以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能および名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<関連発明の実施の形態>
本発明に関連する発明の実施の形態に係る電子機器は、画像処理装置の1種である画像形成装置である。本関連発明に係る操作機器の適用は、このような画像形成装置以外の画像処理装置または電子機器であっても構わない。本実施の形態に係る電子機器は、1つのコマンドに対して複数の操作デバイス(たとえばハードウェアボタンおよびタッチパネルディスプレイによるソフトウェアボタン)を備え、ユーザが特別に設定することなく、一方の操作デバイスが他方の操作デバイスと干渉することのないようなカスタマイズを、容易に行なうことのできる装置でありさえすればよい。この点で、本実施の形態に係る電子機器は、操作デバイスとしてタッチパネルディスプレイを必ず備える。
この画像形成装置は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。この画像形成装置は、コピーモード、FAXモード(表示パネルの表示は「ファクス/イメージ送信」)およびスキャナモード(表示パネルの表示は「ドキュメントファイリング」)を備える。なお、この画像形成装置は、さらにネットワークプリンタモードを備えていても構わない。しかしながら、本発明はこれに限定されず、コピーモードのみ、FAXモードのみ、スキャナモードのみまたはこれらの3つのモードの中の1つ以上のモードを備えた画像形成装置であれば構わない。また、印刷方式は電子写真方式に限定されない。
[画像形成装置:機能]
図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置150について説明する。図1は、画像形成装置150の外観構成を示す図である。図2は、画像形成装置150の内部構成を簡略化して示す図である。図3は、画像形成装置150の機能ブロック図である。
図1および図2を参照して、画像形成装置150は、原稿読取部152、画像形成部154、給紙部156、排紙処理装置158、および操作ユニット166を備える。操作ユニット166は、タッチパネルディスプレイで構成された表示パネル172と、操作ユニットに着脱可能に構成され複数のハードウェアボタンを備えた後付け操作パネル170(以下において単に操作パネル170と記載する場合がある。)と、引き出し可能に構成された外付けキーボード174(以下において単にキーボード174と記載する場合がある。)とで構成される。
なお、限定されるものではないが、表示パネル172は、この画像形成装置150の基本構成部品であり、後付け操作パネル170および外付けキーボード174は、この画像形成装置150のオプション構成部品である。オプション構成を備えない場合、操作ユニット166は、タッチパネルディスプレイで構成された表示パネル172のみになる。この場合、後付け操作パネル170が嵌め込まれる操作ユニット166の上面に構成される窪みは、蓋により閉じられている。
このように本実施の形態に係る画像形成装置150は、1つ目の操作デバイスとして表示パネル172を備え、2つ目の操作デバイスとして、外付けキーボード174を備え、3つ目の操作デバイスとして、後付け操作パネル170を備える。外付けキーボード174および後付け操作パネル170は、表示パネル172(タッチパネルディスプレイにより構成されるソフトウェアボタン)と対比して、ハードウェアボタンとして機能する点が特徴である。なお、画像形成装置150は、外付けキーボード174および後付け操作パネル170の両方を備えるものに限定されず、いずれかの操作デバイスのみを備えるものであっても構わない。さらに、ハードウェアボタンで構成される操作デバイスは、外付けキーボード174および後付け操作パネル170に限定されるものではない。
−コピーモード−
以下において、コピーモードでの動作説明を行なう。このコピーモードにおいては、主として、原稿読取部(以下、スキャナ部と記載する場合がある。)152および画像形成部154が動作することによりコピー機能が実現される。
画像形成装置150においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部152により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部154へと出力される。
画像形成部154は、画像データによって示される原稿の画像を記録媒体(多くの場合、記録用紙)に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
画像形成部154には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部156から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部156は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差トレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部154の主搬送路236へと送り出す。
画像形成部154の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、さらに定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。この定着装置234へ供給される電力によりヒータを温めて加熱ローラ248の温度が定着に適した温度になるように制御されている。
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれる。
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれる。
上述のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置158の各排紙トレイ168のいずれかに排出される。
排紙処理装置158では、複数の記録用紙を各排紙トレイ168に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および各記録用紙にステープルする処理を施す。たとえば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ168に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ168に仕分けして排出し、排紙トレイ168毎に、排紙トレイ168上の各記録用紙にパンチング処理またはステープル処理を施して印刷物を作成する。
−ファクシミリモード−
以下において、ファクシミリモードでの動作説明を行なう。このファクシミリモードにおいては、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)152およびFAX通信部155が動作することにより、受信動作はFAX通信部155および画像形成部154が動作することにより、ファクシミリ機能が実現される。
・送信動作
画像形成装置150においては、ファクシミリモードを指定して、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部152により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データがFAX通信部(図3のFAX通信部155)へと出力される。
