JP5587158B2 - ノズル及び乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表面にインキ組成物又は接着剤が塗布(印刷)されたシート材を乾燥するための乾燥装置、及び乾燥装置に備わるノズルに関するものである。
グラビア印刷機などは、印刷本体部に給紙装置や乾燥装置などが付属された構成で、紙やプラスチックフィルムなどのシート材にトルエンなどの有機溶剤を含むインキ組成物を用いて印刷を行うのが一般的である。乾燥装置は、ローラーなどのガイドにより長尺のシート材を印刷本体部から乾燥室に誘導し、乾燥ガスを用いて溶剤を揮発させ、印刷直後のインキ組成物を速やかに乾燥するようになっている。乾燥ガスには通常空気が用いられ、送風機及びダクトなどにより乾燥室への導入及び室外への排出が行われている。また、溶剤の揮発を効率化するために、ノズルからシート材の表面に乾燥ガスを吹き付けたり、ヒーターを用いて乾燥ガスを加熱したりすることが行われている。
ところで、近年では、自然環境を保全するために、インキ組成物に含まれる揮発性有機溶剤(通称VOC)の排出規制が強化されている。さらには省資源や作業環境維持の観点からも、何らかの方法で溶剤を回収あるいは処理するようになってきている。例えば、特許文献1には、一度乾燥に用いられて溶剤を低濃度で含有する溶剤含有ガスを循環して再利用することにより、大気に放出される溶剤含有ガスの総容積量を削減し得る乾燥装置が開示されている。
図5に示すように、特許文献1に記載の乾燥装置60は、印刷機90の中央部から上部にかけて配設され、下部には印刷本体部91が配設されている。長尺のシート材Sは、印刷機90の図中の中央高さ右側から供給され、ガイドローラーによって下方の印刷本体部91を通過しながら印刷が行われた後、上方の乾燥装置60に誘導され乾燥装置60内を下から上に向かって通過した後、上部右側に送出されるようになっている。
乾燥装置60は、下乾燥室70、上乾燥室80、下加圧ダクト71、上加圧ダクト81、下吸引ダクト72、上吸引ダクト82、及び図略の送風機とヒーターとにより構成されている。下乾燥室70内には5個のノズル73が、上乾燥室80内には4個のノズル83が備わっている。
下加圧ダクト71から下乾燥室70内に供給された乾燥ガスは、下乾燥室70内のノズル73の先端からシート材Sの表面に向かって噴射された後、下吸引ダクト72を経由して図略の排ガス処理部に送られて、溶剤濃度が規定値以下に低減された後、大気に放出される。同様に、上乾燥室80内に供給された乾燥ガスは、上乾燥室80内のノズル83から噴射された後、上吸引ダクト82により吸引される。ここで、上吸引ダクト82により吸引された溶剤含有ガスは、溶剤濃度が低いため、溶剤含有ガスの一部が、下乾燥室70に送られる乾燥ガスとして再利用される。
複数個のノズル73及び83は、いずれも乾燥ガスが吹き出す方向に向かって突出し先端の噴射口の開口面積が絞り込まれた筒状を呈している。ノズル73及び83の噴射口の開口形状は、シート材Sの幅方向に長い細隙状を呈している。この噴射口の開口幅は、一般に噴射口の長手方向に一定であるが、例えば、特許文献2に開示されているように、噴射口の長手方向の中央部付近の開口幅を、両端部付近の開口幅よりも広くすることにより、シート材Sの幅全体にわたってインキ組成物を均一に乾燥する効果をさらに高めることができる。
特開2007−192528号公報 特開2001−301122号公報
インキ組成物に含まれる揮発性有機溶剤の規制として、上述の排出規制の他に残留規制がある。例えば、インキ組成物が印刷されたシート材を食品包装資材として使用する場合には、食品包装安全衛生の観点から、包装資材に残留する揮発性有機溶剤に厳しい残留規制が課せられている。また、食品包装資材メーカーは、包装資材の臭気に対する食品メーカーからの要求レベルが高く、包装資材の臭気に対して消費者からよせられるクレームや、商品処理保障問題に苦慮しているという現状がある。このような背景から、シート材の印刷加工等の速度を現状維持した上で、シート材の揮発性有機溶剤残留量を低減し得る乾燥方法が求められている。
