JP5594947B2 - 扉 - Google Patents

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本発明は、左右一対の框の間に鏡板を挟持固定した構成の扉に関する。本発明の扉は、建物のドア、引戸、家具の扉等に適用されるものである。
左右一対の框の間に鏡板を挟持固定した構成の扉としては、下記特許文献1,2に記載されたものが知られている。
特開2004−143839号公報 特開2006−2503号公報
これら従来技術による扉は、矩形状に形成された左右一対の框の間に矩形状の鏡板を挟持固定してなるものであるため、正面視において鏡板は左右框の間に矩形状に観察されるにすぎず、扉に変化に富んだ意匠性を持たせることができなかった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、左右一対の框の間に鏡板を挟持固定した構成を有しながらも、正面視において変化に富んだ意匠性を有する扉を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、左右一対の縦框の間に鏡板を挟持固定した構成を有する扉において、左右縦框のいずれについてもその外木口面を扉の全長に亘って直線状に延長するように形成すると共に、一方の縦框については正面視にて幅広部と幅狭部とこれらの間の段差部とを有するものとして形成することによりその内木口面を扉の長さ方向において折曲状に形成し、且つ、他方の縦框については正面視にて前記一方の縦框の幅広部に対応する領域に幅狭部を有し前記一方の縦框の幅狭部に対応する領域に幅広部を有してこれら幅狭部と幅広部との間に段差部を有するものとして形成することによりその内木口面を扉の長さ方向において折曲状に形成し、これら左右縦框の間に鏡板が正面視にて非矩形状に観察されるように構成したことを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、矩形状に形成された左右一対の縦框の間に矩形状の鏡板を挟持固定した構成を有する扉において、鏡板の表面を部分的に覆う覆い部材を、左右縦框のいずれか一方の内木口面に隣接させ、且つ、鏡板の表面に固定して、任意数設けることにより、これら左右縦框の内木口面の間に鏡板が正面視にて非矩形状に観察されるように構成したことを特徴とする。
請求項3に係る本発明は、請求項1または2記載の扉において、鏡板が透光性を有する材料で形成されたものであることを特徴とする。
請求項1に係る本発明は、左右一対の縦框の間に鏡板を挟持固定した構成を有する扉において、左右縦框のいずれについてもその外木口面を扉の全長に亘って直線状に延長するように形成すると共に、一方の縦框については正面視にて幅広部と幅狭部とこれらの間の段差部とを有するものとして形成することによりその内木口面を扉の長さ方向において折曲状に形成し、且つ、他方の縦框については正面視にて前記一方の縦框の幅広部に対応する領域に幅狭部を有し前記一方の縦框の幅狭部に対応する領域に幅広部を有してこれら幅狭部と幅広部との間に段差部を有するものとして形成することによりその内木口面を扉の長さ方向において折曲状に形成したので、これら左右縦框の内木口面の間に鏡板が正面視にて非矩形状に観察され、従来の扉では表現できなかった変化に富んだ意匠性を発揮することができる。
請求項2に係る本発明は、矩形状に形成された左右一対の縦框の間に矩形状の鏡板を挟持固定した構成を有する扉において、左右縦框のいずれか一方または両方の内木口面に隣接させて、鏡板の表面を部分的に覆う覆い部材を設けることにより、これら左右縦框の間に鏡板が正面視にて非矩形状に観察され、従来の扉では表現できなかった変化に富んだ意匠性を発揮することができる。
請求項3に係る本発明では、請求項1または2記載の扉において、透光性を有する材料で形成された鏡板が用いられるので、扉の意匠性をさらに高めることができる。
請求項1に係る本発明の扉の各構成要素について説明する。
左右一対の縦框(以下単に「框」と記載したものは「縦框」を意味する。)は、いずれも、合板、木質繊維板、パーティクルボード等の木質材で構成され、フラッシュドアと同様に芯材を組み付けたフレームに面材を貼った構造でも良く、あるいは積層材、集成材、無垢材などの中実の木質材で構成されたものであっても良い。框の表面(面材)や木口の一部表面には、必要に応じて化粧紙、化粧合成樹脂含浸紙、化粧合成樹脂シート等の化粧材が貼着され、あるいは塗装が施されることによって任意化粧が施される。
