JP5595312B2 - 表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5595312B2
JP5595312B2 JP2011057072A JP2011057072A JP5595312B2 JP 5595312 B2 JP5595312 B2 JP 5595312B2 JP 2011057072 A JP2011057072 A JP 2011057072A JP 2011057072 A JP2011057072 A JP 2011057072A JP 5595312 B2 JP5595312 B2 JP 5595312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
range
display surface
finger
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011057072A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012194692A (ja
Inventor
真治 木村
仁史 山崎
通子 板橋
仁嗣 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Priority to JP2011057072A priority Critical patent/JP5595312B2/ja
Publication of JP2012194692A publication Critical patent/JP2012194692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5595312B2 publication Critical patent/JP5595312B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Position Input By Displaying (AREA)
  • User Interface Of Digital Computer (AREA)

Description

本発明は、表示装置における表示内容を操作に応じて制御する技術に関する。
表示面にタッチセンサを備えた表示装置において、ユーザがその表示面をどちらの方向から触れたかを判定し、その判定方向に応じて表示内容を制御する技術が提案されている。特許文献1には、カーナビゲーション装置の表示面に設けた静電容量型の近接センサにより、ユーザの指がどちらの方向から移動してきて表示面に近づいたかを判定し、その判定結果に基づいて、例えばユーザが助手席側にいる場合には全ての操作を可能とする一方、ユーザが運転席側にいる場合には運転動作に危険が生じる可能性があるような操作を制限するといった仕組みが開示されている。
特開2010−191692号公報
しかしながら特許文献1に記載の技術では、ユーザの指の移動状態に基づいてユーザの所在方向を判定しているため、例えば表示面の右側に居るユーザが、表示面の或る位置に触れ、次に、その位置よりも右側に指を移動させて表示面に触れた場合、指の移動方向は左から右になるため、表示面の左側に居るユーザが操作したという誤った判定となるおそれがある。また、特許文献1に記載の技術は、操作主体として複数のユーザが居ることを前提としたものであり、各ユーザの所在方向に応じて表示内容を制御するという発想に留まっているため、単一のユーザの操作に対して用いるのは適当ではない。
本発明は上述の背景に鑑みてなされたものであり、1又は複数のユーザが表示面に対する操作を行ったときの方向をより正確に特定し、特定した方向に応じて表示内容を制御することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、 画像が表示される多角形の表示面と、ユーザの指又は操作具により前記表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出手段と、前記指定位置検出手段によって検出された前記位置と前記表示面の各頂点とを結ぶ線分に基づいて、前記表示面における複数の方向の範囲を決定する範囲決定手段と、前記範囲決定手段によって決定された複数方向の範囲と、前記表示面における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶手段と、前記指定位置検出手段によって前記位置が検出されたときに当該位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を検出する方向検出手段と、前記記憶手段に記憶されている複数の方向の範囲のうち、前記方向検出手段によって検出された方向が属する範囲を特定する特定手段と、前記指定位置検出手段によって検出された前記位置及び前記特定手段によって特定された前記方向の範囲に対応付けて前記記憶手段に記憶されている内容の処理を実行して、前記表示面における表示内容を制御する表示制御手段を備えることを特徴とする表示装置を提供する。
前記範囲決定手段は、前記複数の方向の範囲として、前記表示面からみて各々のユーザが所在するユーザ所在方向の範囲を決定し、
前記特定手段は、前記方向検出手段によって検出された方向が属する、前記ユーザ所在方向の範囲を特定するようにしてもよい。
さらに、前記範囲決定手段は、前記複数の方向の範囲として、前記表示面からみて各々のユーザの右手がある方向の範囲と左手がある方向の範囲とをそれぞれ決定し、前記特定手段は、前記方向検出手段によって検出された方向が、前記記憶手段に記憶されている右手がある方向の範囲と左手がある方向の範囲とのどちらに属するかを特定するようにしてもよい。
また、前記方向検出手段は、前記指又は前記操作具の各部位のうち、前記表示面に対して位置を指定したときに当該表示面から決められた距離の範囲内にある部位を検出し、前記指定位置検出手段によって検出された前記位置から前記検出された部位がある方向を、前記指又は前記操作具が延びる方向として検出するようにしてもよい。
また、前記特定手段は、前記指定位置検出手段によって、同一属性の領域に属する位置に対する複数回の指定が閾値未満の時間間隔で連続して検出された場合、2回目以降の検出時には、指定された位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を調べずに、最初の検出時において特定した前記方向の範囲を、2回目以降の検出時における前記方向の範囲として特定するようにしてもよい。
また、前記特定手段は、前記指定位置検出手段によって前記指定された位置が閾値未満の時間間隔で連続して検出された場合、最初の検出時においてのみ前記指又は前記操作具の延びる方向を調べ、以降の検出においては前記指又は前記操作具の延びる方向を調べずに、前記最初の検出時において特定した前記方向の範囲を、以降の検出時における前記方向の範囲として特定するようにしてもよい。
また、本発明は、画像が表示される多角形の表示面を備えた表示装置の制御方法であって、ユーザの指又は操作具により前記表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出工程と、前記指定位置検出工程により検出された前記位置と前記表示面の各頂点とを結ぶ線分に基づいて、前記表示面における複数の方向の範囲を決定する範囲決定工程と、前記範囲決定工程において決定された複数方向の範囲と、前記表示面における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶工程と前記指定位置検出工程によって前記位置が検出されたときに当該位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を検出する方向検出工程と、前記記憶工程において記憶され複数の方向の範囲のうち、前記方向検出工程において検出された方向が属する範囲を特定する特定工程と、前記指定位置検出工程において検出された前記位置及び前記特定工程において特定された前記方向の範囲に対応付けて前記記憶工程おいて記憶され内容の処理を実行して、前記表示面における表示内容を制御する表示制御工程を備えることを特徴とする制御方法を提供する。
また、本発明は、画像が表示される多角形の表示面と、ユーザの指又は操作具により前記表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出手段とを備えたコンピュータを、前記指定位置検出手段によって検出された前記位置と前記表示面の各頂点とを結ぶ線分に基づいて、前記表示面における複数の方向の範囲を決定する範囲決定手段と、前記範囲決定手段によって決定された複数方向の範囲と、前記表示面における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶手段と、前記指定位置検出手段によって前記位置が検出されたときに当該位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を検出する方向検出手段と、前記記憶手段に記憶されている複数の方向の範囲のうち、前記方向検出手段によって検出された方向が属する範囲を特定する特定手段と、前記指定位置検出手段によって検出された前記位置及び前記特定手段によって特定された前記方向の範囲に対応付けて前記記憶手段に記憶されている内容の処理を実行して、前記表示面における表示内容を制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、1又は複数のユーザが表示面に対する操作を行ったときの方向をより正確に特定し、特定した方向に応じて表示内容を制御することが可能となる。
表示装置の外観を表す正面図 表示装置のハードウェア構成を表すブロック図 ユーザ判別テーブルの内容を表す図 処理テーブルの内容を表す図 表示装置における処理の流れを示すフローチャート 近接センサによる検出内容を表す模式図 近接センサの検出結果を取得する処理を説明するための模式図 近接物の延びる方向を特定する処理を説明するための模式図 ユーザ所在方向を特定する処理を説明するための模式図 ユーザ所在方向を特定する処理を説明するための模式図 制御部の機能的構成を表すブロック図 変形例1における区分領域を説明するための模式図 変形例2における区分領域を説明するための模式図 変形例3におけるユーザ判別テーブルの内容を表す図 変形例3における処理テーブルの内容を表す図 変形例8における近接検出可能範囲を説明するための模式図