送信側の画像形成装置150のFAX通信部155は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(たとえばファクシミリ機能を備えた画像形成装置150)へ送信する。
・通信動作
回線が接続されると、受信側の画像形成装置150のFAX通信部155は、送信側の画像形成装置150のFAX通信部155からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、たとえば、FAX通信部155は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側の画像形成装置150のFAX通信部155から受信側の画像形成装置150のFAX通信部155へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
・受信動作
受信側の画像形成装置150のFAX通信部155は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部154へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部154であっても構わない。画像形成部154は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
−スキャナモード−
以下において、スキャナモードでの動作説明を行なう。このスキャナモードにおいては、主として、原稿読取部(スキャナ部)152が動作することによりスキャナ機能が実現される。
画像形成装置150においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部152により画像データとして読取られ、読取られた画像データがCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが記憶装置に記憶されたり、ネットワークに接続されたコンピュータへネットワークインターフェイスを介して送信されたりする。
[画像形成装置:制御ブロック構成]
図3を参照して、画像形成装置150はさらに、コピーモード、ファクシミリモードおよびスキャナモードに関する機能の設定が可能な操作ユニット166と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶領域であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
画像形成装置150はさらに、原稿読取部152、画像形成部154、FAX通信部155、操作ユニット166、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するためのCPU300とを含む。
ROM306には、画像形成装置150の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置150の制御を行なうとともに画像形成装置150の各機能に関する制御を実行する。なお、この画像形成装置150を使用するユーザの操作デバイスを管理するユーザ管理テーブルがハードディスク302に記憶される。このユーザ管理テーブルの詳細については後述する。
図3に示すように、この画像形成装置150のFAX通信部155には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304にはネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置150をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、インターネットを介して指定されたURL(Uniform Resource Locator)により特定されるコンピュータ等が接続されたりする。このようにインターネットに接続されると、画像形成装置150は、インターネットを介して、必要な情報を取得することができる。
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
原稿読取部152、画像形成部154、操作ユニット166を構成する操作パネル170、表示パネル172およびキーボード174、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット166は、入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
操作ユニット166は、操作ユニット166の表面の右側の領域に配置された、テンキーおよびその他の種々の操作ボタン(スタートキー、ストップキー、クリアキー、リセットキー等)であるハードウェアボタンが備えられている板状の操作パネル170と、操作ユニット166の中央部から左側の領域に配置された、タッチパネルディスプレイから構成される表示パネル172と、表示パネル172の手前側に引き出し自在に設けられた、外付けキーボード174とを含む。操作パネル170は、操作ユニット166から着脱自在に構成され、キーボード174は、表示パネル172の下方から引き出し自在に構成される。ただし、キーボード174はユーザが引き出したり押し入れたりできるのに対して、操作パネル170は管理者(または保守作業者、製造者等)が操作ユニット166へ設置するものである。設置された操作パネル170は、表示パネル172とは一つの筐体に保持され、ユーザは操作パネル170を自由に着脱することはできない。表示パネル172、操作パネル170およびキーボード174は、操作ユニット166が全体として一体となるように構成されている。
この操作ユニット166においては、表示パネル172に、この画像形成装置150における各モードのメニュー、この画像形成装置150の現在の状態、宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される。表示パネル172の表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネルがその押された位置を検出する。プログラム上で選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置とを照合することにより、画像形成装置150の機能設定および動作指示等が行なわれる。この画像形成装置150は、このようなメニュー形式の操作方法に加えて、上述したジェスチャー(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力)による操作方法にも対応している。
また、外付けキーボード174には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーボードランプが設けられている。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが設定されている場合に、このキーボードランプが点灯する。なお、このキーボードランプが消灯しているときに、外付けキーボード174を操作すると、このキーボードランプが点灯する。
さらに、後付け操作パネル170のハードウェアボタンには、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプが埋め込まれている。たとえば、このキーランプは、円型のスタートキーの周囲をリング状に光らせたり、スタートキーの中央部の発光部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが設定されている場合に、このキーランプが点灯する。
