はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
なお、下記の各手段に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体と、遊技機本体の前面側に取付けられた前扉枠とが備えられている。遊技領域には入賞口、入賞装置等の各種遊技機器が設けられている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が入賞口や入賞装置などに入賞すると、それに伴い所定個数の遊技球が払い出される。また、上述した遊技盤の多くは、遊技盤の主体となる合板とその合板の表面に貼り付けられたシート材とを備えている。シート材は透明性を有する合成樹脂材料により形成されており、さらに、合板と対向する面に所定の絵柄が付与されている。それら絵柄によって遊技盤の意匠性の向上が図られている。また、絵柄をシート材の背面に付与することで、遊技球が絵柄に直接接触することに起因して絵柄が剥がれたり摩耗したりするといった不都合を回避可能としている(例えば特許文献1参照)。また、シート材の上から複数の遊技釘が打ち込まれ、当該遊技釘によって遊技領域における遊技球の動きが多様化されている。」という背景技術について、「シート材に形成された絵柄は遊技機の機種毎に異なっており、遊技機の機種を変更する場合にはシート材を交換しなければならない。しかしながら、シート材は遊技盤単位でしか交換できないため、上記機種の変更を行う場合には遊技盤を全て交換しなければならない。よって、シート材の交換に対して改善の余地が残されている。また、遊技盤にはシート材以外の装飾体が設けられていることがあり、この装飾体を交換する場合にも遊技盤単位でしか交換できないものがある。この場合、装飾体の交換を行う場合には遊技盤を全て交換しなければならないため、上記装飾体の交換に対しても改善の余地が残されている。本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、装飾体の交換を可能とする遊技機を提供することを目的とするものである。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
手段1.前面側に遊技球が流れ落ちる遊技領域が形成されるとともに、少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前面体(前面体171)と、
前記前面体の背面側に設けられた基体(基体169)と、
前記前面体及び基体に挟まれた位置に配置されるとともに、その配置された位置から単独で又は前記基体とともに取り外し可能に設けられ、前記前面体を通して遊技機前方から視認可能な装飾体(シート材170)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、遊技機前方から視認可能な装飾体が設けられていることにより、遊技機の意匠性が高められている。また、装飾体を変更することによって遊技機の意匠性を変更することが望まれる場合がある。しかしながら、例えば、遊技機には、遊技領域に遊技釘等が設けられており、装飾体を交換する場合にその遊技釘の抜き取り作業を行わなければ装飾体を変更できず、その交換作業が複雑化する問題が懸念される。また、遊技釘のみならず、遊技領域に設けられた遊技球が接触し遊技球の落下方向を分散する分散部材や、遊技球が入球する入球部等に設けられた遊技部材にも上記問題が懸念される。
これに対して本手段によれば、装飾体は前面体の後方に設けられているため、装飾体の交換に際して遊技釘等の抜き取り作業や遊技部材の取り外し作業等を要しない。遊技機においては、装飾体を交換することによりその意匠性を変更することができるが、本構成によれば、当該変更作業の簡易化が図られる。
また、装飾体は前面体及び基体に挟まれた位置に配置されているとともに、その配置された位置から単独で又は基体とともに取り外し可能に設けられている。つまり、装飾体の支持を前面体と基体との挟み込みにより行う、又は装飾体の支持を基体にて行わせることが可能となり、装飾体を前面体に固定していなくとも装飾体の支持を良好に行うことが可能となる。装飾体を前面体に固定した場合を想定すると、その固定箇所が遊技機前方から視認されてしまうことが懸念される。特に、装飾体が前面体に接着剤等を用いて固定されている場合には、装飾体と前面体との境界部分において接着剤の塗りむらや気泡などが生じた際に、それが目立ってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を抑制することができ、上記のとおり装飾体の支持を良好に行うことが可能となる。
また、前面体の背面側に装飾体が設けられているため、装飾体に直接遊技球が接触することはなく、遊技領域を流れ落ちる遊技球が接触することによって装飾体が摩耗してしまうといった不都合の発生が抑えられる。よって、装飾体をより長い期間に亘り使用することが可能となる。
また、装飾体を変更する場合であっても、前面体をそのまま使用することが可能であり、意匠性の変更や機種の変更に際して、前面体を再利用することが可能となる。
なお、「視認可能な装飾体」とは、シート状を有した平面的なものだけでなく、立体的な構造を有しているものも含まれる。
手段2.前面側に遊技球が流れ落ちる遊技領域が形成されるとともに、透明又は半透明に形成された前面体(前面体171)と、
前記前面体の背面側に設けられた基体(基体169)と、
前記前面体及び基体に挟まれた位置に配置されるとともに、その配置された位置から単独で又は前記基体とともに取り外し可能に設けられ、さらに、シート状をなし、前記前面体を通して遊技機前方から視認可能な装飾体(シート材170)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、遊技機前方から視認可能なシート状の装飾体が設けられていることにより、遊技機の意匠性が高められている。また、装飾体を変更することによって遊技機の意匠性を変更することが望まれる場合がある。しかしながら、例えば、遊技機には、遊技領域に遊技釘等が設けられており、装飾体を交換する場合にその遊技釘の抜き取り作業を行わなければ装飾体を変更できず、その交換作業が複雑化する問題が懸念される。また、遊技釘のみならず、遊技領域に設けられた遊技球が接触し遊技球の落下方向を分散する分散部材や、遊技球が入球する入球部等に設けられた遊技部材にも上記問題が懸念される。
これに対して本手段によれば、装飾体は前面体の後方に設けられているため、装飾体の交換に際して遊技釘の抜き取り作業や遊技部材等の取り外し作業等を要しない。遊技機においては、装飾体を交換することによりその意匠性を変更することができるが、本構成によれば、当該変更作業の簡易化が図られる。
また、装飾体は前面体及び基体に挟まれた位置に配置されているとともに、その配置された位置から単独で又は基体とともに取り外し可能に設けられている。つまり、シート状の装飾体の支持を前面体と基体との挟み込みにより行う、又はシート状の装飾体の支持を基体にて行わせることが可能となり、比較的薄い装飾体の場合においても前面体に固定していなくとも装飾体の支持を良好に行うことが可能となる。装飾体を前面体に固定した場合を想定すると、その固定箇所が遊技機前方から視認されてしまうことが懸念される。特に、装飾体が前面体に接着剤等を用いて固定されている場合には、装飾体と前面体との境界部分において接着剤の塗りむらや気泡などが生じた際に、それが目立ってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を抑制することができ、上記のとおり装飾体の支持を良好に行うことが可能となる。
また、前面体の背面側に装飾体が設けられているため、装飾体に直接遊技球が接触することはなく、遊技領域を流れ落ちる遊技球が接触することによって装飾体が摩耗してしまうといった不都合の発生が抑えられる。よって、装飾体をより長い期間に亘り使用することが可能となる。
また、装飾体を変更する場合であっても、前面体をそのまま使用することが可能であり、意匠性の変更や機種の変更に際して、前面体を再利用することが可能となる。
手段3.手段2において、前記装飾体のシート面は、前記基体の前面側に貼り付けられていることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、基体に対してシート状の装飾体が貼り付けられているため、比較的薄い装飾体の場合であってもその支持が良好に行われる。また、仮に基体に対して装飾体を貼り付けた際に接着剤の塗りむらが生じたり、気泡が入ってしまったりしたとしても、それを遊技機前方からは視認しにくいため、装飾体の意匠性が低下してしまうことを抑制することが可能となる。
なお、基体の前面への装飾体の貼り付けを、粘着剤を用いて行うことで、基体からの装飾体の取り外しを容易に行うことが可能となる。この場合、意匠性の変更や機種の変更に際して、前面体だけでなく基体も再利用することが可能となる。
手段4.手段2又は3において、前記前面体と前記基体とは、固定解除が可能な固定具(ネジ185)を用いて相互に固定されていることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、前面体、装飾体及び基体をユニット化することができ、これらの部材の取付作業を良好に行うことができる。また、本構成において、前面体と基体とを固定する固定具は固定解除可能に設けられているため、前面体と基体との間に配置されている装飾体の交換に際しては、上記固定具の固定状態を解除すればよく、当該交換作業を良好に行うことができる。
手段5.手段2乃至4のいずれか1において、前記遊技領域を流れ落ちる遊技球が当たり、それによって遊技球が落下する方向を分散させる分散部材(遊技釘88)を備え、
前記前面体の背面及び前記基体の前面は平坦に形成されており、
前記装飾体は、シート面の一方が前記基体の前面に接しており、他方が前記前面体の背面に接するようにして設けられており、
