JP5593702B2 - 工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧により工作物を位置決めする治具装置を備える工作機械に関するものである。
工作機械は、加工用の治具装置によりテーブルやプレートに対して固定された工作物を加工している。また、工作機械は、特許文献1に記載されているように、搬送装置などにより工作物を搬入出して交換し順次加工するものがある。このような工作機械では、例えば、油圧ポンプから油圧シリンダに圧油を供給することにより複数のワーククランプなどの治具を作動させて工作物をテーブルに対して位置決め固定している。
特開平9−225765
ここで、このように複数の治具を備える構成においては、工作物を位置決め固定する場合に、複数の治具を予め定められた順番で作動させる必要がある。そこで、工作機械は、シーケンス回路によって油圧シリンダに連結されたバルブを設定された順番で切り換えることにより、油圧シリンダへの圧油の供給を制御している。そのため、例えば、目標形状の異なる加工を行う場合に、工作物の変更に伴う治具装置の段取り換えが必要となると、圧油の供給配管(油圧回路)の変更およびシーケンス回路の変更などによる時間を要し、作業負荷が増加することがあった。
また、このバルブは、シーケンス回路により切り換えられることからシーケンス回路の近傍に配置される。しかし、シーケンス回路が制御対象とする複数の機器に圧油を供給するために、制御対象の機器とバルブをそれぞれ連結する必要がある。これにより、バルブを介して圧油を供給する油圧ポンプと、工作機械の機内に配置されたシーケンス回路の制御対象の機器を連結する配管数が増加し工作機械の構成が複雑となってしまうことがあった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、圧油の供給配管を簡易化するとともに、工作物の変更に伴う治具装置の段取り換えに要する時間を短縮することが可能な工作機械を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、
圧油を供給する油圧ポンプと、
加工時において工具に対して相対移動する治具ベースと、
圧油により作動する複数の油圧シリンダと、
前記油圧シリンダの作動により前記治具ベースに対して前記工作物を位置決めする複数の位置決め部材と、
前記治具ベースまたは前記油圧シリンダに設けられ、外力により切り換えられることにより前記油圧ポンプの圧油をそれぞれの前記油圧シリンダに供給し、複数の前記位置決め部材による前記工作物の位置決め状態をそれぞれ制御する複数の手動バルブと、
前記油圧ポンプと前記治具ベースとの間を連結し、前記油圧ポンプから前記治具ベースへ圧油を供給する主供給管と、
前記主供給管とそれぞれの前記油圧シリンダとを連結し、前記治具ベースに供給された圧油をそれぞれの前記油圧シリンダへ分配するように前記主供給管を前記治具ベースにおいて分岐した複数の枝管と、
前記手動バルブに当接し前記手動バルブを切り換える操作部材と、
前記操作部材を前記治具ベースおよび前記位置決め部材に対して相対移動可能な移動手段と、
を備え
前記移動手段は、前記工作機械に前記工作物を搬入出する搬送装置であり、
前記手動バルブは、前記治具ベースまたは前記油圧シリンダのうち、前記搬送装置の可動領域内に位置する部位に設けられ、前記搬送装置の作動により前記操作部材から加えられる外力によって切り換えられることである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、
前記操作部材は、前記搬送装置に設けられ、前記工作物を把持する前記把持爪であり、
前記手動バルブは、前記搬送装置の作動により前記把持爪から加えられる外力によって切り換えられることである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または2において、
前記搬送装置は、NCデータに基づいて作動することにより前記操作部材を移動し、複数の前記手動バルブを予め設定された規定の順序で切り換えを行うことで前記工作物を位置決めした状態にし、複数の前記手動バルブを前記規定の順序とは逆の順序で切り換えを行うことで前記工作物を移動可能な状態にすることである。
上記の課題を解決するため、請求項4に係る発明の特徴は、
圧油を供給する油圧ポンプと、
加工時において工具に対して相対移動する治具ベースと、
圧油により作動する複数の油圧シリンダと、
前記油圧シリンダの作動により前記治具ベースに対して前記工作物を位置決めする複数の位置決め部材と、
前記治具ベースまたは前記油圧シリンダに設けられ、外力により切り換えられることにより前記油圧ポンプの圧油をそれぞれの前記油圧シリンダに供給し、複数の前記位置決め部材による前記工作物の位置決め状態をそれぞれ制御する複数の手動バルブと、
前記油圧ポンプと前記治具ベースとの間を連結し、前記油圧ポンプから前記治具ベースへ圧油を供給する主供給管と、
前記主供給管とそれぞれの前記油圧シリンダとを連結し、前記治具ベースに供給された圧油をそれぞれの前記油圧シリンダへ分配するように前記主供給管を前記治具ベースにおいて分岐した複数の枝管と、
前記手動バルブに当接し前記手動バルブを切り換える操作部材と、
前記操作部材を前記治具ベースおよび前記位置決め部材に対して相対移動可能な移動手段と、
を備え、
前記手動バルブは、前記治具ベースまたは前記油圧シリンダのうち、前記移動手段の可動領域内に位置する部位に設けられ、前記移動手段の作動により前記操作部材から加えられる外力によって切り換えられ、
前記移動手段は、NCデータに基づいて作動することにより前記操作部材を移動し、複数の前記手動バルブを予め設定された規定の順序で切り換えを行うことで前記工作物を位置決めした状態にし、複数の前記手動バルブを前記規定の順序とは逆の順序で切り換えを行うことで前記工作物を移動可能な状態にすることである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1〜4の何れか一項において、
複数の前記位置決め部材による前記工作物の位置決め状態をそれぞれ検知する複数の検知手段と、
