JP5597754B2 - 粘着テープの乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状のテープ基材上に粘着層の形成された粘着テープを製造すべく、テープ基材に塗布された下塗剤や粘着剤を乾燥させるための粘着テープの乾燥装置に関する。
従来から、帯状のテープ基材上に粘着層の形成された粘着テープとして、医療用や事務用等といった用途に応じたものが提供されている。
これらの粘着テープは、用途に応じてテープ基材や粘着層の素材や組成が異なるが、何れもテープ基材に塗布した下塗剤や粘着剤等の塗布剤を乾燥させる乾燥工程を経て製造されている。
すなわち、粘着テープは、テープ基材に直接塗布した流動性のある粘着剤を乾燥させることで、粘着剤がテープ基材に直接的に定着した粘着層になっていたり、テープ基材に塗布した下塗剤を乾燥させ、乾燥した下塗剤上に塗布した流動性のある粘着剤を乾燥させることで、粘着剤が下塗剤を介してテープ基材に間接的に定着した粘着層になっていたりしている。
そのため、粘着テープの製造設備は、テープ基材に塗布した下塗剤や粘着剤等の塗布剤を乾燥させるための乾燥装置を備えている。かかる乾燥装置は、一般的に、部屋(乾燥室)を画定する筐体と、該筐体(乾燥室)内でテープ基材を長手方向で直線状に搬送する搬送手段と、搬送中のテープ基材、又は該テープ基材上の塗布剤に熱風を吹き付けるように構成された熱風発生手段とを備えている。すなわち、乾燥装置は、真っ直ぐ延びる搬送経路上でテープ基材を長手方向に搬送しつつ該テープ基材又は該テープ基材上の塗布剤に熱風を吹き付けるようになっている。
そして、この種の乾燥装置は、搬送中のテープ基材又は該テープ基材上の塗布剤に熱風を吹き付けて塗布剤を乾燥させるため、塗布剤の乾燥に必要な乾燥時間(熱風を吹き付ける時間)を確保できるように、テープ基材の搬送速度及び搬送経路の長さが設定されている。これにより、上記構成の乾燥装置は、乾燥室内におけるテープ基材の搬送過程で塗布剤の乾燥が完了するようになっている(特許文献1参照)。
特開2001−354927号公報
ところで、塗布剤の乾燥工程(時間)は、塗布剤を予熱する予熱期間と、塗布剤に含まれる溶媒を該塗布剤の表面から除去する恒率乾燥期間と、テープ基材上に定着した塗布剤に含まれる(残存する)溶媒を拡散させ、該塗布剤内の溶媒量を規定値にまで減少させる減率乾燥期間とに区分される。前記恒率乾燥期間は、塗布剤に含まれる溶媒が多い状態にあるため、多くの溶媒を効率的に除去できる期間であり、比較的短時間である。これに対し、減率乾燥期間は、恒率乾燥期間で多くの溶媒が除去され、塗布剤に含まれる溶媒が少ない状態にあるため、微量の溶媒を徐々にしか除去できない期間であり、予熱期間や恒率乾燥期間に比して非常に長時間である。
そのため、医療用の粘着テープのように塗布剤(例えば、粘着剤)に含まれる溶媒量等の許容値が厳密に設定され、その許容値が低い値に設定されているものを製造する場合、減率乾燥期間が長時間になる結果、乾燥工程に長時間を要することになる。
そうすると、従来の乾燥装置で上述のような粘着テープを製造する(塗布剤を乾燥させる)には、長時間の乾燥時間を確保するのにテープ基材の搬送経路の長さを非常に長くしなければならず、装置全体が大型化するといった問題がある。
すなわち、前記乾燥装置は、テープ基材の搬送速度を遅くしたり搬送経路を長くしたりすることで乾燥時間を長期化することが可能であるが、テープ基材の搬送速度を遅くすると粘着テープの生産量が少なくなってしまうため、粘着テープを量産する(所定の生産量で生産する)場合、搬送経路の長さを長くして必要な乾燥時間が確保される。
従って、従来の乾燥装置は、医療用の粘着テープのように塗布剤(例えば、粘着剤)に含まれる溶媒量等の許容値が厳密に設定され、その許容値が低い値に設定されているものを量産する場合、テープ基材を搬送する直線状の搬送経路の長さを非常に長くしなければならず、装置全体が大型化してしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、装置全体を大型化させることなくテープ基材上の塗布剤の乾燥を確実に行うことのできる粘着テープの乾燥装置を提供することを課題とする。
本発明に係る粘着テープの乾燥装置は、帯状のテープ基材上に粘着層の形成された粘着テープを製造すべく、テープ基材の少なくとも一方の面に塗布された粘着剤を乾燥させるための粘着テープの乾燥装置であって、長手方向に送られてくる長尺なテープ基材がスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回される筒状体を少なくとも二本備え、各筒状体は、隣り合う筒状体の相対角度を変更させて、該各筒状体の周壁上へのテープ基材の進入角度が可変となるように姿勢変更可能に設けられており、各筒状体は、粘着剤がテープ基材に対して外側になるように該テープ基材周回される周壁全周に内側から外側に向けて温風又は熱風を通気させる多数の通気穴が形成されていることを特徴とする。
上記構成の粘着テープの乾燥装置によれば、筒状体は、粘着剤がテープ基材に対して外側になるように該テープ基材周回される周壁全周に内側から外側に向けて温風又は熱風を通気させる多数の通気穴が形成されているため、通気穴に温風又は熱風を通気させることで、筒状体の周壁上で周回させたテープ基材に温風又は熱風を吹き付けることができ、テープ基材上の塗布剤を乾燥させることができる。
また、上記構成の粘着テープの乾燥装置は、長手方向に送られてくる長尺なテープ基材がスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回される筒状体を備えているため、筒状体に周回させたテープ基材の先端側に引っ張り力を加えると、テープ基材が筒状体周りで螺旋状をなしたまま長手方向に移動する。すなわち、テープ基材は、螺旋状の軌道に沿って長手方向に移動する。
