本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、前、後、左及び右は、運転席に着座したオペレータを基準とする用語である。例えば、前は、運転席に着座したオペレータの視線が向かう側であり、運転席からオペレータによって操作されるハンドルに向かう側である。後は、前の反対側であり、ハンドルから運転席に向かう側である。作業車両の車幅方向は、作業車両の左右方向と同義である。
<作業車両>
図1は、本実施形態に係る作業車両を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る作業車両が有するキャブ3の構造及び内部を示す図である。本実施形態において、作業車両としてのダンプトラック(オフハイウェイトラックともいう)1は、鉱山での作業等に用いられる自走式の超大型の車両である。本実施形態において、作業車両は、上部旋回体及び作業機を有していないものであればよい。また、作業車両としてのダンプトラックの形式は限定されるものではない。
ダンプトラック1は、例えば、アーティキュレーテッド式等であってもよい。ダンプトラック1は、車体部2と、キャブ3と、ベッセル4と、左右一対の前輪5と、左右各々が2輪1組となり左右一対をなす後輪6とを含む。車体部2は、アッパデッキ2b及び前後方向に沿って配置されたフレーム2fを含む。また、ダンプトラック1は、自身の周囲を監視して、その結果を表示する周辺監視システムを有する。周辺監視システムの詳細は後述する。
本実施形態において、ダンプトラック1は、ディーゼルエンジン等の内燃機関が発電機を駆動することによって発生した電力で電動機を駆動し、後輪6を駆動する。このように、ダンプトラック1は、いわゆる電気駆動方式であるが、ダンプトラック1の駆動方式はこれに限定されるものではない。例えば、ダンプトラック1は、内燃機関の動力を、トランスミッションを介して後輪6へ伝達し、これを駆動するものであってもよいし、架線からトロリーを介して供給された電力で電動機を駆動し、この電動機によって後輪6を駆動するものであってもよい。
フレーム2fは、内燃機関及び発電機等の動力発生機構とその補機類とを支持している。フレーム2fの前部には、左右の前輪5(図1では右前輪のみを示している)が支持されている。フレーム2fの後部には、左右の後輪6(図1では右後輪のみを示している)が支持されている。前輪5及び後輪6は、直径が2m(メートル)〜4m(メートル)程度である。フレーム2fは、ロアデッキ2aと、アッパデッキ2bとを有する。ロアデッキ2aは地面に近い側に設けられており、アッパデッキ2bはロアデッキ2aの上方に設けられている。このように、鉱山で用いられるダンプトラック1は、ロアデッキ2aとアッパデッキ2bとを有する二重デッキ構造となっている。
ロアデッキ2aは、フレーム2fの前面の下部に取り付けられる。アッパデッキ2bは、ロアデッキ2aの上方に配置されている。ロアデッキ2aの下方には、例えば、キャブ3への乗降用に用いられる可動式のラダー2cが配置されている。ロアデッキ2aとアッパデッキ2bとの間には、両者の間を行き来するための斜めラダー2dが配置されている。また、ロアデッキ2aとアッパデッキ2bとの間には、ラジエーターが配置されている。アッパデッキ2bの上には、柵状の手すり2eが配置されている。本実施形態において、ラダー2c及び斜めラダー2dは、アッパデッキ2b及びロアデッキ2aの一部であるものとする。
図1に示すように、キャブ(運転室)3は、アッパデッキ2b上に配置されている。キャブ3は、アッパデッキ2b上において、車幅方向の中央よりも車幅方向における一方側にずらされて配置されている。具体的には、キャブ3は、アッパデッキ2b上において車幅方向の中央よりも左側に配置されている。キャブ3の配置は、車幅方向の中央よりも左側に限定されるものではない。例えば、キャブ3は、車幅方向の中央よりも右側に配置されていてもよいし、車幅方向の中央に配置されていてもよい。キャブ3内には、運転席、ハンドル、シフトレバー、アクセルペダル及びブレーキペダル等の操作部材が配置されている。
図2に示すように、キャブ3は、複数本(本実施形態では4本)の支柱3a、3b、3c、3dを含むROPS(Roll-Over Protection System:転倒時保護構造)を備えている。ROPSは、万一ダンプトラック1が転倒した場合、キャブ3内のオペレータを保護する。ダンプトラック1の運転者は、車体部2の左側の路肩を容易に確認できる状態で走行するが、車体部2の周囲を確認するためには、頭を大きく動かす必要がある。また、アッパデッキ2bには、ダンプトラック1の周囲を確認するために、図示しないサイドミラーが複数設けられている。これらのサイドミラーは、キャブ3から離れた位置に配置されているので、運転者は、サイドミラーを用いて車体部2の周辺を確認する場合にも、頭を大きく動かす必要がある。
図2に示すように、キャブ3内には、運転席31、ハンドル32、ダッシュカバー33、無線装置34、アクセルペダル35A、ブレーキペダル35Bf、セカンダリブレーキペダル35Bs、リターダ36、シフトレバー37、パーキングブレーキ操作スイッチ37P、ダンプレバー38、図2には示していない監視制御装置としてのコントローラ(詳細は後述する)及びモニタ50等が設けられている。モニタ50は、図2ではダッシュカバー33に組み込まれたものを示しているが、ダッシュカバー33の上に設置したもの又はキャブ3内の天井から吊り下げて設置されたものでもよい。つまり、オペレータがモニタ50を視認できる位置であればよい。なお、図2には示していないコントローラは、後述する周辺監視システム10の一部である。シフトレバー37は、ダンプトラック1のオペレータが、ダンプトラック1の進行方向を切り替えたり、速度段を切り替えたりするための装置である。
図1に示すベッセル4は、砕石等の積荷を積載するための容器である。ベッセル4の底面の後部は、回転ピンを介してフレーム2fの後部に回動可能に連結されている。ベッセル4は、油圧シリンダ等のアクチュエータによって、積載姿勢と起立姿勢とを取ることができる。積載姿勢は、図1に示すように、ベッセル4の前部がキャブ3の上部に位置する姿勢である。起立姿勢は、積荷を排出する姿勢であり、ベッセル4が後方かつ下方へ向かって傾斜した状態となる姿勢である。ベッセル4の前部が上方に回動することによってベッセル4は積載姿勢から起立姿勢に変化する。ベッセル4は、前方に鍔部4Fを有している。鍔部4Fは、プロテクターとも呼ばれることがあり、キャブ3の上方まで延出してキャブ3を覆っている。キャブ3の上方に延出した鍔部4Fは、砕石等の衝突からキャブ3を保護する。
<周辺監視システム>
図3は、本実施形態に係る周辺監視システム10を示す図である。図4は、本実施形態に係る周辺監視システム10が有する撮像装置11〜16を搭載したダンプトラック1の斜視図である。図5は、複数の撮像装置11〜16によって撮像される領域及び複数の撮像装置11〜16によって撮像された画像の情報に基づいて生成された俯瞰画像200を示す模式図である。図5に示す、複数の撮像装置によって撮像される領域は、地面を基準とした領域である。図3に示すように、周辺監視システム10は、複数(本実施形態では6台)の撮像装置11、12、13、14、15、16と、複数(本実施形態では8台)のレーダ装置21、22、23、24、25、26、27、28と、モニタ50と、監視制御装置としてのコントローラ100とを有している。なお、本実施形態において、周辺監視システム10には、撮像装置11、12、13、14、15、16は必ずしも必要ではない。
