JP5591266B2 - 傾斜検知装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車などの車両の傾斜角度を自動的に検知するための傾斜検知装置に関するものである。特に、車両用ヘッドライトの光軸制御を行う場合において最適な傾斜検知装置に関するものである。
従来の傾斜検知装置として、例えば特許文献1では、電波送信部は電波を地面に向けて放射し、電波受信部は地面で反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信し、演算部が合成処理を行って得られた受信した2信号の振幅情報から、受信した2信号の位相差を算出し、位相差から車両の傾斜角度を検知することについて開示されている。
また、例えば特許文献2では、電波送信部は電波を地面に向けて放射し、電波受信部は地面で反射した電波を2箇所の受信アンテナで受信し、演算部が混合処理を行って得られた受信した2信号の位相情報から、受信した2信号の位相差を算出し、位相差から車両の傾斜角度を検知することについて開示されている。
特開2005−189101号公報 特開2009−282022号公報
しかしながら、例えば特許文献1や特許文献2のような従来の傾斜検知装置は、地面と傾斜検知装置間において、地面で1回反射して戻ってきた1回反射波に対し、地面で2回反射して戻ってきた2回反射波などの多重反射波による干渉が発生し、傾斜検知装置の高さや車両の傾斜が変化すると、多重反射波による干渉の影響により受信信号の振幅と位相が変化するので、傾斜角度を精度良く検知できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、多重反射波による干渉の影響を受けることなく、傾斜角度を精度良く検知することができる傾斜検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明に係る傾斜検知装置は、車両に設置され、所定の帯域幅を等間隔に分割する複数の周波数の送信信号を放射する送信手段と、前記送信手段の両側に設置され前記送信手段から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナを有し、当該一方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段と、前記第1のIQ信号の累積和および前記第2のIQ信号の累積和を算出する多重反射除去手段と、前記多重反射除去手段により算出された前記第1のIQ信号の累積和および前記第2のIQ信号の累積和の位相角差から前記車両の傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段とを備え、前記所定の帯域幅において、前記複数の周波数の送信信号の2回反射波のIQ信号が複素平面上の原点を中心に全方向にわたって等間隔に分布することを特徴とする。
この発明によれば、周波数毎に直交検波して得られたIQ信号の累積和を算出することにより地面2回反射波を抑圧するため、多重反射波による干渉の影響を受けることなく傾斜角度を精度良く検知することができる。また、車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相角差の偏位として高精度に検出し精度よく車両傾斜角度を算出できる。
この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における反射波の伝搬経路を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における2回反射波のIQ信号を複素平面上に示した図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置の直交検波器により直交検波して得られた受信信号のIQ信号を複素平面上に示した図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における1回反射波のIQ信号と2回反射波のIQ信号の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における累積IQ信号を構成する1回反射波の累積IQ信号と2回反射波の累積IQ信号の振幅の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における電波の伝搬経路について説明する説明図である。 この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における傾斜角度と位相角差の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置における受信信号の累積和IQ信号を構成する1回反射波の累積IQ信号と2回反射波の累積IQ信号の振幅の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置における第1の累積IQ信号と第2の累積IQ信号の振幅和、帯域幅および周波数の関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置における受信信号のIQ信号の周波数と振幅の関係について示す図である。 