左右の框の形状は、従来の正面視で矩形状を有する框形状ではなく、本発明では内木口面が折曲状となるように形成される。すなわち、左右框のいずれについても、その外木口面は扉の全長に亘って直線状に延長するように形成されるが、正面視にて幅広部と幅狭部とこれらの間の段差部とを有するものとして形成されることから、その内木口面は扉の長さ(高さ)方向において折曲状に形成される。そして、一方の框の幅広部に対応して他方の框に幅狭部が設けられ、一方の框の幅狭部に対応して他方の框に幅広部が設けられる。
ここに折曲状とは、幅広部と幅狭部との間に扉の幅方向(水平方向)に延長する段差部が設けられるような形状や、あるいは、幅広部と幅狭部との間に湾曲状に段差部が設けられるような形状を含むものである。また、各框は、少なくとも一つの幅広部と少なくとも一つの幅狭部とを有すると共にこれら幅広部と幅狭部との間に段差部を有するものであって、扉の長さ方向において幅広部と幅狭部とが交互に任意数繰り返されるように形成して、隣接する幅広部と幅狭部との間に段差部が設けられるような形状であっても良い。
なお、左右框の内木口面の形状を扉の表裏で異なるものとすることも本発明の一実施形態である。たとえば、左右框のいずれか一方については扉の表面側のみに幅広部が設けられるものとし、他方については扉の裏面側のみに幅広部が設けられるものとすることができる。この場合、扉の表面側においては該一方の框の幅広部が鏡板の表面を覆い、扉の裏面側においては該他方の框の幅広部が鏡板の裏面を覆うことになる。
幅広部と幅狭部と段差部とを有する左右框の間には鏡板が挟持固定されるが、この鏡板としては、左右框の内木口面の間に形成される折曲状ないし蛇行状の空間部の形状に応じた異形状に形成された鏡板を用いる場合と、矩形状の鏡板を用いる場合とがあり、それぞれの場合によって框の製造方法が異なる。
折曲状ないし蛇行状空間部形状に応じた異形状に形成された鏡板を用いる場合は、扉の高さと同寸法の長尺矩形状であって幅狭部と同一幅を有する縦框と、幅広部の高さ寸法を有し且つ幅広部と幅狭部との間の幅寸法差に対応する幅を有する付属框とから框を製造することができる。縦框の長手方向に延長する一木口面には、鏡板が嵌入される位置(框の幅狭部となる高さ範囲)には鏡板の厚さと略同一の溝幅を有する鏡板嵌入溝を形成し、付属框が取り付けられる位置(框の幅広部となる高さ範囲)にはダボ穴を形成する。付属框の長手方向に延長する一木口面には、縦框のダボ穴と対応する位置にダボ穴を形成し、長さ方向に延長する他木口面および上木口面には鏡板の厚さと略同一の溝幅を有する鏡板嵌入溝を形成する。そして、縦框と付属框のダボ穴にそれぞれ接着剤を塗布し、これらをダボによって固定し押圧して一体化する。さらに必要に応じてその表裏に化粧材貼着などによる化粧を施して、異形状鏡板を用いる場合の本発明の扉に使用する框が製造される。縦框と付属框の固定方法は上述のダボ固定に限定されるものではなく、ホゾ固定、連結金具による固定など任意の手法を採用することができる。
矩形状の鏡板を用いる場合は、まず、扉と同一の高さ寸法を有すると共に幅広部と同一の幅寸法を有する矩形状の框を準備する。この框には必要に応じてその表裏に化粧材貼着などによる化粧が施される。この矩形状の框の長手方向に延長する一木口面(扉における内木口面)には鏡板嵌入溝を形成する。その溝幅は鏡板の厚さと略同一であり、その深さは幅広部と幅狭部との間の幅寸法差に鏡板の縁部が嵌入される深さを加えたものとされる。このような鏡板嵌入溝を形成した後、幅狭部となる高さ範囲に亘って矩形状框の鏡板嵌入溝形成側を切断し、該切断木口面に化粧材貼着や塗装等による化粧を施して、矩形状鏡板を用いる場合の本発明の扉に使用する框が製造される。
框において扉の内木口面に形成される鏡板嵌入溝は、鏡板の縁部が嵌入されるように形成される。折曲状や蛇行状などの異形状の鏡板を用いる場合は、框の内木口面に一定の溝深さ(例えば30〜50mm程度)に鏡板の縁部を嵌入する鏡板嵌入溝が延長形成されるが、矩形状の鏡板を用いる場合は、框の幅狭部の内木口面には鏡板の縁部を嵌入する比較的浅い(例えば30〜50mm程度の溝深さの)鏡板嵌入溝が形成されると共に、框の幅広部の内木口面には鏡板の縁部から所定幅に亘る領域を嵌入する比較的深い(例えば80〜200mm)鏡板嵌入溝が形成される。
框の寸法は、例として、高さ1600〜2400mm、幅100〜750mm、厚さ30〜40mm程度であり、その幅広部が扉の下端または上端から高さ500〜1000mmに亘り、幅狭部より50〜150mm程度幅広に形成され、その厚みは框の全体厚さと同一の30〜40mmであるか、または鏡板の表裏いずれかに設けられる場合は11〜18mmである。