これにより、テープ基材の移動する搬送経路(軌道)が螺旋状となる結果、テープ基材の搬送経路の長さを一定長さの筒状体(筒状体の一端から他端までの長さ)よりも長くすることができる。従って、乾燥装置を必要以上に大型化させることなく、熱風を吹き付けることのできる機会を確保できるため、乾燥時間に長時間を要する粘着剤を採用した粘着テープの製造する場合でも、粘着剤を確実に乾燥させることができる。
さらに言えば、上記構成の粘着テープの乾燥装置は、テープ基材を筒状体の周壁に対してスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回させるため、筒状体の周壁に対する周回数を変更することでテープ基材の搬送経路の長さを変更することもできる。
また、上記構成の粘着テープの乾燥装置によれば、前記筒状体は、隣り合う筒状体の相対角度を変更させて、筒状体の周壁上へのテープ基材の進入角度が可変となるように姿勢変更可能に設けられているため、筒状体の周壁上で周回する(筒状体上に存在する)テープ基材の長さを変更することができる。すなわち、テープ基材の筒状体に対する巻き付け(周回)角度を変更することで、筒状体周りで螺旋状をなすテープ基材のピッチが変更される結果、テープ基材の搬送経路(筒状体周りに存在するテープ基材)の長さを変更することができる。これにより、テープ基材又はテープ基材上の粘着剤に対して温風又は熱風を吹き付ける機会(乾燥時間)を変更することができる。従って、一台の乾燥装置で、用途の異なる粘着テープ(乾燥時間の異なる粘着剤を採用した粘着テープ)を製造するに当たって、その粘着テープ(粘着剤)に応じた乾燥処理を行うことができる。また、上述の如く、筒状体の姿勢変更に加えて筒状体の周壁に対する周回数を変更すれば、テープ基材の搬送経路の長さを変更できる範囲を広げることができる。
本発明の他態様として、各筒状体は、隣り合う一方の筒状体の他端側と他方の筒状体の一端側とが対向するとともに前記一方の筒状体の一端側と前記他方の筒状体の他端側とが対向するように横並びに配置され、テープ基材が隣り合う一方の筒状体の他端側から他方の筒状体の一端側に掛け渡されて各筒状体に対して一端側から他端側に向けて螺旋状に周回されるように構成されてもよい。このようにすれば、テープ基材の搬送経路の長さを長くすることができるため、長尺なテープ基材に対して温風又は熱風を吹き付ける機会を増やすことができる。従って、テープ基材の搬送経路を長くできる分、テープ基材の搬送速度(送り速度)を早くしても必要な乾燥時間を確保することができ、粘着テープの生産性を高めることができる。
この場合、各筒状体は、隣り合う一方の筒状体の他端側と他方の筒状体の一端側との間隔よりも、隣り合う一方の筒状体の一端側と他方の筒状体の他端側との間隔が広くなるように対称的に配置されてもよい。このようにすれば、上流側の筒状体(テープ基材が先に周回される筒状体)の他端側から該筒状体と隣り合う下流側の筒状体(テープ基材が上流側の筒状体に周回された後に周回される筒状体)にテープ基材を掛け渡した状態にしても、両筒状体間にテープの搬送方向を変更するためのローラ等を配置することなく、下流側の筒状体に対するテープ基材の進入角度を適正なものにすることができる。
また、前記筒状体を偶数本備えてもよい。このようにすれば、最上流にある筒状体に対するテープ基材の進入位置と、最下流にある筒状体からのテープ基材の送出位置を同列にすることができる。従って、テープ基材の搬送方向において、乾燥装置の上流側に設置される装置(例えば、テープ基材を送り出す繰出装置)と、乾燥装置の下流側に設置される装置(例えば、完成した粘着テープを巻き取るテープ回収装置)とを一列に配置することができる。
また、前記粘着テープの乾燥装置は、前記テープ基材に塗布された粘着剤の乾燥工程に含まれる、粘着剤を予熱する予熱工程、粘着剤に含まれる溶媒を該粘着剤の表面から除去する恒率乾燥工程、及びテープ基材上に定着した粘着剤に含まれる溶媒を拡散させ、該粘着剤内の溶媒量を規定値にまで減少させる減率乾燥工程のうちの前記減率乾燥工程に用いられる。
以上の通り、本発明は、装置全体を大型化させることなくテープ基材上の粘着剤の乾燥を確実に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の一実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の概略断面図を含んだ粘着テープ製造設備の概略図を示す。 同実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の概略断面図であって、図1のAA断面図を示す。 同実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の図1におけるA−A断面と同方向から見た筒状体及びその周辺の部分拡大図であって、筒状体にテープ基材を周回させた状態を示す。 同実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の筒状体の概略断面図であって、帯状のテープ基材を周回させた状態を示す。 同実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の図1におけるA−A断面と同方向から見た筒状体及びその周辺の部分拡大図であって、筒状体にテープ基材を周回させ、隣り合う筒状体の間隔を広げた状態を示す。 本発明の他実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の筒状体及びその周辺を含んだ概略図であって、(a)は、一本の筒状体を備えた乾燥装置の部分概略図を示し、(b)は、三本の筒状体を備えた乾燥装置の部分概略図を示す。 本発明の別の実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の筒状体及びその周辺を含んだ概略図であって、四本の筒状体を備えた乾燥装置の部分概略図を示す。 本発明のさらに別の実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の筒状体及びその周辺を含んだ概略図であって、独立した熱風発生装置から各筒状体に熱風が供給されるように構成された乾燥装置の部分概略図を示す。 