以下、本発明の実施形態について説明する。
<実施形態>
<構成>
図1は、表示装置100の外観を表す正面図である。表示装置100は、長方形の操作表示面200と、操作表示面200の周囲に設けられた操作子31とを有するコンピュータであり、例えば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、無線LAN(Local Area Network)端末、ゲーム機及びパーソナルコンピュータなどの電子機器である。操作表示面200は、液晶ディスプレイ、タッチセンサ、及び近接センサで構成されている。ユーザは、操作表示面200及び操作子31を指で触れたり押したりすることで表示装置100を操作することができるようになっている。液晶ディスプレイ、タッチセンサ及び近接センサは、一般的に、ユーザから見て奥側から手前側に向かって重ねられている。ユーザから見て最も奥側に配置されているのが液晶ディスプレイで、それよりも1つ手前に配置されているのがタッチセンサで、最も手前側に配置されているのが近接センサである。なお、タッチセンサに相当する機能と近接センサに相当する機能を1つのセンサが有する態様や、液晶ディスプレイ自体にタッチセンサと近接センサの機能が組み込まれて構成される態様もあり、本発明はこれらの態様も含むものであるが、本実施形態では上述したように液晶ディスプレイ、タッチセンサ及び近接センサが、それぞれ分離している構成を例に挙げて説明を行う。
図2は、表示装置100のハードウェア構成を表すブロック図である。表示装置100は、制御部10、記憶部20、操作部30、表示部40、検出部50、及び通信部60を有し、これらの各部はバス70を介して接続されている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリを有している。制御部10において、CPUが、ROMや記憶部20に記憶されているコンピュータプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより、表示装置100の各部を制御する。操作部30は、操作子31を備え、ユーザによる操作内容を表す操作信号を制御部10に出力する。
表示部40は、液晶ディスプレイ41を備え、制御部10による制御の下で、ユーザの操作に応じた画像やメニュー画像等の各種画像を表示する。この液晶ディスプレイ41は、長方形の形状であり、XY直交座標系が設定されている。このXY直交座標系の原点Pは、液晶ディスプレイ41の4隅のうちのいずれか(図1においては左下隅)に位置している。この原点Pを含む、液晶ディスプレイ41の2辺のうち、一方の辺(ここでは液晶ディスプレイ41の長手方向の辺)がX軸に対応し、他方の辺(ここでは液晶ディスプレイ41の短手方向の辺)がY軸に対応している。これらX軸及びY軸と直交する直線をZ軸とする。つまり、X軸及びY軸で表される平面に対して、Z軸は高さ方向の座標軸に相当する。図1に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。つまり、Z軸は、手前側が正方向であり、奥側が負方向である。液晶ディスプレイ41の表示面は、画像が表示される表示面に相当する。
検出部50は、タッチセンサ51及び近接センサ52を備えており、各センサが検出した結果を表す検出信号を制御部10に出力する。タッチセンサ51は、図1における操作表示面200において、液晶ディスプレイ41の上に積層され、且つ、液晶ディスプレイ41の全体を覆うように重ねられた状態で配置されており、その大きさ及び形状は前述した液晶ディスプレイ41の大きさ及び形状とほぼ同じである。このタッチセンサ51は、光を透過する材料で構成されており、液晶ディスプレイ41に表示された画像はタッチセンサ51を透過してユーザに視認されるようになっている。前述した液晶ディスプレイ41と同様に、このタッチセンサ51にも、XY直交座標系が設定されている。つまり、XY直交座標系の原点Pは、タッチセンサ51の4隅のうちのいずれか(ここでは図1の左下隅)に位置している。この原点Pを含む、タッチセンサ51の2辺のうち、一方の辺(ここではタッチセンサ51の長手方向の辺)がX軸に対応し、他方の辺(ここではタッチセンサ51の短手方向の辺)がY軸に対応している。タッチセンサ51は、指又はスタイラスペンなどの操作具が接触したか否かを所定のサンプリング周期で検出し、その接触位置(操作点という)を示す座標値を検出結果として制御部10へ出力する。タッチセンサ51は、ユーザの指又は操作具により表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出手段に相当する。
近接センサ52は、図1における操作表示面200において、タッチセンサ51の上に積層され、且つ、タッチセンサ51の全体を覆うように重ねられた状態で配置されており、その大きさ及び形状は、前述したタッチセンサ51及び液晶ディスプレイ41の大きさ及び形状とほぼ同じである。前述した液晶ディスプレイ41及びタッチセンサ51と同様に、この近接センサ52にも、XY直交座標系が設定されている。つまり、XY直交座標系の原点Pは、近接センサ52の4隅のうちのいずれか(ここでは図1の左下隅)に位置している。この原点Pを含む、近接センサ52の2辺のうち、一方の辺(ここでは近接センサ52の長手方向の辺)がX軸に対応し、他方の辺(ここでは近接センサ52の短手方向の辺)がY軸に対応している。近接センサ52は、赤外線型のセンサであり、赤外線を発する複数の発光素子と、光を受けとって電気信号に変換する複数の受光素子を備えており、これらがXY直交座標系に従って配置されている。発光素子から発せられた赤外線が、距離の測定対象物に当たって反射してくると、受光素子は、反射した赤外線を受光する。測定対象物が近いほど反射光の強度が増すため、近接センサ52は、受光素子の受光強度に基づいて表示装置100と対象物との距離、つまりZ座標値を測ると、X座標、Y座標及びZ座標の各座標値を検出結果として制御部10に出力する。以下、ユーザが操作表示面200(より正確にはユーザから見て最も手前側に設けられている近接センサ52)に触れて行う操作のことを、タッチ操作という。このタッチ操作は、ユーザが操作表示面200上の任意の位置を指定する操作である。
通信部60は、ネットワークを介して通信ノード(図示せず)とデータ通信を行う。記憶部20は、例えばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の記憶手段であり、各種のデータを記憶している。記憶部20に記憶されているデータには、制御部10が実行するプログラムに加え、ユーザ判別テーブル21、処理テーブル22及び各種の閾値が含まれる。ユーザ判別テーブル21は、操作表示面200をユーザがタッチしたときのそのユーザが居る方向(ユーザ所在方向という)と、そのユーザに割り当てられたユーザ識別情報とが対応付けて記述されたものである。処理テーブル22は、操作表示面200に対してタッチ操作がなされた操作点を表す座標(すなわち操作表示面200における位置)と、制御部10がユーザ別に行う処理の内容とが対応付けて記述されたものである。制御部10は、近接センサ52の検出結果とユーザ判別テーブル21の内容とに基づいて、タッチ操作を行ったユーザのユーザ識別情報を特定する。つまりタッチ操作を行ったユーザを判別する。そして、制御部10は、特定したユーザ識別情報及びタッチ操作がなされた操作点をキーにして処理テーブル22を検索することで、表示装置100における表示内容を制御する処理の内容を決定し、それを実行する。
図3は、ユーザ判別テーブル21の内容を表す模式図である。ユーザ判別テーブル21には、前述した「ユーザ所在方向」と「ユーザ識別情報」とが対応付けられて記述されている。図3において、「ユーザ所在方向」の左、右、上、下とは、図1における各方向を意味しており、例えばユーザ所在方向が左とは、ユーザが操作表示面200に対してX軸負方向の側に居ることを意味している。同様に、ユーザ所在方向が右とは、ユーザが操作表示面200に対してX軸正方向の側に、ユーザ所在方向が上とは、ユーザが操作表示面200に対してY軸正方向の側に、ユーザ所在方向が下とは、ユーザが操作表示面200に対してY軸負方向の側に居ることを意味している。例えば、操作表示面200が、その左側(図1におけるX軸負方向)に居るユーザによりタッチされたとき、制御部10は、近接センサ52の検出結果とユーザ判別テーブル21の内容とを参照して、タッチ操作を行ったユーザが「ユーザA」である、と判別する。このユーザ所在方向は、実際には、図示のように左、右、上、下といった表現ではなく、或る基準方向からの角度によって表現されているが、詳しくは後述する。
図4は、処理テーブル22の内容を表す模式図である。処理テーブル22には、操作表示面200において操作を受け付ける領域の「座標」と、ユーザごとの「処理内容」とが対応付けられて記述されている。操作表示面200において操作を受け付ける領域の座標とは、例えば操作表示面200においてユーザのタッチ操作を受け付けるソフトボタンが表示されている領域や、ユーザの自由な描画操作を受け付ける領域などである。なお、図4では、操作表示面200において操作を受け付ける1つの領域の座標として、1つの点の座標のみを例示しているが、実際には、複数の座標の集合である。また、「処理1」から「処理6」として例示された処理の内容は、いずれも操作表示面200に表示される内容の制御に関するものである。表示装置100の周りに居るユーザにより操作表示面200の同一の領域がタッチ操作されたとしても、そのタッチ操作を行ったユーザごとに処理の内容が異なる。このユーザごとの処理の内容という意味には、ユーザAが或る領域に対してタッチ操作をするとその操作に応じた処理がなされるのに対し、ユーザBが同じ領域に対してタッチ操作をしても何も処理が行われない、といった態様も含まれる。例えば、ユーザAが、操作表示面200において座標(X1,Y1)の領域をタッチしたとき、制御部10は、処理テーブル22を参照して、「ユーザA」に対応する「処理1」の内容の処理を行う。同様に、ユーザBが、操作表示面200において座標(X2,Y3)からなる座標をタッチしたとき、制御部10は、処理テーブル22を参照して、「ユーザB」に対応する「処理6」の内容の処理を行う。