この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置における受信信号のIQ信号の振幅が極値を得る周波数における受信信号のIQ信号と1回反射波のIQ信号と2回反射のIQ信号を複素平面上に示した図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、傾斜検知装置は、周波数設定信号を出力して放射する電波の周波数を制御する制御手段100、制御手段100により出力された周波数設定信号に基づいて電波を送信する送信手段200、送信手段200により送信された電波を第1の受信信号および第2の受信信号として受信し、受信した第1の受信信号および第2の受信信号について直交検波を行って第1のIQ信号および第2のIQ信号を取得する受信手段300、受信手段300により取得された第1のIQ信号および第2のIQ信号の累積和を算出する多重反射除去手段400、多重反射除去手段400により算出された第1のIQ信号の累積和と第2のIQ信号の累積和の位相角差から傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段500により構成されている。
制御手段100は制御器101を、送信手段200は発振器201、増幅器202、送信アンテナ203を、受信手段300は受信アンテナ301,302、増幅器303,304、直交検波器305,306を、多重反射除去手段400は多重反射除去器401を、傾斜角度演算手段500は傾斜角度演算器501を、それぞれ備えている。
送信アンテナ203と受信アンテナ301,302は同一平面上にあり、受信アンテナ301,302は送信アンテナ203を中心として等間隔に直線配置されている。この際、直線配置の向きは検知する傾斜の向きと平行にする。例えば、車両の前後の方向の傾斜角度を検知する場合、受信アンテナ301,302は車両の前後方向の異なる位置に設置する。
次に動作について説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御手段100内の制御器101は、傾斜検知装置の地面からの高さに応じて予め設定された帯域幅BWの範囲において、周波数fnをf1からfNまで帯域幅ΔBWずつ変化させる周波数設定信号を送信手段200へ出力する(ステップST11)。また、制御器101は、周波数f1から周波数fNまで変化させるタイミングを知らせるためのトリガ信号を多重反射除去手段400へ出力する。
ここで、帯域幅BWは傾斜検知装置の地面からの高さによって決定される値であり、傾斜検知装置の地面からの高さは傾斜検知装置を設置したときの高さ、または距離センサによって計測した高さを使用する。
図3は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における反射波の伝搬経路を説明する図である。図3に示すように、受信アンテナ301により受信される1回反射波の伝搬経路長をL1、2回反射波の伝搬経路長をL11、受信アンテナ302により受信される1回反射波の伝搬経路長をL2、2回反射波の伝搬経路長をL22とする。各伝搬経路長は送信アンテナの中心と受信アンテナの中心間を示す中心間隔dと地面からの傾斜検知装置の取付位置の高さhを用いて幾何学的に算出できる。
例えば、傾斜角度0度のときは、L1=L2、L11=L22であり、このときの1回反射波の伝搬経路長L1,2回反射波の伝搬経路長L11は式(1),(2)によって算出することができる。
L1=L2=√(d^2+(2×h)^2) (1)
L11=L22=√(d^2+(4×h)^2) (2)
ここで、帯域幅BWは、後ほど詳細に述べるように、周波数f1からfNまで変化させたときに2回反射波のIQ信号が複素平面上の原点を中心に全方向360度にわたって等間隔に分布するように設定される。
帯域幅BWは2回反射波の伝搬経路長L11,L22と電波の速度Cから式(3)により算出される。
BW=C/L11 (3)
また、帯域幅ΔBWは式(4)により算出され、周波数f1からfNと帯域幅ΔBWの関係は式(5)のように表される。
ΔBW=BW/(N−1) (4)
ΔBW=f2−f1=f3−f2=f4−f3=・・・=fN―fN−1 (5)
なお、Nの最小値はN=2で、このときf2=f1+BWとなる。
図4は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における2回反射波のIQ信号を複素平面上に示した図である。図4(a)はN=2のときについて、図4(b)はN=3のときについて、図4(c)はN=4のときについて、それぞれf1、f2、・・・、fNの各周波数の電波の2回反射波のIQ信号が示されている。図4(a)〜(c)から、Nの値によらず、2回反射波のIQ信号のベクトル和がゼロになることが分かる。
例えば、周波数24GHz帯において、送信アンテナ203と受信アンテナ301を直線上に設置して、送信アンテナ203と受信アンテナ301の中心間隔dを35mmとし、傾斜検知装置の高さhを0.3m〜0.5mの範囲とする場合、式(1)〜(3)により、帯域幅BWは100MHzから250MHzと決定される。
ここで、具体例として、帯域幅BW=100MHzの場合、式(4)により、f1〜f4は次のようになる。
N=2のとき、f1=24GHz、f2=24.1GHz。
N=3のとき、f1=24GHz、f2=24.05GHz、f3=24.1GHz。
N=4のとき、f1=24GHz、f2=24.333GHz、f3=24.666GHz、f4=24.999GHz。
また、帯域幅BW=120MHzの場合には、f1〜f4は次のようになる。
N=2のとき、f1=24GHz、f2=24.12GHz。
N=3のとき、f1=24GHz、f2=24.06GHz、f3=24.12GHz。
