JP5599780B2 - 有機化合物を含む光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

有機化合物を含む光学フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、有機化学の分野、詳細にはディスプレーのための位相遅延特性(phase−retarding properties)を有する有機フィルムに関する。より具体的には、本発明は、ロッド状高分子を形成し得る共役有機化合物、およびこれらの化合物を基にした光学フィルムの製造に関する。
液晶は、電子光学ディスプレーにおいて広範に用いられている。そのようなディスプレーシステムにおいて、液晶セルは、通常、一対の交差する偏光板の間に設置される。透過型LCDでは、バックライト光源からの光が、第1の偏光子により偏光して液晶セルを透過し、そこでの偏光状態は液晶の分子配列により影響を受けるが、それはセル全体に電圧を加えることで制御することができる。その後、偏光状態を変化させた光が、第2の偏光子を透過する。この仕組みを用いることにより、バックライト光源からの光の透過を制御することができ、グレースケールを得ることができる。この制御を提供するのに必要なエネルギーは、一般に、他の型のディスプレー、例えば陰極線管(CRT)で用いられる発光材料からの光放出を制御するのに必要なエネルギーよりもかなり低い。したがって、液晶技術は、軽量、低消費電力、および長期耐用期間が重要となる、(非限定的ではあるが)デジタル時計、計算機、ポータブルコンピュータ、および電子ゲームをはじめとする数多くの電子画像装置で用いられている。
コントラスト、色再現性(演色性)、および安定したグレースケール強度勾配が、液晶技術を用いる電子ディスプレーの重要な品質特性となる。液晶ディスプレー(LCD)のコントラストを決定する主な因子は、暗ピクセル、または「黒」ピクセル状態にあるディスプレーに透過される光の量である。加えて、この光漏れ、つまりLCDのコントラストは、ディスプレー画面を見る方向にも依存する。視野方向は、極視野角θおよび方位視野角φの組合せとして定義される。極視野角θはディスプレーの法線方向から測定され、方位視野角φはディスプレーの平面内で適切な基準方向に関して測定される。通常、最適なコントラストは、ディスプレーに対する法線を中心とする視野角範囲内のみで観察され、極視野角θが増加するにつれ急激に低下する。様々なディスプレー画像特性、例えばコントラスト比、色再現性、および画像の輝度は、角度θおよびφの関数である。カラーディスプレーでは、光漏れの問題は、コントラストを低下させるだけでなく、色ずれおよび色相シフトを引き起こし、色再現性を低下させる。
LCDは、テレビ(TV)セット、コンピュータ(例えば、ノートブックコンピュータまたはデスクトップコンピュータなど)、中央制御装置、および様々な装置、例えばギャンブル用機器、電気光学ディスプレー(例えば、時計、ポケット計算機、電子ポケットゲームのディスプレー)、およびポータブルデータバンク(例えば、個人情報端末または携帯電話)のモニターとしてCRTに取って代わりつつある。大画面を備えたLCDテレビモニターの数が、近い将来、急速に増加することも予測される。しかし、彩色に対する視野角の影響、コントラストの低下およびコントラストの反転に関する問題が解決しなければ、伝統的CRTからLCDへの交替は制限されることになるであろう。
こうして、技術の進歩により、所望の制御可能な特性を有する新規な材料を基にして光学要素を開発するという課題が与えられた。詳細には、近代のビジュアルディスプレーシステムに必要な光学要素は、各ディスプレーモジュールの光学特性に合わせて最適化された光学異方性フィルムである。
光学異方性フィルムの製造に用いられると予測される様々なポリマー材料が、当該技術分野で公知である。これらのポリマーを基にした光学フィルムは、一軸延伸による光学異方性、および有機染料またはヨウ素での着色を有している。ポリ(ビニルアルコール)(PVA)は、この目的で一般に用いられるポリマーの一種である。しかし、PVAを基にした光学フィルムの低い熱安定性により、その用途が限定される。PVAを基にした光学フィルムが、より詳細に、非特許文献1に記載されている。
合成の剛性ロッド状ポリマー電解質は、生物学的機能誘発の基礎となる自発的自己集合により、秩序ある構造を形成する可能性が高い天然剛性ロッド状ポリマー、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、タンパク質、多糖に構造的に近いモデル対象として用いられている。
天然の剛性ロッド状ポリマー電解質を、変性させずに抽出することは困難であり、水溶液中の自己集合特性の幾つかの態様を調べるために、合成の類似体で試験することができる。水溶液中の合成ポリマー電解質のせん断誘起メソフェーズ組織化が非特許文献2に記載されている。完全に剛性ロッド状の元素構造を有する水溶性ポリマー、ポリ(2,2’−ジスルホニルベンジジンテレフタルアミド)(PBDT)を、先行技術で公知の手順により界面重縮合反応で調製した。GPC測定では、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、および多分散度(Mw/Mn)が、それぞれ44000、63500、および1.4であることが示された。PBDTの濃縮水溶液(5重量%を超える)は半透明であったため、この文献の著者は、この溶液を室温の交差偏光子の下、光学顕微鏡で観察した。ネマチック相の強い複屈折が示された。これらの結果は、2.8〜5.0重量%の濃度範囲内で観察された。ネマチック状態のPBDTが濃度(2.8〜5.0重量%)にかかわらず一定して0.30〜0.34nmの鎖間空隙d(2θ=28.0±2.0°;θは、回折角である)を示すことが、広角X線回折試験で示された。そのd値が、通常のネマチックポリマーのもの(0.41〜0.45nm)よりも短いことから、PBDTのロッドが、ネマチック状態では強い鎖間相互作用を有し、スルホン酸アニオンの静電反発がありながら束状構造を形成していることが示唆された。
剛性ロッド状水溶性ポリマーが、非特許文献3に記載されている。この文献の著者は、これらのポリマーが多くの適用例、例えば石油増進回収に用いられていることを指摘した。これらの適用例では、経済的理由から、非常に低濃度で高い粘度を付与し得る、極度に水溶性のせん断安定性ポリマーを有することが不可欠である。剛性ロッド状ポリマーが、伝統的に用いられてきた可撓性鎖状ポリマー、例えば加水分解されたポリアクリルアミドと比較して、低分子量で高い粘度を提供し得ることは公知である。らせん状または二重鎖コンホメーションを有するポリマーは、溶液中では真に剛性のロッドとみなすことができる。スルホン酸化芳香族ジアミンを芳香族二無水物、二酸塩化物、またはホスゲンと共に界面重合または溶液重合することにより、新規なスルホン酸化水溶性芳香族ポリアミド、ポリ尿素、およびポリイミドを調製した。これらのポリマーの幾つかは、十分に高い分子量(<200,000)と極めて高い固有粘度(〜65dL/g)を有し、塩溶液中でらせんコイルに変形するようであった。水溶液の増粘、粒子材料の凝集および分散安定化、ならびにキャストフィルムを用いる膜分離などの適用において、これらのポリマーが評価された。