前記分散部材における後端部は、前記前面体の背面よりも遊技機後方に突出しないように設けられていることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、前面体の背面が平坦状を有しており、装飾体のシート面が前面体の背面に接しているため、前面体と装飾体とが接していない場合と比して、装飾体を遊技機前方側に設けることが可能となり、装飾体の前方に前面体が設けられているとしても、装飾体が不鮮明に視認されることを抑制できる。
また、分散部材が前面体の背面よりも遊技機後方に突出しないように設けられている。すなわち、前面体の後面側に装飾体が接しているとしても、分散部材が装飾体に接することがなくなる。仮に、分散部材が装飾体に接触していると、分散部材と接触している部分における装飾体に付与された絵柄が視認できなくなることが考えられる。これに対して、本手段によれば、装飾体と分散部材とが接触することがなく、装飾体に絵柄が形成されている場合に、その絵柄が視認不可能となってしまうことを抑制できる。さらに、装飾体を取り外す際に、分散部材によってその取り外しが妨げられることを抑制し、分散部材が装飾体に接触している場合と比して、装飾体の交換を容易にすることが可能となる。
また、分散部材のみならず、遊技領域に設けられた遊技球が接触する又は入球する入球部を形成する等の遊技部材が設けられている遊技機において、その遊技部材における後端部が装飾体に接触しないようにすれば、上記絵柄が視認不可能となることを抑制する効果及び装飾体の交換を容易にする効果を高めることもできる。
なお、「分散部材」とは、遊技領域に設けられた遊技釘だけでなく、合成樹脂等によって形成された突起物も含まれる。また、その突起物が前面体に対して取り付けられているものが含まれるだけでなく、その突起物と前面体とが一体形成されているものが含まれる。
手段6.手段1乃至4のいずれか1において、前記遊技領域を流れ落ちる遊技球が当たり、それによって遊技球が落下する方向を分散させる分散部材(遊技釘88)を備え、
前記分散部材はその後端部が、前記装飾体に接しないように前記前面体に固定されていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、分散部材が装飾体に接しない。仮に、分散部材が装飾体に接していると、分散部材と接している部分の装飾体に付与された絵柄が視認できなくなることが考えられる。これに対して、本手段によれば、前面体を分散部材が貫通していないために、装飾体と分散部材とが接触することがなく、装飾体に形成されている絵柄が視認不可能となってしまうことを抑制できる。さらに、分散部材が装飾体に接触していないために、装飾体を取り外す際に、分散部材によってその取り外しが妨げられることを抑制し、分散部材が装飾体と接触している場合と比して、装飾体の交換を容易にすることが可能となる。
また、分散部材のみならず、遊技領域に設けられた遊技球が接触する又は入球する入球部を形成する等の遊技部材が設けられている遊技機において、その遊技部材における後端部が装飾体に接触しないようにすれば、上記絵柄が視認不可能となることを抑制する効果及び装飾体の交換を容易にする効果を高めることもできる。
手段7.手段1乃至6のいずれか1において、前記前面体に設けられ、前記遊技領域を流れ落ちる遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート84及び可変表示ユニット86等)と、
前記前面体、前記装飾体及び前記基体を貫通させて設けられ、前記入球部に入球した遊技球を前記基体の背面側へと誘導する誘導路(誘導部178)と、
を備え、
前記基体又は装飾体は、前記誘導路により遊技機背面側へと誘導された遊技球を視認不可とするように形成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、前面体、装飾体及び基体を貫通するようにして誘導路が設けられており、入球部に入球した遊技球は誘導路を介して基体の背面側へと誘導される。これにより、入球部に入球した遊技球を遊技領域から排除することが可能となる。
また、誘導路により遊技機背面側へと誘導された遊技球は基体又は装飾体によって視認不可となる。これにより、誘導路によって基体の背面側へと誘導された遊技球と、遊技領域にて流れ落ちる遊技球と、を遊技者が区別できなくなることを抑制できる。
なお、「入球する」とは、遊技球が開口等に入ることだけでなく、遊技球が所定領域を通過することも含まれる。
手段8.手段1乃至7のいずれか1において、前記基体の背面側には、遊技の進行を可能とする電気機器(図柄表示装置91、主制御装置162等)が設置される領域が設けられていることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、遊技の進行を可能とする電気機器が設置される領域として基体の一部が用いられるため、基体の多機能化が図られる。
手段9.手段1乃至8のいずれか1において、前記基体の背面側には、発光手段(発光体190)が搭載される搭載領域を有しており、
前記発光手段により前記基体の背面側から照射された光が、遊技機前方から視認可能なように、これら前記基体、前記装飾体及び前記前面体が形成されていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、演出などに使用される発光手段を搭載する領域として基体の一部が用いられるため、基体の多機能化が図られる。ちなみに、発光手段が設けられていることにより、遊技の演出の多様化が図られる。
また、基体の背面側に搭載領域が設けられている。仮に、基体の前方側に搭載領域が設けられているとすると、その搭載領域によって基体における装飾体の支持が阻害されることも考えられる。これに対して、基体の背面側に搭載領域を設けたことにより、その搭載領域によって装飾体の支持が阻害されることを抑制できる。
手段10.手段1乃至8のいずれか1において、前記基体の背面側には、発光手段(発光体190)が搭載される搭載領域を有しており、
前記発光手段は、前記搭載領域において前記遊技領域の後方に配置されており、
前記発光手段から照射された光は、前記前面体を通して遊技機前方から視認可能となることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、演出などに使用される発光手段を搭載する領域として基体の一部が用いられるため、基体の多機能化が図られる。
また、発光手段は遊技領域の後方において光を照射し、その光は遊技領域を通じて遊技機前方から視認される。したがって、遊技者にとっては遊技領域における遊技球の動きと光の演出とを一体的に視認することが可能となり、遊技への注目度が高められる。さらに、遊技領域には複数の遊技釘が設けられていることがあり、当該遊技領域に対して発光手段を設けることはできず、従来においては上記のような光の演出は困難であったが、本構成によれば、遊技領域の後方において光を照射するため、上記のような光の演出が可能となる。そして、当該光の演出は、装飾体の支持を良好に行う機能を有する基体を用いて実現されている。
手段11.手段9又は10において、前記基体は、遊技機の前後方向に開口する開口部(開口部191)を備えており、
前記発光手段は、前記開口部を介して前記装飾体の背面に光を照射するように設けられており、
前記装飾体における少なくとも前記開口部の前方に位置する部位は光透過性を有し、
前記発光手段から発せられた光が、前記装飾体を介して遊技機前方に照射されることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、発光手段からの光は開口部を通じて装飾体の背面に照射されるため、基体に開口部が設けられておらずその厚み方向に伝搬した後に装飾体の背面に光が照射される構成に比べ、当該装飾体の背面に照射される光量を多くすることが可能となる。
手段12.手段11において、前記発光手段から発せられた光の前記装飾体への照射範囲に前記開口部の前側周縁部が含まれるように、前記発光手段が設けられていることを特徴とする遊技機。
手段12において、発光手段から発せられた光の装飾体への照射範囲に開口部の前側周縁部が含まれる。これにより、開口部における前側周縁部の形状によって発光手段から装飾体に照射される光の照射範囲が決定される。すなわち、開口部における前側周縁部の形状によって装飾体における発光の模様を決定することが可能となる。
手段13.手段9において、前記基体又は当該基体の後方に設置されており、前記発光手段から発せられた光の遊技機前方への照射範囲を規制する光規制部(光規制部材256,260)を備え、
前記基体及び前記装飾体は、前記光規制部材によって規制された光が遊技機前方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、光規制部の形状によって遊技機前方から視認される光の模様を決定することが可能となり、光の模様を複雑なものとする場合であっても、基体に対して複雑な加工を行うことを要しない。
手段14.手段13において、前記光規制部はその設置箇所から取り外し可能に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段14によれば、光規制部が取り外し可能となっているため、光規制部を交換することができる。これにより、発光手段による発光の模様の変更が望まれる場合に光規制部を交換するのみにて、発光手段による発光の模様を変更することが可能となる。
手段15.手段13又は14において、前記基体は、前記光規制部とその前方において対向する対向部を有するように形成されており、
前記装飾体は、前記基体の対向部に対して遊技機の前側から接しており、
さらに、前記基体及び前記装飾体における少なくとも前記光規制部の前方に位置する部位は光透過性を有し、
前記光規制部によって規制された光が、前記基体及び前記装飾体を介して遊技機前方に射出されることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、基体及び装飾体における少なくとも光規制部の前方に位置する部位は光透過性を有している。これにより、基体及び装飾体に開口を設けることなく、光規制部によって規制された光を遊技機前方から視認することが可能となる。
