JP5599582B2 - 原子力発電プラントの監視システムおよび運転・保守データ管理システム - Google Patents
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Description
更には、プラント監視制御装置は、プロセス計算機をも含み、プロセス計算機によって監視制御情報やプラント制御用データを処理し、運転や保守に必要なデータに加工して提供している。
しかし、この方式では、多様な監視制御情報および使用場所に対応しようとする場合、専用ネットワークや、クライアントサーバ方式用のサーバ、端末のコストが嵩むため、用途を限定したシステムとならざるを得ない。また、コストの増大を抑制するため、クライアントサーバ方式に用いられるアプリケーションソフトも汎用的なものを利用者が共用していく方式となる。
3つ目は、プラント監視制御装置のセキュリティ確保の問題である。現場に敷設した汎用ネットワークとプラントの監視制御ネットワークを接続した場合、悪意のあるユーザ等によりプラント監視制御装置に不正信号が送信され、プラント監視制御装置の誤動作を生じる可能性がある。前記した特許文献1の従来技術の場合には、セキュリティ機能を持たない軽量エージェントを生成して用いているので、プラント監視制御装置の監視制御ネットワークを介して原子炉安全保護システムにまで悪意のある軽量エージェントのプログラムが侵入可能になってしまうという問題がある。
《第1の実施形態》
(原子力発電プラントの監視システムの全体構成)
図1は、原子力発電プラントの監視システムの全体構成を示したものである。
本実施形態の原子力発電プラント(以下、単に「プラント」と称する)の監視システム301は、主に、プラント監視制御装置22、プラント監視制御装置22に含まれる後記する監視制御ネットワーク100に接続する一方向ゲートウェイ201、プラント情報サーバ202、シンクライアントサーバ203、外部接続通信線105、ローカルエリアネットワーク107やイーサネット(登録商標)113A,113B等を介して、シンクライアントサーバ203に接続するシンクライアント端末(第1のシンクライアント端末)207、無線端末208、シンクライアント端末(第2のシンクライアント端末)211、広域ネットワーク115を介してシンクライアントサーバ203に接続するその他のシンクライアント端末213等を含んで構成されている。
プラント監視制御装置22、一方向ゲートウェイ201、プラント情報サーバ202、シンクライアントサーバ203は、例えば、プラントの中央制御室303に配置される。
シンクライアントサーバ203は、外部接続通信線105、ファイアウォール205Aを介して、VPN(Virtual Private Network)コンセントレータ204と接続している。
放射線管理区域内の現場305には、放射線管理区域内での利用に限定され、放射線管理区域内からの持ち出しの禁じられたPDA209が複数配置され、無線端末208と無線通信接続して、現場の機器や装置の保守点検時に利用できるようになっている。
シンクライアント端末207には、シンクライアントサーバ203を遠隔操作するための通信操作用プログラム255cを有し、PDA209も同様の通信操作用プログラム255cを有している。
ここで、通信操作用プログラム255cが、特許請求の範囲に記載の「シンクライアントサーバを、監視制御ネットワークと異なるシンクライント端末用のネットワークを介して遠隔操作するプログラム」に対応する。
また、イーサネット113A,113B,113Cが特許請求の範囲に記載の「シンクライント端末用のネットワーク」に対応する。
(プラント監視制御装置)
先ず、プラント監視制御装置22について説明する。原子力発電プラントの運転状態を監視および制御するプラント監視制御装置22は、主に監視制御ネットワーク100に接続された監視操作盤17、常用系監視制御装置18、安全系監視制御装置20、プロセス計算機21等から構成される。
監視操作盤17は、プラント全体の運転状態を表示したり、原子炉の圧力、熱出力、発電機の出力等を表示したり、プラントに含まれる各系統の運転状況等を表示したりするプラント監視表示画面、プラントに含まれる系統や機器等の操作手段、例えば、プラントに含まれる系統や機器をオン・オフ動作させるスイッチ、系統の選択スイッチ、スクラムボタン、調整ダイヤル等を有している。
ここで、監視制御盤とは、筺体の中に、電源回路や各種計装ユニット等を格納したものである。