N=4のとき、f1=24GHz、f2=24.04GHz、f3=24.08GHz、f4=24.12GHz。
ここで、高さhが一定であっても、傾斜角度によってL11およびL22の長さは変化する。しかし、例えば、24GHz帯において、傾斜角度−10度から+10度の範囲のときのL11およびL22は、傾斜角度が0度のときのL11およびL22と比較しても数mm〜数十mm程度しか変化しない。よって、傾斜角度を0度として算出した帯域幅BWを適用しても測定精度に与える影響は十分に小さく、問題ない。
次に、図2に示すように、送信手段200の発振器201は、制御器101により出力された周波数設定信号で指示された周波数fnの送信信号を発振信号として増幅器202と受信手段300の直交検波器305,306へ出力する。増幅器202は、発振器201により入力された発振信号を所定のレベルまで電力増幅し、送信信号として送信アンテナ203へ出力し、送信アンテナ203は、送信信号を電波として空間へ放射する(ステップST12)。
受信手段300内の異なる位置に設置された受信アンテナ301,302は、送信アンテナ203により放射された電波が地面で反射した反射波を受信し、第1の受信信号と第2の受信信号として取得され(ステップST13)、第1の受信信号は増幅器303へ、第2の受信信号は増幅器304へ、それぞれ出力される。このとき、第1の受信信号と第2の受信信号の周波数はfnである。
増幅器303は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し直交検波器305へ出力し、増幅器304は第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し直交検波器306へ出力する。
直交検波器305は第1の受信信号を、直交検波器306は第2の受信信号を、それぞれ周波数fnの発信信号を基準信号として直交検波することにより第1のIQ信号IQ1nと第2のIQ信号IQ2nを取得し(ステップST14)、多重反射除去手段400へ出力する。
ここで、IQ信号は、基準信号の0度成分によって得られるベースバンド信号のI信号Iと、90度成分によって得られるベースバンド信号のQ信号Qの2信号により構成され、複素平面上において複素ベクトルI+j×Qとして表される。ここで、jは虚数単位であり、IとQの逆正接は受信信号の位相角、IとQの二乗和の平方根は受信信号の振幅に相当する。
図5は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置の直交検波器により直交検波して得られた受信信号のIQ信号を複素平面上に示した図であり、図5に示すように、受信信号のIQ信号の複素ベクトルは、受信信号に含まれる1回反射波のIQ信号と2回反射波のIQ信号の合成ベクトルである。1回反射波のIQ信号の振幅が、2回反射波のIQ信号の振幅と比較して十分に大きければ、受信信号の位相角は1回反射波の位相角と等しくなり、2回反射波の影響を受けずに傾斜角度を精度良く検知できる。すなわち、2回反射波のIQ信号の振幅を抑圧することができれば、傾斜角度を精度良く検知できることとなる。
なお、3回反射波以降のIQ信号の振幅の大きさについては、1回反射波と比較して十分小さいので無視する。例えば、3回反射波は1回反射波と比較して伝搬距離が3倍長く、反射回数が4回(地面で2回、傾斜検知装置で2回)多いため、地面の反射係数と傾斜検知装置の反射係数を共に1/2とすると、3回反射波の振幅は1回反射波の振幅の(1/2)×(1/3)=1/48の大きさとなる。よって、3回反射波以降のIQ信号の振幅は十分小さいので無視することができる。
ここで、第1のIQ信号IQ1nのI信号をI1n、Q信号をQ1nとおき、第2のIQ信号IQ2nのI信号をI2n、Q信号をQ2nとおくと、式(6),(7)のように表すことができる。
IQ1n=I1n+j×Q1n (6)
IQ2n=I2n+j×Q2n (7)
次に、図2に示すように、多重反射除去手段400の多重反射除去器401は、制御器101により出力されたトリガ信号に基づいて、周波数f1から周波数fNまで変化させて得られた第1のIQ信号IQ11からIQ1Nまでの累積和を演算し、第1の累積IQ信号IQ1sumNを算出し(ステップST15)、傾斜角度演算手段500へ出力する。また、多重反射除去手段400の多重反射除去器401は、同様にして、周波数f1から周波数fNまで変化させて得られた第2のIQ信号IQ21からIQ2Nまでの累積和を演算し、第2の累積IQ信号IQ2sumNを算出し(ステップST15)、傾斜角度演算手段500へ出力する。
第1の累積IQ信号IQ1sumNは式(8)のように示される。
IQ1sumN=I1sumN+j×Q1sumN (8)
但し、式(9)、(10)を満たす。
I1sumN=I11+・・・I1n・・・+I1N (9)
Q1sumN=Q11+・・・Q1n・・・+Q1N (10)
I1sumNとQ1sumNの逆正接は第1の累積IQ信号IQ1sumNの位相角に、I1sumNとQ1sumNの二乗和の平方根は第1の累積IQ信号IQ1sumNの振幅に、それぞれ相当する。
同様に、第2の累積IQ信号IQ2sumNは式(11)のように示される。
IQ2sumN = I2sumN+j×Q2sumN (11)
但し、式(12)、(13)を満たす。
I2sumN = I21+・・・I2n・・・+I2N (12)
Q2sumN = Q21+・・・Q2n・・・+Q2N (13)
