明度Bの比を算出する。そして、これらの算出結果に、最尤法、区間推定等の統計学的手法を適用して解析し、任意の1つの画素の赤色の明度Rの大きさに対する緑色の明度Gの比の最大値および青色の明度Bの比の最大値を算出する。次いで、算出された全ての上記最大値について、最小二乗法等を適用して解析し、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値を、赤色の明度Rの関数Fg(R)として求め、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最大値を、赤色の明度Rの関数Fb(R)として求めておく。
例えば、赤色の明度Rが110の時、下記表1に示す赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比(G/R値)の頻度が収集されたとする。
Figure 0005605234
この場合、G/R値が0.858以上の頻度が全てゼロであれば、最尤法を適用してG/R値が0.833を赤色の明度Rが110の時のG/R値の最大値とすることができる。
また例えば、G/R値が0.842や0.850である時の頻度が2や1ではなく、10000や5000のように大きい場合は、統計学でいうところの95%信頼区間を適用し、区間の上限の値を最大値、区間の下限の値を最小値とすることができる。
すなわち、尖度(分布の尖り具合)が極端に大きい場合は最尤法を適用して最大値を求め、母集団の分布の形態が正規分布に近い分布の場合は区間推定で最大値や最小値を求めることを意味する。なお、上記最大値における分布の左右の偏り、ピークの数や尖度等母集団の分布の形態は様々であるので、上述した2例に限らず、得られた母集団の分布の形態を解析し、求めうる最大値や最小値が母集団を最もよく表現するように、適用する統計学的手法を選択することが可能である。
次いで、算出された全ての上記最大値について、最小二乗法等を適用して解析し、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値を、赤色の明度Rの関数Fg(R)として求め、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最大値を、赤色の明度Rの関数Fb(R)として求めておく。
例えば、各赤色の明度Rについて、下記表2のような赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比(G/R)の最大値が得られたとする。
Figure 0005605234
この場合、表2を最小二乗法で解析すると
Fg(R)=0.8487-0.1536×R/256
が得られる。
なお、表2は、例として取り上げたものであるため、全ての赤色の明度Rについて記載されていないことに留意されたい。
ここで、得られた関数Fg(R)、Fb(R)は、判別対象となる金属の材質や、錆の質等によって変わる。例えば、本発明者等による検証によれば、目視において錆の質が黒色系統である場合には、
Fg(R)=0.85−0.101×R/256
Fb(R)=0.86−0.121×R/256、のようになった。
これに対して、同様に目視において錆の質がピンク系統の場合には、
Fg(R)=0.87−0.121×R/256
Fb(R)=0.89−0.131×R/256、のようになった。
また、最小二乗法が適用できないような場合には、上記関数Fg(R)、Fb(R)は、必ずしも上述したような連続な関数で求めておく必要はなく、下記のように赤色の明度Rの値に対応する離散値のような不連続な関数で求めておいてもよい。
赤色の明度R=25の時、Fg(R)=0.78、Fb(R)=0.87
赤色の明度R=26の時、Fg(R)=0.90、Fb(R)=0.98
赤色の明度R=27の時、Fg(R)=0.60、Fb(R)=0.45
[STEP2] 鉄筋の発錆状態の判定
そして、判別対象となる鉄筋の表面の発錆状態を判定する場合には、同様にして、当該鉄筋の表面を全周にわたって、イメージスキャナー等の画像入力装置で撮影して、その画像データをパーソナルコンピュータの記憶装置内に取り込む。
次いで、得られた画像データを構成する画素の各々を、赤色、緑色および青色の三原色に分解し、ある1つの画素iに対して、当該画素iにおける緑色の明度Giを赤色の明度Riで除した緑色要素錆判定値{Hg}iおよび青色の明度Biを赤色の明度Riで除した青色要素錆判定値{Hb}iを算出する。すなわち、緑色要素錆判定値{Hg}i=Gi/Riであり、青色要素錆判定値{Hb}i=Bi/Riである。
そして次に、予め解析しておいた関数Fg(R)および関数Fb(R)における赤色Rの値として、上記Riを代入して緑色の明度Gの最大値Fg(Ri)および青色の明度Bの最大値Fb(Ri)を算出し、各々上記緑色要素錆判定値{Hg}iおよび青色要素錆判定値{Hb}iとの大小を判断する。
この結果、Fg(Ri)≧{Hg}i であって、
かつFb(Ri)≧{Hb}i である場合に、上記画素iを錆部分と判定する。
そして、以上の判定作業を上記鉄筋の画像データの全画素について繰り返す。なお、上記説明にて赤色の明度Rがゼロの場合は、{Hg}iや{Hb}i等、赤色の明度Rに対する比が算出できないので、例えば Ri=0.000001のように、赤色の明度Rをゼロに近い値と置き換えて算出する。
[STEP3] 発錆面積の算出
次に、上記STEP2において錆と判定された全ての画素の面積を合算することにより、上記鉄筋における発錆の面積を算出する。
