JP5602598B2 - 放射線検出器及び放射線検出器の製造方法 - Google Patents

放射線検出器及び放射線検出器の製造方法 Download PDF

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本発明は、放射線検出器及び放射線検出器の製造方法に係り、特に医療用の放射線撮影装置等に用いられる放射線検出器及び放射線検出器の製造方法に関する。
従来、医療診断を目的とした放射線撮影を行う放射線撮影装置が知られている。当該放射線画像撮影装置に用いられる放射線検出器は、放射線照射装置から照射され、被検体を透過した放射線を検出して放射線画像を撮影する。当該放射線検出器は、照射された放射線に応じて発生した電荷を収集して読み出すことにより放射線画像の撮影を行う。
特許文献1には、蛍光体層がベース上に積層された画像記録部と、a−Seからなる光導電層およびその両側に配されたストライプ電極を有する固体画像検出器としての画像読取部とを備え、ストライプ電極側が蛍光体層に対面して積層された放射線画像検出シートを使用し、光導電層内でアバランシェ増幅作用が働くだけの電界を電圧印加手段により印加しながら、光導電層内に発生する電荷を画像読取部から取り出すことによって、放射線画像信号を得る技術が記載されている。
特開2000−338297号公報
放射線に対してより高感度の放射線検出器が望まれている。特に、動画撮影やトモシンセシス撮影等、複数回撮影を行う場合では、1ショット当たりの撮影時間(被曝時間)が短くなるため、1ショット当たりの放射線の照射量が少なくなるため、より高感度の放射線検出器が望まれている。
本発明は、放射線に対して従来より高感度の放射線検出器及び放射線検出器の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線検出器は、照射された放射線に応じたキャリアを発生するキャリア発生層と、前記キャリア発生層で発生したキャリアを増幅するキャリア増幅層と、前記キャリア増幅層で増幅されたキャリアを収集すると共に、間隔を隔てて配置された複数の電極を含む電極層と、前記複数の電極に対応する領域全体を覆わないように前記キャリア発生層と前記キャリア増幅層との間に設けられ、かつ前記電極層で収集するキャリアの到達を阻止すると共に、前記電極層で収集するキャリアと逆極性のキャリアを吸収する中間電極と、を備える。
本発明によれば、中間電極が、前記複数の電極に対応する領域全体を覆わないようにキャリア発生層とキャリア増幅層との間に設けられている。このように中間電極が設けられていることにより、複数の電極に対応する領域全体を覆うことがないため、キャリア発生層で発生したキャリアがキャリア増幅層に透過して電極層に到達するのを阻害することを抑制できる。また、キャリア増幅層に高電圧を印加することができ、キャリア増幅層においてアバランシェ増幅作用を起させることができる。
また、中間電極は、電極層で収集するキャリアの到達を阻止すると共に、前記電極層で収集するキャリアと逆極性のキャリアを吸収する。このように、電極層で収集するキャリアは吸収せずに、逆極性のキャリアを吸収する。例えば。電極層で正孔を収集する場合、中間電極は、正孔の到達を阻止すると共に、電子を吸収する。これにより、電極層で効率良くキャリアを収集することができ、従って、放射線に対して、高感度の放射線検出器が得られる。
また、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記中間電極は、前記キャリア発生層に接するように設けられ、かつ前記電極層で収集するキャリアを阻止するキャリア阻止層と、前記キャリア増幅層に接するように設けられ、かつ前記電極層で収集するキャリアと逆極性のキャリアを吸収する逆キャリア吸収層と、前記キャリア阻止層と前記逆キャリア吸収層との間に設けられた導電層と、を備えるように構成するとよい。
また、請求項3に記載の発明のように、前記逆キャリア吸収層は、C60をドープしたポリカーボネートから成り、前記キャリア阻止層はポリカーボネートから成ることが好ましい。
また、請求項4に記載の発明のように、前記導電層は、銀から成ることが好ましい。
また、請求項5に記載の発明のように、前記導電層は、有機導電材料から成ることが好ましい。
また、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記中間電極は、前記複数の電極の間隔に対応する領域に応じて、ストライプ状、または格子状に形成されていてもよい。
請求項7に記載の放射線検出器の製造方法は、インクジェット法を用いて、前記キャリア増幅層上に前記中間電極を成膜するものである。
一般に、キャリア増幅層は、熱に弱く、水分にも弱い材質で形成される。そのため、キャリア増幅層上に中間電極を形成する場合、インクジェット法を用いて成膜することが好ましい。