I1sumNとQ1sumNの逆正接は第1の累積IQ信号IQ1sumNの位相角に、I1sumNとQ1sumNの二乗和の平方根は第1の累積IQ信号IQ1sumNの振幅に、それぞれ相当する。
図6は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における1回反射波のIQ信号と2回反射波のIQ信号の関係を説明する説明図であり、図6(a)に1回反射波のIQ信号の軌跡を、図6(b)に2回反射波のIQ信号の軌跡を、それぞれN=3の場合について示している。図6(a)に示す1回反射波のIQ信号に対して、図6(b)に示す2回反射波のIQ信号は2倍の距離を伝搬するため、1回反射波のIQ信号の位相がΔP回転すると、2回反射波のIQ信号の位相は2×ΔP回転する。
図6(b)に示すように、2回反射波のIQ信号が360度で等間隔になるように帯域幅BWと帯域幅ΔBWを設定しているため、f1,f2,f3の2回反射波のIQ信号のベクトル和はゼロになる。
図7は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における累積IQ信号を構成する1回反射波の累積IQ信号と2回反射波の累積IQ信号の振幅の関係を説明する説明図である。図7に示すように、累積IQ信号は、1回反射波の累積IQ信号と2回反射波の累積IQ信号を複素ベクトルで足したものである。帯域幅を0からBWまで、すなわち周波数をf1からfNまで変化させると、1回反射波の累積IQ信号の振幅は最大となる一方で、2回反射波の累積IQ信号の振幅は最小となる。これは、図4に示したように、N個の2回反射波のIQ信号の複素ベクトルは360度全方向に等間隔に存在し、IQ信号の累積和を演算するとゼロになるからである。すなわち、図7に示すように、帯域幅BW、周波数fNのとき1回反射波の累積IQ信号の振幅が2回反射波の累積IQ信号の振幅と比較して十分大きくなる。
次に、図2に示すように、傾斜角度演算手段500の傾斜角度演算器501は、多重反射除去手段400により出力された第1の累積IQ信号IQ1sumNと第2の累積IQ信号IQ2sumNの位相角差から傾斜角度θを算出し(ステップST16)、出力して処理を終了する。
図8は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における電波の伝搬経路について説明する説明図である。図8に示すように、送信アンテナ203と受信アンテナ301,302は同一平面上にあり、受信アンテナ301,302は送信アンテナ203を中心として等間隔に直線配置されている。受信アンテナ301により受信する1回反射波の伝搬経路長をL1、受信アンテナ302により受信する1回反射波の伝搬経路長をL2とする。
車両と地面が平行のとき、すなわち、傾斜角度0度のときはL1とL2は等しくなる。車両が地面に対して傾斜すると伝搬経路長L1と伝搬経路長L2はそれぞれ変化し伝搬経路長に差が生じる。伝搬経路長の差を位相角差として検知して傾斜角度を算出する。なお、第1の累積IQ信号IQ1sumNおよび第2の累積IQ信号IQ2sumNについては2回反射の反射波は抑圧されているので、2回反射以降の反射波の影響を受けない。
第1の累積IQ信号IQ1sumNと第2の累積IQ信号IQ2sumNから算出した位相角差φには式(14)の関係式が成り立つ。
位相角差φ=tan−1(imag(IQ1sumN/IQ2sumN)/real(IQ1sumN/IQ2sumN)) (14)
但し、real(IQ1sumN/IQ2sumN)はIQ1sumN/IQ2sumNの実部を、imag(IQ1sumN/IQ2sumN)はIQ1sumN/IQ2sumNの虚部を、それぞれ表す。
また、位相角差φと伝搬経路長の差L1−L2の関係は式(15)のように示される。
位相角差φ=360×(L1−L2)/λave (15)
ここで、λaveは周波数f1の波長と周波数fNの波長の平均値とする。
傾斜角度θは式(16)のように表すことができる。
傾斜角度θ=a×(λave/λref)×φ=b×(L1−L2) (16)
但し、aとbは定数であり、λrefは波長λaveの変化によって生じる位相角差の変化を補正する基準波長である。
図9は、この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置この発明の実施の形態1に係る傾斜検知装置における傾斜角度と位相角差の関係を説明する説明図である。横軸が位相角差を示し、縦軸が車両の地面に対する傾斜角度を示しており、傾斜角度θと位相角差には一対一の関係があるため、位相角差から傾斜角度θを算出することができる。
例えば、周波数24GHz帯において、送信アンテナと受信アンテナを直線上に設置して、送信アンテナと受信アンテナの中心間隔dを35mmとすると、位相角差の相対変化量−180度〜+180度の範囲で傾斜角度の相対変位量−5度〜+5度を計測することができる。
なお、実施の形態1では、周波数を時分割してステップ状に変化させたが、複数の異なる周波数の送信信号を多重して同時に送信して、受信信号をバンドパスフィルタで分離して周波数毎に振幅と位相を直交検波してもよい。