鏡板は、合板、木質繊維板、単板積層材、パーティクルボード、ストランドボード等の木質材、アルミ等の金属材等であって良く、あるいは硝子、合成樹脂(特にアクリル樹脂板)等の透光性を有する材料からなるものであっても良い。木質材からなる鏡板の表面には、必要に応じて化粧紙、化粧合成樹脂含浸紙、化粧合成樹脂シート等の化粧材が貼着されたり塗装が施されることによって任意化粧が施される。
鏡板の寸法は扉の意匠性に応じて任意選択することができるが、例として、高さ300〜2400mm、幅50〜700mm、厚さ4〜8mm程度であり、鏡板を框に嵌合して得られる扉の全体幅は500〜900mm程度である。前述のように、鏡板の形状は、左右框の内木口面の形状に合わせた折曲状ないし湾曲状に加工されたものであっても良いし、矩形状の鏡板を使用しても良い。
鏡板を框木口の鏡板嵌入溝に嵌入固定する方法は任意である。たとえば、鏡板嵌入溝に嵌入される鏡板の木口面にダボ穴を形成すると共に鏡板嵌入溝内の対応する位置にもダボ穴を形成しておいて、これらダボ穴にダボを挿入して固定する方法や、框の鏡板嵌入溝に鏡板を嵌入した状態にして扉の上下部に框と鏡板との嵌合部を覆う金具によって固定する方法、框の鏡板嵌入溝に板バネのような押圧部材を介在させて鏡板を挟持固定する方法等を採用することができる。
次に、請求項2に係る本発明の扉の各構成要素について説明する。
左右一対の框は、いずれも、合板、木質繊維板、パーティクルボード等の木質材で構成され、フラッシュドアと同様に芯材を組み付けたフレームに面材を貼った構造でも良く、あるいは積層材、集成材、無垢材などの中実の木質材で構成されたものであっても良い。框の表面(面材)や木口の一部表面には、必要に応じて化粧紙、化粧合成樹脂含浸紙、化粧合成樹脂シート等の化粧材が貼着され、あるいは塗装が施されることによって任意化粧が施される。左右の框はいずれも正面視矩形状であり、その内木口面に鏡板の縁部を少なくとも20mm程度の幅領域に亘って嵌入するための鏡板嵌入溝が扉の全長に亘って延長形成される。框の寸法は、例として、高さ1600〜2400mm、幅100〜750mm、厚さ30〜40mm程度である。
この扉に用いられる鏡板は矩形状であり、合板、木質繊維板、単板積層材、パーティクルボード、ストランドボード等の木質材、アルミ等の金属材等であって良く、あるいは硝子、合成樹脂(特にアクリル樹脂板)等の透光性を有する材料からなるものであっても良い。木質材からなる鏡板の表面には、必要に応じて化粧紙、化粧合成樹脂含浸紙、化粧合成樹脂シート等の化粧材が貼着されたり塗装が施されることによって任意化粧が施される。鏡板の寸法は扉の意匠性に応じて任意選択することができるが、例として、高さ300〜2400mm、幅50〜700mm、厚さ4〜8mm程度であり、鏡板を框に嵌合して得られる扉の全体幅は500〜900mm程度である。
鏡板を框木口の鏡板嵌入溝に嵌入固定する方法は任意である。たとえば、鏡板嵌入溝に嵌入される鏡板の木口面にダボ穴を形成すると共に鏡板嵌入溝内の対応する位置にもダボ穴を形成しておいて、これらダボ穴にダボを挿入して固定する方法や、框の鏡板嵌入溝に鏡板を嵌入した状態にして扉の上下部に框と鏡板との嵌合部を覆う金具によって固定する方法、框の鏡板嵌入溝に板バネのような押圧部材を介在させて鏡板を挟持固定する方法等を採用することができる。
この扉においては、左右の框のいずれか一方または両方の内木口面に隣接させて、鏡板の表面を部分的に覆う覆い部材が設けられる。覆い部材は、合板、木質繊維板、単板積層材、パーティクルボード、ストランドボード等の木質材、アルミ等の金属材、あるいは硝子等の透光性部材を用いて形成されたものであって良い。例として、框材と同一材料からなる覆い部材を用いたり、框材の表面化粧に用いたと同様の化粧材を表面に貼着し、あるいは同様の塗装を表面に施した覆い部材を用いて、框の内木口面に隣接させて鏡板の表面に設けるようにすれば、覆い部材が框の一部として統一性を持って観察されるものとなる。
覆い部材の寸法は、覆い部材が取り付けられる扉やその意匠性によって異なるが、その高さは扉の全長より短く、幅は左右框の間に挟持された状態の鏡板の幅よりも狭く、厚さは鏡板表面から框表面までの厚さと等しいかそれよりも薄い。例として、扉の高さが1600〜2400mm、左右の各框が幅100〜750mm、厚さ30〜40mmである場合、覆い部材の高さは100〜1000mm、幅は150〜650mm、厚さは11〜18mmである。