なお、以下においては、これらのキーボードランプおよびキーランプを、ハードウェアボタンランプと記載する。これらのハードウェアボタンランプを点灯または点滅させることにより、使用することが設定されている操作デバイスがハードウェアボタンであることをユーザに報知して、ユーザにこれらのハードウェアボタンに着目させるという作用がある。
[ユーザ管理テーブル]
本実施の形態に係る画像形成装置150は、1つのコマンドに対して複数の操作デバイス(表示パネル172で構成されるソフトウェアボタンならびに操作パネル170およびキーボード174で構成されるハードウェアボタン)を備える。このような複数の操作デバイスに対して、ユーザが特別に設定することなく、一方の操作デバイスが他方の操作デバイスと干渉することのないようにカスタマイズ処理する。このような処理は、上述したハードウェア構成を用いて実行されるソフトウェアにより実現される。このソフトウェアにおいて用いられるユーザ管理テーブルについて説明する。
図4にこのユーザ管理テーブルのデータ構造を示す。このユーザ管理テーブルは、ハードディスク302に記憶される。図4に示すように、このユーザ管理テーブルは、この画像形成装置150を使用するユーザ名をキーにして、ログイン時にソフトウェアボタンを使用した回数を記憶するフィールドと、ログイン時にハードウェアボタンを使用した回数を記憶するフィールドと、使用することが決定された操作デバイスを記憶するフィールドとで構成される。また、ユーザ管理テーブルには、後述するプログラムにより算出された、ユーザ毎のサンプル数(ログイン時にソフトウェアボタンを使用した回数+ログイン時にハードウェアボタンを使用した回数)、ソフトウェアボタンを使用した比率S(ログイン時にソフトウェアボタンを使用した回数/サンプル数)、ハードウェアボタンを使用した比率H(ログイン時にハードウェアボタンを使用した回数/サンプル数)を記憶するようにしても構わない。後述するように、これらのサンプル数、比率Sおよび比率Hは、適宜な時間間隔で(たとえば24時間間隔で)計算されて記憶される。
ログイン時にソフトウェアボタンまたはハードウェアボタンを使用した回数を記憶するフィールドには、たとえば、直近6ヶ月間の使用回数が記憶される。決定された操作デバイスを記憶するフィールドには、たとえば、サンプル数が10以上の場合に、そのユーザが使用する操作デバイスが記憶される。なお、この場合において、比率Sが80%以上であるとそのユーザの使用する操作デバイスがソフトウェアボタンであることが記憶され、比率Hが80%以上であるとそのユーザの使用する操作デバイスがハードウェアボタンであることが記憶される。また、サンプル数が10未満の場合、比率Sが80%未満の場合、または比率Hが80%未満の場合には、そのユーザが使用する操作デバイスは決定されないので、記憶されていない。
ログインしたユーザに使用させる操作デバイスを、使用履歴により選択することが、この画像形成装置150に設定されている場合(たとえば、システム設定として操作デバイス設定フラグをセットしている場合)には、ログインにより特定されたユーザについてユーザ管理テーブルに記憶された操作デバイスに基づいて、その操作デバイス(ソフトウェアボタンまたはハードウェアボタン)を有効としたりまたは優先して表示したりする。
このように、この画像形成装置150は、ユーザが特別に設定することなく、一方の操作デバイスが他方の操作デバイスと干渉することのないようなカスタマイズ処理を実行する。このような処理は、上述したハードウェア構成およびユーザ管理テーブルを用いて実行されるソフトウェアにより実現される。以下において、このソフトウェア構成について説明する。
[ソフトウェア構成]
図5および図6は、画像形成装置150で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。なお、画像形成装置150のCPU300は、このようなプログラムと並行して、複数の機能を備えた画像形成装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行する。しかしながら、そのプログラムは、本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、その詳細についてはここでは説明しない。
図5を参照して、ステップ(以下、ステップをSと記載する。)1000にて、画像形成装置150のCPU300(以下、単にCPU300と記載する。)は、表示パネル172にログイン画面を表示する。このとき、CPU300は、表示パネル172に、ユーザ認証のためのログイン名を入力する第1テキストフィールドおよびパスワードを入力する第2テキストフィールド、ならびにソフトウェアキーボードを表示する。なお、この時点において、外付けキーボード174は引き出して使用することが可能である。
S1010にて、CPU300は、ユーザによる第1テキストフィールドへの入力を検出したか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル172に表示されたソフトウェアキーボードから入力されたデータまたは外付けキーボード174から入力されたデータに基づいて、ユーザによる入力を検出したか否かを判定する。ユーザによる第1テキストフィールドへの入力を検出したと判定されると(S1010にてYES)、処理はS1020へ移される。もしそうでないと(S1010にてNO)、この処理はS1000へ戻されて、ユーザによる第1テキストフィールドへの入力を検出したと判定するまで待つ。
S1020にて、CPU300は、ユーザによりハードウェアボタンが操作されたか否かを判定する。このとき、CPU300は、外付けキーボード174から入力されたデータを検出すると、ユーザによりハードウェアボタンが操作されたと判定する。ユーザによりハードウェアボタンが操作されたと判定されると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、この処理はS1040へ移される。
S1030にて、CPU300は、ハードウェアボタンランプを点灯する。ハードウェアボタンランプには、キーボードランプおよびキーランプがあるが、このとき、CPU300は少なくともキーボードランプを点灯する。
S1040にて、CPU300は、表示パネル172の第1テキストフィールドに、ユーザにより入力されたテキストを表示する。
S1050にて、CPU300は、ユーザによる第1テキストフィールドへの入力が完了したか否かを判定する。このとき、たとえば、ユーザにより第2テキストフィールドへ入力カーソルが移動されたことをCPU300が検出すると、CPU300は、ユーザによる第1テキストフィールドへの入力が完了したと判定する。ユーザによる第1テキストフィールドへの入力が完了したと判定されると(S1050にてYES)、処理はS1060へ移される。もしそうでないと(S1050にてNO)、この処理はS1040へ戻されて、ユーザによる第1テキストフィールドへの入力を続ける。
S1060にて、CPU300は、ユーザによる第1テキストフィールドへの入力に用いられた操作デバイスが、ハードウェアボタンであったか否かを判定する。操作デバイスがハードウェアボタンであったと判定されると(S1060にてYES)、処理はS1070へ移される。もしそうでないと(S1060にてNO)、この処理はS1080へ移される。
