JP5603486B2 - 抗腫瘍組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、哺乳動物における腫瘍の治療に使用するためのトリパラミクソウイルス(APMV)を含む医薬組成物に関する。
ニューカッスル病ウイルス(NDV)は、種々の鳥類において感染を引き起こすトリパラミクソウイルス(APMV)のメンバーである。NDVはAPMV1に属する。該疾患は気道、脳または胃腸管の炎症により特徴づけられる。ニューカッスル病ウイルスは、もう1つの意外な特徴を有することが何十年も前から公知である。十分には知られていない理由により、それは哺乳動物において或る抗腫瘍効果を有するのである。したがって、トリ種へのワクチン接種に対する関心と並んで、ヒトの癌治療を含む癌治療におけるニューカッスル病ウイルスおよび他のパラミクソウイルスの使用における関心が増大しつつある。ニューカッスル病ウイルスがヒトにおいて複製される場合、一般的に言うと、該ウイルスはビルレントには挙動しない。NDVに感染したヒトにおける最もよく知られている症状は軽度の結膜炎である。そのような結膜炎は、しばしば、大量のニワトリへの生弱毒化NDVでのワクチン接種に初めて関与した獣医により経験される。しかし、十分には理解されていない理由により、哺乳類腫瘍細胞に対する病原性は非腫瘍細胞における病原性と比べて遥かに高い。NDは癌細胞においては正常細胞におけるより約100.000倍良好に複製されると推定される。NDVは、腫瘍細胞溶解効果のような抗腫瘍効果を有する唯一のAPMVではない。現在、APMV 1、3、4、5、6、7、8、9、マプエルタ(Mapuerta)ウイルスおよびフェル・デ・ランス(Fer−de−Lance)ウイルスの腫瘍細胞溶解性株が公知である。例えば、米国特許出願US2009/0208495を参照されたい。2つの型のAPMV、すなわち、細胞溶解性株および非細胞溶解性株が存在する。細胞溶解性株および非細胞溶解性株は共に癌細胞を殺しうるが、細胞溶解性細胞は幾らか速い作用様式を有する(Schirrmacher,V.ら,Int.J.Oncol.2001 May;18(5):945−52)。細胞溶解性株は感染細胞の細胞膜を損傷し、非細胞溶解性株は該細胞の代謝を妨げるらしい。したがって、細胞溶解性株および非細胞溶解性株は共に、異なるメカニズムによってではあるが、腫瘍細胞に対して毒性である。したがって、混乱を避けるために、細胞溶解性株および非細胞溶解性株を共に、更に、細胞毒性株とも称することとする。文献においては細胞溶解性株は腫瘍細胞溶解性株とも称されているため、細胞溶解性株なる語は本明細書においては腫瘍細胞溶解性株を意味する。
細胞溶解性NDV株および非細胞溶解性NDV株は共に、癌との闘いにおけるそれらの使用に関して研究されている。これは以下の3つの異なる基本的な抗腫瘍療法の開発につながっている:
1)患者への非細胞溶解性または細胞溶解性APMV株の投与、
2)インビトロAPMV感染癌細胞からの細胞膜断片を含む、いわゆる腫瘍細胞溶解液の、患者への投与、
3)非細胞溶解性APMV株に感染した無傷癌細胞の、患者への投与。
第1のアプローチの原理は、該細胞溶解性ウイルス株の広がり、およびそれに続くその株の複製が、最終的に、体内の全腫瘍細胞への感染を招くというものである。このアプローチの不利な結果は、ある時間の後に免疫応答が誘導され、これが親および/または後代ウイルスを中和しうることである。第2および第3のアプローチの原理は、腫瘍細胞の表面上の腫瘍特異的抗原が、それらがウイルス抗原に結合する際に良好に認識されるというものである。第2および第3のアプローチのどちらを選ぶかは、細胞膜または全細胞のどちらが良好な応答を与えると考えられるかにかかっている。ウイルスに基づく抗腫瘍アプローチ1、2および3の欠点は、ある時間の後にAPMVに対する免疫応答が誘導され、これが親および/または後代ウイルスを阻害し、更なる細胞への感染を阻止することである。この問題は幾つかの方法で対処されている。幾つかのアプローチは、とりわけ、宿主の免疫系を阻害する化合物をコードする異種遺伝子の、ウイルスゲノム内への導入に基づく。もう1つのアプローチは、誘導抗体の効果を抑制するために、または該ウイルスに対する或る種の免疫寛容を誘導するために、(非常に)高い力価のウイルスを週数回投与するというものである。他のアプローチは、非常に強固な最初の攻撃により、第2ラウンド以降のウイルス感染の必要性を回避することを試みる。これは、例えば、NDVと何らかの抗腫瘍薬(例えば、細胞毒性または細胞分裂抑制性化合物)との組合せ投与により行われうる。他のそのようなアプローチは、例えば、腫瘍特異的抗原に対する完全IgG抗体をコードする遺伝子の、NDV内への導入に基づくものである。