覆い部材は、鏡板に対して接着剤や両面テープを用いて貼着固定する方法や、金具によって框の上下木口で固定する方法、覆い部材にダボ穴、鏡板に貫通穴を形成しておいて鏡板の表裏よりダボによって固定する方法、框の木口面に形成した嵌合溝に覆い部材の縁部を嵌入して固定する方法、框の木口面に覆い部材の木口面を接着剤により貼着固定する方法等を採用することができるが、鏡板および隣接する框木口面に対して接着剤によって貼着固定する方法を採用することが好ましい。
図1〜図3を参照して本発明の実施例1による扉10について説明する。この扉10は、左右一対の縦框11,12(以下において、左右を区別するときは、正面視左側の縦框を「左框」、右側の縦框を「右框」と言う。)の各内木口面に嵌入溝13,14を扉10の高さ方向に亘って延長形成し、これら嵌入溝13,14に透光板15の縁部を嵌合して挟持固定することにより構成されている。
左框11は、外木口面が扉10の全長に亘って直線状に延長形成されているが、上部が幅狭部11a、下部が幅広部11cとされていて、それらの間に段差部11bを有して略L字形状に形成されている。左框11の全体の寸法は高さ1992mm、厚さ33mmであって、幅は幅狭部11aにおいて220mm、幅広部11cにおいて328mmであって、段差部11bは水平方向に長さ108mmに形成されている。また、幅狭部11aの高さは左框11の上端から1162mm、幅広部11cの高さは左框11の下端から830mmである。
右框12の形状および構成は左框11と略対称であり、外木口面が扉10の全長に亘って直線状に延長形成されているが、上部が幅広部12a、下部が幅狭部12cとされていて、それらの間に段差部12bを有して略L字形状に形成されている。右框12の全体の寸法は高さ1992mm、厚さ33mmであって、幅は幅広部12aにおいて328mm、幅狭部12cにおいて220mmであって、段差部12bは水平方向に長さ108mmに形成されている。また、幅広部12aの高さは右框12の上端から982mm、幅狭部12cの高さは右框12の下端から1010mmである。
左框11の内木口面の嵌入溝13は、該内木口面の形状に対応して正面視折線状に形成されており、幅狭部11aの領域に形成された上方垂直溝部分13aと、段差部11bの領域に形成された水平溝部分13bと、幅広部11cの領域に形成された下方垂直溝部分13cとが連続したものとして形成されている。右框12の内木口面の嵌入溝14は、該内木口面の形状に対応して正面視折線状に形成されており、幅広部12aの領域に形成された上方垂直溝部分14aと、段差部12bの領域に形成された水平溝部分14bと、幅狭部12cの領域に形成された下方垂直溝部分14cとが連続したものとして形成されている。これら嵌入溝13,14は、後述する異形状に形成された透光板15の縁部を嵌入するためのものであり、その溝幅は透光板15の厚さ(8mm)と略同一であり、その溝深さは30mmに形成されている。
この実施例で用いられる透光板15は、左右框11,12の内木口面を向かい合わせたときにこれらの間に形成される空間の形状に略合致する形状を有するように加工されたものであって、高さは框11,12ないし扉10の全長に等しい1992mmであり、幅は左框幅狭部11aと右框幅広部12aとの間に挟持される部分および左框幅広部11cと右框幅狭部12cとの間に挟持される部分で210mmであって、左右框11,12の段差部11b,12bに対応するように折線状に折れ曲がった形状を有している。
この扉10の製造に際しては、左右框11,12の各内木口面に形成される嵌入溝13,14の内部と、これら嵌入溝13,14に嵌入される透光板15の縁部のそれぞれ対応した位置にダボ穴を形成しておき、これらダボ穴に接着剤を塗布した後、ダボを挿入し押圧して接着固定する方法を採用することができる。このようにして左右框11,12の間に透光板15が挟持固定されてなる扉10が製造され、その高さは1992mm、幅698mm、厚さ33mmである。
図4には実施例1の変形例としての実施例2による扉20が示されている。この扉20は実施例1の扉10(図1〜図3)と略同様の構成を有し、正面視においても同様の外観を与える(図1,図3)が、透光板として矩形状の透光板25を使用しており、これに伴って左右框21,22の内木口面に形成される嵌入溝23,24の形状(深さ)が異なっている。