<動作>
次に、図5〜図8を用いて、制御部10による処理内容について説明を行う。
図5は、制御部10が行う処理の流れを示すフローチャートである。まず最初に、制御部10は、ユーザ判別テーブル21にユーザ所在方向及びユーザ識別情報が登録されているか否かを判定し(ステップS10)、登録されている場合には(ステップS10;YES)、操作表示面200に対してタッチ操作が行われたか否かを判定する(ステップS30)。ユーザ判別テーブル21にユーザ所在方向及びユーザ識別情報が登録されている場合とは、例えば、4人のユーザが、表示装置100を用いて相互に対戦型のゲームを行う際に、図3のような内容をユーザ判別テーブル21に予め登録しているような場合である。この登録は、ユーザによって登録される場合に限らず、ゲームの起動時に制御部10がそのゲームのアプリケーションプログラムに記述された手順に従って決定して登録するようにしてもよい。
一方、ユーザ判別テーブル21にユーザ所在方向及びユーザ識別情報が登録されていない場合(ステップS10;NO)、制御部10は、ユーザに対して、ユーザ判別テーブル21へのユーザ所在方向及びユーザ識別情報の登録を促す内容を、操作表示面200に表示させる。そして、この表示内容を見たユーザの操作に従って、制御部10は、ユーザ所在方向及びユーザ識別情報をユーザ判別テーブル21に登録する(ステップS20)。このときユーザは、例えば表示装置100によって起動されるアプリケーションプログラムが2人の利用者を想定している場合には、ユーザ所在方向を2種類指定し、各々のユーザ識別情報を入力し、また、そのアプリケーションプログラムが4人の利用者を想定している場合には、ユーザ所在方向を4種類指定して各々のユーザ識別情報を入力する。制御部10は、この指定に応じた内容をユーザ判別テーブル21に登録する。
さて、上記のような登録を経た後、ユーザによるタッチ操作があった場合には(ステップS30;YES)、制御部10は、タッチ操作がなされた操作点を特定する(ステップS40)。具体的には、制御部10は、ステップS30で、タッチセンサ51の検出結果によって表示装置100にタッチ操作がなされたと判断すると、ステップS40で、そのタッチセンサ51の検出結果から、操作点の座標(X座標,Y座標)を特定し、RAMに記憶させる。
次に制御部10は、近接センサ52の検出結果に基づいて、操作点の付近に近接する物体(近接物という)が存在するか否かを判定する(ステップS50)。ここでいう近接物とは、操作表示面200に触れている指先以外の指の部分のことであるが、この近接物がない場合には、制御部10はユーザ所在方向を特定できないことになる。
ここで、図6を用いて、近接物を検出するときの様子を説明する。図6は、近接センサによる検出内容を表す模式図である。図6(a)の上段は、ユーザが操作表示面200に対して指300aをほぼ垂直の状態でタッチした場合を表している。図6(b)の上段は、ユーザが操作表示面200に対して指300bをX軸正方向に傾斜させた状態でタッチした場合を表している。図6(a)及び図6(b)の下段は、操作表示面200におけるタッチセンサ51及び近接センサ52の検出内容を表しており、それぞれ図6(a)、図6(b)の上段の図と対応している。図6(a)及び図6(b)において、円400a,400bはそれぞれ操作点を表しており、ハッチングされた円500a,楕円500bは、それぞれ近接センサ52の検出結果を表している。さらに、破線で表された円は、操作点400a及び400bに対して近接物が存在するか否かを制御部10が判定するために、予め決められた近接判定エリアJAを表している。近接判定エリアJAの大きさは、多数のユーザの指によるタッチの状態をサンプルとして予め実験的に求められており、記憶部20に記憶されている。
制御部10は、タッチセンサ51の検出結果に含まれるX座標,Y座標を中心とした近接判定エリアJA外に、そのタッチセンサ51の検出時期と同じ時期に近接センサ52によって検出された結果に含まれるX座標,Y座標が存在する場合には、近接物が存在すると判定する。ここでは両者の差が閾値以内のときは同じ時期とみなす。例えば図6(a)で表されるように、ユーザが指300aを操作表示面200に対してほぼ垂直の状態でタッチした場合、検出結果500aは、操作点400aを中心としたほぼ円形の形状となり、近接判定エリアJA内に収まっている。一方、図6(b)で表されるように、ユーザが指300bを操作表示面200に対してX軸正方向に傾斜させた状態でタッチした場合、検出結果500bは、操作点400bの位置からX軸正方向側に延びるような楕円状の形状となり、近接判定エリアJA内に収まりきらず、そのエリア外にはみ出している。図6(a)においては、検出結果500aが近接判定エリアJA内に全て収まっているため、制御部10は、操作点400aの付近に近接物が存在しない、と判定する。つまり、このとき、制御部10は、ユーザの所在方向を判定できないということになる。一方、図6(b)においては、検出結果500aが近接判定エリアJA内からX軸正方向側にはみ出しているため、制御部10は、操作点400bの付近に近接物が存在する、と判定する。この場合、制御部10はユーザの所在方向を判定することができる。
図5において、近接物が存在しない場合には(ステップS50;NO)、制御部10は、操作表示面200に表示されている内容及び操作点の位置等に基づいて予め決められた対応処理を行い(ステップS60)、ステップS10の処理に戻る。ここで、制御部10が行う対応処理の内容には、例えば、ユーザを特定できないといった旨のエラーメッセージを操作表示面200に表示させたり、或いは、どのユーザが操作したかに関係なく操作点の位置に表示されている項目を選択したり、さらには何も処理を行わない、といったものが含まれる。操作点の付近に近接物が存在しないときとは、ユーザが指をほぼ垂直の状態で操作表示面200にタッチしたときであるから、ユーザ所在方向を特定できず、よって、制御部10は、ユーザ所在方向に拠らない処理を行う。
一方、制御部10は、特定した操作点付近に近接物が存在すると判定した場合(ステップS50;YES)、近接センサの検出結果を取得する(ステップS70)。図7は、近接センサの検出結果を取得する処理を説明するための模式図であり、操作表示面200をその面に平行な方向から見たときの図である。図7では、操作表示面200をユーザが指300cでタッチすることで、操作点400cが特定されている。一点鎖線は、近接センサの検出領域の限界Cを表している。この検出領域の限界Cと操作表示面200との間の領域が、近接センサ52が操作表示面200から対象物までの距離(Z座標値)を検出可能な近接検出可能範囲DPRである。近接検出可能範囲DPRの大きさは、近接センサ52の発光素子及び受光素子の性能に依るものであり、多数のユーザによるタッチをサンプルとして実験的に求められた結果(すなわち、検出可能であるべき高さ方向の距離)を満たすような性能となるように、本実施形態の発光素子及び受光素子が設計されている。図7において白い円は操作点400cを表し、黒い円の各々は、近接センサ52による操作点以外の検出結果の一例を表している。
図7の下段には、縦軸をZ方向とし、横軸をX方向とした座標系に対して、近接センサ52による検出結果をプロットしたときの様子を表している。図7下段において、距離Z1〜Z4は、近接センサ52による検出結果に含まれるZ座標値、すなわち、対象物(ここでは指300c)と操作表示面200との距離を表している。また、操作点400cのX座標を中心とした半径rの円領域は、近接センサ52が操作表示面200に対する対象物の近接を検出結果として取得する近接取得領域AAを表している。この半径rは、多数のユーザによるタッチをサンプルとして実験的に求めたものであるが、例えば、成人男性における人差し指の指先から第二関節までの長さの平均値などである。
図5のステップS70において、近接センサ52は、近接取得領域AAの領域内に存在する検出結果を制御部10に出力すると、制御部10は、この検出結果を取得する。次に、制御部10は、ステップS40にて特定した操作点の座標と、ステップS70で取得した検出結果とに基づいて、指(近接物)が延びる方向を特定する(ステップS80)。図8は、指が延びる方向を特定する処理を説明するための模式図である。図8上段には、縦軸をZ方向とし、横軸をX方向とし、奥行きをY軸方向とした三次元の座標系が示されている。また、指300dによってタッチされたときの操作点400d、及び指300eによってタッチされたときの操作点400eが表されている。白い円で表された操作点に対し、黒い円は、近接センサ52による操作点以外の検出結果を表しており、各々が(X,Y,Z)で表される三次元の座標値を持っている。つまり、図8上段におけるN1〜N4は、近接センサ52による操作点以外の検出結果(近接検出結果という)である。
ステップS80において、制御部10は、ステップS70で取得した検出結果に含まれる三次元の座標値を三次元の座標系にプロットすると、XY座標系において、操作点と、取得した検出結果のうちX,Y座標とを検出時期に従って線分で結ぶことで、線分の延びる方向、すなわち近接物の延びる方向を特定する。ここで、検出時期に従って線分を結ぶとは、より小さいZ座標値を持つ座標から、より大きいZ座標値を持つ座標に向かって順番に座標を線分で結ぶことを意味する。これは、近接物において、座標におけるZ座標値がより小さいほど、Z座標値がより大きい場合と比較して、時系列においてより早く操作表示面200に近づいた部位を表しているためである。