また、本発明は、請求項8に記載の発明のように、前記キャリア増幅層上の前記中間電極を形成しない領域に撥水化処理を行った後、前記中間電極を成膜することが好ましい。
以上説明したように、放射線に対して従来より高感度にするこができるという効果が得られる。
本実施の形態に係る放射線検出器の概略構成の一例、及び放射線の照射により発生するキャリア(電荷)の一例を模式的に示す断面図である。 本実施の形態に係る放射線検出器の中間電極を構成する、正孔阻止層、導電層、及び電子吸収層がアバランシェ層上に成膜される工程順に成膜状態を説明するための説明図であり、(A)は、アバランシェ層上に電子吸収層が成膜された状態、(B)は、電子吸収層上に導電層が成膜された状態、(C)は、電子吸収層及び導電層上に正孔阻止層が成膜された状態を示している。
以下、各図面を参照して本実施の形態の一例について説明する。本実施の形態では、具体的一例として、放射線検出器を、照射された放射線に応じて発生した正孔を読み取る正孔読取センサとして構成した場合について詳細に説明する。
図1に本実施の形態の放射線検出器の概略構成の一例の断面図を示す。また、図1には、本実施の形態の放射線検出器による電荷の発生の一例を模式的に示している。本実施の形態の放射線検出器10は、電極12、正孔阻止層14、結晶化防止層16、光電変換層18、中間電極20、アバランシェ層22、電子阻止層24、及びTFT基板26を備えて構成されている。
本実施の形態の放射線検出器10では、電極12側から放射線が照射される。
電極12は、光電変換層18へバイアス電圧を印加する機能を有しており、画像情報を担持した放射線が透過するように形成されている。本実施の形態では、放射線検出器10が正孔読取センサであるため、電極12は、図示を省略した高圧電源からプラスのバイアス電圧(本実施の形態では、具体的一例として+10kV)が供給される。
電極12にバイアス電圧が印加されることにより、TFT基板26(電荷収集電極40)との間に電界(本実施の形態では、具体的一例として約30V/μm)が印加され、放射線の照射により光電変換層18で発生したキャリアが2倍〜4倍に増幅される。
電極12の材料としてはAu、Ni、Cr、Pt、Ti、Al、Cu、Pd、Ag、Mg、MgAg3%〜20%合金、Mg−Ag系金属間化合物、MgCu3%〜20%合金、Mg−Cu系金属間化合物等の金属から形成するようにすればよい。特に、AuやPt、Mg−Ag系金属間化合物を用いることが好ましい。例えばAuを用いた場合、厚さ15nm以上200nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以上100nm以下である。例えば、MgAs3%〜20%合金を用いた場合は、厚さ100nm以上400nm以下であることが好ましい。
作成方法は、任意であるが、抵抗加熱方式による蒸着により形成されることが好ましい。例えば、抵抗加熱方式によりボート内で金属塊が融解後にシャッターを開け、15秒間蒸着して一旦冷却する。この操作を金属薄膜の抵抗値が十分低くなるまで複数回繰り返すことが挙げられる。
電極12を透過した放射線が正孔阻止層14及び結晶化防止層16を介して光電変換層18に照射される。
正孔阻止層14は、電極12から光電変換層18への正孔の注入を阻止する機能を有するものであり、電極12の下に形成されている。
正孔阻止層14としては、SbS、CeO、Ta、SiO等の無機材料、または有機高分子、または無機材料と有機高分子の積層が好ましい。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。有機高分子からなる層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、低分子の電子輸送材料を5%〜80%の重量比で混合して用いることができる。こうした電子輸送材料としては、トリニトロフルオレンとその誘導体、ジフェノキノン誘導体、ビスナフチルキノン誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、C60(フラーレン)、C70等のカーボンクラスターを混合したもの等が好ましい。具体的にはTNF、DMDB、PBD、TAZが挙げられる。
一方、薄い絶縁性高分子層も好ましく用いることができ、例えば、パリレン、ポリカーボネート、PVA、PVP、PVB、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が好ましい。この場合、膜厚は、2μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
結晶化防止層16は、結晶化を防止する機能を有しており、正孔阻止層14と光電変換層18との間に形成されている。結晶化防止層16としては、Asが1%〜20%の範囲でドープされたアモルファスSe(a−Se)、またはS、Te、P、Sb、Geが1%〜10%の範囲でドープされたアモルファスSe、または上記の元素と他の元素を組み合わせてドープしたアモルファスSe、またはより結晶化温度の高いAs2S3やAs2Se4等を用いることが好ましい。