すなわち、左右框21,22の全体形状・寸法は実施例1の扉10の左右框11,12と略同一であるが、この実施例における左右框21,22の各内木口面に形成される嵌入溝23,24は、その溝底が扉20の全長に亘って直線状に延長するように形成されており、これら嵌入溝23,24に矩形状の透光板25の左右縁部を嵌入させるように構成されている。したがって、嵌入溝23,24の溝深さは、幅狭部21a,22cの領域においては30mmであるが、幅広部21c,22aの領域においてはこれに該幅広部の幅方向突出長(108mm)を加えた寸法=138mmの溝深さを有する。透光板25の寸法は、高さ1992mm、幅318mm、厚さ8mmである。
その他の構成については実施例1の扉10について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉20の製造についても実施例1の扉10について既述したと同様の方法を採用することができる。
図5には実施例1の別の変形例としての実施例3による扉30が示されている。この扉30は実施例1の扉10(図1〜図3)と略同様の構成を有するが、左右框31,32の幅狭部31a,32cと幅狭部31c,32aとの間の段差部31b,32bが、実施例1の扉10における段差部11b,12bのように水平方向に延長せず、湾曲状に形成されている点で異なっている。したがって、これら左右框31,32の間に挟持固定された透光板35は段差部31b,32bの間で正面視にて湾曲しつつ扉30の全長に亘って連続的に観察される。
この実施例における透光板35は、左右框31,32の各内木口面の湾曲形状に合致した異形状に加工されたものを用いても良いし、矩形状の透光板を用いても良い。前者の場合は、実施例1と同様に、左右框31,32の各内木口面の湾曲形状に沿って一定の溝深さ(30mm)を有するように嵌入溝(図示せず)を形成して異形状透光板の縁部を嵌入する。後者の場合は、実施例2と同様に、左右框31,32の各内木口面に、扉30の全長に亘って溝底が直線状に延長するように嵌入溝(図示せず)を形成して、矩形状透光板の縁部を嵌入する。この場合の溝深さは、幅狭部31a,32cと幅広部31c,32aとで異なるものとなる。
その他の構成については既述実施例の扉について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉30の製造についても実施例1の扉10について既述したと同様の方法を採用することができる。
図6には実施例1のさらに別の変形例としての実施例4による扉40が示されている。この扉40における左框41は、外木口面が扉40の全長に亘って直線状に延長形成されているが、上方から下方に向けて幅広部41a、段差部41b、幅狭部41c、段差部41d、幅広部41e、段差部41fおよび幅狭部41gを連続的に有しており、その内木口面が複数回に亘る折線状に形成されている。左框41の全体の寸法は高さ1992mm、厚さ33mmであって、幅は幅狭部41c,41gにおいて220mm、幅広部41a,41eにおいて328mmであって、段差部41b,41d,41fは水平方向に長さ108mmに形成されている。
右框42の形状および構成は左框41と略対称であり、外木口面が扉40の全長に亘って直線状に延長形成されているが、上方から下方に向けて幅狭部42a、段差部42b、幅広部42c、段差部42d、幅狭部42e、段差部42fおよび幅広部42gを連続的に有しており、その内木口面が複数回に亘る折線状に形成されている。右框42の全体の寸法は高さ1992mm、厚さ33mmであって、幅は幅狭部42a,42eにおいて220mm、幅広部42c,42gにおいて328mmであって、段差部42b,42d,42fは水平方向に長さ108mmに形成されている。
この実施例における透光板45は、左右框41,42の各内木口面の折曲形状に合致した異形状に加工されたものを用いても良いし、矩形状の透光板を用いても良い。前者の場合は、実施例1と同様に、左右框41,42の各内木口面の折曲形状に沿って一定の溝深さ(30mm)を有するように嵌入溝(図示せず)を形成して異形状透光板の縁部を嵌入する。後者の場合は、実施例2と同様に、左右框41,42の各内木口面に、扉40の全長に亘って溝底が直線状に延長するように嵌入溝(図示せず)を形成して、矩形状透光板の縁部を嵌入する。この場合の溝深さは、幅狭部41c,41g:42a,42eと幅広部41a,41e:42c,42gとで異なるものとなる。