このS1060において、CPU300は、外付けキーボード174からの入力信号を検出することにより、操作デバイスがハードウェアボタンであったことを判定し、ソフトウェアキーボードからの入力信号を検出することにより、操作デバイスがハードウェアボタンでなかった(ソフトウェアボタンであった)ことを判定する。また、ソフトウェアボタンには存在しないでハードウェアボタンのみに存在するキーボタン(たとえば「TAB」キー等)からの入力信号を検出したことにより、操作デバイスがハードウェアボタンであったことを判定するようにしても構わない。さらに、この逆で、ハードウェアボタンには存在しないでソフトウェアボタンのみに存在するボタンからの入力信号を検出したことにより、操作デバイスがソフトウェアボタンであったことを判定するようにしても構わない。
S1070にて、CPU300は、表示パネル172に表示されていたソフトウェアキーボードを消去する。その後、この処理はS1090へ移される。S1080にて、CPU300は、点灯していれば(外付けキーボード174で入力しようとしてS1030で一旦キーボードランプが点灯したが結局ソフトウェアキーボードを用いて第1テキストフィールドへ入力した場合)、ハードウェアボタンランプを消灯する。
S1090にて、CPU300は、ユーザによる第2テキストフィールドへの入力を検出したか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル172に表示されたソフトウェアキーボードから入力されたデータ(S1060にてNOの場合)または外付けキーボード174から入力されたデータ(S1060にてYESの場合)に基づいて、ユーザによる入力を検出したか否かを判定する。ユーザによる第2テキストフィールドへの入力を検出したと判定されると(S1090にてYES)、処理はS1100へ移される。もしそうでないと(S1090にてNO)、この処理はS1100へ戻されて、ユーザによる第2テキストフィールドへの入力を検出したと判定するまで待つ。
S1100にて、CPU300は、表示パネル172の第2テキストフィールドに、ユーザにより入力されたテキストを表示する。
S1110にて、CPU300は、ユーザによる第2テキストフィールドへの入力が完了したか否かを判定する。このとき、たとえば、ユーザが入力についての確認ボタン、実行キー、OKボタン等を選択したことをCPU300が検出すると、CPU300は、ユーザによる第2テキストフィールドへの入力が完了したと判定する。ユーザによる第2テキストフィールドへの入力が完了したと判定されると(S1110にてYES)、処理はS1120へ移される。もしそうでないと(S1110にてNO)、この処理はS1100へ戻されて、ユーザによる第2テキストフィールドへの入力を続ける。
S1120にて、CPU300は、ユーザ認証を実行する。このとき、CPU300は、ユーザにより入力されたログイン名およびパスワードを、ネットワーク回線を経由して認証サーバへ送信して、ユーザ認証信号(ログイン許可信号/ログイン不許可信号)を受信する。なお、認証サーバでユーザ認証処理を実行するのではなく、この画像形成装置150または他の装置によりユーザ認証処理を実行するようにしても構わない。
S1130にて、CPU300は、ログインが許可されたか否かを判定する。ログインが許可されたと判定されると(S1130にてYES)、処理はS1150へ移される。もしそうでないと(S1130にてNO)、この処理はS1140へ移される。
S1140にて、CPU300は、表示パネル172にログインエラーメッセージを表示する。予め定められた時間が経過したり、「戻る」等のボタンが押下されたりすると、処理はS1000へ戻されて、表示パネル172に、ユーザ認証のためのログイン画面が表示される。
S1150にて、CPU300は、図4のユーザ管理テーブルに、ユーザ認証されたログインユーザについての、使用した操作デバイスの使用回数を加算する。このとき、使用した操作デバイスはS1060の処理にて判定された操作デバイスである。
S1160にて、CPU300は、この画像形成装置150には、ユーザの使用履歴により操作デバイスを選択するように設定されているか否かを判定する。このとき、CPU300は、管理者がシステム設定として、ハードディスク302に記憶させた操作デバイス設定フラグに基づいて判定する。この画像形成装置150には、ユーザの使用履歴により操作デバイスを選択するように設定されている場合には(S1160にてYES)、処理はS1170へ移される。もしそうでないと(S1160にてNO)、この処理はS1220へ移される。このように、ユーザの使用履歴により操作デバイスを選択するように設定されていない場合には(S1160にてNO)、第1テキストフィールドにログイン名を入力するときに使用した操作デバイスが、このログインユーザが使用する操作デバイスである。
S1170にて、CPU300は、ハードディスク302からユーザ管理テーブルを読出す。なお、画像形成装置150の電源投入時にハードディスク302からユーザ管理テーブルを読出してRAM308に記憶しておいても構わない。
S1180にて、CPU300は、ユーザ管理テーブルを参照して、このログインユーザの操作デバイスが決定済であるか(未定でないか)否かを判定する。このログインユーザの操作デバイスが決定済であると(未定でないと)判定されると(S1180にてYES)、処理はS1190へ移される。もしそうでないと(S1190にてNO)、この処理はS1220へ移される。このように、ユーザの使用履歴により操作デバイスを選択するように設定されていても決定されていない(未定である)場合には(S1190にてNO)、第1テキストフィールドにログイン名を入力するときに使用した操作デバイスが、このログインユーザが使用する操作デバイスになる。
S1190にて、CPU300は、このログインユーザについて決定された操作デバイスはハードウェアボタンであるか否かを判定する。このログインユーザについて決定された操作デバイスはハードウェアボタンであると判定されると(S1190にてYES)、処理はS1200へ移される。もしそうでないと(S1190にてNO)、処理はS1210へ移される。
S1200にて、CPU300は、表示パネル172にソフトウェアボタン(ソフトウェアキーボードおよびソフトウェアボタン)が表示していれば消去して、ハードウェアボタンランプ(キーボードランプおよびキーランプ)が消灯していれば点灯する。その後、処理はS1220へ移される。
S1210にて、CPU300は、ハードウェアボタンランプ(キーボードランプおよびキーランプ)が点灯していれば消灯して、表示パネル172にソフトウェアボタン(ソフトウェアキーボードおよびソフトウェアボタン)が表示していなければ表示する。
S1220にて、CPU300は、この画像形成装置150の初期画面(モード選択画面)を表示パネル172に表示する。
図6を参照して、図4のユーザ管理テーブルの分析(メンテナンス)処理について説明する。
S1300にて、CPU300は、分析時間に到達したか否かを判定する。このとき、たとえば、CPU300は、前回の分析から24時間が経過すると、分析時間に到達したと判定する。分析時間に到達したと判定されると(S1300にてYES)、処理はS1310へ移される。もしそうでないと(S1300にてNO)、この処理は終了する。
S1310にて、CPU300は、ハードディスク302からユーザ管理テーブルを読出す。S1320にて、CPU300は、分析対象のユーザについて、サンプル数(=ログイン時にソフトウェアボタンを使用した回数+ログイン時にハードウェアボタンを使用した回数)を算出する。
S1330にて、CPU300は、ユーザのサンプル数がしきい値以上であるか否かを判定する。このとき、たとえば、しきい値として「10」が設定される。サンプル数がしきい値以上であると判定されると(S1330にてYES)、処理はS1340へ移される。もしそうでないと(S1330にてNO)、この処理はS1390へ移される。