本発明のさらに別の実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の筒状体及びその周辺を含んだ概略図であって、二本の筒状体が平行に配置された乾燥装置の部分概略図を示す。 本発明のさらに別の実施形態に係る粘着テープ製造用乾燥装置の筒状体及びその周辺を含んだ概略図であって、(a)は、一本の筒状体が固定状態で設けられた乾燥装置の部分概略図を示し、(b)は、二本の筒状体が固定状態で設けられた乾燥装置の部分概略図を示す。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に示す如く、粘着テープを製造するための製造設備1は、帯状のテープ基材Tを巻回したロールRを収容可能に構成されるとともに該ロールRからテープ基材Tを長手方向に送り出す繰出装置10と、繰出装置10から送り出されたテープ基材Tに粘着剤(塗布剤)Sを塗布する塗布装置20と、該塗布装置20によってテープ基材T上に塗布された塗布剤Sを乾燥させる乾燥装置30と、該乾燥装置30で塗布剤Sの乾燥処理を終えたテープ基材Tを回転駆動する巻取軸400で巻き取って回収するテープ回収装置40とを備えている。すなわち、本実施形態に係る乾燥装置30は、テープ基材Tに塗布された粘着剤Sを乾燥させるべく、粘着テープの製造設備1の一構成として採用されるものである。 かかる乾燥装置30は、図1乃至図3に示す如く、長手方向に送られてくる長尺なテープ基材Tがスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回される筒状体310a,310bを備えている。より具体的には、該乾燥装置30は、図1及び図2に示す如く、乾燥室(空間)を画定する筐体300と、該筐体300内に配置され、帯状のテープ基材Tが螺旋状に周回される筒状体310a,310bと、熱風を発生させる熱風発生装置(図示しない)と、該筐体300内でのテープ基材Tの移動(搬送)方向を変更させる搬送方向変更手段350とを備えている。
筐体300は、図1に示す如く、内部空間が略密閉状態になるように形成されているが、塗布装置20によって粘着剤Sが塗布されたテープ基材Tの進入を許容するためのテープ基材進入口301と、乾燥処理の完了したテープ基材Tをテープ回収装置40に向けて送り出すためのテープ基材送出口302とが形成されている。前記テープ基材進入口301及びテープ基材送出口302は、対向する壁面303,304上に形成されている。
筒状体310a,310bは、図1及び図2に示す如く、テープ基材Tの周回される周壁全周に内側から外側に向けて高温の熱風を通気させる多数(無数)の通気穴311a…,311b…が形成されている。よる具体的には、筒状体310a,310bは、周壁の全周に多数(無数)の通気穴311a…,311b…が形成された筒状本体312a,312bと、熱風発生装置からの熱風を筒状本体312a,312b内に導入するための熱風導入管313a,313bとを備えている。なお、図1及び図2は、無数に形成された通気穴311a,311bのうちの一部の領域に形成されたものだけを示し、他の領域の通気穴311a,311bを省略している。
前記熱風導入管313a,313bは、筒状本体312a,312bの一端に対して流体的に接続されており、熱風発生装置からの熱風を筒状本体312a,312b内に送り込むことができるようになっている。これにより、該乾燥装置30は、筒状本体312a,312bの周壁(外周)に形成された無数の通気穴311a…,311b…から熱風を外部(径方向外方)に向けて放出可能になっている。
本実施形態に係る乾燥装置30は、二本の筒状体310a,310bを備えており、各筒状体310a,310bは、隣り合う一方の筒状体310aの他端側と他方の筒状体310bの一端側とが対向するとともに前記一方の筒状体310aの一端側と前記他方の筒状体310bの他端側とが対向するように横並びに配置されている。すなわち、本実施形態に係る乾燥装置30は、隣り合う筒状体310a,310bのテープ基材Tの進入位置Xとテープ基材Tの送出位置Yとが対向するように横並びに配置されている。
これにより、本実施形態に係る乾燥装置30は、テープ基材Tが隣り合う一方の筒状体310aの他端側から他方の筒状体310bの一端側に掛け渡されて各筒状体310a,310bに対して一端側から他端側に向けて螺旋状に周回されるように構成されている。すなわち、該乾燥装置30は、上流側にある一方の筒状体310aの進入位置Xから送出位置Yに向けてテープ基材Tを螺旋状に周回させ、該テープ基材Tを一方の筒状体310aの送出位置Yから下流側にある他方の筒状体310bの進入位置Xに掛け渡した上で、該下流側の筒状体310a,310bの進入位置Xから送出位置Yに向けて螺旋状に周回させるようになっている。
また、本実施形態に係る乾燥装置30は、隣り合う一方の筒状体310aの他端側と他方の筒状体310bの一端側との間隔よりも、隣り合う一方の筒状体310aの一端側と他方の筒状体310bの他端側との間隔が広くなるように、二本の筒状体310a,310bが対称的に配置されている。すなわち、該乾燥装置30は、二本の筒状体310a,310bがハの字状をなすように配置されている。
これにより、本実施形態に係る乾燥装置30は、一方の筒状体310aの送出位置Yから他方の筒状体310bの進入位置Xにテープ基材Tを直接掛け渡しても、他方の筒状体310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度(他方の筒状体310bの軸心とテープ基材Tの移動方向とのなす角度)を直角以上にすることができ、また、該他方の筒状体310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度を一方の筒状体310aの周壁上へのテープ基材Tの進入角度(一方の筒状体310aの軸心とテープ基材Tの移動方向とのなす角度)と一致させることができるようになっている。
