JP5597937B2 - 太陽光発電システム - Google Patents
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Description
太陽電池パネルからの出力はDCであるため、DC/ACインバータ回路16を介して、商用の系統電源17に接続する。太陽電池システムの中において、インバータ回路16と商用の系統電源17は、電気的負荷18の役割を担っているとみなすことができる。
[従来技術1]
図12は、図11の太陽光発電システムから高効率な電力を得るために一般的に用いられている山登り法と呼ばれる最大電力点追従制御法のフローチャートである。以下、最大電力点追従制のことをMPPT制御(Maximum Power Point Tracking)と呼ぶ。まず、初期の太陽電池パネル特性の出力設定値として昇圧チョッパ2を動作させて太陽電池パネルの出力電圧V(k-1)を測定する。同時に、太陽電池パネルの出力電圧値に応じて出力される太陽電池出力電流I(k-1)を測定する。プロセッサ14は、出力電圧V(k-1)と出力電流I(k-1)とを乗算して、太陽電池パネルの出力電力P(k-1)を算出し,メモリーに記憶させておく。次に、出力電圧V(k-1)より所定量大きい電圧V(k)に設定するよう昇圧チョッパ2を動作させ、同様に、太陽電池出力電流I(k)の測定と太陽電池パネルの出力電力P(k)の算出を行い、メモリに記憶させておく。記憶させた出力電力P(k-1)とP(k)を比較し、電力量が異なっていれば、次のフローに入る。P(k-1)よりもP(k)の方が大きい値であれば、P(k)をP(k-1)として、新しく記憶させ、この新しく記憶されたP(k-1)を算出するために測定した時の通流率D(k-1)に対して、通流率をαシフトしたものを通流率D(k)として更新する。更新された通流率D(k)によって、測定、算出された新しい出力電力P(k)と先ほどほど記憶したP(k-1)の比較を行うことで、電力P(k-1)とP(k)の比較動作に戻る。逆に、P(k)よりもP(k-1)の方が大きい値であれば、P(k-1)の記憶を保持したまま、このP(k-1)を算出するために測定した時の通流率D(k-1)に対して、通流率を-αシフトしたものを通流率D(k)として更新する。更新された通流率D(k)によって、測定、算出された新しい出力電力P(k)と記憶を保持しているP(k-1)の比較を行うことで、電力P(k-1)とP(k)の比較動作に戻る。あとは、この一連の操作を繰り返す。
[従来技術2]
図14に示すように、太陽電池パネルに部分陰が差し掛かると、太陽電池の電圧-電力特性に複数の極値を持つことがある。この場合、山登り法では、局所解が実動作点となり、電力効率が落ちる可能性があるので、山登り法以外にも多くのMPPT制御アルゴリズムが提案されている。最大電力点への追従を行っても、最大電力でない小さい山の極大値を回避するようなMPPT制御アルゴリズムの先行文献として、例えば、特許文献1があり、最適化問題である遺伝的アルゴリズムを導入したMPPT制御を行っている。
[従来技術3]
山登り法を用いたMPPT制御アルゴリズムの他に、簡単で扱いやすいアルゴリズムであるために良く用いられるのが、電圧追従法と呼ばれるものがある。電圧追従法とは、太陽電池の開放電圧とMPPとなる動作電圧の関係が比例関係にあることを利用した手法である。開放電圧Vocとは、太陽電池の出力電圧が流れなくなる出力電圧のことであり、電圧-電流特性においては、図13中に示すような電力0となる電圧のことを示す。図15のように、日射量や温度といった周囲環境の変動により、太陽電池特性が変化し、MPPが変化した場合、開放電圧Vocも変化する。ここで、MPPとなる動作電圧と開放電圧Vocは、ほぼ比例関係にあることが分かっている。したがって、電圧追従法は、定期的に太陽電池パネルの出力電流が0になる電圧をモニターし、そのモニターした電圧に比例定数を掛けた電圧で動作するように、通流率を制御するようなアルゴリズムである。この電圧追従法を用いたMPPT制御アルゴリズムに関しも、非特許文献1に記載されており、Fractional_Vocという名前で紹介されている。
(i) 周囲環境の急激な変化に対する応答を向上する
(ii) 複数の極大値が発生する場合において、MPPではない局所解での動作することを解決する2点を目的に、太陽光発電システムの発電効率を向上するシステム構成と制御方法を提供することにある。
(i)太陽電池の出力電圧と出力電流の検出手段と、
前記検出手段の結果をフィードバックすることによって太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく制御信号を生成する信号生成手段1と、
日射量や温度といったパラメータを計測する周囲環境計測する手段と、
前記周囲環境計測する手段の結果から前記太陽電池の電力値が最大となる条件を算出する演算手段と、
前記演算手段の算出した条件となるように太陽電池の動作を制御する信号を生成する信号生成手段2と、
前記信号生成手段1と前記信号生成手段2から送信される制御信号のいずれか一方を選択する手段と、
選択された制御信号を用いて、次の前記太陽電池の出力を動作させる制御手段を有する太陽光発電システム。
(ii)太陽電池の出力電圧と出力電流の検出手段と、
前記検出手段の結果をフィードバックし、あるアルゴリズムに従って太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく追従手段1と、
前記追従手段1と別のアルゴリズムに従って太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく追従手段2と、