以上のように、実施の形態1によれば、車両に設置され、所定の帯域幅における複数の周波数の送信信号を放射する送信手段200と、送信手段200の両側に設置され送信手段200から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナ301,302を有し、当該一方の受信アンテナ301が取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナ302が取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段300と、第1のIQ信号の累積和および第2のIQ信号の累積和を算出する多重反射除去手段400と、多重反射除去手段400により算出された第1のIQ信号の累積和および第2のIQ信号の累積和の位相角差から車両の傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段500とを備えるように構成したので、2回反射波の影響を受けずに傾斜角度を精度良く検知できる。また、車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を受信信号の位相角差の偏位として高精度に検出し、精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置の構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図1に示す傾斜検知装置の構成に対して、制御手段100と多重反射除去手段400の別形態であり、最大帯域幅BWmaxにおいて周波数をf1からfNまで帯域幅ΔBWずつ変化させる周波数設定信号を出力する制御手段600と、制御手段600により出力された周波数設定信号に基づき帯域幅毎に第1の累積IQ信号および第2の累積IQ信号を算出し、第1の累積IQ信号と第2の累積IQ信号の振幅和が最大となる帯域幅BWを検出する多重反射除去手段700とを備える。図1と同一符号は同一または相対部分を示すので説明を省略する。
制御手段600は制御器601を、多重反射除去手段700は多重反射除去器701を、それぞれ備える。
動作について説明する。図11は、この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御手段600の制御器601は、予め設定した最大帯域幅BWmaxにおいて周波数をf1からfNまで帯域幅ΔBWずつ変化させる周波数設定信号を送信手段200と多重反射除去手段700へ出力する(ステップST21)。
最大帯域幅BWmaxは、予め傾斜検知装置を設置すると想定される高さの範囲から実施の形態1で述べた手順により算出される。例えば、周波数24GHz帯において、送信アンテナ203と受信アンテナ301を直線上に設置して、送信アンテナ203と受信アンテナ301の間隔を35mmとし、傾斜検知装置の高さ0.3m〜0.5mの範囲において帯域幅を計算すると、傾斜検知装置の高さ0.3mにおいて帯域幅250MHz、高さ0.5mにおいて帯域幅100MHzと算出される。これにより、最大帯域幅BWmaxは250MHzとなる。また、このときの帯域幅ΔBWは10MHzが望ましい。
送信手段200の発振器201は、制御器601により出力された周波数設定信号で指示された周波数fnの信号を発振信号として増幅器202と受信手段300の直交検波器305,306へ出力する。増幅器202は発振信号を所定のレベルまで電力増幅し送信信号として送信アンテナ203へ出力する。送信アンテナ203は、送信信号を電波として放射する(ステップST22)。
受信手段300内の異なる位置に設置された受信アンテナ301,302は、送信アンテナ203により放射された電波が地面で反射した反射波を受信し、第1の受信信号と第2の受信信号として取得され(ステップST23)、第1の受信信号は増幅器303へ、第2の受信信号は増幅器304へ、それぞれ出力される。このとき、第1の受信信号と第2の受信信号の周波数はfnである。
増幅器303は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し直交検波器305へ出力し、増幅器304も第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し直交検波器306へ出力する。
直交検波器305は第1の受信信号を、直交検波器306は第2の受信信号を、それぞれ周波数fnの発信信号を基準信号として直交検波することにより第1のIQ信号IQ1nと第2のIQ信号IQ2nを取得し(ステップST24)、多重反射除去手段700へ出力する。
その後、多重反射除去手段700の多重反射除去器701は、制御器601により出力された周波数設定信号に基づき、帯域幅毎(f1〜f2、・・・、f1〜fn、・・・、f1〜fN)に第1のIQ信号IQ1nの累積和を演算して第1の累積IQ信号(IQ1sum1、・・・IQ1sumn、・・・IQ1sumN)を算出し、同様にして、第2のIQ信号IQ2nの累積和を演算して第2の累積IQ信号(IQ2sum1、・・・IQ2sumn、・・・IQ2sumN)を算出する(ステップST25)。
さらに、多重反射除去器701は、帯域幅毎に第1の累積IQ信号の振幅と第2の累積IQ信号の振幅の和を算出して、第1の累積IQ信号の振幅と第2の累積IQ信号の振幅の振幅和が最大となる帯域幅BWを検出する(ステップST26)。
図12は、この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置における受信信号の累積和IQ信号を構成する1回反射波の累積IQ信号と2回反射波の累積IQ信号の振幅の関係を説明する説明図である。図12に示すように、1回反射波の累積IQ信号の振幅が最大となり2回反射波の累積IQ信号の振幅が最小となる帯域幅BWが存在する。この帯域幅BWを周波数f1から周波数fMまで変化させる帯域幅とする。なお、この帯域幅BWが2回反射波のIQ信号の累積和がゼロとなる実施の形態1で述べた帯域幅BWと一致する。