また、本実施形態に係る乾燥装置30は、二本の筒状体310a,310bのそれぞれの軸心(中心線)が、下方から斜め上方(或いは、上方から斜め下方)に向けて広がる仮想面上に位置するように各筒状体310a,310bが配置されている。すなわち、二本の筒状体310a,310bは、上述の如く、互いの配置を対称な配置で維持させること前提に、下方から斜め上方(或いは、上方から斜め下方)に向く方向で並列になるように配置されている。これにより、二本の筒状体310a,310bが筐体300内の対角に対応する配置になるため、筐体300は必要最小限の大きさになっている。
そして、本実施形態に係る乾燥装置30は、筒状体310a,310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度が可変となるように筒状体310a,310bが姿勢変更可能に設けられている。
より具体的に説明すると、乾燥装置30は、筒状体310a,310bの何れか一方の端部側(一端側又は他端側)に筒状体310a,310bの回転支点315a,315bが設けられるともに、筒状体310a,310bを傾動(姿勢変更)させる傾動手段316a,316bを備えている。本実施形態に係る乾燥装置30は、上述の如く、筒状体310a,310bを二本備えているため、各筒状体310a,310bに対して回転支点315a,315bが設定されるとともに筒状体310a,310b毎に傾動手段316a,316bが設けられている。
本実施形態に係る乾燥装置30は、二本の筒状体310a,310bが対称的に配置されているため、上流側にある一方の筒状体310aは、他端側(送出位置Y側)に回転支点315aが設定され、下流側にある他方の筒状体310bは、一端側(進入位置X側)に回転支点315bが設定されている。そして、該乾燥装置30は、筒状体310a,310bの周壁にテープ基材Tを周回させるため、各筒状体310a,310bの回転支点315a,315bは、熱風導入管313a,313b上に設けられている。そして、各筒状体310a,310bの回転支点315a,315b(回転中心線)は、互いに略平行をなすように設定されている。
そして、前記傾動手段316a,316bは、回転支点315a,315b周りで筒状体310a,310bを回転させることができればよく、例えば、回転角度の調整が可能なパルスモータやサーボモータで構成し、筒状体310a,310bを直接回転させるようにしてもよいが、本実施形態においては、傾動手段316a,316bとして電動シリンダが採用されている。該電動シリンダ316a,316bは、シリンダ本体(採番しない)と、該シリンダ本体に同心で内挿された軸状のピストンロッド(採番しない)とを備えており、シリンダエンドが筒状体310a,310bの回転支点315a,315b(回転中心性)と略平行な回転軸回りに回転可能に筐体300(筐体300の骨組みとなる躯体)に固定される一方、シリンダ本体に対して出退可能なピストンロッドのロッドエンドが筒状体310a,310bの端部(回転支点315a,315b側の端部とは反対側の端部)に枢着されている。
本実施形態に係る乾燥装置30は、二本の筒状体310a,310bが並列に配置されているため、一方の筒状体310aを傾動させる傾動手段316a(電動シリンダ316a)は、一方の筒状体310aの一端に連設された連結部にロッドエンドが枢着され、他方の筒状体310bを傾動させる傾動手段316b(電動シリンダ316b)は、他方の筒状体310bの他端(送出位置Y側の端部)に連設された連結部にロッドエンドが枢着されている。両傾動手段316a,316b(電動シリンダ316a,316b)は、ピストンロッドの進退方向が筒状体310a,310bの端部が通過する回転軌跡に対して接線方向に延びるように配置されている。
そして、各傾動手段316a,316bは、同期をとって各筒状体310a,310bを傾動(姿勢変更)させるようになっている。すなわち、各傾動手段316a,316bは、ピストンロッドの伸縮量や、ピストンロッドの伸縮タイミングを一致させて動作するようになっている。これにより、二本の筒状体310a,310bは、対称な配置を維持しつ角度が変更されるようになっている。
そして、各筒状体310a,310bは、熱風導入管313a,313bを備えているため、熱風導入管313a,313bのそれぞれに独立した熱風発生装置を接続するようにしてもよいが、本実施形態においては、単一の熱風発生装置に接続された配管PにT字側の継手(T型継手)317を接続し、該T型継手317の残りの二つのポートに各筒状体310a,310bの熱風導入管313a,313bが接続されている。これにより、単一な熱風発生装置からの熱風を二本の筒状体310a,310bのそれぞれに供給できるようになっている。
本実施形態に係る乾燥装置30は、筒状体310a,310bを傾動可能とし、且つ筒状体310a,310bの回転支点315a,315bを熱風導入管313a,313b上に設定するようにしているため、各筒状体310a,310bの熱風導入管313a,313bは、筒状体310a,310bの回転を許容しつつ熱風発生装置との流体的な接続を維持すべく、途中位置の所定範囲(回転支点315a,315bが設定された部位とT型継手317との間の所定範囲)が蛇腹管318a,318bで構成されている。
なお、熱風発生装置については、特に言及しないが、重油や軽油、ガス等を燃料とするボイラであってもよいし、電熱ヒータを備えたものであってもよい。
搬送方向変更手段350は、図1に示す如く、テープ基材Tの搬送方向を切り換えるもので、複数のローラ351,352,353,354,355で構成されている。具体的には、本実施形態に係る乾燥装置30は、搬送変更手段350として、テープ基材進入口301及びテープ基材送出口302の近傍にテープ基材Tの進入方向を切り換えるためのガイドローラ351,352を備えている。