<撮像装置>
撮像装置11、12、13、14、15、16は、ダンプトラック1に取り付けられる。撮像装置11、12、13、14、15、16は、例えば、ワイドダイナミックレンジ(WDR:Wide Dynamic Range)カメラである。ワイドダイナミックレンジカメラは、明るい部分を視認できるレベルに保ちながら、暗い部分を明るく補正し、全体をくまなく視認できるように調整可能な機能を有したカメラである。
撮像装置11、12、13、14、15、16は、ダンプトラック1の周囲を撮像し、画像情報として出力する。以下において、適宜、撮像装置11を第1撮像装置11、撮像装置12を第2撮像装置12、撮像装置13を第3撮像装置13、撮像装置14を第4撮像装置14、撮像装置15を第5撮像装置15、撮像装置16を第6撮像装置16という。また、これらを区別する必要がない場合、適宜、撮像装置11〜16という。
図4に示すように、6台の撮像装置11〜16は、ダンプトラック1の周囲360度の範囲における画像を撮像するために、ダンプトラック1の外周部分にそれぞれが取り付けられている。本実施形態において、それぞれの撮像装置11〜16は、左右方向において120度(左右60度ずつ)、高さ方向において96度の視野範囲を有しているが、このような視野範囲に限定されるものではない。また、図4には各撮像装置11〜16から矢印を示しているが、これら矢印の向きは各撮像装置11〜16が向いている方向を表している。
図4に示すように、第1撮像装置11は、ダンプトラック1の前面に取り付けられる。具体的には、第1撮像装置11は、斜めラダー2dの上端部、より具体的には、最上段の踊り場部分の下部に配置される。第1撮像装置11は、アッパデッキ2bに取り付けられたブラケットを介して、ダンプトラック1の前方に向かって固定されている。図5に示すように、第1撮像装置11は、ダンプトラック1の周囲に存在する領域のうち第1領域11Cを撮像して画像情報としての第1画像情報を出力する。第1領域11Cは、ダンプトラック1の車体部2の前方に広がる領域である。
図4に示すように、第2撮像装置12は、ダンプトラック1の前面における一方の側部に取り付けられる。具体的には、第2撮像装置12は、アッパデッキ2bの前面の右側部に配置される。第2撮像装置12は、アッパデッキ2bに取り付けられたブラケットを介して、ダンプトラック1の右斜め前方に向かって固定されている。図5に示すように、第2撮像装置12は、ダンプトラック1の周囲に存在する領域のうち第2領域12Cを撮像して画像情報としての第2画像情報を出力する。第2領域12Cは、ダンプトラック1の車体部2の右斜め前方に広がる領域である。
図4に示すように、第3撮像装置13は、ダンプトラック1の前面における他方の側部に取り付けられる。具体的には、第3撮像装置13は、アッパデッキ2bの前面の左側部に配置される。そして、第3撮像装置13は、ダンプトラック1の幅方向中央を通る軸に対して第2撮像装置12と左右対称となるように配置される。第3撮像装置13は、アッパデッキ2bに取り付けられたブラケットを介して、ダンプトラック1の左斜め前方に向かって固定されている。図5に示すように、第3撮像装置13は、ダンプトラック1の周囲に存在する領域のうち第3領域13Cを撮像して画像情報としての第3画像情報を出力する。第3領域13Cは、ダンプトラック1の車体部2の左斜め前方に広がる領域である。
図4に示すように、第4撮像装置14は、ダンプトラック1の一方の側面に取り付けられる。具体的には、第4撮像装置14は、アッパデッキ2bの右側面の前部に配置される。第4撮像装置14は、アッパデッキ2bに取り付けられたブラケットを介して、ダンプトラック1の右斜め後方に向かって固定されている。図5に示すように、第4撮像装置14は、ダンプトラック1の周囲に存在する領域のうち第4領域14Cを撮像して画像情報としての第4画像情報を出力する。第4領域14Cは、ダンプトラック1の車体部2の右斜め後方に広がる領域である。
図4に示すように、第5撮像装置15は、ダンプトラック1の他方の側面に取り付けられる。具体的には、第5撮像装置15は、アッパデッキ2bの左側面の前部に配置される。そして、第5撮像装置15は、ダンプトラック1の幅方向中央を通る軸に対して第4撮像装置14と左右対称となるように配置される。図5に示すように、第5撮像装置15は、ダンプトラック1の周囲に存在する領域のうち第5領域15Cを撮像して画像情報としての第5画像情報を出力する。第5領域15Cは、ダンプトラック1の車体部2の左斜め後方に広がる領域である。
図4に示すように、第6撮像装置16は、ダンプトラック1の後部に取り付けられる。具体的には、第6撮像装置16は、フレーム2fの後端であって、2個の後輪6、6を連結するアクスルハウジングの上方、かつベッセル4の回動軸付近に配置される。第6撮像装置16は、左右のフレーム2fを連結するクロスバーに取り付けられたブラケットを介して、ダンプトラック1の後方に向かって固定されている。図5に示すように、第6撮像装置16は、ダンプトラック1の周囲に存在する領域のうち第6領域16Cを撮像して画像情報としての第6画像情報を出力する。第6領域16Cは、ダンプトラック1の車体部2の後方に広がる領域である。
前述した6台の撮像装置11〜16を用いることにより、本実施形態に係る周辺監視システム10は、図5の中央に示すように、ダンプトラック1の全周360度の画像を撮像し、その画像情報を取得することができる。6台の撮像装置11〜16は、それぞれが撮像した画像情報としての第1画像情報〜第6画像情報を、図3に示すコントローラ100に送信する。
第1撮像装置11、第2撮像装置12、第3撮像装置13、第4撮像装置14及び第5撮像装置15は、比較的高い位置にあるアッパデッキ2bに設けられている。このため、コントローラ100は、第1撮像装置11〜第5撮像装置15によって上方から地面を見下ろすような画像を得ることができ、また、地面に存在する車両等の物体(以下、適宜対象物という)を広範囲に撮像することができる。また、第1撮像装置11〜第6撮像装置16が取得した第1画像情報〜第6画像情報から、コントローラ100が図5に示す俯瞰画像200を生成する際に視点変換を実行した場合でも、第1画像情報〜第6画像情報のうち第1画像情報〜第5画像情報は上方から撮像されて得られた情報なので、立体物の変形の程度が抑制される。
周辺監視システム10は、撮像装置11〜16にワイドダイナミックレンジカメラを用いる。このため、撮像装置11〜16は、明るい部分を視認できるレベルに保ちながら、ダンプトラック1の影になった部分のような暗い部分を明るく補正できる。したがって、撮像装置11〜16が撮像した画像は、黒潰れ及び白飛びが起きにくくなり、全体としてより分かりやすい画像となる。その結果、撮像装置11〜16を備える周辺監視システム10は、ダンプトラック1の影となる領域に存在する車両等の対象物が視認しやすくなった俯瞰画像200をモニタ50に表示することができる。このように、周辺監視システム10は、撮像装置11〜16が撮像した画像を用いてダンプトラック1の周辺を監視するにあたって、明暗のコントラスト差が大きい環境においても、ダンプトラック1の周囲の対象物を俯瞰画像200に表示することができる。その結果、ダンプトラック1のオペレータは、ダンプトラック1の周囲、特に影となる領域に存在する対象物を、環境によらず、確実に視認することができる。