図8下段には、縦軸をY方向とし、横軸をX方向とした座標系において、近接センサ52による検出結果に含まれるY,Z座標をプロットしたときの様子を表している。図8下段は、図8上段に示された近接センサ52の検出結果に含まれるX,Y座標を結んだ線分L1a〜L1d,L2a〜L2d、及びこれらの線分から求められる半直線L1,L2をXY座標系に表したものである。操作点400dを始点とした半直線L1及び操作点400eを始点とした半直線L2は、XY座標系において指(近接物)が延びる方向に相当する。操作点400dを始点とした半直線L1を例に挙げると、その求め方は、以下のとおりである。上述したように、制御部10は、操作点400dを始点として、より小さいZ座標値を持つ座標から、より大きいZ座標値を持つ座標に向かって順番に座標を線分で結ぶ。つまり、図8上段において制御部10は、操作点400d、近接検出結果N1、近接検出結果N2、近接検出結果N3、近接検出結果N4という順番で各座標を結ぶことになる。このとき、各座標間には、線分L1a〜L1dが存在する。ここで、制御部10は、例えば、これらの線分L1a〜L1dにおける各々の傾き求め、その平均の傾きを持つように操作点400dを始点とした半直線L1を求める。また、制御部10は、操作点400dを始点として、近接取得領域AAの領域内の最終点N4を通るように半直線L1を求めてもよいし、操作点400dを始点として、近接検出結果N1〜N4の各々に対してほぼ均等な距離を持つ半直線L1の傾きを、最小二乗法を用いて求めてもよい。この半直線L1の傾きが、操作点から指又は操作具が延びる方向に相当する。操作点400dを始点とした半直線L1は、ユーザ所在方向として左を意味し、操作点400eを始点とした半直線L2は、ユーザ所在方向として右を意味している。制御部10は、操作点の座標と、指が延びる方向とを対応付けてRAMに記憶させると、処理をステップS90へ進める。
図5のステップS90において、制御部10は、図9(a),(b)に示すようにしてユーザ所在方向を特定する。図9(a)は、表示装置100をZ軸における正方向から負方向に向かって見たときの図である。表示装置100の左側(X軸負方向)にはユーザAがおり、右側(X軸正方向)にはユーザBがいる。指300fはユーザAの指であり、指300gはユーザBの指である。操作表示面200に表示された2つの円形は、それぞれユーザAとユーザBとがタッチ操作を行ったときのユーザ所在方向を判別するために仮想的に設けられた円(判別円600a1及び600bという)を表している。黒い円400f,400gは、ユーザAによる操作点及びユーザBによる操作点をそれぞれ表している。操作点400f及び操作点400gから延びる矢印は、それぞれユーザAの指の方向Va1及びユーザBの指の方向Vbを表している。
図9(b)は、判別円600Aにおけるユーザ所在方向の範囲を表している。判別円600Aの中心を通るように引かれた1本の線分を境目として、「R」と示された領域は、操作点からみて表示装置100の右側であることを表し、「L」と示された領域は、操作点からみて表示装置100の左側であることを表している。ここで、「R」及び「L」と示された領域は、判別円600Aが左右に均等に2分割されたものである。
制御部10は、判別円600Aにおいて操作点から延びる指の方向が領域R,Lのどちらの方向に属するかによってユーザ所在方向を特定する。例えば指の方向Va1は判別円600Aの「L」と示された領域に向かって延びているため、制御部10は、これを表示装置100の左側に居るユーザからの操作であると特定する。同様に、指の方向Vbは判別円600Aの「R」と示された領域に向かって延びているため、制御部10は、これを表示装置100の右側に居るユーザからの操作であると特定する。図3で示したユーザ所在方向は、図3の説明において述べたように、判別円において或る基準方向からの角度によって表現されている。例えば図9のようにユーザが2人だけの場合、ユーザ所在方向が右とは、Y軸正方向を基準として0°から180°の範囲であり、ユーザ所在方向が左とは、Y軸正方向を基準として180°から360°の範囲である。つまり、ユーザ判別テーブル21に記述されているユーザ所在方向とは、操作表示面からみて各々のユーザが所在する方向の範囲で表されるものであり、基準方向からの「0°〜180°」又は「180°〜360°」といった数値で表される。
図9はユーザが2人の場合を表していたが、次に、ユーザが4人である場合について図10(a)、(b)を参照して説明する。図10(a)は、表示装置100をZ軸における正方向から負方向に向かって見た状態を表す。表示装置100の左側(X軸負方向)にはユーザAがおり、右側(X軸正方向)にはユーザBがおり、上側(Y軸正方向)にはユーザCがおり、下側(Y軸負方向)にはユーザDがいる。指300hはユーザAの指であり、指300iはユーザDの指である。操作表示面200に表示された2つの円形は、それぞれユーザAとユーザDに対応する判別円600a2及び600dを表している。判別円の上に示される、黒い円は、ユーザAによる操作点400h及びユーザDによる操作点400iを表している。操作点400h及び操作点400iから延びる矢印は、それぞれユーザAによる操作の指の方向Va2とユーザDによる操作の指の方向Vdとを表している。
図10(b)は、判別円600Bにおけるユーザ所在方向の範囲を表している。判別円600Bの中心を通るように引かれた2本の線分を境目として、「R」と示された領域は、操作点からみて表示装置100の右側であることを表し、「L」と示された領域は、操作点からみて表示装置100の左側であることを表し、「U」と示された領域は、操作点からみて表示装置100の上側であることを表し、「D」と示された領域は、操作点からみて表示装置100の下側であることを表している。ここで、「R」、「L」、「U」、及び「D」と示された領域は、判別円600Aが上下左右に4等分に4分割されたものである。
ここで、制御部10は、判別円600Bにおいて操作点から延びる指の方向が領域R,L,U及びDのいずれの方向に属するかによってユーザ所在方向を特定する。例えば指の方向Va2は、判別円600Bの「L」と示された領域に向かって延びているため、制御部10は、これを表示装置100の左側に居るユーザからの操作であると特定する。また、指の方向Vdは、判別円600Bの「D」と示された領域に向かって延びているため、制御部10は、これを表示装置100の下側に居るユーザからの操作であると特定する。同様にして制御部10は、判別円600Bの「U」と示された領域に向かって指の方向が延びている場合、これを表示装置100の上側に居るユーザからの操作であると特定し、また、判別円600Bの「R」と示された領域に向かって指の方向が延びている場合、これを表示装置100の右側に居るユーザからの操作であると特定する。例えば図10のようにユーザが4人の場合、ユーザの所在方向が右とは、Y軸正方向を基準として45°から135°の範囲であり、ユーザの所在方向が下とは、Y軸正方向を基準として135°から225°の範囲であり、ユーザの所在方向が左とは、Y軸正方向を基準として225°から315°の範囲であり、ユーザの所在方向が上とは、Y軸正方向を基準として315°から45°の範囲である。
図5の説明に戻る。制御部10は、ステップS90において、操作点の座標と、特定したユーザ所在方向とを対応付けてRAMに記憶させると、処理をステップS100へ進める。ステップS100において、制御部10は、タッチ操作を行ったユーザを判別する。具体的には、ステップS100において、制御部10は、RAMに記憶されたユーザ所在方向に基づいてユーザ判別テーブル21を参照し、タッチ操作を行ったユーザのユーザ識別情報を特定する。例えば図9の操作点400fについては、ユーザ所在方向が左側と特定されているから、制御部10は、図3のユーザ判別テーブル21から、ユーザを「ユーザA」である、と判別する。制御部10は、判別したユーザのユーザ識別情報を、前述した操作点及びユーザ所在方向と対応付けてRAMに記憶させると、処理をステップS110へ進める。
ステップS110において、制御部10は、操作点及びユーザ識別情報に基づいて、操作表示面200に表示する内容を制御する処理を行う。具体的には、ステップS110において、制御部10は、RAMに記憶された、操作点及びユーザ識別情報に基づいて処理テーブル22を参照し、行うべき処理の内容を特定する。例えば、RAMに記憶された操作点の座標が(X1,Y1)であり、ユーザが「ユーザA」である場合、制御部10は、図4の処理テーブル22を参照し、行うべき処理を「処理1」である、と特定する。そして制御部10は、特定した「処理1」の処理を行い、ステップS10の処理に戻る。このようにして、表示装置100は、操作表示面200に対してタッチ操作を行ったユーザを特定し、特定したユーザに応じた処理を行うわけである。
図11は、制御部10及び記憶部20の機能的構成を表すブロック図である。図11に表されるように、制御部10は、プログラムを実行することにより、方向検出手段11、特定手段12、及び表示制御手段13として機能する。方向検出手段11は、タッチセンサ51によって位置が検出されたときに当該位置から指又は操作具が延びる方向を検出する。具体的には方向検出手段11は、指又は操作具の各部位のうち、操作表示面200に対して位置を指定したときに操作表示面200から決められた距離の範囲内にある部位を近接センサ52によって検出させ、タッチセンサ51によって検出された操作点から検出された部位がある方向を、指又は操作具が延びる方向として検出する。特定手段12は、記憶部20に記憶されている、表示面において複数決められた方向の範囲のうち、方向検出手段11によって検出された方向が属する範囲を特定する。具体的には、特定手段12は、方向検出手段11によって検出された方向が属する、ユーザ所在方向の範囲を特定する。表示制御手段13は、タッチセンサによって検出された位置及び特定手段12によって特定された方向の範囲に対応付けて記憶部20に記憶されている処理の内容を実行して、操作表示面における表示内容を制御する。記憶部20は、ユーザ判別テーブル21及び処理テーブル22を記憶することで、操作表示面200において複数決められた方向の範囲と、操作表示面200における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶手段として機能する。
このように、本実施形態によれば、制御部10が、指が操作表示面200にタッチした時点の指の向きからユーザの所在方向を特定しているため、指の移動方向から指の向きを特定するときのように、右側から操作表示面200をタッチしたのに左側からタッチした、と誤判定が行われるようなこともない。つまり、ユーザが操作表示面200に対する操作を行ったときの方向が正確に特定されることとなる。そして特定された方向に基づいてユーザが判別され、判別されたユーザに応じた表示内容の制御が行われるため、誤判定によりユーザの意図しない内容が表示される、ということを防ぐことが可能となる。