これらのアプローチの共通の欠点は、それらのそれぞれが、比較的低い濃度のNDVでの基本的治療と比較して患者を悪化させることである。したがって、抗体誘導に伴う問題を軽減するための代替的アプローチが必要とされている。
前記の欠点を引き起こすことなく抗体誘導に伴う問題を軽減するための手段を提供することが、本発明の目的である。
この点において、本発明の1つの実施形態は、哺乳動物における腫瘍の治療に使用するための、トリパラミクソウイルス(APMV)を含む医薬組成物に関する。この場合、該治療は、第1 APMVの細胞毒性量を該哺乳動物に投与する工程、ついで、該第1 APMVの投与から2〜56週間以内に第2 APMVの細胞毒性量をその哺乳動物に投与する工程を含み、ここで、該第2 APMVは、第1 APMVのものとは免疫学的に異なるHNタンパク質を有する。
全てのAPMVは、赤血球凝集素/ノイラミニダーゼ(HN)活性をコードする遺伝子と、融合(F)タンパク質をコードする遺伝子とを含有する。赤血球凝集素/ノイラミニダーゼは防御免疫応答の強力な誘導因子であり、一方、融合タンパク質も、それらよりは低い度合ではあるが防御免疫応答の誘導に関与している。驚くべきことに、トリパラミクソウイルス(APMV)の種々のメンバーの赤血球凝集素/ノイラミニダーゼおよび融合タンパク質の間には顕著に低い免疫学的交差反応性が存在することが本発明において見出された。免疫学的交差反応性は、ある場合には更には実質的に存在しない。この意外な知見は、APMV株の初回投与後の免疫誘導に伴う問題を軽減する又は好ましくは回避する新規アプローチの可能性を開くものである。この目的を達成するための1つの方法は、第1 APMVの細胞毒性量を哺乳動物に投与し、ついで該第1 APMVの投与から2〜56週間以内に第2 APMVの細胞毒性量をその哺乳動物に投与することであり、この場合、第2 APMVは、第1 APMVのものとは免疫学的に異なるHNタンパク質(および好ましくは融合タンパク質)を有することに留意する。この場合に免疫学的に異なるとは、第2 HNタンパク質(および好ましくは融合タンパク質)が、第1 APMVに属しないAPMVに由来することを意味する。単なる例示としてであるが、第1 APMVのHNタンパク質がAPMV 1に属する場合、免疫学的に異なるものとして適合するためには、第2 APMVのHNタンパク質は別のAPMV、例えばAPMV 3またはAPMV 5に属する必要がある。このアプローチに従うことにより、異なるAPMV間の免疫学的交差反応性が(非常に)低いため、第2 APMVは、第1 APMVに対する考えられうる免疫応答により、低い度合で又はより一層低い度合で阻害されるであろう。これは経時的に数ラウンドのウイルス投与を可能にするであろう。治療すべき腫瘍が充実性腫瘍である場合には尚更、そのようなアプローチの利点は明らかである。そのような場合には特に、腫瘍塊の全細胞が同時に感染するとは考えにくい。腫瘍の中心部は最初は未攻撃のままであろう。初回ウイルス投与後に感染した細胞は、腫瘍塊内のより深い細胞層が感染しうる前に死亡し消失するに違いない。その時点までに、該ウイルスに対して生じた免疫は残存ウイルスを十分に除去可能であり、その結果、これらの深部細胞層は死亡しないであろう。しかしながら、本発明においては、免疫応答が生じない第2(および必要な場合には第3またはそれ以降の)APMV株でのAPMV投与の第2ラウンドがこの問題を解決するであろう。
第1および第2 APMVを選択するための方法は幾つか存在する。容易な方法は、APMV 1、3、4、5、6、7、8、9、マプエルタ(Mapuerta)ウイルスおよびフェル・デ・ランス(Fer−de−Lance)ウイルスからなる群から選択されるAPMVの1つを第1 APMVとして使用し、この群の別のAPMVを第2 APMVとして使用するものである。単なる一例としてであるが、第1 APMVとしてAPMV1の細胞毒性量を投与し、ついで該第1投与から2〜56週間以内にAPMV3の細胞毒性量を投与することが可能であろう。第1および第2 APMVを選択するためのもう1つのより複雑であるがエレガントな方法は、前記のとおり、APMVに対する主免疫応答が該ウイルスのHNに対するもの、そしてそれより低い度合ではあるがFタンパク質に対するものであることに基づく。特定のAPMVのHNをコードする遺伝子、および所望により、Fタンパク質をコードする遺伝子を、別のAPMVのものにより単に置換することにより、同じAPMVバックボーンを2回、すなわち、1回は野生型として、そしてもう1回は、野生型のものの代わりに別のAPMVのHN(をコードする遺伝子)および恐らくはFタンパク質を今や含有する組換え体として使用することが可能であろう。