このように、周辺監視システム10は、明暗のコントラスト差が大きい環境においても、ダンプトラック1の周囲の対象物を確実に表示する俯瞰画像200を生成することができるので、オペレータの死角に存在する対象物を、俯瞰画像200によって確実に視認できるようにすることができる。したがって、周辺監視システム10は、前述したような、鉱山で用いられる非常に大型のダンプトラック1の周辺を監視する際に非常に有効である。すなわち、ダンプトラック1は、非常に大きい影となる領域を形成する場合があり、かつ影となる領域を自身で作りながら移動し、さらにベッセル4の昇降によって影となる領域が大きく変化し、また、死角となる領域が大きい。周辺監視システム10は、このようなダンプトラック1において、ダンプトラック1の周囲の対象物を確実に表示する俯瞰画像200を生成して、ダンプトラック1のオペレータにダンプトラック1の周囲の正確な情報を提供できる。また、周辺監視システム10は、赤道直下のような日向と日陰との照度差が非常に大きくなるような場所で稼働するダンプトラック1に対して、ダンプトラック1のオペレータにダンプトラック1の周囲の正確な情報を提供できる。
<レーダ装置>
図6は、レーダ装置21〜28の配置を示す斜視図である。図7は、各レーダ装置21〜28の検出範囲を示す図である。図8は、ダンプトラック1の前方を検出するレーダ装置の具体的な配置を示す図である。図9は、ダンプトラック1の左側方を検出するレーダ装置の具体的な配置を示す図である。図10は、ダンプトラック1の右側方を検出するレーダ装置の具体的な配置を示す図である。図11は、ダンプトラック1の後方を検出するレーダ装置の具体的な配置を示す図である。図12は、ダンプトラック1の左側面とレーダ装置の照射状態を示す図である。図13は、ダンプトラック1の後方とレーダ装置の照射状態とを示す図である。
本実施形態において、物体検出装置としてのレーダ装置21、22、23、24、25、26、27、28(以下、適宜レーダ装置21〜28という)は、例えば、方位(水平)方向80度(±40度)、上下(垂直)方向16度(±8度)の検出角度を有し、検出距離が最大15m以上のUWB(Ultra Wide Band)レーダ(超広域帯レーダ)である。レーダ装置21〜28は、ダンプトラック1の周囲に存在する対象物とダンプトラック1との相対的な位置(相対位置)を検出する。それぞれのレーダ装置21〜28は、撮像装置11〜16と同様に、ダンプトラック1の外周部分に取り付けられる。各レーダ装置21〜28の方位(水平)方向の検出角度は、80度(±40度)としているが、これ以上の検出角度を有していてもよい。また、図6には各レーダ装置21〜28から矢印を示しているが、これら矢印の向きが各レーダ装置21〜28の検出範囲の方向を表している。
レーダ装置21、22について、主として、図6及びダンプトラック1の前方視の図8を参照して説明する。レーダ装置21、22は、アッパデッキ2bの下方に位置する、地上から1m程度の高さになるロアデッキ2a上及びラダー2dの下方に設けられる。レーダ装置21、22は、それぞれブラケットB21、B22を介して車両中心面Cに対して左右対称に取り付けられる。ここで、車両中心面C内の軸として、ダンプトラック1内で地上からの高さが同一の2点の場所を結んだ線であって、ダンプトラック1の後から前方向に向かって伸びている車両中心面C内にある線を基準軸として定義する。図7に示す一点鎖線CHは、その車両中心面C内の基準軸に対して、ダンプトラック1の左右方向に平行な線を、説明のために示したものである。以下、レーダ装置21、22の具体的な取付例に関して説明する。
レーダ装置21は、前方斜め左方向に向けられて配置され、レーダ装置22は、前方斜め右方向に向けられて配置される。具体的には、図7に示すように、レーダ装置21の水平方向の照射中心軸C21は、ダンプトラック1の中心面(以下、適宜車両中心面という)C内における基準軸を基準として、その基準軸から反時計回りであって、ダンプトラック1の左側に45度傾けられる。レーダ装置22の水平方向の照射中心軸C22は、車両中心面C内の基準軸を基準として、その基準軸から時計回りであって、ダンプトラック1の右側に45度傾けられる。各照射中心軸C21、C22は、互いに交差する。また、レーダ装置21、22の垂直方向の各照射中心軸は、約5度の俯角を有する。このようにすることで、ダンプトラック1の前端部から前方の領域の障害物をすべて検出することができる。
車両中心面Cを中心として左右対称に配置されるレーダ装置28及びレーダ装置23を、図6、ダンプトラック1の左側から側方視となる図9及びダンプトラック1の右側からの側方視となる図10を参照して説明する。レーダ装置28は、主にレーダ装置21、22の左側側方を撮像する撮像装置13、15が備えられるアッパデッキ2bの下方に位置するロアデッキ2aの左側端部、かつラダー2c上端部近傍に設けられる。レーダ装置28は、ロアデッキ2bにブラケットB28を介し取り付けられ、レーダ装置21、22の左側の側方かつ外側に向けて配置される。
レーダ装置23は、ダンプトラック1の右側からの側方視となる図10及び後に詳細を説明する図7に示すように、レーダ装置28とは車両中心面Cを中心(基準)に左右対称位置に設置される。レーダ装置23は、主にダンプトラック1の右側側方を撮像する撮像装置12、14が備えられるアッパデッキ2bの下方に位置するロアデッキ2aの右側端部かつダンプトラック1の右側方に設けられたラダー2cに設けられる。レーダ装置23は、ロアデッキ2aにブラケットB23を介し取り付けられ、ダンプトラック1の右側の側方かつ外側に向けて配置される。
図7は、レーダ装置21〜28の検出範囲を示す。まず、車両中心面Cを中心として左右対称に配置される、レーダ装置23、28の具体的な取付例を説明する。レーダ装置23の水平方向における照射中心軸C23は、車両中心面C内の基準軸を基準として、その基準軸から反時計回りであって、ダンプトラック1の右側に70度傾けられている。レーダ装置28の水平方向の照射中心軸C28は、車両中心面C内の基準軸を基準として、その基準軸から時計回りであって、ダンプトラック1の左側に70度傾けられている。また、レーダ装置23、28の垂直方向の各照射中心軸は、約5度の俯角を有している。
レーダ装置23、28は、ダンプトラック1の側方、特に前輪5及び後輪6の前方側に存在する対象物を検出する。また、レーダ装置23、28は、ベッセル4及びアッパデッキ2bの下方に位置しているので、積載時にベッセル4から飛び出す飛石等の衝突といった影響を受けにくくなっている。
車両中心面Cを中心として左右対称に配置される、レーダ装置27及びレーダ装置24を、図6、ダンプトラック1の左側から側方視となる図9及びダンプトラック1の右側からの側方視となる図10を参照して説明する。レーダ装置27は、エアークリーナ62の側端部に配置される。エアークリーナ62は、アッパデッキ2bの下方に位置するロアデッキ2aに向けて延伸するダンプトラック1の左側のフロントフェンダー2gから側方に張り出した位置に設けられている。アッパデッキ2bには、主にダンプトラック1の左側における側方を撮像する撮像装置13、15が備えられる。レーダ装置27は、フロントフェンダー2gにブラケットB27を介し、後方に向けて取り付けられる。本実施形態ではレーダ装置27の取付高さは、地上から2.5m程度であるが、この取付高さはダンプトラック1の大きさに応じて適宜決められる。他のレーダ装置21〜26,28の取付高さも同様にダンプトラック1の大きさに応じて適宜決められる。