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。尚、以下の変形例は適宜組み合わせて実施しても良い。
<変形例1>(画面アスペクト比に対応した領域区分)
実施例1及び2においては、判別円における、ユーザによるユーザ所在方向を特定するための区分けされた領域(以降、区分領域という)は、ユーザの数に応じて均等に分割されていた。区分領域の決定の仕方は、これに限らず、次のようにしてもよい。図12(a)は、変形例1における区分領域を説明するための模式図であり、表示装置100をZ軸における正方向から負方向に向かって見た状態を表している。表示装置100の左側(X軸負方向)にはユーザAがおり、右側(X軸正方向)にはユーザBがおり、上側(Y軸正方向)にはユーザCがおり、下側(Y軸負方向)にはユーザDがいる。操作表示面200には判別円600Cが表示されている。変形例1における区分領域は、操作表示面200におけるアスペクト比に基づいたものとなっている。具体的には、操作表示面200が四角形である場合に、制御部10は、操作表示面200の頂点どうしを結ぶ対角線に基づいて判別円600Cの区分領域を分割する。この分割された区分領域に基づいてユーザ所在方向が決められる。つまり、制御部10は、区分領域、すなわち上述した複数の方向の範囲を決める範囲決定手段として機能する。
図12(a)においては、表示装置100のX軸方向の幅が、Y軸方向の幅よりも長いため、結果として、判別円600Cにおける、区分領域は均等なものではなく、「U」及び「D」と示された領域が、「L」及び「R」と示された領域よりも広くなっている。つまり、判別円において、ユーザ所在方向からユーザC及びユーザDが判別される領域は、ユーザA及びユーザBが判別される領域よりも広くなっている。図12(b)は、図12(a)の表示装置を、ユーザの位置はそのままに、反時計回りに90度回転させた状態であって、表示装置100をZ軸における正方向から負方向に向かって見た様子を表した図である。この場合、判別円600Cにおける区分領域は、「L」及び「R」と示された領域が「U」及び「D」と示された領域よりも広くなっている。つまり、ユーザ所在方向からユーザA及びユーザBが判別される領域は、ユーザC及びユーザDが判別される領域よりも広くなっている。ここで、操作表示面200の長辺の側に位置するユーザは、短辺の側に位置するユーザよりも、表示装置100を操作するときに、操作が受け付けられる領域が広い方が、操作性が高いといえる。一方、操作表示面200の短辺の側に位置するユーザは、長辺の側に位置するユーザよりも、表示装置100を操作するときに、操作が受け付けられる領域が狭くても、操作性に支障は無いといえる。このように、制御部10は、判別円における区分領域をアスペクト比に応じたものとすることで、区分領域が均等に分割されている場合と比較して、より正確にユーザを判別することが可能となる。なお、図においては、判別円600が操作表示面200の中央にある例を示したが、判別円が中央に無い場合であっても、その判別円における区分領域は、図示した判別円600と同じように、操作表示面200におけるアスペクト比に基づいたものとなる。
<変形例2>(操作点を基準とした領域区分)
また、制御部10は、区分領域を次のようにして決定してもよい。図13は、変形例2における区分領域を説明するための模式図である。図13は、表示装置100をZ軸における正方向から負方向に向かって見た状態を表す。表示装置100の左側(X軸負方向)にはユーザAがおり、右側(X軸正方向)にはユーザBがおり、上側(Y軸正方向)にはユーザCがおり、下側(Y軸負方向)にはユーザDがいる。操作表示面200には判別円600D及び600Eが表示されている。各々の判別円の中心にある黒い円は操作点である。判別円600D及び600Eは、ユーザによるタッチ操作に基づいて変動的に制御部10によって決定される。制御部10は、このような決定を図5におけるステップS90において行う。変形例2における区分領域は、判別円600D及び判別円600Eの中心と操作表示面200における四隅の各々の角とを結んだ線分で分割されている。具体的には、操作表示面200が多角形である場合に、制御部10は、タッチセンサ51によって検出された操作点と、操作表示面200の各頂点とを結ぶ線分に基づいて判別円600D及び判別円600Eの区分領域を分割する。この分割された区分領域に基づいてユーザ所在方向が決められる。例えば、判別円600Dにおいては、「U」と示された区分領域が、最も広いものとなっており、「R」と示された区分領域が、最も狭いものとなっている。また、例えば、判別円600Eにおいては、「D」と示された区分領域が、最も広いものとなっており、「U」と示された区分領域が、最も狭いものとなっている。図示した判別円は1つの例に過ぎず、判別円における区分領域は、操作表示面200における操作点の位置によって変動する。
変形例2において、判別円における区分領域を上述のようなものとしているのは、以下のような考え方に基づく。一般的に、ユーザがタッチする操作点がユーザ自身から遠ざかるほど、タッチする指の向きは、ユーザのいる場所と操作点を結ぶ直線に平行な向きに近づく。つまり、ユーザのいる場所から操作点が遠いほど、判別円における当該ユーザに関する区分領域は狭くてもよいといえる。逆に、ユーザのいる場所から操作点が近い場合は、ユーザが操作点に対して指の向きを変えやすいので、この場合、判別円における当該ユーザに関する区分領域は広いほうがよいといえる。従って、特にユーザが居る場所(具体的には操作表示面200の端部)から操作点までの距離が閾値以上である場合には、区分領域を上述のようなものとすると、制御部10によるユーザ判別の精度が高まることとなる。
<変形例3>(一人利用時の右手左手領域区分)
実施形態及び変形例1,2においては、複数のユーザが表示装置100を操作することを前提としていたが、表示装置100を操作するユーザが1人であることが分かっている場合、次のようにしてもよい。図14は、変形例3におけるユーザ判別テーブル21bの内容を表す図である。図14において図3と異なる点は、「ユーザ識別情報」の代わりに「操作した手」という項目があり、その内容が「左手」又は「右手」といったように、操作を行った手がどちらであるかを示していることである。従って、変形例3では、図5のステップS100において、操作点を原点とした指の方向が判別円の右側に向いている場合、制御部10は、これを「右手」による操作である、と判別するわけである。左手についても同様である。図16は、変形例3における処理テーブル22bを表す模式図である。図16において図4と異なる点は、「ユーザ識別情報」の代わりに「操作した手」という項目があり、その内容が「左手」又は「右手」といったように、操作を行った手がどちらであるかを示していることである。従って、変形例3では、図5のステップS110において制御部10は、「左手」によって座標(X1,Y1)がタッチされたときには、「処理11」を行い、「右手」によって座標(X2,Y2)がタッチされたときには「処理14」を行う。他の組み合わせについても同様である。このように、変形例3においてユーザ判別テーブル21bには、上述した複数の方向の範囲として、操作表示面200からみて各々のユーザの右手がある方向の範囲と左手がある方向の範囲とがそれぞれ記述されている。そして、変形例3において特定手段12として機能する制御部10は、タッチセンサ51によって検出された方向が、記憶部20に記憶されている、右手がある方向の範囲と左手がある方向の範囲とのどちらに属するかを特定するわけである。
また、変形例3においては、処理テーブル22に記載される処理内容は次のようなものにしてもよい。例えば、表示装置100が、操作表示面200に描画を行わせる描画モードとなっており、或る領域に対してユーザが描画した内容をそのまま表示するような場合、制御部10は、右手によってタッチ操作がおこなわれると、操作点の軌跡上に実線を描画する処理を行う。一方、制御部10は、左手によってタッチ操作が行われると、操作点の軌跡上に点線を描画する、或いは、既に描画された線のうち操作点の軌跡上にあるもの消去する、といった処理を行う。このようにすることで、制御部10は、右手による操作と左手による操作とに、別々の処理を割り当てることが可能となる。
<変形例4>(ユーザ判別処理領域の指定)
実施形態では、ユーザによるタッチ操作があるとその操作点に対するユーザ所在方向を判別していたが、このとき、制御部10が、表示装置100の領域毎にこのような判別を行うか否かを決めてもよい。例えば、ユーザが、表示装置100を用いてゲームを行う場合、ゲームの内容によっては、特定の領域におけるタッチ操作のみに対して上記のようなユーザの判別が行われる必要があり、それ以外の領域についてはユーザの判別が必要とされないこともある。具体例として、トランプを用いた「スピード」というゲームを考える。「スピード」では,2人のユーザが表示装置100の両サイドに各々位置し、操作表示面200の中央においてカードが捨てられる領域と、各ユーザ側においてそれぞれカードが並べられた領域(カード領域という)という、2つの領域がある。このゲームのルール上、一方のユーザ側のカード領域に対しては、他方のユーザによるタッチ操作は無いと言えるため、カード領域におけるタッチ操作は、カードが配置されている側に所在しているユーザによるタッチ操作として判断することができる。つまり、カード領域では、制御部10はユーザ判別を必要とせず、よって、このカード領域のことをユーザ特定領域という。一方、操作表示面200の中央においてカードが捨てられる領域は、2人のユーザ双方によるタッチ操作が考えられるため、この領域においてタッチ操作があった際には、制御部10は、どちらのユーザによる操作であるかを判別する必要がある。よって、このカードが捨てられる領域をユーザ変動領域という。このように、ゲームなどのアプリケーションプログラム或いはユーザによって、ユーザ特定領域とユーザ変動領域とが明確に区別して指定されている場合には、制御部10は、ユーザ特定領域におけるタッチ操作の際にはユーザ判別処理(ステップS50からステップS90)を省略することができる。
<変形例5>(連続動作時のユーザ判別処理省略)