S1340にて、CPU300は、このユーザが、ソフトウェアボタンを使用した比率S(ログイン時にソフトウェアボタンを使用した回数/サンプル数)、ハードウェアボタンを使用した比率H(ログイン時にハードウェアボタンを使用した回数/サンプル数)を算出する。
S1350にて、CPU300は、比率Hがデバイス決定比率以上であるか否かを判定する。このとき、たとえば、デバイス決定比率として「80%」が設定される。比率Hがデバイス決定比率以上であると判定されると(S1350にてYES)、処理はS1360へ移される。もしそうでないと(S1350にてNO)、この処理はS1370へ移される。
S1360にて、CPU300は、そのユーザが使用する操作デバイスをハードウェアボタンに決定して、ユーザ管理テーブルに記憶する。その後、処理はS1390へ移される。
S1370にて、CPU300は、比率Sがデバイス決定比率以上であるか否かを判定する。このとき、たとえば、デバイス決定比率として「80%」が設定される。比率Sがデバイス決定比率以上であると判定されると(S1370にてYES)、処理はS1380へ移される。もしそうでないと(S1370にてNO)、この処理はS1390へ移される。
S1380にて、CPU300は、そのユーザが使用する操作デバイスをソフトウェアボタンに決定して、ユーザ管理テーブルに記憶する。
S1390にて、CPU300は、ユーザ管理テーブルに記憶された全ユーザについての処理が終了したか否かを判定する。全ユーザについての処理が終了したと判定されると(S1390にてYES)、処理は終了する。もしそうでないと(S1390にてNO)、この処理はS1320へ戻されて、次のユーザについての処理を実行する。
なお、S1350におけるデバイス決定比率とS1370におけるデバイス決定比率とを同じ「80%」に設定しているが、たとえば、ハードウェアボタンよりもソフトウェアボタンをユーザに使用させたいような場合には、S1350における比率Hに対するデバイス決定比率を上げて、S1360における比率Sに対するデバイス決定比率を下げればよい。
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の動作について、図7〜図8に示す表示パネル172の表示例および図9〜図13に示す操作ユニット166の上面図を用いて説明する。これらの図を用いて説明する前に、ユーザ管理テーブルの分析動作について説明する。
・ユーザが使用する操作デバイスの決定動作
たとえば、24時間ごとに(S1300にてYES)、ユーザ管理テーブルがハードディスク302から読み出されて(S1310)、登録されているユーザについて、操作デバイスについての分析処理が実行される。
ユーザのサンプル数が算出され(S1320)、ユーザのサンプル数がしきい値以上であって(S1330にてYES)、かつ、算出されたハードウェア使用回数の比率Hがデバイス決定比率以上であると(S1350にてYES)、そのユーザが使用する操作デバイスがハードウェアボタンに決定されて記憶される(S1360)。
ユーザのサンプル数がしきい値以上であって(S1330にてYES)、かつ、算出されたソフトウェア使用回数の比率Sがデバイス決定比率以上であると(S1370にてYES)、そのユーザが使用する操作デバイスがソフトウェアボタンに決定されて記憶される(S1380)。
一方、ユーザのサンプル数がしきい値未満である場合(S1330にてNO)、算出されたハードウェア使用回数の比率Hがデバイス決定比率未満である場合(S1350にてNO)、または、算出されたソフトウェア使用回数の比率Sがデバイス決定比率未満である場合(S1370にてNO)、そのユーザが使用する操作デバイスは決定されない。
このようにして、ユーザ毎に、ユーザが使用する操作デバイスが決定されてユーザ管理テーブルに記憶される。なお、上述したように、サンプル数が少なくそのユーザの使用履歴を的確に判定できない場合、比率Hと比率Sとがともにデバイス決定比率未満でそのユーザの使用履歴を的確に判定できない場合(操作嗜好を的確に判定できない場合)には、ユーザが使用する操作デバイスが決定されない。
・ソフトウェアボタンを用いたログイン動作
表示パネル172に図7に示すログイン画面が表示されているときに(S1000)、ユーザがソフトウェアボタンを用いてログインする場合について説明する。
図7に示すように、このとき、表示パネル172には、ソフトウェアキーボード172A、ログイン名を入力する第1テキストフィールド172B、パスワードを入力する第2テキストフィールド172C、ユーザ認証画面表示領域172DおよびOKボタン172Eが表示されている。
ユーザがソフトウェアキーボード172Aを用いて、第1テキストフィールド172Bへログイン名を入力すると(S1010にてYES、S1020にてNO)、第1テキストフィールド172Bにソフトウェアキーボード172Aを用いて入力されたテキストが表示される(S1040)。
ユーザが第1テキストフィールド172Bへのログイン名の入力を終了すると、確定キー等を押下して、第2テキストフィールド172Cへ入力カーソルを移動させる(S1050にてYES)。このとき、表示パネル172は、図8に示す画面になる。
第1テキストフィールド172Bへの入力が完了して(S1050にてYES)、操作デバイスがハードウェアボタンでないと判定される(S1060にてNO)。このとき、もしハードウェアボタンランプが点灯していれば消灯される(S1080)。
さらに、ユーザがソフトウェアキーボード172Aを用いて、第2テキストフィールド172Cへパスワードを入力すると(S1090にてYES)、第2テキストフィールド172Cにソフトウェアキーボード172Aを用いて入力されたテキストが表示される(S1100)。
ユーザが第2テキストフィールド172Cへのパスワードの入力を終了すると、OKボタン172Eを押下して、第2テキストフィールドへの入力を終了させる(S1110にてYES)。
このようにして、第1テキストフィールド172Bへの入力が完了した時点で、このユーザが第2テキストフィールド172Cへパスワードを入力する場合に使用する操作デバイスをソフトウェアボタンに設定する。このため、第2テキストフィールド172Cへのパスワードの入力時においても表示パネル172にソフトウェアキーボード172Aが表示されている。このように表示パネル172にソフトウェアキーボード172Aが表示されているので、ユーザはこのソフトウェアキーボード172Aが操作デバイスであることを容易に理解でき、画像形成装置150の画像形成処理においても、このソフトウェアキーボード172A等が操作可能に表示される表示パネル172を用いて、画像形成装置150へ対する要求を入力する。
・ハードウェアボタンを用いてログイン動作
表示パネル172に図9に示すログイン画面が表示されているときに(S1000)、ユーザが外付けキーボード174(ハードウェアボタン)を用いてログインする場合について説明する。
図9に示すように、このとき、表示パネル172には、ソフトウェアキーボード172A、ログイン名を入力する第1テキストフィールド172B、パスワードを入力する第2テキストフィールド172C、ユーザ認証画面表示領域172DおよびOKボタン172Eが表示されている。さらに、図9に示すように、このとき、外付けキーボード174が使用可能なように引き出されている。このキーボード174は、少なくとも26文字のアルファベットを含む40個程度のキーボタン174A、少なくとも0から9までのテンキー174Bおよびハードウェアボタンランプ(キーボードランプ)174Cを備える。図9に示すハードウェアボタンランプ174Cは消灯している。なお、ハードウェアボタンランプ174Cが消灯していてもキーボード174からの入力は可能である。