図6及び図7に示すように、レーダ装置24は、レーダ装置27とは車両中心面Cを基準に左右対称位置に設置される。レーダ装置24は、エアークリーナ62の側端部に配置される。エアークリーナ62は、アッパデッキ2bの下方に位置するロアデッキ2aに向けて延伸するダンプトラック1の右側のフロントフェンダー2gから右側側方に張り出した位置に設けられている。アッパデッキ2bには、主にダンプトラック1の右側側方を撮像する撮像装置12、14が備えられる。レーダ装置24は、フロントフェンダー2gにブラケットB24を介し、後方に向けて取り付けられる。
次に、レーダ装置24、27の具体的な取付例を説明する。レーダ装置24の水平方向の照射中心軸C24は、車両中心面C内の基準軸を基準として、その基準軸から反時計回りであって、ダンプトラック1の右側に30度傾けられている。レーダ装置27の水平方向の照射中心軸C27は、車両中心面C内の基準軸を基準として、その基準軸から時計回りであって、ダンプトラック1の左側に30度傾けられている。これらの角度は、30度に限らず、45度以下であればよい。すなわち、水平検出範囲の後方側限界線L24、L27が車両中心面C側に向けられ、照射領域には前輪5及び後輪6を含めた車両重複領域E1が形成される角度になればよい。この照射中心軸C24、C27は、前輪5が若干照射領域に含まれるとともに、後輪6の接地部分が照射領域に含まれるように指向されることが好ましい。レーダ装置24、27の垂直方向の各照射中心軸は、約15度の俯角を有する。車両重複領域E1は、ダンプトラック1の内側の領域と照射領域とが重なった領域であり、後述する車両領域に含まれる。
レーダ装置24、27は、ダンプトラック1の側方、特にベッセル側方全域に該当する側方後方領域に存在する対象物を検出する。また、各レーダ装置24、27は、ベッセル4及びアッパデッキ2bの下方に位置するので、積載時にベッセル4から飛び出す飛石等の衝突といった影響を受けにくくなる。
図7に示すように、レーダ装置23、24の水平方向の側方検出範囲及びレーダ装置27、28の水平方向の側方検出範囲はそれぞれ重複部分を有している。このためレーダ装置23、24、27、28は、ダンプトラック1の前端から後端までの間における両側方の領域に存在する対象物を隈なく検出することができる。また、キャブ3が設置されるダンプトラック1の左側の対称位置となるダンプトラック1右側に配置されるレーダ装置23、24は、キャブ3からの視認が困難になるダンプトラック1の右側方向に存在する対象物を検出することが可能になる。
レーダ装置25、26を、図6及びダンプトラック1の後方視となる図11を参照して説明する。レーダ装置25、26は、地上から2m程度の高さ、かつベッセル4の撮像装置16が設置されたクロスメンバー70よりも下方に位置する後輪6の駆動軸のリアアクスル71のケース後方側に配置される。なお、レーダ装置25、26の取付高さは、ダンプトラック1の大きさに応じて適宜決められる。レーダ装置25、26は、それぞれブラケットB25、B26を介して車両中心面Cに対して左右対称に取り付けられる。また、レーダ装置25、26は、リアサスペンションシリンダ72の接合部73間に設けられる。レーダ装置25は、後方斜め右方向に向けられて配置され、レーダ装置26は、後方斜め左方向に向けられて配置される。
図7に示すように、レーダ装置25の水平方向の照射中心軸C25は、車両中心面C内の基準軸を基準として、その基準軸から反時計回りであって、ダンプトラック1の右側に45度傾けられている。レーダ装置26の水平方向の照射中心軸C26は、車両中心面Cの基準軸を基準として、その基準軸から時計回りであって、ダンプトラック1の左側に45度傾けられている。各照射中心軸C25、C26は、ベッセル4の下方において車両中心面C上でそれぞれ交差する。また、レーダ装置25、26の垂直方向の各照射中心軸は、俯角方向に0〜10度、本実施形態では約5度の俯角を有する。
各レーダ装置25、26は、車両中心面Cに対し左右対称に取り付けられ、かつ各照射中心軸が交差するように設置されている。このため、ダンプトラック1の後端部から後方の領域に存在する対象物をすべて検出することができる。特に、レーダ装置25、26は、クロスメンバー70よりも低い位置となるリアアクスル71のケースに小さい俯角をもって配置される。図12及び図13に示すように、ダンプトラック1の低い位置に小さい俯角をもって設置されたレーダ装置25、26は、ダンプトラック1の遠方及びベッセル4の下方又は後方に隠れた対象物を同時に検出することができる。本実施形態において、レーダ装置25の水平方向の照射中心軸C25とレーダ装置26の水平方向の照射中心軸C26とは、車両中心面Cに対して45度としたが、45度以下であればよく、例えば30度であってもよい。この値は、後輪6の後端に対するレーダ装置25、26の後方への張り出し具合によって決定すればよい。
8台のレーダ装置21〜28は、ダンプトラック1の周囲360度全周を検出範囲として、対象物とダンプトラック1との相対位置を検出することができる。8台のレーダ装置21〜28は、それぞれ検出した対象物とダンプトラック1との相対位置を示す相対位置情報をコントローラ100に送信する。このように、複数(8台)のレーダ装置21〜28は、車体部2に設けられて、車体部2の全周範囲に存在する対象物を検出可能である。
ダンプトラック1の各々の方向に存在する対象物を検出するレーダ装置21〜28は、俯瞰画像を生成するためダンプトラック1の各々の方向を撮像する各撮像装置11〜16よりも低い位置の部材に取り付けられる。各撮像装置11〜16は、俯瞰画像200を生成するために高い位置に配置された方が、生成された俯瞰画像200に違和感が少なくなる。また、照射領域が垂直方向に狭い角度を有するレーダを用いても、撮像装置11〜16より低い位置にレーダを設置することにより、ダンプトラック1の近傍から遠方までの対象物を検出することができる。その結果、撮像装置11〜16が撮像し、生成した俯瞰画像200中に、レーダ装置21〜28が検出した対象物位置情報に対応する指標を俯瞰画像200中へ表示することができる。
<コントローラ>
図3に示すコントローラ100は、撮像装置11〜16及びレーダ装置21〜28を用いて、ダンプトラック1の周囲における対象物の有無を俯瞰画像200に表示し、必要に応じて対象物の存在をオペレータに報知する。コントローラ100は、図3に示すように、俯瞰画像合成部110、カメラ画像切替・視点変換部120、対象物位置情報生成部130、表示制御部140、警報制御部150、対象物情報収集部210及び対象物処理部220を有している。
俯瞰画像合成部110は、図3に示すように、撮像装置11〜16に接続されている。俯瞰画像合成部110は、それぞれの撮像装置11〜16が撮像し、生成した複数の画像情報(第1画像情報〜第6画像情報)を受信する。そして、俯瞰画像合成部110は、受信した複数の画像情報に対応した画像を合成して、ダンプトラック1の全周囲を含む俯瞰画像200を生成する。具体的には、俯瞰画像合成部110は、複数の画像情報をそれぞれ座標変換することによって、複数の画像を所定の投影面上に投影させた俯瞰画像200をモニタ50に表示するための俯瞰画像情報を生成する。
カメラ画像切替・視点変換部120は、図3に示すように、撮像装置11〜16に接続されている。そして、カメラ画像切替・視点変換部120は、例えば、レーダ装置21〜28による障害物検出の結果等に応じて、俯瞰画像200とともにモニタ50の画面に表示される各撮像装置11〜16による撮像画像を切り替える。また、カメラ画像切替・視点変換部120は、各撮像装置11〜16によって取得された画像情報を、上方無限遠からの視点からの画像情報に変換する。