図5に示した従来の乾燥装置60に備わるノズル73及び83は、先端の噴射口の開口面積が絞り込まれた筒状を呈しているため、噴射口からシート材Sの表面に向かって加熱された乾燥ガスを勢いよく吹き付けることができる。そして、乾燥ガスの熱と風速によって、シート材S表面のインキ組成物を速やかに乾燥させることができる。
ところが、シート材Sが乾燥装置60に供給された直後から、インキ組成物に乾燥ガスが勢いよく吹き付けられると、インキ組成物の表層の乾燥が急速に進行することにより、インキ組成物の表層に乾燥した膜が形成されて、以降の乾燥行程で、インキ組成物内部の乾燥が進行しにくくなる。そして、インキ組成物内部の乾燥が不十分な状態でシート材Sが乾燥装置60から送出されると、乾燥後のシート材Sのインキ組成物に、多くの揮発性有機溶剤が残留するという問題が発生する。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表面にインキ組成物又は接着剤が塗布(印刷)されたシート材の印刷加工等の速度を現状維持した上で、インキ組成物又は接着剤の揮発性有機溶剤残留量を低減し得る乾燥装置、及び乾燥装置に備わるノズルを提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明のノズルは、帯状のシート材に塗布されたインキ組成物又は接着剤を乾燥するための乾燥ガスを該シート材の走行中に該シート材に向かって吹き付けるノズルであって、前記ノズルは、前記乾燥ガスが通過する筒状のノズル本体と、該ノズル本体の基端側に形成され該乾燥ガスが流入する流入口と、該ノズル本体の先端側に形成され該乾燥ガスを噴射する噴射口とを備え、前記流入口及び前記噴射口は、前記シート材の幅方向に長い開口形状を有すると共に、該噴射口の開口面積は、該流入口の開口面積以上の大きさであり、前記ノズル本体を前記シート材の走行方向に平行かつ該シート材の面に対して直角に切断した断面において、該ノズル本体の対向する内壁面同士の間隔が前記流入口から前記噴射口に向かって一律に拡大していることを特徴とする。
このような構成によると、ノズルの噴射口の開口面積は、流入口の開口面積以上の大きさであり、ノズル本体の対向する内壁面同士の間隔が流入口から噴射口に向かって一律に拡大している。これにより、噴射口からシート材に向かって乾燥ガスを弱い風速でかつ広い範囲に吹き付けることができる。ここで一律とは断面で表示される2つの内壁面が直線で表示される事を意味し、放物線のような曲線でないことを意味する。
したがって、本発明のノズルを用いることによって、インキ組成物又は接着剤の表層に乾燥した膜を形成することなく、インキ組成物又は接着剤の表層から内部まで、比較的均等に乾燥を進行させることができる。これにより、乾燥後のシート材のインキ組成物又は接着剤に、揮発性有機溶剤が残留しにくくなる。
なお、上述の帯状のシート材に塗布される接着剤としては、例えば、食品包装フィルムのドライラミネートや押出しラミネートに使用される接着剤がある。
(2)本発明のノズルにおいて、好ましくは、前記ノズル本体を前記シート材の走行方向に平行かつ該シート材の面に対して直角に切断した断面において、該ノズル本体の対向する前記内壁面同士のなす角度θが0<θ≦90度であることを特徴とする。
このような構成によると、ノズル本体の対向する内壁面同士のなす角度θが0<θ≦90度となっている。内壁面同士のなす角度が大きいほど、噴射口からシート材に向かって乾燥ガスをより弱い風速でかつより広い範囲に吹き付けることができる。しかし、内壁面同士のなす角度を過剰に大きくすれば、乾燥ガスの風速が弱くなり過ぎて、インキ組成物又は接着剤の乾燥効率(時間当たりのインキ組成物又は接着剤の乾燥量)が著しく低下する。よって、内壁面同士のなす角度の上限を90度とする。
なお、ノズル本体の対向する内壁面同士のなす角度θが0<θ≦90度の範囲であれば、各内壁面と流入口の開口平面とのなす角度が互いに不均等な角度となっていてもよい。例えば、一方の内壁面と流入口の開口平面とのなす角度を、他方の内壁面と流入口の開口平面とのなす角度よりも大きくすることにより、噴射口から噴射される乾燥ガスの噴射方向を一方の内壁面側に偏らせることができる。