単なる一例としてであるが、NDVを第1 APMVとして使用し、そして別のAPMV(例えば、APMV 3)の同じNDVバックボーンに基づくが別のAPMV(例えば、APMV)のHN(をコードする遺伝子)および恐らくはFタンパク質を今や含有する組換えNDVを第2 APMVとして使用することが可能であろう。第2(組換えNDV)APMVは、第1 APMVに対して生じた免疫応答により(遥かに)低い度合で阻害されるであろう。なぜなら、(第2 APMVの基礎はNDVであるにもかかわらず)第2(組換えNDV)の主免疫原性決定基はNDVのものではなく、別のAPMV(例えば、APMV3)のものであるからである。
第1 APMVの投与と第2 APMVの投与との間の2〜56週間の期間は以下の根拠を有する。幾つかの腫瘍は迅速に成長し、一方、他の腫瘍または更には転移腫瘍細胞は遅く成長し、または更にはかなりの時間にわたって「休眠状態」となりうる。したがって、該腫瘍の特性に応じて、時間的により早く又はより遅く第2 APMVを投与することが有益でありうるであろう。多くの場合、第1 APMVの投与と第2 APMVの投与との間の期間はより短いであろう。なぜなら、「休眠状態」の期間は56週間未満だからである。更に、細胞の早期成長のリスクを回避したい場合もあるであろう。したがって、好ましい期間は2〜28週間、より好ましいのは2〜20、2〜16、2〜12、または更には2〜8週間(その順序で好ましくなる)であろう。
この新規アプローチは、それが専らAPMVの細胞毒性効果に基づいており、したがって、原理的には、公知アプローチが基づいている前記のとおりの免疫系および免疫応答を妨げる化合物もしくは治療方式または細胞毒性薬の強制的使用を伴わないという、既存アプローチと比較した場合の利点を有する。
本発明の追加的利点は以下のとおりである。ある時間の後、2段階で患者が本発明の組成物で治療された後で休眠(または)転移腫瘍細胞が分裂を開始した場合、該方法は、第3 APMVおよび所望により他のAPMVを投与することにより単に反復されうる。
ある免疫応答がFタンパク質に対して誘導されることを考慮すると、好ましくは、第2 APMVは、第1 APMVのものと免疫学的に異なるHNタンパク質だけでなく、第1 APMVのものと免疫学的に異なるFタンパク質をも有する。
第1および第2工程の両方において例えばNDVバックボーンが使用される場合、第2組換えNDVにおけるHNおよび融合タンパク質は、好ましくは、1つの同じ非NDV APMVに由来するべきであると理解されるべきである。一例としては、第1 NDVが野生型NDVである場合、組換えNDVである第2 NDVは、好ましくは、例えばAPMV4またはAPMV5のHNおよび融合タンパク質の両方を含有するべきであり、APMV4のHNおよびAPMV5の融合タンパク質を含有するべきではない。
したがって、本発明の好ましい実施形態は、第2 APMVが、第1 APMVのものとは免疫学的に異なるFタンパク質を更に有する、本発明の医薬組成物に関する。
ウイルスの選択は非常に広範である。抗腫瘍療法に適したAPMVは公知であり、古くから当技術分野で公知である。例えば、ヒトの癌研究において使用されるNDV株の概観は、とりわけ、73−T(Cassel WA,Garrett RE.Cancer 18:863−8,1965)、Ulster(Bohle W,Schlag P,Liebrich Wら,Cancer 66(7):1517−23,1990)、MTH−68(Csatary LK,Moss RW,Beuth Jら,Anticancer Res 19(1B):635−8,1999)(Csatary LK,Eckhardt S,Bukosza Iら,Cancer Detect Prev 17(6):619−27,1993.)、Italien(Mallmann P.Hybridoma 12(5):559−66,1993)、Hickman(Wheelock EF,Dingle JH.N Engl J Med 271(13):645−51,1964)、PV701(Pecora AL,Rizvi N,Cohen GIら,J Clin Oncol 20(9):2251−66,2002)、HUJ(Freeman AI,Zakay−Rones Z,Gomori JMら,Mol Ther 13(1):221−8,2006)およびLaSota(Liang W,Wang H,Sun TMら,World J Gastroenterol 9(3):495−8,2003)を含む。