幾つかの剛性鎖状水溶性ポリマー(ポリ[N,N’−(スルホフェニレン)フタルアミド]およびポリ[N,N’−(スルホ−p−フェニレン)ピロメリチミド])の合成および溶液特性が、非特許文献4に記載されている。ポリ[N,N’−(スルホフェニレン)フタルアミド]およびポリ[N,N’−(スルホ−p−フェニレン)ピロメリチミド]は、水溶性形態で調製され、キサンタンと幾つかの点で類似する、独特の溶液特性を有することが見いだされた。最も多く調べられたポリマー、ポリ[N,N’−(スルホ−p−フェニレン)テレフタルアミド](PPT−S)は、LiClを含むDMAC中で2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸を塩化テレフタロイルと共に溶液重合させることにより、ジメチルアセトアミド(DMAC)塩として製造される。単離されたそのポリマーは、水中で加熱して溶解する必要があり、得られた冷却溶液は0.4%もの低濃度で粘性またはゲルである。それらは、高い複屈折性があり、円二色性を示し、塩に対して粘度感受性がある。グアーまたはヒドロキシエチルセルロースの溶液と混合したこのポリマーの溶液は、かなり高い粘度を付与する。そのポリマーは、粘度データから推定して、比較的低い分子量、約5000である。PPT−Sの幾つかのメタおよびパラ異性類似体が調製されたが、これらのポリマーは、より水溶性であることを除いて類似の特性を有し、かなり高い粘度を得るにはより高濃度にする必要がある。ポリ[N,N’−(スルホ−p−フェニレン)ピロメリチミド](PIM−S)を、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸およびピロメリット酸二無水物から同様に調製した。その水溶液特性は、PPT−Sのそれと類似している。これらの比較的低分子量の剛性鎖状ポリマーは、水中で会合して網目構造を形成し、低濃度で粘性溶液となるようである。
光学特性、スペクトル特性、および溶解度特性に対するフェニレン含量の影響が、非特許文献5および特許文献1に記載されている。これらの文献では、光学装置は、透明の分子配向高複屈折性ポリマーを含む。前記高複屈折性ポリマーは、ポリマーおよびその反復単位の長軸の周りに実質的に円筒状に分配された高い電子密度を示す反復分子単位を含む。その高複屈折性ポリマーは、実質的に光学的一軸性であり、2つの屈折率のみを示す。その分子配向高複屈折性ポリマーは、式:
[式中、RおよびRは、それぞれ水素、アルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキルであり、Aは
(1)基:
(式中、Uは、水素以外の置換基であり、各Wは、水素、または水素以外の置換基であり、pは、1〜3の整数であり、各Xは、水素、または水素以外の置換基であり、rは、1〜4の整数であり、前記U、WpおよびXr置換は、非共平面分子配置の基を提供するのに十分である);および
(2)基:
(式中、YおよびZのそれぞれは、水素、または水素以外の置換基であり、各tは、1〜4の整数であるが、但し、各Zが水素であれば、少なくとも1つのY置換基が
に対してオルト位の対応する核上に位置する水素以外の置換基であることを条件とする)
からなる群から選択される二価基である]で示される繰り返し単位を含む。
基ZおよびYt置換の部分は、非共平面分子配置の基を提供するのに十分である。
重合されるモノマーは、適切なアミドまたは尿素溶媒に溶解させ、反応させて所望のポリマー材料を形成させることができるが、共重合性モノマーの混合物を利用する好ましい反応系列は、アミドまたは尿素溶媒中で第1のモノマーの溶液を調製すること、およびそれに第2のモノマーもしくは他のモノマー、またはテトラヒドロフランなどの適切な有機溶媒中のその溶液を添加すること、を含む。得られた反応混合物を外部冷却すると、分子量の大きい所望のポリアミド材料が提供され、望ましくない副反応または副生成物の生成が最小限に抑えられる。
重合反応混合物をポリマー用の非溶媒と混和して、ろ過などでポリマーを分離することにより、記載のとおり調製されたポリアミド材料を回収することができる。これは、重合混合物を水とブレンドして、固体ポリアミド材料をろ過することにより、効果的に実現することができる。ポリアミドを有機溶媒、例えばアセトンまたはエーテルで洗浄し、例えば真空オーブンで、乾燥させることができる。
これらの文献に従う装置で用いられたポリマー材料は、様々なフィルム、シート、コーティング、層、小繊維、繊維などに形成または形状化(shaped)することができる。例えば、任意に塩化リチウム可溶化剤を含む、N,N−ジメチルアセトアミドなどの溶媒材料中の、本明細書の先に記載された置換ポリアミドの溶液は、ポリアミド材料のポリマーフィルムまたは層を形成させる適切な支持材料上で容易にキャストすることができる。そのポリマーフィルムは、本発明の光学装置中で使用し得る複屈折性ポリマーフィルムまたはシート材料の製造に用いることができる。つまりポリマーフィルムまたはシート材料を延伸に供して、分子配向を誘導し、高複屈折性を有するフィルム材料を提供することができる。
公知の形状化または形成方法を、これらの文献に従ってポリマー材料の配向に利用することができる。好ましくは、これは、ポリマーフィルムを一方向に延伸することにより、またはポリマーをシート、層もしくは他の延伸形態に押出すことにより、または押出しおよび延伸の組合せ効果により、実現されよう。それらの配向状態では、本明細書で用いられるポリマーは、通常、高複屈折性を示す。
フィルム蒸着条件の変化により染料系フィルムを作製する新規な方法を開発するための広範囲の研究が、特許文献2、3および4に記載されている。特に興味深いのは、公知組成物中の界面活性剤および/または他の添加剤を利用、改良、安定化して、リオトロピック液晶の新規組成物を開発することであり、それはLCフィルムの特性を改善する。
様々な波長範囲での選択性が改善された異方性フィルムが、益々必要とされている。赤外(IR)領域〜紫外(UV)領域の範囲の広いスペクトル間隔で異なる最大光吸収を有するフィルムが、様々な技術の用途において必要とされている。こうしてかなり最近になり、研究の注目は、LCDおよび通信利用のための等方性および/または異方性複屈折性フィルム、偏光子、リターダまたは補償器(本明細書では集合的に光学材料またはフィルムと呼ぶ)の製造に用いられる材料に向けられるようになった(非特許文献6および7参照)。
公知の方法および技術を用いて超薄層複屈折性フィルムを製作して、有機染料LLCシステムで構成された光学異方性位相差層を製造し得ることが、見いだされた。詳細には、ナフタレンテトラカルボン酸のジベンズイミダゾールのシスおよびトランス異性体混合物のジスルホ酸(disulfoacids)を基にした薄膜結晶の光学異方性層の製造が、非特許文献8に記載されている。
米国特許第4521588号 米国特許第5,739,296号 米国特許第6,174,394号 欧州特許出願公開第961138号明細書
Liquid Crystals−Applications and Uses、B.Bahadur(編)、World Scientific,Singapore−New York(1990年)、第1巻、p101 Takafumi Funaki,Tatsuo Kaneko他著、Langmuir、2004年、第20巻、p6518〜6520 N.SarkarおよびD.Kershner著、Journal of Applied Polymer Science、第62巻、p393〜408(1996年) E.J.Vandenberg他著、Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry、第27巻、p3745〜3757(1989年) H.G.Rogers,R.A.Caudiana著、Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition、第23巻、p2669〜2678(1985年) P.Yeh,Optical Waves in Layered Media,New York,John Wiley&Sons(1998年) P.YehおよびC.Gu著、Optics of Liquid Crystal Displays,New York,John Wiley&Sons(1999年) P.LazarevおよびM.Paukshto著、Thin Crystal Film Retarders(Proceeding of the 7th International Display Workshops,Materials and Components、Kobe,Japan、November 29〜December 1(2000年)、p1159〜1160)