対象物位置情報生成部130は、図3に示すように、カメラ画像切替・視点変換部120、表示制御部140及び対象物処理部220に制御情報及び制御データ等を送るようになっている。対象物位置情報生成部130は、各撮像装置11〜16によって取得された画像情報を合成して形成される俯瞰画像200中に、レーダ装置21〜28によって取得された対象物の位置情報を合成して表示させるための対象物位置情報を生成し、カメラ画像切替・視点変換部120及び表示制御部140に対して送信する。
表示制御部140は、図3に示すように、俯瞰画像合成部110、カメラ画像切替・視点変換部120、対象物位置情報生成部130及び警報制御部150から制御情報及び制御データ等を受け取るようになっている。表示制御部140は、俯瞰画像合成部110が生成したダンプトラック1の全周囲における俯瞰画像情報と、レーダ装置21〜28によって取得されたダンプトラック1の全周囲における対象物位置情報とに基づいて、対象物の位置が含まれた俯瞰画像200を生成する。この画像は、モニタ50に表示される。このように、表示制御部140は、対象物位置情報に基づいて、ダンプトラック1の周囲に存在する対象物を示す指標をモニタ50に表示させることにより、ダンプトラック1の周囲に対象物が存在することをダンプトラック1のオペレータに対して警報として報知することができる。なお、表示制御部140は、ダンプトラック1の周囲に存在する対象物を示す指標を、撮像装置11〜16によって取得された画像情報に基づいて生成された画像とともにモニタ50へ表示してもよい。
警報制御部150は、対象物位置情報生成部130と、シフトレバーポジションセンサ37Sと、パーキングブレーキ操作スイッチ37Pと、ダンプレバーポジションセンサ38Sと、ペイロード用制御装置40と、ベッセル着座センサ43とから、それぞれの出力(検出信号又は制御信号等)を取得する。また、警報制御部150は、スピーカ等を有する警報発音装置51と、表示制御部140と、レーダ装置21〜28とに、それぞれ制御信号を送信する。
警報制御部150は、対象物位置情報生成部130から送信された、レーダ装置21〜28が検出したダンプトラック1の周囲に存在する対象物の情報を取得する。対象物の情報は、前述した対象物位置情報及びレーダ装置21〜28が対象物を検出したことに関する情報を含む。対象物の情報を取得した警報制御部150は、例えば、警報発音装置51に警報音を発せさせる。また、警報制御部150は、表示制御部140に指標を表示させるための指令を制御情報として送る。この指令を受けた表示制御部140は、検出された対象物に対応する指標をモニタ50に表示される俯瞰画像200等に表示させる。このようにして、警報制御部150は、レーダ装置21〜28の検出結果に基づいて警報、すなわちダンプトラック1の周囲に対象物が存在することに対する警報を報知する。
警報制御部150は、警報を報知可能な状態とする報知モードと、警報の報知を停止する待機モードとを、ダンプトラック1の状態に応じて切り替える。例えば、警報制御部150は、シフトレバーポジションセンサ37S、パーキングブレーキ操作スイッチ37P、ダンプレバーポジションセンサ38S、ペイロード用制御装置40又はベッセル着座センサ43からこれらの検出信号を取得する。これらの検出信号は、ダンプトラック1の状態に関する情報(適宜、車両状態情報という)である。警報制御部150は、取得した作業車両状態情報に基づいて、報知モードと待機モードとを切り替える。
報知モードは、レーダ装置21〜28がダンプトラック1の周囲に対象物を検出したときには、警報制御部150が、警報音を発すること及びモニタ50に指標を表示することの少なくとも一方を警報として報知するモードである。制限モードは、レーダ装置21〜28がダンプトラック1の周囲に対象物を検出したときに、警報制御部150が、レーダ装置21〜28によって検出される対象物に対応する警報の報知、例えば、警報音を発すること及びモニタ50に指標を表示することを制限するモードである。警報の報知の制限とは、例えば、音と指標とによって警報を報知する場合、音の報知を停止して指標のみで報知する場合、指標による報知を停止して音のみで報知する場合及び音及び指標の両方の報知を停止する場合が含まれる。すなわち、本実施形態において、警報の報知の制限とは、聴覚に対する報知及び視覚に対する報知のうち少なくとも一方を停止することをいう。このように、警報制御部150は、警報の報知を制御する。
警報制御部150に接続されているペイロード用制御装置40は、ベッセル4に積載された積荷の重量(積載量)、すなわちペイロードを求めて出力する装置である。ペイロード用制御装置40には、圧力センサ41が電気的に接続されている。図示しないサスペンションは、ダンプトラック1の前輪5の左右および後輪6の左右に備えられている。つまり、ダンプトラック1は4つのサスペンションを持っており、各サスペンションは、油が封入されたサスペンションシリンダを備えている。圧力センサ41が、各サスペンションシリンダに取り付けられている。つまり、ダンプトラック1台につき4個の圧力センサ41が備えられている。そして、4個の圧力センサ41は、各サスペンションシリンダ内の油の圧力(例えばボトム圧力)を検出する。ペイロード用制御装置40は、圧力センサ41の検出結果に基づいてペイロードを求めて出力する。ベッセル着座センサ43は、ベッセル4がダンプトラック1のフレーム2fから起立した後にフレーム2fに向かって下降して、再び元の位置に戻って積載姿勢となったことを検出するセンサである。ベッセル着座センサ43は、リミットスイッチ又は超音波センサ等の各種の位置検出センサを用いることができる。
シフトレバーポジションセンサ37Sは、シフトレバー37の位置を検出する。このため、シフトレバーポジションセンサ37Sの検出結果から、ダンプトラック1の走行モードが前進側、後進側、中立又は駐車(パーキング)等のいずれであるか及びダンプトラック1の変速段を知ることができる。パーキングブレーキ操作スイッチ37Pは、ダンプトラック1が駐車しているときにパーキングブレーキを作動させるために操作される。パーキングブレーキ操作スイッチ37Pの出力によっても、ダンプトラック1の駐車を知ることができる。ダンプレバーポジションセンサ38Sは、ダンプレバー38の位置を検出する。このため、コントローラ100は、ダンプレバーポジションセンサ38Sの検出結果から、ダンプトラック1が積荷を排出しているか否かを知ることができる。
記憶部160は、ダンプトラック1が積荷を積載する際における警報の制御を実行するためのコンピュータプログラム及びこの警報の制御に必要なデータ等を記憶している。前述した警報制御部150及び表示制御部140等は、記憶部160が記憶しているコンピュータプログラムを読み出して実行したり、前述した警報の制御に必要なデータを読み出したりして、前述した警報の制御を実行する。
対象物情報収集部210は、図3に示すように、レーダ装置21〜28と接続されている。また、対象物情報収集部210は、対象物処理部220に制御情報及び制御データ等を送るようになっている。対象物情報収集部210は、レーダ装置21〜28からそれぞれの検出範囲における対象物検出結果を受信し、対象物処理部220へ送信する。
対象物処理部220は、図3に示すように、対象物情報収集部210と対象物位置情報生成部130とに制御情報及び制御データ等を送るようになっている。対象物処理部220は、対象物情報収集部210から受信した対象物の位置情報を、対象物位置情報生成部130へ送信する。