日射量や温度といったパラメータを計測する周囲環境計測する手段と、
前記周囲環境計測する手段の結果から前記太陽電池の最大出力電力値を算出する演算手段と、
前記追従手段1と検出手段によって得られる電力と前記演算手段によって得られた電力を比較し、その比較結果に応じて、
前記追従手段1か前記追従手段2のいずれか一方を選択する手段を有する太陽光発電システム。
(iii)太陽電池1の出力電圧と出力電流の検出手段と、
前記検出手段の結果をフィードバックし、あるアルゴリズムに従って太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく追従手段1と、
前記追従手段1と別のアルゴリズムに従って太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく追従手段2と、
前記太陽電池とは別の太陽電池2の出力電圧と出力電流の検出手段と、
前記太陽電池1の検出手段によって得られる電力と前記太陽電池1の検出手段によって得られる電力を比較し、その比較結果に応じて、
前記追従手段1か前記追従手段2のいずれか一方を選択する手段を有する太陽光発電システム。
I = Iph - Io × exp{q・{(V+I・Rs)/(N・k・T)} - Ish …… (1)
Io = Co・T3・exp{−(q・Eg)/(n・k・T)} …… (2)
で表すことができる。ここで、各記号の意味は以下の通りである。
I : 出力電流
Iph : 日射量に比例した電流
Ish : 漏れ電流
V : 出力電圧
Rs : 直列抵抗
n : 接合定数
k : ボルツマン定数
T : 温度
Co: 飽和電流の温度係数
q : 素荷量
Eg: エネルギーギャップ
k、q、Egは、一定値であり、n、Coは、太陽電池デバイス特性で左右され、デバイスパラメータとして管理される値である。Rs :直列抵抗は、太陽電池セルの測定により判明する値である。これらのパラメータと太陽電池デバイスの静特性から開放電圧、短絡電流、MPP時の出力電流、出力電圧から、連立方程式を解いて、Ishが定まると、式(1)をI、Iph、V、Tをパラメータとした式で表すことができる。n、Coなどの太陽電池セルのデバイス特性で不明なものがある場合でもニュートン法などを適用することで、式(1)をI、Iph、V、Tをパラメータとした式で表すことができる。但し、この式(1)の簡略化は、太陽電池デバイス特性のばらつき範囲の誤差は残る。
図5は、本発明の実施例2に係る太陽光発電システムのフローチャートであり、この図を参照しながら説明する。通常のMPPT制御と同様に、昇圧チョッパ2を動作させ、太陽電池パネルからの出力電圧、出力電流をセンシングして、演算部24内のメモリに記憶する。このセンシングするタイミングと同期して、計測手段23にて、日射量と温度を計測し、その計測した情報を同様に、演算部24内のメモリに取り込む。ここで、取り込まれた出力電圧、出力電流に関しては、出力電力値を算出し、前に記憶された電力値と比較演算を行い、電力値が大きい方を電力1として記憶しておき、その時の通流率1を設定する。この通流率1を設定するまでの制御がMPPT1である。この動作と同時に、取り込まれた日射量と温度から、この環境での最大電力の理論値、電力2を設定する。次に、電力1と電力2の値を比較する。ここで、太陽電池に対する部分陰の影響が少ない場合は、電力1≒電力2であるため、通流率1を優先させる。逆に、太陽電池の対する部分陰の影響が大きい場合、電力2よりも電力1は、著しく小さくなるので、山登り法のような部分陰に対応していない制御方法であるMPPT1から、応答が悪くても部分陰に対応することが可能な遺伝的アルゴリズムに代表されるようなMPPT2に切り替え、このMPPT2で設定される通流率2を次のセンシングにおける通流率として選択する。
PV4: 太陽電池モジュール、 RF: Radio Frequency、 IF: インターフェイス
Claims (11)
- 太陽電池の出力電圧と出力電流の検出手段と、
前記検出手段の結果をフィードバックすることによって太陽電池の電力値が最大となる
ような条件を追従していく制御信号を生成する信号生成手段1と、
日射量および気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段と、
前記周囲環境計測する手段の結果から前記太陽電池の電力値が最大となる条件を算出する演算手段と、
前記演算手段の算出した条件となるように太陽電池の動作を制御する信号を生成する信号生成手段2と、
前記検出手段の結果に基づき算出した条件と前記演算手段の算出した条件とを比較した結果に基づき、前記信号生成手段1と前記信号生成手段2から送信される制御信号のいずれか一方を選択する手段と、
選択された制御信号を用いて、次の前記太陽電池の出力を動作させる制御手段を有し、
前記演算手段は、前記日射量および前記気温のパラメータを用いて、前記太陽電池のデバイス特性から抽出された特性式に基づく演算が行われ、
前記制御手段は、PWM制御で電圧が可変される昇圧チョッパ回路であり、前記信号生成手段1と前記信号生成手段2から送信される制御信号は、昇圧チョッパ制御する波形の通流率に依存した制御信号であることを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項1に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記信号生成手段1は、