基体に開口部が形成された構成においては、装飾体において開口部の前方に位置する部位が支持されず、その部位が撓んだり、破損したりする可能性が生じる。これに対して、本手段によれば、発光手段からの光を遊技機前方に射出するための開口部が基体に形成されていないため、上記のような不都合が生じることはない。また、当該構成であっても、基体及び装飾体における少なくとも光規制部の前方に位置する部位は光透過性を有しており、光規制部によって規制された光が、基体及び装飾体を介して遊技機前方に射出されるため、発光手段から遊技機前方への光の射出が阻害されることはない。
手段16.手段9乃至15のいずれか1において、前記基体の背面には所定の領域が薄肉となるように段差部が形成されており、
前記搭載領域は、当該所定の領域に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、基体における肉薄となっている部分の後方に搭載領域が設けられている。これにより、発光手段から遊技機前方までの距離を短くすることが可能となり、発光手段から照射された光が遊技機前方に到達するまでに拡散してしまうことを抑制できる。
また、遊技機における遊技領域を形成する遊技盤の厚みは概ね決まっていることが多く、その厚みよりも過度に大きい又は小さい遊技盤は使用できないことが考えられる。本手段における前面体、装飾体及び基体を一体化させた場合の厚みを一般的な遊技機の遊技領域を形成する遊技盤と同じ厚みにすることによって、前面体、装飾体及び基体を一体化させたものを一般的な遊技機における遊技盤の代替部材として使用することが可能となる。
手段17.手段9乃至16のいずれか1において、遊技球が入賞する入賞口(作動口84)と、
表示手段(図柄表示装置91)と、
前記入賞口に遊技球が入球したことに基づいて、前記表示手段を表示制御する表示制御手段(表示制御装置325)と、
前記表示制御手段による表示制御に対応させて前記発光手段を発光制御する発光制御手段(表示制御装置325による変動表示決定処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、表示制御手段による表示制御が行われている場合に、発光手段が発光する。すなわち、表示手段における表示と連動して発光手段は発光することとなる。遊技者は表示手段における表示に注目して遊技を行っているものであり、表示と連動して発光手段が発光することにより、遊技者の表示への注目度を高めることが可能となる。
手段18.手段17において、前記表示手段は、前記基体の背面に取り付けられるものであり、
前記発光手段は、前記表示手段に設置されていることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、搭載領域は表示手段に設けられている。すなわち、表示手段と発光手段とを一体化させることが可能となる。これにより、表示手段を取り外すことによって発光手段をも取り外すことが可能となり、遊技機のメンテナンス作業や遊技機の組立作業等を行う場合の作業効率を向上させることができる。
以下に、以上の各手段を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く誘導部(内,外レール部101,102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口82等)とを備えた遊技機。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤ユニット81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤ユニット81は基体169、シート材170及び前面体171が一体化されたユニットであり、遊技盤ユニット81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技領域の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤ユニット81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、入球部として一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤ユニット81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の遊技釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤ユニット81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤ユニット81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤ユニット81が取り付けられている。ここで、遊技盤ユニット81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤ユニット81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤ユニット81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤ユニット81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置91を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤ユニット81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の開口に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤ユニット81の下方に集合する。遊技盤ユニット81の下方には排出通路があり、回収通路151により遊技盤ユニット81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、パチンコ機10の表側の一般入賞口82と対応する位置に入賞口スイッチ152が設けられ、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。なお、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の左右両側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
さらに、遊技盤ユニット81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで遊技盤ユニット81について図14を用いて説明する。図14は、図10のA−A線切断部端面図である。遊技盤ユニット81は、基体169、シート材170及び前面体171が一体化されたユニットである。
先ず、基体169について説明する。基体169は木製からなる合板となっており、シート材170及び前面体171よりもパチンコ機10の後方側に設けられている。すなわち、上述した主制御装置ユニット160,集合板ユニット150等は、遊技盤ユニット81における基体169に取り付けられていることとなる。また、基体169の前面及び背面は平坦状をなしている。
次にシート材170について説明する。シート材170は、光透過性を有する樹脂材料、例えばキャブロイド(登録商標)等で形成された樹脂板172と、同じく光透過性を有する裏紙173と、裏紙173を接着する接着層174a,174bとを備えている。樹脂板172の背面には、パチンコ機10の機種に関する絵柄等がオフセット印刷により描画又は着色されている。この絵柄等によってパチンコ機10の意匠性の向上が図られている。樹脂板172と裏紙173とは、接着層174aによって接着されている。そして、裏紙173は基体169の前面に接着層174bによって接着されている。また、接着層174a,174b及び樹脂板172に印刷された絵柄等も光透過性を有し、シート材170は全体として光を透過する構成となっている。
なお、本実施形態では、シート材170の取り外しを容易にするため、接着層174bには粘着剤を用いている。また、樹脂板172におけるセンターフレーム92の右上方に位置する部分には、シルクスクリーン印刷にてパチンコ機10の名称や大当たりとなる確率等が表示されている。シルクスクリーン印刷にて印刷されている部分を視認することによってパチンコ機10がどのような遊技機なのかを遊技者は好適に理解することができる。また、シート材170に裏紙173が設けられていなくともよい。この場合、樹脂板172を基体169に貼り付ければよい。
基体169とシート材170とが一体化されたものの前方側に接するようにして前面体171が設けられている。前面体171は光透過性を有する樹脂材料、例えば、アクリル板等で形成されており、無色透明性となっている。前面体171が透明性を有しているために、シート材170に着色された絵柄等をパチンコ機10の前方から視認することが可能となっている。仮に、シート材170の前方に前面体171が設けられていないとすると、パチンコ機10にて遊技を行う場合に、遊技球がシート材170に接触し、シート材170が磨耗してしまうことが考えられる。シート材170の前方に前面体171が設けられていることによってパチンコ機10にて遊技を行う際にシート材170に遊技球が接触することを抑制できる。
図14に示すように、前面体171と基体169とはネジ185によって固定されている。ネジ185は基体169の後方側から前方側に向かって設けられており、ネジ185が基体169及びシート材170を貫通し、前面体171に到達することによって基体169と前面体171とが一体化されるように固定されている。前面体171と基体169との固定手段にネジ185を用いたことにより、ネジ185を取り外すことによってシート材170を交換することが可能となる。なお、前面体171とシート材170とは完全に接するようにして固定される必要はなく、若干の隙間が生じていてもよい。