コントローラ100は、例えば、演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)と記憶装置としてのメモリとを組み合わせたコンピュータと、俯瞰画像の合成等といった画像処理を実行する画像処理用デバイス(例えば、画像ボード)とを組み合わせたものである。画像処理用デバイスは、例えば、俯瞰画像を合成する等の画像処理を実行する専用のIC(例えばFPGA:Field-Programmable Gate Array)及びメモリ(例えばVRAM:Video Random Access Memory)等を搭載している。
本実施形態において、図4に示すように、撮像装置11〜16がアッパデッキ2bの正面及び側面並びにベッセル4の下方に配置されている。そして、コントローラ100は、撮像装置11〜16が撮像し、取得した第1画像情報〜第6画像情報を合成して、図5に示すような俯瞰画像200を生成して、キャブ3内における運転席31の前方に配置されるモニタ50に表示させる。このとき、モニタ50は、コントローラ100の制御に応じて、俯瞰画像200等の画像を表示する。俯瞰画像200は、撮像装置11〜16が撮像した第1領域11C〜第6領域16Cに対応する第1画像情報〜第6画像情報をコントローラ100が合成することによって得られる。周辺監視システム10、より具体的にはコントローラ100の表示制御部140は、このような俯瞰画像200をモニタ50に表示する。また、表示制御部140は、対象物位置情報生成部130が生成した対象物位置情報を取得し、ダンプトラック1の周囲に存在する対象物を示す指標を、例えば、モニタ50の俯瞰画像200中に表示する。周辺監視システム10を用いることにより、ダンプトラック1のオペレータは、モニタ50に表示された俯瞰画像200を視認するだけで、ダンプトラック1の周囲360度の全範囲を監視することができる。
<コントローラ100がモニタ50に表示する画像の一例>
図14は、コントローラ100がモニタ50に表示する画像の一例を示す図である。図14中の符号UPはモニタ50の上側を、符号UNは下側を、符号Lは左側を、符号Rは右側を示す。符号Fは、ダンプトラック1の前側を、符号Bは後側を示す。ダンプトラック1は、モニタ50の上側がダンプトラック1の前側となり、モニタ50の下側がダンプトラック1の後側となるようにモニタ50に表示される。本実施形態において、モニタ50には、第1画像2A、第2画像2B及び第3画像2Cが同一の画面に表示される。警報が報知される場合には、第1画像2A、第2画像2B及び第3画像2Cの少なくとも1つがモニタ50に表示されていればよい。
第1画像2Aは、図5に示す、ダンプトラック1の周囲に存在する第1領域11C〜第6領域16Cに対応した警報領域C11〜C16を有している。警報領域C11〜C16は、それぞれ、隣接する警報領域との境界OL1〜OL6を有している。警報領域C11〜C16は、ダンプトラック1の周囲に存在する対象物を示す指標が境界OL1〜OL6の内側に存在する場合、境界OL1〜OL6が強調して表示される。図14に示す例では、警報領域C11、C14、C16にそれぞれ指標MKa、MKb、MKcが存在するので、境界OL1、OL4、OL6が強調して表示される。境界OL1、OL4、OL6は、例えば、これらを赤色で表示したり、点滅表示したりすることで強調される。
第1画像2Aは、ダンプトラック1の周囲に、点線RL1、RL2、RL3が表示されている。点線RL1はダンプトラック1に最も近い位置に表示され、点線RL3はダンプトラック1から最も遠い位置に表示される。点線RL2は、点線RL1と点線RL3との間に表示される。点線RL1、RL2、RL3は、それぞれダンプトラック1から所定の距離だけ離れた位置を示している。ダンプトラック1のオペレータは、点線RL1、RL2、RL3によって、第1画像2Aに表示された指標MKa、MKb、MKcとダンプトラック1との距離を把握することができる。
第2画像2Bは、複数の撮像装置11〜16のうち少なくとも1つが撮像した画像である。周辺監視システム10は、撮像装置11〜16が撮像した画像を第2画像2Bとしてモニタ50に表示する。このようにすることで、ダンプトラック1のオペレータは、ダンプトラック1の周囲の状況を視認することができる。図14に示す例では、ダンプトラック1の前方に存在する車両60が第2画像2Aに表示されている。車両60は、指標MKaに対応している。
第3画像2Cは、ダンプトラック1と、第1警報領域C11〜第6警報領域C16を模式化し、簡略化して表示したものである。第3画像2Cは、警報の対象となっている位置と、第2画像2Bが表示している位置との少なくとも一方を示す。このような画像の構造により、第3画像2Cは、第1画像2Aと第2画像2Bとの対応関係を示す機能を有している。警報の対象となっている位置は、指標MKa、MKb、MKcが存在する領域である。この例では、第1警報領域C11、第4警報領域C14及び第6警報領域C16である。図14に示す例では、網目模様又はハッチングで示してある。
第2画像2Bが表示している位置は、第1警報領域C11である。図14に示す例では、網目模様で示してある。このように、第3画像2Cは、警報の対象となっている警報領域と、そのうち撮像装置11〜16によって撮像された画像が第2画像2Bとして表示されている警報領域とを異なる態様で表示している。ダンプトラック1のオペレータは、モニタ50に表示された第3画像2Cを視認することにより、対象物が存在する領域及び第2画像2Bとして表示されている警報領域を直感的に認識することができる。このため、オペレータは、ダンプトラック1と対象物との位置関係をより確実かつ正確に把握しやすくなる。次に、ダンプトラック1が積荷を排出する際における警報の制御(適宜、積荷排出時警報制御という)について説明する。
<積荷排出時警報制御>
図15は、ダンプトラック1がベッセル4から積荷PLを排出している状態を示す図である。ダンプトラック1は、ベッセル4に積載した積荷PLを排土場等で排出する。このとき、ダンプトラック1のオペレータは、図2、図3に示すダンプレバー38を操作してベッセル4を起立させる。ダンプレバー38が操作されると、油圧シリンダであるアクチュエータ75に、図示しない油圧ポンプから作動油が流れ、油圧シリンダのシリンダロッドが伸縮動作する。シリンダロッドの先端は、ベッセル4の底部にあるフランジとピンを介して連結している。また、油圧シリンダ(アクチュエータ75)のシリンダチューブの後端は、ダンプトラック1のフレーム2fに設けられたフランジとピンを介して連結している。ダンプレバー38が、ベッセル4を起立させる方向(例えば上方向)に操作されると油圧シリンダ(アクチュエータ75)のシリンダロッドは突出が動作して、ベッセル4はダンプトラック1の後端側を中心として起立して、積荷PLを後方から排出する。
積荷PLはベッセル4の後部から排出される。ダンプトラック1の後方に存在する対象物を検出するレーダ装置25、26は、ベッセル4の下方かつ両方の後輪6の間に配置されている。このため、積荷PLの排出時において、レーダ装置25、26は、ベッセル4の後方から排出される積荷PLも検出する。これ以外のレーダ装置21〜24、27、28(図15ではレーダ装置27、28を示している)は、ダンプトラック1の後方、特にベッセルの後方は検出範囲ではないので、積荷PLの排出時にはこれを検出しない。