(3)本発明のノズルにおいて、好ましくは、前記流入口は、該流入口の長手方向の中央部付近の開口幅が両端部付近の開口幅よりも広い開口形状を有していることを特徴とする。
このような構成によると、流入口の長手方向の中央部付近の開口幅が両端部付近の開口幅よりも広くなっていることにより、流入口の長手方向の中央部付近から両端部付近よりも大量の乾燥ガスが流入する。そして、噴射口においても、噴射口の長手方向の中央部付近から両端部付近よりも大量の乾燥ガスが噴射する。
シート材に向かって吹き付けられた乾燥ガスは、シート材の幅方向の両端に向かって流れるため、シート材の幅方向の中央部付近では停滞しやすく、シート材の幅方向の両端部付近では流れがよい。したがって、シート材の幅方向の中央部付近のインキ組成物又は接着剤は、両端部付近のインキ組成物又は接着剤よりも乾燥しにくい。ここで、本発明のように、噴射口の長手方向の中央部付近から両端部付近よりも大量の乾燥ガスが噴射されることにより、シート材の幅全体にわたってインキ組成物又は接着剤を均一に乾燥させることができる。
(4)本発明の乾燥装置は、帯状のシート材に塗布されたインキ組成物又は接着剤を乾燥するための乾燥ガスを該シート材の走行中に該シート材に向かって吹き付ける該シート材の走行方向に並んだノズル群を備える乾燥装置であって、前記ノズル群のうちの少なくとも1つのノズルが前記(1)〜(3)に記載の前記ノズルであることを特徴とする。
このような構成によると、ノズル群のうちの少なくとも1つのノズルが前記(1)〜(3)に記載のノズルである。これにより、ノズル群を構成する全てのノズルを先端の噴射口の開口面積が絞り込まれた従来のノズルとする場合と比較して、前記(1)〜(3)で述べたように、インキ組成物又は接着剤の揮発性有機溶剤残留量を低減する効果を高めることができる。
(5)本発明の乾燥装置において、好ましくは、前記ノズル群のうちの前記シート材の走行方向の最上流から下流側に向けて並んだ複数個のノズルが前記(1)〜(3)に記載の前記ノズルであることを特徴とする。
インキ組成物又は接着剤の表層に乾燥した膜が早期に形成されるほど、以降の乾燥行程で、インキ組成物又は接着剤内部の乾燥が進行しにくくなる問題が顕著となり、乾燥装置から送出されたシート材のインキ組成物又は接着剤に揮発性有機溶剤が残留しやすくなる。一方、インキ組成物又は接着剤内部の乾燥がある程度進行した後にインキ組成物又は接着剤の表層に乾燥した膜が形成された場合には、インキ組成物又は接着剤に揮発性有機溶剤が残留する問題は発生しにくい。したがって、シート材が乾燥装置に供給された上流側ほどインキ組成物又は接着剤の急速な乾燥を避けるのがよい。
本発明の構成のように、前記(1)〜(3)に記載のノズルを、ノズル群のうちのシート材の走行方向の最上流から下流側に向けて並んだ複数個のノズルとして配設すれば、下流側に配設する場合よりも、インキ組成物又は接着剤の揮発性有機溶剤残留量を低減する効果を高めることができる。
本発明によれば、表面にインキ組成物又は接着剤が塗布(印刷)されたシート材の印刷加工等の速度を現状維持した上で、インキ組成物又は接着剤の揮発性有機溶剤残留量を低減し得る乾燥装置、及び乾燥装置に備わるノズルを提供することができる。
本実施形態の乾燥装置を備える印刷機を模式的に説明する断面図である。 本実施形態の乾燥装置に備わるノズルの斜視図である。 図2におけるA−A線で切断したノズルの断面図である。 図2におけるB−B線で切断したノズルの断面図である。 従来の乾燥装置を備える印刷機を模式的に説明する断面図である。
以下、本発明のノズル及びこのノズルを備える乾燥装置の実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1に本実施形態の乾燥装置を備える印刷機を模式的に説明する断面図、図2に本実施形態の乾燥装置に備わるノズルの斜視図、図3に図2におけるA−A線で切断したノズルの断面図、図4に図2におけるB−B線で切断したノズルの断面図を示す。