また、本実施形態に係る搬送方向変更手段350は、上流側の筒状体310a,310bの一端側(進入位置X)に対して間隔をあけて配置されたサクションローラ(以下、第一サクションローラという)353と、下流側の筒状体310a,310bの他端側(送出位置Y)に対して間隔をあけて配置されたサクションローラ(以下、第二サクションローラという)354とを備えている。
前記第一サクションローラ353は、巻き掛けられるテープ基材Tを吸引しつつ方向変換できるようになっている。すなわち、第一サクションローラ353は、外周上にあるテープ基材Tを吸引できるようになっており、そのテープ基材Tの搬送方向(搬送予定方向)に対して直交方向に延びる回転軸回りで回転可能に設けられている。そして、第一サクションローラ353の回転軸は、一方の筒状体310aの軸心に対して所定の角度になるように配置されている。すなわち、第一サクションローラ353は、テープ基材Tの筒状体310a,310bの周壁上への進入方向が筒状体310aの軸心に対して傾斜した状態になるように、上流側から送られてくるテープ基材Tを案内するようになっている。
前記第二サクションローラ354は、第一サクションローラ353と同様、巻き掛けられるテープ基材Tを吸引しつつ方向変換できるようになっている。すなわち、第二サクションローラ354は、外周上にあるテープ基材Tを吸引できるようになっており、そのテープ基材Tの搬送方向(搬送予定方向)に対して直交方向に延びる回転軸回りで回転可能に設けられている。そして、第二サクションローラ354の回転軸は、他方の筒状体310bの軸心に対して所定の角度になるように配置されている。すなわち、第二サクションローラ354は、筒状体310a,310bの周壁からのテープ基材Tの送出方向が筒状体310bの軸心に対して傾斜した状態になるように、他方の筒状体310bに対して螺旋状に周回していたテープ基材Tを案内して送り出すようになっている。
さらに、本実施形態に係る搬送方向変更手段350は、ガイドローラ351,352とサクションローラ353,354との間に適宜配置された補助ローラ355…を備えている。これにより、本実施形態に係る乾燥装置30は、テープ基材進入口301からのテープ基材Tをガイドローラ351から第一サクションローラ353に向けて案内し、他方の筒状体310bからのテープ基材Tを第二サクションローラ354からテープ基材送出口302近傍のガイドローラ352に向けて案内するようになっている。
本実施形態に係る乾燥装置30は、以上の構成からなり、次に、粘着テープの製造方法を含めて乾燥装置30の作動について説明する。
まず、粘着テープの製造ライン上にテープ基材Tをセットする。具体的には、図1に示す如く、繰出装置10からテープ基材Tを引き出し、テープ基材進入口301を介して筐体300内に導入する。そして、筐体300内に導入されたテープ基材Tをガイドローラ351や補助ローラ355…、第一サクションローラ353に適宜巻き掛けた上で、図3に示す如く、一方の筒状体310aの一端側(進入位置X)から他端側(送出位置Y)に向けて該筒状体310a,310bの周壁(筒状体310a,310b本体)回りで螺旋状に周回させ、さらに、該テープ基材Tを一方の筒状体310aの他端側(送出位置Y)から他方の筒状体310bの一端側(進入位置X)に掛け渡して該他方の筒状体310bの一端側(進入位置X)から他端側(送出位置Y)に向けて該筒状体310a,310bの周壁(筒状体310a,310b本体)回りで螺旋状に周回させる。
そして、図1に示す如く、他方の筒状体310bの他端側(送出位置Y)から引き出したテープ基材Tを第二サクションローラ354や、ガイドローラ352に適宜巻き掛けた上で、テープ基材送出口302を介してテープ回収装置40に導き、該テープ回収装置40の巻取軸400にテープ基材Tの先端部を固定することでテープ基材Tのセットが完了する。
なお、本実施形態においては、テープ基材Tに粘着剤Sを塗布した状態で、筒状体310a,310bの周壁に対してテープ基材Tが対向するようにテープ基材Tがセットされている。すなわち、本実施形態に係る乾燥装置30を採用した製造設備1は、筒状体310a,310bの周壁回りに配置されたときに該筒状体310a,310bの周壁と対向するテープ基材Tの一方の面とは反対側の面(他方の面)に対して粘着剤Sを塗布するように塗布装置20が設けられている。
そして、熱風発生装置で熱風を発生させ、各筒状体310a,310bに熱風を供給する。そうすると、各筒状体310a,310bに供給された熱風は、筒状体310a,310bの周壁上に形成された無数の通気穴311a…,311b…を介して外部に放出されることになり、筒状体310a,310bの周壁回りで螺旋状に周回したテープ基材Tは、図4に示す如く、外部に放出される熱風(図4において矢印で示している)の風圧で筒状体310a,310bの周壁から浮上した状態になる。
しかる後、塗布装置20及びテープ回収装置40を作動させ、図1に示す如く、製造ライン上に配置されたテープ基材Tの少なくとも一方の面(本実施形態においては一方の面)に対して粘着剤S(粘着剤)を塗布しつつテープ基材Tを長手方向に移動させる。
このとき、テープ基材Tは、筒状体310a,310bの周壁回りで螺旋状に周回されているが、上述の如く、熱風の風圧で筒状体310a,310bの周壁から浮上した状態になっているため、テープ回収装置40の巻取軸400を回転させて(テープ基材Tを巻き取って)テープ基材Tに引っ張り力を作用させると、図3に示す如く、筒状体310a,310b周りのテープ基材Tは筒状体310a,310bに対して抵抗を生じさせることなく長手方向に移動することになる。これにより、塗布装置20によって粘着剤Sの塗布されたテープ基材Tは、各筒状体310a,310bの周囲にある螺旋状の軌道に沿うように移動することになる。すなわち、粘着剤Sの塗布されたテープ基材Tは、一方の筒状体310aの周壁の周囲にある螺旋状の軌道に沿うように移動した後、他方の筒状体310bの周壁の周囲にある螺旋状の軌道に沿うように移動することになる。