操作点に対する瞬間的なタッチ操作だけでなく、連続的なタッチ操作に対して、次のようにしてもよい。例えば、ユーザが、表示装置100を用いてゲームを行う場合、ゲームの内容によっては、特定の範囲を短い時間の間に連続してタッチすることがある。具体例として、特定の番号を当てる「ルーレット」というゲームを考える。「ルーレット」は、例えば0〜36の番号が書かれた穴を持つルーレット台において、この玉がどの番号の穴に入るかを当てるゲームであり、ユーザが所持しているコインを0〜36の番号が書かれたテーブル上の任意の番号にベットすることで、ゲームが開始される。「ルーレット」は、通常は複数人でプレイするゲームであるため、操作表示面200上でルーレットを実現する場合には、制御部10は、どのユーザがどの番号にベットしたかを都度判別する必要ある。ユーザは同じ番号に複数のコインをベットすることがあり、この場合、ユーザは、テーブル上の同じ番号が書かれた領域を、短時間の間に連続して複数回タッチすることになる。ここではタッチ1回がコイン1枚に相当する。このようなときに、ユーザによるタッチの都度、図5におけるステップS70からステップS110までの処理を制御部10が行っていては、処理に時間を要し、操作表示面200における表示処理等にも支障をきたすことがある。このような場合には、ユーザのいる位置が固定的であって、操作表示面200において連続的にタッチされる範囲が予め決まっているのであるから、制御部10は、次のようにする。
制御部10は、或る領域に対する複数回のタッチ操作が、予め決められた閾値未満の時間間隔で連続して検出された場合、2回目以降の検出時には、操作点から指又は操作具が延びる方向を調べずに、最初の検出時において特定したユーザ所在方向を、2回目以降の検出時におけるユーザ所在方向として特定する。ここで、制御部10は、上記最初の検出時において特定したユーザ所在方向をRAMに記憶させる。そして制御部10は、上記領域に対して複数回のタッチ操作が予め決められた閾値未満の時間間隔で連続して検出された場合、2回目以降の検出時には、タッチ操作が行われてもステップS50〜ステップS90までの処理を省略し、ステップS100において、上記領域と対応付けてRAMに記憶されたユーザ所在方向を用いてユーザを判別する。このようにすれば、冗長な演算処理を省略し、制御部10の処理能力に余裕を持たせることで、処理がスムーズに行われるようになる。なお、「ルーレット」の例では,指定された閾値以上の時間が過ぎればRAMに記憶されたユーザ所在方向は廃棄されるため、廃棄後は、別のユーザが同じ番号にベットすることが可能である。
<変形例6>(ドラッグ動作時のユーザ判別処理省略)
ユーザが指又は操作具を操作表示面200に接着した状態を保ちながら、この指又は操作具をスライドさせる操作(いわゆるドラッグ動作)に対して、次のようにしてもよい。ここで、制御部10は、タッチセンサ51が所定のサンプリング周期ごとに接触点を継続的に検出し、かつ、サンプリング周期ごとの接触点におけるXY座標の変化が一定の閾値内において起きている場合に、ドラッグ動作であると判断する。例えば、変形例3で上述した例のように、ユーザが1人の場合に、制御部10が、右手によるタッチ操作の場合は操作点の軌跡上に実線を描画し、左手によるタッチ操作の場合は操作点の軌跡上に点線を描画する絵描き機能を考える。この機能においては、ユーザは、絵を書くために瞬間的なタッチを繰り返し行うのではなく、タッチをしながら操作表示面200上を動かすドラッグ動作が必要とされる。つまり、ユーザはドラッグ操作による操作表示面200上の操作点の軌跡によって線を描くことができる。しかしながら、近接センサ52のサンプリング周期毎に図5におけるステップS10からステップS110までの処理を制御部10が行っていては、処理に時間を要し、操作表示面200における描画処理等にも支障をきたすことがある。このような場合には、ユーザのいる位置が固定的であって、操作表示面200において連続的にタッチされる範囲が予め決まっているのであるから、制御部10は、次のようにする。
制御部10は、ドラッグ操作の開始時にステップS10からステップS110までの処理を行い、右手左手のどちらの手による操作であるかを判別すると、その判別結果をRAMに記憶させる。ここで、その後のドラッグ操作は、指が操作表示面200にタッチしたまま行われる操作であるため、ドラッグ操作中に手が変わることは無い。すなわち、制御部10は、ドラッグ開始時にRAMに記憶された、操作を行った手がどちらの手かという判別結果を使用することで、ドラッグ操作中においてはステップS10からステップS110までの処理を省略することが出来る。このように、ドラッグ操作が用いられる場合、制御部10は、指又は操作具が操作表示面200にタッチした瞬間の、操作点から指又は操作具が延びる方向によって求められた操作を行った手の判別結果を、指又は操作具が操作表示面200から離れるまでの間継続して使用してもよい。
なお,前述のようにドラッグ操作の開始時の指又は操作具が延びる方向のみを用いると、ドラッグ操作の開始時に操作を行った手が誤って判別された場合は、ドラッグ操作の継続中において誤った描画処理が行われ続ける可能性がある。そこで、制御部10は、描画機能を実現するアプリケーションプログラム又はユーザによって予め指定された一定時間毎に、あるいは指又は操作具が操作表示面200上の予め決められた領域を通過する度に、指又は操作具が延びる方向を取得して、RAMに記憶されている操作を行った手の情報を更新するようにしてもよい。
なお、指又は操作具が操作表示面200上の決められた領域を通過する度に、指又は操作具が延びる方向を取得する際には、操作表示面200上において操作を行った手、すなわち右手と左手との誤判別が起きにくい領域を予め指定するのが良い。例えば、操作を行った手が、RAMに右手として記憶されている場合は、操作表示面200の左下領域が、最も誤判別が起きにくい領域であると考えられる。なお、上記のドラッグ操作中における処理の省略は、ユーザが1人の場合のみに適用されるものではなく、複数のユーザが操作を行う場合も同様である。この場合、制御部10は、ドラッグ操作の継続中においては、この操作をドラッグ操作の開始時に判別されたユーザによる操作と判断することで、ステップS10からステップS110の処理を省略することができる。
<変形例7>(指向きからのユーザ方向判別)
表示装置100の向きが変更された場合、表示装置100に加速度センサが備えられていれば、制御部10は、この加速度センサの出力値に基づいて表示装置100の向きを判断し、ユーザが操作を行いやすいように操作表示面200に表示させる内容を回転させることが可能である。しかし、表示装置100が机などの平面上に固定的に設置された場合などは、加速度センサによる出力値が得られないため、ユーザの位置が変更された場合に、制御部10は、操作表示面200に表示させる内容を回転させてユーザが操作を行いやすい状態とすることが不可能である。このような場合に対して、次のようにしてもよい。
制御部10は、図5のステップS90においてユーザ所在方向を特定し、ステップS100でユーザを判別する。その後のタッチ操作において、制御部10は、予め決められた時間内に同一のユーザ所在方向を閾値以上連続して特定すると、特定したユーザ所在方向にユーザがいると判定し、操作表示面200における表示内容の向きを、ユーザのいる方向に合わせて回転させて表示する。ここで、上記の時間および閾値は、ユーザにとって操作性がより快適に感じられるかという観点から、多数のユーザによるタッチ操作をサンプルとして実験的に求めてもよいし、設定画面から操作部30を介してユーザにより任意に設定可能としてもよい。このようにすれば、表示装置100を固定的に設置した場合であっても、ユーザのいる位置に合わせて制御部10が操作表示面における表示内容の向きを変更するため、表示装置100を、ユーザにとって操作性がよいものとすることができる。
<変形例8>(特定方向ユーザの操作禁止)
また、カーナビゲーションシステム(カーナビという)のような機器に本発明を適用する場合、次のようにしてもよい。一般的に、カーナビは、運転席と助手席の間の中央位置に設置されることが多い。運転手が運転を行いながらカーナビを操作するのは、危険である。そこで、助手席に他のユーザが同伴することが予め分かっている場合、以下のように設定を変更可能としてもよい。この場合、一般的な日本の国産車であれば、運転席が右側で、助手席が左側であるから、処理テーブル22において、右側にいるユーザに応じた処理は、「何も処理を行わない」内容とすればよい。このようにすれば、運転席にいるユーザが操作表示面200をタッチし、右側からの操作であるため、運転席のユーザによるタッチである、とユーザの判別が行われても、処理テーブル22の内容に基づいて制御部10は何も処理を行わないようになる。一方、このとき、助手席にいるユーザは通常通りの操作を行うことが可能である。このようにすれば、運転の安全性を高めることが可能となる。また、このような変形例は、カーナビに限らず、ある方向にいるユーザによる操作を禁止したい場合に有効である。
<変形例9>(多指向性ディスプレイへの適用)
表示装置100において、表示部40の備えるディスプレイに、見られる方向によって異なった映像を表示させる多指向性ディスプレイを採用する場合、以下のようにしてもよい。なお、多指向性ディスプレイは、視差バリアやレンチキュラーレンズを用いることで実現可能である。例えば、表示装置100の左側にいるユーザには、テキストメモのアプリケーションの画像とともに、仮想的なキーボードの画像が表示されて見えており、右側にいるユーザには、デスクトップにアイコンが並んだ画像が表示されて見えているとする。制御部10は、ユーザ所在方向を特定するとともにユーザを判別して、ユーザに応じた処理を行うことが可能であるから、左側のユーザがタッチ操作を行った場合には、例えば、テキストメモのアプリケーションに対する操作及びキーボードへの入力受付等の処理を行う。一方右側のユーザがタッチ操作を行った場合には、制御部10は、例えば、アプリケーションの起動や終了、アイコンの選択及び決定等の処理を行う。このようにすれば、多指向性ディスプレイを備えた1つの表示装置100に対して複数のユーザが操作を行う場合に、各ユーザが同時に異なる操作を行えるため、操作表示面200における表示スペースを効率的に活用することが可能となる。
<変形例10>(DPRの変動によるユーザ判別精度向上)