複数の前記検知手段により検知された前記位置決め状態に基づいて前記治具ベースに対する前記工作物の着座状態を確認し、前記工作物の着座確認信号を出力する着座確認手段と、
をさらに備えることである。
請求項6に係る発明の特徴は、請求項5において、前記検知手段は、前記治具ベースの所定位置に位置決めされた前記工作物との接触を検知することにより、前記位置決め状態を検知する接触式センサであることである。
請求項1に係る発明によると、工作機械は、油圧シリンダの作動により工作物を位置決めする複数の位置決め部材と、位置決め部材による工作物の位置決め状態を制御する複数の手動バルブとを備える構成となっている。そして、複数の油圧シリンダは、治具ベースにおいて分岐した複数の枝管にそれぞれ連結される。さらに、油圧シリンダに圧油を供給して位置決め状態を制御するバルブは、外力により切り換え可能な手動バルブとしている。つまり、工作物の交換において、手動バルブは、予め作動させる油圧シリンダの順序などを制御するシーケンス回路によらずに切り換えられる。従って、複数の位置決め部材からなる治具装置の段取り換えにおいて、シーケンス回路の変更、および、シーケンス回路により制御されるバルブを省略することができる。
ここで、油圧シリンダと、その油圧シリンダに圧油を供給する手動バルブとの組み合わせを油圧ユニットとする。そして、複数の油圧シリンダが連結される枝管は、主供給管が治具ベースにおいて分岐したものである。これにより、油圧ポンプと治具ベースとの間を連結する主供給管は、複数の油圧ユニットを備える構成においても一系統(給油管と排油管)で賄うことができる。よって、油圧ポンプから工作機械の機内を連結する配管数を低減することができるので、工作機械を構成する圧油の供給配管を簡易化することができる。これらにより、工作物の変更による治具装置の段取り換えに要する時間を短縮することができる。
また、手動バルブは、治具ベースまたは油圧シリンダに設けられ、移動手段の作動により操作部材から加えられる外力によって切り換えられる構成となっている。これにより、作業者が手動バルブを直接操作しなくても操作部材により手動バルブを切り換えることができる。よって、移動手段による作動の自動化により、複数の手動バルブを切り換える順序などを制御することができる。
また、この操作部材は、手動バルブに設けられた切り換えレバーなどに直接接触して手動バルブを切り換えるものである。そして、この移動手段は、例えば、工作機械に工作物を搬入出する搬送装置によって操作部材を移動させるものとしてもよい。または、工作機械がマシニングセンタであれば、工具を保持する主軸と、工作物を工具に対して相対移動させる送り軸とを含む駆動軸によって操作部材を移動させるものとしてもよい。
請求項3および請求項4に係る発明によると、移動手段は、NCデータに基づいて作動する構成となっている。上述したように、操作部材を移動させる移動手段は、工作物の搬送装置や工作機械の駆動軸としてもよい。このような構成の場合に、例えば、主軸に保持された操作部材が手動バルブの切り換えレバーに当接して外力を加えるようにNCデータにプログラムしておく。さらに、複数の手動バルブについて順次切り換えが行われるように複数の指令をNCデータに含むようにしておく。これにより、予め作動する油圧シリンダの順序などを制御することができる。このように、NCデータの制御指令によりシーケンス回路を代替するため、治具装置の段取り換えにおいてシーケンス回路の変更などを省略することができる。
請求項5に係る発明によると、工作機械は、工作物の位置決め状態に基づいて工作物の着座状態を確認し、工作物の着座確認信号を出力する着座確認手段を備える構成となっている。検知手段は、例えば、空気圧を利用したエアーセンサ、接触式センサなどにより治具に対する工作物の位置決め状態を検知するものである。
ここで、複数の油圧ユニットを備える工作機械は、それぞれの油圧ユニットの油圧シリンダが作動する順序を制御することにより工作物を位置決めする。そして、例えば、位置決めの終了段階において、工作物が所定位置に着座し位置決めされているか確認することによって、より安全に次工程に移行することができる。そこで、位置決め状態に基づいて着座状態を確認し着座確認信号を出力する着座確認手段を備えることにより、工作機械はこの着座確認信号に基づいて次工程への移行可否を判断することができる。これにより、工作機械の安全性を向上できる。また、位置決め不備によるロスの発生を低減し、結果として設備のサイクルタイムを短縮することができる。
請求項6に係る発明によると、検知手段は、接触式センサである構成となっている。接触式センサは、治具ベースの所定位置に工作物が着座しているかを検知するものである。そこで、接触式センサとして、例えば、治具ベースへの埋め込み式のセンサ、または、複数の電極により工作物の各部位が所定位置かを検知するセンサなどとしてもよい。このような接触式センサを検知手段として適用することにより、工作物の位置決め状態を高精度に検知することができる。よって、着座確認手段は、複数の油圧シリンダの作動による工作物の着座状態をより正確に確認することができる。従って、工作機械における安全性を向上させることができる。
工作機械1およびローダ90を示す全体図である。 工作機械1における油圧回路図である。 第一ワーククランプ用油圧ユニット30の油圧回路図である。
以下、本発明の工作機械を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<実施形態>
(工作機械1の構成)
本実施形態の工作機械1について、図1〜図3を参照して説明する。工作機械1は、図1に示すように、圧油を供給するポンプユニット10と、第一ワーククランプ20と、第二ワーククランプ40と、ワークサポート60と、着座検知装置80を備える。第一ワーククランプ20、第二ワーククランプ40、および、ワークサポート60は、本発明の「位置決め部材」に相当する。