これにより、テープ基材Tが筒状体310a,310bの周囲を通過する間、テープ基材Tに熱風が吹き付けられるため、その移動距離(移動時間)に対応した乾燥処理が行われる。具体的には、帯状の(長尺な)テープ基材Tを多数の乾燥処理対象部位の連続体であると見れば、各乾燥処理対象部位は、一方の筒状体310aの進入位置Xから送出位置Yにまで移動し、さらに他方の筒状体310bの進入位置Xから送出位置Yにまで移動する間、常時熱風に吹き付けられることになる。
従って、本実施形態に係る乾燥装置30は、筒状体310a,310b周りに配置されるテープ基材Tの長さ(螺旋状を呈するテープ基材Tの長さ)が熱風の吹き付ける機会(乾燥距離)に対応することになるため、テープ基材Tを真っ直ぐ搬送しつつ乾燥する従来の乾燥装置30よりも小さな領域でテープ基材Tの乾燥距離を確保しつつ確実な乾燥が行うことができる。そして、乾燥装置30を出たテープ基材T(粘着剤Sが乾燥して粘着テープの一構成となったテープ基材T)は、テープ回収装置40によって巻き取られ、粘着テープのロールRとなる。
そして、粘着剤Sやテープ基材Tの異なる粘着テープ(乾燥処理に必要な時間が異なる粘着テープ)を製造する場合、上述の工程と同じ工程で製造することになるが、粘着剤Sやテープ基材Tの素材の違いや、粘着剤Sの残存溶媒の許容値の違い等があるときは、図5に示す如く、傾動手段316a,316bで各筒状体310a,310bを傾動させる。すなわち、乾燥時間を短くする(熱風を吹き付ける機会を少なくする)場合には、筒状体310a,310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度が大きくなるように筒状体310a,310bを傾動させ、乾燥時間を長くする(熱風を吹き付ける機会を多くする)場合には、筒状体310a,310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度が小さくなるように筒状体310a,310bを傾動させる。
本実施形態に係る乾燥装置30は、二本の筒状体310a,310bを備えているため、乾燥時間を短くする(熱風を吹き付ける機会を少なくする)場合には、二本の筒状体310a,310bの相対角度が大きくなるように両筒状体310a,310bを傾動させ、乾燥時間を長くする(熱風を吹き付ける機会を多くする)場合には、二本の筒状体310a,310bの相対角度が小さくなるように両筒状体310a,310bを傾動させる。
しかる後、上述の場合と同様に、テープ基材Tを製造ライン上にセットした上で、テープ基材T上に粘着剤Sを塗布するとともに、該粘着剤Sを乾燥装置30で乾燥させる。
このように筒状体310a,310bを傾動させて、筒状体310a,310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度を変更することで、筒状体310a,310bの周壁回りで螺旋状に配置されるテープ基材Tの螺旋ピッチ(巻き付け角度)が変わるため、筒状体310a,310bの周壁回りに周回するテープ基材Tの長さを長くしたり、短くしたりすることができ、熱風を吹き付ける機会を製造の対象となる粘着テープに応じたものにすることができ、必要な乾燥処理を確実に行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る乾燥装置30によれば、筒状体310a,310bは、テープ基材Tの周回される周壁全周に内側から外側に向けて温風又は熱風を通気させる多数の通気穴311a…,311b…が形成されているため、通気穴311a…,311b…に温風又は熱風を通気させることで、筒状体310a,310bの周壁上で周回させたテープ基材T又は該テープ基材T上の粘着剤Sに温風又は熱風を吹き付けることができ、テープ基材T上の粘着剤Sを乾燥させることができる。
また、本実施形態に係る乾燥装置30は、長手方向に送られてくる長尺なテープ基材Tがスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回される筒状体310a,310bを備えているため、筒状体310a,310bに周回させたテープ基材Tの先端側に引っ張り力を加えると、テープ基材Tが筒状体310a,310b周りで螺旋状をなしたまま長手方向に移動する。すなわち、テープ基材Tは、螺旋状の軌道に沿って長手方向に移動する。
これにより、テープ基材Tの移動する搬送経路(軌道)が螺旋状となる結果、テープ基材Tの搬送経路の長さを一定長さの筒状体310a,310b(筒状体310a,310bの一端から他端までの長さ)よりも長くすることができる。
従って、本実施形態に係る乾燥装置30は、必要以上に大型化することなく、熱風を吹き付けることのできる機会を確保できるため、乾燥時間に長時間を要する粘着剤Sを採用した粘着テープの製造する場合でも、粘着剤Sを確実に乾燥させることができる。
さらに言えば、本実施形態に係る乾燥装置30は、テープ基材Tを筒状体310a,310bの周壁に対してスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回させるため、筒状体310a,310bの周壁に対する周回数を変更することでテープ基材Tの搬送経路の長さを変更することもできる。
また、本実施形態に係る乾燥装置30は、前記筒状体310a,310bが、該筒状体310a,310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度が可変となるように姿勢変更可能に設けられているため、筒状体310a,310bの周壁上で周回する(筒状体310a,310b上に存在する)テープ基材Tの長さを変更することができる。すなわち、テープ基材Tの筒状体310a,310bに対する巻き付け(周回)角度を変更することで、筒状体310a,310b周りで螺旋状をなすテープ基材Tのピッチが変更される結果、テープ基材Tの搬送経路(筒状体310a,310b周りに存在するテープ基材T)の長さを変更することができる。