図13は、この発明の実施の形態2に係る傾斜検知装置における第1の累積IQ信号と第2の累積IQ信号の振幅和、帯域幅および周波数の関係を説明する説明図である。図13に示すように、第1の累積IQ信号IQ1sumnと第2の累積IQ信号IQ2sumnの振幅和が最大となるのは、周波数f1から周波数fMまで変化させる帯域幅BWのときである。なお、この帯域幅BWは、実施の形態1において述べたように、傾斜角度−10度から+10度の範囲のいずれの傾斜角度においても適用することができる。
次に、多重反射除去器701は、第1の累積IQ信号と第2の累積IQ信号の振幅和が最大となる周波数f1から周波数fMまで変化させる帯域幅BWの第1の累積IQ信号IQ1sumMと第2および累積IQ信号IQ2sumMを傾斜角度演算手段500へ出力する。
傾斜角度演算手段500の傾斜角度演算器501は、多重反射除去器701により出力された帯域幅BWの第1の累積IQ信号IQ1sumMと第2の累積IQ信号IQ2sumMの位相角差から傾斜角度を算出し(ステップST27)、出力して処理を終了する。
第1の累積IQ信号IQ1sumMと第2の累積IQ信号IQ2sumMの位相角差φは式(17)の関係式が成り立つ。
位相角差φ=tan−1(imag(IQ1sumM/IQ2sumM)/real(IQ1sumM/IQ2sumM)) (17)
但し、real(IQ1sumM/IQ2sumM)はIQ1sumM/IQ2sumMの実部、imag(IQ1sumM/IQ2sumM)はIQ1sumM/IQ2sumMの虚部を表す。
また、位相角差φと伝播経路長の差L1−L2の関係は式(18)のように示される。
位相角差φ=360×(L1−L2)/λave (18)
λaveは、周波数f1と周波数fMの波長の平均値とする。
傾斜角度θは式(19)のように表わされる。
傾斜角度θ=c×(λave/λref)×φ=b×(L1―L2) (19)
但し、b,cは定数であり、λrefは周波数f1と周波数fNの波長の平均値とし、最大帯域幅BWmaxを基準として帯域幅BWのときの波長平均値の変化を補正する補正項である。
なお、実施の形態2では、周波数を時分割してステップ状に変化させたが、複数の異なる周波数の送信信号を多重して同時に送信して、受信信号をバンドパスフィルタで分離して周波数毎に振幅と位相を直交検波してもよい。
以上のように、実施の形態2によれば、車両に配置され予め想定される最大帯域幅における複数の周波数の送信信号を放射する送信手段200と、送信手段200の両側に設置され送信手段200から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナ301,302を有し、当該一方の受信アンテナ301が取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナ302が取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段300と、第1および第2のIQ信号のそれぞれについて、最大帯域幅における任意の帯域幅毎に累積和を算出して第1および第2の累積IQ信号を算出し、第1および第2の累積IQ信号の振幅和が最大となる帯域幅を検出する多重反射除去手段700と、多重反射除去手段700により検出された帯域幅における第1および第2の累積IQ信号の位相角差から車両の傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段500とを備えるように構成したので、傾斜検知装置を設置する高さが未知の場合でも2回反射波の影響を受けずに傾斜角度を精度良く検知できる。また、車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を受信信号の位相角差の偏位として高精度に検出し、精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。
実施の形態3.
図14は、この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置の構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図1に示す傾斜検知装置の構成に対して、制御手段100の代わりに最大帯域幅BWmaxにおいて周波数をf1からfNまで変化させる周波数設定信号を出力する周波数制御手段800を、多重反射除去手段400の代わりに第1のIQ信号および第2のIQ信号について周波数対振幅を算出し、第1のIQ信号の極値が得られる周波数fpおよび第2のIQ信号の極値が得られる周波数fqを検出する振幅監視手段900とを備える点で異なる。図1と同一符号は同一または相対部分を示すので説明を省略する。
図14に示すように、周波数制御手段800は周波数制御器801を、振幅監視手段900は振幅監視器901を、それぞれ備える。
動作について説明する。図15は、この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。まず、周波数制御手段800の周波数制御器801は、予め設定した最大帯域幅BWmaxにおいて周波数をf1からfNまで変化させる周波数設定信号を送信手段200と振幅監視手段900へ出力する(ステップST31)。