この工作機械1は、数値制御装置2からの制御信号により工具3とテーブルに位置決めされた工作物Wを相対移動させて工作物Wを加工する。この数値制御装置2は、主としてCPUとメモリから構成される。そして、数値制御装置2は、入力されたNCデータに基づいて、工作機械1の主軸および送り軸を含む駆動軸を制御するための制御信号を出力する。また、このNCデータは、CAD等によって作成された工作物Wの目標形状データをCAMにより変換されたデータである。つまり、NCデータには、工具の座標値、工具番号、回転速度、送り速度等の制御データが含まれている。
また、工作物Wは、工作機械1のプレートクランプ装置4によりテーブルに位置決めされている。このプレートクランプ装置4は、図1に示すように、治具ベース4aと、治具プレート4bを有する。プレートクランプ装置4は、第一ワーククランプ20などの位置決め部材とは別系統の油圧回路を構成されている。そして、この油圧回路において供給される圧油を利用して、図示しないプレートクランプにより治具ベース4aに対して治具プレート4bを位置決めしている。
治具ベース4aは、加工時において工作機械1の送り軸により工具3に対して相対移動するプレートクランプ装置4の基準台である。この治具ベース4aは、本実施形態において、工作機械1のテーブルに治具プレート4bをクランプするための機構を一体的に形成したものである。治具プレート4bは、その上面に載置された工作物Wを第一ワーククランプ20などの位置決め部材により支持する板状部材である。この治具プレート4bは、治具ベース4aに対してクランプ/アンクランプされ、治具ベース4aに対して着脱可能となっている。そして、治具プレート4bは、治具装置の段取り換えにおいて、位置決め部材を配置した状態で搬送されるものとしてもよい。
このように、プレートクランプ装置4および第一ワーククランプ20などの位置決め部材は、テーブルに対して工作物Wを位置決め固定する治具装置である。また、本実施形態において、プレートクランプ装置4の治具ベース4aは、本発明の「治具ベース」に相当するものである。これに対して、テーブルに工作物Wを直接載置して固定する場合には、テーブルが本発明の「治具ベース」に相当する。
ポンプユニット10は、図1,図2に示すように、油圧ポンプ11と、モータ12と、駆動回路13と、タンク14と、主供給管15と、枝管16,17,18を備える。油圧ポンプ11は、モータ12が回転駆動することにより圧油を供給するポンプである。また、モータ12は、その回転数などを駆動回路13により制御されている。駆動回路13は、数値制御装置2による制御信号または、後述する圧力計35からの出力信号などに基づいて、モータ12の回転数などを設定し、油圧ポンプ11の稼働状態を制御している。
また、ポンプユニット10は、油圧ポンプ11と連結されたタンク14に圧油を貯留している。主供給管15は、給油管15aおよび排油管15bを有し、油圧ポンプ11とプレートクランプ装置4の治具プレート4bとを連結している。給油管15aは、治具プレート4bの給油側の連結ポートに接続され、油圧ポンプ11による圧油を治具プレート4bに供給している。排油管15bは、治具プレート4bの排油側の連結ポートに接続され、治具プレート4bから排される圧油をタンク14に戻している。
この主供給管15は、図2に示すように、治具ベース4aにおいて複数の枝管16〜18に分岐される。第一の枝管16は、主供給管15と第一ワーククランプ用油圧ユニット30の油圧シリンダ31とを手動バルブ32を介して連結している。第二の枝管17は、主供給管15と第二ワーククランプ用油圧ユニット50の油圧シリンダ51とを手動バルブ52を介して連結している。第三の枝管18は、主供給管15とワークサポート用油圧ユニット70の油圧シリンダ71とを手動バルブ72を介して連結している。このように枝管16〜18は、治具プレート4bに供給された圧油をそれぞれ連結される油圧シリンダ31,51,71へ分配している。また、本実施形態において、第一、第二の枝管16,17は治具プレート4bに形成された内部流路である。
また、治具プレート4bは、この枝管16,17と連通し、枝管18と連結可能な連結ポートが形成されている。そして、ワークサポート60は、治具プレート4bの連結ポートに連結された外部配管である枝管18を介して治具プレート4bの内部流路と連結され、圧油を供給される。つまり、治具プレート4bに供給された圧油は、治具プレート4bにおいて分岐し、枝管16〜18により各位置決め部材に供給される。
第一ワーククランプ20は、第一ワーククランプ本体部21と、第一クランプアーム22と、第一ワーククランプ用油圧ユニット30を備え、治具プレート4bの上面において工作物Wの周辺に配置される。第一ワーククランプ20は、第一ワーククランプ用油圧ユニット30により、第一ワーククランプ本体部21から延びる第一クランプアーム22を作動させ、工作物Wをクランプ/アンクランプする。つまり、第一ワーククランプ20は、治具ベース4aに固定された治具プレート4bに対して工作物Wを位置決めする部材である。
第一ワーククランプ用油圧ユニット30は、図3に示すように、油圧シリンダ31と、手動バルブ32と、逆止弁33と、安全弁34と、圧力計35から構成され、治具プレート4bにそれぞれ配置されている。第一ワーククランプ用油圧ユニット30は、ポンプユニット10から供給される圧油を利用して、治具プレート4bに工作物Wをクランプ/アンクランプするものである。
ここで、治具プレート4bには、圧油が流通可能な内部流路である枝管16,17が形成されている。上述したように、治具プレート4bは、主供給管15により油圧ポンプ11と連結され、圧油が供給される。そこで、この内部流路である枝管16により、治具プレート4bに配置された油圧シリンダ31、および、手動バルブ32を連結している。具体的には、枝管16の供給側は、主供給管15の給油管15aと連結する治具プレート4bの連結ポートから油圧シリンダ31までを手動バルブ32を介して連結している。枝管16の排油側は、油圧シリンダ31から主供給管15の排油管15bと連結する治具プレート4bの連結ポートまでを手動バルブ32を介して連結している。