これにより、テープ基材T又はテープ基材T上の粘着剤Sに対して温風又は熱風を吹き付ける機会(乾燥時間)を変更することができる。従って、一台の乾燥装置30で、用途の異なる粘着テープ(乾燥時間の異なる粘着剤Sを採用した粘着テープ)を製造するに当たって、その粘着テープ(粘着剤S)に応じた乾燥処理を行うことができる。また、上述の如く、筒状体310a,310bの姿勢変更に加えて筒状体310a,310bの周壁に対する周回数を変更すれば、テープ基材Tの搬送経路の長さを変更できる範囲を広げることができる。
さらに、本実施形態に係る乾燥装置30は、前記筒状体310a,310bを二本備え、各筒状体310a,310bは、隣り合う一方の筒状体310a,310bの他端側と他方の筒状体310a,310bの一端側とが対向するとともに前記一方の筒状体310a,310bの一端側と前記他方の筒状体310a,310bの他端側とが対向するように横並びに配置され、テープ基材Tが隣り合う一方の筒状体310a,310bの他端側から他方の筒状体310a,310bの一端側に掛け渡されて各筒状体310a,310bに対して一端側から他端側に向けて螺旋状に周回されるように構成されているため、テープ基材Tの搬送経路の長さを長くすることができる。これにより、長尺なテープ基材Tに対して温風又は熱風を吹き付ける機会を増やすことができるため、テープ基材Tの搬送経路を長くできる分、テープ基材Tの搬送速度(送り速度)を早くしても必要な乾燥時間を確保することができ、粘着テープの生産性を高めることができる。
また、各筒状体310a,310bは、隣り合う一方の筒状体310a,310bの他端側と他方の筒状体310a,310bの一端側との間隔よりも、隣り合う一方の筒状体310a,310bの一端側と他方の筒状体310a,310bの他端側との間隔が広くなるように対称的に配置されているため、上流側の筒状体310a,310b(テープ基材Tが先に周回される筒状体310a,310b)の他端側から該筒状体310a,310bと隣り合う下流側の筒状体310a,310b(テープ基材Tが上流側の筒状体310a,310bに周回された後に周回される筒状体310a,310b)にテープ基材Tを掛け渡した状態にしても、両筒状体310a,310b間にテープの搬送方向を変更するためのローラ等を配置することなく、下流側の筒状体310a,310bに対するテープ基材Tの進入角度を適正なものにすることができる。
また、本実施形態に係る乾燥装置30は、前記筒状体310a,310bを偶数本備えているため、最上流にある筒状体310a,310bに対するテープ基材Tの進入位置と、最下流にある筒状体310a,310bからのテープ基材Tの送出位置を同列にすることができる。従って、テープ基材Tの搬送方向において、乾燥装置30の上流側に設置される繰出装置10と、乾燥装置30の下流側に設置されるテープ回収装置40とを一列に配置することができる。
なお、本発明に係る粘着テープ製造用乾燥装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論のことである。
上記実施形態において、筒状体310a,310bを二本設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(a)に示す如く、筒状体310aを一本設けたものや、図6(b)に示す如く、筒状体310a,310bを三本設けたもの、図7に示す如く、筒状体310a,310bを四本設けたものであってもよい。すなわち、筒状体310a,310bは、少なくとも一本設ければよい。但し、筒状体310a,310bは、テープ基材Tがスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回されるものであることは言うまでもない。
上記実施形態において、筒状体310a,310bのそれぞれの熱風導入管313a,313bをT型継手317に接続し、単一の熱風発生装置から熱風を各筒状体310a,310bに供給するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図8に示す如く、筒状体310a,310bの熱風導入管313a,313b毎に単独の熱風発生装置を接続し、各熱風発生装置からの熱風を各筒状体310a,310bに供給するようにしてもよい。
上記実施形態において、隣り合う一方の筒状体310aの他端側と他方の筒状体310bの一端側との間隔よりも、隣り合う一方の筒状体310aの一端側と他方の筒状体310bの他端側との間隔が広くなるように各筒状体310a,310bを対称的に配置するようにしたが、例えば、筒状体310a,310bを二本以上設ける場合、図9に示す如く、各筒状体310a,310bを平行な状態で並列してもよい。この場合、筒状体310a,310bにテープ基材Tを直交させるように進入させると、該テープ基材Tを筒状体310a,310bの周壁回りで螺旋状にできなくなるため、筒状体310a,310bの前段や筒状体310a,310b間にテープ基材Tの移動方向を変更させるローラ(例えば、上記実施形態と同様のサクションローラ353,354や搬送ローラ355)等の搬送方向変更手段350を設け、テープ基材Tを各筒状体310a,310bに対して螺旋状に周回できるようにすればよい。
上記実施形態において、筒状体310a,310bを二本設け、各筒状体310a,310bが、隣り合う一方の筒状体310aの他端側と他方の筒状体310bの一端側とが対向するとともに前記一方の筒状体310aの一端側と前記他方の筒状体310bの他端側とが対向するように横並びに配置され、テープ基材Tが隣り合う一方の筒状体310aの他端側から他方の筒状体310bの一端側に掛け渡されて各筒状体310a,310bに対して一端側から他端側に向けて螺旋状に周回されるように構成したが、これに限定されるものではなく、筒状体310a,310bを二本以上設ける場合、上流側の筒状体310aから隣り合う下流側の筒状体310bにテープ基材Tを掛け渡すことができ、且つ、筒状体310a,310b間に掛け渡されたテープ基材Tを各筒状体310a,310bの周壁回りで螺旋状に周回させることができれば、必ずしも各筒状体310a,310bは横並びに配置される必要はない。