ちなみに、シート材170の背面はその全体が基体169の前面と重なっている。また、シート材170の前面はその全体が前面体171の背面と重なっている。換言すれば、少なくとも前面体171における遊技領域の後方には、シート材170が設けられている。
次に、本実施形態における遊技釘88について図15を用いて説明する。図15は、図7におけるB−B線切断部端面図である。本実施形態では、前面体171に設けられた遊技釘88の後端側が前面体171の背面より突出していない。換言すると、シート材170と遊技釘88とが接しないように構成されている。これにより、シート材170及び基体169の取り付け及び取り外しを行う場合に、遊技釘88によってその取り付け及び取り外しが阻害されることを抑制できる。また、仮に、遊技釘88がシート材170に接しているとすると、遊技釘88と接している部分におけるシート材170に付与された絵柄が視認できなくなってしまうことが考えられる。本実施形態では、遊技釘88がシート材170と接していないため、遊技釘88によってシート材170に付与された絵柄が視認できなくなってしまい、パチンコ機10の意匠性が低下することを抑制できる。
次に、入球部が設けられている遊技盤ユニット81の開口部について図15を用いて説明する。なお、入球部に設けられた開口部についてはそれぞれ同様の構成となっているため、一般入賞口82を用いて説明する。
一般入賞口82には球受部176と、球受部176の底部177から後方に延びる誘導部178とが設けられている。また、基体169、シート材170及び前面体171を貫通するようにして、開口部が設けられており、その開口部に誘導部178が差込まれるようにして前面体171に固定されている。
球受部176と前面体171との間に遊技球が入球できる空間が設けられており、その空間に入球した遊技球は球受部176、底部177を介して誘導部178に遊技球が到達する。誘導部178はその上面が後方側へ向けて下り傾斜となるように形成されており、誘導部178に到達した遊技球は基体169の背面側へと誘導される。
一般入賞口82に遊技球が入球した場合(図15におけるP1)、前面体171に固定された球受部176と、前面体171との間を落下することとなる。球受部176の底部177に落下した遊技球は、誘導部178を通過した後、基体169の後端部に設けられた排出口179より排出されることとなる(図15におけるP2)。
上述したように、基体169は木製の合板であるため、透明性を有していない。これにより、一般入賞口82に入球した遊技球を基体169の背面側に誘導することによって、当該遊技球がパチンコ機10の前面側から視認されることを抑制し、前面体171にて流れ落ちる遊技球と、入球部に入球した遊技球とを、遊技者に区別させることが可能となる。
次に、遊技盤ユニット81(すなわち、基体169)の背面に設けられた発光体用基板180a〜180eについて説明する。図8〜10に示すように、遊技盤ユニット81の背面には、発光体用基板180a〜180eが設けられている。具体的には、遊技盤ユニット81の上部中央に発光体用基板180aが固定されており、遊技盤ユニット81における左右方向の中心線に対して左右対称となるように音声ランプ制御装置143の左方及び右方に発光体用基板180b,180cが固定されている。また、遊技盤ユニット81における左右方向の中心線に対して線対称となるように、かつスイッチ152の上方向に位置するように発光体用基板180d,180eが設けられている。また、発光体用基板180a〜180cは、その一部が可変表示ユニット86と重なるようにして設置されている。発光体用基板180a〜180eにはそれぞれコネクタ181が設けられており、コネクタ181に配線が施されることによって、発光体用基板180a〜180eにそれぞれ設けられた発光体190を発光させることができる。発光体190は前面体171における遊技領域の後方に設けられており、発光体190から照射された光は前面体171における遊技領域を介してパチンコ機10の前方へと照射されることとなる。
発光体用基板180a〜180eは基体169の背面と平行な板状をなしており、発光体用基板180a,180d,180eはそれぞれ左右方向に長い長方形状となっており、発光体用基板180b,180cは上下方向に長い長方形状となっている。その左右両側部には複数の貫通孔(図示略)が形成されている。発光体用基板180a〜180eは、それら貫通孔にビス等の締結具を挿通した状態で基体169の背面に固定されている。
次に、上述した発光体用基板180a〜180eについて図16を用いて詳細に説明する。図16は、図7,図10におけるC−C線切断部端面図である。なお、発光体用基板180a〜180eについてはそれぞれ同様のものであるため、発光体用基板180aについて説明する。
発光体用基板180aにおけるパチンコ機10の前方側には発光体190が設けられている。本実施形態では発光体190に発光ダイオードを用いており、発光体190はハンダ付け等の固定手段によって固定されている。なお、発光ダイオードに代えて白熱球等を用いることも可能である。また、発光体用基板180aにおける発光体190のパチンコ機10の後方側には、コネクタ181が設けられている。基体169における発光体190の前方部分には、開口部191が設けられている。発光体190から照射された光が開口部191を通過している間に拡散してしまうことを抑制している。
発光体190が発光した場合、その光がシート材170、前面体171を介してパチンコ機10の前方側に射出される。シート材170は光透過性を有しており、さらに、前面体171は透明性を有しているため、発光体190から照射された光がパチンコ機10の前方側から視認可能となる。また、開口部191の前方側の先端部がシート材170と接しており、さらに、発光体190から発せられる光の照射範囲は、開口部191よりも広範囲となっている。これにより、発光体190によって射出された光をパチンコ機10の前方から視認した場合、開口部191の形状をした光がシート材170に現れることとなる。よって、発光体190が発光した場合には前方から所定の形状をした光(本実施形態では、魚形状)を視認することが可能となる。
なお、発光体用基板180a〜180eにそれぞれ発光体190が5個ずつ設けられており、さらに、それぞれの発光体190の前方に開口部191が設けられている。これにより、複数箇所にて所定の形状をした光を遊技者に視認させることが可能となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図17のブロック図に基づいて説明する。図17では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路302の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、主制御回路302には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、主制御回路302の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板322の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、払出制御基板322の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26や発光体用基板180a〜180e(発光体190)、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板324の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25,スピーカ部26,発光体用基板180a〜180e(発光体190),及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
ここで、表示制御装置325にて演出及び図柄の変動表示を行う場合にパチンコ機10にて行われる処理について図18,19を用いて説明する。
図18は、主制御装置162にて行われる大当たり抽選処理を示すフローチャートである。
詳細な説明は省略するが、大当たり抽選処理とは、作動口84に遊技球が入球したことに基づいて行われるものであり、作動口84に遊技球が1個入球すると大当たり抽選処理が1回行われることとなる。本実施形態では、作動口84に遊技球が入球した場合に大当たり抽選に用いる乱数を取得する。また、その乱数は最大4個まで保留記憶することが可能な構成となっており、乱数が保留記憶されていることに基づいて適宜大当たり抽選処理が行われる。
大当たり抽選処理におけるステップS101では、先ず、取得した乱数を用いて大当たり抽選を行う。大当たり抽選を行ったらステップS102に進み、その大当たり抽選が当選であったか否かを判定する。ステップS102にて大当たり抽選に当選していた場合、ステップS103に進み、その当選が特定大当たりであったか否かを判定する。特定大当たりに当選していた場合、ステップS104に進み、特定大当たり用変動パターンコマンド決定処理を行う。変動パターンコマンド決定処理とは、主制御装置162に設けられたROM312を用いて図柄表示装置91にて行われる演出及び図柄の変動表示が行われる時間を決定するものである。すなわち、ステップS104では特定大当たりに当選していた場合の演出及び図柄の変動表示が行われる時間を決定する。ステップS104の処理を行った後にステップS105に進み、その決定された特定大当たり用変動パターンコマンドをセットする。
また、ステップS103にてその当選が特定大当たりではなかった場合、ステップS106に進み、非特定大当たり用変動パターン決定処理にて非特定大当たり用の変動パターンを決定する。ステップS106の処理を行ったらステップS107に進み、その決定した非特定大当たり用変動パターンコマンドをセットする。