油圧シリンダ31は、治具プレート4bに埋設され、治具プレート4bの内部流路である枝管16により圧油の給排が可能となっている。この油圧シリンダ31は、圧油を供給された場合に内蔵するバネの弾性力に抗して図示しないピストンを上昇させ、圧油を排出するとバネの弾性力によりピストンを降下させる単動シリンダである。また、油圧シリンダ31のピストンは、治具プレート4bに配置された第一ワーククランプ20と連結されている。
第一ワーククランプ20は、油圧シリンダ31から圧油が排出されてピストンが降下すると、第一ワーククランプ本体部21から延びる第一クランプアーム22を引き下げて工作物Wに治具プレート4b方向への付勢力を加える。これにより、第一ワーククランプ20は、工作物Wを治具プレート4bに押し付けるように固定してクランプする。また、第一ワーククランプ20は、油圧シリンダ31に圧油が供給されてピストンが上昇すると、第一クランプアーム22から工作物Wに加えていた付勢力を緩和してアンクランプする。このように、第一ワーククランプ20は、第一ワーククランプ用油圧ユニット30により工作物Wをクランプ/アンクランプすることにより、工作物Wを位置決めするものである。
手動バルブ32は、油圧回路における治具プレート4bの枝管16上に配置され、外力により切り換え可能な手動の切替弁である。つまり、この手動バルブ32は、操作レバー32aを操作することにより、油圧シリンダ31における圧油の給排を切り換えることが可能となっている。手動バルブ32により油圧ポンプ11の圧油を油圧シリンダ31に供給された場合、油圧シリンダ31のピストンが上昇し工作物Wがアンクランプされる。一方で、手動バルブ32により油圧シリンダ31の圧油が排出された場合、油圧シリンダ31のピストンが降下し工作物Wがクランプされる。このように、手動バルブ32は、操作レバー32aを操作されることにより、治具プレート4bに載置された工作物Wの位置決め状態を制御するものである。
逆止弁33は、図3に示すように、油圧回路において、主供給管15の給油管15aと連結する治具プレート4bの連結ポートと、油圧シリンダ31との間に設けられている。この逆止弁33は、ポンプユニット10側から油圧シリンダ31側へ圧油が自由に流れるように設定されている。また、逆止弁33は、油圧ポンプ11が停止状態となり圧油の供給がなくなった場合に、枝管16内の圧油が給油管15aを逆流しないように圧油の流れを制限している。
安全弁34は、逆止弁33と、主供給管15の排油管15bと連結する治具プレート4bの連結ポートとの間に設けられている。この安全弁34は、治具プレート4bの内部流路である枝管16が所定以上の圧力となった場合に、圧油を排するリリーフ弁である。これにより、油圧回路内の圧力が異常に高圧となることを防止し、油圧回路における各部材および流路を保護している。
圧力計35は、逆止弁33と手動バルブ32の間に設けられ、治具プレート4bの内部流路である枝管16における圧油の圧力を検知するセンサである。この圧力計35は、油圧シリンダ31に供給される圧油の状態を検知するものである。また、圧力計35は、検知した圧力に応じた信号をポンプユニット10の駆動回路13に出力する。これにより、稼働状態にあるポンプユニット10は、第一ワーククランプ用油圧ユニット30に所定圧力の圧油が供給されているかを判定する。また、ポンプユニット10の駆動回路13は、圧力計35の出力信号に基づいて、例えば、油圧ポンプ11の回転数を低減、または、油圧ポンプ11を運休状態に切り換えるなどの制御を行うことが可能となる。
上述したように、第一ワーククランプ20は、第一ワーククランプ用油圧ユニット30の作動により工作物Wを治具プレート4bにクランプ/アンクランプする。これにより、第一ワーククランプ20は、加工時において工具3に対して相対移動する治具ベース4aに対して工作物Wを間接的に位置決めしている。また、第一ワーククランプ用油圧ユニット30の手動バルブ32は、治具プレート4bに配置され、治具プレート4bの内部に形成された内部流路である枝管16により連通しているものである。
第二ワーククランプ40は、第二ワーククランプ本体部41と、第二クランプアーム42と、第二ワーククランプ用油圧ユニット50を備え、治具プレート4bの上面において工作物Wの周辺に配置される。第二ワーククランプ40は、第二ワーククランプ用油圧ユニット50により、第二ワーククランプ本体部41から延びる第二クランプアーム42を作動させ、工作物Wをクランプ/アンクランプする。つまり、第二ワーククランプ40は、治具ベース4aに固定された治具プレート4bに対して工作物Wを位置決めする部材である。
第二ワーククランプ用油圧ユニット50は、図2に示すように、油圧シリンダ51と、手動バルブ52と、逆止弁53と、安全弁54と、圧力計55から構成され、治具プレート4bにそれぞれ配置されている。第二ワーククランプ用油圧ユニット50は、ポンプユニット10から供給される圧油を利用して、第二ワーククランプ40により工作物Wを治具プレート4bにクランプ/アンクランプするものである。
第二ワーククランプ用油圧ユニット50は、油圧ポンプ11からプレートクランプ装置4の治具プレート4bに導入された圧油を供給する主供給管15を治具プレート4bにおいて分岐した枝管17に連結されている。そして、第二ワーククランプ用油圧ユニット50は、第一ワーククランプ用油圧ユニット30と同一の油圧ポンプ11により圧油を供給されている。
また、第二ワーククランプ用油圧ユニット50における他の構成(油圧シリンダ51、手動バルブ52、逆止弁53、安全弁54、圧力計55)および、作動については、第一ワーククランプ用油圧ユニット30において対応する構成と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。
ワークサポート60は、図1に示すように、ワークサポート本体部61と、支持部62と、ワークサポート用油圧ユニット70を備え、工作物Wにおいて加工中に支承が必要となる所定部位と治具プレート4bの上面との間に配置される。ワークサポート60は、ワークサポート用油圧ユニット70により、ワークサポート本体部61から延びる支持部62を作動させ、工作物Wを支承する。つまり、ワークサポート本体部61は、治具ベース4aに固定された治具プレート4bに対して工作物Wを位置決めする部材である。