投与経路に関しても、当技術分野における既存の知見は当業者に十分な指針を提供する。当技術の単なる例示としてであるが、以下に概要を示す。動物研究においては、とりわけ、Schirrmacher V,Griesbach A,Ahlert T.,Int J Oncol 18(5):945−52,2001において概説されているとおり、腫瘍内、腹腔内および静脈内経路によりNDV感染が達成されている。筋肉内または皮下経路によるNDV感染は、とりわけ、Heicappell R,Schirrmacher V,von Hoegen Pら,Int J Cancer 37(4):569−77,1986に概説されている。ヒトでの研究においては、患者がNDVの細胞溶解性株に感染している場合、腫瘍内、静脈内または筋肉内注射が用いられている(Cassel WA,Garrett RE,Cancer 18:863−8,1965,Csatary LK,Moss RW,Beuth Jら,Anticancer Res 19(1B):635−8,1999,Pecora AL,Rizvi N,Cohen GIら,J Clin Oncol 20(9):2251−66,2002,Csatary LK,BakAacs T,JAMA 281(17):1588−9,1999,Wheelock EF,Dingle JH,N Engl J Med 271(13):645−51,1964,Csatary LK.,Lancet 2(7728):825,1971)。
以下の経路も用いられる:吸入および結腸内への直接注射(すなわち、人工肛門開口によるもの)(Csatary LK,Moss RW,Beuth Jら,Anticancer Res 19(1B):635−8,1999 Jan−Feb,Csatary LK,Eckhardt S,Bukosza Iら,Cancer Detect Prev 17(6):619−27,1993)。
また、癌治療におけるNDVのようなAPMVの使用の詳細な概説がPosition Description Questionaire “Newcastle Disease Virus(PDQ(登録商標))Health Professional Version”of the National Cancer Instituteに見出されうる。
APMVの細胞毒性量は、細胞死の誘導に必要なウイルスの量である。理論的に言えば、1個のAPMVは1個の細胞に感染し、それを殺しうる。しかし、実際の状況においては、感染させるべき腫瘍細胞の数の数倍の量を投与するであろう。適量は、例えば、Csatary LK,Eckhardt S,Bukosza Iら,:Attenuated veterinary virus vaccine for the treatment of cancer.Cancer Detect Prev 17(6): 619−27,1993に記載されている。一般的に言うと、哺乳動物の非腫瘍細胞における感染の非常に軽度な挙動は比較的高い用量の投与を可能にする。10〜1012 pfuの広範囲の用量が許容用量となろう。ほとんどの用途には、10〜10 pfuの範囲の用量が好ましい用量となろう。前記で引用されている文献はこれに関する十分な指針を示している。
ニューカッスル病感染がベロゲニックまたはメソゲニックNDV株により引き起こされた場合、ほとんどの西洋諸国においては該疾患の届け出義務がある。したがって、NDV株が抗腫瘍組成物において使用される場合、届け出を回避するためにレントゲニック株を選択するであろう。
全てのAPMVのうち、ニューカッスル病ウイルス(NDV)が最もよく使用されるウイルスである。したがって、第1または第2 APMVのいずれかとして、このウイルスの使用が多少は優先されうるであろう。したがって、本発明のより好ましい実施形態は、第1 APMVがニューカッスル病ウイルスである、本発明の医薬組成物に関する。
第2 APMVが組換えAPMVであり、そのAPMVの野生型遺伝子の代わりに別のAPMVのHNタンパク質(をコードする遺伝子)および所望によりFタンパク質をも含有する場合、第1および第2 APMVの両方のための好ましいAPMVバックボーンはNDVである。
もう1つの魅力的なAPMVは第1または第2 APMVのいずれかとしてのAPMV3である。したがって、本発明のもう1つのより好ましい実施形態は、第1 APMV3である、本発明の医薬組成物に関する。
より一層好ましいのは、第1 APMVがニューカッスル病ウイルスであり、第2 APMVがAPMV3(またはその逆)である、本発明の医薬組成物である。したがって、本発明のより一層好ましい実施形態は、第1 APMVがニューカッスル病ウイルスであり、第2 APMVがAPMV3である、本発明の医薬組成物に関する。本発明のもう1つのそのようなより一層好ましい実施形態は、第1 APMVがAPMV3であり、第2 APMVがニューカッスル病ウイルスである、本発明の医薬組成物に関する。