最大帯域幅BWmaxは、予め傾斜検知装置を設置すると想定される高さの範囲から実施の形態1で述べた手順により算出される。例えば、周波数24GHz帯において、送信アンテナ203と受信アンテナ301を直線上に設置して、送信アンテナ203と受信アンテナ301の間隔を35mmとし、傾斜検知装置の高さ0.3m〜0.5mの範囲において帯域幅を計算すると、傾斜検知装置の高さ0.3mにおいて帯域幅250MHz、高さ0.5mにおいて帯域幅100MHzと算出される。これにより、最大帯域幅BWmaxは250MHzとなる。また、このときの帯域幅ΔBWは10MHzが望ましい。
送信手段200の発振器201は、制御器101により出力された周波数設定信号で指示された周波数fnをもつ信号を発振信号として増幅器202と受信手段300の直交検波器305と直交検波器306へ出力する。増幅器202は発振信号を所定のレベルまで電力増幅し、送信信号として送信アンテナ203へ出力する。送信アンテナ203は、送信信号を電波として空間へ放射する(ステップST32)。
送信アンテナ203により放射された電波は地面で反射して受信手段300内の異なる位置に設置された受信アンテナ301と受信アンテナ302によりそれぞれ受信され、第1の受信信号と第2の受信信号としてそれぞれ増幅器303,304へ出力される。ここで、第1の受信信号と第2の受信信号の周波数はfnである(ステップST33)。
増幅器303は第1の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し直交検波器305へ出力し、増幅器304は第2の受信信号を所定のレベルまで電力増幅し直交検波器306へ出力する。
直交検波器305は第1の受信信号を、直交検波器306は第2の受信信号を、それぞれ周波数fnの発信信号を基準信号として直交検波することにより第1のIQ信号IQ1nと第2のIQ信号IQ2nを取得し(ステップST34)、振幅監視手段900へ出力する。
振幅監視手段900の振幅監視器901は、第1のIQ信号IQ1nについて周波数対振幅を算出し(ステップST35)、第1のIQ信号IQ1nの極大値が得られる周波数fpを取得し(ステップST36)、周波数fpと第1のIQ信号IQ1pを傾斜角度演算手段500へ出力する。
また、振幅監視器901は、同様にして、第2のIQ信号IQ2nについて周波数対振幅を算出し(ステップST35)、第2のIQ信号IQ2nの極大値が得られる周波数fqを取得し(ステップST36)、周波数fqと第2のIQ信号IQ2qを傾斜角度演算手段500へ出力する。
図16は、この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置における受信信号のIQ信号の周波数と振幅の関係について示す図であり、横軸は周波数fn、縦軸は受信信号のIQ信号の振幅値を示す。周波数が変化すると振幅が増減して極値が得られる。
図17は、この発明の実施の形態3に係る傾斜検知装置における受信信号のIQ信号の振幅が極値を得る周波数における受信信号のIQ信号と1回反射波のIQ信号と2回反射のIQ信号を複素平面上に示した図であり、図17(a)は極大値のときを示し、図17(b)は極小値のときを示す。図17(a)に示すように極大値が得られるときは、1回反射波のIQ信号の位相と2回反射波のIQの位相が同一になる。一方、図17(b)に示すように極小値が得られるときには、1回反射波のIQ信号の位相と2回反射波のIQの位相が180度異なる。このように、受信信号のIQ信号の振幅が極値となる周波数において、受信信号のIQ信号の位相角と1回反射波のIQ信号の位相角は等しくなる。
傾斜角度演算手段500の傾斜角度演算器501は、第1の周波数fpのときの第1のIQ信号IQ1pと第2の周波数fqのときの第2のIQ信号IQ2qの位相角差から傾斜角度を算出し(ステップST37)、出力して処理を終了する。
周波数fpのIQ1pと周波数fqのIQ2qの位相角差を算出する際、基準周波数frで観測した場合の位相角に補正して位相角差φを算出する。
この補正は式(20),(21)により行う。
IQ1r=IQ1p×exp(jfr/fp) (20)
IQ2r=IQ2q×exp(jfr/fq) (21)
位相角差φは式(22)のように表される。
φ=tan-1(imag(IQ1r/IQ2r)/real(IQ1r/IQ2r)) (22)
但し、real(IQ1r/IQ2r)はIQ1r/IQ2rの実部、imag(IQ1r/IQ2r)はIQ1r/IQ2rの虚部を表す。
傾斜角度θは式(23)のように表される。
θ=d×φ=b×(L1−L2) (23)
但し、b,dは定数である。
なお、振幅監視手段900の振幅監視器901は、第1のIQ信号IQ1nの極大値が得られる周波数をfpとし、第2のIQ信号IQ2nの極大値が得られる周波数をfqとしているが、第1のIQ信号IQ1nの極小値が得られる周波数をfpとし、第2のIQ信号IQ2nの極小値が得られる周波数をfqとしてもよい。
なお、実施の形態3では、周波数を時分割してステップ状に変化させたが、複数の異なる周波数の送信信号を多重して同時に送信して、受信信号をバンドパスフィルタで分離して周波数毎に振幅と位相を直交検波してもよい。