ワークサポート用油圧ユニット70は、図2に示すように、油圧シリンダ71と、手動バルブ72と、逆止弁73と、安全弁74と、圧力計75から構成され、治具プレート4bにそれぞれ配置されている。ワークサポート用油圧ユニット70は、ポンプユニット10から供給される圧油を利用して、ワークサポート60により工作物Wの所定位置を支承するものである。
上述したように、治具プレート4bには、圧油が流通可能な内部流路である第一の枝管16と第二の枝管17が形成され圧油が供給されている。また、治具プレート4bは、この枝管16,17と連通し、外部配管である第三の枝管18と連結可能な連結ポートが形成されている。そして、ワークサポート60は、治具プレート4bの連結ポートに連結された第三の枝管18を介して治具プレート4bの内部流路と連結され、圧油を供給される。つまり、治具プレート4bに供給された圧油は、治具プレート4bにおいて分岐した枝管16,17からワークサポート60に供給される。そして、枝管18はさらに、ワークサポート用油圧ユニット70の各部材を連結することにより、図3に示す油圧回路と同様の油圧回路を形成している。
このように、ワークサポート用油圧ユニット70は、油圧ポンプ11からプレートクランプ装置4の治具プレート4bに導入された圧油を供給する主供給管15を治具プレート4bにおいて分岐した枝管18を介して連結されている。そして、ワークサポート用油圧ユニット70は、第一ワーククランプ用油圧ユニット30および第二ワーククランプ用油圧ユニット50と同一の油圧ポンプ11により圧油を供給されている。
ワークサポート用油圧ユニット70の油圧シリンダ71は、ワークサポート本体部61に内蔵され、枝管18を介して圧油の給排が可能となっている。この油圧シリンダ71は、圧油を供給された場合に内蔵するバネの弾性力に抗して図示しないピストンを降下させ、圧油を排出するとバネの弾性力によりピストンを上昇させる単動シリンダである。また、油圧シリンダ71のピストンは、ワークサポート本体部61に内蔵されるコレットに連結されている。また、ワークサポート本体部61のコレットには、工作物Wと当接して、工作物Wの所定位置を支承する支持部62が挿通している。
ワークサポート本体部61は、油圧シリンダ71から圧油が排出されてピストンが上昇すると、支持部62をコレットが締付けて固定する。これにより、ワークサポート本体部61は、工作物Wに支持部62を当接した状態で支承する。また、ワークサポート本体部61は、油圧シリンダ71に圧油が供給されてピストンが降下すると、支持部62に加えていた締付け力を緩和する。これにより、ワークサポート本体部61の支持部62は、コレットに対して摺動可能となり工作物Wを支承しない状態となる。
このように、ワークサポート60は、ワークサポート用油圧ユニット70により工作物Wの所定部位に当接した支持部62を支承する。これにより、ワークサポート60は、加工中における工作物Wの撓みなどの変形を防止するように支承して工作物を位置決めするものである。
また、ワークサポート用油圧ユニット70における他の構成(手動バルブ72、逆止弁73、安全弁74、圧力計75)については、第一ワーククランプ用油圧ユニット30において対応する構成と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。
着座検知装置80は、接触式センサ81と、着座確認回路82を備える。接触式センサ81は、治具プレート4bの所定位置に位置決めされた工作物Wに対する接触状態を検知するセンサである。この接触式センサ81は、治具プレート4bの上面において、工作物Wの基準位置となる基準ブロック(図示しない)に設けられたブラケットに取り付けられる埋め込み式のセンサである。そして、接触式センサ81の端面に工作物Wが近接し、予め設定された許容距離となった場合に、着座確認回路82に電気信号を出力する。この接触式センサ81は、本発明の「検知手段」に相当する。
着座確認回路82は、接触式センサ81より出力される電気信号を入力し、治具プレート4bに対する工作物Wの着座状態を確認し、工作物Wの着座確認信号を数値制御装置2に無線で通信する通信回路である。つまり、この着座確認回路82は、接触式センサ81の出力信号により、工作物Wが治具プレート4bに対して適正に位置決めされているかを検知する。この着座確認回路82は、本発明の「着座確認手段」に相当する。
そして、着座確認回路82は、例えば、工作物Wの交換における工作物Wの位置決めの途中段階または終了段階において、工作物Wの位置決め状態から次工程に移行するかの可否判定を行い、数値制御装置2にその判定結果として工作物Wの着座確認信号を無線通信する。数値制御装置2は、受信した当該着座確認信号に基づいて、工作物Wの次工程または加工工程へ移行するか、または作業者に対して判定結果を表示し位置決め部材の確認を促す。このようにして、着座検知装置80は、治具ベース4aに対して間接的に位置決めされた工作物Wの位置決め状態に基づいて、工作物Wの着座状態を確認し数値制御装置2に対して着座確認信号を出力している。
ここで、上述した工作機械1は、工作機械1の他に複数の工作機械や複数の周辺装置からなる生産ラインを構成している。そして、この生産ラインにおいて、工作物Wや治具装置などを搬送する装置としてローダ90が設けられている。このローダ90は、これらの複数の工作機械および周辺設備の上方において水平に架設されているローダビーム91と、ローダ90の本体部であるローディングユニット92を備えている。
ローディングユニット92は、図1に示すように、ローダアーム93と、ローダハンド94と、アクチュエータ95、把持爪96を備えている。ローディングユニット92は、ローダビーム91に沿って移動および位置決めするようにNC制御されている。ローダアーム93は、ローダビーム91に懸架されるローディングユニット92のキャリア部から鉛直方向(工作機械1のZ軸方向)に移動および位置決め可能に設けられている。