前記のとおり、細胞溶解性APMVは、それが非細胞溶解性APMVと比べて細胞をより迅速に殺すという点において、より迅速に作用する。したがって、好ましくは、該APMVの1以上は細胞溶解性APMVであるべきである。したがって、本発明のより一層好ましい実施形態は、少なくとも第1または第2 APMVが細胞溶解性である、本発明の医薬組成物に関する。
この実施形態の最も好ましい形態は、第1 APMVおよび第2 APMVの両方が細胞溶解性である、本発明の医薬組成物に関する。
先進国においては特に、癌に罹患したネコおよびイヌに対する関心およびケアが益々増大しつつある。ヒトの場合と同様に、これらの動物において、寿命の増加は癌の発生率を増加させている。そして本発明の医薬組成物はネコおよびイヌにおいて非常に良く作用することが示されている。したがって、この実施形態のもう1つの形態は、ウマ、フェレット、ネコおよびイヌ種のような随伴動物における使用のための、本発明の医薬組成物に関する。好ましくは、そのような組成物は、ウマおよびイヌ種における使用、より好ましくは、イヌ種における使用のためのものであろう。
前記のとおり、該医薬組成物は、そのまま使用される場合、公知の抗癌アプローチと比較して有意な利点を有する。それでも、本発明の医薬組成物をいずれかの抗腫瘍剤と組合せる理由が尚も存在しうる。そのような抗腫瘍剤の詳細な一覧は例えば米国特許出願第US2009/0208495号に記載されている。したがって、該実施形態のもう1つの形態は、少なくとも第1または第2 APMVの投与中に、ある量の抗腫瘍剤、例えば細胞毒性薬を共投与する、本発明の医薬組成物に関する。
第1および/または第2 APMVは、例えばプロドラッグの変換のための酵素または結合性タンパク質をコードする異種遺伝子を更に含有する組換えAPMVでありうる。そのような結合性タンパク質は例えば抗体でありうるであろう。そのような遺伝子のもう1つの例は、WO 2006/050984に開示されているとおり、免疫グロブリンドメインを含有する融合タンパク質をコードする遺伝子でありうるであろう。
したがって、該実施形態のもう1つの形態は、少なくとも第1または第2 APMVが、追加的遺伝子を含有する組換えAPMVである、本発明の医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、APMVの投与を可能にするために、原則として、医薬上許容される担体中にAPMVを含むべきである。該担体の性質は、とりわけ、投与経路に左右される。投与経路が吸入による場合には、担体は無菌水、生理塩溶液またはバッファーのような単純なものでありうるであろう。注射が好ましい経路である場合には、担体は、好ましくは、等張性であり、それを注射に適したものにするpH制限を有するべきである。しかし、そのような担体は当技術分野で広範に知られている。本発明において有用な医薬上許容される担体の例には、安定剤、例えばSPGA、炭水化物(例えば、ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、グルコース、デキストラン)、タンパク質、例えばアルブミンまたはカゼイン、タンパク質含有物質、例えばウシ血清または脱脂乳およびバッファー(例えば、リン酸バッファー)が含まれる。そのような安定剤を該ワクチンに添加する場合には特に、該ワクチンは凍結乾燥に非常に適している。凍結乾燥は、APMVの不活性化を防ぐための非常に適した方法である。したがって、より好ましい形態においては、本発明の医薬組成物は凍結乾燥形態である。
異種遺伝子を含有する組換えAPMVは、とりわけ、APMVを含む多数の非分節化マイナス鎖RNAウイルスに関して記載されている良く知られた逆遺伝学の技術により製造されうる。例えば、Conzelmann,J.Gen.Virol.77:381−389(1996)、Conzelmann,Ann.Rev.Genet.32,123−162(1998)、Paleseら,Proc.Natl.Acad.Sci.93:11354−11358(1996)、Peetersら,J.Virology 73:5001−5009(1999)、Romer−Oberdorferら,J.Gen virol.80:2987−2995(1999)を参照されたい。
実施例1
イヌにおける種々のレントゲニックAPMV株の安全性および複製
1.序論
1.1 この実験の目的は、レントゲニックトリパラミクソウイルス(APMV)NDV Clone(クローン)30、NDV UlsterおよびAPMV3がイヌにおいて安全であり複製されるかどうかを評価することであった。