結晶化防止層16の厚みは、結晶化を防止する観点から、0.05μm〜1μm程度が好ましい。
光電変換層18は、照射された放射線を吸収して、放射線に応じてプラス及びマイナスの電荷(電子−正孔キャリア対)を発生する光導電物質で構成され、アモルファスSeを主成分とすることが好ましい。また、光電変換層18としては、BiMO20(M:Ti、Si、Ge)、Bi12(M:Ti、Si、Ge)、Bi、BiMO(M:Nb、Ta、V)、BiWO、Bi2439、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、MNbO(M:Li、Na、K)、PbO、HgI、PbI、CdS、CdSe、CdTe、BiI、GaAs等のうち、少なくとも1つを主成分とする化合物を用いてもよいが、暗抵抗が高く、放射線照射に対して良好な光導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好ましい。
本実施の形態では、光電変換層18の厚みは、具体的一例として、200μmとしている。なお、光電変換層18の厚みは、例えば本実施の形態のように、アモルファスSeを主成分とする光導電物質の場合、100μm以上2000μm以下であることが好ましく、特に、マンモグラフィ用途では100μm以上250μm以下、一般撮影用途においては500μm以上1200μm以下の範囲であることが好ましい。
アバランシェ層22は、光電変換層18で発生したキャリア(正孔)をアバランシェ増幅作用により増幅する機能を有するものである。アバランシェ層22は、アモルファスSeを主成分とすることが好ましい。光電変換層18と同じ材料(アモルファスSeを主成分とする)であってもよいが、強化のために、光電変換層18と同材料にAs等をドープした材料を用いるようにすると好ましい。アバランシェ層22の厚さは、少なくとも1μm以上であることが好ましいが、中間電極20の開口部の大きさ(図1、L参照)に応じて定められ、開口部の大きさの8割以上の厚さであることが好ましい。具体的一例として、本実施の形態では、開口部の大きさL=50μm、アバランシェ層22の厚さ=40μmとしている。
中間電極20は、TFT基板26(電荷収集電極40)との間に高電界(本実施の形態では、具体的一例として約100V/μm)を印加する機能を有しており、光電変換層18と、アバランシェ層22との間に設けられている。また、光電変換層18で生じた正孔がアバランシェ層22を透過してTFT基板26(電荷収集電極40)に到達するように、TFT基板26の電荷収集電極40の間隔に応じて設けられている。本実施の形態では、具体的一例として、電荷収集電極40の間隔に応じて格子状(放射線が照射される面において格子状)に形成されている。中間電極20がFT基板26(電荷収集電極40)との間に高電界を印加することにより、光電変換層18で発生したキャリア(正孔)がアバランシェ層22においてアバランシェ増幅作用により、10倍〜20倍に増幅される。
また、本実施の形態の中間電極20は、TFT基板26の電荷収集電極40で効率よく正孔が収集されるように、正孔を阻止すると共に、アバランシェ増幅作用により発生した電子を吸収する機能を有している。
そのため、本実施の形態では、中間電極20を、正孔阻止層30と、導電層32と、電子吸収層34と、により構成している。図2に、本実施の形態の中間電極20の構造を説明するための説明図を示す。図2は、正孔阻止層30、導電層32、及び電子吸収層34がアバランシェ層22上に成膜される工程順に成膜状態を模式的に示した説明図である。
なお、本実施の形態の中間電極20は、上述のように、アバランシェ層22上に形成される。アバランシェ層22はアモルファスSeを主成分としているが、当該アモルファスSeは、熱に弱く、また、水分にも弱いため、リソグラフィーや熱処理を行って中間電極20を成膜することは好ましくない。そこで、本実施の形態では、インクジェット法を用いて、正孔阻止層30、導電層32、及び電子吸収層34をアバランシェ層22上に成膜する。
図2(A)に示すように、まず、アバランシェ層22上に、インクジェット法により、電子吸収層34が形成される。電子吸収層34は、電子吸収層34としては、アバランシェ層22でアバランシェ増幅作用により発生した電子を吸収する機能を有している。そのため、電子吸収層34は、アバランシェ層22に接するように設けられている。
電子吸収層34は、アバランシェ層22でアバランシェ増幅作用により発生した電子を吸収する機能を有していれば限定されないが、電子を吸収する機能の観点から、C60をドープしたポリカーボネートを用いることが好ましい。
本実施の形態では、具体的一例として、線幅が25μm、厚さが2μm(12.5μmピッチ/1.0pL)としている。