その他の構成については既述実施例の扉について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉40の製造についても実施例1の扉10について既述したと同様の方法を採用することができる。
図7には実施例5による扉50が示されている。この扉50における左框51は、外木口面が扉50の全長に亘って直線状に延長形成されているが、上部が幅狭部51a、下部の表面側が幅広部51cとされていて、それらの間に段差部51bを有して略L字形状に形成されている。左框51の全体の寸法は高さ1992mm、厚さ33mmであって、幅は幅狭部51aにおいて220mm、幅広部51cにおいて328mmであって、段差部51bは水平方向に長さ108mmに形成されている。幅狭部51aの高さは左框51の上端から1162mmであり、その厚さは框と同一の33mmである。幅広部51cの高さは左框51の下端から830mmであり、その厚さは扉50において透光板55の表面から扉表面までに相当する厚さであって約12mmである。
右框52の形状および構成は左框51と略対称であり、外木口面が扉50の全長に亘って直線状に延長形成されているが、上部の裏面側が幅広部52a、下部が幅狭部52cとされていて、それらの間に段差部52bを有して略L字形状に形成されている。右框52の全体の寸法は高さ1992mm、厚さ33mmであって、幅は幅広部52aにおいて328mm、幅狭部52cにおいて220mmであって、段差部52bは水平方向に長さ108mmに形成されている。幅広部52aの高さは右框12の上端から982mmであり、その厚さは扉50において透光板55の裏面から扉裏面までに相当する厚さであって約12mmである。幅狭部52cの高さは右框52の下端から1010mmであり、その厚さは框と同一の33mmである。
この実施例における左右框51,52の各内木口面には、その溝底が扉50の全長に亘って直線状に延長するように、矩形状の透光板55の左右縁部を嵌入するための嵌入溝(図示せず)が形成されている。該嵌入溝の溝深さは30mmである。透光板55の寸法は、高さ1992mm、幅338mm、厚さ8mmである。透光板55をこれら左右框51,52の各内木口面の嵌入溝に嵌入して固定したとき、扉50の表面側においては左框幅広部51cが透光板55の表面側下方部を覆い、扉50の裏面側においては右框幅広部52aが透光板55の裏面側上方部を覆うことになるが、透光板55の透光性により、右框幅広部52aは扉50の表面側から、左框幅広部51cは扉50の裏面側から、それぞれ透視される。したがって、左框幅広部51cの裏面側および右框幅広部52aの表面側にも化粧材貼着や塗装等による化粧が施されている。
その他の構成については既述実施例の扉について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉50の製造についても実施例1の扉10について既述したと同様の方法を採用することができる。
図8および図9を参照して本発明の実施例6による扉60について説明する。この扉60は、矩形状に形成された左右一対の框61,62の間に矩形状の透光板65を挟持固定した構成を有する扉において、左右框61,62の内木口面に隣接させて、透光板65の表裏面を部分的に覆う覆い部材66,67を設けることにより、これら左右框の間に透光板65が正面視にて非矩形状に観察されるように構成されている。
左右の框61,62は対称に形成され、いずれも高さ1992mm、幅220mm、厚さ33mmである。透光板65は、高さ1992mm、幅318mm、厚さ8mmである。左右の框61,62の各内木口面には、透光板65の左右縁部を嵌入するための嵌入溝63,64が形成されており、その深さは30mm、幅は8mmである。
覆い部材66は、左框61の内木口面の下端から上方に向けて隣接して透光板65の表裏に設けられ、覆い部材67は右框62の内木口面の上端から下方に向けて隣接して透光板65の表裏に設けられる。これら覆い部材66,67はこの実施例では同一寸法のものが用いられており、高さ830mm、幅108mm、厚さ12mmである。
この扉60の製造に際しては、左右框61,62の各内木口面に形成される嵌入溝63,64の内部と、これら嵌入溝63,64に嵌入される透光板65の左右縁部のそれぞれ対応した位置にダボ穴を形成しておき、これらダボ穴に接着剤を塗布した後、ダボを挿入し押圧して接着固定する方法を採用することができる。そして、覆い部材66,67の透光板貼着面および木口面に接着剤を塗布し、該接着剤塗布面を透光板の表裏面および左右框61,62の内木口面に当てて覆い部材66,67を所定位置に貼着固定することにより、本実施例の扉60が製造され、その高さは1992mm、幅698mm、厚さ33mmである。
なお、この実施例6の扉60において、覆い部材66,67を左右框61,62と同一の材料で形成したり同一の表面化粧を施すことによって左右框61,62と略同一の表面意匠性を持たせるようにすると、覆い部材66,67が隣接する框61,62との外観上の違和感が無くなって一体化し、実施例1の扉10と実質的に同一または近似した外観の扉として提供することができる。
図10には実施例6の変形例としての実施例7による扉70が示されている。この扉70は実施例6の扉60(図8,図9)と略同様の構成を有するが、覆い部材76の上端および覆い部材77の下端が湾曲状に形成されている点で異なっている。したがって、これら覆い部材76,77を左右框71,72の各内木口面に隣接させて透光板75の表裏面を部分的に覆うように設けることにより、左右框71,72間に挟持固定された透光板75は正面視にて湾曲しつつ扉70の全長に亘って連続的に観察される。
その他の構成については実施例6の扉60について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉70の製造についても実施例6の扉60について既述したと同様の方法を採用することができる。
なお、この実施例7の扉70において、覆い部材76,77を左右框71,72と同一の材料で形成したり同一の表面化粧を施すことによって左右框71,72と略同一の表面意匠性を持たせるようにすると、覆い部材76,77が隣接する框71,72との外観上の違和感が無くなって一体化し、実施例3の扉30(図5)と実質的に同一または近似した外観の扉として提供することができる。
図11には実施例6の変形例としての実施例8による扉80が示されている。この扉80は実施例6の扉60(図8,図9)と略同様の構成を有するが、左右框81,82の各内木口面に隣接させて各々2つの覆い部材86a,86b:87a,87bを左右互い違いになるように貼着した点で異なっている。
その他の構成については実施例6の扉60について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉80の製造についても実施例6の扉60について既述したと同様の方法を採用することができる。
なお、この実施例8の扉80において、覆い部材86,87を左右框81,82と同一の材料で形成したり同一の表面化粧を施すことによって左右框81,82と略同一の表面意匠性を持たせるようにすると、覆い部材86,87が隣接する框81,82との外観上の違和感が無くなって一体化し、実施例4の扉40(図6)と実質的に同一または近似した外観の扉として提供することができる。
図12には実施例6の変形例としての実施例9による扉90が示されている。この扉90は実施例6の扉60(図8,図9)と略同様の構成を有するが、左框91に隣接させた覆い部材96を透光板95の表面側のみに貼着すると共に,右框92に隣接させた覆い部材97を透光板95の裏面側のみに貼着した点で異なっている。この扉90では、表面側では左框91の内木口に隣接させた覆い部材96が透光板95の表面側下方部を覆い、裏面側では右框92の内木口に隣接させた覆い部材97が透光板95の裏面側上方部を覆うことになるが、透光板95の透光性により、覆い部材97は扉90の表面側から、覆い部材98は扉90の裏面側から、それぞれ透視される。したがって、覆い部材97,98はその框内木口面に対する貼着面となる木口面を除く全面に化粧材貼着や塗装等による化粧が施されている。
その他の構成については実施例6の扉60について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉90の製造についても実施例6の扉60について既述したと同様の方法を採用することができる。
なお、この実施例9の扉90において、覆い部材96,97を左右框91,92と同一の材料で形成したり同一の表面化粧を施すことによって左右框91,92と略同一の表面意匠性を持たせるようにすると、覆い部材96,97が隣接する框91,92との外観上の違和感が無くなって一体化し、実施例5の扉50(図7)と実質的に同一または近似した外観の扉として提供することができる。
図13には実施例6の変形例としての実施例10による扉100が示されている。この扉100は実施例6の扉60(図8,図9)と略同様の構成を有するが、左右框101,102に隣接させた覆い部材106,107と共に、透光板105の上部と下部にそれぞれ左右框101,102に跨って上部覆い部材108と下部覆い部材109を透光板105の表裏面にそれぞれ貼着固定した点で異なっている。したがって、左右框101,102のいずれか一方に隣接させた覆い部材106,107の高さ寸法は、上部覆い部材108,下部覆い部材109の高さ寸法分だけ実施例6の扉60の覆い部材66,67より短く形成されている。
その他の構成については実施例6の扉60について既述したと同様であるので説明を省略する。この扉100の製造についても実施例6の扉60について既述したと同様の方法を採用することができる。
なお、この実施例10の扉100において、上部覆い部材108および下部覆い部材109を左右框101,102と同一の材料で形成したり同一の表面化粧を施すことによって左右框101,102と略同一の表面意匠性を持たせるようにすると、これら上部覆い部材108および下部覆い部材109が上下框のように観察され、四周框で框組みされた扉であるかのような外観を与えることができる。
本発明の実施例1による扉の正面図である。 この扉の嵌入溝の形成状態を点線で示した正面図(a)および同正面図におけるA−A’拡大断面図(b)である。 この扉の斜視図である。 本発明の実施例2による扉において鏡板嵌入溝の形成状態を点線で示した正面図(a)および同正面図におけるA−A’拡大断面図(b)である。 本発明の実施例3による扉の正面図である。 本発明の実施例4による扉の正面図である。 本発明の実施例5による扉の正面図である。 本発明の実施例6による扉の正面図(a)および同正面図におけるA−A’拡大断面図(b)である。 この扉の斜視図である。 本発明の実施例7による扉の正面図である。 本発明の実施例8による扉の正面図である。 本発明の実施例9による扉の正面図である。 本発明の実施例10による扉の正面図である。
符号の説明
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100 扉
11,21,31,41,51,61,71,81,91,101 左框
11a,21a,31a,41c,41g,51a 幅狭部
11b,21b,31b,41b,41d,41f,51b 段差部
11c,21c,31c,41a,41e,51c 幅広部
12,22,32,42,52,62,72,82,92,102 右框
12a,22a,32a,42c,42g,52a 幅広部
12b,22b,32b,42b,42d,42f,52b 段差部
12c,22c,32c,42a,42e,52c 幅狭部
13,14,23,24,63,64 鏡板嵌入溝
13a,14a 上方垂直溝部分
13b,14b 水平溝部分
13c,14c 下方垂直溝部分
15,25,35,45,55,65,75,85,95,105 透光板(鏡板)
66,67,76,77,86a,86b,87a,87b,96,97,106、107,108,109 覆い部材

Claims (3)

  1. 左右一対の縦框の間に鏡板を挟持固定した構成を有する扉において、左右縦框のいずれについてもその外木口面を扉の全長に亘って直線状に延長するように形成すると共に、一方の縦框については正面視にて幅広部と幅狭部とこれらの間の段差部とを有するものとして形成することによりその内木口面を扉の長さ方向において折曲状に形成し、且つ、他方の縦框については正面視にて前記一方の縦框の幅広部に対応する領域に幅狭部を有し前記一方の縦框の幅狭部に対応する領域に幅広部を有してこれら幅狭部と幅広部との間に段差部を有するものとして形成することによりその内木口面を扉の長さ方向において折曲状に形成し、これら左右縦框の間に鏡板が正面視にて非矩形状に観察されるように構成したことを特徴とする扉。
  2. 矩形状に形成された左右一対の縦框の間に矩形状の鏡板を挟持固定した構成を有する扉において、鏡板の表面を部分的に覆う覆い部材を、左右縦框のいずれか一方の内木口面に隣接させ、且つ、鏡板の表面に固定して、任意数設けることにより、これら左右縦框の内木口面の間に鏡板が正面視にて非矩形状に観察されるように構成したことを特徴とする扉。
  3. 鏡板が透光性を有する材料で形成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の扉。
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