ローダハンド94は、ローダアーム93の下端において、工作機械1のX軸周りに傾動可能に連結されている。アクチュエータ95は、ローダアーム93の下端に設けられ、制御指令によりローダハンド94を傾動させ、所定の角度に位置決めしている。また、ローダハンド94には把持爪96が設けられている。把持爪96は、図示しないアクチュエータによって開閉制御され、工作物の把持と解放を行っている。
また、把持爪96は、ローダハンド94が傾動することにより手動バルブ32の操作レバー32a、または、手動バルブ52,72の操作レバー(図示しない)と当接して、当該手動バルブ32,52,72を切り換え可能となっている。この他に、例えば、ローダハンド94に手動バルブ32,52,72の操作ロッドなどを把持爪96とは別途設けるものとしてもよい。把持爪96または上記操作ロッドは、本発明の「操作部材」に相当する。そして、ローダ90は、この操作部材をプレートクランプ装置4の治具ベース4aおよび位置決め部材(第一ワーククランプ20、第二ワーククランプ40、ワークサポート60)に対して相対移動させることが可能であり、本発明の「移動手段」に相当する。
本実施形態において、手動バルブ32,52,72を切り換える操作部材をローダ90の把持爪96とし、把持爪96の移動手段としてローダ90としている。このような構成において、第一ワーククランプ用油圧ユニット30の手動バルブ32は、プレートクランプ装置4の治具プレート4bのうち、ローダ90の可動領域内に位置する部位に設けられている。第二ワーククランプ用油圧ユニット50の手動バルブ52およびワークサポート用油圧ユニット70の手動バルブ72についても同様の部位に設置されている。つまり、何れの手動バルブ32,52,72もローダ90の把持爪96が各手動バルブ32,52,72の操作レバーに当接可能となっている。これにより、手動バルブ32,52,72は、ローダ90の作動により把持爪96から加えられる外力によって切り換えられる。
ここでローダ90による工作物Wの交換における作動について説明する。まず、ローダ90は、工作物Wの交換に際し、把持爪96をワークサポート用油圧ユニット70の手動バルブ72に当接させて切り換える。これにより、工作物Wは、ワークサポート60により支承されない状態となる。
次に、ローダ90は、把持爪96により第二ワーククランプ用油圧ユニット50の手動バルブ52、第一ワーククランプ用油圧ユニット30の手動バルブ32の順に切り換えを行う。これにより、工作物Wは、アンクランプ状態となり移動可能な状態となる。そして、ローダ90は、把持爪96によりアンクランプ状態となった工作物Wを把持し、工作機械1の機外に搬出する。
続いて、ローダ90は、工作機械1の機内に未加工の工作物Wを搬入し、治具プレート4bの上面の所定位置に載置する。そして、ローダ90は、把持爪96により第一ワーククランプ用油圧ユニット30の手動バルブ32、第二ワーククランプ用油圧ユニット50の手動バルブ52の順に切り換えを行う。これにより、工作物Wは、クランプ状態となりテーブルに対して位置決め固定された状態となる。
次に、ローダ90は、ワークサポート用油圧ユニット70の手動バルブ72を切り換える。これにより、工作物Wは、ワークサポート60の支持部62により支持される状態となる。この時、工作物Wの着座状態を着座検知装置80が検知し、数値制御装置2に無線通信している。このように、ローダ90は、NC制御によって作動させる手動バルブ32,52,72の順序を制御している。
(工作機械1による効果)
上述した工作機械1によると、工作機械1は、油圧シリンダ31,51,71の作動により工作物Wを位置決めする複数の位置決め部材(第一ワーククランプ20、第二ワーククランプ40、ワークサポート60)と、当該位置決め部材による工作物Wの位置決め状態を制御する複数の手動バルブ32,52,72とを備える構成となっている。そして、複数の油圧シリンダ31,51,71は、治具プレート4bにおいて分岐した複数の枝管16,17,18にそれぞれ連結される。さらに、油圧シリンダ31,51,71に圧油を供給して位置決め状態を制御するバルブは、外力により切り換え可能な手動バルブ32,52,72としている。
このような構成により、工作物Wの交換において、手動バルブ32,52,72は、予め作動させる油圧シリンダ31,51,71の順序などを制御するシーケンス回路によらずに切り換えられる。従って、複数の位置決め部材からなる治具装置の段取り換えにおいて、シーケンス回路の変更、および、シーケンス回路により制御されるバルブを省略することができる。
また、複数の油圧シリンダ31,51,71が連結される枝管16,17,18は、主供給管15が治具プレート4bにおいて分岐したものである。これにより、油圧ポンプ11と治具プレート4bとの間を連結する主供給管15は、複数の油圧ユニット30,50,70を備える構成においても一系統(給油管と排油管)で賄うことができる。よって、油圧ポンプ11から工作機械1の機内を連結する配管数を低減することができるので、工作機械1を構成する圧油の供給配管を簡易化することできる。これらにより、工作物Wの変更による治具装置の段取り換えに要する時間を短縮することができる。
また、これら複数の油圧ユニット30,50,70は、同一の油圧ポンプ11により圧油を供給されるため、効率的に圧油を供給することができる。そして、工作機械1は、主供給管15を治具装置に含まれる治具プレート4bにおいて分岐し、複数の油圧ユニット30,50,70が分岐した枝管16,17,18にそれぞれ連結される構成となっている。ここで、シーケンス回路を備える構成の工作機械では、例えば、油圧ポンプ11の近傍に配置されたバルブを切り換えることにより作動する油圧シリンダを制御する。そのため、油圧ポンプ11からバルブの間において供給管を分岐させる必要があるため、使用される油圧シリンダ数の分だけバルブから供給管を設けることになる。
これに対して、油圧ユニット30,50,70は、手動バルブ32,52,72により、それぞれの油圧シリンダ31,51,71への圧油の切り換え操作が可能であるため、シーケンス回路を必要としない。これにより、油圧ポンプ11から治具装置までの供給管の数を低減することができる。