図1に示すように、乾燥装置1は、印刷機50の中央部から上部にかけて配設され、下部には印刷本体部51が配設されている。幅約1mの長尺帯状のシート材Sは、印刷機50の図中の中央高さ右側から供給され、4個のガイドローラー54〜57によって下方の印刷本体部51に誘導され圧胴52と版胴53との間を通過しながら印刷が行われ、ガイドローラー58により上方の乾燥装置1に誘導され乾燥装置1内を下から上に向かって通過した後、ガイドローラー59により上部右側に送出されるようになっている。
乾燥装置1は、下乾燥室30、上乾燥室40、下加圧ダクト31、上加圧ダクト41、下吸引ダクト32、上吸引ダクト42、及び図略の送風機とヒーターとにより構成されている。下乾燥室30内には5個の下ノズル10が、上乾燥室40内には4個の上ノズル20が備わっている。なお、下ノズル10が本発明のノズルであり、上ノズル20は、図5に示した従来のノズル83と同一形状のノズルである。
下乾燥室30及び上乾燥室40は、ともに箱形の部材で形成され、上下に重ねて配設されている。この構成は、隔壁により1つの乾燥室を上下2室に区画したことに相当する。
下乾燥室30は、図1に示すように、下仕切板33によって左側の下加圧室34と右側の下負圧室35とに区別されている。下負圧室35の下面にはシート導入口36が設けられ、上面には上乾燥室40に連通するシート通過口37が設けられている。また、下負圧室35内には直径100mmの5個のガイドローラー38が上下に並んで配設されている。下加圧室34に連通して下加圧ダクト31が設けられ、下負圧室35に連通して下吸引ダクト32が設けられている。下加圧ダクト31は、図略の送風機とヒーターとに連通しており、下吸引ダクト32は、図略の排ガス処理部に連通している。
シート材Sは、シート導入口36からシート通過口37までの間、順次ガイドローラー38に接しながら、下仕切板33の近傍をスムーズに通過できるようになっている。下仕切板33の各ガイドローラー38と対向する箇所にはそれぞれ、ガイドローラー38に向かって突出し先端の噴射口が一律に拡大した下ノズル10が設けられている。下ノズル10の先端とシート材Sとの離隔は約20mmである。
上乾燥室40も下乾燥室30と類似の構造であり、上仕切板43によって左側の上加圧室44と右側の上負圧室45とに区別されている。上負圧室45の下面には下負圧室35からシート通過口37が連通し、右上面にはシート送出口46が設けられている。また、上負圧室45内には直径100mmの4個のガイドローラー47が斜めに並んで配設されている。上加圧室44に連通して上加圧ダクト41が設けられ、上負圧室45に連通して上吸引ダクト42が設けられている。上加圧ダクト41は、図略の送風機とヒーターとに連通しており、上吸引ダクト42は、図略の排ガス処理部に連通している。
シート材Sは、シート通過口37からシート送出口46までの間、順次ガイドローラー47に接しながら、上仕切板43の近傍をスムーズに通過できるようになっている。上仕切板43の各ガイドローラー47と対向する箇所にはそれぞれ、ガイドローラー47に向かって突出し先端の噴射口の開口面積が絞り込まれた上ノズル20が設けられている。上ノズル20の先端とシート材Sとの離隔は約20mmである。
下ノズル10は、図2〜4に示すように、乾燥ガスが通過する筒状のノズル本体11と、ノズル本体11の基端側に形成され乾燥ガスが流入する流入口12と、ノズル本体11の先端側に形成され乾燥ガスを噴射する噴射口13と、ノズル本体11を下仕切板33に取り付けるための基板14とを備えている。
ノズル本体11は、矩形筒状を呈しており、ノズル本体11の矩形の長手方向の長さは、シート材Sの幅に合わせて約1mである。図3及び4は、ノズル本体11をシート材Sの走行方向に平行かつシート材Sの面に対して直角に切断した断面を示している。ノズル本体11の対向する内壁面11a、11b同士の間隔は、流入口12から噴射口13に向かって一律に拡大している。
各内壁面11a、11bの基端側には、下仕切板33と平行な方向に曲げ加工された接合部11cが形成されており、この接合部11cに矩形の基板14が面を重ね合わせて接合されている。基板14には、基板14を下仕切板33にボルト固定するための複数個のボルト孔15が形成されている。