ユーザがキーボード174を用いて、第1テキストフィールド172Bへログイン名を入力すると(S1010にてYES、S1020にてYES)、ハードウェアボタンランプ174Cが点灯して(S1030)、第1テキストフィールド172Bにキーボード174を用いて入力されたテキストが表示される(S1040)。
ユーザが第1テキストフィールド172Bへのログイン名の入力を終了すると、確定キー等を押下して、第2テキストフィールド172Cへ入力カーソルを移動させる(S1050にてYES)。このとき、表示パネル172は、図10に示す画面になる。
第1テキストフィールド172Bへの入力が完了して(S1050にてYES)、操作デバイスがハードウェアボタンであると判定される(S1060にてYES)。このとき、図10に示すように、表示パネル172に表示されていたソフトウェアキーボード172Aが消去されている(S1070)。なお、第1テキストフィールド172Bへのログイン名の入力時にキーボード174から入力したので(S1020にてYES、S1030)、ハードウェアボタンランプ174Cは、図10に示すように点灯している。
さらに、ユーザがキーボード174を用いて、第2テキストフィールド172Cへパスワードを入力すると(S1090にてYES)、第2テキストフィールド172Cにキーボード174を用いて入力されたテキストが表示される(S1100)。
ユーザが第2テキストフィールド172Cへのパスワードの入力を終了すると、キーボタン174Aの確定キーまたは実行キーを押下して、第2テキストフィールドへの入力を終了させる(S1110にてYES)。
このようにして、第1テキストフィールド172Bへの入力が完了した時点で、このユーザが第2テキストフィールド172Cへパスワードを入力する場合に使用する操作デバイスをハードウェアボタンに設定する。このため、第2テキストフィールド172Cへのパスワードの入力時においては表示パネル172にソフトウェアキーボード172Aが表示されなくなるとともに、このユーザに操作デバイスがハードウェアボタンであることを示すハードウェアボタンランプ174Cが点灯される。このように表示パネル172にソフトウェアキーボード172Aが表示されておらずハードウェアボタンランプが点灯しているので、ユーザはこのキーボード174および操作パネル170が操作デバイスであることを容易に理解でき、画像形成装置150の画像形成処理においても、このキーボード174および操作パネル170を用いて、画像形成装置150へ対する要求を入力する。
なお、図10に示すように、ソフトウェアキーボード172Aが消去された領域には、「操作画面の再カスタマイズ」のボタン172Fが表示されている。この「操作画面の再カスタマイズ」のボタンをユーザが押下すると、図11に示す画面に遷移する。表示パネル172には、「タッチパネルディスプレイ優先」のボタン172Gおよび「ハードウェアボタン優先」のボタン172Hが表示される。これらのいずれかのボタンを押下して(この押下によりこれらのボタンのいずれかが反転表示される)、OKボタン172Iを押下すると、このユーザが操作する操作デバイスが再カスタマイズされる。
なお、タッチパネルディスプレイ優先を選択すると、ハードウェアボタンランプ174Cが消灯して、表示パネル172にはソフトウェアキーボード172Aが表示されて、ハードウェアボタン優先を選択すると、ハードウェアボタンランプ174Cが点灯して、表示パネル172にはソフトウェアキーボード172Aが表示されなくなる。
また、図10に示す「操作画面の再カスタマイズ」のボタン172Fを押下する代わりに、図10に示すキーボード174のキーボタン174Aを用いても構わない。たとえば、キーボード174の特定のキーボタン174Aを2個または3個同時に押下することにより、「操作画面の再カスタマイズ」のボタン172Fを押下することと同じように処理する。このようにすると、ハードウェアボタンのみを使用するユーザであっても容易に操作デバイスを再カスタマイズすることができる。
さらに、図11に示す「タッチパネルディスプレイ優先」のボタン172Gまたは「ハードウェアボタン優先」のボタン172Hを押下する代わりに、図11に示すキーボード174のキーボタン174Aを用いても構わない。たとえば、キーボード174の特定のキーボタン174A(たとえば「T」(タッチパネルディスプレイ)キーまたは「S」(ソフトウェア)キー/「H」(ハードウェア)キー)を押下することにより、「タッチパネルディスプレイ優先」のボタン172Gまたは「ハードウェアボタン優先」のボタン172Hを押下することと同じように処理する。このようにすると、ハードウェアボタンのみを使用するユーザであっても容易に操作画面を再カスタマイズすることができる。
・ログイン後に使用履歴により操作デバイスが選択される動作
ユーザがログインして(S1120、S1130にてYES)、使用履歴により操作デバイスが選択されるように設定されている場合(S1160にてYES)、ユーザ管理テーブルがハードディスク302から読み出されて(S1170)、ログインしたユーザの操作デバイスが決定済であるか否かが判定される(S1180)。
たとえば、図4のユーザ管理テーブルに示すように、ユーザ名が「USER0003」のユーザについては、ソフトウェアボタンを操作デバイスとすることが決定されている(S1180にてYES、S1190にてNO)。このため、ハードウェアボタンランプ174Cが点灯していれば消灯されて、表示パネル172にソフトウェアボタン(ソフトウェアキーボード172Aまたはソフトウェアボタン)が表示していなければ表示される(S1210)。
ソフトウェアボタンが操作デバイスとして選択されている場合の、画像形成装置150の初期画面を示す操作ユニット166の上面図を図12に示す。なお、この図12は、このユーザの操作デバイスが決定されていない場合および操作デバイス設定フラグがセットされていない場合に、第1テキストフィールド172Bへソフトウェアキーボード172Aを用いてログイン名を入力した場合の初期画面でもある。なお、図12に示す操作ユニット166においては、外付けキーボード174は収納されている。
図12に示すように、ソフトウェアボタン172Kが表示パネル172に表示されているとともに、それぞれのソフトウェアボタンが明るく光るように表示されている。一方、操作パネル170の各ボタンに埋め込まれたハードウェアボタンランプ(キーランプ)は点灯していない。このため、ソフトウェアボタンを操作デバイスとして好むユーザは、点灯していないハードウェアボタン(操作パネル170のボタン)ではなく、点灯しているソフトウェアボタン(表示パネル172のボタン)に着目して、ソフトウェアボタンを操作する。
また、たとえば、図4のユーザ管理テーブルに示すように、ユーザ名が「USER0004」のユーザについては、ハードウェアボタンを操作デバイスとすることが決定されている(S1180にてYES、S1190にてYES)。このため、ハードウェアボタンランプ174Cが消灯していれば点灯されて、表示パネル172にソフトウェアボタン(ソフトウェアキーボード172Aまたはソフトウェアボタン)が表示されていれば消去される(S1200)。
ハードウェアボタンが操作デバイスとして選択されている場合の、画像形成装置150の初期画面を示す操作ユニット166の上面図を図13に示す。なお、この図13は、このユーザの操作デバイスが決定されていない場合および操作デバイス設定フラグがセットされていない場合に、第1テキストフィールド172Bへキーボード174を用いてログイン名を入力した場合の初期画面でもある。なお、図13に示す操作ユニット166においては、外付けキーボード174が引き出されている。