プロセス計算機21は、常用系監視制御装置18、安全系監視制御装置20から出力された各機器の状態、例えば、温度、圧力、流量、弁の開度、ポンプの回転速度等を示す信号を、前記した監視操作盤17のプラント監視表示画面に現在の状態を表示するように処理したり、前記例示した各機器の状態を示す信号のトレンドを表示すように処理したりする。
その他に、プロセス計算機21は、常用系監視制御装置18、および安全系監視制御装置20から監視制御ネットワーク100に出力された各機器のオン、オフ信号、警報信号等を処理し、監視操作盤17の警報機能を動作させたり、プロセス計算機21に含まれている、例えば、ハードディスクを用いた記憶装置に各機器の動作ログおよび警報ログの記録をしたりする。
なお、監視制御情報には、その情報の種類を示す識別子、その監視制御情報の発生日時時刻を示す時刻情報が付加されている。
一方向ゲートウェイ201は、図2に示すように、通信インタフェース223、中央演算処理装置224、記憶装置225,226、バス227、通信インタフェース228等を含んで構成されている。記憶装置225は、例えば、ROMで構成され、通信読込プログラム225a、通信出力プログラム225b、ファイアウォールプログラム225cが格納されており、中央演算処理装置224において通信読込プログラム225a、通信出力プログラム225b、ファイアウォールプログラム225cを実行することにより、監視制御ネットワーク100から一方向ゲートウェイ出力側ネットワーク101へのみ、かつ、監視制御ネットワーク100上を流れる前記した監視制御情報のうち予め選択設定されたもののみが一定周期でプラント情報サーバ202に一方向ゲートウェイ出力側ネットワーク101を介して伝送される。
監視制御ネットワーク100からの信号は、通信インタフェース223により取り込まれる。中央演算処理装置224は、取り込んだ信号を、通信読込プログラム225aを実行してデータ化し、バス227を介して記憶装置226に上書き保存する。また、中央演算処理装置224は、通信出力プログラム225bを実行することにより、記憶装置226内部のデータのうち予め設定された監視制御情報のみのデータを一定周期で、通信インタフェース228に出力する。このような動作により、監視制御ネットワーク100の監視制御情報のうち、予め設定されたものがプラント情報サーバ202へ伝送される。
プラント情報サーバ202は、図3に示すように、通信インタフェース231,238、中央演算処理装置232、RAM233、記憶装置235,236、バス237等を含んで構成されている。記憶装置235は、例えば、ハードディスクを用いた記憶装置で構成され、通信読込プログラム235a、通信出力管理プログラム235bが格納されており、中央演算処理装置232において通信読込プログラム235a、通信出力管理プログラム235bを実行する。中央演算処理装置232は、通信読込プログラム235aを実行して、一方向ゲートウェイ201から一定周期で通信インタフェース231を介して監視制御情報が入力される毎にそれを読み込み、監視制御情報の種類を示す識別子に応じて分類し、監視制御情報の種類に応じてそれぞれに予め設定された一定の時間の過去のデータを履歴として記憶装置236に上書き保存する。つまり、監視制御情報をリアルタイムで収集する。
記憶装置236は、例えば、ハードディスクを用いた記憶装置である。
次に、図4から図7を参照しながらシンクライアントサーバ203とシンクライアント端末207,211、その他のシンクライアント端末213、PDA209について説明する。
シンクライアントサーバ203は、図4に示すように、通信インタフェース241,248、中央演算処理装置242、RAM243、記憶装置245,246、バス247等を含んで構成されている。記憶装置245は、例えば、ハードディスクを用いた記憶装置で構成され、認証情報データベース245a、監視用プログラム245b、運転・保守データ管理用プログラム245cが格納されており、中央演算処理装置242において監視用プログラム245b、運転・保守データ管理用プログラム245cを実行する。
ここで、監視用プログラム245bは、アプリケーションプログラムの一つであり、例えば、後記するユーザIDテーブル245e(図6の(b)参照)により監視制御情報のデータの種類に応じたアクセス権限を判定し、許可された監視制御情報をシンクライアント端末207,211、その他のシンクライアント端末213、PDA209に送信する。