具体的には、上記画像データの解像度(スキャナーの光学解像度)が、N・DPI(dot per inch)である場合には、1インチ(25.4mm)あたりN(dot)であることから、1画素(1dot)の面積{Ai}=(25.4/N)2(mm2)である。
したがって、画素i(i=1〜n、n:錆と判定された画素の総数)について錆と判定された場合には、その総面積A(mm2)は、下式によって算出される。
式2
Figure 0005605234
また、入力装置が、デジタルカメラ等の上述したDPI(dot per inch)という単位から直接的に1画素の面積を算出し得ないものである場合には、その撮影時に、物差し等の長さの基準となるものを画像データ内に撮影しておき、これを基準にして1画素の1辺の長さを算出することができる。
次に、本発明に係る錆の判定方法の効果を実証するために、以下のような具体例について、図1に示す実施形態における判定のフローチャートに基づいて、発錆の有無およびこれによって得られた発錆箇所の面積を求める検証を行った。
[STEP1]
先ず、全周全部分に典型的な錆が発生している鉄筋100本(各々直径10mm、長さ150mm)の全周を、光学解像度600DPIのイメージスキャナーで撮影して、その画像データをパーソナルコンピュータに取り込み、100枚の画像データ(Windows Bit Map形式)を得た。
次いで、上記100枚の各画像データを構成する全ての画素について、赤色、緑色および青色の三原色の要素として取り出し、各々の明度R、G、Bを解析した。そして、赤色の明度Rの大きさを基準として、基準とした赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比および青色の明度Bの比を算出し、統計学でいうところの区間推定で、基準とした赤色の明度Rに対する上記各々の比の最大値を解析し、さらに解析された各最大値について最小二乗法を適用することで、下式に示すような赤色の明度Rを変数とし、赤色Rに対する緑色Gの比の関数式Fg(R)および青色Bの比の関数Fb(R)を得た。
Fg(R)=0.85−0.101×R/256
Fb(R)=0.82−0.105×R/256
[STEP2]
以上の事前準備のもとに、判別対象となる1本の鉄筋(直径10mm、長さ150mm)の全周を、光学解像度600DPIのイメージスキャナーで撮影してパーソナルコンピュータに取り込み、1枚の画像データ(Windows Bit Map形式)を得た。次いで、得られた画像データの全ての画素について、赤色、緑色および青色の三原色の要素を採りだして各々の明度を解析し、かつ各々の画素に、1から全画素数までの番号を付した。以降、任意の画素をiと表現し、全画素数分処理した。なお、以上の算出過程において、Riがゼロの場合は、Ri=0.000001として算出した。
そして、画素iにおける赤色の明度Ri、緑色の明度Giおよび青色の明度Biに基づいて、画素iの緑色要素錆判定値{Hg}i(=Gi/Ri)と、画素iの青色要素錆判定値{Hb}i(=Bi/Ri)を求めた。
ここで、得られた{Hg}i、{Hb}iの一部を示せば、以下の通りであった。
{Hg}1=0.52、{Hb}1=0.68

{Hg}100=0.89、{Hb}100=0.91
{Hg}101=0.92、{Hb}101=0.93
そして次に、予め解析しておいた関数Fg(R)および関数Fb(R)における赤色の明度Rの値として、上記Riを代入して緑色の明度Giに関する関数値Fg(Ri)および青色の明度Biに関する関数値Fb(Ri)を算出した。
同様に、得られたFg(Ri)、Fb(Ri)の一部を示せば、以下の通りであった。
R1=50、Fg(R1)=0.8302、Fb(R1)=0.7995

R100=168、Fg(R100)=0.7837、Fb(R100)=0.7511
R101=201、Fg(R101)=0.7707、Fb(R101)=0.7376
次いで、各々上記緑色要素錆判定値{Hg}iおよび青色要素錆判定値{Hb}iとの大小を判断した。
ちなみに、Fg(Ri)≧{Hg}i であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i である場合に、上記画素iを錆部分と判定した。
上に示した例について、それぞれの結果を示せば以下の通りである。
Fg(R1)=0.8302>{Hg}1=0.52
Fb(R1)=0.7995>{Hb}1=0.68
よって、画像データにおける画素1は発錆箇所である。
Fg(R100)=0.7837<{Hg}100=0.89
Fb(R100)=0.7511<{Hb}100=0.91
よって、画像データにおける画素100は、発錆箇所ではない。
Fg(R101)=0.7707<{Hg}101=0.92
Fb(R101)=0.7376<{Hb}101=0.93
よって、画像データにおける画素101は、発錆箇所ではない。
[STEP3]
このようにして、全ての画素に対して、当該箇所が発生箇所であるか否かの判別を行った結果、合計31225の画素について発錆箇所であると判定された。
ここで、イメージスキャナーの光学解像度は600DPIであるので、1画素の面積は0.001792mm2であり、よって発錆箇所と判定された総面積Aは、
A=31225×0.001792=55.95867mm2
になった。
ちなみに、以上のSTEP2、3に費やした作業時間は、5分であった。