図13に示すように、ソフトウェアボタン172Kが表示パネル172に表示されていない。一方、操作パネル170の各ボタンに埋め込まれたハードウェアボタンランプ(キーランプ)が点灯しているとともに、外付けキーボード174のハードウェアボタンランプ174Cが点灯している。このため、ハードウェアボタンを操作デバイスとして好むユーザは、表示されていないソフトウェアボタン(表示パネル172のボタン)ではなく、点灯しているハードウェアボタン(操作パネル170のボタンおよび外付けキーボード174のキーボタン174Aおよびテンキー174B)に着目して、ハードウェアボタンを操作する。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、1つのコマンドであるユーザ認証(ログイン名およびパスワードの入力)に対して複数の操作デバイスが提供される場合において、一方の操作デバイスが他方の操作デバイスと干渉することのないようなカスタマイズが自動的に実行される。
すなわち、ログイン時の第1テキストフィールドへのログイン名の入力において使用した操作デバイスがそのユーザの好む操作デバイスとして設定され、第2テキストフィールドへのパスワードの入力において使用される。この第2テキストフィールドへのパスワードの入力時において、設定された操作デバイスにユーザが着目するように、選択された操作デバイスにランプが表示されたり、ソフトウェアボタンが選択されなかった場合にはソフトウェアボタンが表示パネルから消去されたりする。
さらに、ユーザごとに、ログイン時の操作デバイスの使用回数を記憶しておいて、適宜な時間間隔でユーザの使用履歴に基づくユーザの嗜好を分析して、ログイン認証された後の操作デバイスを、ユーザの嗜好に基づいて設定する。
このように、ログイン時のユーザの操作自体に基づいて、または、操作履歴の分析に基づいて、複数の操作デバイスのいずれを使用するのかについてのカスタマイズ処理を実行することができる。
<本発明の実施の形態>
以下に、本発明の実施の形態に係る電子機器について説明する。上述した関連発明の実施の形態と同様に、本実施の形態に係る電子機器は、画像処理装置の1種である画像形成装置である。本実施の形態においても、関連発明の実施の形態と同様に、本発明に係る操作装置の適用は、このような画像形成装置以外の画像処理装置または電子機器であっても構わない。本実施の形態に係る電子機器は、1つのコマンドに対して複数の操作方法(メニュー操作およびジェスチャー操作)が提供され、ユーザが特別に設定することなく、ユーザが要求する操作方法を優先させるようなカスタマイズを、容易に行なうことのできる操作機器を備えた装置でありさえすればよい。
なお、画像形成装置(図1〜図3)については上述した関連発明の実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。
本実施の形態に係る画像形成装置150は、CPU300で実行されるプログラムの制御構造が、上述した関連発明の実施の形態と異なる。それ以外については上述した関連発明の実施の形態と同じである。それらの構造および作用は上述した関連発明の実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。なお、本実施の形態に係る画像形成装置150は、外付けキーボード174および後付け操作パネル170を備えなくても構わないが、ジェスチャー操作方法とジェスチャー操作によらない従来型のメニュー形式による操作方法とを備える。この点で、本実施の形態に係る電子機器は、操作デバイスとして、ジェスチャー操作方法を実現するためのタッチパネルディスプレイ(表示パネル)を必ず備える。ユーザのタッチパネルディスプレイに対する操作には、ジェスチャー操作と、ジェスチャー操作以外の操作、即ちジェスチャー操作を伴わないでタッチパネルディスプレイに触れるだけの操作(非ジェスチャー操作)とがある。ここで、本実施の形態に係る表示パネルは、関連発明の実施の形態における表示パネル172と異なる情報を表示するため、表示パネル272と記載する。
[ソフトウェア構成]
図14は、本実施の形態に係る画像形成装置150で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。このプログラムは、印刷(コピー)前のプレビュー表示における、メニュー選択方法とジェスチャー操作方法とが併用された操作メニューを処理するプログラムである。なお、この操作メニューにおいては、プレビュー表示の変更(メニュー選択方法またはジェスチャー操作方法による指定)および印刷部数等の変更を実行することができる。
上述した関連発明の実施の形態と同じように、画像形成装置150のCPU300は、このようなプログラムと並行して、画像形成装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行する。しかしながら、そのプログラムは、本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、その詳細についてはここでは説明しない。
図14を参照して、S2000にて、CPU300は、操作メニュー画面を表示パネル272に表示する。このとき、印刷前のプレビュー表示とともに、複数のコマンドから構成される操作メニューが表示される。このプレビュー表示部分をジェスチャー操作することにより、コマンドの対象とコマンドとを合わせて入力することができる。たとえば、プレビューとして、表示パネル272に複数のページが表示されているときに、あるページがプレビューされた位置を指で軽く2回叩くダブルタップのジェスチャー操作することにより、コマンドの対象であるプレビューページとコマンドである拡大表示とを合わせて入力することができる。
S2010にて、CPU300は、ユーザによる入力を検出したか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル272に表示された項目をユーザが押圧したか否かに基づいて、ユーザによる入力を検出したか否かを判定する。ユーザによる入力を検出したと判定されると(S2010にてYES)、処理はS2020へ移される。もしそうでないと(S2010にてNO)、この処理はS2000へ戻されて、ユーザによる入力を検出したと判定するまで待つ。
S2020にて、CPU300は、ユーザによる入力軌跡を分析する。このとき、CPU300は、表示パネル272においてユーザの指により押圧された位置およびその位置の時間的な変化を検出して、表示パネル272に表示された操作メニューの選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置およびその位置の移動とを照合することにより、操作メニュー形式の操作がされたか否か、または、タップ、ダブルタップ、ドラッグ、フリック、ピンチ、ピンチアウト、ピンチイン等のジェスチャー操作がなされたか否かを分析する。
S2030にて、CPU300は、ユーザによる入力が、ジェスチャー入力であるか否かを判定する。ユーザによる入力がジェスチャー入力であると判定されると(S2030にてYES)、処理はS2040へ移される。もしそうでないと(S2030にてNO)。この処理はS2060へ移される。
S2040にて、CPU300は、入力されたジェスチャー操作に従い、プレビュー表示を変更して、表示パネル272に表示する。
S2050にて、CPU300は、操作メニューの表示態様を変更する。このとき、ジェスチャー操作で指定されたコマンドに対応する項目(操作メニューにおける拡大/縮小ボタン)は使用される可能性が低い。このため、CPU300は、表示パネル272に表示される、この項目のボタンを目立たないように、位置を変更したり、目立たないように大きさを小さく変更したり、消去したりする。その後、この処理はS2130へ移される。