上記実施形態において、筒状体310a,310bを偶数本設けたが、筒状体310a,310bを複数設ける場合、図6(b)に示す如く、筒状体310a,310bを奇数本設けるようにしてもよい。
上記実施形態において、熱風発生装置からの熱風の風圧でテープ基材Tを筒状体310a,310bの周壁から浮上させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、テープ基材Tとの抵抗が小さくなるように筒状体310a,310bの周壁外周面に加工(例えば、コーティング加工や鏡面加工)を施し、塗布剤Sを乾燥させる際にテープ基材Tを筒状体310a,310bの周壁上で摺動させるようにしてもよい。
上記実施形態において、テープ基材Tの塗布剤Sの塗布されていない面を筒状体310a,310bの周壁に対向させるようにしてテープ基材Tを螺旋状に周回させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、塗布剤Sが筒状体310a,310bの周壁と対向するようにテープ基材Tを螺旋状に周回させるようにしてもよい。但し、この場合においては、塗布剤Sと筒状体310a,310bの周壁との擦れを防止すべく、上記実施形態と同様に、塗布剤Sの塗布されたテープ基材Tを熱風の風圧で筒状体310a,310bの周壁から浮上させるようにすることは勿論のことである。なお、塗布剤Sが粘着剤である場合、該粘着剤に熱風を直接吹き付けると表面側から乾燥する傾向が強くなるため、より良好な粘着性を確保するには上記実施形態のようにテープ基材Tに対して熱風を吹き付けて粘着剤Sを間接的に乾燥させることが好ましい。
上記実施形態において、高温の熱風をテープ基材Tに吹き付けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、熱風よりも温度の低く且つ常温よりも温度の高い温風をテープ基材T又は塗布剤Sに吹き付けるようにしてもよい。すなわち、乾燥させる対象となる塗布剤Sの組成に応じて熱風又は温風を吹き付けるようにすればよい。
また、上記実施形態において、テープ基材Tの一方の面に塗布した塗布剤Sを乾燥させる場合を一例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、テープ基材Tの両面に塗布した塗布剤Sを乾燥させるようにしてもよい。すなわち、乾燥装置30は、両面粘着テープの製造用にも採用することができる。この場合、塗布剤Sと筒状体310a,310bの周壁との擦れを防止すべく、上記実施形態と同様に、塗布剤Sの塗布されたテープ基材Tを熱風の風圧で筒状体310a,310bの周壁から浮上させるようにすることは勿論のことである。
上記実施形態において、該筒状体310a,310bの周壁上へのテープ基材Tの進入角度が可変となるように筒状体310a,310bを姿勢変更可能(傾動可能)に設けたが、例えば、図10(a)及び図10(b)に示す如く、筒状体310a,310bを固定状態で設けてもよい。但し、テープ基材Tが筒状体310a,310bの周壁上で螺旋状に周回されることは言うまでもない。
1…製造設備、10…繰出装置、20…塗布装置、30…乾燥装置(粘着テープの乾燥装置)、40…テープ回収装置、300…筐体、301…テープ基材進入口、302…テープ基材送出口、303,304…壁面、310a,310b…筒状体、311a,311b…通気穴、312a,312b…筒状本体、313a,313b…熱風導入管、315a,315b…回転支点、316a,316b…傾動手段(電動シリンダ)、317…T型継手、318a,318b…蛇腹管、350…搬送方向変更手段、351…ガイドローラ、351,352…ガイドローラ、353…第一サクションローラ(サクションローラ)、354…第二サクションローラ(サクションローラ)、355…補助ローラ、400…巻取軸、P…配管、R…ロール、S…塗布剤、T…テープ基材、X…進入位置、Y…送出位置

Claims (5)

  1. 帯状のテープ基材上に粘着層の形成された粘着テープを製造すべく、テープ基材の少なくとも一方の面に塗布された粘着剤を乾燥させるための粘着テープの乾燥装置であって、
    長手方向に送られてくる長尺なテープ基材がスライド可能な状態で一端側から他端側に向けて螺旋状に周回される筒状体を少なくとも二本備え、
    各筒状体は、隣り合う筒状体の相対角度を変更させて、該各筒状体の周壁上へのテープ基材の進入角度が可変となるように姿勢変更可能に設けられており、
    筒状体は、粘着剤がテープ基材に対して外側になるように該テープ基材周回される周壁全周に内側から外側に向けて温風又は熱風を通気させる多数の通気穴が形成されていることを特徴とする粘着テープの乾燥装置。
  2. 筒状体は、隣り合う一方の筒状体の他端側と他方の筒状体の一端側とが対向するとともに前記一方の筒状体の一端側と前記他方の筒状体の他端側とが対向するように横並びに配置され、テープ基材が隣り合う一方の筒状体の他端側から他方の筒状体の一端側に掛け渡されて各筒状体に対して一端側から他端側に向けて螺旋状に周回されるように構成されている請求項1に記載の粘着テープの乾燥装置。
  3. 各筒状体は、隣り合う一方の筒状体の他端側と他方の筒状体の一端側との間隔よりも、隣り合う一方の筒状体の一端側と他方の筒状体の他端側との間隔が広くなるように対称的に配置されている請求項に記載の粘着テープの乾燥装置。
  4. 前記筒状体を偶数本備えている請求項又はに記載の粘着テープの乾燥装置。
  5. 前記テープ基材に塗布された粘着剤の乾燥工程に含まれる、粘着剤を予熱する予熱工程、粘着剤に含まれる溶媒を該粘着剤の表面から除去する恒率乾燥工程、及びテープ基材上に定着した粘着剤に含まれる溶媒を拡散させ、該粘着剤内の溶媒量を規定値にまで減少させる減率乾燥工程のうちの前記減率乾燥工程に用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着テープの乾燥装置。
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