近接検出可能範囲DPRの大きさは、近接センサの性能に依るものであるが、ユーザ所在方向を特定するために使用する近接検出範囲は、近接検出可能範囲DPRの範囲内において図16上段のDPR1、DPR2のように変動させてもよい。図16は、変形例8における近接検出範囲を説明するための模式図である。図16上段には、縦軸をZ方向とし、横軸をX方向とし、奥行きをY軸方向とした三次元の座標系が示されている。また、指300jによってタッチされたときの操作点400j、及び指300kによってタッチされたときの操作点400kが表されている。白い円で表された操作点に対し、黒い円は、近接センサ52による操作点以外の検出結果を表しており、各々が(X,Y,Z)で表される三次元の座標値を持っている。
制御部10は、取得した三次元の座標値を三次元の座標系にプロットし、各座標に基づいて半直線を求めると、この半直線の傾きを算出する。図16における半直線L3は、操作点400jに対するタッチから求められたものであり、半直線L4は、操作点400kに対するタッチから求められたものである。制御部10は、半直線L3及び半直線L4について、各々の傾き及び指の方向を算出する。ここで、図16上段に示されるように、指300jは指300kと比較して、操作表示面200に対する傾きが小さい、すなわち操作表示面200に対して、指がより「寝た」状態となっている。一方、指300kは指300jと比較して、操作表示面200に対する傾きが大きい、すなわち操作表示面200に対して、指がより「立った」状態となっている。つまり、指300j及び指300kにおいて、近接検出範囲がDPR2で同一であった場合、指300jは、指300kよりも、より広い領域において近接したことが検出されることとなる。
図16下段は、図16上段で算出された指の方向をX座標、Y座標からなる平面上に表したものである。図16下段に示されるように、指300jに対する検出結果の方が、指300kに対する検出結果よりも、より多くの個数が検出されている。制御部10は、検出結果を結んだ線分によって指の方向を算出するため、より多くの個数の近接が検出された方が、指の方向算出の精度が高いものとなる。これに対して、近接検出範囲がDPR2の範囲で固定されていると、指300kのように「立った」状態で操作表示面200にタッチした場合、近接を検出する個数が少なくなるため、指の方向算出の精度があまり高くないものとなってしまう。従って制御部10は、操作表示面200に対する指の傾きが予め決められた閾値より大きい場合、(換言すると、近接の検出結果の個数が予め決められた閾値よりも少ない個数であった場合)、DPR1のように近接検出可能範囲を拡張してもよい。この場合、図16上段で示されるように、近接検出範囲がDPR2であったときには、指300kに対する検出結果の個数が3つであったのに対して、近接検出可能範囲がDPR1であるときには、指300kに対する検出結果の個数が5つとなる。従って、制御部10が、検出結果に基づいて求めた半直線から指の方向を算出するときの精度が高いものとなる。このようにすれば、ユーザが操作表示面200をタッチするときの指の状態が「寝た」状態であるか「立った」状態であるかに関わらず、ユーザのタッチ操作における指の方向を精度高く算出することができ、結果としてユーザ所在方向を精度高く特定することが可能となる。
図16上段に示すように、近接検出範囲がDPR2であった場合は、指300j、指300k共に、DPR1の場合に比べて検出される近接の検出結果の個数が少ないため、制御部10が指の方向を算出する精度は低くなる。しかしながら、近接の検出結果の個数の少なさに応じて、制御部10の処理量の低減も可能となるため、結果として、より高速にユーザ所在方向を特定することが可能となる。従って、制御部10は、近接検出可能範囲DPRの範囲内において実際に検出が行われる際に用いられる近接検出範囲を変動させることで、ユーザ所在方向特定の際に精度を重視することも速度を重視することもできる。この近接検出範囲は、操作部30を介してユーザによって、あるいはアプリケーションプログラムによって指定されるものであってもよいし、また、特に指定がない場合は、制御部10によって予め決められた近接検出可能範囲DPRが適用される。
<変形例11>(他方式での近接状態取得)
指又は操作具が延びる方向を検出するために用いるセンサは、近接センサ52に限らない。例えば、表面にタッチされる操作表示面の裏面側に赤外光の撮像カメラを備え、制御部10は、タッチ操作がなされたときの撮像画像を解析して指又は操作具が延びる方向を検出してもよい。具体的には、指先は赤外光が反射して輝度が高くなり、指先以外は影になって輝度が低くなるから、制御部10は、この輝度差に基づいて指又は操作具が延びる方向を検出することができる。
<変形例12>
本発明は、表示装置以外にも、これらを実現するための方法、及びコンピュータに表示機能を実現させるためのプログラムとしても把握される。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用させるなどの形態でも提供されたりする。
10…制御部、20…記憶部、21,21b…ユーザ判別テーブル、22,22b…処理テーブル、30…操作部、31…操作子、40…表示部、41…液晶ディスプレイ、50…検出部、51…タッチセンサ、52…近接センサ、60…通信部、70…バス、100…表示装置、200…操作表示面、300,300a〜k…指、400a〜400k…操作点、500a,500b…検出結果、600a1,600a2,600b,600d,600A〜600E…判別円、AA…近接取得領域、C…検出領域の限界、DOa1,DOa2,DOb,DOd…ユーザ所在方向、DPR…近接検出可能範囲、DPR1,DPR2…近接検出範囲、JA…近接判定エリア、L1〜L4…半直線、L1a〜L1d,L2a〜L2d…線分、N1〜N4…近接検出結果、r…半径、Va1,Va2,Vb,Vd…指の方向、Z1〜Z4…距離、

Claims (8)

  1. 画像が表示される多角形の表示面と、
    ユーザの指又は操作具により前記表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出手段と、
    前記指定位置検出手段によって検出された前記位置と前記表示面の各頂点とを結ぶ線分に基づいて、前記表示面における複数の方向の範囲を決定する範囲決定手段と、
    前記範囲決定手段によって決定された複数方向の範囲と、前記表示面における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記指定位置検出手段によって前記位置が検出されたときに当該位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を検出する方向検出手段と、
    前記記憶手段に記憶されている複数の方向の範囲のうち、前記方向検出手段によって検出された方向が属する範囲を特定する特定手段と、
    前記指定位置検出手段によって検出された前記位置及び前記特定手段によって特定された前記方向の範囲に対応付けて前記記憶手段に記憶されている内容の処理を実行して、前記表示面における表示内容を制御する表示制御手段
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記範囲決定手段は、前記複数の方向の範囲として、前記表示面からみて各々のユーザが所在するユーザ所在方向の範囲を決定し、
    前記特定手段は、前記方向検出手段によって検出された方向が属する、前記ユーザ所在方向の範囲を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記範囲決定手段は、前記複数の方向の範囲として、前記表示面からみて各々のユーザの右手がある方向の範囲と左手がある方向の範囲とをそれぞれ決定し、
    前記特定手段は、前記方向検出手段によって検出された方向が、前記記憶手段に記憶されている右手がある方向の範囲と左手がある方向の範囲とのどちらに属するかを特定する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記方向検出手段は、
    前記指又は前記操作具の各部位のうち、前記表示面に対して位置を指定したときに当該表示面から決められた距離の範囲内にある部位を検出し、前記指定位置検出手段によって検出された前記位置から前記検出された部位がある方向を、前記指又は前記操作具が延びる方向として検出する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記特定手段は、
    前記指定位置検出手段によって、同一属性の領域に属する位置に対する複数回の指定が閾値未満の時間間隔で連続して検出された場合、2回目以降の検出時には、指定された位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を調べずに、最初の検出時において特定した前記方向の範囲を、2回目以降の検出時における前記方向の範囲として特定する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記特定手段は、
    前記指定位置検出手段によって前記指定された位置が閾値未満の時間間隔で連続して検出された場合、最初の検出時においてのみ前記指又は前記操作具の延びる方向を調べ、以降の検出においては前記指又は前記操作具の延びる方向を調べずに、前記最初の検出時において特定した前記方向の範囲を、以降の検出時における前記方向の範囲として特定する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 画像が表示される多角形の表示面を備えた表示装置の制御方法であって、
    ユーザの指又は操作具により前記表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出工程と、
    前記指定位置検出工程により検出された前記位置と前記表示面の各頂点とを結ぶ線分に基づいて、前記表示面における複数の方向の範囲を決定する範囲決定工程と、
    前記範囲決定工程において決定された複数方向の範囲と、前記表示面における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶工程と