流入口12及び噴射口13は、シート材Sの幅方向に長い開口形状を有すると共に、噴射口13の開口面積は、流入口12の開口面積以上の大きさとなっている。
流入口12は、基板14の面を貫通する略菱形の開口部であり、流入口12の略菱形の長手方向の長さは、シート材Sの幅に合わせて約1mである。図3及び4に示すように、流入口12の長手方向の中央部付近の開口幅aは、流入口12の長手方向の両端部付近の開口幅aよりも広くなっている。
噴射口13は、ノズル本体11の先端側の矩形の内壁面(各内壁面11a、11b及びこれらに直交する内壁面)により区画された矩形の開口部であり、噴射口13の矩形の長手方向の長さは、シート材Sの幅に合わせて約1mである。図3及び4に示すように、噴射口13の開口幅bは、噴射口13の長手方向に一定である。
図3及び4において、下ノズル10の各寸法は、流入口12の開口幅a=7mm、a=1.5mm、噴射口13の開口幅b=21mm、下ノズル10の突出長さc=87mmである。図中の左右方向に対して上側の内壁面11aがなす角度α及び下側の内壁面11bがなす角度βは互いに等しく、角度α=β=4.6度である。したがって、対向する内壁面11a、11b同士のなす角度θ=9.2度である。
上述のように構成された乾燥装置1の下乾燥室30の動作は次のとおりである。乾燥ガスとして取り込んだ外気を図略のヒーターにより加熱した後、加熱後の乾燥ガスが図略の送風機により下加圧ダクト31を経由して下加圧室34に送り込まれて加圧状態となる。一方、下負圧室35には、図略の排ガス処理部による吸引により下加圧ダクト31を経由して負圧が作用している。この下加圧室34と下負圧室35との圧力差によって、5個の下ノズル10からシート材Sの印刷面に向けて乾燥ガスが吹き付けられ、インキ組成物中の溶剤を揮発させて乾燥を行う。このとき、シート材Sは、裏面がガイドローラー38に接触して保持されているので揺れ動くことはなく、安定して乾燥が行われる。
ここで、下ノズル10の噴射口13から噴射する乾燥ガスの風速は12m/secであり、上ノズル20の噴射口から噴射する乾燥ガスの風速35m/secの約1/3の風速となっている。上乾燥室40の動作については、下乾燥室30と同様であるため説明を省略する。
このような本実施形態の構成によると、下ノズル10の噴射口13の開口面積は、流入口12の開口面積以上の大きさであり、ノズル本体11の対向する内壁面11a、11b同士の間隔は、流入口12から噴射口13に向かって一律に拡大している。これにより、噴射口13からシート材Sに向かって乾燥ガスを、従来のノズル(上ノズル20)よりも弱い風速でかつ広い範囲に吹き付けることができる。
したがって、本実施形態の下ノズル10を用いることによって、インキ組成物の表層に乾燥した膜を形成することなく、インキ組成物の表層から内部まで、比較的均等に乾燥を進行させることができる。これにより、乾燥後のシート材Sのインキ組成物に、揮発性有機溶剤が残留しにくくなる。
また、本実施形態の構成によると、下ノズル10の流入口12の長手方向の中央部付近の開口幅aは、流入口12の長手方向の両端部付近の開口幅aよりも広くなっている。これにより、流入口12の長手方向の中央部付近から両端部付近よりも大量の乾燥ガスが流入する。そして、噴射口13においても、噴射口13の長手方向の中央部付近から両端部付近よりも大量の乾燥ガスが噴射する。これにより、シート材Sの幅全体にわたってインキ組成物を均一に乾燥させることができる。
また、本実施形態の構成によると、シート材Sの走行方向の上流側に位置する下乾燥室30に本発明のノズルである下ノズル10を配設すると共に、シート材Sの走行方向の下流側に位置する上乾燥室40に従来のノズルである上ノズル20を配設している。このように、ノズル群のうちのシート材Sの走行方向の最上流から下流側に向けて並んだ複数個のノズルとして本発明のノズルを配設することにより、下流側に配設する場合よりも、インキ組成物の揮発性有機溶剤残留量を低減する効果を高めることができる。