さらに、図2(B)に示すように、電子吸収層34上に、インクジェット法により、導電層32が形成される。導電層32としては、高電界を印加する機能を有している。
導電層32は、導電性を有しているものであれば限定されないが、導電率の観点から、銀ナノペースト、または、PEDOT等の有機導電ポリマーを用いることが好ましい。
導電層32の大きさ(成膜面積)は、電子吸収層34よりも小さいことが好ましく、本実施の形態では、具体的一例として、線幅が15μm、厚さが2μm(12.5μmピッチ/0.4pL)としている。
さらに、図2(C)に示すように、電子吸収層34及び導電層32上に、インクジェット法により、正孔阻止層30が形成される。正孔阻止層30は、正孔を阻止(ブロック)する機能を有している。そのため、正孔阻止層30は、光電変換層18に接するように設けられている。
正孔阻止層30としては、正孔を阻止する機能を有していれば限定されないが、正孔を阻止する機能の観点から、ポリカーボネートを用いることが好ましい。
正孔阻止層30の大きさ(成膜面積)は、導電層32よりも大きいことが好ましく、本実施の形態では、一例として、電子吸収層34と同様としている。すなわち、具体的には、線幅が25μm、厚さが2μm(12.5μmピッチ/1.0pL)としている。
なお、アバランシェ層22上に、中間電極20(正孔阻止層30、導電層32、電子吸収層34)を成膜する際には、予め、アバランシェ層22上の中間電極20を成膜しない部分(格子状の開口部)を撥水化処理した後、中間電極20を成膜するようにすることが好ましい。このように成膜することにより、開口部を適正に保てるため、光電変換層18からアバランシェ層22へ正孔が透過するのを阻害することがなくなり、TFT基板26の電荷収集電極40で正孔を収集する効率を向上することができる。なお撥水化処理は、限定されないが、インクジェット法により、HDMS(撥水処理液)を滴下することが好ましい。当該撥水処理液は、すぐに蒸発して乾燥するため、アバランシェ層22上には残留しない。
また、アバランシェ層22(アモルファスSe)に耐熱処理を施した後、中間電極20を成膜するようにしてもよい。
電子阻止層24は、電子の注入を阻止する機能を有するものであり、TFT基板26の上に形成されている。
電子阻止層24としては、Sb、SbTe、ZnTe、CdTe、SbS、AsSe、AsS等の組成から成る無機材料、または有機高分子を用いることができる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。有機高分子からなる層は、PVK等の電荷輸送基を有するペンダント部を含む高分子の正孔輸送性材料を用いてもよいし、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、低分子の正孔輸送材料を5%〜80%の重量比で混合して用いてもよい。こうした正孔輸送性材料としては、オキサゾール誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体等が用いられる。具体的にはNPD、TPD、PDA、m−MTDATA2−TNATA、TPACが挙げられる。
なお、無機材料を用いて正孔阻止層14、電子阻止層24を形成する場合、形成方法は任意であるが、例えば、真空蒸着法、スパッター法、プラズマCVD法、電子ビーム蒸着法等が用いることが好ましい。
一方、有機高分子を用いて正孔阻止層14、電子阻止層24を形成する場合、形成方法は任意であるが、材料を有機溶剤に溶解して公知の方法で塗布することにより行う。例えば、ディップ法、スプレー法、インクジェット法等が挙げられるが、形成領域の制御が容易なインクジェット法を用いることが好ましい。
TFT基板26は、光電変換層18で発生した電荷であるキャリア(正孔)を収集し読み出す機能を有するものである。TFT基板26は、電荷収集電極40、スイッチ素子42、電荷蓄積容量44、及びTFT基板46を備えて構成されている。
複数の電荷収集電極40が間隔を隔てて格子状(マトリクス状)に形成されており、1つの電荷収集電極40が1画素に対応している。各々の電荷収集電極40は、スイッチ素子42及び電荷蓄積容量44に接続されている。
電荷蓄積容量44は、各電荷収集電極40で収集された電荷(正孔)を蓄積する機能を有するものである。この各電荷蓄積容量44に蓄積された電荷が、スイッチ素子42によって読み出される。これにより放射線画像が撮影される。
以上、説明したように、本実施の形態に係る放射線検出器10は、照射された放射線に応じて光電変換層18で電荷(キャリア)が発生し、発生した正孔がアバランシェ層22でアバランシェ増幅作用により増幅されて、電荷収集電極40で収集され、読み出される。光電変換層18とアバランシェ層22との間、アバランシェ層22上には、電荷収集電極40が形成されているピッチ(画素ピッチ)Lに応じて格子状に中間電極20が形成されている。中間電極20は、光電変換層18に接する側から、正孔阻止層30、導電層32、及び電子吸収層34の順番で形成されている。