ちなみに、前記した監視制御情報には、後記する図7で説明するような機器の状態データ、系統パラメータのトレンド等も含まれる。
運転・保守データ管理用プログラム245cは、記憶装置245に格納された図示しないデータベースとして、特開2008−191725号公報の図1に記載されている設備情報DB(データベース)、図面DB、保全管理DB、工事・作業件名DB、要領書DB、報告書DB、作業者DB、器材管理DB、工具管理DB、計器管理DB、試験装置管理DBと同様な情報を利用できるように構成されている。そして、運転・保守データ管理用プログラム245cは、特開2008−191725号公報の図1に記載されている設備管理サーバ計算機、作業管理サーバ計算機、現場保守支援サーバ計算機、工具・器材管理サーバ計算機、計器・試験装置管理サーバ計算機の機能(特開2008−191725号公報の図4〜図6参照)を有している。
ちなみに、運転・保守データ管理用プログラム245cや前記した運転・保守データ管理用プログラム245cが利用できる各データベースを有することで、プラントの監視システム301は、特許請求の範囲に記載の「原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム」でもある。
ちなみに、RAM256Aは、中央演算処理装置252がデータ処理する場合の一般的に主メモリといわれるものであり、RAM256Bは表示部261にデータ表示するときに用いられるいわゆるVRAMといわれるメモリである。
また、シンクライアント端末207,211、その他のシンクライアント端末213は、ハードディスク、CD、DVD等の記録媒体を用いた書き込み可能な不揮発の記憶装置または記録装置を有しない。
記憶装置255は、例えば、ROMを用いた記憶装置で構成され、OSプログラム255a、端末制御プログラム255b、通信操作用プログラム255c、端末ID(端末識別情報)255dが格納されており、中央演算処理装置252においてOSプログラム255a、端末制御プログラム255b、通信操作用プログラム255cを実行する。
ここで、端末ID255dが特許請求の範囲に記載の「シンクライアントサーバを、イーサネットを介して遠隔操作するデータ」に対応する。
なお、PDA209の構成において、ICカードリーダ263の代わりにICタグリーダと接続するようにし、現場作業員等が携帯する個人IDカードに内蔵されたICタグの情報を読み取ったり、放射線管理区域内の現場305において、保守点検対象の機器、例えば、弁や現場制御盤、現場電源盤等に貼付された識別用のICタグを読み取ったりすることが可能にしても良い。
「カードID」と表示の欄には、データ名245pのデータに対してアクセスが許可されるカードID245rが、単数または複数記録されている。このカードID245rは、前記した認証用ICカード265に記録されているものである。
また、図6の(c)に示すように端末IDテーブル245fは、シンクライアントサーバ203にアクセスを許可する端末ID255d、端末ID255dに使用を許可するアプリケーションプログラム245uが、端末ID255dに対応されて格納されている。
図6の(d)に示すようにカードIDテーブル245gには、シンクライアントサーバ203にアクセスを許可するカードID245rが格納されている。
このように認証情報データベース245aが構成されており、シンクライアントサーバ203に通信接続してきたシンクライアント端末207,211,213やPDA209から送信されてきたユーザID245q、カードID245r、端末ID255dに応じて接続を許可したり、拒否したり、使用を許可するアプリケーションプログラム245u選択可能とする。図4の例では、監視用プログラム245b、運転・保守データ管理用プログラム245cがアプリケーションプログラム245uの具体例である。
先ず、認証手順について説明する。シンクライアント端末207がユーザによって起動されると、OSプログラム255a上で動作するアプリケーションソフトである端末制御プログラム255bが起動し、認証用ICカード265のICカードリーダ263への挿入を要求し、次いで、入力部259を用いてのユーザID245qおよびパスワード245tの入力を要求する。端末制御プログラム255bは、入力されたユーザID245qおよびパスワード245tと、シンクライアント端末207の記憶装置255に記憶されている端末ID255dと、認証用ICカード265に記録されているカードID245rとが、認証用ICカード265に記憶されている前記したユーザID245qと、そのユーザID245qに対応するパスワード245tと、認証用ICカード265のカードID245rと、端末ID255dとの組み合わせに含まれるかチェックし、含まれる場合は、ログインを許可する。前記組み合わせに含まれない場合は、ユーザID245qまたはパスワード245tの誤入力と判定して、ユーザID245qおよびパスワード245tの再入力を促し、その再入力が3回目の場合は、不正なログインとして、ログイン処理を終了する。