また、ステップS102にて大当たり抽選に当選していなかった場合、ステップS108に進み、外れ用変動パターン決定処理にて外れ用の変動パターンを決定する。ステップS108の処理を行ったらステップS109に進み、その決定した外れ用変動パターンコマンドをセットする。
いずれかの変動パターンコマンドをセットしたら(ステップS105,ステップS107,ステップS109のいずれか)、本大当たり抽選処理を終了する。
セットされた変動パターンコマンドは、随時主制御装置162から音声ランプ制御装置143に送信され、音声ランプ制御装置143は変動パターンコマンドを受信したことに基づいて表示制御装置325等を制御することとなる。なお、変動パターンコマンドは特定大当たり用,非特定大当たり用,外れ用に対応して複数パターン設けられており、かつ、それら複数の変動パターンには同じ時間のものがない。音声ランプ制御装置143は受信した変動パターンコマンドに対応した時間から、その大当たり抽選処理における抽選結果を判定している。
また、特定大当たりとは、その特定大当たりが終了した後に大当たり抽選に当選する確率が通常状態よりも高い高確率状態に移行する大当たりのことであり、非特定大当たりとはその大当たりが終了した場合に通常状態に移行する大当たりのことである。大当たり抽選に当選することを期待して遊技者は遊技を行っており、大当たりが終了した場合に高確率状態に移行する特定大当たりに当選することを期待して遊技を行うものである。
次に、表示制御装置325にて行われる表示制御処理について図19を用いて説明する。
先ず、ステップS201にて音声ランプ制御装置143から外れ用変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する。外れ用変動パターンコマンドを受信していなかった場合、ステップS202に進み、非特定大当たり用変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する。非特定大当たり用変動パターンコマンドを受信していなかった場合、ステップS203に進み、特定大当たり用変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する。特定大当たり用変動パターンコマンドを受信していなかった場合、本表示制御処理を終了する。
ステップS203にて特定大当たり用変動パターンコマンドを受信していた場合、ステップS204に進み、特定大当たり用変動表示決定処理を行う。特定大当たり用変動表示決定処理とは、受信した特定大当たり用変動パターンコマンドに基づいて図柄表示装置91にて行われる演出態様及び表示態様を決定するものである。
また、ステップS202にて非特定大当たり用変動パターンコマンドを受信していた場合、ステップS205に進み、非特定大当たり用変動表示決定処理を行う。非特定大当たり用変動表示決定処理とは、受信した非特定大当たり用変動パターンコマンドに基づいて図柄表示装置91にて行われる演出態様及び表示態様を決定するものである。
また、ステップS201にて外れ用変動パターンコマンドを受信していた場合には、ステップS206に進み、外れ用変動表示決定処理を行う。外れ用変動表示決定処理とは、受信した外れ用変動パターンコマンドに基づいて図柄表示装置91にて行われる演出態様及び表示態様を決定するものである。外れ用変動パターンコマンドを受信した場合には、図柄表示装置91にて所定期間に亘り図柄の変動表示が行われた後に同じ数字の組合せが停止表示されることがない。
ステップS204,ステップS205又はステップS206にていずれかの変動表示決定処理を行ったら本表示制御処理を終了する。
図柄の変動表示が行われる場合の具体的な演出態様について図7を用いて説明する。便宜上、発光体用基板180aに設けられた発光体190が発光した場合にシート材170において発光する部分を発光部分A1〜A3とし、発光体用基板180bに設けられた発光体190が発光した場合にシート材170において発光する部分を発光部分B1,B2とし、発光体用基板180cに設けられた発光体190が発光した場合にシート材170において発光する部分を発光部分C1,C2とし、発光体用基板180dに設けられた発光体190が発光した場合にシート材170において発光する部分を発光部分D1,D2とする。さらに、発光体用基板180eに設けられた発光体190が発光した場合にシート材170において発光する部分を発光部分E1,E2とする。
なお、図16も用いて説明した発光体用基板180a及び発光体190の構成については発光部分A2の後方に設けられたものであるが、上述したように、発光部分A1,A3の後方に設けられた発光体190の構成と、発光部分B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2の後方に設けられた発光体用基板180b〜180e及び発光体190の構成と、についても同様のものである。これにより、いずれかの発光体190が発光した場合には、その発光した発光体190に対応したそれぞれの発光部分が光ることとなる。
表示制御装置325が特定大当たり用変動パターンコマンドを受信し(表示制御処理のステップS203がYES)、特定大当たり用変動表示決定処理にて発光体190を発光させるリーチ演出が行われる図柄の変動表示が決定された場合に発光体190が発光することとなる。
なお、リーチ演出とは、2列の図柄が停止しており、かつ変動表示が行われている1列が所定の図柄で停止すると大当たりが発生する場合に、演出が行われることである。リーチ演出が行われることによって、大当たり抽選処理にて特定大当たり又は非特定大当たりに当選しているか否かの期待度を遊技者に教示する。大当たり抽選処理にて特定大当たり又は非特定大当たりに当選していると、図柄の変動表示が終了した場合に大当たりとなることに対応した所定の図柄の組合せが停止し、その所定の図柄の組合せが停止することによって大当たりが発生することを遊技者に教示する。
発光体190が発光する演出及び図柄の変動表示が決定された場合、先ず、3列の図柄のうち2列の変動表示が停止表示され、リーチ演出が開始される。その後、発光部分B1が発光する。そして、発光部分B1が消灯するとともに、発光部分B2の発光が開始される。その後、発光部分B2が消灯するとともに、発光部分D1の発光が開始される。発光部分D1が消灯するとともに、発光部分A1,D2の発光がそれぞれ開始される。そして、発光部分A1,D2がそれぞれ消灯するとともに、発光部分A2の発光が開始される。発光部分A2が消灯するととともに、発光部分A3,E1の発光がそれぞれ開始される。そして、発光部分A3,E1がそれぞれ消灯するとともに、発光部分E2の発光が開始される。そして、発光部分E2が消灯するとともに、発光部分C1の発光が開始される。さらに、発光部分C1が消灯するとともに、発光部分C2の発光が開始される。その後に、発光部分C2の発光が終了する。
すなわち、シート材170において発光部分が右方から左方に流れていくかのように視認される。上述したように、発光体190が発光している発光の模様を前方から視認した場合、その発光の模様は魚の形状に視認される。このため、シート材170において発光部分が右方から左方へと流れていくかのように視認されることによって、シート材170において魚が右方から左方へと泳いでいるかのように視認されることとなる。
発光体190による発光が終了した後(すなわち、発光部分C2の発光が終了した後)、変動表示が行われている残り1列が停止表示され、大当たりとなることを教示する所定の図柄の組合せが停止表示することとなる。
なお、本実施形態では、発光体用基板180a〜180eを基体169の後方側に設け、さらに、それぞれの発光体用基板180a〜180eに5個ずつ発光体190を設けたが、基体169に設けられている発光体用基板の数を限定することはなく、それぞれの発光体用基板180a〜180eに設けられている発光体190の数も限定しない。例えば、発光体用基板180aには発光体190が3個のみ設けられており、発光体用基板180bには発光体190が2個設けられていてもよい。また、発光体用基板180a〜180eと発光体190とが設けられている位置も任意である。さらに、発光体用基板180a〜180eの前方にその発光体用基板に対応した発光体190が設けられている必要はなく、発光体用基板180a〜180eとその発光体用基板に対応した発光体190が離れた位置に設けられていてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機10の前方から視認可能な絵柄が付与されたシート材170が設けられていることにより、パチンコ機10の意匠性が高められている。この場合に、シート材170は、遊技釘88が前面に設置された前面体171の後方に設けられており、遊技釘88とシート材170が接していないため、シート材170の交換に際して遊技釘88の抜き取り作業を要しない。遊技機においては、シート材170を交換することによりその意匠性を簡易的に変更することができるが、本構成によれば、当該変更作業の簡易化が図られる。
また、シート材170は基体169に貼り付けられており、その配置された位置から取り外し可能に設けられている。つまり、シート材170の支持を基体にて行わせることが可能となり、比較的薄いシート材170を前面体171に固定してなくてもシート材170の支持を良好に行うことが可能となる。シート材170を前面体171に固定した場合を想定すると、その固定箇所がパチンコ機10の前方から視認されてしまうことが懸念される。特に、シート材170が前面体171に接着剤等を用いて固定されている場合には、シート材170と前面体171との境界部分において接着剤の塗りむらや気泡などが生じた際に、それが目立ってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を抑制することができ、上記のとおりシート材170の支持を良好に行うことが可能となる。また、基体169の前面へのシート材170の貼り付けを、粘着剤を用いて行った。これにより、基体からの装飾体の取り外しを容易に行うことが可能となる。この場合、意匠性の変更や機種の変更に際して、前面体171だけでなく基体169も再利用することが可能となる。