以上のように、実施の形態3によれば、車両に配置され予め想定される最大帯域幅における複数の周波数の送信信号を放射する送信手段200と、送信手段200の両側に設置され送信手段200から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナ301,302を有し、当該一方の受信アンテナ301が取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナ302が取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段300と、第1のIQ信号および第2のIQ信号のそれぞれについて振幅が極値を得る周波数を検出する振幅監視手段900と、振幅監視手段900により検出された周波数における第1および第2のIQ信号の位相角差から車両の傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段500とを備えるように構成したので、1回反射波のIQ信号の位相と2回反射波のIQ信号の位相が同じかもしくは180度異なり、受信信号のIQ信号の位相と1回反射成分のIQ信号の位相が等しくなり、2回反射波成分の干渉を受けることなく精度良く傾斜角度を検知することができる。また、車両の傾斜によって変化する電波伝搬経路の偏位を位相角差の偏位として高精度に検出し、精度よく車両傾斜角度を算出できるという効果がある。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
100 制御手段、101 制御器、200 送信手段、201 発振器、202 増幅器、203 送信アンテナ、300 受信手段、301,302 受信アンテナ、303,304 増幅器、305,306 直交検波器、400 多重反射除去手段、401 多重反射除去器、500 傾斜角度演算手段、501 傾斜角度演算器、600 制御手段、601 制御器、700 多重反射除去手段、701 多重反射除去器、800 周波数制御手段、801 周波数制御器、900 振幅監視手段、901 振幅監視器。

Claims (6)

  1. 車両に設置され、所定の帯域幅を等間隔に分割する複数の周波数の送信信号を放射する送信手段と、
    前記送信手段の両側に設置され前記送信手段から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナを有し、当該一方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段と、
    前記第1のIQ信号の累積和および前記第2のIQ信号の累積和を算出する多重反射除去手段と、
    前記多重反射除去手段により算出された前記第1のIQ信号の累積和および前記第2のIQ信号の累積和の位相角差から前記車両の傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段とを備え
    前記所定の帯域幅において、前記複数の周波数の送信信号の2回反射波のIQ信号が複素平面上の原点を中心に全方向にわたって等間隔に分布する
    ことを特徴とする傾斜検知装置。
  2. 前記送信手段は前記複数の周波数の送信信号を時分割して放射することを特徴とする請求項1記載の傾斜検知装置。
  3. 前記送信手段は前記複数の周波数の送信信号を多重して放射することを特徴とする請求項1記載の傾斜検知装置。
  4. 前記送信手段が放射する送信信号の所定の帯域幅を、前記送信手段および前記2つの受信アンテナの地面からの高さにより設定することを特徴とする請求項1記載の傾斜検知装置。
  5. 車両に配置され予め想定される最大帯域幅を等間隔に分割する複数の周波数の送信信号を放射する送信手段と、
    前記送信手段の両側に設置され前記送信手段から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナを有し、当該一方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段と、
    前記第1および第2のIQ信号のそれぞれについて、前記最大帯域幅における任意の帯域幅毎に累積和を算出して第1および第2の累積IQ信号を算出し、前記第1および第2の累積IQ信号の振幅和が最大となる帯域幅を検出する多重反射除去手段と、
    前記多重反射除去手段により検出された帯域幅における第1および第2の累積IQ信号の位相角差から車両の傾斜角度を算出する傾斜角度算出手段とを備え
    前記最大帯域幅は、設置が想定される高さの範囲に対して、前記複数の周波数の送信信号の2回反射波のIQ信号が複素平面上の原点を中心に全方向にわたって等間隔に分布する帯域幅のうち最大の帯域幅である
    ことを特徴とする傾斜検知装置。
  6. 車両に配置され予め想定される最大帯域幅を等間隔に分割する複数の周波数の送信信号を放射する送信手段と、
    前記送信手段の両側に設置され前記送信手段から放射され地面で反射した複数の周波数の送信信号をそれぞれ受信して受信信号として取得する2つの受信アンテナを有し、当該一方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第1のIQ信号を取得し、当該他方の受信アンテナが取得した受信信号を直交検波して第2のIQ信号を取得する受信手段と、
    前記第1のIQ信号および第2のIQ信号のそれぞれについて振幅が極値を得る周波数を検出する振幅監視手段と、
    前記振幅監視手段により検出された周波数における第1および第2のIQ信号の位相角差から前記車両の傾斜角度を算出する傾斜角度演算手段とを備え
    前記最大帯域幅は、設置が想定される高さの範囲に対して、前記複数の周波数の送信信号の2回反射波のIQ信号が複素平面上の原点を中心に全方向にわたって等間隔に分布する帯域幅のうち最大の帯域幅である
    ことを特徴とする傾斜検知装置。
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