各油圧ユニット30,50,70の手動バルブ32,52,72は、治具プレート4bに設けられている。そして、各手動バルブ32,52,72は、移動手段であるローダ90の作動により操作部材である把持爪96から加えられる外力によって切り換えられる構成となっている。これにより、作業者が手動バルブ32,52,72を直接操作しなくても把持爪96により手動バルブ32,52,72を切り換えることができる。よって、ローダ90による作動の自動化により、複数の手動バルブ32,52,72を切り換える順序などを制御することができる。
ローダ90は、NCデータに基づいて作動する構成となっている。上述したように、把持爪96を移動させる移動手段は、工作物Wまたは治具装置を搬送するローダ90としている。このような構成の場合に、例えば、ローダ90の把持爪96が手動バルブ32,52,72の切り換えレバーに当接して外力を加えるようにNCデータにプログラムしておく。さらに、複数の手動バルブ32,52,72について順次切り換えが行われるように複数の指令をNCデータに含むようにしておく。これにより、予め作動する油圧シリンダ31,51,71の順序などを制御することができる。このように、NCデータの制御指令によりシーケンス回路を代替するため、治具装置の段取り換えにおいてシーケンス回路の変更などを省略することができる。
工作機械1は、工作物Wの位置決め状態に基づいて工作物Wの着座状態を確認し工作物Wの着座確認信号を出力する着座確認回路82を備える構成となっている。また、本実施形態では、位置決め状態を検知する検知手段として、接触式センサ81としている。複数の油圧ユニット30,50,70を備える工作機械1は、それぞれの油圧ユニット30,50,70の油圧シリンダ31,51,71が作動する順序を制御することにより工作物Wを位置決めする。
そして、例えば、位置決めの終了段階において、工作物Wが所定位置に着座し位置決めされているか確認することによって、より安全に次工程に移行することができる。そこで、位置決め状態に基づいて着座状態を確認し着座確認信号を出力する着座確認回路82を備えることにより、工作機械1の数値制御装置2はこの着座確認信号に基づいて次工程への移行可否を判断することができる。これにより、工作機械1の安全性を向上できる。また、位置決め不備によるロスの発生を低減し、結果として設備のサイクルタイムを短縮することができる。
また、本実施形態において、着座確認回路82は、工作物Wの着座確認信号を数値制御装置2に無線で通信する通信回路としている。これにより、数値制御装置2と工作機械1の機内に配置された着座確認回路82とを連結する配線が不要とすることができる。
また、プレートクランプ装置4における検知手段は、接触式センサ81である構成とした。接触式センサ81は、治具ベース4aにクランプされ、治具ベース4aと一体的に固定された治具プレート4bの所定位置に工作物Wが着座しているかを検知するものである。また、接触式センサ81として、例えば、複数の電極により工作物Wの各部位が所定位置かを検知するセンサなどとしてもよい。このような接触式センサ81を検知手段として適用することにより、工作物Wの位置決め状態を高精度に検知することができる。よって、着座確認回路82は、複数の油圧シリンダ31,51,71の作動による工作物Wの着座状態をより正確に確認することができる。従って、工作機械1における安全性を向上させることができる。
<実施形態の変形態様>
本実施形態において、手動バルブ32,52,72に当接して切り換える操作部材をローダ90の把持爪96とした。さらに、把持爪96の移動手段をローダ90とした。これに対して、例えば、工作機械1がマシニングセンタである場合に、工具3を保持する主軸と、工作物Wを工具3に対して相対移動させる送り軸とを含む駆動軸を移動手段としてもよい。この時、操作部材は、工具3そのもの、または、工具3が主軸に保持される部位と同様の軸部を有するバルブ操作専用ロッドとしてもよい。このような構成において、例えば、治具装置の段取り換えにおいてNCデータの工具交換指令により、主軸にバルブ操作専用ロッドを保持させる。そして、NCデータに移動指令により、バルブ操作専用ロッドを手動バルブ32,52,72の操作レバーに当接させて、さらなる移動指令により切り換え操作を行う。
これにより、手動バルブ32,52,72は、バルブ操作専用ロッドより外力を加えられて順次切り換えられることになる。これにより、予め作動する油圧シリンダ31,51,71の順序などを制御することができる。このように、NCデータの制御指令によりシーケンス回路を代替するため、治具装置の段取り換えにおいてシーケンス回路の変更などを省略することができる。
また、手動バルブ32,52,72の操作レバー、または、バルブ操作専用ロッドに、操作レバーの動作を検知するセンサを配置する構成としてもよい。これにより、手動バルブ32,52,72が確実に動作したか否かを確認することができる。よって、着座検知装置80による工作物Wの着座状態と併せて、確実に工作物Wの交換が行われたかを確認することができる。また、上記のセンサは、着座検知装置80の着座確認回路82と同様に、数値制御装置2に無線で通信するものとしてもよい。これにより、工作機械1において、ポンプユニット10などを備える母機側と、加工を行う機内側との連結は、主供給管15のみとなり、その他の配管や配線を不要にすることができる。従って、工作機械1の構成を簡易化することができる。
その他に、本実施形態では、検知手段として接触式センサ81としたが、例えば、エア式センサとしてもよい。エア式センサは、図示しないエアポンプと治具プレート4bに形成されたエア噴出孔とを連結する空気流路の圧力を検知するセンサである。このような構成において、工作物Wが治具ベース4aに対して密着するように所定位置に着座するとエア噴出孔が工作物Wにより閉塞されて空気流路の圧力が高まる。エア式センサは、高圧化した空気流路の圧力が所定値に達した場合に、着座確認回路82に電気信号を出力するものである。このような構成としても接触式センサ81と同様の効果を奏する。
1:工作機械、 2:数値制御装置、 3:工具
4:プレートクランプ装置、 4a:治具ベース、 4b:治具プレート