積荷PLの排出時にレーダ装置25、26が積荷PLを検出し、その検出結果に基づいてコントローラ100が警報を報知すると、警報の報知が非常に煩雑になる。特に、警報音が報知される場合は、これが顕著である。警報の報知が煩雑になると、ダンプトラック1のオペレータは煩わしさを感じて周辺監視システム10の電源を切る等してこれを動作させないようにする可能性もある。また、ベッセル4から排出されている積荷PLは、量が多く、かつレーダ装置25、26との距離も近い。このため、電波の反射強度が非常に大きく、レーダ装置25、26は過大な反射強度を有する電波を受信する可能性がある。コントローラ100が俯瞰画像200等とともに指標をモニタ50に表示する場合、過大な反射強度を有する電波を受信したレーダ装置25、26の出力を用いると、モニタ50には、対象物として指標を表示すべきではないのに指標が表示され誤った情報、すなわち対象物が存在することを示した画像(虚偽画像)が表示されるような事象が生じる。虚像画像がモニタ50に表示されると、オペレータは、対象物があるのではないかと惑わされ、俯瞰画像200等の他の情報の視認もしにくくなる。このような虚像画像が表示されることは、積荷PLが排出されるときに発生する可能性があるが、単にベッセル4を起立させた場合もレーダ装置25、26はベッセル4の後端を検出するので、同様の事象が発生する可能性がある。すなわち、レーダ装置25、26が、ベッセル4の後端を対象物として検出してしまうのである。このように、ベッセル4の起立時には、積荷PL又はベッセル4の後端が周辺監視システム10に影響を与える可能性がある。
前述した事象を回避するため、図3に示す周辺監視システム10、より具体的にはコントローラ100は、積荷排出時警報制御を実行して、ダンプトラック1の状態に応じて報知モードと待機モードとを切り替える。ダンプトラック1の状態としては、ベッセル4の状態又は積荷PLの排出が行われる状態であるが、積荷PLの排出にはベッセル4の起立が必要である。このため、本実施形態においては、主として、ベッセル4の状態に基づいて報知モードと待機モードとが切り替えられる。なお、報知モードと待機モードとの切り替えに用いるダンプトラック1の状態は、これに限定されるものではない。次に、コントローラ100が積荷排出時警報制御を実行する手順を説明する。
図16は、コントローラ100が実行する積荷排出時警報制御の手順を示すフローチャートである。周辺監視システム10は、通常は報知モードになっている。すなわち、レーダ装置21〜28がダンプトラック1の周囲に対象物を検出したら、コントローラ100は警報を報知するモードである。積荷排出時警報制御を実行するにあたり、ステップS101において、図3に示すコントローラ100の警報制御部150は、ダンプトラック1の情報を取得する。この情報は、ダンプトラック1の状態に関する情報(以下、適宜車両状態情報という)であり、警報制御部150は、例えば、ダンプトラック1の制御装置から車載通信回線を介してこの情報を取得することができる。
次に、ステップS102に進み、警報制御部150は、ステップS101で取得した車両状態情報に基づき、警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かを決定する。警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かは、例えば、ベッセル4の状態に基づいて決定されてもよいし、ダンプトラック1の走行モードに基づいて決定されてもよい。警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かがベッセル4の状態に基づいて決定される場合、警報制御部150は、例えば、ベッセル4が起立を開始するタイミングで警報を報知する態様を切り替えるようにすることができる。ベッセル4が起立を開始するタイミングは、例えば、ベッセル4の動作を操作するダンプレバー38の位置又は動作を検出するダンプレバーポジションセンサ38Sが、ダンプレバー38に対して行われたベッセル4を起立させる操作に対応する信号を出力したときとすることができる。ベッセル4の動作は積荷PLの排出に直結するため、ベッセル4の状態を利用することにより、警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かを確実に判断することができる。
警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かがダンプトラック1の走行モードに基づいて決定される場合、警報制御部150は、例えば、ダンプトラック1のブレーキ、本実施形態ではパーキングブレーキが作動した場合(パーキングモード)又はホイールロックブレーキ(ホイールロックモード)が作動した場合に、警報を報知する態様を切り替えるようにすることができる。これらが作動すると、積荷PLを排出する可能性が高いからである。パーキングブレーキ又はホイールロックブレーキも、積荷PLの排出に関係するので、これらの状態を利用することにより、警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かを判断する確度を向上させることができる。
パーキングブレーキは、図2、図3に示すシフトレバー37をパーキングの位置に設定するか又は図3に示すパーキングブレーキ操作スイッチ37Pをオンにすることにより作動する。パーキングブレーキは、ばねを用いて後輪6のみに制動力を作用させる。ばね力であるため油圧ブレーキよりも制動力は弱い。ホイールロックブレーキは、ダンプトラック1が架線等から電力の供給を受けて電動機を駆動させ、その駆動力で走行するもの又はエンジンで発電機を駆動させ、発電された電力で電動機を駆動させその駆動力で走行するものといった、いわゆるエレキダンプに用いられる場合が多い。ホイールロックブレーキは、図示しないホイールロックスイッチの操作によって電気信号を発生させて油圧バルブを動作させ、後輪6のみに油圧ブレーキによる制動力を作用させるものである。
また、警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かは、例えば、ダンプトラック1の現在位置に基づいて決定されてもよい。例えば、GPS(Global Positioning System)センサをダンプトラック1に搭載し、予め排土場の地理的情報をコントローラ100の記憶部160に記憶させ、GPSセンサによって検出されたダンプトラック1の現在位置が排土場であると判断された場合、警報制御部150は、警報を報知する態様を切り替えるようにすることができる。ダンプトラック1は、排土場でベッセル4の積荷PLを排出するからである。ダンプトラック1の現在位置が排土場である場合、積荷PLを排出する可能性が非常に高いため、この情報を利用することにより、警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かを判断する確度を向上させることができる。なお、記憶部160に記憶させる排土場の位置を示す位置情報に加えて、予め任意の位置を示す位置情報を記憶部160に記憶させてもよい。そのような任意の位置は、ベッセル4の起立が必ず行われるような場所、例えば、鉱山内に設置されたダンプトラック1の点検整備場の場所であってもよい。