2.材料および方法
2.1 実験の概要
3群のビーグル犬(1群当たり2頭)に、表1「群分け及び投与」に示されているとおり、レントゲニック生NDV Clone30、NDV UlsterまたはAPMV3を経口、鼻腔内、眼内および皮下(s.c.)経路により接種した。3群に分けられた4頭(1−1−2)のイヌを接触対照(歩哨動物)として使用した。接種後の第3−6−9−13および15日の時点で、経口、眼内および直腸スワブを採取した。鼻腔内スワブは接種後の第3および6日においてのみ採取した。接種後8週間まで毎週、血液サンプルを採取した。第1接種後の第6週において、経口、鼻腔内、眼内および皮下経路によりNDV Clone30またはAPMV3のいずれかでイヌに2回目の接種を行った(表1「群分け及び投与」を参照されたい)。第2接種後の第3日および6日に、経口、鼻腔内、眼内および直腸スワブを採取した。スワブはウイルスの再分離に使用されるように計画されている。第1および第2接種後の第3日および第6日に、膀胱から尿サンプルを採取した(必要に応じて利尿薬を使用した)。各接種後の14日間に、埋め込みチップを使用して各イヌの体温を測定した。疾患の臨床徴候または他の異常の発生に関してイヌを毎日観察した。第1接種の8週間後、すなわち、第2接種の2週間後、イヌを安楽死させ、肉眼的に検査した。組織学的検査のためのサンプルを膵臓、脾臓、肝臓、腎臓、脳、心臓、気管、肺および深鼡径リンパ節から採取した。
使用した株:
生NDV Ulster: −9.7 log10 EID50/ml
生NDV Clone30: −9.5 log10 EID50/ml
生APMV3: −8.7 log10 EID50/ml
Figure 0005603486
2.3 接種
表1に従い、T=0において生APMVをイヌに接種した。第1接種の6週間後、表1に示されているとおりに動物に第2接種を行った。
2.4 血液サンプル
血清学的検査のための血液サンプルを、第8週まで毎週、全動物から採取した。第1および第2接種後の血液サンプル(凝固体およびヘパリン添加体)を、第7日ではなく第6日に採取した。SOP 5619.074に従い、および接種前に、頸静脈から血液サンプル採取(1頭のイヌ当たり少なくとも4〜5ml)を行った。血液サンプル(凝固体)を使用して、HIおよびIFT力価を決定した。
2.5 HIアッセイ
T=4、T=6およびT=8週におけるNDV特異的抗体の血清レベルを赤血球凝集阻止(HI)アッセイにより決定した。血清の系列2倍希釈液をマイクロタイタープレート内で調製し、8赤血球凝集単位/50μl NDV抗原を含有する等体積と混合した。力価は、ニワトリ赤血球(緩衝食塩水中の1%(v/v))の赤血球凝集の完全阻止を示す最高希釈度の逆数として表されている。サンプルは、希釈度1:2において、赤血球凝集の阻止に関して陽性とみなされた。各接種イヌの血清を3つ全てのAPMVに対する交差反応性に関して試験した。
2.6 IFTアッセイ
また、T=4、T=6およびT=8週におけるNDV特異的抗体の血清レベルを免疫蛍光試験(IFT)により試験した。マイクロタイタープレートを、RPMI 1640+標準抗生物質混合物+5% FCS中、37℃/5% COにおいて、100μl/ウェルの1.5×10/ml ニワトリ胚繊維芽細胞(CEF)で一晩「コート」した。24時間後、該培地を、100μl(1:100)のRPMI 1640+標準抗生物質混合物培地希釈APMVウイルス(NDV Clone30、NDV UlsterまたはAPMV3)と交換した。24時間後、該プレートを空にし、該感染CEFを100μl/ウェルの氷冷96% エタノール(−70℃)で30分間固定した。イヌ血清の系列2倍希釈液をマイクロタイタープレート(幾つかのNDV陽性およびNDV陰性ニワトリ血清の隣)内で調製し、(洗浄された)コート化プレートに加え、37℃で1時間インキュベートした。ついでプレートを洗浄(3×)し、1:20希釈FITC標識ヤギ抗イヌIgG(H+L)またはヤギ抗ニワトリIgG(H+L)ポリクローナル抗体と共にインキュベートした。37℃で1時間の後、該プレートを洗浄(3×)し、20μlのPBS/グリセロール(1:1)を各ウェルに加えた。力価は、特異的蛍光シグナルを与える最高希釈度の逆数として表されている。12の力価は13(log2)として表されている。各接種イヌの血清を3つ全てのAPMVに対する交差反応性に関して試験した。
スワブ