その後、シンクライアントサーバ203は、例えば、認証されたユーザID245qに応じて、記憶装置245に格納されているシンクライアント端末207に対して使用を許可するアプリケーションプログラムを、ユーザIDテーブル245e(図6の(b)参照)にもとづいてシンクライアント端末207から遠隔操作可能に設定する。ここでは、アプリケーションプログラムとして監視用プログラム245bと運転・保守データ管理用プログラム245cが提供可能になっている。
ここでは、メインメニュー画面52にユーザが許可されている運転・保守データ管理用プログラム245cに切り替え可能なように「運転・保守管理メニュー」のアイコンボタン52dも表示されている。もし、ユーザに運転・保守データ管理用プログラム245cの利用の権限がない場合は、このアイコンボタン52dは、非表示状態になる。
なお、系統・機器の一覧は複数ページに渡るため、当該機器が表示ページに存在しない場合は、ページ戻りボタン66、ページ送りボタン67をクリックして表示ページを変更する。
そして、選択したい系統の機器をポインタ63で指定してクリックして選択色に変化さ
せた後、選択ボタン61をクリックして、系統の機器の選択が終了し、選択された機器を示す信号が、シンクライアント端末207から暗号化されてシンクライアントサーバ203に送信される。
許可されたものでない場合は、「このデータは許可されていません。」とのメッセージをシンクライアント端末207の表示部261に表示させるように送信する。
なお、機器監視画面56には、メインメニュー戻りボタン65の他に、機器監視メニュー画面53に戻るためのアイコンボタンである詳細メニュー戻りボタン68が用意されている。
なお、系統・パラメータの一覧は複数ページに渡るため、当該機器が表示ページに存在しない場合は、ページ戻りボタン66、ページ送りボタン67をクリックして表示ページを変更する。
そして、選択したい系統パラメータをポインタ63で指定してクリックして選択色に変化させた後、選択ボタン61をクリックして、系統パラメータの選択が終了し、選択された系統パラメータを示す信号が、シンクライアント端末207から暗号化されてシンクライアントサーバ203に送信される。
許可されたものでない場合は、「このデータは許可されていません。」とのメッセージをシンクライアント端末207の表示部261に表示させるように送信する。
なお、トレンド監視画面57には、メインメニュー戻りボタン65の他に、トレンド監視メニュー画面54に戻るためのアイコンボタンである詳細メニュー戻りボタン69が用意されている。
なお、警報監視画面58には、メインメニュー戻りボタン65の他に、警報監視メニュー画面55に戻るためのアイコンボタンである詳細メニュー戻りボタン70が用意されている。
なお、保守点検のためにPDA209を用いてシンクライアントサーバ203の運転・保守データ管理用プログラム245cを遠隔操作して作業記録を記憶装置236に記憶させる詳細な方法については、公知の技術の応用であり、詳細な説明は省略する。
このとき、シンクライアントサーバ203におけるユーザIDの認証において同一のユーザIDであることが確認されれば、同一の環境およびアプリケーションプログラムが提供されるように、データアクセス許可テーブル245d(図6の(a)参照)を設定しておくと、ユーザは現場305と事務所307で異なるシンクライアント端末を使いながらも同一のシンクライアント端末を利用しているのと同じ利便性を得ることができる。
また、現場305における保守点検の作業記録も電子情報としてシンクライアントサーバ203の記憶装置236に蓄積されるので、従来のように記録用紙に作業記録を記載していた場合のような現場305から作業記録を持ち出すときの放射能汚染検査を行う必要がない。
また、放射線管理区域内の現場305から従来のように携帯型のパーソナルコンピュータを持ち出す必要がないので、放射能汚染検査を行う必要がなく、そのための放射能汚染検査作業も必要なくなる。