以下、積荷排出時警報制御のステップ102以降について説明する。例えば、警報を報知する態様を切り替える必要があるか否かを決定するために用いる車両状態情報としてベッセル4の状態に関する情報が用いられる場合、警報制御部150は、図3に示すダンプレバーポジションセンサ38Sの出力を取得する。警報制御部150は、ダンプレバーポジションセンサ38Sからベッセル4を起立させる操作に対応する信号を取得した場合、警報を報知する態様を切り替える必要があるとする(ステップS102、Yes)。この場合、警報制御部150は、処理をステップS103に進める。また、警報制御部150は、ダンプレバーポジションセンサ38Sからベッセル4を起立させる操作に対応する信号を取得しない場合、警報を報知する態様を切り替える必要がないとする(ステップS102、No)。この場合、警報制御部150は、報知モードを維持した状態で、積荷排出時警報制御を終了する。
ステップS103において、警報制御部150は、警報の報知を停止させる。すなわち、警報制御部150は、報知モードから待機モードに切り替える。本実施形態において、待機モードでは、レーダ装置25、26の検出対象に対応する警報の報知、すなわち警報音の報知及びモニタ50への指標の表示が停止される。待機モードにおける警報の報知の停止は、レーダ装置25、26の検出対象なので、他のレーダ装置21〜24、27、28の検出対象に対しては、警報の報知の停止は適用されない。したがって、待機モードにおいて、レーダ装置21〜24、27、28がダンプトラック1の周囲に対象物を検出した場合、対応する警報が報知される。
警報制御部150は、レーダ装置25、26の動作を停止させて、レーダ装置25、26の検出対象に対応する警報の報知を停止させることにより、待機モードとすることができる。レーダ装置25、26の動作を停止させるためには、例えば、レーダ装置25、26に対する電力の供給を停止する、すなわちレーダ装置25、26の電源をオフにする手法がある。また、警報制御部150は、レーダ装置25、26の検出結果がコントローラ100へ入力されない状態として、レーダ装置25、26の検出対象に対応する警報の報知を停止させることにより、待機モードとすることもできる。
さらに、警報制御部150は、レーダ装置25、26の検出結果がコントローラ100へ入力されても、警報の報知を実行しないことにより、待機モードとすることもできる。具体的には、警報制御部150は、警報音を発しないようにさせ、レーダ装置25、26の検出範囲に対応する、図14に示す警報領域C16を強調表示せず、指標を表示しないことにより、待機モードとする。これらのうち、いずれの手法によっても待機モードを実現できる。
レーダ装置25、26の動作を停止させる場合、レーダ装置25、26は検出結果自体を出力しないので、コントローラ100には検出結果が入力されない。一方、レーダ装置25、26の検出結果がコントローラ100へ入力されない状態とする場合、レーダ装置25、26は、対象物を検出した場合には、検出結果を出力するが、コントローラ100は、その入力を受け付けない。あるいは、警報制御部150が警報の報知を実行しない場合、コントローラ100は、レーダ装置25、26が対象物を検出した場合には、その検出結果を受け付ける。
警報制御部150が警報の報知を実行しないことで待機モードを実現する場合、警報は報知されないが、レーダ装置25、26の飽和した出力がコントローラ100に入力される。このため、コントローラ100は、過大な反射強度を有する電波を受信したレーダ装置25、26の出力によって周辺監視システム10を実現するためのコンピュータプログラム等に何らかの影響を与える可能性がある。レーダ装置25、26の検出結果がコントローラ100へ入力されない状態とすることにより待機モードを実現する場合、レーダ装置25、26の飽和した出力は、コントローラ100に入力されない。しかし、レーダ装置25、26は動作しているため、これらは過大な反射強度を有する電波を受信する可能性がある。その結果、レーダ装置25、26の耐久性低下等を招く可能性がある。レーダ装置25、26の動作を停止させて待機モードを実現する場合、レーダ装置25、26は動作していないため、過大な反射強度を有する電波を受信することはない。このように、周辺監視システム10に与える影響を考慮すると、レーダ装置25、26の動作を停止させて待機モードを実現することが最も好ましい。これは、前述した他の2つの手法を排除することを意味するものではない。
報知モードから待機モードに切り替えられたら、ステップS104に進み、警報制御部150は、復帰条件が成立しているか否かを判定する。例えば、ベッセル4が積荷PLの排出を完了したとき、ベッセル4が起立して積荷PLを排出した後に元の位置へ戻ったとき又はベッセル4の積荷PLの荷重が所定の閾値以下になった場合に、復帰条件が成立したとすることができる。
ベッセル4が積荷PLの排出を完了したときは、例えば、起立したベッセル4を積載姿勢に戻す操作が図3に示すダンプレバー38に入力されたことを、ダンプレバーポジションセンサ38Sが検出したときとすることができる。また、ベッセル4の積荷PLの荷重が所定の閾値以下になった場合を、ベッセル4が積荷PLの排出を完了したとしてもよい。ベッセル4の積荷PLの荷重は、図3に示すペイロード用制御装置40によって求めることができる。所定の閾値は、積荷PLが排出されたとみなせる大きさに設定すればよい。ベッセル4が起立して積荷PLを排出した後、元の位置に戻ったことは、例えば、図3に示すベッセル着座センサ43によって検出することができる。
さらに、例えば、ダンプトラック1のパーキングブレーキが解除されたり、特にエレキダンプである場合には、ホイールロックブレーキが解除されたりした場合に復帰条件が成立するとしてもよい。パーキングブレーキは、シフトレバー37がパーキングの位置から移動したり、パーキングブレーキ操作スイッチ37Pがオフにされたりすることで解除される。ホイールロックブレーキは、図示しないホイールロックスイッチの操作によって解除される。
復帰条件が成立しない場合(ステップS104、No)、警報制御部150は、ステップS103とステップS104とを繰り返す。復帰条件が成立する場合(ステップS104、Yes)、ステップS105に進み、警報制御部150は、待機モードから報知モードに切り替えて警報の停止を解除する。このようにすることで、積荷PLが排出されてレーダ装置25、26に対する積荷PLの影響が十分に低減された状態になってから、ダンプトラック1の後方に存在する対象物に対する警報が報知される。その結果、ベッセル4が起立して積荷PLが排出されることによって周辺監視システム10が受ける影響を低減できる。なお、ベッセル4が起立すると、積荷PLと同様に、ベッセル4の後端が周辺監視システム10に影響を与える。このため、ステップS104においては、レーダ装置25、26がベッセル4の後端を検出しなくなる状態になったときに、復帰条件が成立するとすることがより好ましい。例えば、ベッセル4が着座したときに復帰条件が成立したとすることが可能である。このようにすることで、ベッセル4の後端及び積荷PLが周辺監視システム10に与える影響を低減できる。
前述した通り、周辺監視システム10は、ダンプトラック1の状態(作業車両の状態を示す車両状態情報)に応じて報知モードと待機モードとを切り替える。このようにすることで、ダンプトラック1がベッセル4を起立させるタイミングで警報を報知可能な状態とする報知モードから警報の報知を停止する待機モードに切り替えることができるので、積荷PL及びベッセル4の端部の少なくとも一方が周辺監視システム10に与える影響を低減することができる。
以上、本実施形態を説明したが、前述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。