このように本実施の形態では、中間電極20が、正孔阻止層30、導電層32、及び電子吸収層34により形成されているため、導電層32によりアバランシェ増幅作用に必要な電荷を印加する機能を有し、かつ正孔阻止層30により電荷収集電極40で収集する正孔が吸収されないように阻止する機能を有すると共に、電子吸収層34により、アバランシェ層22で発生した電子を吸収する機能を有している。
従って、放射線の照射に応じて光電変換層18で発生したキャリア(正孔)を損失で増幅することができるため、放射線に対して高感度とすることができる。
また、中間電極20の格子のピッチを電荷収集電極40のピッチ(画素ピッチ)と容易に合わせることができるため、歩留まりよく放射線検出器10を製造することができる。
なお、本実施の形態では、上述のように、中間電極20を、正孔阻止層30、導電層32、及び電子吸収層34としたがこれに限らず、電圧を印加すると共に、正孔(電荷収集電極40で収集するキャリア)を阻止し、電子(電荷収集電極40で収集するキャリアと逆極性のキャリア)を吸収する機能を有するものであれば限定されない。例えば、3層構造ではなく、電子輸送性n型有機導電ポリマー等により1層で形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、中間電極20を電荷収集電極40のピッチ(画素ピッチ)に応じて格子状に形成したがこれに限らず、例えば、ストライプ状に形成してもよいし、1画素おきに形成する等してもよい。
また、本実施の形態では、放射線検出器10が正孔読取センサである場合について説明したがこれに限らず、放射線検出器10を電子読取センサとして構成してもよい。この場合、電荷収集電極40で収集する電荷(キャリア)は電子になるため、中間電極20は、電子を阻害すると共に正孔を吸収する機能を有するように形成すればよい。
その他、本実施の形態で説明した放射線検出器10の構成、各層の厚さ等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、本発明の放射線は、特に限定されるものではなく、X線やγ線等を適用することができる。
10 放射線検出器
12 電極
14 正孔阻止層
16 結晶化防止層
18 光電変換層
20 中間電極
22 アバランシェ層
24 電子阻止層
26 TFT基板
30 正孔阻止層
32 導電層
34 電子吸収層
40 電荷収集電極

Claims (8)

  1. 照射された放射線に応じたキャリアを発生するキャリア発生層と、
    前記キャリア発生層で発生したキャリアを増幅するキャリア増幅層と、
    前記キャリア増幅層で増幅されたキャリアを収集すると共に、間隔を隔てて配置された複数の電極を含む電極層と、
    前記複数の電極に対応する領域全体を覆わないように前記キャリア発生層と前記キャリア増幅層との間に設けられ、かつ前記電極層で収集するキャリアの到達を阻止すると共に、前記電極層で収集するキャリアと逆極性のキャリアを吸収する中間電極と、
    を備えた放射線検出器。
  2. 前記中間電極は、前記キャリア発生層に接するように設けられ、かつ前記電極層で収集するキャリアを阻止するキャリア阻止層と、前記キャリア増幅層に接するように設けられ、かつ前記電極層で収集するキャリアと逆極性のキャリアを吸収する逆キャリア吸収層と、前記キャリア阻止層と前記逆キャリア吸収層との間に設けられた導電層と、を備えた、請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記逆キャリア吸収層は、C60をドープしたポリカーボネートから成り、前記キャリア阻止層はポリカーボネートから成る、請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記導電層は、銀から成る、請求項2または請求項3に記載の放射線検出器。
  5. 前記導電層は、有機導電材料から成る、請求項2または請求項3に記載の放射線検出器。
  6. 前記中間電極は、前記複数の電極の間隔に対応する領域に応じて、ストライプ状、または格子状に形成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  7. インクジェット法を用いて、前記キャリア増幅層上に前記中間電極を成膜する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線検出器を製造する放射線検出器の製造方法。
  8. 前記キャリア増幅層上の前記中間電極を形成しない領域に撥水化処理を行った後、前記中間電極を成膜する、請求項7に記載の放射線検出器の製造方法。
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