図8は、第1の実施形態における一方向ゲートウェイの変形例を示したものである。本変形例の一方向ゲートウェイ201Aは、2台のゲートウェイ201a、201bにより構成されている。一方向ゲートウェイ201と同じ構成については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。ちなみに、記憶装置225A,225Bのハード構成は一方向ゲートウェイ201における記憶装置225と同じである。
監視制御ネットワーク100からの信号は、ゲートウェイ201a内の通信インタフェース223により取り込む。中央演算処理装置224は、取り込んだ信号を記憶装置225A内に格納された通信読込プログラム225aを実行することによりデータ化し、バス227を介して記憶装置226に上書き保存する。また、中央演算処理装置224は、記憶装置225A内の送信専用プログラム225dを実行することにより、記憶装置226内のデータを一定周期で通信インタフェース228からゲートウェイ201bに送信する。
もしくは、ゲートウェイ201aの通信インタフェース228とゲートウェイ201bの通信インタフェース223に専用のハードウェア、つまり、専用の通信ボードを用いて、ゲートウェイ201aの通信インタフェース228を送信専用、ゲートウェイ201bの通信インタフェース223を受信専用とし、物理的に片方向通信としても良い。図8の一方向ゲートウェイ201Aは、図2の一方向ゲートウェイ201に比較して複雑な構成となるが、プラント情報サーバ202側からのデータの受信機能を削除してあり、より高い安全性を確保できる。
次に、図8の一方向ゲートウェイ201Aにおいて、ゲートウェイ201bをプラント情報サーバ202の機能を併せ持たせたものとする変形例について、図9を参照しながら、説明する。
図8における一方向ゲートウェイ201Aの代わりに、ゲートウェイ機能付きプラント情報サーバ201Bとし、ゲートウェイ機能付きプラント情報サーバ201Bは、ゲートウェイ201aとプラント情報サーバ202Aとから構成される。そして、本変形例におけるプラント情報サーバ202Aが、プラント情報サーバ202と異なる点は、記憶装置235Aに受信専用プログラム225eと通信出力管理プログラム235bを格納している点である。第1の実施形態または前記した一方向ゲートウェイ201Aと同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。ちなみに、記憶装置235Aのハード構成はプラント情報サーバ202における記憶装置235と同じである。また、ゲートウェイ201aの通信インタフェース228とプラント情報サーバ202Aの通信インタフェース231は、前記したイーサネット201cを用い、UDPをベースとした専用アプリケーションプログラム(図示せず)をゲートウェイ201aの記憶装置225A、プラント情報サーバ202Aの記憶装置235Aに格納することで容易に実現できる。
また、図10に示すように、プラント情報サーバ202を複数台としても良い。この場合、シンクライアントサーバ203もシンクライアントサーバ側ネットワーク103に複数台接続されることが好ましい。
そして、第1の実施形態における一方向ゲートウェイ201または変形例の一方向ゲートウェイ201Aからプラント情報サーバ202に送信される監視制御情報に対し、各プラント情報サーバ202に対して、予め設定された通信読込プログラム235aによって監視制御情報の種類を示す識別子に応じて、記憶装置236に記憶すべきものか否かを判定し、記憶する。このように記憶装置236に記憶させる監視制御情報をプラント情報サーバ202間で異なるものとすることによって、それぞれのプラント情報サーバ202に接続するシンクライアントサーバ203をユーザID、端末IDの有する監視制御情報の各種類へのアクセス権限や、ユーザIDおよび端末IDのグループによって割り当てる構成とすることができる。このような構成により、1台当たりのプラント情報サーバ202の負荷を低減できるとともに、ユーザの監視制御情報の種類に応じたアクセス権限毎にアクセスできるプラント情報を、管理し易くすることができる。
次に、図11を参照しながら第2の実施形態の原子力発電プラントの監視システム301Aについて説明する。