この技術により、基板上(例えばガラス板上)にLC分子を塗布および結晶化させる際に、光学フィルムの結晶軸の方向を制御することが可能となる。得られたフィルムは、均質な組成ならびに高い分子配列および/または結晶配列を有するため、それらは、詳細には偏光子および複屈折性フィルムまたはリターダ(補償器)のための、有用な光学材料となる。
本発明は、一般構造式I:
(式中、Coreは、ロッド状高分子を形成し得る共役有機単位であり、nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、Gは、一組のイオン形成性(ionogenic)側基であり、kは、その組Gの中の側基の数であり;ここで、一組のイオン形成性側基は、有機化合物およびその塩の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与し、数nは、有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供して、リオトロピック液晶を形成させ;そしてその溶液は、可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性のポジティブA型(positive A−type)の固体光学位相差層を形成させることができる)で示される有機化合物を提供する。
更なる態様において、本発明は、前面および後面を有する基板と、その基板の前面にある少なくとも1つの固体位相差層と、を含む光学フィルムであって、その固体位相差層が、一般構造式II:
[式中、Coreは、ロッド状高分子を形成し得る共役有機単位であり、nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、Gは、一組のイオン形成性側基であり、kは、その組Gの中の側基の数であり、Xは、H、NH(3−m) (式中、Rは、アルキルであり、mは、1、2または3である)、Na、K、Li、Cs、Ba2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Pb2+、Zn2+、La3+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+、Zr4+およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される対イオンであり、tは、対イオンの数であり;ここで、側基および数kは、有機化合物の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与し、数nは有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供してリオトロピック液晶を形成させ;そしてその固体位相差層は一軸性のポジティブA型層であり、可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性である]で示される少なくとも1種の有機化合物を含む、光学フィルムを提供する。
更なる態様において、本発明は
a)一般構造式I:
(式中、Coreは、ロッド状高分子を形成し得る共役有機単位であり、nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、Gは、一組のイオン形成性側基であり、kは、その組Gの中の側基の数であり;ここで、側基および数kは、有機化合物およびその塩の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与し、数nは、有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供して、リオトロピック液晶を形成させる)で示される有機化合物またはその塩のネマチックリオトロピック液晶溶液を調製するステップ;
b)可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性であるその溶液の液体層を、基板に塗布するステップ;
c)外部心合わせ動作を前記液体層に施すステップ;および
d)乾燥させて、固体位相差層を形成させるステップ、を含む、光学フィルムを製造する方法を提供する。
水溶液中のポリマー濃度の関数として測定された還元粘度および固有粘度を示す。 Cs塩形態で合成されたポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)(濃度は、5.6重量%である)のリオトロピック液晶溶液テクスチャの偏光顕微鏡像を示す。 メイヤーロッドコーティング法を用いて製造された、ポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)を含む固体光学位相差層を含む光学フィルムの偏光顕微鏡像を示す。 ガラス基板上のポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)(6.0%溶液)から製造された有機位相差層の屈折率スペクトルを示す。 Cs塩形態で合成されたポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)とポリ[イミノ(2−スルホ−1,4−フェニレン)イミノカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル]との共重合体(濃度は、約4重量%である)のリオトロピック液晶溶液のテクスチャの偏光顕微鏡像を示す。 ポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)とポリ[イミノ(2−スルホ−1,4−フェニレン)イミノカルボニル−1,4−フェニレンカルボニル]との共重合体を含む固体光学位相差層を含む光学フィルムの顕微鏡像を示す。 接着層および保護層を更に含む、基板上の光学フィルムの断面を概略的に示す。 追加の反射層を有する光学結晶フィルムの断面を概略的に示す。 拡散反射器または鏡面反射器を基板として含む光学フィルムの断面を概略的に示す。
本発明の全般的記載を行っており、特定の好ましい実施形態を参照することにより更なる理解が得られようが、それらの実施形態は、本明細書に例示の目的で示されたにすぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の明細書および特許請求の範囲で用いられる様々な用語の定義を、以下に列挙する。
用語「可視スペクトル範囲」は、下限約400nmおよび上限約750nmを有するスペクトル範囲を指す。
用語「位相差層」は、3種の主屈折率(n、nおよびn)により特徴づけられる光学異方性層を指し、ここで、屈折率nおよびnの2つの主方向は、位相差層の平面と一致するxy平面に属し、屈折率(n)の1つの主方向は、位相差層への法線と一致し、主屈折率の少なくとも2種は、異なる。
用語「ポジティブA型の光学異方性位相差層」は、屈折率n、nおよびnが、可視スペクトル範囲内で以下の条件:n=n<nに従う一軸性光学層を指す。
上述の定義は、全ての型の異方性層で垂直Z軸の周りの座標系の(実験室系の)回転に対して不変である。
本明細書で用いられる基板の「前面」は、観察者と対面する表面を指す。「後面」は、前面の反対側の面を指す。
幾つかの実施形態において、一般構造式I:
(式中、Coreは、ロッド状高分子を形成し得る共役有機単位であり、nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、Gは、一組のイオン形成性側基であり、kは、その組Gの中の側基の数である。一組のイオン形成性側基は、有機化合物およびその塩の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与する。数nは、有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供して、リオトロピック液晶を形成させる。その溶液は、可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性のポジティブA型の固体光学位相差層を形成させることができる)で示される有機化合物が、提供される。
開示された有機化合物の一実施形態において、数kは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、数nは、10〜100000の範囲に属する。開示された有機化合物の別の実施形態において、高いせん断速度の下では、溶液の粘度は、10〜200mPa・sの範囲内の値に低下する。開示された有機化合物の更に別の実施形態において、ロッド状高分子はポリマー性の剛性主鎖であり、ここでの共役有機単位は同一である。開示された有機化合物の別の実施形態において、ロッド状高分子は共重合性の剛性主鎖であり、ここでの少なくとも1つの共役有機単位は、他とは異なる。開示された有機化合物の一実施形態において、数kは1を超え、イオン形成性側基は同一である。開示された有機化合物の別の実施形態において、数kは1を超え、少なくとも1つの前記側基は、他とは異なる。開示された有機化合物の更に別の実施形態において、ロッド状高分子の少なくとも1つの共役有機単位(Core)は、一般構造式III:
(式中、CoreおよびCoreは、共役有機成分であり、Zは、−O−および−NR−を含むリストから選択され、ここで、Rは、水素、直鎖状および分枝状(C〜C)アルキル、フェニルおよび置換フェニルを含むリストから選択される置換基であり、フェニル上の置換基は、直鎖状および分枝状(C〜C)アルキルを含む)を有する。開示された有機化合物の一実施形態において、共役有機成分CoreおよびCoreは、表1に示す一般式1〜2を有する構造から独立して選択されるイオン形成性基Gを含み、同一または異なっていてもよい。
イオン形成性側基Gは、−COOH、−SOH、および−HPOを含むリストから選択され、kは、0、1または2であり、pは、1、2または3である。
本発明の別の実施形態において、開示された有機化合物は、表2に示す構造3〜7から選択される有機化合物を含む。
本発明の別の実施形態において、開示された有機化合物は、直鎖状および分枝状の(C〜C20)アルキル、(C〜C20)アルケニル、および(C〜C20)アルキニルを含むリストから独立して選択される追加の側基を更に含む。開示された有機化合物の別の実施形態において、追加の側基の少なくとも1つは、架橋基Aを介してCoreと結合している。開示された有機化合物のこの実施形態において、架橋基Aは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)−NH−,−(SO)NH−、−O−、−CHO−、−NH−、>N−、およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される。開示された有機化合物の更に別の実施形態において、塩は、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩を含むリストから選択される。
幾つかの実施形態において、光学フィルムが提供される。その光学フィルムは、前面および後面を有する基板を含む。少なくとも1つの固体位相差層が、基板の前面に提供される。固体位相差層は、一般構造式II:
[式中、Coreは、ロッド状高分子を形成し得る共役有機単位であり、nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、Gは、一組のイオン形成性側基であり、kは、その組Gの中の側基の数であり、Xは、H、NH(3−m) (式中、Rは、アルキルであり、mは、1、2または3である)、Na、K、Li、Cs、Ba2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Pb2+、Zn2+、La3+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+、Zr4+およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される対イオンであり、tは、対イオンの数である。側基および数kは、有機化合物の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与する。数nは、有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供して、リオトロピック液晶を形成させる。その固体位相差層は、一軸性のポジティブA型層であり、可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性である]で示される少なくとも1種の有機化合物を含む。
開示された光学フィルムの一実施形態において、数kは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、数nは、10〜100000の範囲に属する。開示された光学フィルムの別の実施形態において、高いせん断速度の下では、溶液の粘度は、10〜200mPa・sの範囲内の値に低下する。開示された光学フィルムの更に別の実施形態において、ロッド状高分子はポリマー性の剛性主鎖であり、ここでの共役有機単位は同一である。開示された光学フィルムのまた別の実施形態において、ロッド状高分子は共重合性の剛性主鎖であり、ここでの少なくとも1つの共役有機単位は、他とは異なる。開示された光学フィルムの一実施形態において、数kは1を超え、イオン形成性側基は同一である。開示された光学フィルムの別の実施形態において、数kは1を超え、少なくとも1つの側基は、他とは異なる。開示された光学フィルムの更に別の実施形態において、ロッド状高分子の少なくとも1つの共役有機単位(Core)は、一般構造式III:
(式中、CoreおよびCoreは、共役有機成分であり、Zは、−O−および−NR−を含むリストから選択され、ここで、Rは、水素、直鎖状および分枝状の(C〜C)アルキル、フェニルおよび置換フェニルを含むリストから選択される置換基であり、フェニル上の置換基は、直鎖状および分枝状の(C〜C)アルキルを含む)を有する。開示された光学フィルムの更に別の実施形態において、共役有機成分CoreおよびCoreは、表1に示す一般式1〜2を有する構造から独立して選択されるイオン形成性基Gを含み、同一または異なっていてもよい。
イオン形成性側基Gは、−COOH、−SOH、および−HPOを含むリストから選択され、kは、0、1または2であり、pは、1、2または3である。本発明の別の実施形態において、開示された光学フィルムは、表2に示す構造3〜7から選択される有機化合物を含む。開示された光学フィルムの更に別の実施形態において、有機化合物は、直鎖状および分枝状の(C〜C20)アルキル、(C〜C20)アルケニル、および(C〜C20)アルキニルを含むリストから独立して選択される追加の側基を更に含む。開示された光学フィルムのこの実施形態において、追加の側基の少なくとも1つは、架橋基Aを介してCoreと結合している。架橋基Aは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)−NH−、−(SO)NH−、−O−、−CHO−、−NH−、>N−、およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択してもよい。開示された光学フィルムの一実施形態において、塩は、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩を含むリストから選択される。本発明の一実施形態において、開示された光学フィルムは、アルカリ金属の水酸化物および塩を含むリストから選択される無機化合物を更に含む。開示された光学フィルムの別の実施形態において、固体位相差層は、一般に、基板の前面の平面内の2つの互いに垂直な方向にある対応する2種の屈折率(nおよびn)と、基板の前面に対して法線方向にある1つの屈折率(n)と、を有する一軸性位相差層であり、ここで、屈折率は、以下の条件:n=n<n(式中、xは、コーティング方向である)に従う。
基板は、好ましくは可視スペクトル範囲内の電磁放射に透過性である。基板は、ポリマー、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)を含んでいてもよい。開示された光学フィルムの代替的な実施形態において、基板はガラスを含む。開示された光学フィルムの一実施形態において、基板の透過係数は、UVスペクトル範囲内のいずれの波長でも2%を超えない。光学フィルムの別の実施形態において、可視スペクトル範囲内の基板の透過係数は、90%未満ではない。
開示された光学フィルムの更に別の可能な実施形態において、基板の後面は、追加の反射防止コーティングまたは防眩コーティングで覆われている。開示された発明の別の実施形態において、基板の後面は、反射層を更に含む。
開示された発明は、反射層の表面に設置された追加の接着性光透過層を更に含む光学フィルムも提供する。光学的に透明なアクリル系接着剤を、接着材料として用いてもよい。
本発明の別の実施形態において、光学フィルムは、光学フィルムの最上部に設置された追加の透明接着層を更に含む。接着層の透過係数は、100〜400nm範囲内のいずれの波長でも2%を超えない。接着層は、等方性または異方性であってもよい。
開示された発明の一実施形態において、光学フィルムは、透明接着層上に形成された保護コーティングを更に含む。
光学フィルムの特定の実施形態において、基板は、鏡面または拡散反射器である。光学フィルムの別の実施形態において、基板は、反射偏光子である。更に別の実施形態において、光学フィルムは、基板の前面に蒸着させた偏光層を更に含む。本発明の更に別の実施形態において、光学フィルムは、有機層の最上部に設置された追加の透明接着層を更に含む。本発明の別の可能な実施形態において、光学フィルムは、光学フィルムの最上部に設置された追加の透明接着層を更に含む。開示された発明の一実施形態において、光学フィルムは、透明接着層上に形成された保護コーティングを更に含む。
接着層が存在する、開示された光学フィルムの実施形態において、接着層の透過係数は、UVスペクトル範囲内のいずれの波長でも2%を超えない。開示された光学フィルムの別の実施形態において、可視スペクトル範囲内の接着層の透過係数は、90%未満ではない。一態様において、光学フィルムを製造する方法が、提供される。その方法は、以下のステップ:
a)一般構造式I:
(式中、Coreは、ロッド状高分子を形成し得る共役有機単位であり、nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、Gは、一組のイオン形成性側基であり、kは、その組Gの中の側基の数であり;ここで、側基および数kは、有機化合物およびその塩の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与し、数nは、有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供して、リオトロピック液晶を形成させる)で示される有機化合物またはその塩のネマチックリオトロピック液晶溶液を調製するステップ;
b)可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性であるその溶液の液体層を、基板に塗布するステップ;
c)外部心合わせ動作をその液体層に施すステップ;および
d)乾燥させて、固体位相差層を形成させるステップ、を含む。
開示された方法の一実施形態において、数kは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、数nは、10〜100000の範囲に属する。開示された方法の別の実施形態において、高いせん断速度の下では、溶液の粘度は、10〜200mPa・sの範囲内の値に低下する。開示された方法の更に別の実施形態において、心合わせステップは、液体層を基板に塗布するステップと同時に実施する。開示された方法の更に別の実施形態において、ロッド状高分子はポリマー性の剛性主鎖であり、ここでの共役有機単位は同一である。開示された方法の別の実施形態において、ロッド状高分子は共重合性の剛性主鎖であり、ここでの少なくとも1つの共役有機単位は、他とは異なる。開示された方法の一実施形態において、数kは1を超え、イオン形成性側基は同一である。開示された方法の別の実施形態において、数kは1を超え、少なくとも1つの前記側基は、他とは異なる。開示された方法の更に別の実施形態において、ロッド状高分子の少なくとも1つの共役有機単位(Core)は、一般構造式III:
(式中、CoreおよびCoreは、共役有機成分であり、Zは、−O−および−NR−を含むリストから選択され、ここで、Rは、水素、直鎖状および分枝状の(C〜C)アルキル、フェニルおよび置換フェニルを含むリストから選択される置換基であり、フェニル上の置換基は、直鎖状および分枝状の(C〜C)アルキルを含む)を有する。開示された方法の一実施形態において、共役有機成分CoreおよびCoreは、表1に示す一般式1〜2を有する構造から独立して選択されるイオン形成性基Gを含み、同一または異なっていてもよい。
イオン形成性側基Gは、−COOH、−SOH、および−HPOを含むリストから選択され、kは、0、1または2であり、pは、1、2または3である。本発明の別の実施形態において、開示された方法は、表2に示す構造3〜7から選択される構造を有する有機化合物を用いる。開示された方法の一実施形態において、液体層は、水、水混和性溶媒、およびそれらのいずれかの混合物を含むリストから選択される溶媒を更に含む。開示された方法の別の実施形態において、有機化合物は、追加の側基を更に含む。これらの追加の側基は、直鎖状および分枝状の(C〜C20)アルキル、(C〜C20)アルケニル、および(C〜C20)アルキニルを含むリストから独立して選択される。開示された方法のこの実施形態において、少なくとも1つのイオン形成性側基は、架橋基Aを介してCoreと結合している。架橋基Aは、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)−NH−、−(SO)NH−、−O−、−CHO−、−NH−、>N−、およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択してもよい。開示された方法の更に別の実施形態において、有機溶媒は、ケトン、カルボン酸、炭化水素、環状炭化水素、塩素化炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、およびそれらのいずれかの混合物を含むリストから選択される。開示された方法の好ましい実施形態において、有機溶媒は、アセトン、キシレン、トルエン、エタノール、メチルシクロヘキサン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、オクタン、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、トリエチルアミン、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびそれらのいずれかの混合物を含むリストから選択される。本発明の更に別の実施形態において、開示された溶液は、リオトロピック液晶溶液である。本発明の更に別の実施形態において、その溶液は、等方性溶液である。開示された方法の一実施形態において、その塩は、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩を含むリストから選択される。開示された方法において、リオトロピック液晶は、アルカリ金属の水酸化物および塩を含むリストから選択される無機化合物を更に含んでいてもよい。開示された方法の別の実施形態において、基板は、ポリマーおよびガラスを含むリストから選択される材料から製造される。本発明において、開示された方法は、H、Ba2+、Pb2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+、およびそれらのいずれかの混合物を含むリストから選択されるカチオンを含むいずれかの水溶性無機塩の溶液での後処理ステップを更に含んでいてもよい。開示された方法の一実施形態において、基板への液体層塗布ステップおよび後処理ステップを、同時に実施する。開示された方法の別の実施形態において、乾燥ステップおよび後処理ステップを、同時に実施する。開示された方法の更に別の実施形態において、後処理ステップは、乾燥の後に実施する。開示された方法の更に別の実施形態において、蒸着された液体層への心合わせ動作を、メイヤーロッド、スロットダイ、押出し、ロールコーティング、カーテン塗工、ナイフコーティングおよび成形を含むリストから選択される設備を利用して実施する。開示された方法の一実施形態において、少なくとも1種の心合わせ器具での層全体の機械的移動を利用して、蒸着層での外部心合わせ動作を実施し、基板表面から心合わせ道具の端部または平面までの距離を、所望の位相差層の厚さが得られるように設定する。この方法では、心合わせ器具を加熱してもよい。開示された方法の別の実施形態において、乾燥ステップを、気流内で、および/または高温で実施する。本発明の更に別の実施形態において、開示された方法は、基板への塗布の前に前処理ステップを更に含む。この前処理ステップは、基板の表面を親水性にするステップを含んでいてもよい。この方法の別の実施形態において、前処理は、偏光層の塗布を更に含む。開示された方法の更に別の実施形態において、技術ステップの系列を2回以上反復し、それぞれの次の固体位相差層の作製に用いられる溶液は、それまでのサイクルで用いたものと同一または異なっている。
本発明をより容易に理解できるよう以下の実施例を参照するが、それは、本発明を例示するものであり、発明の範囲を限定するものではない。
実施例
この実施例では、ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)セシウム塩(表2の構造#3)の合成を記載する。
4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジスルホン酸1.377g(0.004mol)を、CsOH 1.2g(0.008mol)および水40mlと混合し、溶解するまで分散撹拌機で撹拌した。重炭酸ナトリウム0.672g(0.008mol)を、溶液に添加して撹拌した。得られた溶液を高速(2500rpm)で撹拌しながら、乾燥トルエン(15ml)中の二塩化テレフタロイル0.812g(0.004mol)の溶液を、5分間以内で徐々に添加した。更に5分間撹拌し続けて、粘性白色エマルジョンを形成させた。その後、エマルジョンを水40mlで希釈し、撹拌速度を100rpmに減速した。反応塊をホモジナイズした後、アセトン250mlを添加してポリマーを沈殿させた。繊維性沈殿物を、ろ過して乾燥させた。
バリアンGPCソフトウエア・シーラス3.2(Varian GPC software Cirrus 3.2)およびトーソー・バイオサイエンス TSKゲルG5000PWXLカラム(TOSOH Bioscience TSKgel G5000 PWXL column)および移動相としての0.2Mリン酸緩衝液(pH=7)を用い、ダイオードアレー検出器(λ=230nm)を取り付けたヒューレットパッカード1050クロマトグラフ(Hewlett−Packard 1050 chromatograph)により、試料のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析を実施した。ポリ(p−スチレンスルホン酸)ナトリウム塩をGPC標準として用いた。数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、および多分散度Pが、それぞれ3.9×10、1.7×10、および4.4であることが見いだされた。
この実施例では、ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンスルホテレフタルアミド)(表2の構造#4)の合成を記載する。
2−スルホテレフタル酸10g(40mmol)、トリフェニルホスフィン27.5g(88.7mmol)、LiCl 20gおよびピリジン50mlを、500ml三口フラスコ中のNMP 200mlに溶解した。混合物を40℃で15分間撹拌し、その後、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジスルホン酸13.77g(40mmol)を添加した。反応混合物を115℃で3時間撹拌した。メタノール1Lをその粘性溶液に添加して、形成した黄色沈殿物をろ過し、メタノール(500ml)およびジエチルエーテル(500ml)で引き続き洗浄した。黄色を帯びた固体を80℃で一晩、真空乾燥させた。GPCによる試料の分子量分析を、実施例1に記載されたとおり実施した。
この実施例では、ポリ(p−フェニレンスルホテレフタルアミド)(表2の構造#5)の合成を記載する。
2−スルホテレフタル酸10g(40mmol)、トリフェニルホスフィン27.5g(88.7mmol)、LiCl 20gおよびピリジン50mlを、500ml三口フラスコ中のNMP 200mlに溶解した。混合物を40℃で15分間撹拌し、その後、1,4−フェニレンジアミン4.35g(40mmol)を添加した。反応混合物を115℃で3時間撹拌した。メタノール1Lをその粘性溶液に添加して、形成した黄色沈殿物をろ過し、メタノール(500ml)およびジエチルエーテル(500ml)で引き続き洗浄した。黄色を帯びた固体を80℃で一晩、真空乾燥させた。GPCによる試料の分子量分析を、実施例1に記載されたとおり実施した。
この実施例では、ポリ(2−スルホ−1,4−フェニレンスルホテレフタルアミド)(表2の構造#6)の合成を記載する。
2−スルホテレフタル酸10g(40mmol)、トリフェニルホスフィン27.5g(88.7mmol)、LiCl 20gおよびピリジン50mlを、500ml三口フラスコ中のNMP 200mlに溶解した。混合物を40℃で15分間撹拌し、その後、2−スルホ−1,4−フェニレンジアミン7.52g(40mmol)を添加した。反応混合物を115℃で3時間撹拌した。メタノール1Lをその粘性溶液に添加して、形成した黄色沈殿物をろ過し、メタノール(500ml)およびジエチルエーテル(500ml)で引き続き洗浄した。黄色を帯びた固体を80℃で一晩、真空乾燥させた。GPCによる試料の分子量分析を、実施例1に記載されたとおり実施した。
この実施例では、ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンナフタレン−2,6−ジカルボキサミド)セシウム塩(表2の構造#7)の合成を記載する。
4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジスルホン酸0.344g(0.001mol)を、CsOH 0.3g(0.002mol)および水10mlと混合し、溶解するまで分散撹拌機で撹拌した。重炭酸ナトリウム0.168g(0.002mol)を、溶液に添加して撹拌した。得られた溶液を高速(2500rpm)で撹拌しながら、乾燥トルエン(4ml)中の二塩化テレフタロイル0.203g(0.001mol)の溶液を、5分間以内で徐々に添加した。更に5分間撹拌し続けて、粘性白色エマルジョンを形成させた。その後、エマルジョンを水10mlで希釈し、撹拌速度を100rpmに減速した。反応塊をホモジナイズした後、アセトン60mlを添加してポリマーを沈殿させた。繊維性沈殿物を、ろ過して乾燥させた。GPCによる試料の分子量分析を、実施例1に記載されたとおり実施した。
この実施例では、リオトロピック液晶溶液を用いた有機光学フィルムの製造を記載する。ポリマー、ポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)(表2の構造式#3)を、実施例1に記載されたとおり合成した。そのポリマーは、Cs塩形態で合成した。0.1N NaClを含む水溶液中のポリマー濃度の関数として、還元粘度および固有粘度を測定した(測定は25℃で実施)(図1参照)。固有粘度は、5.1dl/gであることが見いだされた。そのような値は、低濃度の水溶液中で自己集合していると共に、生成物がどちらかといえば分子量が大きいことを示している:相転移濃度C=4.5重量%(図2参照)。リオトロピック液晶溶液を、以下の手順により調製した:1%水溶液を調製し、機械的混合物からろ過し、そして蒸発により約5.6重量%に濃縮した。