    前記指定位置検出工程によって前記位置が検出されたときに当該位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を検出する方向検出工程と、
    前記記憶工程において記憶され複数の方向の範囲のうち、前記方向検出工程において検出された方向が属する範囲を特定する特定工程と、
    前記指定位置検出工程において検出された前記位置及び前記特定工程において特定された前記方向の範囲に対応付けて前記記憶工程おいて記憶され内容の処理を実行して、前記表示面における表示内容を制御する表示制御工程と
    を備えることを特徴とする制御方法。
  8. 画像が表示される多角形の表示面と、ユーザの指又は操作具により前記表示面に対して指定された位置を検出する指定位置検出手段とを備えたコンピュータを、
    前記指定位置検出手段によって検出された前記位置と前記表示面の各頂点とを結ぶ線分に基づいて、前記表示面における複数の方向の範囲を決定する範囲決定手段と、
    前記範囲決定手段によって決定された複数方向の範囲と、前記表示面における位置と、表示に関する処理の内容とを、互いに対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記指定位置検出手段によって前記位置が検出されたときに当該位置から前記指又は前記操作具が延びる方向を検出する方向検出手段と、
    前記記憶手段に記憶されている複数の方向の範囲のうち、前記方向検出手段によって検出された方向が属する範囲を特定する特定手段と、
    前記指定位置検出手段によって検出された前記位置及び前記特定手段によって特定された前記方向の範囲に対応付けて前記記憶手段に記憶されている内容の処理を実行して、前記表示面における表示内容を制御する表示制御手段と
    として機能させるためのプログラム。
JP2011057072A 2011-03-15 2011-03-15 表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム Expired - Fee Related JP5595312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011057072A JP5595312B2 (ja) 2011-03-15 2011-03-15 表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011057072A JP5595312B2 (ja) 2011-03-15 2011-03-15 表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012194692A JP2012194692A (ja) 2012-10-11
JP5595312B2 true JP5595312B2 (ja) 2014-09-24

Family

ID=47086535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011057072A Expired - Fee Related JP5595312B2 (ja) 2011-03-15 2011-03-15 表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5595312B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6000797B2 (ja) * 2012-10-17 2016-10-05 シャープ株式会社 タッチパネル式入力装置、その制御方法、および、プログラム
JP5882270B2 (ja) * 2013-08-29 2016-03-09 東芝テック株式会社 情報処理装置、プログラム
JP6097670B2 (ja) * 2013-10-24 2017-03-15 アルプス電気株式会社 表示入力装置
WO2019220510A1 (ja) 2018-05-14 2019-11-21 三菱電機株式会社 入力制御装置、入力制御方法、及び、表示装置
JP6738450B2 (ja) * 2019-02-21 2020-08-12 シャープ株式会社 表示装置及びプログラム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2866575B2 (ja) * 1994-03-28 1999-03-08 日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 感圧式タブレットおよび情報処理装置
JP3416325B2 (ja) * 1995-03-28 2003-06-16 キヤノン株式会社 座標入力装置及びその制御方法
JP3938193B2 (ja) * 2005-10-07 2007-06-27 松下電器産業株式会社 データ処理装置
JP2007331692A (ja) * 2006-06-19 2007-12-27 Xanavi Informatics Corp 車載電子装置およびタッチパネル装置
JP4087879B2 (ja) * 2006-06-29 2008-05-21 株式会社シンソフィア タッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法
JP2008257446A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Sharp Corp 表示装置、画像形成装置
JP4991458B2 (ja) * 2007-09-04 2012-08-01 キヤノン株式会社 画像表示装置及びその制御方法
JP5282661B2 (ja) * 2009-05-26 2013-09-04 ソニー株式会社 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012194692A (ja) 2012-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220129060A1 (en) Three-dimensional object tracking to augment display area
US9465437B2 (en) Method and apparatus for controlling screen by tracking head of user through camera module, and computer-readable recording medium therefor
KR100851977B1 (ko) 가상 평면을 이용하여 전자 기기의 사용자 인터페이스를제어하는 방법 및 장치.
JP5552772B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム
JP5423686B2 (ja) コンピュータプログラム、入力装置及び入力方法
US9552154B2 (en) Device and method for providing a user interface
JP6021335B2 (ja) 情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法
US20110157040A1 (en) Touchpanel device, and control method and program for the device
WO2014034031A1 (ja) 情報入力装置及び情報表示方法
KR101416235B1 (ko) 3차원 위치 입력 방법 및 장치
US20110122080A1 (en) Electronic device, display control method, and recording medium
JP5595312B2 (ja) 表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム
KR20070006477A (ko) 가변적 메뉴 배열 방법 및 이를 이용한 디스플레이 장치
WO2012137861A1 (ja) 電子機器、表示方法、および表示プログラム
US9619134B2 (en) Information processing device, control method for information processing device, program, and information storage medium
CN103135887A (zh) 信息处理装置、信息处理方法和程序
US20150015507A1 (en) Information processing apparatus, method for controlling same, and recording medium
US9395838B2 (en) Input device, input control method, and input control program
CN105488832B (zh) 光学数字尺
US10564762B2 (en) Electronic apparatus and control method thereof
JP5882270B2 (ja) 情報処理装置、プログラム
TWI537771B (zh) 穿戴式裝置及其操作方法
JP6630164B2 (ja) 電子機器及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体
JP2019046088A (ja) 表示制御装置、ポインタの表示方法及びプログラム
CN110032306A (zh) 位置指定方法以及存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130815

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140715

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5595312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees