JP5594872B2 - 着色繊維強化複合材 - Google Patents

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Description

本発明は、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる着色繊維強化複合材用基材及び着色繊維強化複合材に関する。
強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成される繊維強化複合材用基材(所謂プリプレグ)に着色を施す製法として次のようなものがある。
(1)マトリックス樹脂のみに着色する製法がある(特許文献1)。
(2)強化繊維のみに着色する製法がある(特許文献2)。
(3)マトリックス樹脂及び強化繊維の両方に着色する製法がある。
特開平6−200053号公報(段落番号〔0010〕) 特開平4−18308号公報(第2頁左上欄第10行目〜第17行目)
(1)マトリックス樹脂のみに着色する場合であっても、強化繊維も固有の色を有しているので、マトリックス樹脂に所望の着色を施したとしても、強化繊維の色によって所望のマトリックス樹脂の着色が薄められ、或いは、濁されて、繊維強化複合材用基材(プリプレグ)などの成形品とした場合に、十分な発色性が得られない場合がある。
(2)強化繊維の表面に他の色を施すことも可能であるが、強化繊維の種類によっては、着色できない若しくは着色すると問題となるものもある。例えば、炭素繊維やアラミド繊維等は着色が困難な繊維種である。
(3)マトリックス樹脂と強化繊維とのいずれにも着色した場合には、上記した難点が重合して現れることとなる。
(4)このような難点を排除すべく、一般的には、塗装や印刷で対応している。しかしこの場合には、専用の塗装装置及びそれらを施す工程を必要とし、製作効率の悪い面があるとともに、塗装厚として十分なものを必要とするので着色繊維強化複合材用基材が重くなり、軽量化の要請がある場合に十分でない面がある。
しかも、そのような専用の塗装装置及びそれらを施す工程が必要となるので、相当数の工程が必要とされ、製造ロッド数の大きなものでなければ、製造コスト面で不利となる虞がある。
本発明の目的は、従来の欠点を解消し、繊維強化複合材用基材本来の性能及び特徴を損なうことなく、容易に、発色性が高く、難着色性の強化繊維種を採用した場合にも対応可能で、隠蔽力の強い塗装色を出すことができ、小製造ロッドであっても採用可能な繊維強化複合材用基材及び着色繊維強化複合材を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、方向に引き揃えた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成した繊維強化基材と、その繊維強化基材の一面に接着している発色要素を備えたフィルム状の着色材とからなる着色繊維強化複合材用基材の複数を、前記フィルム状の着色材面と前記繊維強化基材面とが反転することなく一方の方向を向く状態で織り込み、織物に形成してある
点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
つまり、マトリックス樹脂や強化繊維に着色を施すことなく、マトリックス樹脂と強化繊維から作成される繊維強化基材(シート)に対してフィルム状の着色材を接着して、着色繊維強化複合材用基材を作成した。
〔効果〕
フィルム状の着色材の発色要素によって、マトリックス樹脂を着色した場合に比べてマトリックス樹脂や強化繊維固有の色にも阻害されずに、高い発色性を得ることができるとともに、難着色性の強化樹脂にも拘らず容易に所望の発色を得ることができる。
しかも、フィルム状の着色材自体は塗装厚より薄いもので対応できるので、軽量化にも寄与できるとともに、小ロッド生産にも対応することが可能である。
更には、繊維強化基材が強化繊維をクロス(織物状)させたものではなく、一方向に引き揃えて形成したものである。これに対して、クロスさせた場合には、繊維が交差する部分は盛り上がり、格子点以外の部分は樹脂が薄く存在するといったことが起こり、表面形状が平滑さを欠くこととなる。そうすると、その表面形状が平滑さを欠く繊維強化基材にフィルム状の着色材を接着すると、フィルム状の着色材がウネリを生じたり、接着しない部分を生じたり、蛇行したりする虞がある。
これに対して、強化繊維を引き揃えた引き揃え繊維強化基材では、このような点を解消して、フィルム状の着色材の繊維強化基材表面への接着性が良好である。
以上に加えて、着色繊維強化複合材用基材の複数をクロスさせて組み合わせる(布帛化)ことによって、織物を作成できる。このように、一般的な強化繊維だけをクロスさせて織り込んだ織物にマトリックス樹脂を含浸させて形成した繊維強化複合材(プリプレグ)に比べて、本願においては、着色繊維強化複合材用基材の複数をクロスさせたものに新たにマトリックス樹脂を含浸させることはないので、含有樹脂量の少ない軽量でかつ着色繊維強化複合材用基材同士が強固に編み込まれた織物を提供できる。
しかも、前記フィルム状の着色材面と前記繊維強化基材面とが反転することなく一方の方向を向く状態で織り込まれているので、発色面が明確であり、織物としての模様等を形成する場合に、容易に作成しやすい。
更には、織物の表面には強化繊維同士が交差する格子点部位では盛り上がり、強化繊維の存在しない部分では、マトリックス樹脂が凹入する状態で存在するので、織物の表面に凹凸が大きく表れるので、ゴルフシャフトや釣り竿のグリップ等のように、比較的握った状態で滑り難さが要求されるような部位への適用が図られる。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、一方向に引き揃えた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成した繊維強化基材と、その繊維強化基材の一面に接着している発色要素を備えたフィルム状の着色材とからなる着色繊維強化複合材用基材をランダムに絡み合わせて不織布状物に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
着色繊維強化複合材用基材をランダムに絡み合わせてあるので、フィルム状の着色材が散点模様のように散在することとなり、織物や繊維体とは異なった模様を備える着色繊維強化複合材を提供できるに至った。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、前記フィルム状の着色材を、前記繊維強化基材の半(未)硬化面の接着性を利用して接着してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
繊維強化基材に対してフィルム状の着色材を接着するのに、接着剤等を用いることなく、繊維強化基材のマトリックス樹脂が有している半(未)硬化面の接着性を利用することによって、フィルム状の着色材を接着している。
このことによって、接着剤を必要とせず、かつ、接着剤を施す工程を省略でき、製作部品点数の増加を抑制できるとともに、製作能率面でも良好な着色繊維強化複合材用基材を提供できるに至った。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、前記複数の着色繊維強化複合材用基材のうちの少なくとも一つの着色繊維強化複合材用基材が、他の着色繊維強化複合材用基材のフィルム状の着色材とは、異なる色に発色するフィルム状の着色材を備えたものである点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
着色繊維強化複合材用基材のフィルム状の着色材を全て同じ色で統一するのではなく、異なる色のものを混在させることによって、着色繊維強化複合材として多様な模様を提示することができ、この着色繊維強化複合材を衣類等に適用することが容易になる。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、前記複数の着色繊維強化複合材用基材のうちの一部を、フィルム状の着色材を備えていない繊維強化基材に置き換え、前記繊維強化基材と、前記請求項1〜4記載の着色繊維強化複合材用基材とで構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
多様な色を発色させる構成として、フィルム状の着色材を備えていない繊維強化基材を導入する。このことによって、フィルム状の着色材とは異なる樹脂固有の色や表面の質感を呈する繊維強化基材を配することができ、発色の多様性を高めることができる。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、請求項1〜5のうちのすくなとも2つの着色繊維強化複合材を重ね合わせて形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
すくなとも2つの着色繊維強化複合材は、樹脂含有率の低いものであるので、これらを重ね合わされて形成される複合体は、軽量なものができ、かつ、色、模様共に多様なものを作成することができる。
着色繊維強化複合材用テープ材を示す斜視図である。 第2実施形態で示す着色繊維強化複合材を示す縦断面図である。 筒状複合体の内部構造を示す縦断側面図である。
〔第1実施形態〕
ゴルフシャフトや釣り竿等の複合体としての管状体、或いは、衣服や履物等に使用される繊維強化複合体の構成要素である着色繊維強化複合材用基材としての着色繊維強化複合テープ材1について説明する。
図1に示すように、着色繊維強化複合テープ材1は、強化繊維cを一方向に引き揃えた強化繊維束にマトリックス樹脂を含浸させて形成した発色要素を含まない繊維強化基材2と、その繊維強化基材2の一面に接着している発色要素を含むフィルム状の着色材3とからなる。
繊維強化基材2は、細幅の長尺材であり、強化繊維cを長尺方向に沿って引き揃え、引き揃えた強化繊維cにマトリックス樹脂を含浸してある。
ここに、強化繊維cとしては、炭素繊維が好ましいが、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維等が挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
炭素繊維の諸元を示すと、引張弾性率が100〜800GPa、引張強度は2000〜7000MPaであることが好ましい。強化繊維引き揃えシートを構成する繊維径は5μ〜12μで、フィラメント数は、500〜24000本であることが好ましく、より好ましくは、1000〜6000本まである。
マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂の硬化物か熱可塑性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。強化繊維束として炭素繊維を採用した場合には、接着性の観点よりエポキシ樹脂が最適である。
以上のように、選択された強化繊維束にマトリックス樹脂を含浸させて、繊維強化基材2が作成される。
一方、フィルム状の着色材3は次のように作成される。フィルム状の着色材3は繊維強化基材2と同様の横幅を有し、厚みも0.012mm〜0.125mmの範囲のものであり、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂フィルムが使用される。
なお、離型性を有するテフロン(登録商標)樹脂やシリコン樹脂及び離型処理を施された樹脂フィルムは繊維強化基材2の後記するタック性(接着性)を弱めるものであるので採用できない。
フィルム状の着色材3としては、色素を含有することによって発色性を有するもの、透明フィルムに着色剤を塗布してフィルム層と着色層とが重ね合わされたもの、或いは、無着色フィルム等に金属を蒸着したもの或いは金属箔が使用される。
フィルム材に含有させる色素としては、天然色素と合成色素(合成染料、合成顔料)とがあるが、主として合成色素が使用され、代表的にはアゾ染料、シアニン色素等が用いられる。また、合成顔料としては、酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム等の無機顔料、アゾ顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系等の有機顔料を挙げることができる。
その他、メタルフレーク、ガラスフレークを含有することができる。
上記したフィルム状の着色材3を繊維強化基材2に接着固定する。ここでは、接着剤を使用せず、繊維強化基材2のマトリックス樹脂が発揮するタック性(接着性)を利用して接着を行う。
つまり、タック性は、繊維強化基材2のマトリックス樹脂の接着面粘度が、30℃において1×10Pa・s〜1×10Pa・s又は80℃において1〜300Pa・sである状態で発揮される。このような繊維強化基材2の接着面が半硬化状態にあるので、敢えて接着剤を使用せずとも、フィルム状の着色材3を接着することができる。
尚、フィルム状の着色材3の表面にはフィルム面を保護する為に、図示してはいないが、クリア塗装層が設けてある。
以上のような製造方法で出来上がった着色繊維強化複合テープ材1は、フィルム状の着色材3のクリア塗装を施している表面側に離型フィルム(紙)を配置して、ロール状態に巻き取り収納される。
〔第2実施形態〕
この実施形態においては、請求項4及び7に対応する実施形態を示す。着色繊維強化複合テープ材1の複数を、それら着色繊維強化複合テープ材1の長手方向が互いに異なる方向を志向する状態で重ね合わせて繊維体に形成してある着色繊維強化複合材Aの構成について説明する。
図2に示すように、着色繊維強化複合材Aは6層に重ね合わされた(シート、若しくはテープ)層からなる。第1の(シート、若しくはテープ)層では、一方向に引き揃えられた複数の着色繊維強化複合テープ材1でなる。この第1の(シート、若しくはテープ)層では、複数の着色繊維強化複合テープ材1を着色繊維強化複合テープ材1Aと称し、これらは、図2において上下向き姿勢にある。
第1の(シート、若しくはテープ)層の一方の面側(図2では奥側)に第2の(シート、若しくはテープ)層が位置する。第2の(シート、若しくはテープ)層においては、着色繊維強化複合テープ材1の複数が一方向に引き揃えられ、その引き揃え方向が、第1の(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1Aと直交する方向である。この第2の(シート、若しくはテープ)層では、複数の着色繊維強化複合テープ材1を着色繊維強化複合テープ材1Bと称し、これらは、図2において左右向き姿勢にある。
第2の(シート、若しくはテープ)層の一方の面側(図2では奥側)には、第3の(シート、若しくはテープ)層が位置する。第3の(シート、若しくはテープ)層では、着色繊維強化複合テープ材1の複数が一方向に引き揃えられ、その引き揃え方向は、第1の(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1Aと第2の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Bとに交差する方向である。この第3の(シート、若しくはテープ)層では、複数の着色繊維強化複合テープ材1を着色繊維強化複合テープ材1Cと称し、これらは、図2において45度の角度で傾斜する姿勢にある。
第3の(シート、若しくはテープ)層の一方の面側(図2では奥側)には、第4の(シート、若しくはテープ)層が位置する。第4の(シート、若しくはテープ)層では、着色繊維強化複合テープ材1の複数が一方向に引き揃えられ、その引き揃え方向は、第1の(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1Aと第2の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Bとに交差し、かつ、第3の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Cに対して直交する方向である。この第4の(シート、若しくはテープ)層では、複数の着色繊維強化複合テープ材1を着色繊維強化複合テープ材1Dと称し、これらは、図2において−45度の角度で傾斜する姿勢にある。
第4の(シート、若しくはテープ)層の一方の面側(図2では奥側)に第5の(シート、若しくはテープ)層が位置する。第5の(シート、若しくはテープ)層においては、着色繊維強化複合テープ材1の複数が一方向に引き揃えられ、その引き揃え方向が、第2の(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1Bと平行する方向である。この第5の(シート、若しくはテープ)層では、複数の着色繊維強化複合テープ材1を着色繊維強化複合テープ材1Eと称し、これらは、図2において左右向き姿勢にある。
第5の(シート、若しくはテープ)層の一方の面側(図2では奥側)に第6の(シート、若しくはテープ)層が位置する。第6の(シート、若しくはテープ)層においては、着色繊維強化複合テープ材1の複数が一方向に引き揃えられ、その引き揃え方向が、第1の(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1Aと平行する方向である。この第6の(シート、若しくはテープ)層では、複数の着色繊維強化複合テープ材1を着色繊維強化複合テープ材1Fと称し、これらは、図2において上下向き姿勢にある。
各(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fは、夫々、所定の間隔を持って互いに平行する状態で配置される。
第5の(シート、若しくはテープ)層の下方に位置する第6の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Fは、第1の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1と平行する状態で配置されるが、それだけでなく、第6の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Fは、紙面に直交する方向から見た場合に、第1の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1A同士の間隔の丁度半分の間隔位置に位置する。
したがって、着色繊維強化複合材Aの構成としては、第1の(シート、若しくはテープ)層と第6の(シート、若しくはテープ)層とで他の(シート、若しくはテープ)層を挟み込む状態で重ね合わされており、繊維強化束同士が緊密な連係状態に配置されている。
第1の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Aと第2の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1B、及び、第2の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Bと第3の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1C、第3の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Cと第4の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1D、第4の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Dと第5の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1E、第5の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Eと第6の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Fとは上下に重なり合う位置で接着される。
ただし、各(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fが重なり合う位置(格子位置)は一致する必要はない。
この接着においても接着剤は使用されていない。前記したように、各(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fは、フィルム状の着色材3を接着している表面側だけでなく、反対側の裏面においてもタック性(接着性)を維持しているので、そのタック性を利用して、例えば、第1の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Aの裏面と第2の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Bのフィルム状の着色材3の表面とが接着固定される。
各(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fの配列組み合わせ構成としては、直交する場合には必ずしも直交する状態に拘るものではなく80度〜100度の間に収まっていればよい。また、交差する場合には、45度に拘泥するものではなく、15度〜75度の範囲に収まっていればよい。
〔第2実施形態における別実施形態〕
(1)各(シート、若しくはテープ)層における着色繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fにおいては、少なくとも2つは異なる色に着色されていることが望ましい。
(2)全ての(シート、若しくはテープ)層における繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fが着色されたものではなく、一部着色されていない繊維強化複合テープ材1が混在していてもよい。着色されていない繊維強化複合テープ材1としては、フィルム状の着色材3を施していない繊維強化基材2のみからなるもの、又は、繊維強化基材2の一面に発色要素を含まないフィルム状の無着色材とを接着してなる無着色繊維強化複合材が該当する。
(3)繊維強化複合テープ材1を引き揃えて配置した1層分のものが、ゴルフシャフトや釣り竿として、マンドレルに巻回された場合に、4プライ等の複数プライに巻回される大きさを備えているものであってもよい。
(4)第5の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Eを第2の(シート、若しくはテープ)層に含ませ、第6の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Fを、第1の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Aに含ませて、第1層から第4層までの4本の着色繊維強化複合テープ材1A、1B、1C、1Dで着色繊維強化複合材を構成してもよい。
(5)第6の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Fを、第1の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Aに含ませ、かつ、第2の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1B及び第5の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Eを除いて、第1層、第3層、第4層の3本の着色繊維強化複合テープ材1A、1C、1Dで着色繊維強化複合材を構成してもよい。
(6)第5の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Eと第6の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Fとの交差角を、第3の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Cと第4の(シート、若しくはテープ)層の着色繊維強化複合テープ材1Dとの交差角とは、異なる交差角としたもので着色繊維強化複合材を構成してもよい。
〔第3実施形態〕
ここでは、請求項及びに対応した実施形態を説明し、第2実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。つまり、図示してはいないが、着色繊維強化複合テープ材1の複数を、フィルム状の着色材面と繊維強化基材面とが反転することなく一方の方向を向く状態で織り込み、織物に形成してある着色繊維強化複合材Aを構成する。
第2実施形態では、6本の(シート、若しくはテープ)層で着色繊維強化複合材を作成することについて記載したが、必ずしもその数に拘るわけではなく、織物の場合は、各着色繊維強化複合テープ材1が入り組んだ連結構造となるので、少ない層数で作成してもよい。
〔第3実施形態における別実施形態〕
(1)第2実施形態における別実施形態の(1),(2)で記載した別実施形態が適用される。
(2)繊維強化複合テープ材1を編み込んで形成した1層分のものが、ゴルフシャフトや釣り竿を形成する為にマンドレルに巻回された場合に、4プライ等の複数プライに巻回される大きさを備えているものであってもよい。
〔第4実施形態〕
ここでは、請求項4に対応した実施形態を説明し、第2及び第3実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。図示してはいないが、複数の着色繊維強化複合テープ材1をランダムに絡み合わせて不織布状物に形成する。この場合には、第2実施形態、第3実施形態と異なり、各着色繊維強化複合テープ材1は、特定の方向性を持って配列されているわけではなく、無作為の方向性を持って複雑に絡み合っている。
前記した第1実施形態における着色繊維強化複合テープ材1は横幅1mm〜5mmとしたが、この第4実施形態においては、出来るだけ横幅の細いものが望ましいところから、1mm以下に裁断することも必要である。
この不織布状物を形成する場合にも、複数の着色繊維強化複合テープ材1とフィルム状の着色材3を備えない繊維強化基材2とを組み合わせた構成を採ってもよい。
不織布状物を作成する一般的な製造工程は、フリースを作成する第1段階と、フリースを結合する第2段階からなる。
(1)第1段階のフリース形成法としては、乾式法(例えばエアレイド方式)がある。着色繊維強化複合テープ材1A,1B,1C,1D,1E,1Fを短く裁断し、空気流中において流動させながら、シート状に形成する。
(2)第2段階のフリース結合法としては、ニードルパンチ法やステッチボンド法等が使用できる。シート状に形成したフリースに対して返しのある針を突き刺して機械的に結合させて、不織布状物とする。
〔第5実施形態〕
第1実施形態〜第4実施形態において示した着色繊維強化複合材Aを最外層に配置して、請求項8に記載する管状複合体Bを作成する点について説明する。
この状複合体Bとしては、ゴルフクラブや釣り竿に使用される。
図3に示すように、管状複合体Bは、内側に3層のプリプレグシートを巻回するとともに、その外側に第2実施形態において示した着色繊維強化複合材Aを選択して巻回し作成される。
内側に配置されるプリプレグシート4は、第1実施形態において詳述した繊維強化基材2と同様の構成を採るものであり、横幅の狭いテープではなく、矩形に近いシートとして形成されるものである。このようなプリプレグシート4を、その強化繊維cの引き揃え方向を管状複合体Bの軸線方向に沿った状態で巻回する。或いは、その強化繊維cの引き揃え方向を管状複合体Bの周方向に沿った状態で巻回する。更には、その強化繊維cの引き揃え方向を管状複合体Bの軸線方向にも周方向に対しても交差する状態で巻回する。
このようなプリプレグシート4を適宜選択して複数層に巻回して内側層を形成する。
この複数層に巻回された内側層に対して、前記したように第1実施形態〜第4実施形態において示した着色繊維強化複合材Aの内のいずれか一つを選択して巻回する。
第1実施形態に記載した着色繊維強化複合材用基材1を選択する場合には、この着色繊維強化複合材用基材1を内側層の外側に螺旋状に巻回する。
第2実施形態〜第4実施形態の織物状の着色繊維強化複合材A、重ね合わせ状の着色繊維強化複合材A、不織布状物の着色繊維強化複合材Aを選択する場合には、それらをシート状にして巻回する。
着色繊維強化複合材Aを巻回した後、その上から熱収縮する成形テープを螺旋状に巻回し、その成形テープが巻かれた着色繊維強化複合材Aを焼成炉において焼成する。焼成後成形テープを剥離し、着色繊維強化複合材Aの表面に形成された螺旋状の成形テープ跡を研磨して均し、管状複合体Bを形成する。
着色繊維強化複合材Aの表面にはクリア層が形成されているので、成形テープ跡を均す為に表面研磨を行った場合であっても、着色テープ3が損傷することは少ない。
焼成する際の温度は、繊維強化基材2に含浸された熱硬化性樹脂によって異なるが、エポキシ樹脂の場合には、通常100℃〜180℃の間であり、時間は0.5〜5時間の範囲が適当である。
なお、第3実施形態で示した織物、及び、第4実施形態で示した不織布状物については、握り部等のその他の部分に使用される。
〔別実施形態〕
(1)着色繊維強化複合材用基材1としては、横幅の細いテープ状のものを示したが、矩形状を呈するシート状のものであってもよい。
(2)複合体Bとしては、筒状のものだけでなく、シューズや衣服等も含むものとする。
本願発明は、ゴルフシャフト、釣り竿、その他、衣料品等に採用されるものである。
1 着色繊維強化複合材用基材
2 繊維強化基材
3 フィルム状の着色材
A 着色繊維強化複合材
B 複合体

Claims (6)

  1. 方向に引き揃えた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成した繊維強化基材と、その繊維強化基材の一面に接着している発色要素を備えたフィルム状の着色材とからなる着色繊維強化複合材用基材の複数を、前記フィルム状の着色材面と前記繊維強化基材面とが反転することなく一方の方向を向く状態で織り込み、織物に形成してある着色繊維強化複合材
  2. 一方向に引き揃えた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成した繊維強化基材と、その繊維強化基材の一面に接着している発色要素を備えたフィルム状の着色材とからなる着色繊維強化複合材用基材をランダムに絡み合わせて不織布状物に形成してある着色繊維強化複合材。
  3. 前記フィルム状の着色材を、前記繊維強化基材の半(未)硬化面の接着性を利用して接着してある請求項1又は2記載の着色繊維強化複合
  4. 前記複数の着色繊維強化複合材用基材のうちの少なくとも一つの着色繊維強化複合材用基材が、他の着色繊維強化複合材用基材のフィルム状の着色材とは、異なる色に発色するフィルム状の着色材を備えたものである請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の着色繊維強化複合材。
  5. 前記複数の着色繊維強化複合材用基材のうちの一部を、フィルム状の着色材を備えていない繊維強化基材に置き換え、前記繊維強化基材と、前記請求項1〜4記載の着色繊維強化複合材用基材とで構成してある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の着色繊維強化複合材。
  6. 請求項1〜5のうちのすくなとも2つの着色繊維強化複合材を重ね合わせて形成されている複合体。



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