フィッシャーブランド(Fisherbrand)の顕微鏡ガラススライドを、10%NaOH溶液中で30分間処理して、脱イオン水ですすぎ、圧縮機を用いて気流で乾燥させることにより、コーティング用に準備した。得られた溶液を温度23℃および相対湿度50%で、線速度100mm/sで移動させるメイヤーロッド#4を用いて、ガラスプレート表面に塗布した。溶液の液体層を同じ湿度および温度で乾燥させた。厚さ約180nmの固体位相差層を含んで製造された光学フィルムを、図3に示す。xは、コーティング方向である。
固体位相差層の光学特性を測定するために、光透過スペクトルおよび反射スペクトルを、ケアリー500スキャン分光光度計(Cary 500 Scan spectrophotometer)を用いて約400〜約700nmの波長範囲で測定した。コーティング方向に対して平行および垂直に直線偏光され、位相差層平面に対して垂直方向に伝播する光ビームを用いて、固体位相差層の光透過を測定した(それぞれTparおよびTper)。位相差層平面の法線に対して角度12°で伝播し、コーティング方向に対して平行および垂直に偏光するS偏光を利用して、光反射を測定した(それぞれRparおよびRper)。アクソメトリックス・ミュラー・マトリクス偏光計を用いて、入射角0、30、45および60°で、試料の位相差を測定した。得られたデータを用いて、屈折率(n、n、およびn)を計算し、図4に示した。得られた固体位相差層は、その平面内で異方性であった(波長λ=550nmでn=1.83、n=1.55、およびn=1.55)。
この実施例では、リオトロピック液晶溶液を用いた有機光学フィルムの製造を記載する。ポリ(2,2’−ジスルホニル−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)(表2の構造式#3)約70%およびポリ(p−フェニレンスルホテレフタルアミド)(表2の構造式#5)約30%を含む共重合体を、実施例3に記載されたとおり合成した。そのポリマーは、Cs塩形態で合成した。リオトロピック液晶溶液(図5)を、以下の手順により製造した:1%水溶液を調製し、機械的混合物を除去するためにろ過し、そして蒸発により約4重量%に濃縮した。
フィッシャーブランドの顕微鏡ガラススライドを、10%NaOH溶液中で30分間処理して、脱イオン水ですすぎ、圧縮機を用いて気流で乾燥させることにより、コーティング用に準備した。得られた溶液を温度23℃および相対湿度50%で、線速度100mm/sで移動するメイヤーロッド#4を用いて、ガラスプレート表面に塗布した。溶液の液体層を同じ湿度および温度で乾燥させた。厚さ約150nmの固体位相差層を含んで製造された光学フィルムを、実施例1に記載されたものと同じ手順を用いて光学的に特徴づけた。得られた固体位相差層(図6)は、その平面内で異方性であった(波長λ=550nmでn=1.85、n=1.55、およびn=1.55)。xは、コーティング方向である。
図7は、基板1上に形成させた光学フィルムの断面を示す。フィルムは、固体光学位相差層2、接着層3、および保護層4を含む。固体位相差層は、実施例1に記載された方法を用いて製造してもよい。ポリマー層4は、光学フィルムが輸送過程で損傷するのを防ぐ。
この光学フィルムは半製品であり、例えばLCD内で、外部リターダとして用いてもよい。保護層4を除去して、残された光学フィルムを、接着層3によりLCDガラスに塗布する。
電子光学装置またはLCDの前面に塗布された上記光学フィルムを用いて、追加の反射層6を基板上に形成させることができる(図8)。例えばアルミニウムフィルムを蒸着することにより、反射層を得てもよい。
この実施例では、固体位相差層2を、基板として働く拡散または鏡面半透明反射器6に塗布する(図9)。反射層6を、偏光層7で覆ってもよい(任意)。ポリウレタンまたはアクリル系ポリマーまたは他のいずれかの材料を、この偏光層の製造に用いることができる。

Claims (29)

  1. 前面および後面を有する基板と、
    前記基板の前面上の少なくとも1つの固体光学位相差層と、
    を含む光学フィルムであって、
    前記固体光学位相差層が、一般構造式(I)
    [式中、Core1及びCore2、共役有機単位であり、かつ一般式(1)〜(2):
    を有する構造から独立して選択され、
    イオン形成性側基Gは、−COOH、−SO H、および−H PO を含むリストから選択され、kは、0、1または2であり、pは、1、2または3であり、
    Zは、−O−および−NR−を含むリストから選択され、ここで、Rは、水素、直鎖状および分枝状の(C 〜C )アルキル、フェニルおよび置換フェニルを含むリストから選択される置換基であり、フェニル上の置換基は、直鎖状および分枝状の(C 〜C )アルキルを含み、
    nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、かつ数nが、10〜100000の範囲に属し、
    は、H、NH(3−m) (式中、Rは、アルキルであり、mは、1、2または3である)、Na、K、Li、Cs、Ba2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Pb2+、Zn2+、La3+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+、Zr4+およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される対イオンであり、
    tは、対イオンの数である]で示される少なくとも1種の有機化合物を含み、
    前記イオン形成性側基は、有機化合物又はその塩の溶解性を提供し、そしてロッド状高分子へ剛性を付与し、
    数nは、有機化合物またはその塩の溶液中で高分子の自己集合を促進する分子異方性を提供して、リオトロピック液晶を形成させ、かつ
    前記溶液は、可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性のポジティブA型の固体光学位相差層を形成させることができる、光学フィルム。
  2. 高いせん断速度の下では、前記溶液の粘度が10〜200mPa・sの範囲内の値に低下する、請求項に記載の光学フィルム。
  3. 前記ロッド状高分子がポリマー性の剛性主鎖であり、ここでの共役有機単位が同一である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記ロッド状高分子が共重合性の剛性主鎖であり、ここでの少なくとも1つの共役有機単位が、他とは異なる、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  5. 数kが1を超え、かつイオン形成性側基が同一である、請求項のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  6. 数kが1を超え、かつ少なくとも1つの前記側基が、他とは異なる、請求項のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7. 構造3〜7:
    ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンホテレフタルアミド)
    ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンスルホテレフタルアミド)
    ポリ(p−フェニレンスルホテレフタルアミド)
    ポリ(2−スルホ−1,4−フェニレンスルホテレフタルアミド)
    ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンナフタレン−2,6−ジカルボキサミド)