S2060にて、CPU300は、ユーザによる入力が、操作メニューを用いたプレビュー表示変更要求であるか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル272に表示された操作メニューの選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置とに基づいて、操作メニューを用いたプレビュー表示変更要求であるか否かを判定する。ユーザによる入力が操作メニューを用いたプレビュー表示変更要求であると判定されると(S2060にてYES)、処理はS2070へ移される。もしそうでないと(S2060にてNO)。この処理はS2100へ移される。
S2070にて、CPU300は、プレビュー表示の変更を指定する画面(たとえば、プレビュー表示を拡大する場合の拡大率を入力する画面)を、表示パネル272に表示する。
S2080にて、CPU300は、プレビュー表示の変更について指定されたか否かを判定する。プレビュー表示の変更について指定されたと判定されると(S2080にてYES)、処理はS2090へ移される。もしそうでないと(S2080にてNO)、この処理はS2070へ戻される。
S2090にて、CPU300は、指定されたプレビュー表示の変更に従い、プレビュー表示を変更して、表示パネル272に表示する。その後、この処理はS2130へ移される。
S2100にて、CPU300は、印刷設定の変更を入力する画面(たとえば、印刷部数の変更、印刷対象ページの変更)を、表示パネル272に表示する。
S2110にて、CPU300は、印刷設定が入力されたか否かを判定する。プレビュー表示された印刷対象ドキュメントの印刷設定が入力されたと判定されると(S2110にてYES)、処理はS2120へ移される。もしそうでないと(S2110にてNO)、この処理はS2100へ戻される。
S2120にて、CPU300は、入力された印刷設定に従い、印刷設定を変更する。その後、この処理はS2130へ移される。
S2130にて、CPU300は、印刷開始が入力されたか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル272に表示された「印刷開始」ボタンが押下されると、印刷開始が入力されたと判定する。印刷開始が入力されたと判定されると(S2130にてYES)、処理はS2140へ移される。もしそうでないと(S2130にてNO)、この処理はS2130へ戻される。
S2140にて、CPU300は、指定された印刷設定で、指定されたドキュメントを、画像形成部154を用いて、記録用紙に印刷する。
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の動作について、図15〜図19に示す表示パネル272の表示例を用いて説明する。
たとえば、画像形成装置150において、ユーザがコピーモードを選択して、原稿をスキャンした後に、操作メニュー画面が表示パネル172に表示される(S2000)。このとき、表示パネル272には、図15に示すように、操作メニュー272Aと、3ページ分のプレビュー272Bと、印刷開始ボタン272Cとが表示される。
たとえば、ユーザがプレビューされた1ページ目の表示を拡大させたい場合には、1ページ目のプレビュー272Bの位置をダブルタップする。ここで、ダブルタップには、プレビュー表示の拡大/縮小として処理されることが設定されているものとする。最大限まで拡大されるまでにダブルタップするとプレビュー表示が予め定められた拡大率で拡大して表示され、最大限まで拡大された後にダブルタップするとプレビュー表示が予め定められた縮小率で縮小して表示される。
図16に示すように、ユーザが1ページ目のプレビュー272Bの位置をダブルタップすると(S2010にてYES)、入力軌跡が分析されて(S2020)、ジェスチャー入力であると判定される(S2030にてYES)。ダブルタップ操作は、プレビュー表示の拡大/縮小として処理されることが設定されているので、図17に示すように、1ページ目のプレビュー表示272Dが拡大されて、表示パネル272に表示される(S2040)。なお、この図17に示すように、拡大したプレビュー表示272Dは、たとえばジェスチャー操作の1つであるドラッグ操作により、上下方向にスクロールさせることができる。
このように操作メニュー272Aを用いないでプレビュー表示の表示態様が変更された。このような場合には、ジェスチャー操作で指定されたコマンドに対応する操作メニューにおける項目(拡大/縮小ボタン)は使用される可能性が低い。このため、図17に示すように、拡大/縮小ボタンが操作メニュー272Eの最下段に移動されたり、図18に示すように、拡大/縮小ボタンが操作メニュー272Fから消去されたり、図19に示すように、操作メニュー272G自体が小さく表示されたりする(S2050)。
なお、ユーザがプレビューされた1ページ目の表示を、メニュー選択方法により拡大させたい場合には、画像形成装置150は以下のように動作する。ユーザが、1ページ目のプレビュー272Bの位置を押下して反転表示させて、操作メニュー272Aの「ページ拡大/縮小」ボタンを押下する(S2060にてYES)。これに続いて、拡大率または縮小率を指定する画面が表示パネル172に表示される(S2070)。拡大率または縮小率を指定すると(S2080にてYES)、指定された倍率でプレビュー表示される(S2090)。この場合には、操作メニューの表示態様は変更されない。
また、ユーザがプレビューされたドキュメントの印刷設定を変更したい場合には、操作メニュー272Aの「印刷部数の変更」ボタンを押下する(S2060にてNO)。これに続いて、印刷設定の変更を入力する画面が表示パネル272に表示される(S2100)。印刷部数を入力すると(S2110にてYES)、指定された印刷部数に変更される(S2120)。この場合には、操作メニューの表示態様は変更されない。
このようにして、プレビュー表示が変更されたり、印刷設定が変更されたりした後に、印刷開始ボタン272Cが押下されると(S2130にてYES)、記録用紙に画像が形成される(S2140)。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、1つのコマンドであるプレビュー表示の拡大/縮小表示に対して複数の操作方法(ジェスチャー操作方法、メニュー選択方法)が提供される場合において、ユーザが特別に設定することなく、ユーザが要求する操作方法を優先させるようなカスタマイズを、容易に行なうことができる。すなわち、ジェスチャー操作方法をユーザが選択した場合には、メニュー選択方法で使用する選択ボタンの位置を変更したり、消去したり、小さくしたりして、選択されなかった操作方法を非優先的な表示に切換え、相対的に選択された操作方法が優先的に表示されるようにしている。
なお、関連発明の実施の形態のように、ユーザが、ジェスチャー操作方法を用いて操作した回数と、メニュー選択方法を用いて操作した回数とを記憶しておいて、ユーザの操作履歴に基づいて、表示パネルの表示を変更するようにしても構わない。このようにすることにより、たとえば、ジェスチャー操作方法およびメニュー選択方法のいずれかの方法を連続して利用した場合またはいずれかの方法の利用頻度が高い場合に、利用しなかった方法または利用頻度の低い方法を表示パネルに表示しないようにしたり、一旦非表示とした方法であっても表示した方法が予め定められた期間が操作されなかった場合に再表示させたりすることができる。なお、一旦非表示にした方法であっても、ユーザの要求に応じて再表示させることが好ましい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。