これに対して、同じ鉄筋における発錆箇所を、透明なシートに写し取る従来の方法によって同様の測定を行なったところ、30分の時間を要した。また、この従来の方法によって算出された錆の面積は、56mm2であった。さらに、上記従来の透明なシートに写し取る方法を用いて、同一の鉄筋に対して3人の異なる作業者によって同様の測定を行なわせたところ、各々の作業時間は、30、35、25分であった。また、算出された発錆箇所の総面積は、各々52mm2、54mm2、53mm2であった。
以上のように、従来の測定方法では、上述した本発明に係る錆の判別方法よりも作業時間が掛かり、かつ作業者によって測定値に誤差が生じるのに対して、本発明に係る判別方法によれば、STEP1、2に記述した入力データが同じであれば、作業者の如何に関わらず、同じ値が計測されることになる。この結果、作業者の習熟程度等に左右されることなく、高い精度で、かつ短時間に金属表面における発錆の有無およびその面積を測定することができる。
なお、上記実施形態および実施例においては、いずれも判別対象となる金属と同材質の複数の金属の発錆表面について、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値および青色の明度Bの比の最大値を赤色の明度Rの関数Fg(R)、Fb(R)として求めておき、判別対象となる金属の表面の上記画像データの1つの画素iにおける緑色要素錆判定値{Hg}iおよび青色要素錆判定値{Hb}iを算出して、Fg(Ri)≧{Hg}i であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i である場合に、当該画素iを錆部分と判定する場合についてのみ示したが、これに限定されるものではない。
すなわち、金属の種類等によっては、判別対象となる金属と同材質の複数の金属の発錆表面について、区間推定等の統計学的手法を適用して、各々の比が取り得る最小値についての関数を求めることができる場合もある。このような場合には、上記発錆表面に対して、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最小値を赤色の明度Rの関数Fg(R)minとして求めるとともに、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最小値を赤色の明度Rの関数Fb(R)minとして求めておき、Fg(Ri)min≦{Hg}i であって、かつFb(Ri)min≦{Hb}i である場合を錆部分の判定条件として加えることにより、一層高い精度により発錆の有無の判定を行うことが可能になる。
鉄筋等の金属表面における錆の有無を判断したり、あるいは当該錆の面積を測定したりする際に利用可能である。

Claims (3)

  1. 判別対象となる金属の表面を、複数の画素の集合体で構成される電子的な画像データとして取り込み、当該画像データを構成する各々の上記画素のデータを三原色に分解して、得られた赤色、緑色および青色の明度から上記金属の表面における錆の有無を判断する錆の判別方法であって、
    予め、上記金属と同材質の複数の金属の発錆表面について上記画像データを採取し、これら画像データを構成する各々の画素のデータを、赤色、緑色および青色の三原色に分解し、分解した1つの画素毎に赤の明度Rに対する緑色の明度Gの比および青色の明度Bの比を算出し、これらの算出結果から任意の1つの画素の赤色の明度Rの大きさについて、当該赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値および青色の明度Bの比の最大値を算出して、得られた全ての赤色の明度Rの大きさについての上記最大値について、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最大値を赤色の明度Rの関数Fg(R)として求めるとともに、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最大値を赤色の明度Rの関数Fb(R)として求めておき、
    上記判別対象となる金属の表面の上記画像データから、1つの画素iにおける緑色の明度Giを赤色の明度Riで除した緑色要素錆判定値{Hg}iおよび青色の明度Biを赤色の明度Riで除した青色要素錆判定値{Hb}iを算出し、
    Fg(Ri)≧{Hg}i であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i である場合に、当該画素iを錆部分と判定することを特徴とする錆の判別方法。
  2. 予め、上記金属と同材質の複数の金属の発錆表面に対して、赤色の明度Rに対する緑色の明度Gの比の最小値を赤色の明度Rの関数Fg(R)minとして求めるとともに、赤色の明度Rに対する青色の明度Bの比の最小値を赤色の明度Rの関数Fb(R)minとして求めておき、
    Fg(Ri)≧{Hg}i であって、かつFb(Ri)≧{Hb}i であるとともに、さらにFg(Ri)min≦{Hg}i であって、かつFb(Ri)min≦{Hb}i である場合に、当該画素iを錆部分と判定することを特徴とする請求項1に記載の錆の判別方法。
  3. 錆と判定された上記画素iの総数がnであり、かつ画素iの面積がAiである時に、下記式により、当該対象物となる金属の表面における錆の面積Aを求めることを特徴とする請求項1または2に記載の錆の判別方法。
    Figure 0005605234
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