なお、本発明のノズル及び乾燥装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、本実施形態における乾燥ガスは、図略のヒーターにより加熱されているが、加熱されていない乾燥ガスを用いることもできる。
また、本実施形態における下ノズル10は、ノズル本体11の対向する内壁面11a、11b同士のなす角度θを9.2度としているが、なす角度θは0<θ≦90度の範囲で自由に設定できる。また、本実施形態においては、各内壁面11a、11bの左右方向に対するなす角度α及びβを互いに等しい角度としているが、なす角度α及びβを互いに異なる角度としてもよい。
また、本実施形態においては、下乾燥室30に配設されるノズル群を全て本発明のノズル(下ノズル10)とし、上乾燥室40に配設されるノズル群を全て従来のノズル(上ノズル20)としているが、下乾燥室30に配設されるノズル群に従来のノズルが含まれていてもよいし、また、上乾燥室40に配設されるノズル群に本発明のノズルが含まれていてもよい。
また、本実施形態の乾燥装置1は、下乾燥室30と上乾燥室40との2室の乾燥室を有しているが、乾燥室の数は2室に限らず、1室又は3室以上としてもよい。
また、本実施形態においては、乾燥装置1によって幅約1mのシート材Sに印刷されたインキ組成物を乾燥しているが、シート材の幅はこれに限定されない。例えば、本実施形態の乾燥装置1に適宜改良を施すことによって、幅0.4〜2mのシート材に印刷されたインキ組成物を乾燥することが可能である。
また、本実施形態の乾燥装置1は、本実施形態とは細部構成の異なる各種印刷方式の乾燥装置として応用できることは言うまでもない。さらに、本実施形態の乾燥装置1は、例えば、食品包装フィルム(シート材)のドライラミネートや押出しラミネートにおいて、食品包装フィルムに塗布された接着剤を乾燥するための乾燥装置として応用できることも言うまでもない。
1 … 乾燥装置 10 … 下ノズル(ノズル)
11 … ノズル本体 11a … 内壁面
11b … 内壁面 12 … 流入口
13 … 噴射口
S … シート材 a、a … 開口幅
θ … なす角度

Claims (5)

  1. 帯状のシート材に塗布されたインキ組成物又は接着剤を乾燥するための乾燥ガスを該シート材の走行中に該シート材に向かって吹き付けるノズルであって、
    前記ノズルは、前記乾燥ガスが通過する筒状のノズル本体と、該ノズル本体の基端側に形成され該乾燥ガスが流入する流入口と、該ノズル本体の先端側に形成され該乾燥ガスを噴射する噴射口とを備え、
    前記流入口及び前記噴射口は、前記シート材の幅方向に長い開口形状を有すると共に、
    該噴射口の開口面積は、該流入口の開口面積以上の大きさであり、
    前記ノズル本体を前記シート材の走行方向に平行かつ該シート材の面に対して直角に切断した断面において、該ノズル本体の対向する内壁面同士の間隔が前記流入口から前記噴射口に向かって一律に拡大していることを特徴とするノズル。
  2. 前記ノズル本体を前記シート材の走行方向に平行かつ該シート材の面に対して直角に切断した断面において、該ノズル本体の対向する前記内壁面同士のなす角度θが0<θ≦90度であることを特徴とする請求項1に記載のノズル。
  3. 前記流入口は、該流入口の長手方向の中央部付近の開口幅が両端部付近の開口幅よりも広い開口形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル。
  4. 帯状のシート材に塗布されたインキ組成物又は接着剤を乾燥するための乾燥ガスを該シート材の走行中に該シート材に向かって吹き付ける該シート材の走行方向に並んだノズル群を備える乾燥装置であって、
    前記ノズル群のうちの少なくとも1つのノズルが請求項1〜3に記載の前記ノズルであることを特徴とする乾燥装置。
  5. 前記ノズル群のうちの前記シート材の走行方向の最上流から下流側に向けて並んだ複数個のノズルが請求項1〜3に記載の前記ノズルであることを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
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