シンクライアントサーバ203のアプリケーションプログラムである監視用プログラム245bや運転・保守データ管理用プログラム245cで処理したデータやドキュメントを出力するニーズもある。図1に示したプラントの監視システム301の構成において、シンクライアントサーバ203や事務所307内のイーサネットワーク113Bに記録媒体書込み装置271、例えば、ハードディスクの記憶装置を有したパーソナルコンピュータや、専用プリンタ273を接続した構成としても良い。このような構成にして、記録媒体書込み装置271、専用プリンタ273の操作の最初に、例えば、暗証番号の入力または認証用ICカード265の挿入をユーザに求めて、暗証番号または認証用ICカード265に記録されているユーザID245q(図6の(b)参照)をシンクライアントサーバ203に送信する。そして、シンクライアントサーバ203側でその使用の権限を確認するとともに、操作ログを保存してどのようなデータがシンクライアントサーバ203から持ち出されたかトレースできるようにすることが望ましい。そのような技術は公知であり、例えば、特開2008−123070号公報に開示された技術であり、詳細な説明は省略する。
なお、その場合、認証情報データベース245a(図4参照)には、記録媒体書込み装置271、専用プリンタ273からのアクセス権限をチェックする端末ID、暗証番号や認証用ICカード265の情報等が予め登録されている。
図12を参照しながら第3の実施形態の原子力発電プラントの監視システム301Bについて説明する。図12に示した原子力発電プラントの監視システム301Bは、図1に示した第1の実施形態における原子力発電プラントの監視システム301の構成に対して、ユーザが共通に利用できるアプリケーションを実行可能な共通アプリケーションサーバ275を、プラント情報サーバ202とシンクライアントサーバ203と通信可能に接続して追加したものである。共通アプリケーションサーバ275は、プラント情報サーバ202から一定周期で予め設定されたデータを取得し、例えば、発電量や炉心熱出力等の主要パラメータのトレンド抽出等の多くのユーザが共通して利用するアプリケーションプログラムを実行してデータベース275aに蓄積していく。ユーザは、シンクライアントサーバ203を介して共通アプリケーションサーバ275のデータベース275aに蓄積されたデータを要求し、その他のシンクライアント端末213でそのデータを表示させる。共通アプリケーションサーバ275やデータベース275aを付加することにより、多くのユーザがシンクライアントサーバ203に重複してアクセスしたとき、シンクライアントサーバ203自身は、発電量や炉心熱出力等の主要パラメータのトレンド抽出等の多くのユーザが共通して遠隔操作して利用するアプリケーションプログラムや大きなデータを同時に保存する必要がなくなり、シンクライアントサーバ203の負荷を低減できる。
100 監視制御ネットワーク
113A,113B、113C イーサネット(シンクライント端末用のネットワーク)
115 広域ネットワーク
201,201A 一方向ゲートウェイ
201B ゲートウェイ機能付きプラント情報サーバ
201a,201b ゲートウェイ
201c イーサネット
202,202A プラント情報サーバ
203 シンクライアントサーバ
204 VPNコンセントレータ
207 シンクライアント端末(第1のシンクライアント端末)
208 無線端末
209 PDA
211 シンクライアント端末(第2のシンクライアント端末)
213 シンクライアント端末(その他のシンクライアント端末)
225,225A,225B 記憶装置
225a 通信読込プログラム
225b 通信出力プログラム
225c ファイアウォールプログラム
225d 送信専用プログラム
225e 受信専用プログラム
235b 通信出力管理プログラム
245a 認証情報データベース
245b 監視用プログラム
245c 運転・保守データ管理用プログラム
245d データアクセス許可テーブル
245u アプリケーションプログラム
255 記憶装置
255a OSプログラム
255b 端末制御プログラム
255c 通信操作用プログラム
259 入力部
261 表示部
263 ICカードリーダ
265 認証用ICカード
271 記録媒体書込み装置
273 専用プリンタ
275 共通アプリケーションサーバ
275a データベース
301,301A,301B 原子力発電プラントの監視システム(原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム)
303 中央制御室
305 現場(放射線管理区域内)
307 事務所(放射線管理区域外)
Claims (11)