第1接種後のT=3−6−9−13および15日において、経口、眼内および直腸スワブを採取した。鼻腔内スワブは第1および第2接種後の第3日および第6日にのみ採取した。第2接種後の第3日および第6日に、経口、鼻腔内、眼内および直腸スワブを採取した。スワブを2.5mlのトリプトン2.5%中に集め、それに1000U/1000μg(1ml当たり)のPen/Strepを加えた(−70℃で保存)。
尿
第1および第2接種後の第3日および第6日に、尿サンプルを膀胱から採取した(必要に応じて利尿薬を使用した)。
ウイルス再分離
10日齢の孵化卵(N=8)に0.1mlの未希釈サンプル物質を接種することによりウイルスの再分離を行った。4〜6日間のインキュベーションの後、SpaermanおよびKaerber(In:B.BibrackおよびG.Whittmann編,Virologische arbeitsmethoden,Fisher Verlag,Stuttgart(1974),pp.37−39)の方法に従い、全ての卵からの尿膜腔液をHA活性に関して試験した。
2.10 体温
接種の当日および各接種後の14日間、各イヌの体温を、埋め込みチップを使用して測定した。
2.11 観察
疾患の臨床徴候または他の異常の存在に関して動物を毎日観察した。
2.12 組織学的検査および病理学的検査
該実験の終了時、すなわち、第1接種の8週間後/第2接種の2週間後、全てのイヌを安楽死させ、肉眼的に検査した。組織学的検査のためのサンプルを膵臓、脾臓、肝臓、腎臓、脳、心臓、気管、肺および深鼡径リンパ節から採取した。
3.結果
Figure 0005603486
3.1 NDV IFおよびHI抗体価
NDV IF抗体価:第1接種の4週間後、該接種APMVに対する抗体がGr1、Gr3およびGr5において検出可能であった。このことは、これらのAPMV株がイヌにおいて複製され、抗体を誘導したことを示している。該データから、NDV Ulsterに対して産生された抗体がNDV Clone30と交差反応し、その逆も生じることも明らかである。これは、NDV UlsterともNDV Clone30とも交差反応しないAPMV3特異的抗体には当てはまらない。第1接種の6週間後の抗体価はこの第4週のデータに匹敵する。興味深いことに、全ての群において第2接種の2週間後(T=6週の時点でイヌに第2接種を行った)、抗体価の増加が検出可能であった。これは、生ウイルスでの第2接種が追加免疫(ブースター)効果を誘導して、該ウイルスの複製による抗体価の増加をもたらすことを示している。
NDV HI抗体価:これらのデータから、生ウイルスでの第2接種は、高い抗体価をもたらす強力な追加免疫効果を誘導することが、より一層明らかである。Gr1およびGr3においては特に、抗体価は、T=4週と比べてT=6週において低下すること、および第2接種の2週間後、抗体価は再び増加し、T=4週と比べて高くなることが明らかである。また、これらのデータは、該ウイルスがイヌにおいて複製されることを示している。
3.2 スワブおよび尿サンプル
第1接種後の第3日および第6日に集められた、全てのイヌからの経口、眼内および直腸スワブならびに尿サンプルを、ウイルスの再分離のために使用した。全てのサンプルは陰性と評価された。
3.3 体温および観察
接種の当日および各接種後の14日間に、埋め込みチップを使用して各イヌの体温を測定した。顕著な体温変化は認められなかった。該実験中、該イヌにおける疾患の臨床徴候または他の異常の存在に関する顕著な観察は得られなかった。
3.4 組織学的検査および病理学的検査
実験の終了時に、全てのイヌを安楽死させ、肉眼的に検査した。該肉眼的観察は、Gr5からの1頭のイヌにおいて、脾臓における厚さ3mmの大きな白斑が認められることを示した。これは顕微鏡的には巣状中等度急性被膜下血腫に相当する。イヌにおける脾臓血腫はほとんどは外傷に由来する。全ての他の動物は剖検で肉眼的病変を示さなかった。組織学的検査のためのサンプルは膵臓、脾臓、肝臓、腎臓、脳、心臓、気管、肺および深鼡径リンパ節から採取した。鼻腔内、眼内および経口経路によるイヌにおけるレントゲニックトリパラミクソウイルスの接種は、NDV Clone30およびNDV Ulsterが接種されたイヌにおいて特に、肺における炎症病変を引き起こすと結論づけられた。APMV3が接種された1頭のイヌにおいて、膵臓炎症病変および重度の出血が認められた。
結論:
1)NDV Clone30、NDV UlsterおよびAPMV3はイヌに対して感染性であり、イヌにおいて複製能を有する。
2)該イヌにおいて臨床徴候は見出されず、ウイルスは再分離できなかった。これは、イヌにおけるそのようなウイルスの使用が安全であることを示している。
3)NDV株とAPMV3株との間に交差免疫は存在しない。
実施例2
ヒト腫瘍細胞系上でのAPMV3の増殖
細胞培養に使用した細胞:
ヒト結腸癌細胞系CL188.