    から選択される有機化合物を含む、請求項のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  8. 前記有機化合物が、直鎖状および分枝状の(C〜C20)アルキル、(C〜C20)アルケニル、および(C〜C20)アルキニルを含むリストから独立して選択される追加の側基を更に含む、請求項のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9. 側基の少なくとも1つが、架橋基Aを介して結され、前記架橋基Aが、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)−NH−,−(SO )NH−、−O−、−CH O−、−NH−、>N−、およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される、請求項記載の光学フィルム。
  10. 前記塩が、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩を含むリストから選択される、請求項のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  11. アルカリ金属の水酸化物および塩を含むリストから選択される無機化合物を更に含む、請求項のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  12. 前記固体光学位相差層が、一般に、基板の平面内の2つの互いに垂直方向に対応する2種の屈折率(nおよびn)と、基板の平面に対して法線方向の1つの屈折率(n)と、を有する一軸性位相差層であり、ここで、前記屈折率が、以下の条件:n=n<nに従う、請求項11のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  13. 前記基板の材料が、ポリマーおよびガラスを含むリストから選択される、請求項12のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  14. 光学フィルムを製造する方法であって、前記方法は、
    a)一般構造式(I)
    (式中、Core1及びCore2、共役有機単位であり、かつ一般式(1)〜(2):
    を有する構造から独立して選択され、
    イオン形成性側基Gは、−COOH、−SO H、および−H PO を含むリストから選択され、kは、0、1または2であり、pは、1、2または3であり、
    Zは、−O−および−NR−を含むリストから選択され、ここで、Rは、水素、直鎖状および分枝状の(C 〜C )アルキル、フェニルおよび置換フェニルを含むリストから選択される置換基であり、フェニル上の置換基は、直鎖状および分枝状の(C 〜C )アルキルを含み、
    nは、ロッド状高分子中の共役有機単位の数であり、かつ数nが、10〜100000の範囲に属し、
    は、H、NH(3−m) (式中、Rは、アルキルであり、mは、1、2または3である)、Na、K、Li、Cs、Ba2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Pb2+、Zn2+、La3+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+、Zr4+およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される対イオンであり、
    tは、対イオンの数である]で示される有機化合物またはその塩のネマチックリオトロピック液晶溶液を調製するステップ;
    b)可視スペクトル範囲内の電磁放射に実質的に透過性である前記溶液の液体層を、基板に塗布するステップ;
    c)外部心合わせ動作を前記液体層に施すステップ;および
    d)乾燥させて、固体光学位相差層を形成させるステップ、を含む、方法。
  15. 高いせん断速度の下では、前記溶液の粘度が10〜200mPa・sの範囲内の値に低下する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記心合わせステップが、前記液体層を基板に塗布するステップと同時に実施される、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記ロッド状高分子がポリマー性の剛性主鎖であり、ここでの共役有機単位が同一である、請求項1416のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ロッド状高分子が共重合性の剛性主鎖であり、ここでの少なくとも1つの共役有機単位が、他とは異なる、請求項1416のいずれか一項に記載の方法。
  19. 数kが1を超え、かつイオン形成性側基が同一である、請求項1418のいずれか一項に記載の方法。
  20. 数kが1を超え、かつ少なくとも1つの前記側基が他とは異なる、請求項1418のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記有機化合物が、構造3〜7:
    ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンテレフタルアミド)
    ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンスルホテレフタルアミド)
    ポリ(p−フェニレンスルホテレフタルアミド)
    ポリ(2−スルホ−1,4−フェニレンスルホテレフタルアミド)
    ポリ(2,2’−ジスルホ−4,4’−ベンジジンナフタレン−2,6−ジカルボキサミド)
    から選択される、請求項1420のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記有機化合物が、直鎖状および分枝状の(C〜C20)アルキル、(C〜C20)アルケニル、および(C〜C20)アルキニルを含むリストから独立して選択される追加の側基を更に含む、請求項1420のいずれか一項に記載の方法。
  23. 追加の側基の少なくとも1つが、架橋基Aを介して結され、前記架橋基Aが、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)−NH−,−(SO )NH−、−O−、−CH O−、−NH−、>N−、およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記塩が、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩を含むリストから選択される、請求項1423のいずれか一項に記載の方法。
  25. アルカリ金属の水酸化物および塩を含むリストから選択される無機化合物を更に含む、請求項1424のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記基板が、ポリマーおよびガラスを含むリストから選択される材料から製造される、請求項1425のいずれか一項に記載の方法。
  27. 、Ba2+、Pb2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+、およびそれらのいずれかの組合せを含むリストから選択されるカチオンを含むいずれかの水溶性無機塩の溶液での後処理ステップを更に含む、請求項1426のいずれか一項に記載の方法。
  28. 蒸着された液体層への心合わせ動作を、メイヤーロッド、スロットダイ、押出し、ロールコーティング、カーテン塗工、ナイフコーティングおよび成形を含むリストから選択される設備を利用して実施する、請求項1427のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記ステップの系列を2回以上反復し、それぞれの次の固体位相差層の作製に用いられる溶液が、それまでのサイクルで用いたものと同一または異なっている、請求項14に記載の方法。
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