- 原子力発電プラントを監視および制御するプラント監視制御装置が接続された監視制御ネットワークと、
前記プラント監視制御装置から出力される前記原子力発電プラントの監視制御情報を、前記監視制御ネットワークを介して収集するプラント情報サーバと、
前記プラント情報サーバによって収集される監視制御情報のうち所望のデータを前記プラント情報サーバから受信して処理するプログラムを内蔵したシンクライアントサーバと、
前記原子力発電プラントの放射線管理区域内に設置され、前記シンクライアントサーバを、前記監視制御ネットワークと異なるシンクライント端末用のネットワークを介して遠隔操作するプログラムおよびデータのみを格納する第1のシンクライアント端末と、
前記原子力発電プラントの放射線管理区域外に設置され、前記シンクライアントサーバを、前記シンクライント端末用のネットワークを介して遠隔操作するプログラムおよびデータのみを格納する第2のシンクライアント端末と、
前記監視制御ネットワークを前記プラント情報サーバに接続する一方向ゲートウェイと、を備え、
前記一方向ゲートウェイは、
前記監視制御ネットワークに接続された第1の通信インタフェースと、前記プラント情報サーバとの間をつなぐネットワークに接続された第2の通信インタフェースと、中央演算処理装置と、記憶装置と、を含んで構成され、
前記中央演算処理装置は、
前記監視制御ネットワークから前記第1の通信インタフェースに取り込まれた信号をデータ化し、前記監視制御情報として前記記憶装置に格納する第1の処理と、
前記記憶装置に格納されている監視制御情報のうち予め定められた特定のデータを一定周期で前記第2の通信インタフェースへ出力し、前記プラント情報サーバへ伝送する第2の処理と、
前記プラント情報サーバから送信され、前記第2の通信インタフェースに取り込まれたデータの自らへの取り込みを遮断する第3の処理と、
を実行すること
を特徴とする原子力発電プラントの監視システム。 - 前記プラント情報サーバは、複数備えられるとともに、前記監視制御ネットワークからそれぞれのプラント情報サーバに対して予め設定された前記監視制御情報が、前記一方向ゲートウェイを介して送信され、
第1のシンクライアント端末および第2のクライアント端末の少なくとも端末識別情報に応じて前記シンクライアントサーバが接続するプラント情報サーバを切替えることを特徴とする請求項1に記載の原子力発電プラントの監視システム。 - 更に、前記プラント情報サーバに接続され、予め設定した前記監視制御情報を受信して処理するプログラムと処理結果を格納する記憶手段を有する共通アプリケーションサーバを備え、
該共通アプリケーションサーバは、シンクライアントサーバ、第1のシンクライアント端末および第2のクライアント端末を接続先として少なくとも含む中の予め設定されたものに対して前記処理結果を送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子力発電プラントの監視システム。 - 前記シンクライアントサーバまたは前記共通アプリケーションサーバに、前記プラント監視制御装置の監視画面と同様の表示形式および前記監視画面の操作方法で監視制御情報を表示するエミュレーションプログラムを格納したことを特徴とする請求項3に記載の原子力発電プラントの監視システム。
- 前記シンクライアントサーバ、前記共通アプリケーションサーバ、前記プラント情報サーバおよび前記一方向ゲートウェイを、個人識別情報に基づき入退域管理された前記原子力発電プラントの防護区域内の中央制御室内に設置することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の原子力発電プラントの監視システム。
- 更に、前記シンクライアントサーバと前記シンクライント端末用のネットワークを介して接続された専用プリンタまたは記録媒体書込み装置を備え、
前記専用プリンタは、前記シンクライアントサーバに蓄積された前記監視制御情報を印刷出力する機能を有するとともに、個人識別情報または暗証番号により印刷出力を制限する機能、または出力ログを保存する機能を有し、
前記記録媒体書込み装置は、前記シンクライアントサーバに蓄積された前記監視制御情報を出力記録する機能を有するとともに、個人識別情報または暗証番号により前記出力記録を制限する機能、または出力ログを保存する機能を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の原子力発電プラントの監視システム。 - 原子力発電プラントを監視および制御するプラント監視制御装置が接続された監視制御ネットワークと、