また、前面体171の背面側にシート材170が設けられているため、シート材170に直接遊技球が接触することはなく、遊技領域を流れ落ちる遊技球が接触することによってシート材170が摩耗してしまうといった不都合の発生が抑えられる。よって、シート材170をより長い期間に亘り使用することが可能となる。
また、シート材170を変更する場合であっても、遊技釘88が設けられた前面体171をそのまま使用することが可能であり、意匠性の変更や機種の変更に際して、前面体171を再利用することが可能となる。
基体169、前面体171をネジ185によって固定した。これにより、前面体171、シート材170及び基体169をユニット化することができ、これらの部材の取付作業を良好に行うことができる。また、シート材170の交換に際しては、ネジ185を取り外せばよく、当該交換作業を良好に行うことができる。
遊技釘88がシート材170に接しない構成とした。仮に、遊技釘88がシート材170に接していると、遊技釘88と接している部分のシート材170に付与された絵柄が視認できなくなることが考えられる。これに対して、本構成によれば、前面体171を遊技釘88が貫通していないために、シート材170と遊技釘88とが接触することがなく、シート材170に形成されている絵柄が視認不可能となってしまうことを抑制できる。
前面体171、シート材170及び基体169を貫通するようにして誘導部178が設けられており、入球部に入球した遊技球は誘導部178を介して基体169の背面側へと誘導される。これにより、入球部に入球した遊技球を遊技領域から排除することが可能となる。また、誘導部によりパチンコ機10の背面側へと誘導された遊技球は基体169によって視認不可となる。これにより、誘導部178によって基体169の背面側へと誘導された遊技球と、遊技領域にて流れ落ちる遊技球と、を遊技者が区別できなくなることを抑制できる。
基体169の後方に発光体190が設けられる構成とした。演出などに使用される発光体190を搭載する領域として基体169の一部が用いられるため、基体169の多機能化が図られる。
また、発光体190は遊技領域の後方において光を照射し、その光は遊技領域を通じてパチンコ機10の前方から視認される。したがって、遊技者にとっては遊技領域における遊技球の動きと光の演出とを一体的に視認することが可能となり、遊技への注目度が高められる。さらに、遊技釘88が設けられているため、当該遊技領域に対して発光体190を設けることはできず、従来においては上記のような光の演出は困難であったが、本構成によれば、遊技領域の後方において光を照射するため、上記のような光の演出が可能となる。
また、発光体190からの光は開口部191を通じてシート材170の背面に照射されるため、基体169に開口部191が設けられておらずその厚み方向に伝搬した後にシート材170の背面に光が照射される構成に比べ、シート材170の背面に照射される光量を多くすることが可能となる。
さらに、発光体190から発せられた光のシート材170への照射範囲に開口部191の前側周縁部が含まれる。これにより、開口部191における前側周縁部の形状によって発光体190からシート材170に照射される光の照射範囲が決定される。すなわち、開口部191における前側周縁部の形状によってシート材170における発光の模様を決定することが可能となる。
また、遊技釘88がシート材170に接触することがないため、発光体用基板180a〜180eが基体169の後方に設けられているとしても、発光体190が発光した場合に、その発光体190から照射された光の輪郭が遊技釘88と重なってしまい、発光体190による発光の模様が遊技釘88によって視認しにくくなることを抑制できる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施形態では、前面体171は、透明性を有していたが、シート材170に印刷された絵柄等が視認可能ならばよく、例えば、前面体171が無色透明ではなく、青色や赤色に着色されている有色透明であってもよいし、半透明であってもよい。
(2)上記実施形態では、ネジ185を用いて、基体169と前面体171とを固定したが、基体169と前面体171とを固定する固定手段はネジ185に限られることはなく、例えば、釘、ビス等を用いて固定してもよい。但し、前面体171を取り外し可能としておくことが望ましい。
(3)上記実施形態では、ネジ185を用いて基体169と前面体171とを固定したが、ネジ185を用いるのではなく内枠等を用いて位置決めを行い、基体169と前面体171とが一体化されるように固定してもよいし、基体169と前面体171とを挟持する挟持手段が設けられていてもよい。すなわち、基体169と前面体171とを固定する方法は限定しない。また、ネジ185は、パチンコ機10の後方側から前方側に向かって取り付けられていたが、パチンコ機10の前方側から後方側に向かって取り付けられていてもよい。
(4)上記実施形態では、シート材170が粘着材によって基体169に貼り付けられていたが、シート材170を固定する方法は任意である。
例えば、シート材170が前面体171と基体169とによって挟持されるものが考えられる。この場合、基体169と前面体171とによってシート材170が挟まれるようにして、基体169、シート材170及び前面体171を重ね合わせ、基体169、シート材170及び前面体171が一体化するように係止爪等を用いて基体169と前面体171を挟持すればよい。本構成においても、係止爪を取り外すことによって基体169とシート材170と前面体171とを取り外すことが可能となり、基体169、シート材170及び前面体171を交換することが可能となる。
(5)光透過性がない又は少ない材料によって開口部191が形成されていてもよい。開口部191に光透過性がない又は少ないことによって、開口部191を通過してシート材170に照射される光の照射範囲を開口部191と一致させることが可能となり、開口部191の形状によって発光体190が発光した場合のシート材170に現れる光の模様を決定する効果を高めることができる。例えば、開口部191が光透過性の少ない合成樹脂等によって構成されていれば、開口部191よりも広範囲に亘ってシート材170に光が照射されることを抑制することができる。
(6)上記実施形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
(7)上記実施形態では、装飾体として、シート材170を用いていたが、シート材170ではなく、例えば、凹凸を有した又は立体的な役物が着脱可能に設けられていてもよい。この場合、基体169に凹部が設けられており、その凹部に役物を設置すればよい。役物は遊技機の機種毎に異なることが多く、機種の変更を行う場合に役物が交換できないとすると、役物が設置されている部品全体を交換する必要が生じる。本構成によれば、役物の交換が可能なため、機種の変更を行う場合に再利用できる部品を増加させることが可能となる。
(8)上記実施形態では、前面体171とシート材170とが接していたが、前面体171とシート材170との間に若干の隙間が設けられていてもよい。
(9)上記実施形態では、開口部191の形状によって発光体190が発光した場合のシート材170における発光の模様を決定したが、開口部191に前端、後端又は内部のいずれかに、光透過部と非光透過部を有した発光模様決定部材が設けられていてもよい。
本構成によれば、発光体190が発光した場合、発光体190から照射された光は発光模様決定部材に照射されることとなる。この場合、発光模様決定部材における光透過部に照射された光はパチンコ機10へと照射されることとなり、発光模様決定部材における非光透過部に照射された光はパチンコ機10の前方側へと照射されないこととなる。これにより、発光体190が発光した場合に、光透過部の形状をした発光の模様をパチンコ機10の前方から視認することが可能となる。
(10)上記実施形態では、基体169を木製としたが、合成樹脂製としてもよい。かかる場合、遊技球の回収通路151等を一体成形することも可能である。例えば、基体169をABS樹脂やポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等で成形するとよい。
(11)上記実施形態では、開口部191を前方から視認した場合、魚の形状をしていたが、かかる構成に限定しない。開口部191の形状は、魚には限定されず、例えば、犬や猫でもよい。この場合、基体169を製造する場合に開口部191の形状を変更すればよい。
(12)上記実施形態では、基体169に設けられた開口部191の後方に発光体190が位置する構成であったが、発光体190が設けられている位置は限定しない。
発光体190が開口部191の内部に位置する構成について図20(a)を用いて詳細に説明する。図20(a)は、上記実施形態における図7のC−C線切断部端面図の変形例を示す概略図である。
なお、発光体用基板180aを用いて詳細に説明するが、以下の構成を発光体用基板180b〜180eに対して適用してもよい。
本構成では、上記実施形態と異なり、発光体用基板180aからパチンコ機10の前方側に突出するようにして台250が設けられており、台250の遊技機前方側に発光体190が取り付けられている。
本構成によれば、発光体190を開口部191の内部に位置するようにしたため、発光体190が発光した場合に、発光体190から発せられる光をパチンコ機10の前方側に集中させることが可能となる。これにより、発光体190が発光した場合におけるシート材170の前方側から視認される発光の模様をより鮮明なものとすること(明るくすること)が可能となる。
なお、発光体190から発せられる光がパチンコ機10の前方側に集中可能であればよく、例えば、台250が基体169や可変表示ユニット86に取り付けられており、その台250に発光体用基板180a及び発光体190が設けられているものが考えられる。