10:ポンプユニット、 11:油圧ポンプ、 12:モータ
13:駆動回路、 14:タンク
15:主供給管、 15a:給油管、 15b:排油管、 16〜18:枝管
20:第一ワーククランプ(位置決め部材)、 21:第一ワーククランプ本体部
22:第一クランプアーム
30:第一ワーククランプ用油圧ユニット、 31:油圧シリンダ
32:手動バルブ、 32a:操作レバー、 33:逆止弁、 34:安全弁
35:圧力計
40:第二ワーククランプ(位置決め部材)、 41:第二ワーククランプ本体部
42:第二クランプアーム
50:第二ワーククランプ用油圧ユニット、 51:油圧シリンダ
52:手動バルブ、 53:逆止弁、 54:安全弁、 55:圧力計
60:ワークサポート(位置決め部材)、 61:ワークサポート本体部
62:支持部
70:ワークサポート用油圧ユニット、 71:油圧シリンダ
72:手動バルブ、 73:逆止弁、 74:安全弁、 75:圧力計
80:着座検知装置、 81:接触式センサ(検知手段)
82:着座確認回路(着座確認手段)
90:ローダ、 91:ローダビーム、 92:ローディングユニット
93:ローダアーム、 94:ローダハンド、 95:アクチュエータ
96:把持爪
W:工作物

Claims (6)

  1. 圧油を供給する油圧ポンプと、
    加工時において工具に対して相対移動する治具ベースと、
    圧油により作動する複数の油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダの作動により前記治具ベースに対して前記工作物を位置決めする複数の位置決め部材と、
    前記治具ベースまたは前記油圧シリンダに設けられ、外力により切り換えられることにより前記油圧ポンプの圧油をそれぞれの前記油圧シリンダに供給し、複数の前記位置決め部材による前記工作物の位置決め状態をそれぞれ制御する複数の手動バルブと、
    前記油圧ポンプと前記治具ベースとの間を連結し、前記油圧ポンプから前記治具ベースへ圧油を供給する主供給管と、
    前記主供給管とそれぞれの前記油圧シリンダとを連結し、前記治具ベースに供給された圧油をそれぞれの前記油圧シリンダへ分配するように前記主供給管を前記治具ベースにおいて分岐した複数の枝管と、
    前記手動バルブに当接し前記手動バルブを切り換える操作部材と、
    前記操作部材を前記治具ベースおよび前記位置決め部材に対して相対移動可能な移動手段と、
    を備え
    前記移動手段は、前記工作機械に前記工作物を搬入出する搬送装置であり、
    前記手動バルブは、前記治具ベースまたは前記油圧シリンダのうち、前記搬送装置の可動領域内に位置する部位に設けられ、前記搬送装置の作動により前記操作部材から加えられる外力によって切り換えられることを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1において、
    前記操作部材は、前記搬送装置に設けられ、前記工作物を把持する前記把持爪であり、
    前記手動バルブは、前記搬送装置の作動により前記把持爪から加えられる外力によって切り換えられることを特徴とする工作機械。
  3. 請求項1または2において、
    前記搬送装置は、NCデータに基づいて作動することにより前記操作部材を移動し、複数の前記手動バルブを予め設定された規定の順序で切り換えを行うことで前記工作物を位置決めした状態にし、複数の前記手動バルブを前記規定の順序とは逆の順序で切り換えを行うことで前記工作物を移動可能な状態にすることを特徴とする工作機械。
  4. 圧油を供給する油圧ポンプと、
    加工時において工具に対して相対移動する治具ベースと、
    圧油により作動する複数の油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダの作動により前記治具ベースに対して前記工作物を位置決めする複数の位置決め部材と、
    前記治具ベースまたは前記油圧シリンダに設けられ、外力により切り換えられることにより前記油圧ポンプの圧油をそれぞれの前記油圧シリンダに供給し、複数の前記位置決め部材による前記工作物の位置決め状態をそれぞれ制御する複数の手動バルブと、
    前記油圧ポンプと前記治具ベースとの間を連結し、前記油圧ポンプから前記治具ベースへ圧油を供給する主供給管と、
    前記主供給管とそれぞれの前記油圧シリンダとを連結し、前記治具ベースに供給された圧油をそれぞれの前記油圧シリンダへ分配するように前記主供給管を前記治具ベースにおいて分岐した複数の枝管と、
    前記手動バルブに当接し前記手動バルブを切り換える操作部材と、
    前記操作部材を前記治具ベースおよび前記位置決め部材に対して相対移動可能な移動手段と、
    を備え
    前記手動バルブは、前記治具ベースまたは前記油圧シリンダのうち、前記移動手段の可動領域内に位置する部位に設けられ、前記移動手段の作動により前記操作部材から加えられる外力によって切り換えられ、
    前記移動手段は、NCデータに基づいて作動することにより前記操作部材を移動し、複数の前記手動バルブを予め設定された規定の順序で切り換えを行うことで前記工作物を位置決めした状態にし、複数の前記手動バルブを前記規定の順序とは逆の順序で切り換えを行うことで前記工作物を移動可能な状態にすることを特徴とする工作機械。
  5. 請求項1〜4の何れか一項において、
    複数の前記位置決め部材による前記工作物の位置決め状態をそれぞれ検知する複数の検知手段と、
    複数の前記検知手段により検知された前記位置決め状態に基づいて前記治具ベースに対する前記工作物の着座状態を確認し、前記工作物の着座確認信号を出力する着座確認手段と、
    をさらに備えることを特徴とする工作機械。
  6. 請求項5において、
    前記検知手段は、前記治具ベースの所定位置に位置決めされた前記工作物との接触を検知することにより、前記位置決め状態を検知する接触式センサであることを特徴とする工作機械。
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