前記プラント監視制御装置から出力される前記原子力発電プラントの運転・保守情報を、前記監視制御ネットワークを介して収集するプラント情報サーバと、
前記プラント情報サーバによって収集される運転・保守情報のうち所望のデータを前記プラント情報サーバから受信して処理するプログラムを内蔵したシンクライアントサーバと、
前記原子力発電プラントの放射線管理区域内に設置され、前記シンクライアントサーバを、前記監視制御ネットワークと異なるシンクライント端末用のネットワークを介して遠隔操作するプログラムおよびデータのみを格納する第1のシンクライアント端末と、
前記原子力発電プラントの放射線管理区域外に設置され、前記シンクライアントサーバを、前記シンクライント端末用のネットワークを介して遠隔操作するプログラムおよびデータのみを格納する第2のシンクライアント端末と、
前記監視制御ネットワークを前記プラント情報サーバに接続する一方向ゲートウェイと、を備え、
前記一方向ゲートウェイは、
前記監視制御ネットワークに接続された第1の通信インタフェースと、前記プラント情報サーバとの間をつなぐネットワークに接続された第2の通信インタフェースと、中央演算処理装置と、記憶装置と、を含んで構成され、
前記中央演算処理装置は、
前記監視制御ネットワークから前記第1の通信インタフェースに取り込まれた信号をデータ化し、前記運転・保守情報として前記記憶装置に格納する第1の処理と、
前記記憶装置に格納されている運転・保守情報のうち予め定められた特定のデータを一定周期で前記第2の通信インタフェースへ出力し、前記プラント情報サーバへ伝送する第2の処理と、
前記プラント情報サーバから送信され、前記第2の通信インタフェースに取り込まれたデータの自らへの取り込みを遮断する第3の処理と、
を実行すること
を特徴とする原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム。 - 前記プラント情報サーバは、複数備えられるとともに、前記監視制御ネットワークからそれぞれのプラント情報サーバに対して予め設定された前記運転・保守情報が、前記一方向ゲートウェイを介して送信され、
第1のシンクライアント端末および第2のクライアント端末の少なくとも端末識別情報応じて前記シンクライアントサーバが接続するプラント情報サーバを切替えることを特徴とする請求項7に記載の原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム。 - 更に、前記プラント情報サーバに接続され、予め設定した前記運転・保守情報を受信して処理するプログラムと処理結果を格納する記憶手段を有する共通アプリケーションサーバを備え、
該共通アプリケーションサーバは、シンクライアントサーバ、第1のシンクライアント端末および第2のクライアント端末を接続先として少なくとも含む中の予め設定されたものに対して前記処理結果を送信することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム。 - 前記シンクライアントサーバ、前記共通アプリケーションサーバ、前記プラント情報サーバおよび前記一方向ゲートウェイを、個人識別情報に基づき入退域管理された前記原子力発電プラントの防護区域内の中央制御室内に設置することを特徴とする請求項9に記載の原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム。
- 更に、前記シンクライアントサーバと前記シンクライント端末用のネットワークを介して接続された専用プリンタまたは記録媒体書込み装置を備え、
前記専用プリンタは、前記シンクライアントサーバに蓄積された前記運転・保守情報を印刷出力する機能を有するとともに、個人識別情報または暗証番号により印刷出力を制限する機能、または出力ログを保存する機能を有し、
前記記録媒体書込み装置は、前記シンクライアントサーバに蓄積された前記運転・保守情報を出力記録する機能を有するとともに、個人識別情報または暗証番号により前記出力記録を制限する機能、または出力ログを保存する機能を有することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の原子力発電プラントの運転・保守データ管理システム。
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