また、本構成では、発光体用基板180aに台250を取り付けることによって、発光体190が開口部191の内部に位置するよう構成したが、発光体用基板180aが開口部191の内部に位置するよう取り付けられていてもよい。
(13)上記実施形態では、開口部191の形状によって発光体190が発光した場合の発光の模様を決定したが、開口部191の形状によって発光体190の発光の模様を決定しなくともよい。
この場合について、図20(b)を用いて詳細に説明する。図20(b)は、上記実施形態における図7,図10のC−C線切断部端面図の変形例を示す概略図である。
なお、発光体用基板180aを用いて詳細に説明するが、以下の構成を発光体用基板180b〜180eに対して適用してもよい。
図20(b)では、基体169に上記実施形態における開口部191とは形状が異なる開口部255が設けられている。開口部255は基体169を正面から視認した場合には円形となっており、基体169の前後方向に貫通している。すなわち、開口部255は、基体169に設けられた円筒状の開口である。また、開口部255に嵌まるようにして光を透過させにくい又は透過しにくい合成樹脂によって形成された光規制部材256が設けられている。光規制部材256は開口部255に沿うようにして嵌まっており、光規制部材256の前方側はシート材170と接するよう構成されている。また、光規制部材256は、発光体用基板180aと基体169とに挟まれるようにしてネジ257によって固定されている。ネジ257を取り外すことによって光規制部材256を取り外すことができる。
さらに、光規制部材256は、開口部258を有している。開口部258は、パチンコ機10の前方側から視認した場合、魚形状となっている。そして、開口部258の内部に位置するように発光体190が設けられている。光規制部材256が光を透過させにくい又は透過しにくい合成樹脂材料で構成されているため、開口部258の形状をした光がシート材170に照射されることとなる。これにより、発光体190が発光した場合には、光規制部材256に設けられた開口部258より光がパチンコ機10の前方側に発せられることとなり、魚形状をした光がシート材170に映し出されることとなる。
本構成では、光規制部材256の形状によって発光体190が発光した場合のシート材170における発光の模様を決定し、かつ光規制部材256が取り外し可能なため、光規制部材256を取り替えることにより、シート材170の前方から視認される発光の模様を変更することが可能となる。シート材170が遊技機の機種によって異なることが多いのと同様に、発光の模様も遊技機の機種によって異なることが考えられる。光規制部材256を交換することによって発光の模様を変化させることができるため、開口部255が同位置に設けられた機種に変更する場合に、発光体用基板180aをそのまま使用することが可能となる。
なお、シート材170と光規制部材256とは完全に接している必要はなく、シート材170と光規制部材256との間に若干の隙間が設けられていてもよいし、シート材170と光規制部材256とが近接していなくともよい。
(14)上記実施形態では、基体169に設けられた開口部191の後方に発光体190が位置する構成であったが、開口部191が設けられていなくともよい。
この場合について、図21(a)〜図21(d)を用いて詳細に説明する。図21(a)〜図21(d)は、上記実施形態における図7,図10のC−C線切断部端面図の変形例を示す概略図である。
なお、発光体用基板180aを用いて詳細に説明するが、以下の構成を発光体用基板180b〜180eに対して適用してもよい。また、詳細な説明は省略するが、図21(a)〜図21(d)を用いて説明する構成では上記実施形態とは異なり、可変表示ユニット86と発光体用基板180aとが重なるように設けられていない。
(14−1)基体169に開口部191が設けられていないものについて図21(a)を用いて説明する。また、基体169も前面体171と同様、光透過性を有する樹脂材料、例えば、アクリル板等で形成されており、透明性を有している。
また、基体169の背面には、周縁部よりも中央側の方が肉薄となるように段差部が形成されている。基体169における肉厚となっている部分には遊技盤ユニット81を樹脂ベース71に固定するよう背面側から固定具が接している。また、本構成における基体169の肉厚部分は上記実施形態における基体169の厚みと同様となっている。遊技機は一般的に前後方向の厚みが決まっており、遊技機の遊技領域を形成する遊技盤の厚みも概ね決まっている。本構成では、基体169における肉厚部分と、上記実施形態における基体169の厚みとを同様とすることによって、基体169、シート材170及び前面体171を遊技盤ユニット81として一体化した場合における厚みが極端に大きく又は小さくなることを抑制している。よって、一般的な遊技機における遊技盤の代替部材として遊技盤ユニット81を使用することが可能となる。
また、基体169における厚みが肉薄となっている部分に光規制部材260が設けられており、その光規制部材260の後方に発光体190が設けられている。すなわち、本構成では、上記実施形態における開口部191に代わって、発光体190の前方に光規制部材260が設置されている。光規制部材260は、光を透過させにくい又は透過しにくい合成樹脂によって形成されており、内部が空洞となるように設けられている。また、光規制部材260は、ネジ261によって基体169に取り外し可能に固定されている。ネジ261を取り外すことによって光規制部材260を取り外すことが可能となる。発光体190より照射された光は、光規制部材260に設けられた空洞を通過し、さらに、光透過性を有した基体169を介してパチンコ機10の前方側に照射されることとなる。また、光規制部材260に設けられた空洞は、上記実施形態における開口部191と同様、パチンコ機10の前方側から視認した場合に魚形状となるようになっている。これにより、光規制部材260に設けられた空洞を発光体190から照射された光が通過することによって、シート材170に魚形状をした光が現れることとなる。
本構成によれば、光規制部材260を交換することが可能なため、光規制部材260に設けられた空洞の形状を変更することによって、発光体190が発光した場合のシート材170における発光の模様を変更することが可能となる。これにより、パチンコ機10の機種を変更する場合等、シート材170における発光の模様の変更が望まれる場合にも対応することが可能となる。なお、本構成では、基体169はいずれの場所においても光透過性を有しているが、発光体190が設置されている箇所の前方側のみ光透過性を有していてもよい。また、発光体190の前方に光規制部材260が設けられていたが、光規制部材260の空洞に発光体190が設けられていれば、発光体190が発光した場合に光がパチンコ機10の後方側に拡散してしまうことを抑制し、シート材170に照射される光量を多くすることが可能となる。
仮に基体169に開口部が形成された構成においては、シート材170において開口部の前方に位置する部位が支持されず、その部位が撓んだり、破損したりする可能性が生じる。これに対して、本構成によれば、発光体190からの光をパチンコ機10の前方に射出するための開口部が基体169に形成されていないため、上記のような不都合が生じることはない。また、当該構成であっても、基体169及びシート材170における少なくとも光規制部材260の前方に位置する部位は光透過性を有しており、光規制部によって規制された光が、基体及び装飾体を介して遊技機前方に射出されるため、発光手段からの光の遊技機前方への射出が阻害されることはない。
(14−2)上記光規制部材260が基体169に取り付けられているのではなく、基体169の後方側に設けられた取付部265に取り付けられていてもよい。かかる構成について図21(b)を用いて説明する。
図21(b)では、図21(a)における基体169の後方側に取付部265が取り付けられている。なお、取付部265は、上記実施形態におけるネジ185によって基体169に取り付けられている。
本構成では、発光体用基板180aが取付部265の後方側に取付けられている。また、発光体用基板180aの前方側かつ取付部265の前方側に発光体190が取付けられている。また、取付部265の前方側かつ発光体190を囲むようにして上述した光規制部材260が取り付けられている。具体的には、発光体用基板180a、取付部265を貫通し、光規制部材260に到達するようにしてネジ261が取り付けられている。これにより、発光体用基板180a及び光規制部材260が取付部265に固定されている。本構成においても、発光体190から照射された光は、光規制部材260の空洞を通過するとともに基体169を介してシート材170に魚形状をした光が現れることとなる。
本構成では、基体169ではなく、基体169の後方に設けられた取付部265に発光体用基板180aと光規制部材260とが取り外し可能に設けられている。これにより、光規制部材260を交換することによってシート材170における発光の模様を変更することが可能となる。さらに、取付部265と発光体用基板180aと光規制部材260とを一体化されたユニットと考えた場合、取付部265を交換することによって発光体190が発光した場合の発光の模様を変更することが可能となる。この場合、発光の模様を変更する場合に取付部265を交換するのみでよいため、基体169はそのまま使用することが可能となり、新たに基体169を製造する必要がなくなる。
なお、発光体用基板180aが取付部265に取り付けられているものについて説明したが、以上の構成を発光体用基板180b〜180eに対して適用すれば、取付部265を取り付けることによって発光体用基板180a〜180eを同時に取り付けることが可能となり、パチンコ機10の組み立て作業を簡易化することが可能となる。また、本構成では、取付部265は基体169の後方に設けられていたが、基体169における発光体190が取り付けられている部分の後方において、基体169に近接又は当接するようにして取付部265が設けられていてもよい。