太陽電池の出力を順次動作させ、電力値が大きい前記太陽電池の出力条件を次の基準条件として設定し、以後この順次動作を繰り返すことで太陽電池の出力が最大となるような条件に追従していくことを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項1に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記日射量および前記気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段と離れた所に置かれた別の日射量および気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段2を用いて、前記周囲環境計測する手段の計測結果と前記周囲環境計測する手段1の計測結果を比較することによって、前記周囲環境計測する手段が正常であるかどうかを判断することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項1に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記日射量および前記気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段と、前記周囲環境計測する手段の結果から前記太陽電池の電力値が最大となる条件を算出する演算手段の送信は無線に行われることを特徴とする太陽光発電システム。 - 太陽電池の出力電圧と出力電流の検出手段と、
前記検出手段の結果をフィードバックし、あるアルゴリズムに従って太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく追従手段1と、
前記追従手段1と別のアルゴリズムに従って太陽電池の電力値が最大となるような条件を追従していく追従手段2と、
日射量および気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段と、
前記周囲環境計測する手段の結果から前記太陽電池の最大出力電力値を算出する演算手段と、
前記追従手段1と検出手段によって得られる電力と前記演算手段によって得られた電力を比較し、その比較結果に応じて、前記追従手段1か前記追従手段2のいずれか一方を選択する手段を有し、
前記追従手段1は、前記太陽電池の出力電圧もしくは、前記太陽電池の動作を制御するPWM制御の通流率を等間隔に順次動作させ、電力値が大きい前記太陽電池の出力条件を次の基準条件として設定し、以後この順次動作を繰り返すことで太陽電池の出力電力値が最大となるような条件に追従し、
前記追従手段2は、前記太陽電池の出力電圧もしくは、前記太陽電池の動作を制御するPWM制御の通流率を最適化手法によって演算された間隔で順次動作させ、電力値が大きい前記太陽電池の出力条件を次の基準条件として設定し、以後この動作を繰り返すことで太陽電池の出力が最大となるような条件に追従していくことを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項5に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記追従手段2において、順次動作を行う際の間隔を決定する最適化手法は、一変数探索手法によって定められた間隔であることを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項6に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記一変数探索手法は、黄金分割探索であることを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項6に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記一変数探索手法は、フィボナッチ探索であることを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項5に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記追従手段2において、順次動作を行う際の間隔を決定する最適化手法は、遺伝的アルゴリズムによって定められた間隔であることを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項5に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記日射量および前記気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段と離れた所に置かれた別の日射量および気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段2を用いて、前記周囲環境計測する手段の計測結果と前記周囲環境計測する手段1の計測結果を比較することによって、前記周囲環境計測する手段が正常であるかどうかを判断することを特徴とする太陽光発電システム。 - 請求項5に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記日射量および前記気温のパラメータを計測する周囲環境計測する手段と、前記周囲環境計測する手段の結果から前記太陽電池の最大電力値を算出する演算手段の送信は無線に行われることを特徴とする太陽光発電システム。
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