使用した培地:
CL188:
RPMI 1640+10% FBS+1×標準抗生物質混合物+L−グルタミン+2μg/ml アンホテリシンB(増殖培地)。
RPMI 1640+2% FBS+1×標準抗生物質混合物+2μg/ml アンホテリシンB(維持培地)。
ウイルス株:
トリパラミクソウイルス3型。
9.7 log10 EID50/ml。
卵源:
L11103 10日齢孵化卵。
L11203 11日齢孵化卵。
力価測定およびHA試験:
・トリプトース2.5%。
・Pen−Strep。
・5% ニワトリ赤血球。
・0.1M PBS。
APMV3での細胞の接種
1個のフラスコの各細胞系/培地を継代の3日後に集めた。
該細胞を計数して、0.1のMOIでのウイルス接種(CL188)のための希釈度を決定した。
希釈は、適当な培地中で行った。
該細胞の接種は以下のとおりに行った。付着細胞の培地(CL188)を取り出した。次に1mlのウイルスを該細胞に加えた。該細胞を37℃で1時間インキュベートし、ついで4mlの新鮮培地を該細胞+ウイルスに加えた。細胞を37℃で更に4日間インキュベートした。接種後、残りの希釈ウイルスを−20℃で保存した。4日後、該培養フラスコを−20℃で3回、凍結−融解した。最後の融解の後、該細胞を15mlのチューブに移し、200×Gで5分間遠心させた。上清を集め、−70℃の低温チューブ内で保存した。
卵上の力価測定によるウイルス増殖の決定:
2% FBSの存在下のCL188細胞上で増殖させたウイルスからの回収物および接種物に関して力価測定を行った。サンプルを10−7の希釈度までトリプトース中で10倍希釈した。10個の10日齢孵化卵に0.2mlの希釈サンプル(希釈度10−2/10−7)を注入した。卵を37℃で4日間インキュベートした。HA試験により力価を決定した。
2% FBSの存在下のCL188細胞上で増殖させたウイルスからの回収物および接種物に関して力価測定を繰返した。サンプルを10−4(CL188接種物)または10−5(CL188回収物)の希釈度までトリプトース中で10倍希釈した。11日齢孵化卵に0.2mlの希釈サンプル(CL188接種物は希釈度10−2/10−4またはCL188回収物は希釈度10−2/10−5)を注入した。卵を37℃で3日間インキュベートした。HA試験により力価(log10)を決定した。
結果
4日間のインキュベーションの後、APMV3ウイルスに感染したCL188細胞上で明らかなCPE(死細胞)が視認可能であった。
Figure 0005603486
結論
APMV3ウイルスは、視認可能なCPEを伴ってヒト結腸癌細胞系CL188上で良く増殖することが示された。

Claims (6)

  1. 哺乳動物における腫瘍の治療に使用するための、トリパラミクソウイルス(APMV)を含む医薬組成物であって、該治療が、第1 APMVの細胞毒性量を該哺乳動物に投与する工程、ついで、第1 APMVの投与から2〜56週間以内に第2 APMVの細胞毒性量を該哺乳動物に投与する工程を含み、ここで、第1 APMVがニューカッスル病ウイルスであり、且つ、第2 APMVがAPMV3であるか、又は、第1 APMVがAPMV3であり、且つ、第2 APMVがニューカッスル病ウイルスである、医薬組成物。
  2. 少なくとも第1または第2 APMVが細胞溶解性である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 第1および第2 APMVが共に細胞溶解性である、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 該哺乳動物がウマ、イヌまたはネコ種の哺乳動物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 少なくとも第1または第2 APMVの投与中に、ある量の抗腫瘍剤を共投与する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 少なくとも第1または第2 APMVが、追加的遺伝子を含有する組換えAPMVである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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