(14−3)発光体用基板180a及び発光体190が取付部265に取り付けられており、光規制部材260が基体169に取り付けられている構成について図21(c)を用いて説明する。
本構成では、図21(a)を用いて説明した構成と同様に、光規制部材260がネジ261によって基体169に固定されている。さらに、図21(b)を用いて説明した構成と同様に、取付部265における光規制部材260の後方に位置する部分に発光体用基板180a及び発光体190が取り付けられている。すなわち本構成では、発光体用基板180aと光規制部材260とが異なる部材に固定されている。発光体用基板180aと発光体190とが取付部265に集約して設けられていることとなり、取付部265を取り外した場合に発光体用基板180a及び発光体190のみがパチンコ機10から取り外されることとなる。よって、取付部265を取り外した場合に光規制部材260も取り外されてしまう構成と比して、発光体用基板180aと発光体190とのメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
また本構成では、光規制部材260が設けられている部分において基体169の厚みが小さくなっているともいえる。仮に、光規制部材260が設けられている部分における基体169の前後方向の厚みが大きいとすると、基体169を光が通過している間に拡散してしまい、パチンコ機10の前方から視認した場合の発光の模様が不鮮明なものとなってしまうことが考えられる。これに対して本構成では、基体169における光規制部材260が設けられている部分の前後方向の厚みが小さくなっていることによって、パチンコ機10の前方から視認した場合の発光体190の発光の模様が不鮮明なものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
また、説明したいずれかの構成において光規制部材260が設けられていなくともよい。但し、この場合、上記実施形態のようにシート材170において所定の形状をした発光の模様を現しにくいことが考えられるため、光規制部材260を用いた方が望ましい。
(14−4)発光体用基板180aは、基体169の後方側に取り付けられていたが、発光体用基板180aが取り付けられている位置は限定しない。
例えば、発光体用基板180aが可変表示ユニット86と一体化されているものが考えられる。この場合について図21(d)を用いて説明する。図21(d)は、上記実施形態における図7,図10のC−C線切断部端面図の変形例を示す概略図である。
本構成では、開口部191の後方に可変表示ユニット86が設置されている。また、開口部191の後方に位置する可変表示ユニット86には前後方向に開口した開口部271が設けられている。その開口部271の後方に位置するようにして上述した発光体用基板180aが取り付けられている。また、発光体用基板180aに発光体190が可変表示ユニット86における開口部271から突出するようにして設けられている。具体的には、発光体190の後側が発光体用基板180aに固定されており、発光体190の前端側が可変表示ユニット86よりも前方に突出している。すなわち、本構成によれば、可変表示ユニット86と、発光体用基板180aとが一体化されていることとなる。この場合、可変表示ユニット86を取り付けることによって同時に発光体用基板180aの取り付けが行えることとなり、パチンコ機10を組み立てる際に、その組み立て作業を簡易化することが可能となる。
なお、発光体用基板180aが可変表示ユニット86に取り付けられているものについて説明したが、以上の構成を発光体用基板180b〜180eに対して適用すれば、上記組み立て作業を簡易化する効果を高めることが可能となる。また、発光体用基板180a〜180eが可変表示ユニット86に設けられている必要はなく、主制御装置ユニット160に設けられていてもよい。
(15)上記実施形態では、シート材170及び前面体171は開口部191を覆うようにして設けられていたが、開口部191の前方部分におけるシート材170又は前面体171の少なくとも一方に開口が設けられていてもよい。
また、発光体190は、遊技領域の後方に位置するように設けられていたが、発光体190が遊技領域の後方に設けられていなくともよく、発光体190がシート材170よりも後方に設けられていればよい。
また、この場合、シート材170又は前面体171の少なくとも一方に開口部が設けられており、その開口部を介して発光体190から照射された光が遊技機前方から視認されてもよい。
(16)上記実施形態では、開口部191は空洞であったが、開口部191が設けられておらず、開口部191に代わり、光透過性を有した部材が取り付けられていてもよい。
例えば、光透過性を有した合成樹脂によって構成された光透過部品が設置されていてもよい。
なお、この場合、光透過部と非光透過部とを光透過部品が有していれば、光透過部によってシート材170における発光の模様を決定することもできる。例えば、パチンコ機10の前方側から視認した場合に、光透過部が魚形状をしていれば、発光体190が発光した場合に魚形状をした光がシート材170に現れることとなる。
(17)上記実施形態ではシート材170は全ての部位において光透過性を有していたが、発光体190が設けられている部分の前方の少なくとも一部が光透過性を有していればよい。
(18)前面体171は、発光体190が設けられている部分の前方の少なくとも一部が光透過性を有しており、かつ、シート材170に印刷されている絵柄等の少なくとも一部が視認可能なように透明又は半透明に形成されていればよい。
(19)上記実施形態では、シート材170のみを取り外すことが可能であったが、かかる構成に限定しない。すなわち、シート材170と基体169とが取り外し不可能に一体化されていてもよい。この場合、シート材170を取り外す場合には、シート材170と基体169とを合わせて取り外すこととなる。
仮に、パチンコ機10の機種を変更する場合には、遊技釘88及び一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等が設けられている開口の位置が同じ機種ならば、前面体171をそのまま使用することが可能となる。
(20)上記実施形態では、発光体190が発光する演出は、特定大当たり用変動パターンコマンドを受信したことに基づいて行われたが、その他の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて発光体190が発光する演出が行われてもよい。すなわち、非特定変動パターンコマンド又は外れ用変動パターンコマンドを受信した場合に発光体190が発光する演出が行われてもよい。
また、発光体190が発光することによる演出は上記実施形態のものに限られることはなく、どのような演出が行われてもよい。例えば、それぞれの発光部分が点滅することで演出を行うものが考えられる。
(21)上記実施形態では、主制御装置162から音声ランプ制御装置143にコマンドが出力されたことに基づいて、表示制御装置325が演出や図柄の変動表示を行うよう図柄表示装置91を制御するものであったが、主制御装置162から表示制御装置325にコマンドが出力されたことに基づいて、演出や図柄の変動表示が行われてもよい。
さらに、音声ランプ制御装置143と表示制御装置325とが同一の装置であり、当該装置に主制御装置162からコマンドが出力されることによって演出や図柄の変動表示が行われてもよい。
(22)上記実施形態では、遊技釘88が前面体171を貫通しないように取り付けられていたが、遊技釘88が前面体171を貫通し、シート材170や基体169に接触していてもよい。但し、本構成によれば、遊技釘88がシート材170に接触してしまうことによって、基体169及びシート材170を取り外す場合に遊技釘88がその取り外しを阻害することが考えられる。
また、遊技釘88が前面体171に取り付けられている必要はなく、遊技盤ユニット81に植設された棒形状のものであり遊技球の落下方向を適宜分散させるものであれば遊技釘88に限られることはなく、例えば、ネジ等が取り付けられていてもよいし、先端部のみ溝がほってあるものを遊技釘88として使用してもよい。遊技釘88の代わりにネジを用いた場合、その取り外しが容易となることが考えられる。さらに、棒形状をしたものだけでなく、遊技釘88の代わりに合成樹脂等によって形成された突起部等を用いたものも考えられる。この場合、その突起物に遊技球が接触することによって遊技球の落下方向を適宜分散できれば、突起物の形状は任意である。この場合、突起物は、遊技盤ユニット81に植設されていてもよいし、遊技盤ユニット81と一体形成されていてもよい。
さらに、遊技釘88が前面体171の前面側から取り付けられているのではなく、シート材170や前面体171の裏面側から取り付けられていてもよい。
前面体171の裏面側から遊技釘88が取り付けられている場合における一実施形態について説明する。図22は、図7,図10のC−C線切断部端面図である。なお、図22では、遊技釘88と前面体171とのみを図示している。
図22に示すように、上記実施の形態のように遊技釘88とシート材170とが接触しないように遊技釘88の後端部が前面体171の内部に位置している。この場合、遊技釘88を取り付けたことによって前面体171に形成された開口部350において、遊技釘88とシート材170と間に空洞が設けられていればよい。これにより、遊技釘88とシート材170が接触することを抑制し、遊技釘88によってシート材170に付与された絵柄が視認されなくなることを抑制できる。なお、遊技釘88とシート材170とが接触している構成も考えられるが、遊技釘88が接触しているシート材170に付与された絵柄が視認しにくくなることが考えられる。
(23)上述した実施形態における構成及び別例における各構成のそれぞれを任意に組み合わせた構成としてもよい。例えば、一の実施形態の構成に対して、その他の実施形態の構成を適用してもよい。また、3パターン以上の実施形態の構成を相互に適用してもよい。